JP2004236767A - 骨手術用スクリュウ、骨手術用スクリュウセット及びその回転操作方法 - Google Patents

骨手術用スクリュウ、骨手術用スクリュウセット及びその回転操作方法 Download PDF

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Abstract

【課題】回転工具の挿入される凹所が、加工容易であるとともに凹所の破損や重大な変形を防止可能な形状とされた骨手術用スクリュウを提供する。
【解決手段】本発明の骨手術用スクリュウ10は、ねじ部と、略多角形状の断面を有する回転工具を受け入れその回転力を受ける凹所12aを備えた頭部12とを有し、前記凹所は、内側に湾曲した複数の円弧部12bが軸線回りに設けられているとともに、隣接する前記円弧部同士が相互に交差することにより中心側に突出した先鋭部12cが構成されて成る孔断面形状を有し、前記先鋭部が塑性変形可能に構成されていることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は骨手術に用いられる骨手術用スクリュウ、骨手術用スクリュウセット及びその回転操作方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、骨折治療に際しては、骨折部を整復させた状態で、骨の外表面にプレートを当て、このプレートを骨にねじ込んだ骨ねじによって固定することによって骨折部を保持する場合がある。また、骨折した骨の髄内に髄内釘を打ち込み、この髄内釘に交差するように骨ねじをねじ込むことによって骨折部を保持する場合もある。
【0003】
このように骨折治療を行う場合には、上記プレートや髄内釘等のインプラントにより骨折部が癒合するまで骨折部を保持固定するが、一旦、骨折部が治癒したときには、骨折部の自家骨による更なる強化を図る目的で、或いは、患者が成長期にある若年層である場合においてインプラントによる成長阻害を回避する目的で、上記プレートや髄内釘を体内から除去する必要が生ずる。このために、骨折治療の最終段階においては、骨ねじを抜去するための再手術が必要になる。
【0004】
しかしながら、上記の骨ねじ、ボルトなどには、骨折部が治癒していく過程で骨の再生に伴って新成骨(仮骨)が付着し、これによってインプラントが骨に固着された状態になることが多いため、通常のドライバー等の回転工具ではインプラントの抜去作業が困難になる場合がある。例えば、骨ねじを抜去する場合には、骨ねじのスクリュウ部に新成骨が食い込むように形成されることが多いので、工具を用いても骨ねじを回転させて緩めることはきわめて難しい。また、無理に骨ねじを回転させようとすると、骨ねじの頭がつぶれてしまったり、或いは、骨ねじの頭部だけが破断してしまったりする場合もある。このようになると、骨ねじの抜去はさらに困難になる。
【0005】
骨ねじには、その頭部に四角形や六角形の角穴形状を有する凹所を形成したものがある。このような凹所を備えた骨ねじに対しては、角柱形状を有する係合部を備えた回転工具を適用させて回転操作するようにしているが、抜去時に強い回転応力を加えることによって、回転工具の係合部や骨ねじの凹所の内面が変形することにより、回転工具と凹所が係合不能になってしまう場合がある。これは、回転工具の係合部に設けられた角部と骨ねじの凹所の内面とが基本的に線接触状態になり、この線接触部分に応力が集中するためであると考えられる。
【0006】
このような事態を回避するための方法としては、たとえば、角穴形状の凹所における内面を内側に向けて緩やかな凸曲面状に形成することにより、回転工具を凹所に適用したときに、相互に当接するねじの凹所内面と回転工具の係合部外面とが弾性変形して面接触状態となるように構成し、これによって応力集中を防止したものが知られている(たとえば、以下の特許文献1参照)。
【0007】
また、その頭部に、中心から外側に向かって放射状に伸びる複数の翼状の部分が設けられ、当該部分の側壁の一つが中心から外側に向けてスパイラル状に伸びる線に沿って形成されている凹部を設けたねじが知られている。このねじは、外側に伸びる複数の翼状の凹部に対応する断面形状の回転工具を用いるものである(たとえば、特許文献2参照)。
【0008】
【特許文献1】
実開昭53−97261号公報(特に第1図参照)
【特許文献2】
特表2002−525500号公報(各図参照)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、骨手術に用いられるスクリュウは、生体適合性を備えた材料で構成することが前提になるため、汎用のねじとは異なる事情が存在する。生体適合性を備えた材料としては、たとえば、チタンやチタン合金などの生体不活性金属材料や、ポリ乳酸や乳酸−グリコール酸共重合体、ハイドロキシアパタイトなどの生体内分解吸収性材料などが挙げられる。これらの材料は、汎用のねじ材料に較べると、脆性の高い材料が多いため、複雑な形状加工が困難であるとともに、骨手術の際に行う回転操作時において破損が生じやすい。また、医療器具として異物の混入(異物の練り込み)を避ける必要があるために鍛造成形を行うことができないため、特に金属材料の場合には切削加工を行わなければならないことから複雑な形状加工は困難であり、製造コストの増大を招くという問題点がある。
【0010】
さらに、汎用のねじ材料に較べると、塑性変形しやすいため、回転操作時において凹所が変形しやすく、回転操作不能になってしまう場合が多い。特に、スクリュウの頭部に角穴を形成する場合には、回転工具の角柱部の稜線分が角穴の内面に対して線接触するため、この線接触部分に応力が集中し、その結果、塑性変形によって角穴の内面が広がり、回転操作不能になるものと考えられる。また、スクリュウの材質に合わせて回転工具を低硬度の材料で形成すると、回転工具の角部の変形による回転操作不能を招く場合もある。
【0011】
そこで本発明は上記問題点を解決するものであり、その課題は、回転工具の挿入される凹所が、加工容易であるとともに凹所の破損や重大な変形を防止可能な形状とされた骨手術用スクリュウを提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明の骨手術用スクリュウは、ねじ部と、略多角形状の断面を有する回転工具を受け入れその回転力を受ける凹所を備えた頭部とを有する骨手術用スクリュウにおいて、前記凹所は、内側に湾曲した複数の円弧部が軸線回りに設けられているとともに、隣接する前記円弧部同士が相互に交差することにより中心側に突出した先鋭部が構成されて成る孔断面形状を有し、前記先鋭部が塑性変形可能に構成されていることを特徴とする。
【0013】
この発明によれば、角柱状の係合部を有する回転工具を適用し、回転操作することによって、係合部の外面が先鋭部に当接し、塑性変形によって先鋭部が塑性変形して係合部の外面に倣うように押しつぶされるため、回転工具の係合部と骨手術用スクリュウの凹所とが面接触するようになり、その結果、応力集中が緩和されて通常の回転操作力を確実に受け止められるようになる。特に、先鋭部は両側の円弧部が交差することにより構成されるため、先端部の幅は小さく、外側に向かうほど急激に幅が広がる形状であることから、当初は容易に塑性変形が生ずるものの、ある程度変形すると接触面積の増大により回転操作力を十分に負担できるようになり、それ以上の変形が抑制される。したがって、骨手術用スクリュウの頭部の過剰な変形や破損が防止され、回転操作不能になるといった事態が回避される。
【0014】
また、複数の円弧部を軸線回りに形成していくだけで凹所を加工することができるため、脆性材料であっても容易かつ低コストで製造することができる。特に、鍛造成形を用いることなく容易に成形できるため、異物の混入を回避し、医療器具として安全で高品位の骨手術用スクリュウを提供できる。
【0015】
さらに、回転操作時に回転工具の係合部の稜線が凹所内面に接触しないため、回転工具の損耗も防止できる。
【0016】
本発明において、少なくとも前記頭部がチタン若しくはチタン合金で構成されていることが好ましい。これによれば、骨手術用スクリュウとして好適な生体適合性材料であるとともに、通常の回転操作力(術者が与える応力)により十分な塑性変形が得られる。なお、骨手術用スクリュウを構成する材料としては、上記のチタン、チタン合金、ステンレス鋼などの生体不活性金属材料の他に、ポリ乳酸や乳酸−グリコール酸共重合体、ハイドロキシアパタイトなどの生体内分解吸収性の合成樹脂材料或いはセラミックス材料などを用いることができる。これらの材料においても、先鋭部の塑性変形を得ることが可能である。
【0017】
次に、本発明の骨手術用スクリュウセットは、上記の骨手術用スクリュウと、前記凹所に挿入可能で、前記円弧部と同数の角数を有する略多角断面を有し、その外面の中央位置が前記先鋭部に対向配置された姿勢から所定角度回転させたときにその稜線が前記円弧部に接触することなく前記外面が前記先鋭部に当接するように構成された係合部を備えた前記回転工具とを有することを特徴とする。
【0018】
この発明によれば、回転工具の略多角断面を有する係合部に形成された外面によって凹所の先鋭部を塑性変形させることができるため、骨手術用スクリュウの頭部や回転工具の係合部を破損することなく、確実に回転操作力を加えることができる。
【0019】
本発明において、前記円弧部の数をmとしたとき、前記所定角度は0以上120/m度(m=6の場合には20度)以下であることが好ましい。これによって、先鋭部が回転工具から受ける応力方向を回転方向よりも半径方向寄りに向けることができるため、凹所の先鋭部を係合部の外面によって確実に変形させることができ、しかも、先鋭部が破断するなどの事態の発生を回避できる。特に、所定角度は18/m(m=6の場合には3度)〜72/m(m=6の場合には12度)度の範囲内であることが望ましい。
【0020】
次に、本発明の骨手術用スクリュウの回転操作方法は、ネジ部と、凹所を備えた頭部とを有する骨手術用スクリュウを、略多角形状の断面を有する回転工具を前記凹所に挿入して回転操作する方法であって、前記凹所は、内側に湾曲した複数の円弧部が軸線回りに設けられているとともに、隣接する前記円弧部同士が相互に交差することにより中心側に突出した先鋭部が構成されて成る孔断面形状を有し、前記回転工具を、その外面が前記先鋭部に対向する姿勢となるように前記凹所に挿入し、所定方向に回転させることにより前記外面により前記先鋭部を塑性変形させることを特徴とする。
【0021】
本発明において、前記回転工具は、前記凹所に挿入可能で、前記円弧部と同数の角数を有する略多角断面を有し、その外面の中央位置が前記先鋭部に対向配置された姿勢から所定角度回転させたときにその稜線が前記円弧部に接触することなく前記外面が前記先鋭部に当接するように構成された係合部を備えていることが好ましい。ここで、所定角度は上記と同様に0より大きく120/m度以下であることが好ましく、特に、18/m〜72/m度の範囲内であることが望ましい。また、前記骨手術用スクリュウは少なくとも前記頭部がチタン若しくはチタン合金で構成されることが好ましい。
【0022】
上記各手段の骨手術用スクリュウにおいては、複数の前記円弧部が相互に同径に、かつ、同軸位置に構成され、しかも、軸線回りに等角度間隔で配置されていることが望ましい。また、上記回転工具では、その係合部が正多角断面を有することが望ましい。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る骨手術用スクリュウの実施形態について詳細に説明する。図1(a)及び(b)は、骨手術用スクリュウ10の拡大平面図及び頭部近傍の拡大一部断面図であり、図4は、骨手術用スクリュウ10と、これを回転させるための回転工具20の全体形状を示す概略斜視図である。
【0024】
図4に示すように、骨手術用スクリュウ10は、先端側に形成された雄ネジを備えたネジ部11と、基端側に形成された頭部12とを有する。なお、この骨手術用スクリュウ10は、中心に軸孔10aが形成されている。この軸孔10aは、骨に刺し通されたガイドピンを挿通するためのものであり、このガイドピンによって骨手術用スクリュウ10が案内された状態で骨やインプラントなどにねじ込まれる。また、頭部12には凹所12aが形成されている。
【0025】
一方、回転工具20は、先端に形成された略多角柱状の係合部21と、基端側に設けられた把持部22とを有する。この把持部22は直接把持して用いることも可能であるが、他の工具によって把持部22を把持固定した状態で用いるようにしてもよい。回転工具20の中心には軸孔20aが形成されている。この軸孔20aは、上記ガイドピンを挿通させるためのものである。回転工具20の係合部21には、複数の稜線21aと、稜線21a間に形成された略平面状の外面21bとが設けられている。図示例の係合部21は、正六角柱形状を有する。
【0026】
骨手術用スクリュウ10の頭部12に形成された凹所12aの孔断面形状には、図1に示すように、内側に湾曲した、凹所全体の平均内径よりも小さな曲率半径を有する複数の円弧部12bが軸線回りに設けられているとともに、隣接する前記円弧部12b同士が相互に交差することにより中心側に突出した先鋭部12cが構成されている。図示例の凹所12aでは、複数の円弧部12bは相互に同径でかつ同軸位置に配置されている。また、6個の円弧部12bが軸線回りに等角度間隔で形成されている。
【0027】
図2(a)及び(b)は、上記凹所12aに回転工具20の係合部21を挿入した様子を示す断面図である。ここで、係合部21の外面21bは、凹所12aの上記先鋭部12cに対向し、係合部21の稜線21aは、凹所12aの上記円弧部12bに対向する姿勢で挿入される。このとき、図2(a)に示すように、凹所12aにおける円弧部12bの中央部の半径位置をRa、先鋭部12cの半径位置をRbとし、係合部21の稜線21aの半径位置をTa、外面21bの中央部の半径位置をTbとすれば、Ra≧Ta、Rb≧Tbの関係があれば、係合部21を支障なく凹所12aに挿入できる。ただし、回転工具20による回転操作を行うためにはTa>Rbでなければならない。
【0028】
上記の姿勢で係合部21を凹所12aに挿入した状態で、係合部21を回転させると、図2(b)に示すように、所定角度θaだけ回転させたときに、稜線21aが円弧部12bの内面に接触することなく、外面21bが先鋭部12cに当接するようになっている。この条件は、円弧部12bの中心位置及び曲率半径と、係合部21の外接円の半径との関係によって決定される。この所定角度θaは、0度以上20度以下であることが好ましい。すなわち、一般に円弧部の数がmの場合(図示例ではm=6)には、所定角度θaは0度以上120/m以下である。この所定角度θaが大きくなりすぎると、先鋭部12cに対して加えられる応力方向が半径方向から大きく回転方向に向けて傾斜するため、先鋭部12cが破断する可能性が高くなるからである。この観点からみれば、この角度θaは、特に3〜12度の範囲内(一般には18/m〜72/m度の範囲内)であることがより望ましい。なお、図示例の場合には7度(42/m度)になるように設計されている。
【0029】
そして、さらに係合部21を回転させていくと、外面21bは先鋭部12cを押しつぶし、塑性変形させていく。そして、通常、限界角度θbだけ回転させ、稜線21aが円弧部12bの内面に当接した段階で、それ以上の塑性変形はほとんど生じなくなる。この限界角度θbは、5〜30度の範囲内(一般には30/m〜180/m度の範囲内)であることが好ましい。ただし、常にθb>θaが成立していなければならない。特に、θbは10〜20度の範囲内(一般には60/m〜120/m度の範囲内)であることが望ましい。図示例の場合にはθb=16度(96/m度)である。ここで、図2(b)には、上記の姿勢にある係合部21を破線で、外面21bが先鋭部12cに当接した状態を実線で、稜線21aが円弧部12bの内面に当接した状態を一点鎖線でそれぞれ示してある。
【0030】
図3は、図2(b)に示すように回転工具20を回転させていったときの円弧部12b及び先鋭部12cと、稜線21a及び外面21bとの関係を示す拡大部分断面図である。この図に示すように、初期状態(上記姿勢にあるとき)を破線S1で示し、外面21bが先鋭部12cに当接した状態を一点鎖線S2で示し、先鋭部12cが塑性変形されていく途中を二点鎖線S3で示し、稜線21aが円弧部12bに当接した状態を実線S4で示してある。通常の回転操作力では、上記S2とS4の間において係合部21の回転は停止し、骨手術用スクリュウ10が回転操作される。この場合、骨手術用スクリュウ10の回転抵抗が大きくなるほど、凹所12aと係合部21の相対関係はS4に近づく。
【0031】
本実施形態では、先鋭部12cの塑性変形によって係合部21と凹所12aとは面接触となり、回転操作力が大きくなるほど接触面積が増大するので、凹所12aや係合部21の破損が防止される。ここで、先鋭部12cは隣接する円弧部12b同士が交差して構成されたものであるため、先端から外周側に進むほど急激に幅が広がる形状を有することから、当初は塑性変形が生じやすく、回転操作力が大きくなったときには接触面積が急増して塑性変形しにくくなるため、破損が確実に防止されるという顕著な効果を有している。
【0032】
また、凹所12aは、複数の円弧部12bが交差して先鋭部12cが構成されていることから、円弧部12bを切削加工などによって軸線回りに順次形成していくだけで形成することができるため、脆性材料などであっても容易かつ低コストで製造することができる。
【0033】
最後に、上記骨手術用スクリュウを試作し、実験した結果を示す。骨手術用スクリュウ10はチタン合金Ti−6Al−4V(Ti:90wt%、Al:6wt%、V:4wt%)により形成した。凹所12aは6個の円弧部12bを有し、回転対称性が6回対称である形状を有するものとし、Rb=約1.25mm(対面幅2Rb=約2.5mm)とした。また、回転工具20は、ステンレス鋼製とし、正六角形状の係合部を備えたものとし、Tb=約1.25mm(対面幅2Tb=約2.5mm)とした。回転工具20については、軸孔20aのない中実タイプと、軸孔20aを形成した中空タイプとをそれぞれ製作して用いた。また、従来の骨手術用スクリュウの比較例として、上記と同じ材質で形成した、対面幅約2.5mmと約3mmの正六角形状の凹所を備えたものを用意し、これに対応する対面幅約2.5mmの係合部を有する中実タイプと、約3mmの係合部を有する中空タイプの回転工具をそれぞれ用いて実験を行った。これらの骨手術用スクリュウ及び回転工具の構成を以下の表1に示し、実験結果を以下の表2に示す。
【0034】
【表1】
Figure 2004236767
【0035】
【表2】
Figure 2004236767
【0036】
表2に示すように、比較例では、いずれもスクリュウの凹所が変形して回転操作不能になっているのに対して、実施例1では5.81[N・m]まで凹所が変形せず、最終的には回転工具が折損した。また、実施例2でも、4.33[N・m]で回転工具が折損した。いずれの場合でも実施例では凹所の変形により回転操作不能になる(回転工具が凹所をナメる)ことがなかった。
【0037】
なお、上記実施形態では、骨手術用スクリュウの材質としてチタン合金を用いたが、本発明の材質としては、純チタンやステンレス鋼、合成樹脂、セラミックスなどの生体不活性材料、各種合成樹脂やセラミックスなどの生体内分解吸収性材料などを用いることができる。
【0038】
また、上記実施形態では、凹所形状として6つの円弧部を備えたものを例示し、回転工具として正六角形状の係合部を有するものを例示したが、本発明は、3以上の任意の自然数の円弧部を備えた凹所を備えたものとし、回転工具もこれに対応させて3以上の任意の自然数の角形状の係合部を備えたものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態の骨手術用スクリュウ頭部の平面図(a)及び部分断面図(b)。
【図2】スクリュウと工具の係合状態を示す断面図(a)及び(b)。
【図3】スクリュウと工具の係合状態を拡大して示す拡大部分断面図。
【図4】スクリュウと工具の斜視図。
【符号の説明】
10…骨手術用スクリュウ、10a…軸孔、11…ネジ部、12…頭部、12a…凹所、12b…円弧部、12c…先鋭部、20…回転工具、20a…軸孔、21…係合部、21a…稜線、21b…外面

Claims (7)

  1. ねじ部と、略多角形状の断面を有する回転工具を受け入れその回転力を受ける凹所を備えた頭部とを有する骨手術用スクリュウにおいて、
    前記凹所は、内側に湾曲した複数の円弧部が軸線回りに設けられているとともに、隣接する前記円弧部同士が相互に交差することにより中心側に突出した先鋭部が構成されて成る孔断面形状を有し、
    前記先鋭部が塑性変形可能に構成されていることを特徴とする骨手術用スクリュウ。
  2. 少なくとも前記頭部がチタン若しくはチタン合金で構成されていることを特徴とする請求項1に記載の骨手術用スクリュウ。
  3. 請求項1又は2に記載の骨手術用スクリュウと、
    前記凹所に挿入可能で、前記円弧部と同数の角数を有する略多角断面を有し、その外面の中央位置が前記先鋭部に対向配置された姿勢から所定角度回転させたときにその稜線が前記円弧部に接触することなく前記外面が前記先鋭部に当接するように構成された係合部を備えた前記回転工具とを有することを特徴とする骨手術用スクリュウセット。
  4. 前記円弧部の数をmとしたとき、前記所定角度は0以上120/m度以下であることを特徴とする請求項3に記載の骨手術用スクリュウセット。
  5. ネジ部と、凹所を備えた頭部とを有する骨手術用スクリュウを、略多角形状の断面を有する回転工具を前記凹所に挿入して回転操作する方法であって、
    前記凹所は、内側に湾曲した複数の円弧部が軸線回りに設けられているとともに、隣接する前記円弧部同士が相互に交差することにより中心側に突出した先鋭部が構成されて成る孔断面形状を有し、
    前記回転工具を、その外面が前記先鋭部に対向する姿勢となるように前記凹所に挿入し、所定方向に回転させることにより前記外面により前記先鋭部を塑性変形させることを特徴とする骨手術用スクリュウの回転操作方法。
  6. 前記回転工具は、前記凹所に挿入可能で、前記円弧部と同数の角数を有する略多角断面を有し、その外面の中央位置が前記先鋭部に対向配置された姿勢から所定角度回転させたときにその稜線が前記円弧部に接触することなく前記外面が前記先鋭部に当接するように構成された係合部を備えていることを特徴とする請求項5に記載の骨手術用スクリュウの回転操作方法。
  7. 前記骨手術用スクリュウは少なくとも前記頭部がチタン若しくはチタン合金で構成されることを特徴とする請求項5又は6に記載の骨手術用スクリュウの回転操作方法。
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