JP2004235951A - 放送受信装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】受信可能な受信周波数をプリセットメモリに正確に記憶できる放送受信装置を提供する。
【解決手段】チューナ部1の受信周波数を順次切替え、それぞれの受信周波数において、SD信号検出部4で検出した電界強度が予め定めた一定の値以上であって、かつ、チユーナ部1の受信周波数が、測位部5によって測位され現在位置から予め定めた規定距離内にある送信アンテナを有する放送局の放送周波数、若しくは現在位置から予め定めた規定距離内にある送信アンテナを有する放送局の放送周波数から予め定めた規定の周波数範囲を越えて離れているときのみ、その受信周波数をプリセットメモリ8に記憶する。
【選択図】 図1
【解決手段】チューナ部1の受信周波数を順次切替え、それぞれの受信周波数において、SD信号検出部4で検出した電界強度が予め定めた一定の値以上であって、かつ、チユーナ部1の受信周波数が、測位部5によって測位され現在位置から予め定めた規定距離内にある送信アンテナを有する放送局の放送周波数、若しくは現在位置から予め定めた規定距離内にある送信アンテナを有する放送局の放送周波数から予め定めた規定の周波数範囲を越えて離れているときのみ、その受信周波数をプリセットメモリ8に記憶する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ラジオ、テレビなどの放送を受信する主として車載用の放送受信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、車載用の放送受信装置では、予めスーパーヘテロダイン方式の局部発信周波数を順次切り替えていくことによって、受信周波数を順次自動的に切替えていき、受信された放送電波の電界強度が予め定めた規定の値以上になったとき、その受信された放送電波の周波数もしくは局部発信周波数をそれぞれ別に設けたプリセットメモリに記憶しておく。
【0003】
そして、希望する放送電波を受信する場合には、プリセットメモリに記憶された受信周波数もしくは局部発信周波数の中からそれぞれ希望する受信周波数もしくは局部発信周波数を読み出し、その受信周波数の放送を受信するように構成している。
【0004】
しかしながら、この種の放送受信装置では、プリセットメモリにそれぞれの受信可能な周波数を記憶させる場合、車両の走行状態や、周囲の温度、天候などに変化があると、それによって電界強度に大きなばらつきが生じ、本来であれば、規定の値以上の電界強度があるはずの放送電波が規定値以上であると検出されないことがあり、そのような場合、その放送電波の周波数がプリセットメモリに正しく記憶されないという問題があった。
【0005】
そのため、従来、このような問題を解決するものとして、自車位置を検出する自車位置検出手段と、放送局の位置や、放送周波数、出力などの放送局データを予め記憶した放送局データ記憶手段とを別に設け、自車位置検出手段によって自車位置が検出されると、その自車位置を基に、自車位置の周囲何キロメートルといった周辺地域に存在する放送局を放送局データ記憶手段より読み出し、読み出された放送局の放送周波数をそれぞれプリセットメモリに記憶するというものも知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開平9−135184号公報(第3頁〜第5頁、第2図)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来知られているこの種の放送受信装置では、自車位置を検出し、その周囲に存在する放送局の放送周波数をプリセットメモリに記憶するだけのものであり、実際に自車位置においてその放送局の放送電波が受信できるかどうかは不明であり、往々にして受信できない放送電波が存在するという問題があった。
【0008】
本発明は、以上のような従来の問題に鑑みてなされたものであり、自車位置の周辺に存在する放送局で実際には受信できない放送局の放送周波数をプリセットメモリに記憶してしまうことのない放送受信装置を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、受信周波数を順次切替え設定する受信周波数設定手段と、受信周波数設定手段によって設定された受信周波数において受信した放送電波の電界強度を検出する電界強度検出手段と、現在位置を測位する測位手段と、放送局の送信アンテナ位置と放送周波数とを含むデータを記憶した放送局データ記憶手段と、受信可能な周波数に対応するデータを記憶するプリセットメモリと、電界強度検出手段によって検出された電界強度が予め定めた一定値以上であって、周波数設定手段によって設定された受信周波数が、測位手段によって測位された現在位置から予め定めた規定距離内にある送信アンテナ位置から送信される放送局の放送周波数もしくは、現在位置から予め定めた規定距離内にあるいずれの送信アンテナから送信される放送局の放送周波数からも予め定めた規定の周波数を越えて離れている場合、受信周波数に対応するデータを受信可能な周波数に対応するデータとして前記プリセットメモリに記憶する制御手段とを備えた構成を有している。
【0010】
この構成により、放送局の放送電波を実際に受信し、その受信状態での電界強度が予め定めた一定の値以上であり、測位手段によって測位された現在位置から予め定めた規定距離内の送信アンテナから送信される放送周波数の近接周波数の場合を除いて、その受信周波数をプリセットメモリに記憶することにより、記憶した受信周波数において放送電波が受信できないという不都合は生じることなく、かつ、放送局の送信アンテナ近傍で放送周波数に近接する放送周波数以外の周波数をプリセットメモリに誤って記憶してしまわないという作用を有する。
【0011】
また、本発明の放送受信装置は、受信周波数を順次切替え設定する受信周波数設定手段と、現在位置を測位する測位手段と、放送局の送信アンテナ位置と放送周波数とを含むデータを記憶した放送局データ記憶手段と、受信可能な周波数に対応するデータを記憶するプリセットメモリと、測位手段によって測位された現在位置から予め定めた規定距離内にある送信アンテナから送信される放送局の放送周波数もしくは、現在位置から予め定めた規定距離内にあるいずれの送信アンテナから送信される放送局の放送周波数からも予め定めた規定の周波数を越えて離れていて、周波数設定手段によって設定された受信周波数において受信した放送電波の電界強度を検出する電界強度検出手段が検出した電界強度が予め定めた一定値以上である場合、受信周波数に対応するデータを受信可能な周波数に対応するデータとしてプリセットメモリに記憶する制御手段とを備えた構成を有している。
【0012】
この構成により、現在位置近くの送信アンテナから送信される放送周波数に近接する周波数を、電界強度を測定するより先に除外することによりプリセットメモリへの記憶動作時間を短縮できるという作用を有する。
【0013】
また、本発明の放送受信装置は、放送局の送信アンテナ位置と放送周波数とを含むデータを記憶した放送局データ記憶手段と、受信可能な周波数に対応するデータを記憶するプリセットメモリと、現在位置を測位する測位手段と、測位手段によって測位された現在位置から予め定めた規定距離内にある送信アンテナから送信される放送局の放送周波数もしくは、現在位置から予め定めた規定距離内にあるいずれの送信アンテナから送信される放送局の放送周波数からも予め定めた規定の周波数を越えて離れている周波数を、受信周波数として順次切替え設定する受信周波数設定手段と、受信周波数設定手段によって設定された受信周波数において受信した放送電波の電界強度を検出する電界強度検出手段が検出した電界強度が予め定めた一定値以上である場合、受信周波数に対応するデータを受信可能な周波数に対応するデータとしてプリセットメモリに記憶する制御手段とを備えた構成を有している。
【0014】
この構成により、現在位置から予め定めた規定距離内にあるいずれの送信アンテナから送信される放送局の放送周波数の近接周波数をスキップして受信周波数を設定することによりプリセットメモリへの記憶動作時間を短縮できるという作用を有する。
【0015】
さらに、本発明の放送受信装置は、規定の周波数の幅が、受信周波数設定手段が順次切替える受信周波数のステップ周波数の整数倍である構成を有している。
この構成により、プリセットメモリへの記憶動作時間を短縮でき、特に整数倍が1倍の場合、プリセットメモリへの記憶動作時間をさらに短縮できるという作用を有する。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。
【0017】
図1は、本発明の一実施の形態における放送受信装置の概略ブロック図である。
【0018】
本発明の一実施の形態における放送受信装置は、図1に示すように、放送電波を受信し、放送電波で送られてきた低周波信号を出力するチューナ部1と、このチューナ部1の受信周波数を決定するPLL部2と、チューナ部1で受信された放送電波の電界強度を測定する電界強度測定部3と、チューナ部1で受信された放送電波が予め定めたレベル以上であるとき、それを検出するSD信号検出部4と、現在位置を測位するGPS受信機などの測位部5と、放送局の送信アンテナ位置や放送周波数、空中線電力と言った、いわゆる、放送局データを記憶した放送局データ記憶部6と、各種操作キーを備えた操作部7と、受信可能な放送周波数をそれぞれ操作部7の予め定めた操作キーに対応して記憶するプリセットメモリ8と、各種表示を行う表示部9と、これらを制御する制御部10とを備えている。
【0019】
なお、SD信号検出部4は、スーパーヘテロダイン受信方式の中間周波信号のレベルを直流電圧に変換し、放送電波を受信することによってその電圧が予め定めた一定レベル以上になったとき、H(ハイ)レベルのSD信号(Station Detect信号)を出力するように構成されている。
【0020】
次に、本実施の形態について、その動作を説明する。
【0021】
先ず、受信可能な放送局の放送周波数をそれぞれプリセットメモリ8に記憶する動作について説明する。
【0022】
図2は、本実施の形態において、受信可能な放送局の放送周波数をそれぞれプリセットメモリ8に記憶する場合の動作を示している。
【0023】
操作部7を用いて、受信可能な放送局の放送周波数をそれぞれプリセットメモリ8に記憶するための操作を行うと、制御部10がこれを検知し、PLL部2に対し、チューナ部1での受信周波数を予め定めた規定の値にするように指示する。すると、チューナ部1での受信周波数が予め定めた規定の値(例えば、受信周波数帯域の最も低い受信周波数)に設定される(S201)。
【0024】
チューナ部1での受信周波数が規定の値に設定されると、その受信周波数において、SD信号検出部4より所定のSD信号が検出されているか否かが判断され(S202)、検出されていない場合には、PLL部2に対し、チューナ部1での受信周波数を次の受信周波数(例えば、これまでの受信周波数より予め定めた、FM放送なら100kHz、AM放送なら9kHzといった、一定の周波数Δf1だけ高い受信周波数)にするように指示し、チューナ部1での受信周波数を次の受信周波数に設定する(S209)。
【0025】
SD信号検出部4によって所定のSD信号が検出された場合には、PLL部2はチューナ部1からの中間周波数をカウントし、中間周波数が規定の値であるかどうかを判断する(S203)。判断の結果、規定の値でなければ、SD信号が検出されなかった場合と同様、チューナ部1の受信周波数が次の受信周波数に設定される(S209)。
【0026】
チューナ部1からの中間周波数が規定の値であった場合には、チューナ部1で受信された放送電波の電界強度を測定する(S204)。
【0027】
チューナ部1で受信された放送電波の電界強度が予め定めた一定以上であれば、測位部5で測位された現在位置に基づいて、放送局データ記憶部6に記憶された多数の放送局の中から、現在位置から予め定めた規定距離内にある放送局が抽出され、抽出されたそれらの放送局の中に、現在設定されているチューナ部1での受信周波数が、抽出されたそれらの放送局の放送周波数と一致するか、さらには、抽出されたそれらの放送局の放送周波数から予め定めた規定の周波数範囲(±Δf2)内の近接周波数である放送局があるかどうかが判断される(S205)。ここではΔf2>=Δf1の場合で説明する。
【0028】
判断の結果、規定の周波数範囲内の放送局があれば、近接周波数だとしてSD信号が検出されなかった場合と同様、チューナ部1の受信周波数が次の受信周波数に設定される(S209)。そして、放送周波数と一致するか、あるいは、抽出されたそれらの放送局のいずれの放送周波数からも予め定めた規定の周波数範囲(±Δf2)を越えて離れていれば、放送局ありと判断され(S206)、その放送局の放送周波数と電界強度の値が、一時、制御部10内のメモリなどに記憶される(S207)。
【0029】
そして、これらの動作は、全ての受信周波数に対して実施され、それらが終了すれば(S208のY)、次に、制御部10内のメモリなどに一時記憶された放送周波数の中から電界強度の大きい順に予め定めた数(例えば、6つ)の放送局の放送周波数が抽出され(S210)、それら放送周波数がそれぞれ受信可能な受信周波数としてプリセットメモリ8に記憶される(S211)。
【0030】
なお、プリセットメモリ8に受信可能な受信周波数を記憶する場合、受信可能な受信周波数に対応するデータをそれぞれ操作部7のプリセットキーに対応して記憶するようにしている。したがって、希望する放送局の放送電波を受信する場合には、操作部7の希望するプリセットキーを操作すればよいようになっている。
【0031】
すなわち、希望するプリセットキーを操作すれば、それに対応して記憶された放送周波数のデータが読み出され、そのデータに基づいてチューナ部1の受信周波数が希望する放送局の放送周波数に設定され、希望する放送局の放送電波を受信することができるようになる。
【0032】
以上説明したように、本実施の形態では、SD信号や電界強度を検出し、これらが検出された状態で、更に、測位部5で測位された現在位置から予め定められた規定距離内に送信アンテナを有する放送局を抽出し、抽出された放送局の放送周波数と一致するか、あるいは、抽出された放送局のいずれの放送周波数からも予め定めた規定の周波数を越えて離れて受信周波数が設定されているかどうかを検出し、受信周波数が抽出された放送局の放送周波数と一致するか、あるいは、抽出された放送局のいずれの放送周波数からも予め定めた規定の周波数を越えて離れている場合のみ、設定された周波数を受信可能な受信周波数としてプリセットメモリに記憶するようにしており、したがって、本実施の形態によれば、受信できない放送周波数がプリセットメモリに記憶されることはない。
【0033】
また、電界強度を検出し、その電界強度の大きい受信周波数をそのままプリセットメモリに記憶するように構成した場合には、放送局が近くにあって、電界強度が大きすぎる場合、放送局の放送周波数がプリセットメモリに記憶される以外に、隣接する周波数がプリセットメモリに記憶されることがあるが、本実施の形態では、放送局データ記憶部6に記憶された放送局の放送周波数を基に、チューナ部1の受信周波数から、予め定めた規定の周波数範囲(±Δf2)内に予め定めた距離の送信アンテナを有する放送局の放送周波数がないかを検知し、その結果を踏まえて記憶するようにしており、このような誤記憶も容易に排除することができる。
【0034】
すなわち、図3(A)に示すように、SD検出レベルを所定の値に設定し、放送局が存在する、例えば、80.0MHz近辺でSD信号が検出され、80.0MHz±Δf1である79.9MHzおよび80.1MHzではSD信号が検出されないように構成するのであるが、放送局の送信アンテナが極端に近くにあって電界強度が極端に大きい場合には、図3(B)に示すように、85.1MHz近辺だけでなく、それに隣接する周波数(Δf1=0.1MHzの場合、85.0MHzや、85.2MHz)でもSD信号が検出されることになり、隣接する周波数が誤ってプリセットメモリに記憶されることになる。
【0035】
ところが、本実施の形態によれば、放送局データ記憶部6に記憶された放送局の放送周波数を基に、チューナ部1での受信周波数(例えば85.0MHz)から予め定めた規定の周波数範囲内(±Δf2)に放送局の放送周波数があるかどうかを検知し、放送周波数、若しくは規定の範囲(±Δf2)を越えて離れている場合にのみ、その周波数をプリセットメモリ6に記憶するようにしており、上記誤記憶を容易に防止することができる。
【0036】
なお、本実施の形態では、SD信号や電界強度を検出し、その後、測位部5によって測位された現在位置を基に、現在位置の周辺にある放送局を抽出し、その放送局の放送周波数を受信可能な受信周波数としてプリセットメモリに記憶するようにしているが、先に現在位置を測位し、その周辺に放送局があるかどうかを検出し、その後、SD信号の検出や電界強度の測定をするようにしても良い。
【0037】
図4は、先に現在位置を測位し、その周辺に放送局があるかどうかを判断し、その後、SD信号や電界強度を検出するように構成した他の実施の形態の動作を示すフローチャートである。以下、この実施の形態について、図4を用いて詳細に説明する。
【0038】
先ず、ハードウエア構成は、本実施の形態も、図1に示す通りであり、ここでは、その詳細な説明を省略する。
【0039】
本実施の形態において、操作部7を用いて、受信可能な放送局の放送周波数をそれぞれプリセットメモリ8に記憶するための操作を行うと、制御部10がこれを検知し、PLL部2に対し、チューナ部1での受信周波数を予め定めた規定の値にするように指示する。すると、チューナ部1での受信周波数が予め定めた規定の値(例えば、受信周波数帯域の最も低い受信周波数)に設定される(S401)。
【0040】
チューナ部1での受信周波数が規定の値に設定されると、その受信周波数から予め定めた規定の周波数範囲(±Δf2)に、測位部5によって測位された現在位置から規定の距離内にある送信アンテナを有する放送局の放送周波数があるかどうかが先ず判断される(S402)。
【0041】
チューナ部1での受信周波数から規定の周波数範囲(±Δf2)に現在位置から規定の距離内にある送信アンテナを有する放送局の放送周波数があれば、PLL部2に対し、チューナ部1での受信周波数を次の受信周波数(例えば、これまでの受信周波数より予め定めた一定の周波数Δf1だけ高い受信周波数)にするように指示し、チューナ部1での受信周波数を次の受信周波数に設定する(S408)。
【0042】
チューナ部1での受信周波数が現在位置から規定の距離内にある送信アンテナを有する放送局の放送周波数か、あるいは、受信周波数から規定の周波数範囲(±Δf2)に現在位置から規定の距離内にある送信アンテナを有する放送局の放送周波数がなければ、SD信号検出部4より所定のSD信号が検出されているか否かが判断される(S403)。
【0043】
SD信号が検出されていない場合には、PLL部2に対し、チューナ部1での受信周波数を次の受信周波数(例えば、これまでの受信周波数より予め定めた一定の周波数Δf1だけ高い受信周波数)にするように指示し、チューナ部1での受信周波数を次の受信周波数に設定する(S408)。
【0044】
SD信号検出部4によって所定のSD信号が検出された場合には、チューナ部1からの中間周波数をカウントし、中間周波数が規定の値であるかどうかを判断する(S404)。判断の結果、規定の値でなければ、SD信号が検出されなかった場合と同様、チューナ部1の受信周波数を次の受信周波数に設定する(S408)。
チューナ部1からの中間周波数が規定の値であった場合には、チューナ部1で受信された放送電波の電界強度を測定する(S405)。チューナ部1からの中間周波数が規定の値であれば、放送局ありと判断し(S406)、その時の受信周波数を電界強度の値と共に、一時、制御部10内のメモリなどに記憶する(S407)。
【0045】
そして、このような動作を全ての受信周波数に対して実施し、すべてが終了すれば(S409のY)、次に、制御部10内のメモリなどに一時記憶された受信周波数の中から電界強度の大きい順に予め定めた数(例えば、6つ)の受信周波数を抽出し(S410)、それら受信周波数をそれぞれ受信可能な受信周波数としてプリセットメモリ8に記憶する(S411)。
【0046】
このように、本実施の形態によれば、先に、測位部5で測位した現在位置周辺に送信アンテナを有する放送局を抽出し、その後、SD信号や電界強度を検出するようにしているため、不要な放送電波を受信することなく、素早く所定の放送電波を受信して、その受信周波数をプリセットメモリに記憶することができる。
【0047】
なお、本実施の形態では、先に現在位置を測位し、その周辺に送信アンテナを有する放送局があるかどうかを検出し、その後、SD信号や電界強度を検出するようにしているが、受信周波数を設定する段階で現在位置周辺に送信アンテナを有する放送局の近接周波数を予め除くようにしても良い。
【0048】
図5は、受信周波数を設定する段階で現在位置周辺に送信アンテナを有する放送局の近接周波数を予め除くように構成した他の実施の形態の動作を示すフローチャートである。以下、この実施の形態について、図5を用いて、図4に示す先の実施の形態との差を中心に、その動作を説明する。
【0049】
先ず、ハードウエア構成は、本実施の形態も、図1に示す通りであり、ここでは、その詳細な説明は省略する。本実施の形態において、操作部7を用いて、受信可能な放送局の放送周波数をそれぞれプリセットメモリ8に記憶するための操作を行なうと、制御部10がこれを検知し、PLL部2に対し、測位部5によって測位された現在位置から規定の距離内にある送信アンテナを有する放送局の放送周波数から予め定めた規定の周波数範囲(±Δf2)を除いて、チューナ部1での受信周波数を予め定めた規定の値にするように指示する。
【0050】
すると、チューナ部1での受信周波数が現在位置から規定の距離内にある送信アンテナを有する放送局の放送周波数から予め定めた規定の周波数範囲(±Δf2)を除き、予め定めた規定の値に設定される(S501)。
【0051】
SD信号検出(S502)以降の動作は、先の実施の形態におけるSD信号検出(S403)以降の動作と同様なので、その動作の説明は省略する。
【0052】
このように、本実施の形態によれば、現在位置から規定の距離内にある送信アンテナを有する放送局の放送周波数から予め定めた規定の周波数範囲(±Δf2)を除いて受信周波数を設定しているため、不要な周波数に受信周波数を設定することなく、素早く所定の放送を受信して、その受信周波数をプリセットメモリに記憶することができる。
【0053】
なお、上記実施の形態では、受信周波数のステップ(Δf1)をFM放送なら100kHz、AM放送なら9kHzの場合で説明したが、本発明はこれらの数値に限定されることなく受信の対象となる放送局の周波数をカバーできる周波数ステップなら同様の効果が得られるものである。
【0054】
また、上記実施の形態では、近接周波数Δf2>=Δf1の場合で説明したが、本発明はこの条件に限定されることなく、例えば、チューナ部の中間周波フィルタ(図示せず)の選択特性が極めて急峻で、受信対象放送局の周波数が丁度大きな周波数ステップでも受信可能な関係であれば、Δf2<Δf1の場合でも同様の効果が得られるものである。
【0055】
また、上記実施の形態では、チューナ部の構成がスーパーヘテロダイン方式の場合で説明したは、本発明はこれに限定されることなく、直接検波方式や再生検波方式などの他の方式でも同様の効果が得られるものである。
【0056】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は受信周波数が、測位部によって測位され現在位置から予め定めた規定距離内に送信アンテナを有する放送局の放送周波数か、若しくは、現在位置から予め定めた規定距離内に送信アンテナを有する放送局の放送周波数から予め定めた周波数を越えて離れている場合で、電波を実際に受信し、その受信状態での電界強度が予め定めた一定の値以上であるときのみ、受信周波数をプリセットメモリに記憶するようにしており、記憶した受信周波数において放送電波を受信することができないというような不都合は生じないという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態における放送受信装置の概略ブロック図
【図2】本発明の一実施の形態における放送受信装置の動作を示すフローチャート
【図3】本発明の一実施の形態における放送受信装置のSD検出レベルと電界強度との関係を説明する図
【図4】本発明の他の実施の形態における放送受信装置の動作を示すフローチャート
【図5】本発明の他の実施の形態における放送受信装置の動作を示すフローチャート
【符号の説明】
1 チューナ部
2 PLL部
3 電界強度測定部
4 SD信号検出部
5 測位部
6 放送局データ記憶部
7 操作部
8 プリセットメモリ
9 表示部
10 制御部
【発明の属する技術分野】
本発明は、ラジオ、テレビなどの放送を受信する主として車載用の放送受信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、車載用の放送受信装置では、予めスーパーヘテロダイン方式の局部発信周波数を順次切り替えていくことによって、受信周波数を順次自動的に切替えていき、受信された放送電波の電界強度が予め定めた規定の値以上になったとき、その受信された放送電波の周波数もしくは局部発信周波数をそれぞれ別に設けたプリセットメモリに記憶しておく。
【0003】
そして、希望する放送電波を受信する場合には、プリセットメモリに記憶された受信周波数もしくは局部発信周波数の中からそれぞれ希望する受信周波数もしくは局部発信周波数を読み出し、その受信周波数の放送を受信するように構成している。
【0004】
しかしながら、この種の放送受信装置では、プリセットメモリにそれぞれの受信可能な周波数を記憶させる場合、車両の走行状態や、周囲の温度、天候などに変化があると、それによって電界強度に大きなばらつきが生じ、本来であれば、規定の値以上の電界強度があるはずの放送電波が規定値以上であると検出されないことがあり、そのような場合、その放送電波の周波数がプリセットメモリに正しく記憶されないという問題があった。
【0005】
そのため、従来、このような問題を解決するものとして、自車位置を検出する自車位置検出手段と、放送局の位置や、放送周波数、出力などの放送局データを予め記憶した放送局データ記憶手段とを別に設け、自車位置検出手段によって自車位置が検出されると、その自車位置を基に、自車位置の周囲何キロメートルといった周辺地域に存在する放送局を放送局データ記憶手段より読み出し、読み出された放送局の放送周波数をそれぞれプリセットメモリに記憶するというものも知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開平9−135184号公報(第3頁〜第5頁、第2図)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来知られているこの種の放送受信装置では、自車位置を検出し、その周囲に存在する放送局の放送周波数をプリセットメモリに記憶するだけのものであり、実際に自車位置においてその放送局の放送電波が受信できるかどうかは不明であり、往々にして受信できない放送電波が存在するという問題があった。
【0008】
本発明は、以上のような従来の問題に鑑みてなされたものであり、自車位置の周辺に存在する放送局で実際には受信できない放送局の放送周波数をプリセットメモリに記憶してしまうことのない放送受信装置を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、受信周波数を順次切替え設定する受信周波数設定手段と、受信周波数設定手段によって設定された受信周波数において受信した放送電波の電界強度を検出する電界強度検出手段と、現在位置を測位する測位手段と、放送局の送信アンテナ位置と放送周波数とを含むデータを記憶した放送局データ記憶手段と、受信可能な周波数に対応するデータを記憶するプリセットメモリと、電界強度検出手段によって検出された電界強度が予め定めた一定値以上であって、周波数設定手段によって設定された受信周波数が、測位手段によって測位された現在位置から予め定めた規定距離内にある送信アンテナ位置から送信される放送局の放送周波数もしくは、現在位置から予め定めた規定距離内にあるいずれの送信アンテナから送信される放送局の放送周波数からも予め定めた規定の周波数を越えて離れている場合、受信周波数に対応するデータを受信可能な周波数に対応するデータとして前記プリセットメモリに記憶する制御手段とを備えた構成を有している。
【0010】
この構成により、放送局の放送電波を実際に受信し、その受信状態での電界強度が予め定めた一定の値以上であり、測位手段によって測位された現在位置から予め定めた規定距離内の送信アンテナから送信される放送周波数の近接周波数の場合を除いて、その受信周波数をプリセットメモリに記憶することにより、記憶した受信周波数において放送電波が受信できないという不都合は生じることなく、かつ、放送局の送信アンテナ近傍で放送周波数に近接する放送周波数以外の周波数をプリセットメモリに誤って記憶してしまわないという作用を有する。
【0011】
また、本発明の放送受信装置は、受信周波数を順次切替え設定する受信周波数設定手段と、現在位置を測位する測位手段と、放送局の送信アンテナ位置と放送周波数とを含むデータを記憶した放送局データ記憶手段と、受信可能な周波数に対応するデータを記憶するプリセットメモリと、測位手段によって測位された現在位置から予め定めた規定距離内にある送信アンテナから送信される放送局の放送周波数もしくは、現在位置から予め定めた規定距離内にあるいずれの送信アンテナから送信される放送局の放送周波数からも予め定めた規定の周波数を越えて離れていて、周波数設定手段によって設定された受信周波数において受信した放送電波の電界強度を検出する電界強度検出手段が検出した電界強度が予め定めた一定値以上である場合、受信周波数に対応するデータを受信可能な周波数に対応するデータとしてプリセットメモリに記憶する制御手段とを備えた構成を有している。
【0012】
この構成により、現在位置近くの送信アンテナから送信される放送周波数に近接する周波数を、電界強度を測定するより先に除外することによりプリセットメモリへの記憶動作時間を短縮できるという作用を有する。
【0013】
また、本発明の放送受信装置は、放送局の送信アンテナ位置と放送周波数とを含むデータを記憶した放送局データ記憶手段と、受信可能な周波数に対応するデータを記憶するプリセットメモリと、現在位置を測位する測位手段と、測位手段によって測位された現在位置から予め定めた規定距離内にある送信アンテナから送信される放送局の放送周波数もしくは、現在位置から予め定めた規定距離内にあるいずれの送信アンテナから送信される放送局の放送周波数からも予め定めた規定の周波数を越えて離れている周波数を、受信周波数として順次切替え設定する受信周波数設定手段と、受信周波数設定手段によって設定された受信周波数において受信した放送電波の電界強度を検出する電界強度検出手段が検出した電界強度が予め定めた一定値以上である場合、受信周波数に対応するデータを受信可能な周波数に対応するデータとしてプリセットメモリに記憶する制御手段とを備えた構成を有している。
【0014】
この構成により、現在位置から予め定めた規定距離内にあるいずれの送信アンテナから送信される放送局の放送周波数の近接周波数をスキップして受信周波数を設定することによりプリセットメモリへの記憶動作時間を短縮できるという作用を有する。
【0015】
さらに、本発明の放送受信装置は、規定の周波数の幅が、受信周波数設定手段が順次切替える受信周波数のステップ周波数の整数倍である構成を有している。
この構成により、プリセットメモリへの記憶動作時間を短縮でき、特に整数倍が1倍の場合、プリセットメモリへの記憶動作時間をさらに短縮できるという作用を有する。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。
【0017】
図1は、本発明の一実施の形態における放送受信装置の概略ブロック図である。
【0018】
本発明の一実施の形態における放送受信装置は、図1に示すように、放送電波を受信し、放送電波で送られてきた低周波信号を出力するチューナ部1と、このチューナ部1の受信周波数を決定するPLL部2と、チューナ部1で受信された放送電波の電界強度を測定する電界強度測定部3と、チューナ部1で受信された放送電波が予め定めたレベル以上であるとき、それを検出するSD信号検出部4と、現在位置を測位するGPS受信機などの測位部5と、放送局の送信アンテナ位置や放送周波数、空中線電力と言った、いわゆる、放送局データを記憶した放送局データ記憶部6と、各種操作キーを備えた操作部7と、受信可能な放送周波数をそれぞれ操作部7の予め定めた操作キーに対応して記憶するプリセットメモリ8と、各種表示を行う表示部9と、これらを制御する制御部10とを備えている。
【0019】
なお、SD信号検出部4は、スーパーヘテロダイン受信方式の中間周波信号のレベルを直流電圧に変換し、放送電波を受信することによってその電圧が予め定めた一定レベル以上になったとき、H(ハイ)レベルのSD信号(Station Detect信号)を出力するように構成されている。
【0020】
次に、本実施の形態について、その動作を説明する。
【0021】
先ず、受信可能な放送局の放送周波数をそれぞれプリセットメモリ8に記憶する動作について説明する。
【0022】
図2は、本実施の形態において、受信可能な放送局の放送周波数をそれぞれプリセットメモリ8に記憶する場合の動作を示している。
【0023】
操作部7を用いて、受信可能な放送局の放送周波数をそれぞれプリセットメモリ8に記憶するための操作を行うと、制御部10がこれを検知し、PLL部2に対し、チューナ部1での受信周波数を予め定めた規定の値にするように指示する。すると、チューナ部1での受信周波数が予め定めた規定の値(例えば、受信周波数帯域の最も低い受信周波数)に設定される(S201)。
【0024】
チューナ部1での受信周波数が規定の値に設定されると、その受信周波数において、SD信号検出部4より所定のSD信号が検出されているか否かが判断され(S202)、検出されていない場合には、PLL部2に対し、チューナ部1での受信周波数を次の受信周波数(例えば、これまでの受信周波数より予め定めた、FM放送なら100kHz、AM放送なら9kHzといった、一定の周波数Δf1だけ高い受信周波数)にするように指示し、チューナ部1での受信周波数を次の受信周波数に設定する(S209)。
【0025】
SD信号検出部4によって所定のSD信号が検出された場合には、PLL部2はチューナ部1からの中間周波数をカウントし、中間周波数が規定の値であるかどうかを判断する(S203)。判断の結果、規定の値でなければ、SD信号が検出されなかった場合と同様、チューナ部1の受信周波数が次の受信周波数に設定される(S209)。
【0026】
チューナ部1からの中間周波数が規定の値であった場合には、チューナ部1で受信された放送電波の電界強度を測定する(S204)。
【0027】
チューナ部1で受信された放送電波の電界強度が予め定めた一定以上であれば、測位部5で測位された現在位置に基づいて、放送局データ記憶部6に記憶された多数の放送局の中から、現在位置から予め定めた規定距離内にある放送局が抽出され、抽出されたそれらの放送局の中に、現在設定されているチューナ部1での受信周波数が、抽出されたそれらの放送局の放送周波数と一致するか、さらには、抽出されたそれらの放送局の放送周波数から予め定めた規定の周波数範囲(±Δf2)内の近接周波数である放送局があるかどうかが判断される(S205)。ここではΔf2>=Δf1の場合で説明する。
【0028】
判断の結果、規定の周波数範囲内の放送局があれば、近接周波数だとしてSD信号が検出されなかった場合と同様、チューナ部1の受信周波数が次の受信周波数に設定される(S209)。そして、放送周波数と一致するか、あるいは、抽出されたそれらの放送局のいずれの放送周波数からも予め定めた規定の周波数範囲(±Δf2)を越えて離れていれば、放送局ありと判断され(S206)、その放送局の放送周波数と電界強度の値が、一時、制御部10内のメモリなどに記憶される(S207)。
【0029】
そして、これらの動作は、全ての受信周波数に対して実施され、それらが終了すれば(S208のY)、次に、制御部10内のメモリなどに一時記憶された放送周波数の中から電界強度の大きい順に予め定めた数(例えば、6つ)の放送局の放送周波数が抽出され(S210)、それら放送周波数がそれぞれ受信可能な受信周波数としてプリセットメモリ8に記憶される(S211)。
【0030】
なお、プリセットメモリ8に受信可能な受信周波数を記憶する場合、受信可能な受信周波数に対応するデータをそれぞれ操作部7のプリセットキーに対応して記憶するようにしている。したがって、希望する放送局の放送電波を受信する場合には、操作部7の希望するプリセットキーを操作すればよいようになっている。
【0031】
すなわち、希望するプリセットキーを操作すれば、それに対応して記憶された放送周波数のデータが読み出され、そのデータに基づいてチューナ部1の受信周波数が希望する放送局の放送周波数に設定され、希望する放送局の放送電波を受信することができるようになる。
【0032】
以上説明したように、本実施の形態では、SD信号や電界強度を検出し、これらが検出された状態で、更に、測位部5で測位された現在位置から予め定められた規定距離内に送信アンテナを有する放送局を抽出し、抽出された放送局の放送周波数と一致するか、あるいは、抽出された放送局のいずれの放送周波数からも予め定めた規定の周波数を越えて離れて受信周波数が設定されているかどうかを検出し、受信周波数が抽出された放送局の放送周波数と一致するか、あるいは、抽出された放送局のいずれの放送周波数からも予め定めた規定の周波数を越えて離れている場合のみ、設定された周波数を受信可能な受信周波数としてプリセットメモリに記憶するようにしており、したがって、本実施の形態によれば、受信できない放送周波数がプリセットメモリに記憶されることはない。
【0033】
また、電界強度を検出し、その電界強度の大きい受信周波数をそのままプリセットメモリに記憶するように構成した場合には、放送局が近くにあって、電界強度が大きすぎる場合、放送局の放送周波数がプリセットメモリに記憶される以外に、隣接する周波数がプリセットメモリに記憶されることがあるが、本実施の形態では、放送局データ記憶部6に記憶された放送局の放送周波数を基に、チューナ部1の受信周波数から、予め定めた規定の周波数範囲(±Δf2)内に予め定めた距離の送信アンテナを有する放送局の放送周波数がないかを検知し、その結果を踏まえて記憶するようにしており、このような誤記憶も容易に排除することができる。
【0034】
すなわち、図3(A)に示すように、SD検出レベルを所定の値に設定し、放送局が存在する、例えば、80.0MHz近辺でSD信号が検出され、80.0MHz±Δf1である79.9MHzおよび80.1MHzではSD信号が検出されないように構成するのであるが、放送局の送信アンテナが極端に近くにあって電界強度が極端に大きい場合には、図3(B)に示すように、85.1MHz近辺だけでなく、それに隣接する周波数(Δf1=0.1MHzの場合、85.0MHzや、85.2MHz)でもSD信号が検出されることになり、隣接する周波数が誤ってプリセットメモリに記憶されることになる。
【0035】
ところが、本実施の形態によれば、放送局データ記憶部6に記憶された放送局の放送周波数を基に、チューナ部1での受信周波数(例えば85.0MHz)から予め定めた規定の周波数範囲内(±Δf2)に放送局の放送周波数があるかどうかを検知し、放送周波数、若しくは規定の範囲(±Δf2)を越えて離れている場合にのみ、その周波数をプリセットメモリ6に記憶するようにしており、上記誤記憶を容易に防止することができる。
【0036】
なお、本実施の形態では、SD信号や電界強度を検出し、その後、測位部5によって測位された現在位置を基に、現在位置の周辺にある放送局を抽出し、その放送局の放送周波数を受信可能な受信周波数としてプリセットメモリに記憶するようにしているが、先に現在位置を測位し、その周辺に放送局があるかどうかを検出し、その後、SD信号の検出や電界強度の測定をするようにしても良い。
【0037】
図4は、先に現在位置を測位し、その周辺に放送局があるかどうかを判断し、その後、SD信号や電界強度を検出するように構成した他の実施の形態の動作を示すフローチャートである。以下、この実施の形態について、図4を用いて詳細に説明する。
【0038】
先ず、ハードウエア構成は、本実施の形態も、図1に示す通りであり、ここでは、その詳細な説明を省略する。
【0039】
本実施の形態において、操作部7を用いて、受信可能な放送局の放送周波数をそれぞれプリセットメモリ8に記憶するための操作を行うと、制御部10がこれを検知し、PLL部2に対し、チューナ部1での受信周波数を予め定めた規定の値にするように指示する。すると、チューナ部1での受信周波数が予め定めた規定の値(例えば、受信周波数帯域の最も低い受信周波数)に設定される(S401)。
【0040】
チューナ部1での受信周波数が規定の値に設定されると、その受信周波数から予め定めた規定の周波数範囲(±Δf2)に、測位部5によって測位された現在位置から規定の距離内にある送信アンテナを有する放送局の放送周波数があるかどうかが先ず判断される(S402)。
【0041】
チューナ部1での受信周波数から規定の周波数範囲(±Δf2)に現在位置から規定の距離内にある送信アンテナを有する放送局の放送周波数があれば、PLL部2に対し、チューナ部1での受信周波数を次の受信周波数(例えば、これまでの受信周波数より予め定めた一定の周波数Δf1だけ高い受信周波数)にするように指示し、チューナ部1での受信周波数を次の受信周波数に設定する(S408)。
【0042】
チューナ部1での受信周波数が現在位置から規定の距離内にある送信アンテナを有する放送局の放送周波数か、あるいは、受信周波数から規定の周波数範囲(±Δf2)に現在位置から規定の距離内にある送信アンテナを有する放送局の放送周波数がなければ、SD信号検出部4より所定のSD信号が検出されているか否かが判断される(S403)。
【0043】
SD信号が検出されていない場合には、PLL部2に対し、チューナ部1での受信周波数を次の受信周波数(例えば、これまでの受信周波数より予め定めた一定の周波数Δf1だけ高い受信周波数)にするように指示し、チューナ部1での受信周波数を次の受信周波数に設定する(S408)。
【0044】
SD信号検出部4によって所定のSD信号が検出された場合には、チューナ部1からの中間周波数をカウントし、中間周波数が規定の値であるかどうかを判断する(S404)。判断の結果、規定の値でなければ、SD信号が検出されなかった場合と同様、チューナ部1の受信周波数を次の受信周波数に設定する(S408)。
チューナ部1からの中間周波数が規定の値であった場合には、チューナ部1で受信された放送電波の電界強度を測定する(S405)。チューナ部1からの中間周波数が規定の値であれば、放送局ありと判断し(S406)、その時の受信周波数を電界強度の値と共に、一時、制御部10内のメモリなどに記憶する(S407)。
【0045】
そして、このような動作を全ての受信周波数に対して実施し、すべてが終了すれば(S409のY)、次に、制御部10内のメモリなどに一時記憶された受信周波数の中から電界強度の大きい順に予め定めた数(例えば、6つ)の受信周波数を抽出し(S410)、それら受信周波数をそれぞれ受信可能な受信周波数としてプリセットメモリ8に記憶する(S411)。
【0046】
このように、本実施の形態によれば、先に、測位部5で測位した現在位置周辺に送信アンテナを有する放送局を抽出し、その後、SD信号や電界強度を検出するようにしているため、不要な放送電波を受信することなく、素早く所定の放送電波を受信して、その受信周波数をプリセットメモリに記憶することができる。
【0047】
なお、本実施の形態では、先に現在位置を測位し、その周辺に送信アンテナを有する放送局があるかどうかを検出し、その後、SD信号や電界強度を検出するようにしているが、受信周波数を設定する段階で現在位置周辺に送信アンテナを有する放送局の近接周波数を予め除くようにしても良い。
【0048】
図5は、受信周波数を設定する段階で現在位置周辺に送信アンテナを有する放送局の近接周波数を予め除くように構成した他の実施の形態の動作を示すフローチャートである。以下、この実施の形態について、図5を用いて、図4に示す先の実施の形態との差を中心に、その動作を説明する。
【0049】
先ず、ハードウエア構成は、本実施の形態も、図1に示す通りであり、ここでは、その詳細な説明は省略する。本実施の形態において、操作部7を用いて、受信可能な放送局の放送周波数をそれぞれプリセットメモリ8に記憶するための操作を行なうと、制御部10がこれを検知し、PLL部2に対し、測位部5によって測位された現在位置から規定の距離内にある送信アンテナを有する放送局の放送周波数から予め定めた規定の周波数範囲(±Δf2)を除いて、チューナ部1での受信周波数を予め定めた規定の値にするように指示する。
【0050】
すると、チューナ部1での受信周波数が現在位置から規定の距離内にある送信アンテナを有する放送局の放送周波数から予め定めた規定の周波数範囲(±Δf2)を除き、予め定めた規定の値に設定される(S501)。
【0051】
SD信号検出(S502)以降の動作は、先の実施の形態におけるSD信号検出(S403)以降の動作と同様なので、その動作の説明は省略する。
【0052】
このように、本実施の形態によれば、現在位置から規定の距離内にある送信アンテナを有する放送局の放送周波数から予め定めた規定の周波数範囲(±Δf2)を除いて受信周波数を設定しているため、不要な周波数に受信周波数を設定することなく、素早く所定の放送を受信して、その受信周波数をプリセットメモリに記憶することができる。
【0053】
なお、上記実施の形態では、受信周波数のステップ(Δf1)をFM放送なら100kHz、AM放送なら9kHzの場合で説明したが、本発明はこれらの数値に限定されることなく受信の対象となる放送局の周波数をカバーできる周波数ステップなら同様の効果が得られるものである。
【0054】
また、上記実施の形態では、近接周波数Δf2>=Δf1の場合で説明したが、本発明はこの条件に限定されることなく、例えば、チューナ部の中間周波フィルタ(図示せず)の選択特性が極めて急峻で、受信対象放送局の周波数が丁度大きな周波数ステップでも受信可能な関係であれば、Δf2<Δf1の場合でも同様の効果が得られるものである。
【0055】
また、上記実施の形態では、チューナ部の構成がスーパーヘテロダイン方式の場合で説明したは、本発明はこれに限定されることなく、直接検波方式や再生検波方式などの他の方式でも同様の効果が得られるものである。
【0056】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は受信周波数が、測位部によって測位され現在位置から予め定めた規定距離内に送信アンテナを有する放送局の放送周波数か、若しくは、現在位置から予め定めた規定距離内に送信アンテナを有する放送局の放送周波数から予め定めた周波数を越えて離れている場合で、電波を実際に受信し、その受信状態での電界強度が予め定めた一定の値以上であるときのみ、受信周波数をプリセットメモリに記憶するようにしており、記憶した受信周波数において放送電波を受信することができないというような不都合は生じないという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態における放送受信装置の概略ブロック図
【図2】本発明の一実施の形態における放送受信装置の動作を示すフローチャート
【図3】本発明の一実施の形態における放送受信装置のSD検出レベルと電界強度との関係を説明する図
【図4】本発明の他の実施の形態における放送受信装置の動作を示すフローチャート
【図5】本発明の他の実施の形態における放送受信装置の動作を示すフローチャート
【符号の説明】
1 チューナ部
2 PLL部
3 電界強度測定部
4 SD信号検出部
5 測位部
6 放送局データ記憶部
7 操作部
8 プリセットメモリ
9 表示部
10 制御部
Claims (4)
- 受信周波数を順次切替え設定する受信周波数設定手段と、前記受信周波数設定手段によって設定された受信周波数において受信した放送電波の電界強度を検出する電界強度検出手段と、現在位置を測位する測位手段と、放送局の送信アンテナの位置と放送周波数とを含むデータを記憶した放送局データ記憶手段と、受信可能な周波数に対応するデータを記憶するプリセットメモリと、前記電界強度検出手段によって検出された電界強度が予め定めた一定値以上であって、前記周波数設定手段によって設定された受信周波数が、前記測位手段によって測位された現在位置から予め定めた規定距離内にある送信アンテナから送信される放送局の放送周波数もしくは、前記現在位置から予め定めた規定距離内にあるいずれの送信アンテナから送信される放送局の放送周波数からも予め定めた規定の周波数を越えて離れている場合、前記受信周波数に対応するデータを受信可能な周波数に対応するデータとして前記プリセットメモリに記憶する制御手段とを備えた放送受信装置。
- 受信周波数を順次切替え設定する受信周波数設定手段と、現在位置を測位する測位手段と、放送局の送信アンテナ位置と放送周波数とを含むデータを記憶した放送局データ記憶手段と、受信可能な周波数に対応するデータを記憶するプリセットメモリと、前記測位手段によって測位された現在位置から予め定めた規定距離内にある送信アンテナから送信される放送局の放送周波数もしくは、前記現在位置から予め定めた規定距離内にあるいずれの送信アンテナから送信される放送局の放送周波数からも予め定めた規定の周波数を越えて離れていて、前記受信周波数設定手段によって設定された受信周波数において受信した放送電波の電界強度を検出する電界強度検出手段が検出した電界強度が予め定めた一定値以上である場合、前記受信周波数に対応するデータを受信可能な周波数に対応するデータとして前記プリセットメモリに記憶する制御手段とを備えた放送受信装置。
- 放送局の送信アンテナ位置と放送周波数とを含むデータを記憶した放送局データ記憶手段と、受信可能な周波数に対応するデータを記憶するプリセットメモリと、現在位置を測位する測位手段と、前記測位手段によって測位された現在位置から予め定めた規定距離内にある送信アンテナから送信される放送局の放送周波数もしくは、前記現在位置から予め定めた規定距離内にあるいずれの送信アンテナから送信される放送局の放送周波数からも予め定めた規定の周波数を越えて離れている周波数を、受信周波数として順次切替え設定する受信周波数設定手段と、前記受信周波数設定手段によって設定された受信周波数において受信した放送電波の電界強度を検出する電界強度検出手段が検出した電界強度が予め定めた一定値以上である場合、前記受信周波数に対応するデータを受信可能な周波数に対応するデータとして前記プリセットメモリに記憶する制御手段とを備えた放送受信装置。
- 前記規定の周波数の幅が、前記受信周波数設定手段が順次切替える受信周波数のステップ周波数の整数倍であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の放送受信装置。
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