JP2004240580A - 緩衝材設計装置およびコンピュータ読取り可能な緩衝材設計用プログラムおよびこのプログラムを記録した記録媒体 - Google Patents
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Abstract
【課題】緩衝材設計のノウハウを3次元CADデータに記述し、緩衝材設計の自動化、省力化、容易化を図る。
【解決手段】製品形状をソリッドモデルデータで定義する製品データ定義部110と、緩衝材の設計に必要な緩衝材設計条件を設定する緩衝材設計条件設定部120と、緩衝材の標準形状をソリッドモデルデータで定義するとともにこの標準形状の寸法データをパラメトリックに定義する緩衝材標準設計テンプレート部130と、緩衝材設計条件と緩衝材標準形状の寸法データとの関係情報を蓄積する緩衝材設計知識データベース部143と、製品形状のソリッドモデルデータ、緩衝材の標準形状のソリッドモデルデータ、緩衝材設計条件の各データと、緩衝材設計条件と緩衝材標準形状の寸法データとの関係情報とに基づいて新たに緩衝材の形状のソリッドモデルデータおよびこのソリッドモデルの寸法データを設計する緩衝材自動設計部140とを備える。
【選択図】 図1
【解決手段】製品形状をソリッドモデルデータで定義する製品データ定義部110と、緩衝材の設計に必要な緩衝材設計条件を設定する緩衝材設計条件設定部120と、緩衝材の標準形状をソリッドモデルデータで定義するとともにこの標準形状の寸法データをパラメトリックに定義する緩衝材標準設計テンプレート部130と、緩衝材設計条件と緩衝材標準形状の寸法データとの関係情報を蓄積する緩衝材設計知識データベース部143と、製品形状のソリッドモデルデータ、緩衝材の標準形状のソリッドモデルデータ、緩衝材設計条件の各データと、緩衝材設計条件と緩衝材標準形状の寸法データとの関係情報とに基づいて新たに緩衝材の形状のソリッドモデルデータおよびこのソリッドモデルの寸法データを設計する緩衝材自動設計部140とを備える。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、製品を梱包するパッキングケース内で製品を安定して保護するために用いる緩衝材(パッド)を設計する緩衝材設計装置に関する。この緩衝材設計装置は3次元CAD装置に組み込まれた形態で実現することができる。
【0002】
【従来の技術】
製品を出荷する際は、製品を安全に運送、積載できるようにするため、製品を発泡スチロール等の緩衝材で保護した上で、ダンボール等からなるパッキングケースに納める。
製品を梱包するパッキングケース内で製品を安定して保護する緩衝材の設計は、従来、2次元CADで設計された製品図面を用いてこれを元に、2次元CADもしくはドラフター(手書き)を使用して設計作業がなされていた。
緩衝材の設計を効率的に行うため、標準化された梱包材を3次元CADでライブラリ化し、3次元CADを使用して設計された製品の形状に応じて、標準化された梱包材ライブラリから適した梱包材形状を選択し、3次元的に梱包材の設計を行っていることもなされている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】
特開平9−44551号公報(P2〜P3、 図1)
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
製品を保護する緩衝材は、製品と接触する部分は製品形状に合わせて設計する必要があり、複雑な曲面を有する製品形状の場合、2次元設計では形状認識及び形状定義が難しく、設計検討に多大な時間を要していた。
3次元CADを使用して緩衝材を設計する場合は、2次元CADで設計する場合に比べると、製品形状が複雑な曲面を有する場合でも、3次元CADで設計した製品形状を元に緩衝材の設計を3次元的に行うことができるため、形状認識や形状定義が多少容易になる。
【0004】
しかし、3次元CADを使用して緩衝材の設計を3次元的に行ったとしても、緩衝材の適切な厚みや製品の支持面積など緩衝材設計のノウハウを持たない経験の浅い設計者は、試行錯誤しながら設計を行う必要があり、設計に時間を要するといった課題があった。
【0005】
そこで、本発明は上記課題に鑑みて、緩衝材の設計を3次元CADで行う場合において、熟練設計者の緩衝材設計のノウハウを取り込み、経験の浅い設計者であっても容易に設計を行うことができ、しかも緩衝材設計の品質を保持することができる緩衝材設計装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するためになされた本発明の緩衝材設計装置は、製品の外側に取り付けられる製品保護のための緩衝材を設計する緩衝材設計装置であって、製品形状をソリッドモデルデータで定義する製品データ定義部と、緩衝材の設計に必要な緩衝材設計条件を設定する緩衝材設計条件設定部と、緩衝材の標準形状をソリッドモデルデータで定義するとともにこの標準形状の寸法データをパラメトリックに定義する緩衝材標準設計テンプレート部と、緩衝材設計条件と緩衝材標準形状の寸法データとの関係情報を蓄積する緩衝材設計知識データベース部と、製品形状のソリッドモデルデータ、緩衝材の標準形状のソリッドモデルデータ、緩衝材設計条件の各データと、緩衝材設計条件と緩衝材標準形状の寸法データとの関係情報とに基づいて新たに緩衝材の形状のソリッドモデルデータおよびこのソリッドモデルの寸法データを設計する緩衝材自動設計部とを備えている。
【0007】
この発明によれば、製品データ定義部で定義された製品形状のソリッドモデルデータと、緩衝材設計条件設定部で設定された緩衝材設計条件とが読み込まれる。
緩衝材標準設計テンプレート部で定義されている緩衝材標準形状のソリッドモデルのなかから、いずれかの緩衝材の標準形状のソリッドモデルデータおよびこのソリッドモデルデータの寸法データを選択すると、緩衝材自動設計部は、製品形状のソリッドモデルデータと設定された緩衝材設計条件とに基づいて、緩衝材設計知識データベース部に蓄積されている緩衝材設計条件と緩衝材標準形状の寸法データとの関係情報を参照して最適な寸法値を算出する。そして算出した寸法の値を、緩衝材標準形状のソリッドモデルにおいてパラメトリックに定義された寸法データに与えることにより、新たな緩衝材(ソリッドモデルデータとこのモデルの寸法データとからなる)が設計される。
【0008】
緩衝材設計条件は、少なくとも製品の許容衝撃値と、緩衝材の材料特性と、製品の許容落下高さと、製品の許容積載段数とに関する条件を含むようにしてもよい。さらに、緩衝材自動設計部は製品形状のソリッドモデルから製品の重量、重心、外形寸法を算出する製品情報算出部を有し、緩衝材設計知識データベース部は製品の重量、重心、外形寸法、製品の許容衝撃値、緩衝材の材料特性、製品の許容落下高さ、製品の許容積載段数とから緩衝材の厚み、製品支持面積を含む緩衝材の寸法データを算出するための関連情報を有するようにしてもよい。
これらにより、製品を安全に運送、保管できる緩衝材を設計することができる。
【0009】
緩衝材標準設計テンプレート部は支持方式が異なる複数の緩衝材標準形状を定義する緩衝材支持方式定義部を有し、緩衝材設計条件設定部は緩衝材支持方式定義部が定義するいずれかの支持方式の緩衝材標準形状を選択する緩衝材形状選択部を有し、緩衝材自動設計部は緩衝材形状選択部により選択された緩衝材標準形状を元にして、新たな緩衝材を設計するようにしてもよい。
これにより、目的に応じて適切な支持方式による緩衝材の設計が簡単に行うことができるようになる。
【0010】
緩衝材自動設計部は、圧縮クリープチェック、座屈チェック、偏重心チェック、突起物チェックの少なくとも1つのチェックを行うととともに、チェック結果に応じてパラメータの調整を行うパラメータ調整部をさらに備え、緩衝材設計知識データベース部はパラメータ調整部が必要とする数値情報や関係式情報を蓄積するようにしてもよい。
これにより、ソリッドモデルに与える寸法値としてさらに適切な寸法を与えることができるようになり、安全で信頼性の高い緩衝材を作成することができる。
【0011】
緩衝材標準設計テンプレート部は、緩衝材自動設計部が新たに設計した緩衝材の形状のソリッドモデルデータおよびこのソリッドモデルの寸法データを、緩衝材の標準形状ソリッドモデルデータおよびこの標準形状の寸法データとして蓄積するようにしてもよい。
これにより、新しく設計した緩衝材が緩衝材標準形状のひとつにとして追加されるので、次回の設計の際により多くの標準形状から選択することができるようになる。
【0012】
また、本発明は別の観点から、製品の外側に取り付けられる製品保護のための緩衝材を設計する緩衝材設計装置としての機能を実現させるためのプログラムであって、コンピュータに、製品形状をソリッドモデルデータで定義する製品データ定義部と、緩衝材の設計に必要な緩衝材設計条件を設定する緩衝材設計条件設定部と、緩衝材の標準形状をソリッドモデルデータで定義するとともにこの標準形状の寸法データをパラメトリックに定義する緩衝材標準設計テンプレート部と、
緩衝材設計条件と緩衝材標準形状の寸法データとの関係情報を蓄積する緩衝材設計知識データベース部と、製品形状のソリッドモデルデータ、緩衝材の標準形状のソリッドモデルデータ、緩衝材設計条件の各データと、緩衝材設計条件と緩衝材標準形状の寸法データとの関係情報とに基づいて新たに緩衝材の形状のソリッドモデルデータおよびこのソリッドモデルの寸法データを設計する緩衝材自動設計部としての機能を実現させるためのコンピュータ読取り可能な緩衝材設計装置用プログラムとして提供することもできる。
さらには、このようなプログラムを記録した記録媒体として提供することもできる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について説明する。ただし、本発明はここで説明する具体例に限定されるものではない。
まず、緩衝材設計装置のハードウェア構成について説明すると、この装置はコンピュータシステムにより構成される。すなわち、キーボードやマウスなどからなり、各種指示入力やデータ入力を行うための入力装置、液晶パネルやCRTなどからなる出力装置のひとつとしての表示装置、各種制御機能を行うCPU、記憶部として機能するROM、RAM、大容量記憶部として機能するHDD、機器間でデータの送受を行うI/Oインタフェースなどからなるコンピュータ本体で構成される。また、必要に応じて、プリンタなど表示装置以外の他の出力装置を備えたり、外部メモリであるCDROM、フロッピディスク、ICカード等の記録媒体読取装置を備えたり、LANなどの通信機能を付設したりするようにしてプログラムや外部データ等の読込が必要な場合にデータの送受信ができるようにするのが望ましい。
【0014】
図1は本発明の一実施形態である緩衝材設計装置の構成を機能ごとに説明するブロック構成図である。本発明の緩衝材設計装置100は、大きく分類して製品データ定義部110と、緩衝材設計条件設定部120と、緩衝材標準設計テンプレート部130と、緩衝材自動設定部140とから構成される。
【0015】
製品データ定義部110は、製品形状をソリッドモデルとして定義する機能を実現するものであり、製品形状を3次元CADによるソリッドモデルとして入力する製品モデル入力部111と、製品モデル入力部111から入力されたソリッドモデルデータを保存する製品ソリッドモデルデータベース部112とから構成される。
【0016】
緩衝材設計条件設定部120は、製品の許容衝撃値、緩衝材の材料、製品の許容落下高さ、製品の許容積載段数、緩衝材形状などの設計条件を設定する機能を実現するものであり、製品モデル入力部111から入力される製品に関する許容衝撃値情報、緩衝材の材質や緩衝材の嵩密度(又は発泡倍率)などの材料情報、製品の許容落下高さ情報、製品の許容積載段数情報というような緩衝材の安全設計に必要な各条件を設定するための入力を行う緩衝材設計条件入力部121と、緩衝材設計条件のひとつとして緩衝材の形状種類を指定する緩衝材形状選択部122とから構成される。
【0017】
緩衝材標準設計テンプレート部130は、緩衝材標準設計テンプレート(緩衝材の標準形状とこの緩衝材標準形状の寸法をパラメトリックに定義する緩衝材設計パラメータとからなる)を定義する機能を実現するものであり、緩衝材の配置方法として予め定義されている支持方式(後述する図4参照)のいずれかを選択する緩衝材支持方式選択部134と、緩衝材をソリッドモデルで入力する緩衝材ソリッドモデル入力部131と、入力された緩衝材ソリッドモデルデータ(このソリッドモデルでは寸法データがパラメトリックに定義されている)を蓄積する緩衝材ソリッドモデルデータベース部132と、パラメトリックに寸法データが定義されている緩衝材ソリッドモデルの各寸法パラメータに与える実際の数値を定義する緩衝材設計パラメータデータベース部133とから構成される。
【0018】
緩衝材支持方式選択部134で選択する緩衝材の配置方法について具体的に説明すると、図4に示すように製品を4つの緩衝材で保護する4点左右パッド方式401、2つの緩衝材で保護する2点左右パッド方式402、8つの緩衝材で保護する8点コーナーパッド方式403などの配置方法があり、目的用途に応じて選択することができる。なお、2点パッド方式は、製品の前後を支持する2点前後パッド方式と、製品の天底を支持する2点天底パッド方式もあり、4点パッド方式は、製品の前後を支持する4点前後パッド方式もあり、これらも緩衝材支持方式選択部134での選択対象に加えてもよい。
【0019】
緩衝材標準設計テンプレート部130に記憶されている緩衝材標準設計テンプレートについて具体的に説明する。図2は緩衝材標準テンプレートを説明する図であり、図中、200は緩衝材の厚み、201は製品支持面積、202は寸法パラメータ群、203は製品形状、204は緩衝材、205は緩衝材の幅厚みである。
これらの寸法には、とりあえずデフォルト値が設定されている。このデフォルト値はこれまでの設計で経験的に得た値であり、初回の計算の際に用いられる。後述するように処理が進むと、やがてこのデフォルト値は本製品に適した値に更新される。
【0020】
緩衝材自動設計部140は、製品データ定義部110からの製品情報、緩衝材設計条件設定部120からの設計条件情報、緩衝材表示設計テンプレート部130からの緩衝材標準設計テンプレート情報に基づいて緩衝材の自動設計を行う機能を実現する。
この緩衝材自動設計部140は、製品の許容衝撃値、緩衝材の材料、製品の許容落下高さと、製品を安全に保護する緩衝材の最適厚み(図2参照)、最適製品支持面積(図2参照)との関係を定義する安全設計情報をはじめ、緩衝材設計に必要なノウハウデータが蓄積する緩衝材設計知識データベース部143を有する。
緩衝材設計知識データベース部143が蓄積するノウハウデータとしては、上記安全設計情報の他に圧縮クリープチェック(荷崩れ回避のための試験)に用いる判定用数値、座屈チェックに用いる判定演算用乗数や幅厚みの補正に関する情報、偏重心チェックに用いる支持面積調整用の面積配分式、突起物チェックに用いる厚み調整に関する関係式の情報(これらのノウハウデータの詳細は後述する)などがある。
また、緩衝材自動設計部140を機能ごとに細分類すると、製品情報算出部141、緩衝材外形形状算出部142、上述した緩衝材設計知識データベース部143、緩衝材設計部144、パラメータ調整部145、パッキングケース内寸計算部146とから構成される。
【0021】
製品情報算出部141は、製品データ定義部110からの製品情報に基づいて製品の重心、重量、外形サイズを算出する。
緩衝材外形形状算出部142は、緩衝材形状選択部122、緩衝材設計パラメータデータベース部133、製品情報算出部141からの情報と緩衝材設計知識データベース部143とに基づいて緩衝材の厚み200や製品支持面積201を計算する。
緩衝材知識データベース部143は、各種演算、計算の際の要求に応じて設計に必要な関係式などの情報を提供する。
緩衝材設計部144は、緩衝材外形形状算出部142が算出した結果に基づいて緩衝材の各寸法値を計算する。
パラメータ調整部145は、圧縮クリープチェック、座屈チェック、偏重心チェック、突起物チェックを行い、必要に応じて緩衝材の設計パラメータの補正や調整を行う。
パッキングケース内寸計算部146は、算出された設計パラメータに基づいてパッキングケースの内寸などを算出する。
【0022】
次に、本発明の緩衝材設計装置における処理手順について説明する。図3は上述した記緩衝材設計装置100によって実行される処理を説明するフローチャートである。
緩衝材の設計は大きく分類して、設計者が主に入力設定作業を行う入力設定段階320、入力処理や設定処理がなされた後に緩衝材設計装置100による自動設計がなされる自動設計段階321、自動設計による設計結果を利用して設計者がさらに細部の詳細設計を行う詳細設計段階322に分けられる。
【0023】
入力設定段階320では、まず、製品形状をソリッドモデルで定義する。予め、製品モデル入力部111から緩衝材を設計する対象製品の3次元ソリッドモデルを入力する。入力作業は、公知の3次元CAD操作方法による。そして必要なときにこのソリッドモデルが読み込めるように製品ソリッドモデルデータベース部112に蓄積する(ステップS301)。
緩衝材の設計を開始すると、製品ソリッドモデルデータベース部112から該当する製品ソリッドモデルデータを読込む(ステップS302)。
【0024】
また、製品とは別に、緩衝材形状をソリッドモデルで定義するのに用いる緩衝材標準設計テンプレート(緩衝材の標準形状となるCADデータと、この緩衝材標準形状の寸法をパラメトリックに定義する緩衝材設計パラメータとからなる)を予め定義しておき、このうち緩衝材の標準形状となるCADデータは緩衝材ソリッドモデルデータベース部132に格納し、緩衝材設計パラメータデータは緩衝材設計パラメータデータベース部133に格納しておく。
【0025】
次に、緩衝材形状選択部122により、緩衝材支持方式選択部134から設計に用いる所望の緩衝材形状(4点左右パッド方式401、2点左右パッド方式402、8点コーナーパッド方式403など)を選択し、選択した緩衝材形状に関するデータを、緩衝材ソリッドモデルデータベース部132および緩衝材設計パラメータデータベース部133から読込む(ステップS303)。
【0026】
本例では、製品を4点で支持する4点左右パッド方式401(図4参照)を選択したものとする。緩衝材ソリッドモデルデータベース部132には、図5に示すような4点左右パッド方式の緩衝材標準形状501のCADデータ501aが登録されている。このCADデータ501aの寸法は、パラメトリックに定義してあり、数値を代入して形状変更できるようにしてある。
緩衝材設計パラメータデータベース部133には、緩衝材標準形状501のCADデータ501aに用いる寸法パラメータデータ501bの数値が定義してある(最初はデフォルト値が定義されている)。
【0027】
なお、緩衝材設計パラメータデータベース部133の寸法パラメータデータ501bが(デフォルト値から)更新されると、それに連動して緩衝材ソリッドモデルデータベース部132の緩衝材標準形状501のCADデータ501aが更新されるように緩衝材モデル入力部131にて定義してある。
【0028】
次に、緩衝材設計条件設定部120により緩衝材設計条件の入力を行う。
緩衝材設計条件入力部121により製品の許容衝撃値と、緩衝材材料名、緩衝材の嵩密度(又は発泡倍率)などの緩衝材の材料情報と、製品の許容落下高さ、製品の許容積載段数とを入力し、緩衝材自動設計部140での処理を実行させる(ステップS304、S305)。
以上が、設計者が入力設定作業を行う入力設定段階320である。
【0029】
続いて、自動設計段階321に入る。この段階では、緩衝材自動設計部140が製品データ(製品形状のソリッドモデル)、緩衝材設計条件、緩衝材標準設計テンプレートに基づいて緩衝材の形状を自動設計する。
まず、製品ソリッドモデルデータベース部112内に蓄積された製品データに基づいて製品情報算出部141が、製品の重心、重量、外形寸法を算出する(ステップS306)。
【0030】
次に、緩衝材外形形状算出部142が、算出された製品データを元に、緩衝材設計知識データベース部143を参照して、緩衝材の厚み、製品支持面積を算出する(ステップS307)。
まず、緩衝材設計条件入力部121により入力された製品の許容衝撃値に対して、使用する緩衝材により適切な余裕度を見込んだ値を緩衝設計基準とする。この余裕度は、市場の品質情報を加味した経験値が用いられ、例えば製品の許容衝撃値が「40」である場合、一例として「−10」を加算した「30」を緩衝設計基準とする。
【0031】
ここで、この緩衝設計基準をG、緩衝材設計条件入力部121により入力された許容落下高さをH、緩衝材の嵩密度(又は発泡倍率)をBとし、緩衝材の厚みをT、製品の積重ね保管時において緩衝材に加わる静的応力をσs、製品支持面積をA、製品情報算出手段141により算出された製品の重量をWとする。
【0032】
緩衝材設計知識データベース部143では、図7に示すように緩衝設計基準G、緩衝材の嵩密度(又は発泡倍率)BとH/T、σsの関係が、テーブル形式で定義されており、緩衝設計基準Gと緩衝材の嵩密度(又は発泡倍率)Bとを入力することにより、H/Tとσsを得ることができる。例えば、緩衝設計基準Gを40、緩衝材の嵩密度(又は発泡倍率)を0.020(又は50倍)とすると、H/T=X4、σs=Y4となる。
そして、この時の緩衝材の厚み200(図2参照)が、H/X4の式により算出され、製品支持面積201(図2参照)が緩衝材に加わる静的応力σsと製品の重量Wとから算出されることになる。
【0033】
緩衝材設計部144では、ステップS306で算出した製品の外形寸法、製品の重心、およびステップS307で算出した緩衝材の厚み200、製品支持面積201に基づいて、緩衝材設計パラメータデータベース部133で定義されている緩衝材の寸法パラメータ群202の各寸法値を計算し、設定する(ステップS308)。
【0034】
続いて、パラメータ調整部145が、算出した緩衝材の厚み200、製品支持面積201、寸法パラメータ群202について圧縮クリープチェック、座屈チェック、偏重心チェック、突起物チェックを行う。
まず、製品の積重ね保管時の緩衝材の製品保護状態をチェックし、製品の積重ね荷重を緩衝材で有効に支持できない場合は、荷崩れの恐れがあり、これを回避するため圧縮クリープチェックを行う(ステップS309)。
【0035】
製品の積重ね総重量(製品情報算出部141により算出された製品重量×緩衝材設計条件入力部121により入力される許容積段数)をWt、積重ね保管時において緩衝材に加わる静的応力をσsとすると、このσsが緩衝材設計データベース部143に記述されたある数値(ここではPとする)を超えると、保管日数に従い緩衝材の歪量がいつまでも増える。したがって、ステップS307で算出した製品支持面積201が、Wt/σs、つまりWt/Pを超過しているかどうかチェックし、Wt/P未満の場合はステップS307に戻り、製品支持面積201にWt/Pに緩衝材設計知識データベース部143に記述された増分値を加算し、再度緩衝材設計パラメータを算出する。
【0036】
次に、緩衝材の幅厚み205(図2参照)が、緩衝材の厚さ200に対して一定以上必要であるが、これが満たされていない場合に緩衝材の座屈現象(腰折れ)が生じ、製品の底突きを起こす恐れがある。これを回避するため、座屈チェックを行う(ステップS310)。
【0037】
緩衝材の厚みをTとすると、座屈現象を回避するためには、緩衝材の幅厚み205は、Tに緩衝材設計知識データベース部143に記述された倍数(ここではQとする)を乗じた値、つまり、Q×T以上必要である。ステップS310の座屈チェックで、緩衝材の幅厚みがQ×T未満である場合には、ステップS308で算出した緩衝材の寸法パラメータ群202の中で、緩衝材の幅厚み205に相当する寸法パラメータにQ×Tを設定し(ステップS311)、ステップS312へ進む。
【0038】
次に、製品の重心が片側に偏っている場合、左右一様に製品の支持面積配分を行うと衝撃吸収がアンバランスになり、重心が偏っている箇所の緩衝材歪量が増える。したがって偏重心チェックを行う(ステップS312)。
【0039】
製品情報算出部141より算出された製品の重心位置が製品の中心ではないと判断された場合、調整を行う。製品支持面積をA、製品の重心位置をL1、L2とすると、緩衝材設計知識データベース部143には、配分する製品支持面積についてA、L1、L2の関係式が定義されており、この関係式で算出された結果に基づいて、製品支持面積201の面積配分を行い(ステップS313)、ステップS314へ進む。
【0040】
次に、製品に突起物がある場合は、先端部分で底突きのおそれがあるので底突きしないよう緩衝材に十分な逃げ、厚みの補正を行うべく、突起物チェックを行う(ステップS314)。
【0041】
製品ソリッドモデルデータベース部112より取込んだ突起物の高さをht、緩衝材の歪をDとすると、緩衝材設計知識データベース部143には、底突きを起こさない緩衝材の厚みがht、Dの関係式で定義されており、この関係式で算出された緩衝材の厚みと、ステップS307で算出した緩衝材の厚みを比較する。
厚みが不足している場合は、htとDの関係式で算出された数値を緩衝材の厚みとし(ステップS315)、ステップS316へ進む。
【0042】
圧力クリープチェック、座屈チェック、偏重心チェック、突起物チェックを終えて適当な寸法パラメータメータが算出されると、これを用いて緩衝材設計パラメータデータが再計算される(ステップS316)。
先に説明したように、図5に示した緩衝材標準形状501のCADデータ501a(緩衝材ソリッドモデルデータベース部132内に格納)では、寸法をパラメトリックに定義してある。緩衝材設計パラメータデータベース部133が更新されると、その更新に連動して緩衝材ソリッドモデルデータベース部132、すなわち、緩衝材標準形状のCADデータ501aが更新されるように緩衝材モデル入力部131で定義されている。
【0043】
ステップS308において、緩衝材設計パラメータデータベース部133で定義されている緩衝材の寸法パラメータ群202の各寸法値が変更されれば、これに連動して緩衝材ソリッドモデルデータベース部132、すなわち、緩衝材標準形状のCADデータ501aが更新され、新たな緩衝材3次元設計データ(図6参照)が出力される(ステップS317)。
【0044】
次に、図6に示すように製品モデル入力部111により入力された製品モデルとステップS317で更新された緩衝材モデルの寸法からパッキングケースの幅方向の内寸w、パッキングケースの高さ方向の内寸h、パッキングケースの奥行き方向の内寸dが算出される(ステップS318)。
パッキングケースの内寸も自動的に計算されるため、製品の企画段階で、製品出荷時のコンテナや倉庫における製品保管時の最大積載数も容易に計算できる。
以上が、緩衝材設計装置100による自動設計段階321である。
【0045】
最後に、緩衝材の詳細設計段階322に入る。この段階では、製品モデルと更新された緩衝材モデルを使用して、設計者が製品と緩衝材が接触する部分を3次元的に詳細設計する。これにより複雑な曲面を有する製品形状の場合でも、形状認識及び形状定義が容易であり、緩衝材の製品支持形状の詳細を定義することができる。(ステップS319)
【0046】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、製品の緩衝材設計において、製品のソリッドデータと、製品の許容衝撃値と緩衝材の材料情報、製品の許容落下高さなどの緩衝材設計条件に関する情報とを入力するだけで、製品を安全に運送、保管できるように保護する緩衝材の形状が提示されるため、経験の浅い設計者でも容易に緩衝材設計を行うことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である緩衝材設計装置の構成を示すブロック図。
【図2】緩衝材標準設計テンプレートを説明する図。
【図3】本発明の一実施例である緩衝材設計装置による処理手順を説明するフローチャート。
【図4】緩衝材の支持方式を説明する図。
【図5】緩衝材標準形状のCADデータの説明図。
【図6】パッキングケースの内寸を説明する図。
【図7】緩衝材設計知識データベース部に格納される緩衝材の安全設計のための情報を説明する図。
【符号の説明】
100:緩衝材設計装置
110:製品データ定義部
111:製品モデル入力部
112:製品ソリッドモデルデータベース部
120:緩衝材設計条件設定部
121:緩衝材設計条件入力部
122:緩衝材形状選択部
130:緩衝材標準設計テンプレート部
131:緩衝材モデル入力部
132:緩衝材ソリッドモデルデータベース部
133:緩衝材設計パラメータデータベース部
134:緩衝材支持方式選択部
140:緩衝材自動設計部
141:製品情報算出部
142:緩衝材外形形状算出部
143:緩衝材設計知識データベース部
144:緩衝材設計部
145:パラメータ調整部
146:パッキングケース内寸計算部
【発明の属する技術分野】
本発明は、製品を梱包するパッキングケース内で製品を安定して保護するために用いる緩衝材(パッド)を設計する緩衝材設計装置に関する。この緩衝材設計装置は3次元CAD装置に組み込まれた形態で実現することができる。
【0002】
【従来の技術】
製品を出荷する際は、製品を安全に運送、積載できるようにするため、製品を発泡スチロール等の緩衝材で保護した上で、ダンボール等からなるパッキングケースに納める。
製品を梱包するパッキングケース内で製品を安定して保護する緩衝材の設計は、従来、2次元CADで設計された製品図面を用いてこれを元に、2次元CADもしくはドラフター(手書き)を使用して設計作業がなされていた。
緩衝材の設計を効率的に行うため、標準化された梱包材を3次元CADでライブラリ化し、3次元CADを使用して設計された製品の形状に応じて、標準化された梱包材ライブラリから適した梱包材形状を選択し、3次元的に梱包材の設計を行っていることもなされている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】
特開平9−44551号公報(P2〜P3、 図1)
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
製品を保護する緩衝材は、製品と接触する部分は製品形状に合わせて設計する必要があり、複雑な曲面を有する製品形状の場合、2次元設計では形状認識及び形状定義が難しく、設計検討に多大な時間を要していた。
3次元CADを使用して緩衝材を設計する場合は、2次元CADで設計する場合に比べると、製品形状が複雑な曲面を有する場合でも、3次元CADで設計した製品形状を元に緩衝材の設計を3次元的に行うことができるため、形状認識や形状定義が多少容易になる。
【0004】
しかし、3次元CADを使用して緩衝材の設計を3次元的に行ったとしても、緩衝材の適切な厚みや製品の支持面積など緩衝材設計のノウハウを持たない経験の浅い設計者は、試行錯誤しながら設計を行う必要があり、設計に時間を要するといった課題があった。
【0005】
そこで、本発明は上記課題に鑑みて、緩衝材の設計を3次元CADで行う場合において、熟練設計者の緩衝材設計のノウハウを取り込み、経験の浅い設計者であっても容易に設計を行うことができ、しかも緩衝材設計の品質を保持することができる緩衝材設計装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するためになされた本発明の緩衝材設計装置は、製品の外側に取り付けられる製品保護のための緩衝材を設計する緩衝材設計装置であって、製品形状をソリッドモデルデータで定義する製品データ定義部と、緩衝材の設計に必要な緩衝材設計条件を設定する緩衝材設計条件設定部と、緩衝材の標準形状をソリッドモデルデータで定義するとともにこの標準形状の寸法データをパラメトリックに定義する緩衝材標準設計テンプレート部と、緩衝材設計条件と緩衝材標準形状の寸法データとの関係情報を蓄積する緩衝材設計知識データベース部と、製品形状のソリッドモデルデータ、緩衝材の標準形状のソリッドモデルデータ、緩衝材設計条件の各データと、緩衝材設計条件と緩衝材標準形状の寸法データとの関係情報とに基づいて新たに緩衝材の形状のソリッドモデルデータおよびこのソリッドモデルの寸法データを設計する緩衝材自動設計部とを備えている。
【0007】
この発明によれば、製品データ定義部で定義された製品形状のソリッドモデルデータと、緩衝材設計条件設定部で設定された緩衝材設計条件とが読み込まれる。
緩衝材標準設計テンプレート部で定義されている緩衝材標準形状のソリッドモデルのなかから、いずれかの緩衝材の標準形状のソリッドモデルデータおよびこのソリッドモデルデータの寸法データを選択すると、緩衝材自動設計部は、製品形状のソリッドモデルデータと設定された緩衝材設計条件とに基づいて、緩衝材設計知識データベース部に蓄積されている緩衝材設計条件と緩衝材標準形状の寸法データとの関係情報を参照して最適な寸法値を算出する。そして算出した寸法の値を、緩衝材標準形状のソリッドモデルにおいてパラメトリックに定義された寸法データに与えることにより、新たな緩衝材(ソリッドモデルデータとこのモデルの寸法データとからなる)が設計される。
【0008】
緩衝材設計条件は、少なくとも製品の許容衝撃値と、緩衝材の材料特性と、製品の許容落下高さと、製品の許容積載段数とに関する条件を含むようにしてもよい。さらに、緩衝材自動設計部は製品形状のソリッドモデルから製品の重量、重心、外形寸法を算出する製品情報算出部を有し、緩衝材設計知識データベース部は製品の重量、重心、外形寸法、製品の許容衝撃値、緩衝材の材料特性、製品の許容落下高さ、製品の許容積載段数とから緩衝材の厚み、製品支持面積を含む緩衝材の寸法データを算出するための関連情報を有するようにしてもよい。
これらにより、製品を安全に運送、保管できる緩衝材を設計することができる。
【0009】
緩衝材標準設計テンプレート部は支持方式が異なる複数の緩衝材標準形状を定義する緩衝材支持方式定義部を有し、緩衝材設計条件設定部は緩衝材支持方式定義部が定義するいずれかの支持方式の緩衝材標準形状を選択する緩衝材形状選択部を有し、緩衝材自動設計部は緩衝材形状選択部により選択された緩衝材標準形状を元にして、新たな緩衝材を設計するようにしてもよい。
これにより、目的に応じて適切な支持方式による緩衝材の設計が簡単に行うことができるようになる。
【0010】
緩衝材自動設計部は、圧縮クリープチェック、座屈チェック、偏重心チェック、突起物チェックの少なくとも1つのチェックを行うととともに、チェック結果に応じてパラメータの調整を行うパラメータ調整部をさらに備え、緩衝材設計知識データベース部はパラメータ調整部が必要とする数値情報や関係式情報を蓄積するようにしてもよい。
これにより、ソリッドモデルに与える寸法値としてさらに適切な寸法を与えることができるようになり、安全で信頼性の高い緩衝材を作成することができる。
【0011】
緩衝材標準設計テンプレート部は、緩衝材自動設計部が新たに設計した緩衝材の形状のソリッドモデルデータおよびこのソリッドモデルの寸法データを、緩衝材の標準形状ソリッドモデルデータおよびこの標準形状の寸法データとして蓄積するようにしてもよい。
これにより、新しく設計した緩衝材が緩衝材標準形状のひとつにとして追加されるので、次回の設計の際により多くの標準形状から選択することができるようになる。
【0012】
また、本発明は別の観点から、製品の外側に取り付けられる製品保護のための緩衝材を設計する緩衝材設計装置としての機能を実現させるためのプログラムであって、コンピュータに、製品形状をソリッドモデルデータで定義する製品データ定義部と、緩衝材の設計に必要な緩衝材設計条件を設定する緩衝材設計条件設定部と、緩衝材の標準形状をソリッドモデルデータで定義するとともにこの標準形状の寸法データをパラメトリックに定義する緩衝材標準設計テンプレート部と、
緩衝材設計条件と緩衝材標準形状の寸法データとの関係情報を蓄積する緩衝材設計知識データベース部と、製品形状のソリッドモデルデータ、緩衝材の標準形状のソリッドモデルデータ、緩衝材設計条件の各データと、緩衝材設計条件と緩衝材標準形状の寸法データとの関係情報とに基づいて新たに緩衝材の形状のソリッドモデルデータおよびこのソリッドモデルの寸法データを設計する緩衝材自動設計部としての機能を実現させるためのコンピュータ読取り可能な緩衝材設計装置用プログラムとして提供することもできる。
さらには、このようなプログラムを記録した記録媒体として提供することもできる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について説明する。ただし、本発明はここで説明する具体例に限定されるものではない。
まず、緩衝材設計装置のハードウェア構成について説明すると、この装置はコンピュータシステムにより構成される。すなわち、キーボードやマウスなどからなり、各種指示入力やデータ入力を行うための入力装置、液晶パネルやCRTなどからなる出力装置のひとつとしての表示装置、各種制御機能を行うCPU、記憶部として機能するROM、RAM、大容量記憶部として機能するHDD、機器間でデータの送受を行うI/Oインタフェースなどからなるコンピュータ本体で構成される。また、必要に応じて、プリンタなど表示装置以外の他の出力装置を備えたり、外部メモリであるCDROM、フロッピディスク、ICカード等の記録媒体読取装置を備えたり、LANなどの通信機能を付設したりするようにしてプログラムや外部データ等の読込が必要な場合にデータの送受信ができるようにするのが望ましい。
【0014】
図1は本発明の一実施形態である緩衝材設計装置の構成を機能ごとに説明するブロック構成図である。本発明の緩衝材設計装置100は、大きく分類して製品データ定義部110と、緩衝材設計条件設定部120と、緩衝材標準設計テンプレート部130と、緩衝材自動設定部140とから構成される。
【0015】
製品データ定義部110は、製品形状をソリッドモデルとして定義する機能を実現するものであり、製品形状を3次元CADによるソリッドモデルとして入力する製品モデル入力部111と、製品モデル入力部111から入力されたソリッドモデルデータを保存する製品ソリッドモデルデータベース部112とから構成される。
【0016】
緩衝材設計条件設定部120は、製品の許容衝撃値、緩衝材の材料、製品の許容落下高さ、製品の許容積載段数、緩衝材形状などの設計条件を設定する機能を実現するものであり、製品モデル入力部111から入力される製品に関する許容衝撃値情報、緩衝材の材質や緩衝材の嵩密度(又は発泡倍率)などの材料情報、製品の許容落下高さ情報、製品の許容積載段数情報というような緩衝材の安全設計に必要な各条件を設定するための入力を行う緩衝材設計条件入力部121と、緩衝材設計条件のひとつとして緩衝材の形状種類を指定する緩衝材形状選択部122とから構成される。
【0017】
緩衝材標準設計テンプレート部130は、緩衝材標準設計テンプレート(緩衝材の標準形状とこの緩衝材標準形状の寸法をパラメトリックに定義する緩衝材設計パラメータとからなる)を定義する機能を実現するものであり、緩衝材の配置方法として予め定義されている支持方式(後述する図4参照)のいずれかを選択する緩衝材支持方式選択部134と、緩衝材をソリッドモデルで入力する緩衝材ソリッドモデル入力部131と、入力された緩衝材ソリッドモデルデータ(このソリッドモデルでは寸法データがパラメトリックに定義されている)を蓄積する緩衝材ソリッドモデルデータベース部132と、パラメトリックに寸法データが定義されている緩衝材ソリッドモデルの各寸法パラメータに与える実際の数値を定義する緩衝材設計パラメータデータベース部133とから構成される。
【0018】
緩衝材支持方式選択部134で選択する緩衝材の配置方法について具体的に説明すると、図4に示すように製品を4つの緩衝材で保護する4点左右パッド方式401、2つの緩衝材で保護する2点左右パッド方式402、8つの緩衝材で保護する8点コーナーパッド方式403などの配置方法があり、目的用途に応じて選択することができる。なお、2点パッド方式は、製品の前後を支持する2点前後パッド方式と、製品の天底を支持する2点天底パッド方式もあり、4点パッド方式は、製品の前後を支持する4点前後パッド方式もあり、これらも緩衝材支持方式選択部134での選択対象に加えてもよい。
【0019】
緩衝材標準設計テンプレート部130に記憶されている緩衝材標準設計テンプレートについて具体的に説明する。図2は緩衝材標準テンプレートを説明する図であり、図中、200は緩衝材の厚み、201は製品支持面積、202は寸法パラメータ群、203は製品形状、204は緩衝材、205は緩衝材の幅厚みである。
これらの寸法には、とりあえずデフォルト値が設定されている。このデフォルト値はこれまでの設計で経験的に得た値であり、初回の計算の際に用いられる。後述するように処理が進むと、やがてこのデフォルト値は本製品に適した値に更新される。
【0020】
緩衝材自動設計部140は、製品データ定義部110からの製品情報、緩衝材設計条件設定部120からの設計条件情報、緩衝材表示設計テンプレート部130からの緩衝材標準設計テンプレート情報に基づいて緩衝材の自動設計を行う機能を実現する。
この緩衝材自動設計部140は、製品の許容衝撃値、緩衝材の材料、製品の許容落下高さと、製品を安全に保護する緩衝材の最適厚み(図2参照)、最適製品支持面積(図2参照)との関係を定義する安全設計情報をはじめ、緩衝材設計に必要なノウハウデータが蓄積する緩衝材設計知識データベース部143を有する。
緩衝材設計知識データベース部143が蓄積するノウハウデータとしては、上記安全設計情報の他に圧縮クリープチェック(荷崩れ回避のための試験)に用いる判定用数値、座屈チェックに用いる判定演算用乗数や幅厚みの補正に関する情報、偏重心チェックに用いる支持面積調整用の面積配分式、突起物チェックに用いる厚み調整に関する関係式の情報(これらのノウハウデータの詳細は後述する)などがある。
また、緩衝材自動設計部140を機能ごとに細分類すると、製品情報算出部141、緩衝材外形形状算出部142、上述した緩衝材設計知識データベース部143、緩衝材設計部144、パラメータ調整部145、パッキングケース内寸計算部146とから構成される。
【0021】
製品情報算出部141は、製品データ定義部110からの製品情報に基づいて製品の重心、重量、外形サイズを算出する。
緩衝材外形形状算出部142は、緩衝材形状選択部122、緩衝材設計パラメータデータベース部133、製品情報算出部141からの情報と緩衝材設計知識データベース部143とに基づいて緩衝材の厚み200や製品支持面積201を計算する。
緩衝材知識データベース部143は、各種演算、計算の際の要求に応じて設計に必要な関係式などの情報を提供する。
緩衝材設計部144は、緩衝材外形形状算出部142が算出した結果に基づいて緩衝材の各寸法値を計算する。
パラメータ調整部145は、圧縮クリープチェック、座屈チェック、偏重心チェック、突起物チェックを行い、必要に応じて緩衝材の設計パラメータの補正や調整を行う。
パッキングケース内寸計算部146は、算出された設計パラメータに基づいてパッキングケースの内寸などを算出する。
【0022】
次に、本発明の緩衝材設計装置における処理手順について説明する。図3は上述した記緩衝材設計装置100によって実行される処理を説明するフローチャートである。
緩衝材の設計は大きく分類して、設計者が主に入力設定作業を行う入力設定段階320、入力処理や設定処理がなされた後に緩衝材設計装置100による自動設計がなされる自動設計段階321、自動設計による設計結果を利用して設計者がさらに細部の詳細設計を行う詳細設計段階322に分けられる。
【0023】
入力設定段階320では、まず、製品形状をソリッドモデルで定義する。予め、製品モデル入力部111から緩衝材を設計する対象製品の3次元ソリッドモデルを入力する。入力作業は、公知の3次元CAD操作方法による。そして必要なときにこのソリッドモデルが読み込めるように製品ソリッドモデルデータベース部112に蓄積する(ステップS301)。
緩衝材の設計を開始すると、製品ソリッドモデルデータベース部112から該当する製品ソリッドモデルデータを読込む(ステップS302)。
【0024】
また、製品とは別に、緩衝材形状をソリッドモデルで定義するのに用いる緩衝材標準設計テンプレート(緩衝材の標準形状となるCADデータと、この緩衝材標準形状の寸法をパラメトリックに定義する緩衝材設計パラメータとからなる)を予め定義しておき、このうち緩衝材の標準形状となるCADデータは緩衝材ソリッドモデルデータベース部132に格納し、緩衝材設計パラメータデータは緩衝材設計パラメータデータベース部133に格納しておく。
【0025】
次に、緩衝材形状選択部122により、緩衝材支持方式選択部134から設計に用いる所望の緩衝材形状(4点左右パッド方式401、2点左右パッド方式402、8点コーナーパッド方式403など)を選択し、選択した緩衝材形状に関するデータを、緩衝材ソリッドモデルデータベース部132および緩衝材設計パラメータデータベース部133から読込む(ステップS303)。
【0026】
本例では、製品を4点で支持する4点左右パッド方式401(図4参照)を選択したものとする。緩衝材ソリッドモデルデータベース部132には、図5に示すような4点左右パッド方式の緩衝材標準形状501のCADデータ501aが登録されている。このCADデータ501aの寸法は、パラメトリックに定義してあり、数値を代入して形状変更できるようにしてある。
緩衝材設計パラメータデータベース部133には、緩衝材標準形状501のCADデータ501aに用いる寸法パラメータデータ501bの数値が定義してある(最初はデフォルト値が定義されている)。
【0027】
なお、緩衝材設計パラメータデータベース部133の寸法パラメータデータ501bが(デフォルト値から)更新されると、それに連動して緩衝材ソリッドモデルデータベース部132の緩衝材標準形状501のCADデータ501aが更新されるように緩衝材モデル入力部131にて定義してある。
【0028】
次に、緩衝材設計条件設定部120により緩衝材設計条件の入力を行う。
緩衝材設計条件入力部121により製品の許容衝撃値と、緩衝材材料名、緩衝材の嵩密度(又は発泡倍率)などの緩衝材の材料情報と、製品の許容落下高さ、製品の許容積載段数とを入力し、緩衝材自動設計部140での処理を実行させる(ステップS304、S305)。
以上が、設計者が入力設定作業を行う入力設定段階320である。
【0029】
続いて、自動設計段階321に入る。この段階では、緩衝材自動設計部140が製品データ(製品形状のソリッドモデル)、緩衝材設計条件、緩衝材標準設計テンプレートに基づいて緩衝材の形状を自動設計する。
まず、製品ソリッドモデルデータベース部112内に蓄積された製品データに基づいて製品情報算出部141が、製品の重心、重量、外形寸法を算出する(ステップS306)。
【0030】
次に、緩衝材外形形状算出部142が、算出された製品データを元に、緩衝材設計知識データベース部143を参照して、緩衝材の厚み、製品支持面積を算出する(ステップS307)。
まず、緩衝材設計条件入力部121により入力された製品の許容衝撃値に対して、使用する緩衝材により適切な余裕度を見込んだ値を緩衝設計基準とする。この余裕度は、市場の品質情報を加味した経験値が用いられ、例えば製品の許容衝撃値が「40」である場合、一例として「−10」を加算した「30」を緩衝設計基準とする。
【0031】
ここで、この緩衝設計基準をG、緩衝材設計条件入力部121により入力された許容落下高さをH、緩衝材の嵩密度(又は発泡倍率)をBとし、緩衝材の厚みをT、製品の積重ね保管時において緩衝材に加わる静的応力をσs、製品支持面積をA、製品情報算出手段141により算出された製品の重量をWとする。
【0032】
緩衝材設計知識データベース部143では、図7に示すように緩衝設計基準G、緩衝材の嵩密度(又は発泡倍率)BとH/T、σsの関係が、テーブル形式で定義されており、緩衝設計基準Gと緩衝材の嵩密度(又は発泡倍率)Bとを入力することにより、H/Tとσsを得ることができる。例えば、緩衝設計基準Gを40、緩衝材の嵩密度(又は発泡倍率)を0.020(又は50倍)とすると、H/T=X4、σs=Y4となる。
そして、この時の緩衝材の厚み200(図2参照)が、H/X4の式により算出され、製品支持面積201(図2参照)が緩衝材に加わる静的応力σsと製品の重量Wとから算出されることになる。
【0033】
緩衝材設計部144では、ステップS306で算出した製品の外形寸法、製品の重心、およびステップS307で算出した緩衝材の厚み200、製品支持面積201に基づいて、緩衝材設計パラメータデータベース部133で定義されている緩衝材の寸法パラメータ群202の各寸法値を計算し、設定する(ステップS308)。
【0034】
続いて、パラメータ調整部145が、算出した緩衝材の厚み200、製品支持面積201、寸法パラメータ群202について圧縮クリープチェック、座屈チェック、偏重心チェック、突起物チェックを行う。
まず、製品の積重ね保管時の緩衝材の製品保護状態をチェックし、製品の積重ね荷重を緩衝材で有効に支持できない場合は、荷崩れの恐れがあり、これを回避するため圧縮クリープチェックを行う(ステップS309)。
【0035】
製品の積重ね総重量(製品情報算出部141により算出された製品重量×緩衝材設計条件入力部121により入力される許容積段数)をWt、積重ね保管時において緩衝材に加わる静的応力をσsとすると、このσsが緩衝材設計データベース部143に記述されたある数値(ここではPとする)を超えると、保管日数に従い緩衝材の歪量がいつまでも増える。したがって、ステップS307で算出した製品支持面積201が、Wt/σs、つまりWt/Pを超過しているかどうかチェックし、Wt/P未満の場合はステップS307に戻り、製品支持面積201にWt/Pに緩衝材設計知識データベース部143に記述された増分値を加算し、再度緩衝材設計パラメータを算出する。
【0036】
次に、緩衝材の幅厚み205(図2参照)が、緩衝材の厚さ200に対して一定以上必要であるが、これが満たされていない場合に緩衝材の座屈現象(腰折れ)が生じ、製品の底突きを起こす恐れがある。これを回避するため、座屈チェックを行う(ステップS310)。
【0037】
緩衝材の厚みをTとすると、座屈現象を回避するためには、緩衝材の幅厚み205は、Tに緩衝材設計知識データベース部143に記述された倍数(ここではQとする)を乗じた値、つまり、Q×T以上必要である。ステップS310の座屈チェックで、緩衝材の幅厚みがQ×T未満である場合には、ステップS308で算出した緩衝材の寸法パラメータ群202の中で、緩衝材の幅厚み205に相当する寸法パラメータにQ×Tを設定し(ステップS311)、ステップS312へ進む。
【0038】
次に、製品の重心が片側に偏っている場合、左右一様に製品の支持面積配分を行うと衝撃吸収がアンバランスになり、重心が偏っている箇所の緩衝材歪量が増える。したがって偏重心チェックを行う(ステップS312)。
【0039】
製品情報算出部141より算出された製品の重心位置が製品の中心ではないと判断された場合、調整を行う。製品支持面積をA、製品の重心位置をL1、L2とすると、緩衝材設計知識データベース部143には、配分する製品支持面積についてA、L1、L2の関係式が定義されており、この関係式で算出された結果に基づいて、製品支持面積201の面積配分を行い(ステップS313)、ステップS314へ進む。
【0040】
次に、製品に突起物がある場合は、先端部分で底突きのおそれがあるので底突きしないよう緩衝材に十分な逃げ、厚みの補正を行うべく、突起物チェックを行う(ステップS314)。
【0041】
製品ソリッドモデルデータベース部112より取込んだ突起物の高さをht、緩衝材の歪をDとすると、緩衝材設計知識データベース部143には、底突きを起こさない緩衝材の厚みがht、Dの関係式で定義されており、この関係式で算出された緩衝材の厚みと、ステップS307で算出した緩衝材の厚みを比較する。
厚みが不足している場合は、htとDの関係式で算出された数値を緩衝材の厚みとし(ステップS315)、ステップS316へ進む。
【0042】
圧力クリープチェック、座屈チェック、偏重心チェック、突起物チェックを終えて適当な寸法パラメータメータが算出されると、これを用いて緩衝材設計パラメータデータが再計算される(ステップS316)。
先に説明したように、図5に示した緩衝材標準形状501のCADデータ501a(緩衝材ソリッドモデルデータベース部132内に格納)では、寸法をパラメトリックに定義してある。緩衝材設計パラメータデータベース部133が更新されると、その更新に連動して緩衝材ソリッドモデルデータベース部132、すなわち、緩衝材標準形状のCADデータ501aが更新されるように緩衝材モデル入力部131で定義されている。
【0043】
ステップS308において、緩衝材設計パラメータデータベース部133で定義されている緩衝材の寸法パラメータ群202の各寸法値が変更されれば、これに連動して緩衝材ソリッドモデルデータベース部132、すなわち、緩衝材標準形状のCADデータ501aが更新され、新たな緩衝材3次元設計データ(図6参照)が出力される(ステップS317)。
【0044】
次に、図6に示すように製品モデル入力部111により入力された製品モデルとステップS317で更新された緩衝材モデルの寸法からパッキングケースの幅方向の内寸w、パッキングケースの高さ方向の内寸h、パッキングケースの奥行き方向の内寸dが算出される(ステップS318)。
パッキングケースの内寸も自動的に計算されるため、製品の企画段階で、製品出荷時のコンテナや倉庫における製品保管時の最大積載数も容易に計算できる。
以上が、緩衝材設計装置100による自動設計段階321である。
【0045】
最後に、緩衝材の詳細設計段階322に入る。この段階では、製品モデルと更新された緩衝材モデルを使用して、設計者が製品と緩衝材が接触する部分を3次元的に詳細設計する。これにより複雑な曲面を有する製品形状の場合でも、形状認識及び形状定義が容易であり、緩衝材の製品支持形状の詳細を定義することができる。(ステップS319)
【0046】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、製品の緩衝材設計において、製品のソリッドデータと、製品の許容衝撃値と緩衝材の材料情報、製品の許容落下高さなどの緩衝材設計条件に関する情報とを入力するだけで、製品を安全に運送、保管できるように保護する緩衝材の形状が提示されるため、経験の浅い設計者でも容易に緩衝材設計を行うことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である緩衝材設計装置の構成を示すブロック図。
【図2】緩衝材標準設計テンプレートを説明する図。
【図3】本発明の一実施例である緩衝材設計装置による処理手順を説明するフローチャート。
【図4】緩衝材の支持方式を説明する図。
【図5】緩衝材標準形状のCADデータの説明図。
【図6】パッキングケースの内寸を説明する図。
【図7】緩衝材設計知識データベース部に格納される緩衝材の安全設計のための情報を説明する図。
【符号の説明】
100:緩衝材設計装置
110:製品データ定義部
111:製品モデル入力部
112:製品ソリッドモデルデータベース部
120:緩衝材設計条件設定部
121:緩衝材設計条件入力部
122:緩衝材形状選択部
130:緩衝材標準設計テンプレート部
131:緩衝材モデル入力部
132:緩衝材ソリッドモデルデータベース部
133:緩衝材設計パラメータデータベース部
134:緩衝材支持方式選択部
140:緩衝材自動設計部
141:製品情報算出部
142:緩衝材外形形状算出部
143:緩衝材設計知識データベース部
144:緩衝材設計部
145:パラメータ調整部
146:パッキングケース内寸計算部
Claims (8)
- 製品の外側に取り付けられる製品保護のための緩衝材を設計する緩衝材設計装置であって、
製品形状をソリッドモデルデータで定義する製品データ定義部と、
緩衝材の設計に必要な緩衝材設計条件を設定する緩衝材設計条件設定部と、
緩衝材の標準形状をソリッドモデルデータで定義するとともにこの標準形状の寸法データをパラメトリックに定義する緩衝材標準設計テンプレート部と、
緩衝材設計条件と緩衝材標準形状の寸法データとの関係情報を蓄積する緩衝材設計知識データベース部と、
製品形状のソリッドモデルデータ、緩衝材の標準形状のソリッドモデルデータ、緩衝材設計条件の各データと、緩衝材設計条件と緩衝材標準形状の寸法データとの関係情報とに基づいて新たに緩衝材の形状のソリッドモデルデータおよびこのソリッドモデルの寸法データを設計する緩衝材自動設計部とを備えたことを特徴とする緩衝材設計装置。 - 緩衝材設計条件は、少なくとも製品の許容衝撃値と、緩衝材の材料特性と、製品の許容落下高さと、製品の許容積載段数とに関する条件を含むことを特徴とする請求項1に記載の緩衝材設計装置。
- 緩衝材自動設計部は製品形状のソリッドモデルから製品の重量、重心、外形寸法を算出する製品情報算出部を有し、
緩衝材設計知識データベース部は製品の重量、重心、外形寸法、製品の許容衝撃値、緩衝材の材料特性、製品の許容落下高さ、製品の許容積載段数とから緩衝材の厚み、製品支持面積を含む緩衝材の寸法データを算出するための関連情報を有することを特徴とする請求項1乃至2に記載の緩衝材設計装置。 - 緩衝材標準設計テンプレート部は支持方式が異なる複数の緩衝材標準形状を定義する緩衝材支持方式定義部を有し、
緩衝材設計条件設定部は緩衝材支持方式定義部が定義するいずれかの支持方式の緩衝材標準形状を選択する緩衝材形状選択部を有し、
緩衝材自動設計部は緩衝材形状選択部により選択された緩衝材標準形状を元にして、新たな緩衝材を設計することを特徴とする請求項1に記載の緩衝材設計装置。 - 緩衝材自動設計部は、圧縮クリープチェック、座屈チェック、偏重心チェック、突起物チェックの少なくとも1つのチェックを行うととともに、チェック結果に応じてパラメータの調整を行うパラメータ調整部をさらに備え、緩衝材設計知識データベース部はパラメータ調整部が必要とする数値情報や関係式情報を蓄積することを特徴とする請求項1に記載の緩衝材設計装置。
- 緩衝材標準設計テンプレート部は、緩衝材自動設計部が新たに設計した緩衝材の形状のソリッドモデルデータおよびこのソリッドモデルの寸法データを、緩衝材の標準形状ソリッドモデルデータおよびこの標準形状の寸法データとして蓄積することを特徴とする請求項1に記載の緩衝材設計装置。
- 製品の外側に取り付けられる製品保護のための緩衝材を設計する緩衝材設計装置としての機能を実現させるためのプログラムであって、コンピュータに、
製品形状をソリッドモデルデータで定義する製品データ定義部と、
緩衝材の設計に必要な緩衝材設計条件を設定する緩衝材設計条件設定部と、
緩衝材の標準形状をソリッドモデルデータで定義するとともにこの標準形状の寸法データをパラメトリックに定義する緩衝材標準設計テンプレート部と、
緩衝材設計条件と緩衝材標準形状の寸法データとの関係情報を蓄積する緩衝材設計知識データベース部と、
製品形状のソリッドモデルデータ、緩衝材の標準形状のソリッドモデルデータ、緩衝材設計条件の各データと、緩衝材設計条件と緩衝材標準形状の寸法データとの関係情報とに基づいて新たに緩衝材の形状のソリッドモデルデータおよびこのソリッドモデルの寸法データを設計する緩衝材自動設計部としての機能を実現させるためのコンピュータ読取り可能な緩衝材設計用プログラム。 - コンピュータに、製品の外側に取り付けられる製品保護のための緩衝材を設計する緩衝材設計装置としての機能を実現させるためのプログラムを記憶したコンピュータ読取り可能な記憶媒体であって、コンピュータに、
製品形状をソリッドモデルデータで定義する製品データ定義部と、
緩衝材の設計に必要な緩衝材設計条件を設定する緩衝材設計条件設定部と、
緩衝材の標準形状をソリッドモデルデータで定義するとともにこの標準形状の寸法データをパラメトリックに定義する緩衝材標準設計テンプレート部と、
緩衝材設計条件と緩衝材標準形状の寸法データとの関係情報を蓄積する緩衝材設計知識データベース部と、
製品形状のソリッドモデルデータ、緩衝材の標準形状のソリッドモデルデータ、緩衝材設計条件の各データと、緩衝材設計条件と緩衝材標準形状の寸法データとの関係情報とに基づいて新たに緩衝材の形状のソリッドモデルデータおよびこのソリッドモデルの寸法データを設計する緩衝材自動設計部としての機能を実現させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2003027408A JP2004240580A (ja) | 2003-02-04 | 2003-02-04 | 緩衝材設計装置およびコンピュータ読取り可能な緩衝材設計用プログラムおよびこのプログラムを記録した記録媒体 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2003027408A JP2004240580A (ja) | 2003-02-04 | 2003-02-04 | 緩衝材設計装置およびコンピュータ読取り可能な緩衝材設計用プログラムおよびこのプログラムを記録した記録媒体 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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KR100901126B1 (ko) | 2007-07-18 | 2009-06-08 | 한양대학교 산학협력단 | 환형의 탄성부재 설계방법 |
JP2009223819A (ja) * | 2008-03-18 | 2009-10-01 | Fujitsu Ltd | 緩衝材設計支援プログラム及び緩衝材設計支援装置 |
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2003
- 2003-02-04 JP JP2003027408A patent/JP2004240580A/ja active Pending
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