JP2004231120A - 自動車の車体上部の乗員保護構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】パネルと内装材との間に形成される空間にエネルギー吸収体を収容し、乗員が二次衝突する際の衝撃エネルギーを吸収する構造において、必要なエネルギー吸収性能を有しながら小型化が可能な自動車の車体上部の乗員保護構造を提供すること。
【解決手段】2つのフランジ部(13a、13c)を有するパネル13と該パネル13を覆う内装材14との間に形成される空間Sに、押出成形された金属製のエネルギー吸収体20が収容されている。エネルギー吸収体は、空間S内に、パネル13の一方のフランジ部13aの近くとなるように配置されるとともに、閉断面からなる単一の中空断面形状21を備えている。一方のフランジ部13aの反対側に位置する中空断面形状21の側壁面(壁面21c、21d)に、断面略く字状に屈曲して内側に突出する突設部Tを形成し、乗員の頭部Hが衝突すると、該突設部Tが閉じるように変形する。
【選択図】 図2
【解決手段】2つのフランジ部(13a、13c)を有するパネル13と該パネル13を覆う内装材14との間に形成される空間Sに、押出成形された金属製のエネルギー吸収体20が収容されている。エネルギー吸収体は、空間S内に、パネル13の一方のフランジ部13aの近くとなるように配置されるとともに、閉断面からなる単一の中空断面形状21を備えている。一方のフランジ部13aの反対側に位置する中空断面形状21の側壁面(壁面21c、21d)に、断面略く字状に屈曲して内側に突出する突設部Tを形成し、乗員の頭部Hが衝突すると、該突設部Tが閉じるように変形する。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両の衝突時に乗員が車体に二次衝突する際の衝撃エネルギーを吸収する自動車の車体上部の乗員保護構造に関し、特にパネルと内装材との間にエネルギー吸収体を収容した構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、車両が障害物に衝突した場合の乗員保護対策として、その衝撃エネルギーを直接吸収する一次衝突対策と、同衝突の反動によって乗員が車室内の壁面に衝突する際の障害値を抑制するようにエネルギー吸収する二次衝突対策とがある。
【0003】
こうした二次衝突する際の衝撃エネルギーを吸収する構造においては、車両のピラーを構成するインナパネルと対応する内装材(ガーニッシュ)とで形成される空間に所定の中空断面形状を有するエネルギー吸収体を設けたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。また、2方向からの衝撃エネルギーをそれぞれ好適に吸収することで各乗員の傷害値を抑制できる衝撃エネルギー吸収構造が本出願人によって提案されている(例えば、特許文献2〜3参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−5503号公報
【特許文献2】
特開2002−316604号公報
【特許文献3】
特開2002−240664号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、通常は、フロントピラーや、その他ピラーにおいて、インナパネルと内装材との間に形成される空間には、エネルギー吸収体の他に、ワイヤハーネス類が配設されることが一般的であり、近年は特に、この空間には、エアバッグや各種ワイヤハーネス類を収納するためのスペース確保とともに、車両のデザイン上の制約等による小スペース化の要求がある。従って、この空間に配設されるエネルギー吸収体は、ワイヤハーネス類の配設スペースを確保するため、できるだけ小さなスペースで必要な性能を有するものが求められる。
【0006】
しかしながら、上記した従来の構造においては、エネルギー吸収体がエネルギー吸収のための変形時に外側に凸となるよう変形するため、その変形領域では、はワイヤハーネス類の配設が困難となるものであり、また、従来の断面形状をそのまま小型化した場合では、エネルギー吸収性能が低下してしまうという問題があった。
【0007】
それゆえ、本発明は、パネルと内装材との間に形成される空間にエネルギー吸収体を収容し、乗員が二次衝突する際の衝撃エネルギーを吸収する構造において、必要なエネルギー吸収性能を有しながら小型化が可能な自動車の車体上部の乗員保護構造を提供することを、その技術的課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は、請求項1に記載のように、2つのフランジ部を有するパネルと該パネルを覆う内装材との間に形成される空間に、押出成形された金属製のエネルギー吸収体を収容し、乗員が二次衝突する際の衝撃エネルギーを吸収する構造において、前記エネルギー吸収体は、前記空間内に、前記パネルの一方のフランジ部の近くとなるように配置されるとともに、閉断面からなる単一の中空断面形状を備え、前記中空断面形状は、前記内装材に実質的に沿って伸びている外壁面と、該外壁面の両端にそれぞれ接続される2つの側壁面とを有し、前記2つの側壁面のうち前記一方のフランジ部の反対側に位置する側壁面に、断面略く字状に屈曲して内側に突出する突設部を形成し、乗員の頭部が衝突すると、該突設部が閉じるように変形して衝撃エネルギーを吸収することを特徴とする自動車の車体上部の乗員保護構造とした。
【0009】
本発明に係る自動車の車体上部の乗員保護構造によれば、断面略く字状に屈曲して内側に突出する突設部を形成したので、エネルギー吸収体は、その中空断面形状が内側に入りこむ変形形態となるため、ワイヤハーネス類に干渉することなく必要なエネルギー吸収がなされ、乗員を確実に保護することができる。従って、十分なワイヤハーネス類の配設スペースを確保することが可能となる。
【0010】
好ましくは、請求項2に記載のように、突設部における中空断面形状の外側の角度は、140〜170°の範囲に設定することが望ましい。この角度が小さすぎると、エネルギー吸収体の変形量も小さくなり、大きすぎると、特設部における変形が生じにくくなる。よって、この角度を140〜170°の範囲に設定することにより、好適なエネルギー吸収性能を得ることができる。
【0011】
また好ましくは、請求項3に記載のように、エネルギー吸収体に、中空断面形状から前記一方のフランジ部の反対側へ内装材に実質的に沿って伸びている板状の突壁部を形成することが望ましい。この板状の突壁部により、パネルの一方のフランジ部の反対側からの衝撃に対しても、確実に中空断面形状が変形して衝撃エネルギーを吸収することができる。
【0012】
また好ましくは、請求項4に記載のように、エネルギー吸収体に、中空断面形状から前記一方のフランジ部側へ内装材に沿って伸びている板状の突壁部を形成することが望ましい。このように、パネルの一方のフランジ部側へ突壁部が伸びているので、衝突時に、乗員の頭部が内装材といっしょにエネルギー吸収体の前壁面を滑るように摺動して中空断面形状の変形が妨げられることを防止することができる。
【0013】
より好ましくは、エネルギー吸収体には、中空断面形状から外側に伸びてパネルに固定される板状の取付部が設けられていることが望ましい。これにより、中空断面形状を、更に一方のフランジ部の近くに配置することができ、よりワイヤハーネス類の配設スペースを確保することが可能となる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るエネルギー吸収構造を車体のフロントピラーに適用した一実施形態を図面に基づいて説明する。
【0015】
図1及び図2に示すように、自動車の車体上部のフロントピラー1は、アウタパネル11、該アウタパネル11に固定されるインナパネル12、13、該インナパネル12、13を覆うガーニッシュ(内装材)14及びエネルギー吸収体20等から構成されている。
【0016】
アウタパネル11は、外側に突出して屈曲されており、インナパネル12は、アウタパネル11の内部空間に突出して曲成されている。そして、インナパネル13は、インナパネル12の反対側(車室内方)に突出して曲成されており、その中心部は平坦部13bとなっている。このインナパネル13は、その両端に2つのフランジ部を有しており、その一方のフランジ部13aと他方のフランジ部13cに、インナパネル12及びアウタパネル11の両端のフランジのそれぞれ対応するものを重ね合わせて接合されている。
【0017】
インナパネル13の一方のフランジ部13aには、オープニングトリム19が取り付けられ、ドア3の密封性を保持できるようになっている。また、他方のフランジ部13c近傍には、フロントガラスGが配置されている。
【0018】
ガーニッシュ14は、例えば樹脂材にて形成されており、パネル11〜13の両端部においてその開口側(車室内方側)を覆う態様で装着されている。そして、インナパネル13及びガーニッシュ14の各内壁面との間でエネルギー吸収に必要な空間Sを形成している。この空間S内には、複数のワイヤハーネス17やドレンパイプ18が配設されている。
【0019】
エネルギー吸収体20は、アルミニウム合金押出材にて閉断面からなる単一の中空断面形状21を有した断面形状に形成されており、その断面形状がフロントピラー1の長手方向に延びるように空間S内に収容されている。従って、空間Sには、エネルギー吸収体20と一方のフランジ部13aとの間に空間S1が形成され、エネルギー吸収体20と他方のフランジ部13cとの間に空間S2が形成されている。エネルギー吸収体20は、空間S内において、一方のフランジ部13aの近くとなるように配置されており、空間S2に対して空間S1は小さくなるようにしてある。
【0020】
エネルギー吸収体20は、板状を呈した取付部24が空間S内に(図2においては左斜め上方に)伸びて形成されており、エネルギー吸収体20の長手方向両端部近傍2ヶ所で、この取付部24の挿通孔を挿通するスクリュ16により平坦部13bにおいてインナパネル13に締結されている。
【0021】
エネルギー吸収体20には、空間S1においてフランジ部13a側である外側(図2において右斜め上側)に板状を呈して伸びて形成された突部25が設けられている。この突部25は、エネルギー吸収体20が撓み変形することを防止する目的で設けられている。
【0022】
図3は、エネルギー吸収体20のみを示した図である。エネルギー吸収体20の中空断面形状21は、図2及び図3のごとく、ガーニッシュ14に実質的に沿って伸びている外壁面21bと、取付部24に接続している基壁面21eと、外壁面21bと基壁面21eとを連結する側壁面21a及び側壁面(壁面21c、21d)とを有する角状を呈している。即ち、外壁面21bの両端には、一方のフランジ部13a側に位置する側壁面21aと、一方のフランジ部13aと反対側に位置する側壁面(壁面21c、21d)の2つの側壁面が接続されている。
【0023】
尚、図3に示すように、説明の便宜上、側壁面21aと外壁面21bの間の頂点をP1とする。同様に、壁面21b、21c間、壁面21c、21d間、壁面21d、21e間、壁面21e、21a間の各頂点をそれぞれP2、P3、P4、P5とする。基壁面21eは、他の壁面(21a〜21d)と比べて大きな厚みを有しており、取付部24及び突部25と一体的な形状となっている。
【0024】
一方のフランジ部13aの反対側に位置する側壁面(壁面21c、21d)には、断面略く字状に屈曲して内側に突出する突設部Tが形成されている。本実施形態では、壁面21c、頂点P3、壁面21dにより突設部Tが構成されている。この突設部Tは、外側に凹となって空間S2に開口した形となっている。突設部Tにおける中空断面形状21の外側の角度θは、140〜170°の範囲が望ましく、本実施形態では、155〜160°の範囲に設定されている。
【0025】
図2に示すように、エネルギー吸収体20には、中空断面形状21の頂点P1から一方のフランジ部13a側へガーニッシュ14に実質的に沿って伸びている板状の突壁部23が形成されている。また、中空断面形状21のP2から一方のフランジ部13aの反対側へガーニッシュ14に実質的に沿って伸びている板状の突壁部22が形成されている。突壁部22は、突壁部23に比べて中空断面形状21から伸びている量が大きくなっている。
【0026】
次に、上記のように構成された本発明の一実施形態に係る自動車の車体上部の乗員保護構造における衝撃エネルギーの吸収態様を説明する。図4〜6は、エネルギー吸収体20による衝撃エネルギーの吸収態様を示す断面図である。尚、本実施形態におけるフロントピラー1は、運転席側を想定している。
【0027】
まず、図4に示すように、運転席の乗員(頭部H)が、運転席側からの方向である矢印F1方向から、このフロントピラー1に衝突したとする。このとき、乗員の頭部Hは、ガーニッシュ14を介して(又はガーニッシュ14が一次衝突により脱落した場合は、ガーニッシュ14を介さず直接に)エネルギー吸収体20の頂点P2近傍における前壁面21b又は突壁部22に衝突する。ここで、突設部Tを構成する壁面21cは、矢印F1方向と略平行となるように形成されているため、頂点P3が中空断面形状21の内側に入り込んで、突設部Tが閉じるように変形を始めるとともに、頂点P3(及び壁面21d)、頂点P1(及び側壁面21a)は、それぞれ頂点P4、P5を中心として反時計回りに回転する。即ち、頂点P3(及び壁面21d)、頂点P1(及び側壁面21a)は、フランジ部13a側に倒れ、図4に実線で示すように、エネルギー吸収体20の中空断面形状21全体が変形することで衝撃エネルギーが吸収される。つまり、図7の実線にて静的性能試験による変位と荷重との関係が示されるように、このような変形態様を実現したことで、運転席側からの方向である矢印F1方向からの荷重に対して理想的なエネルギー吸収が可能となる。
【0028】
一方、図5に示すように、運転席の乗員(頭部H)が、助手席側からの方向である矢印F2方向から、このフロントピラー1に衝突したとする。このとき、乗員の頭部Hは、突壁部22に衝突する。ここで、前壁面21b、突壁部22、頂点P2近傍における壁面21cは、頂点P3近傍における壁面21c、21dに比べて大きな肉厚として剛性が高められているため、突壁部22に作用する衝撃エネルギーが突設部Tに伝わり、頂点P3が中空断面形状21の内側に入り込んで、突設部Tが閉じるように変形を始めるとともに、頂点P3(及び壁面21d)、頂点P1(及び側壁面21a)は、それぞれ頂点P4、P5を中心として反時計回りに回転する。即ち、頂点P3(及び壁面21d)、頂点P1(及び側壁面21a)は、フランジ部13a側に倒れ、図5に実線で示すように、エネルギー吸収体20の中空断面形状21全体が変形することで衝撃エネルギーが吸収される。つまり、図7の破線にて静的性能試験による変位と荷重との関係が示されるように、このような変形態様を実現したことで、助手席側からの方向である矢印F2方向からの荷重に対しても理想的なエネルギー吸収が可能となる。
【0029】
また、図6に示すように、運転席の乗員(頭部H)が、運転席側からの方向である矢印F1方向よりフランジ部13a側(ドア3側)にずれた矢印F3方向から、このフロントピラー1に衝突したとする。このとき、乗員の頭部Hは、エネルギー吸収体20の頂点P2近傍における前壁面21bに衝突する。続いて、上述した矢印F1方向における衝突と同様に、頂点P3が中空断面形状21の内側に入り込んで、突設部Tが閉じるように変形を始める。即ち、図6に実線で示すように、エネルギー吸収体20の中空断面形状21全体が変形することで衝撃エネルギーが吸収される。つまり、図7の一点鎖線にて静的性能試験による変位と荷重との関係が示されるように、このような変形態様を実現したことで、運転席側からの方向である矢印F1方向からの荷重に対して理想的なエネルギー吸収が可能となる。
【0030】
取付部24及び突部25の肉厚を大きくして、具体的には1.5〜3.5mm程度に設定して変形しにくくすることで、衝突方向が矢印F3方向のような場合でも、中空断面形状21がつぶれずにフランジ部13aと反対側に逃げてしまうことなく確実に変形させることができ、必要なエネルギー吸収がなされる。また、突設部Tの変形を開始させやすくするため、頂点P3近傍の壁面21c、21dの肉厚を、前壁面21bの肉厚よりも薄く(具体的には0.8〜1.2mm程度に)薄く設定してある。
【0031】
以上詳述したように、本発明の一実施形態に係る自動車の車体上部の乗員保護構造によれば、側壁面(壁面21c、21d)が断面略く字状に屈曲して頂点P3が内側に突出する突設部Tを形成したので、エネルギー吸収体20は、その中空断面形状21が内側に入りこむ変形形態となるため、ワイヤハーネス17に干渉することなく必要なエネルギー吸収がなされ、乗員を確実に保護することができる。従って、十分なワイヤハーネス類の配設スペースを確保することが可能となる。
【0032】
また、エネルギー吸収体20に、中空断面形状21から一方のフランジ部13aの反対側へガーニッシュ14に実質的に沿って伸びている板状の突壁部22を形成したことにより、一方のフランジ部13aの反対側からの衝撃である矢印F2方向の衝撃に対しても、確実に中空断面形状が変形して衝撃エネルギーを吸収することができる。
【0033】
乗員の頭部Hがガーニッシュ14を介して衝突する場合、特に衝突位置がフランジ部13a側にずれた矢印F3方向の場合に、エネルギー吸収体20とガーニッシュ14との間の摩擦力が不足することで滑りが発生し、空間S1にガーニッシュがずれこんでしまうことでエネルギー吸収体20に衝撃エネルギーを十分伝えることができない現象が発生することがあるが、フランジ部13a側に突壁部23を形成することでガーニッシュ14が空間S1にずれこむことを防止することができ、衝撃エネルギーを確実にエネルギー吸収体に伝えることで必要なエネルギー吸収をすることができる。
【0034】
また、エネルギー吸収体20には、中空断面形状21から外側に伸びてパネルに固定される板状の取付部24が設けられていることにより、中空断面形状21を、更に一方のフランジ部13aの近くに配置することができ、よりワイヤハーネス17の配設スペースを確保することが可能となる。
【0035】
以上のように、上記した実施形態においては、いずれもエネルギー吸収体20をスクリュ16によりインナパネル13に締結した衝撃エネルギー吸収構造を示したが、本発明の実施にあたっては、エネルギー吸収体を接着剤によって内装材又はパネルに取り付けた場合でも、好適に衝撃エネルギーを吸収することができる。
【0036】
また、上記した実施形態においては、いずれもフロントピラー1に本発明を適用したが、例えばセンターピラーやリヤピラー、あるいはルーフサイドレールに適用してもよい。
【0037】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、パネルと内装材との間に形成される空間にエネルギー吸収体を収容し、乗員が二次衝突する際の衝撃エネルギーを吸収する構造において、必要なエネルギー吸収性能を有しながら小型化が可能な自動車の車体上部の乗員保護構造を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】自動車のフロントピラーの部分を示す概略図である。
【図2】本発明に係る乗員保護構造の一実施形態を示す図1の2―2断面図である。
【図3】図2に示すエネルギー吸収体20の断面図である。
【図4】図2に示す実施形態の作用説明図である。
【図5】図2に示す実施形態の作用説明図である。
【図6】図2に示す実施形態の作用説明図である。
【図7】図2に示す実施形態のエネルギー吸収特性をあらわす荷重−変位線図である。
【符号の説明】
11 アウタパネル
12、13 インナパネル(パネル)
13a 一方のフランジ部
13c 他方のフランジ部
14 ガーニッシュ(内装材)
20 エネルギー吸収体
21 中空断面形状
21a 側壁面
21b 前壁面
21c、21d 壁面(側壁面)
22、23 突壁部
24 取付部
T 突設部
θ 角度
S、S1、S2 空間
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両の衝突時に乗員が車体に二次衝突する際の衝撃エネルギーを吸収する自動車の車体上部の乗員保護構造に関し、特にパネルと内装材との間にエネルギー吸収体を収容した構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、車両が障害物に衝突した場合の乗員保護対策として、その衝撃エネルギーを直接吸収する一次衝突対策と、同衝突の反動によって乗員が車室内の壁面に衝突する際の障害値を抑制するようにエネルギー吸収する二次衝突対策とがある。
【0003】
こうした二次衝突する際の衝撃エネルギーを吸収する構造においては、車両のピラーを構成するインナパネルと対応する内装材(ガーニッシュ)とで形成される空間に所定の中空断面形状を有するエネルギー吸収体を設けたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。また、2方向からの衝撃エネルギーをそれぞれ好適に吸収することで各乗員の傷害値を抑制できる衝撃エネルギー吸収構造が本出願人によって提案されている(例えば、特許文献2〜3参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−5503号公報
【特許文献2】
特開2002−316604号公報
【特許文献3】
特開2002−240664号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、通常は、フロントピラーや、その他ピラーにおいて、インナパネルと内装材との間に形成される空間には、エネルギー吸収体の他に、ワイヤハーネス類が配設されることが一般的であり、近年は特に、この空間には、エアバッグや各種ワイヤハーネス類を収納するためのスペース確保とともに、車両のデザイン上の制約等による小スペース化の要求がある。従って、この空間に配設されるエネルギー吸収体は、ワイヤハーネス類の配設スペースを確保するため、できるだけ小さなスペースで必要な性能を有するものが求められる。
【0006】
しかしながら、上記した従来の構造においては、エネルギー吸収体がエネルギー吸収のための変形時に外側に凸となるよう変形するため、その変形領域では、はワイヤハーネス類の配設が困難となるものであり、また、従来の断面形状をそのまま小型化した場合では、エネルギー吸収性能が低下してしまうという問題があった。
【0007】
それゆえ、本発明は、パネルと内装材との間に形成される空間にエネルギー吸収体を収容し、乗員が二次衝突する際の衝撃エネルギーを吸収する構造において、必要なエネルギー吸収性能を有しながら小型化が可能な自動車の車体上部の乗員保護構造を提供することを、その技術的課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は、請求項1に記載のように、2つのフランジ部を有するパネルと該パネルを覆う内装材との間に形成される空間に、押出成形された金属製のエネルギー吸収体を収容し、乗員が二次衝突する際の衝撃エネルギーを吸収する構造において、前記エネルギー吸収体は、前記空間内に、前記パネルの一方のフランジ部の近くとなるように配置されるとともに、閉断面からなる単一の中空断面形状を備え、前記中空断面形状は、前記内装材に実質的に沿って伸びている外壁面と、該外壁面の両端にそれぞれ接続される2つの側壁面とを有し、前記2つの側壁面のうち前記一方のフランジ部の反対側に位置する側壁面に、断面略く字状に屈曲して内側に突出する突設部を形成し、乗員の頭部が衝突すると、該突設部が閉じるように変形して衝撃エネルギーを吸収することを特徴とする自動車の車体上部の乗員保護構造とした。
【0009】
本発明に係る自動車の車体上部の乗員保護構造によれば、断面略く字状に屈曲して内側に突出する突設部を形成したので、エネルギー吸収体は、その中空断面形状が内側に入りこむ変形形態となるため、ワイヤハーネス類に干渉することなく必要なエネルギー吸収がなされ、乗員を確実に保護することができる。従って、十分なワイヤハーネス類の配設スペースを確保することが可能となる。
【0010】
好ましくは、請求項2に記載のように、突設部における中空断面形状の外側の角度は、140〜170°の範囲に設定することが望ましい。この角度が小さすぎると、エネルギー吸収体の変形量も小さくなり、大きすぎると、特設部における変形が生じにくくなる。よって、この角度を140〜170°の範囲に設定することにより、好適なエネルギー吸収性能を得ることができる。
【0011】
また好ましくは、請求項3に記載のように、エネルギー吸収体に、中空断面形状から前記一方のフランジ部の反対側へ内装材に実質的に沿って伸びている板状の突壁部を形成することが望ましい。この板状の突壁部により、パネルの一方のフランジ部の反対側からの衝撃に対しても、確実に中空断面形状が変形して衝撃エネルギーを吸収することができる。
【0012】
また好ましくは、請求項4に記載のように、エネルギー吸収体に、中空断面形状から前記一方のフランジ部側へ内装材に沿って伸びている板状の突壁部を形成することが望ましい。このように、パネルの一方のフランジ部側へ突壁部が伸びているので、衝突時に、乗員の頭部が内装材といっしょにエネルギー吸収体の前壁面を滑るように摺動して中空断面形状の変形が妨げられることを防止することができる。
【0013】
より好ましくは、エネルギー吸収体には、中空断面形状から外側に伸びてパネルに固定される板状の取付部が設けられていることが望ましい。これにより、中空断面形状を、更に一方のフランジ部の近くに配置することができ、よりワイヤハーネス類の配設スペースを確保することが可能となる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るエネルギー吸収構造を車体のフロントピラーに適用した一実施形態を図面に基づいて説明する。
【0015】
図1及び図2に示すように、自動車の車体上部のフロントピラー1は、アウタパネル11、該アウタパネル11に固定されるインナパネル12、13、該インナパネル12、13を覆うガーニッシュ(内装材)14及びエネルギー吸収体20等から構成されている。
【0016】
アウタパネル11は、外側に突出して屈曲されており、インナパネル12は、アウタパネル11の内部空間に突出して曲成されている。そして、インナパネル13は、インナパネル12の反対側(車室内方)に突出して曲成されており、その中心部は平坦部13bとなっている。このインナパネル13は、その両端に2つのフランジ部を有しており、その一方のフランジ部13aと他方のフランジ部13cに、インナパネル12及びアウタパネル11の両端のフランジのそれぞれ対応するものを重ね合わせて接合されている。
【0017】
インナパネル13の一方のフランジ部13aには、オープニングトリム19が取り付けられ、ドア3の密封性を保持できるようになっている。また、他方のフランジ部13c近傍には、フロントガラスGが配置されている。
【0018】
ガーニッシュ14は、例えば樹脂材にて形成されており、パネル11〜13の両端部においてその開口側(車室内方側)を覆う態様で装着されている。そして、インナパネル13及びガーニッシュ14の各内壁面との間でエネルギー吸収に必要な空間Sを形成している。この空間S内には、複数のワイヤハーネス17やドレンパイプ18が配設されている。
【0019】
エネルギー吸収体20は、アルミニウム合金押出材にて閉断面からなる単一の中空断面形状21を有した断面形状に形成されており、その断面形状がフロントピラー1の長手方向に延びるように空間S内に収容されている。従って、空間Sには、エネルギー吸収体20と一方のフランジ部13aとの間に空間S1が形成され、エネルギー吸収体20と他方のフランジ部13cとの間に空間S2が形成されている。エネルギー吸収体20は、空間S内において、一方のフランジ部13aの近くとなるように配置されており、空間S2に対して空間S1は小さくなるようにしてある。
【0020】
エネルギー吸収体20は、板状を呈した取付部24が空間S内に(図2においては左斜め上方に)伸びて形成されており、エネルギー吸収体20の長手方向両端部近傍2ヶ所で、この取付部24の挿通孔を挿通するスクリュ16により平坦部13bにおいてインナパネル13に締結されている。
【0021】
エネルギー吸収体20には、空間S1においてフランジ部13a側である外側(図2において右斜め上側)に板状を呈して伸びて形成された突部25が設けられている。この突部25は、エネルギー吸収体20が撓み変形することを防止する目的で設けられている。
【0022】
図3は、エネルギー吸収体20のみを示した図である。エネルギー吸収体20の中空断面形状21は、図2及び図3のごとく、ガーニッシュ14に実質的に沿って伸びている外壁面21bと、取付部24に接続している基壁面21eと、外壁面21bと基壁面21eとを連結する側壁面21a及び側壁面(壁面21c、21d)とを有する角状を呈している。即ち、外壁面21bの両端には、一方のフランジ部13a側に位置する側壁面21aと、一方のフランジ部13aと反対側に位置する側壁面(壁面21c、21d)の2つの側壁面が接続されている。
【0023】
尚、図3に示すように、説明の便宜上、側壁面21aと外壁面21bの間の頂点をP1とする。同様に、壁面21b、21c間、壁面21c、21d間、壁面21d、21e間、壁面21e、21a間の各頂点をそれぞれP2、P3、P4、P5とする。基壁面21eは、他の壁面(21a〜21d)と比べて大きな厚みを有しており、取付部24及び突部25と一体的な形状となっている。
【0024】
一方のフランジ部13aの反対側に位置する側壁面(壁面21c、21d)には、断面略く字状に屈曲して内側に突出する突設部Tが形成されている。本実施形態では、壁面21c、頂点P3、壁面21dにより突設部Tが構成されている。この突設部Tは、外側に凹となって空間S2に開口した形となっている。突設部Tにおける中空断面形状21の外側の角度θは、140〜170°の範囲が望ましく、本実施形態では、155〜160°の範囲に設定されている。
【0025】
図2に示すように、エネルギー吸収体20には、中空断面形状21の頂点P1から一方のフランジ部13a側へガーニッシュ14に実質的に沿って伸びている板状の突壁部23が形成されている。また、中空断面形状21のP2から一方のフランジ部13aの反対側へガーニッシュ14に実質的に沿って伸びている板状の突壁部22が形成されている。突壁部22は、突壁部23に比べて中空断面形状21から伸びている量が大きくなっている。
【0026】
次に、上記のように構成された本発明の一実施形態に係る自動車の車体上部の乗員保護構造における衝撃エネルギーの吸収態様を説明する。図4〜6は、エネルギー吸収体20による衝撃エネルギーの吸収態様を示す断面図である。尚、本実施形態におけるフロントピラー1は、運転席側を想定している。
【0027】
まず、図4に示すように、運転席の乗員(頭部H)が、運転席側からの方向である矢印F1方向から、このフロントピラー1に衝突したとする。このとき、乗員の頭部Hは、ガーニッシュ14を介して(又はガーニッシュ14が一次衝突により脱落した場合は、ガーニッシュ14を介さず直接に)エネルギー吸収体20の頂点P2近傍における前壁面21b又は突壁部22に衝突する。ここで、突設部Tを構成する壁面21cは、矢印F1方向と略平行となるように形成されているため、頂点P3が中空断面形状21の内側に入り込んで、突設部Tが閉じるように変形を始めるとともに、頂点P3(及び壁面21d)、頂点P1(及び側壁面21a)は、それぞれ頂点P4、P5を中心として反時計回りに回転する。即ち、頂点P3(及び壁面21d)、頂点P1(及び側壁面21a)は、フランジ部13a側に倒れ、図4に実線で示すように、エネルギー吸収体20の中空断面形状21全体が変形することで衝撃エネルギーが吸収される。つまり、図7の実線にて静的性能試験による変位と荷重との関係が示されるように、このような変形態様を実現したことで、運転席側からの方向である矢印F1方向からの荷重に対して理想的なエネルギー吸収が可能となる。
【0028】
一方、図5に示すように、運転席の乗員(頭部H)が、助手席側からの方向である矢印F2方向から、このフロントピラー1に衝突したとする。このとき、乗員の頭部Hは、突壁部22に衝突する。ここで、前壁面21b、突壁部22、頂点P2近傍における壁面21cは、頂点P3近傍における壁面21c、21dに比べて大きな肉厚として剛性が高められているため、突壁部22に作用する衝撃エネルギーが突設部Tに伝わり、頂点P3が中空断面形状21の内側に入り込んで、突設部Tが閉じるように変形を始めるとともに、頂点P3(及び壁面21d)、頂点P1(及び側壁面21a)は、それぞれ頂点P4、P5を中心として反時計回りに回転する。即ち、頂点P3(及び壁面21d)、頂点P1(及び側壁面21a)は、フランジ部13a側に倒れ、図5に実線で示すように、エネルギー吸収体20の中空断面形状21全体が変形することで衝撃エネルギーが吸収される。つまり、図7の破線にて静的性能試験による変位と荷重との関係が示されるように、このような変形態様を実現したことで、助手席側からの方向である矢印F2方向からの荷重に対しても理想的なエネルギー吸収が可能となる。
【0029】
また、図6に示すように、運転席の乗員(頭部H)が、運転席側からの方向である矢印F1方向よりフランジ部13a側(ドア3側)にずれた矢印F3方向から、このフロントピラー1に衝突したとする。このとき、乗員の頭部Hは、エネルギー吸収体20の頂点P2近傍における前壁面21bに衝突する。続いて、上述した矢印F1方向における衝突と同様に、頂点P3が中空断面形状21の内側に入り込んで、突設部Tが閉じるように変形を始める。即ち、図6に実線で示すように、エネルギー吸収体20の中空断面形状21全体が変形することで衝撃エネルギーが吸収される。つまり、図7の一点鎖線にて静的性能試験による変位と荷重との関係が示されるように、このような変形態様を実現したことで、運転席側からの方向である矢印F1方向からの荷重に対して理想的なエネルギー吸収が可能となる。
【0030】
取付部24及び突部25の肉厚を大きくして、具体的には1.5〜3.5mm程度に設定して変形しにくくすることで、衝突方向が矢印F3方向のような場合でも、中空断面形状21がつぶれずにフランジ部13aと反対側に逃げてしまうことなく確実に変形させることができ、必要なエネルギー吸収がなされる。また、突設部Tの変形を開始させやすくするため、頂点P3近傍の壁面21c、21dの肉厚を、前壁面21bの肉厚よりも薄く(具体的には0.8〜1.2mm程度に)薄く設定してある。
【0031】
以上詳述したように、本発明の一実施形態に係る自動車の車体上部の乗員保護構造によれば、側壁面(壁面21c、21d)が断面略く字状に屈曲して頂点P3が内側に突出する突設部Tを形成したので、エネルギー吸収体20は、その中空断面形状21が内側に入りこむ変形形態となるため、ワイヤハーネス17に干渉することなく必要なエネルギー吸収がなされ、乗員を確実に保護することができる。従って、十分なワイヤハーネス類の配設スペースを確保することが可能となる。
【0032】
また、エネルギー吸収体20に、中空断面形状21から一方のフランジ部13aの反対側へガーニッシュ14に実質的に沿って伸びている板状の突壁部22を形成したことにより、一方のフランジ部13aの反対側からの衝撃である矢印F2方向の衝撃に対しても、確実に中空断面形状が変形して衝撃エネルギーを吸収することができる。
【0033】
乗員の頭部Hがガーニッシュ14を介して衝突する場合、特に衝突位置がフランジ部13a側にずれた矢印F3方向の場合に、エネルギー吸収体20とガーニッシュ14との間の摩擦力が不足することで滑りが発生し、空間S1にガーニッシュがずれこんでしまうことでエネルギー吸収体20に衝撃エネルギーを十分伝えることができない現象が発生することがあるが、フランジ部13a側に突壁部23を形成することでガーニッシュ14が空間S1にずれこむことを防止することができ、衝撃エネルギーを確実にエネルギー吸収体に伝えることで必要なエネルギー吸収をすることができる。
【0034】
また、エネルギー吸収体20には、中空断面形状21から外側に伸びてパネルに固定される板状の取付部24が設けられていることにより、中空断面形状21を、更に一方のフランジ部13aの近くに配置することができ、よりワイヤハーネス17の配設スペースを確保することが可能となる。
【0035】
以上のように、上記した実施形態においては、いずれもエネルギー吸収体20をスクリュ16によりインナパネル13に締結した衝撃エネルギー吸収構造を示したが、本発明の実施にあたっては、エネルギー吸収体を接着剤によって内装材又はパネルに取り付けた場合でも、好適に衝撃エネルギーを吸収することができる。
【0036】
また、上記した実施形態においては、いずれもフロントピラー1に本発明を適用したが、例えばセンターピラーやリヤピラー、あるいはルーフサイドレールに適用してもよい。
【0037】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、パネルと内装材との間に形成される空間にエネルギー吸収体を収容し、乗員が二次衝突する際の衝撃エネルギーを吸収する構造において、必要なエネルギー吸収性能を有しながら小型化が可能な自動車の車体上部の乗員保護構造を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】自動車のフロントピラーの部分を示す概略図である。
【図2】本発明に係る乗員保護構造の一実施形態を示す図1の2―2断面図である。
【図3】図2に示すエネルギー吸収体20の断面図である。
【図4】図2に示す実施形態の作用説明図である。
【図5】図2に示す実施形態の作用説明図である。
【図6】図2に示す実施形態の作用説明図である。
【図7】図2に示す実施形態のエネルギー吸収特性をあらわす荷重−変位線図である。
【符号の説明】
11 アウタパネル
12、13 インナパネル(パネル)
13a 一方のフランジ部
13c 他方のフランジ部
14 ガーニッシュ(内装材)
20 エネルギー吸収体
21 中空断面形状
21a 側壁面
21b 前壁面
21c、21d 壁面(側壁面)
22、23 突壁部
24 取付部
T 突設部
θ 角度
S、S1、S2 空間
Claims (5)
- 2つのフランジ部を有するパネルと該パネルを覆う内装材との間に形成される空間に、押出成形された金属製のエネルギー吸収体を収容し、乗員が二次衝突する際の衝撃エネルギーを吸収する構造において、
前記エネルギー吸収体は、前記空間内に、前記パネルの一方のフランジ部の近くとなるように配置されるとともに、閉断面からなる単一の中空断面形状を備え、前記中空断面形状は、前記内装材に実質的に沿って伸びている外壁面と、該外壁面の両端にそれぞれ接続される2つの側壁面とを有し、
前記2つの側壁面のうち前記一方のフランジ部の反対側に位置する側壁面に、断面略く字状に屈曲して内側に突出する突設部を形成し、乗員の頭部が衝突すると、該突設部が閉じるように変形して衝撃エネルギーを吸収することを特徴とする自動車の車体上部の乗員保護構造。 - 前記突設部における前記中空断面形状の外側の角度は、140〜170°の範囲に設定したことを特徴とする請求項1に記載の自動車の車体上部の乗員保護構造。
- 前記エネルギー吸収体に、前記中空断面形状から前記一方のフランジ部の反対側へ前記内装材に実質的に沿って伸びている板状の突壁部を形成したことを特徴とする請求項1に記載の自動車の車体上部の乗員保護構造。
- 前記エネルギー吸収体に、前記中空断面形状から前記一方のフランジ部側へ前記内装材に沿って伸びている板状の突壁部を形成したことを特徴とする請求項1に記載の自動車の車体上部の乗員保護構造。
- 前記エネルギー吸収体には、前記中空断面形状から外側に伸びて前記パネルに固定される板状の取付部が設けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の自動車の車体上部の乗員保護構造。
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2003
- 2003-01-31 JP JP2003024603A patent/JP2004231120A/ja active Pending
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