JP2004229938A - 遊技機 - Google Patents
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Abstract
【課題】プログラム容量がむやみに増大することを防止する。
【解決手段】遊技機制御用プログラムは、複数種類のメインモジュールから構成される主制御プログラムと、共通サブモジュールから構成される共通サブルーチンプログラムとを含んでいる。共通サブルーチンプログラム内の各共通サブモジュールは、主制御プログラムにおける複数のモジュールから共通に呼び出されて実行される。各共通サブモジュールは、RST命令内でROMにおけるプログラムアドレスよりもデータサイズの小さいパラメータにて指定される複数の特定アドレスのうちのいずれかに記憶されている。CPUは、主制御プログラムを実行中に、随所でRST命令により共通サブルーチンプログラム内の共通サブモジュールを呼び出して実行する。
【選択図】 図5
【解決手段】遊技機制御用プログラムは、複数種類のメインモジュールから構成される主制御プログラムと、共通サブモジュールから構成される共通サブルーチンプログラムとを含んでいる。共通サブルーチンプログラム内の各共通サブモジュールは、主制御プログラムにおける複数のモジュールから共通に呼び出されて実行される。各共通サブモジュールは、RST命令内でROMにおけるプログラムアドレスよりもデータサイズの小さいパラメータにて指定される複数の特定アドレスのうちのいずれかに記憶されている。CPUは、主制御プログラムを実行中に、随所でRST命令により共通サブルーチンプログラム内の共通サブモジュールを呼び出して実行する。
【選択図】 図5
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、パチンコ遊技機等の遊技機に関し、詳しくは、遊技者が所定の遊技を行い、遊技における特定条件の成立に応じて遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御可能な遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
パチンコ遊技機等の遊技機では、遊技者が所定の遊技を行うために、例えば可変表示装置や普通可変入賞球装置(始動入賞口)、特別可変入賞球装置(大入賞口)、装飾ランプ、スピーカあるいは払出装置などといった、各種の遊技用装置が電気部品として備え付けられている。一般に、こうした遊技用装置の動作は、マイクロコンピュータシステムが備えるCPU等によって制御される。CPUは、各遊技用装置の制御を司る主制御プログラムと主制御プログラムの随所において呼び出される多数のサブルーチンとを含む遊技機制御用プログラムに従って動作する。遊技機制御用プログラムは、マイクロコンピュータシステムにおけるROMに格納される。CPUは、主制御プログラムにおけるメインモジュールの途中で、例えばCALL命令により、サブモジュールとして構成されたサブルーチンをコール(呼出)して実行するようにしている(例えば、特許文献1)。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−204929号公報(例えば、第10頁)
【0004】
ここで、CALL命令は1バイトの演算コードと2バイトのアドレス部(オペランド)を含んだ3バイトの命令であり、指定したアドレスのサブルーチンを呼び出す。そして、呼び出されたサブルーチン内の命令を順次実行し、サブルーチン内のリターン命令により、リターンアドレスに復帰する。このように、従来では、サブルーチンコールに直接アドレス形式のCALL命令を用いるのが一般的であり、サブルーチンコールを設けるごとに、例えば3バイトのプログラム容量を費やしていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
パチンコ遊技機等にあっては、種々の事情によってプログラム容量に制約が設けられている。その一方で、遊技機における遊技をよりおもしろく演出しようとするとプログラム容量は増加し、プログラム容量が制約値を越えてしまうことがある。また、より一般的に、プログラム容量が増大すると、ROMなどの記憶装置として記憶容量の大きなものが必要になり、例えば遊技機全体の製造コストが増加するなどの問題が生じる。このため、パチンコ遊技機等の遊技機においては、プログラム容量をむやみに増加させないための工夫が求められている。
【0006】
この発明は上記実状に鑑みてなされたものであり、特にメインモジュールからサブモジュールを呼び出して実行する際に必要となるデータ容量を節減することで、全体としてプログラム容量をむやみに増加させることのない遊技機を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本願の請求項1に記載の遊技機は、遊技者が所定の遊技を行い、遊技における特定条件の成立に応じて遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御可能な遊技機であって、遊技機制御用プログラム(例えば遊技制御プログラム120など)に従って遊技機に設けられた遊技用装置を制御する制御手段(例えばCPU103など)と、前記遊技機制御用プログラムを記憶するプログラム記憶手段(例えばROM101など)、とを備え、前記遊技機制御用プログラムは、複数種類のメインモジュール(例えば主制御プログラム121に含まれる遊技制御メイン処理モジュール131など)と、メインモジュールから呼び出されて実行される複数種類のサブモジュール(例えば共通サブルーチンプログラム122に含まれるポインタ設定処理モジュール151など)とを含み、前記複数種類のサブモジュールのうちで複数のメインモジュールから共通に呼び出されて実行される共通サブモジュール(例えばデータセット処理モジュール157など)は、前記プログラム記憶手段における複数の特定アドレス(例えばROM101の0008H番地、0010H番地、0018H番地、0020H番地、0028H番地、0030H番地、及び0038H番地など)のいずれかに記憶され、前記遊技機制御用プログラムに含まれるメインモジュールは、前記制御手段が前記共通サブモジュールを呼び出して実行するときに、前記プログラム記憶手段におけるプログラムアドレスよりもデータサイズが小さいパラメータにて特定アドレスを指定し、該指定された特定アドレスに記憶されたサブモジュールを呼び出す命令(例えばRST命令)を用いる。なお、遊技機制御用プログラムは、例えば、遊技の進行を制御するために実行される遊技制御プログラムのほか、表示状態が変化可能な可変表示装置や演出用の装飾ランプ及びスピーカなどを用いた遊技の演出を制御するために実行される演出制御プログラム、払出装置を用いた遊技球の払い出しを制御するために実行される払出制御プログラムなど、遊技機に設けられた遊技用の各種装置を制御するためのプログラムであってもよい。また、制御手段は、遊技の進行を制御する遊技制御手段のほか、可変表示装置の表示制御を行う表示制御手段や、払出装置の制御を行う払出制御手段などであってもよい。
【0008】
請求項1に記載の遊技機によれば、遊技機制御用プログラムに含まれるメインモジュールは、複数の特定アドレスのいずれかに記憶された共通サブモジュールを制御手段が呼び出して実行するときに、プログラムアドレスよりもデータサイズが小さいパラメータにて特定アドレスを指定して呼び出しを指示する命令を用いる。これにより、サブモジュールの呼び出しに使用するデータ容量を節減することができ、全体としてプログラム容量がむやみに増加することを防止できる。
【0009】
また、本発明に係る遊技機は、遊技者が所定の遊技を行い、遊技における特定条件の成立に応じて遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御可能な遊技機であって、遊技機制御用プログラム(例えば遊技制御プログラム120など)に従って遊技機に設けられた遊技用装置を制御する制御手段(例えばCPU103など)と、前記遊技機制御用プログラムを記憶するプログラム記憶手段(例えばROM101など)、とを備え、前記遊技機制御用プログラムは、複数種類のメインモジュール(例えば主制御プログラム121に含まれる遊技制御メイン処理モジュール131など)と、メインモジュールから呼び出されて実行される複数種類のサブモジュール(例えば共通サブルーチンプログラム122に含まれるポインタ設定処理モジュール151など)とを含み、前記プログラム記憶手段は、複数の特定アドレス(例えばROM101の0008H番地、0010H番地、0018H番地、0020H番地、0028H番地、0030H番地、及び0038H番地など)のいずれかを先頭アドレスとして、前記遊技機制御用プログラムに含まれる複数種類のサブモジュールのうちで複数のメインモジュールから共通に呼び出されて実行される共通サブモジュール(例えばデータセット処理モジュール157など)を記憶する共通サブモジュール記憶手段(例えばROM101においてデータセット処理モジュール157を記憶する領域など)を含み、前記遊技機制御用プログラムに含まれるメインモジュールは、前記制御手段が前記共通サブモジュール記憶手段に記憶された共通サブモジュールを呼び出して実行するときに、前記プログラム記憶手段におけるプログラムアドレスよりもデータサイズが小さいパラメータにて特定アドレスを指定し、該指定された特定アドレスに記憶されたサブモジュールを呼び出す命令(例えばRST命令)を用いてもよい。この構成によれば、遊技機制御用プログラムに含まれるメインモジュールは、複数の特定アドレスのいずれかを先頭アドレスとする共通サブモジュール記憶手段に記憶された共通サブモジュールを制御手段が呼び出して実行するときに、プログラムアドレスよりもデータサイズが小さいパラメータにて特定アドレスを指定して呼び出しを指示する命令を用いる。これにより、サブモジュールの呼び出しに使用するデータ容量を節減することができ、全体としてプログラム容量をむやみに増加させることがない。
【0010】
請求項2に記載の遊技機においては、前記プログラム記憶手段にて複数の特定アドレスとして設定可能なアドレスは、所定の記憶容量(例えば8バイト)分隔てたアドレス(例えば0008H番地)ごとに定められ、前記共通サブモジュールは、プログラム容量が前記所定の記憶容量以下である。これにより、特定アドレスの設定に制約があるときでも、データ容量が節減された命令を用いて可能な限り数多くのサブモジュールを呼び出すことができ、遊技機制御用プログラム全体におけるプログラム容量がむやみに増大することを防止できる。
【0011】
請求項3に記載の遊技機においては、前記プログラム記憶手段にて複数の特定アドレスとして設定可能なアドレスは、所定の記憶容量(例えば8バイト)分隔てたアドレス(例えば0008H番地)ごとに定められ、前記共通サブモジュールのプログラム容量が前記所定の記憶容量を越えるときには、前記共通サブモジュールを、前記特定アドレスに記憶され、プログラム容量が前記所定の記憶容量以下である前段サブモジュール(例えば図11に示す前段サブモジュールSUB_1_FHALF)と、前記特定アドレス以外のモジュール設定アドレス(例えばROM101の0050番地)へ記憶され、前記前段サブモジュールにおける前記モジュール設定アドレスへの分岐命令(例えばJR命令)により、前記特定アドレスに記憶された前段サブモジュールに続いて実行される後段サブモジュール(例えば図11に示す後段サブモジュールSUB_1_SHALF)と、に分割した。これにより、特定アドレスの設定における制約にかかわらず、データ容量が節減された命令を用いてプログラム容量が比較的大きなサブモジュールを呼び出すことができるとともに、データ容量を節減した命令を用いて呼び出すことができるモジュールの数が減ってしまうことを防止できる。
【0012】
請求項4に記載の遊技機においては、前記複数の特定アドレスとして設定可能なアドレスは、前記プログラム記憶手段の先頭アドレス(例えばROM101の0000H番地)から所定の記憶容量分隔てたアドレス(例えば0008H番地)ごとに設けられている。これにより、機種ごとに大きく変更される部分がプログラム記憶手段の後方に配置されることとなり、機種ごとのプログラムの改変が容易になる。
【0013】
請求項5に記載の遊技機においては、前記メインモジュールに含まれる所定のプログラムモジュールを前段メインモジュール(例えば遊技制御メイン処理モジュールの前半部分131A)と後段メインモジュール(例えば遊技制御メイン処理モジュールの後半部分131B)とに分割して記憶するとともに、前段メインモジュールを先頭アドレス(例えばROM101における0000H番地)から特定アドレス(例えばROM101における0008H番地)よりも前方の領域に記憶し、後段メインモジュールを特定アドレスよりも後方の領域(例えばROM101における0078H番地〜00EBH番地の領域)に記憶する。これにより、データ容量が節減された命令を用いて呼び出すことができるモジュールの数を減らすことなく、プログラム容量が比較的大きなメインモジュールを記憶することができ、プログラムを記憶する領域を有効に利用することができる。なお、プログラム記憶手段により前段メインモジュールと後段メインモジュールとに分割して記憶されるプログラムモジュールは、例えば、遊技機の電源投入時に実行されて遊技の進行を制御するためのメイン処理モジュールなどであってもよい。
【0014】
また、前記制御手段は、電源投入時に、前記プログラム記憶手段の先頭アドレスに記憶されたプログラムモジュールを実行することにより、遊技機に設けられた遊技用装置の制御を開始してもよい。より具体的には、前記制御手段は、遊技の進行を制御する遊技制御手段を含み、前記遊技制御手段は、電源投入時に、前記プログラム記憶手段の先頭アドレスに記憶されたプログラムモジュールを実行することにより、遊技の制御を開始してもよい。前記複数の特定アドレスは、前記プログラム記憶手段の先頭アドレス付近のアドレスとして設定されていてもよい。前記プログラム記憶手段の先頭アドレスに記憶されたプログラムモジュールは、前記遊技機制御用プログラムのメインモジュールに含まれ、前記制御手段が遊技機に設けられた遊技用装置の制御を開始するときに初期設定を行うためのプログラムモジュールであってもよい。さらに、前記メインモジュールに含まれる所定のプログラムモジュールを、前記プログラム記憶手段の先頭アドレスに記憶され、プログラム容量が所定容量以下である前段メインモジュールと、前記特定アドレス以外のプログラムモジュール設定アドレスへ記憶され、前記前段メインモジュールにおける前記プログラムモジュール設定アドレスへの分岐命令により、前記先頭アドレスに記憶された前段メインモジュールに続いて実行される後段メインモジュールと、に分割してもよい。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を詳細に説明する。
図1は、本実施例におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。本実施例におけるパチンコ遊技機としては、プリペイドカードによって球貸しを行うカードリーダ(CR:Card Reader)式の第1種パチンコ遊技機や、スロットマシン等の遊技機である。
【0016】
また、パチンコ遊技機等の弾球遊技機であっても、例えば、第2種あるいは第3種に分類されるパチンコ遊技機や、一般電役機、又はパチコンと呼ばれる確率設定機能付き弾球遊技機等であっても構わない。さらには、プリペイドカードによって球貸しを行うCR式パチンコ遊技機だけではなく、現金によって球貸しを行うパチンコ遊技機にも適用可能である。
【0017】
パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。
【0018】
遊技盤2にはガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。遊技領域のほぼ中央位置には、可変表示装置4が設けられ、この可変表示装置4の下側には、特別図柄の変動を許容する始動機能を有する普通可変入賞球装置6が配置されている。普通可変入賞球装置6の下側には、特別可変入賞球装置(大入賞口)7が配置されている。また、可変表示装置4の上部には、普通図柄表示器5が配置されている。
【0019】
可変表示装置4は、複数の変動表示部により識別情報としての図柄を変動表示するLCD(Liquid Crystal Display)モジュール等を備えて構成され、例えば、普通可変入賞球装置6に遊技球が入賞することが実行条件となる特図ゲームにおいて、数字、文字、図柄等から構成される3つの表示図柄(特別図柄)の変動表示を開始し、一定時間が経過すると、左、右、中の順で表示図柄を確定する。可変表示装置4には、普通可変入賞球装置6に入った有効入賞球数すなわち始動記憶数を表示する4つの始動記憶表示エリアが設けられていてもよい。
【0020】
普通図柄表示器5は、発光ダイオード(LED)等を備えて構成され、所定の通過部材を遊技球が通過することが実行条件となる普通図ゲームにおいて、点灯、点滅、発色などが制御され、所定の当りパターンで表示が行われると、「普通図当り」状態となり、普通可変入賞球装置6を構成する電動チューリップの可動翼片を所定時間が経過するまで傾動制御する。
【0021】
普通可変入賞球装置6は、ソレノイド22(図3)によって垂直(通常開放)位置と傾動(拡大開放)位置との間で可動制御される一対の可動翼片を有するチューリップ型役物として構成される。
【0022】
特別可変入賞球装置7は、ソレノイド23(図3)によって入賞領域を開成・閉成制御する開閉板を備える。この開閉板は、通常時には閉成し、普通可変入賞球装置6への遊技球の入賞に基づいて可変表示装置4による特図ゲームが行われた結果、特定遊技状態となった場合に、ソレノイド23によって入賞領域を所定期間(例えば、29秒)あるいは所定個数(例えば、10個)の入賞球が発生するまで開成(開成サイクル)する状態となるように設定され、その開成している間に遊技盤2の表面を落下する遊技球を受け止める。そして、この開成サイクルを最高16回繰り返すことができるようになっている。特別可変入賞球装置7に入賞した遊技球は、入賞口スイッチなどの検出部により検出される。入賞球の検出に応答し、後述する主基板11と払出制御基板15(図2、図3)とにより、所定数の賞球の払い出しが行われる。
【0023】
また、遊技盤2の遊技領域には、上記した構成以外にも、装飾ランプを内蔵した風車やアウト口等が設けられている。また、遊技領域の外側の左右上部には、効果音を発する2つのスピーカ8L、8Rが設けられている。遊技領域の外周には、点灯又は点滅する遊技効果ランプ9が設けられている。遊技領域外側の右下部には、遊技者が遊技球を発射させるために操作する打球操作ハンドル(操作ノブ)20が設けられている。
【0024】
さらに、図1には、パチンコ遊技機1に隣接して設置され、プリペイドカードが挿入されることによって球貸しを可能にするプリペイドカードユニット(以下、カードユニットという)50も示されている。カードユニットには、使用可能状態であるか否かを示す使用可表示ランプ、カードユニットがいずれの側のパチンコ遊技機1に対応しているのかを示す連結台方向表示器、カードユニット内にカードが投入されていることを示すカード投入表示ランプ、記録媒体としてのカードが挿入されるカード挿入口、およびカード挿入口の裏面に設けられているカードリーダライタの機構を点検する場合にカードユニット50を開放するためのカードユニット錠などが設けられている。
【0025】
図2は、パチンコ遊技機1の背面図である。パチンコ遊技機1の背面には、電源基板10、主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14、払出制御基板15、情報端子基板16といった主要基板が、それぞれ適所に配設されている。
【0026】
図3は、主基板11を中心としたシステム構成例を示すブロック図である。なお、図3には、電源基板10、演出制御基板12、払出制御基板15、情報端子基板16も示されている。
【0027】
電源基板10は、パチンコ遊技機1内の各回路に所定の電源電圧を供給するものである。この電源基板10には、AC24Vの電源の供給を受けるための電源コードが接続されている。
【0028】
主基板11は、演出制御基板12、払出制御基板15、及び情報端子基板16と配線接続されている。また、主基板11には、普通可変入賞球装置6や特別可変入賞球装置7、その他の入賞口への入賞を検出する各入賞口スイッチ70からの配線が、接続されている。
【0029】
主基板11には、遊技制御用マイクロコンピュータ100、スイッチ回路110、ソレノイド回路111、定期リセット回路112等が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップマイクロコンピュータであり、ゲーム制御用のプログラム等を記憶するROM101、ワークメモリとして使用されるRAM102、プログラムに従って制御動作を行うCPU103及びI/Oポート104を含んでいる。遊技制御用マイクロコンピュータ100は、特図ゲームにおいて用いる乱数の生成機能や、演出制御基板12及び払出制御基板15に対し、それぞれ指令情報の一例となる制御コマンドを出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対し、情報端子基板16を介して各種情報を出力する機能などを備えている。
【0030】
図4は、ROM101に格納される遊技制御プログラム120の一構成例を示すブロック図である。遊技制御プログラム120は、複数種類のメインモジュールから構成される主制御プログラム121と、複数種類の共通サブモジュールから構成される共通サブルーチンプログラム122とを含んでいる。共通サブルーチンプログラム122内の各共通サブモジュールは、主制御プログラム121における複数のモジュールから共通に呼び出されて実行される
【0031】
この実施の形態において、主制御プログラム121は、複数種類のメインモジュールとして、遊技制御メイン処理モジュール131と、タイマ割込処理モジュール132と、初期化コマンド処理モジュール133と、スイッチ処理モジュール134と、判定用乱数更新処理モジュール135と、表示用乱数更新処理モジュール136と、特別図柄プロセス処理モジュール137と、普通図柄プロセス処理モジュール138と、特別図柄コマンド制御処理モジュール139と、普通図柄コマンド制御処理モジュール140と、情報出力処理モジュール141と、賞球処理モジュール142と、ソレノイド出力処理モジュール143と、電源断処理モジュール144とを含んでいる。
【0032】
遊技制御メイン処理モジュール131は、前段メインモジュールとなる前半部分131Aと、後段モジュールとなる後半部分131Bとからなり、電源投入時などにおける初期化処理の実行を制御する。タイマ割込処理モジュール132は、定期的に実行されて遊技の進行を制御するための各処理を呼び出す。初期化コマンド処理モジュール133は、電源投入後の遊技状態復旧処理やRAM102の初期設定において遊技制御メイン処理モジュール131から呼び出され、主基板11からサブ側の各制御基板(演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14、及び払出制御基板15)に初期化を指示するコマンドを送信するための設定を行う。
【0033】
スイッチ処理モジュール134は、各入賞口スイッチ70からの検出信号を取り込む。判定用乱数更新処理モジュール135は、各種の判定用乱数として用いられる各カウンタのカウント値を更新する。表示用乱数更新処理モジュール136は、各種の表示用乱数として用いられる各カウンタのカウント値を更新する。
【0034】
特別図柄プロセス処理モジュール137は、可変表示装置4に表示される特別図柄を所定の順序で制御するための設定を行う。普通図柄プロセス処理モジュール138は、普通図柄表示器5を所定の順序で制御するための設定を行う。特別図柄コマンド制御処理モジュール139は、主基板11から演出制御基板12に特別図柄の制御内容を指定するための表示制御コマンドを送信する。普通図柄コマンド制御処理モジュール140は、主基板11から演出制御基板12に普通図柄表示器5の制御内容を指定するための表示制御コマンドを送信する。
【0035】
情報出力処理モジュール141は、主基板11から情報端子基板16に各種情報の出力を指示するためのコマンドを送信する。賞球処理モジュール142は、主基板11から払出制御基板15に、入賞球の検出に基づく所定数の賞球払出を指示するための払出制御コマンドを送信する。ソレノイド出力処理モジュール143は、ソレノイド回路111を介してソレノイド22、23のオン/オフ制御を行う。電源断処理モジュール144は、停電等による電源断時に、RAM102のバックアップや、定期リセット回路112、I/Oポート104のディセーブル設定などを行う。
【0036】
また、この実施の形態において、共通サブルーチンプログラム122は、共通サブモジュールとして、ポインタ設定処理モジュール151と、ゼロ判定処理モジュール152と、2バイト・1バイト加算処理モジュール153と、2バイトロード処理モジュール154と、2バイトストア処理モジュール155と、状態チェック処理モジュール156と、データセット処理モジュール157とを含んでいる。
【0037】
ポインタ設定処理モジュール151は、CPU103にてポインタとして機能する所定のレジスタ(具体的には、HLレジスタ)に、アドレスを示すデータを設定する。ゼロ判定処理モジュール152は、CPU103における所定の16ビットレジスタ(具体的には、BCレジスタ)の値が0000H(添字“H”は、16進数であることを示す)であるか否かを判定する。2バイト・1バイト加算処理モジュール153は、CPU103にて、所定の16ビットレジスタ(具体的には、HLレジスタ)の値に、所定の8ビットレジスタ(具体的には、Aレジスタ)の値を加算する。
【0038】
2バイトロード処理モジュール154は、CPU103にてポインタとして機能する所定のレジスタ(具体的には、HLレジスタ)により指定されるアドレスと、その次のアドレスとに格納された2バイトのデータを、所定の16ビットレジスタ(具体的には、BCレジスタ)にロードする。2バイトストア処理モジュール155は、CPU103にてポインタとして機能する所定のレジスタ(具体的には、HLレジスタ)により指定されるアドレスと、その次のアドレスとに対して、所定の16ビットレジスタ(具体的には、BCレジスタ)に格納された2バイトデータをストアする。
【0039】
状態チェック処理モジュール156は、可変表示装置4における特別図柄の変動表示の変動時間を通常よりも短縮する機能(時短機能)が作動しているか否かを判定する。データセット処理モジュール157は、CPU103にてポインタとして機能する所定のレジスタ(具体的には、HLレジスタ)により指定される設定用テーブルを用いて、その設定用テーブルにて指定されるRAM102の設定先アドレスに、設定用テーブルにて指定される設定値データをストアする。
【0040】
図5は、ROM101におけるアドレスマップの一例を示す図である。図5に示すように、共通サブルーチンプログラム122に含まれる共通サブモジュールは、0008H番地〜0042H番地の領域に記憶されている。ここで、ポインタ設定処理モジュール151、ゼロ判定処理モジュール152、2バイト・1バイト加算処理モジュール153、2バイトロード処理モジュール154、2バイトストア処理モジュール155、及び状態チェック処理モジュール156は、いずれもプログラムサイズが8バイト以下となっている。
【0041】
すなわち、ポインタ設定処理モジュール151は、ROM101における0008H番地以降の領域に記憶されている。ゼロ判定処理モジュール152は、ROM101における0010H番地以降の領域に記憶されている。2バイト・1バイト加算処理モジュール153は、ROM101における0018H番地以降の領域に記憶されている。2バイトロード処理モジュール154は、ROM101における0020H番地以降の領域に記憶されている。2バイトストア処理モジュール155は、ROM101における0028H番地以降の領域に記憶されている。状態チェック処理モジュール156は、ROM101における0030H番地以降の領域に記憶されている。データセット処理モジュール157は、ROM101における0038H番地以降の領域に記憶されている。
【0042】
また、遊技制御メイン処理モジュール131は、その前半部分131Aが0000H番地〜0007H番地の領域に記憶されており、後半部分131Bが0078H番地〜00EBH番地の領域に記憶されている。その他、主制御プログラム121に含まれるメインモジュールは、ROM101において通常領域となる0043H番地以降の領域に記憶され、分岐命令や3バイトのCALL命令などを用いて分岐あるいは呼出可能に設定されている。
【0043】
CPU103には、予め定められた特定アドレスを指定してサブルーチンを呼び出し可能な1バイトのRST命令が用意されている。図6は、CPU103に用意されたRST命令の演算コードを示す図である。図6(A)に示すように、RST命令の演算コードは、第0ビットから第7ビットまでで構成され、その第3ビットから第5ビット以外の全てのビットが常に“1”となるように定められている。そして、RST命令の演算コードにおける第3ビットから第5ビットは、図6(B)に示すように、サブルーチン呼出による飛び先アドレスである指定アドレスに対応して決められている。すなわち、ROM101におけるアドレス0000H番地、0008H番地、0010H番地、0018H番地、0020H番地、0028H番地、0030H番地、及び0038H番地は、1バイトのRST命令により指定される特定アドレスとして、予め定められている。このように、ROM101におけるプログラムアドレスは、その先頭アドレスから所定アドレス(具体的には、0008H番地)ごとに、8つの特定アドレスとして設定可能である。
【0044】
ここで、ROM101におけるプログラムアドレスは、2バイト構成であるのに対して、RST命令にて特定アドレスを指定するパラメータ(オペランド)は、第3ビットから第5ビットまでの3ビットである。すなわち、RST命令は、ROM101におけるプログラムアドレスよりもデータサイズが小さいパラメータにて特定アドレスを指定し、その指定された特定アドレスに記憶されたサブルーチンを呼び出す命令として定められている。こうした1バイトのRST命令を用いることで、CPU103は、遊技制御メイン処理モジュールの前半部分131A、共通サブルーチンプログラム122に含まれる各共通サブモジュール151〜157を、呼び出すことができる。
【0045】
図3に示すスイッチ回路110には、各入賞口スイッチ70からの検出信号が入力される。スイッチ回路110は、その検出信号を取り込んで、遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝達する。
【0046】
ソレノイド回路111は、遊技制御用マイクロコンピュータ100からの指令に従って各ソレノイド22、23を駆動する。ソレノイド22は、普通可変入賞球装置6の可動翼片に連結されている。ソレノイド23は、特別可変入賞球装置7の開閉板に連結されている。
【0047】
定期リセット回路112は、CTC(カウンタ/タイマ回路)などの周辺LSI(Large Scale Integration)を備えて構成される。定期リセット回路112は、遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103による設定に従って、定期的(例えば、2ミリ秒ごと)にCPU103へ割込要求信号を送出し、タイマ割込処理モジュール132の先頭からの実行を要求する。
【0048】
演出制御基板12は、主基板11から受信した制御コマンドに従って演出制御を行うためのものである。具体的には、演出制御基板12は、可変表示装置4の表示制御や、遊技領域の外周に設けられた遊技効果ランプ9を含んだランプ・LED71及び普通図柄表示器5の点灯制御を行う。また、演出制御基板12は、演出用ソレノイド・モータ72を駆動制御するとともに、スピーカ8L、8Rからの音発生を制御する。
【0049】
演出制御基板12は、スピーカ8L、8Rからの音発生を制御するために、音声制御基板13と配線接続されている。音声制御基板13には、スピーカ8L、8Rを駆動する駆動回路等が搭載されている。また、演出制御基板12は、ランプ・LED71を点灯制御するために、ランプ制御基板14と配線接続されている。ランプ制御基板14には、装飾用に用いられるランプ・LED71を駆動するための駆動回路が搭載されている。なお、演出制御基板12、音声制御基板13及びランプ制御基板14は、それぞれ独立した基板として、例えば、パチンコ遊技機1の裏面において、1つのボックスに収容された状態で設置されてもよい。さらに、演出制御基板12、音声制御基板13及びランプ制御基板14を、まとめて1つの基板として構成してもよい。
【0050】
払出制御基板15は、遊技制御用マイクロコンピュータ100の制御下に、各入賞口スイッチ70が入賞球を検出するごとに、一定数の賞球の払い出しを払出装置21に指示する。また、払出制御基板15は、カードユニット50からの球貸し要求に従って、一定数の遊技球の払い出しを払出装置21に指示する。払出装置21は、払出制御基板15の制御下に、遊技球の払い出しを行う。情報端子基板16は、各種遊技関連情報を外部に出力するためのものである。
【0051】
次に、本実施例のパチンコ遊技機1の動作について説明する。図7は、主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100が実行する遊技制御メイン処理を示すフローチャートである。パチンコ遊技機1に対する電源が投入されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100にてCPU103がROM101の0000H番地から命令を読み出して遊技制御メイン処理モジュールの前半部分131Aを実行することで、遊技制御メイン処理が開始される。遊技制御メイン処理モジュールの前半部分131Aは、図5に示すように、ROM101の先頭アドレス0000H番地から、特定アドレス0008H番地よりも前方の領域に記憶されている。
【0052】
遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、まず、割込禁止に設定し(ステップS101)、続いて、割込モードを割込モード2に設定する(ステップS102)。この実施の形態におけるCPU103には、マスク可能な割込み(INT)のモードとして、以下の3種類のモードが用意されている。なお、割込許可状態でマスク可能な割込みが発生すると、CPU103は、自動的に割込禁止状態に設定するとともに、プログラムカウンタの内容をスタックにセーブする。
【0053】
割込モード0:割込要求を行った内蔵デバイスが、1バイトのRST命令または3バイトのCALL命令を、CPU103との間を接続するデータバス上に送出する。CPU103は、RST命令に対応したアドレス又はCALL命令で指定されるアドレスから順次命令を実行する。リセット時には、CPU103は自動的に割込モード0となる。従って、割込モード1又は割込モード2を使用する場合には、初期設定の段階で割込モード1又は割込モード2に設定するための処理を実行する必要がある。
【0054】
割込モード1:割込みが受け付けられると、CPU103が常にROM101のアドレス0038H番地を飛び先アドレスとして、そのアドレスから順次命令を実行するモードである。
【0055】
割込モード2:CPU103における8ビットの所定のレジスタ(具体的には、Iレジスタ)が格納している値を上位アドレスとし、内蔵デバイスから割込ベクタとして出力される最下位ビットが0の1バイトデータを下位アドレスとして割込ベクタテーブルを参照することにより、割込処理の実行アドレスを特定するモードである。
【0056】
CPU103は、割込モード2に設定することで、主基板11の内蔵デバイスからの割込要求に対応した割込処理を実行することができ、また、ROM101における任意のアドレスに割込処理を設置することが可能になる。さらに、割込モード1とは異なり、割込発生要因ごとに異なる割込処理を容易に用意しておくことができる。
【0057】
ステップS102に続いて、CPU103は、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS103)。そして、所定の無条件分岐命令(例えば、JR命令等)により、遊技制御メイン処理モジュールの後半部分131Bへ分岐する(ステップS104)。遊技制御メイン処理モジュールの後半部分131Bは、図5に示すように、例えばROM101における0078H番地〜00EBH番地の領域に記憶されている。この領域は、RST命令により指定される特定アドレスよりも後方の領域として設けられている。
【0058】
遊技制御メイン処理モジュールの後半部分131Bへ分岐した後、CPU103は、主基板11の内蔵デバイスである定期リセット回路112に設けられたCTCやPIO(パラレル入出力ポート)のレジスタ設定を行う(ステップS105)。例えば、CTCに対して、割込ベクタを設定する。
【0059】
続いて、CPU103は、例えばRAM102に設けられたバックアップフラグ領域をチェックするなどして(ステップS106)、前回の電源断時にRAM102の全部又は一部について所定のデータ保護処理によるバックアップがなされたか否かを判別する(ステップS107)。パチンコ遊技機1では、不測の電源断が生じたときに、RAM102に記憶されたデータの全部又は一部を保護するためのデータ保護処理が行われる。このようなデータ保護処理が行われていた場合には、バックアップありと判別される。
【0060】
ステップS107にてバックアップありと判別したとき(ステップS107;Yes)、CPU103は、バックアップデータのチェックとしてパリティチェックを行い、チェック結果が正常であるか否かを判別する(ステップS108)。チェック結果が正常であれば(ステップS108;Yes)、主基板11の内部状態とサブ側の各制御基板(演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14、及び払出制御基板15)の制御状態を電源断時の状態に戻すための遊技状態復旧処理を実行する(ステップS109)。その後、ステップS111に進む。
【0061】
ステップS107にてバックアップなしと判別したときや(ステップS107;No)、ステップS108にてチェック結果が正常ではなかったとき(ステップS108;No)、CPU103は、RAM102のクリアや、所定の作業領域に対する初期設定などを行う(ステップS110)。
【0062】
続いて、CPU103は、ステップS111において、タイマ割込のための設定を行う。具体的には、定期リセット回路112に設けられたCTCに対して、CTCが備える複数のチャネルのうちの1つ(具体的には、第0チャネルから第3チャネルのうちの第3チャネル)に割込許可を与えてタイマモードで動作させるとともに、当該チャネルのカウント初期値を指定する。これにより、以後、所定時間(例えば2ミリ秒)ごとに定期リセット回路112から割込要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込処理を実行することができる。
【0063】
この後、CPU103は、定期リセット回路112からの割込要求信号によるタイマ割込が発生したか否かを監視するためのループ処理に移行する。このループ処理では、割込禁止に設定した後(ステップS112)、表示用乱数更新処理モジュール136による表示用乱数更新処理(ステップS113)や判定用乱数更新処理モジュール135による判定用乱数更新処理(ステップS114)が実行され、判定用乱数処理が完了すると、割込許可に設定する(ステップS115)。
【0064】
図8は、遊技制御メイン処理モジュールの後半部分131BにおいてRAM102のクリアや初期設定を行うプログラム部分を示す説明図である。図8に示すプログラム部分は、上述したステップS110にてCPU103により実行される。図8において、L_INIT_RAMは、プログラムの先頭アドレスに対応したラベルである。
【0065】
図8に示すプログラムでは、始めに、RAM102における作業領域の先頭から、ブロック転送により作業領域全体にわたりクリアデータがセットされる。L_INIT_RAMにおける“LD”は、第1の引数として指定されるレジスタに、第2の引数として設定されるデータをセットする命令である。従って、L_INIT_RAMでは、まず、“LD HL,7F00H”という命令により、CPU103にてポインタとして機能するHLレジスタに、RAM102における作業領域の先頭アドレス7F00H番地がセットされる。続いて、“LD DE,7F01H”という命令により、CPU103における16ビットレジスタであるDEレジスタに7F01Hがセットされ、“LD BC,00FFH”という命令により、同じくCPU103における16ビットレジスタであるBCレジスタに00FFHがセットされる。
【0066】
図8に示すプログラムにおける“XOR”は、引数として指定されるレジスタの値とCPU103における8ビットレジスタであるAレジスタの値との排他的論理和を演算する命令である。ここで、同一の値の排他的論理和は0となる。従って、L_INIT_RAMでは、“XOR A”という命令により、CPU103におけるAレジスタにクリアデータがセットされることとなる。続いて、“LD (HL),A”という命令により、HLレジスタにより指定されるアドレスにAレジスタの値がロードされる。
【0067】
図8に示すプログラムにおける“LDIR”は、ブロック転送命令であり、HLレジスタを転送元アドレス、DEレジスタを転送先アドレス、BCレジスタを転送バイト数として、上位アドレス方向のメモリブロックを転送する。こうして、RAM102における作業領域にクリアデータがセットされ、作業領域の初期化が完了する。
【0068】
続いて、“LD HL,101EH”という命令によりHLレジスタに初期化時設定テーブルのアドレス101EH番地が設定された後、1バイトのRST命令によりデータセット処理モジュール157を呼び出す。データセット処理モジュール157は、図5に示すように、特定アドレスの1つである0038H番地以降に記憶され、RST命令による呼び出しが可能に設定されている。
【0069】
図9は、データセット処理モジュール157のプログラムを示す説明図である。図9に示すように、このデータセット処理モジュール157では、設定用テーブルにて指定された設定先アドレスに設定値データをストアする動作が、そのテーブルで指定された処理数だけ繰り返し実行される。そして、RET命令によりスタックポインタに格納されているアドレスをプログラムカウンタにセットすることで、呼出元のプログラムアドレスに復帰する。
【0070】
データセット処理モジュール157は、例えばステップS109の遊技状態復旧処理など、CPU103が実行するメインモジュールとしての主制御プログラム121の随所で呼び出される。アドレスが2バイト構成で表現される場合には、CALL命令などでは少なくとも3バイト必要である。しかし、RST命令は一般に1バイトである。よって、共通サブルーチンプログラム122を呼び出す命令としてRST命令を用いれば、ROM101の容量が節減される。
【0071】
図7に示す遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、定期リセット回路112からの割込要求信号を受信して割込要求を受け付けると、図10に示すタイマ割込処理の実行を開始する。
【0072】
タイマ割込処理を開始すると、CPU103は、電源断処理モジュール144を呼び出して所定の電源断処理を実行することにより、電源基板10から供給される電源電圧が低下したときなどに所定のデータ保護処理等を実行可能とする(ステップS121)。続いて、スイッチ処理モジュール134を呼び出して所定のスイッチ処理を実行することにより、各入賞口スイッチ70から入力される検出信号の状態を判定する(ステップS122)。
【0073】
次に、CPU103は、判定用乱数更新処理モジュール135による判定用乱数更新処理(ステップS123)と、表示用乱数更新処理モジュール136による表示用乱数更新処理(ステップS124)とを、順次実行する。そして、特別図柄プロセス処理モジュール137を呼び出して、特別図柄プロセス処理を実行する(ステップS125)。特別図柄プロセス処理では、遊技状態に応じてパチンコ遊技機1を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選択されて実行される。特別図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。
【0074】
また、CPU103は、普通図柄プロセス処理モジュール138のプログラムに従って、普通図柄プロセス処理を実行する(ステップS126)。普通図柄プロセス処理では、普通図柄表示器5を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選択されて実行される。普通図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。さらに、特別図柄コマンド制御処理モジュール139による特別図柄コマンド制御処理(ステップS127)と、普通図柄コマンド制御処理モジュール140による普通図柄コマンド制御処理(ステップS128)とを、順次実行する。これにより、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して表示制御コマンドを送ることにより、可変表示装置4の表示制御や普通図柄表示器5の点灯制御を指示する。
【0075】
続いて、CPU103は、情報出力処理モジュール141のプログラムに従って所定の情報出力処理を実行することにより、各種出力データをI/Oポート104に含まれる各出力ポートに出力する(ステップS129)。この情報出力処理では、主基板11から情報端子基板16に、大当り情報、始動情報、確率変動情報などをホール管理用コンピュータに対して出力する指令の送出も行われる。
【0076】
また、CPU103は、賞球処理モジュール142のプログラムに従って所定の賞球処理を実行することにより、各入賞口スイッチ70から入力された検出信号に基づく賞球数の設定などを行い、払出制御基板15に対して制御コマンドを出力可能とする(ステップS130)。さらに、ソレノイド出力処理モジュール143を呼び出して所定のソレノイド出力処理を実行することにより、所定の条件が成立したときに普通可変入賞球装置6における可動翼片や特別可変入賞球装置7における開閉板の開閉駆動を行う(ステップS131)。
【0077】
こうした複数種類のメインモジュールから構成される主制御プログラム121の実行中には、上述したデータセット処理モジュール157のほかにも、共通サブルーチンプログラム122に含まれる共通サブモジュールが随所で呼び出されて実行される。この共通サブモジュールの呼び出しは、1バイトのRST命令により行うことができるので、主制御プログラム121において各共通サブモジュールを呼び出す箇所が多くなればなるほど、ROM101におけるデータ容量節減の効果が大きくなり、全体としてプログラム容量をむやみに増加させることがない。
【0078】
なお、共通サブルーチンプログラム122に含まれる共通サブモジュールのうちで、2つの特定アドレス間の領域に記憶される共通サブモジュール(ポインタ設定処理モジュール151、ゼロ判定処理モジュール152、2バイト・1バイト加算処理モジュール153、2バイトロード処理モジュール154、2バイトストア処理モジュール155、及び状態チェック処理モジュール156)は、いずれもプログラムサイズが8バイト以下となっているものとした。これに対して、共通サブモジュールのプログラムサイズが8バイトよりも大きいときには、その共通サブモジュールを前段サブモジュールと後段サブモジュールとに分割し、前段サブモジュールのプログラムサイズが8バイト以下となるように設定すればよい。そして、ROM101において、前段サブモジュールの先頭アドレスが複数の特定アドレスのうちのいずれかとなるように記憶し、後段サブモジュールを特定アドレスよりも後方の領域に記憶する。また、前段モジュール内には後段サブモジュールへ分岐するための命令を設定しておくことで、CPU103は、前段サブモジュールに続いて後段サブモジュールの命令を実行することができる。
【0079】
図11は、共通サブルーチンプログラム122に含まれる共通サブモジュールSUB_1のプログラムサイズが8バイトよりも大きいときのROM101における記憶内容の例を示す図である。図11に示す例では、共通サブモジュールSUB_1を、前段サブモジュールSUB_1_FHALFと、後段サブモジュールSUB_1_SHALFとに分割し、前段サブモジュールSUB_1_FHALFの先頭アドレスが特定アドレスの1つである0008H番地となるように記憶されている。他方、後段サブモジュールSUB_1_SHALFは、特定アドレスよりも後方の領域にて、例えば0050H番地が先頭アドレスとなるように記憶されている。そして、前段サブモジュールSUB_1_FHALFには、相対ジャンプ命令であるJR命令が設定されている。これにより、前段サブモジュールSUB_1_FHALFを実行したCPU103は、後段サブモジュールSUB_1_SHALFへ無条件に分岐し、前段サブモジュールSUB_1_FHALFに続いて後段サブモジュールSUB_1_SHALFの命令を実行することができる。
【0080】
以上説明したように、この発明によれば、主制御プログラム121に含まれるメインモジュールから共通サブルーチンプログラム122に含まれる共通サブモジュールを呼び出して実行するときに、1バイトのRST命令が用いられる。このRST命令では、ROM101におけるプログラムアドレスよりもデータサイズが小さいパラメータにて特定アドレスが指定される。このような1バイトのRST命令を用いることで、共通サブルーチンプログラム122に含まれる共通サブモジュールを呼び出して実行する際に必要となるデータ容量を節減することができ、全体としてプログラム容量をむやみに増加させることがない。
【0081】
また、ROM101において特定アドレスとして設定可能なアドレスは、ROM101の先頭アドレス0000Hから所定アドレス、具体的には、0008H番地ごとに定められている。そして、2つの特定アドレス間の領域に記憶される共通サブモジュール(ポインタ設定処理モジュール151、ゼロ判定処理モジュール152、2バイト・1バイト加算処理モジュール153、2バイトロード処理モジュール154、2バイトストア処理モジュール155、及び状態チェック処理モジュール156)は、いずれもプログラムサイズが所定容量以下、具体的には、8バイト以下となっている。これにより、特定アドレスの設定に制約があるときでも、データ容量が節減されたRST命令を用いて可能な限り数多くの共通サブモジュールを呼び出すことができ、遊技制御プログラム120全体におけるプログラム容量がむやみに増大することを防止できる。また、例えば主制御プログラム121に含まれる各メインモジュールといった、機種ごとに大きく変更される部分がROM101における特定アドレスよりも後方の領域に記憶されることとなり、機種ごとのプログラムの改変が容易になる。
【0082】
他方、共通サブルーチンプログラム122に含まれる共通サブモジュールのプログラムサイズが所定容量、具体的には8バイト、よりも大きいときには、図11に例示するように、その共通サブモジュールを前段サブモジュールと後段サブモジュールとに分割し、前段サブモジュールのプログラムサイズを所定容量以下とする。そして、前段サブモジュールの先頭アドレスが複数の特定アドレスのうちのいずれかとなるようROM101に記憶し、前段モジュール内に後段サブモジュールへ分岐するための命令を設定しておく。これにより、CPU103は、前段サブモジュールに続いて後段サブモジュールの命令を実行することができ、特定アドレスの設定における制約にかかわらず、データ容量が節減されたRST命令を用いてプログラムサイズが比較的大きな共通サブモジュールを呼び出すことができるとともに、RST命令を用いて呼び出すことができるモジュールの数が減ってしまうことを防止できる。
【0083】
さらに、遊技制御メイン処理モジュール131については、前半部分131Aと後半部分131Bとに分割し、前半部分131AをROM101の先頭アドレス0000H番地から次の特定アドレス0008H番地までの領域に記憶する。そして、遊技制御メイン処理モジュールの後半部分については、複数の特定アドレスが定められた領域よりも後方の領域に記憶する。これにより、RST命令を用いて呼び出すことができるモジュールの数を減らすことなく、プログラム容量が比較的大きなメインモジュールを記憶することができ、ROM101を効率よく利用して、遊技制御プログラム120全体におけるプログラム容量がむやみに増大することを防止できる。
【0084】
図1及び図2に示した装置構成、図3及び図4に示すブロック構成や、図7及び図10に示すフローチャートの構成は、発明の趣旨を逸脱しない範囲で任意に変更及び修正が可能である。また、遊技制御メイン処理モジュールやデータセット処理モジュールなどのプログラムも、図8及び図9に示すものに限定されず、プログラムアドレスよりもデータサイズが小さいパラメータにて特定アドレスを指定する命令を用いてサブモジュールを呼び出す任意のプログラムに変更可能である。
【0085】
また、上記実施の形態では、主基板11にて、CPU103が遊技の進行を制御するために実行する遊技制御プログラム120について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、演出制御基板12に搭載されたCPU等が可変表示装置4などを用いて遊技における演出を制御するために実行するプログラムや、払出制御基板15に搭載されたCPU111等が払出装置21を用いた遊技球の払い出しを制御するために実行するプログラムなどにも適用することができる。演出制御基板12に搭載されたCPU等が実行するプログラムは、同じく演出制御基板12に搭載されたROM等に記憶されればよい。
【0086】
さらに、パチンコ遊技機1の動作をシミュレーションするゲーム機などにも本発明を適用することができる。本発明を実現するためのプログラム及びデータは、コンピュータ装置等に対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置等の有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
【0087】
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等にいったん格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
【0088】
【発明の効果】
以上説明したように本発明は、以下に示す効果を有する。
【0089】
請求項1に記載の遊技機によれば、遊技制御プログラムに含まれるメインモジュールは、複数の特定アドレスのいずれかに記憶された共通サブモジュールを制御手段が呼び出して実行するときに、プログラムアドレスよりもデータサイズが小さいパラメータにて特定アドレスを指定して呼び出しを指示する命令を用いる。これにより、サブモジュールの呼び出しに使用するデータ容量を節減することができ、全体としてプログラム容量がむやみに増加することを防止できる。
【0090】
請求項2に記載の遊技機においては、複数の特定アドレスとして設定可能なアドレスが所定の記憶容量分隔てたアドレスごとに定められ、共通サブモジュールは、プログラム容量が所定の記憶容量以下であるので、特定アドレスの設定に制約があるときでも、データ容量が節減された命令を用いて可能な限り数多くのサブモジュールを呼び出すことができ、遊技制御プログラム全体におけるプログラム容量がむやみに増大することを防止できる。
【0091】
請求項3に記載の遊技機においては、共通サブモジュールのプログラム容量が所定の記憶容量を越えるときには、共通サブモジュールを、特定アドレスに記憶されてプログラム容量が所定の記憶容量以下である前段サブモジュールと、特定アドレス以外のモジュール設定アドレスへ記憶された後段サブモジュールとに分割した。そして、前段サブモジュールにおけるモジュール設定アドレスへの分岐命令により、前段サブモジュールに続いて後段サブモジュールが実行されるようにした。従って、特定アドレスの設定における制約にかかわらず、データ容量が節減された命令を用いてプログラム容量が比較的大きなサブモジュールを呼び出すことができるとともに、データ容量を節減した命令を用いて呼び出すことができるモジュールの数が減ってしまうことを防止できる。
【0092】
請求項4に記載の遊技機においては、複数の特定アドレスとして設定可能なアドレスがプログラム記憶手段の先頭アドレスから所定の記憶容量分隔てたアドレスごとに設けられているので、機種ごとに大きく変更される部分がプログラム記憶手段の後方に配置されることとなり、機種ごとのプログラムの改変が容易になる。
【0093】
請求項5に記載の遊技機においては、メインモジュールに含まれる所定のプログラムモジュールにおける前段メインモジュールを、プログラム記憶手段の先頭アドレスから特定アドレスよりも前方の領域に記憶し、後段メインモジュールを特定アドレスよりも後方の領域に記憶する。これにより、データ容量が節減された命令を用いて呼び出すことができるモジュールの数を減らすことなく、プログラム容量が比較的大きなメインモジュールを記憶することができ、プログラムを記憶する領域を有効に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態におけるパチンコ遊技機の正面図である。
【図2】本発明の実施形態におけるパチンコ遊技機の背面図である。
【図3】主基板を中心としたシステム構成例を示すブロック図である。
【図4】遊技制御プログラムの一構成例を示すブロック図である。
【図5】ROMにおけるアドレスマップの一例を示す図である。
【図6】CPUに用意されたRST命令の演算コードを示す図である。
【図7】遊技制御メイン処理を示すフローチャートである。
【図8】遊技制御メイン処理モジュールにおける所定のプログラム部分を示す説明図である。
【図9】データセット処理モジュールのプログラムを示す説明図である。
【図10】タイマ割込処理を示すフローチャートである。
【図11】共通サブモジュールのプログラムサイズが所定容量よりも大きいときのROMにおける記憶内容の例を示す図である。
【符号の説明】
1 … パチンコ遊技機(遊技機)
2 … 遊技盤(ゲージ盤)
3 … 遊技機用枠(台枠)
4 … 可変表示装置
5 … 普通図柄表示器
6 … 普通可変入賞球装置(始動入賞口)
7 … 特別可変入賞球装置(大入賞口)
8L、8R … スピーカ
9 … ランプ
10 … 電源基板
11 … 主基板
12 … 演出制御基板
13 … 音声制御基板
14 … ランプ制御基板
15 … 払出制御基板
16 … 情報端子基板
20 … 操作ノブ
21 … 払出装置
50 … カードユニット
70 … 各入賞口スイッチ
71 … ランプ・LED
72 … 演出用ソレノイド・モータ
100 … 遊技制御用マイクロコンピュータ
101 … ROM
102 … RAM
103 … CPU
104 … I/O
110 … スイッチ回路
111 … ソレノイド回路
112 … 定期リセット回路
120 … 遊技制御プログラム
121 … 主制御プログラム
122 … 共通サブルーチンプログラム
131 … 遊技制御メイン処理モジュール
131A … 遊技制御メイン処理(前半部分)
131B … 遊技制御メイン処理(後半部分)
132 … タイマ割込処理モジュール
133 … 初期化コマンド処理モジュール
134 … スイッチ処理モジュール
135 … 判定用乱数更新処理モジュール
136 … 表示用乱数更新処理モジュール
137 … 特別図柄プロセス処理モジュール
138 … 普通図柄プロセス処理モジュール
139 … 特別図柄コマンド制御処理モジュール
140 … 普通図柄コマンド制御処理モジュール
141 … 情報出力処理モジュール
142 … 賞球処理モジュール
143 … ソレノイド出力処理モジュール
144 … 電源断処理モジュール
151 … ポインタ設定処理モジュール
152 … ゼロ判定処理モジュール
153 … 2バイト・1バイト加算処理モジュール
154 … 2バイトロード処理モジュール
155 … 2バイトストア処理モジュール
156 … 状態チェック処理モジュール
157 … データセット処理モジュール
【発明の属する技術分野】
本発明は、パチンコ遊技機等の遊技機に関し、詳しくは、遊技者が所定の遊技を行い、遊技における特定条件の成立に応じて遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御可能な遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
パチンコ遊技機等の遊技機では、遊技者が所定の遊技を行うために、例えば可変表示装置や普通可変入賞球装置(始動入賞口)、特別可変入賞球装置(大入賞口)、装飾ランプ、スピーカあるいは払出装置などといった、各種の遊技用装置が電気部品として備え付けられている。一般に、こうした遊技用装置の動作は、マイクロコンピュータシステムが備えるCPU等によって制御される。CPUは、各遊技用装置の制御を司る主制御プログラムと主制御プログラムの随所において呼び出される多数のサブルーチンとを含む遊技機制御用プログラムに従って動作する。遊技機制御用プログラムは、マイクロコンピュータシステムにおけるROMに格納される。CPUは、主制御プログラムにおけるメインモジュールの途中で、例えばCALL命令により、サブモジュールとして構成されたサブルーチンをコール(呼出)して実行するようにしている(例えば、特許文献1)。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−204929号公報(例えば、第10頁)
【0004】
ここで、CALL命令は1バイトの演算コードと2バイトのアドレス部(オペランド)を含んだ3バイトの命令であり、指定したアドレスのサブルーチンを呼び出す。そして、呼び出されたサブルーチン内の命令を順次実行し、サブルーチン内のリターン命令により、リターンアドレスに復帰する。このように、従来では、サブルーチンコールに直接アドレス形式のCALL命令を用いるのが一般的であり、サブルーチンコールを設けるごとに、例えば3バイトのプログラム容量を費やしていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
パチンコ遊技機等にあっては、種々の事情によってプログラム容量に制約が設けられている。その一方で、遊技機における遊技をよりおもしろく演出しようとするとプログラム容量は増加し、プログラム容量が制約値を越えてしまうことがある。また、より一般的に、プログラム容量が増大すると、ROMなどの記憶装置として記憶容量の大きなものが必要になり、例えば遊技機全体の製造コストが増加するなどの問題が生じる。このため、パチンコ遊技機等の遊技機においては、プログラム容量をむやみに増加させないための工夫が求められている。
【0006】
この発明は上記実状に鑑みてなされたものであり、特にメインモジュールからサブモジュールを呼び出して実行する際に必要となるデータ容量を節減することで、全体としてプログラム容量をむやみに増加させることのない遊技機を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本願の請求項1に記載の遊技機は、遊技者が所定の遊技を行い、遊技における特定条件の成立に応じて遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御可能な遊技機であって、遊技機制御用プログラム(例えば遊技制御プログラム120など)に従って遊技機に設けられた遊技用装置を制御する制御手段(例えばCPU103など)と、前記遊技機制御用プログラムを記憶するプログラム記憶手段(例えばROM101など)、とを備え、前記遊技機制御用プログラムは、複数種類のメインモジュール(例えば主制御プログラム121に含まれる遊技制御メイン処理モジュール131など)と、メインモジュールから呼び出されて実行される複数種類のサブモジュール(例えば共通サブルーチンプログラム122に含まれるポインタ設定処理モジュール151など)とを含み、前記複数種類のサブモジュールのうちで複数のメインモジュールから共通に呼び出されて実行される共通サブモジュール(例えばデータセット処理モジュール157など)は、前記プログラム記憶手段における複数の特定アドレス(例えばROM101の0008H番地、0010H番地、0018H番地、0020H番地、0028H番地、0030H番地、及び0038H番地など)のいずれかに記憶され、前記遊技機制御用プログラムに含まれるメインモジュールは、前記制御手段が前記共通サブモジュールを呼び出して実行するときに、前記プログラム記憶手段におけるプログラムアドレスよりもデータサイズが小さいパラメータにて特定アドレスを指定し、該指定された特定アドレスに記憶されたサブモジュールを呼び出す命令(例えばRST命令)を用いる。なお、遊技機制御用プログラムは、例えば、遊技の進行を制御するために実行される遊技制御プログラムのほか、表示状態が変化可能な可変表示装置や演出用の装飾ランプ及びスピーカなどを用いた遊技の演出を制御するために実行される演出制御プログラム、払出装置を用いた遊技球の払い出しを制御するために実行される払出制御プログラムなど、遊技機に設けられた遊技用の各種装置を制御するためのプログラムであってもよい。また、制御手段は、遊技の進行を制御する遊技制御手段のほか、可変表示装置の表示制御を行う表示制御手段や、払出装置の制御を行う払出制御手段などであってもよい。
【0008】
請求項1に記載の遊技機によれば、遊技機制御用プログラムに含まれるメインモジュールは、複数の特定アドレスのいずれかに記憶された共通サブモジュールを制御手段が呼び出して実行するときに、プログラムアドレスよりもデータサイズが小さいパラメータにて特定アドレスを指定して呼び出しを指示する命令を用いる。これにより、サブモジュールの呼び出しに使用するデータ容量を節減することができ、全体としてプログラム容量がむやみに増加することを防止できる。
【0009】
また、本発明に係る遊技機は、遊技者が所定の遊技を行い、遊技における特定条件の成立に応じて遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御可能な遊技機であって、遊技機制御用プログラム(例えば遊技制御プログラム120など)に従って遊技機に設けられた遊技用装置を制御する制御手段(例えばCPU103など)と、前記遊技機制御用プログラムを記憶するプログラム記憶手段(例えばROM101など)、とを備え、前記遊技機制御用プログラムは、複数種類のメインモジュール(例えば主制御プログラム121に含まれる遊技制御メイン処理モジュール131など)と、メインモジュールから呼び出されて実行される複数種類のサブモジュール(例えば共通サブルーチンプログラム122に含まれるポインタ設定処理モジュール151など)とを含み、前記プログラム記憶手段は、複数の特定アドレス(例えばROM101の0008H番地、0010H番地、0018H番地、0020H番地、0028H番地、0030H番地、及び0038H番地など)のいずれかを先頭アドレスとして、前記遊技機制御用プログラムに含まれる複数種類のサブモジュールのうちで複数のメインモジュールから共通に呼び出されて実行される共通サブモジュール(例えばデータセット処理モジュール157など)を記憶する共通サブモジュール記憶手段(例えばROM101においてデータセット処理モジュール157を記憶する領域など)を含み、前記遊技機制御用プログラムに含まれるメインモジュールは、前記制御手段が前記共通サブモジュール記憶手段に記憶された共通サブモジュールを呼び出して実行するときに、前記プログラム記憶手段におけるプログラムアドレスよりもデータサイズが小さいパラメータにて特定アドレスを指定し、該指定された特定アドレスに記憶されたサブモジュールを呼び出す命令(例えばRST命令)を用いてもよい。この構成によれば、遊技機制御用プログラムに含まれるメインモジュールは、複数の特定アドレスのいずれかを先頭アドレスとする共通サブモジュール記憶手段に記憶された共通サブモジュールを制御手段が呼び出して実行するときに、プログラムアドレスよりもデータサイズが小さいパラメータにて特定アドレスを指定して呼び出しを指示する命令を用いる。これにより、サブモジュールの呼び出しに使用するデータ容量を節減することができ、全体としてプログラム容量をむやみに増加させることがない。
【0010】
請求項2に記載の遊技機においては、前記プログラム記憶手段にて複数の特定アドレスとして設定可能なアドレスは、所定の記憶容量(例えば8バイト)分隔てたアドレス(例えば0008H番地)ごとに定められ、前記共通サブモジュールは、プログラム容量が前記所定の記憶容量以下である。これにより、特定アドレスの設定に制約があるときでも、データ容量が節減された命令を用いて可能な限り数多くのサブモジュールを呼び出すことができ、遊技機制御用プログラム全体におけるプログラム容量がむやみに増大することを防止できる。
【0011】
請求項3に記載の遊技機においては、前記プログラム記憶手段にて複数の特定アドレスとして設定可能なアドレスは、所定の記憶容量(例えば8バイト)分隔てたアドレス(例えば0008H番地)ごとに定められ、前記共通サブモジュールのプログラム容量が前記所定の記憶容量を越えるときには、前記共通サブモジュールを、前記特定アドレスに記憶され、プログラム容量が前記所定の記憶容量以下である前段サブモジュール(例えば図11に示す前段サブモジュールSUB_1_FHALF)と、前記特定アドレス以外のモジュール設定アドレス(例えばROM101の0050番地)へ記憶され、前記前段サブモジュールにおける前記モジュール設定アドレスへの分岐命令(例えばJR命令)により、前記特定アドレスに記憶された前段サブモジュールに続いて実行される後段サブモジュール(例えば図11に示す後段サブモジュールSUB_1_SHALF)と、に分割した。これにより、特定アドレスの設定における制約にかかわらず、データ容量が節減された命令を用いてプログラム容量が比較的大きなサブモジュールを呼び出すことができるとともに、データ容量を節減した命令を用いて呼び出すことができるモジュールの数が減ってしまうことを防止できる。
【0012】
請求項4に記載の遊技機においては、前記複数の特定アドレスとして設定可能なアドレスは、前記プログラム記憶手段の先頭アドレス(例えばROM101の0000H番地)から所定の記憶容量分隔てたアドレス(例えば0008H番地)ごとに設けられている。これにより、機種ごとに大きく変更される部分がプログラム記憶手段の後方に配置されることとなり、機種ごとのプログラムの改変が容易になる。
【0013】
請求項5に記載の遊技機においては、前記メインモジュールに含まれる所定のプログラムモジュールを前段メインモジュール(例えば遊技制御メイン処理モジュールの前半部分131A)と後段メインモジュール(例えば遊技制御メイン処理モジュールの後半部分131B)とに分割して記憶するとともに、前段メインモジュールを先頭アドレス(例えばROM101における0000H番地)から特定アドレス(例えばROM101における0008H番地)よりも前方の領域に記憶し、後段メインモジュールを特定アドレスよりも後方の領域(例えばROM101における0078H番地〜00EBH番地の領域)に記憶する。これにより、データ容量が節減された命令を用いて呼び出すことができるモジュールの数を減らすことなく、プログラム容量が比較的大きなメインモジュールを記憶することができ、プログラムを記憶する領域を有効に利用することができる。なお、プログラム記憶手段により前段メインモジュールと後段メインモジュールとに分割して記憶されるプログラムモジュールは、例えば、遊技機の電源投入時に実行されて遊技の進行を制御するためのメイン処理モジュールなどであってもよい。
【0014】
また、前記制御手段は、電源投入時に、前記プログラム記憶手段の先頭アドレスに記憶されたプログラムモジュールを実行することにより、遊技機に設けられた遊技用装置の制御を開始してもよい。より具体的には、前記制御手段は、遊技の進行を制御する遊技制御手段を含み、前記遊技制御手段は、電源投入時に、前記プログラム記憶手段の先頭アドレスに記憶されたプログラムモジュールを実行することにより、遊技の制御を開始してもよい。前記複数の特定アドレスは、前記プログラム記憶手段の先頭アドレス付近のアドレスとして設定されていてもよい。前記プログラム記憶手段の先頭アドレスに記憶されたプログラムモジュールは、前記遊技機制御用プログラムのメインモジュールに含まれ、前記制御手段が遊技機に設けられた遊技用装置の制御を開始するときに初期設定を行うためのプログラムモジュールであってもよい。さらに、前記メインモジュールに含まれる所定のプログラムモジュールを、前記プログラム記憶手段の先頭アドレスに記憶され、プログラム容量が所定容量以下である前段メインモジュールと、前記特定アドレス以外のプログラムモジュール設定アドレスへ記憶され、前記前段メインモジュールにおける前記プログラムモジュール設定アドレスへの分岐命令により、前記先頭アドレスに記憶された前段メインモジュールに続いて実行される後段メインモジュールと、に分割してもよい。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を詳細に説明する。
図1は、本実施例におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。本実施例におけるパチンコ遊技機としては、プリペイドカードによって球貸しを行うカードリーダ(CR:Card Reader)式の第1種パチンコ遊技機や、スロットマシン等の遊技機である。
【0016】
また、パチンコ遊技機等の弾球遊技機であっても、例えば、第2種あるいは第3種に分類されるパチンコ遊技機や、一般電役機、又はパチコンと呼ばれる確率設定機能付き弾球遊技機等であっても構わない。さらには、プリペイドカードによって球貸しを行うCR式パチンコ遊技機だけではなく、現金によって球貸しを行うパチンコ遊技機にも適用可能である。
【0017】
パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。
【0018】
遊技盤2にはガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。遊技領域のほぼ中央位置には、可変表示装置4が設けられ、この可変表示装置4の下側には、特別図柄の変動を許容する始動機能を有する普通可変入賞球装置6が配置されている。普通可変入賞球装置6の下側には、特別可変入賞球装置(大入賞口)7が配置されている。また、可変表示装置4の上部には、普通図柄表示器5が配置されている。
【0019】
可変表示装置4は、複数の変動表示部により識別情報としての図柄を変動表示するLCD(Liquid Crystal Display)モジュール等を備えて構成され、例えば、普通可変入賞球装置6に遊技球が入賞することが実行条件となる特図ゲームにおいて、数字、文字、図柄等から構成される3つの表示図柄(特別図柄)の変動表示を開始し、一定時間が経過すると、左、右、中の順で表示図柄を確定する。可変表示装置4には、普通可変入賞球装置6に入った有効入賞球数すなわち始動記憶数を表示する4つの始動記憶表示エリアが設けられていてもよい。
【0020】
普通図柄表示器5は、発光ダイオード(LED)等を備えて構成され、所定の通過部材を遊技球が通過することが実行条件となる普通図ゲームにおいて、点灯、点滅、発色などが制御され、所定の当りパターンで表示が行われると、「普通図当り」状態となり、普通可変入賞球装置6を構成する電動チューリップの可動翼片を所定時間が経過するまで傾動制御する。
【0021】
普通可変入賞球装置6は、ソレノイド22(図3)によって垂直(通常開放)位置と傾動(拡大開放)位置との間で可動制御される一対の可動翼片を有するチューリップ型役物として構成される。
【0022】
特別可変入賞球装置7は、ソレノイド23(図3)によって入賞領域を開成・閉成制御する開閉板を備える。この開閉板は、通常時には閉成し、普通可変入賞球装置6への遊技球の入賞に基づいて可変表示装置4による特図ゲームが行われた結果、特定遊技状態となった場合に、ソレノイド23によって入賞領域を所定期間(例えば、29秒)あるいは所定個数(例えば、10個)の入賞球が発生するまで開成(開成サイクル)する状態となるように設定され、その開成している間に遊技盤2の表面を落下する遊技球を受け止める。そして、この開成サイクルを最高16回繰り返すことができるようになっている。特別可変入賞球装置7に入賞した遊技球は、入賞口スイッチなどの検出部により検出される。入賞球の検出に応答し、後述する主基板11と払出制御基板15(図2、図3)とにより、所定数の賞球の払い出しが行われる。
【0023】
また、遊技盤2の遊技領域には、上記した構成以外にも、装飾ランプを内蔵した風車やアウト口等が設けられている。また、遊技領域の外側の左右上部には、効果音を発する2つのスピーカ8L、8Rが設けられている。遊技領域の外周には、点灯又は点滅する遊技効果ランプ9が設けられている。遊技領域外側の右下部には、遊技者が遊技球を発射させるために操作する打球操作ハンドル(操作ノブ)20が設けられている。
【0024】
さらに、図1には、パチンコ遊技機1に隣接して設置され、プリペイドカードが挿入されることによって球貸しを可能にするプリペイドカードユニット(以下、カードユニットという)50も示されている。カードユニットには、使用可能状態であるか否かを示す使用可表示ランプ、カードユニットがいずれの側のパチンコ遊技機1に対応しているのかを示す連結台方向表示器、カードユニット内にカードが投入されていることを示すカード投入表示ランプ、記録媒体としてのカードが挿入されるカード挿入口、およびカード挿入口の裏面に設けられているカードリーダライタの機構を点検する場合にカードユニット50を開放するためのカードユニット錠などが設けられている。
【0025】
図2は、パチンコ遊技機1の背面図である。パチンコ遊技機1の背面には、電源基板10、主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14、払出制御基板15、情報端子基板16といった主要基板が、それぞれ適所に配設されている。
【0026】
図3は、主基板11を中心としたシステム構成例を示すブロック図である。なお、図3には、電源基板10、演出制御基板12、払出制御基板15、情報端子基板16も示されている。
【0027】
電源基板10は、パチンコ遊技機1内の各回路に所定の電源電圧を供給するものである。この電源基板10には、AC24Vの電源の供給を受けるための電源コードが接続されている。
【0028】
主基板11は、演出制御基板12、払出制御基板15、及び情報端子基板16と配線接続されている。また、主基板11には、普通可変入賞球装置6や特別可変入賞球装置7、その他の入賞口への入賞を検出する各入賞口スイッチ70からの配線が、接続されている。
【0029】
主基板11には、遊技制御用マイクロコンピュータ100、スイッチ回路110、ソレノイド回路111、定期リセット回路112等が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップマイクロコンピュータであり、ゲーム制御用のプログラム等を記憶するROM101、ワークメモリとして使用されるRAM102、プログラムに従って制御動作を行うCPU103及びI/Oポート104を含んでいる。遊技制御用マイクロコンピュータ100は、特図ゲームにおいて用いる乱数の生成機能や、演出制御基板12及び払出制御基板15に対し、それぞれ指令情報の一例となる制御コマンドを出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対し、情報端子基板16を介して各種情報を出力する機能などを備えている。
【0030】
図4は、ROM101に格納される遊技制御プログラム120の一構成例を示すブロック図である。遊技制御プログラム120は、複数種類のメインモジュールから構成される主制御プログラム121と、複数種類の共通サブモジュールから構成される共通サブルーチンプログラム122とを含んでいる。共通サブルーチンプログラム122内の各共通サブモジュールは、主制御プログラム121における複数のモジュールから共通に呼び出されて実行される
【0031】
この実施の形態において、主制御プログラム121は、複数種類のメインモジュールとして、遊技制御メイン処理モジュール131と、タイマ割込処理モジュール132と、初期化コマンド処理モジュール133と、スイッチ処理モジュール134と、判定用乱数更新処理モジュール135と、表示用乱数更新処理モジュール136と、特別図柄プロセス処理モジュール137と、普通図柄プロセス処理モジュール138と、特別図柄コマンド制御処理モジュール139と、普通図柄コマンド制御処理モジュール140と、情報出力処理モジュール141と、賞球処理モジュール142と、ソレノイド出力処理モジュール143と、電源断処理モジュール144とを含んでいる。
【0032】
遊技制御メイン処理モジュール131は、前段メインモジュールとなる前半部分131Aと、後段モジュールとなる後半部分131Bとからなり、電源投入時などにおける初期化処理の実行を制御する。タイマ割込処理モジュール132は、定期的に実行されて遊技の進行を制御するための各処理を呼び出す。初期化コマンド処理モジュール133は、電源投入後の遊技状態復旧処理やRAM102の初期設定において遊技制御メイン処理モジュール131から呼び出され、主基板11からサブ側の各制御基板(演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14、及び払出制御基板15)に初期化を指示するコマンドを送信するための設定を行う。
【0033】
スイッチ処理モジュール134は、各入賞口スイッチ70からの検出信号を取り込む。判定用乱数更新処理モジュール135は、各種の判定用乱数として用いられる各カウンタのカウント値を更新する。表示用乱数更新処理モジュール136は、各種の表示用乱数として用いられる各カウンタのカウント値を更新する。
【0034】
特別図柄プロセス処理モジュール137は、可変表示装置4に表示される特別図柄を所定の順序で制御するための設定を行う。普通図柄プロセス処理モジュール138は、普通図柄表示器5を所定の順序で制御するための設定を行う。特別図柄コマンド制御処理モジュール139は、主基板11から演出制御基板12に特別図柄の制御内容を指定するための表示制御コマンドを送信する。普通図柄コマンド制御処理モジュール140は、主基板11から演出制御基板12に普通図柄表示器5の制御内容を指定するための表示制御コマンドを送信する。
【0035】
情報出力処理モジュール141は、主基板11から情報端子基板16に各種情報の出力を指示するためのコマンドを送信する。賞球処理モジュール142は、主基板11から払出制御基板15に、入賞球の検出に基づく所定数の賞球払出を指示するための払出制御コマンドを送信する。ソレノイド出力処理モジュール143は、ソレノイド回路111を介してソレノイド22、23のオン/オフ制御を行う。電源断処理モジュール144は、停電等による電源断時に、RAM102のバックアップや、定期リセット回路112、I/Oポート104のディセーブル設定などを行う。
【0036】
また、この実施の形態において、共通サブルーチンプログラム122は、共通サブモジュールとして、ポインタ設定処理モジュール151と、ゼロ判定処理モジュール152と、2バイト・1バイト加算処理モジュール153と、2バイトロード処理モジュール154と、2バイトストア処理モジュール155と、状態チェック処理モジュール156と、データセット処理モジュール157とを含んでいる。
【0037】
ポインタ設定処理モジュール151は、CPU103にてポインタとして機能する所定のレジスタ(具体的には、HLレジスタ)に、アドレスを示すデータを設定する。ゼロ判定処理モジュール152は、CPU103における所定の16ビットレジスタ(具体的には、BCレジスタ)の値が0000H(添字“H”は、16進数であることを示す)であるか否かを判定する。2バイト・1バイト加算処理モジュール153は、CPU103にて、所定の16ビットレジスタ(具体的には、HLレジスタ)の値に、所定の8ビットレジスタ(具体的には、Aレジスタ)の値を加算する。
【0038】
2バイトロード処理モジュール154は、CPU103にてポインタとして機能する所定のレジスタ(具体的には、HLレジスタ)により指定されるアドレスと、その次のアドレスとに格納された2バイトのデータを、所定の16ビットレジスタ(具体的には、BCレジスタ)にロードする。2バイトストア処理モジュール155は、CPU103にてポインタとして機能する所定のレジスタ(具体的には、HLレジスタ)により指定されるアドレスと、その次のアドレスとに対して、所定の16ビットレジスタ(具体的には、BCレジスタ)に格納された2バイトデータをストアする。
【0039】
状態チェック処理モジュール156は、可変表示装置4における特別図柄の変動表示の変動時間を通常よりも短縮する機能(時短機能)が作動しているか否かを判定する。データセット処理モジュール157は、CPU103にてポインタとして機能する所定のレジスタ(具体的には、HLレジスタ)により指定される設定用テーブルを用いて、その設定用テーブルにて指定されるRAM102の設定先アドレスに、設定用テーブルにて指定される設定値データをストアする。
【0040】
図5は、ROM101におけるアドレスマップの一例を示す図である。図5に示すように、共通サブルーチンプログラム122に含まれる共通サブモジュールは、0008H番地〜0042H番地の領域に記憶されている。ここで、ポインタ設定処理モジュール151、ゼロ判定処理モジュール152、2バイト・1バイト加算処理モジュール153、2バイトロード処理モジュール154、2バイトストア処理モジュール155、及び状態チェック処理モジュール156は、いずれもプログラムサイズが8バイト以下となっている。
【0041】
すなわち、ポインタ設定処理モジュール151は、ROM101における0008H番地以降の領域に記憶されている。ゼロ判定処理モジュール152は、ROM101における0010H番地以降の領域に記憶されている。2バイト・1バイト加算処理モジュール153は、ROM101における0018H番地以降の領域に記憶されている。2バイトロード処理モジュール154は、ROM101における0020H番地以降の領域に記憶されている。2バイトストア処理モジュール155は、ROM101における0028H番地以降の領域に記憶されている。状態チェック処理モジュール156は、ROM101における0030H番地以降の領域に記憶されている。データセット処理モジュール157は、ROM101における0038H番地以降の領域に記憶されている。
【0042】
また、遊技制御メイン処理モジュール131は、その前半部分131Aが0000H番地〜0007H番地の領域に記憶されており、後半部分131Bが0078H番地〜00EBH番地の領域に記憶されている。その他、主制御プログラム121に含まれるメインモジュールは、ROM101において通常領域となる0043H番地以降の領域に記憶され、分岐命令や3バイトのCALL命令などを用いて分岐あるいは呼出可能に設定されている。
【0043】
CPU103には、予め定められた特定アドレスを指定してサブルーチンを呼び出し可能な1バイトのRST命令が用意されている。図6は、CPU103に用意されたRST命令の演算コードを示す図である。図6(A)に示すように、RST命令の演算コードは、第0ビットから第7ビットまでで構成され、その第3ビットから第5ビット以外の全てのビットが常に“1”となるように定められている。そして、RST命令の演算コードにおける第3ビットから第5ビットは、図6(B)に示すように、サブルーチン呼出による飛び先アドレスである指定アドレスに対応して決められている。すなわち、ROM101におけるアドレス0000H番地、0008H番地、0010H番地、0018H番地、0020H番地、0028H番地、0030H番地、及び0038H番地は、1バイトのRST命令により指定される特定アドレスとして、予め定められている。このように、ROM101におけるプログラムアドレスは、その先頭アドレスから所定アドレス(具体的には、0008H番地)ごとに、8つの特定アドレスとして設定可能である。
【0044】
ここで、ROM101におけるプログラムアドレスは、2バイト構成であるのに対して、RST命令にて特定アドレスを指定するパラメータ(オペランド)は、第3ビットから第5ビットまでの3ビットである。すなわち、RST命令は、ROM101におけるプログラムアドレスよりもデータサイズが小さいパラメータにて特定アドレスを指定し、その指定された特定アドレスに記憶されたサブルーチンを呼び出す命令として定められている。こうした1バイトのRST命令を用いることで、CPU103は、遊技制御メイン処理モジュールの前半部分131A、共通サブルーチンプログラム122に含まれる各共通サブモジュール151〜157を、呼び出すことができる。
【0045】
図3に示すスイッチ回路110には、各入賞口スイッチ70からの検出信号が入力される。スイッチ回路110は、その検出信号を取り込んで、遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝達する。
【0046】
ソレノイド回路111は、遊技制御用マイクロコンピュータ100からの指令に従って各ソレノイド22、23を駆動する。ソレノイド22は、普通可変入賞球装置6の可動翼片に連結されている。ソレノイド23は、特別可変入賞球装置7の開閉板に連結されている。
【0047】
定期リセット回路112は、CTC(カウンタ/タイマ回路)などの周辺LSI(Large Scale Integration)を備えて構成される。定期リセット回路112は、遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103による設定に従って、定期的(例えば、2ミリ秒ごと)にCPU103へ割込要求信号を送出し、タイマ割込処理モジュール132の先頭からの実行を要求する。
【0048】
演出制御基板12は、主基板11から受信した制御コマンドに従って演出制御を行うためのものである。具体的には、演出制御基板12は、可変表示装置4の表示制御や、遊技領域の外周に設けられた遊技効果ランプ9を含んだランプ・LED71及び普通図柄表示器5の点灯制御を行う。また、演出制御基板12は、演出用ソレノイド・モータ72を駆動制御するとともに、スピーカ8L、8Rからの音発生を制御する。
【0049】
演出制御基板12は、スピーカ8L、8Rからの音発生を制御するために、音声制御基板13と配線接続されている。音声制御基板13には、スピーカ8L、8Rを駆動する駆動回路等が搭載されている。また、演出制御基板12は、ランプ・LED71を点灯制御するために、ランプ制御基板14と配線接続されている。ランプ制御基板14には、装飾用に用いられるランプ・LED71を駆動するための駆動回路が搭載されている。なお、演出制御基板12、音声制御基板13及びランプ制御基板14は、それぞれ独立した基板として、例えば、パチンコ遊技機1の裏面において、1つのボックスに収容された状態で設置されてもよい。さらに、演出制御基板12、音声制御基板13及びランプ制御基板14を、まとめて1つの基板として構成してもよい。
【0050】
払出制御基板15は、遊技制御用マイクロコンピュータ100の制御下に、各入賞口スイッチ70が入賞球を検出するごとに、一定数の賞球の払い出しを払出装置21に指示する。また、払出制御基板15は、カードユニット50からの球貸し要求に従って、一定数の遊技球の払い出しを払出装置21に指示する。払出装置21は、払出制御基板15の制御下に、遊技球の払い出しを行う。情報端子基板16は、各種遊技関連情報を外部に出力するためのものである。
【0051】
次に、本実施例のパチンコ遊技機1の動作について説明する。図7は、主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100が実行する遊技制御メイン処理を示すフローチャートである。パチンコ遊技機1に対する電源が投入されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100にてCPU103がROM101の0000H番地から命令を読み出して遊技制御メイン処理モジュールの前半部分131Aを実行することで、遊技制御メイン処理が開始される。遊技制御メイン処理モジュールの前半部分131Aは、図5に示すように、ROM101の先頭アドレス0000H番地から、特定アドレス0008H番地よりも前方の領域に記憶されている。
【0052】
遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、まず、割込禁止に設定し(ステップS101)、続いて、割込モードを割込モード2に設定する(ステップS102)。この実施の形態におけるCPU103には、マスク可能な割込み(INT)のモードとして、以下の3種類のモードが用意されている。なお、割込許可状態でマスク可能な割込みが発生すると、CPU103は、自動的に割込禁止状態に設定するとともに、プログラムカウンタの内容をスタックにセーブする。
【0053】
割込モード0:割込要求を行った内蔵デバイスが、1バイトのRST命令または3バイトのCALL命令を、CPU103との間を接続するデータバス上に送出する。CPU103は、RST命令に対応したアドレス又はCALL命令で指定されるアドレスから順次命令を実行する。リセット時には、CPU103は自動的に割込モード0となる。従って、割込モード1又は割込モード2を使用する場合には、初期設定の段階で割込モード1又は割込モード2に設定するための処理を実行する必要がある。
【0054】
割込モード1:割込みが受け付けられると、CPU103が常にROM101のアドレス0038H番地を飛び先アドレスとして、そのアドレスから順次命令を実行するモードである。
【0055】
割込モード2:CPU103における8ビットの所定のレジスタ(具体的には、Iレジスタ)が格納している値を上位アドレスとし、内蔵デバイスから割込ベクタとして出力される最下位ビットが0の1バイトデータを下位アドレスとして割込ベクタテーブルを参照することにより、割込処理の実行アドレスを特定するモードである。
【0056】
CPU103は、割込モード2に設定することで、主基板11の内蔵デバイスからの割込要求に対応した割込処理を実行することができ、また、ROM101における任意のアドレスに割込処理を設置することが可能になる。さらに、割込モード1とは異なり、割込発生要因ごとに異なる割込処理を容易に用意しておくことができる。
【0057】
ステップS102に続いて、CPU103は、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS103)。そして、所定の無条件分岐命令(例えば、JR命令等)により、遊技制御メイン処理モジュールの後半部分131Bへ分岐する(ステップS104)。遊技制御メイン処理モジュールの後半部分131Bは、図5に示すように、例えばROM101における0078H番地〜00EBH番地の領域に記憶されている。この領域は、RST命令により指定される特定アドレスよりも後方の領域として設けられている。
【0058】
遊技制御メイン処理モジュールの後半部分131Bへ分岐した後、CPU103は、主基板11の内蔵デバイスである定期リセット回路112に設けられたCTCやPIO(パラレル入出力ポート)のレジスタ設定を行う(ステップS105)。例えば、CTCに対して、割込ベクタを設定する。
【0059】
続いて、CPU103は、例えばRAM102に設けられたバックアップフラグ領域をチェックするなどして(ステップS106)、前回の電源断時にRAM102の全部又は一部について所定のデータ保護処理によるバックアップがなされたか否かを判別する(ステップS107)。パチンコ遊技機1では、不測の電源断が生じたときに、RAM102に記憶されたデータの全部又は一部を保護するためのデータ保護処理が行われる。このようなデータ保護処理が行われていた場合には、バックアップありと判別される。
【0060】
ステップS107にてバックアップありと判別したとき(ステップS107;Yes)、CPU103は、バックアップデータのチェックとしてパリティチェックを行い、チェック結果が正常であるか否かを判別する(ステップS108)。チェック結果が正常であれば(ステップS108;Yes)、主基板11の内部状態とサブ側の各制御基板(演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14、及び払出制御基板15)の制御状態を電源断時の状態に戻すための遊技状態復旧処理を実行する(ステップS109)。その後、ステップS111に進む。
【0061】
ステップS107にてバックアップなしと判別したときや(ステップS107;No)、ステップS108にてチェック結果が正常ではなかったとき(ステップS108;No)、CPU103は、RAM102のクリアや、所定の作業領域に対する初期設定などを行う(ステップS110)。
【0062】
続いて、CPU103は、ステップS111において、タイマ割込のための設定を行う。具体的には、定期リセット回路112に設けられたCTCに対して、CTCが備える複数のチャネルのうちの1つ(具体的には、第0チャネルから第3チャネルのうちの第3チャネル)に割込許可を与えてタイマモードで動作させるとともに、当該チャネルのカウント初期値を指定する。これにより、以後、所定時間(例えば2ミリ秒)ごとに定期リセット回路112から割込要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込処理を実行することができる。
【0063】
この後、CPU103は、定期リセット回路112からの割込要求信号によるタイマ割込が発生したか否かを監視するためのループ処理に移行する。このループ処理では、割込禁止に設定した後(ステップS112)、表示用乱数更新処理モジュール136による表示用乱数更新処理(ステップS113)や判定用乱数更新処理モジュール135による判定用乱数更新処理(ステップS114)が実行され、判定用乱数処理が完了すると、割込許可に設定する(ステップS115)。
【0064】
図8は、遊技制御メイン処理モジュールの後半部分131BにおいてRAM102のクリアや初期設定を行うプログラム部分を示す説明図である。図8に示すプログラム部分は、上述したステップS110にてCPU103により実行される。図8において、L_INIT_RAMは、プログラムの先頭アドレスに対応したラベルである。
【0065】
図8に示すプログラムでは、始めに、RAM102における作業領域の先頭から、ブロック転送により作業領域全体にわたりクリアデータがセットされる。L_INIT_RAMにおける“LD”は、第1の引数として指定されるレジスタに、第2の引数として設定されるデータをセットする命令である。従って、L_INIT_RAMでは、まず、“LD HL,7F00H”という命令により、CPU103にてポインタとして機能するHLレジスタに、RAM102における作業領域の先頭アドレス7F00H番地がセットされる。続いて、“LD DE,7F01H”という命令により、CPU103における16ビットレジスタであるDEレジスタに7F01Hがセットされ、“LD BC,00FFH”という命令により、同じくCPU103における16ビットレジスタであるBCレジスタに00FFHがセットされる。
【0066】
図8に示すプログラムにおける“XOR”は、引数として指定されるレジスタの値とCPU103における8ビットレジスタであるAレジスタの値との排他的論理和を演算する命令である。ここで、同一の値の排他的論理和は0となる。従って、L_INIT_RAMでは、“XOR A”という命令により、CPU103におけるAレジスタにクリアデータがセットされることとなる。続いて、“LD (HL),A”という命令により、HLレジスタにより指定されるアドレスにAレジスタの値がロードされる。
【0067】
図8に示すプログラムにおける“LDIR”は、ブロック転送命令であり、HLレジスタを転送元アドレス、DEレジスタを転送先アドレス、BCレジスタを転送バイト数として、上位アドレス方向のメモリブロックを転送する。こうして、RAM102における作業領域にクリアデータがセットされ、作業領域の初期化が完了する。
【0068】
続いて、“LD HL,101EH”という命令によりHLレジスタに初期化時設定テーブルのアドレス101EH番地が設定された後、1バイトのRST命令によりデータセット処理モジュール157を呼び出す。データセット処理モジュール157は、図5に示すように、特定アドレスの1つである0038H番地以降に記憶され、RST命令による呼び出しが可能に設定されている。
【0069】
図9は、データセット処理モジュール157のプログラムを示す説明図である。図9に示すように、このデータセット処理モジュール157では、設定用テーブルにて指定された設定先アドレスに設定値データをストアする動作が、そのテーブルで指定された処理数だけ繰り返し実行される。そして、RET命令によりスタックポインタに格納されているアドレスをプログラムカウンタにセットすることで、呼出元のプログラムアドレスに復帰する。
【0070】
データセット処理モジュール157は、例えばステップS109の遊技状態復旧処理など、CPU103が実行するメインモジュールとしての主制御プログラム121の随所で呼び出される。アドレスが2バイト構成で表現される場合には、CALL命令などでは少なくとも3バイト必要である。しかし、RST命令は一般に1バイトである。よって、共通サブルーチンプログラム122を呼び出す命令としてRST命令を用いれば、ROM101の容量が節減される。
【0071】
図7に示す遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、定期リセット回路112からの割込要求信号を受信して割込要求を受け付けると、図10に示すタイマ割込処理の実行を開始する。
【0072】
タイマ割込処理を開始すると、CPU103は、電源断処理モジュール144を呼び出して所定の電源断処理を実行することにより、電源基板10から供給される電源電圧が低下したときなどに所定のデータ保護処理等を実行可能とする(ステップS121)。続いて、スイッチ処理モジュール134を呼び出して所定のスイッチ処理を実行することにより、各入賞口スイッチ70から入力される検出信号の状態を判定する(ステップS122)。
【0073】
次に、CPU103は、判定用乱数更新処理モジュール135による判定用乱数更新処理(ステップS123)と、表示用乱数更新処理モジュール136による表示用乱数更新処理(ステップS124)とを、順次実行する。そして、特別図柄プロセス処理モジュール137を呼び出して、特別図柄プロセス処理を実行する(ステップS125)。特別図柄プロセス処理では、遊技状態に応じてパチンコ遊技機1を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選択されて実行される。特別図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。
【0074】
また、CPU103は、普通図柄プロセス処理モジュール138のプログラムに従って、普通図柄プロセス処理を実行する(ステップS126)。普通図柄プロセス処理では、普通図柄表示器5を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選択されて実行される。普通図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。さらに、特別図柄コマンド制御処理モジュール139による特別図柄コマンド制御処理(ステップS127)と、普通図柄コマンド制御処理モジュール140による普通図柄コマンド制御処理(ステップS128)とを、順次実行する。これにより、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して表示制御コマンドを送ることにより、可変表示装置4の表示制御や普通図柄表示器5の点灯制御を指示する。
【0075】
続いて、CPU103は、情報出力処理モジュール141のプログラムに従って所定の情報出力処理を実行することにより、各種出力データをI/Oポート104に含まれる各出力ポートに出力する(ステップS129)。この情報出力処理では、主基板11から情報端子基板16に、大当り情報、始動情報、確率変動情報などをホール管理用コンピュータに対して出力する指令の送出も行われる。
【0076】
また、CPU103は、賞球処理モジュール142のプログラムに従って所定の賞球処理を実行することにより、各入賞口スイッチ70から入力された検出信号に基づく賞球数の設定などを行い、払出制御基板15に対して制御コマンドを出力可能とする(ステップS130)。さらに、ソレノイド出力処理モジュール143を呼び出して所定のソレノイド出力処理を実行することにより、所定の条件が成立したときに普通可変入賞球装置6における可動翼片や特別可変入賞球装置7における開閉板の開閉駆動を行う(ステップS131)。
【0077】
こうした複数種類のメインモジュールから構成される主制御プログラム121の実行中には、上述したデータセット処理モジュール157のほかにも、共通サブルーチンプログラム122に含まれる共通サブモジュールが随所で呼び出されて実行される。この共通サブモジュールの呼び出しは、1バイトのRST命令により行うことができるので、主制御プログラム121において各共通サブモジュールを呼び出す箇所が多くなればなるほど、ROM101におけるデータ容量節減の効果が大きくなり、全体としてプログラム容量をむやみに増加させることがない。
【0078】
なお、共通サブルーチンプログラム122に含まれる共通サブモジュールのうちで、2つの特定アドレス間の領域に記憶される共通サブモジュール(ポインタ設定処理モジュール151、ゼロ判定処理モジュール152、2バイト・1バイト加算処理モジュール153、2バイトロード処理モジュール154、2バイトストア処理モジュール155、及び状態チェック処理モジュール156)は、いずれもプログラムサイズが8バイト以下となっているものとした。これに対して、共通サブモジュールのプログラムサイズが8バイトよりも大きいときには、その共通サブモジュールを前段サブモジュールと後段サブモジュールとに分割し、前段サブモジュールのプログラムサイズが8バイト以下となるように設定すればよい。そして、ROM101において、前段サブモジュールの先頭アドレスが複数の特定アドレスのうちのいずれかとなるように記憶し、後段サブモジュールを特定アドレスよりも後方の領域に記憶する。また、前段モジュール内には後段サブモジュールへ分岐するための命令を設定しておくことで、CPU103は、前段サブモジュールに続いて後段サブモジュールの命令を実行することができる。
【0079】
図11は、共通サブルーチンプログラム122に含まれる共通サブモジュールSUB_1のプログラムサイズが8バイトよりも大きいときのROM101における記憶内容の例を示す図である。図11に示す例では、共通サブモジュールSUB_1を、前段サブモジュールSUB_1_FHALFと、後段サブモジュールSUB_1_SHALFとに分割し、前段サブモジュールSUB_1_FHALFの先頭アドレスが特定アドレスの1つである0008H番地となるように記憶されている。他方、後段サブモジュールSUB_1_SHALFは、特定アドレスよりも後方の領域にて、例えば0050H番地が先頭アドレスとなるように記憶されている。そして、前段サブモジュールSUB_1_FHALFには、相対ジャンプ命令であるJR命令が設定されている。これにより、前段サブモジュールSUB_1_FHALFを実行したCPU103は、後段サブモジュールSUB_1_SHALFへ無条件に分岐し、前段サブモジュールSUB_1_FHALFに続いて後段サブモジュールSUB_1_SHALFの命令を実行することができる。
【0080】
以上説明したように、この発明によれば、主制御プログラム121に含まれるメインモジュールから共通サブルーチンプログラム122に含まれる共通サブモジュールを呼び出して実行するときに、1バイトのRST命令が用いられる。このRST命令では、ROM101におけるプログラムアドレスよりもデータサイズが小さいパラメータにて特定アドレスが指定される。このような1バイトのRST命令を用いることで、共通サブルーチンプログラム122に含まれる共通サブモジュールを呼び出して実行する際に必要となるデータ容量を節減することができ、全体としてプログラム容量をむやみに増加させることがない。
【0081】
また、ROM101において特定アドレスとして設定可能なアドレスは、ROM101の先頭アドレス0000Hから所定アドレス、具体的には、0008H番地ごとに定められている。そして、2つの特定アドレス間の領域に記憶される共通サブモジュール(ポインタ設定処理モジュール151、ゼロ判定処理モジュール152、2バイト・1バイト加算処理モジュール153、2バイトロード処理モジュール154、2バイトストア処理モジュール155、及び状態チェック処理モジュール156)は、いずれもプログラムサイズが所定容量以下、具体的には、8バイト以下となっている。これにより、特定アドレスの設定に制約があるときでも、データ容量が節減されたRST命令を用いて可能な限り数多くの共通サブモジュールを呼び出すことができ、遊技制御プログラム120全体におけるプログラム容量がむやみに増大することを防止できる。また、例えば主制御プログラム121に含まれる各メインモジュールといった、機種ごとに大きく変更される部分がROM101における特定アドレスよりも後方の領域に記憶されることとなり、機種ごとのプログラムの改変が容易になる。
【0082】
他方、共通サブルーチンプログラム122に含まれる共通サブモジュールのプログラムサイズが所定容量、具体的には8バイト、よりも大きいときには、図11に例示するように、その共通サブモジュールを前段サブモジュールと後段サブモジュールとに分割し、前段サブモジュールのプログラムサイズを所定容量以下とする。そして、前段サブモジュールの先頭アドレスが複数の特定アドレスのうちのいずれかとなるようROM101に記憶し、前段モジュール内に後段サブモジュールへ分岐するための命令を設定しておく。これにより、CPU103は、前段サブモジュールに続いて後段サブモジュールの命令を実行することができ、特定アドレスの設定における制約にかかわらず、データ容量が節減されたRST命令を用いてプログラムサイズが比較的大きな共通サブモジュールを呼び出すことができるとともに、RST命令を用いて呼び出すことができるモジュールの数が減ってしまうことを防止できる。
【0083】
さらに、遊技制御メイン処理モジュール131については、前半部分131Aと後半部分131Bとに分割し、前半部分131AをROM101の先頭アドレス0000H番地から次の特定アドレス0008H番地までの領域に記憶する。そして、遊技制御メイン処理モジュールの後半部分については、複数の特定アドレスが定められた領域よりも後方の領域に記憶する。これにより、RST命令を用いて呼び出すことができるモジュールの数を減らすことなく、プログラム容量が比較的大きなメインモジュールを記憶することができ、ROM101を効率よく利用して、遊技制御プログラム120全体におけるプログラム容量がむやみに増大することを防止できる。
【0084】
図1及び図2に示した装置構成、図3及び図4に示すブロック構成や、図7及び図10に示すフローチャートの構成は、発明の趣旨を逸脱しない範囲で任意に変更及び修正が可能である。また、遊技制御メイン処理モジュールやデータセット処理モジュールなどのプログラムも、図8及び図9に示すものに限定されず、プログラムアドレスよりもデータサイズが小さいパラメータにて特定アドレスを指定する命令を用いてサブモジュールを呼び出す任意のプログラムに変更可能である。
【0085】
また、上記実施の形態では、主基板11にて、CPU103が遊技の進行を制御するために実行する遊技制御プログラム120について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、演出制御基板12に搭載されたCPU等が可変表示装置4などを用いて遊技における演出を制御するために実行するプログラムや、払出制御基板15に搭載されたCPU111等が払出装置21を用いた遊技球の払い出しを制御するために実行するプログラムなどにも適用することができる。演出制御基板12に搭載されたCPU等が実行するプログラムは、同じく演出制御基板12に搭載されたROM等に記憶されればよい。
【0086】
さらに、パチンコ遊技機1の動作をシミュレーションするゲーム機などにも本発明を適用することができる。本発明を実現するためのプログラム及びデータは、コンピュータ装置等に対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置等の有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
【0087】
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等にいったん格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
【0088】
【発明の効果】
以上説明したように本発明は、以下に示す効果を有する。
【0089】
請求項1に記載の遊技機によれば、遊技制御プログラムに含まれるメインモジュールは、複数の特定アドレスのいずれかに記憶された共通サブモジュールを制御手段が呼び出して実行するときに、プログラムアドレスよりもデータサイズが小さいパラメータにて特定アドレスを指定して呼び出しを指示する命令を用いる。これにより、サブモジュールの呼び出しに使用するデータ容量を節減することができ、全体としてプログラム容量がむやみに増加することを防止できる。
【0090】
請求項2に記載の遊技機においては、複数の特定アドレスとして設定可能なアドレスが所定の記憶容量分隔てたアドレスごとに定められ、共通サブモジュールは、プログラム容量が所定の記憶容量以下であるので、特定アドレスの設定に制約があるときでも、データ容量が節減された命令を用いて可能な限り数多くのサブモジュールを呼び出すことができ、遊技制御プログラム全体におけるプログラム容量がむやみに増大することを防止できる。
【0091】
請求項3に記載の遊技機においては、共通サブモジュールのプログラム容量が所定の記憶容量を越えるときには、共通サブモジュールを、特定アドレスに記憶されてプログラム容量が所定の記憶容量以下である前段サブモジュールと、特定アドレス以外のモジュール設定アドレスへ記憶された後段サブモジュールとに分割した。そして、前段サブモジュールにおけるモジュール設定アドレスへの分岐命令により、前段サブモジュールに続いて後段サブモジュールが実行されるようにした。従って、特定アドレスの設定における制約にかかわらず、データ容量が節減された命令を用いてプログラム容量が比較的大きなサブモジュールを呼び出すことができるとともに、データ容量を節減した命令を用いて呼び出すことができるモジュールの数が減ってしまうことを防止できる。
【0092】
請求項4に記載の遊技機においては、複数の特定アドレスとして設定可能なアドレスがプログラム記憶手段の先頭アドレスから所定の記憶容量分隔てたアドレスごとに設けられているので、機種ごとに大きく変更される部分がプログラム記憶手段の後方に配置されることとなり、機種ごとのプログラムの改変が容易になる。
【0093】
請求項5に記載の遊技機においては、メインモジュールに含まれる所定のプログラムモジュールにおける前段メインモジュールを、プログラム記憶手段の先頭アドレスから特定アドレスよりも前方の領域に記憶し、後段メインモジュールを特定アドレスよりも後方の領域に記憶する。これにより、データ容量が節減された命令を用いて呼び出すことができるモジュールの数を減らすことなく、プログラム容量が比較的大きなメインモジュールを記憶することができ、プログラムを記憶する領域を有効に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態におけるパチンコ遊技機の正面図である。
【図2】本発明の実施形態におけるパチンコ遊技機の背面図である。
【図3】主基板を中心としたシステム構成例を示すブロック図である。
【図4】遊技制御プログラムの一構成例を示すブロック図である。
【図5】ROMにおけるアドレスマップの一例を示す図である。
【図6】CPUに用意されたRST命令の演算コードを示す図である。
【図7】遊技制御メイン処理を示すフローチャートである。
【図8】遊技制御メイン処理モジュールにおける所定のプログラム部分を示す説明図である。
【図9】データセット処理モジュールのプログラムを示す説明図である。
【図10】タイマ割込処理を示すフローチャートである。
【図11】共通サブモジュールのプログラムサイズが所定容量よりも大きいときのROMにおける記憶内容の例を示す図である。
【符号の説明】
1 … パチンコ遊技機(遊技機)
2 … 遊技盤(ゲージ盤)
3 … 遊技機用枠(台枠)
4 … 可変表示装置
5 … 普通図柄表示器
6 … 普通可変入賞球装置(始動入賞口)
7 … 特別可変入賞球装置(大入賞口)
8L、8R … スピーカ
9 … ランプ
10 … 電源基板
11 … 主基板
12 … 演出制御基板
13 … 音声制御基板
14 … ランプ制御基板
15 … 払出制御基板
16 … 情報端子基板
20 … 操作ノブ
21 … 払出装置
50 … カードユニット
70 … 各入賞口スイッチ
71 … ランプ・LED
72 … 演出用ソレノイド・モータ
100 … 遊技制御用マイクロコンピュータ
101 … ROM
102 … RAM
103 … CPU
104 … I/O
110 … スイッチ回路
111 … ソレノイド回路
112 … 定期リセット回路
120 … 遊技制御プログラム
121 … 主制御プログラム
122 … 共通サブルーチンプログラム
131 … 遊技制御メイン処理モジュール
131A … 遊技制御メイン処理(前半部分)
131B … 遊技制御メイン処理(後半部分)
132 … タイマ割込処理モジュール
133 … 初期化コマンド処理モジュール
134 … スイッチ処理モジュール
135 … 判定用乱数更新処理モジュール
136 … 表示用乱数更新処理モジュール
137 … 特別図柄プロセス処理モジュール
138 … 普通図柄プロセス処理モジュール
139 … 特別図柄コマンド制御処理モジュール
140 … 普通図柄コマンド制御処理モジュール
141 … 情報出力処理モジュール
142 … 賞球処理モジュール
143 … ソレノイド出力処理モジュール
144 … 電源断処理モジュール
151 … ポインタ設定処理モジュール
152 … ゼロ判定処理モジュール
153 … 2バイト・1バイト加算処理モジュール
154 … 2バイトロード処理モジュール
155 … 2バイトストア処理モジュール
156 … 状態チェック処理モジュール
157 … データセット処理モジュール
Claims (5)
- 遊技者が所定の遊技を行い、遊技における特定条件の成立に応じて遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御可能な遊技機であって、
遊技機制御用プログラムに従って遊技機に設けられた遊技用装置を制御する制御手段と、
前記遊技機制御用プログラムを記憶するプログラム記憶手段、とを備え、
前記遊技機制御用プログラムは、複数種類のメインモジュールと、メインモジュールから呼び出されて実行される複数種類のサブモジュールとを含み、
前記複数種類のサブモジュールのうちで複数のメインモジュールから共通に呼び出されて実行される共通サブモジュールは、前記プログラム記憶手段における複数の特定アドレスのいずれかに記憶され、
前記遊技機制御用プログラムに含まれるメインモジュールは、前記制御手段が前記共通サブモジュールを呼び出して実行するときに、前記プログラム記憶手段におけるプログラムアドレスよりもデータサイズが小さいパラメータにて特定アドレスを指定し、該指定された特定アドレスに記憶されたサブモジュールを呼び出す命令を用いる、
ことを特徴とする遊技機。 - 前記プログラム記憶手段にて複数の特定アドレスとして設定可能なアドレスは、所定の記憶容量分隔てたアドレスごとに定められ、
前記共通サブモジュールは、プログラム容量が前記所定の記憶容量以下である、
ことを特徴とする請求項1に記載の遊技機。 - 前記プログラム記憶手段にて複数の特定アドレスとして設定可能なアドレスは、所定の記憶容量分隔てたアドレスごとに定められ、
前記共通サブモジュールのプログラム容量が前記所定の記憶容量を越えるときには、
前記共通サブモジュールを、前記特定アドレスに記憶され、プログラム容量が前記所定の記憶容量以下である前段サブモジュールと、前記特定アドレス以外のモジュール設定アドレスへ記憶され、前記前段サブモジュールにおける前記モジュール設定アドレスへの分岐命令により、前記特定アドレスに記憶された前段サブモジュールに続いて実行される後段サブモジュールと、に分割した、
ことを特徴とする請求項1に記載の遊技機。 - 前記複数の特定アドレスとして設定可能なアドレスは、前記プログラム記憶手段の先頭アドレスから所定の記憶容量分隔てたアドレスごとに設けられている、ことを特徴とする請求項1、2又は3に記載の遊技機。
- 前記プログラム記憶手段は、前記メインモジュールに含まれる所定のプログラムモジュールを前段メインモジュールと後段メインモジュールとに分割して記憶するとともに、前段メインモジュールを先頭アドレスから特定アドレスよりも前方の領域に記憶し、後段メインモジュールを特定アドレスよりも後方の領域に記憶する、
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の遊技機。
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