JP2004238872A - 単管クランプ - Google Patents
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Abstract
【課題】パイプ足場を組立てる場合などに、スパナなどの締め付け工具を使用することなく取り付け、取り外し作業を行なうことができる単管クランプを提供する。
【解決手段】ベース部材6に一端が軸支される第一抱持体1と第二抱持体2によって単管を抱持させる。第一抱持体1及び第二抱持体2はそれぞれ幅方向を複数の領域に区画し先端から一定の範囲を円周方向に分離させ、分離させた領域の一つを締め付け部1a,2a、残りの領域を押え部1b,2bとする。第一抱持体の押え部1aの先端にラチェットギア4を設ける一方、第二抱持体の締め付け部にはラチェットギアに噛合するラック5を形成し、レバー3操作によって第一抱持体1と第二抱持体2の締め付けを行なう。このとき、第一抱持体1の押え部1bの上に第二抱持体2の押え部2bが位置し、第一抱持体のラチェットギアと第二抱持体のラックの係合状態を維持させる。
【選択図】 図1
【解決手段】ベース部材6に一端が軸支される第一抱持体1と第二抱持体2によって単管を抱持させる。第一抱持体1及び第二抱持体2はそれぞれ幅方向を複数の領域に区画し先端から一定の範囲を円周方向に分離させ、分離させた領域の一つを締め付け部1a,2a、残りの領域を押え部1b,2bとする。第一抱持体の押え部1aの先端にラチェットギア4を設ける一方、第二抱持体の締め付け部にはラチェットギアに噛合するラック5を形成し、レバー3操作によって第一抱持体1と第二抱持体2の締め付けを行なう。このとき、第一抱持体1の押え部1bの上に第二抱持体2の押え部2bが位置し、第一抱持体のラチェットギアと第二抱持体のラックの係合状態を維持させる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、主としてパイプ足場を組立てる場合や、パイプに特定の部材を取り付ける場合などに使用される、単管クランプに関する発明である。
【0002】
【従来の技術】
パイプ足場の組立てなどに際して利用される単管クランプの一般的な構造は、図10に示すように、一端を軸Cによって軸支した第一抱持体Aと第二抱持体Bとで構成し、第一抱持体Aと第二抱持体Bで単管Dを抱持させ、単管Dを抱持させた状態で第一抱持体と第二抱持体をボルトEとナットFで締め付けて固定するのが基本的な構造である。このとき、第一抱持体Aと第二抱持体Bを締め付け固定するには、第一抱持体Aの一部に軸Gで軸支したボルトEを、第二抱持体の切欠部Hに嵌め込んだ状態でナットFをレンチやスパナといった締め付け工具を用いて締め付けている。
【0003】
図10に示す従来の単管クランプは、二つの単管クランプの第一抱持体を背中合わせとして連結具Iによって連結し、交差する二つの単管を固定することができるようにしている。
そして、直交以外の方向の単管を固定することができるように、二つの単管クランプを連結金具で連結したもの(特許文献1)や、特定の部材を単管に取り付けるために、第二抱持体にパイプ受けを固定する思想(特許文献2)などが知られている。いずれにしても、従来の単管クランプは、第一抱持体と第二抱持体をボルトとナットによって固定するのが基本的な構造であった。
【0004】
【特許文献1】
実用新案登録第3006310号公報(図1、図5参照)
【特許文献2】
実用新案登録第3018565号公報(図1、図2参照)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来の単管用クランプは、いずれも締め付け固定のためにボルトとナットを使用しているため、例えば足場などを施工する場合には、常にスパナやレンチといった締め付け工具を携行する必要があり作業が面倒であった。また、作業中に携行している工具を高所から落としてしまい、作業に支障を来たすばかりでなく落下物によって事故を引き起こす可能性があるといった欠点があった。さらに、締め付け固定した施工状態において、単管用クランプから常にボルトの先端が突出していることから、突出するボルトの先端に作業者の衣服や携行物を引っ掛ける可能性があり、極めて危険であるという欠点があった。
【0006】
上記、従来の単管クランプの欠点に鑑み、本発明は締め付け工具を携行することなく手軽に締め付け作業を行なうことができる、換言すれば能率的に施工することができる単管クランプを提供することを目的とするものである。また、本発明の別の目的は、従来の単管クランプのように施工後の使用状態においてボルトが突出するといったことがなく、安全に使用することができる単管クランプを提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る単管クランプは、第一抱持体1と第二抱持体2によって単管を抱持させ、第一抱持体と第二抱持体を締め付けることによって単管を固定する点においては従来の単管クランプと共通する。
前記、課題を達成するために、本発明は第一抱持体1及び第二抱持体2のそれぞれ幅方向を複数の領域に区画し先端から一定の範囲を円周方向に分離させ、分離させた領域の一つを締め付け部1a,2a、残りの領域を押え部1a,2a、とする。
【0008】
第一抱持体1の押え部1aの先端部分にはレバー3によって一方向にのみ回転駆動をすることができ、切り替え操作によって逆回転が可能なラチェットギア4を設けるとともに、第二抱持体2の締め付け部2aに前記ラチェットギア4に噛合するラック5を形成する。そして、第二抱持体2の締め付け部2aの上に第一抱持体1の締め付け部1aを位置させ、第一抱持体1の先端部分に配置したラチェットギア4と第二抱持体2のラック5を噛合させ、レバー3の操作によって第一抱持体1と第二抱持体2の締め付けを行う。この締め付け状態において第一抱持体1の押え部1bの上に第二抱持体2の押え部2bが覆い被さるように位置し、第一抱持体1の押え部1bの上に位置する第二抱持体2の押え部2bによって、浮き上がりを防止する。これにより、第一抱持体1のラチェットギア4と第二抱持体2のラック5の係合状態が維持される。
【0009】
本発明に係る単管クランプは、従来のものと同じように第一抱持体1と第二抱持体2を、直接軸支するものであってもよいが、図1に示す実施形態の単管クランプはベース部材6と第一抱持体1及び第二抱持体2の三部品で構成し、ベース部材6の左右対向位置において第一抱持体1と第二抱持体2をそれぞれ支持軸7,8で軸支することによって操作性に優れたものとなる。また、上記三部品で構成する単管クランプの二つのベース部材6,6を背中合わせに重ね合わせ、重ね合わせたベース部材6,6を貫通させて連結部材9で軸支すれば、二つの単管クランプが回動し交差方向の二つの単管を固定することができる
【0010】
単管クランプは、単管どうしを連結する場合だけでなく他の部材、例えば足場支持部材を突出させて取り付ける場合などがある。このような場合は、単管に取り付けるべき部材に第一抱持体と第二抱持体を軸着しておき、取り付けるべき部材10に軸着した第一抱持体1と第二抱持体2によって単管クランプを構成することができる。
【0011】
なお、第一抱持体1の表面に凹部11を形成し、ラチェットギア4を駆動するレバー3を倒したときに、レバー3が前記凹部11に嵌り込み、レバー表面が第一抱持体1の表面から突出しないようにしておくと、作業者の衣服などにレバー3が引っ掛かることがなくより安全である。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る単管クランプの実施形態を、添付の図面に基づいて説明する。
図1は本発明に係る単管クランプの実施形態の一例を示す斜視図、図2は正面図である。この実施形態は、二つの単管クランプを組み合わせて交差方向の単管を固定することができるようにしたもので、足場の組み立てなどに最も多く使用される形態のものである。図3及び図4は、図2の状態で上位置の単管クランプを縦断して表したものであって、図3は締め付け状態を、図4はクランプ前の抱持体を開いた状態を示している。
【0013】
図1に示す実施形態の単管クランプは、第一抱持体1及び第二抱持体2とベース部材6で構成し、ベース部材6の左右両側に支持軸7及び8によって、一定幅の第一抱持体1及び第二抱持体2を軸支している。第一抱持体1及び第二抱持体2はそれぞれ円形断面の単管Dを抱持することができるように円弧状に形成している。また、ベース部材6の軸7と8の間、すなわち図面では枡状に形成されるベース部材6の単管Dが当接する部分(図示例では上辺と下辺)を円弧状の当接面6a,6aとして形成している。これにより、図2に示すように、第一抱持体1、第二抱持体2及びベース部材6の三部品で単管Dの外周を抱持することが可能となるもである。
【0014】
抱持体1は図1及び図7から理解できるように、中心角180度弱の円弧状とし、先端から円周方向の切り込みによって横幅を三分割し、その中心に位置する部分を締め付け部1a、左右両側に位置する部分を押え部1b,1bとしている。中心に位置する締め付け部1aは、先端から一定範囲を切除して短く形成し、その先端にラチェットギア4を装着している。ラチェットギア4は、手指によるレバー3の往復運動によって一定方向に回転駆動することができるものであり、切り替え手段12によって逆方向に回転駆動させることができるようにしたものである。
【0015】
抱持体2は、抱持体1と同じように中心角180度弱の円弧状とし、円周方向の切り込みによって横幅を三分割し、その中心に位置する部分を締め付け部2a、左右両側に位置する部分を押え部2b,2bとしている。中心に位置する締め付け部2aは、その両側に位置する押え部2b,2bよりも僅かに短く形成し、その表面に前記第一抱持体1に設けたラチェットギア4に噛合するラック5を、先端から円周方向に配置している。
【0016】
上記構造の単管クランプによって単管Dを固定するには、図4に示すように第一抱持体1と第二抱持体2を開放した状態で、円弧状に形成したベース部材6の当接面6aに単管Dを当接させ、第一抱持体1と第二抱持体2を閉じることによって単管Dを抱持する。第一抱持体1と第二抱持体2を閉じるに際し、第一抱持体1の締め付け部1a先端のラチェットギア4が第二抱持体2の締め付け部2aに形成されたラック5の上になるようにするとともに、第一抱持体1の押え部1aの上に第二抱持体2の押え部2bが入り込むように閉じる。
【0017】
すなわち、第一抱持体1の締め付け部1aは、単管Dに接する押え部1bよりも浮き上がる形状であるとともに、第二抱持体2の押え部2bは、単管に接する締め付け部2bよりも浮き上がる形状となっている。すなわち、ラチェットギア4とラック5が噛合する状態で第一抱持体1の押え部1bの上に第二抱持体2の押え部2bが覆い被さり、第一抱持体1が不用意に浮き上がって、ラチェットギア4とラック5の噛合が外れないようになる。
【0018】
第一抱持体1と第二抱持体2を閉じ、ラチェットギア4とラック5を噛合させた状態で、図2に矢印で示すようにレバー3を手指で掴んで左右方向に動かす。レバー3を図面上の左方向に動かすと、ラチェットギアが左方向に回動し、図3に示すようにラチェッとギア4がラック5と噛合していることから第一抱持体1と第二抱持体2が単管Dを締め付け、レバー3を右方向に動かすときはレバー3とラチェッとギア4は空転する。したがって、レバー3を手で掴んで左右に動かすことによって単管Dは、第一抱持体1と第二抱持体2によってしっかりと締め付け固定することができる。
【0019】
締め付け作業が完了すれば、図3に矢印で示すようにレバー3を倒せば、レバー3が第一抱持体1の表面に沿うように倒される。そのため、締め付け作業後のレバー3を倒しておくことによって、施工後においてレバーが邪魔にならないようにすることができる。換言すれば、レバー3の形状は倒したときに第一抱持体の表面に沿うように、第一抱持体1の外周面の曲率と同じ程度の曲率である円弧状としている。
【0020】
なお、図7に示すように第一抱持体1の表面に凹部11を形成しておき、倒したレバー3が凹部11に嵌り込むようにしておくと、固定状態の単管クランプのレバー3に、例えば作業者の衣服が引っ掛かるといった可能性をより少なくすることができる。さらに、図7に示す実施形態では、第一抱持体1の表面にラチェットギア4を軸支するために一対の支持壁13,14を立設しているが、倒したレバー3の上面が支持壁13,14の上縁から突出しないようにすることによって、支持壁13,14をレバー3の保護壁として機能させ、衣服に引っ掛かって不用意にレバー3が作動されてしまうようなことをより確実に防止することができる。
【0021】
以上述べた、単管Dを固定している状態では、図5に示すように中央に位置する締め付け部の領域において、第一抱持体1の締め付け部1aが第二抱持体2の締め付け部2aの上にあって、ラック5とラチェットギア4が噛合していると同時に左右両側の領域においては、第一抱持体1の押え部1bの上に第二抱持体2の押え部2bが位置し、押え部1bの浮き上がりを防止しているため、確実に締め付け作業を行なうことができるとともに、締め付け状態を安全に維持することができる。なお、図示実施形態においては、押え部1b,2bは、その断面形状を突弧状に形成し強度を向上させていると同時に、押え部2bの両側端を円弧の中心方向に折曲形成し、その先端が押え部1bに当接するようにし、十分な押圧効果を得ることができるようにしている。現実問題として、押え部2bと1bのクリアランスXはできるだけ少ないほうが、ガタツキを無くする上において好ましい。
【0022】
単管に固定されている単管クランプを取り外す場合は、切り替え手段12によってラチェットギア4の回転方向を変更し、手指でレバー3を起こして左右方向に動かすと、前記単管クランプを締め付け固定する場合とは逆に、図2に示す状態においてレバー3を右方向に動かしたときにラチェットギアが回動し、左方向に動かしたときには空転する。この動作を繰り返すと、第一抱持体1と第二抱持体2は締め付けを緩める方向に広がり、ラチェットギア4とラックの噛合状態が外れ、単管クランプを単管Dから簡単に取り外すことができる。
すなわち、単管クランプを締め付け固定する場合も、単管クランプを取り外す場合も、スパナやレンチといった締め付け工具を使用することなく施工することが可能となる。
【0023】
第一抱持体1のラチェットギア4に設けるラチェット機構は、種々公知の構造を採用することが可能であるが、図6にその一例を示している。図6に示す実施例では、ラチェットギア4が軸支されている支持軸と同軸上にレバー3が軸支されているとともに、レバー3の先端部分にはシーソー式に揺動可能であって、バネ17によって付勢される作動杆16を配置している。作動杆16には二箇所にラチェットギアに係合する突起18,19が形成されており、一方の突起19がラチェットギアに係合する状態では、レバー3を往復動させることによって締め付け方向の回動に対してラチェットギア4を駆動し、緩める方向の回動に対してはラチェットギア4を空転させる。作動杆16を手指で回動させ、他方の突起18をラチェットギア4に係合させると、前記場合とは逆に締め付けを緩める方向の回動に対し手ラチェットギア4が駆動され、締め付け方向の回動に対して空転する。
【0024】
図示実施形態においては、第一抱持体1及び第二抱持体2を幅方向に三分割し、その中心に位置する部分を締め付け部1a,2a、左右両側を押え部1b,2bとしているが、三分割以外に例えば二分割とし、一方の領域を締め付け部、他方の領域を押え部とすることもできる。また、4以上の領域に分割するものであってもよい。その場合、第一抱持体と第二抱持体は、その先端部分が上下交互に位置し、全体がなるべく均等に押えられ、部分的な浮き上がりを防止するような構造とすることができる。
【0025】
以上、本発明に係る単管クランプの基本構成について説明したが、図1ないし図4には二つの単管クランプのベース部材6を連結部材9で回動自在に連結実施形態を示している。この実施形態では、図10に示す従来品と同様、交差方向の二つの単管を固定するために利用することができる。このような形態の単管クランプは、単管を縦横に配置する場合の交差部分の連結手段として利用し、主としてパイプ足場の組立てに利用することができる。この場合に、従来のように締め付け工具を使用することなく施工することが可能となるものである。
【0026】
特に、二つの単管クランプの締め付け作業は、異なる方向から行なうことになるため、いずれか一方の締め付けに際して工具を使用しにくい状況が発生し勝ちであるが、本発明においてはいずれの単管クランプも締め付け工具を使用することなく、容易に締め付け作業を行なうことができ、能率的な作業を行なうことができるものである。
【0027】
ベース部材6と第一抱持体1及び第二抱持体2で構成する単管クランプはこれを単体で供給し、単管に取付けるべき各種部材の一部にベース部材を固定して利用することができる。
図9に示す実施形態は、単管に取付けるべき部材10の一部10aに第一抱持体1及び第二抱持体2を軸着した実施形態を示している。換言すれば、部材10にクランプのためのベース部分を形成する思想を示している。このような実施形態は、例えばパイプ足場に固定することを前提とする足場板受け金具、その他取り付け金具の構造として利用することができる。
【0028】
以上に説明した実施形態の単管クランプは、第一抱持体1と第二抱持体2及びベース部材6又はベース部材に相当する部材の三者で単管を抱持させるものである。そのため、第一抱持体1と第二抱持体2による単管の抱持角度を、180度よりも遥かに小さな角度として実施することができるため、締め付け部1a,2a及び押え部1a,1bにおける重なり代を考慮しても、第一抱持体1及び第二抱持体2を中心角180度以内で形成し、単管を抱き込む作業がし易い構造の単管クランプを提供することができる。
【0029】
しかしながら、本発明は、従来の単管クランプと同様に第一抱持体1と第二抱持体2の二つの部品で構成することも可能である。この場合、締め付け部1a,2a及び押え部1b,2bの重なり代を幾分少なくし、かつ重なり部分を径方向に浮き上がらせて形成することによって、第一抱持体1と第二抱持体2の中心角が180度以上となるように形成するものであっても、支障なく単管に抱持させることができるためである。
【0030】
【発明の効果】
請求項1記載の本発明単管クランプによれば、従来は必ず締め付け工具を必要とした単管クランプの取り付けや取り外しの作業を、スパナやレンチなどの締め付け工具を使用することなく行なうことができる。そのため、従来の単管クランプを使用する場合に比較して、例えばパイプ足場の組立て作業を能率的に短時間で行なうことが可能となる。このことは、作業者が余分な工具を携行する必要がないとともに、従来人身事故にもつながっていた、工具を落下させるといった不測の事故を回避することができ極めて安全である。
さらに、従来の単管クランプでは、締め付けるためのボルト先端が、クランプから突出することを避けることができず、作業者の衣服に引っ掛かるなどの危険性があったが、本発明ではボルトが突出せず極めて安全である。
【0031】
請求項2記載の発明によれば、全体の基本構成をベース部材と第一抱持体及び第二抱持体の三部品で構成するため、第一抱持体及び第二抱持体はいずれも重なり代を考慮しても、中心角度が180度以内の円弧状として形成することができるため、単管を抱持させる作業に支障を来たすことがないとともに、十分な重なり代を確保し、より確実に単管を固定することができ安全な商品を実現することができる。
【0032】
請求項3記載の発明によれば、二つの単管クランプのベース部材どうしを軸支することによって、一対の単管クランプの方向を変えて、交差方向の単管を確実にしかも締め付け工具を使用することなく固定することができる。したがって、従来は作業条件によって締め付け工具を取り扱いにくいような狭い場所などにおいても、交差方向の単管の双方を締め付け固定することが可能となり、作業条件の悪い場所での足場の組立てなどを、より能率的かつ安全に行なうことができる効果がある。
【0033】
請求項4記載の発明によれば、単管に取付けるべき部材の一部をクランプの構成部分として、締め付け工具を必要としないでパイプなどの単管にしっかりと確実に取り付け固定することができる、クランプ付きの部材を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る単管クランプの実施形態を示す斜視図、
【図2】本発明に係る単管クランプの実施形態を示す正面図、
【図3】本発明に係る単管クランプの実施形態であって一部を縦断した正面図、
【図4】本発明に係る単管クランプの実施形態であって抱持体を開いた状態を示す、一部縦断の正面図、
【図5】単管クランプを単管に取り付けた状態を示す従断面図、
【図6】本発明に係る単管クランプの締め付け構造部分のみの拡大断面図、
【図7】本発明に係る単管クランプの第一抱持体の斜視図、
【図8】本発明に係る単管クランプの第二抱持体の斜視図、
【図9】単管に取付けるべき部材の一部に単管クランプを形成する本発明に係る単管クランプの実施形態を示す正面図、
【図10】従来の単管クランプの一例を示す一部縦断の正面図。
【符号の説明】
1…第一抱持体、 2…第二抱持体、 1a,2a…締め付け部、 1b,2b…押え部、 3…レバー、 4…ラチェットギア、 5…ラック、 6…ベース部材、 6a…当接面、 7,8…支持軸、 9…連結部材、 10…部材、 11…凹部、 12…切り替え手段、 13,14…支持壁、 15…支持軸、 16…作動杆、 17…バネ、18,19…突起。
【発明の属する技術分野】
この発明は、主としてパイプ足場を組立てる場合や、パイプに特定の部材を取り付ける場合などに使用される、単管クランプに関する発明である。
【0002】
【従来の技術】
パイプ足場の組立てなどに際して利用される単管クランプの一般的な構造は、図10に示すように、一端を軸Cによって軸支した第一抱持体Aと第二抱持体Bとで構成し、第一抱持体Aと第二抱持体Bで単管Dを抱持させ、単管Dを抱持させた状態で第一抱持体と第二抱持体をボルトEとナットFで締め付けて固定するのが基本的な構造である。このとき、第一抱持体Aと第二抱持体Bを締め付け固定するには、第一抱持体Aの一部に軸Gで軸支したボルトEを、第二抱持体の切欠部Hに嵌め込んだ状態でナットFをレンチやスパナといった締め付け工具を用いて締め付けている。
【0003】
図10に示す従来の単管クランプは、二つの単管クランプの第一抱持体を背中合わせとして連結具Iによって連結し、交差する二つの単管を固定することができるようにしている。
そして、直交以外の方向の単管を固定することができるように、二つの単管クランプを連結金具で連結したもの(特許文献1)や、特定の部材を単管に取り付けるために、第二抱持体にパイプ受けを固定する思想(特許文献2)などが知られている。いずれにしても、従来の単管クランプは、第一抱持体と第二抱持体をボルトとナットによって固定するのが基本的な構造であった。
【0004】
【特許文献1】
実用新案登録第3006310号公報(図1、図5参照)
【特許文献2】
実用新案登録第3018565号公報(図1、図2参照)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来の単管用クランプは、いずれも締め付け固定のためにボルトとナットを使用しているため、例えば足場などを施工する場合には、常にスパナやレンチといった締め付け工具を携行する必要があり作業が面倒であった。また、作業中に携行している工具を高所から落としてしまい、作業に支障を来たすばかりでなく落下物によって事故を引き起こす可能性があるといった欠点があった。さらに、締め付け固定した施工状態において、単管用クランプから常にボルトの先端が突出していることから、突出するボルトの先端に作業者の衣服や携行物を引っ掛ける可能性があり、極めて危険であるという欠点があった。
【0006】
上記、従来の単管クランプの欠点に鑑み、本発明は締め付け工具を携行することなく手軽に締め付け作業を行なうことができる、換言すれば能率的に施工することができる単管クランプを提供することを目的とするものである。また、本発明の別の目的は、従来の単管クランプのように施工後の使用状態においてボルトが突出するといったことがなく、安全に使用することができる単管クランプを提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る単管クランプは、第一抱持体1と第二抱持体2によって単管を抱持させ、第一抱持体と第二抱持体を締め付けることによって単管を固定する点においては従来の単管クランプと共通する。
前記、課題を達成するために、本発明は第一抱持体1及び第二抱持体2のそれぞれ幅方向を複数の領域に区画し先端から一定の範囲を円周方向に分離させ、分離させた領域の一つを締め付け部1a,2a、残りの領域を押え部1a,2a、とする。
【0008】
第一抱持体1の押え部1aの先端部分にはレバー3によって一方向にのみ回転駆動をすることができ、切り替え操作によって逆回転が可能なラチェットギア4を設けるとともに、第二抱持体2の締め付け部2aに前記ラチェットギア4に噛合するラック5を形成する。そして、第二抱持体2の締め付け部2aの上に第一抱持体1の締め付け部1aを位置させ、第一抱持体1の先端部分に配置したラチェットギア4と第二抱持体2のラック5を噛合させ、レバー3の操作によって第一抱持体1と第二抱持体2の締め付けを行う。この締め付け状態において第一抱持体1の押え部1bの上に第二抱持体2の押え部2bが覆い被さるように位置し、第一抱持体1の押え部1bの上に位置する第二抱持体2の押え部2bによって、浮き上がりを防止する。これにより、第一抱持体1のラチェットギア4と第二抱持体2のラック5の係合状態が維持される。
【0009】
本発明に係る単管クランプは、従来のものと同じように第一抱持体1と第二抱持体2を、直接軸支するものであってもよいが、図1に示す実施形態の単管クランプはベース部材6と第一抱持体1及び第二抱持体2の三部品で構成し、ベース部材6の左右対向位置において第一抱持体1と第二抱持体2をそれぞれ支持軸7,8で軸支することによって操作性に優れたものとなる。また、上記三部品で構成する単管クランプの二つのベース部材6,6を背中合わせに重ね合わせ、重ね合わせたベース部材6,6を貫通させて連結部材9で軸支すれば、二つの単管クランプが回動し交差方向の二つの単管を固定することができる
【0010】
単管クランプは、単管どうしを連結する場合だけでなく他の部材、例えば足場支持部材を突出させて取り付ける場合などがある。このような場合は、単管に取り付けるべき部材に第一抱持体と第二抱持体を軸着しておき、取り付けるべき部材10に軸着した第一抱持体1と第二抱持体2によって単管クランプを構成することができる。
【0011】
なお、第一抱持体1の表面に凹部11を形成し、ラチェットギア4を駆動するレバー3を倒したときに、レバー3が前記凹部11に嵌り込み、レバー表面が第一抱持体1の表面から突出しないようにしておくと、作業者の衣服などにレバー3が引っ掛かることがなくより安全である。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る単管クランプの実施形態を、添付の図面に基づいて説明する。
図1は本発明に係る単管クランプの実施形態の一例を示す斜視図、図2は正面図である。この実施形態は、二つの単管クランプを組み合わせて交差方向の単管を固定することができるようにしたもので、足場の組み立てなどに最も多く使用される形態のものである。図3及び図4は、図2の状態で上位置の単管クランプを縦断して表したものであって、図3は締め付け状態を、図4はクランプ前の抱持体を開いた状態を示している。
【0013】
図1に示す実施形態の単管クランプは、第一抱持体1及び第二抱持体2とベース部材6で構成し、ベース部材6の左右両側に支持軸7及び8によって、一定幅の第一抱持体1及び第二抱持体2を軸支している。第一抱持体1及び第二抱持体2はそれぞれ円形断面の単管Dを抱持することができるように円弧状に形成している。また、ベース部材6の軸7と8の間、すなわち図面では枡状に形成されるベース部材6の単管Dが当接する部分(図示例では上辺と下辺)を円弧状の当接面6a,6aとして形成している。これにより、図2に示すように、第一抱持体1、第二抱持体2及びベース部材6の三部品で単管Dの外周を抱持することが可能となるもである。
【0014】
抱持体1は図1及び図7から理解できるように、中心角180度弱の円弧状とし、先端から円周方向の切り込みによって横幅を三分割し、その中心に位置する部分を締め付け部1a、左右両側に位置する部分を押え部1b,1bとしている。中心に位置する締め付け部1aは、先端から一定範囲を切除して短く形成し、その先端にラチェットギア4を装着している。ラチェットギア4は、手指によるレバー3の往復運動によって一定方向に回転駆動することができるものであり、切り替え手段12によって逆方向に回転駆動させることができるようにしたものである。
【0015】
抱持体2は、抱持体1と同じように中心角180度弱の円弧状とし、円周方向の切り込みによって横幅を三分割し、その中心に位置する部分を締め付け部2a、左右両側に位置する部分を押え部2b,2bとしている。中心に位置する締め付け部2aは、その両側に位置する押え部2b,2bよりも僅かに短く形成し、その表面に前記第一抱持体1に設けたラチェットギア4に噛合するラック5を、先端から円周方向に配置している。
【0016】
上記構造の単管クランプによって単管Dを固定するには、図4に示すように第一抱持体1と第二抱持体2を開放した状態で、円弧状に形成したベース部材6の当接面6aに単管Dを当接させ、第一抱持体1と第二抱持体2を閉じることによって単管Dを抱持する。第一抱持体1と第二抱持体2を閉じるに際し、第一抱持体1の締め付け部1a先端のラチェットギア4が第二抱持体2の締め付け部2aに形成されたラック5の上になるようにするとともに、第一抱持体1の押え部1aの上に第二抱持体2の押え部2bが入り込むように閉じる。
【0017】
すなわち、第一抱持体1の締め付け部1aは、単管Dに接する押え部1bよりも浮き上がる形状であるとともに、第二抱持体2の押え部2bは、単管に接する締め付け部2bよりも浮き上がる形状となっている。すなわち、ラチェットギア4とラック5が噛合する状態で第一抱持体1の押え部1bの上に第二抱持体2の押え部2bが覆い被さり、第一抱持体1が不用意に浮き上がって、ラチェットギア4とラック5の噛合が外れないようになる。
【0018】
第一抱持体1と第二抱持体2を閉じ、ラチェットギア4とラック5を噛合させた状態で、図2に矢印で示すようにレバー3を手指で掴んで左右方向に動かす。レバー3を図面上の左方向に動かすと、ラチェットギアが左方向に回動し、図3に示すようにラチェッとギア4がラック5と噛合していることから第一抱持体1と第二抱持体2が単管Dを締め付け、レバー3を右方向に動かすときはレバー3とラチェッとギア4は空転する。したがって、レバー3を手で掴んで左右に動かすことによって単管Dは、第一抱持体1と第二抱持体2によってしっかりと締め付け固定することができる。
【0019】
締め付け作業が完了すれば、図3に矢印で示すようにレバー3を倒せば、レバー3が第一抱持体1の表面に沿うように倒される。そのため、締め付け作業後のレバー3を倒しておくことによって、施工後においてレバーが邪魔にならないようにすることができる。換言すれば、レバー3の形状は倒したときに第一抱持体の表面に沿うように、第一抱持体1の外周面の曲率と同じ程度の曲率である円弧状としている。
【0020】
なお、図7に示すように第一抱持体1の表面に凹部11を形成しておき、倒したレバー3が凹部11に嵌り込むようにしておくと、固定状態の単管クランプのレバー3に、例えば作業者の衣服が引っ掛かるといった可能性をより少なくすることができる。さらに、図7に示す実施形態では、第一抱持体1の表面にラチェットギア4を軸支するために一対の支持壁13,14を立設しているが、倒したレバー3の上面が支持壁13,14の上縁から突出しないようにすることによって、支持壁13,14をレバー3の保護壁として機能させ、衣服に引っ掛かって不用意にレバー3が作動されてしまうようなことをより確実に防止することができる。
【0021】
以上述べた、単管Dを固定している状態では、図5に示すように中央に位置する締め付け部の領域において、第一抱持体1の締め付け部1aが第二抱持体2の締め付け部2aの上にあって、ラック5とラチェットギア4が噛合していると同時に左右両側の領域においては、第一抱持体1の押え部1bの上に第二抱持体2の押え部2bが位置し、押え部1bの浮き上がりを防止しているため、確実に締め付け作業を行なうことができるとともに、締め付け状態を安全に維持することができる。なお、図示実施形態においては、押え部1b,2bは、その断面形状を突弧状に形成し強度を向上させていると同時に、押え部2bの両側端を円弧の中心方向に折曲形成し、その先端が押え部1bに当接するようにし、十分な押圧効果を得ることができるようにしている。現実問題として、押え部2bと1bのクリアランスXはできるだけ少ないほうが、ガタツキを無くする上において好ましい。
【0022】
単管に固定されている単管クランプを取り外す場合は、切り替え手段12によってラチェットギア4の回転方向を変更し、手指でレバー3を起こして左右方向に動かすと、前記単管クランプを締め付け固定する場合とは逆に、図2に示す状態においてレバー3を右方向に動かしたときにラチェットギアが回動し、左方向に動かしたときには空転する。この動作を繰り返すと、第一抱持体1と第二抱持体2は締め付けを緩める方向に広がり、ラチェットギア4とラックの噛合状態が外れ、単管クランプを単管Dから簡単に取り外すことができる。
すなわち、単管クランプを締め付け固定する場合も、単管クランプを取り外す場合も、スパナやレンチといった締め付け工具を使用することなく施工することが可能となる。
【0023】
第一抱持体1のラチェットギア4に設けるラチェット機構は、種々公知の構造を採用することが可能であるが、図6にその一例を示している。図6に示す実施例では、ラチェットギア4が軸支されている支持軸と同軸上にレバー3が軸支されているとともに、レバー3の先端部分にはシーソー式に揺動可能であって、バネ17によって付勢される作動杆16を配置している。作動杆16には二箇所にラチェットギアに係合する突起18,19が形成されており、一方の突起19がラチェットギアに係合する状態では、レバー3を往復動させることによって締め付け方向の回動に対してラチェットギア4を駆動し、緩める方向の回動に対してはラチェットギア4を空転させる。作動杆16を手指で回動させ、他方の突起18をラチェットギア4に係合させると、前記場合とは逆に締め付けを緩める方向の回動に対し手ラチェットギア4が駆動され、締め付け方向の回動に対して空転する。
【0024】
図示実施形態においては、第一抱持体1及び第二抱持体2を幅方向に三分割し、その中心に位置する部分を締め付け部1a,2a、左右両側を押え部1b,2bとしているが、三分割以外に例えば二分割とし、一方の領域を締め付け部、他方の領域を押え部とすることもできる。また、4以上の領域に分割するものであってもよい。その場合、第一抱持体と第二抱持体は、その先端部分が上下交互に位置し、全体がなるべく均等に押えられ、部分的な浮き上がりを防止するような構造とすることができる。
【0025】
以上、本発明に係る単管クランプの基本構成について説明したが、図1ないし図4には二つの単管クランプのベース部材6を連結部材9で回動自在に連結実施形態を示している。この実施形態では、図10に示す従来品と同様、交差方向の二つの単管を固定するために利用することができる。このような形態の単管クランプは、単管を縦横に配置する場合の交差部分の連結手段として利用し、主としてパイプ足場の組立てに利用することができる。この場合に、従来のように締め付け工具を使用することなく施工することが可能となるものである。
【0026】
特に、二つの単管クランプの締め付け作業は、異なる方向から行なうことになるため、いずれか一方の締め付けに際して工具を使用しにくい状況が発生し勝ちであるが、本発明においてはいずれの単管クランプも締め付け工具を使用することなく、容易に締め付け作業を行なうことができ、能率的な作業を行なうことができるものである。
【0027】
ベース部材6と第一抱持体1及び第二抱持体2で構成する単管クランプはこれを単体で供給し、単管に取付けるべき各種部材の一部にベース部材を固定して利用することができる。
図9に示す実施形態は、単管に取付けるべき部材10の一部10aに第一抱持体1及び第二抱持体2を軸着した実施形態を示している。換言すれば、部材10にクランプのためのベース部分を形成する思想を示している。このような実施形態は、例えばパイプ足場に固定することを前提とする足場板受け金具、その他取り付け金具の構造として利用することができる。
【0028】
以上に説明した実施形態の単管クランプは、第一抱持体1と第二抱持体2及びベース部材6又はベース部材に相当する部材の三者で単管を抱持させるものである。そのため、第一抱持体1と第二抱持体2による単管の抱持角度を、180度よりも遥かに小さな角度として実施することができるため、締め付け部1a,2a及び押え部1a,1bにおける重なり代を考慮しても、第一抱持体1及び第二抱持体2を中心角180度以内で形成し、単管を抱き込む作業がし易い構造の単管クランプを提供することができる。
【0029】
しかしながら、本発明は、従来の単管クランプと同様に第一抱持体1と第二抱持体2の二つの部品で構成することも可能である。この場合、締め付け部1a,2a及び押え部1b,2bの重なり代を幾分少なくし、かつ重なり部分を径方向に浮き上がらせて形成することによって、第一抱持体1と第二抱持体2の中心角が180度以上となるように形成するものであっても、支障なく単管に抱持させることができるためである。
【0030】
【発明の効果】
請求項1記載の本発明単管クランプによれば、従来は必ず締め付け工具を必要とした単管クランプの取り付けや取り外しの作業を、スパナやレンチなどの締め付け工具を使用することなく行なうことができる。そのため、従来の単管クランプを使用する場合に比較して、例えばパイプ足場の組立て作業を能率的に短時間で行なうことが可能となる。このことは、作業者が余分な工具を携行する必要がないとともに、従来人身事故にもつながっていた、工具を落下させるといった不測の事故を回避することができ極めて安全である。
さらに、従来の単管クランプでは、締め付けるためのボルト先端が、クランプから突出することを避けることができず、作業者の衣服に引っ掛かるなどの危険性があったが、本発明ではボルトが突出せず極めて安全である。
【0031】
請求項2記載の発明によれば、全体の基本構成をベース部材と第一抱持体及び第二抱持体の三部品で構成するため、第一抱持体及び第二抱持体はいずれも重なり代を考慮しても、中心角度が180度以内の円弧状として形成することができるため、単管を抱持させる作業に支障を来たすことがないとともに、十分な重なり代を確保し、より確実に単管を固定することができ安全な商品を実現することができる。
【0032】
請求項3記載の発明によれば、二つの単管クランプのベース部材どうしを軸支することによって、一対の単管クランプの方向を変えて、交差方向の単管を確実にしかも締め付け工具を使用することなく固定することができる。したがって、従来は作業条件によって締め付け工具を取り扱いにくいような狭い場所などにおいても、交差方向の単管の双方を締め付け固定することが可能となり、作業条件の悪い場所での足場の組立てなどを、より能率的かつ安全に行なうことができる効果がある。
【0033】
請求項4記載の発明によれば、単管に取付けるべき部材の一部をクランプの構成部分として、締め付け工具を必要としないでパイプなどの単管にしっかりと確実に取り付け固定することができる、クランプ付きの部材を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る単管クランプの実施形態を示す斜視図、
【図2】本発明に係る単管クランプの実施形態を示す正面図、
【図3】本発明に係る単管クランプの実施形態であって一部を縦断した正面図、
【図4】本発明に係る単管クランプの実施形態であって抱持体を開いた状態を示す、一部縦断の正面図、
【図5】単管クランプを単管に取り付けた状態を示す従断面図、
【図6】本発明に係る単管クランプの締め付け構造部分のみの拡大断面図、
【図7】本発明に係る単管クランプの第一抱持体の斜視図、
【図8】本発明に係る単管クランプの第二抱持体の斜視図、
【図9】単管に取付けるべき部材の一部に単管クランプを形成する本発明に係る単管クランプの実施形態を示す正面図、
【図10】従来の単管クランプの一例を示す一部縦断の正面図。
【符号の説明】
1…第一抱持体、 2…第二抱持体、 1a,2a…締め付け部、 1b,2b…押え部、 3…レバー、 4…ラチェットギア、 5…ラック、 6…ベース部材、 6a…当接面、 7,8…支持軸、 9…連結部材、 10…部材、 11…凹部、 12…切り替え手段、 13,14…支持壁、 15…支持軸、 16…作動杆、 17…バネ、18,19…突起。
Claims (5)
- 一端が軸支される第一抱持体と第二抱持体によって単管を抱持させ、該第一抱持体と第二抱持体を締め付けることによって単管を固定する単管クランプにおいて、
第一抱持体及び第二抱持体はそれぞれ幅方向を複数の領域に区画し先端から一定の範囲を円周方向に分離させ、分離させた領域の一つを締め付け部、残りの領域を押え部とし、
第一抱持体の押え部の先端部分にレバーによって一方向にのみ回転駆動をすることができ切り替え操作によって逆回転が可能なラチェットギアを設けるとともに第二抱持体の締め付け部に前記ラチェットギアに噛合するラックを形成し、
第二抱持体の締め付け部の上に第一抱持体の締め付け部を位置させて、第一抱持体の先端部分に配置したラチェットギアと第二抱持体のラックを噛合させ、レバー操作によって第一抱持体と第二抱持体の締め付けを行い、該締め付け状態において第一抱持体の押え部の上に第二抱持体の押え部が位置し、前記第一抱持体のラチェットギアと第二抱持体のラックの係合状態を維持するようにしたことを特徴とする単管クランプ。 - 単管クランプをベース部材と第一抱持体及び第二抱持体の三部品で構成し、ベース部材の左右対向位置に第一抱持体と第二抱持体を軸支し、ベース部材と第一抱持体及び第二抱持体の三部品で単管を固定することを特徴とする請求項1記載の単管クランプ。
- 二つのベース部材を背中合わせに重ね、該重ね合わせたベース部材を貫通させて軸支し、それぞれのベース部材に第一抱持体及び第二抱持体を装着することによって交差方向に配置される二つの単管をそれぞれ抱持させることを特徴とする請求項2記載の単管クランプ。
- 単管に取り付けるべき部材に第一抱持体と第二抱持体を軸着し、該軸着した第一抱持体と第二抱持体及び単管に取り付けるべき部材の一部で単管を抱持させることを特徴とする請求項1記載の単管クランプ。
- 第一抱持体の表面に凹部を形成し、ラチェットギアを駆動するレバーを倒したときに該レバーが前記凹部に嵌り込み、レバー表面が第一抱持体の表面から突出しないことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の単管クランプ。
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