JP2004240009A - 住宅設備機器用リモコン装置、及び該装置を備える住宅設備機器システム - Google Patents
住宅設備機器用リモコン装置、及び該装置を備える住宅設備機器システム Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004240009A JP2004240009A JP2003026790A JP2003026790A JP2004240009A JP 2004240009 A JP2004240009 A JP 2004240009A JP 2003026790 A JP2003026790 A JP 2003026790A JP 2003026790 A JP2003026790 A JP 2003026790A JP 2004240009 A JP2004240009 A JP 2004240009A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- guidance
- compression
- remote control
- information
- compressed
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Selective Calling Equipment (AREA)
Abstract
【課題】操作上や各種警告等のガイダンスを音声出力するリモコン装置において、必要な情報を使用者に確実に提供するべく明瞭性を確保しつつ、保存しておくべきデータ量を削減する。
【解決手段】ガイダンスを構成する文節等の圧縮単位毎にその音声上の特徴や重要度などに応じて支障のない範囲で圧縮率の高い圧縮方式を選択して圧縮し、その方式毎に区分された記憶領域に格納しておく。出力すべきガイダンスが指示されると、そのガイダンスの識別コードから構成情報として圧縮単位の位置情報を読み出し、次にその位置情報に基づいて圧縮音声データを読み出す。位置情報自体が圧縮方式の識別情報を含むから、それによって伸長方式を選択して圧縮音声データを復元する。
【選択図】 図3
【解決手段】ガイダンスを構成する文節等の圧縮単位毎にその音声上の特徴や重要度などに応じて支障のない範囲で圧縮率の高い圧縮方式を選択して圧縮し、その方式毎に区分された記憶領域に格納しておく。出力すべきガイダンスが指示されると、そのガイダンスの識別コードから構成情報として圧縮単位の位置情報を読み出し、次にその位置情報に基づいて圧縮音声データを読み出す。位置情報自体が圧縮方式の識別情報を含むから、それによって伸長方式を選択して圧縮音声データを復元する。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、住宅設備機器(給湯機、浴室暖房乾燥機、空調機等)を操作するための住宅設備機器用リモコン装置及び該装置を備える住宅設備機器システムに関し、更に詳しくは、操作上のガイダンスや警告等を音声として出力する機能を有するリモコン装置及び該装置を備える住宅設備機器システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般家庭において、浴室や台所などに給湯を行う給湯機本体(燃焼機)を遠隔操作するために、浴室や台所の壁面等にリモコン装置が設置されている。こうしたリモコン装置は子供から高齢者まで広く利用するものであるから、使い易さが非常に重視されており、これまで様々な技術が採り入れられている。特に近年、単にブザー音やランプによる簡単な表示ではなく、文字情報を表示可能な表示器を設けたものや、音声によるガイダンスを行うものが実用化されている(例えば特許文献1、非特許文献1等)。例えば非特許文献1に記載のリモコン装置では、浴槽へのお湯はりボタンの操作を受け付けると、文字による表示を行うのみならず、「お風呂にお湯をはります。」といったガイダンスが音声として発せられ、これによって使用者が確実且つ容易に給湯機の動作状態を認識することができるようになっている。
【0003】
上述したようなリモコン装置の音声ガイダンス機能には、周知の音声圧縮技術が利用されている。即ち、各ガイダンスに対応するPCMデータが所定の圧縮方式により圧縮されてROMに格納されている。そして、操作キーを受け付けたり、或いは風呂の沸き上がり等、使用者にガイダンスを行うべき状態になったりすると、必要なガイダンスに対応する圧縮データをROMから読み出し、これを伸長して元のPCMデータを復元して音声として出力する。
【0004】
【特許文献1】
特開平5−71803号公報
【非特許文献1】
“次世代リモコン”、「浴室リモコン、台所リモコンの全てに「音声ガイド」機能を搭載。」、[Online]、日本ユプロ株式会社、[平成15年1月10日検索]、インターネット〈URL: http://www.yupro.co.jp/sv_1/sv1.htm〉
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、こうしたガイダンスのための音声データは圧縮処理を施した場合であっても、他の各種の制御用パラメータ等のデータと比較すると格段にデータ量が多い。しかも、近年、操作性の向上を意図して、住宅設備機器の取り扱い説明書に相当する詳細なガイダンスを音声を通して行うような要望が強まっている。そのため、保存しておくべき音声データのデータ量は益々増加する傾向にあり、これを保存するために大容量のROMを用意しなければならず、これがリモコン装置のコストを増加させる一因となっている。
【0006】
こうした音声データのデータ量を削減するには、できるだけ圧縮率の高い圧縮方式を採用することが考えられる。例えば、代表的な音声圧縮方式としてADPCM(Adaptive Differential Pulse Code Modulation) 、CELP(Code Excited Linear Prediction) 、LPC(Linear Predictive Coding)等がよく知られているが、その圧縮率はADPCM<CELP<LPCである。しかし、一般に圧縮率の高い圧縮方式では音の明瞭性が劣化する傾向にあり、場合によっては殆ど内容が識別不可能になるようなこともある。特に、リモコン装置の場合には、子供や聴力の劣りがちな高齢者が使用することも充分に配慮しなければならず、聴き取りにくいために使用者に誤解を与えるようなガイダンスを行うと事故に繋がる危険性もある。
【0007】
本発明はかかる課題を解決するために成されたものであり、その目的とするところは、必要な情報を使用者に確実に提供するというガイダンスとしての機能を損なわず、且つ、保存しておくべきデータ量を削減して装置のコストを抑制したり、或いはより多種類のガイダンスを提供できるようにした住宅設備機器用リモコン装置、及び該装置を備える住宅設備機器システムを得ることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために成された本発明は、住宅設備機器の動作に応じた又は操作キーの操作に応じたガイダンスを音声として出力する機能を有する住宅設備機器用リモコン装置において、
a)既定の各種ガイダンスをそれぞれ単語、文節又はそれらに準じた圧縮単位に分割し、それら圧縮単位の組み合わせとして各ガイダンスを表現するための構成情報を保存しておくガイダンス情報保存手段と、
b)前記圧縮単位毎にそれぞれに適した圧縮方式により圧縮された圧縮音声データを、該圧縮方式を識別可能な識別情報と一体に又は該識別情報に関連付けて保存しておく圧縮データ保存手段と、
c)出力すべきガイダンスの指示を受けて、前記ガイダンス情報保存手段からそのガイダンスの構成情報を取得するとともに、その構成情報に含まれる1乃至複数の圧縮単位に対応する圧縮音声データを前記圧縮データ保存手段から取得するデータ読み出し手段と、
d)その読み出された圧縮音声データ毎に前記識別情報に基づいて伸長方式を選択して伸長するとともに、それらの組み合わせによりガイダンスを再生する復元処理手段と、
を備えることを特徴としている。
【0009】
【発明の実施の形態、及び効果】
本発明の一実施形態としては、前記圧縮データ保存手段にあって圧縮音声データは圧縮方式に応じて区分された領域に格納され、前記識別情報はその圧縮音声データが格納された領域を示す情報である構成とすることができる。この「領域を示す情報」は典型的には例えばメモリアドレスである。
【0010】
即ち、この構成では、予め圧縮方式毎に記憶領域を区分して各圧縮単位の音声圧縮データを圧縮データ保存手段に格納しておく。当然のことながら、ここでいう区分は物理的なものではなく、各記憶領域が識別可能でありさえすれば仮想的なもので構わない。例えば使用者による操作キーの操作によって出力すべきガイダンスの指示を受けると、データ読み出し手段は、まずガイダンス情報保存手段からそのガイダンスの構成情報を読み出す。次いで、その構成情報に基づいて、必要な音声圧縮データを圧縮データ保存手段から読み出す。その読み出しの際のメモリアドレス自体が上記識別情報となっているから、構成情報を取得した時点又は圧縮音声データを読み出そうとした時点で、復元処理手段は識別情報を得ることができる。そこで、この識別情報によって伸張方式を選択し、音声圧縮データを伸張して圧縮前の又はそれに近いデータを復元し、各圧縮単位に対して同様の処理を行うことによって所望のガイダンスを再生する。
【0011】
また、本発明の他の実施形態としては、前記識別情報は各圧縮単位の圧縮音声データ毎に付随して前記圧縮データ保存手段に格納され、前記データ読み出し手段は圧縮音声データと同時に識別情報を取得する構成とすることができる。この構成では、圧縮音声データの記憶領域を規定する必要はなく、圧縮方式とは無関係に任意の位置に圧縮音声データを格納しておくことができる。そして、データ読み出し手段が必要な音声圧縮データを圧縮データ保存手段から読み出した時点で、それに付随して識別情報も読み出され、復元処理手段は識別情報を得ることができる。
【0012】
いずれにしても本発明に係るリモコン装置によれば、各種のガイダンスを構成する1乃至複数の圧縮単位毎に適切に選択された圧縮方式により圧縮されたデータを保存しておけばよいので、圧縮方式の特性に合わせて、例えば圧縮率の高いような圧縮・伸張によって非常に聴き取りにくくなるような言葉に関しては圧縮率の低い他の方式を用いる等、全体のデータ量と聴き取り易さとのバランスをとることができる。それによって、使用者に対して必要な情報が確実に伝わるように聴き取り易いガイダンス音声を出力しつつ、保存しておくべきデータ量を削減して装置のコストを抑制することができる。また、コストを抑えつつ、従来よりも更に多種類のガイダンスを提供することによって、操作性を向上させることができる。
【0013】
こうした効果をより高めるために、本発明に係る住宅設備機器用リモコン装置では、前記圧縮単位毎に復元時の聴感上の理解を損なわない程度に高い圧縮率が確保できるような圧縮方式で以て圧縮が行われる構成とすることが好ましい。
【0014】
また、通信線を介して住宅設備機器と複数のリモコン装置とが相互に接続された住宅設備機器システムでは、各リモコン装置が上記のようなガイダンス音声出力に関わる全ての構成要素を備えることはコスト的に得策でない。そこで、こうしたシステムにおいては、その複数のリモコン装置は前記ガイダンス情報保存手段と圧縮データ保存手段との少なくともいずれか一方を共用する構成とすることが好ましい。この構成では、ガイダンス情報保存手段や圧縮データ保存手段を保有していないリモコン装置でガイダンスを音声出力する必要がある場合に、通信線を介して他のリモコン装置から必要なデータを取得すればよい。これにより、各リモコン装置で必要なガイダンスを音声出力する機能を持たせながら、システムとしてのコストを抑制することができる。
【0015】
【実施例】
以下、本発明に係る住宅設備機器用リモコン装置の一実施例について、図1〜図3を参照しながら説明する。図1は本実施例によるリモコン装置の制御系の機能的構成を示すブロック図、図2は本リモコン装置を使用する住宅設備機器システムである給湯システムの一例を示す概略構成図、図3は本リモコン装置における音声出力処理の動作説明のための概念図である。
【0016】
図2に示すように、この例の給湯システムでは、屋外にガス燃焼式の給湯機(熱源)1が設置され、屋内の浴室5及び台所6に浴室リモコン2及び台所リモコン3がそれぞれ設置されている。給湯機1、浴室リモコン2及び台所リモコン3は居宅の壁面内や屋根裏等に配設された通信線4に接続されており、浴室リモコン2及び台所リモコン3のいずれからも給湯機1の運転に関する操作が可能となっている。また、例えば風呂の湯の準備完了といった動作状態や給湯機1の故障などの情報が各リモコン2、3で監視できるようにもなっている。なお、給湯機1がガス燃焼式でなく電気式である場合には屋内に設置されることもあるが、その場合でも基本的な構成は同様である。
【0017】
上記浴室リモコン2や台所リモコン3であるリモコン装置10は、中央制御部11、ガイダンス情報記憶部12、圧縮音声情報記憶部13、音声出力回路部14、スピーカ15、操作部16、表示制御部17、表示器18、通信制御部19等を備えている。中央制御部11はマイクロコンピュータを中心に構成されており、機能的には、ガイダンス情報検索部111、圧縮方式判別部112、LPCデコード部113 、CELPデコード部114、ADPCMデコード部115等を含んでいる。ガイダンス情報記憶部12及び圧縮音声情報記憶部13はROMやフラッシュメモリ等の不揮発性のメモリであって、予め(つまり工場からの出荷段階で)後述のようなガイダンス再生のためのデータが格納されている。
【0018】
操作部16は給湯機1の動作制御のための各種キースイッチを備えており、これらのキースイッチが操作される度に、操作内容に応じた信号を中央制御部11へと送る。表示制御部17は中央制御部11の指示に従って、LEDやLCDである表示器18により視覚的に情報を表示する。なお、LCDでは、後述するガイダンスを視覚的に確認できるように文字列のスクロール表示が可能である。通信制御部19は中央制御部11の指示に従って給湯機1へ制御信号を送ったり、給湯機1からモニタ信号や故障検出信号等の信号を受け取って中央制御部11へと送る。中央制御部11は、上記のように操作部16からの操作信号や通信制御部19を通じて給湯機1や他のリモコン装置から送られてくる各種信号を所定の方法で処理し、その処理結果に応じて表示制御部17や音声出力回路部14へ情報表示や音声出力に関する信号を送ったり、通信制御部19を通じて給湯機1や他のリモコン装置へと制御信号を送る。
【0019】
次に、本リモコン装置においてガイダンスの音声出力をするためのデータの圧縮方法及びデータの保存方法を説明する。
【0020】
本リモコン装置において音声出力すべきガイダンスの数(種類)は膨大であるが、ガイダンスの多くは複数の単語や文節等(本明細書ではこれらを総称して「圧縮単位」と呼ぶ)の組み合わせで表現することができ、こうした圧縮単位は幾つかのガイダンスで共通に利用することが可能である。一例を挙げると、給湯温度設定のキー操作が行われた後に「給湯温度が設定されました」という音声ガイダンスを発する場合、このガイダンスを「給湯温度が」、「設定」及び「されました」という3つの圧縮単位から構成する。このとき各圧縮単位はこのガイダンス以外の他のガイダンスにも利用される。例えば「設定」及び「されました」という2つの圧縮単位は「湯量が設定されました」というガイダンスにも利用される。
【0021】
本実施例では圧縮方式としてADPCM、CELP、LPCの3種が使用され、それらのデータビットレートをそれぞれ16kbps、4.8kbps、2.4kbpsと定める。各圧縮単位はいずれかの方式で音声圧縮されるが、その圧縮方式は、例えば各圧縮単位の音声上の特徴(例えば促音、撥音、長音などを含む)やガイダンス文中での重要度などを勘案した上での復元再生時の聴き取り易さを考慮して決められる。即ち、上記例において、「設定」のように促音の入る言葉は圧縮率が高いCELP、LPCといった線形予測系の符号化方式では復元時の明瞭度に劣る傾向にあり、そこで、そうした圧縮単位には波形符号化であるADPCMを適用する。また、給湯温度の設定を行った後の操作に応じて発せられるガイダンスでは、「給湯が」という文節が多少不明瞭であっても使用者に違和感が少ないことから、圧縮率の高さを優先してLPCを適用する。こうして、ここでは「給湯温度が」はLPC、「設定」はADPCM、「されました」はCELPを適用することとする。
【0022】
但し、圧縮単位の文字内容は同一であっても、前後に接続される文字内容によって発声の抑揚などを変化させないと聴き取りの際に非常に不自然になる場合があり得る。従って、たとえ文字内容が同一であっても、必ずしも全てに共通に利用できるとは限らず、文字内容が同一であって発声の抑揚や速度などが相違する複数の圧縮単位を用意することもあり得る。
【0023】
なお、本実施例のようなリモコン装置では予め圧縮処理された音声データを記憶しておけばよいから、上述したような各圧縮単位毎の圧縮方式の選択には時間をかけることができる。従って、限られた総データ量の範囲で最適に聴こえる組み合わせを試行錯誤的に選択することができる。
【0024】
本実施例の装置では、全てのガイダンスにそれぞれのガイダンスを特定するための識別コードが割り当てられており、ガイダンス情報記憶部12には、この識別コードに対応したガイダンスを構成する圧縮単位と、該圧縮単位の実際の音声データが格納されている圧縮音声情報記憶部13上での位置(アドレス)とが検索容易に保存されている。図3(a)に示すように、例えば上記「給湯温度が設定されました」というガイダンスの識別コードが「5」であるとして、この識別コードに対応して上記3つの圧縮単位の位置情報(図3中ではL[*]で示す)が保存されている。
【0025】
一方、圧縮音声情報記憶部13では、ADPCM、CELP、LPCの3種の圧縮方式による圧縮音声データは、図3(b)に示すようにそれぞれ区分された領域に格納されるようになっている。この例では、4桁のアドレス(16進表示)の最上位が0〜4である記憶領域がLPC用、5〜9である記憶領域がCELP用、A〜Fである記憶領域がADPCM用と定められている。従って、上記例のガイダンスを構成する3つの圧縮単位の圧縮音声データは、図3(b)に示すように各領域に分けて格納されており、その格納位置を示す情報が上述したようにガイダンス情報記憶部12に保存されているわけである。
【0026】
次に、上記構成を有するリモコン装置においてガイダンスの音声出力を行う際の動作を説明する。中央制御部11が操作部16からのキー操作信号を受けて、或いは何らかの制御を実行する過程においてガイダンスを出力する必要が生じると、ガイダンス情報検索部111は出力すべきガイダンスを示す識別コードをガイダンス情報記憶部12に入力し、そのガイダンスを構成する1乃至複数の圧縮単位に対応する位置情報、つまり上記L[*]を読み出す。この位置情報は、具体的にはメモリ上での開始アドレス及び終了アドレス、又は開始アドレス及び情報長等、各種の形態が考えられる。次にガイダンス情報検索部111は、その位置情報を参照して1乃至複数の圧縮音声データを圧縮音声情報記憶部13から読み出し、内部RAM又はレジスタなどに一時的に格納する。
【0027】
圧縮方式判別部112は上記圧縮音声データを読み出す際の位置情報を受け取る。上述したように圧縮音声データ圧縮方式毎に区分された記憶領域に格納されているため、その位置情報から圧縮方式を判断することが可能である。例えば図3(b)の例では、アドレスの最上位を識別するだけで圧縮方式を判別することが可能である。そして、判別した圧縮方式に対応する伸長処理プログラムを選択的に起動させることで、3種のデコーダ部113、114、115のいずれかを作動させる。そして、選択されたデコーダは圧縮音声データを伸長処理することにより音声PCMデータを復元し音声出力回路部14へと送る。音声出力回路部14は入力された音声データをアナログ信号に変換し、増幅器を通してスピーカ15から外部に出力する。
【0028】
なお、複数の音声データを必要とする場合、先頭の圧縮音声データを読み出した直後に後記のような伸長処理を開始し、それと並行して2個目以降の圧縮音声データを読み出すことが可能である。また、圧縮音声データを1個読み出す毎に伸長処理を実行してもよいし、また、全圧縮音声データを先に読み出してから後記のような伸長処理を実行してもよい。また、一般に圧縮率が高いものほど伸長処理に時間を要するため、必要に応じてバッファメモリを利用して、伸長処理によって得られるPCMデータの生成速度と音声出力との時間を調整するとよい。
【0029】
次に、本発明の他の実施例によるリモコン装置について説明する。基本的な構成は上記実施例と同様であるが、各圧縮音声データの圧縮方式の判別方法とこれに関係して圧縮音声データの格納方法が異なる。即ち、上記実施例では各圧縮単位の圧縮音声データの格納位置が圧縮方式に応じて区分されていたが、この実施例のリモコン装置では、各圧縮音声データの圧縮方式を示す判別情報がそのデータと一体に圧縮音声情報記憶部13に格納されている。
【0030】
図4は圧縮音声情報記憶部13に格納されている1個のデータ単位を示す概念図である。圧縮音声データ自体は可変長であるが、その先頭には必ず判別情報としてのヘッダが付加されている。この例では、3種の圧縮方式を識別するために2ビットのバイナリコード、即ち、
[00]:LPC、 [01]:CELP、 [10]:ADPCM
が使用されている。このように各圧縮単位毎に判別情報が付加されているから、圧縮音声情報記憶部13上で各圧縮音声データを格納しておく位置は任意である。もちろん、ガイダンス情報記憶部12には各ガイダンスを構成する圧縮単位に対応する圧縮音声データの位置情報を格納しておく。
【0031】
このリモコン装置においてガイダンスの音声出力処理を行う際には、出力すべきガイダンスが指定されると、ガイダンス情報検索部111はガイダンス情報記憶部12にそのガイダンスに付与されている識別コードを照会し、その構成情報を読み出す。そして、この構成情報に基づいて圧縮音声情報記憶部13から圧縮音声データを読み出す。このとき、各データの先頭にはヘッダが付加されているから、圧縮方式判別部112はこのヘッダに含まれる判別情報により伸長プログラムを選択する。それ以外の手順については上記実施例と同様である。
【0032】
上記2つの実施例の説明では、1つのリモコン装置が図1に示すような全ての構成要素を備えることを前提としていたが、図2に示す給湯システムのように通信線4を介して複数のリモコンが接続されている場合には、通信線4を通して必要なデータの送受信を行うことにより、幾つかの構成要素を共用しつつ、いずれのリモコン2、3でも同じようにガイダンスの音声出力を行うことができる。
【0033】
いま、図2において台所リモコン3をマスター側とし、浴室リモコン2をスレーブ側とした例を挙げて説明する。マスター側リモコンは図1に示した構成要素を全て備え、そのリモコン単独でガイダンス音声の出力が可能である。一方、マスレーブ側リモコンは、図1に示した構成要素のうち、ガイダンス情報検索部111、ガイダンス情報記憶部12及び圧縮音声情報記憶部13についてはそれに相当する機能の実行をマスター側リモコンに委ね、それ以外の構成要素を備える。
【0034】
スレーブ側リモコンでガイダンスの音声出力を行う場合の動作について、図5を参照して説明する。なお、以下の説明では、マスター側リモコンとスレーブ側リモコンでのそれぞれの構成要素を区別するために、符号の後にm(マスター側)、s(スレーブ側)を付すこととする。
【0035】
スレーブ側リモコンで何らかのガイダンスの音声出力が必要になった場合、その中央制御部11sはそのガイダンスの識別コードを調べ、通信制御部19sを経て通信線4からマスター側リモコンに対してその識別コードを送出する。マスター側リモコンでは、通信制御部19mを介して中央制御部11mが識別コードを取り込むと、ガイダンス情報検索部111mは既に説明したような手順でガイダンス情報記憶部12m及び圧縮音声情報記憶部13mを検索して、ガイダンスを構成する1乃至複数の圧縮単位に対応する圧縮音声データを読み出す。そして、この圧縮音声データを圧縮単位毎に図6に示すような信号形式に変換して、通信制御部19mを介してスレーブ側リモコンへと送出する。
【0036】
即ち、図6に示すように、先頭にはスタート信号、最後尾にはエンド信号が付加され、これによって通信線4を通して送られてくる信号列において圧縮音声データの区切りが識別できるようになっている。また、スタート信号の後には圧縮方式を示す判別情報が付加されており、これによって速やかにデコーダが選択できるようになっている。スレーブ側リモコンでは、このような圧縮音声データを受け取ると、圧縮方式判別部112sが判別情報を抽出し、上述したように伸長プログラムを選択的に起動する。それによって、その圧縮音声データを伸長して復元し、ガイダンス音声を出力する。
【0037】
もちろん、このように通信線4を介しデータの送受信を行うことによってガイダンス音声を再生する場合には、ガイダンスの出力指示から実際に音声が再生するまでの時間遅れは通信のデータレートに大きく依存する。従って、このデータレートが充分に高くない場合には、不自然な時間遅れが発生する恐れがある。そこで、例えば操作部16sでのキースイッチ操作に対応してガイダンスを発生する場合のように遅延があると不自然であって、操作上誤解を生じる可能性があるガイダンスに関してはその情報をそのリモコン自体に有し、例えば故障発生時などの自発的なガイダンスに関しては通信線4を利用してマスター側リモコンが保有する情報を利用するというように、必要な情報を適宜分割して備えるようにしてもよい。
【0038】
なお、上記実施例はいずれも単に本発明の一例にすぎず、本発明の趣旨の範囲で適宜変形、修正、追加を行えることは明らかである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例によるリモコン装置の制御系の機能的構成を示すブロック図。
【図2】本実施例のリモコン装置を使用する住宅設備機器システムである給湯システムの一例を示す概略構成図。
【図3】本実施例のリモコン装置の音声出力処理の動作説明のための概念図。
【図4】本発明の他の実施例によるリモコン装置において圧縮音声情報記憶部に格納されている1個のデータ単位を示す概念図。
【図5】本発明の一実施例によるリモコン装置を備えた給湯システムにおけるガイダンス音声出力の処理手順を示す概念図。
【図6】図5においてマスター側リモコンからスレーブ側リモコンへと送出される信号形式の一例を示す図。
【符号の説明】
1…給湯機
2…浴室リモコン
3…台所リモコン
4…通信線
5…浴室
6…台所
10…リモコン装置
11…中央制御部
111…ガイダンス情報検索部
112…圧縮方式判別部
113…LPCデコード部
114…CELPデコード部
115…ADPCMデコード部
12…ガイダンス情報記憶部
13…圧縮音声情報記憶部
14…音声出力回路部
15…スピーカ
16…操作部
17…表示制御部
18…表示器
19…通信制御部
【発明の属する技術分野】
本発明は、住宅設備機器(給湯機、浴室暖房乾燥機、空調機等)を操作するための住宅設備機器用リモコン装置及び該装置を備える住宅設備機器システムに関し、更に詳しくは、操作上のガイダンスや警告等を音声として出力する機能を有するリモコン装置及び該装置を備える住宅設備機器システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般家庭において、浴室や台所などに給湯を行う給湯機本体(燃焼機)を遠隔操作するために、浴室や台所の壁面等にリモコン装置が設置されている。こうしたリモコン装置は子供から高齢者まで広く利用するものであるから、使い易さが非常に重視されており、これまで様々な技術が採り入れられている。特に近年、単にブザー音やランプによる簡単な表示ではなく、文字情報を表示可能な表示器を設けたものや、音声によるガイダンスを行うものが実用化されている(例えば特許文献1、非特許文献1等)。例えば非特許文献1に記載のリモコン装置では、浴槽へのお湯はりボタンの操作を受け付けると、文字による表示を行うのみならず、「お風呂にお湯をはります。」といったガイダンスが音声として発せられ、これによって使用者が確実且つ容易に給湯機の動作状態を認識することができるようになっている。
【0003】
上述したようなリモコン装置の音声ガイダンス機能には、周知の音声圧縮技術が利用されている。即ち、各ガイダンスに対応するPCMデータが所定の圧縮方式により圧縮されてROMに格納されている。そして、操作キーを受け付けたり、或いは風呂の沸き上がり等、使用者にガイダンスを行うべき状態になったりすると、必要なガイダンスに対応する圧縮データをROMから読み出し、これを伸長して元のPCMデータを復元して音声として出力する。
【0004】
【特許文献1】
特開平5−71803号公報
【非特許文献1】
“次世代リモコン”、「浴室リモコン、台所リモコンの全てに「音声ガイド」機能を搭載。」、[Online]、日本ユプロ株式会社、[平成15年1月10日検索]、インターネット〈URL: http://www.yupro.co.jp/sv_1/sv1.htm〉
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、こうしたガイダンスのための音声データは圧縮処理を施した場合であっても、他の各種の制御用パラメータ等のデータと比較すると格段にデータ量が多い。しかも、近年、操作性の向上を意図して、住宅設備機器の取り扱い説明書に相当する詳細なガイダンスを音声を通して行うような要望が強まっている。そのため、保存しておくべき音声データのデータ量は益々増加する傾向にあり、これを保存するために大容量のROMを用意しなければならず、これがリモコン装置のコストを増加させる一因となっている。
【0006】
こうした音声データのデータ量を削減するには、できるだけ圧縮率の高い圧縮方式を採用することが考えられる。例えば、代表的な音声圧縮方式としてADPCM(Adaptive Differential Pulse Code Modulation) 、CELP(Code Excited Linear Prediction) 、LPC(Linear Predictive Coding)等がよく知られているが、その圧縮率はADPCM<CELP<LPCである。しかし、一般に圧縮率の高い圧縮方式では音の明瞭性が劣化する傾向にあり、場合によっては殆ど内容が識別不可能になるようなこともある。特に、リモコン装置の場合には、子供や聴力の劣りがちな高齢者が使用することも充分に配慮しなければならず、聴き取りにくいために使用者に誤解を与えるようなガイダンスを行うと事故に繋がる危険性もある。
【0007】
本発明はかかる課題を解決するために成されたものであり、その目的とするところは、必要な情報を使用者に確実に提供するというガイダンスとしての機能を損なわず、且つ、保存しておくべきデータ量を削減して装置のコストを抑制したり、或いはより多種類のガイダンスを提供できるようにした住宅設備機器用リモコン装置、及び該装置を備える住宅設備機器システムを得ることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために成された本発明は、住宅設備機器の動作に応じた又は操作キーの操作に応じたガイダンスを音声として出力する機能を有する住宅設備機器用リモコン装置において、
a)既定の各種ガイダンスをそれぞれ単語、文節又はそれらに準じた圧縮単位に分割し、それら圧縮単位の組み合わせとして各ガイダンスを表現するための構成情報を保存しておくガイダンス情報保存手段と、
b)前記圧縮単位毎にそれぞれに適した圧縮方式により圧縮された圧縮音声データを、該圧縮方式を識別可能な識別情報と一体に又は該識別情報に関連付けて保存しておく圧縮データ保存手段と、
c)出力すべきガイダンスの指示を受けて、前記ガイダンス情報保存手段からそのガイダンスの構成情報を取得するとともに、その構成情報に含まれる1乃至複数の圧縮単位に対応する圧縮音声データを前記圧縮データ保存手段から取得するデータ読み出し手段と、
d)その読み出された圧縮音声データ毎に前記識別情報に基づいて伸長方式を選択して伸長するとともに、それらの組み合わせによりガイダンスを再生する復元処理手段と、
を備えることを特徴としている。
【0009】
【発明の実施の形態、及び効果】
本発明の一実施形態としては、前記圧縮データ保存手段にあって圧縮音声データは圧縮方式に応じて区分された領域に格納され、前記識別情報はその圧縮音声データが格納された領域を示す情報である構成とすることができる。この「領域を示す情報」は典型的には例えばメモリアドレスである。
【0010】
即ち、この構成では、予め圧縮方式毎に記憶領域を区分して各圧縮単位の音声圧縮データを圧縮データ保存手段に格納しておく。当然のことながら、ここでいう区分は物理的なものではなく、各記憶領域が識別可能でありさえすれば仮想的なもので構わない。例えば使用者による操作キーの操作によって出力すべきガイダンスの指示を受けると、データ読み出し手段は、まずガイダンス情報保存手段からそのガイダンスの構成情報を読み出す。次いで、その構成情報に基づいて、必要な音声圧縮データを圧縮データ保存手段から読み出す。その読み出しの際のメモリアドレス自体が上記識別情報となっているから、構成情報を取得した時点又は圧縮音声データを読み出そうとした時点で、復元処理手段は識別情報を得ることができる。そこで、この識別情報によって伸張方式を選択し、音声圧縮データを伸張して圧縮前の又はそれに近いデータを復元し、各圧縮単位に対して同様の処理を行うことによって所望のガイダンスを再生する。
【0011】
また、本発明の他の実施形態としては、前記識別情報は各圧縮単位の圧縮音声データ毎に付随して前記圧縮データ保存手段に格納され、前記データ読み出し手段は圧縮音声データと同時に識別情報を取得する構成とすることができる。この構成では、圧縮音声データの記憶領域を規定する必要はなく、圧縮方式とは無関係に任意の位置に圧縮音声データを格納しておくことができる。そして、データ読み出し手段が必要な音声圧縮データを圧縮データ保存手段から読み出した時点で、それに付随して識別情報も読み出され、復元処理手段は識別情報を得ることができる。
【0012】
いずれにしても本発明に係るリモコン装置によれば、各種のガイダンスを構成する1乃至複数の圧縮単位毎に適切に選択された圧縮方式により圧縮されたデータを保存しておけばよいので、圧縮方式の特性に合わせて、例えば圧縮率の高いような圧縮・伸張によって非常に聴き取りにくくなるような言葉に関しては圧縮率の低い他の方式を用いる等、全体のデータ量と聴き取り易さとのバランスをとることができる。それによって、使用者に対して必要な情報が確実に伝わるように聴き取り易いガイダンス音声を出力しつつ、保存しておくべきデータ量を削減して装置のコストを抑制することができる。また、コストを抑えつつ、従来よりも更に多種類のガイダンスを提供することによって、操作性を向上させることができる。
【0013】
こうした効果をより高めるために、本発明に係る住宅設備機器用リモコン装置では、前記圧縮単位毎に復元時の聴感上の理解を損なわない程度に高い圧縮率が確保できるような圧縮方式で以て圧縮が行われる構成とすることが好ましい。
【0014】
また、通信線を介して住宅設備機器と複数のリモコン装置とが相互に接続された住宅設備機器システムでは、各リモコン装置が上記のようなガイダンス音声出力に関わる全ての構成要素を備えることはコスト的に得策でない。そこで、こうしたシステムにおいては、その複数のリモコン装置は前記ガイダンス情報保存手段と圧縮データ保存手段との少なくともいずれか一方を共用する構成とすることが好ましい。この構成では、ガイダンス情報保存手段や圧縮データ保存手段を保有していないリモコン装置でガイダンスを音声出力する必要がある場合に、通信線を介して他のリモコン装置から必要なデータを取得すればよい。これにより、各リモコン装置で必要なガイダンスを音声出力する機能を持たせながら、システムとしてのコストを抑制することができる。
【0015】
【実施例】
以下、本発明に係る住宅設備機器用リモコン装置の一実施例について、図1〜図3を参照しながら説明する。図1は本実施例によるリモコン装置の制御系の機能的構成を示すブロック図、図2は本リモコン装置を使用する住宅設備機器システムである給湯システムの一例を示す概略構成図、図3は本リモコン装置における音声出力処理の動作説明のための概念図である。
【0016】
図2に示すように、この例の給湯システムでは、屋外にガス燃焼式の給湯機(熱源)1が設置され、屋内の浴室5及び台所6に浴室リモコン2及び台所リモコン3がそれぞれ設置されている。給湯機1、浴室リモコン2及び台所リモコン3は居宅の壁面内や屋根裏等に配設された通信線4に接続されており、浴室リモコン2及び台所リモコン3のいずれからも給湯機1の運転に関する操作が可能となっている。また、例えば風呂の湯の準備完了といった動作状態や給湯機1の故障などの情報が各リモコン2、3で監視できるようにもなっている。なお、給湯機1がガス燃焼式でなく電気式である場合には屋内に設置されることもあるが、その場合でも基本的な構成は同様である。
【0017】
上記浴室リモコン2や台所リモコン3であるリモコン装置10は、中央制御部11、ガイダンス情報記憶部12、圧縮音声情報記憶部13、音声出力回路部14、スピーカ15、操作部16、表示制御部17、表示器18、通信制御部19等を備えている。中央制御部11はマイクロコンピュータを中心に構成されており、機能的には、ガイダンス情報検索部111、圧縮方式判別部112、LPCデコード部113 、CELPデコード部114、ADPCMデコード部115等を含んでいる。ガイダンス情報記憶部12及び圧縮音声情報記憶部13はROMやフラッシュメモリ等の不揮発性のメモリであって、予め(つまり工場からの出荷段階で)後述のようなガイダンス再生のためのデータが格納されている。
【0018】
操作部16は給湯機1の動作制御のための各種キースイッチを備えており、これらのキースイッチが操作される度に、操作内容に応じた信号を中央制御部11へと送る。表示制御部17は中央制御部11の指示に従って、LEDやLCDである表示器18により視覚的に情報を表示する。なお、LCDでは、後述するガイダンスを視覚的に確認できるように文字列のスクロール表示が可能である。通信制御部19は中央制御部11の指示に従って給湯機1へ制御信号を送ったり、給湯機1からモニタ信号や故障検出信号等の信号を受け取って中央制御部11へと送る。中央制御部11は、上記のように操作部16からの操作信号や通信制御部19を通じて給湯機1や他のリモコン装置から送られてくる各種信号を所定の方法で処理し、その処理結果に応じて表示制御部17や音声出力回路部14へ情報表示や音声出力に関する信号を送ったり、通信制御部19を通じて給湯機1や他のリモコン装置へと制御信号を送る。
【0019】
次に、本リモコン装置においてガイダンスの音声出力をするためのデータの圧縮方法及びデータの保存方法を説明する。
【0020】
本リモコン装置において音声出力すべきガイダンスの数(種類)は膨大であるが、ガイダンスの多くは複数の単語や文節等(本明細書ではこれらを総称して「圧縮単位」と呼ぶ)の組み合わせで表現することができ、こうした圧縮単位は幾つかのガイダンスで共通に利用することが可能である。一例を挙げると、給湯温度設定のキー操作が行われた後に「給湯温度が設定されました」という音声ガイダンスを発する場合、このガイダンスを「給湯温度が」、「設定」及び「されました」という3つの圧縮単位から構成する。このとき各圧縮単位はこのガイダンス以外の他のガイダンスにも利用される。例えば「設定」及び「されました」という2つの圧縮単位は「湯量が設定されました」というガイダンスにも利用される。
【0021】
本実施例では圧縮方式としてADPCM、CELP、LPCの3種が使用され、それらのデータビットレートをそれぞれ16kbps、4.8kbps、2.4kbpsと定める。各圧縮単位はいずれかの方式で音声圧縮されるが、その圧縮方式は、例えば各圧縮単位の音声上の特徴(例えば促音、撥音、長音などを含む)やガイダンス文中での重要度などを勘案した上での復元再生時の聴き取り易さを考慮して決められる。即ち、上記例において、「設定」のように促音の入る言葉は圧縮率が高いCELP、LPCといった線形予測系の符号化方式では復元時の明瞭度に劣る傾向にあり、そこで、そうした圧縮単位には波形符号化であるADPCMを適用する。また、給湯温度の設定を行った後の操作に応じて発せられるガイダンスでは、「給湯が」という文節が多少不明瞭であっても使用者に違和感が少ないことから、圧縮率の高さを優先してLPCを適用する。こうして、ここでは「給湯温度が」はLPC、「設定」はADPCM、「されました」はCELPを適用することとする。
【0022】
但し、圧縮単位の文字内容は同一であっても、前後に接続される文字内容によって発声の抑揚などを変化させないと聴き取りの際に非常に不自然になる場合があり得る。従って、たとえ文字内容が同一であっても、必ずしも全てに共通に利用できるとは限らず、文字内容が同一であって発声の抑揚や速度などが相違する複数の圧縮単位を用意することもあり得る。
【0023】
なお、本実施例のようなリモコン装置では予め圧縮処理された音声データを記憶しておけばよいから、上述したような各圧縮単位毎の圧縮方式の選択には時間をかけることができる。従って、限られた総データ量の範囲で最適に聴こえる組み合わせを試行錯誤的に選択することができる。
【0024】
本実施例の装置では、全てのガイダンスにそれぞれのガイダンスを特定するための識別コードが割り当てられており、ガイダンス情報記憶部12には、この識別コードに対応したガイダンスを構成する圧縮単位と、該圧縮単位の実際の音声データが格納されている圧縮音声情報記憶部13上での位置(アドレス)とが検索容易に保存されている。図3(a)に示すように、例えば上記「給湯温度が設定されました」というガイダンスの識別コードが「5」であるとして、この識別コードに対応して上記3つの圧縮単位の位置情報(図3中ではL[*]で示す)が保存されている。
【0025】
一方、圧縮音声情報記憶部13では、ADPCM、CELP、LPCの3種の圧縮方式による圧縮音声データは、図3(b)に示すようにそれぞれ区分された領域に格納されるようになっている。この例では、4桁のアドレス(16進表示)の最上位が0〜4である記憶領域がLPC用、5〜9である記憶領域がCELP用、A〜Fである記憶領域がADPCM用と定められている。従って、上記例のガイダンスを構成する3つの圧縮単位の圧縮音声データは、図3(b)に示すように各領域に分けて格納されており、その格納位置を示す情報が上述したようにガイダンス情報記憶部12に保存されているわけである。
【0026】
次に、上記構成を有するリモコン装置においてガイダンスの音声出力を行う際の動作を説明する。中央制御部11が操作部16からのキー操作信号を受けて、或いは何らかの制御を実行する過程においてガイダンスを出力する必要が生じると、ガイダンス情報検索部111は出力すべきガイダンスを示す識別コードをガイダンス情報記憶部12に入力し、そのガイダンスを構成する1乃至複数の圧縮単位に対応する位置情報、つまり上記L[*]を読み出す。この位置情報は、具体的にはメモリ上での開始アドレス及び終了アドレス、又は開始アドレス及び情報長等、各種の形態が考えられる。次にガイダンス情報検索部111は、その位置情報を参照して1乃至複数の圧縮音声データを圧縮音声情報記憶部13から読み出し、内部RAM又はレジスタなどに一時的に格納する。
【0027】
圧縮方式判別部112は上記圧縮音声データを読み出す際の位置情報を受け取る。上述したように圧縮音声データ圧縮方式毎に区分された記憶領域に格納されているため、その位置情報から圧縮方式を判断することが可能である。例えば図3(b)の例では、アドレスの最上位を識別するだけで圧縮方式を判別することが可能である。そして、判別した圧縮方式に対応する伸長処理プログラムを選択的に起動させることで、3種のデコーダ部113、114、115のいずれかを作動させる。そして、選択されたデコーダは圧縮音声データを伸長処理することにより音声PCMデータを復元し音声出力回路部14へと送る。音声出力回路部14は入力された音声データをアナログ信号に変換し、増幅器を通してスピーカ15から外部に出力する。
【0028】
なお、複数の音声データを必要とする場合、先頭の圧縮音声データを読み出した直後に後記のような伸長処理を開始し、それと並行して2個目以降の圧縮音声データを読み出すことが可能である。また、圧縮音声データを1個読み出す毎に伸長処理を実行してもよいし、また、全圧縮音声データを先に読み出してから後記のような伸長処理を実行してもよい。また、一般に圧縮率が高いものほど伸長処理に時間を要するため、必要に応じてバッファメモリを利用して、伸長処理によって得られるPCMデータの生成速度と音声出力との時間を調整するとよい。
【0029】
次に、本発明の他の実施例によるリモコン装置について説明する。基本的な構成は上記実施例と同様であるが、各圧縮音声データの圧縮方式の判別方法とこれに関係して圧縮音声データの格納方法が異なる。即ち、上記実施例では各圧縮単位の圧縮音声データの格納位置が圧縮方式に応じて区分されていたが、この実施例のリモコン装置では、各圧縮音声データの圧縮方式を示す判別情報がそのデータと一体に圧縮音声情報記憶部13に格納されている。
【0030】
図4は圧縮音声情報記憶部13に格納されている1個のデータ単位を示す概念図である。圧縮音声データ自体は可変長であるが、その先頭には必ず判別情報としてのヘッダが付加されている。この例では、3種の圧縮方式を識別するために2ビットのバイナリコード、即ち、
[00]:LPC、 [01]:CELP、 [10]:ADPCM
が使用されている。このように各圧縮単位毎に判別情報が付加されているから、圧縮音声情報記憶部13上で各圧縮音声データを格納しておく位置は任意である。もちろん、ガイダンス情報記憶部12には各ガイダンスを構成する圧縮単位に対応する圧縮音声データの位置情報を格納しておく。
【0031】
このリモコン装置においてガイダンスの音声出力処理を行う際には、出力すべきガイダンスが指定されると、ガイダンス情報検索部111はガイダンス情報記憶部12にそのガイダンスに付与されている識別コードを照会し、その構成情報を読み出す。そして、この構成情報に基づいて圧縮音声情報記憶部13から圧縮音声データを読み出す。このとき、各データの先頭にはヘッダが付加されているから、圧縮方式判別部112はこのヘッダに含まれる判別情報により伸長プログラムを選択する。それ以外の手順については上記実施例と同様である。
【0032】
上記2つの実施例の説明では、1つのリモコン装置が図1に示すような全ての構成要素を備えることを前提としていたが、図2に示す給湯システムのように通信線4を介して複数のリモコンが接続されている場合には、通信線4を通して必要なデータの送受信を行うことにより、幾つかの構成要素を共用しつつ、いずれのリモコン2、3でも同じようにガイダンスの音声出力を行うことができる。
【0033】
いま、図2において台所リモコン3をマスター側とし、浴室リモコン2をスレーブ側とした例を挙げて説明する。マスター側リモコンは図1に示した構成要素を全て備え、そのリモコン単独でガイダンス音声の出力が可能である。一方、マスレーブ側リモコンは、図1に示した構成要素のうち、ガイダンス情報検索部111、ガイダンス情報記憶部12及び圧縮音声情報記憶部13についてはそれに相当する機能の実行をマスター側リモコンに委ね、それ以外の構成要素を備える。
【0034】
スレーブ側リモコンでガイダンスの音声出力を行う場合の動作について、図5を参照して説明する。なお、以下の説明では、マスター側リモコンとスレーブ側リモコンでのそれぞれの構成要素を区別するために、符号の後にm(マスター側)、s(スレーブ側)を付すこととする。
【0035】
スレーブ側リモコンで何らかのガイダンスの音声出力が必要になった場合、その中央制御部11sはそのガイダンスの識別コードを調べ、通信制御部19sを経て通信線4からマスター側リモコンに対してその識別コードを送出する。マスター側リモコンでは、通信制御部19mを介して中央制御部11mが識別コードを取り込むと、ガイダンス情報検索部111mは既に説明したような手順でガイダンス情報記憶部12m及び圧縮音声情報記憶部13mを検索して、ガイダンスを構成する1乃至複数の圧縮単位に対応する圧縮音声データを読み出す。そして、この圧縮音声データを圧縮単位毎に図6に示すような信号形式に変換して、通信制御部19mを介してスレーブ側リモコンへと送出する。
【0036】
即ち、図6に示すように、先頭にはスタート信号、最後尾にはエンド信号が付加され、これによって通信線4を通して送られてくる信号列において圧縮音声データの区切りが識別できるようになっている。また、スタート信号の後には圧縮方式を示す判別情報が付加されており、これによって速やかにデコーダが選択できるようになっている。スレーブ側リモコンでは、このような圧縮音声データを受け取ると、圧縮方式判別部112sが判別情報を抽出し、上述したように伸長プログラムを選択的に起動する。それによって、その圧縮音声データを伸長して復元し、ガイダンス音声を出力する。
【0037】
もちろん、このように通信線4を介しデータの送受信を行うことによってガイダンス音声を再生する場合には、ガイダンスの出力指示から実際に音声が再生するまでの時間遅れは通信のデータレートに大きく依存する。従って、このデータレートが充分に高くない場合には、不自然な時間遅れが発生する恐れがある。そこで、例えば操作部16sでのキースイッチ操作に対応してガイダンスを発生する場合のように遅延があると不自然であって、操作上誤解を生じる可能性があるガイダンスに関してはその情報をそのリモコン自体に有し、例えば故障発生時などの自発的なガイダンスに関しては通信線4を利用してマスター側リモコンが保有する情報を利用するというように、必要な情報を適宜分割して備えるようにしてもよい。
【0038】
なお、上記実施例はいずれも単に本発明の一例にすぎず、本発明の趣旨の範囲で適宜変形、修正、追加を行えることは明らかである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例によるリモコン装置の制御系の機能的構成を示すブロック図。
【図2】本実施例のリモコン装置を使用する住宅設備機器システムである給湯システムの一例を示す概略構成図。
【図3】本実施例のリモコン装置の音声出力処理の動作説明のための概念図。
【図4】本発明の他の実施例によるリモコン装置において圧縮音声情報記憶部に格納されている1個のデータ単位を示す概念図。
【図5】本発明の一実施例によるリモコン装置を備えた給湯システムにおけるガイダンス音声出力の処理手順を示す概念図。
【図6】図5においてマスター側リモコンからスレーブ側リモコンへと送出される信号形式の一例を示す図。
【符号の説明】
1…給湯機
2…浴室リモコン
3…台所リモコン
4…通信線
5…浴室
6…台所
10…リモコン装置
11…中央制御部
111…ガイダンス情報検索部
112…圧縮方式判別部
113…LPCデコード部
114…CELPデコード部
115…ADPCMデコード部
12…ガイダンス情報記憶部
13…圧縮音声情報記憶部
14…音声出力回路部
15…スピーカ
16…操作部
17…表示制御部
18…表示器
19…通信制御部
Claims (5)
- 住宅設備機器の動作に応じた又は操作キーの操作に応じたガイダンスを音声として出力する機能を有する住宅設備機器用リモコン装置において、
a)既定の各種ガイダンスをそれぞれ単語、文節又はそれらに準じた圧縮単位に分割し、それら圧縮単位の組み合わせとして各ガイダンスを表現するための構成情報を保存しておくガイダンス情報保存手段と、
b)前記圧縮単位毎にそれぞれに適した圧縮方式により圧縮された圧縮音声データを、該圧縮方式を識別可能な識別情報と一体に又は該識別情報に関連付けて保存しておく圧縮データ保存手段と、
c)出力すべきガイダンスの指示を受けて、前記ガイダンス情報保存手段からそのガイダンスの構成情報を取得するとともに、その構成情報に含まれる1乃至複数の圧縮単位に対応する圧縮音声データを前記圧縮データ保存手段から取得するデータ読み出し手段と、
d)その読み出された圧縮音声データ毎に前記識別情報に基づいて伸長方式を選択して伸長するとともに、それらの組み合わせによりガイダンスを再生する復元処理手段と、
を備えることを特徴とする住宅設備機器用リモコン装置。 - 前記圧縮データ保存手段にあって圧縮音声データは圧縮方式に応じて区分された領域に格納され、前記識別情報はその圧縮音声データが格納された領域を示す情報であることを特徴とする請求項1に記載の住宅設備機器用リモコン装置。
- 前記識別情報は各圧縮単位の圧縮音声データ毎に付随して前記圧縮データ保存手段に格納され、前記データ読み出し手段は圧縮音声データと同時に識別情報を取得することを特徴とする請求項1に記載の住宅設備機器用リモコン装置。
- 前記圧縮単位毎に復元時の聴感上の理解を損なわない程度に高い圧縮率が確保できるような圧縮方式で以て圧縮が行われることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の住宅設備機器用リモコン装置。
- 通信線を介して住宅設備機器と複数のリモコン装置とが相互に接続された住宅設備機器システムにおいて、その複数のリモコン装置は前記ガイダンス情報保存手段と圧縮データ保存手段との少なくともいずれか一方を共用することを特徴とする、請求項1〜4のいずれかのリモコン装置を備える住宅設備機器システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003026790A JP2004240009A (ja) | 2003-02-04 | 2003-02-04 | 住宅設備機器用リモコン装置、及び該装置を備える住宅設備機器システム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003026790A JP2004240009A (ja) | 2003-02-04 | 2003-02-04 | 住宅設備機器用リモコン装置、及び該装置を備える住宅設備機器システム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004240009A true JP2004240009A (ja) | 2004-08-26 |
Family
ID=32954691
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003026790A Pending JP2004240009A (ja) | 2003-02-04 | 2003-02-04 | 住宅設備機器用リモコン装置、及び該装置を備える住宅設備機器システム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004240009A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009038767A (ja) * | 2007-08-03 | 2009-02-19 | Rohm Co Ltd | アナウンスを行う電気機器及び制御装置 |
US9690168B2 (en) | 2006-11-20 | 2017-06-27 | Red.Com, Inc. | Focus assist system and method |
-
2003
- 2003-02-04 JP JP2003026790A patent/JP2004240009A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US9690168B2 (en) | 2006-11-20 | 2017-06-27 | Red.Com, Inc. | Focus assist system and method |
JP2009038767A (ja) * | 2007-08-03 | 2009-02-19 | Rohm Co Ltd | アナウンスを行う電気機器及び制御装置 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
AU2009206856B2 (en) | A method and an apparatus for processing audio signal | |
JP2019124953A (ja) | オーディオ符号化システムにおけるユーザー対話のためのラウドネス制御 | |
WO2009093867A2 (en) | A method and an apparatus for processing audio signal | |
CN105135631A (zh) | 一种空调语音播报装置、空调及语音播报方法 | |
KR20090054281A (ko) | 애완 동물용 서비스 제공 장치 및 방법 | |
WO2007052189A3 (en) | Hearing aid system and method | |
JP2004240009A (ja) | 住宅設備機器用リモコン装置、及び該装置を備える住宅設備機器システム | |
AR039098A2 (es) | Metodo para mejorar el funcionamiento de un ecualizador | |
JP2001242896A (ja) | 音声符号化/復号装置およびその方法 | |
JP5033527B2 (ja) | アナウンスシステム、電気機器及び制御装置 | |
JP6945734B2 (ja) | 音声出力装置、機器制御システム、音声出力方法、及び、プログラム | |
JPH08314497A (ja) | 無音圧縮音声符号化復号化装置 | |
JPS604999B2 (ja) | 音声報知装置 | |
JPH11175096A (ja) | 音声信号処理装置 | |
JP2003223179A (ja) | インテリジェントスピーカ | |
JP7159773B2 (ja) | 音声操作装置、音声操作方法、および音声操作システム | |
JP3593183B2 (ja) | 音声復号装置 | |
US20090037007A1 (en) | Guidance report device, guidance report integrated circuit, guidance report method, and guidance report program | |
US6134519A (en) | Voice encoder for generating natural background noise | |
KR100891671B1 (ko) | 믹스신호 제어 방법 및 장치 | |
JP2005532585A (ja) | オーディオコーディング | |
KR102548618B1 (ko) | 음성인식 및 음성합성을 이용한 무선통신장치 | |
KR20120071866A (ko) | 저대역 오디오 신호를 디코딩하는 통신 단말기 | |
JP3809537B2 (ja) | 語学学習システム | |
JP2010072057A (ja) | 音声の録音と再生方法及び該方法を用いる電子辞書 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20050921 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20080408 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20080430 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20080902 |