JP2004232320A - 屋根材 - Google Patents
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Abstract
【構成】幅方向の側端縁に落とし込み構造の雄雌連結構造を形成すると共に、化粧面4の水上側の先端には上方に突出した係合兼防水片13と、係合兼防水片13の根本を水下側に突出した上面14と、上面14の先端を下方に垂下し先端を水上側に突出した固定片15を形成し、化粧面4の水下側の先端には上方に突出した垂直片6aと、下方に突出した段差化粧面6と、垂直片6aの先端を水下側に突出した突出片6bと、化粧面4の水下側先端近傍を下方に突出した最奥片8と、最奥片8の先端を水下側に突出した差込片9を形成した屋根材Aである。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、屋根材として今までにない重厚感、施工性を有し、かつ防水機能、断熱機能、結露防止機能、雪止め機能、等を形成した屋根材に係るものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、金属製板材をロール成形、プレス成形等して加工した屋根材は数多く上市され、その形状は、所謂引っ掛け構造であった。(例えば、特許文献1、2参照)。また、従来、屋根は耐振性、強度、施工性、重量の関係で、金属製屋根材が注目を浴びてきた。しかしながら、金属製屋根材は意匠性に乏しく、また、凹凸が大きい瓦屋根のような屋根材に比べて、屋根に積もった雪が簡単に軒下に落下する危険性があり、屋根材本体に雪止め機能を付加した屋根材を使用した屋根構造が開発されている。(例えば、特許文献3、4参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−038658号公報
【特許文献2】
特開2002−155602号公報
【特許文献3】
特開2001−003524号公報
【特許文献4】
特開2002−121868号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1、2は引っ掛け構造であるために、勾配が急な屋根に使用した際に、連結した上段の屋根材が自重で落ちてくるので、上段の屋根材の固定部を固定具(釘)で固定するまで、屋根材が落ちないように手で押さえている必要があり、施工が大変であった。しかしながら、特許文献3、4の構造では、下段の屋根材に上段の屋根材を施工する際に、上段の屋根材に折り曲げ加工を施して屋根材を施工するものであった。このために、▲1▼施工性が悪い、▲2▼施工が難しい、▲3▼施工を確実にしないと雨漏れの原因になる、▲4▼屋根材表面に傷が付く、等の欠点があった。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明はこのような欠点を解決するために、幅方向の側端縁に落とし込み構造の雄雌連結構造を形成すると共に、化粧面の水上側の先端には上方に突出した係合兼防水片と、係合兼防水片の根本を水下側に突出した上面と、上面の先端を下方に垂下し先端を水上側に突出した固定片を形成し、化粧面の水下側の先端には上方に突出した垂直片と、下方に突出した段差化粧面と、垂直片の先端を水下側に突出した突出片と、化粧面の水下側先端近傍を下方に突出した最奥片と、最奥片の先端を水下側に突出した差込片を形成した屋根材を提供するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下に図面を用いて本発明に係る屋根材について詳細に説明する。図1は金属製屋根材Bと裏打材Cよりなる屋根材Aの代表的一例を示す説明図、図2(a)、(b)は屋根材Aの施工状態を示す説明図、図3(a)、(b)はジョイナD(Eはパッキング材)とその施工状態を示す説明図である。図中、αは下地、βは釘等の固定具を示している。なお、図3(b)は図3(a)のa−a部端面図である。
【0007】
下地αは、新築の際は図2(a)、(b)に示すように垂木1、野地板2、防水シート3(一点鎖線で示す)から構成した木造下地を示したものである。すなわち、垂木1上に野地板2を敷設し、野地板2上に防水シート3を配設した一般的な構造の下地αである。また、下地αとしてH形鋼、I形鋼、ミゾ形鋼、軽量ミゾ形鋼、リップ溝形鋼、等辺山形鋼、不等辺山形鋼、角形鋼(角パイプ)、円形鋼(円形パイプ)、等を使用した鉄骨下地でも良いものである。勿論、既存の屋根をそのまま改修する屋根の際には、これら下地α上に新生瓦や瓦棒等の既存屋根(図示せず)が形成された既存屋根構造が下地αとなるものである。勿論、防水シート3を形成しない下地αでも良いものである。
【0008】
金属製屋根材Bは、例えば金属板(カラー鋼板、銅板、アルミニウム板、チタン板、ステンレス板、サンドイッチ鋼板、クラッド鋼板等)等をロール成形、プレス成形、押出成形、等によって形成したものである。勿論、屋根材Aの表面材として、金属製屋根材Bの代わりに窯業系素材、もしくは合成樹脂材(プラスチック)、等で形成してもよいものである。
【0009】
さらに説明すると、金属製屋根材Bは長尺板状であり、図1に示すように、略水平面状の化粧面4と、裏面5と、化粧面4の水下側の先端には下方に突出した段差化粧面6と、化粧面6の先端を上方に突出した垂直片6aと、垂直へ6aの先端を水下側へ突出した突出片6bと、段差化粧面6と化粧面4に沿って内側方に突出した上面7と、上面7の先端を下方に突出した最奥片8と、最奥片8の先端を水下側に突出した差込片9と、上面7と最奥片8と差込片9とから略コ字状の係合溝10を形成し、段差化粧面6と差込片9間に挿入間隙11を形成して雄型連結部12としたものである。
【0010】
また、図1に示すように、化粧面4の水上側端部には化粧面4の先端を上側に屈曲して形成した係合兼防水片13と、係合兼防水片13の根本を水下側に屈曲した上面14と、上面14の先端を下方に屈曲し先端を水上側に突出した固定片15と、上面14と固定面15とから断面略コ字状に形成した前記差込縁7と嵌合する嵌合溝16を形成して雌型連結部17を形成したものである。また、化粧面4の端部には図3(b)に示すような係止片18を形成し、図3(a)に示すジョイナDの係合片19に係止することにより屋根材Aを下地α上に固定するものである。
【0011】
垂直片6aと突出片6bは、上側に突出することにより雪止として機能する部分である。また、突出片6bは水下側に突出しているために、段差化粧面6部分に雪が貯まることが無く、氷堤により融雪水が躯体内部に浸入せず、防水性がよい。
【0012】
段差化粧面6は、段差を形成し屋根に重厚感を付与すると共に、内部に空間を形成し、直接、風雨が屋根材Aの連結部に当たらないように形成すると共に、屋根材A同士の連結の際に形成される連結部の隙間、所為、段差化粧面6の先端部分と、係合兼防水片13の先端部分が上下に存在するような形状にすることにより、防水性を向上するものである。
【0013】
挿入間隙11は、図2(a)に示すように挿入して屋根材A同士を連結する際に、段差化粧面6が邪魔にならないように、係合兼防水片13が係合溝10内に挿入できるように形成したものである。
【0014】
また、図1において、段差化粧面6の高さをt、係合兼防水片13の高さをT、段差化粧面6から差込片9間での距離をh、係合兼防水片13の幅をHとすると、t≦T、h>Hの関係である。また、t=Tが下段の屋根材Aと上段の屋根材A間に間隙が形成されず、防水上有効である。なお、h=H+5〜10mm位が好ましい。
【0015】
裏打材Cは防水材、断熱材、吸音材、緩衝材、防火材、結露防止材、等として機能するものであり、不織布、合成樹脂製発泡シート(架橋化発泡ポリエチレンシート、等)、ロックウール、テックス(軟質繊維板)、ゴムシート、樹脂シート、等、あるいはこれらに遮音材、耐火材等を含浸、含有、混合、積層(一層、あるいは複数層)、サンドイッチ、等したものを使用することもできる。特に不織布は、縦糸と横糸を交差させて繊維から織物にする従来の方法と異なり、各種の繊維を接着剤等で結合した不織布等である。この不織布はまず繊維が平行に交差するか、また無秩序に配列された薄いフェルト状のものを接着剤で結合させるか、または主体となる繊維状態の中に別の熱可塑性繊維を混在させて、加熱および加圧して溶融し相互に結合させたりして作られたものである。勿論、素材自体に防水性の無いものには、樹脂材をコーティング、あるいは撥水剤、防水コーティング剤、等で防水機能を片面あるいは両面に付加したものである。
【0016】
係合兼防水片13は、上側に屈曲することにより防水機能を付加すると共に、係合片としても機能する部分である。
【0017】
以上説明したのは本発明に係る屋根材の一実施例にすぎず、図4(a)、(b)〜10(a)、(b)に示すように形成することもできる。
【0018】
Fは補強材であり、金属製あるいは合成樹脂製等よりなるものである。
【0019】
Gは裏面材であり、金属材、あるいはアスベスト紙、クラフト紙、アスファルトフェルト、金属箔(Al、Fe、Pb、Cu)、合成樹脂シート、ゴムシート、布シート、石膏紙、水酸化アルミ紙、ガラス繊維不織布等の1種、または2種以上をラミネートしたもの、あるいは防水処理、難燃処理されたシート等からなるものである。
【0020】
Pはパッキング材であり、目地部の防水性の強化のために形成するものであり、例えば定型で弾性のあるパッキング材Pとしては、例えば発泡ゴム、ポリ塩化ビニル系、クロロプレン系、クロロスルホン化ポリエチレン系、エチレンプロピレン系、アスファルト含浸ポリウレタン系、EPM、EPDM等の一般的に市販されているもの、あるいは硬化型のパッキング材P(シーリング材)としてはシリコーン系(反応硬化型、湿気硬化型)、変成シリコーン系(反応硬化型)、ポリサルファイド系(反応硬化型)、ポリウレタン系(反応硬化型、湿気硬化型)、SBR系(乾燥硬化型)、アクリル系(乾燥硬化型)等よりなるものであり、主に防水材、気密材等の機能として有用なものである。勿論、これらの成分中に無機材等の難燃材、あるいは耐火性、防火性を有する例えばポリリン酸アンモニウム、水酸化アルミニウム、フェノール樹脂粒、カーボンブラック、グラファイト(発泡、非発泡)等の難燃材を混入した耐火性のあるパッキング材Pを使用しても良いものである。
【0021】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る屋根材によれば、▲1▼防水兼係合片が、屋根材を落とし込み構造としても、防水性を維持できる。▲2▼勾配が急な屋根に使用しても、連結した上段の屋根材が自重で落ちてくることがないために、屋根材が落ちないように手で押さえている必要が無く、施工が楽である。▲3▼段差化粧面の形成により段差を形成し、屋根に重厚感を付与すると共に、内部に空間を形成し、直接、風雨が屋根材の連結部に当たらない。▲4▼段差化粧面が屋根材同士の連結の際に形成される連結部の隙間、所為、段差化粧面の先端部分と、係合兼防水片の先端部分が上下に存在形成するような形状にすることにより、防水性を向上する。▲5▼重厚な屋根を形成できる。▲6▼垂直片と突出片が雪止めの機能を具備するために、雪止金具施工による雨漏れの心配がない。▲7▼難しい雪止金具の施工がない。または少なくて済む。▲8▼落とし込み構造なので、雪が屋根に積もった際にはその加重により連結部がさらに強固に嵌合する構造であり、防水性、気密性が向上する。▲9▼突出片は水下側に突出しているために、段差化粧面部分に雪が貯まることが無く、氷堤により融雪水が躯体内部に浸入せず、防水性がよい。等の特徴、効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る屋根材の代表的一例を示す説明図である。
【図2】本発明に係る屋根材の施工状態を示す説明図である。
【図3】本発明に係る屋根材の施工に使用するジョイナを示す説明図である。
【図4】本発明に係る屋根材のその他の実施例を示す説明図である。
【図5】本発明に係る屋根材のその他の実施例を示す説明図である。
【図6】本発明に係る屋根材のその他の実施例を示す説明図である。
【図7】本発明に係る屋根材のその他の実施例を示す説明図である。
【図8】本発明に係る屋根材のその他の実施例を示す説明図である。
【図9】本発明に係る屋根材のその他の実施例を示す説明図である。
【図10】本発明に係る屋根材のその他の実施例を示す説明図である。
【符号の説明】
α 下地
β 固定具
γ 空間
A 屋根材
B 金属製屋根材
C 裏打材
D ジョイナ
E パッキング材
F 補強材
G 裏面材
P パッキング材
1 垂木
2 野地板
3 防水シート
4 化粧面
5 裏面
6 段差化粧面
6a 垂直片
6b 突出片
7 上面
8 最奥片
9 差込片
10 係合溝
11 挿入間隙
12 雄型連結部
13 係合兼防水片
14 上面
15 固定片
16 嵌合溝
17 雌型連結部
18 係止片
19 係合片
Claims (1)
- 幅方向の側端縁に落とし込み構造の雄雌連結構造を形成すると共に、化粧面の水上側の先端には上方に突出した係合兼防水片と、該係合兼防水片の根本を水下側に突出した上面と、該上面の先端を下方に垂下し先端を水下側に突出した固定片を形成し、化粧面の水下側の先端には上方に突出した垂直片と、下方に突出した段差化粧面と、垂直片の先端を水下側に突出した突出片と、化粧面の水下側先端近傍を下方に突出した最奥片と、該最奥片の先端を水下側に突出した差込片を形成したことを特徴とする屋根材。
Priority Applications (1)
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Citations (4)
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JPS4420667Y1 (ja) * | 1965-04-24 | 1969-09-03 | ||
JPH10273953A (ja) * | 1997-03-31 | 1998-10-13 | Natl House Ind Co Ltd | 雪止め金具の設置構造 |
JPH11152864A (ja) * | 1997-11-21 | 1999-06-08 | Daiwa House Ind Co Ltd | 屋 根 |
JP2002256664A (ja) * | 2001-02-27 | 2002-09-11 | Sanyo Electric Co Ltd | 屋根用太陽電池モジュール及びその設置方法 |
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2003
- 2003-01-30 JP JP2003021612A patent/JP2004232320A/ja active Pending
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