JP2004237407A - θステージ及びXYθステージ - Google Patents
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Abstract
【課題】回転テーブルを高精度で回転自在に保持した構造簡単なθステージを提供する。
【解決手段】ベース2と回転テーブル3を備えたθステージにおいて、回転テーブル3の下面にコーン状突起5とその外側に広がる平坦面6を設け、ベース2の上面にコーン状突起5に適合する形状のカップ状穴8とその外側に広がる平坦面9を設け、カップ状穴8の側面から流体を供給して、コーン状突起5とカップ状穴8の間及び平坦面6、9間に満たし、その流体で回転テーブルを微小量浮上させ、滑らかに回転可能な構成とする。
【選択図】 図1
【解決手段】ベース2と回転テーブル3を備えたθステージにおいて、回転テーブル3の下面にコーン状突起5とその外側に広がる平坦面6を設け、ベース2の上面にコーン状突起5に適合する形状のカップ状穴8とその外側に広がる平坦面9を設け、カップ状穴8の側面から流体を供給して、コーン状突起5とカップ状穴8の間及び平坦面6、9間に満たし、その流体で回転テーブルを微小量浮上させ、滑らかに回転可能な構成とする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はワークを保持して回転可能な回転テーブルを備えたθステージに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、ワークを保持して回転する回転テーブルを備えたθステージが種々の用途に使用されている。一般に、回転テーブルはボールベアリング、ローラベアリング等によって回転自在に保持されており、特に高精度が要求される場合には、球面軸受状或いは円筒軸受状のエアベアリングを用いる場合もあった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、通常のボールベアリング、ローラベアリング等を用いた場合には、ベアリングのがたつきによる位置決め誤差、摩耗に対するメンテナンスの難しさなどが問題となっていた。また、エアベアリングを用いた場合には、はめ合い精度の高い部品製作が難しいという問題があった。
【0004】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、簡単な機構を用いて回転テーブルを高精度で回転自在に保持した構造のθステージを提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明はかかる課題を解決するため、ベースと、そのベースに回転自在に保持される回転テーブルを備えたθステージにおいて、前記ベースと回転テーブルの互いに向かい合う面の一方に前記回転テーブルの回転軸線を中心とするコーン状突起とその外側に広がる平坦面を設け、他方に前記コーン状突起に適合する形状のカップ状穴とその外側に広がる平坦面を設け、更に、前記回転テーブルを前記ベースに対して微小量浮上させるよう前記コーン状突起とカップ状穴の間及び平坦面間に流体を供給する流体供給手段を設けるという構成としたものである。このように、前記ベースと回転テーブルとに設けているコーン状突起とカップ状穴の間及び平坦面間に流体を供給して、前記回転テーブルを微小量浮上させる構成としたことで、がたつき等のないなめ滑らかな回転を実現できる。しかも、回転テーブルの回転の際、コーン状突起とカップ状穴との間隙が周方向に一定に保持されるため回転テーブルは常に所定の回転軸線上に正確に位置して回転することができ、且つそのコーン状突起とカップ状穴の外側にある平坦面間の間隙も一定に保持されるため回転テーブルはベースに対して正確に平行度を保った状態で回転することができ、高精度位置決めが可能である。また、回転テーブルはベースに対して非接触で回転するため、メンテナンスフリーとなる。更に、回転テーブルをベースに対して支持させる部分の形状が簡単で且つコーン状突起とカップ状穴の擦り合わせ加工も可能であることから製作が容易であり、低コストで製造できる。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明のθステージの基本的な形態は、ベースと、そのベースに回転自在に保持される回転テーブルを備え、前記ベースと回転テーブルの互いに向かい合う面の一方が前記回転テーブルの回転軸線を中心とするコーン状突起とその外側に広がる平坦面を備え、他方が前記コーン状突起に適合する形状のカップ状穴とその外側に広がる平坦面を備えており、更に、前記ベースに対して回転テーブルを微小量浮上させるよう前記コーン状突起とカップ状穴の間及び平坦面間に流体を供給する流体供給手段を備えていることを特徴とするものである。
【0007】
ここで、前記流体供給手段を、前記コーン状突起又はカップ状穴の側面から流体を吹き出して回転テーブルを浮上させる構成とすることが好ましい。この構成とすると、吹き出された流体が周囲に流れてコーン状突起とカップ状穴の外側に形成されている平坦面間を満たすことができ、従って、平坦面間に流体を供給するための別の流体通路を必要とせず、構造を簡略化できる。
【0008】
また、前記ベースと回転テーブルの互いに向かい合う部分のうち、前記コーン状突起及びカップ状穴を形成する部分の材質を金属とし、それ以外の部分の材質を石あるいはセラミックとすることが好ましい。このようにコーン状突起及びカップ状穴を形成する部分の材質を金属、例えば、SUSと真鍮とすると、高精度なすり合わせ加工が容易であり、低コストで製造できる。また、それ以外の部分の材質を石あるいはセラミックとすることにより、平坦面の加工精度を容易に高めることができ、ベースに対して回転テーブルを正確に平行度を保った状態で回転させることができる。
【0009】
また、前記回転テーブルにアームを設置すると共にそのアームを押し引きする駆動手段を設け、回転テーブルを回転させうる構成とすることが好ましい。この構成とすると、駆動手段によって回転テーブルを回転させることができ且つ回転方向(θ方向)の位置決めを行うことができる。ここで、駆動手段として、ピエゾ等のアクチュエータ、マイクロゲージ等の手動機構などの、高分解能での送りを行うことのできる手段を用いることで、回転テーブルを高分解能でθ方向に送ることができ、且つ、高精度でθ方向の位置決めを行うことができる。
【0010】
また、上記したθステージをXYステージに搭載してXY方向に移動可能とすることができ、これによって、回転テーブルを回転させることができると共に水平面内でXY方向に移動させることが可能なXYθステージを得ることができる。
【0011】
以下、図面に示す本発明の好適な実施の形態を説明する。図1は本発明の実施の形態に係るθステージの概略側面、断面図、図2はその概略平面図である。図1、図2において、1はθステージ全体、2はベース、3はそのベース2に、垂直な回転軸線O−Oを中心として回転自在に保持された回転テーブルである。回転テーブル3の上面には、使用目的に応じてワーク(図示せず)を保持する手段(図示せず)が設けられている。回転テーブル3の下面には、回転テーブル3の回転軸線O−Oを中心とするコーン状突起5とその外側に広がる平坦面6が形成されており、ベース2の上面には、回転テーブル3のコーン状突起5に適合する形状のカップ状穴8とその外側に広がる平坦面9が形成されている。ここで、平坦面6、9の高さ方向の位置は、カップ状穴8にコーン状突起5を嵌合させた際、上下の平坦面6、9がほぼ接するように設定されている。回転テーブル3及びベース2のコーン状突起5及びカップ状穴8を形成している領域は、金属材料の部材11、12で形成されており、且つコーン状突起5及びカップ状穴8の表面は擦り合わせなどによって、両者が正確に接触しうるように高精度に仕上げ加工されている。この部材11、12を金属製としたことで擦り合わせ加工を容易に行うことができ、コストダウンを図ることができる。部材11、12の好ましい材料としては、部材11にSUSを用い、部材12に真鍮を用いる場合を例示できる。また、回転テーブル3及びベース2の、部材11、12以外の部分は石あるいはセラミックで作られており、平坦面6、9も高精度に仕上げ加工されている。平坦面6、9を形成する部分を石またはセラミックとしたことで、平坦面の加工精度を容易に高めることができ、上下の平坦面6、9間の高い平行度を確保できる。ベース2には、カップ状穴8の側面に開口するよう複数のエア噴出用穴13とそれに加圧エアを供給するエア通路14が形成されており、エア通路14には加圧エアを供給する加圧エア源(図示せず)が接続されている。これらの加圧エア源、エア通路14、エア噴出用穴13等は回転テーブル3を浮き上がらせるために回転テーブル3とベース2の間に流体を供給する流体供給手段を構成する。回転テーブル3の側面にはアーム16が設置されており、ベース2には、そのアーム16を押し引きするための駆動手段としてピエゾアクチュエータ17が取り付けられている。
【0012】
上記構成のθステージ1では、ベース2に設けているエア通路14から加圧エアを供給することで、そのエアがエア噴出用穴13から吹き出し、コーン状突起5及びカップ状穴8の間隙及び上下の平坦面6、9の間隙を満たし、回転テーブル3を微小量浮き上がらせて回転可能とすることができる。この際、コーン状突起5とカップ状穴8とが、全周に渡って均一な微小間隙を隔てた状態に保持されるので、回転テーブル5は自動的に所定の回転軸線O−Oを中心として回転可能となり、きわめて正確な位置で回転可能となる。また、回転テーブル3とベース2の平坦面6、9間も全周に渡って均一な微小間隙を隔てた状態に保持されるので、回転テーブル3はベース2に対して正確に平行度を保って回転可能となる。そして、ピエゾアクチュエータ17でアーム16を押し引きすることで、回転テーブル3を高分解能で回転させることができ、且つθ方向に高精度で位置決めすることができる。かくして、このθステージ1は、回転テーブル3上に保持したワークを高分解能でθ方向に送ることができると共に高精度で位置決めすることもでき、そのワークに対する所望の加工、検査等を高精度で行うことができる。このθステージ1の用途は、θ方向の精密な送りや位置決めを要求されるものであれば任意であり、例えば、カラーフィルタ、PDP、EL等の製造のために回転テーブルの上にガラス基板を乗せ、そのガラス基板上に極く薄く材料を塗布する場合、フォトマスク、その他の微細パターン形成等のために回転テーブル上に乗せたガラス基板へのレーザー加工を行う場合、回転テーブル上に乗せたワークに対して各種の検査を行う場合などに使用するのに好適である。
【0013】
なお、上記した実施の形態では、回転テーブル3にコーン状突起5を設け、ベース2にカップ状穴8を設けているが、コーン状突起をベース2に設け、カップ状穴を回転テーブル3に設けるように変更してもよい。また、コーン状突起5及びカップ状穴8の形状は、図示したように、突起の頂点及び穴の最深部まで円錐状としたものに限らず、突起の頂点或いは穴の最深部を平坦とした円錐台状としたものでもよい。また、回転テーブル3を浮上させるための流体として加圧エアを用いているが、これに代えて、油などの液体を用いても良い。更に、上記の実施の形態では、回転テーブル3のアーム16をピエゾアクチュエータ17で押し引きしているが、アーム16を押し引きする駆動手段は適宜変更可能であり、例えば、マイクロメータ等の手動機構を用いても良い。更に、この実施の形態では、アーム16をピエゾアクチュエータ17で押し引きする構成であるので、回転テーブルの回転角度範囲が狭くなるが、θステージの用途によっては、回転角度範囲を大きくすることが望まれる場合もある。その場合には、アーム16とピエゾアクチュエータ17に代えて、適当な回転駆動機構を設けて回転テーブル3を広い角度範囲で、更には360°以上に回転させうる構成としてもよい。
【0014】
図3は本発明の実施の形態に係るXYθステージを示す概略側断面図、図4はその概略平面図である。この実施の形態に係るXYθステージ20は、θステージ1と、そのθステージ1を水平面内でXY方向に移動可能に保持するXYステージ21とを備えている。ここで用いるθステージ1は図1、図2に示すθステージ1と同一構造のものである。XYステージ21は、基台23にエアスライダー等の直動軸受機構を介してX軸方向に移動可能に保持されたX軸移動台24と、そのX軸移動台24をX軸方向に移動させるリニアモータ、モータとボールネジとの組み合わせ等の駆動機構(図示せず)と、X軸移動台24にエアスライダー等の直動軸受機構を介して、X軸に直角なY軸方向に移動可能に保持されたY軸移動台26と、そのY軸移動台26をY軸方向に移動させるリニアモータ、モータとボールネジとの組み合わせ等の駆動機構(図示せず)等を備えており、Y軸移動台26にθステージ1を搭載している。この構成により、回転テーブル3は水平面内でX軸方向、Y軸方向に移動可能であると共に回転軸線O−Oを中心として滑らかに且つ高精度で回転可能である。従って、このXYθステージ20を用いることにより、回転テーブル3に保持させたワークをX軸方向、Y軸方向、θ方向に高精度で移動させることができ、ワークに対する種々な加工や検査を高精度で行うことができる。
【0015】
【発明の効果】
以上のように、本発明のθステージは、回転テーブルを回転自在に保持させる機構として、コーン状突起及びその外側の平坦面と、そのコーン状突起に適合する形状のカップ状穴及びその外側の平坦面とを利用し、両者の間隙を流体で満たすことで回転テーブルを微小量浮上させる機構を採用したことにより、簡単な構造で回転テーブルのがたつき等のない滑らかな且つ一定位置での回転を実現でき、位置決め精度を高めることができると共に製造コスト及びメンテナンスコストを低減できるという効果を有している。
【0016】
また、本発明のθステージをXYステージに搭載することで、XY方向並びにθ方向に高精度で移動させることの可能なXYθステージを提供できるといった効果も有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るθステージの概略側面、断面図
【図2】図1のθステージの概略平面図
【図3】本発明の実施の形態に係るXYθステージの概略側面、断面図
【図4】図3のXYθステージの概略平面図
【符号の説明】
1 θステージ
2 ベース
3 回転テーブル
5 コーン状突起
6 平坦面
8 カップ状穴
9 平坦面
16 アーム
17 ピエゾアクチュエータ
20 XYθステージ
21 XYステージ
24 X軸移動台
26 Y軸移動台
【発明の属する技術分野】
本発明はワークを保持して回転可能な回転テーブルを備えたθステージに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、ワークを保持して回転する回転テーブルを備えたθステージが種々の用途に使用されている。一般に、回転テーブルはボールベアリング、ローラベアリング等によって回転自在に保持されており、特に高精度が要求される場合には、球面軸受状或いは円筒軸受状のエアベアリングを用いる場合もあった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、通常のボールベアリング、ローラベアリング等を用いた場合には、ベアリングのがたつきによる位置決め誤差、摩耗に対するメンテナンスの難しさなどが問題となっていた。また、エアベアリングを用いた場合には、はめ合い精度の高い部品製作が難しいという問題があった。
【0004】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、簡単な機構を用いて回転テーブルを高精度で回転自在に保持した構造のθステージを提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明はかかる課題を解決するため、ベースと、そのベースに回転自在に保持される回転テーブルを備えたθステージにおいて、前記ベースと回転テーブルの互いに向かい合う面の一方に前記回転テーブルの回転軸線を中心とするコーン状突起とその外側に広がる平坦面を設け、他方に前記コーン状突起に適合する形状のカップ状穴とその外側に広がる平坦面を設け、更に、前記回転テーブルを前記ベースに対して微小量浮上させるよう前記コーン状突起とカップ状穴の間及び平坦面間に流体を供給する流体供給手段を設けるという構成としたものである。このように、前記ベースと回転テーブルとに設けているコーン状突起とカップ状穴の間及び平坦面間に流体を供給して、前記回転テーブルを微小量浮上させる構成としたことで、がたつき等のないなめ滑らかな回転を実現できる。しかも、回転テーブルの回転の際、コーン状突起とカップ状穴との間隙が周方向に一定に保持されるため回転テーブルは常に所定の回転軸線上に正確に位置して回転することができ、且つそのコーン状突起とカップ状穴の外側にある平坦面間の間隙も一定に保持されるため回転テーブルはベースに対して正確に平行度を保った状態で回転することができ、高精度位置決めが可能である。また、回転テーブルはベースに対して非接触で回転するため、メンテナンスフリーとなる。更に、回転テーブルをベースに対して支持させる部分の形状が簡単で且つコーン状突起とカップ状穴の擦り合わせ加工も可能であることから製作が容易であり、低コストで製造できる。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明のθステージの基本的な形態は、ベースと、そのベースに回転自在に保持される回転テーブルを備え、前記ベースと回転テーブルの互いに向かい合う面の一方が前記回転テーブルの回転軸線を中心とするコーン状突起とその外側に広がる平坦面を備え、他方が前記コーン状突起に適合する形状のカップ状穴とその外側に広がる平坦面を備えており、更に、前記ベースに対して回転テーブルを微小量浮上させるよう前記コーン状突起とカップ状穴の間及び平坦面間に流体を供給する流体供給手段を備えていることを特徴とするものである。
【0007】
ここで、前記流体供給手段を、前記コーン状突起又はカップ状穴の側面から流体を吹き出して回転テーブルを浮上させる構成とすることが好ましい。この構成とすると、吹き出された流体が周囲に流れてコーン状突起とカップ状穴の外側に形成されている平坦面間を満たすことができ、従って、平坦面間に流体を供給するための別の流体通路を必要とせず、構造を簡略化できる。
【0008】
また、前記ベースと回転テーブルの互いに向かい合う部分のうち、前記コーン状突起及びカップ状穴を形成する部分の材質を金属とし、それ以外の部分の材質を石あるいはセラミックとすることが好ましい。このようにコーン状突起及びカップ状穴を形成する部分の材質を金属、例えば、SUSと真鍮とすると、高精度なすり合わせ加工が容易であり、低コストで製造できる。また、それ以外の部分の材質を石あるいはセラミックとすることにより、平坦面の加工精度を容易に高めることができ、ベースに対して回転テーブルを正確に平行度を保った状態で回転させることができる。
【0009】
また、前記回転テーブルにアームを設置すると共にそのアームを押し引きする駆動手段を設け、回転テーブルを回転させうる構成とすることが好ましい。この構成とすると、駆動手段によって回転テーブルを回転させることができ且つ回転方向(θ方向)の位置決めを行うことができる。ここで、駆動手段として、ピエゾ等のアクチュエータ、マイクロゲージ等の手動機構などの、高分解能での送りを行うことのできる手段を用いることで、回転テーブルを高分解能でθ方向に送ることができ、且つ、高精度でθ方向の位置決めを行うことができる。
【0010】
また、上記したθステージをXYステージに搭載してXY方向に移動可能とすることができ、これによって、回転テーブルを回転させることができると共に水平面内でXY方向に移動させることが可能なXYθステージを得ることができる。
【0011】
以下、図面に示す本発明の好適な実施の形態を説明する。図1は本発明の実施の形態に係るθステージの概略側面、断面図、図2はその概略平面図である。図1、図2において、1はθステージ全体、2はベース、3はそのベース2に、垂直な回転軸線O−Oを中心として回転自在に保持された回転テーブルである。回転テーブル3の上面には、使用目的に応じてワーク(図示せず)を保持する手段(図示せず)が設けられている。回転テーブル3の下面には、回転テーブル3の回転軸線O−Oを中心とするコーン状突起5とその外側に広がる平坦面6が形成されており、ベース2の上面には、回転テーブル3のコーン状突起5に適合する形状のカップ状穴8とその外側に広がる平坦面9が形成されている。ここで、平坦面6、9の高さ方向の位置は、カップ状穴8にコーン状突起5を嵌合させた際、上下の平坦面6、9がほぼ接するように設定されている。回転テーブル3及びベース2のコーン状突起5及びカップ状穴8を形成している領域は、金属材料の部材11、12で形成されており、且つコーン状突起5及びカップ状穴8の表面は擦り合わせなどによって、両者が正確に接触しうるように高精度に仕上げ加工されている。この部材11、12を金属製としたことで擦り合わせ加工を容易に行うことができ、コストダウンを図ることができる。部材11、12の好ましい材料としては、部材11にSUSを用い、部材12に真鍮を用いる場合を例示できる。また、回転テーブル3及びベース2の、部材11、12以外の部分は石あるいはセラミックで作られており、平坦面6、9も高精度に仕上げ加工されている。平坦面6、9を形成する部分を石またはセラミックとしたことで、平坦面の加工精度を容易に高めることができ、上下の平坦面6、9間の高い平行度を確保できる。ベース2には、カップ状穴8の側面に開口するよう複数のエア噴出用穴13とそれに加圧エアを供給するエア通路14が形成されており、エア通路14には加圧エアを供給する加圧エア源(図示せず)が接続されている。これらの加圧エア源、エア通路14、エア噴出用穴13等は回転テーブル3を浮き上がらせるために回転テーブル3とベース2の間に流体を供給する流体供給手段を構成する。回転テーブル3の側面にはアーム16が設置されており、ベース2には、そのアーム16を押し引きするための駆動手段としてピエゾアクチュエータ17が取り付けられている。
【0012】
上記構成のθステージ1では、ベース2に設けているエア通路14から加圧エアを供給することで、そのエアがエア噴出用穴13から吹き出し、コーン状突起5及びカップ状穴8の間隙及び上下の平坦面6、9の間隙を満たし、回転テーブル3を微小量浮き上がらせて回転可能とすることができる。この際、コーン状突起5とカップ状穴8とが、全周に渡って均一な微小間隙を隔てた状態に保持されるので、回転テーブル5は自動的に所定の回転軸線O−Oを中心として回転可能となり、きわめて正確な位置で回転可能となる。また、回転テーブル3とベース2の平坦面6、9間も全周に渡って均一な微小間隙を隔てた状態に保持されるので、回転テーブル3はベース2に対して正確に平行度を保って回転可能となる。そして、ピエゾアクチュエータ17でアーム16を押し引きすることで、回転テーブル3を高分解能で回転させることができ、且つθ方向に高精度で位置決めすることができる。かくして、このθステージ1は、回転テーブル3上に保持したワークを高分解能でθ方向に送ることができると共に高精度で位置決めすることもでき、そのワークに対する所望の加工、検査等を高精度で行うことができる。このθステージ1の用途は、θ方向の精密な送りや位置決めを要求されるものであれば任意であり、例えば、カラーフィルタ、PDP、EL等の製造のために回転テーブルの上にガラス基板を乗せ、そのガラス基板上に極く薄く材料を塗布する場合、フォトマスク、その他の微細パターン形成等のために回転テーブル上に乗せたガラス基板へのレーザー加工を行う場合、回転テーブル上に乗せたワークに対して各種の検査を行う場合などに使用するのに好適である。
【0013】
なお、上記した実施の形態では、回転テーブル3にコーン状突起5を設け、ベース2にカップ状穴8を設けているが、コーン状突起をベース2に設け、カップ状穴を回転テーブル3に設けるように変更してもよい。また、コーン状突起5及びカップ状穴8の形状は、図示したように、突起の頂点及び穴の最深部まで円錐状としたものに限らず、突起の頂点或いは穴の最深部を平坦とした円錐台状としたものでもよい。また、回転テーブル3を浮上させるための流体として加圧エアを用いているが、これに代えて、油などの液体を用いても良い。更に、上記の実施の形態では、回転テーブル3のアーム16をピエゾアクチュエータ17で押し引きしているが、アーム16を押し引きする駆動手段は適宜変更可能であり、例えば、マイクロメータ等の手動機構を用いても良い。更に、この実施の形態では、アーム16をピエゾアクチュエータ17で押し引きする構成であるので、回転テーブルの回転角度範囲が狭くなるが、θステージの用途によっては、回転角度範囲を大きくすることが望まれる場合もある。その場合には、アーム16とピエゾアクチュエータ17に代えて、適当な回転駆動機構を設けて回転テーブル3を広い角度範囲で、更には360°以上に回転させうる構成としてもよい。
【0014】
図3は本発明の実施の形態に係るXYθステージを示す概略側断面図、図4はその概略平面図である。この実施の形態に係るXYθステージ20は、θステージ1と、そのθステージ1を水平面内でXY方向に移動可能に保持するXYステージ21とを備えている。ここで用いるθステージ1は図1、図2に示すθステージ1と同一構造のものである。XYステージ21は、基台23にエアスライダー等の直動軸受機構を介してX軸方向に移動可能に保持されたX軸移動台24と、そのX軸移動台24をX軸方向に移動させるリニアモータ、モータとボールネジとの組み合わせ等の駆動機構(図示せず)と、X軸移動台24にエアスライダー等の直動軸受機構を介して、X軸に直角なY軸方向に移動可能に保持されたY軸移動台26と、そのY軸移動台26をY軸方向に移動させるリニアモータ、モータとボールネジとの組み合わせ等の駆動機構(図示せず)等を備えており、Y軸移動台26にθステージ1を搭載している。この構成により、回転テーブル3は水平面内でX軸方向、Y軸方向に移動可能であると共に回転軸線O−Oを中心として滑らかに且つ高精度で回転可能である。従って、このXYθステージ20を用いることにより、回転テーブル3に保持させたワークをX軸方向、Y軸方向、θ方向に高精度で移動させることができ、ワークに対する種々な加工や検査を高精度で行うことができる。
【0015】
【発明の効果】
以上のように、本発明のθステージは、回転テーブルを回転自在に保持させる機構として、コーン状突起及びその外側の平坦面と、そのコーン状突起に適合する形状のカップ状穴及びその外側の平坦面とを利用し、両者の間隙を流体で満たすことで回転テーブルを微小量浮上させる機構を採用したことにより、簡単な構造で回転テーブルのがたつき等のない滑らかな且つ一定位置での回転を実現でき、位置決め精度を高めることができると共に製造コスト及びメンテナンスコストを低減できるという効果を有している。
【0016】
また、本発明のθステージをXYステージに搭載することで、XY方向並びにθ方向に高精度で移動させることの可能なXYθステージを提供できるといった効果も有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るθステージの概略側面、断面図
【図2】図1のθステージの概略平面図
【図3】本発明の実施の形態に係るXYθステージの概略側面、断面図
【図4】図3のXYθステージの概略平面図
【符号の説明】
1 θステージ
2 ベース
3 回転テーブル
5 コーン状突起
6 平坦面
8 カップ状穴
9 平坦面
16 アーム
17 ピエゾアクチュエータ
20 XYθステージ
21 XYステージ
24 X軸移動台
26 Y軸移動台
Claims (5)
- ベースと、そのベースに回転自在に保持される回転テーブルを備え、前記ベースと回転テーブルの互いに向かい合う面の一方が前記回転テーブルの回転軸線を中心とするコーン状突起とその外側に広がる平坦面を備え、他方が前記コーン状突起に適合する形状のカップ穴とその外側に広がる平坦面を備えており、更に、前記回転テーブルを前記ベースに対して微小量浮上させるよう前記コーン状突起とカップ状穴の間及び平坦面間に流体を供給する流体供給手段を備えていることを特徴とするθステージ。
- 前記流体供給手段が、前記コーン状突起又はカップ状穴の側面から流体を吹き出して前記回転テーブルを浮上させる構成であることを特徴とする請求項1記載のθステージ。
- 前記ベースと回転テーブルの互いに向かい合う部分のうち、前記コーン状突起及びカップ状穴を形成する部分の材質を金属とし、それ以外の部分の材質を石あるいはセラミックとしたことを特徴とする請求項1又は2記載のθステージ。
- 前記回転テーブルにアームを設置すると共にそのアームを押し引きする駆動手段を設け、該駆動手段で前記回転テーブルを回転させる構成としたことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載のθステージ。
- 請求項1から4のいずれか1項記載のθステージと、そのθステージをXY方向に移動可能に保持するXYステージとを備えたことを特徴とするXYθステージ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003030324A JP2004237407A (ja) | 2003-02-07 | 2003-02-07 | θステージ及びXYθステージ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003030324A JP2004237407A (ja) | 2003-02-07 | 2003-02-07 | θステージ及びXYθステージ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004237407A true JP2004237407A (ja) | 2004-08-26 |
Family
ID=32957245
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003030324A Pending JP2004237407A (ja) | 2003-02-07 | 2003-02-07 | θステージ及びXYθステージ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004237407A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN108311897A (zh) * | 2018-04-18 | 2018-07-24 | 沈阳机床(东莞)智能装备有限公司 | 一种夹具的z轴定位结构及夹具 |
CN114183439A (zh) * | 2021-12-08 | 2022-03-15 | 徐州健川机械制造有限公司 | 一种组合式回转支承装置 |
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2003
- 2003-02-07 JP JP2003030324A patent/JP2004237407A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN108311897A (zh) * | 2018-04-18 | 2018-07-24 | 沈阳机床(东莞)智能装备有限公司 | 一种夹具的z轴定位结构及夹具 |
CN108311897B (zh) * | 2018-04-18 | 2024-03-15 | 北京海百川科技有限公司 | 一种夹具的z轴定位结构及夹具 |
CN114183439A (zh) * | 2021-12-08 | 2022-03-15 | 徐州健川机械制造有限公司 | 一种组合式回转支承装置 |
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