JPH074511Y2 - 灯油流量メ−タ− - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この考案は、各家庭等の屋外に据付けられた灯油タンク
から流出する灯油の量を計測し計数してその使用量を与
える灯油流量メーターに関し、特に使用量の算出が正確
に行なえ、しかも家庭においてより便利に使用できるよ
う構成したものに関する。

［従来技術およびその問題点］ 一般に流量メーターとしては、水道や給油装置等に付設
され、流路における流出圧により回動される液流従動体
の回動を検出し、これを計数する装置が広く知られてい
る。

ところで昨今、灯油需要者へのサービスの向上および顧
客の定着化等を意図して、灯油販売業者がその所有する
灯油タンクを需要者宅へ設置し、このタンクから使用さ
れた灯油の量を計数して、使用料金を回収する方式のサ
ービスが試みられている。こうしたサービスの定着には
タンクからの流出量を正確に計測する手段が不可欠であ
るが、通常の家庭等で使用される灯油の量は、水道や給
油装置による単位流出量等に比較するとはるかに少な
く、前述したような従来の装置だけでは正確な流量計測
が不可能であった。すなわち、灯油の流出圧が微弱で、
流量計の回転従動体を回動させることができず、その隙
間からリークしてしまうケースが多発し、多量の計量誤
差が生じてしまう問題があった。

［問題点を解決するための手段］ この考案は、灯油タンクから灯油を汲み上げるポンプ
と、該ポンプにより汲み上げた灯油を一時的に貯え屋内
の燃焼器等への使用に供する貯油部と、該貯油部の液面
レベルを検知する手段と接続し貯油部に所定範囲レベル
以上の灯油を貯えるよう前記ポンプを駆動するポンプ駆
動手段と、灯油タンクから貯油部へ至る管路に設けられ
単位流量を検出する毎にパルス出力する流量計と、該流
量計からのパルス信号をカウントして灯油タンクからの
使用量を計数し表示部へ表示させるコントローラとを、
メーター本体内に収めて一体として、上記問題点の解決
をはかったものである。

［実施例］ 以下、その実施例を図面を基に詳細に説明する。第１図
は本考案一実施例の使用状態の説明図で、１は各家庭等
の灯油使用先に設置される灯油タンク、２は流量メータ
ー本体、３は該メーター２の流量表示部で、流量メータ
ー２は灯油タンク１より管路４を介して灯油を汲み上げ
つつ計量し、表示部３へその計量積算値を表示すると共
に、内部に貯えた灯油を管路５を介して宅内へ流下供給
する。

この流量メーター本体２の構成を第２図を用いて説明す
る。メーター本体２は、上方より機器室６・貯油部７・
計量室８が形成されており、貯油部７にはそこに設けら
れたポンプ９により灯油を汲み上げ貯えている。ポンプ
９は、貯油部７の下底凹部10に設けられ、シャフト11を
介して機器室６内のモーター12により駆動される。

13は貯油部７上方より吊設されるフロートセンサーで、
マグネットを内蔵したフロート14と、該フロート14のマ
グネットにより開閉されるリードスイッチ15・16を上下
に配設したスライドシャフト17とから成り、機器室６内
のモーター駆動回路18を作動させる。すなわち、貯油部
７の液面が下がりフロート14が下方リードスイッチ16位
置まで下降すると、駆動回路18を閉じてモーター12を駆
動し灯油を汲み上げ、これに伴い液面が上昇し、フロー
ト14が上方リードスイッチ15の位置にまで達すると、駆
動回路18を開路してポンプ９の動作を停止するよう制御
している。

従って、貯油部７内は常時所定レベルＬ以上の灯油を貯
え、コック19を介して管路５より灯油を流下供給してい
る。尚、このコック19は前記凹部10の上方より灯油を流
下させるものとし、ポンプ９の自吸作用を確保してい
る。

20は流量計で、通常の液流従動体を備えたタイプのもの
から成り、一方においてポンプ９の吸入側と連通し、他
方において逆止弁21を介して前記管路４と接続してい
る。21は流量計20に付設されるパルス発生器で、流量計
20において単位流量の通過を検出する毎にパルス出力す
る。従って、流量計20ではポンプ９の駆動に伴い管路４
より汲み上げられる灯油を計量し、この計量データはパ
ルス発生器においてパルス信号に変換し出力される。
尚、逆止弁21では貯油部７内からの灯油の逆流を阻止し
ている。

30はコントローラーで機器室６内に設けられ、パルス発
生器21からのパルス信号を受けて、流量の積算表示およ
び流量データの伝送等の制御を行なっている。以下、こ
のコントローラー30の構成を第３図を用いて説明する。

パルス発生器21よりコントローラー30へ送られるパルス
信号は、流量入力回路31を介して制御部32に送られ、こ
こで積算され記憶される。この積算データは制御部32か
ら随時表示部３へ送出され、積算量の表示が行なわれ
る。コントローラー30にはまた、伝送用のインターフェ
ース33を有し、網制御装置34と接続して、電話回線35を
介しメーター２を設置した灯油販売点等とのデータ通信
ができるよう構成されている。36は灯油使用者の室内に
備えられた電話器である。

次に、この実施例の動作を説明する。貯油部７内の灯油
は、管路５より宅内へ供給され消費される。これに伴い
貯油部７の液面が所定レベルＬ以下となると、これをフ
ロートセンサー13で検出してポンプ９を駆動し、灯油タ
ンク１より灯油を汲み上げる。これに伴い、貯油部７内
へ流入する灯油は流量計20においてその量を計測し、計
測された流量はコントローラー30において積算し記憶さ
れ、表示部３に表示される。灯油販売店からコントロー
ラー30へ、電話回線35および網制御装置34を介してデー
タ要求命令の着信があると、制御部32では記憶する積算
データを伝送用インターフェース33を介して送出し、灯
油使用量の報告を行なう。

［考案の効果］ この考案は以上のように構成され、使用される灯油はポ
ンプにより汲み上げられ、必ず貯油部に一時的に貯えら
れるので、その計量を常にポンプ駆動を伴う所定以上の
流量下で行なえ、リークのない確実な計量ができる。

また灯油タンク内の灯油をポンプアップできるので、例
えば２階等の高所で灯油を使用する場合もメーターをそ
の必要高さ位置へ取り付ければそのまま灯油を流下させ
て使用ができ、更に従来のように貯油タンクを使用に応
じて地面より立ち上げて設置する必要もない。

しかも、ポンプ，貯油部，表示部等の必要となる各部を
メーター本体に一体化したので、本体を宅内等に設置し
灯油タンクと管路接続するだけで設置が完了でき、設置
がきわめて容易にできる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案一実施例の使用状態説明図。 第２図は同実施例の構成説明図。 第３図は同実施例の構成を説明するブロック図。 １は灯油タンク、２はメーター本体、３は表示部、７は
貯油部、９はポンプ、13は液面レベル検知手段としての
フロートセンサー、18はモーター駆動手段としての駆動
回路、20は流量計、30はコントローラー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】各家庭等の屋外に据付けられた灯油タンク
   から流出する灯油の量を計測し計数してその使用量を与
   える灯油流量メーターにおいて、前記灯油タンクから灯
   油を汲み上げるポンプと、該ポンプにより汲み上げた灯
   油を一時的に貯え屋内の燃焼器等への使用に供する貯油
   部と、該貯油部の液面レベルを検知する手段と接続し貯
   油部に所定レベル以上の灯油を貯えるよう前記ポンプを
   駆動するポンプ駆動手段と、前記灯油タンクから貯油部
   へ至る管路に設けられ単位流量を検出する毎にパルス出
   力する流量計と、該流量計からのパルス信号をカウント
   して灯油タンクからの使用量を計数し表示部へ表示させ
   るコントローラとを、メーター本体内に収めて一体とし
   たことを特徴とする灯油流量メーター。