JP2004239862A - 容積流量計及び液体供給システム - Google Patents
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Abstract
【課題】測定中に液の供給が途切れることなく、且つ、貯液タンクから1又は複数の場所に供給される液の供給量を、供給量が小さくとも、夫々の供給場所に対して測定することが可能とする。
【解決手段】下側液タンク40内部の第2フロート42が所定の低さL2まで下がったことを第2検知器41で検出した際に、第2開閉弁46を閉じた状態で(A)、第1開閉弁36を開け(B)、上側液タンク30内部の第1フロート32が所定の高さL1まで上がったことを第1検知器31で検出するまで(C)、貯液タンクから上側液タンク30へ液を供給する。その後、第1開閉弁36を閉じ、第2開閉弁46を開け、上側液タンク30から下側液タンク40へ液を供給する(D)。その結果、下側液タンク40がフルになった状態となる(E)。
【選択図】 図4
【解決手段】下側液タンク40内部の第2フロート42が所定の低さL2まで下がったことを第2検知器41で検出した際に、第2開閉弁46を閉じた状態で(A)、第1開閉弁36を開け(B)、上側液タンク30内部の第1フロート32が所定の高さL1まで上がったことを第1検知器31で検出するまで(C)、貯液タンクから上側液タンク30へ液を供給する。その後、第1開閉弁36を閉じ、第2開閉弁46を開け、上側液タンク30から下側液タンク40へ液を供給する(D)。その結果、下側液タンク40がフルになった状態となる(E)。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、容積流量計及び液体供給システムに関し、より詳細には、貯液タンクから供給される液の供給量を算出する容積流量計、及びその容積流量計を備えた流量計測システムに関する。本発明は、例えば家庭用暖房機器への灯油を供給する際などに使用することができる。
【0002】
【従来の技術】
従来から、集合住宅などにおいては、各家庭の暖房機器に対し、1つ又は複数の貯液タンクから灯油を供給するなどの設備が完備されている。この灯油の供給に対しては、各家庭にその供給量に応じた対価を請求しなければならず、そのため、灯油の供給量の精確な算出手段又は測定手段が必要となる。供給量の算出・測定に関しては、近年、暖房機器の燃費が向上したことにより、その精度が求められるようになってきた。
【0003】
一方、微少流量の算出・測定を行う一般的な流量測定装置が種々提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の流量測定装置は、上部に流入口を設けた貯蔵部とその貯蔵部の底部と連通し所定の高さにおいて下方に開口したサイホン管からなるサイホン容器と、そのサイホン管の流出口より流下する流体を検出する検出手段と、その検出から検出までの時間を測定する計時手段とを有し、サイホン容器の容積と測定した時間から流量を求めるよう構成されている。
【0004】
【特許文献1】
特公昭59−8764号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1に記載の発明は、流量を求めることを目的としてなされたものであり、各家庭に供給する灯油などの液体の供給量を得ることができず、さらに近年の高性能な暖房機器に要求される供給量のごとき極めて小さい流量を精確に計測することもできない。したがって、特許文献1に記載の発明は、このような灯油などの液体取引用には適用し難い。
【0006】
その他にも、現状では、家庭用暖房機器に使用する灯油の取引の際には、様々な計測方法を採用した流量計を使用しているが、暖房機器等の供給される側の機器の性能向上により流量が極めて小さくなってきたため、精確な計測ができず取引に支障が生じている。また、流量計によっては、測定中に灯油の供給が途切れたりすることもあり、灯油停止による失火が生ずる場合もある。
【0007】
本発明は、上述のごとき実情に鑑みてなされたものであり、測定中に液の供給が途切れることなく、且つ、貯液タンクから1又は複数の場所に供給される液の供給量を、供給量が小さくとも、夫々の供給場所に対して測定することが可能な容積流量計、及びその容積流量計を備えた液体供給システムを提供することをその目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、以下の各技術手段により構成される。
第1の技術手段は、上下に接続された1対の液タンクを備え、上側液タンクに接続された貯液タンクから供給された液の体積を測定する容積流量計であって、前記上側液タンクに対し、前記貯液タンクからの液の供給を開始/停止する第1開閉弁と、上側液タンクと下側液タンクとの間に設けられ上側液タンクから下側液タンクへの液の供給を開始/停止する第2の開閉弁と、を備え、前記上側液タンクは、第1フロートと、液の供給により該第1フロートが所定の高さになったことを検出する第1検出手段とを有し、前記下側液タンクは、第2フロートと、液の供給により該第2フロートが所定の低さになったことを検出する第2検出手段とを有することを特徴としたものである。
【0009】
第2の技術手段は、第1の技術手段において、前記上側液タンクにおける検出位置を上限とする容量を、前記下側液タンクにおける検出位置を下限とする容量のn倍(nは自然数)とし、当該容積流量計は、前記第2検出手段で前記第2フロートが所定の低さまで下がったことを検出した際に、所定の計量ステップを容量差に応じてn回繰り返す制御手段を備え、該計量ステップは、前記第2開閉弁を閉じた状態で、前記第1開閉弁を開け、前記第1検出手段で前記第1フロートが所定の高さまで上がったことを検出するまで前記貯液タンクから前記上側液タンクへ液を供給し、前記第1開閉弁を閉じ、前記第2開閉弁を開け、前記上側液タンクから下側液タンクへ液を供給し、前記上側液タンクの液が全て落ちた後、前記第2開閉弁を閉じるステップであることを特徴としたものである。
【0010】
第3の技術手段は、第1又は第2の技術手段において、前記第1検出手段における検出回数、前記第1開閉弁における開弁又は閉弁の回数、前記第2開閉弁における開弁又は閉弁の回数、のいずれかをカウントするカウント手段を備えることを特徴としたものである。
【0011】
第4の技術手段は、第3の技術手段において、前記カウント手段は、前記第2検出手段における検出回数をもカウントすることを特徴としたものである。
【0012】
第5の技術手段は、第3又は第4の技術手段において、前記上側液タンクの検出位置に基づく容積と、前記カウント手段でのカウントとに基づいて、流量を算出する算出手段を備えることを特徴としたものである。
【0013】
第6の技術手段は、第1乃至第5のいずれか1の技術手段において、前記貯液タンクと前記上側液タンクとの間に、前記貯液タンクから液を供給するポンプを備えることを特徴としたものである。
【0014】
第7の技術手段は、第1乃至第5のいずれか1の技術手段において、前記第1開閉弁又は該第1開閉弁及び第2開閉弁は、液を次段へ適時供給するポンプであることを特徴としたものである。
【0015】
第8の技術手段は、第1乃至第7のいずれか1の技術手段における容積流量計を1又は複数、前記タンクに接続し、各容積流量計に対し、供給した液の容積を得ることを特徴とする液体供給システムである。
【0016】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の一実施形態に係る液体供給システムの一構成例を示す概要図である。
本発明に係る容積流量計の各実施形態を説明する前に、それらのいずれかを備えた液体供給システムについて、図1を参照して説明する。本発明に係る液体供給システムは、後述する各実施形態に係る容積流量計を用いて、貯液タンクから容積流量計に対して液体の供給を行い、その所定期間内での流量、すなわち所定期間内の供給量を求めるためのシステムであり、それゆえ流量計測システムともいえる。
【0017】
本構成例の液体供給システムは、ストーブ等の暖房機器6などの被供給側の機器に、貯液タンク(灯油タンク5で例示)から液体(灯油で例示)を供給するに際し、その供給量を測定するための容積流量計1を灯油タンク5と暖房機器6との間に配設している。1対の暖房機器6及び容積流量計1に対し、1つの灯油タンク5に接続して、供給した液の容積を容積流量計1により得るようにする。灯油タンク5は、容積流量計1より高い場所に設置されることが好ましく、また容積流量計1との間にバルブ7及び整流器8などを配設してもよい。一方、暖房機器6側にも容積流量計1との間にバルブ9などを配設してもよい。また、容積流量計1は、暖房機器6よりも低い位置に設置されることが好ましい。容積流量計1の灯油タンク5や暖房機器6に対する高さの制限は、容積流量計1内或いはその前段や後段にポンプを設けるか否かにより決定され、これは容積流量計1の仕様により適宜決められるべきものである。
【0018】
また、図1では灯油タンク5に対し、1対の暖房機器6及び容積流量計1が設けられた一番単純な例を示したが、複数対の暖房機器6及び容積流量計1を、1つの灯油タンク5に接続して、各容積流量計に対し、供給した液の容積を得るようにしてもよい。また、灯油タンク5も複数設置しておいてもよく、各灯油タンクから夫々複数の暖房機器に灯油を供給し、暖房機器の前段に設置された容積流量計によって供給量を測定すればよい。また、例えば家庭内にある全ての暖房機器など複数の暖房機器6に対し、1つの容積流量計1を設置してもよいことは言及するまでもない。さらに、供給量の測定結果は、電話回線や専用回線などを通じ、灯油タンクの管理者側に送信するようにしてもよく、同時にその対価を各暖房機器を使用する家庭に請求してもよい。また、後述しないが、本発明に係る容積流量計の実施形態によっては、その一部(後述の下側液タンク)がストーブ内に収容された形態や、全部がストーブ内に収容された形態も採用可能である。
【0019】
本実施形態に係る液体供給システムによれば、次に示す本発明に係る容積流量計を用いているので、実際の取引に適した単位で計測可能であり、極微小流量でも高価で精密な機器を使用する必要がない。また、微小流量を流量計で測定するには、流量により器差が変化する特性を鑑みて、使用する流量で精度確認をする必要があり、特に極めて小さな流量に対しては、精度検査の時間,コストがかかることや試験装置及び試験方法が限られる等の問題があった。これらの問題に対して、本発明に係る容積流量計は、原理上その精度が流量に依らないようにしているため、精度維持確認が容易となる。また、供給量の測定中に液体(灯油等)が途切れることがなく、ストーブなどでは灯油停止による失火が生ずることもない。また、供給されカウントされた液体の所有者(=液体を買う顧客)が明確であり、取引に差が生じることもない。
【0020】
図2及び図3は、本発明の一実施形態に係る容積流量計の一構成例を示す図で、供給量測定の一連の過程を説明するための図でもある。
本発明の一実施形態に係る容積流量計1は、本構成例において、上下に接続された1対の液タンクである上側液タンク10及び下側液タンク20を備え、上側液タンク10に接続された貯液タンク(図示せず)から供給された液の体積を測定する流量計である。図2及び図3で説明する容積流量計1は、図1で説明した液体供給システムに適用可能な容積流量計である。
【0021】
容積流量計1は、上側液タンク10に対し、貯液タンクからの液の供給を開始/停止する第1開閉弁16と、上側液タンク10と下側液タンク20との間に設けられ上側液タンク10から下側液タンク20への液の供給(重力に従った供給[ポンプ無の場合])を開始/停止する第2の開閉弁26と、を備えるものとする。第2開閉弁26は、上側液タンク10と下側液タンク20との接続点、実際には上側液タンク10の底部から伸びる配管(接続管)15と下側液タンク20の上部から伸びる配管(接続管)24との接続点に設けられた弁である。また、第1開閉弁16は液を次段(上側液タンク10)へ適時供給するポンプであってもよい。なお、実際には、第2開閉弁26も、液を次段(下側液タンク20)へ適時供給するポンプであるか或いはポンプを備えるよう構成してもよいが、その場合には液タンク10,20が必ずしも上下に接続される必要はない。
【0022】
上側液タンク10は、第1のフロート12と、液の供給により第1フロート12が所定の高さL1になったことを検出する第1の検出手段とを有するものとする。また、下側液タンク10は、第2のフロート22と、液の供給により第2フロート22が所定の低さL2になったことを検出する第2検出手段とを有するものとする。本構成例では、第1検出手段として、第1フロート12の底面に設置した磁石13を備え、さらにその磁石13の磁気を検知するリードドスイッチ等の第1検知器11を上側液タンク10の高さL1の位置に備えたものを例示しているが、第1フロート12の位置が高さL1に来たことを検出することが可能であればホール素子を利用したものなど他の構成でもよい。第2検出手段に対しても同様に、第2フロート22の底面に設置した磁石23を備え、さらにその磁石23の磁気を検知するリードドスイッチ等の第2検知器21を下側液タンク20の高さL2の位置に備えたものを例示しているが、第2フロート22の位置が高さL2に来たことを検出することが可能であればホール素子を利用したものなど他の構成でもよい。また、本構成例では下側液タンク20の底部にストーブ等の機器に通ずる配管25が備えられたものを例示している。
【0023】
本実施形態に係る容積流量計1においては、上側液タンク10における検出位置を上限とする容量を、下側液タンク20における検出位置を下限とする容量のn倍(nは自然数)としている。なお、図2及び図3ではn=4の場合を例示している。そして、容積流量計1は、第2検出手段(以下第2検知器21で例示)で前記第2フロート22が所定の低さL2まで下がったことを検出した際に、所定の計量ステップをその容量差に応じてn回繰り返す制御手段(図示せず)を備えるものとする。
【0024】
この計量ステップを次に説明する。
ストーブ等の機器に対しては、配管25を通じて液体が供給されているが、この機器で液体が消費される。この消費が進むと第2フロート22(実際には磁石23)が高さL2の位置まで低下し、図2(A)の状態のように第2フロート22が第2検知器21により検知される。計量ステップでは、まず、この検知時に、第2開閉弁26を閉じた状態で(前のステップで閉じるか、或いはこのときに閉じるか)、第1開閉弁16を開ける。この動作により、図2(B)に示した状態のように貯液タンク側から上側液タンク10の内部に液体が供給される。なお、図2及び図3では、第1開閉弁16はポンプ機能を有するものとして上側液タンク10の下側側面に設けられた配管14に設置された例を示しているが、上側液タンクの位置L1と貯液タンクとの高低差や、汲み上げスピードの要求に応じてポンプ機能も無くてよく、さらに配管14の接続位置や第1開閉弁16の位置も適宜変更可能である。勿論、第1開閉弁16とは別に配管14上にポンプを設けてもよい。
【0025】
続いて、第1フロート12が所定の高さL1まで上がったことを第1検出手段(第1検知器11)で検出するまで、貯液タンクから上側液タンク10へ液を供給することとなる(図2(C)の状態)。
【0026】
そして、この供給が第1検知器11からの検知信号により終了すると、第1開閉弁16を閉じ、第2開閉弁26を開け、上側液タンク10から下側液タンク20へ液を供給する。図2(D)は、上側液タンクの液が落ちた後の状態を示している。上側液タンク10の液が落ち切った(勿論、タンク内に極微量残っている場合もある)ことは、所定の時間を予め設定しておき、その時間が経過したことで検知したり、上側液タンク10の底側にも第1検知器11と同様の検知器を設置しておき、この検知器からの検知信号によって検知したりするなど、様々な方法で知ることが可能である。上側液タンク10の液が落ちた後、第2開閉弁26を閉じる。
以上が、上述した計量ステップである。
【0027】
CPU,ROM等で構成される制御手段では、この計量ステップをn(ここではn=4で例示)回繰り返すこととなるが、この続きを図3(E)〜(H)を参照して説明する。図2(D)の状態の後、図2(B)と同様に第2開閉弁26を閉め、第1開閉弁16を開け、上側液タンク10に液体を注入する(図3(E))。上側液タンク10において位置L1まで液体が貯まると(図3(F))、第1開閉弁16を閉じ、第2開閉弁26を開け、下側液タンク20に液が全部落ちる(図3(G))のが検知されるのを待つ。これをもう2回繰り返すことで、図3(H)に示すような下側液タンク20に液が充満された状態となる。なお、上述のいずれかのステップでストーブ等の機器での液体の消費が生じ、図3(H)のように充満された状態にならない場合もあるが、少なくとも、上側液タンク10に貯まった液体が下側液タンク20へ落ち切らずに残るようなことはない。
【0028】
本発明に係る容積流量計においては、上述のごとき計測ステップを、検知器11,21等の信号により各弁16,26に対し実行する制御手段を備えることで液の供給を行うが、その供給量は、次に説明するカウント手段により求まる。
【0029】
カウント手段としては、例えば第1検出手段における検出回数をカウントする手段や、第1検出手段及び第2検出手段における検出回数をカウントする手段、さらには、第1開閉弁16における開弁或いは閉弁の回数をカウントする手段、或いは第2開閉弁26における開弁或いは閉弁の回数をカウントする手段などが挙げられる。勿論、制御手段による制御ステップ(上述の計量ステップ)の回数をカウントしてもよい。
【0030】
いずれのカウント手段であっても、上側液タンク10の容積(第1検知器11までの容積)が決まっていることから、この容積分の液体がカウントされた回数だけ供給されたこととなるので、[カウント数(第1検出手段,第1開閉弁16,第2開閉弁26のいずれかでのカウント数)]×[上側タンク10の第1検出手段での検出位置L1までの容積]により、供給量が求まることとなる。これはこのような演算を行う算出手段(図示せず)を備えることで実現可能である。この点から、これらのカウント手段は、微小流量計測用のバッチカウントシステムともいえる。
【0031】
一方、下側液タンク20の第2検出手段(第2検知器21)での検知信号は、上述のnが予め決められていることから、供給量の大きな単位を測定する上で利用可能である。n=4の場合には、上述の容積をVとすると、[第2検出手段21での検知信号のカウント数]毎に4V分の計量が可能となる。例えば、n=10,V=0.1などにすることにより、[第1検出手段,第1開閉弁16,第2開閉弁26のいずれかでのカウント数]に応じて小数点1桁目の値を少数表示部に表示し、[第2検出手段での検知信号のカウント数]に応じて自然数の桁の値を整数表示部に表示したりすることも可能となる。
【0032】
なお、上側液タンク10の形状を下側液タンク20の形状より細目に例示したのは、第1検知器11等の第1検出手段による測定精度を向上させるためである。
【0033】
本実施形態に係る容積流量計によれば、実際の取引に適した単位で計測可能であり、極微小流量でも高価で精密な機器を使用する必要がない。また、供給量の測定中に液体(灯油等)が途切れることがなく、ストーブなどでは灯油停止による失火が生ずることもない。また、供給されカウントされた液体の所有者(=液体を買う顧客)が明確であり、取引に差が生じることもない。本実施形態に係る容積流量計は、流速を主として得る一般の容積流量計ではなく、容器検定を原理としており、流量(特に微小流量)に制限がない。
【0034】
図4は、本発明の一実施形態に係る容積流量計の他の構成例を示す図で、供給量測定の一連の過程を説明するための図でもある。
本構成例で示す容積流量計3は、上下に接続された1対の液タンクである上側液タンク30及び下側液タンク40を備え、上側液タンク40に接続された貯液タンク(図示せず)から供給された液の体積を測定する流量計である。図4で説明する容積流量計3は、図1で説明した液体供給システムに適用可能な容積流量計である。
【0035】
なお、図4中、30は上側液タンク、31は第1検出手段(第1検知器)、32は第1フロート、33は第1検出手段の一部としての磁石、34,35は配管、36は第1開閉弁、40は下側液タンク、41は第2検出手段(第2検知器)、42は第2フロート、43は第2検出手段の一部としての磁石、44,45は配管、46は第2開閉弁であり、これらは図2及び図3で説明したものと基本的に同じ機能を果たし、その詳細な説明は省略する。ただし、上側液タンク30及び下側液タンク40の容量の比率が1:1(n=1)である点が異なり、その点を中心に説明する。
【0036】
本構成例に係る容積流量計3は、n=1の場合であり、上側液タンク30における検出位置L1を上限とする容量を、下側液タンク40における検出位置L2を下限とする容量と同じくするものとする。ただし、この場合も下側液タンク40の容量は少なくとも同じ以上の液体が入ればよいだけである。
【0037】
容積流量計3においては、図4(A)で示すような、第2検出手段(第2検知器41で例示)で第2フロート42が所定の低さL2まで下がったことを検出した際に、第2開閉弁46を閉じた状態で、図4(B)のごとく第1開閉弁36を開け、図4(C)のごとく、第1検出手段(第1検知器31で例示)で第1フロート32が所定の高さL1まで上がったことを検出するまで貯液タンクから上側液タンク30へ液を供給する。その後、図4(D)のごとく、第1開閉弁36を閉じ、第2開閉弁46を開け、上側液タンク30から下側液タンク40へ液を供給する。その結果、図4(E)のように下側液タンク40がフルになった状態となる。
【0038】
【発明の効果】
本発明に係る容積流量計によれば、測定中に液の供給が途切れることなく、且つ、貯液タンクから1又は複数の場所に供給される液の供給量を、供給量が小さくとも、夫々の供給場所に対して測定することが可能となる。また、本発明に係る容積流量計によれば、原理上その精度が流量に依らないようにしているため、精度維持確認が容易となる。
【0039】
本発明に係る液体供給システムによれば、各供給場所に供給した液体の量を、各々に設置された上述の容積流量計を用いて測定するので、各供給場所に対する供給量を精確に求めることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る液体供給システムの一構成例を示す概要図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る容積流量計の一構成例を示す図で、供給量測定の一連の過程を説明するための図でもある。
【図3】本発明の一実施形態に係る容積流量計の一構成例を示す図で、図2に続く供給量測定の一連の過程を説明するための図でもある。
【図4】本発明の一実施形態に係る容積流量計の他の構成例を示す図で、供給量測定の一連の過程を説明するための図でもある。
【符号の説明】
1,3…容積流量計、5…灯油タンク、6…暖房機器、7,9…バルブ、8…整流器、10,30…上側液タンク、11,31…第1検出手段(第1検知器)、12,32…第1フロート、13,33…第1検出手段の一部としての磁石、14,15,24,25,34,35,44,45…配管、16,36…第1開閉弁、20,40…下側液タンク、21,41…第2検出手段(第2検知器)、22,42…第2フロート、23,43…第2検出手段の一部としての磁石、26,46…第2開閉弁。
【発明の属する技術分野】
本発明は、容積流量計及び液体供給システムに関し、より詳細には、貯液タンクから供給される液の供給量を算出する容積流量計、及びその容積流量計を備えた流量計測システムに関する。本発明は、例えば家庭用暖房機器への灯油を供給する際などに使用することができる。
【0002】
【従来の技術】
従来から、集合住宅などにおいては、各家庭の暖房機器に対し、1つ又は複数の貯液タンクから灯油を供給するなどの設備が完備されている。この灯油の供給に対しては、各家庭にその供給量に応じた対価を請求しなければならず、そのため、灯油の供給量の精確な算出手段又は測定手段が必要となる。供給量の算出・測定に関しては、近年、暖房機器の燃費が向上したことにより、その精度が求められるようになってきた。
【0003】
一方、微少流量の算出・測定を行う一般的な流量測定装置が種々提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の流量測定装置は、上部に流入口を設けた貯蔵部とその貯蔵部の底部と連通し所定の高さにおいて下方に開口したサイホン管からなるサイホン容器と、そのサイホン管の流出口より流下する流体を検出する検出手段と、その検出から検出までの時間を測定する計時手段とを有し、サイホン容器の容積と測定した時間から流量を求めるよう構成されている。
【0004】
【特許文献1】
特公昭59−8764号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1に記載の発明は、流量を求めることを目的としてなされたものであり、各家庭に供給する灯油などの液体の供給量を得ることができず、さらに近年の高性能な暖房機器に要求される供給量のごとき極めて小さい流量を精確に計測することもできない。したがって、特許文献1に記載の発明は、このような灯油などの液体取引用には適用し難い。
【0006】
その他にも、現状では、家庭用暖房機器に使用する灯油の取引の際には、様々な計測方法を採用した流量計を使用しているが、暖房機器等の供給される側の機器の性能向上により流量が極めて小さくなってきたため、精確な計測ができず取引に支障が生じている。また、流量計によっては、測定中に灯油の供給が途切れたりすることもあり、灯油停止による失火が生ずる場合もある。
【0007】
本発明は、上述のごとき実情に鑑みてなされたものであり、測定中に液の供給が途切れることなく、且つ、貯液タンクから1又は複数の場所に供給される液の供給量を、供給量が小さくとも、夫々の供給場所に対して測定することが可能な容積流量計、及びその容積流量計を備えた液体供給システムを提供することをその目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、以下の各技術手段により構成される。
第1の技術手段は、上下に接続された1対の液タンクを備え、上側液タンクに接続された貯液タンクから供給された液の体積を測定する容積流量計であって、前記上側液タンクに対し、前記貯液タンクからの液の供給を開始/停止する第1開閉弁と、上側液タンクと下側液タンクとの間に設けられ上側液タンクから下側液タンクへの液の供給を開始/停止する第2の開閉弁と、を備え、前記上側液タンクは、第1フロートと、液の供給により該第1フロートが所定の高さになったことを検出する第1検出手段とを有し、前記下側液タンクは、第2フロートと、液の供給により該第2フロートが所定の低さになったことを検出する第2検出手段とを有することを特徴としたものである。
【0009】
第2の技術手段は、第1の技術手段において、前記上側液タンクにおける検出位置を上限とする容量を、前記下側液タンクにおける検出位置を下限とする容量のn倍(nは自然数)とし、当該容積流量計は、前記第2検出手段で前記第2フロートが所定の低さまで下がったことを検出した際に、所定の計量ステップを容量差に応じてn回繰り返す制御手段を備え、該計量ステップは、前記第2開閉弁を閉じた状態で、前記第1開閉弁を開け、前記第1検出手段で前記第1フロートが所定の高さまで上がったことを検出するまで前記貯液タンクから前記上側液タンクへ液を供給し、前記第1開閉弁を閉じ、前記第2開閉弁を開け、前記上側液タンクから下側液タンクへ液を供給し、前記上側液タンクの液が全て落ちた後、前記第2開閉弁を閉じるステップであることを特徴としたものである。
【0010】
第3の技術手段は、第1又は第2の技術手段において、前記第1検出手段における検出回数、前記第1開閉弁における開弁又は閉弁の回数、前記第2開閉弁における開弁又は閉弁の回数、のいずれかをカウントするカウント手段を備えることを特徴としたものである。
【0011】
第4の技術手段は、第3の技術手段において、前記カウント手段は、前記第2検出手段における検出回数をもカウントすることを特徴としたものである。
【0012】
第5の技術手段は、第3又は第4の技術手段において、前記上側液タンクの検出位置に基づく容積と、前記カウント手段でのカウントとに基づいて、流量を算出する算出手段を備えることを特徴としたものである。
【0013】
第6の技術手段は、第1乃至第5のいずれか1の技術手段において、前記貯液タンクと前記上側液タンクとの間に、前記貯液タンクから液を供給するポンプを備えることを特徴としたものである。
【0014】
第7の技術手段は、第1乃至第5のいずれか1の技術手段において、前記第1開閉弁又は該第1開閉弁及び第2開閉弁は、液を次段へ適時供給するポンプであることを特徴としたものである。
【0015】
第8の技術手段は、第1乃至第7のいずれか1の技術手段における容積流量計を1又は複数、前記タンクに接続し、各容積流量計に対し、供給した液の容積を得ることを特徴とする液体供給システムである。
【0016】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の一実施形態に係る液体供給システムの一構成例を示す概要図である。
本発明に係る容積流量計の各実施形態を説明する前に、それらのいずれかを備えた液体供給システムについて、図1を参照して説明する。本発明に係る液体供給システムは、後述する各実施形態に係る容積流量計を用いて、貯液タンクから容積流量計に対して液体の供給を行い、その所定期間内での流量、すなわち所定期間内の供給量を求めるためのシステムであり、それゆえ流量計測システムともいえる。
【0017】
本構成例の液体供給システムは、ストーブ等の暖房機器6などの被供給側の機器に、貯液タンク(灯油タンク5で例示)から液体(灯油で例示)を供給するに際し、その供給量を測定するための容積流量計1を灯油タンク5と暖房機器6との間に配設している。1対の暖房機器6及び容積流量計1に対し、1つの灯油タンク5に接続して、供給した液の容積を容積流量計1により得るようにする。灯油タンク5は、容積流量計1より高い場所に設置されることが好ましく、また容積流量計1との間にバルブ7及び整流器8などを配設してもよい。一方、暖房機器6側にも容積流量計1との間にバルブ9などを配設してもよい。また、容積流量計1は、暖房機器6よりも低い位置に設置されることが好ましい。容積流量計1の灯油タンク5や暖房機器6に対する高さの制限は、容積流量計1内或いはその前段や後段にポンプを設けるか否かにより決定され、これは容積流量計1の仕様により適宜決められるべきものである。
【0018】
また、図1では灯油タンク5に対し、1対の暖房機器6及び容積流量計1が設けられた一番単純な例を示したが、複数対の暖房機器6及び容積流量計1を、1つの灯油タンク5に接続して、各容積流量計に対し、供給した液の容積を得るようにしてもよい。また、灯油タンク5も複数設置しておいてもよく、各灯油タンクから夫々複数の暖房機器に灯油を供給し、暖房機器の前段に設置された容積流量計によって供給量を測定すればよい。また、例えば家庭内にある全ての暖房機器など複数の暖房機器6に対し、1つの容積流量計1を設置してもよいことは言及するまでもない。さらに、供給量の測定結果は、電話回線や専用回線などを通じ、灯油タンクの管理者側に送信するようにしてもよく、同時にその対価を各暖房機器を使用する家庭に請求してもよい。また、後述しないが、本発明に係る容積流量計の実施形態によっては、その一部(後述の下側液タンク)がストーブ内に収容された形態や、全部がストーブ内に収容された形態も採用可能である。
【0019】
本実施形態に係る液体供給システムによれば、次に示す本発明に係る容積流量計を用いているので、実際の取引に適した単位で計測可能であり、極微小流量でも高価で精密な機器を使用する必要がない。また、微小流量を流量計で測定するには、流量により器差が変化する特性を鑑みて、使用する流量で精度確認をする必要があり、特に極めて小さな流量に対しては、精度検査の時間,コストがかかることや試験装置及び試験方法が限られる等の問題があった。これらの問題に対して、本発明に係る容積流量計は、原理上その精度が流量に依らないようにしているため、精度維持確認が容易となる。また、供給量の測定中に液体(灯油等)が途切れることがなく、ストーブなどでは灯油停止による失火が生ずることもない。また、供給されカウントされた液体の所有者(=液体を買う顧客)が明確であり、取引に差が生じることもない。
【0020】
図2及び図3は、本発明の一実施形態に係る容積流量計の一構成例を示す図で、供給量測定の一連の過程を説明するための図でもある。
本発明の一実施形態に係る容積流量計1は、本構成例において、上下に接続された1対の液タンクである上側液タンク10及び下側液タンク20を備え、上側液タンク10に接続された貯液タンク(図示せず)から供給された液の体積を測定する流量計である。図2及び図3で説明する容積流量計1は、図1で説明した液体供給システムに適用可能な容積流量計である。
【0021】
容積流量計1は、上側液タンク10に対し、貯液タンクからの液の供給を開始/停止する第1開閉弁16と、上側液タンク10と下側液タンク20との間に設けられ上側液タンク10から下側液タンク20への液の供給(重力に従った供給[ポンプ無の場合])を開始/停止する第2の開閉弁26と、を備えるものとする。第2開閉弁26は、上側液タンク10と下側液タンク20との接続点、実際には上側液タンク10の底部から伸びる配管(接続管)15と下側液タンク20の上部から伸びる配管(接続管)24との接続点に設けられた弁である。また、第1開閉弁16は液を次段(上側液タンク10)へ適時供給するポンプであってもよい。なお、実際には、第2開閉弁26も、液を次段(下側液タンク20)へ適時供給するポンプであるか或いはポンプを備えるよう構成してもよいが、その場合には液タンク10,20が必ずしも上下に接続される必要はない。
【0022】
上側液タンク10は、第1のフロート12と、液の供給により第1フロート12が所定の高さL1になったことを検出する第1の検出手段とを有するものとする。また、下側液タンク10は、第2のフロート22と、液の供給により第2フロート22が所定の低さL2になったことを検出する第2検出手段とを有するものとする。本構成例では、第1検出手段として、第1フロート12の底面に設置した磁石13を備え、さらにその磁石13の磁気を検知するリードドスイッチ等の第1検知器11を上側液タンク10の高さL1の位置に備えたものを例示しているが、第1フロート12の位置が高さL1に来たことを検出することが可能であればホール素子を利用したものなど他の構成でもよい。第2検出手段に対しても同様に、第2フロート22の底面に設置した磁石23を備え、さらにその磁石23の磁気を検知するリードドスイッチ等の第2検知器21を下側液タンク20の高さL2の位置に備えたものを例示しているが、第2フロート22の位置が高さL2に来たことを検出することが可能であればホール素子を利用したものなど他の構成でもよい。また、本構成例では下側液タンク20の底部にストーブ等の機器に通ずる配管25が備えられたものを例示している。
【0023】
本実施形態に係る容積流量計1においては、上側液タンク10における検出位置を上限とする容量を、下側液タンク20における検出位置を下限とする容量のn倍(nは自然数)としている。なお、図2及び図3ではn=4の場合を例示している。そして、容積流量計1は、第2検出手段(以下第2検知器21で例示)で前記第2フロート22が所定の低さL2まで下がったことを検出した際に、所定の計量ステップをその容量差に応じてn回繰り返す制御手段(図示せず)を備えるものとする。
【0024】
この計量ステップを次に説明する。
ストーブ等の機器に対しては、配管25を通じて液体が供給されているが、この機器で液体が消費される。この消費が進むと第2フロート22(実際には磁石23)が高さL2の位置まで低下し、図2(A)の状態のように第2フロート22が第2検知器21により検知される。計量ステップでは、まず、この検知時に、第2開閉弁26を閉じた状態で(前のステップで閉じるか、或いはこのときに閉じるか)、第1開閉弁16を開ける。この動作により、図2(B)に示した状態のように貯液タンク側から上側液タンク10の内部に液体が供給される。なお、図2及び図3では、第1開閉弁16はポンプ機能を有するものとして上側液タンク10の下側側面に設けられた配管14に設置された例を示しているが、上側液タンクの位置L1と貯液タンクとの高低差や、汲み上げスピードの要求に応じてポンプ機能も無くてよく、さらに配管14の接続位置や第1開閉弁16の位置も適宜変更可能である。勿論、第1開閉弁16とは別に配管14上にポンプを設けてもよい。
【0025】
続いて、第1フロート12が所定の高さL1まで上がったことを第1検出手段(第1検知器11)で検出するまで、貯液タンクから上側液タンク10へ液を供給することとなる(図2(C)の状態)。
【0026】
そして、この供給が第1検知器11からの検知信号により終了すると、第1開閉弁16を閉じ、第2開閉弁26を開け、上側液タンク10から下側液タンク20へ液を供給する。図2(D)は、上側液タンクの液が落ちた後の状態を示している。上側液タンク10の液が落ち切った(勿論、タンク内に極微量残っている場合もある)ことは、所定の時間を予め設定しておき、その時間が経過したことで検知したり、上側液タンク10の底側にも第1検知器11と同様の検知器を設置しておき、この検知器からの検知信号によって検知したりするなど、様々な方法で知ることが可能である。上側液タンク10の液が落ちた後、第2開閉弁26を閉じる。
以上が、上述した計量ステップである。
【0027】
CPU,ROM等で構成される制御手段では、この計量ステップをn(ここではn=4で例示)回繰り返すこととなるが、この続きを図3(E)〜(H)を参照して説明する。図2(D)の状態の後、図2(B)と同様に第2開閉弁26を閉め、第1開閉弁16を開け、上側液タンク10に液体を注入する(図3(E))。上側液タンク10において位置L1まで液体が貯まると(図3(F))、第1開閉弁16を閉じ、第2開閉弁26を開け、下側液タンク20に液が全部落ちる(図3(G))のが検知されるのを待つ。これをもう2回繰り返すことで、図3(H)に示すような下側液タンク20に液が充満された状態となる。なお、上述のいずれかのステップでストーブ等の機器での液体の消費が生じ、図3(H)のように充満された状態にならない場合もあるが、少なくとも、上側液タンク10に貯まった液体が下側液タンク20へ落ち切らずに残るようなことはない。
【0028】
本発明に係る容積流量計においては、上述のごとき計測ステップを、検知器11,21等の信号により各弁16,26に対し実行する制御手段を備えることで液の供給を行うが、その供給量は、次に説明するカウント手段により求まる。
【0029】
カウント手段としては、例えば第1検出手段における検出回数をカウントする手段や、第1検出手段及び第2検出手段における検出回数をカウントする手段、さらには、第1開閉弁16における開弁或いは閉弁の回数をカウントする手段、或いは第2開閉弁26における開弁或いは閉弁の回数をカウントする手段などが挙げられる。勿論、制御手段による制御ステップ(上述の計量ステップ)の回数をカウントしてもよい。
【0030】
いずれのカウント手段であっても、上側液タンク10の容積(第1検知器11までの容積)が決まっていることから、この容積分の液体がカウントされた回数だけ供給されたこととなるので、[カウント数(第1検出手段,第1開閉弁16,第2開閉弁26のいずれかでのカウント数)]×[上側タンク10の第1検出手段での検出位置L1までの容積]により、供給量が求まることとなる。これはこのような演算を行う算出手段(図示せず)を備えることで実現可能である。この点から、これらのカウント手段は、微小流量計測用のバッチカウントシステムともいえる。
【0031】
一方、下側液タンク20の第2検出手段(第2検知器21)での検知信号は、上述のnが予め決められていることから、供給量の大きな単位を測定する上で利用可能である。n=4の場合には、上述の容積をVとすると、[第2検出手段21での検知信号のカウント数]毎に4V分の計量が可能となる。例えば、n=10,V=0.1などにすることにより、[第1検出手段,第1開閉弁16,第2開閉弁26のいずれかでのカウント数]に応じて小数点1桁目の値を少数表示部に表示し、[第2検出手段での検知信号のカウント数]に応じて自然数の桁の値を整数表示部に表示したりすることも可能となる。
【0032】
なお、上側液タンク10の形状を下側液タンク20の形状より細目に例示したのは、第1検知器11等の第1検出手段による測定精度を向上させるためである。
【0033】
本実施形態に係る容積流量計によれば、実際の取引に適した単位で計測可能であり、極微小流量でも高価で精密な機器を使用する必要がない。また、供給量の測定中に液体(灯油等)が途切れることがなく、ストーブなどでは灯油停止による失火が生ずることもない。また、供給されカウントされた液体の所有者(=液体を買う顧客)が明確であり、取引に差が生じることもない。本実施形態に係る容積流量計は、流速を主として得る一般の容積流量計ではなく、容器検定を原理としており、流量(特に微小流量)に制限がない。
【0034】
図4は、本発明の一実施形態に係る容積流量計の他の構成例を示す図で、供給量測定の一連の過程を説明するための図でもある。
本構成例で示す容積流量計3は、上下に接続された1対の液タンクである上側液タンク30及び下側液タンク40を備え、上側液タンク40に接続された貯液タンク(図示せず)から供給された液の体積を測定する流量計である。図4で説明する容積流量計3は、図1で説明した液体供給システムに適用可能な容積流量計である。
【0035】
なお、図4中、30は上側液タンク、31は第1検出手段(第1検知器)、32は第1フロート、33は第1検出手段の一部としての磁石、34,35は配管、36は第1開閉弁、40は下側液タンク、41は第2検出手段(第2検知器)、42は第2フロート、43は第2検出手段の一部としての磁石、44,45は配管、46は第2開閉弁であり、これらは図2及び図3で説明したものと基本的に同じ機能を果たし、その詳細な説明は省略する。ただし、上側液タンク30及び下側液タンク40の容量の比率が1:1(n=1)である点が異なり、その点を中心に説明する。
【0036】
本構成例に係る容積流量計3は、n=1の場合であり、上側液タンク30における検出位置L1を上限とする容量を、下側液タンク40における検出位置L2を下限とする容量と同じくするものとする。ただし、この場合も下側液タンク40の容量は少なくとも同じ以上の液体が入ればよいだけである。
【0037】
容積流量計3においては、図4(A)で示すような、第2検出手段(第2検知器41で例示)で第2フロート42が所定の低さL2まで下がったことを検出した際に、第2開閉弁46を閉じた状態で、図4(B)のごとく第1開閉弁36を開け、図4(C)のごとく、第1検出手段(第1検知器31で例示)で第1フロート32が所定の高さL1まで上がったことを検出するまで貯液タンクから上側液タンク30へ液を供給する。その後、図4(D)のごとく、第1開閉弁36を閉じ、第2開閉弁46を開け、上側液タンク30から下側液タンク40へ液を供給する。その結果、図4(E)のように下側液タンク40がフルになった状態となる。
【0038】
【発明の効果】
本発明に係る容積流量計によれば、測定中に液の供給が途切れることなく、且つ、貯液タンクから1又は複数の場所に供給される液の供給量を、供給量が小さくとも、夫々の供給場所に対して測定することが可能となる。また、本発明に係る容積流量計によれば、原理上その精度が流量に依らないようにしているため、精度維持確認が容易となる。
【0039】
本発明に係る液体供給システムによれば、各供給場所に供給した液体の量を、各々に設置された上述の容積流量計を用いて測定するので、各供給場所に対する供給量を精確に求めることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る液体供給システムの一構成例を示す概要図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る容積流量計の一構成例を示す図で、供給量測定の一連の過程を説明するための図でもある。
【図3】本発明の一実施形態に係る容積流量計の一構成例を示す図で、図2に続く供給量測定の一連の過程を説明するための図でもある。
【図4】本発明の一実施形態に係る容積流量計の他の構成例を示す図で、供給量測定の一連の過程を説明するための図でもある。
【符号の説明】
1,3…容積流量計、5…灯油タンク、6…暖房機器、7,9…バルブ、8…整流器、10,30…上側液タンク、11,31…第1検出手段(第1検知器)、12,32…第1フロート、13,33…第1検出手段の一部としての磁石、14,15,24,25,34,35,44,45…配管、16,36…第1開閉弁、20,40…下側液タンク、21,41…第2検出手段(第2検知器)、22,42…第2フロート、23,43…第2検出手段の一部としての磁石、26,46…第2開閉弁。
Claims (8)
- 上下に接続された1対の液タンクを備え、上側液タンクに接続された貯液タンクから供給された液の体積を測定する容積流量計であって、前記上側液タンクに対し、前記貯液タンクからの液の供給を開始/停止する第1開閉弁と、上側液タンクと下側液タンクとの間に設けられ上側液タンクから下側液タンクへの液の供給を開始/停止する第2の開閉弁と、を備え、前記上側液タンクは、第1フロートと、液の供給により該第1フロートが所定の高さになったことを検出する第1検出手段とを有し、前記下側液タンクは、第2フロートと、液の供給により該第2フロートが所定の低さになったことを検出する第2検出手段とを有することを特徴とする容積流量計。
- 前記上側液タンクにおける検出位置を上限とする容量を、前記下側液タンクにおける検出位置を下限とする容量のn倍(nは自然数)とし、
当該容積流量計は、前記第2検出手段で前記第2フロートが所定の低さまで下がったことを検出した際に、所定の計量ステップを容量差に応じてn回繰り返す制御手段を備え、
該計量ステップは、前記第2開閉弁を閉じた状態で、前記第1開閉弁を開け、前記第1検出手段で前記第1フロートが所定の高さまで上がったことを検出するまで前記貯液タンクから前記上側液タンクへ液を供給し、前記第1開閉弁を閉じ、前記第2開閉弁を開け、前記上側液タンクから下側液タンクへ液を供給し、前記上側液タンクの液が全て落ちた後、前記第2開閉弁を閉じるステップであることを特徴とする請求項1記載の容積流量計。 - 前記第1検出手段における検出回数、前記第1開閉弁における開弁又は閉弁の回数、前記第2開閉弁における開弁又は閉弁の回数、のいずれかをカウントするカウント手段を備えることを特徴とする請求項1又は2記載の容積流量計。
- 前記カウント手段は、前記第2検出手段における検出回数をもカウントすることを特徴とする請求項3記載の容積流量計。
- 前記上側液タンクの検出位置に基づく容積と、前記カウント手段でのカウントとに基づいて、流量を算出する算出手段を備えることを特徴とする請求項3又は4記載の容積流量計。
- 前記貯液タンクと前記上側液タンクとの間に、前記貯液タンクから液を供給するポンプを備えることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1記載の容積流量計。
- 前記第1開閉弁又は該第1開閉弁及び第2開閉弁は、液を次段へ適時供給するポンプであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1記載の容積流量計。
- 請求項1乃至7のいずれか1記載の容積流量計を1又は複数、前記タンクに接続し、各容積流量計に対し、供給した液の容積を得ることを特徴とする液体供給システム。
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Cited By (1)
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JP2013146221A (ja) * | 2012-01-19 | 2013-08-01 | Shisei Deetamu:Kk | 定量液供給装置および該定量液供給装置を用いた水耕栽培システム |
-
2003
- 2003-02-10 JP JP2003031851A patent/JP2004239862A/ja active Pending
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JP2013146221A (ja) * | 2012-01-19 | 2013-08-01 | Shisei Deetamu:Kk | 定量液供給装置および該定量液供給装置を用いた水耕栽培システム |
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