JP2004235330A - 回路基板およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決課題】微細な導電回路を有する薄型の多層回路基板を効率的に、かつ安価に形成する方法および形成された回路基板を提供する。
【解決手段】ビアホールと回路部を備えた絶縁性樹脂層からなる回路基板の製造方法であって、支持体表面に絶縁性樹脂層を形成する工程、該絶縁性樹脂層の所望の位置に穴あけ部を形成する工程、該穴あけ部にビアホール用導電性ペーストを充填、硬化する工程、導電性ペーストにより回路部を形成する工程、該支持体を除去する工程を含むことを特徴とする回路基板の製造方法。
【選択図】 なし
【解決手段】ビアホールと回路部を備えた絶縁性樹脂層からなる回路基板の製造方法であって、支持体表面に絶縁性樹脂層を形成する工程、該絶縁性樹脂層の所望の位置に穴あけ部を形成する工程、該穴あけ部にビアホール用導電性ペーストを充填、硬化する工程、導電性ペーストにより回路部を形成する工程、該支持体を除去する工程を含むことを特徴とする回路基板の製造方法。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子機器に使用される多層回路基板およびその製造方法に関するものであり、特に高密度配線を必要とするモジュール多層回路基板およびマルチチップモジュール多層回路基板およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、多層回路基板の製造方法は、絶縁基板に銅箔が接着された銅張り積層板の銅箔上にフォトレジストを塗布あるいはラミネートし、露光、現像、エッチングを行うことにより導電回路を形成した両面基板をプリプレグと称する半硬化の樹脂シートを間に介して積層することにより多層回路基板を製造していた。しかしながらこの製造方法は、層間接続用の貫通穴をドリル穴あけとスルーホールメッキによっているため微小径の穴あけが出来ないこと、更に層間の非貫通穴を形成する工程が煩雑となり、近年の電子機器の軽薄短小化に伴う多層回路基板の工程短縮および高密度化に限界があった。この生産性と高密度化の問題に対し特開平8−18238号、特開2000−200976号には、半硬化状態のプリプレグあるいは熱可塑性樹脂シートにレーザー等を用いて貫通穴を形成し導電性ペーストを充填あるいは塗布、乾燥して基板(1)を形成した後、銅箔を両面に配して加熱加圧して基板(2)を形成し、この銅箔をエッチングして配線回路を形成しさらに基板(1)と基板(2)を交互に積層して加熱加圧により多層積層板を製造する方法が提案されている。しかしながらこの製造方法では、基板(2)の銅箔をエッチングにより配線回路を形成するため配線回路の微細化に限界があること、および基板(2)をエッチングする上で基板(2)に剛性が必要であり必然的に板厚が厚くなる。従って、モジュール基板においては多層基板の総厚に限界があることなどより高密度回路基板として使用する場合に問題を有している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、微細な導電回路を有する薄型の多層回路基板を効率的に、かつ安価に形成する方法および形成された回路基板を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は前記問題を解決するため鋭意検討し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、支持体表面に絶縁性樹脂層を形成する工程、該絶縁性樹脂層の所望の位置に穴あけ部を形成する工程、該穴あけ部にビアホール用導電性ペーストを充填、硬化する工程、導電性ペーストにより回路部を形成する工程、該支持体を除去する工程を含むことを特徴とする回路基板の製造方法および多層回路基板に関する。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明の多層回路基板の製造プロセスの一例を図1に示す。支持体表面に絶縁性樹脂層を形成する工程、該絶縁性樹脂層の所望の位置に穴あけ部を形成する工程、該穴あけ部にビアホール用導電性ペーストを充填、硬化する工程、導電性ペーストにより回路部を形成する工程、該支持体を剥離除去する工程、得られた回路基板を積層し熱圧プレスする工程からなる。
本発明に用いる支持体としては、特に限定はないが、導電性ペーストの硬化条件に耐え得ることが必要であり、通常、ステンレス、アルミ、銅等の金属、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンオキサイド、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、テフロン(登録商標)等の樹脂板あるいはフィルムが用いられる。これらはガラスクロス等により補強されていても構わない。
【0006】
本支持体に塗布される絶縁性樹脂としては、回路基板としての耐熱性、強度、耐薬品性、耐電圧等の特性を有する樹脂であれば特に限定はないが、例えばポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンオキサイド、液晶ポリマー、エポキシ樹脂、フェノール樹脂が挙げられる。多層回路を形成する場合には積層温度において軟化する樹脂であることが必要であり、熱可塑性ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンオキサイド、液晶ポリマー等の軟化点を有する樹脂が望ましい。これらの樹脂は、溶剤に溶解してダイコーター、ロールコーター、キスコーター、グラビアコーター、カーテンコーター、コンマコーター等による塗布、樹脂の支持体上への押出し成形、あるいは樹脂フィルムと支持体の熱ラミネートにより支持体上に絶縁性樹脂層として形成される。
【0007】
絶縁性樹脂層を形成したのち、絶縁性樹脂の所望の位置に穴あけ部を形成する。穴あけは例えばレーザーにより行うことができる。使用するレーザーとしては、炭酸ガスレーザー、UVYAGレーザー、エキシマレーザー等が挙げられる。穴あけの後、穴内のクリーニングを行うのが好ましく、例えば過マンガン酸アルカリ液あるいはプラズマにより実施できる。多層基板を得る場合、レーザー穴あけ時、絶縁性樹脂とともに支持体の一部を含めて穴あけを行うことにより後述のビアホール用導電性ペーストが凸の状態で単層基板が得られ、積層時、ビアホール用導電性ペーストの接続信頼性向上の点で望ましい。
また、穴あけ部の形成を露光、現像にて行う場合には絶縁性樹脂層として感光性樹脂が用いられる。感光性樹脂としては、アクリロイル基あるいはメタクロイル基を分子中に2個以上有するポリエステル樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミド酸樹脂、ポリアミドイミド樹脂、エポキシ樹脂等の樹脂、あるいはこれら樹脂とポリイミド、ポリアミド、ポリアミド酸、ポリアミドイミド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンオキサイド、液晶ポリマー等の樹脂との混合により形成され、さらに光開始剤、溶剤、粘度調整剤等を加えることにより絶縁性樹脂を得る。多層回路を形成する場合には、得られた絶縁性樹脂の光硬化膜が積層温度において軟化することが必要であり、これらの観点よりアクリロイル基あるいはメタクロイル基を分子中に2個以上有するポリエステル樹脂、エポキシ樹脂とポリイミド、ポリアミド、ポリアミド酸、ポリアミドイミドを混合した樹脂が好ましい。これらの絶縁性樹脂は、支持体上に前述と同様にして塗布、乾燥が行われ、絶縁性樹脂層となる。
絶縁性樹脂層にフォトマスクを介して紫外線を照射し、露光部を架橋させる。未露光部の絶縁性樹脂をアルカリ水溶液あるいは溶剤により除去し、穴部を形成する。
【0008】
次に穴あけした穴内にビアホール用導電性ペーストを充填する。導電性ペーストは、金属粉を含有したペーストを使用する。使用される金属粉は、平均径が50μm以下1nm以上、好ましくは10μm以下2nm以上、更に好ましくは5μm以下0.1μm以上の金属粉と50nm以下2nm以上の金属粉を混合使用するのが好ましい。金属としては、金、銀、銅、ニッケル、パラジュウム等が挙げられる。これらの金属粉を、有機樹脂および溶剤と混合し、分散させることにより導電性ペーストを製造する。有機樹脂としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、ポリシアネート樹脂、熱可塑性樹脂等が挙げられ、金属粉と有機樹脂の重量比は、70:30〜99:1の範囲が好ましい。溶剤としては、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル系溶剤、ポリエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート系溶剤、ポリプロピレングリコールモノメチルエーテル系溶剤、ポリプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート系溶剤、アルコール系溶剤、炭化水素系溶剤が挙げられる。これら溶剤の使用量は充填の方法により異なるが、通常ビアホール用導電性ペースト中、20〜60重量%である。
充填の方法は特に限定しないが、通常、スクリーン印刷法、インクジェット法、ディスペンサー法等の方法により行われる。
充填後ビアホール用導電性ペーストの硬化を行う。硬化条件は、導電性ペーストに使用される樹脂により異なるが、通常、150℃〜250℃、10分〜120分にて処理される。
【0009】
次に導電性ペーストによる所望の回路パターン形成を行う。
オフセット印刷にて行うのが好ましい。オフセット印刷は、通常のオフセット印刷で構わず、使用される版材も特に限定されないが、コダック社製プロフェッショナル ダイレクト イメージ サーマル プリンティングプレート/830、三菱化学社製ダイアモンドプレートLT−1およびLT−G、富士写真フィルム社製Brillia LH−PおよびLH−N、コニカ社製コニカ サーマル プレート、旭化成社製旭化成サーマルプレート、東レ社製東レ水なし平版等の版材が挙げられ、この中で東レ社製東レ水なし平版が湿し水との混和の無いことより好ましい。使用する導電性ペーストとしては, 微細な配線回路を形成するために、使用される導電粒子は、平均径が100nm以下1nm以上の金属粒子であることが好ましく、配線回路の導通抵抗を低下させる為に平均径が50nm以下2nm以上であることが、さらに好ましい。金属粉としては、金、銀、銅、ニッケル、パラジュウム等が挙げられる。これらの金属粉は、有機樹脂、溶剤と混合、分散させることにより本ペーストを調整できる。有機樹脂としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、ポリシアネート樹脂等が挙げられ、金属粉と有機樹脂の重量比が、70:30〜99:1の範囲が好ましい。又、粘性調整剤、還元剤を加えても構わない。
溶剤としては、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル系溶剤、ポリエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート系溶剤、ポリプロピレングリコールモノメチルエーテル系溶剤、ポリプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート系溶剤、アルコール系溶剤、炭化水素系溶剤が挙げられる。これらの溶剤の使用量は、通常導電性ペースト中、20〜50重量%である。
【0010】
導電性ペーストを、印刷した後、支持体とともに熱処理する。熱処理条件としては導電性ペーストに含まれる溶剤の種類により異なるが、通常、100℃〜300℃にて10分〜120分行われる。
本ペーストを硬化後、支持体を除去し、単層回路基板を得る。このようにして得た各層に対応した単層回路基板を位置合わせして積層し加熱,加圧することにより多層回路基板を形成することが出来る。加熱加圧条件は、使用される絶縁性樹脂層の種類により異なるが、通常、120〜300℃、10〜100kgf/cm2、20〜300分の条件にて行われる。
【0011】
【実施例】
次に、本発明を実施例にて説明する。
【0012】
[実施例1]
支持体としては、50μmのポリイミドフィルム(宇部興産社製、商品名ユーピレックス)を使用した。本支持体上にポリアミド酸樹脂60重量部とアクロイル基を分子中に6個有するジペンタエリスリトールヘキサアクリレート20重量部、およびアクロイル基を3個有するトリメチロールプロパンエチレンオキサイド付加物のトリアクリレート20重量部を混合し、更に光開始剤ベンゾインエチルエーテル5重量部、テトラヒドロフラン70重量部を加えた絶縁性樹脂をロールコート法により塗布し絶縁性樹脂層を形成した。乾燥後の膜厚は25μmであった。絶縁性樹脂層にフォトマスクを介して所望の穴部以外の部分に紫外線を照射した後、10%炭酸ナトリウム水溶液により未露光部分を除去し穴部を形成した。
その後、穴内へビアホール用導電性ペーストをスクリーン印刷により充填した。使用した導電性ペーストは、平均粒径7nmの銀粉36重量部、平均粒径2μmの銀粉60重量部とフェノール樹脂(三井化学社製、商標名ミレックスXLC)2重量部、エポキシ樹脂(日本化薬社製、商品名EOCN−4400)2重量部、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート65重量部を混合、分散することにより得られたものである。200℃30分熱処理を行った後、オフセット印刷により導電性ペーストにより回路パターンを形成した。オフセット印刷に使用した版材は、東レ社製東レ水無し平版であり、使用した導電性ペーストは、平均粒径7nmの銀粉96重量部とフェノール樹脂(三井化学社製、商標名ミレックスXLC)2重量部、エポキシ樹脂(日本化薬社製、商品名EOCN−4400)2重量部、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート100重量部を混合、分散することにより得られたものである。印刷後、200℃1時間加熱処理し、支持体を剥離除去することにより単層回路基板を得た。同様の方法により得た各層の配線回路パターンに対応した単層回路基板を位置合わせして積層し、260℃、20kgf/cm2の条件にて1時間加熱、加圧することにより多層回路基板を得た。−45℃と120℃1000サイクルの温度サイクル試験を行った結果、回路パターンの抵抗値の上昇は10%以下と良好な値であった。
【0013】
[実施例2]
支持体として0.5mmのアルミ板を用い、支持体上にガラス転移温度230℃の熱可塑性ポリイミドをスクリーン印刷法により塗布し、膜厚50μmの絶縁性樹脂層を形成した。本絶縁性樹脂層の所望の位置にYAG第3高調波のレーザーを用いて穴を形成した。この際レーザーによりアルミ板も一部穴あけされる条件にて実施した。アルミ板部の穴の深さは0.02mmであった。その後、プラズマ処理により穴あけ時に発生した炭化物を除去し、実施例1と同様にしてビアホール充填用導電性ペーストを充填、硬化させ、オフセット印刷法により導電性ペーストを印刷硬化させた。支持体を剥離除去することにより単層回路基板を得、同様の方法により得た各層の配線回路パターンに対応した単層回路基板を位置合わせして積層し、280℃、20kgf/cm2の条件にて1時間加熱、加圧することにより多層回路基板を得た。
−45℃と120℃1000サイクルの温度サイクル試験を行った結果、回路パターンの抵抗値の上昇は7%以下と良好な値であった。
【0014】
【発明の効果】
本発明により微細な導体回路を有する多層回路基板を容易に形成することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による多層回路基板の製造工程を示す図
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子機器に使用される多層回路基板およびその製造方法に関するものであり、特に高密度配線を必要とするモジュール多層回路基板およびマルチチップモジュール多層回路基板およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、多層回路基板の製造方法は、絶縁基板に銅箔が接着された銅張り積層板の銅箔上にフォトレジストを塗布あるいはラミネートし、露光、現像、エッチングを行うことにより導電回路を形成した両面基板をプリプレグと称する半硬化の樹脂シートを間に介して積層することにより多層回路基板を製造していた。しかしながらこの製造方法は、層間接続用の貫通穴をドリル穴あけとスルーホールメッキによっているため微小径の穴あけが出来ないこと、更に層間の非貫通穴を形成する工程が煩雑となり、近年の電子機器の軽薄短小化に伴う多層回路基板の工程短縮および高密度化に限界があった。この生産性と高密度化の問題に対し特開平8−18238号、特開2000−200976号には、半硬化状態のプリプレグあるいは熱可塑性樹脂シートにレーザー等を用いて貫通穴を形成し導電性ペーストを充填あるいは塗布、乾燥して基板(1)を形成した後、銅箔を両面に配して加熱加圧して基板(2)を形成し、この銅箔をエッチングして配線回路を形成しさらに基板(1)と基板(2)を交互に積層して加熱加圧により多層積層板を製造する方法が提案されている。しかしながらこの製造方法では、基板(2)の銅箔をエッチングにより配線回路を形成するため配線回路の微細化に限界があること、および基板(2)をエッチングする上で基板(2)に剛性が必要であり必然的に板厚が厚くなる。従って、モジュール基板においては多層基板の総厚に限界があることなどより高密度回路基板として使用する場合に問題を有している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、微細な導電回路を有する薄型の多層回路基板を効率的に、かつ安価に形成する方法および形成された回路基板を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は前記問題を解決するため鋭意検討し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、支持体表面に絶縁性樹脂層を形成する工程、該絶縁性樹脂層の所望の位置に穴あけ部を形成する工程、該穴あけ部にビアホール用導電性ペーストを充填、硬化する工程、導電性ペーストにより回路部を形成する工程、該支持体を除去する工程を含むことを特徴とする回路基板の製造方法および多層回路基板に関する。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明の多層回路基板の製造プロセスの一例を図1に示す。支持体表面に絶縁性樹脂層を形成する工程、該絶縁性樹脂層の所望の位置に穴あけ部を形成する工程、該穴あけ部にビアホール用導電性ペーストを充填、硬化する工程、導電性ペーストにより回路部を形成する工程、該支持体を剥離除去する工程、得られた回路基板を積層し熱圧プレスする工程からなる。
本発明に用いる支持体としては、特に限定はないが、導電性ペーストの硬化条件に耐え得ることが必要であり、通常、ステンレス、アルミ、銅等の金属、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンオキサイド、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、テフロン(登録商標)等の樹脂板あるいはフィルムが用いられる。これらはガラスクロス等により補強されていても構わない。
【0006】
本支持体に塗布される絶縁性樹脂としては、回路基板としての耐熱性、強度、耐薬品性、耐電圧等の特性を有する樹脂であれば特に限定はないが、例えばポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンオキサイド、液晶ポリマー、エポキシ樹脂、フェノール樹脂が挙げられる。多層回路を形成する場合には積層温度において軟化する樹脂であることが必要であり、熱可塑性ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンオキサイド、液晶ポリマー等の軟化点を有する樹脂が望ましい。これらの樹脂は、溶剤に溶解してダイコーター、ロールコーター、キスコーター、グラビアコーター、カーテンコーター、コンマコーター等による塗布、樹脂の支持体上への押出し成形、あるいは樹脂フィルムと支持体の熱ラミネートにより支持体上に絶縁性樹脂層として形成される。
【0007】
絶縁性樹脂層を形成したのち、絶縁性樹脂の所望の位置に穴あけ部を形成する。穴あけは例えばレーザーにより行うことができる。使用するレーザーとしては、炭酸ガスレーザー、UVYAGレーザー、エキシマレーザー等が挙げられる。穴あけの後、穴内のクリーニングを行うのが好ましく、例えば過マンガン酸アルカリ液あるいはプラズマにより実施できる。多層基板を得る場合、レーザー穴あけ時、絶縁性樹脂とともに支持体の一部を含めて穴あけを行うことにより後述のビアホール用導電性ペーストが凸の状態で単層基板が得られ、積層時、ビアホール用導電性ペーストの接続信頼性向上の点で望ましい。
また、穴あけ部の形成を露光、現像にて行う場合には絶縁性樹脂層として感光性樹脂が用いられる。感光性樹脂としては、アクリロイル基あるいはメタクロイル基を分子中に2個以上有するポリエステル樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミド酸樹脂、ポリアミドイミド樹脂、エポキシ樹脂等の樹脂、あるいはこれら樹脂とポリイミド、ポリアミド、ポリアミド酸、ポリアミドイミド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンオキサイド、液晶ポリマー等の樹脂との混合により形成され、さらに光開始剤、溶剤、粘度調整剤等を加えることにより絶縁性樹脂を得る。多層回路を形成する場合には、得られた絶縁性樹脂の光硬化膜が積層温度において軟化することが必要であり、これらの観点よりアクリロイル基あるいはメタクロイル基を分子中に2個以上有するポリエステル樹脂、エポキシ樹脂とポリイミド、ポリアミド、ポリアミド酸、ポリアミドイミドを混合した樹脂が好ましい。これらの絶縁性樹脂は、支持体上に前述と同様にして塗布、乾燥が行われ、絶縁性樹脂層となる。
絶縁性樹脂層にフォトマスクを介して紫外線を照射し、露光部を架橋させる。未露光部の絶縁性樹脂をアルカリ水溶液あるいは溶剤により除去し、穴部を形成する。
【0008】
次に穴あけした穴内にビアホール用導電性ペーストを充填する。導電性ペーストは、金属粉を含有したペーストを使用する。使用される金属粉は、平均径が50μm以下1nm以上、好ましくは10μm以下2nm以上、更に好ましくは5μm以下0.1μm以上の金属粉と50nm以下2nm以上の金属粉を混合使用するのが好ましい。金属としては、金、銀、銅、ニッケル、パラジュウム等が挙げられる。これらの金属粉を、有機樹脂および溶剤と混合し、分散させることにより導電性ペーストを製造する。有機樹脂としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、ポリシアネート樹脂、熱可塑性樹脂等が挙げられ、金属粉と有機樹脂の重量比は、70:30〜99:1の範囲が好ましい。溶剤としては、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル系溶剤、ポリエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート系溶剤、ポリプロピレングリコールモノメチルエーテル系溶剤、ポリプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート系溶剤、アルコール系溶剤、炭化水素系溶剤が挙げられる。これら溶剤の使用量は充填の方法により異なるが、通常ビアホール用導電性ペースト中、20〜60重量%である。
充填の方法は特に限定しないが、通常、スクリーン印刷法、インクジェット法、ディスペンサー法等の方法により行われる。
充填後ビアホール用導電性ペーストの硬化を行う。硬化条件は、導電性ペーストに使用される樹脂により異なるが、通常、150℃〜250℃、10分〜120分にて処理される。
【0009】
次に導電性ペーストによる所望の回路パターン形成を行う。
オフセット印刷にて行うのが好ましい。オフセット印刷は、通常のオフセット印刷で構わず、使用される版材も特に限定されないが、コダック社製プロフェッショナル ダイレクト イメージ サーマル プリンティングプレート/830、三菱化学社製ダイアモンドプレートLT−1およびLT−G、富士写真フィルム社製Brillia LH−PおよびLH−N、コニカ社製コニカ サーマル プレート、旭化成社製旭化成サーマルプレート、東レ社製東レ水なし平版等の版材が挙げられ、この中で東レ社製東レ水なし平版が湿し水との混和の無いことより好ましい。使用する導電性ペーストとしては, 微細な配線回路を形成するために、使用される導電粒子は、平均径が100nm以下1nm以上の金属粒子であることが好ましく、配線回路の導通抵抗を低下させる為に平均径が50nm以下2nm以上であることが、さらに好ましい。金属粉としては、金、銀、銅、ニッケル、パラジュウム等が挙げられる。これらの金属粉は、有機樹脂、溶剤と混合、分散させることにより本ペーストを調整できる。有機樹脂としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、ポリシアネート樹脂等が挙げられ、金属粉と有機樹脂の重量比が、70:30〜99:1の範囲が好ましい。又、粘性調整剤、還元剤を加えても構わない。
溶剤としては、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル系溶剤、ポリエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート系溶剤、ポリプロピレングリコールモノメチルエーテル系溶剤、ポリプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート系溶剤、アルコール系溶剤、炭化水素系溶剤が挙げられる。これらの溶剤の使用量は、通常導電性ペースト中、20〜50重量%である。
【0010】
導電性ペーストを、印刷した後、支持体とともに熱処理する。熱処理条件としては導電性ペーストに含まれる溶剤の種類により異なるが、通常、100℃〜300℃にて10分〜120分行われる。
本ペーストを硬化後、支持体を除去し、単層回路基板を得る。このようにして得た各層に対応した単層回路基板を位置合わせして積層し加熱,加圧することにより多層回路基板を形成することが出来る。加熱加圧条件は、使用される絶縁性樹脂層の種類により異なるが、通常、120〜300℃、10〜100kgf/cm2、20〜300分の条件にて行われる。
【0011】
【実施例】
次に、本発明を実施例にて説明する。
【0012】
[実施例1]
支持体としては、50μmのポリイミドフィルム(宇部興産社製、商品名ユーピレックス)を使用した。本支持体上にポリアミド酸樹脂60重量部とアクロイル基を分子中に6個有するジペンタエリスリトールヘキサアクリレート20重量部、およびアクロイル基を3個有するトリメチロールプロパンエチレンオキサイド付加物のトリアクリレート20重量部を混合し、更に光開始剤ベンゾインエチルエーテル5重量部、テトラヒドロフラン70重量部を加えた絶縁性樹脂をロールコート法により塗布し絶縁性樹脂層を形成した。乾燥後の膜厚は25μmであった。絶縁性樹脂層にフォトマスクを介して所望の穴部以外の部分に紫外線を照射した後、10%炭酸ナトリウム水溶液により未露光部分を除去し穴部を形成した。
その後、穴内へビアホール用導電性ペーストをスクリーン印刷により充填した。使用した導電性ペーストは、平均粒径7nmの銀粉36重量部、平均粒径2μmの銀粉60重量部とフェノール樹脂(三井化学社製、商標名ミレックスXLC)2重量部、エポキシ樹脂(日本化薬社製、商品名EOCN−4400)2重量部、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート65重量部を混合、分散することにより得られたものである。200℃30分熱処理を行った後、オフセット印刷により導電性ペーストにより回路パターンを形成した。オフセット印刷に使用した版材は、東レ社製東レ水無し平版であり、使用した導電性ペーストは、平均粒径7nmの銀粉96重量部とフェノール樹脂(三井化学社製、商標名ミレックスXLC)2重量部、エポキシ樹脂(日本化薬社製、商品名EOCN−4400)2重量部、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート100重量部を混合、分散することにより得られたものである。印刷後、200℃1時間加熱処理し、支持体を剥離除去することにより単層回路基板を得た。同様の方法により得た各層の配線回路パターンに対応した単層回路基板を位置合わせして積層し、260℃、20kgf/cm2の条件にて1時間加熱、加圧することにより多層回路基板を得た。−45℃と120℃1000サイクルの温度サイクル試験を行った結果、回路パターンの抵抗値の上昇は10%以下と良好な値であった。
【0013】
[実施例2]
支持体として0.5mmのアルミ板を用い、支持体上にガラス転移温度230℃の熱可塑性ポリイミドをスクリーン印刷法により塗布し、膜厚50μmの絶縁性樹脂層を形成した。本絶縁性樹脂層の所望の位置にYAG第3高調波のレーザーを用いて穴を形成した。この際レーザーによりアルミ板も一部穴あけされる条件にて実施した。アルミ板部の穴の深さは0.02mmであった。その後、プラズマ処理により穴あけ時に発生した炭化物を除去し、実施例1と同様にしてビアホール充填用導電性ペーストを充填、硬化させ、オフセット印刷法により導電性ペーストを印刷硬化させた。支持体を剥離除去することにより単層回路基板を得、同様の方法により得た各層の配線回路パターンに対応した単層回路基板を位置合わせして積層し、280℃、20kgf/cm2の条件にて1時間加熱、加圧することにより多層回路基板を得た。
−45℃と120℃1000サイクルの温度サイクル試験を行った結果、回路パターンの抵抗値の上昇は7%以下と良好な値であった。
【0014】
【発明の効果】
本発明により微細な導体回路を有する多層回路基板を容易に形成することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による多層回路基板の製造工程を示す図
Claims (7)
- ビアホールと回路部を備えた絶縁性樹脂層からなる回路基板の製造方法であって、支持体表面に絶縁性樹脂層を形成する工程、該絶縁性樹脂層の所望の位置に穴あけ部を形成する工程、該穴あけ部にビアホール用導電性ペーストを充填、硬化する工程、導電性ペーストにより回路部を形成する工程、該支持体を除去する工程を含むことを特徴とする回路基板の製造方法。
- 絶縁性樹脂が感光性樹脂でありフォトマスクを介して露光、現像することにより穴あけ部を形成することを特徴とする請求項1に記載の回路基板の製造方法。
- 絶縁性樹脂の所望の位置にレーザー照射を行い、穴あけ部を形成することを特徴とする請求項1に記載の回路基板の製造方法。
- 導電性ペーストによる回路部の形成がオフセット印刷によることを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載の回路基板の製造方法。
- 平均粒径1nm以上、100nm以下の金属粉を含有した導電性ペーストを使用することを特徴とする請求項1〜4いずれかに記載の回路基板の製造方法。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の方法により得られた回路基板を2以上積層し加熱,加圧する工程を含むことを特徴とする多層回路基板の製造方法。
- 請求項6に記載の製造方法により製造された多層回路基板。
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JP2007324426A (ja) * | 2006-06-02 | 2007-12-13 | Hitachi Ltd | パターン形成方法、導体配線パターン |
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-
2003
- 2003-01-29 JP JP2003020571A patent/JP2004235330A/ja active Pending
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