JP2004230374A - 汚染土壌等の浄化方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、汚染土壌等の浄化方法を提供することを目的とする。
【解決手段】 有機汚染物質を含有する土壌等に堆肥を混入する工程とたん水状態において嫌気状態にする土壌等の浄化方法、ダイオキシン類を含有する土壌等に還元剤を混入したん水状態にする土壌等の浄化方法、有機汚染物質を含有する土壌等に、酢酸を添加してスラリー化し、過酸化水素を添加する土壌等の浄化方法、ダイオキシン類に汚染した汚染土壌に触媒活性化補助剤と過酸化水素を添加する汚染土壌の浄化方法、及びダイオキシン類に汚染した汚染土壌に周期金属化合物を1種類、又は2種以上添加し攪拌混合し、当該汚染土壌に触媒活性化補助剤を添加し、当該汚染土壌に過酸化水素を添加する汚染土壌の浄化方法など。
【選択図】なし

Description

本発明は、汚染土壌等の浄化方法に関する。本発明は、より詳しくは、微生物を利用したり、酢酸などの触媒活性化補助剤を用いたフェントン反応(CFO:Compulsory Fenton Oxidation)により汚染土壌などを浄化する方法などに関する。
ダイオキシン類のような有機ハロゲン系化合物、POPs(残留性有機汚染物質)、多環芳香族炭化水素などは、一般に毒性が強く、人体のみならず自然環境に対して悪影響を及ぼすことが知られている。したがって、これら物質に汚染された土壌等を浄化することが望まれる。また、各種廃棄物を焼却処理した際に残存する焼却灰についても、その中に含まれる有害物質が残留する場合がある。したがって、このような灰についても、低毒化あるいは無害化処理することが望ましい。
堆肥を用いたダイオキシン類汚染土壌の好気的な浄化方法は、既に知られている(例えば、特許文献1(特開2000−107742号公報))。しかしながら、特に高塩化ダイオキシン類は、好気的微生物群によって分解されにくいという問題がある。
鉄粉等の金属還元剤を用いたトリクロロエチレンの脱塩素技術は既に知られている(例えば、非特許文献1(今村聡著「土壌汚染浄化の実話例(土壌における難分解性有機化合物・重金属汚染の浄化技術,NTS,2002)」)など)が、あくまで低分子の塩素系炭化水素を分解する技術を開示するにとどまり、ダイオキシン類を分解する技術については開示されていない。
ダイオキシン類のような汚染物質を分解する方法として、フェントン反応を利用した方法が知られている。一般的には、鉄イオン(または銅イオン)存在下で、下記の化学反応式で表されるいわゆるフェントン反応が起こる。
Fe + + H → Fe + + OH- + OH ...[1]
Fe + + OH → Fe ++ OH- ...[2]
Fe ++ H → Fe+ + H+ + OOH...[3]
式[1]〜[3]を合わせると、
Fe + + 2H → Fe + + H+ + 2OH- + OOH ...[4]
フェントン反応においては、例えば鉄(II)塩1モルと過酸化水素2モルが反応して、ヒドロペルオキシラジカル・OOHが1モル発生する。ヒドロペルオキシラジカルは、 OOH + C → COOH ...[5]により有機物と反応する。すなわち、有機体炭素1モルと過酸化水素2モルの割合で反応が進んで有機物が酸化され、有機物の二酸化炭素と水への分解又は低分子量物質への変換が進む。
例えば、上記のような反応式で表されるフェントン反応は、主に汚染水の浄化のために研究されてきた。すなわち、ダイオキシン類を含む汚染水(廃水など)をフェントン反応を用いて浄化する技術は、既に知られている(例えば、特開平5−345189号公報、特開平6−91276号公報、特開平10−277568号公報、特開2001−259688号公報など)。これらは、鉄又は鉄の塩などの触媒と過酸化水素水とを反応させ、フェントン反応を引き起こすことにより、汚染水中のダイオキシン類などを分解する方法に関する。
しかしながら、汚染水中での化学反応は、汚染土壌のような固体系では必ずしもうまく進行しない。したがって、フェントン反応を利用したダイオキシン類を含む汚染土壌や灰の浄化技術に関する報告例は極めて少ない。1999年にワッツ(Watts)らは、人工汚染土壌を用いてフェントン反応を用いたOCDD(オクタクロロジベンゾ−p−ジオキシン)の分解反応を行った(下記、非特許文献2(Watts R. J. et. al., Catalyzed hydrogen peroxide treatment of octachloro dibenzo-p-dioxin (OCDD) in surface soils, Chemosphere., 23(7)949-955(1991))参照。)。
また、具体的なフェントン反応を利用した汚染土壌の浄化方法としては、「ダイオキシン類を含む固体に水を加え、湿潤状態又はスラリー状態で混練又は撹拌しながら、硫酸第1鉄を前記固体当たりFe換算で0.1wt%以上添加し、次いで過酸化水素水を前記固体当たりH換算で1〜10wt%添加して、ダイオキシン類を分解する固体中のダイオキシン類の分解方法」が知られている(下記、特許文献2(特開2000−197867号公報)参照。)。すなわち、この技術では、汚染土壌に水を加えて湿潤状態、又はスラリー状にして、混練機中で浄化処理を行う。
ダイオキシン類を含む焼却灰を水スラリー溶液とし、その水スラリー溶液に過酸化水素などの酸化剤を添加し、25℃以上の温度で所定の処理をすることを特徴とする焼却灰中のダイオキシン類分解方法も知られている(特開2000−279921号公報)。すなわち、この技術では、焼却灰を一旦スラリー状にした後に、浄化処理を施す。この技術では、土中の鉄、銅などの遷移金属化合物が触媒作用を行うことが想定されている(同文献、段落[0015]欄。)。
また、フェントン反応と同様、ヒドロキシラジカルを発生させ、ダイオキシン類を含む焼却灰等を分解する技術が知られている(特開2002−273369号公報)。この技術では、過酸化水素とオゾンを用いて、ヒドロキシラジカルを発生させる。
特開2000−107742号公報 特開2000−197867号公報 今村聡著「土壌汚染浄化の実話例(土壌における難分解性有機化合物・重金属汚染の浄化技術,NTS,2002)」 Watts R. J. et. al., Catalyzed hydrogen peroxide treatment of octachloro dibenzo-p-dioxin (OCDD) in surface soils, Chemosphere., 23(7)949-955(1991)
本発明は、嫌気性微生物群の浄化機能を効果的に活用した汚染土壌等の浄化方法を提供することを目的とする。
本発明は、微生物の浄化機能を利用しつつ、微生物を培養せずにそのまま活用する汚染土壌等の浄化方法を提供することを目的とする。
本発明は、ダイオキシン類などの有機汚染物質で汚染された土壌等の簡便な浄化方法を提供することを目的とする。
本発明は、ダイオキシン類などの有機汚染物質で汚染された土壌等を一度に大量に浄化できる汚染土壌等の浄化方法を提供することを目的とする。
本発明は、ダイオキシン類などの有機汚染物質で汚染された土壌等に対し、環境負荷の少ない浄化方法を提供することを目的とする。
本発明は、汚染土壌をスラリー状等にすることなく、そのままの位置で浄化できる汚染土壌の浄化方法を提供することを目的とする。
本発明は、汚染土壌をスラリー状等にすることなく、そのまま浄化できる汚染土壌の浄化方法を提供することを目的とする。
本発明は、従来の一般的な工法に比べて、簡易な設備により穏やかな条件で、汚染土壌を浄化できる汚染土壌の浄化方法を提供することを目的とする。
本発明は、処理時間が短く、低コストにて汚染土壌を浄化できる汚染土壌の浄化方法を提供することを目的とする。
(1)上記の目的の少なくともひとつ以上を解決するため本発明の第1の態様にかかる汚染土壌等の浄化方法は、有機汚染物質を含有する土壌、底泥、又は灰に、堆肥を混入する工程と、堆肥を混入した有機汚染物質含有土壌、底泥、又は灰を嫌気状態(還元状態)にする工程とを含む土壌、底泥、又は灰の浄化方法である。
この発明では、多様な微生物群を培養せずにそのまま用いるので、自然界で圧倒的多数を占めている培養困難な微生物群をダイオキシン類などの有機汚染物質を浄化するために活用できる。また、いったん自然界から分離培養した分解菌を汚染土壌の浄化に用いるバイオオーギュメンテーション法では、自然生態系の微生物群の機能多様性を有効に活用すしにくい。また、土壌や底泥の中には、多様な土着菌が高密度に生息しており、そこに外来性の微生物を添加しても、土着菌との競合に勝ち抜き、目的の機能を発揮できる水準まで、菌の密度を維持(すなわち定着)することは、多くの場合困難である。したがって、堆肥中に存在する嫌気性微生物群を培養せずにそのまま利用する本発明は、従来の汚染土壌等の浄化方法に比べて、嫌気性微生物群の汚染物質浄化機能を効果的に活用できる。また、本発明は、微生物を培養しないので、汚染土壌の浄化コストを軽減できる。
(2)本発明の第1の態様にかかる汚染土壌等の浄化方法は、好ましくは嫌気状態にする工程が、たん水状態(たんぼに水をはるように、堤内に汚染土壌等とともに水をためる処理施した状態)において行われる。たん水状態であれば、比較的大量の汚染土壌等を一度に浄化できる。
堆肥を用いたダイオキシン類汚染土壌の好気的な浄化方法は、既に知られている(例えば、特開2000−107742号公報)。しかしながら、特に高塩化ダイオキシン類は、好気的微生物群によって分解されにくいものもある。一方、堆肥にはメタン菌など嫌気性部生物群が生息している。そこで、本発明では、微生物が含まれる堆肥を汚染土壌に混入し、それをたん水状態(嫌気状態)としたものである。嫌気性微生物がダイオキシン類の浄化に有効であることは、既に知られている(例えば、平石明ら「生物学的ダイオキシン分解技術の開発」平成12年度廃棄物処理等科学研究成果発表会:URL:http://jesc.or.jp/report/sympo01/17.html)。なお、この報告では、低濃度のダイオキシン類に汚染された底泥に糖を添加しているが、堆肥を添加する技術は開示されていない。
(3)本発明の第1の態様にかかる汚染土壌等の浄化方法は、好ましくは、有機汚染物質が、ダイオキシン類、PCB、残留農薬、油のいずれか、又はこれらのうち2つ以上である。
(4)上記の目的の少なくともひとつ以上を解決するため本発明の第2の態様にかかる汚染土壌等の浄化方法は、ダイオキシン類を含有する土壌、底泥、又は灰に還元剤を混入し、たん水状態にする土壌、底泥、又は灰の浄化方法に関する。
鉄粉等の金属還元剤を用いたトリクロロエチレンの脱塩素技術は既に知られている(例えば、今村聡著「土壌汚染浄化の実話例(土壌における難分解性有機化合物・重金属汚染の浄化技術,NTS,2002)」など)が、あくまで低分子の塩素系炭化水素を分解する技術を開示するにとどまり、ダイオキシン類を分解する技術については開示されていない。
また、汚染土壌をスラリー化して、フェントン試薬を添加して攪拌する汚染土壌の浄化方法が知られている(例えば、上記の特許文献2参照)。しかしながら、この方法では、限られた装置内でわずかな量の汚染土壌しか浄化できない。第2の態様にかかる汚染土壌等の浄化方法によれば、プールや、水田や池など大掛かりなくぼみを設けてたん水処理することにより一度に大量の汚染土壌等を浄化することができる。さらには、第2の態様にかかる汚染土壌等の浄化方法によれば、発熱等することなく、穏やかな条件下で汚染土壌等を浄化できることとなる。さらには、先に説明したとおり、土中の嫌気性細菌を活性化できるので、効果的にダイオキシン類を浄化できる。
(5)本発明の第2の態様にかかる汚染土壌等の浄化方法は、好ましくは、還元剤が、鉄粉、又は二酸化チオ尿素である。
(6)上記の目的の少なくともひとつ以上を解決するため本発明の第3の態様にかかる汚染土壌等の浄化方法(触媒酸化法)は、有機汚染物質を含有する土壌、底泥、又は灰に、酢酸を添加してスラリー化するスラリー化工程と、前記のスラリー化工程において、スラリー化した有機汚染物質含有土壌、底泥、又は灰に、過酸化水素を添加する過酸化水素添加工程を含む土壌、底泥、又は灰の浄化方法である。
従来の触媒酸化法(フェントン反応など)では、系外から触媒を添加する(例えば、上記の特許文献2参照)。一方、本発明では、汚染土壌等に元々含まれている鉄イオンや銅イオンなどの重金属類を酢酸等の有機酸などによる酸処理により溶出させ、そのまま過酸化水素を用いたフェントン反応の触媒として用いるので、コストを軽減でき、また環境負荷も小さくすることが可能である。さらには、本発明によれば、触媒としての重金属を添加しないので、重金属汚染と複合汚染除去にも有効である。さらには、酢酸は自然界で自然分解されやすいので、酸を加えても環境負荷が少なくて済む。すなわち、本発明の第3の態様にかかる汚染土壌等の浄化方法においては、重金属類を汚染物質系に実質的に添加しない、汚染土壌の浄化方法を提供する。
(7)本発明の第3の態様にかかる汚染土壌等の浄化方法(触媒酸化法)の別の態様としては、前記の酢酸に代えて、又は酢酸とともに、木酢液、酸性温泉水、蟻酸、過蟻酸、過酢酸のいずれか、またはこれらを2種以上用いる土壌、底泥、又は灰の浄化方法が挙げられる。
後述のとおり、酢酸のみならずこれらの有機酸であっても汚染土壌の浄化に有効であることを試験により確認した。また、これらは自然において分解されやすく、酢酸同様環境負荷が少なくて済む。
(8)本発明の第3の態様にかかる汚染土壌等の浄化方法(触媒酸化法)は、好ましくは、有機汚染物質が、ダイオキシン類、PCB、残留農薬、油、重金属と有機汚染物質との複合体のいずれか、又はこれらのうち2つ以上である土壌、底泥、又は灰の浄化方法である。先に説明したとおり、この浄化方法がダイオキシン類の浄化に有効であることは実施例で確認済みであるが、上記のような有機汚染物質も効果的に除去できると考えられるからである。
(9)本発明の第3の態様にかかる汚染土壌等の浄化方法(触媒酸化法)は、好ましくは、土壌、底泥、又は灰に、加熱処理、及び加熱加圧処理のいずれかを施しつつ浄化を行う土壌、底泥、又は灰の浄化方法である。加熱処理、又は加熱加圧処理を施すことで、効果的にフェントン反応を引き起こし、汚染土壌の浄化効率を上げられる。加熱処理、又は加熱加圧処理は、スラリー化工程、及び過酸化水素添加工程の両方において行われてもよいし、過酸化水素添加工程においてのみ行われてもよく、過酸化水素添加工程の後に行われてもよい。加熱処理、及び加熱加圧処理によって化学反応の速度を上げることができる。
(10)本発明の第3の態様にかかる汚染土壌等の浄化方法(触媒酸化法)は、好ましくは、土壌、底泥、又は灰が、常温以上100℃以下の環境下、または、100℃以上200℃以下かつ、1気圧以上10気圧以下の環境下で行う。このような環境下であれば、触媒等の活性が向上するので、汚染土壌等の浄化速度を早めることができる。
(11)上記の課題のうち少なくとも一つ以上を解決するため、本発明の第4の態様にかかる汚染土壌の浄化方法は、ダイオキシン類に汚染した汚染土壌に触媒活性化補助剤を添加する触媒活性化補助剤添加工程と、汚染土壌に過酸化水素を添加する過酸化水素添加工程とを含む汚染土壌の浄化方法である。なお、触媒活性化補助剤添加工程と過酸化水素添加工程とは別々に行われてもよいし、同時に行われてもよい。
本発明の第4の態様にかかる汚染土壌等の浄化方法は、特に鉄などの触媒(フェントン反応における触媒)を汚染土壌に添加することなく、汚染土壌中に存在する金属を溶融して、フェントン反応を引き起こすものである。また、すなわち、第4の態様にかかる汚染土壌等の浄化方法は、特に汚染土壌をスラリー化することなく、土壌状態のままで、好ましくは汚染土壌を攪拌しつつ触媒活性化補助剤、及び過酸化水素を添加する。
(12)本発明の第4の態様にかかる汚染土壌の浄化方法は、好ましくは触媒活性化補助剤が、酢酸、木酢液のいずれか、又は両方である。これらであればフェントン反応を引き起こし、十分に汚染土壌を浄化できるからである。また、酢酸や木酢液は自然分解されるので環境負荷が少なくて済むからである。
(13)本発明の第4の態様にかかる汚染土壌の浄化方法は、好ましくは酢酸の濃度が、20〜100質量%であり、前記の木酢液の濃度が、20〜100質量%であり、前記の過酸化水素の濃度が、3〜35質量%である。この濃度であれば、特に有効に汚染土壌を浄化できる。
(14)本発明の第4の態様にかかる汚染土壌の浄化方法は、好ましくは過酸化水素の添加量が、過酸化水素換算で、汚染土壌100重量部に対して、1重量部〜200重量部である。
(15)本発明の第4の態様にかかる汚染土壌の浄化方法の別の態様としては、触媒活性化補助剤添加工程と過酸化水素添加工程とは別の槽内において行われ、触媒活性化補助剤用槽内で、ダイオキシン類に汚染した汚染土壌に触媒活性化補助剤を添加し攪拌した後に、当該汚染土壌を過酸化水素添加槽内に移し、過酸化水素を添加し、攪拌するものが挙げられる。触媒活性化補助剤用槽と、過酸化水素添加槽とが別々に設けられるので、触媒活性化補助剤と、過酸化水素を回収し再利用できる。
(16)上記の課題のうち少なくとも一つ以上を解決するため、本発明の第5の態様にかかる汚染土壌の浄化方法は、ダイオキシン類に汚染した汚染土壌に周期金属化合物を1種類、又は2種以上添加し攪拌混合する触媒添加工程と、当該汚染土壌に触媒活性化補助剤を添加する触媒活性化補助剤添加工程と、当該汚染土壌に過酸化水素を添加する過酸化水素添加工程とを含む汚染土壌の浄化方法である。
周期金属化合物と過酸化水素からなるフェントン試薬を添加する汚染土壌の浄化方法は既に知られている(例えば、上記の特許文献2参照。)。しかし、本発明の第5の態様にかかる汚染土壌の浄化方法では、当該汚染土壌に触媒活性化補助剤を添加することにより、土中の金属を溶解させフェントン反応をより効果的に引き起こす。また、触媒の活性を高めるので、フェントン反応がより効果的に進み、汚染土壌が効果的に浄化されることとなる。
(17)本発明の第5の態様にかかる汚染土壌の浄化方法は、好ましくは触媒活性化補助剤が、酢酸、木酢液のいずれか、又は両方である。これらであればフェントン反応を引き起こし、十分に汚染土壌を浄化できるからである。また、酢酸や木酢液は自然分解されるので環境負荷が少なくて済むからである。
(18)本発明の第5の態様にかかる汚染土壌の浄化方法は、好ましくは酢酸の濃度が、20〜100質量%であり、前記の木酢液の濃度が、20〜100質量%であり、前記の過酸化水素の濃度が、3〜35質量%である。この濃度であれば、特に有効に汚染土壌を浄化できる。
(19)本発明の第5の態様にかかる汚染土壌の浄化方法は、好ましくは前記の過酸化水素添加工程における過酸化水素の添加量が、過酸化水素換算で、汚染土壌100重量部に対して、1重量部〜200重量部である。
(20)本発明の第5の態様にかかる汚染土壌の浄化方法の別の態様としては、触媒活性化補助剤添加工程と過酸化水素添加工程とは別の槽内において行われ、触媒活性化補助剤用槽内で、ダイオキシン類に汚染した汚染土壌に触媒活性化補助剤を添加し攪拌した後に、当該汚染土壌を過酸化水素添加槽内に移し、過酸化水素を添加し、攪拌するものが挙げられる。触媒活性化補助剤用槽と、過酸化水素添加槽とが別々に設けられるので、触媒活性化補助剤と、過酸化水素を回収し再利用できる。
(21)本発明の第5の態様にかかる汚染土壌の浄化方法として好ましくは、触媒が鉄、及び硫化第一鉄のいずれか又は両方である汚染土壌の浄化方法が挙げられる。
(22)本発明の第5の態様(又は第4の態様)にかかる汚染土壌の浄化方法の別の態様としては、汚染土壌に木炭灰を添加し攪拌・混合する工程を含む汚染土壌の浄化方法が挙げられる。
本発明によれば、嫌気性微生物群を効果的に活用した汚染土壌等の浄化方法を提供できる。
本発明によれば、微生物の浄化機能を利用しつつ、微生物を培養せずにそのまま活用する汚染土壌等の浄化方法を提供できる。
フェントン反応は、水酸化物イオンやヒドロキシラジカルを発生する反応であるので、通常は溶液中で行われる。したがって、フェントン反応により汚染土壌を浄化する場合は、通常汚染土壌をスラリー状等にする必要があった。このため、一旦、混練機などに汚染土壌を移し、そこで汚染土壌を浄化して、浄化した土壌を元の位置に戻していた。しかしながら、本発明によれば、酢酸等の触媒活性化補助剤の働きにより、触媒を活性化できるので汚染土壌をスラリー状等にすることなく、そのままの位置で浄化できる汚染土壌の浄化方法を提供できる。
汚染土壌の浄化に用いられる従来の一般的な工法では、混練機など大掛りな設備が必要である。しかしながら、本発明によれば、例えば、汚染土壌を掘ることで汚染土壌の浄化スペースを確保でき、オンサイトかつ穏やかな温度条件で汚染土壌を浄化できる。
また、本発明によれば、過酸化水素と、自然由来の木酢液とを用いて汚染土壌を浄化できるので、処理時間が短縮されるとともに、環境負荷の軽減を図ることができる。
(1.汚染土壌等の浄化方法−1−)
本発明の第1の態様にかかる汚染土壌等の浄化方法は、有機汚染物質を含有する土壌、底泥、又は灰に、堆肥を混入する工程と、堆肥を混入した有機汚染物質含有土壌、底泥、又は灰を嫌気状態(還元状態)にする工程とを含む土壌、底泥、又は灰の浄化方法である。
一般に堆肥には高密度の有機物分解微生物群が生息している。特に植物系廃材を原料とした堆肥は、ダイオキシン等と構造がある程度は類似している芳香族炭化水素を多く含んでおり、それらを分解する微生物群の中にダイオキシンを分解する微生物群が含まれていると考えられる。したがって、ダイオキシン類等の有機汚染物質を分解するために堆肥を活用することは有用である。ダイオキシン類は、難分解性の有機塩素系化合物であり、ポリ塩化ジベンゾ・パラ・ダイオキシン類(PCDDs)、ポリ塩化ジベンゾフラン類(PCDFs)、コプラナPCB(ポリ塩化ビフェニル)類の総称である。2,3,7,8−四塩化ダイオキシン(TCDD)などダイオキシン類はその毒性が高いことが知られている。ダイオキシン類の毒性は、2,3,7,8−四塩化ダイオキシン(TCDD)を基準とした等価濃度(TEQ)で表示される。
上述のように、堆肥を用いて浄化できる有機汚染物質としてはダイオキシン類が挙げられるが、堆肥はPCB(ポリ塩化ビフェニル)、残留農薬、油、化学兵器と類似した化学構造を有するものがあるのでこれらのいずれか、又はこれらのうち2つ以上を含む汚染土壌等の浄化にも、本発明は有効に用いられる。
なお、本明細書における汚染土壌等の浄化技術は、ダイオキシン類を浄化するのに有効であることは実施例などで実証済みである。そして、原理的に考えれば、ダイオキシン類だけでなく、PCB、残留農薬、油、化学兵器などの有機汚染物質の浄化処理にも有効である。
また、一般に微生物群は、酸素要求性によって好気性微生物群と嫌気性微生物群とに分類できる。そして、堆肥の中には、それら両方が生息していることが知られている。実際、堆肥を土壌に混入した上で、湛(たん)水し、30℃〜35℃で培養すると、3日程度後には活発なガスが発生することが確認できる。このガスは、嫌気状態で活性化されるメタン菌や水素生成菌等によるものと考えられる。このことから、たん水状態において、土壌中で有機物が活発に嫌気分解されているものと考えられる。また、嫌気分解過程で、ダイオキシン類が嫌気分解されると考えられる。なお、たん水状態とは、たんぼに水をはるように、堤内に汚染土壌等とともに水をためる処理施した状態をいう。
本発明の第1の態様にかかる汚染土壌等の浄化方法における堆肥としては、公知の堆肥を用いることができ特に限定されないが、植物系廃材、(好ましくは、腸内細菌由来の嫌気性物群を高密度に含む)牛糞堆肥、鶏糞堆肥、豚糞堆肥などの堆肥が挙げられ、先に説明した理由から、好ましくは植物系廃材を原料としたものであり、より好ましくは刈草、バーク、間伐材、稲藁(わら)のいずれか又は2種以上を混合したものを原料としたものである。
植物系廃材の原料としては、Bromus japonicus(イヌムギ)、Equisetum arvemse(スギナ)、Erigeron philadelphicus(ハルジオン)、Tradescantia spp.(ムラサキツユクサ)、Rumex acetosa(スイバ)、Lapsana apogonoides(タビラコ)、Artemisia princeps(ヨモギ)、Vicia angustifolia var. segetalis(カラスノエンドウ)、Miscanthus sinensis(ススキ)、Eleusine indica(オヒシバ)、Taraxacum officinale(セイヨウタンポポ)、Poa annua(スズメノカタビラ)、Brassica(アブラナ)、Sagina japonica(ツメクサ)、Cayratia japonica (Thumb.) Gagn. (ヤブガラシ)を1種、又は2種以上混合集積したものが挙げられる。
添加する堆肥の量は、用いる堆肥の種類や、汚染土壌等の状況などにより変化するため特に限定されないが、一般には、汚染土壌1kgに対して、10g〜10kg添加し、好ましくは100gから5kg添加し、より好ましくは250g〜1kg添加する。
堆肥の添加方法は、特に限定されないが、汚染土壌等をなんからの手段により攪拌しつつ堆肥を添加することが好ましい。本発明の第1の実施態様にかかる発明を、施設内の槽や、移動車内など比較的小さな装置内で行う場合は、人力で攪拌するか動力源に連結された攪拌翼を用いればよい。
本発明の第1の態様にかかる汚染土壌等の浄化方法においては、堆肥を混入した汚染土壌を湛(たん)水状態にする。たん水のための装置(たん水場)は、水田やプール、土壌を掘ったもの、土壌を掘ってシートを敷いたもの、槽など、たん水することができる装置であれば特に限定されるものではない。例えば、富山県の富岩運河のように大量の運河底泥が浄化対象となる場合は、特に浚渫しなくとも、汚染底泥の堆肥攪拌時の拡散を防止するためその運河の上流域、下流域をコンクリート等で閉鎖した上で、堆肥を底泥に混入し、運河のままで浄化させてもよい。
すなわち、河川や運河など底泥を浄化する場合は、流れをせき止める工程と、底泥に堆肥を混入する工程とを含む浄化方法により、底泥の汚染を浄化できる。さらには、池などの水溜りの底泥を浄化する場合は、単に池などに堆肥を混入すればよい。
嫌気状態における水の温度としては、コストを下げるため常温で行ってもよいが、嫌気性微生物群を活性化させるために、30℃〜35℃に維持することが好ましい。常温で浄化を行う場合は、春から秋の間(例えば、春分の日から、秋分の日までの間の何日か)の期間において浄化処理を行うことが好ましい。冬期は、一般に気温が低く、微生物の活性が低減する場合があるからである。なお、毎年春季(例えば春分の日から夏至までの期間)に、汚染土壌に堆肥を混入し、数年(2〜6年、好ましくは3〜5年)かけて汚染土壌を浄化してもよい。すわなち、たん水時間は、汚染土壌等の汚染濃度や堆肥の状態などにもよるが、3日〜10年が挙げられ、例えば、1日から7日、1週間から4週間、1ヶ月から3ヶ月、3ヶ月〜6ヶ月、6ヶ月から1年、1年〜3年、3年〜5年、5年〜10年、など適宜浄化期間を選択できる。
実際に、化学工場敷地から採取された高濃度ダイオキシン汚染土壌(1800pgTEQ/g程度)に、植物系廃材堆肥を混入し、たん水状態で6週間嫌気培養させたところ、3割程度のダイオキシン量の分解がCAULUX法にて確認できた。
なお、たん水状態で、汚染土壌等の浄化処理を行った後に、たん水状態を解除して好気条件にして(例えば、たん水状態で分解したと異なる化学構造式を有する汚染物質を浄化する)汚染土壌等の浄化を進めること(二段階法)は、本発明の望ましい別の実施態様である。
(2.汚染土壌等の浄化方法−2−)
本発明の第2の態様にかかる汚染土壌等の浄化方法は、ダイオキシン類を含有する土壌、底泥、又は灰に還元剤を混入し、たん水状態にする土壌、底泥、又は灰の浄化方法に関する。
たん水状態については、本発明の第1の態様に係る汚染土壌等の浄化方法におけると同様である。
本発明の第2の態様にかかる汚染土壌等の浄化方法における還元剤としては、安価かつ環境に優しいため鉄粉が好ましいが、例えばトリタビリティテスト次第では二酸化チオ尿素などの他の還元剤を用いてもよい。すなわち、トリタビリティテストで、二酸化チオ尿素を使用した方が分解率が上がる場合で、かつ分解率の上昇が二酸化チオ尿素の使用により増加する費用に見合う場合に二酸化チオ尿素を使用する。また、還元剤として後述の触媒を利用できる。
触媒としては、炭、灰、金属、金属化合物、又は金属錯体が挙げられる。金属、又は金属化合物としては、Fe、Mn、Co、Ni、Tiなどの遷移金属、またはFe、Cuなどの金属イオンの価数が変化しうる金属を1種または2種以上が挙げられ、好ましくは鉄、銅、鉄化合物、銅化合物であり、鉄化合物、又は銅化合物としては、硫化鉄(II)、硫化鉄(III)、塩化鉄(II)、塩化鉄(III)、硝酸鉄(II)、硝酸鉄(III)、過酸化鉄(II)、過酸化鉄(III)、フェロシアン化鉄、フェリシアン鉄、水酸化鉄(II)、水酸化鉄(III)、酸化鉄(II)、酸化鉄(III)、ロダン鉄(II)、ロダン鉄(III)、硫化銅、塩化銅、硝酸銅、酸化銅のうちいずれか1種、又は2種以上が挙げられる。
金属または金属化合物は粉末、板状、塊状、多孔質体などいずれの形状でも良いが、好ましくは多孔質フィルターのように接触面が大きいものである。また、金属はイオンの状態で添加されてもよい。
金属錯体としては、Fe、Mn、Co、Ni、Tiなどの遷移金属、またはFe、Cuなどの金属イオンの価数が変化しうる金属と、クエン酸、酒石酸、りんご酸、アスコルビン酸、マレイン酸、粘液酸、EDTAなどの一塩基酸、多塩基酸、オキシカルボン酸、アミノ酸などの金属と容易に錯形成する有機化合物との反応生成物が挙げられる。
灰としては、木炭灰が挙げられる。金属触媒と、灰は別々に用いてもともに用いてもよいが、好ましくはともに用いる。
添加する還元剤の量は、用いる還元剤の種類や、汚染土壌等の状況などにより変化するため特に限定されないが、一般には、汚染土壌1kgに対して、2g〜2kg添加し、好ましくは200gから1kg添加し、より好ましくは50g〜200g添加する。
還元剤の添加方法は、特に限定されないが、汚染土壌等をなんからの手段により攪拌しつつ還元剤を添加することが好ましい。本発明の第2の実施態様にかかる発明を、施設内の槽や、移動車内など比較的小さな装置内で行う場合は、人力で攪拌するか動力源に連結された攪拌翼を用いればよい。
実際に、化学工場敷地から採取された高濃度ダイオキシン汚染土壌(1800pgTEQ/g程度)に、鉄粉を10重量%混入し、たん水状態で6週間嫌気培養させたところ、4割程度のダイオキシン量の分解がCAULUX法にて確認できた。
なお、たん水状態で、汚染土壌等の浄化処理を行った後に、たん水状態を解除して好気条件にして(例えば、たん水状態で分解したと異なる化学構造式を有する汚染物質を浄化する)汚染土壌等の浄化を進めること(二段階法)は、本発明の望ましい別の実施態様である。
(3.汚染土壌等の浄化方法−3−)
本発明の第3の態様にかかる汚染土壌等の浄化方法(触媒酸化法)は、有機汚染物質を含有する土壌、底泥、又は灰に、酢酸を添加してスラリー化するスラリー化工程と、前記のスラリー化工程において、スラリー化した有機汚染物質含有土壌、底泥、又は灰に、過酸化水素を添加する過酸化水素添加工程を含む土壌、底泥、又は灰の浄化方法である。
従来の触媒酸化法(フェントン反応など)では、系外から触媒を添加する。一方、本発明では、汚染土壌等に元々含まれている鉄イオンや銅イオンなどの重金属類を酢酸等の有機酸など(触媒活性化補助剤)による酸処理により溶出させ、そのまま過酸化水素を用いたフェントン反応の触媒として用いるので、コストを軽減でき、また環境負荷も小さくすることが可能である。さらには、本発明の第3の態様にかかる汚染土壌等の浄化方法によれば、触媒としての重金属を添加しないので、重金属汚染と複合汚染除去にも有効である。さらには、酢酸は自然界で自然分解されやすいので、酸を加えても環境負荷が少なくて済む。
触媒活性化補助剤として、酢酸、木酢液、酸性温泉水、蟻酸、過酢酸、硝酸、硫酸などの有機酸が挙げられ、好ましくは酢酸、木酢液である。これらは、1種又は2種以上を混合して用いてもよい。触媒活性化補助剤として、酢酸、又は木酢液を用いる場合は、その濃度としては20質量%〜100質量%が挙げられ、20〜99質量%でもよく、30〜90質量%でもよい。触媒活性化補助剤の添加量は特に限定されるものではないが、汚染土壌等1kgに対して、好ましくは0.5リットル〜10リットル加え、より好ましくは1リットル〜5リットル加え、さらに好ましくは2リットル〜4リットル加える。
触媒活性化補助剤は、好ましくは土壌、底泥、又は灰を攪拌しつつ添加する。また、酢酸、木酢液、酸性温泉水、蟻酸、過酢酸、硝酸、硫酸は自然において分解されやすく、酢酸同様環境負荷が少なくて済む。さらには、これらの中で、木酢液を利用することは、従来廃棄処分されていた木材を有効に活用することにつながり、かつ廃棄物を軽減することに寄与するため好ましい。また酸性温泉水を利用することは、従来利用されていなかった酸性温泉水を有効に活用することにつながるため好ましい。
触媒活性化補助剤は、汚染土壌に鉄などの触媒が添加される場合は、その触媒作用を補助し、特に外部から触媒が添加されない場合は、土中に含まれる鉄分など遷移金属元素の触媒作用を補助する。これにより、フェントン反応において、効果的にラジカルが発生し、ダイオキシン類などが効果的に分解される。水溶液中でフェントン反応を引き起こすために触媒活性化補助剤は必要とされない。しかし、本発明においては、汚染土壌中においてフェントン反応を行うため、水溶液中と異なり、フェントン反応が進行しにくい。そこで、これら触媒活性化補助剤を用いることで、土中においてもフェントン反応が効果的に進行することとなる。
ダイオキシン類の浄化と併せて重金属汚染の浄化をも行う場合は、純粋な酢酸、蟻酸等を用いることが好ましい。
過酸化水素は、先に説明したとおりフェントン反応において、ヒドロキシラジカル、及びヒドロペルオキシラジカルを生ずる。これらのラジカルは、ラジカル連鎖反応を引き起こし、ダイオキシン類などの有機物などを小さな分子量を有する有機物へと分解できる。
過酸化水素は、例えば過酸化水素水として、汚染土壌に添加される。過酸化水素水などにおける過酸化水素の質量濃度としては、3%〜50%が挙げられ、好ましくは3%〜50%であり、より好ましくは20%〜40%であり、特に好ましくは25%〜35%である。過酸化水素濃度が薄いとラジカルの発生が抑えられ、過酸化水素濃度が大きいと取り扱いが困難となるからである。また、実際に汚染土壌の浄化試験を行ったところ、15%過酸化水素に比べて20%過酸化水素は格段に汚染土壌の浄化作用が高いことがわかった。さらには、25%〜35%過酸化水素であれば、比較的十分な浄化作用が得られ、しかも取り扱いが比較的容易であった。過酸化水素は、常温のものを用いてもよいし、高温、又は低温状態のものを用いてもよい。なお、過酸化水素の濃度が6%を超えると劇物扱いとなる。
過酸化水素は、多く添加するほど汚染土壌の浄化作用が強まるが、費用が高くなるなどの問題があり、また汚染土壌に含まれる(分解すべき)汚染物質の量などによっても変化する。過酸化水素の添加量は、過酸化水素換算で、汚染土壌100重量部に対して、1重量部〜200重量部が挙げられ、好ましくは10重量部〜100重量部であり、より好ましくは30重量部〜80重量部である。過酸化水素は、好ましくは汚染土壌等を攪拌しながら添加するが、静止状態において添加されてもよい。
第3の態様にかかる汚染土壌等の浄化方法(触媒酸化法)は、好ましくは、土壌、底泥、又は灰に、加熱処理、及び加熱加圧処理のいずれかを施しつつ浄化を行う。加熱処理、又は加熱加圧処理を施すことで、効果的にフェントン反応を引き起こし、汚染土壌の浄化効率を上げられる。加熱処理は、土壌、底泥、又は灰を、常温以上100℃以下の範囲で加熱する処理が挙げられ、好ましくは30℃〜80℃であり、より好ましくは35℃〜60℃であり、さらに好ましくは35℃〜45℃である。また、加熱加圧処理は、土壌、底泥、又は灰を、100℃以上200℃以下の範囲で加熱しつつ、1気圧以上10気圧以下(好ましくは2気圧〜5気圧、より好ましくは3気圧〜4気圧の範囲)で加圧する処理である。
本発明の第3の態様にかかる汚染土壌等の浄化方法(触媒酸化法)に用いられる装置としては、土壌攪拌装置と、加温手段(装置)もしくは加温加熱手段(処理装置)と、酢酸などの有機酸や過酸化水素などの添加する薬品添加手段(装置)を具備するものが挙げられる。このような装置は、例えば移動車両、移動船舶内にも設置可能であり、このような装置を具備する移動車両や移動船舶であれば、汚染土壌等のある場所へ移動し浄化処理を行うことができる。
なお、発明者らは、実際に富山県の富岩運河底泥(PCDDs/PCDFsが920pgTEQ/g、co−PCBsが12pgTEQ/g)を用いて、酢酸以外にも木酢液、酸性温泉水(秋田県玉川温泉源泉)、蟻酸、過蟻酸、過酢酸も汚染土壌等の浄化に有効であることを確認した。
(4.汚染土壌等の浄化方法−4−)
本発明の第4の態様にかかる汚染土壌の浄化方法は、ダイオキシン類に汚染した汚染土壌に触媒活性化補助剤を添加する触媒活性化補助剤添加工程と、汚染土壌に過酸化水素を添加する過酸化水素添加工程とを含む汚染土壌の浄化方法である。なお、触媒活性化補助剤添加工程と過酸化水素添加工程とは別々に行われてもよいし、同時に行われてもよい。
本発明の第4の態様にかかる汚染土壌等の浄化方法は、特に鉄などの触媒(フェントン反応における触媒)を汚染土壌に添加することなく、汚染土壌中に存在する金属を溶融して、フェントン反応を引き起こすものである。また、すなわち、第4の態様にかかる汚染土壌等の浄化方法は、特に汚染土壌をスラリー化することなく、土壌状態のままで、好ましくは汚染土壌を攪拌しつつ触媒活性化補助剤、及び過酸化水素を添加する。
本発明の第4の態様にかかる汚染土壌の浄化方法において、触媒活性化補助剤としては先に説明したものを同様にして用いることができるが、好ましくは酢酸、木酢液のいずれか、又は両方である。これらであればフェントン反応を引き起こし、十分に汚染土壌を浄化できるからである。また、酢酸や木酢液は自然分解されるので環境負荷が少なくて済むからである。また、過酸化水素についても先に説明したと同様のものを同様にして用いることができる。
すなわち、本発明の第4の態様における触媒活性化補助剤として、酢酸、木酢液、酸性温泉水、蟻酸、過酢酸、硝酸、硫酸などの有機酸が挙げられ、好ましくは酢酸、木酢液である。これらは、1種又は2種以上を混合して用いてもよい。触媒活性化補助剤として、酢酸、又は木酢液を用いる場合は、その濃度としては20質量%〜100質量%が挙げられ、20〜99質量%でもよく、30〜90質量%でもよい。触媒活性化補助剤の添加量は特に限定されるものではないが、汚染土壌等1kgに対して、好ましくは0.5リットル〜10リットル加え、より好ましくは1リットル〜5リットル加え、さらに好ましくは2リットル〜4リットル加える。
触媒活性化補助剤は、好ましくは汚染土壌を攪拌しつつ添加する。また、酢酸、木酢液、酸性温泉水、蟻酸、過酢酸、硝酸、硫酸は自然において分解されやすく、酢酸同様環境負荷が少なくて済む。
触媒活性化補助剤は、土中に含まれる鉄分など遷移金属元素の触媒作用を補助する。これにより、フェントン反応において、効果的にラジカルが発生し、ダイオキシン類などが効果的に分解される。水溶液中でフェントン反応を引き起こすために触媒活性化補助剤は必要とされない。しかし、本発明においては、汚染土壌中においてフェントン反応を行うため、水溶液中と異なり、フェントン反応が進行しにくい。そこで、これら触媒活性化補助剤を用いることで、土中においてもフェントン反応が効果的に進行することとなる。
過酸化水素は、先に説明したとおりフェントン反応において、ヒドロキシラジカル、及びヒドロペルオキシラジカルを生ずる。これらのラジカルは、ラジカル連鎖反応を引き起こし、ダイオキシン類などの有機物などを小さな分子量を有する有機物へと分解できる。
過酸化水素は、例えば過酸化水素水として、汚染土壌に添加される。過酸化水素水などにおける過酸化水素の質量濃度としては、3%〜50%が挙げられ、好ましくは3%〜50%であり、より好ましくは20%〜40%であり、特に好ましくは25%〜35%である。過酸化水素濃度が薄いとラジカルの発生が抑えられ、過酸化水素濃度が大きいと取り扱いが困難となるからである。また、実際に汚染土壌の浄化試験を行ったところ、15%過酸化水素に比べて20%過酸化水素は格段に汚染土壌の浄化作用が高いことがわかった。さらには、25%〜35%過酸化水素であれば、比較的十分な浄化作用が得られ、しかも取り扱いが比較的容易であった。過酸化水素は、常温のものを用いてもよいし、高温、又は低温状態のものを用いてもよい。なお、過酸化水素の濃度が6%を超えると劇物扱いとなる。
過酸化水素は、多く添加するほど汚染土壌の浄化作用が強まるが、費用が高くなるなどの問題があり、また汚染土壌に含まれる(分解すべき)汚染物質の量などによっても変化する。過酸化水素の添加量は、過酸化水素換算で、汚染土壌100重量部に対して、1重量部〜200重量部が挙げられ、好ましくは10重量部〜100重量部であり、より好ましくは30重量部〜80重量部である。過酸化水素は、好ましくは汚染土壌等を攪拌しながら添加するが、静止状態において添加されてもよい。
本発明の第4の態様にかかる汚染土壌の浄化方法では、汚染土壌に木炭灰を添加する工程を含んでもよい。これは単に汚染土壌に木炭灰を振りかけてもよいし、好ましくは汚染土壌に木炭灰を攪拌・混合する。木炭灰が触媒作用をするので、フェントン反応が効果的に進行し、汚染土壌の浄化が促進される。木炭灰は、触媒と同程度の量を添加すればよい。
本発明の第4の態様にかかる汚染土壌の浄化方法は、汚染土壌に直接触媒活性化補助剤添加工程と過酸化水素添加工程を行ってもよい。この場合、攪拌しつつ行うことが望ましいが特に攪拌しなくてもよい。また、土地を掘るなどして、浄化槽を形成して、そこに汚染土壌を入れ、触媒活性化補助剤添加工程と過酸化水素添加工程とを行ってもよい。下面から液体が透過する容器内に、汚染土壌を入れて触媒活性化補助剤添加工程と過酸化水素添加工程とを行ってもよい。この場合、容器の下面からもれた液体を回収し、再利用できる。なお、加面から液体が透過する容器を複数段重ねて、触媒活性化補助剤添加工程と過酸化水素添加工程とを行ってもよい。この場合、例えば最上位の容器に添加された、触媒活性化補助剤や、過酸化水素が、各容器の下面から漏れて、各容器の下の容器内の土壌にかかる。
本発明の第4の態様にかかる汚染土壌の浄化方法の別の態様としては、触媒活性化補助剤添加工程と過酸化水素添加工程とは別の槽内において行われ、触媒活性化補助剤用槽内で、ダイオキシン類に汚染した汚染土壌に触媒活性化補助剤を添加し攪拌した後に、当該汚染土壌を過酸化水素添加槽内に移し、過酸化水素を添加し、攪拌するものが挙げられる。触媒活性化補助剤用槽と、過酸化水素添加槽とが別々に設けられるので、触媒活性化補助剤と、過酸化水素を回収し再利用できる。
(5.汚染土壌等の浄化方法−5−)
本発明の第5の態様にかかる汚染土壌の浄化方法は、ダイオキシン類に汚染した汚染土壌に触媒を1種類、又は2種以上添加し攪拌混合する触媒添加工程と、当該汚染土壌に触媒活性化補助剤を添加する触媒活性化補助剤添加工程と、当該汚染土壌に過酸化水素を添加する過酸化水素添加工程とを含む汚染土壌の浄化方法である。
触媒と過酸化水素からなるフェントン試薬を添加する汚染土壌の浄化方法は既に知られている(例えば、上記の特許文献2参照。)。しかし、本発明の第5の態様にかかる汚染土壌の浄化方法では、当該汚染土壌に触媒活性化補助剤を添加することにより、土中の金属を溶解させフェントン反応をより効果的に引き起こす。また、触媒の活性を高めるので、フェントン反応がより効果的に進み、汚染土壌が効果的に浄化されることとなる。
第5の態様における触媒活性化補助剤、及び過酸化水素については、第4の態様におけると同様のものを同様にして用いることができるので、ここでは、その記載を準用することとする。
第5の態様における触媒としては、炭、灰、金属、金属化合物、又は金属錯体が挙げられる。金属、又は金属化合物としては、Fe、Mn、Co、Ni、Tiなどの遷移金属、またはFe、Cuなどの金属イオンの価数が変化しうる金属を1種または2種以上が挙げられ、好ましくは鉄、銅、鉄化合物、銅化合物であり、鉄化合物、又は銅化合物としては、硫化鉄(II)、硫化鉄(III)、塩化鉄(II)、塩化鉄(III)、硝酸鉄(II)、硝酸鉄(III)、過酸化鉄(II)、過酸化鉄(III)、フェロシアン化鉄、フェリシアン鉄、水酸化鉄(II)、水酸化鉄(III)、酸化鉄(II)、酸化鉄(III)、ロダン鉄(II)、ロダン鉄(III)、硫化銅、塩化銅、硝酸銅、酸化銅のうちいずれか1種、又は2種以上が挙げられる。
金属または金属化合物は粉末、板状、塊状、多孔質体などいずれの形状でも良いが、好ましくは多孔質フィルターのように接触面が大きいものである。また、金属はイオンの状態で添加されてもよい。
金属錯体としては、Fe、Mn、Co、Ni、Tiなどの遷移金属、またはFe、Cuなどの金属イオンの価数が変化しうる金属と、クエン酸、酒石酸、りんご酸、アスコルビン酸、マレイン酸、粘液酸、EDTAなどの一塩基酸、多塩基酸、オキシカルボン酸、アミノ酸などの金属と容易に錯形成する有機化合物との反応生成物が挙げられる。
灰としては、木炭灰が挙げられる。金属触媒と灰は別々に用いても、ともに用いてもよいが、金属触媒と灰をともに用いることが好ましい。
触媒の添加量は、特に限定されるものではないが、例えば汚染土壌1kgに対し、触媒の添加量として(金属換算で)、1g〜100gが挙げられ、好ましくは10g〜100gであり、より好ましくは30g〜70gである。
触媒の添加方法は、特に限定されるものではないが、汚染土壌に十分混合されるように攪拌しつつ、又は触媒を散布後に攪拌することが好ましい。
(6.浄化方法:CFO−BCC法)
以下では、汚染土壌の浄化に際し、化学的浄化方法(例えば、CFO法)と、生物修復技術(BCC)とを組み合わせた汚染土壌の浄化方法について説明する。本発明の各態様にかかる汚染土壌等の浄化方法では、適宜この浄化方法を採用できる。
(6.1.粗整地工程)
バックホー、ブルドーザーなどの機器を用いて浄化対象となる汚染土壌を整地する。このとき、汚染土壌が乾いていれば、適宜散水してもよい。
(6.2.触媒活性化補助剤散布工程)
トラックに積んだタンクに触媒活性化補助剤(木酢液や酢酸などの有機酸など)を保持し、噴霧器などで触媒活性化補助剤を散布する。
(6.3.過酸化水素散布工程)
トラックに積んだタンクに過酸化水素を保持し、噴霧器などで過酸化水素を散布する。
(6.4.土壌攪拌工程)
触媒活性化補助剤と過酸化水素がある程度汚染土壌に浸透した後、汚染土壌をトラクターや耕運機などで攪拌・混合する。
(6.5.シート養成工程)
土壌攪拌工程の後、シートで養成する。触媒活性化補助剤散布工程から土壌攪拌工程まで、又は触媒活性化補助剤散布工程からシート養成工程までは、汚染土壌の状況により繰り返し施工してもよい。以上のように汚染土壌の化学的浄化方法を施す。
なお、触媒活性化補助剤散布工程の前に、触媒や木炭灰などを汚染土壌に散布してもよい。
(6.6.BCC敷き均し工程)
シート養成工程の後に、バックホーなどを用いて敷き均す。
(6.7.BCC鋤き込み工程)
敷き均した土壌をトラクターなどで鋤き込む。
BCCにおいて用いられる微生物としては、培養したものを汚染土壌に加えてもよいし、また汚染土壌に生息する微生物などを利用してもよい。本発明に用いる微生物は、芳香族化合物や有機塩素化合物などの有害物質を分解し得る微生物であれば、特に限定されず、例えば、シュードモナス(Pseudomonas)属、アシネトバクター(Acinetobacter)属、アルカリゲネス(Alcaligenes)属、ビブリオ(Vibrio)属、ノカルジア(Nocardia)属、バチルス(Bacillus)属、ラクトバチルス(Lactobacillus)属、アクロモバクター(Achromobacter)属、アルスロバクター(Arthrobacter)属、ミクロコッカス(Micrococcus)属、マイコバクテリウム(Mycobacterium)属、メチロシナス(Methylosinus)属、メチロモナス(Methylomonas)属、ベルキア(Welchia)属、メチロシスチス(Methylocystis)属、ニトロゾモナス(Nitrosomonas)属、サッカロミセス(Saccharomyces)属、カンジダ(Candida)属、トルロプシス(Torulopsis)属に属する微生物が挙げられ、例えば、J1株FERM BP−5102、JM1株FERM BP−5352、シュードモナス・スピーシズTL1株FERM P−14726、アルカリゲネス・スピーシズTL2株FERM P−14642等を挙げることができる。また、メタン資化細菌(Methylocystis sp.)や、エタン資化細菌(Mycobacterium sp.)、木材腐朽菌(白色腐朽菌、褐色腐朽菌などを含む。)などの微生物も好適に用いることができる。また、ダイオキシン類分解菌として、ファネロカエテ(Phanerochaete sp.)、プレウロタス オステアタス(Pleurotus osteatus)、レンティテス(Lenzites)、トラメテス ベルシカラー(Trametes versicolor)、コリオラス(Coriolus)、ハイホキシラン デウストラム(Hypoxylun deustrum)などが挙げられる。
本発明の汚染土壌等の浄化方法を用いて、汚染土壌を浄化する際に、汚染土壌を燻蒸する工程を加えることは、本発明の好ましい別の実施態様である。燻蒸に用いられる燻蒸剤としては、特に限定されることはなく公知の燻蒸剤を採用することができ、例えば、臭化メチル、クロロホルム(トリクロロメタン)、クロロピクリン、1,3−ジクロロプロペン、ジ(2−クロロイソプロピル)エーテル、メチルイソチオシアネート等が挙げられる。これらは、用途等に応じて、1種類、又は2種類以上混合して用いても良い。臭化メチルはオゾン層破壊物質として既に国際的に使用の規制がなされている。クロロピクリンは土壌 病原菌に対して極めて優れた効果を有するが、線虫類に対してやや効果に不安があり、また強い刺激性を有する。1,3−ジクロロプロペンは線虫類に対して優れた効果を示すが土壌 病原菌に対して効果が弱い。メチルイソチオシアネ−トは線虫類に対してある程度の効果を示すが土壌 病原菌に対して効果が弱い。
実施例1は、本発明の第1の態様にかかる汚染土壌等の浄化方法に関する。国内の某化学工場敷地で高濃度ダイオキシン汚染土壌(1800pg−TEQ/g)を100g採取した。採取した汚染土壌を500ml(ミリリットル)のビーカーに入れた。
次に河川の堤防で自生するBromus japonicus(イヌムギ)、Equisetum arvemse(スギナ)、Erigeron philadelphicus(ハルジオン)、Tradescantia spp.(ムラサキツユクサ)、Rumex acetosa(スイバ)、Lapsana apogonoides(タビラコ)、Artemisia princeps(ヨモギ)、Vicia angustifolia var. segetalis(カラスノエンドウ)、Miscanthus sinensis(ススキ)、Eleusine indica(オヒシバ)、Taraxacum officinale(セイヨウタンポポ)、Poa annua(スズメノカタビラ)、Brassica(アブラナ)、Sagina japonica(ツメクサ)、Cayratia japonica (Thumb.) Gagn. (ヤブガラシ)などの草木の混合集積物から日本工営株式会社によって作成された堆肥(以下、「植物系廃材堆肥」とよぶ)を50g添加し、十分に混和した後、滅菌水を150ml(ミリリットル)添加してたん水化した。たん水化したものを30℃で6週間培養した。培養3日後には、メタンもしくは水素と見られるガスが活発に発生した。ガスの発生は、そのまま6週間続いた。
6週後に、ドライングオーブン(40℃)で2日間乾燥させ、乳鉢で十分に粉砕混和した上で、ダイオキシン量をCALUX法(株式会社日吉、クラークGら(Clark G. et. al.,) (1998) U. S. Patent No. 5,854,010号明細書)で測定した。PCDDs/PCDFsが830pgTEQ/g、co−PCBsが1.0pgTEQ/g以下であった。
(比較例1)
植物系廃材堆肥を添加しなかった以外は、実施例1と同様にして対照実験を行った。PCDDs/PCDFsが1800pgTEQ/g、co−PCBsが12pgTEQ/gであった。実施例1と比較例1とを比較すると、ダイオキシン類の分解量は30.8%となる。しかしながら、実施例1では堆肥を添加したことにより比較例1に比べ加えた堆肥自体が重量の3分の1を占めており、実際には堆肥がある程度分解されているので、実際の分解率はこの数値より高いと考えられる。
(比較例2)
滅菌水の代わりに発明者らの研究室で分離した複数の低塩化ダイオキシン分解細菌株の培養液を150ml(ミリリットル)添加した以外は、比較例1と同様にして対照実験を行った。この比較例においては、全く分解効果を示さなかった。これは外来性の微生物を高濃度に添加したので、堆肥土着の嫌気性ダイオキシン分解菌群の活性を阻害したものと考えられる。
実施例2は、本発明の第2の態様にかかる汚染土壌等の浄化方法に関する。国内の某化学工場敷地で高濃度ダイオキシン汚染土壌(1800pg−TEQ/g)を100g採取した。採取した汚染土壌を500ml(ミリリットル)のビーカーに入れた。次に、岩手県南部鉄器製造所にて調達した鉄粉10gを添加して十分に混和した。その後、滅菌水を150g添加して、たん水化した。たん水化したものを30℃で6週間培養した。
6週後に、ドライングオーブン(40℃)で2日間乾燥させ、乳鉢で十分に粉砕混和した上で、ダイオキシン量をCALUX法(株式会社日吉、クラークGら(Clark G. et. al.,) (1998) U. S. Patent No. 5,854,010号明細書)で測定した。PCDDs/PCDFsが1100pgTEQ/g、co−PCBsが2.3pgTEQ/gであった。
(比較例3)
鉄粉を添加せず、鉄粉のかわりに等量の滅菌水を添加した以外は実施例2と同様にして実験を行った。その結果、PCDDs/PCDFsが1800pgTEQ/g、co−PCBsが12pgTEQ/gであった。
鉄粉と同時に、実施例1における植物系廃材堆肥をも添加した。これにより、鉄粉由来の化学還元効果と、堆肥由来の生物還元の相乗効果、又は加効果があるかどうかを確認した。その結果、単に堆肥を添加した実施例1と比べて、優位なダイオキシン類低減効果は見られなかった。
実施例4は、本発明の第3の態様にかかる汚染土壌等の浄化方法に関する。汚染土壌として、富山県の富岩運河底泥(PCDDs/PCDFsが920pgTEQ/g、co−PCBsが12pgTEQ/g)を用いた。汚染底泥を10g採取した。採取した汚染底泥に100%酢酸(関東化学社製:試薬特級)を50ml添加し、混合した。その後30%過酸化水素(和光純薬工業社製:試薬特級)を50ml添加し、80℃で5時間緩やかに振とう培養した。
5時間経過後に、ドライングオーブン(40℃)で2日間乾燥させ、乳鉢で十分に粉砕混和した上で、ダイオキシン量をCALUX法(株式会社日吉、クラークGら(Clark G. et. al.,) (1998) U. S. Patent No. 5,854,010号明細書)で測定した。その結果、PCDDs/PCDFsが32pgTEQ/g、co−PCBsが1.0pgTEQ/g以下であった。
(比較例4)
無処理のものは、PCDDs/PCDFsが920pgTEQ/g、co−PCBsが12pgTEQ/gであった。
実施例4において、酢酸の代わりに、木酢液、酸性温泉水(秋田県玉川温泉源泉:塩酸酸性で第一鉄イオンを含有)、蟻酸、過蟻酸、過酢酸を用いて実験を行った。その結果、やはり90%以上の分解効果を確認できた。
(フィールドシャワーリング方法)
ダイオキシン濃度が1700pg−TEQ/gである化学工場敷地内の土壌を準備した。この汚染土壌1kgに対して、50gの鉄粉、50gの木炭灰を加え、よく攪拌した。このようにして、汚染土壌を調整し、下準備を完了した。
地表を5cm×50cm×50cmの矩形状に掘った。矩形状の穴に、フィルター材を敷いた。フィルター材を敷いた穴に先に下準備を施した汚染土壌を充填した。穴に充填した汚染土壌に対し、触媒活性化補助剤として100%酢酸をじょうろによりシャワー状として汚染土壌1kgに対して1リットルかけた。続いて、35%過酸化水素水を、じょうろによりシャワー状として汚染土壌1kgに対し1リットルかけた。なお、酢酸と過酸化水素水は、一度に全てかけずに複数回に分けて汚染土壌に交互にかけた。このようにして、酢酸及び過酸化水素水が、汚染土壌へ自然浸潤した。
浄化処理後の汚染土壌中のダイオキシン濃度を測定した。「ダイオキシン類に係る土壌調査暫定マニュアル」(環境庁水質保全局土壌農薬課、平成10年1月)に沿って、ソックスレー抽出を行い、高分解能ガスクロマトグラフ質量分析計算にダイオキシン類の定量を行った。その結果、汚染土壌中のダイオキシン濃度は、820pg−TEQ/gであった。すなわち、本実施例においては、約52%のダイオキシン類が分解されたことがわかる。
化学工場敷地内の汚染土壌の代わりに、ダイオキシン濃度が860pg−TEQ/gの底質由来の浚渫土を用いた以外は、実施例6と同様にして、汚染土壌の浄化を行った。その結果、汚染土壌中のダイオキシン濃度は、680pg−TEQ/gとなった。この実施例では、約22%のダイオキシン類が分解されたことがわかる。
(バスケットシャワーリング方法)
ダイオキシン濃度が1700pg−TEQ/gである化学工場敷地内の土壌を準備した。この汚染土壌1kgに対して、50gの鉄粉、50gの木炭灰を加え、よく攪拌した。このようにして、汚染土壌を調整し、下準備を完了した。
深さ5cm、直径30cmのふるいに、フィルター材を敷いた。フィルター材上に5号珪砂を敷き詰めた。珪砂の上に、下準備を施した汚染土壌を充填した。ふるいに充填した汚染土壌に対し、触媒活性化補助剤として100%酢酸をじょうろによりシャワー状として汚染土壌1kgに対して1リットルかけた。続いて、35%(モル濃度)の過酸化水素水を、じょうろによりシャワー状として汚染土壌1kgに対し2リットルかけた。なお、酢酸と過酸化水素水は、一度に全てかけずに複数回に分けて汚染土壌に交互にかけた。添加した酢酸、及び過酸化水素水は、ふるいの下面よりしずく状に漏れた。
浄化処理後の汚染土壌中のダイオキシン濃度を実施例6と同様にして測定した。その結果、汚染土壌中のダイオキシン濃度は、210pg−TEQ/gであった。すなわち、本実施例においては、約88%のダイオキシン類が分解されたことがわかる。
化学工場敷地内の汚染土壌の代わりに、ダイオキシン濃度が860pg−TEQ/gの底質由来の浚渫土を用いた以外は、実施例8と同様にして、汚染土壌の浄化を行った。その結果、汚染土壌中のダイオキシン濃度は、310pg−TEQ/gとなった。この実施例では、約64%のダイオキシン類が分解されたことがわかる。
本発明は、汚染土壌等の浄化方法として利用され得る。

Claims (22)

  1. 有機汚染物質を含有する土壌、底泥、又は灰に、堆肥を混入する工程と、
    堆肥を混入した有機汚染物質含有土壌、底泥、又は灰を嫌気状態にする工程と、
    を含む土壌、底泥、又は灰の浄化方法。
  2. 前記の嫌気状態にする工程は、たん水状態において行われる請求項1に記載の土壌、底泥、又は灰の浄化方法。
  3. 前記の有機汚染物質は、ダイオキシン類、PCB、残留農薬、油のいずれか、又はこれらのうち2つ以上を含む請求項1に記載の土壌、底泥、又は灰の浄化方法。
  4. ダイオキシン類を含有する土壌、底泥、又は灰に還元剤を混入し、たん水状態にする土壌、底泥、又は灰の浄化方法。
  5. 前記の還元剤が、鉄粉、又は二酸化チオ尿素である請求項4に記載の土壌、底泥、又は灰の浄化方法。
  6. 有機汚染物質を含有する土壌、底泥、又は灰に、酢酸を添加してスラリー化するスラリー化工程と、
    前記のスラリー化工程において、スラリー化した有機汚染物質含有土壌、底泥、又は灰に、過酸化水素を添加する過酸化水素添加工程を含む、
    土壌、底泥、又は灰の浄化方法。
  7. 前記の酢酸に代えて、又は酢酸とともに、木酢液、酸性温泉水、蟻酸、過蟻酸、過酢酸のいずれか、またはこれらを2種以上用いる請求項6に記載の土壌、底泥、又は灰の浄化方法。
  8. 前記の有機汚染物質は、ダイオキシン類、PCB、残留農薬、油、重金属と有機汚染物質との複合体のいずれか、又はこれらのうち2つ以上である請求項6に記載の土壌、底泥、又は灰の浄化方法。
  9. 土壌、底泥、又は灰に、加熱処理、及び加熱加圧処理のいずれかを施しつつ浄化を行う請求項6に記載の土壌、底泥、又は灰の浄化方法。
  10. 土壌、底泥、又は灰が、常温以上100℃以下の環境下、
    または、100℃以上200℃以下かつ、1気圧以上10気圧以下の環境下で行う、請求項6に記載の土壌、底泥、又は灰の浄化方法。
  11. ダイオキシン類に汚染した汚染土壌に触媒活性化補助剤を添加する触媒活性化補助剤添加工程と、
    汚染土壌に過酸化水素を添加する過酸化水素添加工程とを含む、
    汚染土壌の浄化方法。
  12. 前記の触媒活性化補助剤が、酢酸、木酢液のいずれか、又は両方である請求項11に記載の汚染土壌の浄化方法。
  13. 前記の酢酸の濃度が、20〜100質量%であり、前記の木酢液の濃度が、20〜100質量%であり、前記の過酸化水素の濃度が、3〜35質量%である請求項11に記載の汚染土壌の浄化方法。
  14. 過酸化水素の添加量は、過酸化水素換算で、汚染土壌100重量部に対して、1重量部〜200重量部である請求項11に記載の汚染土壌の浄化方法。
  15. 前記の触媒活性化補助剤添加工程と過酸化水素添加工程とは別の槽内において行われ、
    触媒活性化補助剤用槽内で、ダイオキシン類に汚染した汚染土壌に触媒活性化補助剤を添加し攪拌した後に、当該汚染土壌を過酸化水素添加槽内に移し、過酸化水素を添加し、攪拌混合する請求項11に記載の汚染土壌の浄化方法。
  16. ダイオキシン類に汚染した汚染土壌に触媒を1種類、又は2種以上添加し攪拌混合する触媒添加工程と、
    当該汚染土壌に触媒活性化補助剤を添加する触媒活性化補助剤添加工程と、
    当該汚染土壌に過酸化水素を添加する過酸化水素添加工程とを含む、
    汚染土壌の浄化方法。
  17. 前記の触媒活性化補助剤が、酢酸、木酢液のいずれか、又は両方である請求項16に記載の汚染土壌の浄化方法。
  18. 前記の酢酸の濃度が、20〜100質量%であり、前記の木酢液の濃度が、20〜100質量%であり、前記の過酸化水素の濃度が、3〜35質量%である請求項16に記載の汚染土壌の浄化方法。
  19. 前記の過酸化水素添加工程における過酸化水素の添加量は、過酸化水素換算で、汚染土壌100重量部に対して、1重量部〜200重量部である請求項16に記載の汚染土壌の浄化方法。
  20. 前記の触媒活性化補助剤添加工程と過酸化水素添加工程とは別の槽内において行われ、
    触媒活性化補助剤用槽内で、ダイオキシン類に汚染した汚染土壌に触媒活性化補助剤を添加し攪拌した後に、当該汚染土壌を過酸化水素添加槽内に移し、過酸化水素を添加し、攪拌する請求項16に記載の汚染土壌の浄化方法。
  21. 前記の触媒が、鉄、及び硫化第一鉄のいずれか又は両方である請求項16に記載の汚染土壌の浄化方法。
  22. 汚染土壌に木炭灰を添加し攪拌・混合する工程を含む請求項16に記載の汚染土壌の浄化方法。
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