JP2004238348A - 経口投与用イトラコナゾール製剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】生物学的利用率の高いイトラコナゾール製剤の開発、及びかかる製剤の効率的、かつ、安価な製造方法を開発する。
【解決手段】ケイ酸又はその塩からなる芯物質に、塩化メチレン等に溶解したイトラコナゾール溶液をスプレードライ法あるいは溶融法等の方法により、イトラコナゾールが芯物質に吸着及び/又は被覆してなる生物学的利用率が改善された経口投与用イトラコナゾール細粒、及びかかる細粒から顆粒、錠剤及びカプセル剤を製造した。
【選択図】 図1
【解決手段】ケイ酸又はその塩からなる芯物質に、塩化メチレン等に溶解したイトラコナゾール溶液をスプレードライ法あるいは溶融法等の方法により、イトラコナゾールが芯物質に吸着及び/又は被覆してなる生物学的利用率が改善された経口投与用イトラコナゾール細粒、及びかかる細粒から顆粒、錠剤及びカプセル剤を製造した。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、イトラコナゾールをケイ酸又はその塩に吸着あるいは被覆せしめた生物学的利用率が改善された経口投与用イトラコナゾール製剤に関する。
【0002】
【背景技術】
イトラコナゾール(itraconazole)は、皮膚糸状菌、カンジダ属、アラマセチア属、アスペルギルス属、クリプトコックス属等に由来する内臓真菌症、皮膚真菌症、あるいは白癬症等の治療薬として有用な医薬品である。しかし、イトラコナゾールは、極めて水に難溶性の化合物であるため、そのままでは、溶けやすいとされるPH1.2の酸性溶液においても、その溶出率は1.5%(2hrs.)程度と低く、その生物学的利用率(bioavailability)も極めて低い。そこで、溶解性あるいは生物学的利用率を高めるための改良・工夫が種々なされており、その成果として、最近においても下記の如き各種経口投与用製剤に関する多くの特許出願がなされている。
【0003】
イトラコナゾールを部分的にエーテル化したβ−またはγ−シクロデキストリンの包接化合物とすることによって溶解性および安定性を改善したもの(例えば、特許文献1、2参照)、難溶性の抗真菌剤と親水性(水溶性)のポリマーとからなる固体分散体あるいは難溶性の抗真菌剤と親水性のポリマーを含有する組成物を球状の芯材に被覆して生物学的利用率を高めたもの(例えば、特許文献3、4、5、6参照)、また、イトラコナゾールの結晶化度を結晶性から無定形に変化させて水溶解度および溶解速度を高めた経口投与用組成物(例えば、特許文献7参照)などが提案されている。
また、この他に、粒径0.5〜10μmの無機又は有機物質の芯材に抗菌剤、水溶性高分子及び溶解剤を含有する組成物を被覆することによって薬物の放出性および経皮吸収性を高めた外用剤の提案もなされている(例えば、特許文献8参照)。
【0004】
【特許文献1】
特公平5−70612号公報
【特許文献2】
特許第2562809号公報
【特許文献3】
国際公開01/41765号パンフレット
【特許文献4】
特表平11−509238号公報
【0005】
【特許文献5】
特表2001−527044号公報
【特許文献6】
特許第2865869号公報
【特許文献7】
特表2002−504930号公報
【特許文献6】
特許第3124106号公報
以上のように、イトラコナゾールは、抗菌剤として優れている医薬であるにも拘わらず、結晶のままでは、水、さらには酸に対しても極めて溶け難く、生物学的利用率が低いことから、その製剤についての様々な改良・工夫がなされてきている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、生物学的利用率の高いイトラコナゾール製剤の開発、およびかかる製剤を、効率的、かつ安価に製造することができる製剤化方法を開発することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意研究を進めた結果、イトラコナゾールをケイ酸あるいはその塩に吸着あるいは被覆しただけの細粒が、上記従来の各種イトラコナゾール製剤と同等もしくはそれ以上の生物学的利用率を有することを見出した。
すなわち、本発明は、ケイ酸又はその塩を芯物質とし、イトラコナゾールを吸着及び/又は被覆してなることを特徴とする生物学的利用率が改善された新規な経口投与用イトラコナゾール細粒剤、及びかかる細粒剤を含有する顆粒剤、錠剤及びカプセル剤を提供するものである。
以下、本発明を詳細に説明する。
【0008】
イトラコナゾールは、白色の粉末で、塩化メチレンに溶解するが、アルコール類、アセトン系溶媒、水等にはほとんど溶けない化合物である。従来の可溶化あるいは溶解速度を速める方法として、前記のように、親水性ポリマー及び塩化メチレン等の溶剤を用いて非晶質化したものが多い(例えば、特許文献3参照)。本発明は、このような親水性ポリマー及び溶剤を用いることなく、イトラコナゾールの生物学的利用率(bioavailability)を高めることに成功したものである。
本発明において芯物質として用いるケイ酸もしくはその塩は、医薬品あるいはその添加剤としても用いられている人に安全な物質であり、特に多孔質のケイ酸カルシウムが安全性および取り扱い易さの点から芯材として好適である。その粒径は10〜80μm、好ましくは11〜40μmである。
【0009】
また、本発明の経口投与用イトラコナゾール細粒は、一般に医薬品製剤の製造に利用されている公知の被覆法により製造することができ、特に限定されない。通常、塩化メチレン等に溶解したイトラコナゾール溶液を、スプレードライ法、流動層造粒法、あるいは混合乾燥法により、芯材のケイ酸又その塩に吸着及び/又は被覆せしめる方法、あるいはケイ酸又はその塩とイトラコナゾールとの混合物を加熱溶融した後、溶融物を冷却して細粒とする方法などが採用される。これらの被覆法により、通常粒径が20〜50μm程度の細粒として得られる。
【0010】
そして、本発明の製剤を製造する方法としては、顆粒剤については、湿式造粒法(撹拌造粒、転動造粒、押出し造粒、流動層造粒)、乾式造粒法などが用いられ、錠剤については、内容物を顆粒にしてから打錠する方法や、イトラコナゾール吸着/被覆細粒と他の添加物とを混合して、直接打錠法により、打錠する方法などが挙げられる。また、カプセル剤についても、顆粒にしてカプセルに充填する方法や、イトラコナゾール吸着/被覆細粒と他の添加物とを混合して、これをカプセルに充填する方法などが挙げられる。
【0011】
また、本発明の製剤には、一般に用いられている賦形剤、結合剤、崩壊剤等の添加剤を適宜添加できるほか、フィルムや糖衣などのコーティングを施すことができる。
具体的には、賦形剤としては、一般的に用いられている、とうもろこしデンプンやバレイショデンプン、乳糖や結晶性セルロースなどのほか、芯物質と同じケイ酸あるいはケイ酸カルシウムなどが挙げられる。結合剤としては、カルメロースナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリエチレングリコール、ゼラチンなどが挙げられる。崩壊剤としては、バレイショデンプン、クロスカルメロースナトリウム、カルメロースカルシウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドンなどが挙げられる。フィルムコーティング用の高分子基剤としては、グリセリン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールなどが挙げられる。
また、その他、必要により、人工甘味料、着色料、香料などの添加剤を加えることも任意である。
【0012】
【実施例】
次に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
【0013】
実施例1:(細粒の製造)
イトラコナゾール1重量部に対して多孔質ケイ酸カルシウム0.5重量部を混合し、窒素雰囲気下でイトラコナゾールを170℃、2時間加熱した後、冷却し、ケイ酸カルシウムからなる芯物質にイトラコナゾールが吸着又は被覆された細粒を得た。
この細粒75mgを日本薬局方溶出試験法に従い、日局崩壊試験法第1液(pH1.2)で50回転毎分にてパドル法により溶出試験を実施したところ6時間後の溶出率は97%以上であった。
【0014】
実施例2:(錠剤の製造)
実施例1に記載の細粒を用いて下記処方により、細粒75mgを含有する錠剤を製造した。
この錠剤について、同様に溶出試験を実施したところ、6時間後の溶出率は99〜101%であった。
処方例1:イトラコナゾール錠
主 薬 イトラコナゾール細粒 75mg
結合剤 乳糖 25mg
崩壊剤 クロスカルメロースナトリウム 50mg
全量 150mg
【0015】
実施例3:(カプセル剤の製造)
実施例1に記載の細粒を用いて下記処方により、カプセル剤を製造した。このカプセル剤について、同様に溶出試験を実施したところ、6時間後の溶出率は82〜89%であった。
処方例2:
主 薬 イトラコナゾール細粒 75mg
結合剤 乳糖 20mg
賦形剤 多孔質ケイ酸カルシウム 5mg
崩壊剤 クロスカルメロースナトリウム 50mg
全量 150mg
【0016】
実施例4:(顆粒の製造1)
実施例1に記載の細粒を用いて下記処方の混合物に水を加えながら、撹拌造粒を行ないイトラコナゾール細粒を含む顆粒を製造した。
処方例3:
主 薬 イトラコナゾール細粒 75mg
賦形剤 カルメロースCa 20mg
結合剤 ヒドロキシプロピルセルロース 3.5mg
崩壊剤 クロスカルメロースNa 20mg
滑沢剤 ステアリン酸Mg 1.5mg
全量 120mg
【0017】
実施例5:(顆粒の製造2)
実施例4と同様にして下記処方からなる顆粒を製造した。
処方例4:
主 薬 イトラコナゾール細粒 75mg
賦形剤 乳糖 21.5mg
結合剤 マクロゴール 2mg
崩壊剤 クロスカルメロースNa 20mg
滑沢剤 ステアリン酸Mg 1.5mg
全量 120mg
【0018】
実施例6:(顆粒の製造3)
実施例4と同様にして下記処方からなる顆粒を製造した。
処方例4:
主 薬 イトラコナゾール細粒 75mg
賦形剤 カルメロースCa 20.5mg
結合剤 ヒドロキシプロピルセルロース 3.5mg
崩壊剤 クロスカルメロースNa 20mg
滑沢剤 ステアリン酸Mg 1.5mg
全量 120mg
【0019】
【表1】
溶出試験結果(溶出率(%))
【0020】
【発明の効果】
以上のように、本発明は、ケイ酸又その塩とイトラコナゾールとの組み合わせにより、非晶質イトラコナゾール単独よりも優れ、また、従来のイトラコナゾールに親水性ポリマー等を含有せしめた製剤と同等もしくはそれ以上の生物学的利用率を持つ製剤を得ることに成功したものである。従って、本発明のイトラコナゾール製剤は医薬品として極めて高い実用的価値を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、イトラコナゾ−ルの溶出試験の結果をグラフ化した図である。
【産業上の利用分野】
本発明は、イトラコナゾールをケイ酸又はその塩に吸着あるいは被覆せしめた生物学的利用率が改善された経口投与用イトラコナゾール製剤に関する。
【0002】
【背景技術】
イトラコナゾール(itraconazole)は、皮膚糸状菌、カンジダ属、アラマセチア属、アスペルギルス属、クリプトコックス属等に由来する内臓真菌症、皮膚真菌症、あるいは白癬症等の治療薬として有用な医薬品である。しかし、イトラコナゾールは、極めて水に難溶性の化合物であるため、そのままでは、溶けやすいとされるPH1.2の酸性溶液においても、その溶出率は1.5%(2hrs.)程度と低く、その生物学的利用率(bioavailability)も極めて低い。そこで、溶解性あるいは生物学的利用率を高めるための改良・工夫が種々なされており、その成果として、最近においても下記の如き各種経口投与用製剤に関する多くの特許出願がなされている。
【0003】
イトラコナゾールを部分的にエーテル化したβ−またはγ−シクロデキストリンの包接化合物とすることによって溶解性および安定性を改善したもの(例えば、特許文献1、2参照)、難溶性の抗真菌剤と親水性(水溶性)のポリマーとからなる固体分散体あるいは難溶性の抗真菌剤と親水性のポリマーを含有する組成物を球状の芯材に被覆して生物学的利用率を高めたもの(例えば、特許文献3、4、5、6参照)、また、イトラコナゾールの結晶化度を結晶性から無定形に変化させて水溶解度および溶解速度を高めた経口投与用組成物(例えば、特許文献7参照)などが提案されている。
また、この他に、粒径0.5〜10μmの無機又は有機物質の芯材に抗菌剤、水溶性高分子及び溶解剤を含有する組成物を被覆することによって薬物の放出性および経皮吸収性を高めた外用剤の提案もなされている(例えば、特許文献8参照)。
【0004】
【特許文献1】
特公平5−70612号公報
【特許文献2】
特許第2562809号公報
【特許文献3】
国際公開01/41765号パンフレット
【特許文献4】
特表平11−509238号公報
【0005】
【特許文献5】
特表2001−527044号公報
【特許文献6】
特許第2865869号公報
【特許文献7】
特表2002−504930号公報
【特許文献6】
特許第3124106号公報
以上のように、イトラコナゾールは、抗菌剤として優れている医薬であるにも拘わらず、結晶のままでは、水、さらには酸に対しても極めて溶け難く、生物学的利用率が低いことから、その製剤についての様々な改良・工夫がなされてきている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、生物学的利用率の高いイトラコナゾール製剤の開発、およびかかる製剤を、効率的、かつ安価に製造することができる製剤化方法を開発することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意研究を進めた結果、イトラコナゾールをケイ酸あるいはその塩に吸着あるいは被覆しただけの細粒が、上記従来の各種イトラコナゾール製剤と同等もしくはそれ以上の生物学的利用率を有することを見出した。
すなわち、本発明は、ケイ酸又はその塩を芯物質とし、イトラコナゾールを吸着及び/又は被覆してなることを特徴とする生物学的利用率が改善された新規な経口投与用イトラコナゾール細粒剤、及びかかる細粒剤を含有する顆粒剤、錠剤及びカプセル剤を提供するものである。
以下、本発明を詳細に説明する。
【0008】
イトラコナゾールは、白色の粉末で、塩化メチレンに溶解するが、アルコール類、アセトン系溶媒、水等にはほとんど溶けない化合物である。従来の可溶化あるいは溶解速度を速める方法として、前記のように、親水性ポリマー及び塩化メチレン等の溶剤を用いて非晶質化したものが多い(例えば、特許文献3参照)。本発明は、このような親水性ポリマー及び溶剤を用いることなく、イトラコナゾールの生物学的利用率(bioavailability)を高めることに成功したものである。
本発明において芯物質として用いるケイ酸もしくはその塩は、医薬品あるいはその添加剤としても用いられている人に安全な物質であり、特に多孔質のケイ酸カルシウムが安全性および取り扱い易さの点から芯材として好適である。その粒径は10〜80μm、好ましくは11〜40μmである。
【0009】
また、本発明の経口投与用イトラコナゾール細粒は、一般に医薬品製剤の製造に利用されている公知の被覆法により製造することができ、特に限定されない。通常、塩化メチレン等に溶解したイトラコナゾール溶液を、スプレードライ法、流動層造粒法、あるいは混合乾燥法により、芯材のケイ酸又その塩に吸着及び/又は被覆せしめる方法、あるいはケイ酸又はその塩とイトラコナゾールとの混合物を加熱溶融した後、溶融物を冷却して細粒とする方法などが採用される。これらの被覆法により、通常粒径が20〜50μm程度の細粒として得られる。
【0010】
そして、本発明の製剤を製造する方法としては、顆粒剤については、湿式造粒法(撹拌造粒、転動造粒、押出し造粒、流動層造粒)、乾式造粒法などが用いられ、錠剤については、内容物を顆粒にしてから打錠する方法や、イトラコナゾール吸着/被覆細粒と他の添加物とを混合して、直接打錠法により、打錠する方法などが挙げられる。また、カプセル剤についても、顆粒にしてカプセルに充填する方法や、イトラコナゾール吸着/被覆細粒と他の添加物とを混合して、これをカプセルに充填する方法などが挙げられる。
【0011】
また、本発明の製剤には、一般に用いられている賦形剤、結合剤、崩壊剤等の添加剤を適宜添加できるほか、フィルムや糖衣などのコーティングを施すことができる。
具体的には、賦形剤としては、一般的に用いられている、とうもろこしデンプンやバレイショデンプン、乳糖や結晶性セルロースなどのほか、芯物質と同じケイ酸あるいはケイ酸カルシウムなどが挙げられる。結合剤としては、カルメロースナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリエチレングリコール、ゼラチンなどが挙げられる。崩壊剤としては、バレイショデンプン、クロスカルメロースナトリウム、カルメロースカルシウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドンなどが挙げられる。フィルムコーティング用の高分子基剤としては、グリセリン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールなどが挙げられる。
また、その他、必要により、人工甘味料、着色料、香料などの添加剤を加えることも任意である。
【0012】
【実施例】
次に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
【0013】
実施例1:(細粒の製造)
イトラコナゾール1重量部に対して多孔質ケイ酸カルシウム0.5重量部を混合し、窒素雰囲気下でイトラコナゾールを170℃、2時間加熱した後、冷却し、ケイ酸カルシウムからなる芯物質にイトラコナゾールが吸着又は被覆された細粒を得た。
この細粒75mgを日本薬局方溶出試験法に従い、日局崩壊試験法第1液(pH1.2)で50回転毎分にてパドル法により溶出試験を実施したところ6時間後の溶出率は97%以上であった。
【0014】
実施例2:(錠剤の製造)
実施例1に記載の細粒を用いて下記処方により、細粒75mgを含有する錠剤を製造した。
この錠剤について、同様に溶出試験を実施したところ、6時間後の溶出率は99〜101%であった。
処方例1:イトラコナゾール錠
主 薬 イトラコナゾール細粒 75mg
結合剤 乳糖 25mg
崩壊剤 クロスカルメロースナトリウム 50mg
全量 150mg
【0015】
実施例3:(カプセル剤の製造)
実施例1に記載の細粒を用いて下記処方により、カプセル剤を製造した。このカプセル剤について、同様に溶出試験を実施したところ、6時間後の溶出率は82〜89%であった。
処方例2:
主 薬 イトラコナゾール細粒 75mg
結合剤 乳糖 20mg
賦形剤 多孔質ケイ酸カルシウム 5mg
崩壊剤 クロスカルメロースナトリウム 50mg
全量 150mg
【0016】
実施例4:(顆粒の製造1)
実施例1に記載の細粒を用いて下記処方の混合物に水を加えながら、撹拌造粒を行ないイトラコナゾール細粒を含む顆粒を製造した。
処方例3:
主 薬 イトラコナゾール細粒 75mg
賦形剤 カルメロースCa 20mg
結合剤 ヒドロキシプロピルセルロース 3.5mg
崩壊剤 クロスカルメロースNa 20mg
滑沢剤 ステアリン酸Mg 1.5mg
全量 120mg
【0017】
実施例5:(顆粒の製造2)
実施例4と同様にして下記処方からなる顆粒を製造した。
処方例4:
主 薬 イトラコナゾール細粒 75mg
賦形剤 乳糖 21.5mg
結合剤 マクロゴール 2mg
崩壊剤 クロスカルメロースNa 20mg
滑沢剤 ステアリン酸Mg 1.5mg
全量 120mg
【0018】
実施例6:(顆粒の製造3)
実施例4と同様にして下記処方からなる顆粒を製造した。
処方例4:
主 薬 イトラコナゾール細粒 75mg
賦形剤 カルメロースCa 20.5mg
結合剤 ヒドロキシプロピルセルロース 3.5mg
崩壊剤 クロスカルメロースNa 20mg
滑沢剤 ステアリン酸Mg 1.5mg
全量 120mg
【0019】
【表1】
溶出試験結果(溶出率(%))
【0020】
【発明の効果】
以上のように、本発明は、ケイ酸又その塩とイトラコナゾールとの組み合わせにより、非晶質イトラコナゾール単独よりも優れ、また、従来のイトラコナゾールに親水性ポリマー等を含有せしめた製剤と同等もしくはそれ以上の生物学的利用率を持つ製剤を得ることに成功したものである。従って、本発明のイトラコナゾール製剤は医薬品として極めて高い実用的価値を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、イトラコナゾ−ルの溶出試験の結果をグラフ化した図である。
Claims (5)
- ケイ酸又はその塩を芯物質とし、イトラコナゾールを吸着及び/又は被覆してなることを特徴とする生物学的利用率が改善された経口投与用イトラコナゾール細粒。
- ケイ酸又はその塩が、ケイ酸カルシウムである請求項1に記載の経口投与用イトラコナゾール細粒。
- 請求項1または請求項2に記載の経口投与用イトラコナゾール細粒を含有する経口投与用イトラコナゾール顆粒剤。
- 請求項1または請求項2に記載の経口投与用イトラコナゾール細粒を含有する経口投与用イトラコナゾール錠剤。
- 請求項1または請求項2に記載の経口投与用イトラコナゾール顆粒もしくは請求項3に記載の経口用イトラコナゾール顆粒を含有する経口投与用イトラコナゾールカプセル剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003030790A JP2004238348A (ja) | 2003-02-07 | 2003-02-07 | 経口投与用イトラコナゾール製剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003030790A JP2004238348A (ja) | 2003-02-07 | 2003-02-07 | 経口投与用イトラコナゾール製剤 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004238348A true JP2004238348A (ja) | 2004-08-26 |
Family
ID=32957585
Family Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2003030790A Pending JP2004238348A (ja) | 2003-02-07 | 2003-02-07 | 経口投与用イトラコナゾール製剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004238348A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006143683A (ja) * | 2004-11-24 | 2006-06-08 | Kaken Pharmaceut Co Ltd | イトラコナゾール経口投与用製剤 |
WO2008079260A2 (en) * | 2006-12-22 | 2008-07-03 | Schering Corporation | Disintegration promoters in solid dose wet granulation formulations |
WO2009113522A1 (ja) | 2008-03-11 | 2009-09-17 | あすか製薬株式会社 | 固体分散体とその医薬組成物、並びにそれらの製造方法 |
-
2003
- 2003-02-07 JP JP2003030790A patent/JP2004238348A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006143683A (ja) * | 2004-11-24 | 2006-06-08 | Kaken Pharmaceut Co Ltd | イトラコナゾール経口投与用製剤 |
WO2008079260A2 (en) * | 2006-12-22 | 2008-07-03 | Schering Corporation | Disintegration promoters in solid dose wet granulation formulations |
WO2008079260A3 (en) * | 2006-12-22 | 2008-09-25 | Schering Corp | Disintegration promoters in solid dose wet granulation formulations |
WO2009113522A1 (ja) | 2008-03-11 | 2009-09-17 | あすか製薬株式会社 | 固体分散体とその医薬組成物、並びにそれらの製造方法 |
US8722094B2 (en) | 2008-03-11 | 2014-05-13 | Aska Pharmaceutical Co., Ltd. | Solid dispersion and pharmaceutical composition of the same, and production processes thereof |
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