JP2004239638A - 水の腐食性を判定する方法およびその装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】冷媒として使用する水が銅または銅合金製配管に対して腐食性であるか否かを、短期間に検知できる方法および装置を提供する。
【解決手段】銅または銅合金からなる試験極2、対極3、基準電極4と定電流電源5を用い、腐食性の有無を判定する水1に特定の薬剤を添加したのち、定電流を流したときの試験極/基準電極の電位差を電位計6で測定する。あるいは、銅または銅合金からなる試験極、対極、基準電極と定電流電源を用い、腐食性の有無を判定する水に特定の薬剤を添加したのち、試験極/対極の間に定電圧を印加したときの試験極/対極間の電流値を計測する。
【選択図】 図1
【解決手段】銅または銅合金からなる試験極2、対極3、基準電極4と定電流電源5を用い、腐食性の有無を判定する水1に特定の薬剤を添加したのち、定電流を流したときの試験極/基準電極の電位差を電位計6で測定する。あるいは、銅または銅合金からなる試験極、対極、基準電極と定電流電源を用い、腐食性の有無を判定する水に特定の薬剤を添加したのち、試験極/対極の間に定電圧を印加したときの試験極/対極間の電流値を計測する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水の腐食性を判定する方法および装置に関する。詳しくは、冷凍空調用配管や給水給湯用配管、電力機器の冷却系配管などに使用される銅または銅合金製配管に対して、冷却のために使用する水が腐食性を有するか否かを判定する方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
銅は優れた耐食性を有し、かつ電気・熱伝導性、加工性に優れているために工業材料として広く使用されており、冷凍空調用配管や給水給湯用配管に使用されている。
【0003】
しかしながら、銅管は冷却水の水質によっては腐食することが知られている。とくに、局部腐食が発生した場合、短期間に腐食が進行して水漏れが生じる不具合を生じる。このような不具合を生じさせる局部腐食の1つとして、孔食が知られている。銅管に水が流れている場合に、局部的に盛り上がった緑青(塩基性炭酸銅、塩基性硫酸銅)の下部に孔食が発生する場合がある。
【0004】
銅管の孔食を未然に防止するために、蓄熱水中における銅管の腐食状態をモニタリングする方法が提案されている。蓄熱水中に一定期間浸漬したテストピース(銅管)を取り出して、リン酸塩緩衝液に浸漬し、テストピース(銅管)の自然電位の経時変化から銅管の腐食(孔食)の兆候を予知する方法が記載されている(たとえば、特許文献1参照)。
【0005】
すなわち、図9に示すようにテストピース(銅管)12をそれぞれ、蓄熱水13に一定期間(たとえば、8日間)浸漬したのち、テストピースを蓄熱水から引き上げて、リン酸塩緩衝液14に浸漬させてテストピース(銅管)の自然電位の経時変化を測定する。図10の曲線Aのように自然電位が上昇傾向にある場合、テストピースに腐食(孔食)の兆候があるものと判断される。一方、曲線Bのように自然電位がほとんど変化しない場合、テストピースに腐食(孔食)の兆候がないものと判断される。
【0006】
前記の方法は、テストピース(銅管)の腐食の兆候の有無を判断するものであり、判断に数日間の時間を要するという問題があった。
【0007】
【特許文献1】
特開平6−201637号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は前述のような問題点を解決するためになされたものであり、冷媒として使用する水が、銅または銅合金製配管に対して腐食性を有するか否かを、短期間に判定することができる方法、および、その判定装置を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
水の腐食性を判定するために、銅管に孔食が発生した水と発生していない水を用いて銅の電気化学挙動を調べた。図6に、Ag/AgClを基準電極とした各種水中における銅のアノード分極挙動を示す。また、これらの水質を表1に示す。図6のように、孔食が発生した水と孔食が発生していない水でアノード分極挙動に顕著な差が見られないため、アノード分極挙動の違いから水の腐食性を判定することはできない。
【0010】
しかしながら、腐食性の有無を判定する水に特定の薬剤を添加し、かつ一定の電流を印加したときの電位または一定の電位を印加したときの電流値を測定することにより、水の腐食性の有無を判定することができることがわかった。
【0011】
すなわち、本発明は、薬剤を添加した水に、銅または銅合金からなる試験極、対極、および基準電極を浸漬したのち、試験極/対極の間に定電流を流したときの試験極/基準電極の電位差、または、試験極/対極の間に定電圧を印加したときの試験極/対極間の電流値を検知することを特徴とする水の腐食性を判定する方法に関する。
【0012】
また、本発明は、薬剤を添加した水に浸漬するための銅または銅合金からなる試験極、対極、および基準電極からなるセンサ部、ならびに、試験極/対極の間に定電流を流したときの試験極/基準電極の電位差、または、試験極/対極の間に定電圧を印加したときの試験極/対極間の電流値を検出する本体部からなることを特徴とする水の腐食性を判定する装置に関する。
【0013】
【表1】
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の水の腐食性判定方法では、蓄熱、給水給湯、および冷却のために使用する水が銅または銅合金に対して腐食性を有するか否かを判定するために、判定する水に特定の薬剤を添加したのちに、一定の電流を流したときの電位、または、一定の電位を印加したときの電流値を測定する。銅に孔食が発生した水と発生していない水とでは、その電位または電流値に違いが認められ、水の腐食性を検知することができる。
【0015】
水の腐食性の有無の対象とする金属は、タフピッチ銅、リン脱酸銅、無酸素銅といった純銅および、黄銅、リン青銅などの銅合金である。
【0016】
腐食性判定の対象となる水は、水道水(上水)、工業用水、地下水、河川水などの淡水と呼ばれる水である。
【0017】
本発明においては、水に特定の薬剤を添加することにより、水の腐食性の有無を判定することが可能となるが、この機構について以下に詳細に述べる。
【0018】
図7は、ホウ酸(H3BO3)と四ホウ酸ナトリウム10水和物(Na2B4O7・10H2O)の混合水溶液(以下、ホウ酸/ホウ砂水溶液とよぶ)および、ホウ酸/ホウ砂に表2のイオンを添加した水溶液中における銅のアノード分極挙動を示す(添加の割合は、ホウ酸:ホウ砂=17:3[g/L])。ホウ酸/ホウ砂水溶液は数A/cm2の電流範囲で銅の電位に関係なく1000mV(対Ag/AgCl)までほぼ一定の値を示し、不動態化の挙動をとるが、表2のイオンを添加すると150〜300mVの電位域で不動態化の挙動を示したのち、電流が急激に流れることがわかる。
【0019】
【表2】
【0020】
この不動態化現象に着目し、腐食性の有無の水を判定するために不動態化電位域を適用できないかどうかを検討した。表1に示す水に前述のホウ酸/ホウ砂(添加の割合は、ホウ酸:ホウ砂=17:3[g/L])を添加し、銅のアノード分極挙動を調べた。その結果を図8に示す。この図のように、ホウ酸/ホウ砂を添加することによって孔食が発生した水と孔食が発生していない水で違いが認められ、孔食が発生した水は孔食が発生していない水に比べて不動態化電位域が広くなり、水の腐食性の有無を判定しやすくなった。
【0021】
これを利用して、銅に孔食が発生した水と発生していない水に特定の薬剤、たとえば、ホウ酸/ホウ砂を添加したのち、それぞれの水溶液中で銅または銅合金に一定の電流を印加したときの電位、または、一定の電位を印加したときの電流値を測定することにより、銅に孔食が発生した水と発生していない水でその電位または電流値に違いが認められ、水の腐食性の有無を検知できることがわかった。
【0022】
本発明において、腐食性判定に用いられる薬剤は、添加によって銅または銅合金が不動態化挙動を示すことが求められ、水の腐食性の有無を判定するために、薬剤を添加した水について測定したときに、好ましくは20mV以上、より好ましくは50〜500mVの不動態電位域を有するように薬剤の種類および量を決定すればよい。20mV未満および500mVをこえる場合には、水の腐食性の有無が判定しにくくなる。なお、ここで不動態電位域とは、アノード分極曲線において、電流がほとんど変化しない電位域をいう。
【0023】
対象となる薬剤は、前記ホウ酸とホウ砂の混合薬剤のほかに、リン酸二水素ナトリウム二水和物(NaH2PO4・2H2O)とリン酸水素二ナトリウム12水和物(Na2HPO4・12H2O)の混合薬剤、ベンゾトリアゾール、炭酸ナトリウム(Na2CO3)、炭酸カルシウム(CaCO3)があげられる。なかでも、pH緩衝作用を有するホウ酸とホウ砂の混合薬剤、およびリン酸二水素ナトリウム二水和物とリン酸水素二ナトリウム12水和物の混合薬剤は、添加することにより、腐食性の有無を判定する水のpHが同じになるため、腐食性イオンの影響をアノード分極曲線に反映できる点で好ましい。
【0024】
水の腐食性の有無を判定するセルの一例を図1に示す。腐食性の有無を判定しようとする水に前記のいずれかの薬剤、たとえば、ホウ酸/ホウ砂を添加したのち、その水1に試験極(試料)2、対極3、基準電極4の3つの電極を挿入し、定電流電源5を用いて試験極と対極の間に一定の電流を印加し、このときの試験極と基準電極の電位差(以下、電位とよぶ)を電位計6で読み取る。なお、図2に示すように、対極を基準電極と兼用させ(対極兼基準電極7)、試験極と合わせて2電極にしてもよい。
【0025】
前記試験極は、純銅以外に、キュプロニッケル(Cu、10〜30%Ni、0.5〜2%Fe、1%Mn)、黄銅(Cu−Zn)、スズ青銅(Cu−Sn)などの銅合金からなることができ、とくに制限はない。また試験極の形状としては、板のほか、管、棒、線が適用でき、とくに制限はない。
【0026】
前記対極には、ステンレス鋼、白金、銅、銅合金およびカーボンからなる群から選ばれた材料が用いられる。なかでも、耐久性の面で、ステンレス鋼、白金またはカーボンが好ましい。また、対極の形状としては、板のほか、管、棒、線が適用でき、とくに制限はない。
【0027】
前記基準電極には、ステンレス鋼、白金、銅、銅合金、カーボン、Ag/AgCl(KCl溶液に浸漬)、カロメル(塩化第一水銀)および硫酸第一水銀からなる群より選ばれた材料が用いられる。なかでも、試験極との精確な電位差を測定することができる点で、Ag/AgCl、カロメルまたは硫酸第一水銀が好ましい。また、耐久性の面では、ステンレス鋼、白金またはカーボンが好ましい。ステンレス鋼、白金、銅、銅合金およびカーボンを用いる場合は、対極と併用してもよい。この場合、試験極と対極(基準電極と併用)の2電極となる。また基準電極としてのステンレス鋼、白金、銅、銅合金およびカーボンの形状としては、板のほか、管、棒、線が適用でき、とくに制限はない。基準電極としてAg/AgClを用いる場合、ガラス電極として用いる。たとえば、東亜電波工業(株)製のHS−205Cが市販されている。
【0028】
一定の電流を印加するために定電流電源を、また一定の電位を印加する場合は定電圧電源を用いる。電気化学の分野では定電流印加、定電圧印加のためにガルバノスタット/ポテンシオスタットを用いる。
【0029】
印加する定電流値は、10〜100μA/cm2の範囲が水の腐食性の有無を判定するのに好ましい。10μA/cm2未満および100μA/cm2をこえる場合には、水の腐食性の有無を判定しにくくなる。また、定電位を印加する場合は、Ag/AgCl基準電極に対して、好ましくは100〜1000mV、より好ましくは100〜500mVの範囲が水の腐食性の有無を判定するのに好ましい。100mV未満および500mVをこえる場合には、水の腐食性の有無が判定しにくくなる。印加する電流の時間は電位が一定になるまでであり、印加する電位の時間は電流が一定になるまでである。これらの時間はいずれも短時間(30分以内)である。
【0030】
なお、前記の例では、腐食性の有無を判定しようとする水に前記のいずれかの薬剤を添加したのちに、試験極と対極の間に定電流電源を用いて試験極と対極の間に一定の電流を印加したが、腐食性の有無を判定する水に前記のいずれかの薬剤を添加する前に、試験極と対極の間に定電流を印加させて試験極表面に酸化皮膜を形成させたのち、水に前記のいずれかの薬剤を添加し、酸化皮膜を形成させた試験極と対極の間に定電流電源を用いて一定の電流を印加したときの試験極と基準電極の電位差を読み取ってもよい。
【0031】
つぎに、水の腐食性の有無を判別するための閾値(試験極/基準極の電位)について述べる。図3に示すように、あらかじめ腐食事例(孔食発生事例)のある水と無い水に関する試験極/基準極の電位のデータ(図3中の白丸と黒丸)を蓄積して、腐食性の有無の閾値を決めておき、試験極/基準極の電位が閾値に対して大きいか小さいかで腐食性の有無を判定する。なお、閾値は機器の運転条件や水の腐食性の有無を判定するために添加する薬剤の種類/量などに依存するため、本発明を適用する対象ごとに決める必要がある。定電位を印加して電流値により水の腐食性の有無を判断する場合の閾値(試験極/対極間の電流値)も、同様にあらかじめ腐食事例(孔食発生事例)のある水と無い水に関する試験極/対極間の電流値のデータから決定することができる。
【0032】
ところで、冷凍空調用配管や給水給湯用配管、電力機器の冷却系配管に使用しようとする水の腐食性の有無は、現場で簡便かつ短時間に判定できるのが迅速な腐食対策を講じるうえで好ましく、そのためにはハンディタイプの装置が好ましい。図4に水の腐食性判定装置を示す。本体部9は、定電流電源(または定電圧電源)と電位(または電流)計測器を兼ね備えている。センサ部10は、図5に示すように、試験極、基準極、対極がエポキシ樹脂などの樹脂11で包埋されており、試験極、基準極、対極が同時に水に浸漬されるようになっている。なお、先にも述べたように、対極3と基準電極4を併用し、試験極と対極(基準電極)の2つの電極にし、それらが水と接触するように樹脂に埋め込んでもよい。
【0033】
【実施例】
以下に、本発明の具体的な実施例を示すが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0034】
実施例1
本発明を銅に孔食が発生した水と孔食が発生していない水に適用した例を述べる。図1の水の腐食性判定セルを用いて表1に示す水の腐食性の有無を判定した。水への添加剤として、ホウ酸とホウ砂(ホウ酸:ホウ砂=17:3[g/L])を、試験極としてリン脱酸銅、対極としてSUS304(Fe以外に、C:0.08%以下、Si:1%以下、Mn:2%以下、P:0.045%以下、S:0.03%以下、Ni:8〜10.5%、Cr:18〜20%を含む)、基準電極としてAg/AgClを用いた。定電流電源を用い、試験極/対極間に10μA/cm2を印加したのち、安定になった(一定になった)試験極の電位を読み取った。その結果を表3に示す。
【0035】
この系の場合、閾値は350mVであり、孔食が発生した水における試験極の電位はこの閾値以上、孔食が発生していない水における試験極の電位はこの閾値以下であるため、水の腐食性の有無を判定することができた。
【0036】
なお、本実施例では3つの電極(試験極、対極、基準電極)を用いたが、図2のように対極と基準電極を併用させてもよい。
【0037】
実施例2
図1の水の腐食性判定セルを用いて表1に示す水の腐食性の有無を判定した。水への添加剤としてリン酸二水素ナトリウム二水和物とリン酸水素二ナトリウム12水和物(0.78:1.79[g/L])を、試験極としてリン脱酸銅、対極としてSUS304、基準電極としてAg/AgClを用いた。定電流電源を用い、試験極/対極間に10μA/cm2を印加したのち、安定になった(一定になった)試験極の電位を読み取った。その結果を表4に示す。
【0038】
この系の場合、閾値は300mVであり、孔食が発生した水における試験極の電位はこの閾値以上、孔食が発生していない水における試験極の電位はこの閾値以下であるため、水の腐食性の有無を判定することができた。
【0039】
なお、本実施例では3つの電極(試験極、対極、基準電極)を用いたが、図2のように対極と基準電極を併用させてもよい。
【0040】
【表3】
【0041】
【表4】
【0042】
【発明の効果】
本発明の方法によれば、腐食性の有無を判定する水に薬剤を添加し、銅または銅合金からなる試験極、対極、および基準電極を浸漬したのち、試験極/対極の間に定電流を流したときの試験極/基準電極の電位差、または、試験極/対極の間に定電圧を印加したときの試験極/対極間の電流値を検知することにより、孔食を発生させる水か否かを冷凍空調用配管や給水給湯用配管を使用する以前に短時間に判断できるため、脱酸素やアルカリ剤の添加などの適切な腐食対策を実施することができる。
【0043】
また、本発明の装置によれば、銅または銅合金からなる試験極、対極、基準電極からなるセンサ部、電源と検出器からなり、腐食性の有無を判定する水に特定の薬剤を添加したのち、試験極/対極の間に定電流を流したときの試験極/基準電極の電位差、または、試験極/対極の間に定電圧を印加したときの試験極/対極間の電流値を検知することができる。これにより、孔食を発生させる水か否かを冷凍空調用配管や給水給湯用配管を使用する以前に短時間に判断できるため、脱酸素やアルカリ剤の添加などの適切な腐食対策を実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る水の腐食性判定セル(3電極)を説明する図である。
【図2】本発明に係る水の腐食性判定セル(2電極)を説明する図である。
【図3】本発明に係る水の腐食性の有無の判定のための閾値を説明する図である。
【図4】本発明に係る水の腐食性判定装置を説明する図である。
【図5】本発明に係るセンサ部断面を説明する図である。
【図6】薬剤を添加しない各種水中における銅のアノード分極挙動を説明する図である。
【図7】ホウ酸/ホウ砂水溶液中における銅のアノード分極挙動を説明する図である。
【図8】ホウ酸/ホウ砂を添加した各種水中における銅のアノード分極挙動を説明する図である。
【図9】特開平6−201637号公報に記載のテストピース(銅管)の浸漬方法を説明する図である。
【図10】特開平6−201637号公報に記載のリン酸塩水溶液中のテストピース(銅管)の自然電位の経時変化を説明する図である。
【符号の説明】
1 水、2 試験極、3 対極、4 基準電極、5 定電流電源、6 電位計、7 対極兼基準電極、8 閾値、9 本体部、10 センサ部、11 樹脂、12 テストピース、13 蓄熱水、14 リン酸塩緩衝液。
【発明の属する技術分野】
本発明は、水の腐食性を判定する方法および装置に関する。詳しくは、冷凍空調用配管や給水給湯用配管、電力機器の冷却系配管などに使用される銅または銅合金製配管に対して、冷却のために使用する水が腐食性を有するか否かを判定する方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
銅は優れた耐食性を有し、かつ電気・熱伝導性、加工性に優れているために工業材料として広く使用されており、冷凍空調用配管や給水給湯用配管に使用されている。
【0003】
しかしながら、銅管は冷却水の水質によっては腐食することが知られている。とくに、局部腐食が発生した場合、短期間に腐食が進行して水漏れが生じる不具合を生じる。このような不具合を生じさせる局部腐食の1つとして、孔食が知られている。銅管に水が流れている場合に、局部的に盛り上がった緑青(塩基性炭酸銅、塩基性硫酸銅)の下部に孔食が発生する場合がある。
【0004】
銅管の孔食を未然に防止するために、蓄熱水中における銅管の腐食状態をモニタリングする方法が提案されている。蓄熱水中に一定期間浸漬したテストピース(銅管)を取り出して、リン酸塩緩衝液に浸漬し、テストピース(銅管)の自然電位の経時変化から銅管の腐食(孔食)の兆候を予知する方法が記載されている(たとえば、特許文献1参照)。
【0005】
すなわち、図9に示すようにテストピース(銅管)12をそれぞれ、蓄熱水13に一定期間(たとえば、8日間)浸漬したのち、テストピースを蓄熱水から引き上げて、リン酸塩緩衝液14に浸漬させてテストピース(銅管)の自然電位の経時変化を測定する。図10の曲線Aのように自然電位が上昇傾向にある場合、テストピースに腐食(孔食)の兆候があるものと判断される。一方、曲線Bのように自然電位がほとんど変化しない場合、テストピースに腐食(孔食)の兆候がないものと判断される。
【0006】
前記の方法は、テストピース(銅管)の腐食の兆候の有無を判断するものであり、判断に数日間の時間を要するという問題があった。
【0007】
【特許文献1】
特開平6−201637号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は前述のような問題点を解決するためになされたものであり、冷媒として使用する水が、銅または銅合金製配管に対して腐食性を有するか否かを、短期間に判定することができる方法、および、その判定装置を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
水の腐食性を判定するために、銅管に孔食が発生した水と発生していない水を用いて銅の電気化学挙動を調べた。図6に、Ag/AgClを基準電極とした各種水中における銅のアノード分極挙動を示す。また、これらの水質を表1に示す。図6のように、孔食が発生した水と孔食が発生していない水でアノード分極挙動に顕著な差が見られないため、アノード分極挙動の違いから水の腐食性を判定することはできない。
【0010】
しかしながら、腐食性の有無を判定する水に特定の薬剤を添加し、かつ一定の電流を印加したときの電位または一定の電位を印加したときの電流値を測定することにより、水の腐食性の有無を判定することができることがわかった。
【0011】
すなわち、本発明は、薬剤を添加した水に、銅または銅合金からなる試験極、対極、および基準電極を浸漬したのち、試験極/対極の間に定電流を流したときの試験極/基準電極の電位差、または、試験極/対極の間に定電圧を印加したときの試験極/対極間の電流値を検知することを特徴とする水の腐食性を判定する方法に関する。
【0012】
また、本発明は、薬剤を添加した水に浸漬するための銅または銅合金からなる試験極、対極、および基準電極からなるセンサ部、ならびに、試験極/対極の間に定電流を流したときの試験極/基準電極の電位差、または、試験極/対極の間に定電圧を印加したときの試験極/対極間の電流値を検出する本体部からなることを特徴とする水の腐食性を判定する装置に関する。
【0013】
【表1】
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の水の腐食性判定方法では、蓄熱、給水給湯、および冷却のために使用する水が銅または銅合金に対して腐食性を有するか否かを判定するために、判定する水に特定の薬剤を添加したのちに、一定の電流を流したときの電位、または、一定の電位を印加したときの電流値を測定する。銅に孔食が発生した水と発生していない水とでは、その電位または電流値に違いが認められ、水の腐食性を検知することができる。
【0015】
水の腐食性の有無の対象とする金属は、タフピッチ銅、リン脱酸銅、無酸素銅といった純銅および、黄銅、リン青銅などの銅合金である。
【0016】
腐食性判定の対象となる水は、水道水(上水)、工業用水、地下水、河川水などの淡水と呼ばれる水である。
【0017】
本発明においては、水に特定の薬剤を添加することにより、水の腐食性の有無を判定することが可能となるが、この機構について以下に詳細に述べる。
【0018】
図7は、ホウ酸(H3BO3)と四ホウ酸ナトリウム10水和物(Na2B4O7・10H2O)の混合水溶液(以下、ホウ酸/ホウ砂水溶液とよぶ)および、ホウ酸/ホウ砂に表2のイオンを添加した水溶液中における銅のアノード分極挙動を示す(添加の割合は、ホウ酸:ホウ砂=17:3[g/L])。ホウ酸/ホウ砂水溶液は数A/cm2の電流範囲で銅の電位に関係なく1000mV(対Ag/AgCl)までほぼ一定の値を示し、不動態化の挙動をとるが、表2のイオンを添加すると150〜300mVの電位域で不動態化の挙動を示したのち、電流が急激に流れることがわかる。
【0019】
【表2】
【0020】
この不動態化現象に着目し、腐食性の有無の水を判定するために不動態化電位域を適用できないかどうかを検討した。表1に示す水に前述のホウ酸/ホウ砂(添加の割合は、ホウ酸:ホウ砂=17:3[g/L])を添加し、銅のアノード分極挙動を調べた。その結果を図8に示す。この図のように、ホウ酸/ホウ砂を添加することによって孔食が発生した水と孔食が発生していない水で違いが認められ、孔食が発生した水は孔食が発生していない水に比べて不動態化電位域が広くなり、水の腐食性の有無を判定しやすくなった。
【0021】
これを利用して、銅に孔食が発生した水と発生していない水に特定の薬剤、たとえば、ホウ酸/ホウ砂を添加したのち、それぞれの水溶液中で銅または銅合金に一定の電流を印加したときの電位、または、一定の電位を印加したときの電流値を測定することにより、銅に孔食が発生した水と発生していない水でその電位または電流値に違いが認められ、水の腐食性の有無を検知できることがわかった。
【0022】
本発明において、腐食性判定に用いられる薬剤は、添加によって銅または銅合金が不動態化挙動を示すことが求められ、水の腐食性の有無を判定するために、薬剤を添加した水について測定したときに、好ましくは20mV以上、より好ましくは50〜500mVの不動態電位域を有するように薬剤の種類および量を決定すればよい。20mV未満および500mVをこえる場合には、水の腐食性の有無が判定しにくくなる。なお、ここで不動態電位域とは、アノード分極曲線において、電流がほとんど変化しない電位域をいう。
【0023】
対象となる薬剤は、前記ホウ酸とホウ砂の混合薬剤のほかに、リン酸二水素ナトリウム二水和物(NaH2PO4・2H2O)とリン酸水素二ナトリウム12水和物(Na2HPO4・12H2O)の混合薬剤、ベンゾトリアゾール、炭酸ナトリウム(Na2CO3)、炭酸カルシウム(CaCO3)があげられる。なかでも、pH緩衝作用を有するホウ酸とホウ砂の混合薬剤、およびリン酸二水素ナトリウム二水和物とリン酸水素二ナトリウム12水和物の混合薬剤は、添加することにより、腐食性の有無を判定する水のpHが同じになるため、腐食性イオンの影響をアノード分極曲線に反映できる点で好ましい。
【0024】
水の腐食性の有無を判定するセルの一例を図1に示す。腐食性の有無を判定しようとする水に前記のいずれかの薬剤、たとえば、ホウ酸/ホウ砂を添加したのち、その水1に試験極(試料)2、対極3、基準電極4の3つの電極を挿入し、定電流電源5を用いて試験極と対極の間に一定の電流を印加し、このときの試験極と基準電極の電位差(以下、電位とよぶ)を電位計6で読み取る。なお、図2に示すように、対極を基準電極と兼用させ(対極兼基準電極7)、試験極と合わせて2電極にしてもよい。
【0025】
前記試験極は、純銅以外に、キュプロニッケル(Cu、10〜30%Ni、0.5〜2%Fe、1%Mn)、黄銅(Cu−Zn)、スズ青銅(Cu−Sn)などの銅合金からなることができ、とくに制限はない。また試験極の形状としては、板のほか、管、棒、線が適用でき、とくに制限はない。
【0026】
前記対極には、ステンレス鋼、白金、銅、銅合金およびカーボンからなる群から選ばれた材料が用いられる。なかでも、耐久性の面で、ステンレス鋼、白金またはカーボンが好ましい。また、対極の形状としては、板のほか、管、棒、線が適用でき、とくに制限はない。
【0027】
前記基準電極には、ステンレス鋼、白金、銅、銅合金、カーボン、Ag/AgCl(KCl溶液に浸漬)、カロメル(塩化第一水銀)および硫酸第一水銀からなる群より選ばれた材料が用いられる。なかでも、試験極との精確な電位差を測定することができる点で、Ag/AgCl、カロメルまたは硫酸第一水銀が好ましい。また、耐久性の面では、ステンレス鋼、白金またはカーボンが好ましい。ステンレス鋼、白金、銅、銅合金およびカーボンを用いる場合は、対極と併用してもよい。この場合、試験極と対極(基準電極と併用)の2電極となる。また基準電極としてのステンレス鋼、白金、銅、銅合金およびカーボンの形状としては、板のほか、管、棒、線が適用でき、とくに制限はない。基準電極としてAg/AgClを用いる場合、ガラス電極として用いる。たとえば、東亜電波工業(株)製のHS−205Cが市販されている。
【0028】
一定の電流を印加するために定電流電源を、また一定の電位を印加する場合は定電圧電源を用いる。電気化学の分野では定電流印加、定電圧印加のためにガルバノスタット/ポテンシオスタットを用いる。
【0029】
印加する定電流値は、10〜100μA/cm2の範囲が水の腐食性の有無を判定するのに好ましい。10μA/cm2未満および100μA/cm2をこえる場合には、水の腐食性の有無を判定しにくくなる。また、定電位を印加する場合は、Ag/AgCl基準電極に対して、好ましくは100〜1000mV、より好ましくは100〜500mVの範囲が水の腐食性の有無を判定するのに好ましい。100mV未満および500mVをこえる場合には、水の腐食性の有無が判定しにくくなる。印加する電流の時間は電位が一定になるまでであり、印加する電位の時間は電流が一定になるまでである。これらの時間はいずれも短時間(30分以内)である。
【0030】
なお、前記の例では、腐食性の有無を判定しようとする水に前記のいずれかの薬剤を添加したのちに、試験極と対極の間に定電流電源を用いて試験極と対極の間に一定の電流を印加したが、腐食性の有無を判定する水に前記のいずれかの薬剤を添加する前に、試験極と対極の間に定電流を印加させて試験極表面に酸化皮膜を形成させたのち、水に前記のいずれかの薬剤を添加し、酸化皮膜を形成させた試験極と対極の間に定電流電源を用いて一定の電流を印加したときの試験極と基準電極の電位差を読み取ってもよい。
【0031】
つぎに、水の腐食性の有無を判別するための閾値(試験極/基準極の電位)について述べる。図3に示すように、あらかじめ腐食事例(孔食発生事例)のある水と無い水に関する試験極/基準極の電位のデータ(図3中の白丸と黒丸)を蓄積して、腐食性の有無の閾値を決めておき、試験極/基準極の電位が閾値に対して大きいか小さいかで腐食性の有無を判定する。なお、閾値は機器の運転条件や水の腐食性の有無を判定するために添加する薬剤の種類/量などに依存するため、本発明を適用する対象ごとに決める必要がある。定電位を印加して電流値により水の腐食性の有無を判断する場合の閾値(試験極/対極間の電流値)も、同様にあらかじめ腐食事例(孔食発生事例)のある水と無い水に関する試験極/対極間の電流値のデータから決定することができる。
【0032】
ところで、冷凍空調用配管や給水給湯用配管、電力機器の冷却系配管に使用しようとする水の腐食性の有無は、現場で簡便かつ短時間に判定できるのが迅速な腐食対策を講じるうえで好ましく、そのためにはハンディタイプの装置が好ましい。図4に水の腐食性判定装置を示す。本体部9は、定電流電源(または定電圧電源)と電位(または電流)計測器を兼ね備えている。センサ部10は、図5に示すように、試験極、基準極、対極がエポキシ樹脂などの樹脂11で包埋されており、試験極、基準極、対極が同時に水に浸漬されるようになっている。なお、先にも述べたように、対極3と基準電極4を併用し、試験極と対極(基準電極)の2つの電極にし、それらが水と接触するように樹脂に埋め込んでもよい。
【0033】
【実施例】
以下に、本発明の具体的な実施例を示すが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0034】
実施例1
本発明を銅に孔食が発生した水と孔食が発生していない水に適用した例を述べる。図1の水の腐食性判定セルを用いて表1に示す水の腐食性の有無を判定した。水への添加剤として、ホウ酸とホウ砂(ホウ酸:ホウ砂=17:3[g/L])を、試験極としてリン脱酸銅、対極としてSUS304(Fe以外に、C:0.08%以下、Si:1%以下、Mn:2%以下、P:0.045%以下、S:0.03%以下、Ni:8〜10.5%、Cr:18〜20%を含む)、基準電極としてAg/AgClを用いた。定電流電源を用い、試験極/対極間に10μA/cm2を印加したのち、安定になった(一定になった)試験極の電位を読み取った。その結果を表3に示す。
【0035】
この系の場合、閾値は350mVであり、孔食が発生した水における試験極の電位はこの閾値以上、孔食が発生していない水における試験極の電位はこの閾値以下であるため、水の腐食性の有無を判定することができた。
【0036】
なお、本実施例では3つの電極(試験極、対極、基準電極)を用いたが、図2のように対極と基準電極を併用させてもよい。
【0037】
実施例2
図1の水の腐食性判定セルを用いて表1に示す水の腐食性の有無を判定した。水への添加剤としてリン酸二水素ナトリウム二水和物とリン酸水素二ナトリウム12水和物(0.78:1.79[g/L])を、試験極としてリン脱酸銅、対極としてSUS304、基準電極としてAg/AgClを用いた。定電流電源を用い、試験極/対極間に10μA/cm2を印加したのち、安定になった(一定になった)試験極の電位を読み取った。その結果を表4に示す。
【0038】
この系の場合、閾値は300mVであり、孔食が発生した水における試験極の電位はこの閾値以上、孔食が発生していない水における試験極の電位はこの閾値以下であるため、水の腐食性の有無を判定することができた。
【0039】
なお、本実施例では3つの電極(試験極、対極、基準電極)を用いたが、図2のように対極と基準電極を併用させてもよい。
【0040】
【表3】
【0041】
【表4】
【0042】
【発明の効果】
本発明の方法によれば、腐食性の有無を判定する水に薬剤を添加し、銅または銅合金からなる試験極、対極、および基準電極を浸漬したのち、試験極/対極の間に定電流を流したときの試験極/基準電極の電位差、または、試験極/対極の間に定電圧を印加したときの試験極/対極間の電流値を検知することにより、孔食を発生させる水か否かを冷凍空調用配管や給水給湯用配管を使用する以前に短時間に判断できるため、脱酸素やアルカリ剤の添加などの適切な腐食対策を実施することができる。
【0043】
また、本発明の装置によれば、銅または銅合金からなる試験極、対極、基準電極からなるセンサ部、電源と検出器からなり、腐食性の有無を判定する水に特定の薬剤を添加したのち、試験極/対極の間に定電流を流したときの試験極/基準電極の電位差、または、試験極/対極の間に定電圧を印加したときの試験極/対極間の電流値を検知することができる。これにより、孔食を発生させる水か否かを冷凍空調用配管や給水給湯用配管を使用する以前に短時間に判断できるため、脱酸素やアルカリ剤の添加などの適切な腐食対策を実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る水の腐食性判定セル(3電極)を説明する図である。
【図2】本発明に係る水の腐食性判定セル(2電極)を説明する図である。
【図3】本発明に係る水の腐食性の有無の判定のための閾値を説明する図である。
【図4】本発明に係る水の腐食性判定装置を説明する図である。
【図5】本発明に係るセンサ部断面を説明する図である。
【図6】薬剤を添加しない各種水中における銅のアノード分極挙動を説明する図である。
【図7】ホウ酸/ホウ砂水溶液中における銅のアノード分極挙動を説明する図である。
【図8】ホウ酸/ホウ砂を添加した各種水中における銅のアノード分極挙動を説明する図である。
【図9】特開平6−201637号公報に記載のテストピース(銅管)の浸漬方法を説明する図である。
【図10】特開平6−201637号公報に記載のリン酸塩水溶液中のテストピース(銅管)の自然電位の経時変化を説明する図である。
【符号の説明】
1 水、2 試験極、3 対極、4 基準電極、5 定電流電源、6 電位計、7 対極兼基準電極、8 閾値、9 本体部、10 センサ部、11 樹脂、12 テストピース、13 蓄熱水、14 リン酸塩緩衝液。
Claims (6)
- 薬剤を添加した水に、銅または銅合金からなる試験極、対極、および基準電極を浸漬したのち、試験極/対極の間に定電流を流したときの試験極/基準電極の電位差、または、試験極/対極の間に定電圧を印加したときの試験極/対極間の電流値を検知することを特徴とする水の腐食性を判定する方法。
- 銅または銅合金が不動態電位域を発現できる薬剤を添加する請求項1記載の水の腐食性を判定する方法。
- 薬剤が、ホウ酸とホウ砂の混合物、リン酸二水素ナトリウムとリン酸水素二ナトリウムの混合物、ベンゾトリアゾール、炭酸ナトリウムおよび炭酸カルシウムからなる群より選ばれた少なくとも1種である請求項2記載の水の腐食性を判定する方法。
- 対極が、ステンレス鋼、白金、銅、銅合金およびカーボンからなる群より選ばれた材料からなる請求項1記載の水の腐食性を判定する方法。
- 基準電極が、ステンレス鋼、白金、銅、銅合金、カーボン、Ag/AgCl、塩化第一水銀および硫酸第一水銀からなる群より選ばれた材料からなる請求項1記載の水の腐食性を判定する方法。
- 薬剤を添加した水に浸漬するための銅または銅合金からなる試験極、対極、および基準電極からなるセンサ部、ならびに、試験極/対極の間に定電流を流したときの試験極/基準電極の電位差、または、試験極/対極の間に定電圧を印加したときの試験極/対極間の電流値を検出する本体部からなることを特徴とする水の腐食性を判定する装置。
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2003
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