JP2004237012A - 電極構造体 - Google Patents

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Abstract

【課題】含浸部材を用いた製剤において、含浸部材が電極から離脱しにくく、かつ含浸部材における電流の局在化を防止し得る電極構造体を提供する。
【解決手段】この電極構造体は、基材3と、基材3上に設けられた電極層2と、電極層2上に設けられた含浸部材4と、含浸部材4を固定するためのシーリング剤11とを備える。シーリング剤11は、少なくとも電極層2の電極放電部21上に積層される。シーリング剤は例えばヒートシール可能な材料からなる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、治療または診断の医療分野において用いられる生体適用の電極構造体に係り、特に電気的エネルギーを利用して、生体内へ生理活性物質を送達するための装置または生体内から生体外へ診断物質を抽出するための装置に用いられる電極構造体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
イオントフォレーシス(例えば、非特許文献1参照)やエレクトロポレーション(例えば、特許文献1、非特許文献2参照)は電気的なエネルギーを用いて皮膚や粘膜から薬物を送達する方法である。また、同じ原理を用いて生体内から診断物質を取り出し病状を観察する方法が用いられている(例えば、非特許文献3参照)。これら生理活性物質の送達または生体内からの診断物質の取り出しいずれの装置においても、電極は必要である。通常、電極上には、特許文献2、特許文献3、または特許文献4に例示されるように、薬物や電解質を含む水溶性高分子から調製されたハイドロゲルが積層され、または、特許文献5に例示されるように、親水性繊維やスポンジなどの溶液を含浸する含浸部材が積層される。
【0003】
上述のうち、ゲル製剤では、ゲル自体が接着性を有するため、電極との積層は容易であり、更に電極とゲルとの密着性を高くできるため、電流の均一な分散が可能である。それに対して、含浸製剤では、含浸部材と電極との積層は、電極周辺部に設置した粘着層で含浸部材を接合したものであり、含浸部材が電極から離脱しやすく、あるいは電極放電部と含浸部材との間に隙間が生じやすいという問題があった。そして、このような隙間が生じると、含浸部材において電流の局在化が起こる。このため、治療効果のバラツキや皮膚刺激等の安全面から改善が望まれていた。
【0004】
【特許文献1】
特表平3−502416号公報
【特許文献2】
特公平2−17187号公報
【特許文献3】
特開平5−97662号公報
【特許文献4】
特開平10−316590号公報
【特許文献5】
特表平8−503875号公報
【非特許文献1】
Acta Dermatol venereol, 64巻, 93頁, 1984年
【非特許文献2】
Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 90巻、 10504−10508頁, 1993年
【非特許文献3】
Nature Medicine, 1巻, 1198−120頁, 1995年
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従って本発明の目的は、含浸部材を用いた製剤において、含浸部材が電極から離脱しにくく、かつ含浸部材における電流の局在化を防止し得る電極構造体を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、基材と、基材上に設けられた電極層と、電極層上に設けられた含浸部材と、含浸部材を固定するためのシーリング剤とを備えた電極構造体により、達成される。
ここで、シーリング剤は、少なくとも電極層の電極放電部上に積層することができる。電極放電部上のシーリング剤は、電極放電部の1%〜90%を覆うことができる。シーリング剤は、ヒートシール可能な材料を用いることができる。シーリング剤としては、例えば、ポリジエン、ポリアクリル、ポリメタクリル、ポリエチレン、ポリビニルエステル、ポリスチレン、ポリエステル、およびポリシロキサンから選択される1種または2種以上を主成分とするものを用いることができる。シーリング剤の厚みは、3μm〜150μmとすることができる。
【0007】
このように、シーリング剤を電極層の電極放電部の周辺部および電極放電部上の少なくとも一方に積層し、これにより電極と含浸部材をシール加工により密着させることにより、含浸部材の脱落を防止することができる。シーリング剤は電極放電部の周辺部だけでなく、電極放電部の中央部、特に中心部付近にまでパターン印刷で積層することにより密着性が上がり、電流の局在化を少なくすることができる。一般にシーリング剤は絶縁性のものが多く、そのためシーリング剤の使用は電極の利用効率を低下させることになるが、そのリスクを負っても電極中心部を固定することは電流局在化防止に極めて有効である。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。
図1は本発明に係る電極構造体(電極パッド)の一実施形態を示す図であり、(a)は含浸部材積層前の電極構造体の平面図、(b)は含浸部材の平面図、(c)は電極構造体の平面図、(d)はそのX−X断面図である。本例は、図1に示すように、ポリエチレンテレフタレートフィルム等からなる基材3と、基材上に設けられた円形状の電極放電部21および細長い矩形状の電極端子部22を有する電極層2と、電極放電部21上に設けられる含浸部材4と、含浸部材を固定するためのシーリング剤11とを備える。本例のシーリング剤11は、電極放電部21の周辺部および電極放電部21上にそれぞれ形成されている。電極放電部21の周辺部のシーリング剤11はリング形状を有し、電極放電部21上のシーリング剤11は十字形状を有する。この十字形状のシーリング剤11は、電極放電部21の中心部を通るように積層されている。含浸部材4は、電極放電部21およびシーリング剤層11上に配置され、接着接合により固定される。シーリング剤11としては粘着性シール剤あるいはヒートシール剤を用いることができる。
【0009】
電極層2は、図示のように電極放電部21となるほぼ円形の部分と電極端子部22となる延長部分とからなる。電極端子部22の領域には、図示はしないが、治療時に皮膚と電極層が直接接触しないようにするために絶縁部が設けられている。絶縁部は、合成樹脂等の絶縁性の材料により、塗工や印刷など公知の手段で形成される。
【0010】
図2は本発明に係る電極構造体(電極パッド)の他の実施形態を示す図であり、(a)は含浸部材積層前の電極構造体の平面図、(b)は含浸部材の平面図、(c)は電極構造体の平面図、(d)はそのX−X断面図である。本例は、図1の実施形態とほぼ同様であるが、シーリング剤の印刷パターンが図1のものと異なる。本例のシーリング剤12は、電極放電部21の周辺部および電極放電部上にそれぞれ形成されている。電極放電部21の周辺部のシーリング剤12は、図1のものと同様にリング形状を有し、電極放電部21上のシーリング剤12は、図1のものとは異なり、一様に分布する市松模様のパターンを有する。シーリング剤の印刷パターンは、これに限定されず、各種のパターンを用いることができる。
【0011】
図3はシーリング剤の印刷パターンの他の例を示す図で、(a)は含浸部材積層前の電極構造体の平面図、(b)は印刷パターンの一部拡大図である。本例のシーリング剤13は、電極放電部21の周辺部および電極放電部21上にそれぞれ形成されている。電極放電部21の周辺部のシーリング剤13はリング形状を有し、電極放電部21上のシーリング剤13は一様に分布する網目状のパターンを有する。
図4はシーリング剤の印刷パターンの他の例を示す図で、(a)は含浸部材積層前の電極構造体の平面図、(b)は印刷パターンの一部拡大図である。本例のシーリング剤14は、電極放電部21の周辺部および電極放電部21上にそれぞれ形成されている。電極放電部21の周辺部のシーリング剤14はリング形状を有し、電極放電部21上のシーリング剤14は一様に分布する点状のパターンを有する。
【0012】
これらの実施形態においては、電極放電部21の周辺部および中央部(特に中心部)に形成されたシーリング剤により、含浸部材4が浮き上がり無く固定される。さらにシーリング剤がパターン状に形成されていることから、電極放電部21が含浸部材4と十分に接触することができる。このため、含浸部材に含浸された薬剤へ電流が安定して供給され、電流の局在化が防止される。
【0013】
なお、以上の実施形態では、いずれも電極放電部21の周辺部および電極放電部上にそれぞれシーリング剤を形成しているが、この周辺部に形成されるシーリング剤を省略し、シーリング剤の積層を電極放電部21上のみにすることもできる。
【0014】
以上の実施形態において、各部材料としては例えば次のものを用いることができる。
シーリング剤としては、粘着性材料やヒートシール性材料があげられ、どちらも本発明の目的である電流局在化の防止が可能である。製造工程などの容易さなどを考慮した場合はヒートシール性のものがより適している。粘着性のものとしては、アクリルやシリコンを主成分とするものが挙げられるがこれらに限定されない。ヒートシール性のものとしては、ポリジエン、ポリアクリル、ポリメタクリル、アクリルアミド゛、ポリビニルアルコール、ポリエチレン、ポリビニルエステル、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリウレタン、ポリシロキサン、ポリアミド、ポリアセタール、ポリアクリロニトリルが挙げられる。好ましくは、ポリジエン、ポリアクリル、ポリメタクリル、ポリエチレン、ポリビニルエステル、ポリスチレン、ポリエステル、ポリシロキサンが挙げられる。更に好ましくは、ポリジエン、ポリアクリル、ポリメタクリル、ポリエステル、ポリシロキサンが挙げられるがこれらに限定されない。
【0015】
シーリング剤の塗工方法としては、フレキソ印刷、シルクスクリーン印刷、グラビア印刷等の各種印刷方法、あるいはダイコーティング、マルチダイコーティングなどの各種コーティング方法が使用できる。特に、厚みのコントロールの容易性や、印刷部位を正確なパターンで描けるなどの点では、シルクスクリーン印刷が優れている。
シーリング剤の塗工厚としては3μm〜150μmが望ましく、より望ましくは4μm〜70μmであり、これより薄くなるとシール性が十分でなくなる。一方、これより厚くなると、シーリング剤の厚みのために電極と含浸部材に隙間が生じるおそれがあり、また、シール加工時にシール部面積が拡大することで適切な電極面積が確保できなくなるおそれがある。
【0016】
シーリング剤の塗工パターンとしては特に限定はないが、一部分に集中するよりも図2,図3および図4に示した市松模様、網目状または点状などのパターンのように、電極全体に均一に分布している方が望ましい。またシーリング剤の塗工面積は電極放電部の1%〜90%とするのがよく、好ましくは3%〜60%、更に好ましくは5%〜40%とするのがよい。塗工面積が小さすぎると含浸部材との接着性が低下し、含浸部材の浮き上がりが起こりやすくなり、安定した電流の供給ができず、電流が局在化するおそれが高くなる。逆に、塗工面積が大きすぎると含浸部材が電極と接する面積が減り、電流供給を効率的に行うことができなくなる。
【0017】
電極層2を積層する基材3としては特に限定はないが、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、ポリアミド、ポリプロピレン等のプラスチックフィルムが挙げられる。これらを単体フィルムまたは複合体フィルムとして用いてもよく、また導電性の金属フォイル等をこれら絶縁フィルムでコーティングしたものを絶縁基材として用いてもよい。この例としてはアルミ箔(フォイム)をポリエチレンテレフタレートでコーティングしたものが挙げられる。
【0018】
電極層2の材料としては特に限定はないが、銀、塩化銀、カーボン、チタン、白金、金、アルミ、鉄、ニッケルなどの金属、非金属の導電性材料およびこれらの混合物をベースとした材料を用いることができる。またこれら材料をベースとした導電性ペーストを用いてもよい。これら導電性ペーストを用いるとスクリーン印刷により電極を作成することができる。
含浸部材の材料としては、親水性基材で薬物溶液を吸収保持できるものであれば、特に限定されないが、セルロース繊維、レーヨン繊維、ナイロン繊維、ポルウレタン発泡体、ポリカーボネート発泡体、ポリビニルアルコール発泡体、ポリエステル発泡体、ポリエステル不織布、ポリエステル不織布、綿等、またはこれらの複合体が挙げられる。
【0019】
【実施例】
次に本発明の具体的な実施例について説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0020】
(実施例1)
図1に示したように厚さ75μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムの基材3上に、銀ペーストをシルクスクリーン印刷して厚さ約50μmの電極層2を形成し、電極層2の電極放電部21の周辺部および電極放電部21上にそれぞれ粘着性のシーリング剤11(熱可塑性共重合ポリエステル樹脂、商品名「エリーテル3410」ユニチカ(株)製)をシルクスクリーン印刷により10μmの厚さで形成した。この場合、電極放電部21に対する十字状のシーリング剤11の面積率を20%で形成した。そこに厚さ500μmのポリエステル製含浸部材4を重ねて接着し、電極パッドを得た。
【0021】
(実施例2)
図2に示したように厚さ75μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムの基材3上に、銀ペーストをシルクスクリーン印刷して厚さ約50μmの電極層2を形成し、電極層2の電極放電部21の周辺部および電極放電部21上にそれぞれヒートシール剤12(白く塗られた部分)(非晶性ポリエステル樹脂、商品名「バイロンGK330」東洋紡(株)製)をシルクスクリーン印刷により10μmの厚さで形成した。この場合、電極放電部21に対する網目状のシーリング剤11の面積率を表1に示すように種々変えて形成した。電極層2面に厚さ500μmのポリエステル製含浸部材4を重ね、200℃で加熱加圧することで接着し、電極パッドを得た。
【0022】
(比較例1)
図5は電極構造体(電極パッド)の比較例1を示す図であり、(a)は含浸部材積層前の電極構造体の平面図、(b)は含浸部材の平面図、(c)は電極構造体の平面図、(d)はそのX−X断面図である。本例は、シーリング剤が電極放電部21上に積層されていない点で、上述の実施形態と異なる。本例のシーリング剤15は、図示のように電極放電部21の周辺部に積層されているだけである。
【0023】
図5に示したようにポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムの基材3上に、銀電極2を厚さ約50μmにスクリーン印刷し、電極層2の周辺部にのみ実施例2と同様の材料および方法でヒートシール剤1を積層した。電極印刷面に実施例2と同じ含浸部材4を重ね、実施例2と同じ方法でヒートシールし、電極パッドを得た。
【0024】
(比較例2)
ポリエチレンテレフタレートフィルムの基材上に、銀ペーストにより電極層を厚さ約50μmにシルクスクリーン印刷し、電極層表面上に含浸部材を重ねて電極パッドを得た。
【0025】
(実験例1)
各実施例および比較例の電極パッドについて、電極からの含浸部材の落下を比較した。即ち、含浸部材の面を上面にして配置し、反時計回りに傾けたときの含浸部材の脱落を調べた。
【0026】
(実験例2)
各実施例および比較例により作成した電極パッドを用いて通電試験を行い、電流の局在化を調べた。図6はこの通電試験の方法を説明するための図である。図6に示すように、実施例1、2および比較例1、2で作成した電極パッド(銀電極を積層したPETフィルム44にヒートシーリング剤によりポリウレタン含浸部材45を固定したもの)において、その含浸部材45に生理食塩水を添加し、含浸部材45が銀/塩化銀板46に接するように配置した。電源装置41の陽極側端子と電極パッドの端子部43を接続コード47で接続し、電源装置41の陰極側端子と銀/塩化銀板46を接続コード42で接続した。電源装置41より0.5mAの直流電流を流した。1時間通電後に電極パッドよりヒートシールした含浸部材45を剥がし電極を観察した。尚、通電試験は各実施例および比較例のサンプル5個について同じ試験を行った。
【0027】
(結果)
(実験例1の結果)
実施例1、実施例2および比較例1では電極パッドを180度回転させても(含浸部材面を下側にしても)含浸部材の脱落は見られなかったのに対して、比較例2では約30度傾けると含浸部材は脱落した。即ち、シール剤を用いて含浸部材を固定することにより、含浸部材の離脱を防止できることが示された。
【0028】
(実験例2の結果)
銀電極は通電により、表面から塩化銀に変化する。従って、電極の表面を観察すればどのように電流が流れたかを判断できる。実施例1および実施例2の電極パッドでは、それぞれ5個ずつの電極はすべて、銀の露出している部分(レジストで覆われていない部分)がすべて濃茶色に変化し電極に局部的に流れた形跡は見られなかった。一方、比較例1の電極パッドでは、電極中心部分で銀が変色していないものが5個中2個で観察された。比較例1では全5個の電極で電極放電部分に対する変色面積(通電に使用された面積)の割合は平均90%であった。一方、比較例2の電極パッドでは、銀が変化していない部分が多く観察され、電流の局在化があったことが確認された。比較例2では全5個の電極で電極放電部分に対する変色面積の割合は平均15%であった。
【0029】
シーリング剤で含浸部材を固定することにより、含浸材の脱落を防ぐことができた。さらに電極の放電面にシーリングを施すことで、電極放電面がシーリング剤によりマスクされるため、全電極面に対する放電に使われる割合は減るものの、電極露出部分に対する放電に使われる割合は100%であった。これはシーリングする部分を均等に分散することで電流の局在化を防げることを示している。
実験例1および実験例2の結果を表1に示す。
【0030】
【表1】
Figure 2004237012
【0031】
以上のように、本発明の電極構造体では、電極層上に設けた含浸部材の脱落が防止されるとともに、電極層−含浸部材間の隙間の発生が抑えられて電流の局在化が防止され、安定した電流供給により安定した治療効果が得られる。さらに電流の局在化に起因する皮膚刺激が抑えられる。
【0032】
【発明の効果】
本発明によれば、含浸部材を用いた製剤において、含浸部材が電極から離脱しにくく、かつ含浸部材における電流の局在化を防止し得る電極構造体を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電極構造体(電極パッド)の一実施形態を示す図であり、(a)は含浸部材積層前の電極構造体の平面図、(b)は含浸部材の平面図、(c)は電極構造体の平面図、(d)はそのX−X断面図である。
【図2】本発明に係る電極構造体(電極パッド)の他の実施形態を示す図であり、(a)は含浸部材積層前の電極構造体の平面図、(b)は含浸部材の平面図、(c)は電極構造体の平面図、(d)はそのX−X断面図である。
【図3】シーリング剤の印刷パターンの他の例を示す図で、(a)は含浸部材積層前の電極構造体の平面図、(b)は印刷パターンの一部拡大図である。
【図4】シーリング剤の印刷パターンの他の例を示す図で、(a)は含浸部材積層前の電極構造体の平面図、(b)は印刷パターンの一部拡大図である。
【図5】電極構造体(電極パッド)の比較例1を示す図であり、(a)は含浸部材積層前の電極構造体の平面図、(b)は含浸部材の平面図、(c)は電極構造体の平面図、(d)はそのX−X断面図である。
【図6】通電試験の方法を説明するための図である。
【符号の説明】
11、12、13、14、15 シーリング剤(シール剤)
2 電極層(銀電極)
3 基材(ポリエチレンテレフタレートフィルム)
4 含浸部材
41 電源装置
42 接続コード
43 電極パッドの端子部
44 電極パッドのPETフィルム部
45 含浸部材
46 銀/塩化銀板
47 接続コード

Claims (6)

  1. 基材と、基材上に設けられた電極層と、電極層上に設けられた含浸部材と、含浸部材を固定するためのシーリング剤とを備えたことを特徴とする電極構造体。
  2. シーリング剤が、少なくとも電極層の電極放電部上に積層されることを特徴とする請求項1記載の電極構造体。
  3. 電極放電部上のシーリング剤が、電極放電部の1%〜90%を覆うことを特徴とする請求項2に記載の電極構造体。
  4. シーリング剤が、ヒートシール可能な材料からなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の電極構造体。
  5. シーリング剤が、ポリジエン、ポリアクリル、ポリメタクリル、ポリエチレン、ポリビニルエステル、ポリスチレン、ポリエステル、およびポリシロキサンから選択される1種または2種以上を主成分とすることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の電極構造体。
  6. シーリング剤の厚みが、3μm〜150μmであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の電極構造体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR101539658B1 (ko) * 2014-12-08 2015-07-27 (주)와이브레인 건식 전극

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