JP2004235896A - 弾性表面波装置 - Google Patents

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Masayuki Funemi
雅之 船見
Shigehiko Nagamine
成彦 長峰
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Abstract

【課題】IDT電極の静電破壊を防止し、小型で信頼性に優れた弾性表面波装置を提供する。
【解決手段】圧電基板にIDT電極とパッド電極とを構成する複数の導体パターンと環状電極とを形成した弾性表面波素子を、回路基板に実装した弾性表面波装置において、接地用環状電極と電気的に接続されていない導体パターンを、抵抗体を介して接地用環状電極に電気的に接続する。
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば携帯電話等の移動体通信機器や車載用機器、医療用機器等に用いられる弾性表面波装置に関し、詳しくは、小型かつ高信頼性を可能とする構造に特徴を有する弾性表面波装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
弾性表面波共振器や弾性表面波フィルタ等の弾性表面波装置は、マイクロ波帯を利用する各種無線通信機器や車載用機器、医療用機器等に幅広く用いられているが、各機器の小型化に伴い、更なる小型化が求められている。
【0003】
また、従来の弾性表面波装置においては、圧電基板の有する焦電性により、急激な温度変化にさらされるとIDT電極で放電破壊が発生し、電気特性が劣化するという問題があった。このため、IDT電極の放電破壊を防止する為に今日まで様々な改良が加えられて来た。
【0004】
従来の放電破壊防止対策が施された弾性表面波装置としては、例えばIDT電極を形成する一対の櫛歯状電極を、抵抗体を介して接続する構造の物が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
図5は特許文献1で開示されている従来の弾性表面波装置に用いられる弾性表面波素子の電極構造を模式的に示す平面図である。
【0006】
図5において、弾性表面波素子400は、圧電基板401上に、入力側インターデジタルトランスデューサー(IDT)電極402a、出力側IDT電極402b、入出力IDT電極間の誘導をキャンセルする為のシールド電極403、吸音材404、IDT電極を形成する一対の櫛歯状電極どうしを静電的に短絡する為の薄膜抵抗体405が形成されている。薄膜抵抗体405の材料にはTa−SiOやNb−SiOなどを混合焼結した物が用いられる。
【0007】
上述した弾性表面波素子400では、薄膜抵抗体405によって対向する櫛歯電極どうしが短絡されている。その為、焦電効果によってIDT電極上に誘起された電荷により、対向する櫛歯電極間で放電破壊が発生するのを防ぐことができる。
【0008】
また、IDT電極を構成する一対の櫛歯状電極どうしを短絡させる抵抗体として金属酸化物を利用する方法も開示されている。(例えば、特許文献2参照)
【0009】
【特許文献1】
特開平9−260994号公報 (図4)
【特許文献2】
特開2000−183680号公報 (図1)
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来の弾性表面波装置は、以下の問題を有していた。
【0011】
まず、小型化及び高信頼性化が困難なことである。
【0012】
放電破壊を防止するために形成する抵抗リンクの抵抗値としては、特公平5−59609号公報等により1kΩ〜1000GΩが良いとされている。しかし、抵抗リンクによる電気特性の劣化を防止するためには、通常動作時に抵抗リンクを通って流れる電流を低く抑える必要があり、抵抗値は出来るだけ大きい方が望ましい。
【0013】
特許文献1では、薄膜抵抗体材料としてTa−SiOやNb−SiOなどを混合焼結した物が用いられていたが、それらの比抵抗値は200mΩ・cm程度以下と小さいため、大きな抵抗値を得るためにはある程度の長さが必要であった。例えば1MΩの抵抗値を得る為には、厚み0.15μm、幅100μmとすると7.5mmもの長さが必要となる。近年のGHz帯で使用される弾性表面波フィルタ等に用いられる弾性表面波素子の大きさは、縦横とも1mm程度であり、7.5mmの抵抗体を弾性表面波素子上に形成するのは不可能である。
【0014】
抵抗体を小型化するために厚みと幅を最大限に小さくし、例えば厚み0.05μm、幅1μmとすると、長さは25μmになり小型化は達成される。しかし、このような細長い形状の抵抗体では、電流が流れた時の発熱による温度上昇などにより断線しやすくなる。リフロー時など300℃ぐらいに加熱された時に、焦電効果により電荷が誘起されて抵抗体に大きな電流が流れると、発熱して更に温度が上昇することになり、抵抗自身が断線する可能性が高くなる。抵抗体の断線が起これば、焦電効果により誘起された電荷を逃がす手段が無くなるため、それ以後の温度変化によりIDT電極が放電破壊を起こすことを防止できなくなる。また、薄膜抵抗体材料自身の耐熱性にも問題があることが特許文献1において示されており、温度が上昇すると急激に酸化が進むなど、信頼性に問題があった。
【0015】
また、IDT電極の放電破壊防止効果が不充分なことであるという問題があった。
【0016】
弾性表面波素子の圧電基板上には、IDT電極に近接してシールド電極や、弾性表面波を反射させる反射器電極が形成される場合が多いが、IDT電極と同様にこれらの電極も焦電効果によって帯電する。そしてIDT電極に近接配置されたシールド電極や反射器電極とIDT電極との間で放電が起こり、IDT電極が破損することもある。よってIDT電極の放電破壊を完全に防止するには、圧電基板上のIDT電極に近接配置される全ての電極に誘起された電荷を、速やかに除去する必要がある。
【0017】
さらに、特許文献2で開示された弾性表面波装置においては、金属酸化物層を数nmと非常に薄く形成する必要があり、金属酸化物層の電気特性が不安定であるという問題があった。この問題に対して特許文献2においては、複数の金属酸化物層を直列接続する対策を開示しているが、問題が発生する確率を減らすことしかできず、根本的な解決策は見いだせなかった。
【0018】
本発明は上述の課題に鑑みて案出されたものであり、その目的は、小型で且つ信頼性の高い弾性表面波装置を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】
上述の課題を解決するために、請求項1に係る発明は、圧電基板の一方主面に、少なくとも信号側電位となる電極パターンを有するIDT電極を形成するとともに、前記圧電基板の一方主面の外周部に、アース電位となる環状電極を形成してなる弾性表面波素子を、回路基板上に所定間隙をあけて実装した弾性表面波装置において、
前記信号側電位となる電極パターンは、抵抗体を介して前記環状電極に電気的に接続されていることを特徴とするものである。
【0020】
また、上述の弾性表面波装置において、前記抵抗体が半導体材料で形成されているものである。
【0021】
さらに、上述の弾性表面波装置において、前記抵抗体がシリコンである。
【0022】
さらに、上述の弾性表面波装置において、前記圧電基板と前記回路基板との間の間隙を、前記環状電極によって気密封止されているものである。
【0023】
【作用】
本発明によれば、IDT電極には、少なくとも信号側電位となる電極パターンを有しており、この電極パターンは抵抗体を介してアース電位(基準電位)となる環状電極に電気的に接続している。よって、電極パターンに誘起された電荷が環状電極を介して移動することになる。尚、IDT電極は、一対の電極パターンがともに信号側電位(電位差を有している)となる場合、一方の電極パターンが信号側電位で、他方の電極パターンがアース電位(基準電位)となる電極パターンとなる場合のいずれかである。
【0024】
そして、上述のように、IDT電極の少なくとも信号側電位の電極パターンを抵抗体を介してアース電位の環状電極に接続することにより、IDT電極の電極パターン間の放電を引き起こす電位差が解消され、IDT電極の放電破壊が防止できる。
【0025】
また、本発明によれば、環状電極はアース電位に接地される。よって電極パターンに誘起された電荷は環状電極を通じて速やかにアースへ移動する。この為、温度変化等の環境変化に対して非常に安定になり、IDT電極の放電破壊も完全に防止できる。
【0026】
また、本発明によれば、抵抗体に半導体材料を使用しているが、半導体材料には温度が上昇すると非抵抗が小さくなる性質がある。よって急激な温度上昇が生じても、抵抗体の抵抗値が小さくなり、焦電効果により発生した電荷を速やかに逃がすことが出来る。また、抵抗体に大きな電流が流れて抵抗体の温度が更に上昇しても、抵抗体の抵抗値が更に下がり発熱を抑える為、抵抗体の過度の温度上昇を防ぎ、抵抗体の断線等の不具合発生を防止できる。
【0027】
また、本発明によれば、抵抗体にシリコン材料を使用している。シリコンの比抵抗は常温で約3000Ω・mと充分に高い為、高抵抗の抵抗体を微小面積且つ無理の無い形状で実現でき、弾性表面波装置を小型化できる。例えば、10GΩという高い抵抗値を持つ抵抗体でも、厚み0.25μm、長さ50μm、幅60μmという小型且つ無理の無い形状で作成できる。また、シリコンは安定性が高いため、弾性表面波装置の信頼性を高めることができる。また、シリコン膜は蒸着やスパッタなどの方法により、精度良く且つ簡便に形成することができるため、信頼性の高い弾性表面波装置を低コストで製造することができる。
【0028】
また、本発明によれば、圧電基板の一方主面の周囲に形成した環状電極によって、圧電基板の一方主面と回路基板の実装面との間の間隙を気密封止している。よって、従来、弾性表面波素子を気密封止する為に用いていたパッケージが不要となり、弾性表面波装置を小型化できる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図1〜図3に基づいて詳細に説明する。図1は本発明の弾性表面波装置に用いる弾性表面波素子の一実施形態を模式的に示す平面図、図2は本発明の弾性表面波装置の全体構造を模式的に示す断面図、図3は本発明の弾性表面波装置に用いる弾性表面波素子の他の実施形態を模式的に示す平面図である。
【0030】
図において、1は弾性表面波装置であり、10は弾性表面波素子であり、70は回路基板である。
弾性表面波素子10は、例えばタンタル酸リチウム単結晶、ニオブ酸リチウム単結晶、四ホウ酸リチウム単結晶等の圧電性の単結晶から成る基板20と、基板20の一方主面上に形成され、且つ弾性表面波を用いて機能する各種電極30を構成する電極パターンとから構成されている。
【0031】
各種電極30としては、図1に示すように、弾性表面波を励振するIDT電極30a、弾性表面波の伝搬方向に沿ってIDT電極30aの両側に配置される反射器電極30b、IDT電極30aに接続される入出力パッド電極30c、アース電位に接続される環状電極30d、さらに、弾性表面波装置の構造によって必要となる例えば段間接続電極30eなどが例示できる。
【0032】
IDT電極30aは、一対の共通電極と、一方の共通電極から他方の共通電極側に延びる複数の電極指とを有し、各々の共通電極から延びる複数の電極指は互いにかみ合うように配置される。即ち、一対の電極パターンで構成されている。そして、IDT電極30aには、一対の電極パターンがともに信号側電位(電位差を有している)となる場合と、一方の電極パターンが信号側電位で他方の電極パターンがアース電位(基準電位)となる電極パターンとなる場合とがある。
【0033】
図1において、弾性表面波の伝搬方向に沿って配置される一対の反射器電極30b、及びその間に配置された一つのIDT電極30aにより、一端子対共振器31aが形成されている。また、それに隣接して、一対の反射器電極30b及びその間に配置された複数のIDT電極30aにより、縦結合型二重モードフィルタ31bが形成されている。そして、一端子対共振器31aと縦結合型二重モードフィルタ31bとが段間接続電極30eによってカスケード接続されている。
【0034】
各種電極30を形成する電極パターンのうち、環状電極30dと電気的に接続されていない電極パターンは、例えば、IDT電極30aの信号側電位の電極パターンは、短絡用導体パターン30f、入出力電極パッド30c、抵抗体40を介して環状電極30dに電気的に接続されている。図1では、環状電極30dに直接接続する電極パターンは、反射器電極30bと、該反射器電極30bに接続するIDT電極30aのうちのアース電位(基準電位)となる電極パターンのみである。
【0035】
入出力パッド電極30cと環状電極30dの上には、図2に示すように導体膜50が形成される。また、圧電基板20の一方主面には、導体膜50を露出するように、保護膜60が形成されている。
【0036】
以上のように構成した弾性表面波素子10を、弾性表面波素子10の一方主面に形成された導体膜50と、回路基板70の実装面に形成された接続電極80とを、半田バンプ90を介して接続する。これにより、弾性表面波素子10と回路基板70とが電気的かつ機械的に接続される。同時に、弾性表面波素子10の一方主面と、回路基板の実装面との間の間隙が気密封止される。
【0037】
図2では省略しているが、回路基板70の底面には外部端子電極が形成されており、外部端子電極と各接続電極80とは、回路基板70の表面や内部に形成された配線パターンを介して接続されている。
【0038】
そして、弾性表面波素子10の他方主面及び周囲面に樹脂100が形成され、弾性表面波素子10の損傷を防止している。尚、回路基板70の表面とIDT電極30aの表面との間隔は、弾性表面波素子10で発生する弾性表面波の波長以上の間隔に設定されている。
【0039】
本発明の弾性表面波装置によれば、環状電極30dと電気的に接続されていない電極パターンであるIDT電極30aの信号側電位となる電極パターンを、入出力パッド電極30c、短絡用導体パターン30f及び抵抗体40を介して環状電極30dに電気的に接続している。よって、急激な温度変化などが発生したときに焦電効果によってIDT電極の電極パターンに誘起される電荷が、環状電極30dを介して移動し、全ての電極パターンにおいて、電極パターン間の放電を引き起こす電位差が解消される。これによりIDT電極30aの放電破壊が防止できる。
【0040】
また、環状電極30dはアース電位に接地される。よって各電極パターンに誘起された電荷は環状電極30dを通じて速やかにアースへ移動し、各電極パターン間に大きな電位差が発生することがない。このため、温度変化等の環境変化に対して非常に安定になり、IDT電極30aの放電破壊を完全に防止できる。
【0041】
また、抵抗体40に半導体材料であるシリコン材料、炭化シリコン、窒化シリコンなどが例示できる。これらの半導体材料は温度が上昇すると非抵抗が小さくなる性質がある。よって急激な温度上昇が生じても、抵抗体の抵抗値が小さくなり、焦電効果により発生した電荷を速やかに逃がすことができる。また、抵抗体に大きな電流が流れて抵抗体の温度が更に上昇しても、抵抗体の抵抗値が更に下がり発熱を抑えるため、抵抗体の過度の温度上昇を防ぎ、抵抗体の断線等の不具合発生を防止できる。
【0042】
また、特に、半導体のうちシリコン材料の比抵抗は常温で約3000Ω・mと充分に高い為、高抵抗の抵抗体を微小面積且つ無理の無い形状で実現でき、弾性表面波装置を小型化できる。また、シリコンは安定性が高いため、弾性表面波装置の信頼性を高めることができる。また、シリコン膜は蒸着やスパッタなどの方法により、精度良く且つ簡便に形成することができる為、信頼性の高い弾性表面波装置を低コストで製造することができる。
【0043】
抵抗体の40の抵抗値は、高すぎるとIDT電極の放電破壊を防ぐ効果が低くなり、小さすぎると弾性表面波装置の電気特性が劣化してしまうため、弾性表面波装置に要求される電気特性に応じて適切に設定する必要がある。例えば、中心周波数19GHzの弾性表面波装置の場合には、抵抗体40の厚み、長さ、抵抗率によっても設定できるが、実際の抵抗値として5MΩ〜28MΩとなるようにすることが望ましい。
【0044】
また、本発明の弾性表面波装置1は、環状電極30dによって、圧電基板20の一方主面と回路基板70の実装面との間の間隙を気密封止している。よって、従来弾性表面波素子10を気密封止する為に用いていたパッケージが不要となり、弾性表面波装置を小型化できる。
【0045】
図3は本発明の別の実施形態の弾性表面波装置における、弾性表面波素子10の電極構造を模式的に示す平面図である。この弾性表面波装置においては、入力側の縦結合型二重モードフィルタ32aと出力側の縦結合型二重モードフィルタ32bとがカスケード接続されている。そして、入力側の縦結合型二重モードフィルタ32aにおいて、IDT電極30aを構成する一対の共通電極のうち、アース電位となる一方の共通電極が、最も近接する環状電極30dと一体的に形成され、小型化が図られている。
【0046】
尚、上記実施形態では、弾性表面波素子10の損傷防止を目的として樹脂100を形成したが、樹脂100を設けず、弾性表面波素子10をむき出しにしてもかまわない。また、樹脂100で気密封止を行い、環状電極30dで樹脂100の流入を防止し振動空間を確保してもよい。その場合、環状電極30dは連続的な環状である必要はない。更に上記実施形態以外にも、ラダー型フィルタ等の他の種類の弾性表面波フィルタやデュプレクサ等の弾性表面波装置1についても、IDT電極30aを有するものであれば、本発明を適用できることはいうまでもない。
【0047】
【実施例】
次に、本発明に係る弾性表面波装置を作製した実施例について説明する。
図4に弾性表面波素子の製造プロセスを示す。なお、製造にはステッパー(縮小投影露光機)及びRIE(Reactive Ion Etching)装置を用いフォトリソグラフィーを行った。
(1)圧電基板20(タンタル酸リチウム単結晶の38.7°Yカット)にアセトン・IPA等を使用して超音波洗浄を施し、有機成分の除去を行った。次に、クリーンオーブンによって充分に基板乾燥を行った後、圧電基板20の一方主面に電極(最終的に各種電極30となる導体で,便宜上電極30と付す)の成膜を行った。電極30の成膜にはスパッタリング装置を使用し、Al−Cu(Cu1重量%)合金から成る電極30を成膜した。この電極膜厚は約2000Åとした。
【0048】
また、圧電基板20の他方主面にも、抵抗体40を形成する前のIDT電極30aの放電破壊を防止する目的で、同様に電極(図示せず)の成膜を行った。
(2)レジスト110を約0.6μmの厚みにスピンコートした。
(3)ステッパーにより所望形状にパターン化して、現像装置にて不要部分のレジスト110をアルカリ現像液で溶解させ、所望レジストパターンを形成した。
(4)RIE装置によりAl−Cu電極30のエッチングを行った。
(5)レジスト110を剥離し、Al−Cu電極30のパターニングを終了した(図4(a)を参照)。
(6)SiOから成る保護膜60をCVD装置にて200Åの厚みに成膜した(図4(b)を参照)。
(7)レジスト110を約8μm全面に再度塗布し、抵抗体40を形成する部分のレジスト110を感光させ削除した。(図4(c)を参照)
(8)抵抗体40を形成する部分のSiO保護膜60をCDEにより除去した(図4(d)を参照)。
(9)後に抵抗体40となるシリコン膜40を、スパッタにて2500Åの厚さで形成した(図4(e)を参照)。
(10)レジスト110とともにレジスト上のシリコン膜40をリフトオフにより除去し、抵抗体40を形成した。(図4(f)を参照)。
(11)レジスト110を約8μm全面に再度塗布し、入出力パッド電極30cと環状電極30dの上の、導体膜50を形成する部分のレジスト110を感光させ削除した(図4(g)を参照)。
(12)導体膜50を形成する部分のSiO保護膜60をCDEにより除去した(図4(h)を参照)。
(13)Cr、Ni、Auをこの順序でそれぞれ100Å、10000Å、2000Åの厚みにスパッタにて成膜し、導体膜50を形成した(図4(i)を参照)。
(14)レジスト110とともにレジスト上の導体膜50をリフトオフにより除去し、導体膜50のパターンニングを完了した。(図4(j)を参照)。
(15)ウエハをダイシングラインに沿ってダイシングし、チップごとに分割して弾性表面波素子を完成させた。チップサイズは1.1×1.3mmとした。
次に実装について説明する。
(16)完成した弾性表面波素子10を、ガラスセラミックスから成る回路基板70にフェースダウン実装した(図2を参照)。まず、回路基板70の、入出力パッド電極30c及び環状電極30dに対応する部分に形成された接続電極80上に半田バンプ90を形成し、その上に弾性表面波素子10をフェースダウンで搭載して超音波を加えて熱圧着し、その後240℃でリフローを行って気密封止を行った。その後エポキシ系の樹脂を、真空印刷機を用いて印刷し、100℃1時間+150℃3時間の条件で硬化させた。最後に基板を各装置の形状にダイシングして各装置に分割して弾性表面波装置を完成させた。
【0049】
上記弾性表面波フィルタによれば、圧電基板20と回路基板70との間に環状電極30dで囲まれた気密空間が確保されており、空間の高さは30μmとしている。この高さは弾性表面波フィルタの中心周波数における波長2μmに対して大きく、弾性表面波の振動を妨げることはない。
【0050】
このようにして得られる弾性表面波装置に対してヒートサイクル試験を行い、IDT電極30aの放電破壊に対する効果を検証した。試験方法としては、低温側―40℃、高温側+85℃、キープ時間30分、遷移時間2分とし、10サイクル行った。抵抗体40及び短絡用導体パターン30fを形成した実施例と、形成しない比較例とに対して試験を実施した結果、比較例ではサンプルの全てにおいてIDTの放電破壊が発生したのに対して、実施例ではサンプルの全てにおいてIDTの放電破壊は発生しなかった。これにより、IDT電極30aの放電破壊に対する本発明の有効性が示された。
【0051】
尚、本実施例では回路基板70をガラスセラミックス基板としたが、アルミナなどの他のセラミックス基板、またはガラスエポキシ基板等の樹脂基板でもかまわない。また、電極をAl−Cu合金から成る電極としたが、NiやTi等他の材料を使用してもよいことはもちろんである。また、保護膜60は、酸化シリコン以外に、窒化シリコンなどの絶縁性材料を用いても良い。また、エポキシ樹脂の印刷を真空印刷機で行ったが、大気圧中で印刷を行い、その後真空脱泡しても構わない。
【0052】
【発明の効果】
本発明によれば、IDT電極の信号側電位の電極パターン、それに接続する電極パッドなどのようにアース電位に接続される環状電極と電気的に接続されていない電極を、抵抗体を介して環状電極に電気的に接続している。よって、これによりIDT電極の放電破壊が防止できる。
【0053】
また、抵抗体に半導体材料を使用しているので、抵抗体の断線等の不具合発生を防止できる。また、抵抗体材料にシリコンを使用しているので、小型で信頼性の高い弾性表面波装置を低コストで製造することができる。
【0054】
また、圧電基板の一方主面の周囲に形成した環状電極によって、圧電基板の一方主面と回路基板の実装面との間の間隙を気密封止している。よって、従来弾性表面波素子を気密封止する為に用いていたパッケージが不要となり、弾性表面波装置を小型化できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の弾性表面波装置に用いられる弾性表面波素子の電極構造を模式的に示す平面図である。
【図2】本発明の弾性表面波装置の全体構造を模式的に示す断面図である。
【図3】本発明の別の実施形態の弾性表面波装置に用いられる弾性表面波素子の電極構造を模式的に示す平面図である。
【図4】(a)〜(j)は、それぞれ本発明の弾性表面波装置における弾性表面波素子の製造工程を模式的に示す断面図である。
【図5】従来の弾性表面波装置に用いられる弾性表面波素子の電極構造を模式的に示す平面図である。
【符号の説明】
10、400:弾性表面波素子
30a、402a、402b: IDT電極
30b:反射器電極
30c:入出力パッド電極
30d:環状電極
60:保護膜
70:回路基板
80:接続電極
90:バンプ
100:樹脂

Claims (4)

  1. 圧電基板の一方主面に、少なくとも信号側電位となる電極パターンを有するIDT電極を形成するとともに、前記圧電基板の一方主面の外周部に、アース電位となる環状電極を形成してなる弾性表面波素子を、回路基板上に所定間隙をあけて実装した弾性表面波装置において、
    前記信号側電位となる電極パターンは、抵抗体を介して前記環状電極に電気的に接続されていることを特徴とする弾性表面波装置。
  2. 前記抵抗体が半導体材料で形成されていることを特徴とする請求項1に記載の弾性表面波装置。
  3. 前記抵抗体がシリコンであることを特徴とする請求項1乃至2に記載の弾性表面波装置。
  4. 前記圧電基板と前記回路基板との間の間隙が、前記環状電極によって気密封止されていることを特徴とする請求項1乃至3に記載の弾性表面波装置。
JP2003021100A 2003-01-29 2003-01-29 弾性表面波装置 Pending JP2004235896A (ja)

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