JP2004241043A - 磁気ディスクメモリ装置と書き込み方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】高周波数まで高精度にヘッドオープン異常を検出し、大量データを高速に書込む磁気ディスクメモリ装置と書き込み方法を提供する。
【解決手段】書き込みデータに従ってライトヘッドの両端の第1と第2端子に向けて電圧を供給する第1又は第2トランジスタをオン状態とし、第1と第2端子に向けて電流を形成する第3又は第4トランジスタをオン状態としてライトヘッドに対して双方向の書き込み電流を流す書き込み動作を行い、かかる書き込み動作以外において、上記第1〜第4トランジスタのそれぞれが所定の電流を流し、かつ磁気ディスクの記録面への実質的な書き込みが行われない微小電流が上記ライトヘッドに流れるような制御電圧を上記第1〜第4トランジスタのベースに供給し、上記第1と第2端子間電圧を検出してライト系回路の異常判定出力を得る。異常検出出力があったときに上記書き込み動作を制限して書き込みベリファイを省略する。
【選択図】 図1
【解決手段】書き込みデータに従ってライトヘッドの両端の第1と第2端子に向けて電圧を供給する第1又は第2トランジスタをオン状態とし、第1と第2端子に向けて電流を形成する第3又は第4トランジスタをオン状態としてライトヘッドに対して双方向の書き込み電流を流す書き込み動作を行い、かかる書き込み動作以外において、上記第1〜第4トランジスタのそれぞれが所定の電流を流し、かつ磁気ディスクの記録面への実質的な書き込みが行われない微小電流が上記ライトヘッドに流れるような制御電圧を上記第1〜第4トランジスタのベースに供給し、上記第1と第2端子間電圧を検出してライト系回路の異常判定出力を得る。異常検出出力があったときに上記書き込み動作を制限して書き込みベリファイを省略する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、磁気ディスクメモリ装置と書き込み方法に関し、例えば読み出しヘッドとしてMR(磁気抵抗効果素子)ヘッドを使用し、書き込みヘッドとしてインダクティブヘッドを使用した複合ヘッドを備えた磁気ディスクメモリ装置におけるライト系回路の異常検出を行うものに利用して有効な技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
書き込みデータの周波数が低いときには、データ切り換え直後にヘッド端子にはフライバック電圧が発生し、その後に書き込み電流とインダクティブヘッドの抵抗成分による直流電圧が発生するので、かかる直流電圧を利用してヘッド端子のオープン異常を検出することができる。しかしながら、図19に示すようにフライバック電圧発生期間に次の入力データが変化するような高周波数になると、上記インダクティブヘッドの抵抗成分に発生する直流電圧を利用することができなくなる。そこで、図18に示すように出力をオープンにしたダミー回路12を設け、図19のようにライトドライバ11との出力波形とをコンパレータ21と22からなる比較回路で比較し、差電圧をフィルタ23で平滑して電圧比較回路14により基準電圧Vrefと比較してヘッドオープン異常を検出するようにした技術が、特開平11−025434号公報により提案されている。
【0003】
【特許文献1】
特開平11−025434号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献1の技術においては、ライトドライバ11とダミー回路12を構成する回路の素子特性のバツラキの影響を受ける。また、これに加えて、ダミー回路12は、出力端子には何も接続されないのに対して、ライトドライバ11は、ヘッドオープン不良が発生しても出力端子からインダクティブヘッドのオープン箇所に至るまので間に配線や一部のインダクタンス成分が負荷として残ってしまう。このため、同じオープン状態であるにもかかわらずに、上記ダミー回路12とは回路条件が異なり、ライトドライバ11の出力波形とダミー回路12の出力波形の差電圧が様々となってしまう。したがって、上記ダミー回路12を用いた回路では、正常動作時とオープン時との識別を困難にする。特に、動作周波数が高くなるに従い上記インダクティブヘッドのオープン箇所に至るまので間の配線や一部のインダクタンス成分の影響を大きく受けるために差電圧の識別が難しくなる。
【0005】
さらには、書き込み動作中に正常/異常の検出を行うものであるために、既に入力された書き込みデータによる書き込み動作を無効として、上記書き込みデータを保持した上で改めて当該書き込みデータを代替ヘッド等に切り換えて書き込みを行うようにする必要があるので動作速度が遅くなり、書き込みデータを常に記憶しておく必要があるなど使い勝手が悪い。
【0006】
本発明の目的は、高周波数まで高い精度で安定的にヘッド端子のオープン異常を検出することができる磁気ディスクメモリ装置を提供することにある。この発明の他の目的は、大量のデータを高速に書き込むことができる磁気ディスクメモリ装置の書き込み方法を提供することにある。本発明の前記ならびにそのほかの目的と特徴は、本明細書の記述および添付図面からあきらかになるであろう。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば下記のとおりである。書き込み制御回路により書き込みデータに従って、ライトヘッドの両端に接続された第1と第2端子に向けて電圧を供給する第1又は第2トランジスタのいずれか一方をオン状態とし、上記第1と第2端子に向けて電流を形成する第3又は第4トランジスタのいずれか一方をオン状態として上記ライトヘッドに対して双方向の書き込み電流を流すという書き込み動作を行い、かかる書き込み動作以外の所定の動作期間において、上記第1と第2及び第3と第4トランジスタのそれぞれが所定の電流を流し、かつ、磁気ディスクの記録面への実質的な書き込みが行われない微小電流が上記ライトヘッドに流れるような制御電圧を上記第1ないし第4トランジスタのベースに供給し、異常検出回路により上記第1と第2端子間電圧を検出してライト系回路の異常判定出力を得る。
【0008】
本願において開示される発明のうち、他の代表的なものの概要を簡単に説明すれば下記のとおりである。書き込みデータに従ってライトヘッドの両端が接続された第1と第2端子に向けて電圧を供給する第1又は第2トランジスタのいずれか一方をオン状態とし、上記第1と第2端子に向けた電流を形成する第3又は第4トランジスタのいずれか一方をオン状態として上記ライトヘッドに対して双方向の書き込み電流を流すという書き込み動作を行い、上記書き込み動作以外の所定の動作期間において、上記第1と第2及び第3と第4トランジスタのそれぞれに所定の電流を流し、かつ、磁気ディスクの記録面への実質的な書き込みが行われない微小電流を上記ライトヘッドに流すようにし、上記第1端子と第2端子間の異常電圧を検出し、かかる異常検出出力により上記書き込み動作を制限する。
【0009】
【発明の実施の形態】
図1には、この発明に係る磁気ディスクメモリ装置に設けられる書き込み回路の一実施例の回路図が示されている。正の電源電圧VCC(例えば+5V)側に設けられた電流源I0の電流は、PNP型の差動トランジスタQ1,Q2のエミッタに供給される。これらの差動トランジスタQ1とQ2のベースには、制御信号CY’とCX’がそれぞれに供給される。
【0010】
上記差動トランジスタQ1のコレクタには、ダイオード接続のNPN型のトランジスタQ3が接続される。このトランジスタQ3には、電流ミラー形態にNPN型のトランジスタQ4が接続される。上記トランジスタQ3のエミッタと負電圧VEEとの間には、エミッタ抵抗R3が設けられる。上記差動トランジスタQ2のコレクタには、ダイオード接続のNPN型のトランジスタQ5が接続される。このトランジスタQ5には、電流ミラー形態にNPN型のトランジスタQ6が接続される。上記トランジスタQ5のエミッタと負の電源電圧VEE(例えば−5V)との間には、エミッタ抵抗R5が設けられる。そして、上記トランジスタQ4とQ6のエミッタは、共通接続されて上記エミッタ抵抗R3に対応したエミッタ抵抗R4が設けられる。
【0011】
上記トランジスタQ4のコレクタは、第1端子INDXに接続され、上記トランジスタQ6のコレクタは、第2端子INDYに接続される。これらの第1端子INDXと第2端子INDYとの間には、ヘッド(インダクティブヘッド)が接続される。上記第1端子INDXと上記電源電圧VCCとの間には、NPN型のトランジスタQ7と抵抗R1が直列に接続される。上記第2端子INDYと上記電源電圧VCCとの間には、NPN型のトランジスタQ8と抵抗R2が直列に接続される。
【0012】
上記トランジスタQ7のベースには、PチャネルMOSFETM1を介して動作電圧VR1が与えられ、NチャネルMOSFETM2によりベースとエミッタとが短絡させられる。上記MOSFETM1とM2のゲートには、制御信号CXが供給される。上記トランジスタQ8のベースには、PチャネルMOSFETM3を介して動作電圧VR2が与えられ、NチャネルMOSFETM4によりベースとエミッタとが短絡させられる。上記MOSFETM3とM4のゲートには、制御信号CXが供給される。
【0013】
図2には、ヘッドオープンを含むライト系回路の異常検出回路の一実施例のブロック図が示されている。アンプA1の正相入力(+)と逆相入力(−)には、第1端子INDXと接地電位GNDの電圧が供給される。このアンプA1の出力信号は、レベルシフト回路LS1によりレベルシフトされてコンパレータCP1の正相入力(+)に供給される。このコンパレータCP1の逆相入力(−)には、リファレンス電圧が供給される。
【0014】
アンプA2の逆相入力(−)と正相入力(+)には、上記アンプA1とはとは違って第二端子INDYと接地電位GNDの電圧が供給される。このアンプA2の出力信号は、レベルシフト回路LS2によりレベルシフトされてコンパレータCP2の正相入力(+)に供給される。このコンパレータCP2の逆相入力(−)には、リファレンス電圧が供給される。上記リファレンス電圧は、特に制限されないが、リードライトIC及びインダクティブヘッドが非故障状態ならばINDX及びINDYはGND付近の電位を持ち、上記第1端子INDXと接地電位GND及び第2端子INDYと接地電位GNDの電位が等しいときのアンプA1,A2の出力電圧に対応したものとされる。
【0015】
上記2つのコンパレータCP1とCP2の出力信号は、オアゲート回路G1を通してラッチ回路FFに保持される。このラッチ回路FFの出力信号は、信号RWMにより制御されるゲート回路G2を通して異常検出信号FAILとして出力される。
【0016】
図3には、図1の書き込み回路の動作を説明するための波形図が示されている。ライトモードのときには、相補(差動)のライトデータに対応して制御信号CX,CX’及びCY,CY’が回路の接地電位GNDと電源電圧VCCの間でフル振幅するように変化する。例えば、制御信号CX,CX’がハイレベル(VCC)で、制御信号CY,CY’がロウレベル(GND)のときには、上記制御信号CY’のロウレベルに対応してPNP差動トランジスタQ1がオン状態になり、制御信号CX’のハイレベルに対応してPNP差動トランジスタQ2がオフ状態になる。これにより、電流源I0で形成された電流は、上記トランジスタQ1側に流れる。
【0017】
上記制御信号CYのロウレベルに対応してPチャネルMOSFETM3がオン状態に、NチャネルMOSFETQ4がオフ状態になる。上記制御信号CXのハイレベルに対応してPチャネルMOSFETM1がオフ状態となり、NチャネルMOSFETM2がオン状態になる。上記MOSFETM2のオン状態により、トランジスタQ7は、ベースとエミッタとが短絡されてオフ状態となる。したがって、トランジスタQ1に流れる電流源I0の電流は、電流ミラー形態のトランジスタQ3とQ4により、そのミラー比(例えば1:10)に対応して10倍に拡大された吸い込み電流を形成する。
【0018】
このとき、トランジスタQ7がオフ状態であるから、上記トランジスタQ4で形成された吸い込み電流は、書き込み電流Iwとして端子INDXを介してヘッドに流れるようにされる。トランジスタQ6はオフ状態で電流が流れないから、上記ヘッドに流れる電流は、オン状態にされているトランジスタQ8から供給されることとなる。つまり、トランジスタQ8は、上記ヘッド電流Iwを供給するとともに上記端子INDYの電位をほぼ0Vのグランドレベル(GND)にクランプする。このため、VR2(=VR1)=Iw×R2+Vbeようにされる。ここで、Iw=I0×10であり、VbeトランジスタQ8(Q7)のベース,エミッタ間電圧である。これにより、グランドレベルにされた磁気記録面とヘッドとの僅かな隙間での放電現象の発生を防止する。
【0019】
ライトデータが変化して制御信号CX,CX’がロウレベル(GND)で、制御信号CY,CY’がハイレベル(VCC)に変化すると、上記制御信号CX’のロウレベルに対応してPNP差動トランジスタQ2がオン状態になり、制御信号CY’のハイレベルに対応してPNP差動トランジスタQ1がオフ状態になる。また、上記制御信号CXのロウレベルに対応してPチャネルMOSFETM1がオン状態に、NチャネルMOSFETQ2がオフ状態になりトランジスタQ7をオン状態にする。上記制御信号CYのハイレベルに対応してPチャネルMOSFETM3がオフ状態となり、NチャネルMOSFETM4がオン状態になりトランジスタQ8をオフ状態とする。これにより、ヘッドには前記とは逆方向に書き込み電流Iw(−10×I0)が流れる。
【0020】
リードモードでは、書き込み回路に対して異常検出動作が指示される。一般的には、上記制御信号CX’とCY’を共にハイレベルにして、トランジスタQ1とQ2を共にオフ状態にし、ライトヘッドには電流が流れないようにする。つまり、リードモードにおいて書き込み回路は非動作状態に置かれるのが普通である。しかしながら、この実施例では、書き込み回路には、異常検出機能を持たせるために、例えば制御信号CX’は、接地電位(GND)に対して僅かに低い負の電圧とされ、制御信号CY’は、接地電位(GND)に対して僅かに高い正の電圧とされる。また、制御信号CXとCYは共にロウレベルにする。そして、電圧VR1とVR2は、後述するような所定電圧に設定される。
【0021】
上記のような制御信号CX’とCY’の電圧差に対応して差動トランジスタQ1とQ2には、上記電流源I0の電流を分配するように流す。例えば、図1に示されているように、トランジスタQ4に流れる電流をI1とするなら、トランジスタQ6に流れる電流を2倍のI1(2×I1)のようにする。これにより、ヘッドにはその差分の電流I1が端子INDXからINDYに向けて流れるようにされる。
【0022】
上記のようなトランジスタQ4とQ6及びヘッドに流れる電流に対応して、トランジスタQ7からは2倍のI1(2×I1)の電流が供給され、トランジスタQ8からは電流I1が流れるようにされて、上記ヘッドを含むブリッジ回路に流れる各電流がバランスされる。このとき、重要なことは、上記電流I1がヘッドに流れても磁気ディスクの記録面には磁気的な変化を生じさせないことである。このため、上記電流I1は微小な電流に設定される。図1の回路では、電流源I0の電流を10倍した電流を3等分して電流I1を形成するようにしているが、上記書き込み電流Iwの1/3もの電流をヘッドに流すと、記録データを失わせる虞れがあるなら、後述するように上記電流I0の電流値そのものがリードモードでは小さくなるように切り換えられる。つまり、上記電流I1を上記記録面への書き込みが行われないような電流値として考えると、電流源I0の電流I0’は、3×0.1×I1のように設定される。
【0023】
同図のように電圧VR1=2×I1×R1+Vbeとされ、電圧VR2=1×I1×R2+Vbeとされる。書き込み回路が正常でヘッドも正常ならば、端子INDXとINDYの電位は、ほぼ同じグランド電圧(GND)となる。この端子INDXとINDYの電圧をアンプA1とA2により増幅し、それをレベルシフトした電圧は上記リファレンス電圧より低くなり、図2のコンパレータCP1とCP2において、それぞれの出力は共にロウレベルとなり、異常検出信号FAILはロウレベルとなって正常状態であることを出力する。
【0024】
図4には、図1の書き込み回路のヘッドオープン異常状態の一例の回路図が示されている。同図のように端子INDXとヘッドとの間が断線した場合(ヘッドが途中断線した場合、あるいは端子INDYとヘッドとの間が断線した場合も同様)には、かかる電流経路に電流が流れなくなる。したがって、図6の動作電圧図に示すように、リードモード(ヘッド異常)時には、トランジスタQ4とQ6によりアンバランスにされた電流I1と2×I1は、それぞれに対応したトランジスタQ7とQ8からの電流供給を受けて流れるものとなる。このため、正常時に比べてトランジスタQ7に流れる電流が減少し、抵抗R1での電圧降下が小さくなる分だけ端子INDXの電位が上記正常時に比べて上昇する。また、正常時に比べてトランジスタQ8に流れる電流が増加し、抵抗R2での電圧降下が大きくなる分だけ端子INDYの電位が正常時に比べて低下する。
【0025】
図5に示すように、異常検出回路では上記端子INDXの電位の上昇が上記レベルシフト回路LS1のレベルシフト量を超えたことをコンパレータCP1で検出してハイレベルの異常検出信号を形成し、上記端子INDYの電位の低下が上記レベルシフト回路LS1のレベルシフト量を超えたことをコンパレータCP2で検出してハイレベルの異常検出信号を形成する。つまり、ヘッド故障(オープン)時には、このときはコンパレータCP1,CP2の両方が故障を検出するものとなる。
【0026】
図7には、図1の書き込み回路の素子異常状態の一例の回路図が示されている。同図のようにトランジスタQ7が破壊したとき、かかるトランジスタQ7に流れる電流が0になる。したがって、図9の動作電圧図に示すように、リードモード(素子異常)時には、トランジスタQ4とQ6によりアンバランスにされた電流I1と2×I1は、トランジスタQ8からの電流供給を受けて流れるものとなる。このため、正常時に比べてヘッドに流れる電流が逆向きとなり、トランジスタQ8に流れる電流がトランジスタQ4に流れる分だけ増加して、抵抗R2での電圧降下を大きくするので端子INDYの電位が正常時に比べて低下する。この端子INDYの電位に従って低抵抗値のヘッドを介して端子INDXの電位も低下する。
【0027】
図8に示すように、異常検出回路では上記端子INDYの電位の低下が上記レベルシフト回路LS1のレベルシフト量を超えたことをコンパレータCP2で検出してハイレベルの異常検出信号を形成し、上記端子INDYの電位の低下が上記レベルシフト回路LS1のレベルシフト量を超えたことをコンパレータCP2で検出してハイレベルの異常検出信号を形成する。つまり、トランジスタQ7が破壊されたような回路素子異常の時には、このときはコンパレータCP2が故障を検出するものとなる。図示しないが、トランジスタQ8が破壊して電流が流れなくなると、トランジスタQ7に流れる電流が増加して、端子INDXの電位を正常時に比べて低下させる。この電位低下により、低抵抗値のヘッドを介して端子INDYの電位も低下するので、上記同様に異常検出がコンパレータCP2により行われる。
【0028】
図示しないが、トランジスタQ1、Q3及びQ4のいずれかが破壊されると、トランジスタQ4に流れる電流が0となる。このため、トランジスタQ7に流れる電流がヘッド断線時の同様にI1のように減少し、前記説明たようにコンパレータCP1により異常検出を行うことができる。また、トランジスタQ2、Q5及びQ6のいずれかが破壊されると、トランジスタQ6に流れる電流が0となる。このため、トランジスタQ7に流れる電流がヘッド断線時の同様にI1よりも更に小さくなり、前記説明たようにコンパレータCP1により異常検出を行うことができる。
【0029】
同様にトランジスタQ3,Q5のエミッタ抵抗R3,R5が断線した場合や、及び共通エミッタ抵抗R4が断線したとき、あるいは電流源I0を構成するトランジスタが破壊されとき等のように上記書き込み回路の各トランジスタに正常に電流が流れなくなった場合の素子異常を検出することができる。このように、回路の素子のいずれかが故障した場合には、端子INDX,INDY端子の電圧がGNDレベルより変動する為、これをコンパレータCP1,CP2どちらかもしくは両方で検出することができる。
【0030】
図10には、図1の電流源I0の一実施例の構成図が示されている。回路構成は、同図(A)のように、基準電流源で形成された基準電流Irefがダイオード接続のPチャネルMOSFETM5に流れるようにされる。このMOSFETM5と電流ミラー形態にされたPチャネルMOSFETM6が設けられる。このMOSFETM6は、上記MOSFETM5と同じ素子サイズ(チャネル幅)にされて上記基準電流Irefを流すようにされる。
【0031】
PチャネルMOSFETM7は、NチャネルMOSFETM9を介してPチャネルMOSFETM5と電流ミラー形態にされる。このMOSFETM7のサイズは、9倍のサイズ(チャネル幅)とされて、9倍の基準電流Irefが流れるようにされる。上記MOSFETM6とM7のドレインが共通接続されて出力電流I0を形成する。上記MOSFETM7のゲートとソース間には、PチャネルMOSFETM8がスイッチとして設けられる。上記MOSFETM8とM9のゲートには制御信号MODEが供給される。
【0032】
同図(B)のように、リードモードでは制御信号MODEがロウレベルにされる。これにより、NチャネルMOSFETM9がオフ状態に、PチャネルMOSFETM8がオン状態にされる。したがって、MOSFETM7のゲートは、上記MOSFETM5と切断され、MOSFETM8のオン状態によりオフ状態にされる。したがって、電流源I0の電流は、上記基準電流Irefとされる。これが、前記図3、図6、図9等の電流I0’とされる。
【0033】
ライトモードでは制御信号MODEがハイレベルにされる。これにより、NチャネルMOSFETM9がオン状態に、PチャネルMOSFETM8がオフ状態にされる。したがって、MOSFETM7は、上記MOSFETM5と電流ミラー形態にされてドレインから9倍の基準電流Irefを流すようにする。したがって、電流源I0の電流は、上記MOSFETM6からの基準電流Irefと上記MOSFETM7からの9倍の基準電流Irefを加えた10倍の基準電流Iref(10*Iref)とされる。この電流I0が上記書き込み回路で10倍にされてヘッドに流れる前記図3のライト電流Iwとされる。
【0034】
図11には、前記図2のアンプ、レベルシフト回路及びコンパレータの一実施例の具体的回路図が示されている。アンプは、差動トランジスタQ10とQ11のベースは、正相端子P(+)と逆相端子M(−)とされる。上記トランジスタQ10とQ11のコレクタには、負荷抵抗RL1とRL2が設けられる。上記トランジスタQ10とQ11のエミッタは、エミッタ抵抗を介して動作電流を形成する電流源Iampが設けられる。上記トランジスタQ11のコレクタから増幅出力信号が形成される。
【0035】
レベルシフト回路は、上記トランジスタQ11のコレクタ出力電圧をベースに受けるトランジスタQ12と、エミッタに設けられた電流源からなるエミッタフォロワ回路から構成され、上記トランジスタQ12のベース,エミッタ間電圧を利用してレベルシフト動作を行う。
【0036】
リファレンス電圧源は、抵抗RL3と電流源Iamp/2により構成される。上記抵抗RL3=RL1=RL2にされ、上記アンプでの両入力電圧が等しいときの出力電圧に対応したリファレンス電圧を発生させる。
【0037】
コンパレータは、差動トランジスタQ13、Q14により上記レベルシフト回路の出力電圧と上記リファレンス電圧を比較する。上記差動トランジスタQ13とQ14のエミッタには電流源が設けられる。上記差動トランジスタQ13のコレクタ電流は、PチャネルMOSFETM10とM11により構成された電流ミラー回路及びNチャネルMOSFETM14とM15からなる電流ミラー回路に供給される。上記差動トランジスタQ14のコレクタ電流は、PチャネルMOSFETM12とM13により構成された電流ミラー回路に供給される。上記電流ミラー回路の出力MOSFETM15とM13のコレクタを接続して、上記差動トランジスタQ13とQ14の差電流を出力端子OUTから出力させる。
【0038】
正常時はINDXとINDY端子は、前記のようにGNDレベルに設定されているので、その出力電圧はリファレンス電圧とほぼ同じとなり、レベルシフト回路によりVbeだけ低い電圧がコンパレータに伝えられる。したがって、前記のように正常時には、コンパレータCP1とCP2の出力信号はロウレベルになるものである。
【0039】
図12には、この発明に係る磁気ディスクメモリ装置の一実施例の全体ブロック図が示されている。この実施例の磁気ディスクメモリ装置は、磁気記録面を持つ複数のディスクへの記録を行う書込インダクティブヘッド、再生を行う読出MRヘッドとの間でリード/ライト信号を授受するリード/ライトIC及びリード/ライトICとの間での信号の授受を行う信号処理LSI及びHDD(ハード・ディスク・ドライブ)コントローラから構成される。なお、同図においては、上記磁気記録面を持つ複数のディスクを回転駆動する駆動装置(サーボ/スピンドル モータコントローラ;Servo/Spindle Motor Controller)は省略されている。
【0040】
上記リード/ライトICは、上記複数のディスクへの記録を行う書込インダクティブヘッドに対応して設けられる書き込み回路TFHと、再生を行う読出MRヘッドに対応して設けられる読み出し回路MRAMPを複数個(10個又は4個)を搭載している。チップコントローラCCONTは、バイアス電流の生成、選択信号、サーボ回路及びヘッド選択等の前記素子及びヘッド異常動作を検出するためのバイアス設定等を含む各種制御動作を行う。温度モニタ回路TMONは、チップの温度異常を検出する。
【0041】
バイアス回路BASは、チップコントロール回路CCONTからの指示に従ってMRヘッドに与えられるバイアス及び異常検出回路DETに対してバイアス電圧を供給する。温度検知回路TAは、特に制限されないが、MRヘッドが記録面と接触した際の高温度を検出し、読み出し回路MRAMPの出力に現れる上記温度上昇分の影響を除くように動作する。上記読み出し回路MRAMPの一対の出力信号は、特に制限されないが、DC出力オフセットをカットするよう比較的大きな容量値を持つキャパシタ(HPF)を介してAGC(自動利得制御)のアンプAMPで増幅される。このAGCアンプの出力信号RDP,RDNは、信号処理LSIにおいて、波形整形回路により波形整形され、パルス化回路によりパルス信号としてHDDコントローラ等の上位回路に読み出しデータとして伝えられる。
【0042】
ヘッドドライバHDVは、チップコントロール回路CCONTからの指示によりライトモードのときには信号処理LSIから供給されたライトデータWDPとWDNに対応して前記図3のライトモードに示したような制御信号CX,CX’及びCY,CY’を形成する。そして、リードモードのときには、図3のリートモードに示したような制御信号CX,CX’及びCY,CY’を形成する。また、チップコントロール回路CCONTからの指示により電圧VR1とVR2が前記説明したような電圧に切り換えら、電流源I0の電流値も電流I0’のように小さくされる。上記リードモードにおいては、上記異常検出回路DETにより前記のようなヘッド断線、回路の素子破壊等を検出する。この異常検出信号は、チップコントローラCCONTに伝えられて、信号線SDATAを通してHDDコントローラに読み出される。
【0043】
この実施例の磁気ディスクメモリ装置において、前記のようなヘッド異常検出回路により、ライトヘッドの両端オープン及びリード/ライトICの書き込み系回路の素子破壊等の異常を常時監視することができ、異常が検出された場合はHDDコントローラからの命令で、代替ヘッドに切り換えてデータ書き込みの行うようにすることにより、読み出しによる書き込み確認(ベリファイ)が不要となり、大量のデータを高い信頼性のもとで記録面に短時間で記録することができる。
【0044】
図13は、上記リード/ライトICに設けられる異常検出回路の一実施例のブロック図が示されている。この実施例では、異常の内容をレジスタに格納しておくものである。リード/ライトICは上記ヘッドの断線や回路素子の破壊等の異常検出の他にさまざまな異常検出回路を持っており、それぞれがレジスタに格納されている。HDDコントローラ等の装置側がどの異常かを知る為に本回路のレジスタ内容を読み取る。つまり、信号SENによりスキャン動作としてシリアルクロックSCLKを供給することにより、パラレル−シリアル変換回路から上記レジスタに格納された複数の異常検出信号がシリルアデータSDATAとして読み出される。
【0045】
図14には、正常時のフォルト信号発生タイミングチャート図が示されている。信号RWNがハイレベルのときはリードモードとされ、書き込み回路の書き込み電流Iwが前記のように記録面への記憶データを破壊させない微小電流にされて異常検出動作状態にされる。異常が検出されないときには信号FAILがロウレベルになっている。
【0046】
図15には、異常時のフォルト信号発生タイミングチャート図が示されている。信号RWNがハイレベルのときはリードモードとされ、書き込み回路の書き込み電流Iwが前記のように記録面への記憶データを破壊させない微小電流にされて異常検出動作状態にされる。異常が検出されたときには信号FAILがハイレベルになっている。上記のようにリード中に異常を検出すると、信号RWNのロウレベルによりライトモード時なると、FLT信号をアクティブとし、コントローラヘ異常を報告する。つまり、フォルトコードが前記レジスタに記録されて、HDDコントローラからの指示によりその内容が読み出される。
【0047】
図16には、この発明が適用されるハードディスク装置の一実施例の要部概略構造図が示されている。前記リード/ライト(R/W) ICは、サスペンションアームの根元に取り付けられる。このサスペンションアームの先端には上記MRヘッドと磁気ヘッドからなる複合ヘッド(MR/Inductive head)が取り付けられている。
【0048】
複数のディスク円板(magnetic media) に対応して上記複数のアーム及びサスペンションアームが重ね合わせた状態で連結されており、上記R/W ICは、複数からなるアームで形作られる側面を利用して実装される。このような上記R/W ICの実装形態を採用することにより、ヘッドとの間での信号伝達経路でのロスを最小にして、高感度で広帯域のリード動作及びハードディスク装置の小型化を実現することができるものとなる。
【0049】
上記記憶媒体としての複数のディスク円板(magnetic media)は、その中心部がモータにより回転させられる共通の回転軸に取り付けられ、かかる回転軸に接地電位が与えられることにより、上記複数のディスク円板の記憶面の電位が接地電位にされる。上記複数のディスク円板はシャフトによって一定の間隔をもって同心状に連結される。互いに向き合う2つのディスク面に1つのアームが伸びて、サスペンションアームによって分岐して上記両面に上記複合ヘッドがそれぞれ接触するように実装される。ヘッドは、ディスク円板が停止状態ではディスク面に接触しているが、ディスクが高速回転状態ではそれによって発生する空気流よって微小な間隙をもって浮上している。リード/ライト動作は上記ヘッドがディスク面を浮上した状態で行われる。この微小な間隙での放電現象の発生を防止するためにヘッドの直流電位はほぼ回路の接地電位にされている。
【0050】
図17には、この発明に係る磁気ディスクメモリ装置に設けられる書き込み回路の他の一実施例の回路図が示されている。この実施例の書き込み回路は、いわゆるHドライバ型ライト回路であり、NPN型の差動トランジスタQ4、Q6のエミッタに流れるようにされる。このトランジスタQ4とQ6のコレクタは、端子INDX,INDYに接続される。
【0051】
上記トランジスタQ4のベースが共通にされたトランジスタQ3’のコレクタ電流は、抵抗R3に流れるようにされる。この抵抗R3の他端には正の電源電圧VCC(例えば+5V)が供給される。上記トランジスタQ3’のコレクタ出力電圧は、NPN型のトランジスタQ7のベースに供給され、かかるトランジスタQ7のエミッタ出力が抵抗R1を通して上記端子INDXに供給される。
【0052】
上記トランジスタQ6のベースが共通にされたトランジスタQ5’のコレクタ電流は、抵抗R4に流れるようにされる。この抵抗R4の他端には正の電源電圧VCC(例えば+5V)が供給される。上記トランジスタQ5’のコレクタ出力電圧は、NPN型のトランジスタQ8のベースに供給され、かかるトランジスタQ8のエミッタ出力が抵抗R2を通して上記端子INDYに供給される。
【0053】
上記差動トランジスタQ4とQ6の共通化されたエミッタと負の電源電圧VEE(例えば−5V)との間には、電流源有3*I1が設けられ、上記トランジスタQ3’とQ5’は、エミッタが共通化されて差動形態とされ、上記負の電源電圧VEEとの間に電流源が設けられる。上記差動トランジスタQ3’とQ4及びQ5’とQ6のベースには、制御信号CXとCYがそれぞれに供給される。
【0054】
ライトモードにおいて、ライトデータにより制御信号CXがハイレベルで、CYがロウレベルのときには、電流源3*I1の電流がトランジスタQ4に流れて、それを書き込み電流Iwとしてヘッドに流すようにする。このとき、トランジスタQ5’はオフ状態となり、トランジスタQ8と抵抗R2を介して上記トランジスタQ4に流れる書き込み電流Iwが供給される。この電流Iwと抵抗R2の電圧降下分とトランジスタQ8のベース,エミッタ間電圧Vbeが正の電源電圧VCCに対応した約5Vとなるようにされ、上記端子INDYの電位を0Vに設定する。
【0055】
ライトデータが変化して制御信号CXがロウレベルで、CYがハイレベルになると、電流源3*I1の電流がトランジスタQ6に流れて、それを書き込み電流Iwとしてヘッドに流すようにする。このとき、トランジスタQ3’はオフ状態となり、トランジスタQ7と抵抗R1を介して上記トランジスタQ6に流れる書き込み電流Iwが供給される。この電流Iwと抵抗R1の電圧降下分とトランジスタQ7のベース,エミッタ間電圧Vbeが正の電源電圧VCCに対応した約5Vとなるようにされ、上記端子INDXの電位を0Vに設定する。
【0056】
この実施例において、リード時においてはI1の大きさをライト時の1/10の大きさにし、制御信号CXとCYに微小な電位差を持たせて電源源3*I1の電流が例えば1:2のように分配して流れるように設定される。これにより、トランジスタQ4には電流I1が流れ、トランジスタQ6には2倍の電流I1(2*I1)が流れるようにされる。また、トランジスタQ7から2*I1の電流を流し、トランジスタQ8から電流I1を流すようにしてヘッドには上記電流I1を流すようにする。このようなバイアス条件とすることにより、前記第2図に示したような異常検出回路を用いることにより、前記図1の実施例と同様にリードモードにおいて書き込み回路のヘッド断線及び素子破壊等の異常状態を検出することができる。
【0057】
図1及び図17の実施例では、電流源が2個所異常となった場合、特に、トランジスタQ7とQ6(Q8とQ4)が同時に異常となった場合にも、抵抗R1もしくはR2の両端子電圧を異常検出回路へ入力することにより検出可能となる。たすきの電流比は任意に設定可能である。比が高いほど検出感度が向上する。本検出はリードモード以外にICのスタンバイ状態で行ってもよい。
【0058】
インダクティブヘッドに流す微小電流の方向は、時々変えることも可能である。これにより、ヘッド、リード/ライトICへの負荷を均等に出来る。これを実現する手段としては、通常、R/W ICはリードとライト動作を交互に繰り返すが、この切り替えのたびに、微小電流の方向を変える。つまり、たすきの向きを逆にすることで容易に可能である。
【0059】
図1において微小電流I1を、トランジスタQ1=Q4,Q2=Q6とすれば、いずれかの電流源としてのトランジスタの故障、または、トランジスタQ1とQ6が同時に故障、又はトランジスタQ2,Q4が同時に故障した場合も検出可能である。上記を実施例と組み合わせることにより(リードごとに切り替える)、あらゆる故障を検出可能である。
【0060】
この実施例のリード/ライトICは、リードモードの時あるいはスタンバイ状態でインダクティブヘッドの断線及びそれに書き込み電流を流す回路素子の破壊等の異常を検出することができる。このことは、実際に磁気記録面に書き込みデータを書き込む前に書き込み不能を検出することができることを意味する。したがって、この実施例のリード/ライトICを用いた書き込み方法では、書き込み確認のための読み出しを省略することができる。つまり、特定のセクタに対してデータを書き込むときには、そのセクタの先頭にはトラックアドレス、セクタアドレス等やクロックの同期化のための情報が記録されており、かかる記録部に対して読み出しが行われる。この読み出し期間を利用して上記インダクティブヘッドの断線及びそれに書き込み電流を流す回路素子の破壊等の異常を検出することができる。
【0061】
したがって、実際にディスク記録面へのデータの書き込みの直前においても上記上記インダクティブヘッドの断線及びそれに書き込み電流を流す回路素子の破壊等の異常が無いことの確認を行うことができる。このような回路機能を利用することにより、この発明に係る書き込み回路を用いた場合の書き込み方法においては、実際にデータの書き込みが行われたか否かの確認のための読み出し(書き込みベリファイ)動作を省略することができる。これにより、1トラックの全セクタに対して連続して書き込みを行う場合でも、各セクタ毎に先頭部の上記記録部の読み出しを利用して、上記回路が正常に動作することを確認しているので、逐一セクタ毎に書き込みベリファイが不要となり、高速に大量のデータの記録が可能となる。このことは、複数のトラックに跨がってデータを連続して書き込む場合も同様である。
【0062】
以上本発明者よりなされた発明を実施例に基づき具体的に説明したが、本願発明は前記実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。例えば、上記書き込み回路に対して前記のような電流を流すようにするための具体的回路構成は、種々の実施形態を採ることができる。この発明は、磁気ディススクメモリ装置に広く利用できる。
【0063】
【発明の効果】
本願において開示される発明のうち代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、書き込み制御回路により書き込みデータに従って、ライトヘッドの両端に接続された第1と第2端子に向けて電圧を供給する第1又は第2トランジスタのいずれか一方をオン状態とし、上記第1と第2端子に向けて電流を形成する第3又は第4トランジスタのいずれか一方をオン状態として上記ライトヘッドに対して双方向の書き込み電流を流すという書き込み動作を行い、かかる書き込み動作以外の所定の動作期間において、上記第1と第2及び第3と第4トランジスタのそれぞれが所定の電流を流し、かつ、磁気ディスクの記録面への実質的な書き込みが行われない微小電流が上記ライトヘッドに流れるような制御電圧を上記第1ないし第4トランジスタのベースに供給し、異常検出回路により上記第1と第2端子間電圧を検出してライト系回路の異常判定出力を得ることにより、高周波数まで高い精度で安定的にヘッド端子のオープン異常を検出することができる。
【0064】
書き込みデータに従ってライトヘッドの両端が接続された第1と第2端子に向けて電圧を供給する第1又は第2トランジスタのいずれか一方をオン状態とし、上記第1と第2端子に向けた電流を形成する第3又は第4トランジスタのいずれか一方をオン状態として上記ライトヘッドに対して双方向の書き込み電流を流すという書き込み動作を行い、上記書き込み動作以外の所定の動作期間において、上記第1と第2及び第3と第4トランジスタのそれぞれに所定の電流を流し、かつ、磁気ディスクの記録面への実質的な書き込みが行われない微小電流を上記ライトヘッドに流すようにし、上記第1端子と第2端子の端子間の異常電圧を検出し、かかる異常検出出力があったときに上記書き込み動作を制限して書き込みベリファイを省略することにより、大量のデータを高速に書き込むことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る磁気ディスクメモリ装置に設けられる書き込み回路の一実施例を示す回路図である。
【図2】この発明に係るヘッドオープンを含むライト系回路の異常検出回路の一実施例を示すブロック図である。
【図3】図1の書き込み回路の動作を説明するための波形図である。
【図4】図1の書き込み回路のヘッドオープン異常状態の一例を示す回路図である。
【図5】図4に対応した異常検出回路の動作説明図である。
【図6】図4に対応した書き込み回路の動作を説明するための動作電圧図である。
【図7】図1の書き込み回路の素子異常状態の一例を示す回路図である。
【図8】図7に対応した異常検出回路の動作説明図である。
【図9】図7に対応した書き込み回路の動作を説明するための動作電圧図である。
【図10】図1の電流源I0の一実施例を示す構成図である。
【図11】図2のアンプ、レベルシフト回路及びコンパレータの一実施例を示す具体的回路図である。
【図12】この発明に係る磁気ディスクメモリ装置の一実施例を示す全体ブロック図である。
【図13】図13のリード/ライトICに設けられる異常検出回路の一実施例を示すブロック図である。
【図14】この発明に係る異常検出回路の正常時のフォルト信号発生タイミングチャート図である。
【図15】この発明に係る異常時のフォルト信号発生タイミングチャート図である。
【図16】この発明が適用されるハードディスク装置の一実施例を示す要部概略構造図である。
【図17】この発明に係る磁気ディスクメモリ装置に設けられる書き込み回路の他の一実施例を示す回路図である。
【図18】従来技術の一例を示すブロック図である。
【図19】従来技術の動作の一例を説明するための波形図である。
【符号の説明】
Q1〜Q14…トランジスタ、M1〜M15…MOSFET、R1〜R5,RL1〜RL3…抵抗、A1,A2…アンプ、LS1,LS2…レベルシフト回路、CP1,CP2…コンパレータ、G1〜G3…ゲート回路、FF…ラッチ回路、EX…排他的論理和回路、
HDV…ヘッドドライバ、TFH…書き込み回路、MRAMP…読み出し回路、MUX…マルチプレクサ、DET…異常検出回路、BAS…バイアス回路、CCONT…チップコントロール回路、HPF…ハイパスフィルタ、AMP…アンプ、TA…温度検知回路、TMON…温度モニタ、
11…ライトドライバ、12…ダミー回路、21,22…コンパレータ、23…フィルタ、14…電圧比較回路。
【発明の属する技術分野】
この発明は、磁気ディスクメモリ装置と書き込み方法に関し、例えば読み出しヘッドとしてMR(磁気抵抗効果素子)ヘッドを使用し、書き込みヘッドとしてインダクティブヘッドを使用した複合ヘッドを備えた磁気ディスクメモリ装置におけるライト系回路の異常検出を行うものに利用して有効な技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
書き込みデータの周波数が低いときには、データ切り換え直後にヘッド端子にはフライバック電圧が発生し、その後に書き込み電流とインダクティブヘッドの抵抗成分による直流電圧が発生するので、かかる直流電圧を利用してヘッド端子のオープン異常を検出することができる。しかしながら、図19に示すようにフライバック電圧発生期間に次の入力データが変化するような高周波数になると、上記インダクティブヘッドの抵抗成分に発生する直流電圧を利用することができなくなる。そこで、図18に示すように出力をオープンにしたダミー回路12を設け、図19のようにライトドライバ11との出力波形とをコンパレータ21と22からなる比較回路で比較し、差電圧をフィルタ23で平滑して電圧比較回路14により基準電圧Vrefと比較してヘッドオープン異常を検出するようにした技術が、特開平11−025434号公報により提案されている。
【0003】
【特許文献1】
特開平11−025434号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献1の技術においては、ライトドライバ11とダミー回路12を構成する回路の素子特性のバツラキの影響を受ける。また、これに加えて、ダミー回路12は、出力端子には何も接続されないのに対して、ライトドライバ11は、ヘッドオープン不良が発生しても出力端子からインダクティブヘッドのオープン箇所に至るまので間に配線や一部のインダクタンス成分が負荷として残ってしまう。このため、同じオープン状態であるにもかかわらずに、上記ダミー回路12とは回路条件が異なり、ライトドライバ11の出力波形とダミー回路12の出力波形の差電圧が様々となってしまう。したがって、上記ダミー回路12を用いた回路では、正常動作時とオープン時との識別を困難にする。特に、動作周波数が高くなるに従い上記インダクティブヘッドのオープン箇所に至るまので間の配線や一部のインダクタンス成分の影響を大きく受けるために差電圧の識別が難しくなる。
【0005】
さらには、書き込み動作中に正常/異常の検出を行うものであるために、既に入力された書き込みデータによる書き込み動作を無効として、上記書き込みデータを保持した上で改めて当該書き込みデータを代替ヘッド等に切り換えて書き込みを行うようにする必要があるので動作速度が遅くなり、書き込みデータを常に記憶しておく必要があるなど使い勝手が悪い。
【0006】
本発明の目的は、高周波数まで高い精度で安定的にヘッド端子のオープン異常を検出することができる磁気ディスクメモリ装置を提供することにある。この発明の他の目的は、大量のデータを高速に書き込むことができる磁気ディスクメモリ装置の書き込み方法を提供することにある。本発明の前記ならびにそのほかの目的と特徴は、本明細書の記述および添付図面からあきらかになるであろう。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば下記のとおりである。書き込み制御回路により書き込みデータに従って、ライトヘッドの両端に接続された第1と第2端子に向けて電圧を供給する第1又は第2トランジスタのいずれか一方をオン状態とし、上記第1と第2端子に向けて電流を形成する第3又は第4トランジスタのいずれか一方をオン状態として上記ライトヘッドに対して双方向の書き込み電流を流すという書き込み動作を行い、かかる書き込み動作以外の所定の動作期間において、上記第1と第2及び第3と第4トランジスタのそれぞれが所定の電流を流し、かつ、磁気ディスクの記録面への実質的な書き込みが行われない微小電流が上記ライトヘッドに流れるような制御電圧を上記第1ないし第4トランジスタのベースに供給し、異常検出回路により上記第1と第2端子間電圧を検出してライト系回路の異常判定出力を得る。
【0008】
本願において開示される発明のうち、他の代表的なものの概要を簡単に説明すれば下記のとおりである。書き込みデータに従ってライトヘッドの両端が接続された第1と第2端子に向けて電圧を供給する第1又は第2トランジスタのいずれか一方をオン状態とし、上記第1と第2端子に向けた電流を形成する第3又は第4トランジスタのいずれか一方をオン状態として上記ライトヘッドに対して双方向の書き込み電流を流すという書き込み動作を行い、上記書き込み動作以外の所定の動作期間において、上記第1と第2及び第3と第4トランジスタのそれぞれに所定の電流を流し、かつ、磁気ディスクの記録面への実質的な書き込みが行われない微小電流を上記ライトヘッドに流すようにし、上記第1端子と第2端子間の異常電圧を検出し、かかる異常検出出力により上記書き込み動作を制限する。
【0009】
【発明の実施の形態】
図1には、この発明に係る磁気ディスクメモリ装置に設けられる書き込み回路の一実施例の回路図が示されている。正の電源電圧VCC(例えば+5V)側に設けられた電流源I0の電流は、PNP型の差動トランジスタQ1,Q2のエミッタに供給される。これらの差動トランジスタQ1とQ2のベースには、制御信号CY’とCX’がそれぞれに供給される。
【0010】
上記差動トランジスタQ1のコレクタには、ダイオード接続のNPN型のトランジスタQ3が接続される。このトランジスタQ3には、電流ミラー形態にNPN型のトランジスタQ4が接続される。上記トランジスタQ3のエミッタと負電圧VEEとの間には、エミッタ抵抗R3が設けられる。上記差動トランジスタQ2のコレクタには、ダイオード接続のNPN型のトランジスタQ5が接続される。このトランジスタQ5には、電流ミラー形態にNPN型のトランジスタQ6が接続される。上記トランジスタQ5のエミッタと負の電源電圧VEE(例えば−5V)との間には、エミッタ抵抗R5が設けられる。そして、上記トランジスタQ4とQ6のエミッタは、共通接続されて上記エミッタ抵抗R3に対応したエミッタ抵抗R4が設けられる。
【0011】
上記トランジスタQ4のコレクタは、第1端子INDXに接続され、上記トランジスタQ6のコレクタは、第2端子INDYに接続される。これらの第1端子INDXと第2端子INDYとの間には、ヘッド(インダクティブヘッド)が接続される。上記第1端子INDXと上記電源電圧VCCとの間には、NPN型のトランジスタQ7と抵抗R1が直列に接続される。上記第2端子INDYと上記電源電圧VCCとの間には、NPN型のトランジスタQ8と抵抗R2が直列に接続される。
【0012】
上記トランジスタQ7のベースには、PチャネルMOSFETM1を介して動作電圧VR1が与えられ、NチャネルMOSFETM2によりベースとエミッタとが短絡させられる。上記MOSFETM1とM2のゲートには、制御信号CXが供給される。上記トランジスタQ8のベースには、PチャネルMOSFETM3を介して動作電圧VR2が与えられ、NチャネルMOSFETM4によりベースとエミッタとが短絡させられる。上記MOSFETM3とM4のゲートには、制御信号CXが供給される。
【0013】
図2には、ヘッドオープンを含むライト系回路の異常検出回路の一実施例のブロック図が示されている。アンプA1の正相入力(+)と逆相入力(−)には、第1端子INDXと接地電位GNDの電圧が供給される。このアンプA1の出力信号は、レベルシフト回路LS1によりレベルシフトされてコンパレータCP1の正相入力(+)に供給される。このコンパレータCP1の逆相入力(−)には、リファレンス電圧が供給される。
【0014】
アンプA2の逆相入力(−)と正相入力(+)には、上記アンプA1とはとは違って第二端子INDYと接地電位GNDの電圧が供給される。このアンプA2の出力信号は、レベルシフト回路LS2によりレベルシフトされてコンパレータCP2の正相入力(+)に供給される。このコンパレータCP2の逆相入力(−)には、リファレンス電圧が供給される。上記リファレンス電圧は、特に制限されないが、リードライトIC及びインダクティブヘッドが非故障状態ならばINDX及びINDYはGND付近の電位を持ち、上記第1端子INDXと接地電位GND及び第2端子INDYと接地電位GNDの電位が等しいときのアンプA1,A2の出力電圧に対応したものとされる。
【0015】
上記2つのコンパレータCP1とCP2の出力信号は、オアゲート回路G1を通してラッチ回路FFに保持される。このラッチ回路FFの出力信号は、信号RWMにより制御されるゲート回路G2を通して異常検出信号FAILとして出力される。
【0016】
図3には、図1の書き込み回路の動作を説明するための波形図が示されている。ライトモードのときには、相補(差動)のライトデータに対応して制御信号CX,CX’及びCY,CY’が回路の接地電位GNDと電源電圧VCCの間でフル振幅するように変化する。例えば、制御信号CX,CX’がハイレベル(VCC)で、制御信号CY,CY’がロウレベル(GND)のときには、上記制御信号CY’のロウレベルに対応してPNP差動トランジスタQ1がオン状態になり、制御信号CX’のハイレベルに対応してPNP差動トランジスタQ2がオフ状態になる。これにより、電流源I0で形成された電流は、上記トランジスタQ1側に流れる。
【0017】
上記制御信号CYのロウレベルに対応してPチャネルMOSFETM3がオン状態に、NチャネルMOSFETQ4がオフ状態になる。上記制御信号CXのハイレベルに対応してPチャネルMOSFETM1がオフ状態となり、NチャネルMOSFETM2がオン状態になる。上記MOSFETM2のオン状態により、トランジスタQ7は、ベースとエミッタとが短絡されてオフ状態となる。したがって、トランジスタQ1に流れる電流源I0の電流は、電流ミラー形態のトランジスタQ3とQ4により、そのミラー比(例えば1:10)に対応して10倍に拡大された吸い込み電流を形成する。
【0018】
このとき、トランジスタQ7がオフ状態であるから、上記トランジスタQ4で形成された吸い込み電流は、書き込み電流Iwとして端子INDXを介してヘッドに流れるようにされる。トランジスタQ6はオフ状態で電流が流れないから、上記ヘッドに流れる電流は、オン状態にされているトランジスタQ8から供給されることとなる。つまり、トランジスタQ8は、上記ヘッド電流Iwを供給するとともに上記端子INDYの電位をほぼ0Vのグランドレベル(GND)にクランプする。このため、VR2(=VR1)=Iw×R2+Vbeようにされる。ここで、Iw=I0×10であり、VbeトランジスタQ8(Q7)のベース,エミッタ間電圧である。これにより、グランドレベルにされた磁気記録面とヘッドとの僅かな隙間での放電現象の発生を防止する。
【0019】
ライトデータが変化して制御信号CX,CX’がロウレベル(GND)で、制御信号CY,CY’がハイレベル(VCC)に変化すると、上記制御信号CX’のロウレベルに対応してPNP差動トランジスタQ2がオン状態になり、制御信号CY’のハイレベルに対応してPNP差動トランジスタQ1がオフ状態になる。また、上記制御信号CXのロウレベルに対応してPチャネルMOSFETM1がオン状態に、NチャネルMOSFETQ2がオフ状態になりトランジスタQ7をオン状態にする。上記制御信号CYのハイレベルに対応してPチャネルMOSFETM3がオフ状態となり、NチャネルMOSFETM4がオン状態になりトランジスタQ8をオフ状態とする。これにより、ヘッドには前記とは逆方向に書き込み電流Iw(−10×I0)が流れる。
【0020】
リードモードでは、書き込み回路に対して異常検出動作が指示される。一般的には、上記制御信号CX’とCY’を共にハイレベルにして、トランジスタQ1とQ2を共にオフ状態にし、ライトヘッドには電流が流れないようにする。つまり、リードモードにおいて書き込み回路は非動作状態に置かれるのが普通である。しかしながら、この実施例では、書き込み回路には、異常検出機能を持たせるために、例えば制御信号CX’は、接地電位(GND)に対して僅かに低い負の電圧とされ、制御信号CY’は、接地電位(GND)に対して僅かに高い正の電圧とされる。また、制御信号CXとCYは共にロウレベルにする。そして、電圧VR1とVR2は、後述するような所定電圧に設定される。
【0021】
上記のような制御信号CX’とCY’の電圧差に対応して差動トランジスタQ1とQ2には、上記電流源I0の電流を分配するように流す。例えば、図1に示されているように、トランジスタQ4に流れる電流をI1とするなら、トランジスタQ6に流れる電流を2倍のI1(2×I1)のようにする。これにより、ヘッドにはその差分の電流I1が端子INDXからINDYに向けて流れるようにされる。
【0022】
上記のようなトランジスタQ4とQ6及びヘッドに流れる電流に対応して、トランジスタQ7からは2倍のI1(2×I1)の電流が供給され、トランジスタQ8からは電流I1が流れるようにされて、上記ヘッドを含むブリッジ回路に流れる各電流がバランスされる。このとき、重要なことは、上記電流I1がヘッドに流れても磁気ディスクの記録面には磁気的な変化を生じさせないことである。このため、上記電流I1は微小な電流に設定される。図1の回路では、電流源I0の電流を10倍した電流を3等分して電流I1を形成するようにしているが、上記書き込み電流Iwの1/3もの電流をヘッドに流すと、記録データを失わせる虞れがあるなら、後述するように上記電流I0の電流値そのものがリードモードでは小さくなるように切り換えられる。つまり、上記電流I1を上記記録面への書き込みが行われないような電流値として考えると、電流源I0の電流I0’は、3×0.1×I1のように設定される。
【0023】
同図のように電圧VR1=2×I1×R1+Vbeとされ、電圧VR2=1×I1×R2+Vbeとされる。書き込み回路が正常でヘッドも正常ならば、端子INDXとINDYの電位は、ほぼ同じグランド電圧(GND)となる。この端子INDXとINDYの電圧をアンプA1とA2により増幅し、それをレベルシフトした電圧は上記リファレンス電圧より低くなり、図2のコンパレータCP1とCP2において、それぞれの出力は共にロウレベルとなり、異常検出信号FAILはロウレベルとなって正常状態であることを出力する。
【0024】
図4には、図1の書き込み回路のヘッドオープン異常状態の一例の回路図が示されている。同図のように端子INDXとヘッドとの間が断線した場合(ヘッドが途中断線した場合、あるいは端子INDYとヘッドとの間が断線した場合も同様)には、かかる電流経路に電流が流れなくなる。したがって、図6の動作電圧図に示すように、リードモード(ヘッド異常)時には、トランジスタQ4とQ6によりアンバランスにされた電流I1と2×I1は、それぞれに対応したトランジスタQ7とQ8からの電流供給を受けて流れるものとなる。このため、正常時に比べてトランジスタQ7に流れる電流が減少し、抵抗R1での電圧降下が小さくなる分だけ端子INDXの電位が上記正常時に比べて上昇する。また、正常時に比べてトランジスタQ8に流れる電流が増加し、抵抗R2での電圧降下が大きくなる分だけ端子INDYの電位が正常時に比べて低下する。
【0025】
図5に示すように、異常検出回路では上記端子INDXの電位の上昇が上記レベルシフト回路LS1のレベルシフト量を超えたことをコンパレータCP1で検出してハイレベルの異常検出信号を形成し、上記端子INDYの電位の低下が上記レベルシフト回路LS1のレベルシフト量を超えたことをコンパレータCP2で検出してハイレベルの異常検出信号を形成する。つまり、ヘッド故障(オープン)時には、このときはコンパレータCP1,CP2の両方が故障を検出するものとなる。
【0026】
図7には、図1の書き込み回路の素子異常状態の一例の回路図が示されている。同図のようにトランジスタQ7が破壊したとき、かかるトランジスタQ7に流れる電流が0になる。したがって、図9の動作電圧図に示すように、リードモード(素子異常)時には、トランジスタQ4とQ6によりアンバランスにされた電流I1と2×I1は、トランジスタQ8からの電流供給を受けて流れるものとなる。このため、正常時に比べてヘッドに流れる電流が逆向きとなり、トランジスタQ8に流れる電流がトランジスタQ4に流れる分だけ増加して、抵抗R2での電圧降下を大きくするので端子INDYの電位が正常時に比べて低下する。この端子INDYの電位に従って低抵抗値のヘッドを介して端子INDXの電位も低下する。
【0027】
図8に示すように、異常検出回路では上記端子INDYの電位の低下が上記レベルシフト回路LS1のレベルシフト量を超えたことをコンパレータCP2で検出してハイレベルの異常検出信号を形成し、上記端子INDYの電位の低下が上記レベルシフト回路LS1のレベルシフト量を超えたことをコンパレータCP2で検出してハイレベルの異常検出信号を形成する。つまり、トランジスタQ7が破壊されたような回路素子異常の時には、このときはコンパレータCP2が故障を検出するものとなる。図示しないが、トランジスタQ8が破壊して電流が流れなくなると、トランジスタQ7に流れる電流が増加して、端子INDXの電位を正常時に比べて低下させる。この電位低下により、低抵抗値のヘッドを介して端子INDYの電位も低下するので、上記同様に異常検出がコンパレータCP2により行われる。
【0028】
図示しないが、トランジスタQ1、Q3及びQ4のいずれかが破壊されると、トランジスタQ4に流れる電流が0となる。このため、トランジスタQ7に流れる電流がヘッド断線時の同様にI1のように減少し、前記説明たようにコンパレータCP1により異常検出を行うことができる。また、トランジスタQ2、Q5及びQ6のいずれかが破壊されると、トランジスタQ6に流れる電流が0となる。このため、トランジスタQ7に流れる電流がヘッド断線時の同様にI1よりも更に小さくなり、前記説明たようにコンパレータCP1により異常検出を行うことができる。
【0029】
同様にトランジスタQ3,Q5のエミッタ抵抗R3,R5が断線した場合や、及び共通エミッタ抵抗R4が断線したとき、あるいは電流源I0を構成するトランジスタが破壊されとき等のように上記書き込み回路の各トランジスタに正常に電流が流れなくなった場合の素子異常を検出することができる。このように、回路の素子のいずれかが故障した場合には、端子INDX,INDY端子の電圧がGNDレベルより変動する為、これをコンパレータCP1,CP2どちらかもしくは両方で検出することができる。
【0030】
図10には、図1の電流源I0の一実施例の構成図が示されている。回路構成は、同図(A)のように、基準電流源で形成された基準電流Irefがダイオード接続のPチャネルMOSFETM5に流れるようにされる。このMOSFETM5と電流ミラー形態にされたPチャネルMOSFETM6が設けられる。このMOSFETM6は、上記MOSFETM5と同じ素子サイズ(チャネル幅)にされて上記基準電流Irefを流すようにされる。
【0031】
PチャネルMOSFETM7は、NチャネルMOSFETM9を介してPチャネルMOSFETM5と電流ミラー形態にされる。このMOSFETM7のサイズは、9倍のサイズ(チャネル幅)とされて、9倍の基準電流Irefが流れるようにされる。上記MOSFETM6とM7のドレインが共通接続されて出力電流I0を形成する。上記MOSFETM7のゲートとソース間には、PチャネルMOSFETM8がスイッチとして設けられる。上記MOSFETM8とM9のゲートには制御信号MODEが供給される。
【0032】
同図(B)のように、リードモードでは制御信号MODEがロウレベルにされる。これにより、NチャネルMOSFETM9がオフ状態に、PチャネルMOSFETM8がオン状態にされる。したがって、MOSFETM7のゲートは、上記MOSFETM5と切断され、MOSFETM8のオン状態によりオフ状態にされる。したがって、電流源I0の電流は、上記基準電流Irefとされる。これが、前記図3、図6、図9等の電流I0’とされる。
【0033】
ライトモードでは制御信号MODEがハイレベルにされる。これにより、NチャネルMOSFETM9がオン状態に、PチャネルMOSFETM8がオフ状態にされる。したがって、MOSFETM7は、上記MOSFETM5と電流ミラー形態にされてドレインから9倍の基準電流Irefを流すようにする。したがって、電流源I0の電流は、上記MOSFETM6からの基準電流Irefと上記MOSFETM7からの9倍の基準電流Irefを加えた10倍の基準電流Iref(10*Iref)とされる。この電流I0が上記書き込み回路で10倍にされてヘッドに流れる前記図3のライト電流Iwとされる。
【0034】
図11には、前記図2のアンプ、レベルシフト回路及びコンパレータの一実施例の具体的回路図が示されている。アンプは、差動トランジスタQ10とQ11のベースは、正相端子P(+)と逆相端子M(−)とされる。上記トランジスタQ10とQ11のコレクタには、負荷抵抗RL1とRL2が設けられる。上記トランジスタQ10とQ11のエミッタは、エミッタ抵抗を介して動作電流を形成する電流源Iampが設けられる。上記トランジスタQ11のコレクタから増幅出力信号が形成される。
【0035】
レベルシフト回路は、上記トランジスタQ11のコレクタ出力電圧をベースに受けるトランジスタQ12と、エミッタに設けられた電流源からなるエミッタフォロワ回路から構成され、上記トランジスタQ12のベース,エミッタ間電圧を利用してレベルシフト動作を行う。
【0036】
リファレンス電圧源は、抵抗RL3と電流源Iamp/2により構成される。上記抵抗RL3=RL1=RL2にされ、上記アンプでの両入力電圧が等しいときの出力電圧に対応したリファレンス電圧を発生させる。
【0037】
コンパレータは、差動トランジスタQ13、Q14により上記レベルシフト回路の出力電圧と上記リファレンス電圧を比較する。上記差動トランジスタQ13とQ14のエミッタには電流源が設けられる。上記差動トランジスタQ13のコレクタ電流は、PチャネルMOSFETM10とM11により構成された電流ミラー回路及びNチャネルMOSFETM14とM15からなる電流ミラー回路に供給される。上記差動トランジスタQ14のコレクタ電流は、PチャネルMOSFETM12とM13により構成された電流ミラー回路に供給される。上記電流ミラー回路の出力MOSFETM15とM13のコレクタを接続して、上記差動トランジスタQ13とQ14の差電流を出力端子OUTから出力させる。
【0038】
正常時はINDXとINDY端子は、前記のようにGNDレベルに設定されているので、その出力電圧はリファレンス電圧とほぼ同じとなり、レベルシフト回路によりVbeだけ低い電圧がコンパレータに伝えられる。したがって、前記のように正常時には、コンパレータCP1とCP2の出力信号はロウレベルになるものである。
【0039】
図12には、この発明に係る磁気ディスクメモリ装置の一実施例の全体ブロック図が示されている。この実施例の磁気ディスクメモリ装置は、磁気記録面を持つ複数のディスクへの記録を行う書込インダクティブヘッド、再生を行う読出MRヘッドとの間でリード/ライト信号を授受するリード/ライトIC及びリード/ライトICとの間での信号の授受を行う信号処理LSI及びHDD(ハード・ディスク・ドライブ)コントローラから構成される。なお、同図においては、上記磁気記録面を持つ複数のディスクを回転駆動する駆動装置(サーボ/スピンドル モータコントローラ;Servo/Spindle Motor Controller)は省略されている。
【0040】
上記リード/ライトICは、上記複数のディスクへの記録を行う書込インダクティブヘッドに対応して設けられる書き込み回路TFHと、再生を行う読出MRヘッドに対応して設けられる読み出し回路MRAMPを複数個(10個又は4個)を搭載している。チップコントローラCCONTは、バイアス電流の生成、選択信号、サーボ回路及びヘッド選択等の前記素子及びヘッド異常動作を検出するためのバイアス設定等を含む各種制御動作を行う。温度モニタ回路TMONは、チップの温度異常を検出する。
【0041】
バイアス回路BASは、チップコントロール回路CCONTからの指示に従ってMRヘッドに与えられるバイアス及び異常検出回路DETに対してバイアス電圧を供給する。温度検知回路TAは、特に制限されないが、MRヘッドが記録面と接触した際の高温度を検出し、読み出し回路MRAMPの出力に現れる上記温度上昇分の影響を除くように動作する。上記読み出し回路MRAMPの一対の出力信号は、特に制限されないが、DC出力オフセットをカットするよう比較的大きな容量値を持つキャパシタ(HPF)を介してAGC(自動利得制御)のアンプAMPで増幅される。このAGCアンプの出力信号RDP,RDNは、信号処理LSIにおいて、波形整形回路により波形整形され、パルス化回路によりパルス信号としてHDDコントローラ等の上位回路に読み出しデータとして伝えられる。
【0042】
ヘッドドライバHDVは、チップコントロール回路CCONTからの指示によりライトモードのときには信号処理LSIから供給されたライトデータWDPとWDNに対応して前記図3のライトモードに示したような制御信号CX,CX’及びCY,CY’を形成する。そして、リードモードのときには、図3のリートモードに示したような制御信号CX,CX’及びCY,CY’を形成する。また、チップコントロール回路CCONTからの指示により電圧VR1とVR2が前記説明したような電圧に切り換えら、電流源I0の電流値も電流I0’のように小さくされる。上記リードモードにおいては、上記異常検出回路DETにより前記のようなヘッド断線、回路の素子破壊等を検出する。この異常検出信号は、チップコントローラCCONTに伝えられて、信号線SDATAを通してHDDコントローラに読み出される。
【0043】
この実施例の磁気ディスクメモリ装置において、前記のようなヘッド異常検出回路により、ライトヘッドの両端オープン及びリード/ライトICの書き込み系回路の素子破壊等の異常を常時監視することができ、異常が検出された場合はHDDコントローラからの命令で、代替ヘッドに切り換えてデータ書き込みの行うようにすることにより、読み出しによる書き込み確認(ベリファイ)が不要となり、大量のデータを高い信頼性のもとで記録面に短時間で記録することができる。
【0044】
図13は、上記リード/ライトICに設けられる異常検出回路の一実施例のブロック図が示されている。この実施例では、異常の内容をレジスタに格納しておくものである。リード/ライトICは上記ヘッドの断線や回路素子の破壊等の異常検出の他にさまざまな異常検出回路を持っており、それぞれがレジスタに格納されている。HDDコントローラ等の装置側がどの異常かを知る為に本回路のレジスタ内容を読み取る。つまり、信号SENによりスキャン動作としてシリアルクロックSCLKを供給することにより、パラレル−シリアル変換回路から上記レジスタに格納された複数の異常検出信号がシリルアデータSDATAとして読み出される。
【0045】
図14には、正常時のフォルト信号発生タイミングチャート図が示されている。信号RWNがハイレベルのときはリードモードとされ、書き込み回路の書き込み電流Iwが前記のように記録面への記憶データを破壊させない微小電流にされて異常検出動作状態にされる。異常が検出されないときには信号FAILがロウレベルになっている。
【0046】
図15には、異常時のフォルト信号発生タイミングチャート図が示されている。信号RWNがハイレベルのときはリードモードとされ、書き込み回路の書き込み電流Iwが前記のように記録面への記憶データを破壊させない微小電流にされて異常検出動作状態にされる。異常が検出されたときには信号FAILがハイレベルになっている。上記のようにリード中に異常を検出すると、信号RWNのロウレベルによりライトモード時なると、FLT信号をアクティブとし、コントローラヘ異常を報告する。つまり、フォルトコードが前記レジスタに記録されて、HDDコントローラからの指示によりその内容が読み出される。
【0047】
図16には、この発明が適用されるハードディスク装置の一実施例の要部概略構造図が示されている。前記リード/ライト(R/W) ICは、サスペンションアームの根元に取り付けられる。このサスペンションアームの先端には上記MRヘッドと磁気ヘッドからなる複合ヘッド(MR/Inductive head)が取り付けられている。
【0048】
複数のディスク円板(magnetic media) に対応して上記複数のアーム及びサスペンションアームが重ね合わせた状態で連結されており、上記R/W ICは、複数からなるアームで形作られる側面を利用して実装される。このような上記R/W ICの実装形態を採用することにより、ヘッドとの間での信号伝達経路でのロスを最小にして、高感度で広帯域のリード動作及びハードディスク装置の小型化を実現することができるものとなる。
【0049】
上記記憶媒体としての複数のディスク円板(magnetic media)は、その中心部がモータにより回転させられる共通の回転軸に取り付けられ、かかる回転軸に接地電位が与えられることにより、上記複数のディスク円板の記憶面の電位が接地電位にされる。上記複数のディスク円板はシャフトによって一定の間隔をもって同心状に連結される。互いに向き合う2つのディスク面に1つのアームが伸びて、サスペンションアームによって分岐して上記両面に上記複合ヘッドがそれぞれ接触するように実装される。ヘッドは、ディスク円板が停止状態ではディスク面に接触しているが、ディスクが高速回転状態ではそれによって発生する空気流よって微小な間隙をもって浮上している。リード/ライト動作は上記ヘッドがディスク面を浮上した状態で行われる。この微小な間隙での放電現象の発生を防止するためにヘッドの直流電位はほぼ回路の接地電位にされている。
【0050】
図17には、この発明に係る磁気ディスクメモリ装置に設けられる書き込み回路の他の一実施例の回路図が示されている。この実施例の書き込み回路は、いわゆるHドライバ型ライト回路であり、NPN型の差動トランジスタQ4、Q6のエミッタに流れるようにされる。このトランジスタQ4とQ6のコレクタは、端子INDX,INDYに接続される。
【0051】
上記トランジスタQ4のベースが共通にされたトランジスタQ3’のコレクタ電流は、抵抗R3に流れるようにされる。この抵抗R3の他端には正の電源電圧VCC(例えば+5V)が供給される。上記トランジスタQ3’のコレクタ出力電圧は、NPN型のトランジスタQ7のベースに供給され、かかるトランジスタQ7のエミッタ出力が抵抗R1を通して上記端子INDXに供給される。
【0052】
上記トランジスタQ6のベースが共通にされたトランジスタQ5’のコレクタ電流は、抵抗R4に流れるようにされる。この抵抗R4の他端には正の電源電圧VCC(例えば+5V)が供給される。上記トランジスタQ5’のコレクタ出力電圧は、NPN型のトランジスタQ8のベースに供給され、かかるトランジスタQ8のエミッタ出力が抵抗R2を通して上記端子INDYに供給される。
【0053】
上記差動トランジスタQ4とQ6の共通化されたエミッタと負の電源電圧VEE(例えば−5V)との間には、電流源有3*I1が設けられ、上記トランジスタQ3’とQ5’は、エミッタが共通化されて差動形態とされ、上記負の電源電圧VEEとの間に電流源が設けられる。上記差動トランジスタQ3’とQ4及びQ5’とQ6のベースには、制御信号CXとCYがそれぞれに供給される。
【0054】
ライトモードにおいて、ライトデータにより制御信号CXがハイレベルで、CYがロウレベルのときには、電流源3*I1の電流がトランジスタQ4に流れて、それを書き込み電流Iwとしてヘッドに流すようにする。このとき、トランジスタQ5’はオフ状態となり、トランジスタQ8と抵抗R2を介して上記トランジスタQ4に流れる書き込み電流Iwが供給される。この電流Iwと抵抗R2の電圧降下分とトランジスタQ8のベース,エミッタ間電圧Vbeが正の電源電圧VCCに対応した約5Vとなるようにされ、上記端子INDYの電位を0Vに設定する。
【0055】
ライトデータが変化して制御信号CXがロウレベルで、CYがハイレベルになると、電流源3*I1の電流がトランジスタQ6に流れて、それを書き込み電流Iwとしてヘッドに流すようにする。このとき、トランジスタQ3’はオフ状態となり、トランジスタQ7と抵抗R1を介して上記トランジスタQ6に流れる書き込み電流Iwが供給される。この電流Iwと抵抗R1の電圧降下分とトランジスタQ7のベース,エミッタ間電圧Vbeが正の電源電圧VCCに対応した約5Vとなるようにされ、上記端子INDXの電位を0Vに設定する。
【0056】
この実施例において、リード時においてはI1の大きさをライト時の1/10の大きさにし、制御信号CXとCYに微小な電位差を持たせて電源源3*I1の電流が例えば1:2のように分配して流れるように設定される。これにより、トランジスタQ4には電流I1が流れ、トランジスタQ6には2倍の電流I1(2*I1)が流れるようにされる。また、トランジスタQ7から2*I1の電流を流し、トランジスタQ8から電流I1を流すようにしてヘッドには上記電流I1を流すようにする。このようなバイアス条件とすることにより、前記第2図に示したような異常検出回路を用いることにより、前記図1の実施例と同様にリードモードにおいて書き込み回路のヘッド断線及び素子破壊等の異常状態を検出することができる。
【0057】
図1及び図17の実施例では、電流源が2個所異常となった場合、特に、トランジスタQ7とQ6(Q8とQ4)が同時に異常となった場合にも、抵抗R1もしくはR2の両端子電圧を異常検出回路へ入力することにより検出可能となる。たすきの電流比は任意に設定可能である。比が高いほど検出感度が向上する。本検出はリードモード以外にICのスタンバイ状態で行ってもよい。
【0058】
インダクティブヘッドに流す微小電流の方向は、時々変えることも可能である。これにより、ヘッド、リード/ライトICへの負荷を均等に出来る。これを実現する手段としては、通常、R/W ICはリードとライト動作を交互に繰り返すが、この切り替えのたびに、微小電流の方向を変える。つまり、たすきの向きを逆にすることで容易に可能である。
【0059】
図1において微小電流I1を、トランジスタQ1=Q4,Q2=Q6とすれば、いずれかの電流源としてのトランジスタの故障、または、トランジスタQ1とQ6が同時に故障、又はトランジスタQ2,Q4が同時に故障した場合も検出可能である。上記を実施例と組み合わせることにより(リードごとに切り替える)、あらゆる故障を検出可能である。
【0060】
この実施例のリード/ライトICは、リードモードの時あるいはスタンバイ状態でインダクティブヘッドの断線及びそれに書き込み電流を流す回路素子の破壊等の異常を検出することができる。このことは、実際に磁気記録面に書き込みデータを書き込む前に書き込み不能を検出することができることを意味する。したがって、この実施例のリード/ライトICを用いた書き込み方法では、書き込み確認のための読み出しを省略することができる。つまり、特定のセクタに対してデータを書き込むときには、そのセクタの先頭にはトラックアドレス、セクタアドレス等やクロックの同期化のための情報が記録されており、かかる記録部に対して読み出しが行われる。この読み出し期間を利用して上記インダクティブヘッドの断線及びそれに書き込み電流を流す回路素子の破壊等の異常を検出することができる。
【0061】
したがって、実際にディスク記録面へのデータの書き込みの直前においても上記上記インダクティブヘッドの断線及びそれに書き込み電流を流す回路素子の破壊等の異常が無いことの確認を行うことができる。このような回路機能を利用することにより、この発明に係る書き込み回路を用いた場合の書き込み方法においては、実際にデータの書き込みが行われたか否かの確認のための読み出し(書き込みベリファイ)動作を省略することができる。これにより、1トラックの全セクタに対して連続して書き込みを行う場合でも、各セクタ毎に先頭部の上記記録部の読み出しを利用して、上記回路が正常に動作することを確認しているので、逐一セクタ毎に書き込みベリファイが不要となり、高速に大量のデータの記録が可能となる。このことは、複数のトラックに跨がってデータを連続して書き込む場合も同様である。
【0062】
以上本発明者よりなされた発明を実施例に基づき具体的に説明したが、本願発明は前記実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。例えば、上記書き込み回路に対して前記のような電流を流すようにするための具体的回路構成は、種々の実施形態を採ることができる。この発明は、磁気ディススクメモリ装置に広く利用できる。
【0063】
【発明の効果】
本願において開示される発明のうち代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、書き込み制御回路により書き込みデータに従って、ライトヘッドの両端に接続された第1と第2端子に向けて電圧を供給する第1又は第2トランジスタのいずれか一方をオン状態とし、上記第1と第2端子に向けて電流を形成する第3又は第4トランジスタのいずれか一方をオン状態として上記ライトヘッドに対して双方向の書き込み電流を流すという書き込み動作を行い、かかる書き込み動作以外の所定の動作期間において、上記第1と第2及び第3と第4トランジスタのそれぞれが所定の電流を流し、かつ、磁気ディスクの記録面への実質的な書き込みが行われない微小電流が上記ライトヘッドに流れるような制御電圧を上記第1ないし第4トランジスタのベースに供給し、異常検出回路により上記第1と第2端子間電圧を検出してライト系回路の異常判定出力を得ることにより、高周波数まで高い精度で安定的にヘッド端子のオープン異常を検出することができる。
【0064】
書き込みデータに従ってライトヘッドの両端が接続された第1と第2端子に向けて電圧を供給する第1又は第2トランジスタのいずれか一方をオン状態とし、上記第1と第2端子に向けた電流を形成する第3又は第4トランジスタのいずれか一方をオン状態として上記ライトヘッドに対して双方向の書き込み電流を流すという書き込み動作を行い、上記書き込み動作以外の所定の動作期間において、上記第1と第2及び第3と第4トランジスタのそれぞれに所定の電流を流し、かつ、磁気ディスクの記録面への実質的な書き込みが行われない微小電流を上記ライトヘッドに流すようにし、上記第1端子と第2端子の端子間の異常電圧を検出し、かかる異常検出出力があったときに上記書き込み動作を制限して書き込みベリファイを省略することにより、大量のデータを高速に書き込むことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る磁気ディスクメモリ装置に設けられる書き込み回路の一実施例を示す回路図である。
【図2】この発明に係るヘッドオープンを含むライト系回路の異常検出回路の一実施例を示すブロック図である。
【図3】図1の書き込み回路の動作を説明するための波形図である。
【図4】図1の書き込み回路のヘッドオープン異常状態の一例を示す回路図である。
【図5】図4に対応した異常検出回路の動作説明図である。
【図6】図4に対応した書き込み回路の動作を説明するための動作電圧図である。
【図7】図1の書き込み回路の素子異常状態の一例を示す回路図である。
【図8】図7に対応した異常検出回路の動作説明図である。
【図9】図7に対応した書き込み回路の動作を説明するための動作電圧図である。
【図10】図1の電流源I0の一実施例を示す構成図である。
【図11】図2のアンプ、レベルシフト回路及びコンパレータの一実施例を示す具体的回路図である。
【図12】この発明に係る磁気ディスクメモリ装置の一実施例を示す全体ブロック図である。
【図13】図13のリード/ライトICに設けられる異常検出回路の一実施例を示すブロック図である。
【図14】この発明に係る異常検出回路の正常時のフォルト信号発生タイミングチャート図である。
【図15】この発明に係る異常時のフォルト信号発生タイミングチャート図である。
【図16】この発明が適用されるハードディスク装置の一実施例を示す要部概略構造図である。
【図17】この発明に係る磁気ディスクメモリ装置に設けられる書き込み回路の他の一実施例を示す回路図である。
【図18】従来技術の一例を示すブロック図である。
【図19】従来技術の動作の一例を説明するための波形図である。
【符号の説明】
Q1〜Q14…トランジスタ、M1〜M15…MOSFET、R1〜R5,RL1〜RL3…抵抗、A1,A2…アンプ、LS1,LS2…レベルシフト回路、CP1,CP2…コンパレータ、G1〜G3…ゲート回路、FF…ラッチ回路、EX…排他的論理和回路、
HDV…ヘッドドライバ、TFH…書き込み回路、MRAMP…読み出し回路、MUX…マルチプレクサ、DET…異常検出回路、BAS…バイアス回路、CCONT…チップコントロール回路、HPF…ハイパスフィルタ、AMP…アンプ、TA…温度検知回路、TMON…温度モニタ、
11…ライトドライバ、12…ダミー回路、21,22…コンパレータ、23…フィルタ、14…電圧比較回路。
Claims (7)
- ライトヘッドの一端が接続された第1端子に向けた電圧を供給する第1トランジスタと、
ライトヘッドの他端が接続された第2端子に向けた電圧を形成する第2トランジスタと、
上記第1端子に向けた電流を形成する第3トランジスタと、
上記第2端子に向けた電流を形成する第4トランジスタと、
書き込みデータに従って上記第1又は第2トランジスタのいずれか一方をオン状態とし、上記第3と第4トランジスタのいずれか一方をオン状態として上記ライトヘッドに対して双方向の書き込み電流を流すようにする書き込み動作を行う書き込み制御回路と、
上記第1端子と第2端子の電圧を検出する異常検出回路とを備え、
上記書き込み動作以外の所定の動作期間において、上記第1と第2及び第3と第4トランジスタのそれぞれが所定の電流を流し、かつ、磁気ディスクの記録面への実質的な書き込みが行われない微小電流が上記ライトヘッドに流れるような制御電圧を上記第1ないし第4トランジスタのベースに供給し、上記異常検出回路によりライト系回路の異常判定出力を得ることを特徴とする磁気ディスクメモリ装置。 - 請求項1において、
上記異常検出回路は、上記第2端子に対する第1端子の差電圧を検出し、レベルシフトして基準電位と比較する第1回路と、上記第1端子に対する第2端子の差電圧を検出し、レベルシフトして上記基準電圧と比較する第2回路と、上記第1回路と第2回路の論理和出力を取り出す回路を含むものであることを特徴とする磁気ディスクメモリ装置。 - 請求項1において、
上記第1ないし第4トランジスタに流れる総合の電流は、書き込み動作のときに流れる電流に対して、上記所定の動作期間のときに流れる電流が小さくなるように切り換えられるものであることを特徴とする磁気ディスクメモリ装置。 - 請求項3において、
上記ライトヘッドは、インダクティブヘッドにより構成され、読み出し用にMRヘッドが用いられるものであることを特徴とする磁気ディスクメモリ装置。 - 書き込みデータに従ってライトヘッドの両端が接続される第1と第2端子に向けた電圧を形成する第1又は第2トランジスタのいずれか一方をオン状態とし、上記第1と第2端子に向けた電流を形成する第3又は第4トランジスタのいずれか一方をオン状態として上記ライトヘッドに対して双方向の書き込み電流を流して書き込み動作を行い、
上記書き込み動作以外の所定の動作期間において、上記第1と第2及び第3と第4トランジスタのそれぞれに所定の電流を流し、かつ、磁気ディスクの記録面への実質的な書き込みが行われない微小電流を上記ライトヘッドに流すようにし、上記第1端子と第2端子の異常電圧を検出し、かかる異常検出出力により上記書き込み動作を制限することを特徴とする磁気ディスクメモリ装置の書き込み方法。 - 請求項5において、
上記書き込み動作は、上記書き込みデータの書き込み確認のための読み出し動作を行わないことを特徴とする磁気ディスクメモリ装置の書き込み方法。 - 請求項6において、
上記所定の期間は、書き込み動作のためのヘッド位置情報の読み出し期間を含むことを特徴とする磁気ディスクメモリ装置の書き込み方法。
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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JP2011040149A (ja) * | 2009-08-14 | 2011-02-24 | Samsung Electronics Co Ltd | ハードディスクドライブの前置増幅器及びそれを含むハードディスクドライブ並びにコンピュータシステム |
US10395690B2 (en) | 2017-08-23 | 2019-08-27 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Magnetic disk device and write capable of detecting data errors and performing read-write verification thereof |
-
2003
- 2003-02-06 JP JP2003029025A patent/JP2004241043A/ja active Pending
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