JP2004231741A - 放射型粗ガス冷却器内部の水冷壁構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】粗ガスを冷却するにおいて必要な伝熱面積を確保でき、しかもその長さを短くできる放射型粗ガス冷却器内部の水冷壁構造を提供する。
【解決手段】ガス化炉で生成された粗ガスを導入してこれを冷却するための放射型粗ガス冷却器内部の水冷壁構造において、水冷壁11で多角形状の冷却部12を形成し、その冷却部12の各辺の水冷壁11に、センター方向に突き出した放射状の水冷管列24を設けたものである。
【選択図】 図1
【解決手段】ガス化炉で生成された粗ガスを導入してこれを冷却するための放射型粗ガス冷却器内部の水冷壁構造において、水冷壁11で多角形状の冷却部12を形成し、その冷却部12の各辺の水冷壁11に、センター方向に突き出した放射状の水冷管列24を設けたものである。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガス化炉で生成された粗ガスを冷却するための放射型粗ガス冷却器内部の水冷壁構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ガス化複合発電システムにおいて、石炭ガス化炉等で生成された粗ガス(1300〜1500℃)は、そのガス化炉の下部に接続された放射型粗ガス冷却器に導入され、そのガス冷却器で、600〜700℃に冷却されて粗ガスの熱回収がなされると共に粗ガスから同伴する溶融スラッグが分離されてガス冷却器から排出された後、ガス精製工程を経てガスタービンの燃料として使用される。
【0003】
放射型粗ガス冷却器は、高圧蒸気の蒸発器であり、水冷壁を断面多角形に組み込んだ筒状の冷却部を圧力容器に収容して構成される。ガス化炉から排出された粗ガス(ガス化ガス)の熱は、水冷壁中の各水管を流れるボイラ水に伝達され、蒸気を発生させ、その蒸気でスチームタービンを駆動する。
【0004】
従来、放射型粗ガス冷却器内部の水冷壁構造では、ガス化炉から排出される粗ガス中に溶融スラッグが含まれるため、冷却部は、溶融スラッグと接触しないよう、ガス導入口に対して十分大きな径となるように水冷壁で多角形状に形成し、導入口から流入する粗ガス(高温熱風)の輻射熱を水冷壁で吸収するようになすと共に、必要な伝熱面積を確保するためには、水冷壁内径に対して約10倍相当の長さを必要とする。
【0005】
【特許文献1】
特開平6−234983号公報
【特許文献2】
特開昭61−243895号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、放射型粗ガス冷却器に流入する粗ガスは高圧であり、冷却部を収容する圧力容器のサイズも、冷却部の長さに応じて長くなるので、材料費、製作費、輸送費などを含めてコストアップとなる問題がある。
【0007】
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、粗ガスを冷却するにおいて必要な伝熱面積を確保でき、しかもその長さを短くできる放射型粗ガス冷却器内部の水冷壁構造を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1の発明は、ガス化炉で生成された粗ガスを導入してこれを冷却するための放射型粗ガス冷却器内部の水冷壁構造において、水冷壁で多角形状の冷却部を形成し、その冷却部の各辺の水冷壁に、センター方向に突き出した放射状の水冷管列を設けた放射型粗ガス冷却器内部の水冷壁構造である。
【0009】
請求項2の発明は、ガス化炉から粗ガスを導入する導入口の内径に対して多角形状の水冷部の内径を約3倍に形成し、上記水冷管列の突出長さを、その各水冷管列の先端部を結んだ円周の径が、導入口の内径に対して約2倍となるように形成した請求項1記載の放射型粗ガス冷却器内部の水冷壁構造である。
【0010】
請求項3の発明は、水冷壁で16角形状の水冷部を形成し、その水冷部の各辺の水冷壁の略中央に、センター方向に突き出した放射状の水冷管列を設け、その水冷管列の長さを、冷却部の水冷壁の辺の長さに対して約0.8倍の長さに形成した請求項1又は2記載の放射型粗ガス冷却器内部の水冷壁構造である。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な一実施形態を添付図面に基づいて詳述する。
【0012】
先ず、放射型粗ガス冷却器の全体構成を図3により説明する。
【0013】
図3において、10は、縦型円筒状の圧力容器で、その内部に水冷壁11で多角形状に形成した冷却部12が収容される。
【0014】
冷却部12は、水管を並べて形成される水冷壁11で多角形状に形成された垂直筒部13と、垂直筒部13の上部に水冷壁11から水管群で適宜中心に向けて斜め上方に絞られて形成された上肩部14と、上肩部14から上方に立ち上げられ内周に耐火ブロック15が内張されると共に圧力容器10の頂部に延びた導入口16と、垂直筒部13の下部に、同じく水管群で斜め下方に絞られた絞り部17とで構成され、さらにその絞り部17の下部に、水管群でホッパー形状に形成された気固分離ホッパー18とを備えている。気固分離ホッパー18の上部には、溶融スラッグを分離した粗ガスの出口部19が圧力容器10の側面から突出するように設けられ、また、気固分離ホッパー18の下方には、圧力容器10の底部に位置して、溶融スラッグを回収して冷却する液溜め部20が設けられ、その液溜め部20に排出口21が接続される。
【0015】
冷却部12は、その上肩部14が吊り部材22を介して圧力容器10内に支持され、気固分離ホッパー18の下端部18aは、液溜め部20に設けた水封槽23でシールされるようになっている。
【0016】
この冷却部12の垂直筒部13には、後で詳細に説明するが、センター方向に突き出した放射状の水冷管列24が設けられる。
【0017】
気固分離ホッパー18から冷却部12の水冷壁11を通る水管群は、気固分離ホッパー18の下部の入口ヘッダ25から、また冷却部12の水冷壁11の一部の水管群と水冷管列24の水管群は、絞り部17に設けた入口ヘッダ26に接続され、冷却部12の上肩部14上に設けた出口ヘッダ27,28に接続されるようになっている。
【0018】
次に冷却部12の水冷管構造を図1、図2によりさらに詳しく説明する。
【0019】
図1は、冷却部12の要部の詳細斜視図を示し、図2は冷却部12の水平断面図を示したものである。
【0020】
先ず、冷却部12の垂直筒部13は、水冷壁11で、図示のように正16角形に形成され、その正16角形の一辺を構成する水冷壁11の中央からセンターに向けて水冷管列24が放射状に設けられて水冷壁構造が構成される。
【0021】
ここで、16角形状の垂直筒部13の内径(対向する辺間の距離)をDとし、一辺の長さをL、水冷管列24の突出長さをHとし、また導入口16の内径をd0 、水冷管列24の先端部24aを結んだ円周の径をd1 とすると、垂直筒部13の内径Dを導入口16の内径d0 に対して約3倍(D=3d0 )とし、導入口16の内径d0 に対して、水冷管列24の先端部24aを結んだ円周の径d1 が、約2倍となるように形成する。また水冷管列24の先端部24aの径d1 の円周位置と導入口16の円周までの水平距離sは、最小でもd0 /2以上離れるように形成する。この場合、16角形の一辺の長さLに対して、水冷管列24の長さHを、約0.8倍(H=0.8L)とする。
【0022】
次に本発明の作用を述べる。
【0023】
ガス化炉(図示せず)で生成された粗ガスは、導入口16から放射型ガス冷却器内の冷却部12内に導入され、そこで冷却され、気固分離ホッパー18に至り、粗ガス中に含まれる溶融スラッグは、気固分離ホッパー18より、下部の液溜め部20に落下して分離回収され、粗ガスは、気固分離ホッパー18で反転して出口部19より排出される。
【0024】
導入口16から冷却部12内に導入される粗ガスは、溶融スラッグを伴った高温高圧の熱風(1300〜1500℃)であり、このため冷却部12内には、溶融スラッグと接触しないように、従来においては、垂直筒部13の内周には、突起物を設けずに水冷壁のみで粗ガスから放射される輻射熱を吸収するようにしていたが、本発明者らは、導入口16から粗ガスと共に供給される溶融スラッグの径方向への広がりについて解析した結果、冷却部12内を落下する溶融スラッグは、導入口16の内径d0 に対して2倍以上広がることはなく、図2に三角印30で示すように、最大でも、内径d0 の1.5倍程度にしか広がっていないことが分かった。
【0025】
そこで、水冷壁11に、水冷管列24を放射状に設けることで、垂直筒部13の水冷壁11での粗ガスから放射される輻射熱の吸収に加えて、水冷管列24で、粗ガスと接触して対流熱を受けることで冷却効率が向上することを見出した。
【0026】
ここで、水冷管列24を設けるにあたって、その先端部24aを結ぶ円周の径d1 を導入口16の内径d0 の約2倍に保てば、水冷管列24が溶融スラッグに接触することがないこと、また、垂直筒部13は、粗ガスの輻射熱を吸収するには、溶融スラッグに接触しない範囲で近づければより冷却効率が上がるが、径を小さくすればその分、円周が小さくなり水管群の本数が少なくなり、逆に垂直筒部13の長さが長くなってしまう。
【0027】
以上に鑑み、垂直筒部13の内径Dを導入口16の内径d0 の約3倍とし、その垂直筒部13の各辺の水冷壁11に水冷管列24の先端部24aを結ぶ円周の径d1 を導入口16の内径d0 の約2倍以上に保てば、また水冷壁11の辺の長さLに対しての水冷管列24の突出長さHを約0.8倍とすることで、水冷壁11での輻射熱吸収による冷却と水冷管列24での対流熱による冷却との熱バランスが最適化できることが分かった。
【0028】
このように、水冷壁11で多角形状に形成した垂直筒部13に水冷管列24を放射状に設けることで、垂直筒部13の水冷壁11では、主に粗ガスから放射される輻射熱を吸収し、水冷管列24では、その円周方向の両面で、粗ガスと接触して輻射熱に加えて対流熱を受けることができ、全体として冷却部12の長さが短くても十分な伝熱面積が確保でき、長さも従来の6〜7割程度に短くすることが可能となる。
【0029】
なお、上述の実施の形態では、多角形状に形成した冷却部12の各辺の水冷壁11の略中央から水冷管列24を設ける例で説明したが、水冷壁11の角部からセンターに向けて水冷管列24を設けるようにしてもよい。また多角形状の冷却部12で説明したが、実質的に円筒状に形成した冷却部12も含むことは勿論である。
【0030】
【発明の効果】
以上要するに本発明によれば、多角形状の水冷壁の各辺は、その内側面となる片面のみ熱を受けるがセンター方向に向けてパネル状に設けた水冷管列は、水冷壁の内側を通過する高温熱風の中に突き出す形となるため、水冷管列の両面が伝熱面となり、相当水冷壁内径に対する長さ方向を短くできる効果を発揮するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態を示す要部斜視図である。
【図2】図1の水平断面図である。
【図3】本発明の一実施の形態を示す全体断面図である。
【符号の説明】
10 圧力容器
11 水冷壁
12 冷却部
24 水冷管列
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガス化炉で生成された粗ガスを冷却するための放射型粗ガス冷却器内部の水冷壁構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ガス化複合発電システムにおいて、石炭ガス化炉等で生成された粗ガス(1300〜1500℃)は、そのガス化炉の下部に接続された放射型粗ガス冷却器に導入され、そのガス冷却器で、600〜700℃に冷却されて粗ガスの熱回収がなされると共に粗ガスから同伴する溶融スラッグが分離されてガス冷却器から排出された後、ガス精製工程を経てガスタービンの燃料として使用される。
【0003】
放射型粗ガス冷却器は、高圧蒸気の蒸発器であり、水冷壁を断面多角形に組み込んだ筒状の冷却部を圧力容器に収容して構成される。ガス化炉から排出された粗ガス(ガス化ガス)の熱は、水冷壁中の各水管を流れるボイラ水に伝達され、蒸気を発生させ、その蒸気でスチームタービンを駆動する。
【0004】
従来、放射型粗ガス冷却器内部の水冷壁構造では、ガス化炉から排出される粗ガス中に溶融スラッグが含まれるため、冷却部は、溶融スラッグと接触しないよう、ガス導入口に対して十分大きな径となるように水冷壁で多角形状に形成し、導入口から流入する粗ガス(高温熱風)の輻射熱を水冷壁で吸収するようになすと共に、必要な伝熱面積を確保するためには、水冷壁内径に対して約10倍相当の長さを必要とする。
【0005】
【特許文献1】
特開平6−234983号公報
【特許文献2】
特開昭61−243895号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、放射型粗ガス冷却器に流入する粗ガスは高圧であり、冷却部を収容する圧力容器のサイズも、冷却部の長さに応じて長くなるので、材料費、製作費、輸送費などを含めてコストアップとなる問題がある。
【0007】
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、粗ガスを冷却するにおいて必要な伝熱面積を確保でき、しかもその長さを短くできる放射型粗ガス冷却器内部の水冷壁構造を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1の発明は、ガス化炉で生成された粗ガスを導入してこれを冷却するための放射型粗ガス冷却器内部の水冷壁構造において、水冷壁で多角形状の冷却部を形成し、その冷却部の各辺の水冷壁に、センター方向に突き出した放射状の水冷管列を設けた放射型粗ガス冷却器内部の水冷壁構造である。
【0009】
請求項2の発明は、ガス化炉から粗ガスを導入する導入口の内径に対して多角形状の水冷部の内径を約3倍に形成し、上記水冷管列の突出長さを、その各水冷管列の先端部を結んだ円周の径が、導入口の内径に対して約2倍となるように形成した請求項1記載の放射型粗ガス冷却器内部の水冷壁構造である。
【0010】
請求項3の発明は、水冷壁で16角形状の水冷部を形成し、その水冷部の各辺の水冷壁の略中央に、センター方向に突き出した放射状の水冷管列を設け、その水冷管列の長さを、冷却部の水冷壁の辺の長さに対して約0.8倍の長さに形成した請求項1又は2記載の放射型粗ガス冷却器内部の水冷壁構造である。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な一実施形態を添付図面に基づいて詳述する。
【0012】
先ず、放射型粗ガス冷却器の全体構成を図3により説明する。
【0013】
図3において、10は、縦型円筒状の圧力容器で、その内部に水冷壁11で多角形状に形成した冷却部12が収容される。
【0014】
冷却部12は、水管を並べて形成される水冷壁11で多角形状に形成された垂直筒部13と、垂直筒部13の上部に水冷壁11から水管群で適宜中心に向けて斜め上方に絞られて形成された上肩部14と、上肩部14から上方に立ち上げられ内周に耐火ブロック15が内張されると共に圧力容器10の頂部に延びた導入口16と、垂直筒部13の下部に、同じく水管群で斜め下方に絞られた絞り部17とで構成され、さらにその絞り部17の下部に、水管群でホッパー形状に形成された気固分離ホッパー18とを備えている。気固分離ホッパー18の上部には、溶融スラッグを分離した粗ガスの出口部19が圧力容器10の側面から突出するように設けられ、また、気固分離ホッパー18の下方には、圧力容器10の底部に位置して、溶融スラッグを回収して冷却する液溜め部20が設けられ、その液溜め部20に排出口21が接続される。
【0015】
冷却部12は、その上肩部14が吊り部材22を介して圧力容器10内に支持され、気固分離ホッパー18の下端部18aは、液溜め部20に設けた水封槽23でシールされるようになっている。
【0016】
この冷却部12の垂直筒部13には、後で詳細に説明するが、センター方向に突き出した放射状の水冷管列24が設けられる。
【0017】
気固分離ホッパー18から冷却部12の水冷壁11を通る水管群は、気固分離ホッパー18の下部の入口ヘッダ25から、また冷却部12の水冷壁11の一部の水管群と水冷管列24の水管群は、絞り部17に設けた入口ヘッダ26に接続され、冷却部12の上肩部14上に設けた出口ヘッダ27,28に接続されるようになっている。
【0018】
次に冷却部12の水冷管構造を図1、図2によりさらに詳しく説明する。
【0019】
図1は、冷却部12の要部の詳細斜視図を示し、図2は冷却部12の水平断面図を示したものである。
【0020】
先ず、冷却部12の垂直筒部13は、水冷壁11で、図示のように正16角形に形成され、その正16角形の一辺を構成する水冷壁11の中央からセンターに向けて水冷管列24が放射状に設けられて水冷壁構造が構成される。
【0021】
ここで、16角形状の垂直筒部13の内径(対向する辺間の距離)をDとし、一辺の長さをL、水冷管列24の突出長さをHとし、また導入口16の内径をd0 、水冷管列24の先端部24aを結んだ円周の径をd1 とすると、垂直筒部13の内径Dを導入口16の内径d0 に対して約3倍(D=3d0 )とし、導入口16の内径d0 に対して、水冷管列24の先端部24aを結んだ円周の径d1 が、約2倍となるように形成する。また水冷管列24の先端部24aの径d1 の円周位置と導入口16の円周までの水平距離sは、最小でもd0 /2以上離れるように形成する。この場合、16角形の一辺の長さLに対して、水冷管列24の長さHを、約0.8倍(H=0.8L)とする。
【0022】
次に本発明の作用を述べる。
【0023】
ガス化炉(図示せず)で生成された粗ガスは、導入口16から放射型ガス冷却器内の冷却部12内に導入され、そこで冷却され、気固分離ホッパー18に至り、粗ガス中に含まれる溶融スラッグは、気固分離ホッパー18より、下部の液溜め部20に落下して分離回収され、粗ガスは、気固分離ホッパー18で反転して出口部19より排出される。
【0024】
導入口16から冷却部12内に導入される粗ガスは、溶融スラッグを伴った高温高圧の熱風(1300〜1500℃)であり、このため冷却部12内には、溶融スラッグと接触しないように、従来においては、垂直筒部13の内周には、突起物を設けずに水冷壁のみで粗ガスから放射される輻射熱を吸収するようにしていたが、本発明者らは、導入口16から粗ガスと共に供給される溶融スラッグの径方向への広がりについて解析した結果、冷却部12内を落下する溶融スラッグは、導入口16の内径d0 に対して2倍以上広がることはなく、図2に三角印30で示すように、最大でも、内径d0 の1.5倍程度にしか広がっていないことが分かった。
【0025】
そこで、水冷壁11に、水冷管列24を放射状に設けることで、垂直筒部13の水冷壁11での粗ガスから放射される輻射熱の吸収に加えて、水冷管列24で、粗ガスと接触して対流熱を受けることで冷却効率が向上することを見出した。
【0026】
ここで、水冷管列24を設けるにあたって、その先端部24aを結ぶ円周の径d1 を導入口16の内径d0 の約2倍に保てば、水冷管列24が溶融スラッグに接触することがないこと、また、垂直筒部13は、粗ガスの輻射熱を吸収するには、溶融スラッグに接触しない範囲で近づければより冷却効率が上がるが、径を小さくすればその分、円周が小さくなり水管群の本数が少なくなり、逆に垂直筒部13の長さが長くなってしまう。
【0027】
以上に鑑み、垂直筒部13の内径Dを導入口16の内径d0 の約3倍とし、その垂直筒部13の各辺の水冷壁11に水冷管列24の先端部24aを結ぶ円周の径d1 を導入口16の内径d0 の約2倍以上に保てば、また水冷壁11の辺の長さLに対しての水冷管列24の突出長さHを約0.8倍とすることで、水冷壁11での輻射熱吸収による冷却と水冷管列24での対流熱による冷却との熱バランスが最適化できることが分かった。
【0028】
このように、水冷壁11で多角形状に形成した垂直筒部13に水冷管列24を放射状に設けることで、垂直筒部13の水冷壁11では、主に粗ガスから放射される輻射熱を吸収し、水冷管列24では、その円周方向の両面で、粗ガスと接触して輻射熱に加えて対流熱を受けることができ、全体として冷却部12の長さが短くても十分な伝熱面積が確保でき、長さも従来の6〜7割程度に短くすることが可能となる。
【0029】
なお、上述の実施の形態では、多角形状に形成した冷却部12の各辺の水冷壁11の略中央から水冷管列24を設ける例で説明したが、水冷壁11の角部からセンターに向けて水冷管列24を設けるようにしてもよい。また多角形状の冷却部12で説明したが、実質的に円筒状に形成した冷却部12も含むことは勿論である。
【0030】
【発明の効果】
以上要するに本発明によれば、多角形状の水冷壁の各辺は、その内側面となる片面のみ熱を受けるがセンター方向に向けてパネル状に設けた水冷管列は、水冷壁の内側を通過する高温熱風の中に突き出す形となるため、水冷管列の両面が伝熱面となり、相当水冷壁内径に対する長さ方向を短くできる効果を発揮するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態を示す要部斜視図である。
【図2】図1の水平断面図である。
【図3】本発明の一実施の形態を示す全体断面図である。
【符号の説明】
10 圧力容器
11 水冷壁
12 冷却部
24 水冷管列
Claims (3)
- ガス化炉で生成された粗ガスを導入してこれを冷却するための放射型粗ガス冷却器内部の水冷壁構造において、水冷壁で多角形状の冷却部を形成し、その冷却部の各辺の水冷壁に、センター方向に突き出した放射状の水冷管列を設けたことを特徴とする放射型粗ガス冷却器内部の水冷壁構造。
- ガス化炉から粗ガスを導入する導入口の内径に対して多角形状の水冷部の内径を約3倍に形成し、上記水冷管列の突出長さを、その各水冷管列の先端部を結んだ円周の径が、導入口の内径に対して約2倍となるように形成した請求項1記載の放射型粗ガス冷却器内部の水冷壁構造。
- 水冷壁で16角形状の水冷部を形成し、その水冷部の各辺の水冷壁の略中央に、センター方向に突き出した放射状の水冷管列を設け、その水冷管列の長さを、水冷部の水冷壁の辺の長さに対して約0.8倍の長さに形成した請求項1又は2記載の放射型粗ガス冷却器内部の水冷壁構造。
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JP2004231741A true JP2004231741A (ja) | 2004-08-19 |
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JP2003020279A Pending JP2004231741A (ja) | 2003-01-29 | 2003-01-29 | 放射型粗ガス冷却器内部の水冷壁構造 |
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JP (1) | JP2004231741A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008056808A (ja) * | 2006-08-31 | 2008-03-13 | Babcock & Wilcox Co:The | 合成ガスを収容及び冷却するための蒸気発生装置 |
WO2011012393A3 (de) * | 2009-07-30 | 2011-06-16 | Siemens Aktiengesellschaft | Flugstromvergaser mit integriertem strahlungskühler |
KR101813428B1 (ko) | 2014-02-03 | 2017-12-28 | 미츠비시 히타치 파워 시스템즈 가부시키가이샤 | 가스화 노 냉각 구조, 가스화 노 및 가스화 노의 애뉼러스부 확대 방법 |
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2003
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