JP2004233634A - 熱現像写真感光材料及び酸化珪素薄膜の形成方法 - Google Patents

熱現像写真感光材料及び酸化珪素薄膜の形成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】接着性、寸法安定性に優れ、且つ、湿度耐性が改良された熱現像写真感光材料及び酸化珪素薄膜の形成方法の提供。
【解決手段】低熱収縮性支持体上に有機銀塩粒子、ハロゲン化銀粒子、造核剤、還元剤を含有する感光層、該低熱収縮性支持体上に1〜300nm厚の酸化珪素薄膜を有し、かつ、該感光層と該酸化珪素薄膜との間に接着層を有し、該接着層を構成するバインダーのSP値Aが下記式(1)を満足することを特徴とする熱現像写真感光材料。
式(1)
B−2≦A≦B+2
B:感光層を構成するバインダーのSP値
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱現像写真感光材料(以下、熱現像感光材料、感光材料、感材ともいう)に関し、更に詳しくは、接着性、寸法安定性に優れ、且つ、湿度耐性が改良された熱現像写真感光材料に関する。
【0002】
【従来の技術】
支持体上に感光性層を有し、画像露光することで画像形成を行う技術は、数多く知られている。
【0003】
それらの中でも、環境保全や画像形成手段が簡易化できるシステムとして、熱現像により画像を形成する技術が挙げられる。
【0004】
また、近年、写真製版分野において環境保全、省スペースの観点から処理廃液の減量が強く望まれている。
【0005】
そこで、レーザー・スキャナーまたはレーザー・イメージセッターにより効率的に露光させることができ、高解像度及び鮮鋭さを有する鮮明な黒色画像を形成することができる、写真製版用途の熱現像感光材料に関する技術が市場から求められている。
【0006】
これら熱現像感光材料は、溶液系処理化学薬品の使用をなくし、より簡単で環境を損なわない熱現像処理システムを顧客に対して供給することが可能である。
【0007】
熱現像により画像を形成する方法は、例えば米国特許第3,152,904号、同3,457,075号及びD.モーガン(Morgan)とB.シェリー(Shely)による「熱によって処理される銀システム(Thermally Processed Silver Systems)A」(イメージング・プロセッシーズ・アンド・マテリアルズ(Imaging Processes and Materials)Neblette 第8版、スタージ(Sturge)、V.ウォールワーズ(Walworth)、A.シェップ(Shepp)編集、第2頁、1969年)に記載されている。
【0008】
印刷製版用画像形成技術は、カラー印刷をする場合には、通常、各色別に分解されたフィルムを複数枚使用する。それらをそれぞれの刷版に焼き付け、重ねて印刷する。複数の色別に分解されたフィルムを重ねたとき、全く同一に重ならないと、印刷物にした場合に、色がずれてしまうという現象が生ずる。よって印刷製版用の熱現像感光材料では、熱による版の寸法変化をいかに抑えるかが重要な問題である。
【0009】
印刷製版用画像形成技術における、耐熱寸法安定性を向上させる技術としては、特開平10−10676号、同10677号公報に、80〜200℃の高温および0.04〜6kg/cmの低張力で搬送しながら熱処理し、支持体の熱収縮を小さくする技術等が開示されている。
【0010】
熱現像感光材料は、還元可能な非感光性の銀源(例えば、有機銀塩)、触媒活性量の光触媒(例えば、ハロゲン化銀)及び銀の還元剤を通常有機バインダーマトリックス中に分散した状態で含有している。感光材料は常温で安定であるが、露光後高温(例えば、80℃以上)に加熱した場合に、還元可能な銀源(酸化剤として機能する)と還元剤との間の酸化還元反応を通じて銀を生成する。
【0011】
この酸化還元反応は、露光で発生した潜像の触媒作用によって促進される。露光領域中の還元可能な銀塩の反応によって生成した銀は黒色画像を提供し、これは非露光領域と対照をなし、画像の形成がなされる。
【0012】
このような熱現像写真感光材料は、冬場の低湿期においては感材中の水分量が少なくなり現像反応が進みにくく濃度がでなくなったり、夏場の多湿期においては、反対に感材中の水分量が多くなり、現像反応が進みやすく感度が大きくなり、文字線巾が太るという問題があった。
【0013】
これらを改良する技術としては、保護層に塩化ビニリデンを使用し高湿下の文字線巾の影響を少なくする技術(例えば、特許文献1参照)や下引きに塩化ビニリデンを使用し寸法性能の湿度の影響を少なくする技術(例えば、特許文献2参照)が知られているが、環境上問題がある。
【0014】
また、低湿の濃度確保のために保護層を厚くする技術(例えば、特許文献1参照)や高湿下の文字線巾の影響を少なくするために乾燥温度を変えたりする技術(例えば、特許文献3参照)も知られているが不十分であった。
【0015】
【特許文献1】
特開2001−272742号公報
【0016】
【特許文献2】
特開2001−287298号公報
【0017】
【特許文献3】
特開2002−55413号公報
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、接着性、寸法安定性に優れ、且つ、湿度耐性が改良された熱現像写真感光材料及び酸化珪素薄膜の形成方法を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記目的は以下の構成により達成される。
【0020】
1.低熱収縮性支持体上に有機銀塩粒子、ハロゲン化銀粒子、造核剤、還元剤を含有する感光層、該低熱収縮性支持体上に1〜300nm厚の酸化珪素薄膜を有し、かつ、該感光層と該酸化珪素薄膜との間に接着層を有し、該接着層を構成するバインダーのSP値Aが前記式(1)を満足することを特徴とする熱現像写真感光材料。
【0021】
2.前記酸化珪素薄膜が蒸着又は高周波数プラズマ重合により形成されることを特徴とする前記1に記載の熱現像写真感光材料。
【0022】
3.前記感光層を構成するバインダーのTgが40〜120℃であることを特徴とする前記1又は2に記載の熱現像写真感光材料。
【0023】
4.低熱収縮性支持体上への高周波数プラズマ重合による酸化珪素薄膜の形成方法において、酸化珪素薄膜形成時の低熱収縮性支持体の表面温度が80℃以下であることを特徴とする酸化珪素薄膜の形成方法。
【0024】
5.低熱収縮性支持体上への蒸着による酸化珪素薄膜の形成方法において、酸化珪素薄膜形成時の低熱収縮性支持体の表面温度が80℃以下であることを特徴とする酸化珪素薄膜の形成方法。
【0025】
6.低熱収縮性支持体上に前記4又は5に記載の酸化珪素薄膜の形成方法で形成された酸化珪素薄膜を有することを特徴とする前記1〜3の何れか1項に記載の熱現像写真感光材料。
【0026】
即ち、本発明者は上記のような問題点に対し鋭意検討した結果、
▲1▼低熱収縮性支持体上に、特定の膜厚、特定の形成方法で酸化珪素薄膜を塗設することで、低熱収縮性支持体の吸水性を制御する、
▲2▼感光層のバインダーを特定のTgにすることで現像性を制御する、
▲3▼低熱収縮性支持体上に酸化珪素薄膜を形成する時の低熱収縮性支持体の表面温度を制御する、
▲4▼酸化珪素薄膜と感光層との間に特定のバインダーを用いた接着層を塗設することにより、
接着性、寸法安定性に優れ、且つ、湿度耐性が改良された熱現像写真感光材料用及び酸化珪素薄膜の形成方法が得られることを見い出した。
【0027】
以下、本発明について更に詳細に述べる。
本発明の酸化珪素薄膜は、低熱収縮性支持体(以下、単に支持体ともいう)上に蒸着または高周波数プラズマ重合により形成される。
【0028】
上記方法で酸化珪素薄膜を形成する時の支持体の表面温度は80℃以下であることが好ましい。より好ましくは40〜80℃、更に好ましくは55〜80℃である。40℃未満であると酸化珪素薄膜が均一に形成できず、支持体の吸水性が制御できなくなり、湿度耐性が劣化し好ましくない。また80℃を超えると低熱収縮性支持体の寸法安定性が劣化し好ましくない。
【0029】
酸化珪素薄膜を形成する時の支持体の表面温度を80℃以下にする方法としては、特に限定されないが、本発明においては、蒸着であれば支持体と接触する電極表面の冷却温度で制御する方法等、高周波数プラズマ重合であれば重合雰囲気温度で制御する方法等が挙げられる。
【0030】
本発明においては、酸化珪素薄膜の膜厚は1〜300nmである。1nm未満であると酸化珪素薄膜の吸水性が制御できなくなり、湿度耐性が劣化し好ましくない。300nmを超えるとヘーズが上がるとともに接着性が劣り好ましくない。
【0031】
本発明では低熱収縮性支持体上に酸化珪素薄膜を設けることを特徴としている。特に好ましい態様は両側に酸化珪素薄膜を設けることである。
【0032】
本発明における蒸着はスパッタリング、電子ビームガン蒸発又は熱蒸発により蒸着できる。形成される酸化珪素(SiO)薄膜は、例えば、xが1であるSiO(一酸化ケイ素)(SiOはxが2)を原料に用いることができ、xが1.2〜1.8であることが好ましい。更に好ましくは1.5〜1.7である。この範囲以外であると支持体の吸水性が制御できなくなり、湿度耐性が劣化し好ましくない。
【0033】
本発明における、高周波数プラズマ気相成長装置は、特開平11−145125号、特表平11−504072号、特開平11−154670号及び特開2000−160344号等に記載される気相成長法を用いて作製することができるが、本発明に使用される高周波数プラズマ気相成長装置の一例を図1に基づいて説明する。
【0034】
低熱収縮性支持体5上に図1の高周波数プラズマ気相成長装置用いて酸化珪素薄膜を作製する。
【0035】
即ち、酸化珪素(SiO)の無機物層を支持体上の表面に塗設する。ここでxは1.5〜2.0であることが好ましく、結晶性でないのがより好ましい。
【0036】
図1に示した高周波数プラズマ気相成長装置は、ロール状のフィルム(支持体)を繰出しローラー7から一方向に走行させて巻取りローラー6に巻き取る機構を設け、気相組成成分の遺漏を防止する閉鎖型隔壁9を備える。この隔壁内には、上記支持体5の直線的な走行部分において、支持体の表面に角度を持って対向するように気相成分を導くプラズマ発生管1が取り付けられていると共に、支持体裏面に近接して温度制御ヒータ8が設置されている。プラズマ発生管1には、放電用コイル2が巻装され、その端部に反応性ガスの気相成分混合機Mが設けられている。放電用コイル2は高周波電源装置Vに接続されており、この高周波電源装置Vから1MHz〜100GHzの高周波数電力が供給されるようになっている。又、上記温度制御ヒータ8は、図示しないヒータ電源に接続されている。
【0037】
このような構成の高周波数プラズマ装置は、上記プラズマ発生管1の端部に設けられた気相成分混合機MからモノシランSiH気体(ボンベA)、酸素O気体(ボンベB)、不活性気体アルゴン又はヘリウム(ボンベC)から成る反応性気体を閉鎖型隔壁9内に導入し、この反応性気体を上記放電用コイル2によるプラズマで活性化させ、酸化珪素SiOを析出させ(SiH+O→SiO)、酸化珪素(SiO)を有する薄膜を支持体上の表面に成膜することができる。
【0038】
気相成分混合機Mから感光材料の膜面に照射された残留気体は、リサイクル使用するための帰路4及び3を通過して送風機Pにより上方から流下する新鮮な反応性気体と混合して使用される。残留気体のリサイクル使用で経済性が向上する。塗設される酸化珪素薄膜の厚さは1〜300nmである。
【0039】
このように、モノシランSiHを高周波数プラズマ気相成長法により酸化珪素に成長させた薄膜は、硬くて強度が高く、膜の剥落を防止し、しかも透明である。上記薄膜が支持体の表面を保護することにより、膜の剥落を防止することができる。
【0040】
上記薄膜を支持体の表面に塗設することにより、支持体の吸湿性を制御し、熱現像で形成された写真性能(濃度、文字線巾)の湿度耐性の改良をすることができる。
【0041】
(低熱収縮性支持体)
本発明の低熱収縮性支持体は、印刷製版用の熱現像感光材料として使用するにあたって、熱現像時の温度(熱)による版の寸法変化を抑えるために、支持体の熱現像に相当する120℃、60秒での寸法変化率の絶対値がMD(長手)、TD(巾手)方向ともに0.001〜0.06%であることが好ましく、より好ましくは0.001〜0.04%、特に好ましくは0.001〜0.02%である。
【0042】
本発明における前述の寸法変化率の測定は次のように行われる。すなわち支持体を、23℃、55%RH条件下で、該支持体のMD、TD方向に一定のある長さに印を付けてから、120℃に60秒間加熱後、再び23℃、55%RHの条件下で3時間調湿後、各方向の長さを測定して、その寸法変化率を評価する。加熱前の寸法から加熱後の寸法を引いて、加熱前の寸法で除したものを百分率で寸法変化率を正の値または負の値として表す。
【0043】
支持体の基材となるフィルムは熱可塑性樹脂が好ましく、力学強度、熱寸法安定性、透明性から特に好ましいのがポリエステル樹脂である。さらに好ましいのが芳香族ポリエステル樹脂であり、具体的にはポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等を挙げることができる。
【0044】
支持体の厚みは50〜500μmが好ましく、75〜300μmがより好ましく、90〜200μmが更に好ましい。
【0045】
本発明の支持体は、前述の寸法変化率にするために以下のような熱処理をすることで達成できる。
【0046】
本発明に好ましく用いられる熱処理は、熱収縮の進行を妨げずに、その後の熱処理(熱現像)時の寸法変化を小さくする上で、出来るだけ搬送張力を低くし、熱処理時間を長くすることが望ましい。処理温度としてはポリエステルフィルムのTg+50〜Tg+150℃が好ましく、搬送張力としては9.8kPa〜2MPaが好ましく、より好ましくは9.8〜980kPa、更に好ましくは9.8〜490kPaであり、処理時間としては10〜30分が好ましく、より好ましくは5〜30分である。
【0047】
上記の温度範囲、搬送張力範囲及び処理時間にすることにより、熱処理時に支持体の熱収縮の部分的な差により支持体の平面性が劣化することもなく、搬送ロールとの摩擦等により細かいキズ等の発生も押さえることが出来る。
【0048】
本発明において、熱処理の前の熱固定後に縦弛緩処理及び/または横弛緩処理を行っておくのも好ましい態様である。また熱処理は所望の寸法変化率を得るために、少なくとも1回は必要であり、必要に応じて2回以上実施することも可能である。さらに熱処理したポリエステルフィルムをTg付近の温度から常温まで冷却してから巻き取り、この時の冷却による平面性の劣化を防ぐために、Tgを跨いで常温まで下げるまでに、少なくとも−5℃/秒以上の速度で冷却するのが好ましい。
【0049】
熱処理条件としての熱処理時間は、フィルムの搬送速度を変えたり、熱処理ゾーンの長さを変えたりすることでコントロールできる。この熱処理時間が短すぎると本発明は効果的でなく支持体の熱寸法安定性が低下してしまう。また30分を超えると支持体の平面性や透明性の劣化がみられ、熱現像感光材料用の支持体としては不適となるので好ましくない。
【0050】
また、熱処理の張力調整は、巻き取りロール及び/または送り出しロールのトルクを調整することにより出来る。また工程内にダンサーロールを設置し、これに加える荷重を調整することでも達成出来る。熱処理中及び/または熱処理後の冷却時に張力を変化させる場合、これらの工程前後及び/または工程内にダンサーロールを設置し、それらの荷重を調整することで所望の張力状態を設定しても良い。また振動的に搬送張力を変化させるには熱処理ロール間スパンを小さくすることにより有効に行うことが出来る。
【0051】
本発明の支持体は、酸化珪素薄膜を設ける前に下引層を設けていることが好ましい。下引層を設ける場合、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル変性ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、セルロースエステル樹脂、スチレン樹脂及びゼラチン等を用いることが好ましい。また必要に応じて、トリアジン系、エポキシ系、メラミン系、ブロックイソシアネートを含むイソシアネート系、アジリジン系、オキサザリン系等の架橋剤、コロイダルシリカ等の無機粒子、界面活性剤、増粘剤、染料、防腐剤などを添加してもよい。
【0052】
また、酸化珪素薄膜を設ける側と反対側に帯電防止層を設けることが好ましい。
【0053】
本発明に好ましく設けられる帯電防止層は、帯電防止剤とバインダーを含有している。
【0054】
帯電防止剤としては、金属酸化物を用いることが好ましい。金属酸化物の例としては、ZnO、TiO、SnO、Al、In、SiO、MgO、BaO、MoO、V等、あるいはこれらの複合酸化物が好ましく、特にバインダーとの混和性、導電性、透明性等の点から、SnO(酸化スズ)が好ましい。異元素を含む例としてはSnOに対してはSb、Nb、ハロゲン元素等を添加することができる。これらの異元素の添加量は0.01〜25mol%の範囲が好ましいが、0.1〜15mol%の範囲が特に好ましい。酸化スズは、非晶性ゾルまたは結晶性粒子の形態が好ましい。水系塗布の場合は非晶性ゾルが好ましく、溶剤系塗布の場合は結晶性粒子の形態が好ましい。特に環境上、作業の取り扱い性の点で水系塗布の非晶性ゾルの形態が好ましい。
【0055】
非晶性SnOゾルの製造方法に関しては、SnO微粒子を適当な溶媒に分散して製造する方法、もしくは溶媒に可溶なSn化合物の溶媒中における分解反応から製造する方法等、いずれの製造方法でもよい。一方、結晶性粒子の製造方法は、特開昭56−143430号公報、同60−258541号公報等に詳細に記載されている。
【0056】
これら導電性金属酸化物の作製法としては、第一に金属酸化物微粒子を焼成により作製し、導電性を向上させるために異種原子の存在下で熱処理する作製法、第二に焼成により金属酸化物作製時に異種原子を共存させる作製法、第三に焼成時に酸素濃度を下げて酸素欠陥を導入する作製法等の単独及び組み合わせが用いられる。
【0057】
本発明に好ましく用いられる金属酸化物の一次粒子の平均粒径は、通常0.001〜0.5μm、0.001〜0.2μmが好ましい。本発明においては、金属酸化物の固型分付量は感光材料1m当たり0.05〜2gが好ましく、0.1〜1gがより好ましい。また、本発明における帯電防止層における金属酸化物の体積分率は、通常8〜40vol%、好ましくは10〜35vol%である。
【0058】
体積分率は金属酸化物の色、形態、組成等により変化するが、透明性及び導電性の観点からは、上記の10〜35vol%が最も好ましい。
【0059】
帯電防止層を構成するバインダーについては、前記下引層と同じ樹脂を用いることが好ましく、特に金属酸化物の分散性や導電性の観点から、ポリエステル、アクリル変性ポリエステル、アクリル樹脂、セルロースエステルが好ましい。
【0060】
帯電防止層の膜厚は、透明性、塗布ムラ(干渉ムラ)の観点から、0.30〜0.70μmが好ましい。より好ましくは0.35〜0.55μmである。0.30μm未満であると所望の高温時の導電性が得られず、BC層を設けたときのスリキズ性が劣化し、好ましくない。また0.70μmを超えると干渉ムラが強く、商品価値上、感光材料の特性が劣化するとともに、透明性も劣化し、実用に耐えない。
【0061】
下引層、帯電防止層の塗布方法としては、公知の任意の塗布方法が適用できる。
【0062】
例えば、キスコート法、リバースコート法、ダイコート法、リバースキスコート法、オフセットグラビアコート法、マイヤーバーコート法、ロールブラッシュ法、スプレーコート法、エアーナイフコート法、含浸法、カーテンコート法等を単独または組み合わせて用いることが好ましい。
【0063】
(感光層)
本発明の熱現像写真感光材料の感光性層に含有される有機銀塩は還元可能な銀源であり、還元可能な銀イオン源を含有する有機酸及びヘテロ有機酸の銀塩、特に長鎖(10〜30、好ましくは5〜25の炭素原子数)の脂肪族カルボン酸及び含窒素複素環カルボン酸が好ましい。配位子が、4.0〜10.0の銀イオンに対する総安定定数を有する有機又は無機の銀塩錯体も有用である。好適な銀塩の例は、Research Disclosure(以下RDという)第17029及び29963に記載されており、次のものがある:有機酸の塩(例えば、没食子酸、シュウ酸、ベヘン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、ラウリン酸等の塩);銀のカルボキシアルキルチオ尿素塩(例えば、1−(3−カルボキシプロピル)チオ尿素、1−(3−カルボキシプロピル)−3,3−ジメチルチオ尿素等);アルデヒドとヒドロキシ置換芳香族カルボン酸とのポリマー反応生成物の銀錯体(例えば、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ブチルアルデヒド等のアルデヒド類とサリチル酸、ベンジル酸、3,5−ジヒドロキシ安息香酸、5,5−チオジサリチル酸等のヒドロキシル基置換酸類);チオン類の銀塩又は錯体(例えば、3−(2−カルボキシエチル)−4−ヒドロキシメチル−4−チアゾリン−2−チオン及び3−カルボキシメチル−4−メチル−4−チアゾリン−2−チオン);イミダゾール、ピラゾール、ウラゾール、1,2,4−チアゾール及び1H−テトラゾール、3−アミノ−5−ベンジルチオ−1,2,4−トリアゾール及びベンゾトリアゾールから選択される窒素酸と銀との錯体又は塩;サッカリン、5−クロロサリチルアルドキシム等の銀塩;メルカプチド類の銀塩等が挙げられる。好ましい銀源はベヘン酸銀、アラキジン酸銀又はステアリン酸銀である。
【0064】
有機銀塩は、水溶性銀化合物と銀と錯形成する化合物を混合することにより得られるが、正混合法、逆混合法、同時混合法、特開平9−127643号公報に記載されている様なコントロールドダブルジェット法等が好ましく用いられる。
【0065】
例えば、有機酸にアルカリ金属塩(例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなど)を加えて有機酸アルカリ金属塩ソープ(例えば、ベヘン酸ナトリウム、アラキジン酸ナトリウム等)を作製した後に、コントロールドダブルジェットにより、前記ソープと硝酸銀等を添加して有機銀塩の結晶を作製する。その際にハロゲン化銀粒子を混在させてもよい。
【0066】
本発明の熱現像写真感光材料の感光性層に含有されるハロゲン化銀粒子は光センサーとして機能するものである。本発明においては、画像形成後の白濁を低く抑えるため、及び良好な画質を得るために平均粒子サイズが小さい方が好ましく、具体的には平均粒子サイズが好ましくは0.03μm以下、より好ましくは0.01〜0.03μmである。
【0067】
ここで、平均粒子サイズとは、ハロゲン化銀粒子が立方体或いは八面体のいわゆる正常晶である場合には、ハロゲン化銀粒子の稜の長さをいう。又、正常晶でない場合、例えば、球状、棒状、或いは平板状の粒子の場合には、ハロゲン化銀粒子の体積と同等な球を考えたときの直径をいう。
【0068】
尚、上記ハロゲン化銀粒子の平均粒子径の測定方法は、電子顕微鏡により50000倍で撮影し、それぞれのハロゲン化銀粒子の長辺と短辺を実測し、100個の粒子を測定し、平均したものを平均粒径とする。
【0069】
また、本発明の熱現像写真感光材料中のハロゲン化銀粒子は前記有機銀塩調製時に同時に作製されるか、又は前記有機銀塩調製時に該ハロゲン化銀粒子を混在させて調製することにより、有機銀塩に融着した状態でハロゲン化銀粒子を形成させて微小粒子のいわゆるin situハロゲン化銀粒子とするのが好ましい。
【0070】
in situハロゲン化銀粒子とは、非感光性脂肪族カルボン酸銀塩に含まれる銀イオンの一部や、該非感光性脂肪族カルボン酸銀塩を含む溶液中に存在する銀イオンの一部や、該非感光性脂肪族カルボン酸銀塩の存在下で、ex situハロゲン化銀粒子の銀イオンの一部を臭化カルシウムや臭化リチウム、臭化亜鉛等のようなハロゲン化剤によりハロゲン化銀に変換させる方法により調製された感光性ハロゲン化銀粒子のことを指す。
【0071】
また、ex situハロゲン化銀粒子とは、従来のコンベンショナル感光材料のハロゲン化銀粒子と同様に長鎖のカルボン酸が共存しない条件下で調製され、その調製後に非感光性脂肪族カルボン銀塩乳剤に添加する感光性ハロゲン化銀粒子のことを指す。
【0072】
本発明においては、ハロゲン化銀粒子は単分散であることが好ましい。ここでいう単分散とは、下記式で求められる単分散度が40%以下のことをいう。好ましくは30%以下であり、より好ましくは0.1〜20%となる粒子である。
【0073】
単分散度=(粒径の標準偏差/粒径の平均値)×100
本発明において、ハロゲン化銀粒子は平均粒径通常0.01〜0.03μmで、かつ単分散粒子であることがより好ましく、この範囲にすることで画像の粒状性も向上する。
【0074】
ハロゲン化銀粒子の形状については、特に制限はないが、ミラー指数〔100〕面の占める割合が高いことが好ましく、この割合が通常50%以上、更には70%以上、特に80%以上であることが好ましい。ミラー指数〔100〕面の比率は、増感色素の吸着における〔111〕面と〔100〕面との吸着依存性を利用したT.Tani;J.Imaging Sci.,29,165(1985)により求めることができる。
【0075】
又もう一つの好ましいハロゲン化銀粒子の形状は、平板粒子である。ここでいう平板粒子とは、投影面積の平方根を粒径rμmとして、垂直方向の厚みをhμmとした場合のアスペクト比=r/hが3以上のものをいう。その中でも好ましくは、アスペクト比が3以上、50以下である。又粒径は0.03μm以下であることが好ましく、更に0.01〜0.03μmが好ましい。これらの製法は米国特許第5,264,337号、同5,314,798号、同5,320,958号等の各明細書に記載されており、容易に目的の平板状粒子を得ることができる。本発明においてこれらの平板状粒子を用いた場合、更に画像の鮮鋭性も向上する。
【0076】
ハロゲン化銀粒子の組成としては特に制限はなく、塩化銀、塩臭化銀、塩沃臭化銀、臭化銀、沃臭化銀、沃化銀の何れであってもよい。本発明に用いられる写真乳剤は、P.Glafkides著Chimie et Physique Photographique(Paul Montel社刊、1967年)、G.F.Duffin著 Photographic Emulsion Chemistry(The Focal Press刊、1966年)、V.L.Zelikman et al著Making and Coating Photographic Emulsion(The Focal Press刊、1964年)等に記載された方法を用いて調製することができる。
【0077】
本発明に用いられるハロゲン化銀粒子には、照度不軌改良や改良調整のために、元素周期律表の6族から10族に属する金属のイオン又は錯体イオンを含有することが好ましい。上記の金属としては、W、Fe、Co、Ni、Cu、Ru、Rh、Pd、Re、Os、Ir、Pt、Auが好ましい。
【0078】
ハロゲン化銀粒子は、ヌードル法、フロキュレーション法等、当業界で知られている方法の水洗により脱塩することができるが、本発明においては脱塩してもしなくてもよい。
【0079】
本発明におけるハロゲン化銀粒子は、化学増感されていることが好ましい。好ましい化学増感法としては、当業界でよく知られているように硫黄増感法、セレン増感法、テルル増感法、金化合物や白金、パラジウム、イリジウム化合物等の貴金属増感法や還元増感法を用いることができる。
【0080】
本発明においては熱現像写真感光材料の失透を防ぐためには、ハロゲン化銀粒子及び有機銀塩の総量は、銀量に換算して感光材料1m当たり通常0.3〜2.2gであり、0.5〜1.5gがより好ましい。この範囲にすることで硬調な画像が得られる。又、銀総量に対するハロゲン化銀の量は、質量比で通常50%以下、好ましくは25%以下、更に好ましくは0.1〜15%である。
【0081】
本発明におけるハロゲン化銀粒子は350〜450μmに光の極大吸収を有し、特に増感色素を有してなくてもよいが、必要に応じて含有させてもよい。
【0082】
本発明は、感光層と酸化珪素薄膜との間に接着層を有することを特徴としている。特に蒸着の場合、表面凹凸が無いので、接着層がないと感光層と酸化珪素薄膜との間の接着性が劣り好ましくない。
【0083】
また、本発明は接着層を構成するバインダーのSP値Aが、接着性の観点から下記式(1)を満足することを特徴としている。
【0084】
式(1)
B−2≦A≦B+2
接着層を構成するバインダーのSP値A
感光層を構成するバインダーのSP値B
接着層を構成するバインダーのSP値Aがこの範囲外であると、感光層と酸化珪素薄膜間の接着性が劣り好ましくない。
【0085】
本発明において、SP(溶解性パラメーター)値(MPa1/2)は、「ポリマーハンドブック第4版(Porimer handbook Fourth Edition)John Wiley & Sons」のVII680〜683頁に記載の方法に従って測定、算出される値である。
【0086】
以下にその方法を概説する。
単独重合体のSP値は、該重合体を形成している構成単位の分子引力定数Gに基づいて、下記式1のSP値の計算式により算出できる。
【0087】
式1 SP=dΣG/M
ここで、dは単独重合体の密度(g/l)であり、ΣGは構成単位の分子中の分子引力定数の総和であり、Mは構成単位の分子量(g/mol)である。共重合体のSP値は上記式1により、その共重合を構成する各構成単位のそれぞれの単独共重合体のSP値を算出し、これらのSP値のそれぞれに各構成単位のモル分率を乗じたものを合算して算出される。
【0088】
接着層のバインダーとしては、感光層のバインダーSP値(B)にもよるが、ポリエステル、ポリスチレン、アクリル樹脂、アクリル変性ポリエステル樹脂、セルロースエステル樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリウレタン等があげられる。
【0089】
また接着層がない場合には、コロナ放電やグロー放電処理等で対応することができる。本発明の熱現像写真感光材料の感光性層は複数層にしても良く、又階調の調節のため、感光性層の構成として高感度層/低感度層、又は低感度層/高感度層にしても良い。
【0090】
本発明の熱現像写真感光材料の感光性層又は保護層に含有される好適な還元剤の例は、米国特許第3,770,448号、同第3,773,512号、同第3,593,863号等の各明細書及びRD第17029号及び同29963に記載されており、次のものが挙げられる。
【0091】
アミノヒドロキシシクロアルケノン化合物(例えば、2−ヒドロキシ−3−ピペリジノ−2−シクロヘキセノン);還元剤の前駆体としてアミノレダクトン類(reductones)エステル(例えば、ピペリジノヘキソースレダクトンモノアセテート);N−ヒドロキシ尿素誘導体(例えば、N−p−メチルフェニル−N−ヒドロキシ尿素);アルデヒド又はケトンのヒドラゾン類(例えば、アントラセンアルデヒドフェニルヒドラゾン);ホスファーアミドフェノール類;ホスファーアミドアニリン類;ポリヒドロキシベンゼン類(例えば、ヒドロキノン、t−ブチル−ヒドロキノン、イソプロピルヒドロキノン及び(2,5−ジヒドロキシ−フェニル)メチルスルホン);スルフヒドロキサム酸類(例えば、ベンゼンスルフヒドロキサム酸);スルホンアミドアニリン類(例えば、4−(N−メタンスルホンアミド)アニリン);2−テトラゾリルチオヒドロキノン類(例えば、2−メチル−5−(1−フェニル−5−テトラゾリルチオ)ヒドロキノン);テトラヒドロキノキサリン類(例えば、1,2,3,4−テトラヒドロキノキサリン);アミドオキシム類;アジン類;脂肪族カルボン酸アリールヒドラザイド類とアスコルビン酸の組み合わせ;ポリヒドロキシベンゼンとヒドロキシルアミンの組み合わせ;レダクトン及び/又はヒドラジン;ヒドロキサン酸類;アジン類とスルホンアミドフェノール類の組み合わせ;α−シアノフェニル酢酸誘導体;ビス−β−ナフトールと1,3−ジヒドロキシベンゼン誘導体の組み合わせ;5−ピラゾロン類;スルホンアミドフェノール還元剤;2−フェニルインダン−1,3−ジオン等;クロマン;1,4−ジヒドロピリジン類(例えば、2,6−ジメトキシ−3,5−ジカルボエトキシ−1,4−ジヒドロピリジン);ビスフェノール類(例えば、ビス(2−ヒドロキシ−3−t−ブチル−5−メチルフェニル)メタン、ビス(6−ヒドロキシ−m−トリ)メシトール(mesitol)、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、4,4−エチリデン−ビス(2−t−ブチル−6−メチルフェノール))、紫外線感応性アスコルビン酸誘導体;ヒンダードフェノール類;3−ピラゾリドン類。中でも特に好ましい還元剤は、ヒンダードフェノール類である。
【0092】
還元剤の使用量は、好ましくは銀1モル当り1×10−2〜10モル、より好ましくは1×10−2〜1.5モルである。
【0093】
本発明の熱現像写真感光材料の感光性層には硬調化剤を用いてもよく、硬調化剤としてのヒドラジン化合物としては、RD第23515(1983年11月号、P.346)及びそこに引用された文献の他、米国特許第4,080,207号、同第4,269,929号、同第4,276,364号、同第4,278,748号、同第4,385,108号、同第4,459,347号、同第4,478,928号、同第4,560,638号、同第4,686,167号、同第4,912,016号、同第4,988,604号、同第4,994,365号、同第5,041,355号、同第5,104,769号、英国特許第2,011,391B号、欧州特許第217,310号、同第301,799号、同第356,898号、特開昭60−179734号、同61−170733号、同61−270744号、同62−178246号、同62−270948号、同63−29751号、同63−32538号、同63−104047号、同63−121838号、同63−129337号、同63−223744号、同63−234244号、同63−234245号、同63−234246号、同63−294552号、同63−306438号、同64−10233号、特開平1−90439号、同1−100530号、同1−105941号、同1−105943号、同1−276128号、同1−280747号、同1−283548号、同1−283549号、同1−285940号、同2−2541号、同2−77057号、同2−139538号、同2−196234号、同2−196235号、同2−198440号、同2−198441号、同2−198442号、同2−220042号、同2−221953号、同2−221954号、同2−285342号、同2−285343号、同2−289843号、同2−302750号、同2−304550号、同3−37642号、同3−54549号、同3−125134号、同3−184039号、同3−240036号、同3−240037号、同3−259240号、同3−280038号、同3−282536号、同4−51143号、同4−56842号、同4−84134号、同2−230233号、同4−96053号、同4−216544号、同5−45761号、同5−45762号、同5−45763号、同5−45764号、同5−45765号、同6−289524号、同9−160164号等の各公報に記載されたものを挙げることができる。
【0094】
この他にも、特公平6−77138号公報に記載の(化1)で表される化合物で、具体的には同公報3頁、4頁に記載された化合物、特公平6−93082号公報に記載された一般式(1)で表される化合物で具体的には同公報8頁〜18頁に記載の1〜38の化合物、特開平6−23049号公報に記載の一般式(4)、(5)及び(6)で表される化合物で、具体的には同公報25頁、26頁に記載の化合物4−1〜4−10、28頁〜36頁に記載の化合物5−1〜5−42、及び39頁、40頁に記載の化合物6−1〜6−7、特開平6−289520号公報に記載の一般式(1)及び(2)で表される化合物で、具体的には同公報5頁から7頁に記載の化合物1−1)〜1−17)及び2−1)、特開平6−313936号公報に記載の(化2)及び(化3)で表される化合物で具体的には同公報6頁から19頁に記載の化合物、特開平6−313951号公報に記載の(化1)で表される化合物で、具体的には同公報3頁から5頁に記載された化合物、特開平7−5610号公報に記載の一般式(I)で表される化合物で、具体的には同公報の5頁から10頁に記載の化合物I−1〜I−38、特開平7−77783号公報に記載の一般式(II)で表される化合物で、具体的には同公報10頁〜27頁に記載の化合物II−1〜II−102、特開平7−104426号公報に記載の一般式(H)及び一般式(Ha)で表される化合物で、具体的には同公報8頁〜15頁に記載の化合物H−1〜H−44に記載されたもの等を用いることができる。
【0095】
更に本発明に用いられるその他の硬調化剤としては特開平11−316437号公報の33頁から53頁に記載の化合物であり、更に好ましくは特開2000−298327号公報に記載の下記一般式(C1)、一般式(C2)及び一般式(C3)のビニール系化合物が好ましく用いられる。
【0096】
【化1】
Figure 2004233634
【0097】
一般式(C1)において、R11、R12及びR13は、それぞれ独立に水素原子又は置換基を表し、Zは電子吸引基又はシリル基を表し、R11とZ、R12とR13、及びR13とZとはそれぞれ互いに結合して環状構造を形成してもよい。
【0098】
又、一般式(C2)において、R14は置換基を表す。又、一般式(C3)において、X及びYはそれぞれ独立に水素原子又は置換基を表し、A及びBはそれぞれ独立にアルコオキシ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、アリールチオ基、アニリノ基、ヘテロ環オキシ基、ヘテロ環チオ基又はヘテロ環アミノ基を表す。一般式4において、XとY及びAとBは、それぞれ互いに結合して環状構造を形成してもよい。
【0099】
上記一般式(C1)、一般式(C2)及び一般式(C3)の具体的化合物としては、例えば、下記化合物が挙げられる。
【0100】
【化2】
Figure 2004233634
【0101】
【化3】
Figure 2004233634
【0102】
【化4】
Figure 2004233634
【0103】
【化5】
Figure 2004233634
【0104】
本発明の熱現像写真感光材料に含有される硬調化剤の量は銀1モルに対して0.1〜0.001モルが好ましく、0.05〜0.005モルがより好ましい。
【0105】
本発明の熱現像写真感光材料の感光性層、非感光性層に用いられるバインダーは親水性バインダー(水に溶解するバインダー若しくはラテックス類)又は疎水性バインダー(有機溶剤に溶解するバインダー)の何れでもよいが、各層のバインダーが互いに同一の溶剤系に溶解するバインダーであるのが好ましく、例えば感光性層、中間層、保護層の各層のバインダーが何れも有機溶剤系バインダーであるか、又は親水性バインダーであるのが好ましい。
【0106】
各層に用いられるバインダーは透明又は半透明で、一般に無色であり、天然ポリマーや合成モノポリマー及びコポリマー、その他フィルムを形成する媒体となるものが用いられる。上記バインダーの具体例としては、例えば:ゼラチン、アラビアゴム、ポリ(ビニルアルコール)、ヒドロキシエチルセルロース、カゼイン、デンプン等の水溶性バインダー、セルロースアセテート、セルロースアセテートブチレート、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリ(アクリル酸)、ポリ(メチルメタクリル酸)、ポリ(塩化ビニル)、ポリ(メタクリル酸)、コポリ(スチレン−無水マレイン酸)、コポリ(スチレン−アクリロニトリル)、コポリ(スチレン−ブタジエン)、ポリ(ビニルアセタール)類(例えば、ポリ(ビニルホルマール)及びポリ(ビニルブチラール))、ポリ(エステル)類、ポリ(ウレタン)類、フェノキシ樹脂、ポリ(塩化ビニリデン)、ポリ(エポキシド)類、ポリ(カーボネート)類、ポリ(ビニルアセテート)、セルロースエステル類、ポリ(アミド)等の疎水性バインダー、好ましくはポリビニルブチラール、セルロースアセテート、セルロースアセテートブチレート、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアクリル酸、ポリウレタン等の疎水性バインダー、特にはポリビニルブチラール、セルロースアセテート、セルロースアセテートブチレート、ポリエステル等の疎水性バインダー、及びそれらのバインダー樹脂のモノマーを乳化重合法又は懸濁重合法等により水中で重合して得られるラテックス等が挙げられる。
【0107】
疎水性バインダーを溶解するための主溶媒としては、例えばアルコール類(メタノール、エタノール、プロパノール)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン)ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、メチルセルソルブ等が好ましく用いられる。
【0108】
感光層に通過する光の量又は波長分布を制御するために、感光層と同じ側にフィルター染料層、又は反対側にアンチハレーション染料層、いわゆるバッキング層等の補助層を形成しても良いし、感光性層に染料又は顔料を含ませても良い。これらの補助層にはバインダーやマット剤の他に、ポリシロキサン化合物、ワックス、流動パラフィンのような滑り剤を含有しても良い。
【0109】
また、本発明の熱現像写真感光材料には、塗布助剤として各種の界面活性剤が用いられ、中でもフッ素系界面活性剤が、帯電特性を改良したり、斑点状の塗布故障を防ぐために好ましく用いられる。
【0110】
本発明の熱現像写真感光材料の感光性層は複数層にしても良く、又階調の調節のため、感光性層の構成として高感度層/低感度層、又は低感度層/高感度層にしても良い。
【0111】
また、本発明に用いられる好適な色調剤の例は、RD第17029号に開示されている。
【0112】
本発明の熱現像写真感光材料にはカブリ防止剤が用いられてもよく、これらの添加剤は感光性層、中間層、保護層又はその他の形成層の何れに添加してもよい。
【0113】
本発明の熱現像写真感光材料には例えば、界面活性剤、酸化防止剤、安定化剤、可塑剤、被覆助剤等を用いても良い。これらの添加剤及び上述したその他の添加剤はRD第17029号(1978年6月p.9〜15)に記載されている化合物を好ましく用いることができる。
【0114】
また、本発明に用いられる好適な色調剤の例は、RD第17029号に開示されている。
【0115】
本発明の熱現像写真感光材料にはカブリ防止剤が用いられてもよく、これらの添加剤は感光性層、中間層、保護層又はその他の形成層の何れに添加してもよい。
【0116】
本発明の熱現像写真感光材料には例えば、界面活性剤、酸化防止剤、安定化剤、可塑剤、被覆助剤等を用いても良い。これらの添加剤及び上述したその他の添加剤はRD第17029号(1978年6月p.9〜15)に記載されている化合物を好ましく用いることができる。
【0117】
塗布方式としては、リバースロール、グラビアロール、エアドクターコータ、ブレードコータ、エアナイフコータ、スクイズコータ、含浸コータ、ワイヤーバーコータ、トランスファロールコータ、キスコータ、キャストコータ或いはスプレーコータ、エクストルージョンコータがあるが、エクストルージョン方式のエクストルージョンコータによりウェット−オン−ウェット方式の重層塗布を行うのがより好ましい。
【0118】
尚、ウェット−オン−ウェット方式における重層塗布においては、下側の層が湿潤状態になったままで上側の層を塗布するので、上下層間の接着性が向上するとともに、塗布を一度で終了させるので塗布面に傷が入り難く、平滑性が良いため現像むらが出にくく、更に歩留まりを向上させることができる。
【0119】
【実施例】
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明の実施態様はこれらにより限定されるものではない。
【0120】
なお、以下の実施例に記載されている評価方法は以下の通りである。
(寸法変化率)(寸法安定性の評価)
支持体、熱現像感光材料の幅方向中央部を、150mm(長手方向)×150mm(幅手方向)に切出し、23℃、55%RHの条件下で1日調湿した後、長手方向に100mm間隔の罫書き線を入れる。そして120℃に加熱したホットプレート(井内盛栄堂(株)製EC−1200)に60秒間押しつけ、さらに23℃、55%RHの条件下で1日調湿した後の罫書き線の間隔を測定する。熱処理前後の罫書き線の間隔の差を求め、熱処理前の間隔に対する百分率で表した。尚、測定は5枚行ったものの平均とした。
【0121】
(写真性能の耐湿性の評価)
(露光)
製造した各熱現像写真感光材料に対して、ビーム径(ビーム強度の1/2のFWHM)12.56μm、レーザー出力50mW、出力波長783nmの半導体レーザーを搭載した単チャンネル円筒内面方式のレーザー露光装置を使用して、ミラー回転数60000rpm、露光時間1.2×10−8秒の条件下で露光を実施した。このときのオーバーラップ係数は0.449にし、熱現像写真感光材料面上のレーザーエネルギー密度は75μJ/cmとした。
【0122】
(熱現像処理)
現像はImation社製フィルムプロセッサーmodel 2771を用い、120℃、48秒の設定で熱現像処理した。その際、露光は23℃、50%RHに調湿した部屋で行い、現像処理はそれぞれ23℃、20%RH、および23℃、80%RHの環境で行った。
【0123】
(写真性能の評価)
熱現像写真感光材料を23℃、80%、12時間調湿の試料と23℃、20%、12時間調湿の試料を作製し、同一環境下で50μmの線幅露光を行なって熱現像処理を行なった。
【0124】
23℃、50%RHと23℃、80%RHとでの処理後の線幅の差を測定することにより、高湿度での文字線巾を評価した。またそれぞれの環境下でのDmax(最高濃度)についても評価した。濃度測定はマクベスTD904濃度計で行なった。
【0125】
(接着性の評価)(膜付)
支持体の帯電防止層が塗設されている面または感光材料の表面にカミソリを用いて4mm間隔で縦横それぞれ6本づつの傷をつけて、25桝の桝目を作った。ただし傷は支持体の表面に到達する深さでつけた。この上に幅25mmのマイラーテープを張り付けて十分に圧着した。圧着後5分してから、マイラーテープを180度の剥離角で急激に引っ張って試料から剥離した。これを生(処理前)の接着性とする。この時感光層が試料から剥離した桝目の数を数え以下のように分類した。実用上許容されるのはAとBに分類されるものである。
【0126】
A;剥離0桝
B;剥離が1桝以下
C;剥離が5桝未満
D;剥離が5桝以上
また、120℃の熱現像ドラムに25秒間押しつけて熱現像した試料についても同様の評価を実施した。これを処理後の接着性とする。
【0127】
(支持体の作製)
以下のようにしてPET樹脂を得た。
【0128】
(PET樹脂の作製)
テレフタル酸ジメチル100質量部、エチレングリコール65質量部にエステル交換触媒として酢酸マグネシウム水和物0.05質量部を添加し、常法に従ってエステル交換を行った。得られた生成物に、三酸化アンチモン0.05質量部、リン酸トリメチルエステル0.03質量部を添加した。次いで、徐々に昇温、減圧にし、280℃、65Paで重合を行い、固有粘度0.70のPET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂を得た。
【0129】
以上のようにして得られたPET樹脂を用いて、以下のようにして下塗り層付二軸延伸PETフィルムを作製した。
【0130】
(下塗り層付二軸延伸PETフィルム)
PET樹脂をペレット化したものを150℃で8時間真空乾燥した後、285℃でTダイから層状に溶融押し出しし、30℃の冷却ドラム上で静電印加しながら密着させ、冷却固化させ、未延伸フィルムを得た。この未延伸フィルムをロール式縦延伸機を用いて、80℃で縦方向に3.3倍延伸した。
【0131】
得られた一軸延伸フィルムに下記下引き塗布液A(固形分4質量%)をキスコート法にて片面にWET膜厚2g/mになるように塗布して下引き済みフィルムを得た。
【0132】
引き続き、得られた下引き済みフィルムをテンター式横延伸機を用いて、第一延伸ゾーン90℃で総横延伸倍率の50%延伸し、さらに第二延伸ゾーン100℃で総横延伸倍率3.3倍になるように延伸した。
【0133】
次いで、70℃、2秒間、前熱処理し、さらに第一固定ゾーン150℃で5秒間熱固定し、第二固定ゾーン220℃で15秒間熱固定した。
【0134】
次いで160℃で横(幅手)方向に5%弛緩処理し、テンター式横延伸機を出た後に、駆動ロールの周速差を利用して、140℃で縦(長手)方向に弛緩処理を行い、室温まで60秒かけて冷却し、フィルムをクリップから解放、スリットし、それぞれ巻き取り、厚さ125μmの二軸延伸PETフィルムを得た。この二軸延伸PETフィルムのTgは79℃であった。
【0135】
〈下引き塗布液A〉
アクリル共重合体 40質量部
化合物(G) 50質量部
ポリグリセリン 10質量部
塗布液中の全固形分が4%となるように純水にて仕上げた。
【0136】
アクリル共重合体:メタクリル酸メチル/アクリル酸エチル/アクリル酸/メタクリル酸ヒドロキシエチル/アクリルアミド=30/47.5/10/2.5/10、重量平均分子量50万
【0137】
【化6】
Figure 2004233634
【0138】
《支持体の熱処理》
懸垂式熱弛緩装置を用いて、180℃、搬送張力、230kPa、15秒の条件で弛緩熱処理し、更に室温まで10℃/minで冷却してから巻き取った。
【0139】
(帯電防止層)
熱処理した支持体に、下引き塗布液Bを乾燥膜厚0.35μmになるようにワイヤーバーで塗布し、80℃、2分で乾燥し、帯電防止層を有する支持体を作製した。
【0140】
〈下引き塗布液B〉
酸化スズゾル(特公昭35−6616号の実施例1に記載の方法で合成したS
nOゾルを固形分濃度が8.3質量%になるように加熱濃縮した後、アンモニ
ア水でpH=10に調整したもの) 500g
アクリル変性ポリエステル樹脂(特開2002−156730号記載のB−1
:固形分:17.8質量%) 200g
水 300g
(プラズマ重合)
上記帯電防止層を有する支持体の高周波数プラズマ重合は、高周波数:2.45GHz、プラズマ発生圧力:0.001kPa(図1の閉鎖型隔壁9の圧力)の条件下で、酸化珪素薄膜を表1に示す塗設温度、塗設膜厚で塗設した。塗設温度は、温度制御部材の温度で変化させ、実際の塗膜面の温度は非接触の赤外線温度計で測定した。(塗膜面の温度=支持体の表面温度)
(蒸着)
上記帯電防止層を有する支持体上に特開平1−252768及び特開平2−277774に記載された蒸発原料を連続的に供給排出する方式の連続巻取り式抵抗加熱方式の真空蒸着装置を使い、酸化珪素薄膜を表1に示す塗設温度(=支持体表面の温度)、塗設膜厚になるように加熱真空蒸着し、塗設した。
【0141】
(熱現像感光材料の作製)
(バック層面側の塗布)
以下の組成のバック層塗布液1とバック保護層塗布液1を、それぞれ塗布前に絶対濾過精度20μmのフィルターを用いて濾過した後、押し出しコーターで前記作製した帯電防止層を有する支持体上に、合計ウェット膜厚が60μmになるよう、毎分50mの速度で同時重層塗布し、70℃で4分間乾燥を行った。
【0142】
〈バック層塗布液1〉
メチルエチルケトン 16.4g/m
染料A 17mg/m
安定化剤B−1(住友化学社製スミライザーBPA) 20mg/m
安定化剤B−2(吉富製薬社製トミソーブ77) 50mg/m
セルロースアセテートプロピレート(Eastman Chemical社製
CAP504−0.2) 0.5g/m
セルロースアセテートプロピレート(Eastman Chemical社製
CAP482−20) 1.5g/m
フッ素系界面活性剤:C17SOLi 14mg/m
17O(CHCHO)2217 38mg/m
一般式(C1)の化合物 20mg/m
一般式(C2)の化合物 100mg/m
【0143】
【化7】
Figure 2004233634
【0144】
【化8】
Figure 2004233634
【0145】
Figure 2004233634
《接着層》
上記酸化珪素薄膜を有する支持体(酸化珪素薄膜側)上に、表1に示す樹脂AB、Cで構成される下記接着層塗布液を乾燥膜厚が1.0μmになるように、減圧押し出しコーターで塗布し、80℃、2分間乾燥を行った。
【0146】
〈接着層塗布液〉
スチレン、PMMA 30質量%
樹脂 17.8質量%
《感光層側の塗布》
上記バック層側を塗布した帯電防止層を有する支持体上に、下記の感光層塗布液、表面保護層塗布液を順次塗布、乾燥を行い、実施例1〜4、比較例1〜6の熱現像写真感光材料を作製した。
【0147】
〈ハロゲン化銀粒子の調製〉
純水900ml中にゼラチン7.5g及び臭化カリウム10mgを溶解して温度35℃、pHを3.0に合わせた後、硝酸銀74gを含む水溶液370mlと(96/4)のモル比の臭化カリウムと沃化カリウム0.436モルと(NHRhCl(HO)を5×10−6モル/リットルを含む水溶液370mlをpAg7.7に保ちながらコントロールドダブルジェット法で10分間かけて添加した。その後、4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラザインデン0.3gを添加し、NaOHでpHを5に調整して平均粒子サイズ0.06μm、投影直径面積の変動係数8%、{100}面比率86%の立方体沃臭化銀からなるハロゲン化銀粒子を得た。この乳剤にゼラチン凝集剤を用いて凝集沈降させ脱塩処理後、フェノキシエタノール0.1gを加え、pH5.9、pAg7.5に調整した。
【0148】
〈有機脂肪酸銀乳剤の調製〉
水300ml中にベヘン酸10.6gを入れ90℃に加熱溶解し、十分攪拌した状態で1mol/Lの水酸化ナトリウム31.1mlを添加し、そのままの状態で1時間放置した。その後30℃に冷却し、1mol/Lのリン酸7.0mlを添加して十分攪拌した状態でN−ブロモコハク酸イミド0.01gを添加した。その後、あらかじめ調製したハロゲン化銀粒子をベヘン酸に対して銀量として10モル%となるように40℃に加温した状態で攪拌しながら添加した。更に1M硝酸銀水溶液25mlを2分間かけて連続添加し、そのまま攪拌した状態で1時間放置した。
【0149】
この乳剤に酢酸エチルに溶解したポリビニルブチラールを添加して十分攪拌した後に静置し、ベヘン酸銀粒子とハロゲン化銀粒子を含有する酢酸エチル相と水相に分離した。水相を除去した後、遠心分離にてベヘン酸銀粒子とハロゲン化銀粒子を採取した。その後、東ソー(株)社製合成ゼオライトA−3(球状)20gとイソプロピルアルコール22mlを添加し1時間放置した後濾過した。更に表1記載の樹脂あ、い、うを3.4gとイソプロピルアルコール23mlを添加し、35℃にて高速で十分攪拌して分散し、それぞれ有機脂肪酸銀乳剤を調製した。
【0150】
〈感光層塗布液〉
上記調製した有機脂肪酸銀乳剤 1.4g(銀換算で)/m
ピリジニウムヒドロブロミドペルブロミド 1.5×10−4mol/m
臭化カルシウム 1.8×10−4mol/m
2−(4−クロロベンゾイル)安息香酸 1.5×10−3mol/m
赤外増感色素1 4.2×10−6mol/m
2−メルカプトベンズイミダゾール 3.2×10−3mol/m
2−トリブロモメチルスルホニルキノリン 6.0×10−4mol/m
4−メチルフタル酸 1.6×10−3mol/m
テトラクロロフタル酸 7.9×10−4mol/m
1,1−ビス(2−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−3,5,5−
トリメチルヘキサン 4.8×10−3mol/m
染料B 3×10−5mol/m
造核剤C−65 0.5×10−3mol/m
溶媒には、メチルエチルケトン、アセトン、メタノールを適宜用いた。
【0151】
【化9】
Figure 2004233634
【0152】
【化10】
Figure 2004233634
【0153】
〈表面保護層塗布液〉
表面保護層塗布液を下記のように調製した。
【0154】
Figure 2004233634
溶媒には、メチルエチルケトン、アセトン、メタノールを適宜用いた。
【0155】
【表1】
Figure 2004233634
【0156】
尚、表中、種は以下の樹脂を表す。
A:スチレン樹脂
B:PMMA(ポリメチルメタアクリレート)
C:アクリル変性ポリエステル(特開2002−156730号に記載のB−1)
あ:ポリビニルブチラール(積水化学(株) BL−5Z)
い:スチレンーブタジエン(日本ゼオン(株))
う:ポリビニルブチラール(積水化学(株) BL−5Z改)
ブチラール基:30mol%
表1から、明らかなように、本発明の熱現像感光材料用支持体を用いて熱現像感光材料を作製した実施例1〜4の試料は、熱寸法安定性、低湿の濃度、高湿の感度上昇、接着性が良好なことが分かる。
【0157】
【発明の効果】
実施例で実証した如く、本発明の熱現像感光材料用支持体および熱現像感光材料は、種々の環境条件下での写真性能の変動が少なく、熱現像による高温下でも寸法安定性、接着性が良く、印刷用熱現像感材として優れていることが分かる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いられる高周波数プラズマ気相成長装置の一例を示す模式図である。
【符号の説明】
1 プラズマ発生管
2 放電用コイル
3、4 残留気体の帰路
5 低熱収縮性支持体
6 巻取りローラー
7 繰出しローラー
8 温度制御ヒータ
9 閉鎖型隔壁
10 反応副生成物除去手段
M 気相成分混合機
P 送風機
V 高周波電源装置
θ 気相成分気流の接触角度

Claims (6)

  1. 低熱収縮性支持体上に有機銀塩粒子、ハロゲン化銀粒子、造核剤、還元剤を含有する感光層、該低熱収縮性支持体上に1〜300nm厚の酸化珪素薄膜を有し、かつ、該感光層と該酸化珪素薄膜との間に接着層を有し、該接着層を構成するバインダーのSP値Aが下記式(1)を満足することを特徴とする熱現像写真感光材料。
    式(1)
    B−2≦A≦B+2
    B:感光層を構成するバインダーのSP値
  2. 前記酸化珪素薄膜が蒸着又は高周波数プラズマ重合により形成されることを特徴とする請求項1に記載の熱現像写真感光材料。
  3. 前記感光層を構成するバインダーのTgが40〜120℃であることを特徴とする請求項1又は2に記載の熱現像写真感光材料。
  4. 低熱収縮性支持体上への高周波数プラズマ重合による酸化珪素薄膜の形成方法において、酸化珪素薄膜形成時の低熱収縮性支持体の表面温度が80℃以下であることを特徴とする酸化珪素薄膜の形成方法。
  5. 低熱収縮性支持体上への蒸着による酸化珪素薄膜の形成方法において、酸化珪素薄膜形成時の低熱収縮性支持体の表面温度が80℃以下であることを特徴とする酸化珪素薄膜の形成方法。
  6. 低熱収縮性支持体上に請求項4又は5に記載の酸化珪素薄膜の形成方法で形成された酸化珪素薄膜を有することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の熱現像写真感光材料。
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