JP2004233797A - 投射レンズ - Google Patents
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Abstract
【課題】良好な光学性能を維持しつつも、十分にコンパクト化が達成できること。
【解決手段】本発明の投射レンズは、図示しないスクリーン側から順に、負のパワーを備えた第1レンズ群1、正のパワーを備えた第2レンズ群2、正のパワーを備えた第3レンズ群3、およびTIRプリズム4が配置されて構成される。第1レンズ群1は非球面レンズ12を含み、また、第3レンズ群3の最終レンズ面(負レンズ32のTIRプリズム4側の面)は平面に形成され、この平面がTIRプリズム4の面と接触または接着されている。
【選択図】 図1
【解決手段】本発明の投射レンズは、図示しないスクリーン側から順に、負のパワーを備えた第1レンズ群1、正のパワーを備えた第2レンズ群2、正のパワーを備えた第3レンズ群3、およびTIRプリズム4が配置されて構成される。第1レンズ群1は非球面レンズ12を含み、また、第3レンズ群3の最終レンズ面(負レンズ32のTIRプリズム4側の面)は平面に形成され、この平面がTIRプリズム4の面と接触または接着されている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、DLP(Digital Light Processing)プロジェクタに用いるTIR(Total Internal Reflection)プリズムを備えた投射レンズに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のDLPプロジェクタでは、ミラー反射方式の照明光学系を備えていた。しかし、ミラー方式の照明光学系では、投影像を明るくしていくと照明ムラが生じ易い。そこで、近年では、照明ムラが生じるのを抑制するために、照明光学系を構成する投射レンズとDMD(Digital Micro mirror Device)との間にTIRプリズムを配置し、このTIRプリズムですべての入射光を一様にDMD側に反射するようにしたDLPプロジェクタが多くなっている(例えば、特許文献1を参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−350775号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、現在、プレゼンテーション用プロジェクタに対する高解像度、高画質化の要求が大きいのと同時に、プロジェクタ本体のコンパクト化の要求も高まっている。このような理由から、TIRプリズムを採用したDLPプロジェクタにおいてもそのコンパクト化が望まれている。
【0005】
TIRプリズムを採用したDLPプロジェクタのコンパクト化の実現のためには、それに搭載する投射レンズのコンパクト化が欠かせない。しかし、投射レンズでは一定のバックフォーカスを確保する必要があるため、投射レンズのコンパクト化は困難であった。これは、前述の特許文献1に記載のDLPプロジェクタに搭載されている投射レンズにも当てはまる。加えて、投射レンズとTIRプリズムとの空気間隔を通常5〜8mm程度以上は確保する必要があり、これもDLPプロジェクタのコンパクト化を妨げる原因となっていた。
【0006】
TIRプリズムを用いなければその分だけコンパクト化が促進され好都合であるようにも思える。しかし、TIRプリズムなしに、TIRプリズムを用いた場合と同等の光学特性を確保するには高コストとなり、実現するのは現実的でない。
【0007】
本発明は、上記のような従来技術の有する問題点に鑑みてなされたものであり、良好な光学性能を維持しつつも、十分にコンパクト化が達成された投射レンズを提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の請求項1にかかる投射レンズは、スクリーン側から順に、負のパワーを備えた第1レンズ群、正のパワーを備えた第2レンズ群、正のパワーを備えた第3レンズ群、およびプリズムが配置されて構成される投射レンズであって、前記第1レンズ群は非球面レンズを含み構成されており、前記第3レンズ群の最終レンズ面は平面に形成され、該平面が前記プリズム面と接触または接着されていることを特徴とする。
【0009】
この請求項1に記載の発明によれば、前記第3レンズ群の最終レンズ面を平面とし、この平面と前記プリズム面とを接触または接着することにより、前記最終レンズ面と前記プリズム面との空気間隔をなくすことができる。このため、投射レンズ全体のコンパクト化および高性能化を実現できる。また、前記第3レンズ群のバックフォーカスを短く設定でき、その分、投射レンズの広画角化や高解像度化を実現できる。さらに、前記第3レンズ群の最終レンズ面と前記プリズムとの配置位置調整をあらためて行う必要がなく、照明系とのアライメントも容易になる。
【0010】
また、請求項2にかかる投射レンズは、請求項1に記載の発明において、前記第1レンズ群の焦点距離をf1、前記第2レンズ群の焦点距離をf2、前記第3レンズ群の焦点距離をf3、ワイド端での前記投射レンズ全体の焦点距離をfwとするとき、以下に示す条件を満足することを特徴とする。
2.5>|f1/fw|>1.3
4>f2/fw>2
12>f3/fw>2
【0011】
この請求項2に記載の発明によれば、投射レンズのコンパクト化とともに光学性能の向上が達成できる。
【0012】
また、請求項3にかかる投射レンズは、請求項1または2に記載の発明において、前記第1レンズ群は少なくとも3枚以上の負レンズを、前記第2レンズ群は少なくとも3枚以上の正レンズをそれぞれ含んでおり、これら正レンズおよび負レンズの少なくとも3枚以上のレンズの分散値が以下に示す条件式を満足することを特徴とする。
分散値>75
【0013】
この請求項3に記載の発明によれば、像面の周辺部における倍率色収差(Lateral Color)および縦の色収差(軸上光:Axial Color)の発生を抑制し、分解能(MTF特性)を良好に保つことができる。
【0014】
また、請求項4にかかる投射レンズは、請求項1〜3のいずれか一つに記載の発明において、前記第1レンズ群は、前記スクリーン側から順に、該スクリーン側に凸面を向けた負メニスカスレンズ、非球面レンズ、前記スクリーン側に凸面を向けた負メニスカスレンズ、両凹負レンズ、および両凸正レンズが配置されて構成され、最も前記スクリーン側に配置された前記負メニスカスレンズとその次に配置された前記非球面レンズとの間隔のみを変化させてフォーカシングを行い、フォーカシング時にも投射レンズ全長を変化させないようにしたことを特徴とする。
【0015】
この請求項4に記載の発明によれば、前記第1レンズ群全体を移動させてフォーカシングを行う方式のものと比べ、スクリーンまでの距離の変化に対する像性能の変動劣化を抑制できる。
【0016】
また、請求項5にかかる投射レンズは、請求項4に記載の発明において、前記第1レンズ群の最も前記スクリーン側に配置された前記負メニスカスレンズのみの要素を第1の要素、該第1の要素を除く前記非球面レンズを含む前記第1レンズ群を構成する残りのレンズからなる要素を第2の要素とし、前記第1の要素の焦点距離をf11、前記第2の要素の焦点距離をf12とするとき、以下に示す条件式を満足することを特徴とする。
f11/f12>0.5
【0017】
この請求項5の発明によれば、投射レンズのコンパクト化を図るとともに、倍率色収差の発生を抑制できる。
【0018】
また、請求項6にかかる投射レンズは、請求項1〜5のいずれか一つに記載の発明において、前記第1レンズ群に含まれる前記非球面レンズの焦点距離をfp、ワイド端での前記投射レンズ全体の焦点距離をfwとするとき、以下に示す条件式を満足することを特徴とする。
|fp/fw|>13
【0019】
この請求項6に記載の発明によれば、前記非球面レンズのエッジ部と中心部との肉厚差を少なくして前記非球面レンズのパワーを小さくすることができると共に、前記非球面レンズの成型性を向上させ、かつ温度変化に対する性能劣化を抑制できる。
【0020】
また、請求項7にかかる投射レンズは、請求項1〜6のいずれか一つに記載の発明において、前記第3レンズ群は、前記スクリーン側から順に、両凸正レンズ、および前記スクリーン側に凹面を向けた負レンズが配置されて構成されており、前記両凸正レンズの分散値をV3とするとき、以下に示す条件式を満足することを特徴とする。
V3>75
【0021】
この請求項7に記載の発明によれば、前記第3レンズ群における倍率色収差の発生を抑制できる。
【0022】
また、請求項8にかかる投射レンズは、請求項1〜7のいずれか一つに記載の発明において、前記第2レンズ群は、前記スクリーン側から順に、第1の正レンズ、負レンズ、第2の正レンズ、前記スクリーン側に凹面を向けた正メニスカスレンズ、前記スクリーン側に凹面を向けた負メニスカスレンズ、凹レンズ、第1の両凸レンズ、および第2の両凸レンズが配置され、前記正メニスカスレンズと前記負メニスカスレンズ、および前記凹レンズと前記第1の両凸レンズはいずれも接合レンズとして構成されていることを特徴とする。
【0023】
この請求項8に記載の発明によれば、投射レンズのコンパクト化を促進すると共に、投射レンズの光学性能の向上が図れる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、図示した一実施の形態に基づき、本発明を詳細に説明する。
【0025】
図1は、本発明にかかる投射レンズの構成を示す光軸に沿う断面図である。本発明の投射レンズは、図示しないスクリーン側から順に、第1レンズ群1、第2レンズ群2、第3レンズ群3、およびTIRプリズム4が配置されて構成される。この投射レンズは、表示パネルデバイス5に表示される像を前記スクリーン上に拡大投影するものである。
【0026】
第1レンズ群1は、前記スクリーン側から順に、このスクリーン側に凸面を向けた負メニスカスレンズ11、非球面レンズ12、前記スクリーン側に凸面を向けた負メニスカスレンズ13、両凹負レンズ14、および両凸正レンズ15が配置されて構成され、全体として正のパワーを備えている。
【0027】
第2レンズ群2は、前記スクリーン側から順に、表示パネルデバイス5側に凸面を向けた正レンズ21、前記スクリーン側に凹面を向けた負レンズ22、前記スクリーン側に凸面を向けた正レンズ23、前記スクリーン側に凹面を向けた正メニスカスレンズ24、前記スクリーン側に凹面を向けた負メニスカスレンズ25、凹レンズ26、両凸レンズ27、および両凸レンズ28が配置されて構成され、全体として負のパワーを備えている。正メニスカスレンズ24と負メニスカスレンズ25は接合レンズになっている。また、凹レンズ26と両凸レンズ27も接合レンズとして構成されている。
【0028】
第3レンズ群3は、前記スクリーン側から順に、両凸正レンズ31、前記スクリーン側に凹面を向けた負レンズ32が配置されて構成され、全体として負のパワーを備えている。負レンズ32のTIRプリズム4側の面は平面に形成されている。そして、その平面をTIRプリズム4と接触させて配置されている。また、負レンズ32の当該平面はTIRプリズム4と接着してもよい。
【0029】
本発明の投射レンズは、第3レンズ群3とTIRプリズム4との間に形成されていた空気間隔をなくし、投射レンズの後玉である第3レンズ群3の最終面とTIRプリズム4とを接触させることで、良好な光学性能が得られる。特に、像の明るさ、広画角、低歪曲、高解像度、低色収差、小口径化の点で効果を奏する。
【0030】
本発明の投射レンズでは、前述のように第1レンズ群1が非球面レンズ12を含み、テレセントリックな構成となっている。そして、本発明の投射レンズにおいて、ワイド端における投射レンズ全体の焦点距離(最短焦点距離)をfw、第1レンズ群1の焦点距離をf1、第2レンズ群2の焦点距離をf2、第3レンズ群3の焦点距離をf3とするとき、次の各条件を満足することが好ましい。
2.5>|f1/fw|>1.3 ・・・(1)
4>f2/fw>2 ・・・(2)
12>f3/fw>2 ・・・(3)
【0031】
条件式(1)において、|f1/fw|のとる値が2.5以上になると、f1の値に対応してf2の値も大きくなる。この結果、フォーカシングや変倍時に第1レンズ群1および第2レンズ群2を大きく移動させる必要が生じ、投射レンズの全長および投射レンズの前玉径の増大を招く。一方、|f1/fw|のとる値が1.3以下になると、第1レンズ群1の焦点距離が短くなり、諸収差、特に投射レンズ周辺部における像面の位置ズレ(像面湾曲)および倍率の色収差の発生が著しくなるため、好ましくない。
【0032】
また、条件式(2)において、f2/fwのとる値が4以上になると、主として変倍を司る第2レンズ群2の光軸に沿う方向の移動量が大きくなり、メカニカル構造上好ましくない。しかも、投射レンズの全長も長くなる。一方、f2/fwのとる値が2以下になると、球面収差およびコマ収差の補正が困難となる。
【0033】
また、条件式(3)において、f3/fwのとる値が12以上になると、第3レンズ群3から瞳位置までの距離およびバックフォーカスが長くなる。このため、投射レンズの全長も長くなって、十分なコンパクト化を達成することができなくなる。一方、f3/fwのとる値が2以下になると、必要なバックフォーカスの確保が困難となる。加えて、第3レンズ群3での球面収差の発生により、テレセントリック性が崩れ、しかも両凸正レンズ31のパワーが大きくなるため、レンズ周辺部での倍率色収差の発生が顕著になる。
【0034】
また、本発明に投射レンズでは、第1レンズ群1を構成する負メニスカスレンズ11のみの焦点距離をf11、非球面レンズ12以降の第1レンズ群1を構成するレンズ全体の合成焦点距離をf12とすると、
1.6>f11/f12>0.5 ・・・(4)
の条件を満たすものでなければならない。
【0035】
条件式(4)において、f11/f12のとる値が1.6以上になると、負メニスカスレンズ11の有効径が大きくなって、小口径化を達成できない。また、フォーカシング時の結像性能の変化も大きくなってしまい、安定した光学性能が得られない。一方、f11/f12のとる値が0.5以下になると、フォーカシング時に非球面レンズ12以降の第1レンズ群1を構成する各レンズを大きく移動させることが必要になる。また、倍率色収差の発生も顕著になるため、好ましくない。
【0036】
本発明の投射レンズでは、非球面レンズ12以降の第1レンズ群1を構成する各レンズを光軸に沿う方向に移動させることによりフォーカシングを行うことで、第1レンズ群1全体を移動させてフォーカシングを行う方式のものと比べ、スクリーンまでの距離の変化に対する像性能の変動劣化を抑制している。
【0037】
また、本発明の投射レンズにおいては、非球面レンズ12に樹脂成型レンズを採用する(非球面レンズ12は射出成型レンズであることを前提とする)。したがって、温度変化に対するレンズ性能の変動を小さくしなければならない。このためには、非球面レンズ12のエッジ部と中心部との肉厚差を少なくして非球面レンズ12のパワーを小さくすることが必要になる。そこで、非球面レンズ12の焦点距離をfpとすると、
|fp/fw|>13 ・・・(5)
の条件を満足することが好ましい。条件式(5)において、|fp/fw|のとる値が13以下になると、非球面レンズ12の成型性が悪くなるうえ、温度変化に対する性能劣化も顕著に現れる。
【0038】
また、本発明の投射レンズでは、前述のように、第1レンズ群1が少なくとも3枚以上の負レンズを、第2レンズ群2が少なくとも3枚以上の正レンズをそれぞれ含んでいる。この場合、諸収差の劣化を防ぐためには、第1レンズ群1を構成する正レンズおよび第2レンズ群2を構成する負レンズのうちの少なくとも3枚のレンズの分散値が、
分散値>75 ・・・(6)
の条件を満足することが必要である。
【0039】
条件式(6)において、分散値が75以下になると、像面の周辺部における倍率色収差および縦の色収差の発生が著しくなり、レンズ性能としての分解能が大きく低下してしまう。
【0040】
また、第3レンズ群3を構成する両凸正レンズ31の分散値をV3とするとき、
V3>75 ・・・(7)
の条件を満足することが必要である。条件式(7)において、V3のとる値が75以下になると、倍率色収差の発生が著しくなる。
【0041】
なお、条件式(7)を満足するような高屈折率硝材は存在しない。このため、本発明の投射レンズでは、第3レンズ群3を正レンズと負レンズの2枚構成とし、第3レンズ群3のテレセントリック性を十分に確保したうえで、前記スクリーン側から見た場合の球面収差の補正を行っている。
【0042】
以下、本発明の投射レンズを構成するレンズ等、各光学部材の数値データを示す。
【0043】
【0044】
【0045】
【0046】
【0047】
なお、上記数値データにおいて、r1,r2,・・・・は各レンズまたはプリズム面の曲率半径、d1,d2,・・・・は各レンズまたはプリズムの肉厚又はそれらの面間隔、n1,n2,・・・・は各レンズの屈折率、ν1,ν2,・・・・は各レンズのアッベ数を示している。また、上記各非球面形状は、子午面からレンズ面までの距離(SAG量)をZ、曲率半径をC、子午面上の光軸からの距離をy、円錐係数をK、4次,6次,8次,10次の非球面係数をそれぞれA ,B ,D ,Eとしたとき、以下に示す式により与えられる。
【数1】
【0048】
以上説明したように、本発明では、第3レンズ群3の最終レンズ面を平面とし、この平面をTIRプリズム4と接触させることで、従来生じていた投射レンズの最終レンズ面とプリズムとの空気間隔をなくし、投射レンズのコンパクト化、および高性能化を実現できる。加えて、空気間隔がないことから、投射レンズのバックフォーカスを短く設定でき、その分投射レンズ全体の広画角化や高解像度化も実現できる。また、前記最終レンズ面とTIRプリズム4とを接着すれば、前記最終レンズ面とTIRプリズム4との設置位置調整をあらためて行う必要がなく、照明系とのアライメントも容易になる。
【0049】
以上、本発明の一実施形態を図面に沿って説明した。しかしながら本発明はこの実施の形態に示した事項に限定されず、特許請求の範囲の記載に基づいてその変更、改良等が可能である。
【0050】
【発明の効果】
上述のように、本発明によれば、良好な光学性能を維持しつつも、十分にコンパクト化が達成された投射レンズを提供することができる。特に、本発明の投射レンズは、小口径にも関わらず、独自の3群構成と、低分散ガラスを3枚以上採用しながら、各レンズ群に適切なパワーを配分することにより、高い結像性能と広画角を両立したもので、近年の高性能モバイル系プロジェクタには欠かせないものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の投射レンズの構成を示す光軸に沿う断面図である。
【符号の説明】
1 第1レンズ群
2 第2レンズ群
3 第3レンズ群
4 TIRプリズム
5 表示パネルデバイス
11,13,25 負メニスカスレンズ
12 非球面レンズ
14 両凹負レンズ
15,31 両凸正レンズ
21,23 正レンズ
22,32 負レンズ
24 正メニスカスレンズ
26 凹レンズ
27,28 両凸レンズ
【発明の属する技術分野】
本発明は、DLP(Digital Light Processing)プロジェクタに用いるTIR(Total Internal Reflection)プリズムを備えた投射レンズに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のDLPプロジェクタでは、ミラー反射方式の照明光学系を備えていた。しかし、ミラー方式の照明光学系では、投影像を明るくしていくと照明ムラが生じ易い。そこで、近年では、照明ムラが生じるのを抑制するために、照明光学系を構成する投射レンズとDMD(Digital Micro mirror Device)との間にTIRプリズムを配置し、このTIRプリズムですべての入射光を一様にDMD側に反射するようにしたDLPプロジェクタが多くなっている(例えば、特許文献1を参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−350775号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、現在、プレゼンテーション用プロジェクタに対する高解像度、高画質化の要求が大きいのと同時に、プロジェクタ本体のコンパクト化の要求も高まっている。このような理由から、TIRプリズムを採用したDLPプロジェクタにおいてもそのコンパクト化が望まれている。
【0005】
TIRプリズムを採用したDLPプロジェクタのコンパクト化の実現のためには、それに搭載する投射レンズのコンパクト化が欠かせない。しかし、投射レンズでは一定のバックフォーカスを確保する必要があるため、投射レンズのコンパクト化は困難であった。これは、前述の特許文献1に記載のDLPプロジェクタに搭載されている投射レンズにも当てはまる。加えて、投射レンズとTIRプリズムとの空気間隔を通常5〜8mm程度以上は確保する必要があり、これもDLPプロジェクタのコンパクト化を妨げる原因となっていた。
【0006】
TIRプリズムを用いなければその分だけコンパクト化が促進され好都合であるようにも思える。しかし、TIRプリズムなしに、TIRプリズムを用いた場合と同等の光学特性を確保するには高コストとなり、実現するのは現実的でない。
【0007】
本発明は、上記のような従来技術の有する問題点に鑑みてなされたものであり、良好な光学性能を維持しつつも、十分にコンパクト化が達成された投射レンズを提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の請求項1にかかる投射レンズは、スクリーン側から順に、負のパワーを備えた第1レンズ群、正のパワーを備えた第2レンズ群、正のパワーを備えた第3レンズ群、およびプリズムが配置されて構成される投射レンズであって、前記第1レンズ群は非球面レンズを含み構成されており、前記第3レンズ群の最終レンズ面は平面に形成され、該平面が前記プリズム面と接触または接着されていることを特徴とする。
【0009】
この請求項1に記載の発明によれば、前記第3レンズ群の最終レンズ面を平面とし、この平面と前記プリズム面とを接触または接着することにより、前記最終レンズ面と前記プリズム面との空気間隔をなくすことができる。このため、投射レンズ全体のコンパクト化および高性能化を実現できる。また、前記第3レンズ群のバックフォーカスを短く設定でき、その分、投射レンズの広画角化や高解像度化を実現できる。さらに、前記第3レンズ群の最終レンズ面と前記プリズムとの配置位置調整をあらためて行う必要がなく、照明系とのアライメントも容易になる。
【0010】
また、請求項2にかかる投射レンズは、請求項1に記載の発明において、前記第1レンズ群の焦点距離をf1、前記第2レンズ群の焦点距離をf2、前記第3レンズ群の焦点距離をf3、ワイド端での前記投射レンズ全体の焦点距離をfwとするとき、以下に示す条件を満足することを特徴とする。
2.5>|f1/fw|>1.3
4>f2/fw>2
12>f3/fw>2
【0011】
この請求項2に記載の発明によれば、投射レンズのコンパクト化とともに光学性能の向上が達成できる。
【0012】
また、請求項3にかかる投射レンズは、請求項1または2に記載の発明において、前記第1レンズ群は少なくとも3枚以上の負レンズを、前記第2レンズ群は少なくとも3枚以上の正レンズをそれぞれ含んでおり、これら正レンズおよび負レンズの少なくとも3枚以上のレンズの分散値が以下に示す条件式を満足することを特徴とする。
分散値>75
【0013】
この請求項3に記載の発明によれば、像面の周辺部における倍率色収差(Lateral Color)および縦の色収差(軸上光:Axial Color)の発生を抑制し、分解能(MTF特性)を良好に保つことができる。
【0014】
また、請求項4にかかる投射レンズは、請求項1〜3のいずれか一つに記載の発明において、前記第1レンズ群は、前記スクリーン側から順に、該スクリーン側に凸面を向けた負メニスカスレンズ、非球面レンズ、前記スクリーン側に凸面を向けた負メニスカスレンズ、両凹負レンズ、および両凸正レンズが配置されて構成され、最も前記スクリーン側に配置された前記負メニスカスレンズとその次に配置された前記非球面レンズとの間隔のみを変化させてフォーカシングを行い、フォーカシング時にも投射レンズ全長を変化させないようにしたことを特徴とする。
【0015】
この請求項4に記載の発明によれば、前記第1レンズ群全体を移動させてフォーカシングを行う方式のものと比べ、スクリーンまでの距離の変化に対する像性能の変動劣化を抑制できる。
【0016】
また、請求項5にかかる投射レンズは、請求項4に記載の発明において、前記第1レンズ群の最も前記スクリーン側に配置された前記負メニスカスレンズのみの要素を第1の要素、該第1の要素を除く前記非球面レンズを含む前記第1レンズ群を構成する残りのレンズからなる要素を第2の要素とし、前記第1の要素の焦点距離をf11、前記第2の要素の焦点距離をf12とするとき、以下に示す条件式を満足することを特徴とする。
f11/f12>0.5
【0017】
この請求項5の発明によれば、投射レンズのコンパクト化を図るとともに、倍率色収差の発生を抑制できる。
【0018】
また、請求項6にかかる投射レンズは、請求項1〜5のいずれか一つに記載の発明において、前記第1レンズ群に含まれる前記非球面レンズの焦点距離をfp、ワイド端での前記投射レンズ全体の焦点距離をfwとするとき、以下に示す条件式を満足することを特徴とする。
|fp/fw|>13
【0019】
この請求項6に記載の発明によれば、前記非球面レンズのエッジ部と中心部との肉厚差を少なくして前記非球面レンズのパワーを小さくすることができると共に、前記非球面レンズの成型性を向上させ、かつ温度変化に対する性能劣化を抑制できる。
【0020】
また、請求項7にかかる投射レンズは、請求項1〜6のいずれか一つに記載の発明において、前記第3レンズ群は、前記スクリーン側から順に、両凸正レンズ、および前記スクリーン側に凹面を向けた負レンズが配置されて構成されており、前記両凸正レンズの分散値をV3とするとき、以下に示す条件式を満足することを特徴とする。
V3>75
【0021】
この請求項7に記載の発明によれば、前記第3レンズ群における倍率色収差の発生を抑制できる。
【0022】
また、請求項8にかかる投射レンズは、請求項1〜7のいずれか一つに記載の発明において、前記第2レンズ群は、前記スクリーン側から順に、第1の正レンズ、負レンズ、第2の正レンズ、前記スクリーン側に凹面を向けた正メニスカスレンズ、前記スクリーン側に凹面を向けた負メニスカスレンズ、凹レンズ、第1の両凸レンズ、および第2の両凸レンズが配置され、前記正メニスカスレンズと前記負メニスカスレンズ、および前記凹レンズと前記第1の両凸レンズはいずれも接合レンズとして構成されていることを特徴とする。
【0023】
この請求項8に記載の発明によれば、投射レンズのコンパクト化を促進すると共に、投射レンズの光学性能の向上が図れる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、図示した一実施の形態に基づき、本発明を詳細に説明する。
【0025】
図1は、本発明にかかる投射レンズの構成を示す光軸に沿う断面図である。本発明の投射レンズは、図示しないスクリーン側から順に、第1レンズ群1、第2レンズ群2、第3レンズ群3、およびTIRプリズム4が配置されて構成される。この投射レンズは、表示パネルデバイス5に表示される像を前記スクリーン上に拡大投影するものである。
【0026】
第1レンズ群1は、前記スクリーン側から順に、このスクリーン側に凸面を向けた負メニスカスレンズ11、非球面レンズ12、前記スクリーン側に凸面を向けた負メニスカスレンズ13、両凹負レンズ14、および両凸正レンズ15が配置されて構成され、全体として正のパワーを備えている。
【0027】
第2レンズ群2は、前記スクリーン側から順に、表示パネルデバイス5側に凸面を向けた正レンズ21、前記スクリーン側に凹面を向けた負レンズ22、前記スクリーン側に凸面を向けた正レンズ23、前記スクリーン側に凹面を向けた正メニスカスレンズ24、前記スクリーン側に凹面を向けた負メニスカスレンズ25、凹レンズ26、両凸レンズ27、および両凸レンズ28が配置されて構成され、全体として負のパワーを備えている。正メニスカスレンズ24と負メニスカスレンズ25は接合レンズになっている。また、凹レンズ26と両凸レンズ27も接合レンズとして構成されている。
【0028】
第3レンズ群3は、前記スクリーン側から順に、両凸正レンズ31、前記スクリーン側に凹面を向けた負レンズ32が配置されて構成され、全体として負のパワーを備えている。負レンズ32のTIRプリズム4側の面は平面に形成されている。そして、その平面をTIRプリズム4と接触させて配置されている。また、負レンズ32の当該平面はTIRプリズム4と接着してもよい。
【0029】
本発明の投射レンズは、第3レンズ群3とTIRプリズム4との間に形成されていた空気間隔をなくし、投射レンズの後玉である第3レンズ群3の最終面とTIRプリズム4とを接触させることで、良好な光学性能が得られる。特に、像の明るさ、広画角、低歪曲、高解像度、低色収差、小口径化の点で効果を奏する。
【0030】
本発明の投射レンズでは、前述のように第1レンズ群1が非球面レンズ12を含み、テレセントリックな構成となっている。そして、本発明の投射レンズにおいて、ワイド端における投射レンズ全体の焦点距離(最短焦点距離)をfw、第1レンズ群1の焦点距離をf1、第2レンズ群2の焦点距離をf2、第3レンズ群3の焦点距離をf3とするとき、次の各条件を満足することが好ましい。
2.5>|f1/fw|>1.3 ・・・(1)
4>f2/fw>2 ・・・(2)
12>f3/fw>2 ・・・(3)
【0031】
条件式(1)において、|f1/fw|のとる値が2.5以上になると、f1の値に対応してf2の値も大きくなる。この結果、フォーカシングや変倍時に第1レンズ群1および第2レンズ群2を大きく移動させる必要が生じ、投射レンズの全長および投射レンズの前玉径の増大を招く。一方、|f1/fw|のとる値が1.3以下になると、第1レンズ群1の焦点距離が短くなり、諸収差、特に投射レンズ周辺部における像面の位置ズレ(像面湾曲)および倍率の色収差の発生が著しくなるため、好ましくない。
【0032】
また、条件式(2)において、f2/fwのとる値が4以上になると、主として変倍を司る第2レンズ群2の光軸に沿う方向の移動量が大きくなり、メカニカル構造上好ましくない。しかも、投射レンズの全長も長くなる。一方、f2/fwのとる値が2以下になると、球面収差およびコマ収差の補正が困難となる。
【0033】
また、条件式(3)において、f3/fwのとる値が12以上になると、第3レンズ群3から瞳位置までの距離およびバックフォーカスが長くなる。このため、投射レンズの全長も長くなって、十分なコンパクト化を達成することができなくなる。一方、f3/fwのとる値が2以下になると、必要なバックフォーカスの確保が困難となる。加えて、第3レンズ群3での球面収差の発生により、テレセントリック性が崩れ、しかも両凸正レンズ31のパワーが大きくなるため、レンズ周辺部での倍率色収差の発生が顕著になる。
【0034】
また、本発明に投射レンズでは、第1レンズ群1を構成する負メニスカスレンズ11のみの焦点距離をf11、非球面レンズ12以降の第1レンズ群1を構成するレンズ全体の合成焦点距離をf12とすると、
1.6>f11/f12>0.5 ・・・(4)
の条件を満たすものでなければならない。
【0035】
条件式(4)において、f11/f12のとる値が1.6以上になると、負メニスカスレンズ11の有効径が大きくなって、小口径化を達成できない。また、フォーカシング時の結像性能の変化も大きくなってしまい、安定した光学性能が得られない。一方、f11/f12のとる値が0.5以下になると、フォーカシング時に非球面レンズ12以降の第1レンズ群1を構成する各レンズを大きく移動させることが必要になる。また、倍率色収差の発生も顕著になるため、好ましくない。
【0036】
本発明の投射レンズでは、非球面レンズ12以降の第1レンズ群1を構成する各レンズを光軸に沿う方向に移動させることによりフォーカシングを行うことで、第1レンズ群1全体を移動させてフォーカシングを行う方式のものと比べ、スクリーンまでの距離の変化に対する像性能の変動劣化を抑制している。
【0037】
また、本発明の投射レンズにおいては、非球面レンズ12に樹脂成型レンズを採用する(非球面レンズ12は射出成型レンズであることを前提とする)。したがって、温度変化に対するレンズ性能の変動を小さくしなければならない。このためには、非球面レンズ12のエッジ部と中心部との肉厚差を少なくして非球面レンズ12のパワーを小さくすることが必要になる。そこで、非球面レンズ12の焦点距離をfpとすると、
|fp/fw|>13 ・・・(5)
の条件を満足することが好ましい。条件式(5)において、|fp/fw|のとる値が13以下になると、非球面レンズ12の成型性が悪くなるうえ、温度変化に対する性能劣化も顕著に現れる。
【0038】
また、本発明の投射レンズでは、前述のように、第1レンズ群1が少なくとも3枚以上の負レンズを、第2レンズ群2が少なくとも3枚以上の正レンズをそれぞれ含んでいる。この場合、諸収差の劣化を防ぐためには、第1レンズ群1を構成する正レンズおよび第2レンズ群2を構成する負レンズのうちの少なくとも3枚のレンズの分散値が、
分散値>75 ・・・(6)
の条件を満足することが必要である。
【0039】
条件式(6)において、分散値が75以下になると、像面の周辺部における倍率色収差および縦の色収差の発生が著しくなり、レンズ性能としての分解能が大きく低下してしまう。
【0040】
また、第3レンズ群3を構成する両凸正レンズ31の分散値をV3とするとき、
V3>75 ・・・(7)
の条件を満足することが必要である。条件式(7)において、V3のとる値が75以下になると、倍率色収差の発生が著しくなる。
【0041】
なお、条件式(7)を満足するような高屈折率硝材は存在しない。このため、本発明の投射レンズでは、第3レンズ群3を正レンズと負レンズの2枚構成とし、第3レンズ群3のテレセントリック性を十分に確保したうえで、前記スクリーン側から見た場合の球面収差の補正を行っている。
【0042】
以下、本発明の投射レンズを構成するレンズ等、各光学部材の数値データを示す。
【0043】
【0044】
【0045】
【0046】
【0047】
なお、上記数値データにおいて、r1,r2,・・・・は各レンズまたはプリズム面の曲率半径、d1,d2,・・・・は各レンズまたはプリズムの肉厚又はそれらの面間隔、n1,n2,・・・・は各レンズの屈折率、ν1,ν2,・・・・は各レンズのアッベ数を示している。また、上記各非球面形状は、子午面からレンズ面までの距離(SAG量)をZ、曲率半径をC、子午面上の光軸からの距離をy、円錐係数をK、4次,6次,8次,10次の非球面係数をそれぞれA ,B ,D ,Eとしたとき、以下に示す式により与えられる。
【数1】
【0048】
以上説明したように、本発明では、第3レンズ群3の最終レンズ面を平面とし、この平面をTIRプリズム4と接触させることで、従来生じていた投射レンズの最終レンズ面とプリズムとの空気間隔をなくし、投射レンズのコンパクト化、および高性能化を実現できる。加えて、空気間隔がないことから、投射レンズのバックフォーカスを短く設定でき、その分投射レンズ全体の広画角化や高解像度化も実現できる。また、前記最終レンズ面とTIRプリズム4とを接着すれば、前記最終レンズ面とTIRプリズム4との設置位置調整をあらためて行う必要がなく、照明系とのアライメントも容易になる。
【0049】
以上、本発明の一実施形態を図面に沿って説明した。しかしながら本発明はこの実施の形態に示した事項に限定されず、特許請求の範囲の記載に基づいてその変更、改良等が可能である。
【0050】
【発明の効果】
上述のように、本発明によれば、良好な光学性能を維持しつつも、十分にコンパクト化が達成された投射レンズを提供することができる。特に、本発明の投射レンズは、小口径にも関わらず、独自の3群構成と、低分散ガラスを3枚以上採用しながら、各レンズ群に適切なパワーを配分することにより、高い結像性能と広画角を両立したもので、近年の高性能モバイル系プロジェクタには欠かせないものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の投射レンズの構成を示す光軸に沿う断面図である。
【符号の説明】
1 第1レンズ群
2 第2レンズ群
3 第3レンズ群
4 TIRプリズム
5 表示パネルデバイス
11,13,25 負メニスカスレンズ
12 非球面レンズ
14 両凹負レンズ
15,31 両凸正レンズ
21,23 正レンズ
22,32 負レンズ
24 正メニスカスレンズ
26 凹レンズ
27,28 両凸レンズ
Claims (8)
- スクリーン側から順に、負のパワーを備えた第1レンズ群、正のパワーを備えた第2レンズ群、正のパワーを備えた第3レンズ群、およびプリズムが配置されて構成される投射レンズであって、
前記第1レンズ群は非球面レンズを含み構成されており、
前記第3レンズ群の最終レンズ面は平面に形成され、該平面が前記プリズム面と接触または接着されていることを特徴とする投射レンズ。 - 前記第1レンズ群の焦点距離をf1、前記第2レンズ群の焦点距離をf2、前記第3レンズ群の焦点距離をf3、ワイド端での前記投射レンズ全体の焦点距離をfwとするとき、以下に示す条件を満足することを特徴とする請求項1に記載の投射レンズ。
2.5>|f1/fw|>1.3
4>f2/fw>2
12>f3/fw>2 - 前記第1レンズ群は少なくとも3枚以上の負レンズを、前記第2レンズ群は少なくとも3枚以上の正レンズをそれぞれ含んでおり、これら正レンズおよび負レンズの少なくとも3枚以上のレンズの分散値が以下に示す条件式を満足することを特徴とする請求項1または2に記載の投射レンズ。
分散値>75 - 前記第1レンズ群は、前記スクリーン側から順に、該スクリーン側に凸面を向けた負メニスカスレンズ、非球面レンズ、前記スクリーン側に凸面を向けた負メニスカスレンズ、両凹負レンズ、および両凸正レンズが配置されて構成され、最も前記スクリーン側に配置された前記負メニスカスレンズとその次に配置された前記非球面レンズとの間隔のみを変化させてフォーカシングを行い、フォーカシング時にも投射レンズ全長を変化させないようにしたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の投射レンズ。
- 前記第1レンズ群の最も前記スクリーン側に配置された前記負メニスカスレンズのみの要素を第1の要素、該第1の要素を除く前記非球面レンズを含む前記第1レンズ群を構成する残りのレンズからなる要素を第2の要素とし、前記第1の要素の焦点距離をf11、前記第2の要素の焦点距離をf12とするとき、以下に示す条件式を満足することを特徴とする請求項4に記載の投射レンズ。
f11/f12>0.5 - 前記第1レンズ群に含まれる前記非球面レンズの焦点距離をfp、ワイド端での前記投射レンズ全体の焦点距離をfwとするとき、以下に示す条件式を満足することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の投射レンズ。
|fp/fw|>13 - 前記第3レンズ群は、前記スクリーン側から順に、両凸正レンズ、および前記スクリーン側に凹面を向けた負レンズが配置されて構成されており、前記両凸正レンズの分散値をV3とするとき、以下に示す条件式を満足することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載の投射レンズ。
V3>75 - 前記第2レンズ群は、前記スクリーン側から順に、第1の正レンズ、負レンズ、第2の正レンズ、前記スクリーン側に凹面を向けた正メニスカスレンズ、前記スクリーン側に凹面を向けた負メニスカスレンズ、凹レンズ、第1の両凸レンズ、および第2の両凸レンズが配置され、
前記正メニスカスレンズと前記負メニスカスレンズ、および前記凹レンズと前記第1の両凸レンズはいずれも接合レンズとして構成されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一つに記載の投射レンズ。
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-
2003
- 2003-01-31 JP JP2003023994A patent/JP2004233797A/ja active Pending
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