JP2004230204A - 溶剤回収方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】酸化性ガス及び溶剤を含有する被処理ガス12を、必要に応じ粉塵捕集用プレエアーフィルター14に透過させ、次いで粒状活性炭(GAC)8の充填層4に透過させた後、必要に応じ粉塵捕集用アフターエアーフィルター16に透過させ、次いでACF10が充填されたACFエレメント6に透過させて被処理ガス12中の溶剤を回収する溶剤回収方法。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、酸化性ガス及び溶剤を含有する被処理ガス中の溶剤を回収する溶剤回収方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、活性炭は吸着材としてガス中の溶剤等の有機物回収用に用いられている。特に近年、通気性円筒状支持体外表面に繊維状活性炭〔活性炭素繊維(ACF)〕を層状に充填したACFエレメントが、吸着速度、脱着速度に優れ、更に低濃度領域での吸着特性が優れていることから、主として被処理ガス中に含有される有機溶剤等の希薄有機物の吸着除去に使用されている(例えば、特許文献1)。
【0003】
しかし、溶剤例えば1,2,4−トリメチルベンゼン(TMB)含有ガス中に過酸化水素等の酸化性ガスが含まれる場合、この被処理ガスからTMBを回収するのにACFエレメントを用いると、ACF中の炭素が酸化され、CO2としてACFエレメントから排出される事によりACFが減量化し、ACFは短期間(通常3600hr)で交換することになる。
【0004】
ACFの短期間での交換は、ACFの質量単価が粒状活性炭(GAC)の約80倍と高価であるため、溶剤回収におけるランニングコストが非常に高くなって経済的に不利である。
【0005】
【特許文献1】
特開平9−38442号公報 (第1頁)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者は、上記問題を解決するために種々検討しているうちに、被処理ガス中からのACFによる溶剤吸着回収の前処理としてGACを使用することにより、ACFの酸化性ガスによる減量化を遅延減量化することができることを知得し、本発明を完成するに到った。
【0007】
即ち、酸化性ガスを含む被処理ガスをACFで直接処理すると、ACFが酸化性ガスにより酸化され減量し、この減量の補充は運転コストの増大に直接つながっている。本発明においては、ACFの前段に安価なGACの充填層を備えて、GACで酸化性ガスを不活性化することにより、ACFの消耗を無くするものである。
【0008】
よって、本発明の目的とするところは、上記問題を解決した溶剤回収方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明は、以下に記載するものである。
【0010】
〔1〕 酸化性ガス及び溶剤を含有する被処理ガスを、粒状活性炭の充填層に透過させた後、活性炭素繊維が充填された活性炭素繊維エレメントに透過させて被処理ガス中の溶剤を回収する溶剤回収方法。
【0011】
〔2〕 酸化性ガスが、過酸化水素、NOx又はSOxであり、被処理ガス中の酸化性ガス濃度が100ppm以下である〔1〕に記載の溶剤回収方法。
【0012】
〔3〕 溶剤が、ベンゼン又は1以上のアルキル基を有するベンゼンである〔1〕に記載の溶剤回収方法。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図面を参照しながら詳細に説明する。
【0014】
図1は本発明の溶剤回収方法に用いる装置の一例を示すフロー図である。図1の溶剤回収装置2は、前段のGAC充填層4と、後段のACFエレメント6とで主要部が構成されており、それぞれGAC8、ACF10が充填されている。
【0015】
ACF10としては、ピッチ系ACF、レーヨン系ACF、フェノール系ACF、ポリアクリロニトリル系ACFなどの市販のACFを用いることができるが、TMB等の吸脱着には、細孔が大きく、吸着した溶剤を脱着しやすいことからピッチ系ACFが特に好ましい。
【0016】
このようなACFが充填されたACFエレメント6は、酸化性ガスを含む被処理ガス中に存在する溶剤はベンゼンが多く、ベンゼン又は1以上のアルキル基を有するベンゼンなどの溶剤の吸着回収に適しており、1以上のアルキル基を有するベンゼンの中でも1,2,4−トリメチルベンゼンに特に適している。
【0017】
本発明溶剤回収方法の処理対象の被処理ガス12は、前記溶剤に加えて更に過酸化水素、NOx又はSOxなどの酸化性ガスが含有されている。前述したように、この被処理ガスから溶剤を回収するのに従来のACFエレメントを用いた方法では、ACF中の炭素が酸化され、CO2としてACFエレメントから排出される事によりACFが減量化し、ACFは短期間で交換することになる。
【0018】
これに対し、本発明の溶剤回収方法においては、被処理ガス中からのACFによる溶剤吸着回収の前処理としてGACを使用することにより、ACFの酸化性ガスによる減量化を遅延減量化することができる。
【0019】
即ち、本発明の溶剤回収方法においては、酸化性ガス及び溶剤を含有する被処理ガスを、ACFが充填されたACFエレメントに透過させるに先立って、GACの充填層に透過させている。
【0020】
このGAC充填層での前処理により、被処理ガス12は100ppm以下、好ましくは10ppm以下の濃度の酸化性ガスを含んでいてもACFの減量化を遅延減量化することができる。
【0021】
GAC充填層4に充填するGAC8としては、通常の活性炭を用いることができるが、酸化性ガスの除去効率が高いことから椰子殻活性炭が特に好ましい。
【0022】
酸化性ガス及び溶剤を含有する被処理ガス12は、砂塵等の粉塵が含有されている場合がある。そのような場合、被処理ガス12は、図1の溶剤回収装置2に示すようにGAC充填層透過の前処理として粉塵捕集用プレエアーフィルター14に透過させて砂塵等の粉塵を除去させている。
【0023】
必要に応じてプレエアーフィルター14を透過した被処理ガスは、GAC充填層4に透過させている。
【0024】
GAC充填層4透過後の被処理ガスは、GAC粉末等の粉塵が含有されている場合がある。そのような場合、被処理ガスは、図1の溶剤回収装置2に示すようにGAC充填層透過の後処理として粉塵捕集用アフターエアーフィルター16に透過させてGAC粉末等の粉塵を除去させている。
【0025】
必要に応じてアフターエアーフィルター16を透過した被処理ガスは、ACFエレメント6に透過させ溶剤を吸着回収させている。
【0026】
【実施例】
実施例1
図1に示す溶剤回収装置を用い、1000ppmの1,2,4−トリメチルベンゼン及び4.0ppmの過酸化水素を含有する被処理ガスを640Nm3/minで吸着処理した。
【0027】
被処理ガス透過前の、GAC充填層における椰子殻活性炭の充填質量が650kg、用いたACFエレメントにおけるピッチ系ACFの充填質量が500kgであり、ACFが減量化して交換を要するACF充填質量の400kgになるまでの被処理ガス透過時間は16000hrと長期間であった。
【0028】
比較例1
GAC充填層を用いなかった以外は実施例1と同様にして被処理ガスの吸着処理を行った。その結果、ACFが減量化して交換を要するACF充填質量の400kgになるまでの被処理ガス透過時間は1800hrと短期間であった。
【0029】
【発明の効果】
本発明においては、溶剤回収方法を前述の構成にしたので、被処理ガス中に含まれる酸化性ガスによる高価なACFの減量化を遅延減量化することができるため、経済的に有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の溶剤回収方法に用いる装置の一例を示すフロー図である。
である。
【符号の説明】
2 溶剤回収装置
4 GAC充填層
6 ACFエレメント
8 GAC
10 ACF
12 被処理ガス
14 粉塵捕集用プレエアーフィルター
16 粉塵捕集用アフターエアーフィルター
Claims (3)
- 酸化性ガス及び溶剤を含有する被処理ガスを、粒状活性炭の充填層に透過させた後、活性炭素繊維が充填された活性炭素繊維エレメントに透過させて被処理ガス中の溶剤を回収する溶剤回収方法。
- 酸化性ガスが、過酸化水素、NOx又はSOxであり、被処理ガス中の酸化性ガス濃度が100ppm以下である請求項1に記載の溶剤回収方法。
- 溶剤が、ベンゼン又は1以上のアルキル基を有するベンゼンである請求項1に記載の溶剤回収方法。
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---|---|---|---|
JP2003018220A JP2004230204A (ja) | 2003-01-28 | 2003-01-28 | 溶剤回収方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2003018220A JP2004230204A (ja) | 2003-01-28 | 2003-01-28 | 溶剤回収方法 |
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Family
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Family Applications (1)
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JP2003018220A Pending JP2004230204A (ja) | 2003-01-28 | 2003-01-28 | 溶剤回収方法 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2004230204A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2006263499A (ja) * | 2005-03-22 | 2006-10-05 | Toyobo Co Ltd | 溶剤回収方法 |
CN102266714A (zh) * | 2011-06-29 | 2011-12-07 | 天津大学 | 氧化法脱除酸性气体的方法 |
RU2773150C1 (ru) * | 2021-07-15 | 2022-05-31 | Акционерное общество «Государственный научный центр Российской Федерации Троицкий институт инновационных и термоядерных исследований (АО «ГНЦ РФ ТРИНИТИ») | Способ и устройство для очистки воздуха с использованием регенерируемого поглотителя co2 |
-
2003
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JP2006263499A (ja) * | 2005-03-22 | 2006-10-05 | Toyobo Co Ltd | 溶剤回収方法 |
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CN102266714B (zh) * | 2011-06-29 | 2013-07-03 | 天津大学 | 氧化法脱除酸性气体的方法 |
RU2773150C1 (ru) * | 2021-07-15 | 2022-05-31 | Акционерное общество «Государственный научный центр Российской Федерации Троицкий институт инновационных и термоядерных исследований (АО «ГНЦ РФ ТРИНИТИ») | Способ и устройство для очистки воздуха с использованием регенерируемого поглотителя co2 |
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