JP2004234098A - 時刻同期システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】主電子制御装置が、所定の設定値を他の電子制御装置に送信し、他の電子制御装置は、所定の設定値を受信するとその設定値を記憶するとともに割り込み機能を有効にし、次に主電子制御装置によって同報送信された信号の受信を開始すると割り込み処理を実行する。そして、その割り込み処理の中で、記憶しておいた所定の設定値をタイマカウンタの値としてセットする。このように割り込み処理によって時刻同期を行うため、フレームの先頭を受信しただけで予め記憶しておいた設定値をタイマカウンタにセットすることができ、フレームの読み取り処理にかかる時間分だけ時刻同期処理にかかる時間を短縮できる。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子制御装置間で時刻同期を実現するシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
ネットワークで接続された複数の電子制御装置間で分散して各種制御を行うシステムがあるが、これらの電子制御装置はお互いに協調して動作するため、電子制御装置間の時刻同期が非常に重要である。このため、様々な時刻同期システムが開発されているが、近年、各々の電子制御装置の高機能化がなされ全体としてより高度な制御がなされるようになってきたため、従来に比べて時刻同期の精度がますます求められるようになってきた。
【0003】
従来は、統括的な役割を果たす主電子制御装置から同報送信されたフレームを各電子制御装置が受信し、そのフレームに含まれる時刻情報に基づいて電子制御装置の時刻を設定する方法が一般的に採られていた。
しかし、この方法では図1(a)の遅延時間の説明図に示すように、主電子制御装置以外の他の電子制御装置がフレームを受信した際、主電子制御装置が管理する基準時刻11に対して伝送遅延12、フレーム読み取り遅延13及びカウンタセット処理遅延14が生じる。そして、これらの遅延の総和が時刻同期における誤差となり、近年この誤差が無視できなくなってきた。尚、ここで言う伝送遅延12というのは、主電子制御装置から送信されたフレームが主電子制御装置以外の他の電子制御装置に到達するまでにかかる時間を意味する。また、フレーム読み取り遅延13というのは、シリアル化されてフレーム形式で送信されてくる時刻情報が含まれたフレームを、先頭ビットから順に1フレーム分読み取ることに必要な時間を意味する。また、カウンタセット処理遅延14は、受信したフレームに含まれる時刻情報に基づいてタイマカウンタを設定する処理にかかる時間を意味する。
【0004】
また、他にも特許文献1に示すような仕組みが考えられている。この仕組みは、まず中央装置が各端末に時刻情報を一斉送信する。そして、その時刻情報を受信した各端末が、正式な時刻として採用する前に受信した時刻情報を一旦記憶し、中央装置からの問い合わせに対して記憶しておいた時刻情報を確認のために中央装置へ送信する。そして、中央装置が、端末から受け取った時刻情報が正しいか否かを個別に判定し、正しければ端末に正式な時刻として採用する旨の指令を伝える。そして、その指令を受け取った端末が、時刻情報を記憶してから正式な時刻として採用する旨の指令を受け取るまでに要した時間を、記憶しておいた時刻情報に加算して正式な時刻として採用する仕組みである。
【0005】
【特許文献1】
特開平3−271959号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特許文献1に示されている仕組みは、送信した時刻が正しいか否かの確認を端末毎に行うため、確実に同期処理が行われるという利点はあるものの、時刻同期が完了するまでに時間がかかるという問題がある。また、この仕組みも、図1(b)の遅延時間の説明図に示すように、端末側がフレームを受信した際、中央装置が管理する基準時刻15に対して伝送遅延16、フレーム読み取り遅延17及びカウンタセット処理遅延18が生じる。
【0007】
尚、この図1(b)の遅延時間の説明図は、上述した「正式な時刻として採用する旨の指令」を意味するフレームを受信した際に発生する遅延に関するものである。また、上述した通り、時刻情報を記憶してから正式な時刻として採用する旨の指令を受け取るまでに要した時間を、記憶しておいた時刻情報に加算する処理が必要であるため、カウンタセット処理遅延18は、図1(a)に示したカウンタセット処理遅延14よりも長い時間が必要となる。更に、時刻情報を記憶してから正式な時刻として採用する旨の指令を受け取るまでに要した時間についての精度は、各々のカウンタの精度により端末毎に誤差が生じるおそれがあることを付け加えておく。
【0008】
本発明は、このような時刻同期時に発生する遅延をできるだけ少なくし、これらの遅延の結果生じる誤差が低減された時刻同期システムを提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
上記課題を解決するためになされた請求項1に記載の時刻同期システムは、時刻管理のためのタイマカウンタを有すると共に割り込み信号によって割り込み処理を実行する電子制御装置を複数備え、電子制御装置の何れか一つの主電子制御装置が、通信線を介して所定の信号を他の電子制御装置に送信する。そして、他の電子制御装置は、通信線を介して所定の信号を受信すると割り込み機能を有効にし、次に主電子制御装置によって同報送信された信号の受信を開始すると割り込み処理を実行し、その割り込み処理の中で所定の設定値を当該電子制御装置のタイマカウンタの値としてセットし、セットした後に割り込み機能を無効にする。尚、ここで言う「所定の値」というのは、例えば「0」のような予め決められた設定値を意味する。また、電子制御装置は、割り込み機能を有効と無効とに切り替えることができるように構成されている。
【0010】
従来の時刻同期システムでは、電子制御装置が主電子制御装置から同報送信された時刻情報が含まれるフレームを読み取って時刻をセットするようになっているため、図1(a)に示したような、伝送遅延12、フレーム読み取り遅延13及びカウンタセット処理遅延14が生じた。
【0011】
しかし、請求項1に記載の時刻同期システムでは、電子制御装置が主電子制御装置から同報送信された信号の受信の開始で割り込み処理を開始し、その割り込み処理の中で所定の設定値を時刻としてセットする。このため、時刻をセットするために用いられるフレームについては、そのフレームを先頭ビットから順に1フレーム分最後まで読みとる必要がなく、フレームの先頭を受信しただけで電子制御装置が割り込み処理を開始し、予め決められた設定値をタイマカウンタにセットする。したがって、フレームの読み取り処理にかかる時間分だけ時刻同期処理にかかる時間を短縮でき、従来に比べて時刻同期処理における誤差を抑えることができる。尚、この効果は、通信で用いられるフレームのフレーム長が長いほど得られやすい。
【0012】
このことを図1(c)に示す遅延時間の説明図を用いて説明する。本図は、タイマカウンタの値をセットする処理(割り込み処理)の起動トリガーとなるフレームを、主電子制御装置以外の他の電子制御装置が受信する際に発生する遅延に関するものである。図1(c)に示すように、伝送遅延22及びカウンタセット処理遅延23は発生するが、フレーム読み取り遅延は発生しない。また、伝送遅延22は図1(a)に示した従来方法の場合の伝送遅延12と同程度であり、カウンタセット処理遅延23も図1(a)に示した従来方法の場合のカウンタセット処理遅延14と同程度である。したがって、フレーム読み取り遅延の分だけ遅延が少なくなり、その結果、誤差が低減される。
【0013】
また、主電子制御装置の統括のもと、主電子制御装置以外の他の電子制御装置だけが時刻同期するようになっていてもよいが、請求項2に記載のように、主電子制御装置も同期するようになっていてもよい。つまり、主電子制御装置が、所定の信号を他の電子制御装置に送信した際に自らも割り込み機能を有効にし、次に当該主電子制御装置がデータの同報送信を開始したときに割り込み処理を実行し、その割り込み処理の中で、所定の設定値を当該主電子制御装置のタイマカウンタの値としてセットするのである。このようになっていれば、全ての電子制御装置の時刻を同期させることができる。
【0014】
ところで、請求項1又は請求項2に記載の時刻同期システムでは、時刻同期時には予め定められた設定値に設定されるようになっていた。すなわち、各電子制御装置のタイマカウンタの値は、時刻同期がなされる前と後とで不連続となってしまう可能性が高い。そこでタイマカウンタの値をある程度連続させて同期させることを考えた場合には、請求項3に記載のような時刻同期システムを用いるとよい。
【0015】
すなわち、時刻管理のためのタイマカウンタを有すると共に割り込み信号によって割り込み処理を実行する電子制御装置を複数備え、電子制御装置の何れか一つの主電子制御装置が、通信線を介して所定の設定値を他の電子制御装置に送信する。そして、他の電子制御装置は、通信線を介して所定の設定値を受信するとその所定の設定値を記憶するとともに割り込み機能を有効にし、次に主電子制御装置によって同報送信された信号の受信を開始すると割り込み処理を実行し、その割り込み処理の中で、記憶しておいた所定の設定値を当該電子制御装置のタイマカウンタの値としてセットし、セットした後に割り込み機能を無効にするのである。
【0016】
つまり、主電子制御装置が予め所定の設定値を他の電子制御装置に送信しておき、その後に信号を同報送信することによって、その信号の受信タイミングで他の電子制御装置は、予め受信し記憶しておいた設定値をタイマカウンタの値としてセットするのである。
【0017】
このため、請求項1に記載の時刻同期システムが奏する効果に加え、主電子制御装置が他の電子制御装置のタイマカウンタの値を指定することが可能になるという効果が得られる。そのため、例えば主電子制御装置が自身のタイマカウンタの値を設定値として時刻同期の度に送信するようにすれば、時刻同期の前後において各電子制御装置のタイマカウンタ値の連続性をある程度維持できる。
【0018】
また、主電子制御装置の統括のもと、主電子制御装置以外の他の電子制御装置だけが時刻同期するようになっていてもよいが、請求項4に記載のように、主電子制御装置も同期するようになっていてもよい。つまり、主電子制御装置が、所定の設定値を他の電子制御装置に送信した際に自らも割り込み機能を有効にし、次に当該主電子制御装置がデータの同報送信を開始したときに割り込み処理を実行し、その割り込み処理の中で、送信に用いた所定の設定値を当該主電子制御装置のタイマカウンタの値としてセットするのである。このようになっていれば、全ての電子制御装置の時刻を同期させることができる。
【0019】
また、主電子制御装置が送信する所定の設定値は主電子制御装置のタイマカウンタの値そのままでもよいが、主電子制御装置のタイマカウンタの値そのままであると、複数回の時刻同期を行うと時刻同期を行う毎に電子制御装置のタイマカウンタの値が時刻同期処理に要した時間分だけ戻ることになる。なぜなら、所定の設定値を受信してからその値をタイマカウンタの値としてセットするまでに時間を要し、その間も電子制御装置のタイマカウンタの値はカウントアップしているからである。このようなことを防止するためには、請求項5に記載のようになっているとよい。つまり、主電子制御装置が、他の電子制御装置に送信する所定の設定値を決定する際に、その所定の設定値を決定してからその所定の設定値を他の電子制御装置がタイマカウンタの値としてセットするまでに必要な時間を当該主電子制御装置のタイマカウンタの値に加えて所定の設定値を決定するようになっているとよい。
【0020】
このようになっていれば、時刻同期時のタイマカウンタの値とこれからセットしようとしている設定値とがほぼ同値となり、時刻同期を行う毎に電子制御装置のタイマカウンタの値が戻ることを防止することができる。つまり、時刻同期の前後における各電子制御装置のタイマカウンタ値の連続性をより維持できる。
【0021】
また、主電子制御装置は、予め電子制御装置の中から選択して決定しておいてもよいが、請求項6に記載のように、主電子制御装置は、複数の電子制御装置のうち、当該時刻同期システムへの電力が投入された際に最も早く処理可能になった何れか一つの電子制御装置がなるようになっていてもよい。尚、ここで言う「最も早く処理可能になった何れか一つの電子制御装置」というのは、時刻同期システムに電力が投入された後、各電子制御装置で初期化処理が終了して初期化処理以外の他の処理が最も早く実行可能になった何れか一つの電子制御装置のことを意味する。
【0022】
このようになっていれば、主電子制御装置が例えば故障で役割を果たせなくなったときでも次回のシステム起動時に別の電子制御装置が新たに主電子制御装置として機能するため、再び時刻同期を行うことができるようになる。つまり、時刻同期システムの耐故障性能が高まる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明が適用された実施例について図面を用いて説明する。尚、本発明の実施の形態は、下記の実施例に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採りうることは言うまでもない。
【0024】
図2は、実施例の車両制御システム30である。車両制御システム30は、エンジンを制御するためのECUであるエンジンECU31と、オートマチックトランスミッションを制御するためのECUであるAT−ECU33と、VSC(Vehicle Stability Control)システムを制御するためのECUであるVSC−ECU35と、ACC(Auto Cruise Control)システムを制御するためのECUであるACC−ECU37と、これら各ECUを結ぶ通信線39とを備える。そして、車両制御システム30は、これらの各ECU間で時刻の同期がなされるよう時刻同期システムが構成されている。
【0025】
エンジンECU31は、トランシーバー31aと通信モジュール31bとマイコン31cとを備える。このうち、トランシーバー31aは、通信線39から受け取った電気信号に対してレベル変換やノイズ除去等の各種の信号処理を施してフレームを抽出し、逐次通信モジュール31bに渡すと共に後述するマイコン31cの外部割り込み端子31dに入力させる。また逆に、通信モジュールから受け取ったフレームに対してレベル変換等の信号処理を施して通信線39に送信する。
【0026】
通信モジュール31bは、トランシーバー31aから受け取ったフレームを分解し、ヘッダーデータ及び受信データ(受信本文)をマイコン31cに渡す。また逆に、マイコン31cからヘッダーデータ及び送信データ(送信本文)を受け取り、定められた通信プロトコルにしたがってフレームを形成し、トランシーバー31aに渡す。
【0027】
マイコン31cは、CPU、ROM、RAM、バス及びインタフェース等を備えた所謂ワンチップマイコンである。インタフェースの一つとして、外部割り込み端子31dを備えており、この端子に所定の信号が入力されるとCPUが割り込み処理を実行するようになっている。また、CPUは内部にカウントタイマを有しておりクロックに同期してカウントアップ動作をするようになっている。また、ROMにはエンジン制御プログラム等の各種プログラムが格納され、これらのプログラムがRAMに読み出され、CPUが実行する。
【0028】
AT−ECU33、VSC−ECU35及びACC−ECU37は、エンジンECU31と同様に、図示しないトランシーバーや通信モジュールやマイコンを備えており、特にマイコンについて言えば、格納されているプログラムや処理能力に違いはあるもののエンジンECU31のマイコン31cと同様に外部割り込み端子に信号が入力されると割り込み処理が実行されるように構成されている。
【0029】
通信線は、フレーム化されたデータや指令等をシリアル通信によって伝達可能となっている。
ここまでで車両制御システム30の概略構成を説明したが、エンジンECU31が特許請求の範囲に記載の主電子制御装置に相当し、AT−ECU33、VSC−ECU35及びACC−ECU37が他の電子制御装置に相当する。
【0030】
次に、エンジンECU31で定期的に実行される時刻情報配信処理及び、時刻情報配信処理が実行された結果、AT−ECU33、VSC−ECU35及びACC−ECU37で実行される時刻情報受信処理及び、全てのECUで実行される割り込み処理について順に説明する。
【0031】
(1)時刻情報配信処理
時刻情報配信処理について図3のフローチャートを用いて説明する。本処理は、車両制御システム30に電源が投入され、エンジンECU31のマイコン31cで各種の初期化処理の実行が終了した後に実行される。また、定期的(例えば10分毎)にも実行される。
【0032】
処理が開始されると、まずタイマカウンタの値を読み取る(S110)。次に、読み取ったタイマカウンタの値に所定の値を加算し、設定値としてメモリに記憶する(S115)。ここで言う「所定の値」は、設定値を決定してから、後述する割り込み処理でAT−ECU33、VSC−ECU35及びACC−ECU37が設定値をタイマカウンタの値として設定する(図5のS315参照)までにかかる時間を意味する。また、設定値を記憶するメモリは、本処理が終了した後も記憶され続けるようなメモリである。
【0033】
次に、設定値を通信モジュール31bに渡してAT−ECU33、VSC−ECU35及びACC−ECU37に対して送信させる(S210)。この送信は、一斉同報送信させてもよいし、個別に送信させてもよい。送信が完了すると(S125)、外部割り込みを許可する(S130)。このように外部割り込みを許可することにより、上述した外部割り込み端子31dの信号レベルが変化した際(例えばHIからLOWに変化した際)に、割り込み処理が開始されるようになる。
【0034】
そして、所定時間だけ待機する(S135)。この「所定時間」というのは、AT−ECU33、VSC−ECU35及びACC−ECU37で実行される、後述する時刻情報受信処理が終了する程度の時間を意味する。
そして、所定時間だけ待機した後、時刻同期のためのブロードキャストフレームを送信するように通信モジュール31bに指示し(S140)、本処理を終了する。
【0035】
(2)時刻情報受信処理
続いて、上述した時刻情報配信処理によって送信された、設定値を含むフレームが届くと実行される時刻情報受信処理について、図4のフローチャートを用いて説明する。本処理は、設定値の受信を開始したすべてのECU、すなわちAT−ECU33、VSC−ECU35及びACC−ECU37のマイコンで実行される。
【0036】
実行が開始されると、フレームを先頭ビットから順に最後まで受信する(S210)。フレームの受信を完了すると、そのフレームの中に含まれる設定値を保存し(S215)、外部割り込みを許可し(S220)、本処理を終了する。このように外部割り込みを許可することにより、図示しないマイコンに設けられた外部割り込み端子の信号レベルが変化した際(例えばHIからLOWに変化した際)に、割り込み処理が開始されるようになる。
【0037】
(3)割り込み処理
次に、図5のフローチャートを用いて割り込み処理について説明する。時刻情報配信処理及び時刻情報受信処理によって外部割り込みを許可する状態となっているエンジンECU31、AT−ECU33、VSC−ECU35及びACC−ECU37が、時刻情報配信処理のS140(図3参照)で送信されたブロードキャストフレームの先頭ビットの変化をトリガーにして割り込み処理を実行する。
【0038】
実行が開始されると、まず外部割り込みを禁止する(S310)。これは多重に割り込み処理が実行されて誤動作することを防止するためである。そして、事前に記憶しておいた設定値をタイマカウンタの値としてセットし(S315)、本処理を終了する。
【0039】
次に、図6のタイムチャートを用いて、上述した時刻情報配信処理、時刻情報受信処理及び割り込み処理の実行タイミングを説明する。図6に示すように、まずエンジンECU31で実行される時刻情報配信処理Aを基本とし、当該処理の中で実行される、設定値を含むフレームの送信ステップ(図3のS120参照)をトリガーにしてその他のECU(AT−ECU33、VSC−ECU35及びACC−ECU37)では時刻情報受信処理Bが開始される。そして時刻情報受信処理Bが終了した後、時刻情報配信処理Aの最終段階で実行されるブロードキャストフレームの送信開始(図3のS140参照)で、エンジンECU31では割り込み処理C1が実行され、その他のECU(AT−ECU33、VSC−ECU35及びACC−ECU37)では割り込み処理C2が実行される。この割り込み処理C1と割り込み処理C2は処理の実行主体が異なるだけであり処理内容は同じである。
【0040】
これまで説明したように、本実施例の車両制御システム30によれば、AT−ECU33、VSC−ECU35及びACC−ECU37が、エンジンECU31から同報送信されたフレームの受信の開始で割り込み処理を開始し、その割り込み処理の中で予め受信して記憶しておいた設定値を各ECUが備えるタイマカウンタの値としてセットする。
【0041】
このため、従来のようにフレームの先頭ビットから順に1フレーム分最後まで読みとった後にタイマカウンタに値をセットするという手順を踏む必要がなく、フレームの先頭ビットを受信しただけで各ECUが備えるマイコンが割り込み処理を開始し、記憶しておいた設定値をタイマカウンタにセットする。したがって、フレームの読み取り処理にかかる時間を短縮でき、従来に比べて時刻同期処理における誤差を抑えることができる。
【0042】
また、エンジンECU31が、他のECU(AT−ECU33、VSC−ECU35及びACC−ECU37)に送信する設定値を決定する際に、その決定からその設定値を他のECU(AT−ECU33、VSC−ECU35及びACC−ECU37)がタイマカウンタの値としてセットするまでに必要な時間をエンジンECU31のタイマカウンタの値に加えるようになっている。
【0043】
このように時刻同期にかかる時間の一部を考慮して設定値を決定するため、各ECUではタイマカウンタへの値のセット前後でタイマカウンタの値がほぼ同値となり、時刻同期の前後における各ECUのタイマカウンタ値の連続性をより維持できる。
【0044】
以下、他の実施例について述べる。
(イ)上記実施例では、エンジンECU31が設定値を算出して他のECU(AT−ECU33、VSC−ECU35及びACC−ECU37)に送信するようになっていたが、このように設定値を送らず、各々のECUが予め備える所定の設定値をセットするようになっていてもよい。このようになっていると、上述したような各ECUのタイマカウンタの連続性の維持は困難になるが、時刻同期の仕組みがシンプルとなり、時刻同期の確実性が高まる。
【0045】
(ロ)上記実施例では、エンジンECU31が固定的に特許請求の範囲に記載の主電子制御装置に相当していたが、主電子制御装置に相当するECUは動的に変化してもよい。例えば、車両制御システム30への電力が投入された際に最も早く処理可能になった何れか一つのECUが主電子制御装置として機能するようになっていてもよい。ここで言う「最も早く処理可能になった何れか一つのECU」というのは、車両制御システム30に電力が投入された後、各ECUで初期化処理が終了して初期化処理以外の他の処理が最も早く実行可能になった何れか一つのECUのことを意味する。
【0046】
このようになっていれば、例えばエンジンECU31が故障で役割を果たせなくなったときでも、次回、車両制御システム30が起動した際に別のECUが新たに主電子制御装置として機能するため、再び時刻同期を行うことができるようになる。つまり、時刻同期システムとしての耐故障性能が高まる。
【図面の簡単な説明】
【図1】遅延時間について説明するための説明図である。
【図2】実施例の車両制御システムの構成を示すブロック図である。
【図3】時刻情報配信処理を説明するためのフローチャートである。
【図4】時刻情報受信処理を説明するためのフローチャートである。
【図5】割り込み処理を説明するためのフローチャートである。
【図6】各処理の実行タイミングを説明するためのタイムチャートである。
【符号の説明】
30…車両制御システム、31…エンジンECU、31a…トランシーバー、31b…通信モジュール、31c…マイコン、31d…外部割り込み端子、33…AT−ECU、35…VSC−ECU、37…ACC−ECU、39…通信線
Claims (6)
- 時刻管理のためのタイマカウンタを有すると共に割り込み信号によって割り込み処理を実行する電子制御装置を複数備え、
前記電子制御装置の何れか一つの主電子制御装置が、通信線を介して所定の信号を他の電子制御装置に送信し、
前記他の電子制御装置は、前記通信線を介して前記所定の信号を受信すると割り込み機能を有効にし、次に前記主電子制御装置によって同報送信された信号の受信を開始すると割り込み処理を実行し、その割り込み処理の中で所定の設定値を当該電子制御装置のタイマカウンタの値としてセットし、セットした後に割り込み機能を無効にすることを特徴とする時刻同期システム。 - 請求項1に記載の時刻同期システムにおいて、
前記主電子制御装置は、前記所定の信号を前記他の電子制御装置に送信した際に自らも割り込み機能を有効にし、次に当該主電子制御装置がデータの同報送信を開始したときに割り込み処理を実行し、その割り込み処理の中で、所定の設定値を当該主電子制御装置のタイマカウンタの値としてセットすることを特徴とする時刻同期システム。 - 時刻管理のためのタイマカウンタを有すると共に割り込み信号によって割り込み処理を実行する電子制御装置を複数備え、
前記電子制御装置の何れか一つの主電子制御装置が、通信線を介して所定の設定値を他の電子制御装置に送信し、
前記他の電子制御装置は、前記通信線を介して前記所定の設定値を受信するとその所定の設定値を記憶するとともに割り込み機能を有効にし、次に前記主電子制御装置によって同報送信された信号の受信を開始すると割り込み処理を実行し、その割り込み処理の中で、記憶しておいた前記所定の設定値を当該電子制御装置のタイマカウンタの値としてセットし、セットした後に割り込み機能を無効にすることを特徴とする時刻同期システム。 - 請求項3に記載の時刻同期システムにおいて、
前記主電子制御装置は、前記所定の設定値を前記他の電子制御装置に送信した際に自らも割り込み機能を有効にし、次に当該主電子制御装置がデータの同報送信を開始したときに割り込み処理を実行し、その割り込み処理の中で、前記送信に用いた所定の設定値を当該主電子制御装置のタイマカウンタの値としてセットすることを特徴とする時刻同期システム。 - 請求項3又は請求項4に記載の時刻同期システムにおいて、
前記主電子制御装置は、前記他の電子制御装置に送信する前記所定の設定値を決定する際に、その所定の設定値を決定してからその所定の設定値を前記他の電子制御装置がタイマカウンタの値としてセットするまでに必要な時間を当該主電子制御装置のタイマカウンタの値に加えて前記所定の設定値を決定することを特徴とする時刻同期システム。 - 請求項1〜請求項5の何れかに記載の時刻同期システムにおいて、
前記主電子制御装置は、前記複数の電子制御装置のうち、当該時刻同期システムへの電力が投入された際に最も早く処理可能になった何れか一つの前記電子制御装置がなることを特徴とする時刻同期システム。
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