JP2004229060A - ストリーミング再生方法及び携帯通信端末装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】最小限の待ち時間で再生が開始されるストリーミング再生を、端末側のみの小規模構成で実現する。
【解決手段】携帯電話機においてストリーミング再生を行う場合に、電界強度検出部2が電界強度を検出し、スループット検出部3がダウンロードされたデータの現在のスループットを検出する。そして、CPU11が、上記検出された電界強度及びスループットの2つのパラメータに基づいて、携帯端末ネットワークの伝送速度を推定し、この推定値に基づいて、バッファメモリ5にダウンロードされたデータの再生開始点(再生開始時刻)を算出する。ダウンロードされるデータの伝送速度に対応するように再生開始点を算出する構成となっているため、携帯電話機側の構成のみの小規模な構成で、最小限の待ち時間で再生が開始されるストリーミング再生を実現することができる。
【選択図】 図1
【解決手段】携帯電話機においてストリーミング再生を行う場合に、電界強度検出部2が電界強度を検出し、スループット検出部3がダウンロードされたデータの現在のスループットを検出する。そして、CPU11が、上記検出された電界強度及びスループットの2つのパラメータに基づいて、携帯端末ネットワークの伝送速度を推定し、この推定値に基づいて、バッファメモリ5にダウンロードされたデータの再生開始点(再生開始時刻)を算出する。ダウンロードされるデータの伝送速度に対応するように再生開始点を算出する構成となっているため、携帯電話機側の構成のみの小規模な構成で、最小限の待ち時間で再生が開始されるストリーミング再生を実現することができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば携帯電話機,PHS電話機(Personal Handyphone System ),無線通信機能を備えたPDA(Personal Digital(Data) Assistant)、或いはパーソナルコンピュータ装置等に設けて好適なストリーミング再生方法及び携帯通信端末装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
今日において、ネットワークを介してダウンロードしたデータの視聴等を行う一手法として「ストリーミング」が知られている。このストリーミングは、ダウンロードしたデータを端末装置のバッファメモリに一旦記憶し、これを読み出して再生することで実行されるのであるが、全データのダウンロードが終了するのを待って再生を開始していたのでは、再生を開始する時刻が遅くなる。
【0003】
このため、従来のストリーミングシステムでは、ある程度のデータ量のデータがダウンロードされた時点で再生を開始するようになっている。
【0004】
このようなダウンロードされたデータの再生開始点に関する先行技術としては、特開2002−84339号の公開特許公報に「ストリーミング方法およびそれを実行するシステム」が開示されている。
【0005】
この「ストリーミング方法およびそれを実行するシステム」では、データ受信側のバッファメモリの容量とネットワークの伝送速度に基づいて、該バッファメモリに蓄積するデータの目標量を決定する。また、バッファメモリの容量をネットワークの伝送速度で除算して得られる値を超えない範囲で、データの再生を開始するまでの遅延時間を決定する。
【0006】
そして、上記バッファメモリに蓄積するデータの「目標量」、及び上記データの再生を開始するまでの「遅延時間」を、上記データを配信しているサーバ装置に通知する。
【0007】
サーバ装置は、この通知された「目標量」及び「遅延時間」に基づいて、データの転送量が上記バッファメモリの「目標量」を越えないように、かつ、該「目標量」を大きく下回らないように、データの伝送速度を可変しながら受信側にデータを送信する。
【0008】
これにより、ストリーミング再生において、そのときの通信状況に応じて最低の待ち時間で再生を開始可能とし、同時に、上記データの転送が再生に追いつかず(バッファメモリのアンダーフロー)、或いは再生がデータの転送に追いつかずに(バッファメモリのオーバーフロー)、ストリーミング再生が中断(破綻)する不都合を防止している。
【0009】
【特許文献】
特開2002−84339号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
このように特開2002−84339号の公開特許公報に開示されている「ストリーミング方法およびそれを実行するシステム」では、端末側から通知された「目標量」及び「遅延時間」に基づいて、サーバ装置側でデータの転送量を制御するようになっている。このため、実現するには、端末側の構成とサーバ装置側の構成との両方の構成が必要となり、システムが大規模化する問題があった。
【0011】
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、最小限の待ち時間で再生が開始されるストリーミング再生を、小規模な構成で実現することができるようなストリーミング再生方法及び携帯通信端末装置の提供を目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、端末側において、電界強度と、ダウンロードするデータのスループットとの2つのパラメータに基づいて、ストリーミング再生を行うデータをダウンロードするネットワークの伝送速度を推定することで、ネットワークの正確な伝送速度の値を得る。
【0013】
そして、この正確な値の伝送速度に基づいて、ダウンロードされたデータを記憶する記憶手段に記憶されたデータの再生開始時刻を算出し、この再生開始時刻から該データのストリーミング再生を開始する。
【0014】
これにより、端末側のみの小規模構成で、最小限の待ち時間で再生が開始されるストリーミング再生を実現することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明は、携帯電話機に適用することができる。
【0016】
[実施の形態の構成]
図1は、この本発明の実施の形態となる携帯電話機の主要部のブロック図である。この図1からわかるように、当該実施の形態の携帯電話機は、携帯端末ネットワークに対してデータの送受信を行うアンテナ1と、アンテナ1で受信された動画像情報,静止画像情報,文字情報,音声情報等のデータの電界強度(=アンテナレベル)を検出する電界強度検出部2とを有している。
【0017】
また、この携帯電話機は、アンテナ1で受信されたデータのスループット(実質的な通信速度(=実効速度))を検出するスループット検出部3を備えた送受信モジュール4と、アンテナ1で受信されたデータを記憶するバッファメモリ5と、バッファメモリ5から読み出されたデータに対して所定の再生処理を施す再生モジュール6と、再生モジュール6により再生処理されたデータが上記動画像情報,静止画像情報或いは文字情報であった場合に、これを表示する表示部7とを有している。
【0018】
また、この携帯電話機は、再生モジュール6により再生処理されたデータが上記音声情報であった場合に、この音声情報に対応する音響出力を発生するスピーカ部8と、ネットワークからデータのダウンロードを行う際に、上記電界強度検出部2で最初に検出された電界強度に基づいて推定された携帯端末ネットワークの伝送速度の推定値を、該携帯端末ネットワークの伝送速度の初期値として記憶する初期値メモリ9と、ユーザが操作することで所定の入力を行うための操作部10とを有している。
【0019】
また、この携帯電話機は、上記バッファメモリ5に対するデータの書き込み制御を行うと共に、当該携帯電話機におけるデータの処理速度(デコード速度)と、上記電界強度検出部2で検出された現在の電界強度及び上記スループット検出部3で検出されたデータのスループットに基づいて推定される携帯端末ネットワークの伝送速度と、送受信モジュール4で検出されたダウンロードするデータの全体のデータ量(サイズ)とに基づいて所定の演算を行うことで、上記バッファメモリ5に記憶されたデータの再生を開始する時刻である再生開始点を算出し、この再生開始点から該データの読み出し制御を開始制御する制御回路(CPU)11を有している。
【0020】
[実施の形態の動作]
〔再生開始点の算出〕
まず、図2に、このような実施の形態の携帯電話機における、上記バッファメモリ5にダウンロードされたデータの再生が開始されるまでの流れを示すフローチャートを示す。
【0021】
この図2のフローチャートは、上記携帯端末ネットワークを介して所望のデータのダウンロードが開始されることでスタートとなる。
【0022】
ステップS1では、CPU11が、現在の電界強度から携帯端末ネットワークの伝送速度を推定し、これを初期値として記憶すると共に、ダウンロードされるデータのヘッダ情報等に基づいて、これからダウンロードされるデータ全体のデータ量を検出する。
【0023】
具体的には、携帯端末ネットワークからダウンロードされるデータは、当該携帯電話機のアンテナ1で受信され、電界強度検出部2,送受信モジュール4及びバッファメモリ5に供給されるのであるが、このうち、電界強度検出部2は、このデータの電界強度を検出し、この検出出力をCPU11に供給する。
【0024】
後に説明するが、CPU11は、この電界強度検出部2により検出された電界強度と、上記送受信モジュール4のスループット検出部3で検出されたデータのスループットに基づいて携帯端末ネットワークの現在の伝送速度を算出するのであるが、データのスループットは、例えば数秒等の所定時間内に受信したデータ量に基づいて算出する必要があり、データのダウンロードの開始時には、未だ上記所定時間分のデータが受信されていないことからスループットを算出することは困難となる。
【0025】
このため、CPU11は、電界強度検出部2で検出された、このダウンロード開始時の電界強度の検出出力のみに基づいて、以下のように携帯端末ネットワークの現在の伝送速度を推定する。
【0026】
すなわち、CPU11は、図3に示すような電界強度と携帯端末ネットワークの伝送速度の推定値との関係を示すテーブルを有しており、例えば現在の電界強度が50dbであった場合、携帯端末ネットワークの伝送速度は最速である100%の伝送速度であると推定する。なお、この例では、100%の伝送速度は、例えば25kbpsとしている。
【0027】
同様に、CPU11は、現在の電界強度が40dbであった場合、携帯端末ネットワークの伝送速度は、最速時の95%程度の伝送速度(23.75kbps)であると推定する。また、CPU11は、現在の電界強度が30dbであった場合、携帯端末ネットワークの伝送速度は、最速時の80%程度の伝送速度(20kbps)であると推定する。また、CPU11は、現在の電界強度が20dbであった場合、携帯端末ネットワークの伝送速度は、最速時の60%程度の伝送速度(15kbps)であると推定する。
【0028】
CPU11は、このようにして携帯端末ネットワークの現在の伝送速度を推定すると、この推定値を該伝送速度の初期値として初期値メモリ9に記憶制御する。
【0029】
次に図2のフローチャートのステップS2では、CPU11がダウンロードされるデータの処理速度を検出する。
【0030】
すなわち、前述のようにダウンロードされるデータとしては、動画像情報,静止画像情報,文字情報及び音声情報等なのであるが、これらのデータがバッファメモリ5に記憶され読み出され、再生モジュール6で再生処理(デコード処理)されるまでの時間は、該各情報毎に異なる。このため、CPU11は、このステップS2において、ダウンロードするデータに対応する当該携帯電話機での処理速度を検出する。
【0031】
次に、ステップS3では、CPU11が、上記ステップS1で推定して初期値メモリ9に記憶した携帯端末ネットワークの伝送速度(bps)の推定値、該ステップS1で検出したダウンロードするデータの全データ量(kbyte)、及び上記ステップS2で検出したデータの処理速度(kbps)に基づいて以下の演算を行うことにより、バッファメモリ5に記憶されたデータの再生を開始する時刻である再生開始点を算出する。
【0032】
再生開始点=〔(伝送速度)×(全データ量)〕/〔(処理速度)×(処理速度)〕
すなわち、携帯端末ネットワークの現在の伝送速度と、当該携帯電話機のデータの処理速度と、ダウンロードするデータの全データ量を総合的に考えると、再生開始点は、「〔(伝送速度)×(全データ量)〕/(処理速度)」の演算式で表されるデータ量のデータをダウンロードし終えた時となる。
【0033】
このため、CPU11は、伝送速度と全データ量とを乗算処理した値を、処理速度を2乗した値で除算処理することで再生開始点を算出するようになっている。
【0034】
なお、上記「携帯端末ネットワークの伝送速度」の値としては、ダウンロード開始直後は、初期値メモリ9に記憶された「推定値」が用いられ、データのスループットに基づいて該伝送速度が算出可能となった段階で、該算出された実効値が用いられる。
【0035】
〔再生が開始されるまでの時間の表示〕
次に、このように再生開始点を算出すると、CPU11は、図2のフローチャートのステップS4において、現在の時刻から、上記算出した再生開始点(再生開始時刻)までの時間を算出し、表示部7に対して例えば「ダウンロードしたデータの再生が開始されるまで30秒かかります。ダウンロードを継続しますか?はい/いいえ」等の、再生までに要する時間の表示を行う。
【0036】
ユーザは、この表示部7に表示される再生が開始されるまでの時間を見て、この時間分待てるのであれば、操作部10を操作して上記「はい」を選択し、この時間分待てないのであれば、操作部10を操作して上記「いいえ」を選択する。
【0037】
操作部10が操作され上記「いいえ」が選択されると、操作部10からCPU11に対してダウンロードの中止指示のコマンドが供給される。また、操作部10が操作され上記「はい」が選択されると、操作部10からCPU11に対してダウンロードの継続指示のコマンドが供給される。
【0038】
図2のフローチャートのステップS5では、CPU11がこのコマンドを検出しており、ダウンロードの中止指示のコマンドを検出した場合、CPU11は、ステップS8において、データのダウンロードを中断処理すると共に、それまで上記バッファメモリ5にダウンロードされたデータを消去処理して、当該図2のフローチャートに対応する処理を終了する。
【0039】
これに対して、上記ステップS5においてCPU11が、ダウンロードの継続指示のコマンドを検出した場合、CPU11は、ステップS11において、現在の時刻が上記算出した再生開始点に対応する時刻となったか否かを判別する。そして、現在の時刻が再生開始点に対応する時刻となった場合は、ステップS7において、バッファメモリ5に記憶されたデータの再生を開始(読み出しを開始)し、当該図2のフローチャートに対応する処理を終了する。
【0040】
なお、このような再生が開始されるまでの時間の表示処理は、最初に再生開始点が算出されたときのみ行ってもよいし、以下に説明するように再生開始点が算出される毎に行ってもよい。
【0041】
〔再生開始点の更新処理〕
次に、携帯電話機はユーザにより携帯されるものであり、この携帯による携帯電話機の移動により、ダウンロード開始時の通信状態(通信環境)が時間と共に変化する場合が多い。このため、当該実施の形態の携帯電話機では、再生開始点を算出した後であっても、実際に再生が開始されるまでの間は、再生開始点を再計算して更新することで、時間と共に変化する通信環境に対応するようになっている。
【0042】
(電界強度及びスループットの実効値に基づく伝送速度の推定)
具体的には、図2のフローチャートのステップS6において、現在の時刻が再生を開始する時刻(再生開始点)となったか否かを判別し、該現在の時刻が再生を開始する時刻となっていないと判別した場合、CPU11は、図4のフローチャートのステップS11において、現在の電界強度及びデータの現在のスループットの両方に基づいて、携帯端末ネットワークの現在の伝送速度を推定する。
【0043】
すなわち、この携帯端末ネットワークの伝送速度は、上述のようにダウンロード開始直後においては、スループット検出部3によるスループットの検出が困難であるため、電界強度から推定された推定値(上記初期値メモリ9に記憶された初期値)を用いたが、このステップS11の段階では、上記推定値を用いて最初に再生開始点を設定してから、ある程度の時間が経過しており、スループット検出部3においてデータのスループットが検出可能な状態となっている。
【0044】
このため、このステップS11では、CPU11が、上記電界強度検出部2で検出された現在の電界強度、及び上記スループット検出部3により検出されたデータの現在のスループット(実効値)の両方に基づいて、携帯端末ネットワークの現在の伝送速度を推定する。
【0045】
具体的には、CPU11は、図5に示すような、電界強度,スループットの実効値、及び該電界強度とスループットの実効値に基づいて推定される携帯端末ネットワークの伝送速度との関係を示すテーブルを有している。なお、この図5に示すテーブルは一例である。また、携帯端末ネットワークの伝送速度は最速で25kbpsに想定したものである。
【0046】
この図5に示すように、例えば電界強度が50dbとして検出され、現在のスループットの実効値が23kbps〜25kbpsとして検出された場合、電界強度及びスループット共に良好な値であるため、CPU11は、携帯端末ネットワークの現在の伝送速度を25kbps(最速値)として推定する。
【0047】
また、例えば電界強度が40dbとして検出され、現在のスループットの実効値が23kbps〜25kbpsとして検出された場合、スループットは良好な値を示すが、電界強度は若干低めの値であるため、CPU11は、携帯端末ネットワークの現在の伝送速度を、最速値よりも若干低い23kbpsとして推定する。
【0048】
また、例えば電界強度が30dbとして検出され、現在のスループットの実効値が18kbps〜20kbpsとして検出された場合、スループットが若干低めの値であり、電界強度も低めの値であるため、CPU11は、携帯端末ネットワークの現在の伝送速度を、最速値よりも低い15kbpsとして推定する。
【0049】
CPU11は、このように実際に検出された電界強度の値と、現在のスループットの実効値とに基づいて携帯端末ネットワークの伝送速度を推定するようになっている。
【0050】
電界強度のみをパラメータとして携帯端末ネットワークの現在の伝送速度を検出すると、前述のように検出された電界強度から携帯端末ネットワークの伝送速度を推定せざるを得ない(図3参照)。また、電界強度が高くても、スループットが劣化する場合もある。この逆に、電界強度が劣化しても、スループットが劣化しない場合もある。すなわち、電界強度は携帯端末ネットワークの伝送速度に比例するものではない。
【0051】
このため、電界強度及びスループットの両方をパラメータとし、この2つのパラメータに基づいて、携帯端末ネットワークの現在の伝送速度を検出することにより、携帯端末ネットワークの伝送速度を正確に検出することができる。
【0052】
次に、図4のフローチャートのステップS12では、CPU11が、初期値メモリ9に記憶されている伝送速度の推定値(初期値)と、ステップS11で検出した現在の伝送速度の推定値とを比較し、該現在の伝送速度の推定値は上記初期値よりも小さいか否かを判別する。
【0053】
現在の伝送速度の推定値が上記初期値よりも小さい場合、CPU11は、ステップS13において、上述の演算式に基づいて再生開始点を再計算する。現在の伝送速度の推定値が上記初期値よりも小さいということは、上記演算式に基づく再計算を行うと、最初に算出された再生開始点よりも遅れた時刻の再生開始点が算出されることとなる。
【0054】
また、現在の伝送速度の推定値が上記初期値よりも小さいということは、ダウンロードの開始時に当該携帯電話機が位置していた場所の通信環境よりも、該通信環境が悪化していることを示す。そして、この通信環境の悪化は、ダウンロードの開始時よりもデータのダウンロードに時間を要する通信環境に変化したことを示す。
【0055】
このため、CPU11は、現在の伝送速度の推定値が上記初期値よりも小さい場合は、ステップS13において、再生開始点を、再計算された再生開始点に遅れさせる「再生開始点の更新処理」を行う。
【0056】
これに対して、上記ステップS12において、現在の伝送速度の推定値が上記初期値よりも大きいと判別した場合、CPU11は、ステップS14において、現在の伝送速度の推定値と上記初期値との差を検出する。そして、この両者の差が所定値以上であるか否かを判別する。
【0057】
上記両者の差が所定値以上あるということは、ダウンロードの開始時に当該携帯電話機が位置していた場所の通信環境よりも、該通信環境が大きく良化していることを示す。そして、この通信環境の良化により、ダウンロードの開始時よりも、ダウンロードに要する時間が短縮化されることが期待できる。
【0058】
このため、CPU11は、現在の伝送速度の推定値が上記初期値よりも所定値以上大きい場合は、ステップS15において、再生開始点を、再計算された再生開始点に進める(時間的に進める)「再生開始点の更新処理」を行う。
【0059】
なお、現在の伝送速度の推定値と上記初期値との差が上記所定値に満たない場合、CPU11は、再生開始点の更新処理は行わない。
【0060】
CPU11は、図2に示すフローチャートのステップS6において、現在の時刻が再生開始点の時刻になったものと判別するまでの間、この図4に示す各ステップS11〜ステップS15を繰り返し実行して再生開始点を更新処理する。
【0061】
前述のように、携帯電話機はユーザにより携帯されるものであり、この携帯による携帯電話機の移動により、ダウンロード開始時の通信状態(通信環境)が時間と共に変化する場合が多いのであるが、当該実施の形態の携帯電話機は、再生開始点を算出した後であっても、実際に再生が開始されるまでの間は、再生開始点を再計算して更新するようにしているため、時間と共に変化する通信環境に対応して最適な再生タイミングで、ダウンロードしたデータの再生を開始可能とすることができる。
【0062】
なお、この例では、現在の伝送速度の推定値が上記初期値よりも所定値以上大きな値となった場合に、再生開始点を、再計算された再生開始点を時間的に進める更新処理を行うこととしたが、現在の伝送速度の推定値が上記初期値よりも大きな値となった場合でも、再生開始点を時間的に進めることなく、既に設定されている再生開始点を維持するようにしてもよい。この場合、現在の伝送速度の推定値が上記初期値よりも小さな値となった場合に、前述の再生開始点を、再計算された再生開始点に遅れさせる「再生開始点の更新処理」のみが行われることとなる。
【0063】
〔再生開始後のリカバリ処理〕
次に、前述のように、携帯電話機の通信環境は時間と共に変化する場合が多いため、ダウンロードしたデータの再生を開始した後に通信環境が劣化し、データのダウンロードが再生に追いつかず(バッファメモリ5のアンダーフロー)、ストリーミング再生が中断(破綻)することも考えられる。
【0064】
このため、当該実施の形態の携帯電話機は、CPU11が、このデータの再生開始後においても少なくともバッファメモリ5の状態を監視しており、バッファメモリ5に記憶されているデータのデータ量が所定のデータ量以下となった際に、以下のリカバリ処理を行う。
【0065】
具体的には、再生中のデータが動画像であった場合、CPU11は、バッファメモリ5の読み出し速度を低速化すると共に、再生モジュール6のデータ処理速度を低速化し、動画像の再生速度を落とす。これにより、動画像の動きは鈍いものとなるが、バッファメモリ5にアンダーフローが発生するまでの時間を長くすることができる。そして、バッファメモリ5にアンダーフローが発生するまでに通信環境が良化すれば、その後、正常な動画像の再生を継続して行うことができる。
【0066】
或いは、再生中のデータが動画像であった場合、CPU11は、バッファメモリ5に記憶されている所定時間分のデータを繰り返し読み出し制御する。これにより、同じ動画像が繰り返し再生されることとなるが、通信環境が回復するまでの間、動画像再生を継続して実行することができる。そして、通信環境が良化すれば、その後、正常な動画像の再生を継続して行うことができる。
【0067】
或いは、再生中のデータが動画像情報,静止画像情報,文字情報,音声情報等のいずれの場合でも有効なのであるが、CPU11は、バッファメモリ5に記憶されているデータのデータ量が所定のデータ量以下となった際に、例えば「電波状況の良い場所に移動して下さい。」等のメッセージを表示制御し、或いは所定のアラームをスピーカ部8を介して発音制御する。
【0068】
これにより、上記メッセージ或いはアラームにより通信環境が劣化していることをユーザに認識させることができる。そして、ユーザはこのようなメッセージやアラームにより、携帯電話機を通信環境の良い場所に移動させることとなるため、バッファメモリ5にアンダーフローが発生する不都合を極力防止することができる。
【0069】
なお、データのスループット及びバッファメモリ5のデータ量の両方を監視し、この両方のパラメータに基づいて、前述のリカバリ処理を実行するようにしてもよい。
【0070】
[実施の形態の効果]
以上の説明から明らかなように、当該実施の形態の携帯電話機は、以下の特徴的な効果を有する。
【0071】
1.ストリーミング再生時において、ダウンロードしたデータのスループットと、現在の電界強度との2つのパラメータに基づいて携帯端末ネットワークの伝送速度を推定し、この推定値に基づいて、バッファメモリ5に記憶されたデータの再生開始点(再生開始時刻)を算出するようになっている。
【0072】
上記2つのパラメータに基づいて携帯端末ネットワークの伝送速度を推定しているため、電界強度のみをパラメータとして携帯端末ネットワークの現在の伝送速度を検出する場合よりも、該携帯端末ネットワークの伝送速度を正確に検出することができる。そして、この正確な伝送速度に基づいて再生開始点を算出することができるため、バッファメモリ5にオーバーフローやアンダーフローを発生させることなく、良好なストリーミング再生を行うことを可能とすることができる。
【0073】
また、ダウンロードするデータの伝送速度を抑制するのではなく、ダウンロードされるデータの伝送速度に対応するように再生開始点を算出する構成となっているため、当該携帯電話機側の構成のみの小規模な構成で実現することができる。
【0074】
また、正確な伝送速度に基づいて再生開始点を算出することができるため、全データのダウンロードの終了を待つことなく、最小限の待ち時間でダウンロードしたデータの再生を開始することができる。
【0075】
2.再生開始点を算出した後から再生が開始されるまでの間、通信環境が劣化した場合は、再生開始点を遅れさせるように該再生開始点の更新処理を行い、通信環境が良化した場合は、再生開始点を時間的に進めるように該再生開始点の更新処理を行う。
【0076】
これにより、時間的に変化する携帯電話機の通信環境に対応したストリーミング再生を可能とすることができる。
【0077】
3.再生開始点を算出した際に、表示部7に、データの再生が開始されるまでの時間を表示するようになっている。この表示により、ユーザに対して、データのダウンロードを継続するか否かの判断材料を提供することができる。そして、ユーザは、この表示に基づいて、ストリーミング再生を行うか否かを適正に判断することができる。
【0078】
4.再生開始後にも、データのスループット及びバッファメモリ5の状態を監視しており、バッファメモリ5に記憶されているデータのデータ量が所定のデータ量以下となった際に、所定のリカバリ処理を行う。
【0079】
これにより、通信環境が回復するまでの間、ストリーミング再生を継続して行うことができる。
【0080】
なお、上述の実施の形態の説明では、本発明を携帯電話機に適用することとしたが、本発明は、パーソナルコンピュータ装置や通信機能を有するPDA装置(PDA:Personal Digital Assistant)等のストリーミング再生を実行可能な機器であれば、どのような機器に適用しても上述の効果を得ることができる。
【0081】
最後に、上述の実施の形態は本発明の一例である。このため、本発明は、上述の実施形態に限定されることはなく、該実施の形態以外であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能であることは勿論であることを付け加えておく。
【0082】
【発明の効果】
本発明は、最小限の待ち時間で再生が開始されるストリーミング再生を、端末側のみの小規模構成で実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した実施の形態となる携帯電話機の主要部のブロック図である。
【図2】上記実施の形態の携帯電話機のストリーミング再生時におけるデータの再生が開始されるまでの流れを示すフローチャートである。
【図3】上記実施の形態の携帯電話機において、ストリーミング再生を行うデータのダウンロード開始直後に検出される電界強度と、この電界強度から推定される携帯端末ネットワークの伝送速度の推定値との関係を示す図である。
【図4】上記実施の形態の携帯電話機のストリーミング再生時における再生開始点の更新処理を説明するためのフローチャートである。
【図5】上記実施の形態の携帯電話機において、電界強度とデータのスループットの2つのパラメータから推定される携帯端末ネットワークの伝送速度の推定値を説明するための図である。
【符号の説明】
1…アンテナ、2…電界強度検出部、3…スループット検出部、4…送受信モジュール、5…バッファメモリ、6…再生モジュール、7…表示部、8…スピーカ部、9…初期値メモリ、10…操作部、11…制御回路(CPU)
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば携帯電話機,PHS電話機(Personal Handyphone System ),無線通信機能を備えたPDA(Personal Digital(Data) Assistant)、或いはパーソナルコンピュータ装置等に設けて好適なストリーミング再生方法及び携帯通信端末装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
今日において、ネットワークを介してダウンロードしたデータの視聴等を行う一手法として「ストリーミング」が知られている。このストリーミングは、ダウンロードしたデータを端末装置のバッファメモリに一旦記憶し、これを読み出して再生することで実行されるのであるが、全データのダウンロードが終了するのを待って再生を開始していたのでは、再生を開始する時刻が遅くなる。
【0003】
このため、従来のストリーミングシステムでは、ある程度のデータ量のデータがダウンロードされた時点で再生を開始するようになっている。
【0004】
このようなダウンロードされたデータの再生開始点に関する先行技術としては、特開2002−84339号の公開特許公報に「ストリーミング方法およびそれを実行するシステム」が開示されている。
【0005】
この「ストリーミング方法およびそれを実行するシステム」では、データ受信側のバッファメモリの容量とネットワークの伝送速度に基づいて、該バッファメモリに蓄積するデータの目標量を決定する。また、バッファメモリの容量をネットワークの伝送速度で除算して得られる値を超えない範囲で、データの再生を開始するまでの遅延時間を決定する。
【0006】
そして、上記バッファメモリに蓄積するデータの「目標量」、及び上記データの再生を開始するまでの「遅延時間」を、上記データを配信しているサーバ装置に通知する。
【0007】
サーバ装置は、この通知された「目標量」及び「遅延時間」に基づいて、データの転送量が上記バッファメモリの「目標量」を越えないように、かつ、該「目標量」を大きく下回らないように、データの伝送速度を可変しながら受信側にデータを送信する。
【0008】
これにより、ストリーミング再生において、そのときの通信状況に応じて最低の待ち時間で再生を開始可能とし、同時に、上記データの転送が再生に追いつかず(バッファメモリのアンダーフロー)、或いは再生がデータの転送に追いつかずに(バッファメモリのオーバーフロー)、ストリーミング再生が中断(破綻)する不都合を防止している。
【0009】
【特許文献】
特開2002−84339号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
このように特開2002−84339号の公開特許公報に開示されている「ストリーミング方法およびそれを実行するシステム」では、端末側から通知された「目標量」及び「遅延時間」に基づいて、サーバ装置側でデータの転送量を制御するようになっている。このため、実現するには、端末側の構成とサーバ装置側の構成との両方の構成が必要となり、システムが大規模化する問題があった。
【0011】
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、最小限の待ち時間で再生が開始されるストリーミング再生を、小規模な構成で実現することができるようなストリーミング再生方法及び携帯通信端末装置の提供を目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、端末側において、電界強度と、ダウンロードするデータのスループットとの2つのパラメータに基づいて、ストリーミング再生を行うデータをダウンロードするネットワークの伝送速度を推定することで、ネットワークの正確な伝送速度の値を得る。
【0013】
そして、この正確な値の伝送速度に基づいて、ダウンロードされたデータを記憶する記憶手段に記憶されたデータの再生開始時刻を算出し、この再生開始時刻から該データのストリーミング再生を開始する。
【0014】
これにより、端末側のみの小規模構成で、最小限の待ち時間で再生が開始されるストリーミング再生を実現することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明は、携帯電話機に適用することができる。
【0016】
[実施の形態の構成]
図1は、この本発明の実施の形態となる携帯電話機の主要部のブロック図である。この図1からわかるように、当該実施の形態の携帯電話機は、携帯端末ネットワークに対してデータの送受信を行うアンテナ1と、アンテナ1で受信された動画像情報,静止画像情報,文字情報,音声情報等のデータの電界強度(=アンテナレベル)を検出する電界強度検出部2とを有している。
【0017】
また、この携帯電話機は、アンテナ1で受信されたデータのスループット(実質的な通信速度(=実効速度))を検出するスループット検出部3を備えた送受信モジュール4と、アンテナ1で受信されたデータを記憶するバッファメモリ5と、バッファメモリ5から読み出されたデータに対して所定の再生処理を施す再生モジュール6と、再生モジュール6により再生処理されたデータが上記動画像情報,静止画像情報或いは文字情報であった場合に、これを表示する表示部7とを有している。
【0018】
また、この携帯電話機は、再生モジュール6により再生処理されたデータが上記音声情報であった場合に、この音声情報に対応する音響出力を発生するスピーカ部8と、ネットワークからデータのダウンロードを行う際に、上記電界強度検出部2で最初に検出された電界強度に基づいて推定された携帯端末ネットワークの伝送速度の推定値を、該携帯端末ネットワークの伝送速度の初期値として記憶する初期値メモリ9と、ユーザが操作することで所定の入力を行うための操作部10とを有している。
【0019】
また、この携帯電話機は、上記バッファメモリ5に対するデータの書き込み制御を行うと共に、当該携帯電話機におけるデータの処理速度(デコード速度)と、上記電界強度検出部2で検出された現在の電界強度及び上記スループット検出部3で検出されたデータのスループットに基づいて推定される携帯端末ネットワークの伝送速度と、送受信モジュール4で検出されたダウンロードするデータの全体のデータ量(サイズ)とに基づいて所定の演算を行うことで、上記バッファメモリ5に記憶されたデータの再生を開始する時刻である再生開始点を算出し、この再生開始点から該データの読み出し制御を開始制御する制御回路(CPU)11を有している。
【0020】
[実施の形態の動作]
〔再生開始点の算出〕
まず、図2に、このような実施の形態の携帯電話機における、上記バッファメモリ5にダウンロードされたデータの再生が開始されるまでの流れを示すフローチャートを示す。
【0021】
この図2のフローチャートは、上記携帯端末ネットワークを介して所望のデータのダウンロードが開始されることでスタートとなる。
【0022】
ステップS1では、CPU11が、現在の電界強度から携帯端末ネットワークの伝送速度を推定し、これを初期値として記憶すると共に、ダウンロードされるデータのヘッダ情報等に基づいて、これからダウンロードされるデータ全体のデータ量を検出する。
【0023】
具体的には、携帯端末ネットワークからダウンロードされるデータは、当該携帯電話機のアンテナ1で受信され、電界強度検出部2,送受信モジュール4及びバッファメモリ5に供給されるのであるが、このうち、電界強度検出部2は、このデータの電界強度を検出し、この検出出力をCPU11に供給する。
【0024】
後に説明するが、CPU11は、この電界強度検出部2により検出された電界強度と、上記送受信モジュール4のスループット検出部3で検出されたデータのスループットに基づいて携帯端末ネットワークの現在の伝送速度を算出するのであるが、データのスループットは、例えば数秒等の所定時間内に受信したデータ量に基づいて算出する必要があり、データのダウンロードの開始時には、未だ上記所定時間分のデータが受信されていないことからスループットを算出することは困難となる。
【0025】
このため、CPU11は、電界強度検出部2で検出された、このダウンロード開始時の電界強度の検出出力のみに基づいて、以下のように携帯端末ネットワークの現在の伝送速度を推定する。
【0026】
すなわち、CPU11は、図3に示すような電界強度と携帯端末ネットワークの伝送速度の推定値との関係を示すテーブルを有しており、例えば現在の電界強度が50dbであった場合、携帯端末ネットワークの伝送速度は最速である100%の伝送速度であると推定する。なお、この例では、100%の伝送速度は、例えば25kbpsとしている。
【0027】
同様に、CPU11は、現在の電界強度が40dbであった場合、携帯端末ネットワークの伝送速度は、最速時の95%程度の伝送速度(23.75kbps)であると推定する。また、CPU11は、現在の電界強度が30dbであった場合、携帯端末ネットワークの伝送速度は、最速時の80%程度の伝送速度(20kbps)であると推定する。また、CPU11は、現在の電界強度が20dbであった場合、携帯端末ネットワークの伝送速度は、最速時の60%程度の伝送速度(15kbps)であると推定する。
【0028】
CPU11は、このようにして携帯端末ネットワークの現在の伝送速度を推定すると、この推定値を該伝送速度の初期値として初期値メモリ9に記憶制御する。
【0029】
次に図2のフローチャートのステップS2では、CPU11がダウンロードされるデータの処理速度を検出する。
【0030】
すなわち、前述のようにダウンロードされるデータとしては、動画像情報,静止画像情報,文字情報及び音声情報等なのであるが、これらのデータがバッファメモリ5に記憶され読み出され、再生モジュール6で再生処理(デコード処理)されるまでの時間は、該各情報毎に異なる。このため、CPU11は、このステップS2において、ダウンロードするデータに対応する当該携帯電話機での処理速度を検出する。
【0031】
次に、ステップS3では、CPU11が、上記ステップS1で推定して初期値メモリ9に記憶した携帯端末ネットワークの伝送速度(bps)の推定値、該ステップS1で検出したダウンロードするデータの全データ量(kbyte)、及び上記ステップS2で検出したデータの処理速度(kbps)に基づいて以下の演算を行うことにより、バッファメモリ5に記憶されたデータの再生を開始する時刻である再生開始点を算出する。
【0032】
再生開始点=〔(伝送速度)×(全データ量)〕/〔(処理速度)×(処理速度)〕
すなわち、携帯端末ネットワークの現在の伝送速度と、当該携帯電話機のデータの処理速度と、ダウンロードするデータの全データ量を総合的に考えると、再生開始点は、「〔(伝送速度)×(全データ量)〕/(処理速度)」の演算式で表されるデータ量のデータをダウンロードし終えた時となる。
【0033】
このため、CPU11は、伝送速度と全データ量とを乗算処理した値を、処理速度を2乗した値で除算処理することで再生開始点を算出するようになっている。
【0034】
なお、上記「携帯端末ネットワークの伝送速度」の値としては、ダウンロード開始直後は、初期値メモリ9に記憶された「推定値」が用いられ、データのスループットに基づいて該伝送速度が算出可能となった段階で、該算出された実効値が用いられる。
【0035】
〔再生が開始されるまでの時間の表示〕
次に、このように再生開始点を算出すると、CPU11は、図2のフローチャートのステップS4において、現在の時刻から、上記算出した再生開始点(再生開始時刻)までの時間を算出し、表示部7に対して例えば「ダウンロードしたデータの再生が開始されるまで30秒かかります。ダウンロードを継続しますか?はい/いいえ」等の、再生までに要する時間の表示を行う。
【0036】
ユーザは、この表示部7に表示される再生が開始されるまでの時間を見て、この時間分待てるのであれば、操作部10を操作して上記「はい」を選択し、この時間分待てないのであれば、操作部10を操作して上記「いいえ」を選択する。
【0037】
操作部10が操作され上記「いいえ」が選択されると、操作部10からCPU11に対してダウンロードの中止指示のコマンドが供給される。また、操作部10が操作され上記「はい」が選択されると、操作部10からCPU11に対してダウンロードの継続指示のコマンドが供給される。
【0038】
図2のフローチャートのステップS5では、CPU11がこのコマンドを検出しており、ダウンロードの中止指示のコマンドを検出した場合、CPU11は、ステップS8において、データのダウンロードを中断処理すると共に、それまで上記バッファメモリ5にダウンロードされたデータを消去処理して、当該図2のフローチャートに対応する処理を終了する。
【0039】
これに対して、上記ステップS5においてCPU11が、ダウンロードの継続指示のコマンドを検出した場合、CPU11は、ステップS11において、現在の時刻が上記算出した再生開始点に対応する時刻となったか否かを判別する。そして、現在の時刻が再生開始点に対応する時刻となった場合は、ステップS7において、バッファメモリ5に記憶されたデータの再生を開始(読み出しを開始)し、当該図2のフローチャートに対応する処理を終了する。
【0040】
なお、このような再生が開始されるまでの時間の表示処理は、最初に再生開始点が算出されたときのみ行ってもよいし、以下に説明するように再生開始点が算出される毎に行ってもよい。
【0041】
〔再生開始点の更新処理〕
次に、携帯電話機はユーザにより携帯されるものであり、この携帯による携帯電話機の移動により、ダウンロード開始時の通信状態(通信環境)が時間と共に変化する場合が多い。このため、当該実施の形態の携帯電話機では、再生開始点を算出した後であっても、実際に再生が開始されるまでの間は、再生開始点を再計算して更新することで、時間と共に変化する通信環境に対応するようになっている。
【0042】
(電界強度及びスループットの実効値に基づく伝送速度の推定)
具体的には、図2のフローチャートのステップS6において、現在の時刻が再生を開始する時刻(再生開始点)となったか否かを判別し、該現在の時刻が再生を開始する時刻となっていないと判別した場合、CPU11は、図4のフローチャートのステップS11において、現在の電界強度及びデータの現在のスループットの両方に基づいて、携帯端末ネットワークの現在の伝送速度を推定する。
【0043】
すなわち、この携帯端末ネットワークの伝送速度は、上述のようにダウンロード開始直後においては、スループット検出部3によるスループットの検出が困難であるため、電界強度から推定された推定値(上記初期値メモリ9に記憶された初期値)を用いたが、このステップS11の段階では、上記推定値を用いて最初に再生開始点を設定してから、ある程度の時間が経過しており、スループット検出部3においてデータのスループットが検出可能な状態となっている。
【0044】
このため、このステップS11では、CPU11が、上記電界強度検出部2で検出された現在の電界強度、及び上記スループット検出部3により検出されたデータの現在のスループット(実効値)の両方に基づいて、携帯端末ネットワークの現在の伝送速度を推定する。
【0045】
具体的には、CPU11は、図5に示すような、電界強度,スループットの実効値、及び該電界強度とスループットの実効値に基づいて推定される携帯端末ネットワークの伝送速度との関係を示すテーブルを有している。なお、この図5に示すテーブルは一例である。また、携帯端末ネットワークの伝送速度は最速で25kbpsに想定したものである。
【0046】
この図5に示すように、例えば電界強度が50dbとして検出され、現在のスループットの実効値が23kbps〜25kbpsとして検出された場合、電界強度及びスループット共に良好な値であるため、CPU11は、携帯端末ネットワークの現在の伝送速度を25kbps(最速値)として推定する。
【0047】
また、例えば電界強度が40dbとして検出され、現在のスループットの実効値が23kbps〜25kbpsとして検出された場合、スループットは良好な値を示すが、電界強度は若干低めの値であるため、CPU11は、携帯端末ネットワークの現在の伝送速度を、最速値よりも若干低い23kbpsとして推定する。
【0048】
また、例えば電界強度が30dbとして検出され、現在のスループットの実効値が18kbps〜20kbpsとして検出された場合、スループットが若干低めの値であり、電界強度も低めの値であるため、CPU11は、携帯端末ネットワークの現在の伝送速度を、最速値よりも低い15kbpsとして推定する。
【0049】
CPU11は、このように実際に検出された電界強度の値と、現在のスループットの実効値とに基づいて携帯端末ネットワークの伝送速度を推定するようになっている。
【0050】
電界強度のみをパラメータとして携帯端末ネットワークの現在の伝送速度を検出すると、前述のように検出された電界強度から携帯端末ネットワークの伝送速度を推定せざるを得ない(図3参照)。また、電界強度が高くても、スループットが劣化する場合もある。この逆に、電界強度が劣化しても、スループットが劣化しない場合もある。すなわち、電界強度は携帯端末ネットワークの伝送速度に比例するものではない。
【0051】
このため、電界強度及びスループットの両方をパラメータとし、この2つのパラメータに基づいて、携帯端末ネットワークの現在の伝送速度を検出することにより、携帯端末ネットワークの伝送速度を正確に検出することができる。
【0052】
次に、図4のフローチャートのステップS12では、CPU11が、初期値メモリ9に記憶されている伝送速度の推定値(初期値)と、ステップS11で検出した現在の伝送速度の推定値とを比較し、該現在の伝送速度の推定値は上記初期値よりも小さいか否かを判別する。
【0053】
現在の伝送速度の推定値が上記初期値よりも小さい場合、CPU11は、ステップS13において、上述の演算式に基づいて再生開始点を再計算する。現在の伝送速度の推定値が上記初期値よりも小さいということは、上記演算式に基づく再計算を行うと、最初に算出された再生開始点よりも遅れた時刻の再生開始点が算出されることとなる。
【0054】
また、現在の伝送速度の推定値が上記初期値よりも小さいということは、ダウンロードの開始時に当該携帯電話機が位置していた場所の通信環境よりも、該通信環境が悪化していることを示す。そして、この通信環境の悪化は、ダウンロードの開始時よりもデータのダウンロードに時間を要する通信環境に変化したことを示す。
【0055】
このため、CPU11は、現在の伝送速度の推定値が上記初期値よりも小さい場合は、ステップS13において、再生開始点を、再計算された再生開始点に遅れさせる「再生開始点の更新処理」を行う。
【0056】
これに対して、上記ステップS12において、現在の伝送速度の推定値が上記初期値よりも大きいと判別した場合、CPU11は、ステップS14において、現在の伝送速度の推定値と上記初期値との差を検出する。そして、この両者の差が所定値以上であるか否かを判別する。
【0057】
上記両者の差が所定値以上あるということは、ダウンロードの開始時に当該携帯電話機が位置していた場所の通信環境よりも、該通信環境が大きく良化していることを示す。そして、この通信環境の良化により、ダウンロードの開始時よりも、ダウンロードに要する時間が短縮化されることが期待できる。
【0058】
このため、CPU11は、現在の伝送速度の推定値が上記初期値よりも所定値以上大きい場合は、ステップS15において、再生開始点を、再計算された再生開始点に進める(時間的に進める)「再生開始点の更新処理」を行う。
【0059】
なお、現在の伝送速度の推定値と上記初期値との差が上記所定値に満たない場合、CPU11は、再生開始点の更新処理は行わない。
【0060】
CPU11は、図2に示すフローチャートのステップS6において、現在の時刻が再生開始点の時刻になったものと判別するまでの間、この図4に示す各ステップS11〜ステップS15を繰り返し実行して再生開始点を更新処理する。
【0061】
前述のように、携帯電話機はユーザにより携帯されるものであり、この携帯による携帯電話機の移動により、ダウンロード開始時の通信状態(通信環境)が時間と共に変化する場合が多いのであるが、当該実施の形態の携帯電話機は、再生開始点を算出した後であっても、実際に再生が開始されるまでの間は、再生開始点を再計算して更新するようにしているため、時間と共に変化する通信環境に対応して最適な再生タイミングで、ダウンロードしたデータの再生を開始可能とすることができる。
【0062】
なお、この例では、現在の伝送速度の推定値が上記初期値よりも所定値以上大きな値となった場合に、再生開始点を、再計算された再生開始点を時間的に進める更新処理を行うこととしたが、現在の伝送速度の推定値が上記初期値よりも大きな値となった場合でも、再生開始点を時間的に進めることなく、既に設定されている再生開始点を維持するようにしてもよい。この場合、現在の伝送速度の推定値が上記初期値よりも小さな値となった場合に、前述の再生開始点を、再計算された再生開始点に遅れさせる「再生開始点の更新処理」のみが行われることとなる。
【0063】
〔再生開始後のリカバリ処理〕
次に、前述のように、携帯電話機の通信環境は時間と共に変化する場合が多いため、ダウンロードしたデータの再生を開始した後に通信環境が劣化し、データのダウンロードが再生に追いつかず(バッファメモリ5のアンダーフロー)、ストリーミング再生が中断(破綻)することも考えられる。
【0064】
このため、当該実施の形態の携帯電話機は、CPU11が、このデータの再生開始後においても少なくともバッファメモリ5の状態を監視しており、バッファメモリ5に記憶されているデータのデータ量が所定のデータ量以下となった際に、以下のリカバリ処理を行う。
【0065】
具体的には、再生中のデータが動画像であった場合、CPU11は、バッファメモリ5の読み出し速度を低速化すると共に、再生モジュール6のデータ処理速度を低速化し、動画像の再生速度を落とす。これにより、動画像の動きは鈍いものとなるが、バッファメモリ5にアンダーフローが発生するまでの時間を長くすることができる。そして、バッファメモリ5にアンダーフローが発生するまでに通信環境が良化すれば、その後、正常な動画像の再生を継続して行うことができる。
【0066】
或いは、再生中のデータが動画像であった場合、CPU11は、バッファメモリ5に記憶されている所定時間分のデータを繰り返し読み出し制御する。これにより、同じ動画像が繰り返し再生されることとなるが、通信環境が回復するまでの間、動画像再生を継続して実行することができる。そして、通信環境が良化すれば、その後、正常な動画像の再生を継続して行うことができる。
【0067】
或いは、再生中のデータが動画像情報,静止画像情報,文字情報,音声情報等のいずれの場合でも有効なのであるが、CPU11は、バッファメモリ5に記憶されているデータのデータ量が所定のデータ量以下となった際に、例えば「電波状況の良い場所に移動して下さい。」等のメッセージを表示制御し、或いは所定のアラームをスピーカ部8を介して発音制御する。
【0068】
これにより、上記メッセージ或いはアラームにより通信環境が劣化していることをユーザに認識させることができる。そして、ユーザはこのようなメッセージやアラームにより、携帯電話機を通信環境の良い場所に移動させることとなるため、バッファメモリ5にアンダーフローが発生する不都合を極力防止することができる。
【0069】
なお、データのスループット及びバッファメモリ5のデータ量の両方を監視し、この両方のパラメータに基づいて、前述のリカバリ処理を実行するようにしてもよい。
【0070】
[実施の形態の効果]
以上の説明から明らかなように、当該実施の形態の携帯電話機は、以下の特徴的な効果を有する。
【0071】
1.ストリーミング再生時において、ダウンロードしたデータのスループットと、現在の電界強度との2つのパラメータに基づいて携帯端末ネットワークの伝送速度を推定し、この推定値に基づいて、バッファメモリ5に記憶されたデータの再生開始点(再生開始時刻)を算出するようになっている。
【0072】
上記2つのパラメータに基づいて携帯端末ネットワークの伝送速度を推定しているため、電界強度のみをパラメータとして携帯端末ネットワークの現在の伝送速度を検出する場合よりも、該携帯端末ネットワークの伝送速度を正確に検出することができる。そして、この正確な伝送速度に基づいて再生開始点を算出することができるため、バッファメモリ5にオーバーフローやアンダーフローを発生させることなく、良好なストリーミング再生を行うことを可能とすることができる。
【0073】
また、ダウンロードするデータの伝送速度を抑制するのではなく、ダウンロードされるデータの伝送速度に対応するように再生開始点を算出する構成となっているため、当該携帯電話機側の構成のみの小規模な構成で実現することができる。
【0074】
また、正確な伝送速度に基づいて再生開始点を算出することができるため、全データのダウンロードの終了を待つことなく、最小限の待ち時間でダウンロードしたデータの再生を開始することができる。
【0075】
2.再生開始点を算出した後から再生が開始されるまでの間、通信環境が劣化した場合は、再生開始点を遅れさせるように該再生開始点の更新処理を行い、通信環境が良化した場合は、再生開始点を時間的に進めるように該再生開始点の更新処理を行う。
【0076】
これにより、時間的に変化する携帯電話機の通信環境に対応したストリーミング再生を可能とすることができる。
【0077】
3.再生開始点を算出した際に、表示部7に、データの再生が開始されるまでの時間を表示するようになっている。この表示により、ユーザに対して、データのダウンロードを継続するか否かの判断材料を提供することができる。そして、ユーザは、この表示に基づいて、ストリーミング再生を行うか否かを適正に判断することができる。
【0078】
4.再生開始後にも、データのスループット及びバッファメモリ5の状態を監視しており、バッファメモリ5に記憶されているデータのデータ量が所定のデータ量以下となった際に、所定のリカバリ処理を行う。
【0079】
これにより、通信環境が回復するまでの間、ストリーミング再生を継続して行うことができる。
【0080】
なお、上述の実施の形態の説明では、本発明を携帯電話機に適用することとしたが、本発明は、パーソナルコンピュータ装置や通信機能を有するPDA装置(PDA:Personal Digital Assistant)等のストリーミング再生を実行可能な機器であれば、どのような機器に適用しても上述の効果を得ることができる。
【0081】
最後に、上述の実施の形態は本発明の一例である。このため、本発明は、上述の実施形態に限定されることはなく、該実施の形態以外であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能であることは勿論であることを付け加えておく。
【0082】
【発明の効果】
本発明は、最小限の待ち時間で再生が開始されるストリーミング再生を、端末側のみの小規模構成で実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した実施の形態となる携帯電話機の主要部のブロック図である。
【図2】上記実施の形態の携帯電話機のストリーミング再生時におけるデータの再生が開始されるまでの流れを示すフローチャートである。
【図3】上記実施の形態の携帯電話機において、ストリーミング再生を行うデータのダウンロード開始直後に検出される電界強度と、この電界強度から推定される携帯端末ネットワークの伝送速度の推定値との関係を示す図である。
【図4】上記実施の形態の携帯電話機のストリーミング再生時における再生開始点の更新処理を説明するためのフローチャートである。
【図5】上記実施の形態の携帯電話機において、電界強度とデータのスループットの2つのパラメータから推定される携帯端末ネットワークの伝送速度の推定値を説明するための図である。
【符号の説明】
1…アンテナ、2…電界強度検出部、3…スループット検出部、4…送受信モジュール、5…バッファメモリ、6…再生モジュール、7…表示部、8…スピーカ部、9…初期値メモリ、10…操作部、11…制御回路(CPU)
Claims (10)
- ダウンロードされたデータを記憶手段が記憶するデータ記憶ステップと、
上記ダウンロードされたデータに基づいて、電界強度検出手段が電界強度を検出する電界強度検出ステップと、
スループット検出手段が、上記ダウンロードされたデータのスループットを検出するスループット検出ステップと、
上記電界強度検出ステップで上記電界強度検出手段が検出した電界強度、及び上記スループット検出ステップで上記スループット検出手段が検出したスループットに基づいて、伝送速度推定手段が、上記データが送信されるネットワークの伝送速度を推定する伝送速度推定ステップと、
上記伝送速度推定ステップで上記伝送速度推定手段が推定した伝送速度に基づいて、再生開始時刻算出手段が、上記記憶手段に記憶されたデータの再生開始時刻を算出する再生開始時刻算出ステップと、
上記再生開始時刻算出ステップで算出された再生開始時刻となった際に、再生手段が、上記記憶手段に記憶されているデータの再生を開始する再生ステップと
を有するストリーミング再生方法。 - 上記データのダウンロードの開始時において、該ダウンロードされたデータに基づいて、電界初期値検出手段が初期値となる電界強度を検出する電界初期値検出ステップと、
上記電界初期値検出ステップで上記電界初期値検出手段が検出した初期値となる電界強度に基づいて、伝送初期値推定手段が、初期値となる伝送速度を推定する伝送初期値推定ステップと、
比較手段が、上記伝送初期値推定ステップで上記伝送初期値推定手段が推定した初期値となる伝送速度と、上記伝送速度推定ステップで伝送速度推定手段が推定した伝送速度とを比較する比較ステップと、
上記比較ステップで上記比較手段が上記両者の比較を行うことで、上記伝送初期値推定ステップで上記伝送初期値推定手段が推定した初期値となる伝送速度の値よりも、上記伝送速度推定ステップで伝送速度推定手段が推定した伝送速度の値の方が小さいと判断した場合に、再生開始時刻更新手段が、上記伝送速度推定手段で推定された伝送速度に基づいて上記再生開始時刻算出ステップで上記再生開始時刻算出手段が算出した再生開始時刻に上記再生開始時刻を遅れさせるように更新する再生開始時刻更新ステップと
を有することを特徴とする請求項1記載のストリーミング再生方法。 - 再生開始時刻更新ステップにおいて、上記再生開始時刻更新手段は、上記比較ステップで上記比較手段が上記両者の比較を行うことで、上記伝送初期値推定ステップで上記伝送初期値推定手段が推定した初期値となる伝送速度の値よりも、上記伝送速度推定ステップで伝送速度推定手段が推定した伝送速度の値の方が大きいと判断した場合に、上記伝送速度推定手段で推定された伝送速度に基づいて上記再生開始時刻算出ステップで上記再生開始時刻算出手段が算出した再生開始時刻に上記再生開始時刻を時間的に進めるように更新すること
を特徴とする請求項2記載のストリーミング再生方法。 - 上記再生開始時刻算出ステップにおいて、上記再生開始時刻算出手段が少なくとも最初に算出した再生開始時刻に基づいて、再生開始待ち時間表示手段が、上記再生手段によりデータの再生が開始されるまでに要する時間を表示手段に表示すること
を特徴とする請求項1から請求項3のうち、いずれか一項記載のストリーミング再生方法。 - 上記再生手段により上記記憶手段に記憶されているデータの再生が開始された後において、監視手段が、少なくとも上記記憶手段に記憶されているデータのデータ量を監視する監視ステップと、
上記監視ステップで上記監視手段が、上記記憶手段に記憶されているデータ量が所定のデータ量以下となったことを検出した際に、再生制御手段が、上記データの再生に関する所定のリカバリ処理を行うように上記再生手段を制御するリカバリステップと
を有することを特徴とする請求項1から請求項4のうち、いずれか一項記載のストリーミング再生方法。 - ダウンロードされたデータを記憶する記憶手段と、
上記ダウンロードされたデータに基づいて電界強度を検出する電界強度検出手段と、
上記ダウンロードされたデータのスループットを検出するスループット検出手段と、
上記電界強度検出手段が検出した電界強度、及び上記スループット検出手段が検出したスループットに基づいて、上記データが送信されるネットワークの伝送速度を推定する伝送速度推定手段と、
上記伝送速度推定手段が推定した伝送速度に基づいて、上記記憶手段に記憶されたデータの再生開始時刻を算出する再生開始時刻算出手段と、
上記再生開始時刻算出手段が算出した再生開始時刻となった際に、上記記憶手段に記憶されているデータの再生を開始する再生手段と
を有する携帯通信端末装置。 - 上記データのダウンロードの開始時において、該ダウンロードされたデータに基づいて、初期値となる電界強度を検出する電界初期値検出手段と、
上記電界初期値検出手段が検出した初期値となる電界強度に基づいて、初期値となる伝送速度を推定する伝送初期値推定手段と、
上記伝送初期値推定手段が推定した初期値となる伝送速度と、上記伝送速度推定手段が推定した伝送速度とを比較する比較手段と、
上記比較手段が上記両者の比較を行うことで、上記伝送初期値推定手段が推定した初期値となる伝送速度の値よりも、上記伝送速度推定手段が推定した伝送速度の値の方が小さいと判断した場合に、上記伝送速度推定手段で推定された伝送速度に基づいて上記再生開始時刻算出手段により算出された再生開始時刻に、上記再生開始時刻を更新することで、上記再生開始時刻を時間的に遅れさせる再生開始時刻更新手段と
を有することを特徴とする請求項6記載の携帯通信端末装置。 - 上記再生開始時刻更新手段は、上記比較手段が上記両者の比較を行うことで、上記伝送初期値推定手段が推定した初期値となる伝送速度の値よりも、上記伝送速度推定手段が推定した伝送速度の値の方が大きいと判断した場合に、上記伝送速度推定手段で推定された伝送速度に基づいて上記再生開始時刻算出手段により算出された再生開始時刻に上記再生開始時刻を更新することで、上記再生開始時刻を時間的に進めること
を特徴とする請求項7記載の携帯通信端末装置。 - 上記再生開始時刻算出手段が少なくとも最初に算出した再生開始時刻に基づいて、上記再生手段によりデータの再生が開始されるまでに要する時間を表示手段に表示する再生開始待ち時間表示手段を有すること
を特徴とする請求項6から請求項8のうち、いずれか一項記載の携帯通信端末装置。 - 上記再生手段により上記記憶手段に記憶されているデータの再生が開始された後において、少なくとも上記記憶手段に記憶されているデータのデータ量を監視する監視手段と、
上記監視手段が、上記記憶手段に記憶されているデータ量が所定のデータ量以下となったことを検出した際に、上記データの再生に関する所定のリカバリ処理を行うように上記再生手段を制御する再生制御手段と
を有することを特徴とする請求項6から請求項9のうち、いずれか一項記載の携帯通信端末装置。
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