JP2004241877A - 電気音響変換装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の電気信号変換装置1は、平面状の振動板2と、振動板2の裏面と対向する位置に配設された磁石8と、この磁石8の外周面を囲むように巻回されたコイル3とを備え、振動板2は、裏面にコイル3が固着されると共に外周端部が弾性を有する第1クッション部材4に支持され、コイル3に囲まれた磁石8は、弾性を有する第2クッション部材6を介して振動板2の裏面に積層して固着され、コイル3に通電することにより振動板2が面方向に振動するようになっている。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は電気音響変換装置に係わり、特に平面状の振動板を利用した薄型の電気音響変換装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、ノート型のパーソナルコンピュータや薄型のテレビ、もしくはデジタルビデオカメラ等種々の電子機器に用いられるスピーカ、またはマイクロホン等として薄型の電気音響変換装置が採用されている。
【0003】
このような従来の電気音響変換装置は、図13に示すように、アクリル等の透明材料により平面状に形成された振動板51が配設されている。
この振動板51の裏面と対向する側には、永久磁石からなる磁石52が配設され、この磁石52は、第1ヨーク53を介して振動板51と対向配置された基台54に固着されている。
また、振動板51の裏面と対向する部分の磁石52には、板状の第2ヨーク55が固着されている。この第2ヨーク55は、磁石52と外形が同じ大きさに形成されている。
前記ヨーク53は、断面が略コ字状に形成され、基部53aが基台54に接着剤等で固着されると共に、基部53aから一対の腕部53b、53bが互いに対向して振動板51側に所定長さで延長形成されている。
そして、一対の腕部53b、53bに挟まれた基部53aの中央部に磁石52が固着され、磁石52とそれぞれの腕部53b、53bとの間には、左右同寸法のギャップが形成されている。
【0004】
また、振動板51の裏面には、磁石52の周囲を囲むように内部が中空状に巻回されたコイル56が固着されている。また、振動板51の裏面における外周端部には、弾力性のあるクッション部材57が取り付けられている。このクッション部材57の下端部に基台54が取り付けられている。
【0005】
前述したような従来の電気音響変換装置の組立は、まず、振動板51の裏面の図示左端部寄りの位置にコイル56を接着剤(図示せず)等で接着すると共に、振動板51の裏面の外周端部にクッション部材57を接着する。
次に、予め第2ヨーク55を固着した磁石52を接着剤等で第1ヨーク53に固着し、この第1ヨーク53を基台54の所定位置に位置決め治具等を使って接着剤等で固着する。
次に、コイル56に対して、基台54に固着した第1ヨーク53の腕部53bが接触しないように、透明な振動板51を透して目視で確認しながら基台54をクッション部材57に接着する。
この時、コイル56の内周面と磁石52の外周面との間には、所定寸法のギャップが形成されるようになっている。
【0006】
このように組み立てられた従来の電気音響変換装置がスピーカの場合は、音信号を電気信号とした交流電流をコイル56に通電すると、フレーミングの法則に従い、磁石52の磁場と作用して、コイル56が振動板51の面に対して直交する方向である矢印Aの面方向に振動する。
このコイル56の振動に同期して、クッション部材57に支持した振動板51が所定の周波数で面方向に振動し、所定の大きさの音を出力可能になっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の電気信号変換装置は、組み立て時において、基台54に接着した第1ヨーク53の腕部53bと磁石52とがコイル56に接触しないように、目視で確認しながら基台54をクッション部材57に固着しなければならなかった。また、磁石52は、コイル56との間のギャップが一定になるように、第1ヨーク53の基部53aの中央部に固着しなければならなかった。
そのために、従来の電気信号変換装置は、組み立てに時間がかかり組立効率が悪くコストアップになる問題があった。
本発明は、前述したような課題に鑑みてなされたものであり、組立効率をアップしてコストダウンが可能な電気信号変換装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するための第1の解決手段として本発明の電気信号変換装置は、
平面状の振動板と、前記振動板の裏面と対向する位置に配設された磁石と、この磁石の外周面を囲むように巻回されたコイルとを備え、前記振動板は、前記裏面に前記コイルが固着されると共に外周端部が弾性を有する第1クッション部材に支持され、前記コイルに囲まれた前記磁石は、弾性を有する第2クッション部材を介して前記振動板の前記裏面に積層して固着され、
前記コイルに通電することにより前記振動板がこの振動板の面方向に振動するようにしたことを特徴とする。
【0009】
また、前記課題を解決するための第2の解決手段として、前記振動板の裏面には、板状の鉄心が取り付けられ、この鉄心に前記第2クッション部材が積層され、この第2クッション部材と前記磁石との間に板状のヨークが積層されていることを特徴とする。
【0010】
また、前記課題を解決するための第3の解決手段として、前記第1クッション部材は、一端部側が前記振動板の前記裏面に支持されると共に他端部側に前記磁石を固着した基台が支持され、この基台と前記磁石との間に所定寸法の隙間が形成されていることを特徴とする。
【0011】
また、前記課題を解決するための第4の解決手段として、前記振動板は、前記裏面の外周端部寄りに前記コイルを固着し、少なくとも前記コイルを固着した部分の厚さが前記コイルを固着しない部分に対して薄くなるように前記裏面に段差を設けたことを特徴とする。
【0012】
また、前記課題を解決するための第5の解決手段として、平面状の振動板と、この振動板の裏面と対向する位置に配設された磁石と、この磁石の外周面を囲むように巻回されたコイルとを備え、前記振動板は、前記裏面に前記コイルを固着すると共に外周端部がクッション部材に支持され、このクッション部材は、一端部側が前記振動板の前記裏面に支持されると共に他端部側に前記磁石を固着した基台が支持され、前記磁石は前記振動板の前記裏面と対向する側に板状のヨークが固着されると共に前記振動板の前記裏面との間の所定寸法の隙間が形成され、前記コイルに通電することにより、前記振動板がこの振動板の面方向に振動するようにしたことを特徴とする。
【0013】
また、前記課題を解決するための第6の解決手段として、前記振動板は、前記裏面の外周端部寄りに前記コイルが固着され、少なくとも前記コイルを固着した部分の厚さが前記コイルを固着しない部分に対して薄くなるように前記裏面に段差を設けたことを特徴とする。
【0014】
また、前記課題を解決するための第7の解決手段として、平面状の振動板と、渦巻き状に巻回されたコイルと、前記振動板の裏面と対向する位置に配設された磁石とを備え、前記振動板は、裏面に前記コイルが固着されると共に外周端部が弾性を有する第1クッション部材に支持され、前記磁石は、弾性を有する第2クッション部材を介して前記コイルに固着され、前記コイルに通電することにより、前記振動板がこの振動板の面方向に振動するようにしたことを特徴とする。
【0015】
また、前記課題を解決するための第8の解決手段として、前記第1クッション部材は、一端部側が前記振動板が支持されると共に他端部側に前記磁石を固着した基台が支持されていることを特徴とする。
【0016】
また、前記課題を解決するための第9の解決手段として、前記振動板は、外周部寄りの前記裏面に前記コイルを固着し、少なくとも前記コイルを固着した部分の厚さが前記コイルを固着しない部分に対して薄くなるように前記裏面に段差を設けたことを特徴とする。
【0017】
また、前記課題を解決するための第10の解決手段として、平面状の振動板と、前記振動板の裏面と対向する位置に配設された磁石と、この磁石の外周面を囲むように巻回されたコイルとを備え、このコイルは前記振動板の裏面に固着され、前記磁石は、磁性粉末を練り込みした弾性を有する磁性クッション部材を介して前記振動板に支持され、前記コイルに通電することにより前記振動板が前記磁性クッション部材を介して面方向に振動するようにしたことを特徴とする。
【0018】
また、前記課題を解決するための第11の解決手段として、前記磁性クッション部材は、前記磁性粉末を練り込みした部材と前記磁性粉末を練り込みしないクッション部材とを交互に複数積層して形成したことを特徴とする。
【0019】
また、前記課題を解決するための第12の解決手段として、前記コイルは、前記振動板の前記裏面の外周端部寄りに固着され、前記磁石は、前記振動板の裏面との間に所定の隙間を設けて配設され、前記磁性クッション部材は、前記コイルの外側に前記コイルを挟み込むように互いに対向して一対配設され、それぞれの一端部が前記振動板の前記裏面に固着されると共に、それぞれの他端部に前記磁石を固着したヨークが取付されていることを特徴とする。
【0020】
また、前記課題を解決するための第13の解決手段として、前記磁石は、前記コイルの内周側の前記裏面に固着した前記磁性クッション部材を介して前記振動板の前記裏面に固着されていることを特徴とする。
【0021】
また、前記課題を解決するための第14の解決手段として、前記振動板は、前記裏面の外周端部寄りに前記コイルを固着し、少なくとも前記コイルを固着した部分の厚さが前記コイルを固着しない部分に対して薄くなるように前記裏面に段差を設けたことを特徴とする。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に関する電気信号変換装置の実施の形態を図1〜図13に基づいて説明する。図1〜図3は本発明の第1の実施の形態を説明する図であり、図4は本発明の第2の実施の形態を説明する図であり、図5〜図7は本発明の第3の実施の形態を説明する図であり、図8〜図10は本発明の第4の実施の形態を説明する図であり、図11、図12は本発明の変形例を説明する図である。
【0023】
まず、本発明の第1の実施の形態の電気音響変換装置1は、図1、図2に示すように、最上部に透明なアクリル板等からなる振動板2が配設され、この振動板2は外形が略矩形状に形成されている。
前記振動板2の図示左側の一端部寄りの裏面には、後述する磁石8の外周面を囲むように巻回されたコイル3が接着剤等で固着されている。
また、振動板2は、裏面の外周端部の全周が弾力性のあるポリウレタン発泡体等からなる第1クッション部材4に支持されて、全体が矢印Bの面方向(図示上下方向)に振動可能になっている。
【0024】
また、振動板2の裏面でコイル3の内周部分には、コイル3に通電した時に発生する磁場をアップさせる作用がある、所定厚さの板状の鉄心5が固着されている。また、鉄心5の下面には、第1クッション部材4と同じように弾性を有する第2クッション部材6が固着され、この第2クッション部材6の下面に所定の板厚からなる板状のヨーク7を介して永久磁石からなる磁石8が取り付けられている。 即ち、コイル3の内周部における振動板2の裏面には、裏面側から鉄心5、第2クッション部材6、ヨーク7、磁石8が順番に積層されている。
また、ヨーク7は、磁石8の磁場を90°曲げてコイル3に流れる電流と直交させて、コイル3に発生する磁場と効率よく作用するようになっている。
また、鉄心5は、ヨーク7で90°曲げきれなかった磁石8の磁場を利用して、コイル3で発生する磁場をアップできるようになっている。
【0025】
また、ヨーク7および磁石8の外周面と、コイル3の内周面との間には、例えば0.2mm程度のギャップが形成されて、コイル3に所定の交流電流を通電することにより、ヨーク7および磁石8が矢印Bの面方向に振動可能になっている。
また、第1クッション部材4は、一端部である図示上部側が振動板2裏面の外周端部を支持し、他端部である図示下部側がアルミ板あるいは樹脂材料等の非磁性材料からなる基台9に支持されている。
【0026】
そして、第1クッション部材4の高さ寸法は、鉄心5、第2クッション部材6、ヨーク7、磁石8の積層寸法より大きく形成されているので、磁石8と基台9との間に所定寸法の隙間が形成されている。
即ち、磁石8は、第2クッション部材6を介して振動板2に吊り下げられた状態になっているので、交流電流を通電した時に発生するコイルの磁場に磁石の磁場が作用して、磁石8が振動板の面に対して直交ずる方向(図示上下方向)に振動可能になっている。
【0027】
前述したような本発明の電気音響変換装置1の組立は、振動板2裏面の図示左端部寄りの位置に、鉄心5、第2クッション部材6、ヨーク7、磁石8を順番に積層してそれぞれを接着剤等で固着する。
そして、コイル3の内周部を鉄心5の外周部でガイドしながら、コイル3を振動板2の裏面に密着させて接着剤等で振動板2の裏面に固着する。
この時、ヨーク7および磁石8とは、第2クッション6に積層して接着するときに、組み立て治具等で第2クッション部材6の適正位置に位置決めされているので、ヨーク7および磁石8の外周面とコイル3の内周面との間に、左右均一な隙間が形成される。
次に、第1クッション部材4の他端部である図示下端に基台9を接着することにより本発明の電気音響変換装置1が組み立てられている。
【0028】
このように組み立てられた本発明の電気音響変換装置1の動作を説明すると、コイル3に音信号を電気信号として所定の交流電流を通電する。
すると、コイル3に所定エネルギーの磁場が発生し、この磁場が磁石8の磁場に作用して、ヨーク7および磁石8が第2クッション部材6を介して振動板2の面に対して直交する方向に振動する。
前記磁石8が振動することで、第1クッション部材4に支持されている振動板2全体が、振動板2の面方向である矢印B方向に振動する。
【0029】
そして本発明の電気音響変換装置1がスピーカの場合は、振動板2が音信号に対応して振動することで、外部に対して所定周波数の音を出力するようになっている。
また、本発明の電気音響変換装置1がマイクロホンの場合は、外部からの音により振動板2が振動すると、この振動板の振動に同期してコイルが3振動して、コイル3に誘導起電力が発生する。
この誘導起電力によって生じた電流の電気信号を音信号として入力するようになっている。
【0030】
また、本発明の第1の実施の形態では、振動板2に吊り下げた磁石8と基台9との間に隙間を形成した物で説明したが、変形例として、図3に示すように磁石8と基台9との間の隙間をなくして磁石8を基台9に固着した物でも良い。
このような第1の実施の形態の変形例の動作は、所定の交流電流を通電してコイル3に発生する磁場によって、第2クッション部材6を介してコイル3が上下方向に振動する。このコイル3の振動で第1クッション部材4に支持された振動板2が矢印Bの面方向に振動するようになっている。
このような第1の実施の形態の変形例の電気音響変換装置1は、振動板2の裏面に鉄心5、第2クッション部材6、ヨーク7、磁石8を振動板2に順番に積層して組み立てることができ、組立性が良い。
【0031】
また、本発明の第2の実施の形態の電気音響変換装置11を図4に基づいて説明する。そして、第1の実施の形態と同じ部材については、第1の実施の形態と同じ番号を付して詳細な説明は省略する。
まず、第2の実施の形態の電気音響変換装置11は、振動板2の裏面に第1の実施の形態と同様のコイル3、クッション部材4、鉄心5が固着されている。
また、磁石8は、ヨーク7を介して、鉄心5との間に所定寸法の隙間Gを有して第1クッション部材4の下端に取り付けた基台9に固着されている。
このような第2の実施の形態は、第1の実施の形態の第2クッション部材6をなくすることができ、組み立て工数を削減できる。
【0032】
また、本発明の第3の実施の形態の電気音響変換装置21を図5〜図7に基づいて説明する。まず、第3の実施の形態の電気音響変換装置21は、第1の実施の形態と同じ振動板2を有し、この振動板2の裏面の図示左端部寄りの位置に、渦巻き状に巻回されて外形が楕円形状のコイル23が固着されている。
また、振動板2は、裏面の外周端部が第1の実施の形態と材質が同じ第1クッション部材24に支持されている。また、コイル23の下面には、コイル23と外形が同じ楕円形状に形成された第2クッション部材25と磁石26とが積層されて固着されている。
【0033】
また、第1クッション部材4の高さ寸法は、コイル23第2クッション部材25、磁石26の積層寸法より大きく形成されているので、磁石26と基台27との間に所定寸法の隙間が形成されている。
即ち、磁石26は、第2クッション部材25とコイル23とを介して振動板2に吊り下げられた状態になっている。
【0034】
このような第3の実施の形態の電気音響変換装置21の動作を説明すると、コイル23に所定の交流電流を通電してコイル23に発生する磁場が磁石26の磁場に作用して、第2クッション部材25を介して磁石26が振動板2の面と直交する方向に振動する。
この磁石8が振動することにより、第1クッション部材24に支持されている振動板2の全体が矢印Bの面方向に振動するようになっている。
このような第3の実施の形態は、部品点数が少ないので、組立工数を削減して組立効率を向上させることができる。
【0035】
また、本発明の第4の実施の形態の電気音響変換装置31は、図8に示すように、第1の実施の形態と同じ振動板2と、この振動板2裏面の図示左端部寄りの位置にコイル33が固着され、このコイル33の外側には、磁性粉末をポリウレタン発泡体等をバインダーとして練り込みして成形した一対の磁性クッション部材34、34が固着されている。
また、コイル33の内周部には、永久磁石からなる磁石35が配設され、この磁石35は、磁性クッション部材34の下端部に接着した第1ヨーク36に固着されている。そのために、磁性粉を練り込みした磁性クッション部材34を、ヨーク36の一部とすることができる。
また、磁石35には、振動板2の裏面と対向する側に第2ヨーク37が固着されて、磁石35の磁場を90°曲げてコイル33に流れる電流と直交させるようになっている。そして、第2ヨーク37と振動板2の裏面との間には、所定寸法の隙間が形成されている。
【0036】
前記磁性クッション部材34は、磁性粉を練り込みすると弾力性が劣化するので、例えば図9に示すように、磁性粉を練り込みしたクッション部材34aと磁性粉を練り込みしないクッション部材34bとを交互に積層することにより、弾力性の劣化をカバーすることが可能である。
このような第4の実施の形態は、コイル33に通電することにより磁性クッション部材34を介して振動板2が面方向に振動するようになっている。
そして、第4の実施の形態は、第1〜第3の実施の形態で用いていた第1クッション部材4、24をなくすることができ、部品点数を削減でき組立性を向上させることができる。
【0037】
また、第4の実施の形態は、磁石35を第1〜第3の実施の形態よりも振動板2の外周端部寄りに位置させることができ、振動板2の額縁幅Cを狭くすることができる。そのために、透明な振動板2の実効表示範囲を大きくすることができる。
また、第4の実施の形態の変形例として、図10に示すように、電気音響変換装置41は、振動板2裏面の図示左端部寄りに、磁石35と同じ形状に形成した磁性クッション部材42が固着され、この磁性クッション部材42の下面に磁石35および断面がコ字状のヨーク43が積層されて固着されている。そして、磁性クッション部材34および磁石35を囲むようにコイル33を振動板2裏面の図示左端部に固着したものでも良い。
【0038】
また、本発明の第1、第2、第3、第4の実施の形態に用いた振動板2を平面状の物で説明したが、振動板2に段差2aを形成した物でも良い。
このような振動板2の変形例を、例えば図11、図12に示すような、電気音響変換装置1’に用いた物で説明すると、振動板2は、少なくともコイル3を固着した部分の厚さが、コイル3を固着しない部分に対して薄くなるように裏面に所定寸法の段差2aが形成されている。
前記段差2aは、コイル3を固着した部分だけでなく、図12に示すように、振動板2の外周の全周に形成した物でも良い。
このような振動板2に段差2aを付けることにより、本発明の第1〜第4の実施の形態の電気音響変換装置の薄型化が可能になる。
【0039】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の電気音響変換装置の振動板は、裏面にコイルが固着されると共に外周端部が弾性を有する第1クッション部材に支持され、コイルに囲まれた磁石は、弾性を有する第2クッション部材を介して振動板の裏面に積層して固着され、コイルに通電することにより振動板がこの振動板の面方向に振動するようにしたので、振動板に第2クッション部材を介して磁石を積層して組み立てることができる。
そのために、組立効率がアップしてコストダウンが可能な電気音響変換装置を提供できる。
【0040】
また、前記振動板の裏面には、板状の鉄心が取り付けられ、この鉄心に前記第2クッション部材が積層され、この第2クッション部材と前記磁石との間に板状のヨークが積層されているので、ヨークによって磁石の磁場を90°曲げきれなかった磁石の磁場を鉄心で利用することにより、コイルで発生する磁場をアップさせて、磁石の磁場との反発力吸着力を強くすることができる。
そのために、振動板を高精度に振動させることができる。
【0041】
また、第1クッション部材は、一端部側が振動板の裏面に支持されと共に他端部側に磁石を固着した基台が支持され、この基台と磁石との間に所定寸法の隙間が形成されているので、コイルに通電することで磁石を確実に振動させることができる。
【0042】
また、振動板は、少なくともコイルを固着した部分の厚さがコイルを固着しない部分に対して薄くなるように裏面に段差を設けたので、薄型の電気音響変換装置を提供できる。
【0043】
また、基台に固着された磁石は、振動板の裏面と対向する側に板状のヨークが固着されると共に振動板の裏面との間に所定寸法の隙間が形成され、コイルに通電することにより、振動板が面方向に振動するようにしたので、第1の実施の形態に使用していた第2クッション部材が不要になり、部品点数が少なくて組立効率をアップさせることができる。
【0044】
また、振動板は、少なくともコイルを固着した部分の厚さがコイルを固着しない部分に対して薄くなるように裏面に段差を設けたので、薄型化が可能である。
【0045】
また、振動板は、裏面に渦巻き状に巻回したコイルが固着されると共に外周端部が弾性を有する第1クッション部材に支持され、磁石は、弾性を有する第2クッション部材を介してコイルに固着され、コイルに通電することにより、振動板が面方向に振動するようにしたので、部品点数が少なくて組立効率の良い電気音響反感装置を提供できる。
【0046】
また、第1クッション部材は、一端部側が振動板が支持されると共に他端部側に磁石を固着した基台が支持されているので、コイルに通電することで磁石を確実に振動させることができる。
【0047】
また、振動板は、少なくとも前記コイルを固着した部分の厚さがコイルを固着しない部分に対して薄くなるように裏面に段差を設けたので、薄型化が可能である。
【0048】
また、磁石は、磁性粉末を練り込みした弾性を有する磁性クッション部材を介して振動板に支持され、コイルに通電することにより振動板が前記磁性クッションを介して面方向に振動するようにしたので、部品点数が少なくて組立効率の良い電気音響変換装置を提供できる。
【0049】
また、磁性クッション部材は、磁性粉末を練り込みした部材と磁性粉末を練り込みしないクッション部材とを交互に複数積層して形成したので、弾力性に優れた磁性クッション部材を形成できる。
【0050】
また、磁性クッションは、コイルの外側にコイルを挟み込むように互いに対向して一対配設され、それぞれの一端部が振動板の裏面に固着されると共に、それぞれの他端部に磁石を固着したヨークが取付されているので、磁性クッション部材の磁場をアップさせて、振動板を確実に振動させることができる。
【0051】
また、磁石は、コイルの内周側の裏面に固着した磁性クッションを介して振動板の裏面に固着されているので、組立が容易である。
【0052】
また、振動板は、少なくともコイルを固着した部分の厚さがコイルを固着しない部分に対して薄くなるように裏面に段差を設けたので、薄型化が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を説明する図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態を説明する平面図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態を説明する図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態を説明する図である。
【図5】本発明の第3の実施の形態を説明する図である。
【図6】本発明の第3の実施の形態におけるコイルの概略図である。
【図7】本発明の第3の実施の形態を説明する平面図である。
【図8】本発明の第4の実施の形態を説明する図である。
【図9】本発明の第4の実施の形態における磁性クッションの要部断面図である。
【図10】本発明の第4の実施の形態を説明する図である。
【図11】本発明の変形例を説明する図である。
【図12】本発明の変形例を説明する平面図である。
【図13】従来の電気信号変換装置を説明する要部断面図である。
【符号の説明】
1 第1の実施の形態の電気音響変換装置
2 振動板
3 コイル
4 第1クッション部材
5 鉄心
6 第2クッション部材
7 ヨーク
8 磁石
9 基台
11 第2の実施の形態の電気音響変換装置
21 第3の実施の形態の電気音響変換装置
31 第4の実施の形態の電気音響変換装置
34 磁性クッション
Claims (14)
- 平面状の振動板と、前記振動板の裏面と対向する位置に配設された磁石と、この磁石の外周面を囲むように巻回されたコイルとを備え、前記振動板は、前記裏面に前記コイルが固着されると共に外周端部が弾性を有する第1クッション部材に支持され、前記コイルに囲まれた前記磁石は、弾性を有する第2クッション部材を介して前記振動板の前記裏面に積層して固着され、
前記コイルに通電することにより前記振動板がこの振動板の面方向に振動するようにしたことを特徴とする電気音響変換装置。 - 前記振動板の裏面には、板状の鉄心が取り付けられ、この鉄心に前記第2クッション部材が積層され、この第2クッション部材と前記磁石との間に板状のヨークが積層されていることを特徴とする請求項1記載の電気音響変換装置。
- 前記第1クッション部材は、一端部側が前記振動板の前記裏面に支持されると共に他端部側に前記磁石を固着した基台が支持され、この基台と前記磁石との間に所定寸法の隙間が形成されていることを特徴とする請求項1または2記載の電気音響変換装置。
- 前記振動板は、前記裏面の外周端部寄りに前記コイルを固着し、少なくとも前記コイルを固着した部分の厚さが前記コイルを固着しない部分に対して薄くなるように前記裏面に段差を設けたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の電気音響変換装置。
- 平面状の振動板と、この振動板の裏面と対向する位置に配設された磁石と、この磁石の外周面を囲むように巻回されたコイルとを備え、前記振動板は、前記裏面に前記コイルを固着すると共に外周端部がクッション部材に支持され、このクッション部材は、一端部側が前記振動板の前記裏面に支持されると共に他端部側に前記磁石を固着した基台が支持され、前記磁石は前記振動板の前記裏面と対向する側に板状のヨークが固着されると共に前記振動板の前記裏面との間の所定寸法の隙間が形成され、前記コイルに通電することにより、前記振動板がこの振動板の面方向に振動するようにしたことを特徴とする電気音響変換装置。
- 前記振動板は、前記裏面の外周端部寄りに前記コイルが固着され、少なくとも前記コイルを固着した部分の厚さが前記コイルを固着しない部分に対して薄くなるように前記裏面に段差を設けたことを特徴とする請求項5記載の電気音響変換装置。
- 平面状の振動板と、渦巻き状に巻回されたコイルと、前記振動板の裏面と対向する位置に配設された磁石とを備え、前記振動板は、裏面に前記コイルが固着されると共に外周端部が弾性を有する第1クッション部材に支持され、前記磁石は、弾性を有する第2クッション部材を介して前記コイルに固着され、前記コイルに通電することにより、前記振動板がこの振動板の面方向に振動するようにしたことを特徴とする電気音響変換装置。
- 前記第1クッション部材は、一端部側が前記振動板が支持されると共に他端部側に前記磁石を固着した基台が支持されていることを特徴とする請求項7記載の電気音響変換装置。
- 前記振動板は、外周部寄りの前記裏面に前記コイルを固着し、少なくとも前記コイルを固着した部分の厚さが前記コイルを固着しない部分に対して薄くなるように前記裏面に段差を設けたことを特徴とする請求項7または8記載の電気音響変換装置。
- 平面状の振動板と、前記振動板の裏面と対向する位置に配設された磁石と、この磁石の外周面を囲むように巻回されたコイルとを備え、このコイルは前記振動板の裏面に固着され、前記磁石は、磁性粉末を練り込みした弾性を有する磁性クッション部材を介して前記振動板に支持され、前記コイルに通電することにより前記振動板が前記磁性クッション部材を介して面方向に振動するようにしたことを特徴とする電気音響変換装置。
- 前記磁性クッション部材は、前記磁性粉末を練り込みした部材と前記磁性粉末を練り込みしないクッション部材とを交互に複数積層して形成したことを特徴とする請求項10記載の電気音響変換装置。
- 前記コイルは、前記振動板の前記裏面の外周端部寄りに固着され、前記磁石は、前記振動板の裏面との間に所定の隙間を設けて配設され、前記磁性クッション部材は、前記コイルの外側に前記コイルを挟み込むように互いに対向して一対配設され、それぞれの一端部が前記振動板の前記裏面に固着されると共に、それぞれの他端部に前記磁石を固着したヨークが取付されていることを特徴とする請求項10または11記載の電気音響変換装置。
- 前記磁石は、前記コイルの内周側の前記裏面に固着した前記磁性クッション部材を介して前記振動板の前記裏面に固着されていることを特徴とする請求項10または11記載の電気音響変換装置。
- 前記振動板は、前記裏面の外周端部寄りに前記コイルを固着し、少なくとも前記コイルを固着した部分の厚さが前記コイルを固着しない部分に対して薄くなるように前記裏面に段差を設けたことを特徴とする請求項10乃至13のいずれかに記載の電気音響変換装置。
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---|---|---|---|
JP2003026662A JP2004241877A (ja) | 2003-02-04 | 2003-02-04 | 電気音響変換装置 |
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JP2003026662A JP2004241877A (ja) | 2003-02-04 | 2003-02-04 | 電気音響変換装置 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008516509A (ja) * | 2004-10-08 | 2008-05-15 | コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ | パネル音響トランスデューサを有する表示装置及び透光性パネル音響トランスデューサ |
JP2018026774A (ja) * | 2016-08-12 | 2018-02-15 | ▲隆▼造 宇田川 | 小型情機器のディスプレイマイク スマートデバイスと携帯の相互同時操作機能を可能とするディスプレイマイク |
-
2003
- 2003-02-04 JP JP2003026662A patent/JP2004241877A/ja active Pending
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