JP2004229663A - 生化学反応装置基材の表面処理方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、生化学反応装置に使用される基材の表面処理方法に係り、さらに詳細には、生体分子の基材表面への付着を抑制・防止するために生化学反応装置に使用される基材の表面を化学的に処理する方法に関する。
小型化されたラボ・オン・チップ(lab−on−a−chip)は、ほとんどの場合、DNA抽出またはサンプル調製装置、DNA増幅装置、及びDNA検出装置を構成している。DNA増幅装置の場合、変性温度、アニーリング温度、伸張温度への加熱と冷却とを反復してDNAを増幅させるために熱サイクラー(thermal cycler)を使用している。ポリメラーゼ連鎖反応(PCR:Polymerase Chain Reaction)系の場合、反応器の材質として、従来にはポリプロピレンeチューブ(polypropylene e−tube)を使用したが、現在はシリコンまたはガラスをPCR反応器に多く使用しており、またPCR反応器の構造上、体積当たりに比表面積が占める比率が非常に高められた。このため、PCR反応物または生成物のPCR反応器表面への非特異的結合が増加し、このような非特異的結合によってPCR反応の収率が落ちるという問題点が発生した。
シリコンやガラスは、PCR反応器以外に、様々な生化学反応のための装置の材質として使用され、このような場合にも生体分子がシリコンやガラス表面に非特異的に結合して生化学反応の収率が低下する問題が発生しうる。
したがって、シリコンやガラスからなるPCR反応を含む生化学反応装置では、生体分子の非特異的結合を抑制・防止するためにシリコンまたはガラスの表面を処理する必要がある。
PCR反応器を含む、生化学的反応が起こるシリコン構造物内で生体分子がシリコン表面と非特異的に結合することを防止するための従来の表面処理方法としては、シリコン構造物の表面を高温で酸化させてSiO2層を形成させる方法、生体分子の非特異的結合を抑制できるポリマー溶液をシリコン構造物の表面に析出させる方法がある。
また、他の方法では、PCR緩衝溶液内に添加剤を加えて溶液の表面エネルギーを低めることによって生体分子がガラスやシリコン表面に非特異的に結合することを減少させる方法がある。
具体的に説明すれば、次の通りである。
特許文献1は、PCR反応器を含むDNA処理システムの基材表面にDNAまたは他の生体分子が非特異的に吸着することを防止するためにシリコン基材表面にシリコンオキサイド層やシリコンニトライド層を形成する方法を開示している。
特許文献2は、PCR緩衝溶液にBSA(ウシ血清アルブミン)を添加する方法が開示されている。それ以外にも、BSAと共にTween 20のような分散剤を添加することによって溶液の表面エネルギーを低める方法が示唆されている(例えば、非特許文献1参照)。
特許文献3は、シリコンまたはガラスの表面を疎水性にするために、3ないし20個の炭素原子を含有し、少なくとも一方の末端にトリフルオロメチル基を有するフッ素化モノマーの溶液をシリコンまたはガラスの表面に噴霧するか、シリコンまたはガラスの表面を前記溶液に浸すことによって表面をコーティングする方法を開示している。しかしながら、この発明の目的は、表面を単に疎水性にするところにあり、またこのような一種類のフッ素化炭化水素層では表面処理する以前よりもPCR反応の収率はさらに落ちるという多くの実験結果が得られている(例えば、非特許文献2参照)。
この他にも、非特異的吸着を抑制できるポリマー溶液を使用する方法がある(例えば、非特許文献3参照)。このような方法は、ポリマー溶液を微小な3次元チップ構造物内へ流入してチップ表面を被覆し、洗浄して乾燥する過程を経なければならず、このような過程は、実験上、面倒で、かつ再現性ある結果を得難いという問題があった。
米国特許第6,475,722号明細書
米国特許第6,261,431号明細書
米国特許第6,156,389号明細書
Ivonne Schneegab et al., "Miniaturized flow−through PCR with different types in a silicon chip thermocycler," Lab−on−a−chip, Vol. 1, p. 42−49, 2001
Nucleic Acids Research, "Chip PCR. 1. Surface Passivation of Microfabricated Silicon−glass Chips for PCR", 24, 1996, 375−379
Nucleic Acids Research, 24, 1996, "Chip PCR.1. Surface Passivation of Microfabricated Silicon−glass Chips for PCR", 375−379; Clinical Chemistry, 41, 1995, "Thermal Cycling and Surface Passivation of Micromachined Devices for PCR Chip", 1367−1368
本発明は、PCRチップなどの、生化学反応装置に使用される基材の表面処理方法を提供することを目的とする。
本発明の他の目的は、基材表面に生体分子が非特異的に付着・結合することを効果的に抑制・防止できる生化学反応装置に使用される基材の表面処理方法を提供することである。
本発明の別の目的は、このような表面処理が施された基材を有する生化学反応装置を提供することである。
また、本発明のさらなる目的は、生化学反応装置に使用される基材の表面処理用組成物を提供することである。
前記目的を達成するために、下記式(1)の化合物及び下記式(2)の化合物を基材の表面に気相蒸着させてポリマー膜を形成する段階を含む、生化学反応装置に使用される基材の表面を処理する方法を提供する。
上記式(1)及び式(2)において、Rは、メチルまたはエチルであり、Xは、メチルまたはトリフルオロメチルであり、n1は、1ないし3の整数であり、n2は、1ないし10の整数であり、mは、1ないし10の整数である。
前記ポリマー膜の形成は、式(1)の化合物及び式(2)の化合物を同時に気相蒸着させることによってなされることが好ましい。または、式(1)の化合物及び式(2)の化合物を順次気相蒸着させることによって、より好ましくは式(1)の化合物を気相蒸着させた後、式(2)の化合物を気相蒸着させることによって前記ポリマー膜を形成することが好ましい場合もある。
前記気相蒸着は、60℃ないし140℃の温度で実施されうる。
前記生化学反応装置の基材として、シリコンまたはガラスのようなシリケートを好ましく使用できるが、これに限定されない。
前記方法で処理された基材は、ポリメラーゼ連鎖反応装置(PCRチップ等)を含む生化学反応装置に使用されうる。
本発明のさらに他の目的を達成するために、本発明は、下記式(1)の化合物及び下記式(2)の化合物を含む、生化学反応装置に使用される基材の表面処理用組成物を提供する。
上記式(1)及び式(2)において、Rは、メチルまたはエチルであり、Xは、メチルまたはトリフルオロメチルであり、n1は、1ないし3の整数であり、n2は、1ないし10の整数であり、mは、1ないし10の整数である。
前記組成物は、生化学反応装置、特に、PCRチップ等のPCR装置に使われるシリコンまたはガラス基材の表面処理に有用である。
本発明は、基材表面に上記式(1)の化合物及び上記式(2)の化合物を気相蒸着させてポリマー膜を形成する段階を含む生化学反応装置に使用される基材の表面を処理する方法に関するものである。生化学反応装置、特にPCRチップ等のPCR装置に使われるシリコンまたはガラス等の基材を本発明の方法によって表面処理することによって、基材表面に生体分子が非特異的に付着・結合することを効果的に抑制・防止でき、生化学反応、特にPCR反応の収率を高めることができる。
また、本発明の方法によれば、低温でコーティング剤としての式(1)の化合物及び式(2)の化合物を気化させるだけで基材表面に所望の化合物を気相蒸着できるため、従来のPECVD(Plasma Enhanced Chemical Vapor Deposition)のような高コストの装備が必要ない。上記利点に加えて、本発明の方法は溶液を使用しないので、微小な3次元チップ構造物内へコーティング組成物の溶液を流入し、チップ構造物を洗浄液で洗い、乾燥するなど面倒で時間のかかる過程を避けうるという利点がある。
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
本発明の第一は、生化学反応装置に使用される基材の表面を処理する方法において、前記基材表面に上記式(1)の化合物及び上記式(2)の化合物を気相蒸着させてポリマー膜を形成する段階を含む方法である。
本発明の生化学反応装置に使用される基材表面の処理方法では、基材表面に下記式(1)の化合物及び下記式(2)の化合物を気相蒸着させてポリマー膜を形成する段階を含むが、ポリマー膜の形成の際の式(1)の化合物及び式(2)の化合物の気相蒸着順序は、特に制限されるものでなく、いずれの順序で行われてもよい。好ましくは、シラン基を含む下記式(1)の化合物及び式(2)の化合物を同時に気相蒸着させるか、または式(1)の化合物及びシラン基を含む式(2)の化合物をいずれかの順序で順次気相蒸着させることによって、より好ましくは式(1)の化合物を基材表面に気相蒸着させた後、式(2)の化合物を基材表面に気相蒸着させることによって、これらのポリマー膜を形成する。
上記式(1)及び式(2)において、Rは、メチルまたはエチルであり、Xは、メチルまたはトリフルオロメチルであり、n1は、1ないし3の整数であり、n2は、1ないし10の整数であり、mは、1ないし10の整数である。
式(1)の化合物及び式(2)の化合物を同時に気相蒸着させる場合、ポリマー膜形成用の組成物における式(1)の化合物及び式(2)の化合物の混合割合は、基材表面に所望の特性を有するポリマー膜が形成できるものであれば特に制限されないが、式(1)の化合物40〜60質量%、及び式(2)の化合物40〜60質量%で構成されることが望ましい。この際、式(1)の化合物及び式(2)の化合物の含量の合計は、100質量%である。
生化学反応装置のシリコンまたはガラス等の基材の表面に式(1)の化合物及び式(2)の化合物を同時にまたは順次に気相蒸着させることによって、これら化合物が基材表面にコーティングされると同時に重合反応をしてポリマー膜を形成する。前記気相蒸着は、60℃ないし140℃の低温下で気化させることによって行われてもよい。また、生化学反応装置の基材の表面は、式(1)の化合物及び式(2)の化合物を蒸着させる前にUV照射などによって活性化されていてもよい。
前記生化学反応装置の基材として、ガラスまたはシリコンを好ましく使用できるが、これに限定されず、公知の基材の材料が使用できる。
前述したように、上記式(1)及び(2)で示されるシラン基を含む相異なる長さの炭化水素化合物は、気相蒸着によって生化学反応装置の基材の表面にコーティングされると同時に重合反応を通じてポリマー膜を形成する。形成されたポリマー膜の表面には炭化水素化合物の末端基である−CH3または−CF3基が露出されて疎水性を帯び、このような疎水性の表面はDNAを含む生体分子に対して親和性を示さない。したがって、本発明の方法で表面処理された基材の表面には、DNAを含む生体分子が非特異的に結合しないため、生化学反応装置、特にPCRチップ等のポリメラーゼ連鎖反応(PCR)装置に好適に適用できる。
本発明の表面処理方法によって基材表面にポリマー膜が形成される過程を、シリコン基材を例にとって、図1に示す。
本発明の第二は、本発明の方法によって表面処理された基材を利用して製作された生化学反応装置を提供する。前記生化学反応装置では、PCRチップ等のPCR装置が代表的であるが、PCR装置に限定されるものではなく、核酸、蛋白質等の生化学材料を取扱う生化学反応装置であればいずれも可能である。
また、本発明の第三は、上記式(1)の化合物及び上記式(2)の化合物を含む、生化学反応装置に使用される基材の表面処理用組成物を提供する。
本発明の生化学反応装置に使用される基材の表面処理用組成物は、前記式(1)の化合物及び式(2)の化合物を含む。前記組成物中の式(1)及び(2)の化合物の含有量は、生体分子などの基材表面への非特異的な吸着の抑制や防止等の所望の効果が達成できるものであれば特に制限されないが、式(1)の化合物の含有量は40ないし60質量%であり、式(2)の化合物の含有量は40ないし60質量%であることが望ましい。この際、式(1)の化合物及び式(2)の化合物の含量の合計は、100質量%である。
以下、本発明を実施例を参照しながらさらに詳細に説明する。しかしながら、これら実施例は、本発明を例示的に説明するためのものであって、本発明の範囲がこれら実施例に限定されるものではないと解される。
実施例1
まず、シリコン基材をオゾン反応器に入れて不純物を除去し、シリコン基材の表面にシラノール基を形成させた。この時、シリコン基材は、天然オキサイドで覆われているものを使用した。
まず、シリコン基材をオゾン反応器に入れて不純物を除去し、シリコン基材の表面にシラノール基を形成させた。この時、シリコン基材は、天然オキサイドで覆われているものを使用した。
シラン基を有する化合物を気化させうるように85℃でセッティングされたオーブン内にテフロン(登録商標)チャンバを入れた。このテフロン(登録商標)チャンバ内に、式:(MeO)3−Si−(CH2)−CH3を有する化合物(1−1)(Aldrich)を含む容器を入れて、前記化合物(1−1)を気化させて、チャンバの内部を前記化合物(1−1)で飽和させた。
このチャンバ内に前記シラノール基が形成されたシリコン基材を入れ、85℃で10分間気相蒸着させて、前記化合物(1−1)のポリマー膜を基材表面に形成した。次に、チャンバ内に、式:(MeO)3−Si−(CH2)2−(CF2)7−CF3を有する化合物(2−1)(信越化学)を含む容器を代わりに置き、さらに85℃で1時間気相蒸着させて、前記化合物(2−1)のポリマー膜をさらに化合物(1−1)のポリマー膜上に形成した。
実施例2
(MeO)3−Si−(CH2)2−CH3及び(MeO)3−Si−(CH2)2−(CF2)5−CF3を1:1の質量比に混合した組成物を使用して、シラノール基が形成されたシリコン基材上に85℃で1時間気相蒸着することを除いては、実施例1と同じ方法で基材表面を処理した。
(MeO)3−Si−(CH2)2−CH3及び(MeO)3−Si−(CH2)2−(CF2)5−CF3を1:1の質量比に混合した組成物を使用して、シラノール基が形成されたシリコン基材上に85℃で1時間気相蒸着することを除いては、実施例1と同じ方法で基材表面を処理した。
比較例1
シリコン基材をオゾン反応器に入れて不純物を除去し、シリコン基材の表面にシラノール基を形成させた。この時、シリコン基材は、天然オキサイドで覆われているか、あるいは人為的に熱オキサイド(artificial thermal oxide)で覆われているものを使用した。
シリコン基材をオゾン反応器に入れて不純物を除去し、シリコン基材の表面にシラノール基を形成させた。この時、シリコン基材は、天然オキサイドで覆われているか、あるいは人為的に熱オキサイド(artificial thermal oxide)で覆われているものを使用した。
シラン基を有する化合物を気化させうるように85℃にセッティングされたオーブン内にテフロン(登録商標)チャンバを入れた。このテフロン(登録商標)チャンバ内に、式:(MeO)3−Si−(CH2)2−(CF2)7−CF3を有する化合物(2−1)(信越化学)を含む容器を入れて、前記化合物(2−1)を気化させて、チャンバの内部を前記化合物(2−1)で飽和させた。このチャンバ内にシラノール基が形成されたシリコン基材を入れ、85℃で1時間気相蒸着させて、前記化合物(2−1)のポリマー膜を基材表面に形成した。
比較例2
シリコン基材を硫酸、フッ化水素水溶液、及び脱イオン水の順で洗浄した後、乾燥させた。反応器に、この乾燥させたシリコン基材を入れて、1000〜1100℃、1atm、O2流量4L/minの条件で5000Å厚の酸化膜を形成した。
シリコン基材を硫酸、フッ化水素水溶液、及び脱イオン水の順で洗浄した後、乾燥させた。反応器に、この乾燥させたシリコン基材を入れて、1000〜1100℃、1atm、O2流量4L/minの条件で5000Å厚の酸化膜を形成した。
実施例3:基材の評価
実施例1、比較例1及び比較例2に記載の方法と同様の方法で表面処理したシリコン基材を利用して作製されたPCRチップでPCR反応を行った。実施例1、比較例1及び比較例2に記載の方法と同様の方法で表面処理したシリコン基材(下板)にそれぞれチャンネル構造を設け、これをガラス基材(上板)で陽極接合により被覆することによって、PCR反応できるチャンバを形成させた。各シリコン基材の外表面にヒータとセンサとを付着させ、外部電子制御ユニットをヒータと連結して、ヒータに電圧を加え、さらに外部ファンを装着してPCRチャンバの温度を制御した。上板ガラス基材に、PCR反応物を注入するための入口及びPCR産物を取り出すための出口を形成させた。
実施例1、比較例1及び比較例2に記載の方法と同様の方法で表面処理したシリコン基材を利用して作製されたPCRチップでPCR反応を行った。実施例1、比較例1及び比較例2に記載の方法と同様の方法で表面処理したシリコン基材(下板)にそれぞれチャンネル構造を設け、これをガラス基材(上板)で陽極接合により被覆することによって、PCR反応できるチャンバを形成させた。各シリコン基材の外表面にヒータとセンサとを付着させ、外部電子制御ユニットをヒータと連結して、ヒータに電圧を加え、さらに外部ファンを装着してPCRチャンバの温度を制御した。上板ガラス基材に、PCR反応物を注入するための入口及びPCR産物を取り出すための出口を形成させた。
このようにして作製されたPCRチップで、変性、アニ−リング、伸張の温度サイクルを反復して、MODY3遺伝子を増幅させた。添加剤の影響をなくすために、本実施例では、ウシ血清アルブミン(BSA)等の添加剤を抜いたPCR反応物を使用した。
また、コントロールとして、ポリプロピレンeチューブを使用して前記反応と同じ方法でPCR反応を行った。
前記全てのPCR反応後、PCRチップから生成物を取り出して、これらをAgilent Co.製のラブチップ(Labchip)を利用して分析した。
測定結果を図2(実施例1によって表面処理されたシリコンを使用した場合)、図3(比較例1によって表面処理されたシリコンを使用した場合)、図4(比較例2によって表面処理されたシリコンを使用した場合)、及び図5(ポリプロピレンeチューブを使用した場合)に示し、下記の表1に示す。
図2〜5及び表1に示されるように、既存のポリプロピレンeチューブでPCR反応を実施した場合(コントロール)より、オキサイドで処理したシリコンチップでPCR反応を行った場合(比較例2)の方が、収率がほぼ半分に低下した。
また、シラン基をリンカーとして及びトリフルオロメチル基を末端に含むフッ素化炭化水素一種類をコーティングしたシリコンチップ(比較例1)でPCR反応を行った場合は、ポリプロピレンeチューブを使用した場合よりPCR反応の収率が非常に低下したが、本発明の実施例1によって表面処理されたシリコンチップを使用した場合は、ポリプロピレンeチューブを使用した場合とほぼ同じPCR反応収率を示した。
本発明の表面処理方法によれば、生物質がシリコンやガラス表面に非特異的に結合することを抑制して生化学反応の収率の高いPCRチップを含む生化学反応装置を製造できる。
Claims (8)
- 前記式(1)の化合物及び式(2)の化合物を同時に基材表面に気相蒸着させる、請求項1に記載の方法。
- 前記式(1)の化合物及び式(2)の化合物を順次基材表面に気相蒸着させる、請求項1に記載の方法。
- 前記気相蒸着は、60℃ないし140℃の温度で実施される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
- 前記基材は、シリコンまたはガラスからなる、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法で表面処理された基材を含む生化学反応装置。
- 前記生化学反応装置がポリメラーゼ連鎖反応(PCR)装置である、請求項6に記載の生化学反応装置。
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