JP2004233369A - 加速度と角速度との双方を検出する装置 - Google Patents
加速度と角速度との双方を検出する装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004233369A JP2004233369A JP2004089562A JP2004089562A JP2004233369A JP 2004233369 A JP2004233369 A JP 2004233369A JP 2004089562 A JP2004089562 A JP 2004089562A JP 2004089562 A JP2004089562 A JP 2004089562A JP 2004233369 A JP2004233369 A JP 2004233369A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- axis direction
- angular velocity
- vibrator
- force
- acceleration
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Abstract
【解決手段】 質量mをもった振動子130を各軸方向に振動させるための励振手段141〜143と、振動子に作用する各軸方向の力を検出するための力検出手段151〜153とを設ける。検出した各軸方向の力を、それぞれ信号分離手段161〜163によって、加速度に起因した力fと、角速度に起因したコリオリ力Fと、に分離する。加速度演算手段171〜173により、分離された各力fに基づいて、加速度の各軸方向成分αx,αy,αzを出力する。角速度演算手段181〜183により、分離された各コリオリ力Fに基づいて、各軸まわりの角速度ωx,ωy,ωzを出力する。検出する必要がある加速度成分および角速度成分に応じて、必要な手段を選択的に設けるようにする。
【選択図】 図28
Description
質量を有する振動子と、装置筐体に固定された固定部と、振動子と固定部とを繋ぎ可撓性を有する可撓部と、を有し、可撓部の撓みにより振動子が固定部に対して変位するように構成された構造体と、
振動子をX軸方向に、検出対象となる加速度および角速度のもつ周波数に対して識別可能な十分に高い周波数で振動させる励振手段と、
振動子に加わるY軸方向への力を検出する第1の力検出手段と、
振動子に加わるZ軸方向への力を検出する第2の力検出手段と、
第1の力検出手段によって得られる第1の検出信号について、バイアス成分と振幅成分とを分離する第1の信号分離手段と、
第2の力検出手段によって得られる第2の検出信号について、バイアス成分と振幅成分とを分離する第2の信号分離手段と、
第1の検出信号についてのバイアス成分に基づいて、Y軸方向の加速度を求める加速度演算手段と、
励振手段を駆動して振動子をX軸方向に振動させ、この状態において得られる第2の検出信号についての振幅成分に基づいて、Y軸まわりの角速度を求める第1の角速度演算手段と、
励振手段を駆動して振動子をX軸方向に振動させ、この状態において得られる第1の検出信号についての振幅成分に基づいて、Z軸まわりの角速度を求める第2の角速度演算手段と、
を設けるようにしたものである。
質量を有する振動子と、装置筐体に固定された固定部と、振動子と固定部とを繋ぎ可撓性を有する可撓部と、を有し、可撓部の撓みにより振動子が固定部に対して変位するように構成された構造体と、
振動子をX軸方向に、検出対象となる加速度および角速度のもつ周波数に対して識別可能な十分に高い周波数で振動させる励振手段と、
振動子に加わるX軸方向への力を検出する第1の力検出手段と、
振動子に加わるY軸方向への力を検出する第2の力検出手段と、
振動子に加わるZ軸方向への力を検出する第3の力検出手段と、
第1の力検出手段によって得られる第1の検出信号について、バイアス成分と振幅成分とを分離する第1の信号分離手段と、
第2の力検出手段によって得られる第2の検出信号について、バイアス成分と振幅成分とを分離する第2の信号分離手段と、
第3の力検出手段によって得られる第3の検出信号について、バイアス成分と振幅成分とを分離する第3の信号分離手段と、
第1の検出信号についてのバイアス成分に基づいて、X軸方向の加速度を求める加速度演算手段と、
励振手段を駆動して振動子をX軸方向に振動させ、この状態において得られる第3の検出信号についての振幅成分に基づいて、Y軸まわりの角速度を求める第1の角速度演算手段と、
励振手段を駆動して振動子をX軸方向に振動させ、この状態において得られる第2の検出信号についての振幅成分に基づいて、Z軸まわりの角速度を求める第2の角速度演算手段と、
を設けるようにしたものである。
質量を有する振動子と、装置筐体に固定された固定部と、振動子と固定部とを繋ぎ可撓性を有する可撓部と、を有し、可撓部の撓みにより振動子が固定部に対して変位するように構成された構造体と、
振動子をX軸方向に、検出対象となる加速度および角速度のもつ周波数に対して識別可能な十分に高い周波数で振動させる励振手段と、
振動子に加わるY軸方向への力を検出する第1の力検出手段と、
振動子に加わるZ軸方向への力を検出する第2の力検出手段と、
第1の力検出手段によって得られる第1の検出信号について、バイアス成分と振幅成分とを分離する第1の信号分離手段と、
第2の力検出手段によって得られる第2の検出信号について、バイアス成分と振幅成分とを分離する第2の信号分離手段と、
第1の検出信号についてのバイアス成分に基づいて、Y軸方向の加速度を求める第1の加速度演算手段と、
第2の検出信号についてのバイアス成分に基づいて、Z軸方向の加速度を求める第2の加速度演算手段と、
励振手段を駆動して振動子をX軸方向に振動させ、この状態において得られる第1の検出信号についての振幅成分に基づいて、Z軸まわりの角速度を求める角速度演算手段と、
を設けるようにしたものである。
質量を有する振動子と、装置筐体に固定された固定部と、振動子と固定部とを繋ぎ可撓性を有する可撓部と、を有し、可撓部の撓みにより振動子が固定部に対して変位するように構成された構造体と、
振動子をX軸方向に、検出対象となる加速度および角速度のもつ周波数に対して識別可能な十分に高い周波数で振動させる励振手段と、
振動子に加わるY軸方向への力を検出する第1の力検出手段と、
振動子に加わるZ軸方向への力を検出する第2の力検出手段と、
第1の力検出手段によって得られる第1の検出信号について、バイアス成分と振幅成分とを分離する信号分離手段と、
第1の検出信号についてのバイアス成分に基づいて、Y軸方向の加速度を求める第1の加速度演算手段と、
第2の力検出手段によって得られる第2の検出信号に基づいて、Z軸方向の加速度を求める第2の加速度演算手段と、
励振手段を駆動して振動子をX軸方向に振動させ、この状態において得られる第1の検出信号についての振幅成分に基づいて、Z軸まわりの角速度を求める角速度演算手段と、
を設けるようにしたものである。
質量を有する振動子と、装置筐体に固定された固定部と、振動子と固定部とを繋ぎ可撓性を有する可撓部と、を有し、可撓部の撓みにより振動子が固定部に対して変位するように構成された構造体と、
振動子をX軸方向に、検出対象となる加速度および角速度のもつ周波数に対して識別可能な十分に高い周波数で振動させる励振手段と、
振動子に加わるX軸方向への力を検出する第1の力検出手段と、
振動子に加わるY軸方向への力を検出する第2の力検出手段と、
第1の力検出手段によって得られる第1の検出信号について、バイアス成分と振幅成分とを分離する第1の信号分離手段と、
第2の力検出手段によって得られる第2の検出信号について、バイアス成分と振幅成分とを分離する第2の信号分離手段と、
第1の検出信号についてのバイアス成分に基づいて、X軸方向の加速度を求める第1の加速度演算手段と、
第2の検出信号についてのバイアス成分に基づいて、Y軸方向の加速度を求める第2の加速度演算手段と、
励振手段を駆動して振動子をX軸方向に振動させ、この状態において得られる第2の検出信号についての振幅成分に基づいて、Z軸まわりの角速度を求める角速度演算手段と、
を設けるようにしたものである。
まず、本発明に係る検出装置における角速度検出の基本原理を説明する。本発明に係る装置では、二軸あるいは三軸まわりの角速度を検出することが可能であるが、ここでは、はじめに、一軸の角速度検出原理を簡単に説明しておく。図1は、雑誌「発明(THE INVENTION)」、vol.90,No.3(1993年)の60頁に開示されている角速度検出装置の基本原理を示す図である。いま、角柱状の振動子110を用意し、図示するような方向にX,Y,Z軸を定義したXYZ三次元座標系を考える。このような系において、振動子110がZ軸を回転軸として角速度ωで回転運動を行っている場合、次のような現象が生じることが知られている。すなわち、この振動子110をX軸方向に往復運動させるような振動Uを与えると、Y軸方向にコリオリ力Fが発生する。別言すれば、振動子110を図のX軸に沿って振動させた状態で、この振動子110をZ軸を中心軸として回転させると、Y軸方向にコリオリ力Fが生じることになる。この現象は、フーコーの振り子として古くから知られている力学現象であり、発生するコリオリ力Fは、
F=2m・v・ω
で表される。ここで、mは振動子110の質量、vは振動子110の振動についての瞬時の速度、ωは振動子110の瞬時の角速度である。
本発明に係る検出装置の基本構成は、図6のブロック図に示したとおりであり、本発明は、このような構成をもつ検出装置であれば、どのような検出装置に対しても適用可能である。この図6のブロック図に示す構成をもった検出装置の具体的な構造については、前掲の特許文献1や特許文献2に、種々の実施例が開示されている。本発明は、このような検出装置の具体的な構造についてのものではなく、このような検出装置から得られた検出信号の信号処理に関するものである。したがって、ここでは、このような検出装置の具体的な構造の一例だけを参考として述べておくことにする。もちろん、本発明の技術範囲は、ここに述べる具体的な構造に何ら制約を受けるものではない。
図6に示す構成要素のうち、X軸方向励振手段141は、上部電極E1,E2と、これに対向する下部電極Bの一部分と、これらに挟まれた圧電素子10の一部分と、後述する交流供給手段と、によって構成されている。いま、下部電極Bを基準電位に保ちながら、上部電極E1に正の電圧を与え、上部電極E2に負の電圧を与えた場合を考える。すると、図14の側断面図に示すように、電極E1の下の圧電素子には図の左右に伸びる方向の応力が生じ、電極E2の下の圧電素子には図の左右に縮む方向の応力が生じる(図13の分極特性を参照)。このため、圧電素子10全体としては、図14に示すように変形することになり、中心部11の重心Pは、X軸方向にDxだけ変位することになる。ここで、上部電極E1,E2に与える電圧の極性を逆転させ、上部電極E1に負の電圧を与え、上部電極E2に正の電圧を与えると、図14とは逆に、電極E1の下の圧電素子には図の左右に縮む方向の応力が生じ、電極E2の下の圧電素子には図の左右に伸びる方向の応力が生じ、結果的に、中心部11の重心Pは、X軸の方向に−Dxだけ変位することになる。
図6に示す構成要素のうち、Y軸方向励振手段142は、上部電極E3,E4と、これに対向する下部電極Bの一部分と、これらに挟まれた圧電素子10の一部分と、図示されていない交流供給手段と、によって構成されている。その動作原理は、上述したX軸方向励振手段141の動作原理と全く同様である。すなわち、図10の上面図に示されているように、上部電極E1,E2がX軸上に配されていたのに対し、上部電極E3,E4はY軸上に配されている。したがって、上部電極E1,E2に互いに位相が逆転した交流電圧を供給することにより、中心部11(振動子)をX軸方向に振動させることができたのと同じ原理により、上部電極E3,E4に互いに位相が逆転した交流電圧を供給することにより、中心部11(振動子)をY軸方向に振動させることができる。
図6に示す構成要素のうち、Z軸方向励振手段143は、上部電極E1〜E4と、これに対向する下部電極Bの一部分と、これらに挟まれた圧電素子10の一部分と、後述する交流供給手段と、によって構成されている。いま、下部電極Bを基準電位に保ちながら、上部電極E1,E2に負の電圧を与え、上部電極E3,E4に正の電圧を与えた場合を考える。すると、図15の側断面図に示すように、電極E1,E2の下の圧電素子には図の左右方向(および紙面に垂直な方向)に縮む方向の応力が生じ、電極E3,E4の下の圧電素子には図の紙面に垂直な方向(および図の左右方向)に伸びる方向の応力が生じる(図13の分極特性を参照)。ここで、図10の上面図から明らかなように、上部電極E1,E2は可撓部12の外側に位置し、上部電極E3,E4は可撓部12の内側に位置する。このため、上述のような各応力が発生すると、圧電素子10全体としては、図15に示すように変形することになり、中心部11の重心Pは、Z軸方向にDzだけ変位することになる。ここで、上部電極E1〜E4に与える電圧の極性を逆転させ、上部電極E1,E2に正の電圧を与え、上部電極E3,E4に負の電圧を与えると、図15とは逆に、電極E1,E2の下の圧電素子には伸びる方向の応力が生じ、電極E3,E4の下の圧電素子には縮む方向の応力が生じ、結果的に、中心部11の重心Pは、Z軸の方向に−Dzだけ変位することになる。
図6に示す構成要素のうち、X軸方向力検出手段151は、上部電極A1,A2と、これに対向する下部電極Bの一部分と、これらに挟まれた圧電素子10の一部分と、後述する検出回路と、によって構成されている。いま、この検出装置の周囲部13を筐体に固定した状態において、中心部11(振動子130)の重心Pに加速度に基く力fxが作用した場合に、どのような現象が起こるかを説明する。まず、重心PにX軸方向の加速度αxが加えられた結果、図16に示すように、重心Pに対してX軸方向の力fxが作用した場合を考える。このような力fxの作用により、可撓部12に撓みが生じ、図16に示すような変形が起こる。この結果、X軸に沿って配置された上部電極A1,A6はX軸方向に伸び、同じくX軸に沿って配置された上部電極A5,A2はX軸方向に縮むことになる。これらの上部電極の下方に位置する圧電素子は、図13に示すような分極特性を有するので、各上部電極には、図16に示すような極性の電荷が発生する。このとき、下部電極Bは単一の共通電極となっているので、部分的に「+」または「−」の極性の電荷が発生しても相殺され、トータルでの電荷の発生はない。
図6に示す構成要素のうち、Y軸方向力検出手段152は、上部電極A3,A4と、これに対向する下部電極Bの一部分と、これらに挟まれた圧電素子10の一部分と、後述する検出回路と、によって構成されている。その検出原理は、上述したX軸方向力検出手段151の検出原理と同様である。すなわち、この検出装置の周囲部13を筐体に固定した状態において、中心部11(振動子130)の重心Pに加速度に基く力fyが作用した場合に、どのような現象が起こるかを考えればよい。重心PにY軸方向の加速度αyが加えられた結果、Y軸方向の力fyが作用すると、上部電極A3には負の電荷が生じ、上部電極A4には正の電荷が生じることになる。そこで、上部電極A3に発生した電荷と上部電極A4に発生した電荷との差を求めれば、Y軸方向に作用した力fyが得られることになる。角速度に起因して作用するコリオリ力Fyの検出も全く同様である。
図6に示す構成要素のうち、Z軸方向力検出手段153は、上部電極A5〜A8と、これに対向する下部電極Bの一部分と、これらに挟まれた圧電素子10の一部分と、後述する検出回路と、によって構成されている。いま、この検出装置の周囲部13を筐体に固定した状態において、中心部11(振動子130)の重心Pに加速度に基く力fzが作用した場合に、どのような現象が起こるかを説明する。まず、重心PにZ軸方向の加速度αzが加えられた結果、図17に示すように、重心Pに対してZ軸方向の力fzが作用した場合を考える。このような力fzの作用により、可撓部12に撓みが生じ、図17に示すような変形が起こる。この結果、外側環状領域に配置された上部電極A1,A8,A2,A7は縮むために上部電極側に「−」の電荷が発生し、内側環状領域に配置された上部電極A5,A4,A6,A3は伸びるために上部電極側に「+」の電荷が発生することになる。このとき、下部電極Bは単一の共通電極となっているので、部分的に「+」または「−」の極性の電荷が発生しても相殺され、トータルでの電荷の発生はない。
図6に示すような検出装置により、各軸方向の加速度αx,αy,αzと、角軸まわりの角速度ωx,ωy,ωzと、を検出するための従来の検出動作を、「基本的な検出動作」として、図20の流れ図に示す。この検出動作は、前掲の特許文献1に開示されている方法である。
本発明に係る検出動作の特徴は、加速度の検出と角速度の検出とを同時に行うことにある。そのためには、各力検出手段151,152,153によって検出された力を、加速度に起因する力と、角速度に起因するコリオリ力と、に分離する必要がある。ここでは、この分離の方法を具体例に即して説明する。
本発明に係る検出装置は、上述の§4で述べた基本原理に基いて、合成力を加速度に基く力f(バイアス成分)と角速度に基くコリオリ力F(振幅成分)とに分離する信号分離手段を用い、加速度と角速度とを同時に検出できるようにしたものである。図28は、本発明の第1の実施例に係る検出装置の基本構成を示すブロック図である。この検出装置は、図6に示した検出装置の各構成要素に、X軸方向信号分離手段161、Y軸方向信号分離手段162、Z軸方向信号分離手段163を付加し、更に、加速度演算手段171〜173と、角速度演算手段181〜183と、を付加したものである。
さて、§5では、図28に示す基本構成をもった検出装置とその動作を説明した。その動作によれば、角速度に関しては、X軸まわりの角速度ωxが図3の原理に基いて角速度演算手段182から出力され、Y軸まわりの角速度ωyが図4の原理に基いて角速度演算手段183から出力され、Z軸まわりの角速度ωzが図5の原理に基いて角速度演算手段181から出力されることになる。ただ、図28には、各角速度演算手段181〜183の出力について、「図30:ωy(Uz)」、「図31:ωz(Ux)」、「図29:ωx(Uy)」なる別な出力も得られる旨の記載がある。これは、各角速度の検出原理として、図3〜図5の組み合わせの他に、図30〜図32の組み合わせも存在することを示すものである。すなわち、コリオリ力を利用した角速度の検出は、「第1の座標軸方向に振動を与えたときに、第2の座標軸方向に発生するコリオリ力を検出すれば、第3の座標軸まわりの角速度が得られる」という基本原理に基くものであり、この基本原理における第1,第2,第3の各座標軸を、XYZ三次元座標系におけるX軸,Y軸,Z軸の各座標軸に、どのように対応させてもかまわないのである。
これまで、X軸,Y軸,Z軸の各軸方向の加速度αx,αy,αzと、各軸まわりの角速度ωx,ωy,ωzと、の6つの成分を検出する三次元の加速度/角速度検出装置の例を述べてきた。しかし、用途によっては、X軸およびY軸の2軸方向の加速度αx,αyと、2軸まわりの角速度ωx,ωyのみが得られればよい二次元の加速度/角速度検出装置の需要も十分に考えられる。このような二次元の検出装置に本発明を適用した第3の実施例は、更に構成が単純化される。
上述の§7で述べたように、X軸およびY軸の2軸方向の加速度αx,αyと、2軸まわりの角速度ωx,ωyのみを得ることを目的とした二次元の検出装置では、図35のブロック図に示されているように、励振手段としては、Z軸方向励振手段143のみを設ければよいし、力検出手段としては、X軸方向力検出手段151およびY軸方向力検出手段152のみを設ければよい。したがって、このような二次元の検出装置では、三次元の検出装置に比べて、圧電素子上に設ける上部電極の数を削減することができる。たとえば、図10に示す三次元の検出装置では、圧電素子10上に、励振手段として機能する4枚の上部電極E1〜E4と、力検出手段として機能する8枚の上部電極A1〜A8と、を設け、3軸すべての方向についての励振と力検出とを実現している。しかし、二次元の検出装置は、より少ない上部電極をもった構造で実現が可能である。
本発明の適用対象となる検出装置の一例として、§2においては、圧電素子10を用いた装置を説明した。既に述べたように、本発明は、図6のブロック図に示すような構成をもつ検出装置であれば、どのような検出装置に対しても適用可能であるが、ここでは、参考のために、本発明の適用対象となる容量式の検出装置の一例を簡単に説明しておく。この検出装置は、前掲の特許文献1に開示されているものである。
前述したとおり、本発明は、加速度2軸成分と角速度1軸成分とを同時に検出できる装置、および加速度1軸成分と角速度2軸成分とを同時に検出できる装置に係るものである。したがって、これまで、加速度の3軸方向成分αx,αy,αzおよび角速度の3軸方向成分ωx,ωy,ωzを検出可能な例をいくつか述べてきたが、本発明を実施するにあたっては、これまで述べた実施例を構成する各手段のすべてを設ける必要はない。すなわち、「課題を解決するための手段」に記載されているとおり、これまでの実施例で述べた各手段のうち、検出する必要がある加速度成分および角速度成分に応じて、必要な手段を選択的に採用すればよい。
11…中心部
12…可撓部
13…周囲部
15…環状溝
31〜38…Q/V変換回路
41〜43…演算器
110…振動子
111,112…圧電素子
120…物体
130…振動子
141…X軸方向励振手段
142…Y軸方向励振手段
143…Z軸方向励振手段
151…X軸方向力検出手段
152…Y軸方向力検出手段
153…Z軸方向力検出手段
161…X軸方向信号分離手段
162…Y軸方向信号分離手段
163…Z軸方向信号分離手段
171〜173…加速度演算手段
181〜183…角速度演算手段
200…容量式の検出装置
210…起歪体
211…中心部
212…可撓部
213…周囲部
220…振動子
230…台座
240…ベース基板
250…蓋板
A,A1〜A8,A11〜A14,A21〜A24…上部電極
B…下部電極
E…包絡線
E0,E1〜E4,E10,E20…上部電極
F1〜F5…下部電極
m1〜m8…参照点
O…原点
P…重心
P1〜P9…変極点
Q1〜Q9…区画線
Q12〜Q89…参照線
Tx,Ty,Tz…出力端子
Claims (5)
- XYZ三次元座標系におけるY軸方向の加速度、ならびにY軸まわりの角速度およびZ軸まわりの角速度を検出する装置であって、
質量を有する振動子と、装置筐体に固定された固定部と、前記振動子と前記固定部とを繋ぎ可撓性を有する可撓部と、を有し、前記可撓部の撓みにより前記振動子が前記固定部に対して変位するように構成された構造体と、
前記振動子をX軸方向に、検出対象となる加速度および角速度のもつ周波数に対して識別可能な十分に高い周波数で振動させる励振手段と、
前記振動子に加わるY軸方向への力を検出する第1の力検出手段と、
前記振動子に加わるZ軸方向への力を検出する第2の力検出手段と、
前記第1の力検出手段によって得られる第1の検出信号について、バイアス成分と振幅成分とを分離する第1の信号分離手段と、
前記第2の力検出手段によって得られる第2の検出信号について、バイアス成分と振幅成分とを分離する第2の信号分離手段と、
前記第1の検出信号についてのバイアス成分に基づいて、Y軸方向の加速度を求める加速度演算手段と、
前記励振手段を駆動して前記振動子をX軸方向に振動させ、この状態において得られる前記第2の検出信号についての振幅成分に基づいて、Y軸まわりの角速度を求める第1の角速度演算手段と、
前記励振手段を駆動して前記振動子をX軸方向に振動させ、この状態において得られる前記第1の検出信号についての振幅成分に基づいて、Z軸まわりの角速度を求める第2の角速度演算手段と、
を備えることを特徴とする加速度と角速度との双方を検出する装置。 - XYZ三次元座標系におけるX軸方向の加速度、ならびにY軸まわりの角速度およびZ軸まわりの角速度を検出する装置であって、
質量を有する振動子と、装置筐体に固定された固定部と、前記振動子と前記固定部とを繋ぎ可撓性を有する可撓部と、を有し、前記可撓部の撓みにより前記振動子が前記固定部に対して変位するように構成された構造体と、
前記振動子をX軸方向に、検出対象となる加速度および角速度のもつ周波数に対して識別可能な十分に高い周波数で振動させる励振手段と、
前記振動子に加わるX軸方向への力を検出する第1の力検出手段と、
前記振動子に加わるY軸方向への力を検出する第2の力検出手段と、
前記振動子に加わるZ軸方向への力を検出する第3の力検出手段と、
前記第1の力検出手段によって得られる第1の検出信号について、バイアス成分と振幅成分とを分離する第1の信号分離手段と、
前記第2の力検出手段によって得られる第2の検出信号について、バイアス成分と振幅成分とを分離する第2の信号分離手段と、
前記第3の力検出手段によって得られる第3の検出信号について、バイアス成分と振幅成分とを分離する第3の信号分離手段と、
前記第1の検出信号についてのバイアス成分に基づいて、X軸方向の加速度を求める加速度演算手段と、
前記励振手段を駆動して前記振動子をX軸方向に振動させ、この状態において得られる前記第3の検出信号についての振幅成分に基づいて、Y軸まわりの角速度を求める第1の角速度演算手段と、
前記励振手段を駆動して前記振動子をX軸方向に振動させ、この状態において得られる前記第2の検出信号についての振幅成分に基づいて、Z軸まわりの角速度を求める第2の角速度演算手段と、
を備えることを特徴とする加速度と角速度との双方を検出する装置。 - XYZ三次元座標系におけるY軸方向の加速度およびZ軸方向の加速度、ならびにZ軸まわりの角速度を検出する装置であって、
質量を有する振動子と、装置筐体に固定された固定部と、前記振動子と前記固定部とを繋ぎ可撓性を有する可撓部と、を有し、前記可撓部の撓みにより前記振動子が前記固定部に対して変位するように構成された構造体と、
前記振動子をX軸方向に、検出対象となる加速度および角速度のもつ周波数に対して識別可能な十分に高い周波数で振動させる励振手段と、
前記振動子に加わるY軸方向への力を検出する第1の力検出手段と、
前記振動子に加わるZ軸方向への力を検出する第2の力検出手段と、
前記第1の力検出手段によって得られる第1の検出信号について、バイアス成分と振幅成分とを分離する第1の信号分離手段と、
前記第2の力検出手段によって得られる第2の検出信号について、バイアス成分と振幅成分とを分離する第2の信号分離手段と、
前記第1の検出信号についてのバイアス成分に基づいて、Y軸方向の加速度を求める第1の加速度演算手段と、
前記第2の検出信号についてのバイアス成分に基づいて、Z軸方向の加速度を求める第2の加速度演算手段と、
前記励振手段を駆動して前記振動子をX軸方向に振動させ、この状態において得られる前記第1の検出信号についての振幅成分に基づいて、Z軸まわりの角速度を求める角速度演算手段と、
を備えることを特徴とする加速度と角速度との双方を検出する装置。 - XYZ三次元座標系におけるY軸方向の加速度およびZ軸方向の加速度、ならびにZ軸まわりの角速度を検出する装置であって、
質量を有する振動子と、装置筐体に固定された固定部と、前記振動子と前記固定部とを繋ぎ可撓性を有する可撓部と、を有し、前記可撓部の撓みにより前記振動子が前記固定部に対して変位するように構成された構造体と、
前記振動子をX軸方向に、検出対象となる加速度および角速度のもつ周波数に対して識別可能な十分に高い周波数で振動させる励振手段と、
前記振動子に加わるY軸方向への力を検出する第1の力検出手段と、
前記振動子に加わるZ軸方向への力を検出する第2の力検出手段と、
前記第1の力検出手段によって得られる第1の検出信号について、バイアス成分と振幅成分とを分離する信号分離手段と、
前記第1の検出信号についてのバイアス成分に基づいて、Y軸方向の加速度を求める第1の加速度演算手段と、
前記第2の力検出手段によって得られる第2の検出信号に基づいて、Z軸方向の加速度を求める第2の加速度演算手段と、
前記励振手段を駆動して前記振動子をX軸方向に振動させ、この状態において得られる前記第1の検出信号についての振幅成分に基づいて、Z軸まわりの角速度を求める角速度演算手段と、
を備えることを特徴とする加速度と角速度との双方を検出する装置。 - XYZ三次元座標系におけるX軸方向の加速度およびY軸方向の加速度、ならびにZ軸まわりの角速度を検出する装置であって、
質量を有する振動子と、装置筐体に固定された固定部と、前記振動子と前記固定部とを繋ぎ可撓性を有する可撓部と、を有し、前記可撓部の撓みにより前記振動子が前記固定部に対して変位するように構成された構造体と、
前記振動子をX軸方向に、検出対象となる加速度および角速度のもつ周波数に対して識別可能な十分に高い周波数で振動させる励振手段と、
前記振動子に加わるX軸方向への力を検出する第1の力検出手段と、
前記振動子に加わるY軸方向への力を検出する第2の力検出手段と、
前記第1の力検出手段によって得られる第1の検出信号について、バイアス成分と振幅成分とを分離する第1の信号分離手段と、
前記第2の力検出手段によって得られる第2の検出信号について、バイアス成分と振幅成分とを分離する第2の信号分離手段と、
前記第1の検出信号についてのバイアス成分に基づいて、X軸方向の加速度を求める第1の加速度演算手段と、
前記第2の検出信号についてのバイアス成分に基づいて、Y軸方向の加速度を求める第2の加速度演算手段と、
前記励振手段を駆動して前記振動子をX軸方向に振動させ、この状態において得られる前記第2の検出信号についての振幅成分に基づいて、Z軸まわりの角速度を求める角速度演算手段と、
を備えることを特徴とする加速度と角速度との双方を検出する装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004089562A JP3710806B2 (ja) | 2004-03-25 | 2004-03-25 | 加速度と角速度との双方を検出する装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004089562A JP3710806B2 (ja) | 2004-03-25 | 2004-03-25 | 加速度と角速度との双方を検出する装置 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP22589494A Division JP3585959B2 (ja) | 1994-08-26 | 1994-08-26 | 加速度と角速度との双方を検出する装置 |
Related Child Applications (2)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004279540A Division JP2005031097A (ja) | 2004-09-27 | 2004-09-27 | 加速度と角速度との双方を検出する装置 |
JP2004279539A Division JP2005031096A (ja) | 2004-09-27 | 2004-09-27 | 加速度と角速度との双方を検出する装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004233369A true JP2004233369A (ja) | 2004-08-19 |
JP3710806B2 JP3710806B2 (ja) | 2005-10-26 |
Family
ID=32959858
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004089562A Expired - Fee Related JP3710806B2 (ja) | 2004-03-25 | 2004-03-25 | 加速度と角速度との双方を検出する装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3710806B2 (ja) |
-
2004
- 2004-03-25 JP JP2004089562A patent/JP3710806B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3710806B2 (ja) | 2005-10-26 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3549590B2 (ja) | 加速度・角速度センサ | |
JP5536994B2 (ja) | 慣性センサ及び慣性検出装置 | |
US6848304B2 (en) | Six degree-of-freedom micro-machined multi-sensor | |
US8117912B2 (en) | Multiaxial acceleration sensor and angular velocity sensor | |
JP2010078500A (ja) | 慣性センサ | |
JP3401252B2 (ja) | 角速度センサ | |
JP2006525514A (ja) | 1軸の加速度検知及び2軸の角速度検知を与える微細加工マルチセンサ | |
JP2007333643A (ja) | 慣性センサ | |
JPH08145683A (ja) | 加速度・角速度検出装置 | |
JP2006215016A (ja) | ジャイロスコープと加速度計との両方の機能を有するセンサ | |
JP2002350138A (ja) | 加速度と角速度との双方を検出する装置 | |
JPH09178493A (ja) | 振動構造物及び振動構造物の固有振動数の制御方法 | |
JP2012508373A (ja) | マイクロメカニクスによるコリオリ式回転速度センサ | |
JP3585959B2 (ja) | 加速度と角速度との双方を検出する装置 | |
JP2000074673A (ja) | 複合運動センサ | |
JP4234734B2 (ja) | 角速度センサ | |
JP4515491B2 (ja) | 角速度センサ | |
JP3534251B2 (ja) | 角速度センサ | |
JP5036218B2 (ja) | 角速度センサ | |
JP3710806B2 (ja) | 加速度と角速度との双方を検出する装置 | |
JP2010008300A (ja) | 慣性センサ | |
JP4133670B2 (ja) | 角速度センサ | |
JP2005031097A (ja) | 加速度と角速度との双方を検出する装置 | |
JP2005031096A (ja) | 加速度と角速度との双方を検出する装置 | |
JP4134136B2 (ja) | 角速度センサ |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20040803 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20040927 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20050308 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20050427 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20050809 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20050810 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110819 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120819 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140819 Year of fee payment: 9 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |