JP2004239572A - 電気式爆薬点火装置およびその製造方法 - Google Patents

電気式爆薬点火装置およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】電気式爆薬点火装置において、製造工程を簡単として製造効率を高める一方、エネルギ効率の向上を図り、省電力化を実現する。
【解決手段】活性層10Aと絶縁層10Bと支持層10Cとで構成する、SOI基板よりなる支持基板10と、その支持基板の活性層10Aに不純物を選択的にドーピングしてそのドーピング深さを、支持基板の活性層の厚さにほぼ等しくし、狭路11bを設けて形成する低抵抗層11と、その低抵抗層の表面に、狭路部分を避けて形成する電極12と、その電極を介してまたは直接活性層の表面に形成するフライヤ層13と、そのフライヤ層の表面に、狭路に対応する位置に貫通孔状のバレル14を形成して配置するバレル部材15と、そのバレル部材の表面に、バレルを塞いで設置する爆薬ペレット16とを備える。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、支持基板上の低抵抗層に通電し、その低抵抗層の狭路を昇華して高圧ガスを発生させ、その高圧ガスで、低抵抗層上に設けるフライヤ層の一部をせん断して飛翔させ、爆薬に衝突してそれを点火する、電気式の爆薬点火装置に関する。例えば爆薬を点火することにより燃焼ガスを発生してエアバックを膨らませる自動車用安全装置や、起爆機構を作動する軍事兵器に適用し得る電気式爆薬点火装置に関する。および、その電気式爆薬点火装置の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、爆薬点火装置としては、一次爆薬(起爆薬)を利用する感度が高い電気雷管が主流であるが、他にも、一次爆薬は使用せずに二次爆薬(炸薬)のみを利用して感度を低くし、取り扱い上の安全性を高めたものがある。
【0003】
前者は、熱やスパークにより一次爆薬を起爆するのに対し、後者は、低抵抗層に過電流を流すことによりそれを加熱し、融解し、蒸発して高圧ガスを発生させ、高圧ガスのエネルギにより低抵抗層上に設ける絶縁性のフライヤ層を加速して爆薬に衝突させ、その運動エネルギにより爆薬を点火していた。
【0004】
【非特許文献1】Jhon H. Henderson と Thomas A. BaginskiらによるAuburn University発行の技術論文「Two Novel Monolithic Substrate Slapper Detonators」
フライヤ層を加速して爆薬ペレットに衝突する手段には、非特許文献1に記載されるように、フライヤ層を二次爆薬の方向に単に膨らませるものと、バレルのエッジ部分でせん断して二次爆薬の方向に飛翔するものとがある。一般的に、前者のものより後者のものの方が、得られる運動エネルギは大きい。
【0005】
ところが、従来の電気式爆薬点火装置では、支持基板として熱伝導率の良い単結晶シリコン基板を使用し、例えばシリコン基板に金属を堆積してフォトリソグラフィとエッチングによりパターニングしたり、シリコン基板に不純物を選択的にドーピングしたりして低抵抗層を形成していた。
【0006】
このため、使用時に、支持基板上の低抵抗層に過電流を流して狭路を昇華して高圧ガスを発生するとき、支持基板側に熱が逃げて熱効率が悪い問題があった。
【0007】
【特許文献1】特開2000−28298号公報
このため、従来の電気式爆薬点火装置の中には、例えば特許文献1に記載されるように、支持基板の、少なくとも低抵抗層の狭路に対応する位置に熱絶縁層を設けることにより、低抵抗層の狭路で発生する熱の漏洩を防止するものがある。熱絶縁層は、電気化学的または光化学的な過程を経て支持基板の支持体を多孔質化したり、多孔質化した支持体をエッチングしてそれに中空空間を形成したりしていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、支持基板の支持体を多孔質化する工程は、一般的な半導体デバイスの製造工程に比較して複雑であり、手間がかかる問題があった。
【0009】
例えば、支持体として多く使用するシリコンを多孔質化する方法の1つとして、陽極化成法がある。しかし、この方法では、シリコン基板に均一に電流を流すためにアルミニウムなどの金属をシリコン基板の板面に付着しなければならない。また、陽極化成法で用いるふっ酸溶液中でアルミニウムなどの金属を腐食させないように、その表面にワックスなどの保護膜を塗布する必要がある。
【0010】
陽極化成法以外にも、例えばPhoto−Chemicalエッチング法がある。しかし、これも、ふっ化水素酸溶液と過酸化水素水の混合溶液中での可視レーザー照射が必要となり、こちらも複雑な工程となった。
【0011】
そこで、この発明の目的は、電気式爆薬点火装置において、製造工程を簡単として製造効率を高める一方、エネルギ効率の向上を図り、省電力化を実現することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成すべく、請求項1に記載の発明は、SOI基板よりなる支持基板と、その支持基板の活性層に不純物を選択的にドーピングすることにより狭路を設けて形成する低抵抗層と、その低抵抗層の表面に、狭路部分を避けて形成する電極と、その電極を介してまたは直接活性層の表面に形成するフライヤ層と、そのフライヤ層の表面に、狭路に対応する位置に貫通孔状のバレルを形成して配置するバレル部材と、そのバレル部材の表面に、バレルを塞いで設置する爆薬とを備える電気式爆薬点火装置において、
ドーピング深さを、支持基板の活性層の厚さにほぼ等しくする、ことを特徴とする。
【0013】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の電気式爆薬点火装置において、低抵抗層の内側であって支持基板の内部に中空部を設ける、ことを特徴とする。
【0014】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の電気式爆薬点火装置において、中空部を、低抵抗層の狭路の内側にのみ設ける、ことを特徴とする。
【0015】
請求項4に記載の発明は、請求項2または3に記載の電気式爆薬点火装置において、中空部内に樹脂を充填する、ことを特徴とする。
【0016】
請求項5に記載の発明は、電気式爆薬点火装置の製造方法において、
SOI基板よりなる支持基板に、その活性層の厚さにほぼ等しい深さまで不純物を選択的にドーピングすることにより、狭路を有する低抵抗層を形成し、
次いで、その低抵抗層の表面に、狭路部分を避けて電極を形成し、
その電極を介してまたは直接活性層の表面にフライヤ層を形成し、
そのフライヤ層の表面に、貫通孔状のバレルを狭路に対応してバレル部材を配置し、
そのバレル部材の表面に、バレルを塞いで爆薬を設置する、
ことを特徴とする。
【0017】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の電気式爆薬点火装置の製造方法において、
電極を形成してから、その電極を介してまたは直接活性層の表面にマスク層を形成してそのマスク層にエッチングホールをあけ、
そのエッチングホールを通してマスク層でマスクしてエッチングホールがつながるまでエッチングして支持基板に中空層を形成し、
そののちマスク層を取り除いてフライヤ層を形成し、
そのフライヤ層に電極に対する電気線接続用のコンタクトホールをあける、ことを特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ、この発明の実施の形態につき説明する。
図1(a)には、この発明による電気式爆薬点火装置の一例を示す。(b)には、その低抵抗層の上に電極を設けた状態を上から見て示す。
【0019】
図1に示す電気式爆薬点火装置は、支持基板10と、その支持基板10の活性層10Aに不純物を選択的にドーピングすることにより形成する低抵抗層11と、その低抵抗層11の表面に形成する電極12と、その電極12を介してまたは直接活性層10Aの表面に形成するフライヤ層13と、そのフライヤ層13の表面に、貫通孔状のバレル14を形成して配置するバレル部材15と、そのバレル部材15の表面に、バレル14を塞いで設置する爆薬ペレット16とを備える。
【0020】
支持基板10としては、活性層10Aと絶縁層10Bと支持層10Cとで構成する、SOI(Sillicon on Insulator)基板を使用する。
【0021】
低抵抗層11は、例えば、リン、ホウ素などの各種の半導体ドーピング用不純物をイオン注入装置によってドーズ量2×1016[ions/cm]、エネルギ100[keV]の条件でドーピングし、拡散して注入することにより設ける。そして、そのドーピング深さを支持基板10の活性層10Aの深さにほぼ等しい、例えば6μmとする。また、その形状は、図1(b)に示すように、中央両側に三角形状の切欠き11aを対称に設けて狭路11bを形成した蝶ネクタイ形状とする。
【0022】
低抵抗層11に直接電気線を接続できないので、低抵抗層11上に電極12を形成する。電極12は、アルミニウム、銅などの各種の金属を使用して設ける。例えば、膜厚3μmのアルミニウムをスパッタリング法により堆積し、フォトリソグラフィとエッチングにより蝶ネクタイ形状にパターニングして、図1(b)に示すように低抵抗層11の狭路11bを避けて設ける。
【0023】
フライヤ層13は、絶縁材料やそれに金属薄膜を組み合わせたものを用い、任意の厚さに形成する。例えば耐熱性高分子材料であるポリイミドを、感光性ポリイミド液(東レ社製の「フォトニース」)のスピンオンにより任意の厚さ、例えば膜厚25μmに形成する。そして、フライヤ層13には、電気線を通して電極12に接続し、電極12を不図示の電源部と電気的に接続するスルーホール17をあける。
【0024】
バレル部材15は、金属でも樹脂でもよく、中央部に、任意の形状で任意の大きさの貫通孔14を、狭路11bに対応する位置に形成する。例えば、SUS製で、直径0.6mmの貫通孔をあける。
【0025】
爆薬ペレット16は、感度の高い火薬を用いると、摩擦熱、静電気などで簡単に起爆してしまうおそれがあり、非常に危険であることから、例えば火薬の規格MIL−1316に合致した、非常に感度が鈍く、安全性の高い火薬を用いる。
【0026】
このような電気式爆薬点火装置を実際に使用するときは、ケース内に密封する。そして、低抵抗層11の両端に1Jの電気エネルギを加えて低抵抗層11に通電し、過電流により低抵抗層11の狭路11bを昇華し、すなわち加熱し、融解し、蒸発して高圧ガスを発生する。すると、フライヤ層13が高圧ガスを溜め込み、やがてその高圧ガスの圧力によりフライヤ層13の一部をせん断してフライヤを創出して高圧ガスを放出する。そして、その放出ガスを受けてフライヤが飛翔して爆薬ペレット16に衝突し、その運動エネルギにより爆薬ペレット16を点火して爆ごうする。
【0027】
図1に示す電気式爆薬点火装置において、圧力センサによりフライヤの衝突圧力を計測したところ、120MPaであった。従来のように、支持基板10として熱伝導率の良い単結晶シリコン基板を使用して同様な衝突圧力を得ようとすると、低抵抗層11の両端に2J以上の電気エネルギを加える必要があった。
【0028】
図1に示す電気式爆薬点火装置によれば、ドーピング深さを、支持基板10の活性層10Aの厚さにほぼ等しくするので、低抵抗層11を、支持基板10であるSOI基板の絶縁層10Bのほぼ直ぐ上とし、使用時に、支持基板10上の低抵抗層11に過電流を流して狭路11bを昇華して高圧ガスを発生するとき、低抵抗層11で発生する熱エネルギの周囲への漏洩を防止し、熱効率を良くしてエネルギ効率の向上を図り、省電力化を実現することができる。
【0029】
なお、ドーピング深さを、SOI基板よりなる支持基板10の活性層10Aの厚さにほぼ等しくすることは、半導体製造メーカーにとって困難なことではなく、きわめて容易であり、簡単に実現して省電力化を図ることができる。
【0030】
図2(a)には、この発明による電気式爆薬点火装置の他例を上から見て示す。(b)には、そのA−A′線に沿う縦断面示す。
【0031】
この図2に示す例では、図1に示す電気式爆薬点火装置において、低抵抗層11の内側であって支持基板10の内部に、中空部20を設けたものである。なお、この中空部20は、SOI基板よりなる支持基板10の活性層10Aのエッチングや支持層10Cのエッチングなど、一般的なシリコンプロセスを用いて形成することができる。
【0032】
このようにすると、支持基板10の、低抵抗層11の内部に中空部20を設けるので、中空部20で一層、低抵抗層11で発生する熱エネルギの周囲への漏洩を防止し、熱効率を良くしてエネルギ効率の向上を図り、省電力化を実現することができる。
【0033】
図3には、この発明による電気式爆薬点火装置のさらに他例の縦断面を示す。
【0034】
この図3に示す例では、図1に示す電気式爆薬点火装置において、同じく低抵抗層11の内側であって支持基板10の内部に、中空部20を設けたものであり、特にその中空部20を、低抵抗層11の狭路11bの内側にのみ設けたものである。
【0035】
このようにすると、中空部20を、低抵抗層11の狭路11bの内側にのみ設けるので、中空部20の大きさを必要最小限とし、支持基板10の強度低下を最低限に抑えることができる。
【0036】
図4には、この発明による電気式爆薬点火装置のまたさらに他例の縦断面を示す。
【0037】
この図4に示す例では、図1に示す電気式爆薬点火装置において、低抵抗層11の内側であって支持基板10の内部に、中空部20を設け、その中空部20内に樹脂22を充填するものである。樹脂22としては、各種樹脂材料を使用することができる。例えば、東京応化工業株式会社製のBCR樹脂(商品名)をスピンオンにより形成し、クリーンオーブンにより固めている。
【0038】
このようにすると、中空部20内に樹脂22を充填するので、支持基板10の強度低下を抑えることができる。上述した通り、中空部20は、SOI基板よりなる支持基板10の活性層10Aのエッチングや支持層10Cのエッチングなど、一般的なシリコンプロセスを用いて形成することができる。
【0039】
図5には、この発明による電気式爆薬点火装置の製造方法の一例を示す。
【0040】
図5に示す電気式爆薬点火装置の製造方法では、まず、(a)に示すように、活性層10Aと絶縁層10Bと支持層10Cとで構成するSOI基板よりなる支持基板10を準備する。
【0041】
そして、その支持基板10に、図5(b)に示すように、活性層10Aの厚さにほぼ等しい深さまで不純物を選択的にドーピングすることにより低抵抗層11を形成する。例えば、リン、ホウ素などの各種の半導体ドーピング用不純物をイオン注入装置によってドーズ量2×1016[ions/cm]、エネルギ100[keV]の条件でドーピングし、拡散して注入することにより設ける。ここで、そのドーピング深さを支持基板10の活性層10Aの深さにほぼ等しい、例えば6μmとする。その形状は、図6(a)に示すように、中央両側に三角形状の切欠き11aを対称に設けて狭路11bを形成した蝶ネクタイ形状とする。
【0042】
次いで、その低抵抗層11が形成された活性層10Aの表面に、アルミニウム、銅など電極材料を堆積し、フォトリソグラフィとエッチングにより図6(b)に示すように蝶ネクタイ形状にパターニングして低抵抗層11の狭路11bを避け、図5(c)に示すように活性層10Aの表面に電極12を設ける。例えば、膜厚3μmのアルミニウムをスパッタリング法により形成する。
【0043】
電極12を形成してから、図5(d)に示すようにその電極12を介してまたは直接活性層10Aの表面にマスク層25を形成し、そのマスク層25に、フォトリソグラフィとエッチングによりエッチングホール26をあける。マスク層25としては、シリコンのエッチングに使用する溶液に対する耐性を持つ材料を使用し、任意の膜厚で形成する。例えば、膜厚2μmのSiOをスパッタリング法により形成する。
【0044】
次いで、図5(e)に示すように、そのエッチングホール26を通してマスク層25でマスクし、エッチングホール26を通して露出している支持基板10の活性層10Aを、支持基板10の絶縁層10Bが露出するまでエッチングする。例えば、ふっ化水素酸と硝酸と硝酸ソーダの混合溶液を用いてエッチングする。
【0045】
それから、図5(f)に示すように、活性層10Aのエッチングにより露出した絶縁層10Bをフォトリソグラフィとエッチングにより取り除く。例えば、HF溶液を用いて絶縁層10Bを除去する。次いで、エッチングホール26を通してマスク層25でマスクし、図5(g)に示すようにエッチングホール26がつながるまで支持層10Cをエッチングして支持基板10に中空部20を形成する。例えば、ヒドラジン溶液を用いて支持層10Cを除去する。
【0046】
そののち、マスク層を取り除いてから、図5(h)に示すように、その電極12を介してまたは直接活性層10Aの表面にフライヤ層13を形成し、そのフライヤ層13に電極12に対する電気線接続用のコンタクトホール17をあける。フライヤ層13は、絶縁材料やそれに金属薄膜を組み合わせたものを用い、任意の厚さに形成する。例えば、耐熱性高分子材料であるポリイミドを、感光性ポリイミド液(東レ社製の「フォトニース」)のスピンオンにより任意の厚さ、例えば膜厚25μmに形成する。
【0047】
そのフライヤ層13の表面には、図5(i)に示すように、バレル部材15を配置する。バレル部材15は、金属でも樹脂でもよく、中央部に、任意の形状で任意の大きさの貫通孔14を、狭路11bに対応する位置に形成する。例えば、SUS製で、直径0.6mmの貫通孔をあける。そして、そのバレル部材15の表面には、バレル14を塞いで爆薬ペレット16を設置する。
【0048】
このような製造方法を用いると、低抵抗層11を、支持基板10であるSOI基板の絶縁層10Bのほぼ直ぐ上とし、使用時に、支持基板10上の低抵抗層11に過電流を流して狭路11bを昇華して高圧ガスを発生するとき、低抵抗層11で発生する熱エネルギの周囲への漏洩を防止することができる電気式爆薬点火装置を簡単に得ることができる。
【0049】
また、特殊な技術や特殊な装置を用いず、フォトリソグラフィとエッチングなど、一般的な半導体プロセス技術を用いて製造工程を簡単とし、支持基板10としてSOI基板を用いた電気式爆薬点火装置を製造することができる。
【0050】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1ないし4に記載の発明による電気式爆薬点火装置によれば、ドーピング深さを、支持基板の活性層の厚さにほぼ等しくするので、低抵抗層を、支持基板であるSOI基板の絶縁層のほぼ直ぐ上とし、低抵抗層で発生する熱エネルギの周囲への漏洩を防止し、熱効率を良くしてエネルギ効率の向上を図り、省電力化を実現することができる。また、特殊な技術や特殊な装置を用いず、フォトリソグラフィとエッチングなど、一般的な半導体プロセス技術を用いて製造工程を簡単とし、支持基板としてSOI基板を用いた電気式爆薬点火装置を製造することができる。
【0051】
請求項2に記載の発明によれば、支持基板の、低抵抗層の内部に中空部を設けるので、中空部で一層、低抵抗層で発生する熱エネルギの周囲への漏洩を防止し、熱効率を良くしてエネルギ効率の向上を図り、省電力化を実現することができる。
【0052】
請求項3に記載の発明によれば、中空部を、低抵抗層の狭路の内側にのみ設けるので、中空部の大きさを必要最小限とし、支持基板の強度低下を最低限に抑えることができる。
【0053】
請求項4に記載の発明によれば、中空部内に樹脂を充填するので、支持基板の強度低下を抑えることができる。
【0054】
請求項5および請求項6に記載の発明による製造方法によれば、低抵抗層を、支持基板であるSOI基板の絶縁層のほぼ直ぐ上とし、低抵抗層で発生する熱エネルギの周囲への漏洩を防止することができる電気式爆薬点火装置を簡単に得ることができる。
【0055】
また、特殊な技術や特殊な装置を用いず、フォトリソグラフィとエッチングなど、一般的な半導体プロセス技術を用いて製造工程を簡単とし、支持基板としてSOI基板を用いた電気式爆薬点火装置を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、この発明による電気式爆薬点火装置の一例の縦断面図である。(b)は、その低抵抗層の上に電極を設けた状態の平面図である。
【図2】(a)は、この発明による電気式爆薬点火装置の他例の平面図である。(b)は、そのA−A′線に沿う縦断面図である。
【図3】この発明による電気式爆薬点火装置のさらに他例の縦断面図である。
【図4】この発明による電気式爆薬点火装置のまたさらに他例の縦断面図である。
【図5】この発明による電気式爆薬点火装置の製造方法の一例における工程図である。
【図6】(a)は、その製造方法において形成した低抵抗層の平面図である。(b)は、その低抵抗層の上に電極を設けた状態の平面図である。
【符号の説明】
10 支持基板
10A 支持基板の活性層
10B 支持基板の絶縁層
10C 支持基板の支持層
11 低抵抗層
11a 低抵抗層の切欠き
11b 低抵抗層の狭路
12 電極
13 フライヤ層
14 バレル
15 バレル部材
16 爆薬ペレット
17 スルホール
20 中空部
22 樹脂
25 マスク層
26 エッチングホール

Claims (6)

  1. SOI基板よりなる支持基板と、その支持基板の活性層に不純物を選択的にドーピングすることにより狭路を設けて形成する低抵抗層と、その低抵抗層の表面に、前記狭路部分を避けて形成する電極と、その電極を介してまたは直接前記活性層の表面に形成するフライヤ層と、そのフライヤ層の表面に、前記狭路に対応する位置に貫通孔状のバレルを形成して配置するバレル部材と、そのバレル部材の表面に、前記バレルを塞いで設置する爆薬とを備える電気式爆薬点火装置において、
    前記ドーピング深さを、前記支持基板の活性層の厚さにほぼ等しくすることを特徴とする、電気式爆薬点火装置。
  2. 前記低抵抗層の内側であって前記支持基板の内部に中空部を設けることを特徴とする、請求項1に記載の電気式爆薬点火装置。
  3. 前記中空部を、前記低抵抗層の前記狭路の内側にのみ設けることを特徴とする、請求項2に記載の電気式爆薬点火装置。
  4. 前記中空部内に樹脂を充填することを特徴とする、請求項2または3に記載の電気式爆薬点火装置。
  5. SOI基板よりなる支持基板に、その活性層の厚さにほぼ等しい深さまで不純物を選択的にドーピングすることにより、狭路を有する低抵抗層を形成し、
    次いで、その低抵抗層の表面に、狭路部分を避けて電極を形成し、
    その電極を介してまたは直接前記活性層の表面にフライヤ層を形成し、
    そのフライヤ層の表面に、貫通孔状のバレルを前記狭路に対応してバレル部材を配置し、
    そのバレル部材の表面に、バレルを塞いで爆薬を設置する、
    ことを特徴とする、電気式爆薬点火装置の製造方法。
  6. 前記電極を形成してから、その電極を介してまたは直接前記活性層の表面にマスク層を形成してそのマスク層にエッチングホールをあけ、
    そのエッチングホールを通して前記マスク層でマスクしてエッチングホールがつながるまでエッチングして前記支持基板に中空層を形成し、
    そののち前記マスク層を取り除いてフライヤ層を形成し、
    そのフライヤ層に前記電極に対する電気線接続用のコンタクトホールをあける、ことを特徴とする、請求項5に記載の電気式爆薬点火装置の製造方法。
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