JP2004235839A - 固定無線アクセスシステム - Google Patents
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Abstract
【課題】無線基地局の利用効率を向上して、固定無線端末の回線接続を効率良く行うことができる固定無線アクセスシステムを提供する。
【解決手段】第1・第2のアクセスポイント11a,11bの無線通信エリア17a,17bは、一部が相互に重複するように設置される。アクセスポイント11a,11bは、ステーション12との間で無線通信を行う無線送受信部と、この無線送受信部の通信量を監視する無線通信監視部と、通信量に応じて通信担当エリアを決定する通信担当エリア決定部とを備える。このように通信量に応じて通信担当エリアを変更することで、一方の無線基地局にアクセスが集中した場合でも、重複エリアを他方の無線基地局に担当させることができ、全体として無線基地局の利用効率を向上できる。
【選択図】 図1
【解決手段】第1・第2のアクセスポイント11a,11bの無線通信エリア17a,17bは、一部が相互に重複するように設置される。アクセスポイント11a,11bは、ステーション12との間で無線通信を行う無線送受信部と、この無線送受信部の通信量を監視する無線通信監視部と、通信量に応じて通信担当エリアを決定する通信担当エリア決定部とを備える。このように通信量に応じて通信担当エリアを変更することで、一方の無線基地局にアクセスが集中した場合でも、重複エリアを他方の無線基地局に担当させることができ、全体として無線基地局の利用効率を向上できる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、無線基地局およびこの無線通信エリア内に設置された複数の固定無線端末から成る固定無線アクセスシステムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の技術として、例えば、下記の特許文献1に記載されるような無線LAN(Local Area Network)システムがある。この無線LANシステムでは、アクセスポイント(無線基地局)がそのサービスエリア(無線通信エリア)内の移動ステーション(無線端末)を管理しており、無線基地局から無線端末に対し予め定められた台数を超えて接続要求が為された場合に、無線基地局は無線端末の接続を制限している。
【0003】
【特許文献1】特開平11−055286号公報
【特許文献2】特開平09−064876号公報
【特許文献3】特開平08−256162号公報
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の技術では、特定の無線基地局に対し制限された台数以上の無線端末から接続要求が為された場合、隣接する無線基地局に空きチャネルが残っていたとしても、一部の無線端末は回線接続することができず、無線基地局の利用効率は低くなってしまう。
【0004】
特に、移動ステーションではなく固定ステーション(固定無線端末)を使用した固定無線アクセスシステムでは、無線端末が予め決められた位置に固定配置されており、接続する固定無線端末の台数を無線基地局で把握し易いにも拘わらず、移動ステーションを使用した無線LANシステムと同様に、無線基地局の利用効率が低くなってしまう。
【0005】
本発明の目的は、無線基地局の利用効率を向上して、固定無線端末の回線接続を効率良く行うことができる固定無線アクセスシステムを提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、無線通信エリアの一部が相互に重複する第1・第2無線基地局、およびこの第1・第2無線基地局の無線通信エリア内に設置された複数の固定無線端末から成る固定無線アクセスシステムであって、前記第1・第2無線基地局は、前記固定無線端末との間で無線通信を行う無線送受信部と、この無線送受信部の通信量または通信品質を監視する無線通信監視部と、前記通信量または通信品質に応じて通信担当エリアを決定する通信担当エリア決定部とを備えたことを特徴とする固定無線アクセスシステムである。
【0007】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態に係る固定無線アクセスシステムの全体構成を示す図である。この固定無線アクセスシステムは、アクセスポイント(AP)11a,11bおよび複数のステーション(STA)12から構成された無線LANシステムであり、図1では集合住宅に適用したものを例示している。これ以降、アクセスポイント11a,11bは、内容に応じてアクセスポイント11と表記することがある。
【0008】
アクセスポイント11は、本発明の無線基地局に相当するものであり、集合住宅16に対向する位置、例えば、電柱に固定して設置される。ステーション12は、本発明の固定無線端末に相当するものであり、集合住宅16の各室に固定して設置される。集合住宅16に設置された全てのステーション12は、アクセスポイント11a,11bにそれぞれ対応した無線通信エリア17a,17bのいずれかに含まれる。無線通信エリア17a,17bは、それぞれアクセスポイント11a,11bが通信可能なエリアであり、相互に重複する重複エリア18を形成している。エリア19aは、無線通信エリア17aから重複エリア18を除いたエリアである。同様に、エリア19bは、無線通信エリア17bから重複エリア18を除いたエリアである。
【0009】
このように、ステーション12は少なくともアクセスポイント11a,11bのいずれか一方と通信可能であり、その中でも、重複エリア18に位置するステーション12は、アクセスポイント11a,11bの双方と通信可能である。
【0010】
図2は、図1におけるアクセスポイント11の詳細構成を示す図である。アクセスポイント11は、アンテナ21、アンテナ制御部22、無線送受信部23、有線送受信部24、記憶部25および無線通信監視部26を備えている。
【0011】
アンテナ21は、アダプティブアレーアンテナによって構成され(図3で後述する)、指向性を自在に変更可能である。アンテナ制御部22は、アンテナ21による指向性を制御する。無線送受信部23は、無線送信部31、無線受信部32およびスイッチ33を備え、無線送信と無線受信とを切替えながら行う。有線送受信部24は、上位装置との間で送受信を行うとともに、他方の無線基地局(以下、他局と称する)との間で送受信を行う。記憶部25は、ステーション12を識別するための識別子を記憶するとともに、各ステーション12の方位に指向性を有するビームパターンを識別子に対応付けて記憶する。識別子は、例えば、各ステーション12のMAC(Media Access Control)アドレス、又は、各ステーション12毎に固有に付与される接続ID(Identifier)である。無線通信監視部26は、無線送受信部23による通信量を監視する。
【0012】
なお、図2のアンテナ制御部22および記憶部25は、本発明の通信担当エリア決定部30を構成している。
【0013】
図3は、図2におけるアンテナ21の詳細構成を示す図である。アンテナ21は、複数のパッチアンテナ(アンテナエレメント)111,112,…,11n,121,122,…,1n1,1nnをアレー状に並べて構成されたものである。同一の信号を異なるタイミングで各パッチアンテナから送信することによって、3次元の特定方向に指向性を有するビームパターンによる送信が可能となる。また、逆に、各パッチアンテナで受信した信号を異なるタイミングで合成することによって、3次元の特定方向に指向性を有するビームパターンの受信が可能となる。あるいは、指向性の無い広角のビームパターンをつくることも可能である。
【0014】
図4は、図2におけるアンテナ制御部22の詳細構成を示す図である。アンテナ制御部22は、パッチアンテナに対応した複数の乗算部36および合成分配部37を備えている。乗算部36は、パッチアンテナで受信した信号、或いは、合成分配部37にて分配された信号に対し、記憶部25の記憶内容に従って、時間成分を含む係数を乗算する。合成分配部37は、乗算部36からの全ての信号を合成するとともに、無線送受信部23からの信号をパッチアンテナ毎に分配する。このように、アンテナ制御部22は、各パッチアンテナに対応した係数を、記憶部25の記憶内容に従って制御しており、これによって、ビームパターンの指向性を制御することができる。
【0015】
図5は、図2における記憶部25の記憶内容を示す図である。記憶部25の記憶内容として、ステーション12毎のMACアドレス#1〜#n、およびこれに対応付けられたビーム形成パターン#1〜#nをテーブル状に並べたものを、図5に表示している。アンテナ制御部22は、アクセスポイント11の通信相手(ステーション12)に応じたビーム形成パターンを、記憶部25から読み出す。ビーム形成パターンは、すなわち、乗算部36にて乗算されるパッチアンテナ毎の係数を並べたものである。これにより、通信相手となるステーション12に応じてアンテナ21の指向性を制御することができる。
【0016】
また、図5に示すように、記憶部25には、通信担当エリアに広がる広角ビーム形成パターン(ビーコン)も2種類記憶している。通信担当エリアを図1で説明すると、無線基地局11aの通信担当エリアは、無線通信エリア17a(最大のエリア)およびエリア19a(最小のエリア)のいずれかである。同様に、無線基地局11bの通信担当エリアは、無線通信エリア17b(最大のエリア)およびエリア19b(最小のエリア)のいずれかである。図5に示すように、記憶部25には、最大の通信担当エリアに対応した広角ビーム形成パターン#1、および最小の通信担当エリアに対応した広角ビーム形成パターン#2が記憶されている。
【0017】
図6は、制御信号を送信する場合のビームスポットを示す図である。図6では、アクセスポイント11aの通信担当エリアが最小のエリア19a(図2)であり、アクセスポイント11bの通信担当エリアが最大のエリア17b(図2)である場合のビームスポットを例示している。無線通信監視部26が監視する通信量により、通信担当エリアが決定される。通信担当エリアが決定されると、アンテナ制御部22は、記憶部25から図5に示したような広角ビーム形成パターンを読み出す。図6の例では、アクセスポイント11aにおいて最小の通信担当エリアに対応した広角ビーム形成パターン#2が読み出され、アクセスポイント11bにおいて最大の通信担当エリアに対応した広角ビーム形成パターン#1が読み出される。読み出されたビーム形成パターンを用いて、アクセスポイント11からステーション12に向けて、制御信号が送信される。
【0018】
このように、アクセスポイント11aが混雑して、その通信量(トラフィック)が多くなってきた場合、アクセスポイント11aのサービスエリアのうち、重複エリア18を他局(アクセスポイント11b)に譲り、アクセスポイント11aに同時に接続される加入者の数を減らし、その混雑を緩和できる。
【0019】
また、このように制御信号を送信する場合以外にも、ステーション12から送られてくる上りのデータ信号を受信する場合も、同様に、広角ビーム形成パターンを使用する。これにより、通信担当エリア内の全てのステーション12から送られてくる上りデータ信号を受信することができる。
【0020】
さらに、アクセスポイント11aとアクセスポイント11bとは、相互間でアクセスポイント間制御信号を送受して、相互の通信トラフィックを確認し合っており、他局の通信トラフィックが少ないことを確認した後に、重複エリア18を他局に譲る制御を行う。
【0021】
図7は、データ信号を送受信する場合のビームスポットを示す図である。制御信号が、図6で前述したような広角ビームスポットで送信されると、受信を待機しているステーション12は、制御信号に同期して動作し、データ信号の受信を行う。このとき、アクセスポイント11は、あるステーション12の方位に指向性を有するビームパターンを使って、データ送信を行う。したがって、図7に示すように、データ信号の送信を行う場合、アクセスポイント11によるビームスポットは、ステーション12を含んだ限定的なエリア40に絞られる。
【0022】
このように、ビームスポットを絞ることにより、干渉を少なくするとともに、大容量のデータ信号を伝送することが可能である。
【0023】
一方、ステーション12のアンテナは、図示しないが、アクセスポイント11a,11bの方位に指向性を有するものであり、例えば、パラボラアンテナ又は平面アンテナである。ステーション12が固定されていること、及びその通信相手がアクセスポイント11a,11bのみであることから、指向性が固定されたパラボラアンテナがステーション12のアンテナとして適している。
【0024】
次に、固定無線アクセスシステムの動作を説明する。
【0025】
まず、アクセスポイント11は、その通信担当エリア全体に広がる広角なビームパターンを用いて、ステーション12に制御信号を送信する。この制御信号は、アクセスポイント11毎に定められた周波数の搬送波を用いて、一定周期ごとに送信される。ステーション12では、アクセスポイント11からの制御信号を受信し、その受信電界強度の大きい方の制御信号に同期して動作する。続いて、データ信号の受信を待機するステーション12は、同期したアクセスポイント11にアクセス要求信号を送信する。
【0026】
ステーション12から送信されたアクセス要求信号は、ステーション12の識別子を含んでおり、アクセスポイント11の無線受信部32によって受信される。アクセス要求信号の識別子は、記憶部25に登録されている識別子と照合される。未登録の場合は、初めてのアクセスであると判断し、アンテナ制御部22は、アンテナ21を制御して通信担当エリア内を指向性を順次変えてサーチする。このサーチによって、受信電界強度が最大となるビームパターンを探し出し、探し出されたビームパターンを使ってデータ信号の送受信を行うとともに、記憶部25にこのビームパターンを記憶する。既に登録済みの場合、アンテナ制御部22は、アンテナ21を過去の設定値(記憶部25に記憶されたビームパターン)に従って制御し、ステーション12の方位に指向性を絞って、データ信号の送信を行う。
【0027】
図8は、制御信号およびデータ信号の伝送タイミングを示す図である。図8の上段は、アクセスポイント11aに関する伝送タイミングを、図8の下段は、アクセスポイント11bに関する伝送タイミングを示している。ここで、アクセスポイント11aは周波数f1を用い、アクセスポイント11bは周波数f2(周波数f1とは異なる周波数)を用いるように割り当てられているものとする。
【0028】
アクセスポイント11aは、通信担当エリアに広がる広角ビームパターンを用いて、制御信号41を送信し、広角ビームパターンのまま上りデータ信号43を受信する。続いて、アクセスポイント11aは、ステーション12の方位に指向性を絞ったビームパターンを用いて、下りデータ信号45を送信する。
【0029】
一方のアクセスポイント11bは、通信担当エリアに広がる広角ビームパターンを用いて、制御信号42を送信し、ステーション12の方位に指向性を絞ったビームパターンを用いて、下りデータ信号46を送信する。続いて、アクセスポイント11bは、ビームパターンを広角のものに戻して、上りデータ信号43を受信する。
【0030】
このようにすることで、多値変調等の大きなC/N(Carrier/Noise)比を必要とする通信においても、アンテナゲインを上げることができることから、EIRP(Effective Isotropic Radiated Power)も上がり、それぞれのステーション12の受信端においても、C/N比が上がり、高速な通信レートを確保できる。また、指向性を絞ることから、集合住宅16のサービスエリア外の地域に不要な輻射が広がってしまう確率も下がり、周囲の電波干渉も低減できる。
【0031】
図9は、担当のアクセスポイントを変更する場合の信号伝送タイミングを例示する図である。図9の上段は、アクセスポイント11aに関する伝送タイミングを、図9の下段は、アクセスポイント11bに関する伝送タイミングを示している。また、図9では、横軸が時間を、縦軸が電解強度を示している。
【0032】
まず、アクセスポイント11aが制御信号51を送信し、アクセスポイント11bが制御信号52を送信する。ステーション12は、これらの制御信号51,52を受信し、それぞれの受信電界強度を比較して、電界強度の大きい方のアクセスポイント11aと通信を行う。すなわち、アクセスポイント11aは、ステーション12からの上りデータ信号53を受信した後、下りデータ信号54をステーション12に送信する。
【0033】
次に、アクセスポイント11aのトラフィックが上昇し、その通信担当エリアをエリア17aからエリア19aに(図2)変更する。このとき、アクセスポイント11aが制御信号51を送信し、アクセスポイント11bが制御信号52を送信するが、それぞれの電界強度は、制御信号51よりも制御信号52の方が大きくなっている。ステーション12は、周波数を変更し、制御信号52の受信電界強度が制御信号51の受信電界強度よりも大きいことを確認し、通信担当エリアに変更があったことを認識する。
【0034】
次に、ステーション12は、アクセスポイント11bにアクセス要求信号55を送信する。アクセス要求信号55を受信したアクセスポイント11bは、ステーション12にアクセス許可信号56を返す。このとき、アクセスポイント11aとアクセスポイント11bとは、アクセスポイント間制御信号を介して、ステーション12がアクセスポイント11aからアクセスポイント11bの配下に変わったことを伝え合う。
【0035】
次に、アクセスポイント11aが制御信号51を送信し、アクセスポイント11bが制御信号52を送信する。ステーション12は、これらの制御信号51,52を受信し、それぞれの受信電界強度を比較して、電界強度の大きい方のアクセスポイント11bと通信を行う。すなわち、アクセスポイント11bは、ステーション12からの上りデータ信号53を受信した後、下りデータ信号54をステーション12に送信する。
【0036】
このようにすることで、アクセスポイント11aの通信トラフィックを緩和することができ、良好な通信品質を確保できる。
【0037】
また、アクセスポイント11a及びアクセスポイント11b及びステーション12は、それぞれハンドオーバー機能を有している。例えば、アクセスポイント11aとステーション12とが通信している途中に、通信担当エリアの変更があってステーション12がアクセスポイント11aの通信担当エリアから外れ、アクセスポイント11bの通信担当エリアに含まれるようになった場合においても、アクセスポイント間制御信号により、アクセスポイント11aからアクセスポイント11bへ通信継続を通知し、上りデータ信号53および下りデータ信号54の伝送を継続しながら、アクセス要求信号55およびアクセス許可信号56を交換し合う。
【0038】
このように、ステーション12から見た通信相手として、アクセスポイント11aからアクセスポイント11bへの切替えを、通信を途切れさせることなく実行することができる。
【0039】
実施の形態2.
実施の形態2は、前述した実施の形態1の一部を変更したものである。すなわち、実施の形態1は、図2の無線通信監視部26において無線送受信部23の通信量を監視するものであったが、実施の形態2は、無線通信監視部26において無線送受信部23の通信品質を監視するものである。これ以外の点では、実施の形態2は、実施の形態1と同様の構成を成し、同様に動作するため、説明を省略する。
【0040】
図10は、本発明の実施の形態2に係る固定無線アクセスシステムを示す図である。無線通信監視部26では、上記のように、無線送受信部23の通信品質を監視している。例えば、ステーション12から送られてくる無線信号のSIR(信号対干渉比)を検出し、検出値を所定の閾値と比較しており、検出値が所定の閾値より小さくなった場合、干渉波を受信しているものと判断する。
【0041】
ここで、図10に示すように、集合住宅16と無関係の地点で干渉波60が発生し、アクセスポイント11から見て重複エリア18の方位から干渉波60が到来したとする。また、干渉波60の周波数は、アクセスポイント11aの動作周波数と同一であるものとする。この場合、アクセスポイント11aでは、干渉波が発生したと判断して、重複エリア18をアクセスポイント11bに譲り、アクセスポイント11bにて重複エリア18に設置されたステーション12との通信を継続する。
【0042】
このように、重複エリア18をアクセスポイント11bに譲るため、アクセスポイント11aから見て、干渉波60の到来方向にはヌル点が形成されるため、干渉波60の受信を回避できる。特に、電波利用に規制のない周波数帯を用いるIEEE802.11bに準拠する場合でも、干渉波の受信を回避することが可能となる。
【0043】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、固定無線アクセスシステムにおいて通信量に応じて通信担当エリアを変更することによって、一方の無線基地局にアクセスが集中した場合でも、重複エリアを他方の無線基地局に担当させることができ、全体として無線基地局の利用効率を向上できる。
【0044】
あるいは、本発明によれば、固定無線アクセスシステムにおいて通信品質に応じて通信担当エリアを変更することによって、一方の無線基地局に干渉が発生する等して通信品質が劣化した場合でも、重複エリアを他方の無線基地局に担当させて、通信品質の劣化を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る固定無線アクセスシステムの全体構成を示す図である。
【図2】図1におけるアクセスポイント11の詳細構成を示す図である。
【図3】図2におけるアンテナ21の詳細構成を示す図である。
【図4】図2におけるアンテナ制御部22の詳細構成を示す図である。
【図5】図2における記憶部25の記憶内容を示す図である。
【図6】制御信号を送信する場合のビームスポットを示す図である。
【図7】データ信号を送受信する場合のビームスポットを示す図である。
【図8】制御信号およびデータ信号の伝送タイミングを示す図である。
【図9】担当のアクセスポイントを変更する場合の信号伝送タイミングを例示する図である。
【図10】本発明の実施の形態2に係る固定無線アクセスシステムを示す図である。
【符号の説明】
11a,11b アクセスポイント(無線基地局)
12 ステーション(固定無線端末)
16 集合住宅
17a,17b 無線通信エリア(最大の通信担当エリア)
18 重複エリア
19a,19b エリア(最小の通信担当エリア)
21 アンテナ
22 アンテナ制御部
23 無線送受信部
24 有線送受信部
25 記憶部
26 無線通信監視部
30 通信担当エリア決定部
31 無線送信部
32 無線受信部
33 スイッチ
36 乗算部
37 合成分配部
38 記憶装置
40 エリア
41,42,51,52 制御信号
43,44,53 上りデータ信号
45,46,54 下りデータ信号
55 アクセス要求信号
56 アクセス許可信号
60 干渉波
【発明の属する技術分野】
本発明は、無線基地局およびこの無線通信エリア内に設置された複数の固定無線端末から成る固定無線アクセスシステムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の技術として、例えば、下記の特許文献1に記載されるような無線LAN(Local Area Network)システムがある。この無線LANシステムでは、アクセスポイント(無線基地局)がそのサービスエリア(無線通信エリア)内の移動ステーション(無線端末)を管理しており、無線基地局から無線端末に対し予め定められた台数を超えて接続要求が為された場合に、無線基地局は無線端末の接続を制限している。
【0003】
【特許文献1】特開平11−055286号公報
【特許文献2】特開平09−064876号公報
【特許文献3】特開平08−256162号公報
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の技術では、特定の無線基地局に対し制限された台数以上の無線端末から接続要求が為された場合、隣接する無線基地局に空きチャネルが残っていたとしても、一部の無線端末は回線接続することができず、無線基地局の利用効率は低くなってしまう。
【0004】
特に、移動ステーションではなく固定ステーション(固定無線端末)を使用した固定無線アクセスシステムでは、無線端末が予め決められた位置に固定配置されており、接続する固定無線端末の台数を無線基地局で把握し易いにも拘わらず、移動ステーションを使用した無線LANシステムと同様に、無線基地局の利用効率が低くなってしまう。
【0005】
本発明の目的は、無線基地局の利用効率を向上して、固定無線端末の回線接続を効率良く行うことができる固定無線アクセスシステムを提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、無線通信エリアの一部が相互に重複する第1・第2無線基地局、およびこの第1・第2無線基地局の無線通信エリア内に設置された複数の固定無線端末から成る固定無線アクセスシステムであって、前記第1・第2無線基地局は、前記固定無線端末との間で無線通信を行う無線送受信部と、この無線送受信部の通信量または通信品質を監視する無線通信監視部と、前記通信量または通信品質に応じて通信担当エリアを決定する通信担当エリア決定部とを備えたことを特徴とする固定無線アクセスシステムである。
【0007】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態に係る固定無線アクセスシステムの全体構成を示す図である。この固定無線アクセスシステムは、アクセスポイント(AP)11a,11bおよび複数のステーション(STA)12から構成された無線LANシステムであり、図1では集合住宅に適用したものを例示している。これ以降、アクセスポイント11a,11bは、内容に応じてアクセスポイント11と表記することがある。
【0008】
アクセスポイント11は、本発明の無線基地局に相当するものであり、集合住宅16に対向する位置、例えば、電柱に固定して設置される。ステーション12は、本発明の固定無線端末に相当するものであり、集合住宅16の各室に固定して設置される。集合住宅16に設置された全てのステーション12は、アクセスポイント11a,11bにそれぞれ対応した無線通信エリア17a,17bのいずれかに含まれる。無線通信エリア17a,17bは、それぞれアクセスポイント11a,11bが通信可能なエリアであり、相互に重複する重複エリア18を形成している。エリア19aは、無線通信エリア17aから重複エリア18を除いたエリアである。同様に、エリア19bは、無線通信エリア17bから重複エリア18を除いたエリアである。
【0009】
このように、ステーション12は少なくともアクセスポイント11a,11bのいずれか一方と通信可能であり、その中でも、重複エリア18に位置するステーション12は、アクセスポイント11a,11bの双方と通信可能である。
【0010】
図2は、図1におけるアクセスポイント11の詳細構成を示す図である。アクセスポイント11は、アンテナ21、アンテナ制御部22、無線送受信部23、有線送受信部24、記憶部25および無線通信監視部26を備えている。
【0011】
アンテナ21は、アダプティブアレーアンテナによって構成され(図3で後述する)、指向性を自在に変更可能である。アンテナ制御部22は、アンテナ21による指向性を制御する。無線送受信部23は、無線送信部31、無線受信部32およびスイッチ33を備え、無線送信と無線受信とを切替えながら行う。有線送受信部24は、上位装置との間で送受信を行うとともに、他方の無線基地局(以下、他局と称する)との間で送受信を行う。記憶部25は、ステーション12を識別するための識別子を記憶するとともに、各ステーション12の方位に指向性を有するビームパターンを識別子に対応付けて記憶する。識別子は、例えば、各ステーション12のMAC(Media Access Control)アドレス、又は、各ステーション12毎に固有に付与される接続ID(Identifier)である。無線通信監視部26は、無線送受信部23による通信量を監視する。
【0012】
なお、図2のアンテナ制御部22および記憶部25は、本発明の通信担当エリア決定部30を構成している。
【0013】
図3は、図2におけるアンテナ21の詳細構成を示す図である。アンテナ21は、複数のパッチアンテナ(アンテナエレメント)111,112,…,11n,121,122,…,1n1,1nnをアレー状に並べて構成されたものである。同一の信号を異なるタイミングで各パッチアンテナから送信することによって、3次元の特定方向に指向性を有するビームパターンによる送信が可能となる。また、逆に、各パッチアンテナで受信した信号を異なるタイミングで合成することによって、3次元の特定方向に指向性を有するビームパターンの受信が可能となる。あるいは、指向性の無い広角のビームパターンをつくることも可能である。
【0014】
図4は、図2におけるアンテナ制御部22の詳細構成を示す図である。アンテナ制御部22は、パッチアンテナに対応した複数の乗算部36および合成分配部37を備えている。乗算部36は、パッチアンテナで受信した信号、或いは、合成分配部37にて分配された信号に対し、記憶部25の記憶内容に従って、時間成分を含む係数を乗算する。合成分配部37は、乗算部36からの全ての信号を合成するとともに、無線送受信部23からの信号をパッチアンテナ毎に分配する。このように、アンテナ制御部22は、各パッチアンテナに対応した係数を、記憶部25の記憶内容に従って制御しており、これによって、ビームパターンの指向性を制御することができる。
【0015】
図5は、図2における記憶部25の記憶内容を示す図である。記憶部25の記憶内容として、ステーション12毎のMACアドレス#1〜#n、およびこれに対応付けられたビーム形成パターン#1〜#nをテーブル状に並べたものを、図5に表示している。アンテナ制御部22は、アクセスポイント11の通信相手(ステーション12)に応じたビーム形成パターンを、記憶部25から読み出す。ビーム形成パターンは、すなわち、乗算部36にて乗算されるパッチアンテナ毎の係数を並べたものである。これにより、通信相手となるステーション12に応じてアンテナ21の指向性を制御することができる。
【0016】
また、図5に示すように、記憶部25には、通信担当エリアに広がる広角ビーム形成パターン(ビーコン)も2種類記憶している。通信担当エリアを図1で説明すると、無線基地局11aの通信担当エリアは、無線通信エリア17a(最大のエリア)およびエリア19a(最小のエリア)のいずれかである。同様に、無線基地局11bの通信担当エリアは、無線通信エリア17b(最大のエリア)およびエリア19b(最小のエリア)のいずれかである。図5に示すように、記憶部25には、最大の通信担当エリアに対応した広角ビーム形成パターン#1、および最小の通信担当エリアに対応した広角ビーム形成パターン#2が記憶されている。
【0017】
図6は、制御信号を送信する場合のビームスポットを示す図である。図6では、アクセスポイント11aの通信担当エリアが最小のエリア19a(図2)であり、アクセスポイント11bの通信担当エリアが最大のエリア17b(図2)である場合のビームスポットを例示している。無線通信監視部26が監視する通信量により、通信担当エリアが決定される。通信担当エリアが決定されると、アンテナ制御部22は、記憶部25から図5に示したような広角ビーム形成パターンを読み出す。図6の例では、アクセスポイント11aにおいて最小の通信担当エリアに対応した広角ビーム形成パターン#2が読み出され、アクセスポイント11bにおいて最大の通信担当エリアに対応した広角ビーム形成パターン#1が読み出される。読み出されたビーム形成パターンを用いて、アクセスポイント11からステーション12に向けて、制御信号が送信される。
【0018】
このように、アクセスポイント11aが混雑して、その通信量(トラフィック)が多くなってきた場合、アクセスポイント11aのサービスエリアのうち、重複エリア18を他局(アクセスポイント11b)に譲り、アクセスポイント11aに同時に接続される加入者の数を減らし、その混雑を緩和できる。
【0019】
また、このように制御信号を送信する場合以外にも、ステーション12から送られてくる上りのデータ信号を受信する場合も、同様に、広角ビーム形成パターンを使用する。これにより、通信担当エリア内の全てのステーション12から送られてくる上りデータ信号を受信することができる。
【0020】
さらに、アクセスポイント11aとアクセスポイント11bとは、相互間でアクセスポイント間制御信号を送受して、相互の通信トラフィックを確認し合っており、他局の通信トラフィックが少ないことを確認した後に、重複エリア18を他局に譲る制御を行う。
【0021】
図7は、データ信号を送受信する場合のビームスポットを示す図である。制御信号が、図6で前述したような広角ビームスポットで送信されると、受信を待機しているステーション12は、制御信号に同期して動作し、データ信号の受信を行う。このとき、アクセスポイント11は、あるステーション12の方位に指向性を有するビームパターンを使って、データ送信を行う。したがって、図7に示すように、データ信号の送信を行う場合、アクセスポイント11によるビームスポットは、ステーション12を含んだ限定的なエリア40に絞られる。
【0022】
このように、ビームスポットを絞ることにより、干渉を少なくするとともに、大容量のデータ信号を伝送することが可能である。
【0023】
一方、ステーション12のアンテナは、図示しないが、アクセスポイント11a,11bの方位に指向性を有するものであり、例えば、パラボラアンテナ又は平面アンテナである。ステーション12が固定されていること、及びその通信相手がアクセスポイント11a,11bのみであることから、指向性が固定されたパラボラアンテナがステーション12のアンテナとして適している。
【0024】
次に、固定無線アクセスシステムの動作を説明する。
【0025】
まず、アクセスポイント11は、その通信担当エリア全体に広がる広角なビームパターンを用いて、ステーション12に制御信号を送信する。この制御信号は、アクセスポイント11毎に定められた周波数の搬送波を用いて、一定周期ごとに送信される。ステーション12では、アクセスポイント11からの制御信号を受信し、その受信電界強度の大きい方の制御信号に同期して動作する。続いて、データ信号の受信を待機するステーション12は、同期したアクセスポイント11にアクセス要求信号を送信する。
【0026】
ステーション12から送信されたアクセス要求信号は、ステーション12の識別子を含んでおり、アクセスポイント11の無線受信部32によって受信される。アクセス要求信号の識別子は、記憶部25に登録されている識別子と照合される。未登録の場合は、初めてのアクセスであると判断し、アンテナ制御部22は、アンテナ21を制御して通信担当エリア内を指向性を順次変えてサーチする。このサーチによって、受信電界強度が最大となるビームパターンを探し出し、探し出されたビームパターンを使ってデータ信号の送受信を行うとともに、記憶部25にこのビームパターンを記憶する。既に登録済みの場合、アンテナ制御部22は、アンテナ21を過去の設定値(記憶部25に記憶されたビームパターン)に従って制御し、ステーション12の方位に指向性を絞って、データ信号の送信を行う。
【0027】
図8は、制御信号およびデータ信号の伝送タイミングを示す図である。図8の上段は、アクセスポイント11aに関する伝送タイミングを、図8の下段は、アクセスポイント11bに関する伝送タイミングを示している。ここで、アクセスポイント11aは周波数f1を用い、アクセスポイント11bは周波数f2(周波数f1とは異なる周波数)を用いるように割り当てられているものとする。
【0028】
アクセスポイント11aは、通信担当エリアに広がる広角ビームパターンを用いて、制御信号41を送信し、広角ビームパターンのまま上りデータ信号43を受信する。続いて、アクセスポイント11aは、ステーション12の方位に指向性を絞ったビームパターンを用いて、下りデータ信号45を送信する。
【0029】
一方のアクセスポイント11bは、通信担当エリアに広がる広角ビームパターンを用いて、制御信号42を送信し、ステーション12の方位に指向性を絞ったビームパターンを用いて、下りデータ信号46を送信する。続いて、アクセスポイント11bは、ビームパターンを広角のものに戻して、上りデータ信号43を受信する。
【0030】
このようにすることで、多値変調等の大きなC/N(Carrier/Noise)比を必要とする通信においても、アンテナゲインを上げることができることから、EIRP(Effective Isotropic Radiated Power)も上がり、それぞれのステーション12の受信端においても、C/N比が上がり、高速な通信レートを確保できる。また、指向性を絞ることから、集合住宅16のサービスエリア外の地域に不要な輻射が広がってしまう確率も下がり、周囲の電波干渉も低減できる。
【0031】
図9は、担当のアクセスポイントを変更する場合の信号伝送タイミングを例示する図である。図9の上段は、アクセスポイント11aに関する伝送タイミングを、図9の下段は、アクセスポイント11bに関する伝送タイミングを示している。また、図9では、横軸が時間を、縦軸が電解強度を示している。
【0032】
まず、アクセスポイント11aが制御信号51を送信し、アクセスポイント11bが制御信号52を送信する。ステーション12は、これらの制御信号51,52を受信し、それぞれの受信電界強度を比較して、電界強度の大きい方のアクセスポイント11aと通信を行う。すなわち、アクセスポイント11aは、ステーション12からの上りデータ信号53を受信した後、下りデータ信号54をステーション12に送信する。
【0033】
次に、アクセスポイント11aのトラフィックが上昇し、その通信担当エリアをエリア17aからエリア19aに(図2)変更する。このとき、アクセスポイント11aが制御信号51を送信し、アクセスポイント11bが制御信号52を送信するが、それぞれの電界強度は、制御信号51よりも制御信号52の方が大きくなっている。ステーション12は、周波数を変更し、制御信号52の受信電界強度が制御信号51の受信電界強度よりも大きいことを確認し、通信担当エリアに変更があったことを認識する。
【0034】
次に、ステーション12は、アクセスポイント11bにアクセス要求信号55を送信する。アクセス要求信号55を受信したアクセスポイント11bは、ステーション12にアクセス許可信号56を返す。このとき、アクセスポイント11aとアクセスポイント11bとは、アクセスポイント間制御信号を介して、ステーション12がアクセスポイント11aからアクセスポイント11bの配下に変わったことを伝え合う。
【0035】
次に、アクセスポイント11aが制御信号51を送信し、アクセスポイント11bが制御信号52を送信する。ステーション12は、これらの制御信号51,52を受信し、それぞれの受信電界強度を比較して、電界強度の大きい方のアクセスポイント11bと通信を行う。すなわち、アクセスポイント11bは、ステーション12からの上りデータ信号53を受信した後、下りデータ信号54をステーション12に送信する。
【0036】
このようにすることで、アクセスポイント11aの通信トラフィックを緩和することができ、良好な通信品質を確保できる。
【0037】
また、アクセスポイント11a及びアクセスポイント11b及びステーション12は、それぞれハンドオーバー機能を有している。例えば、アクセスポイント11aとステーション12とが通信している途中に、通信担当エリアの変更があってステーション12がアクセスポイント11aの通信担当エリアから外れ、アクセスポイント11bの通信担当エリアに含まれるようになった場合においても、アクセスポイント間制御信号により、アクセスポイント11aからアクセスポイント11bへ通信継続を通知し、上りデータ信号53および下りデータ信号54の伝送を継続しながら、アクセス要求信号55およびアクセス許可信号56を交換し合う。
【0038】
このように、ステーション12から見た通信相手として、アクセスポイント11aからアクセスポイント11bへの切替えを、通信を途切れさせることなく実行することができる。
【0039】
実施の形態2.
実施の形態2は、前述した実施の形態1の一部を変更したものである。すなわち、実施の形態1は、図2の無線通信監視部26において無線送受信部23の通信量を監視するものであったが、実施の形態2は、無線通信監視部26において無線送受信部23の通信品質を監視するものである。これ以外の点では、実施の形態2は、実施の形態1と同様の構成を成し、同様に動作するため、説明を省略する。
【0040】
図10は、本発明の実施の形態2に係る固定無線アクセスシステムを示す図である。無線通信監視部26では、上記のように、無線送受信部23の通信品質を監視している。例えば、ステーション12から送られてくる無線信号のSIR(信号対干渉比)を検出し、検出値を所定の閾値と比較しており、検出値が所定の閾値より小さくなった場合、干渉波を受信しているものと判断する。
【0041】
ここで、図10に示すように、集合住宅16と無関係の地点で干渉波60が発生し、アクセスポイント11から見て重複エリア18の方位から干渉波60が到来したとする。また、干渉波60の周波数は、アクセスポイント11aの動作周波数と同一であるものとする。この場合、アクセスポイント11aでは、干渉波が発生したと判断して、重複エリア18をアクセスポイント11bに譲り、アクセスポイント11bにて重複エリア18に設置されたステーション12との通信を継続する。
【0042】
このように、重複エリア18をアクセスポイント11bに譲るため、アクセスポイント11aから見て、干渉波60の到来方向にはヌル点が形成されるため、干渉波60の受信を回避できる。特に、電波利用に規制のない周波数帯を用いるIEEE802.11bに準拠する場合でも、干渉波の受信を回避することが可能となる。
【0043】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、固定無線アクセスシステムにおいて通信量に応じて通信担当エリアを変更することによって、一方の無線基地局にアクセスが集中した場合でも、重複エリアを他方の無線基地局に担当させることができ、全体として無線基地局の利用効率を向上できる。
【0044】
あるいは、本発明によれば、固定無線アクセスシステムにおいて通信品質に応じて通信担当エリアを変更することによって、一方の無線基地局に干渉が発生する等して通信品質が劣化した場合でも、重複エリアを他方の無線基地局に担当させて、通信品質の劣化を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る固定無線アクセスシステムの全体構成を示す図である。
【図2】図1におけるアクセスポイント11の詳細構成を示す図である。
【図3】図2におけるアンテナ21の詳細構成を示す図である。
【図4】図2におけるアンテナ制御部22の詳細構成を示す図である。
【図5】図2における記憶部25の記憶内容を示す図である。
【図6】制御信号を送信する場合のビームスポットを示す図である。
【図7】データ信号を送受信する場合のビームスポットを示す図である。
【図8】制御信号およびデータ信号の伝送タイミングを示す図である。
【図9】担当のアクセスポイントを変更する場合の信号伝送タイミングを例示する図である。
【図10】本発明の実施の形態2に係る固定無線アクセスシステムを示す図である。
【符号の説明】
11a,11b アクセスポイント(無線基地局)
12 ステーション(固定無線端末)
16 集合住宅
17a,17b 無線通信エリア(最大の通信担当エリア)
18 重複エリア
19a,19b エリア(最小の通信担当エリア)
21 アンテナ
22 アンテナ制御部
23 無線送受信部
24 有線送受信部
25 記憶部
26 無線通信監視部
30 通信担当エリア決定部
31 無線送信部
32 無線受信部
33 スイッチ
36 乗算部
37 合成分配部
38 記憶装置
40 エリア
41,42,51,52 制御信号
43,44,53 上りデータ信号
45,46,54 下りデータ信号
55 アクセス要求信号
56 アクセス許可信号
60 干渉波
Claims (7)
- 無線通信エリアの一部が相互に重複する第1・第2無線基地局、およびこの第1・第2無線基地局の無線通信エリア内に設置された複数の固定無線端末から成る固定無線アクセスシステムであって、
前記第1・第2無線基地局は、前記固定無線端末との間で無線通信を行う無線送受信部と、この無線送受信部の通信量または通信品質を監視する無線通信監視部と、前記通信量または通信品質に応じて通信担当エリアを決定する通信担当エリア決定部とを備えたことを特徴とする固定無線アクセスシステム。 - 前記第1・第2無線基地局における最大の通信担当エリアは、第1・第2無線基地局の無線通信エリアであり、最小の通信担当エリアは、第1・第2無線基地局の無線通信エリアから重複する無線通信エリアを除いたエリアであることを特徴とする請求項1記載の固定無線アクセスシステム。
- 前記通信担当エリア決定部は、最大の通信担当エリアおよび最小の通信担当エリアのいずれかに決定することを特徴とする請求項2記載の固定無線アクセスシステム。
- 前記無線送受信部は、固定無線端末との間でアダプティブアレーアンテナを用いて無線通信することを特徴とする請求項1記載の固定無線アクセスシステム。
- 前記無線送受信部は、通信担当エリアにわたる広角なビームパターンを用いて制御信号を送信し、前記固定無線端末の方位に指向性を有するビームパターンを用いてデータ信号を送信することを特徴とする請求項4記載の固定無線アクセスシステム。
- 前記通信担当エリア決定部は、固定無線端末に対応付けて、この固定無線端末の方位に指向性を有するビームパターンを記憶する記憶部を備えたことを特徴とする請求項5記載の固定無線アクセスシステム。
- 重複した無線通信エリアに位置する固定無線端末は、第1・第2無線基地局からの制御信号を受信し、その受信電界強度が大きい無線基地局に同期するように動作して、この無線基地局からのデータ信号を受信することを特徴とする請求項5記載の固定無線アクセスシステム。
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-
2003
- 2003-01-29 JP JP2003020416A patent/JP2004235839A/ja active Pending
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