JP2004228770A - 画像処理システム - Google Patents
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Abstract
【課題】時間差分による物体の検出と、背景差分による物体の検出とを行なう画像処理システムにおいて、時間差分による物体の処理が連続して行なわれないことを防止する。
【解決手段】カメラ内CPU204は、駆動部203を制御し、CCD201を介して所望の画像を得る画像撮影部205と、時系列的に得られた画像を用いて時間差分による侵入物体の検知を行う移動物体検出部207とを備えている。
外部PC208は、背景(基準画像)を取得するための背景取得処理部209と、背景差分処理を行うことで侵入物体を検出する侵入物体検出部211と、物体の侵入や移動が検出されたときにそれに対応した処理を行う処理部213とを備えている。連続性が重要となる処理をカメラ内で行い、連続性がさほど重要でない処理を外部PCで行なう。
【選択図】 図2
【解決手段】カメラ内CPU204は、駆動部203を制御し、CCD201を介して所望の画像を得る画像撮影部205と、時系列的に得られた画像を用いて時間差分による侵入物体の検知を行う移動物体検出部207とを備えている。
外部PC208は、背景(基準画像)を取得するための背景取得処理部209と、背景差分処理を行うことで侵入物体を検出する侵入物体検出部211と、物体の侵入や移動が検出されたときにそれに対応した処理を行う処理部213とを備えている。連続性が重要となる処理をカメラ内で行い、連続性がさほど重要でない処理を外部PCで行なう。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は画像処理システムに関し、特に逐次入力された画像から物体の検出処理を行なう画像処理システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来よりカメラを用い、侵入者の監視、移動人物の計数、人物の在不在の判定、装置の操作者等の状態把握、人物認証のための人物領域切出しなどを行うことを目的としたシステムが知られている。
【0003】
そのような目的のために、侵入者、移動人物などの人物抽出が行なわれる。人物抽出においては、背景差分方式が利用されることが多い。背景差分方式では、検出対象となる被写体が存在しない画像が基準画像として取得される。各時刻におけるカメラからの入力画像と基準画像との差分をもとに被写体抽出が行なわれる。
【0004】
同様に、時間差のある2画像の間の差分によって被写体検出を行う方式として、時間差分方式がある。これは、2画像の間の動きのある物体を検出することを目的とするものである。
【0005】
図32は、時間差分方式での処理を説明するための図である。
図を参照して、検出対象となる撮影位置での時系列画像がカメラにより撮影される。時刻T1,T2,T3での画像が撮影されたと仮定すると、時刻T1での画像と時刻T2での画像との間の差分画像T2−T1、および時刻T2での画像と時刻T3での画像との間の差分画像T3−T2が求められる。この差分画像により、侵入物体の有無とその位置とを検出することができる。
【0006】
図33は、背景差分方式での処理を説明するための図である。
図を参照して、検出対象となる撮影位置での背景(「基準画像」ともいう。)Sが取得される。カメラにより時刻T1,T2,T3での画像が撮影され、基準画像Sと撮影された画像との差分画像T1−S,T2−S,T3−Sが求められる。この差分画像により、侵入物体の有無とその位置とを検出することができる。
【0007】
背景差分方式は、動きを検出するのではなく基準画像に対する物体の侵入を検出する点で、時間差分方式とは異なる。また、背景差分方式は、比較的連続した時系列画像間のフレーム差分をとるのではなく、時間方向の連続性は要求されない2画像間でのフレーム差分をとる、といった点において、時間差分方式とは異なる。このように、背景差分方式と時間差分方式は性質が異なるものである。
【0008】
侵入検出の方法として、背景差分方式と時間差分方式とを併用する技術が、以下の特許文献1と特許文献2とに記載されている。
【0009】
【特許文献1】
特開平7−334683号公報
【0010】
【特許文献2】
特開平9−265585号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、背景差分方式には以下の問題点がある。
【0012】
まず第1に、カメラの老朽化、風の影響などによって、基準画像と現時刻における撮影画像との間の撮影位置がずれてしまい、これにより誤検出が行われる可能性がある。
【0013】
すなわち図34左に示されるように、基準画像と現時刻における撮影画像との撮影位置にずれがない場合、正常に侵入物体を検出することができるが、図34右に示されるように、基準画像と現時刻における撮影画像との撮影位置にずれがある場合、侵入物体が存在しない領域に差分値が検出されてしまう。これにより、この領域を侵入物体と誤検出してしまう問題がある。
【0014】
また、図35左に示されるように、基準画像と現時刻における撮影画像との間に照明条件(明るさ)の変化がない場合、正常に侵入物体を検出することができるが、図35右に示されるように、基準画像と現時刻における撮影画像との間に照明条件の変化がある場合、照明条件の変動に起因する差分値によって侵入物体を誤検出する問題がある。
【0015】
これらの誤検出を防ぐために行なわれる画像の補正処理は、装置にとって負荷の重いものであり、処理を行うために時間を要する。
【0016】
従って、侵入検出の方法として背景差分方式と時間差分方式とを併用する技術を用いると、背景差分を求めるために装置の負荷がかかり、時間差分方式の処理に影響を及ぼすことがある。たとえば、背景差分による人物検出処理をしている間に、検出対象となっている人物が速い移動速度で画面から逃げ去ってしまったり、新たな人物が侵入してきた場合に、これらを検出することができないのである。
【0017】
背景差分方式における処理時間を短くするためには、CPUの性能を上げることが必要となる。しかし、これにより装置のサイズや重量が大きくなってしまったり、装置が高価になってしまうといった新たな問題が生じる。特に、カメラサイズが大きくなることは、監視装置を目立ちやすくすることに繋がり、好ましくない。また、重量により装置の設置位置が制限されることを鑑みると、装置の商品価値が大きく低下することも考えられる。
【0018】
さらに、サーバー1つに対して複数のカメラを接続するようなシステムを構築することも考えられるが、このような場合にカメラの高価格化は、システム全体のコストアップに繋がるため好ましくない。
【0019】
この発明は上述のような問題点を解決するためになされたものであり、2以上の処理を実行する画像処理システムにおいて、適切な処理を行うことができる画像処理システムを提供することを目的としている。
【0020】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するためこの発明のある局面に従うと、画像処理システムは、画像を逐次入力する画像入力部と、逐次入力された画像に対し、リアルタイム性が要求される第1の処理を行なう第1処理部と、画像入力部に入力された画像の少なくとも一部の画像を用いた第2の処理を行なう第2処理部とを備え、第2の処理は、第1の処理と比較して、リアルタイム性が要求されない処理であることを特徴とする。
【0021】
この発明に従うと、第1処理部においてリアルタイム性が要求される処理が行なわれ、第2処理部において第1の処理と比較して、リアルタイム性が要求されない処理が行なわれる。これにより、第1の処理部の負担を増加させることがなくなり、適切な処理を行うことができる画像処理システムを提供することが可能となる。
【0022】
この発明の他の局面に従うと、画像処理システムは、画像を逐次入力する画像入力部と、逐次入力された画像を用いて、画像中における物体の第1の検出処理を行なう第1処理部と、画像入力部に入力された画像の少なくとも一部の画像を用いて、画像中における物体の第2の検出処理を行なう第2処理部と、第1処理部と第2処理部とで行なった物体の検出処理により物体が検出されると、第3の処理を開始する第3処理部とを備える。
【0023】
この発明に従うと、第1処理部において逐次入力された画像を用いて検出処理が行なわれ、第2処理部において、入力された画像の少なくとも一部の画像を用いて、画像中における物体の検出処理が行なわれる。第1処理部と第2処理部とで行なった物体の検出処理により物体が検出されると、第3の処理が開始される。これにより、第1の処理部の負担を増加させることがなくなり、適切な処理を行うことができる画像処理システムを提供することが可能となる。
【0024】
好ましくは画像処理システムは、第1処理部においては、逐次入力された画像を用いて時間差分による物体の検出処理を行ない、第2処理部においては、基準画像と画像入力部に入力された画像の少なくとも一部の画像とを用いて、背景差分による物体の検出処理を行なう。
【0025】
この発明によると、第1処理部においては時間差分による物体の検出処理が行なわれ、第2処理部においては背景差分による物体の検出処理が行なわれる。これにより、第1の処理部での時間差分による物体の検出処理の負担を増加させることがなくなり、適切な処理を行うことができる画像処理システムを提供することが可能となる。
【0026】
なお、いずれの発明においても、リアルタイム性が要求される処理としては、処理対象となる画像を連続的に取得するといった画像入力に即時性が要求される処理や、処理結果を遅延なく(あるいは比較的遅延なく)提供するといった画像処理自体に即時性が要求される処理が挙げられる。
【0027】
【発明の実施の形態】
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施の形態における画像処理システムの原理を説明するためのブロック図である。図を参照して、画像処理システムは、カメラ101と、カメラ101からの画像情報をそれぞれ入力する第1の処理部103および第2の処理部105と、第1の処理部103および第2の処理部105の出力を基に第3の処理を行なう第3の処理部107とを備えている。
【0028】
この画像処理システムは、カメラ101を用いて、侵入者の監視、移動人物の計数、人物の在不在判定、装置の操作者などの状態把握、人物認証のための人物領域切出しなどを行うシステムである。
【0029】
たとえば、リアルタイム性が重視される高速な処理は、第1の処理部(第1の装置)103で行ない、リアルタイム性を維持できるようにする。これに対して、リアルタイム性の重要度が比較的低い処理(たとえば、比較的時間のかかる処理)は第2の処理部(第2の装置)105において処理させるようにしている。
【0030】
また、第1の処理部103および第2の処理部105の出力を基に、必要に応じて第3の処理部107によって処理が行なわれる。
【0031】
このようなシステムの構成を採用することによって、以下に述べる効果がある。
【0032】
・より処理時間のかかる処理を、第2の処理部(たとえば、より処理速度(および転送速度)の速いCPUを持つ装置)で実行することにより、複数の処理を行なうシステムにおいて、トータルにおけるパフォーマンスの向上を図ることができる(全体処理時間の向上)。
【0033】
・一部の処理(特に、処理速度の要求が低い処理)を他の装置によって処理させることにより、処理速度の速さが要求される処理の処理時間の増大を防止することができる(高速処理が必要とされる処理の処理時間重視、カメラCPUなどに対して最低限要求される性能を低減)。
【0034】
具体的には、第1の処理部で行なうリアルタイム性が重視される高速な処理として、時間差分による移動物体検知が挙げられる。第2の処理部で行なわれるリアルタイム性の重要度が比較的低い処理として、背景差分による侵入物体検知、侵入や移動が検知された物体に対する計数処理、詳細な物体認識処理、動作・姿勢の認識処理、認証処理などが挙げられる。ただし、状況やアプリケーションの種類によっては、背景差分の処理などがリアルタイム性が重視される処理である場合も考えられ、以上の記述は、各々の処理部で行われる処理を限定するものではない。
【0035】
また具体的には、第1の処理部としてはカメラ内のCPUなどが考えられ、第2の処理部として、画像処理用PC、カメラ内の別CPU、別カメラ内のCPUなどが考えられる。
【0036】
ここでは特に、システムにおいて、位置ずれや照明変動の補正を伴う背景差分処理と、時間差分処理との両者を実行することを想定する。この場合、背景差分処理においては補正などのための長い処理時間が必要となる。そこで、この処理を他のCPU(第2の処理部)に任せてしまい、ある装置(カメラCPUである第1の処理部)では高速に処理が可能な時間差分による移動検出を常に行う。このようにすることで、時間がかかる背景差分処理の実行中にカメラが捕らえた高速な移動物体は、時間差分により検出できる。一方、時間差分で検出できない低速な移動物体は背景差分処理で十分に検出できる(移動速度が遅いので、前回の背景差分処理が終わるまでに物体が撮影領域から出てしまうことはない)。
【0037】
図2は、本発明の第1の実施の形態における画像処理システムの構成を示すブロック図である。この画像処理システムは、大きくはカメラ200と、それに接続される外部PC208とから構成される。
【0038】
図を参照してカメラ200は、CCD201と、CCD201による撮影位置やズームなどを制御するためのレンズやモータなどからなる駆動部203と、カメラ内CPU204とを備えている。カメラ内CPU204は、時間差分による移動物体検知を行う。カメラ内CPU204は、駆動部203を制御し、CCD201を介して所望の画像を得る画像撮影部205と、時系列的に得られた画像を用いて時間差分による侵入物体の検知を行う移動物体検出部207とを備えている。
【0039】
移動物体検出部207で行われる処理は、比較的高速な処理であることが望ましく、例えば、特開平8−46925号公報に開示されるような、画像信号の動き検出回路を用いることができる。
【0040】
外部PC208は、背景差分処理による侵入物体検知(および背景差分処理を行うために必要な基準画像の取得、作成処理、物体が検知された場合の処理)を行う。外部PC208は、背景(基準画像)を取得するための背景取得処理部209と、背景差分処理を行うことで侵入物体を検出する侵入物体検出部211と、物体の侵入や移動が検出されたときにそれに対応した処理を行う処理部213とを備えている。
【0041】
処理部213での処理の具体例として、人数計数、録画開始、警報装置作動、人物認証などが挙げられる。
【0042】
背景差分による侵入検知のためには、基準となる背景画像を取得する必要があるため、背景取得処理部209はそのための処理を行う。この取得方法に本発明が依存するものではない。侵入物体が存在しないとわかっているある時刻の撮影画像を背景画像として設定してもよいし、他の従来の既知手法を用いてもよい。
【0043】
なお、外部PC208は、ハードウェア的には、CPU、メモリ、ハードディスクドライブ、外部インターフェイス装置、キーボードなどの入力装置、ディスプレイなどの表示装置から構成される。
【0044】
図2においては、実線の矢印により、制御信号や画像データなどの情報の流れを示している。
【0045】
図3は、画像処理システムの用いられる環境を説明するための図である。ここでは、1つのカメラが駆動部203により制御され、光軸向きやピントやズームを変えることで複数の位置を巡回監視することを想定する。複数の位置として、ここでは部屋の中の窓Wの位置と、ドアDの位置と、金庫Sの位置とを監視することとする。
【0046】
各監視位置において、一定時間ずつ移動物体が時間差分により検出し続けられる。同時に、各監視位置毎に予め取得しておいた侵入物体の無い基準画像との比較によって侵入物体の検出が行われる。
【0047】
すなわち、図4を参照して、時刻T1において窓Wの位置が撮影され、時刻T2においてドアDの位置が撮影され、時刻T3において金庫Sの位置が撮影される。これらの撮影場所を変更するシーケンスを繰り返すことで、3箇所が順に監視される(すなわち時刻T4においては、再び窓Wの位置が撮影される)。
【0048】
また、図5および6を参照して、時刻t1(=T1)から時刻t3までの間、CCD201は窓Wの位置を撮影した状態となる。
【0049】
CCD201がこの窓Wの位置を撮影しながら、時刻t1(=T1)においてCCD201により得られた画像と基準画像とが用いられることで、外部PC208は背景差分を用いた侵入物体の検出を行なう。時刻t1においてCCD201により得られた画像と、時刻t2においてCCD201より得られた画像とを用いて、カメラ内CPU204は時間差分による侵入物体の検出を行なう。時刻t2においてCCD201により得られた画像と、時刻t3においてCCD201より得られた画像とを用いて、カメラ内CPU204は時間差分による侵入物体の検出を行なう。なお、時刻t1(=T1)<t2<t3<t4(=T2)であるものとする。
【0050】
時刻t4(=T2)から時刻t6までの間、CCD201はドアDの位置を撮影した状態となる。
【0051】
CCD201がこのドアDの位置を撮影しながら、時刻t4(=T2)においてCCD201により得られた画像と基準画像とが用いられることで、外部PC208は背景差分を用いた侵入物体の検出を行なう。時刻t4においてCCD201により得られた画像と、時刻t5においてCCD201より得られた画像とを用いて、カメラ内CPU204は時間差分による侵入物体の検出を行なう。時刻t5においてCCD201により得られた画像と、時刻t6においてCCD201より得られた画像とを用いて、カメラ内CPU204は時間差分による侵入物体の検出を行なう。なお、時刻t4(=T2)<t5<t6<t7(=T3)であるものとする。
【0052】
時刻t7(=T3)から時刻t9までの間、CCD201は金庫Sの位置を撮影した状態となる。
【0053】
CCD201がこの金庫Sの位置を撮影しながら、時刻t7(=T3)においてCCD201により得られた画像と基準画像とが用いられることで、外部PC208は背景差分を用いた侵入物体の検出を行なう。時刻t7においてCCD201により得られた画像と、時刻t8においてCCD201より得られた画像とを用いて、カメラ内CPU204は時間差分による侵入物体の検出を行なう。時刻t8においてCCD201により得られた画像と、時刻t9においてCCD201より得られた画像とを用いて、カメラ内CPU204は時間差分による侵入物体の検出を行なう。なお、時刻t7(=T3)<t8<t9<t10(=T4)であるものとする。
【0054】
このようにして、監視などの目的でカメラを設置する場合、複数の位置を別々に巡回撮影することで、少数(例えば1台)のカメラで複数箇所を監視できるので、経済的である。
【0055】
この場合、ある位置を撮影している間に、別の位置に人物の侵入がある可能性がある。この侵入者が侵入した後の移動速度が遅いあるいはほとんど静止している場合には、時間差分方式では侵入者の検知は行えない。このような速度の遅い侵入物体は、背景差分を用いて検知することが可能である。
【0056】
現実的にはパン、チルト、ローテイト、ズームなどのカメラ制御における制御誤差や、老朽化、風などの影響によって、一旦カメラを移動させて、まったく同じ場所に戻すことは難しく、位置ずれが生じやすい。
【0057】
図7は、巡回監視するためのカメラの構造の外観を示す図である。図を参照して、パン、チルトを行うときには、それぞれの軸の周りにカメラ全体(またはCCD)を回転させることで所望の位置にカメラの光軸を向けて巡回監視を行う。
【0058】
なお、カメラの光軸方向の制御方法は前述のパン、チルト方法に限定されるものではない。例えば、カメラ全体を平行移動させたり、レンズと撮像素子の相対的位置関係を変化させたり、ミラーやプリズムなどを利用することでもCCDの光軸方向の制御を行うことが可能である。また、ローテイト(光軸方向の回転)やズーミングによって撮影領域を変えることも考えられる。
【0059】
カメラの種類や制御方法に応じて位置ずれの発生の仕方は異なる。以下に位置ずれによる誤差の例を示す。
【0060】
図7左を参照して、チルト軸、パン軸のずれによる誤差、チルト、パン時のカメラの停止誤差が生じうる。また、図7右を参照して、軸受けにおける隙間やガタにより、誤差が生じうる。
【0061】
その他、ズーム誤差や、老朽化や風等の影響によるカメラ全体の傾き等の誤差要因も存在する。
【0062】
図8に示されるように、パン、チルトの構成に起因するあおり誤差が生じうる。すなわち、基準画像の中でどの部分を使うかによってずれが生じるのである。
【0063】
図9に示されるように、レンズディストーションによる位置ずれ誤差も生じうる。また、図10に示されるように、たとえばパンの回転誤差により、位置ずれとあおりが生じる。すなわち、図10左に示されるように、カメラの停止誤差がない理想状態と、停止誤差がある場合とではAに示されるずれが生じる。図10右に示されるように、このずれを単にCの平行移動によって補正してもあおりによるずれBが生じているのである。
【0064】
背景差分を行うためには、上記のような位置ずれを補正しなければならない。以下にその補正方法について説明する(ただし、位置ずれの補正方法によって、本発明の構成や効果が限定されるものではない)。
【0065】
本実施の形態においては、基本的には、画像中の特徴点や局所的な特徴量を利用したマッチングによって位置ずれ検出を行なうこととする。位置ずれには、あおり歪み、レンズディストーションの影響など、様々な要因が含まれているが、これらを個別に検出することは現実的でない。このため、本実施の形態では、位置ずれをアフィン変換(特に、平行移動と回転)で近似して検出する。そして、この検出された位置ずれを示すアフィン変換に従って、補正対象となる元画像を変形補正することで位置ずれ補正を行なう。
【0066】
ここで問題となるのは、背景差分方式による処理の目的は侵入物体の検出であるため、位置ずれは侵入物体が存在し得ることを考慮して検出しなければならないことである。
【0067】
よって、本実施の形態では、侵入物体と思われる可能性が高い領域(侵入物体候補領域)をマッチング対象から除外して位置ずれ検出を行うこととする。
【0068】
除外の方法について以下に説明する。
図11を参照して、基準画像(基準背景フレーム)Aと、撮影画像(処理対象フレーム)Bのそれぞれが640×480画素のサイズであると想定する。これらの画像の画素を間引くことで、64×64画素からなる基準明度画像と、同じく64×64画素からなる被補正明度画像を作成する。これらの明度画像をさらにBL(Bi−Linear)法により8×8画素のサイズに縮小することで、侵入物体候補領域を探すための縮小画像A’およびB’を作成する。
【0069】
この縮小画像A’およびB’のフレーム間差分を取って、その差分値が予め低めに設定したしきい値Th以上ある場合には、その領域を侵入物体エリア(侵入物体候補領域)としてカウントする。このカウント数があまりに多い場合にはしきい値不良としてしきい値を若干上げて、再び侵入物体エリアのカウントをとるという動作を繰り返す。この操作を繰り返すことにより、侵入物体エリアを5以内に絞りこむ。ただし、あまりにしきい値が高くなった場合には、除外処理を終了する。
【0070】
また図12に示すように、フレーム間の差分は、フレーム間で角度誤差がある場合を考慮し、縮小画像A’での注目画素に対応する縮小画像B’での画素およびその上下左右の画素の計5画素に対してそれぞれ差分値を求め、最もその絶対値が小さいものを注目画素の差分値として選択する。
【0071】
こうして得られる侵入物体候補領域に幅1のDilation(膨張)処理を行い、最終的な侵入物体候補領域とする。
【0072】
次にアフィン変換で近似して位置ずれの検出を行なうが、あらかじめ探索範囲(たとえば、平行移動は−4[pix]〜4[pix]、回転角度は−2[度]〜2[度])を設定しておく。サンプリングした各条件(たとえば、平行移動は−4,−2,0,2,4[pix]、回転角度は−2,−1,0,1,2[度])で、処理対象フレームに(縮小+変形+2次微分抽出)処理を行い、基準画像とのフレーム差分値(侵入物体候補領域は除外)の総和が最も少ない組合せの平行移動と回転角度条件を選択し、元の処理対象フレーム画像を変形補正する。
【0073】
すなわち本実施の形態では、時系列画像中の各フレーム画像と基準画像とを用いて、まず侵入物体である可能性の低い領域の検出を行う。そして、この領域の情報のみを利用して各フレーム画像と基準画像との位置ずれ情報を検出する。検出された位置ずれ情報を利用して、背景差分方式により侵入物体領域を抽出する。
【0074】
このような方法を用いることによって、位置ずれが生じた場合でも、従来の一般的な背景差分方式によって侵入物体を検知することができるという効果がある。また、位置ずれの検出無しに移動物体領域を検出するよりも、位置ずれを検出した後に移動物体領域を検出する方が、情報量が多い分だけ明らかに検出性能は優れる。
【0075】
以下、各処理部の実行する処理をフローチャートを用いて説明する。
図13は、カメラ内CPU204の移動物体検出部207が行なう、時間差分方式による侵入物体検出処理を示すフローチャートである。
【0076】
図を参照して、ステップS101で、時刻t(x−1)の画像が取得される。
ステップS103で、次の時刻t(x)の画像が取得される。ステップS105で取得された両画像の差分を求めることで、変化のあった部分が取得される。ステップS107で変化のあった部分が侵入物体(移動物体)の存在する部分とされる。ステップS101〜S107の処理は所定期間ごとに繰り返し実行される。
【0077】
図14は、外部PC208の侵入物体検出部211が行なう処理を示すフローチャートである。
【0078】
図を参照して、ステップS201で基準画像が取得される。ステップS203で、カメラ側から時系列画像(撮影画像)の入力があるかが判定され、なければ本ルーチンを終了し、あればステップS205でレジストレーション補正処理を行なう。この補正処理は、背景差分を求める前に、画像同士のずれを補正するものである。レジストレーション補正処理の詳しい内容は後述する。
【0079】
ステップS207において、補正処理が行なわれた後の画像に対して背景差分処理が行なわれ、ステップS203へ戻る。
【0080】
なお、ステップS201における基準画像の取得の方法の一例として、侵入物体がないとわかっている時刻の撮影画像を記憶しておき、この記憶された撮影画像をそのまま基準画像として用いることができる(ただし、前述の通り、背景画像の取得方法に本発明は依存するものではない)。
【0081】
図15は、図14のレジストレーション補正処理(S205)の内容を示すフローチャートである。
【0082】
図を参照して、ステップS301で基準画像と撮影画像とが入力され、ステップS303で両画像のマッチング処理が行なわれる。ステップS305においてマッチングの結果に基づき、必要であれば少なくともどちらかの画像を変形させる処理が行なわれる。
【0083】
図16は、図15のマッチング処理(S303)の内容を示すフローチャートである。
【0084】
図を参照して、ステップS401で基準画像と撮影画像(ここでは撮影画像を補正の対象とするため、「被補正画像」ともいう。)との明度画像が作成される。この処理は、図11において説明したが、撮影画像および基準画像の画素を間引くことでそれぞれ64×64画素の画像を作り出す処理である。ステップS403で、明度画像を用いることで、侵入物体の存在する可能性の高い領域(侵入物体候補領域)を設定する処理が行なわれる。
【0085】
ステップS405で、画像のずれ量を近似するデータ(この実施の形態ではアフィン変換のためのデータ)を算出する。
【0086】
図17は、図16の侵入物体候補領域設定処理(S403)の内容を示すフローチャートである。
【0087】
図を参照して、ステップS501でステップS401で作成された2つの明度画像から、それぞれBL法により8×8画素の画像A’およびB’を作成する(図11参照)。ステップS503で、画像A’およびB’のそれぞれ対応する画素の差分を取り、フレーム差分画像を作成する。なお、図12で説明した通り、ここでは単に差分を取るのではなく、フレーム間で角度誤差がある場合を考慮した差分の取得を行なう。すなわち、画像A’のある画素を注目画素とすると、画像B’での注目画素に対応する画素、およびその上下左右の計5画素に対してそれぞれ差分値が求められ、最も絶対値が小さいものが注目画素の差分値とされる。
【0088】
ステップS505で、差分値の大きい画素から順に5以内の画素を選択する。ステップS507において、選択された画素に対し、幅1のDilation処理が行なわれる。これにより侵入物体のある領域に余裕を持たせることができる。
【0089】
図18は、図17の差分値の大きい方から5つ以内の画素を選択する処理を示すフローチャートである。
【0090】
図を参照して、ステップS601で画像A’とB’との8×8の各エリア(画素)の差分をしきい値と比較する。ステップS603でしきい値以上の差分を有するエリアを侵入物体エリアとする。ステップS605で、侵入物体エリアは5個以内であるかが判断され、YESであれば図17の処理に戻る。NOであれば、侵入物体エリアの数を絞るため、しきい値を所定値増加させ、ステップS603の処理に戻る。
【0091】
図19は、図16の近似データ算出処理(S405)の内容を示すフローチャートである。
【0092】
図を参照して、ステップS701で、64×64画素の基準明度画像(図11参照)を1/3に縮小した画像(「1/3縮小基準画像」という。)を作成する。ステップS703で、1/3縮小基準画像からエッジ画像(「基準エッジ画像」という。)を作成する。
【0093】
ステップS705で、64×64画素の被補正明度画像(図11参照)を1/3に縮小した画像(「1/3縮小被補正画像」という。)を作成する。ステップS707で、1/3縮小被補正画像からエッジ画像(「被補正エッジ画像」という。)を作成する。
【0094】
ステップS709において、被補正エッジ画像と基準エッジ画像との相対的な位置関係を平行的にずらし、画像間の差分値を求める。ずらす量を変化させ、考え得るすべての平行移動ずれに対する画像間の差分値を求め、そのうち最小のものを求める。ただし前述の通り、侵入物体候補領域を用いてマッチングを行なっても意味がなく、かえって誤差を大きくするため、侵入物体候補領域は判断の対象から除外する。
【0095】
ステップS711において、全ての平行移動量と回転角度の組合せに対して処理を終了したかが判定され、NOであれば、被補正エッジ画像と基準エッジ画像との相対的な位置関係を回転させ、次の回転角度を対象としてステップS705からの処理を行なう。
【0096】
ステップS711でYESであれば、最小差分値となる移動量と角度との組合せを選択し、これをアフィン変換の近似データとする。
【0097】
図20は、図15の変形処理(S305)の内容を示すフローチャートである。
【0098】
図を参照して、ステップS750で近似データを用いて被補正画像のアフィン変換が行なわれる。これにより、基準画像と撮影画像とのずれをなくすことができる。
【0099】
図21は、図14の背景差分処理(S207)の内容を示すフローチャートである。
【0100】
図を参照して、ステップS801で基準画像と変形後の被補正画像の画素ごとの差分値が算出される。ステップS803で、差分値の絶対値をしきい値Thを用いて2値化することで、基準画像に対して変化のあった画素を抽出する。ステップS805で、抽出された画素の塊に対し、面積の小さい塊はノイズであるものとして除去する。ステップS807で、抽出された画素の各塊を移動物体領域として切り出す。
【0101】
以上のように本実施の形態によると、外部PCで処理時間のかかる処理を行いつつも、検出漏れがないように常時人物の検出を行うシステムを提供することが可能となる。
【0102】
また、時間差分方式と背景差分方式とを併用することによる、時間差分方式の処理速度低下を防止することができる。
【0103】
特に、本実施の形態のようにカメラが駆動され、撮影場所が頻繁に変わる状況においては、一度撮影した場所をもう一度撮影しようとしても、撮影の位置あわせの誤差が生じることが多く、その誤差の補正処理が必要となってくる場合が多い。本実施の形態におけるシステムは、そのような補正処理を行なうことによって増加する処理時間に有効に対処できる。
【0104】
なお、本実施の形態においては、特に、背景差分方式と時間差分方式とを異なる装置で分担処理することとしたが、以下のような変形も考えられる。すなわち、物体の侵入や移動の検出処理は時間的に連続(継続)してリアルタイム処理されることが好ましい処理である。これに対して、人数計数、動作理解、個人認証などのより高度な認識処理は、処理結果の情報がより重視され、リアルタイム性は比較的重視されない処理である。そこでこれらの処理を異なる処理装置で分担処理するのである。
【0105】
[第2の実施の形態]
図22は、本発明の第2の実施の形態における画像処理システムの構成を示すブロック図である。この画像処理システムが第1の実施の形態におけるシステム(図2)と異なる点は、外部PCでの処理の代わりにカメラ内の別CPU(カメラ内CPU2)が処理を行う点である。
【0106】
図を参照してカメラは、CCD201と、CCD201による撮影位置やズームなどを制御するためのレンズやモータなどからなる駆動部203と、カメラ内CPU1と、カメラ内CPU1とは異なるカメラ内CPU2とを備えている。カメラ内CPU1は、時間差分による移動物体検知を行う。カメラ内CPU1は、駆動部203を制御し、CCD201を介して所望の画像を得る画像撮影部205と、時系列的に得られた画像を用いて時間差分による侵入物体の検知を行う移動物体検出部207とを備えている。
【0107】
カメラ内CPU2は、背景差分処理による侵入物体検知(および背景差分処理を行うために必要な基準画像の取得、作成処理、物体が検知された場合の処理)を行う。カメラ内CPU2は、背景(基準画像)を取得するための背景取得処理部209と、背景差分処理を行うことで侵入物体を検出する侵入物体検出部211と、物体の侵入や移動が検出されたときにそれに対応した処理を行う処理部213とを備えている。
【0108】
各処理部で行なわれる処理は、第1の実施の形態における処理と同じであるため、ここでの処理を繰返さない。
【0109】
本実施の形態によると、処理時間のかかる処理を行いつつも、検出漏れがないように常時人物の検出を行うことが可能なシステムを提供することが可能となる。
【0110】
また、時間差分方式と背景差分方式とを併用することによる、時間差分方式の処理速度低下を防止することができる。
【0111】
[第3の実施の形態]
図23は、本発明の第3の実施の形態における画像処理システムの構成を示すブロック図である。この画像処理システムは、それぞれが時間差分による移動検知と背景差分による侵入検知とを行うことが可能な複数のカメラ204a,204b,…と、カメラからの指示に基づいて物体の侵入または移動検出時に処理を行なう外部PC208とから構成される。あるカメラで移動を検知した場合、他のカメラに画像情報が転送され、物体の侵入が検知される。
【0112】
すなわち、図を参照して1台のカメラは、CCD201aまたは201bと、CCD201aまたは201bによる撮影位置やズームなどを制御するためのレンズやモータなどからなる駆動部203aまたは203bと、カメラ内CPU204aまたは204bとを備えている。カメラ内CPU204a,204bは、時間差分による移動物体検知と背景差分処理による侵入物体検知とを行う。カメラ内CPU204a,204bは、駆動部203a,203bを制御し、CCD201a,201bを介して所望の画像を得る画像撮影部205a,205bと、時系列的に得られた画像を用いて時間差分による侵入物体の検知を行う移動物体検出部207a,207bとを備えている。
【0113】
カメラ内CPU204a,204bはさらに、背景(基準画像)を取得するための背景取得処理部209a,209bと、背景差分処理を行うことで侵入物体を検出する侵入物体検出部211a,211bとを備えている。
【0114】
外部PC208は、物体の侵入や移動が検出されたときにそれに対応した処理を行う処理部213を備えている。
【0115】
図中矢印は情報や制御信号の流れを示している。点線で示される矢印は、カメラ単体での物体検出処理においては情報が流れるが、カメラ間通信時には情報が流れないものを示している。
【0116】
各処理部で行なわれる処理は、第1の実施の形態における処理と同じであるため、ここでの処理を繰返さない。
【0117】
本実施の形態においては、一台のカメラによる時間差分処理で物体の移動が検出されたときに、他のカメラの基準画像取得処理部209a,209bおよび侵入物体検出部211a,211bに画像情報が送られ、背景差分処理が行なわれる。これにより、時間差分方式と背景差分方式とを併用することによる、時間差分方式の処理速度低下を防止することができる。
【0118】
[第4の実施の形態]
図24は、本発明の第4の実施の形態における画像処理システムの原理を説明するためのブロック図である。図を参照して、画像処理システムは、カメラ101と、カメラ101からの画像情報をそれぞれ入力する第1の処理部151および第2の処理部153とを備えている。
【0119】
この画像処理システムは、カメラ101を用いて、侵入者の監視、移動人物の計数、人物の在不在判定、装置の操作者などの状態把握、人物認証のための人物領域切出しなどを行うシステムである。
【0120】
たとえば、リアルタイム性が重視される高速な処理は、第1の処理部(第1の装置)151で行ない、リアルタイム性を維持できるようにする。これに対して、リアルタイム性の重要度が比較的低い処理であって、第1の処理部151での処理結果をトリガとして処理を開始する処理(比較的時間のかかる処理)は第2の処理部(第2の装置)153において処理させるようにしている。
【0121】
このようなシステムの構成を採用することによって、以下に述べる効果がある。
【0122】
・より処理時間のかかる処理を、第2の処理部(たとえば、より処理速度(および転送速度)の速いCPUを持つ装置)で実行することにより、複数の処理を行なうシステムにおいて、トータルにおけるパフォーマンスの向上を図ることができる(全体処理時間の向上)。
【0123】
・一部の処理(特に、処理速度の要求が低い処理)を他の装置によって処理させることにより、処理速度の速さが要求される処理の処理時間の増大を防止することができる(高速処理が必要とされる処理の処理時間重視、カメラCPUなどに対して最低限要求される性能を低減)。
【0124】
具体的には、第1の処理部で行なうリアルタイム性が重視される高速な処理として、時間差分による移動物体検知が挙げられる。第2の処理部で行なわれる、第1の処理部での処理結果に基づいて行なわれるリアルタイム性の重要度が比較的低い処理として、背景差分による侵入物体検知、侵入や移動が検知された物体に対する計数処理、詳細な物体認識処理、動作・姿勢の認識処理、認証処理などが挙げられる。ただし、状況やアプリケーションの種類によっては、背景差分の処理などがリアルタイム性が重視される処理である場合も考えられ、以上の記述は、各々の処理部で行われる処理を限定するものではない。
【0125】
また具体的には、第1の処理部としてはカメラ内のCPUなどが考えられ、第2の処理部として、画像処理用PC、カメラ内の別CPU、別カメラ内のCPUなどが考えられる。
【0126】
図25は、本実施の形態における画像処理システムを用いた計数システムの外観を示す図である。このシステムは、通路を通行する人を計数するものである。
【0127】
このシステムは、店内の売り場や歩行者用道路など、連続してかなり長い時間に渡って人が通路を通過しないような場所に用いられる。システムにおいては、簡易な処理によって侵入検知を行い、侵入を検知した場合にのみ画像などの情報を他のCPUに転送し、この侵入物体が人であるかどうかの判定と、人であった場合にその数を計測する処理を行う。このようにシステムは、分散処理の形態をとる。
【0128】
カメラ内CPUで侵入検知と人判定との両方の処理を行った場合には、CPUの処理能力の問題から不都合が生じる。つまり、ある侵入が検知された場合に、この侵入領域の物体が人かどうかを判定している間はCPUが占有されることになる。これによって、他の物体の侵入があってもこの侵入を検知できない。
【0129】
そこで本実施の形態では、絶え間無く連続的にリアルタイム処理されることが好ましい処理(侵入検知)をカメラ内CPUで行い、リアルタイムに処理されなくてもよい(CPUの空いている時間を使ってじっくり演算しても問題が少ない)処理(たとえば人数計数や人判定など)を他のCPUで行うこととしている。
【0130】
カメラ101の撮像領域内に物体P1,P2が入ったかは、カメラ内CPUで時間差分方式で判定することとしている。
【0131】
図26を参照して、高速な処理を可能とするために、本実施の形態においてはカメラ101が写す画像中に時間差分による侵入検知エリアARを設け、この部分の画像のみを用いて時間差分方式による検出を行っている。
【0132】
ここでは侵入検知エリアARは、帯状としている。この領域内の時間差分処理(差分算出+しきい値処理+侵入面積算出)によって侵入を検知する。侵入が検知された場合には、別CPUで人判定が行われ、人であった場合には計数値を1増やす処理が行なわれる。
【0133】
人であるかどうかの判定は、カメラCPUから転送された侵入検知直後の取得画像をもとに、顔検出を利用して行なう方法、肌色検出を利用して行なう方法、侵入領域の形状情報を利用して行なう方法、頭部検出を利用して行なう方法など、既知の様々な手法を利用することができる。たとえば、特開2001−319217号公報に記載の人体検知方法を利用することも可能である。
【0134】
この侵入検知エリアARの位置は、画像中の人が入ってくると思われる位置と一致させることが望ましい。例えば、カメラ101のとらえる画像が図25のように通路の位置の画像であれば、エリアARは、図26に示されるように通路の両方向から侵入する人物をとらえることができるように設定される。
【0135】
なお、ここでは時間差分を用いて侵入物体を検出することとしたが、背景差分を用いて検出を行ってもよく、高速に演算できるものであれば、侵入検知の手段は限定されない。
【0136】
図27は本実施の形態における計数システムのハードウェア構成を示すブロック図である。第1の実施の形態と同様に、本システムはカメラ200と、外部PC208とから構成される。
【0137】
図を参照してカメラは、CCD201と、CCD201による撮影位置やズームなどを制御するためのレンズやモータなどからなる駆動部203と、カメラ内CPU204とを備えている。カメラ内CPU204は、時間差分による移動物体検知を行う。カメラ内CPU204は、駆動部203を制御し、CCD201を介して所望の画像を得る画像撮影部205と、時系列的に得られた画像を用いて時間差分による侵入物体の検知を行う侵入検知部251とを備えている。
【0138】
外部PC208は、カメラ200から侵入物体の検知信号が送られてきたときに、それをトリガとして人であるかの判定と、人であった場合の人数のカウントを行う。外部PC208は、人物判定と計数を行なう人数計数部253と、その結果を集計する集計部255とを備えている。
【0139】
このような構成により本実施の形態では、処理時間のかかる処理を行いつつも、検出漏れがないように常時人物の検出を行うことが可能なシステムを提供することが可能となる。
【0140】
[第5の実施の形態]
図28は、本発明の第5の実施の形態における画像処理システムを用いた計数システムの構成を示すブロック図である。このシステムが第4の実施の形態におけるシステム(図27)と異なる点は、外部PCでの処理の代わりにカメラ内の別CPU(カメラ内CPU2)が処理を行う点である。
【0141】
図を参照してカメラは、CCD201と、CCD201による撮影位置やズームなどを制御するためのレンズやモータなどからなる駆動部203と、カメラ内CPU1と、カメラ内CPU1とは異なるカメラ内CPU2とを備えている。カメラ内CPU1は、時間差分による移動物体検知を行う。カメラ内CPU1は、駆動部203を制御し、CCD201を介して所望の画像を得る画像撮影部205と、時系列的に得られた画像を用いて時間差分による侵入物体の検知を行う侵入検知部251とを備えている。
【0142】
カメラ内CPU2は、カメラ内CPU1から侵入物体の検知信号が送られてきたときに、それをトリガとして人であるかの判定と、人であった場合の人数のカウントを行う。カメラ内CPU2は、人物判定と計数を行なう人数計数部253と、その結果を集計する集計部255とを備えている。
【0143】
各処理部で行なわれる処理は、第4の実施の形態における処理と同じであるため、ここでの説明を繰返さない。
【0144】
本実施の形態によると、処理時間のかかる処理を行いつつも、検出漏れがないように常時人物の検出を行うことが可能なシステムを提供することが可能となる。
【0145】
[第6の実施の形態]
図29は、本発明の第6の実施の形態における画像処理システムの構成を示すブロック図である。この画像処理システムは、それぞれが時間差分による移動検知と、画像が人であることの識別と、人のカウントとを行うことが可能な複数のカメラ204a,204b,…と、カメラからの指示に基づいて人数計数結果の集計を行なう外部PC208とから構成される。あるカメラで移動を検知した場合、他のカメラに画像情報が転送され人であるかどうかの識別と人のカウントが行なわれる。
【0146】
すなわち、図を参照して1台のカメラは、CCD201aまたは201bと、CCD201aまたは201bによる撮影位置やズームなどを制御するためのレンズやモータなどからなる駆動部203aまたは203bと、カメラ内CPU204aまたは204bとを備えている。カメラ内CPU204a,204bは、時間差分による移動物体検知と、他のカメラから侵入物体の検知信号が送られてきたときに、それをトリガとして人であるかの判定と、人であった場合の人数のカウントとを行う。カメラ内CPU204a,204bは、駆動部203a,203bを制御し、CCD201a,201bを介して所望の画像を得る画像撮影部205a,205bと、時系列的に得られた画像を用いて時間差分による侵入物体の検知を行う侵入検知部251a,251bとを備えている。
【0147】
カメラ内CPU204a,204bはさらに、人物判定と計数を行なう人数計数部253a,253bを備えている。
【0148】
外部PC208は、人数計数結果を集計する集計部255を備えている。
図中矢印は情報や制御信号の流れを示している。点線で示される矢印は、カメラ単体での物体検出処理においては情報が流れるが、カメラ間通信時には情報が流れないものを示している。
【0149】
本実施の形態においては、一台のカメラによる時間差分処理で物体の移動が検出されたときに、他のカメラの人数計数部255a,255bに画像情報が送られ、人物判定と計数とが行なわれる。これにより、時間差分方式の処理速度低下を防止することができる。
【0150】
[その他]
なお、第1〜第3の実施の形態における処理部213(図2、22、23参照)、第4〜第6の実施の形態における人数計数部253、および集計部255(図27〜29参照)に代えて、人物認識部を設け、検出された人物の認識(誰が検出されたかの判断)を行なうようにしてもよい。
【0151】
図30は、人物認識部の具体的な構成を示すブロック図である。
図を参照して、人物認識部は、画像を入力する入力部301と、画像の補正を行なう補正部303と、補正された画像から画像中の特徴量を抽出する抽出部305と、人物とその特徴を対応付けて記憶しておくパターンデータベース313と、抽出部305の出力に基づきパターンデータベース313に記憶されたデータを検索し、特徴の識別を行なう識別部307と、識別結果に基づき人物認識を行う認識部309と、認識結果を出力する出力部311とを備えている。
【0152】
また、上述の実施の形態におけるフローチャートの処理を実行するプログラムを提供することもできるし、そのプログラムをCD−ROM、フレキシブルディスク、ハードディスク、ROM、RAM、メモリカードなどの記録媒体に記録してユーザに提供することにしてもよい。また、プログラムはインターネットなどの通信回線を介して、装置にダウンロードするようにしてもよい。
【0153】
図31は、そのようなプログラムを実行するコンピュータの構成を示すブロック図である。
【0154】
図を参照して、コンピュータは、装置全体の制御を行なうCPU521と、表示部524と、ネットワークに接続したり外部と通信を行なうためのLAN(ローカルエリアネットワーク)カード530(またはモデムカード)と、キーボードやマウスなどにより構成される入力部523と、フレキシブルディスクドライブ525と、CD−ROMドライブ526と、ハードディスクドライブ527と、ROM528と、RAM529とを備えている。
【0155】
上述のフローチャートに示される、CPU(コンピュータ)521を駆動させるためのプログラムは、フレキシブルディスク(F1)やCD−ROM(C−1)などの記録媒体に記録することができる。このプログラムは、前記記録媒体からRAMその他の記録媒体に送られ、記録される。
【0156】
なお、上述の実施の形態における各種処理はソフトウエアにより行なってもよいし、ハードウエア回路を用いて行うようにしてもよい。
【0157】
また、上述の実施の形態のいくつかを任意に組み合わせた装置を提供することとしてもよい。
【0158】
なお、上述の実施の形態においては、カメラにより画像を入力することとしたが、これに代えてビデオ、DVD、ハードディスクなどの記憶装置などからすでに録画された画像を入力するようにしてもよい。
【0159】
(発明の他の構成例)
なお、上述した具体的実施形態には以下の構成を有する発明が含まれている。
【0160】
(1) 画像を逐次入力する画像入力ステップと、
前記逐次入力された画像に対し、リアルタイム性が要求される第1の処理を第1の処理装置において行なう第1処理ステップと、
前記画像入力ステップで入力された画像の少なくとも一部の画像を用いた第2の処理を前記第1の処理装置とは異なる第2の処理装置で行なう第2処理ステップとを含み、
前記第2の処理は、前記第1の処理と比較して、リアルタイム性が要求されない処理であることを特徴とする、画像処理方法。
【0161】
(この構成によると、第1の処理装置の負担を増加させることがなくなり、適切な処理を行うことができる画像処理方法を提供することが可能となる。)
(2) 画像を逐次入力する画像入力ステップと、
前記逐次入力された画像に対し、リアルタイム性が要求される第1の処理を第1の処理装置において行なう第1処理ステップと、
前記画像入力ステップで入力された画像の少なくとも一部の画像を用いた第2の処理を前記第1の処理装置とは異なる第2の処理装置で行なう第2処理ステップとをコンピュータに実行させる画像処理プログラムであって、
前記第2の処理は、前記第1の処理と比較して、リアルタイム性が要求されない処理であることを特徴とする、画像処理プログラム。
【0162】
(この構成によると、第1の処理装置の負担を増加させることがなくなり、適切な処理を行うことができる画像処理プログラムを提供することが可能となる。)
(3) 第1の処理と前記第1の処理とは異なる第2の処理とを行うために必要な時系列画像を、第1の処理装置で取得する取得手段と、
前記時系列画像から得られる、前記第2の処理に必要な画像情報、または前記時系列画像のうち1枚以上の画像フレームを、前記第2の処理装置に転送する転送手段と、
前記第1の処理を前記第1の処理装置内で実行する第1の実行手段と、
前記第2の処理装置に転送された情報または画像フレームを用いて、前記第2の処理を前記第2の処理装置内で実行する第2の実行手段とを含む、時系列画像処理システム。
【0163】
(この構成によると、第1の処理装置の負担を増加させることがなくなり、適切な処理を行うことができるシステムを提供することが可能となる。)
(4) 前記第1の処理は、時間差分情報を用いた移動物体検出、背景差分情報を用いた侵入物体検知の少なくとも一つである、(3)に記載の時系列画像処理システム。
【0164】
(5) 前記第2の処理は、背景差分情報を用いた侵入物体検知、人数計数、動作や姿勢の認識、個人認証の少なくとも一つである、(3)または(4)に記載の時系列画像処理システム。
【0165】
(6) 前記第1の処理装置は、時系列画像を撮影するカメラを含む、(3)〜(5)のいずれかに記載の時系列画像処理システム。
【0166】
(7) 前記第2の処理装置は、前記第1の処理装置との間で情報転送が可能な状態にある、PC、ワークステーションなどの処理端末、カメラ内の別CPU(およびメモリ)、または別カメラ内のCPUである、(3)〜(6)のいずれかに記載の時系列画像処理システム。
【0167】
(8) 第1の処理と前記第1の処理とは異なる第2の処理とを行うために必要な画像を、第1の処理装置で取得する取得手段と、
前記第1の処理を前記第1の処理装置内で実行する第1の実行手段と、
前記第1の処理装置での処理結果に基づき、前記画像から得られる、前記第2の処理に必要な画像情報、または前記時系列画像のうち1枚以上の画像フレームを、第2の処理装置に転送する転送手段と、
前記第2の処理装置に転送された情報または画像フレームを用いて、前記第2の処理を前記第2の処理装置内で実行する第2の実行手段とを含む、時系列画像処理システム。
【0168】
(9) 上記いずれかのプログラムを記録した、コンピュータ読取可能な記録媒体。
【0169】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0170】
【発明の効果】
以上のような本発明の構成によると、1つの処理部の負担を増加させることがなくなり、適切な処理を行うことができる画像処理システムを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態における画像処理システムの原理を説明するためのブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態における画像処理システムの構成を示すブロック図である。
【図3】画像処理システムの用いられる環境を説明するための図である。
【図4】カメラの駆動例を説明するための図である。
【図5】ある時刻におけるカメラの撮影画像を示す図である。
【図6】図5に続く図である。
【図7】巡回監視するためのカメラの構造の外観と撮影の誤差を示す図である。
【図8】あおり誤差を説明するための図である。
【図9】レンズディストーションによる位置ずれを説明するための図である。
【図10】パンの回転誤差を説明するための図である。
【図11】侵入物体と思われる可能性が高い領域(侵入物体候補領域)をマッチング対象から除外するための処理を示す図である。
【図12】縮小画像A’と縮小画像B’とのフレーム間の差分を求める処理を説明するための図である。
【図13】カメラ内CPU204の移動物体検出部207が行なう、時間差分方式による侵入物体検出処理を示すフローチャートである。
【図14】外部PC208の侵入物体検出部211が行なう処理を示すフローチャートである。
【図15】図14のレジストレーション補正処理(S205)の内容を示すフローチャートである。
【図16】図15のマッチング処理(S303)の内容を示すフローチャートである。
【図17】図16の侵入物体候補領域設定処理(S403)の内容を示すフローチャートである。
【図18】図17の差分値の大きい方から5つ以内の画素を選択する処理(S505)を示すフローチャートである。
【図19】図16の近似データ算出処理(S405)の内容を示すフローチャートである。
【図20】図15の変形処理(S305)の内容を示すフローチャートである。
【図21】図14の背景差分処理(S207)の内容を示すフローチャートである。
【図22】本発明の第2の実施の形態における画像処理システムの構成を示すブロック図である。
【図23】本発明の第3の実施の形態における画像処理システムの構成を示すブロック図である。
【図24】本発明の第4の実施の形態における画像処理システムの原理を説明するためのブロック図である。
【図25】第4の実施の形態における計数システムの外観を示す図である。
【図26】カメラ101が写す画像中の時間差分による侵入検知エリアARを示す図である。
【図27】第4の実施の形態における計数システムのハードウェア構成を示すブロック図である。
【図28】本発明の第5の実施の形態における画像処理システムの構成を示すブロック図である。
【図29】本発明の第6の実施の形態における画像処理システムの構成を示すブロック図である。
【図30】人物認識部の具体的な構成を示すブロック図である。
【図31】プログラムを実行するコンピュータの構成を示すブロック図である。
【図32】時間差分方式での処理を説明するための図である。
【図33】背景差分方式での処理を説明するための図である。
【図34】基準画像と現時刻における撮影画像との間の撮影位置ずれによる誤検出を説明するための図である。
【図35】基準画像と現時刻における撮影画像との間に照明条件の変化がある場合の誤検出を説明するための図である。
【符号の説明】
101 カメラ、103〜107 処理部、153 処理部、200 カメラ201 CCD、203 駆動部、204 カメラ内CPU、205 画像撮影部、207 移動物体検出部、208 外部PC、209 基準画像取得処理部、211 侵入物体検出部、213 処理部、251 侵入検知部、253 人数計数部、255 集計部。
【発明の属する技術分野】
この発明は画像処理システムに関し、特に逐次入力された画像から物体の検出処理を行なう画像処理システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来よりカメラを用い、侵入者の監視、移動人物の計数、人物の在不在の判定、装置の操作者等の状態把握、人物認証のための人物領域切出しなどを行うことを目的としたシステムが知られている。
【0003】
そのような目的のために、侵入者、移動人物などの人物抽出が行なわれる。人物抽出においては、背景差分方式が利用されることが多い。背景差分方式では、検出対象となる被写体が存在しない画像が基準画像として取得される。各時刻におけるカメラからの入力画像と基準画像との差分をもとに被写体抽出が行なわれる。
【0004】
同様に、時間差のある2画像の間の差分によって被写体検出を行う方式として、時間差分方式がある。これは、2画像の間の動きのある物体を検出することを目的とするものである。
【0005】
図32は、時間差分方式での処理を説明するための図である。
図を参照して、検出対象となる撮影位置での時系列画像がカメラにより撮影される。時刻T1,T2,T3での画像が撮影されたと仮定すると、時刻T1での画像と時刻T2での画像との間の差分画像T2−T1、および時刻T2での画像と時刻T3での画像との間の差分画像T3−T2が求められる。この差分画像により、侵入物体の有無とその位置とを検出することができる。
【0006】
図33は、背景差分方式での処理を説明するための図である。
図を参照して、検出対象となる撮影位置での背景(「基準画像」ともいう。)Sが取得される。カメラにより時刻T1,T2,T3での画像が撮影され、基準画像Sと撮影された画像との差分画像T1−S,T2−S,T3−Sが求められる。この差分画像により、侵入物体の有無とその位置とを検出することができる。
【0007】
背景差分方式は、動きを検出するのではなく基準画像に対する物体の侵入を検出する点で、時間差分方式とは異なる。また、背景差分方式は、比較的連続した時系列画像間のフレーム差分をとるのではなく、時間方向の連続性は要求されない2画像間でのフレーム差分をとる、といった点において、時間差分方式とは異なる。このように、背景差分方式と時間差分方式は性質が異なるものである。
【0008】
侵入検出の方法として、背景差分方式と時間差分方式とを併用する技術が、以下の特許文献1と特許文献2とに記載されている。
【0009】
【特許文献1】
特開平7−334683号公報
【0010】
【特許文献2】
特開平9−265585号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、背景差分方式には以下の問題点がある。
【0012】
まず第1に、カメラの老朽化、風の影響などによって、基準画像と現時刻における撮影画像との間の撮影位置がずれてしまい、これにより誤検出が行われる可能性がある。
【0013】
すなわち図34左に示されるように、基準画像と現時刻における撮影画像との撮影位置にずれがない場合、正常に侵入物体を検出することができるが、図34右に示されるように、基準画像と現時刻における撮影画像との撮影位置にずれがある場合、侵入物体が存在しない領域に差分値が検出されてしまう。これにより、この領域を侵入物体と誤検出してしまう問題がある。
【0014】
また、図35左に示されるように、基準画像と現時刻における撮影画像との間に照明条件(明るさ)の変化がない場合、正常に侵入物体を検出することができるが、図35右に示されるように、基準画像と現時刻における撮影画像との間に照明条件の変化がある場合、照明条件の変動に起因する差分値によって侵入物体を誤検出する問題がある。
【0015】
これらの誤検出を防ぐために行なわれる画像の補正処理は、装置にとって負荷の重いものであり、処理を行うために時間を要する。
【0016】
従って、侵入検出の方法として背景差分方式と時間差分方式とを併用する技術を用いると、背景差分を求めるために装置の負荷がかかり、時間差分方式の処理に影響を及ぼすことがある。たとえば、背景差分による人物検出処理をしている間に、検出対象となっている人物が速い移動速度で画面から逃げ去ってしまったり、新たな人物が侵入してきた場合に、これらを検出することができないのである。
【0017】
背景差分方式における処理時間を短くするためには、CPUの性能を上げることが必要となる。しかし、これにより装置のサイズや重量が大きくなってしまったり、装置が高価になってしまうといった新たな問題が生じる。特に、カメラサイズが大きくなることは、監視装置を目立ちやすくすることに繋がり、好ましくない。また、重量により装置の設置位置が制限されることを鑑みると、装置の商品価値が大きく低下することも考えられる。
【0018】
さらに、サーバー1つに対して複数のカメラを接続するようなシステムを構築することも考えられるが、このような場合にカメラの高価格化は、システム全体のコストアップに繋がるため好ましくない。
【0019】
この発明は上述のような問題点を解決するためになされたものであり、2以上の処理を実行する画像処理システムにおいて、適切な処理を行うことができる画像処理システムを提供することを目的としている。
【0020】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するためこの発明のある局面に従うと、画像処理システムは、画像を逐次入力する画像入力部と、逐次入力された画像に対し、リアルタイム性が要求される第1の処理を行なう第1処理部と、画像入力部に入力された画像の少なくとも一部の画像を用いた第2の処理を行なう第2処理部とを備え、第2の処理は、第1の処理と比較して、リアルタイム性が要求されない処理であることを特徴とする。
【0021】
この発明に従うと、第1処理部においてリアルタイム性が要求される処理が行なわれ、第2処理部において第1の処理と比較して、リアルタイム性が要求されない処理が行なわれる。これにより、第1の処理部の負担を増加させることがなくなり、適切な処理を行うことができる画像処理システムを提供することが可能となる。
【0022】
この発明の他の局面に従うと、画像処理システムは、画像を逐次入力する画像入力部と、逐次入力された画像を用いて、画像中における物体の第1の検出処理を行なう第1処理部と、画像入力部に入力された画像の少なくとも一部の画像を用いて、画像中における物体の第2の検出処理を行なう第2処理部と、第1処理部と第2処理部とで行なった物体の検出処理により物体が検出されると、第3の処理を開始する第3処理部とを備える。
【0023】
この発明に従うと、第1処理部において逐次入力された画像を用いて検出処理が行なわれ、第2処理部において、入力された画像の少なくとも一部の画像を用いて、画像中における物体の検出処理が行なわれる。第1処理部と第2処理部とで行なった物体の検出処理により物体が検出されると、第3の処理が開始される。これにより、第1の処理部の負担を増加させることがなくなり、適切な処理を行うことができる画像処理システムを提供することが可能となる。
【0024】
好ましくは画像処理システムは、第1処理部においては、逐次入力された画像を用いて時間差分による物体の検出処理を行ない、第2処理部においては、基準画像と画像入力部に入力された画像の少なくとも一部の画像とを用いて、背景差分による物体の検出処理を行なう。
【0025】
この発明によると、第1処理部においては時間差分による物体の検出処理が行なわれ、第2処理部においては背景差分による物体の検出処理が行なわれる。これにより、第1の処理部での時間差分による物体の検出処理の負担を増加させることがなくなり、適切な処理を行うことができる画像処理システムを提供することが可能となる。
【0026】
なお、いずれの発明においても、リアルタイム性が要求される処理としては、処理対象となる画像を連続的に取得するといった画像入力に即時性が要求される処理や、処理結果を遅延なく(あるいは比較的遅延なく)提供するといった画像処理自体に即時性が要求される処理が挙げられる。
【0027】
【発明の実施の形態】
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施の形態における画像処理システムの原理を説明するためのブロック図である。図を参照して、画像処理システムは、カメラ101と、カメラ101からの画像情報をそれぞれ入力する第1の処理部103および第2の処理部105と、第1の処理部103および第2の処理部105の出力を基に第3の処理を行なう第3の処理部107とを備えている。
【0028】
この画像処理システムは、カメラ101を用いて、侵入者の監視、移動人物の計数、人物の在不在判定、装置の操作者などの状態把握、人物認証のための人物領域切出しなどを行うシステムである。
【0029】
たとえば、リアルタイム性が重視される高速な処理は、第1の処理部(第1の装置)103で行ない、リアルタイム性を維持できるようにする。これに対して、リアルタイム性の重要度が比較的低い処理(たとえば、比較的時間のかかる処理)は第2の処理部(第2の装置)105において処理させるようにしている。
【0030】
また、第1の処理部103および第2の処理部105の出力を基に、必要に応じて第3の処理部107によって処理が行なわれる。
【0031】
このようなシステムの構成を採用することによって、以下に述べる効果がある。
【0032】
・より処理時間のかかる処理を、第2の処理部(たとえば、より処理速度(および転送速度)の速いCPUを持つ装置)で実行することにより、複数の処理を行なうシステムにおいて、トータルにおけるパフォーマンスの向上を図ることができる(全体処理時間の向上)。
【0033】
・一部の処理(特に、処理速度の要求が低い処理)を他の装置によって処理させることにより、処理速度の速さが要求される処理の処理時間の増大を防止することができる(高速処理が必要とされる処理の処理時間重視、カメラCPUなどに対して最低限要求される性能を低減)。
【0034】
具体的には、第1の処理部で行なうリアルタイム性が重視される高速な処理として、時間差分による移動物体検知が挙げられる。第2の処理部で行なわれるリアルタイム性の重要度が比較的低い処理として、背景差分による侵入物体検知、侵入や移動が検知された物体に対する計数処理、詳細な物体認識処理、動作・姿勢の認識処理、認証処理などが挙げられる。ただし、状況やアプリケーションの種類によっては、背景差分の処理などがリアルタイム性が重視される処理である場合も考えられ、以上の記述は、各々の処理部で行われる処理を限定するものではない。
【0035】
また具体的には、第1の処理部としてはカメラ内のCPUなどが考えられ、第2の処理部として、画像処理用PC、カメラ内の別CPU、別カメラ内のCPUなどが考えられる。
【0036】
ここでは特に、システムにおいて、位置ずれや照明変動の補正を伴う背景差分処理と、時間差分処理との両者を実行することを想定する。この場合、背景差分処理においては補正などのための長い処理時間が必要となる。そこで、この処理を他のCPU(第2の処理部)に任せてしまい、ある装置(カメラCPUである第1の処理部)では高速に処理が可能な時間差分による移動検出を常に行う。このようにすることで、時間がかかる背景差分処理の実行中にカメラが捕らえた高速な移動物体は、時間差分により検出できる。一方、時間差分で検出できない低速な移動物体は背景差分処理で十分に検出できる(移動速度が遅いので、前回の背景差分処理が終わるまでに物体が撮影領域から出てしまうことはない)。
【0037】
図2は、本発明の第1の実施の形態における画像処理システムの構成を示すブロック図である。この画像処理システムは、大きくはカメラ200と、それに接続される外部PC208とから構成される。
【0038】
図を参照してカメラ200は、CCD201と、CCD201による撮影位置やズームなどを制御するためのレンズやモータなどからなる駆動部203と、カメラ内CPU204とを備えている。カメラ内CPU204は、時間差分による移動物体検知を行う。カメラ内CPU204は、駆動部203を制御し、CCD201を介して所望の画像を得る画像撮影部205と、時系列的に得られた画像を用いて時間差分による侵入物体の検知を行う移動物体検出部207とを備えている。
【0039】
移動物体検出部207で行われる処理は、比較的高速な処理であることが望ましく、例えば、特開平8−46925号公報に開示されるような、画像信号の動き検出回路を用いることができる。
【0040】
外部PC208は、背景差分処理による侵入物体検知(および背景差分処理を行うために必要な基準画像の取得、作成処理、物体が検知された場合の処理)を行う。外部PC208は、背景(基準画像)を取得するための背景取得処理部209と、背景差分処理を行うことで侵入物体を検出する侵入物体検出部211と、物体の侵入や移動が検出されたときにそれに対応した処理を行う処理部213とを備えている。
【0041】
処理部213での処理の具体例として、人数計数、録画開始、警報装置作動、人物認証などが挙げられる。
【0042】
背景差分による侵入検知のためには、基準となる背景画像を取得する必要があるため、背景取得処理部209はそのための処理を行う。この取得方法に本発明が依存するものではない。侵入物体が存在しないとわかっているある時刻の撮影画像を背景画像として設定してもよいし、他の従来の既知手法を用いてもよい。
【0043】
なお、外部PC208は、ハードウェア的には、CPU、メモリ、ハードディスクドライブ、外部インターフェイス装置、キーボードなどの入力装置、ディスプレイなどの表示装置から構成される。
【0044】
図2においては、実線の矢印により、制御信号や画像データなどの情報の流れを示している。
【0045】
図3は、画像処理システムの用いられる環境を説明するための図である。ここでは、1つのカメラが駆動部203により制御され、光軸向きやピントやズームを変えることで複数の位置を巡回監視することを想定する。複数の位置として、ここでは部屋の中の窓Wの位置と、ドアDの位置と、金庫Sの位置とを監視することとする。
【0046】
各監視位置において、一定時間ずつ移動物体が時間差分により検出し続けられる。同時に、各監視位置毎に予め取得しておいた侵入物体の無い基準画像との比較によって侵入物体の検出が行われる。
【0047】
すなわち、図4を参照して、時刻T1において窓Wの位置が撮影され、時刻T2においてドアDの位置が撮影され、時刻T3において金庫Sの位置が撮影される。これらの撮影場所を変更するシーケンスを繰り返すことで、3箇所が順に監視される(すなわち時刻T4においては、再び窓Wの位置が撮影される)。
【0048】
また、図5および6を参照して、時刻t1(=T1)から時刻t3までの間、CCD201は窓Wの位置を撮影した状態となる。
【0049】
CCD201がこの窓Wの位置を撮影しながら、時刻t1(=T1)においてCCD201により得られた画像と基準画像とが用いられることで、外部PC208は背景差分を用いた侵入物体の検出を行なう。時刻t1においてCCD201により得られた画像と、時刻t2においてCCD201より得られた画像とを用いて、カメラ内CPU204は時間差分による侵入物体の検出を行なう。時刻t2においてCCD201により得られた画像と、時刻t3においてCCD201より得られた画像とを用いて、カメラ内CPU204は時間差分による侵入物体の検出を行なう。なお、時刻t1(=T1)<t2<t3<t4(=T2)であるものとする。
【0050】
時刻t4(=T2)から時刻t6までの間、CCD201はドアDの位置を撮影した状態となる。
【0051】
CCD201がこのドアDの位置を撮影しながら、時刻t4(=T2)においてCCD201により得られた画像と基準画像とが用いられることで、外部PC208は背景差分を用いた侵入物体の検出を行なう。時刻t4においてCCD201により得られた画像と、時刻t5においてCCD201より得られた画像とを用いて、カメラ内CPU204は時間差分による侵入物体の検出を行なう。時刻t5においてCCD201により得られた画像と、時刻t6においてCCD201より得られた画像とを用いて、カメラ内CPU204は時間差分による侵入物体の検出を行なう。なお、時刻t4(=T2)<t5<t6<t7(=T3)であるものとする。
【0052】
時刻t7(=T3)から時刻t9までの間、CCD201は金庫Sの位置を撮影した状態となる。
【0053】
CCD201がこの金庫Sの位置を撮影しながら、時刻t7(=T3)においてCCD201により得られた画像と基準画像とが用いられることで、外部PC208は背景差分を用いた侵入物体の検出を行なう。時刻t7においてCCD201により得られた画像と、時刻t8においてCCD201より得られた画像とを用いて、カメラ内CPU204は時間差分による侵入物体の検出を行なう。時刻t8においてCCD201により得られた画像と、時刻t9においてCCD201より得られた画像とを用いて、カメラ内CPU204は時間差分による侵入物体の検出を行なう。なお、時刻t7(=T3)<t8<t9<t10(=T4)であるものとする。
【0054】
このようにして、監視などの目的でカメラを設置する場合、複数の位置を別々に巡回撮影することで、少数(例えば1台)のカメラで複数箇所を監視できるので、経済的である。
【0055】
この場合、ある位置を撮影している間に、別の位置に人物の侵入がある可能性がある。この侵入者が侵入した後の移動速度が遅いあるいはほとんど静止している場合には、時間差分方式では侵入者の検知は行えない。このような速度の遅い侵入物体は、背景差分を用いて検知することが可能である。
【0056】
現実的にはパン、チルト、ローテイト、ズームなどのカメラ制御における制御誤差や、老朽化、風などの影響によって、一旦カメラを移動させて、まったく同じ場所に戻すことは難しく、位置ずれが生じやすい。
【0057】
図7は、巡回監視するためのカメラの構造の外観を示す図である。図を参照して、パン、チルトを行うときには、それぞれの軸の周りにカメラ全体(またはCCD)を回転させることで所望の位置にカメラの光軸を向けて巡回監視を行う。
【0058】
なお、カメラの光軸方向の制御方法は前述のパン、チルト方法に限定されるものではない。例えば、カメラ全体を平行移動させたり、レンズと撮像素子の相対的位置関係を変化させたり、ミラーやプリズムなどを利用することでもCCDの光軸方向の制御を行うことが可能である。また、ローテイト(光軸方向の回転)やズーミングによって撮影領域を変えることも考えられる。
【0059】
カメラの種類や制御方法に応じて位置ずれの発生の仕方は異なる。以下に位置ずれによる誤差の例を示す。
【0060】
図7左を参照して、チルト軸、パン軸のずれによる誤差、チルト、パン時のカメラの停止誤差が生じうる。また、図7右を参照して、軸受けにおける隙間やガタにより、誤差が生じうる。
【0061】
その他、ズーム誤差や、老朽化や風等の影響によるカメラ全体の傾き等の誤差要因も存在する。
【0062】
図8に示されるように、パン、チルトの構成に起因するあおり誤差が生じうる。すなわち、基準画像の中でどの部分を使うかによってずれが生じるのである。
【0063】
図9に示されるように、レンズディストーションによる位置ずれ誤差も生じうる。また、図10に示されるように、たとえばパンの回転誤差により、位置ずれとあおりが生じる。すなわち、図10左に示されるように、カメラの停止誤差がない理想状態と、停止誤差がある場合とではAに示されるずれが生じる。図10右に示されるように、このずれを単にCの平行移動によって補正してもあおりによるずれBが生じているのである。
【0064】
背景差分を行うためには、上記のような位置ずれを補正しなければならない。以下にその補正方法について説明する(ただし、位置ずれの補正方法によって、本発明の構成や効果が限定されるものではない)。
【0065】
本実施の形態においては、基本的には、画像中の特徴点や局所的な特徴量を利用したマッチングによって位置ずれ検出を行なうこととする。位置ずれには、あおり歪み、レンズディストーションの影響など、様々な要因が含まれているが、これらを個別に検出することは現実的でない。このため、本実施の形態では、位置ずれをアフィン変換(特に、平行移動と回転)で近似して検出する。そして、この検出された位置ずれを示すアフィン変換に従って、補正対象となる元画像を変形補正することで位置ずれ補正を行なう。
【0066】
ここで問題となるのは、背景差分方式による処理の目的は侵入物体の検出であるため、位置ずれは侵入物体が存在し得ることを考慮して検出しなければならないことである。
【0067】
よって、本実施の形態では、侵入物体と思われる可能性が高い領域(侵入物体候補領域)をマッチング対象から除外して位置ずれ検出を行うこととする。
【0068】
除外の方法について以下に説明する。
図11を参照して、基準画像(基準背景フレーム)Aと、撮影画像(処理対象フレーム)Bのそれぞれが640×480画素のサイズであると想定する。これらの画像の画素を間引くことで、64×64画素からなる基準明度画像と、同じく64×64画素からなる被補正明度画像を作成する。これらの明度画像をさらにBL(Bi−Linear)法により8×8画素のサイズに縮小することで、侵入物体候補領域を探すための縮小画像A’およびB’を作成する。
【0069】
この縮小画像A’およびB’のフレーム間差分を取って、その差分値が予め低めに設定したしきい値Th以上ある場合には、その領域を侵入物体エリア(侵入物体候補領域)としてカウントする。このカウント数があまりに多い場合にはしきい値不良としてしきい値を若干上げて、再び侵入物体エリアのカウントをとるという動作を繰り返す。この操作を繰り返すことにより、侵入物体エリアを5以内に絞りこむ。ただし、あまりにしきい値が高くなった場合には、除外処理を終了する。
【0070】
また図12に示すように、フレーム間の差分は、フレーム間で角度誤差がある場合を考慮し、縮小画像A’での注目画素に対応する縮小画像B’での画素およびその上下左右の画素の計5画素に対してそれぞれ差分値を求め、最もその絶対値が小さいものを注目画素の差分値として選択する。
【0071】
こうして得られる侵入物体候補領域に幅1のDilation(膨張)処理を行い、最終的な侵入物体候補領域とする。
【0072】
次にアフィン変換で近似して位置ずれの検出を行なうが、あらかじめ探索範囲(たとえば、平行移動は−4[pix]〜4[pix]、回転角度は−2[度]〜2[度])を設定しておく。サンプリングした各条件(たとえば、平行移動は−4,−2,0,2,4[pix]、回転角度は−2,−1,0,1,2[度])で、処理対象フレームに(縮小+変形+2次微分抽出)処理を行い、基準画像とのフレーム差分値(侵入物体候補領域は除外)の総和が最も少ない組合せの平行移動と回転角度条件を選択し、元の処理対象フレーム画像を変形補正する。
【0073】
すなわち本実施の形態では、時系列画像中の各フレーム画像と基準画像とを用いて、まず侵入物体である可能性の低い領域の検出を行う。そして、この領域の情報のみを利用して各フレーム画像と基準画像との位置ずれ情報を検出する。検出された位置ずれ情報を利用して、背景差分方式により侵入物体領域を抽出する。
【0074】
このような方法を用いることによって、位置ずれが生じた場合でも、従来の一般的な背景差分方式によって侵入物体を検知することができるという効果がある。また、位置ずれの検出無しに移動物体領域を検出するよりも、位置ずれを検出した後に移動物体領域を検出する方が、情報量が多い分だけ明らかに検出性能は優れる。
【0075】
以下、各処理部の実行する処理をフローチャートを用いて説明する。
図13は、カメラ内CPU204の移動物体検出部207が行なう、時間差分方式による侵入物体検出処理を示すフローチャートである。
【0076】
図を参照して、ステップS101で、時刻t(x−1)の画像が取得される。
ステップS103で、次の時刻t(x)の画像が取得される。ステップS105で取得された両画像の差分を求めることで、変化のあった部分が取得される。ステップS107で変化のあった部分が侵入物体(移動物体)の存在する部分とされる。ステップS101〜S107の処理は所定期間ごとに繰り返し実行される。
【0077】
図14は、外部PC208の侵入物体検出部211が行なう処理を示すフローチャートである。
【0078】
図を参照して、ステップS201で基準画像が取得される。ステップS203で、カメラ側から時系列画像(撮影画像)の入力があるかが判定され、なければ本ルーチンを終了し、あればステップS205でレジストレーション補正処理を行なう。この補正処理は、背景差分を求める前に、画像同士のずれを補正するものである。レジストレーション補正処理の詳しい内容は後述する。
【0079】
ステップS207において、補正処理が行なわれた後の画像に対して背景差分処理が行なわれ、ステップS203へ戻る。
【0080】
なお、ステップS201における基準画像の取得の方法の一例として、侵入物体がないとわかっている時刻の撮影画像を記憶しておき、この記憶された撮影画像をそのまま基準画像として用いることができる(ただし、前述の通り、背景画像の取得方法に本発明は依存するものではない)。
【0081】
図15は、図14のレジストレーション補正処理(S205)の内容を示すフローチャートである。
【0082】
図を参照して、ステップS301で基準画像と撮影画像とが入力され、ステップS303で両画像のマッチング処理が行なわれる。ステップS305においてマッチングの結果に基づき、必要であれば少なくともどちらかの画像を変形させる処理が行なわれる。
【0083】
図16は、図15のマッチング処理(S303)の内容を示すフローチャートである。
【0084】
図を参照して、ステップS401で基準画像と撮影画像(ここでは撮影画像を補正の対象とするため、「被補正画像」ともいう。)との明度画像が作成される。この処理は、図11において説明したが、撮影画像および基準画像の画素を間引くことでそれぞれ64×64画素の画像を作り出す処理である。ステップS403で、明度画像を用いることで、侵入物体の存在する可能性の高い領域(侵入物体候補領域)を設定する処理が行なわれる。
【0085】
ステップS405で、画像のずれ量を近似するデータ(この実施の形態ではアフィン変換のためのデータ)を算出する。
【0086】
図17は、図16の侵入物体候補領域設定処理(S403)の内容を示すフローチャートである。
【0087】
図を参照して、ステップS501でステップS401で作成された2つの明度画像から、それぞれBL法により8×8画素の画像A’およびB’を作成する(図11参照)。ステップS503で、画像A’およびB’のそれぞれ対応する画素の差分を取り、フレーム差分画像を作成する。なお、図12で説明した通り、ここでは単に差分を取るのではなく、フレーム間で角度誤差がある場合を考慮した差分の取得を行なう。すなわち、画像A’のある画素を注目画素とすると、画像B’での注目画素に対応する画素、およびその上下左右の計5画素に対してそれぞれ差分値が求められ、最も絶対値が小さいものが注目画素の差分値とされる。
【0088】
ステップS505で、差分値の大きい画素から順に5以内の画素を選択する。ステップS507において、選択された画素に対し、幅1のDilation処理が行なわれる。これにより侵入物体のある領域に余裕を持たせることができる。
【0089】
図18は、図17の差分値の大きい方から5つ以内の画素を選択する処理を示すフローチャートである。
【0090】
図を参照して、ステップS601で画像A’とB’との8×8の各エリア(画素)の差分をしきい値と比較する。ステップS603でしきい値以上の差分を有するエリアを侵入物体エリアとする。ステップS605で、侵入物体エリアは5個以内であるかが判断され、YESであれば図17の処理に戻る。NOであれば、侵入物体エリアの数を絞るため、しきい値を所定値増加させ、ステップS603の処理に戻る。
【0091】
図19は、図16の近似データ算出処理(S405)の内容を示すフローチャートである。
【0092】
図を参照して、ステップS701で、64×64画素の基準明度画像(図11参照)を1/3に縮小した画像(「1/3縮小基準画像」という。)を作成する。ステップS703で、1/3縮小基準画像からエッジ画像(「基準エッジ画像」という。)を作成する。
【0093】
ステップS705で、64×64画素の被補正明度画像(図11参照)を1/3に縮小した画像(「1/3縮小被補正画像」という。)を作成する。ステップS707で、1/3縮小被補正画像からエッジ画像(「被補正エッジ画像」という。)を作成する。
【0094】
ステップS709において、被補正エッジ画像と基準エッジ画像との相対的な位置関係を平行的にずらし、画像間の差分値を求める。ずらす量を変化させ、考え得るすべての平行移動ずれに対する画像間の差分値を求め、そのうち最小のものを求める。ただし前述の通り、侵入物体候補領域を用いてマッチングを行なっても意味がなく、かえって誤差を大きくするため、侵入物体候補領域は判断の対象から除外する。
【0095】
ステップS711において、全ての平行移動量と回転角度の組合せに対して処理を終了したかが判定され、NOであれば、被補正エッジ画像と基準エッジ画像との相対的な位置関係を回転させ、次の回転角度を対象としてステップS705からの処理を行なう。
【0096】
ステップS711でYESであれば、最小差分値となる移動量と角度との組合せを選択し、これをアフィン変換の近似データとする。
【0097】
図20は、図15の変形処理(S305)の内容を示すフローチャートである。
【0098】
図を参照して、ステップS750で近似データを用いて被補正画像のアフィン変換が行なわれる。これにより、基準画像と撮影画像とのずれをなくすことができる。
【0099】
図21は、図14の背景差分処理(S207)の内容を示すフローチャートである。
【0100】
図を参照して、ステップS801で基準画像と変形後の被補正画像の画素ごとの差分値が算出される。ステップS803で、差分値の絶対値をしきい値Thを用いて2値化することで、基準画像に対して変化のあった画素を抽出する。ステップS805で、抽出された画素の塊に対し、面積の小さい塊はノイズであるものとして除去する。ステップS807で、抽出された画素の各塊を移動物体領域として切り出す。
【0101】
以上のように本実施の形態によると、外部PCで処理時間のかかる処理を行いつつも、検出漏れがないように常時人物の検出を行うシステムを提供することが可能となる。
【0102】
また、時間差分方式と背景差分方式とを併用することによる、時間差分方式の処理速度低下を防止することができる。
【0103】
特に、本実施の形態のようにカメラが駆動され、撮影場所が頻繁に変わる状況においては、一度撮影した場所をもう一度撮影しようとしても、撮影の位置あわせの誤差が生じることが多く、その誤差の補正処理が必要となってくる場合が多い。本実施の形態におけるシステムは、そのような補正処理を行なうことによって増加する処理時間に有効に対処できる。
【0104】
なお、本実施の形態においては、特に、背景差分方式と時間差分方式とを異なる装置で分担処理することとしたが、以下のような変形も考えられる。すなわち、物体の侵入や移動の検出処理は時間的に連続(継続)してリアルタイム処理されることが好ましい処理である。これに対して、人数計数、動作理解、個人認証などのより高度な認識処理は、処理結果の情報がより重視され、リアルタイム性は比較的重視されない処理である。そこでこれらの処理を異なる処理装置で分担処理するのである。
【0105】
[第2の実施の形態]
図22は、本発明の第2の実施の形態における画像処理システムの構成を示すブロック図である。この画像処理システムが第1の実施の形態におけるシステム(図2)と異なる点は、外部PCでの処理の代わりにカメラ内の別CPU(カメラ内CPU2)が処理を行う点である。
【0106】
図を参照してカメラは、CCD201と、CCD201による撮影位置やズームなどを制御するためのレンズやモータなどからなる駆動部203と、カメラ内CPU1と、カメラ内CPU1とは異なるカメラ内CPU2とを備えている。カメラ内CPU1は、時間差分による移動物体検知を行う。カメラ内CPU1は、駆動部203を制御し、CCD201を介して所望の画像を得る画像撮影部205と、時系列的に得られた画像を用いて時間差分による侵入物体の検知を行う移動物体検出部207とを備えている。
【0107】
カメラ内CPU2は、背景差分処理による侵入物体検知(および背景差分処理を行うために必要な基準画像の取得、作成処理、物体が検知された場合の処理)を行う。カメラ内CPU2は、背景(基準画像)を取得するための背景取得処理部209と、背景差分処理を行うことで侵入物体を検出する侵入物体検出部211と、物体の侵入や移動が検出されたときにそれに対応した処理を行う処理部213とを備えている。
【0108】
各処理部で行なわれる処理は、第1の実施の形態における処理と同じであるため、ここでの処理を繰返さない。
【0109】
本実施の形態によると、処理時間のかかる処理を行いつつも、検出漏れがないように常時人物の検出を行うことが可能なシステムを提供することが可能となる。
【0110】
また、時間差分方式と背景差分方式とを併用することによる、時間差分方式の処理速度低下を防止することができる。
【0111】
[第3の実施の形態]
図23は、本発明の第3の実施の形態における画像処理システムの構成を示すブロック図である。この画像処理システムは、それぞれが時間差分による移動検知と背景差分による侵入検知とを行うことが可能な複数のカメラ204a,204b,…と、カメラからの指示に基づいて物体の侵入または移動検出時に処理を行なう外部PC208とから構成される。あるカメラで移動を検知した場合、他のカメラに画像情報が転送され、物体の侵入が検知される。
【0112】
すなわち、図を参照して1台のカメラは、CCD201aまたは201bと、CCD201aまたは201bによる撮影位置やズームなどを制御するためのレンズやモータなどからなる駆動部203aまたは203bと、カメラ内CPU204aまたは204bとを備えている。カメラ内CPU204a,204bは、時間差分による移動物体検知と背景差分処理による侵入物体検知とを行う。カメラ内CPU204a,204bは、駆動部203a,203bを制御し、CCD201a,201bを介して所望の画像を得る画像撮影部205a,205bと、時系列的に得られた画像を用いて時間差分による侵入物体の検知を行う移動物体検出部207a,207bとを備えている。
【0113】
カメラ内CPU204a,204bはさらに、背景(基準画像)を取得するための背景取得処理部209a,209bと、背景差分処理を行うことで侵入物体を検出する侵入物体検出部211a,211bとを備えている。
【0114】
外部PC208は、物体の侵入や移動が検出されたときにそれに対応した処理を行う処理部213を備えている。
【0115】
図中矢印は情報や制御信号の流れを示している。点線で示される矢印は、カメラ単体での物体検出処理においては情報が流れるが、カメラ間通信時には情報が流れないものを示している。
【0116】
各処理部で行なわれる処理は、第1の実施の形態における処理と同じであるため、ここでの処理を繰返さない。
【0117】
本実施の形態においては、一台のカメラによる時間差分処理で物体の移動が検出されたときに、他のカメラの基準画像取得処理部209a,209bおよび侵入物体検出部211a,211bに画像情報が送られ、背景差分処理が行なわれる。これにより、時間差分方式と背景差分方式とを併用することによる、時間差分方式の処理速度低下を防止することができる。
【0118】
[第4の実施の形態]
図24は、本発明の第4の実施の形態における画像処理システムの原理を説明するためのブロック図である。図を参照して、画像処理システムは、カメラ101と、カメラ101からの画像情報をそれぞれ入力する第1の処理部151および第2の処理部153とを備えている。
【0119】
この画像処理システムは、カメラ101を用いて、侵入者の監視、移動人物の計数、人物の在不在判定、装置の操作者などの状態把握、人物認証のための人物領域切出しなどを行うシステムである。
【0120】
たとえば、リアルタイム性が重視される高速な処理は、第1の処理部(第1の装置)151で行ない、リアルタイム性を維持できるようにする。これに対して、リアルタイム性の重要度が比較的低い処理であって、第1の処理部151での処理結果をトリガとして処理を開始する処理(比較的時間のかかる処理)は第2の処理部(第2の装置)153において処理させるようにしている。
【0121】
このようなシステムの構成を採用することによって、以下に述べる効果がある。
【0122】
・より処理時間のかかる処理を、第2の処理部(たとえば、より処理速度(および転送速度)の速いCPUを持つ装置)で実行することにより、複数の処理を行なうシステムにおいて、トータルにおけるパフォーマンスの向上を図ることができる(全体処理時間の向上)。
【0123】
・一部の処理(特に、処理速度の要求が低い処理)を他の装置によって処理させることにより、処理速度の速さが要求される処理の処理時間の増大を防止することができる(高速処理が必要とされる処理の処理時間重視、カメラCPUなどに対して最低限要求される性能を低減)。
【0124】
具体的には、第1の処理部で行なうリアルタイム性が重視される高速な処理として、時間差分による移動物体検知が挙げられる。第2の処理部で行なわれる、第1の処理部での処理結果に基づいて行なわれるリアルタイム性の重要度が比較的低い処理として、背景差分による侵入物体検知、侵入や移動が検知された物体に対する計数処理、詳細な物体認識処理、動作・姿勢の認識処理、認証処理などが挙げられる。ただし、状況やアプリケーションの種類によっては、背景差分の処理などがリアルタイム性が重視される処理である場合も考えられ、以上の記述は、各々の処理部で行われる処理を限定するものではない。
【0125】
また具体的には、第1の処理部としてはカメラ内のCPUなどが考えられ、第2の処理部として、画像処理用PC、カメラ内の別CPU、別カメラ内のCPUなどが考えられる。
【0126】
図25は、本実施の形態における画像処理システムを用いた計数システムの外観を示す図である。このシステムは、通路を通行する人を計数するものである。
【0127】
このシステムは、店内の売り場や歩行者用道路など、連続してかなり長い時間に渡って人が通路を通過しないような場所に用いられる。システムにおいては、簡易な処理によって侵入検知を行い、侵入を検知した場合にのみ画像などの情報を他のCPUに転送し、この侵入物体が人であるかどうかの判定と、人であった場合にその数を計測する処理を行う。このようにシステムは、分散処理の形態をとる。
【0128】
カメラ内CPUで侵入検知と人判定との両方の処理を行った場合には、CPUの処理能力の問題から不都合が生じる。つまり、ある侵入が検知された場合に、この侵入領域の物体が人かどうかを判定している間はCPUが占有されることになる。これによって、他の物体の侵入があってもこの侵入を検知できない。
【0129】
そこで本実施の形態では、絶え間無く連続的にリアルタイム処理されることが好ましい処理(侵入検知)をカメラ内CPUで行い、リアルタイムに処理されなくてもよい(CPUの空いている時間を使ってじっくり演算しても問題が少ない)処理(たとえば人数計数や人判定など)を他のCPUで行うこととしている。
【0130】
カメラ101の撮像領域内に物体P1,P2が入ったかは、カメラ内CPUで時間差分方式で判定することとしている。
【0131】
図26を参照して、高速な処理を可能とするために、本実施の形態においてはカメラ101が写す画像中に時間差分による侵入検知エリアARを設け、この部分の画像のみを用いて時間差分方式による検出を行っている。
【0132】
ここでは侵入検知エリアARは、帯状としている。この領域内の時間差分処理(差分算出+しきい値処理+侵入面積算出)によって侵入を検知する。侵入が検知された場合には、別CPUで人判定が行われ、人であった場合には計数値を1増やす処理が行なわれる。
【0133】
人であるかどうかの判定は、カメラCPUから転送された侵入検知直後の取得画像をもとに、顔検出を利用して行なう方法、肌色検出を利用して行なう方法、侵入領域の形状情報を利用して行なう方法、頭部検出を利用して行なう方法など、既知の様々な手法を利用することができる。たとえば、特開2001−319217号公報に記載の人体検知方法を利用することも可能である。
【0134】
この侵入検知エリアARの位置は、画像中の人が入ってくると思われる位置と一致させることが望ましい。例えば、カメラ101のとらえる画像が図25のように通路の位置の画像であれば、エリアARは、図26に示されるように通路の両方向から侵入する人物をとらえることができるように設定される。
【0135】
なお、ここでは時間差分を用いて侵入物体を検出することとしたが、背景差分を用いて検出を行ってもよく、高速に演算できるものであれば、侵入検知の手段は限定されない。
【0136】
図27は本実施の形態における計数システムのハードウェア構成を示すブロック図である。第1の実施の形態と同様に、本システムはカメラ200と、外部PC208とから構成される。
【0137】
図を参照してカメラは、CCD201と、CCD201による撮影位置やズームなどを制御するためのレンズやモータなどからなる駆動部203と、カメラ内CPU204とを備えている。カメラ内CPU204は、時間差分による移動物体検知を行う。カメラ内CPU204は、駆動部203を制御し、CCD201を介して所望の画像を得る画像撮影部205と、時系列的に得られた画像を用いて時間差分による侵入物体の検知を行う侵入検知部251とを備えている。
【0138】
外部PC208は、カメラ200から侵入物体の検知信号が送られてきたときに、それをトリガとして人であるかの判定と、人であった場合の人数のカウントを行う。外部PC208は、人物判定と計数を行なう人数計数部253と、その結果を集計する集計部255とを備えている。
【0139】
このような構成により本実施の形態では、処理時間のかかる処理を行いつつも、検出漏れがないように常時人物の検出を行うことが可能なシステムを提供することが可能となる。
【0140】
[第5の実施の形態]
図28は、本発明の第5の実施の形態における画像処理システムを用いた計数システムの構成を示すブロック図である。このシステムが第4の実施の形態におけるシステム(図27)と異なる点は、外部PCでの処理の代わりにカメラ内の別CPU(カメラ内CPU2)が処理を行う点である。
【0141】
図を参照してカメラは、CCD201と、CCD201による撮影位置やズームなどを制御するためのレンズやモータなどからなる駆動部203と、カメラ内CPU1と、カメラ内CPU1とは異なるカメラ内CPU2とを備えている。カメラ内CPU1は、時間差分による移動物体検知を行う。カメラ内CPU1は、駆動部203を制御し、CCD201を介して所望の画像を得る画像撮影部205と、時系列的に得られた画像を用いて時間差分による侵入物体の検知を行う侵入検知部251とを備えている。
【0142】
カメラ内CPU2は、カメラ内CPU1から侵入物体の検知信号が送られてきたときに、それをトリガとして人であるかの判定と、人であった場合の人数のカウントを行う。カメラ内CPU2は、人物判定と計数を行なう人数計数部253と、その結果を集計する集計部255とを備えている。
【0143】
各処理部で行なわれる処理は、第4の実施の形態における処理と同じであるため、ここでの説明を繰返さない。
【0144】
本実施の形態によると、処理時間のかかる処理を行いつつも、検出漏れがないように常時人物の検出を行うことが可能なシステムを提供することが可能となる。
【0145】
[第6の実施の形態]
図29は、本発明の第6の実施の形態における画像処理システムの構成を示すブロック図である。この画像処理システムは、それぞれが時間差分による移動検知と、画像が人であることの識別と、人のカウントとを行うことが可能な複数のカメラ204a,204b,…と、カメラからの指示に基づいて人数計数結果の集計を行なう外部PC208とから構成される。あるカメラで移動を検知した場合、他のカメラに画像情報が転送され人であるかどうかの識別と人のカウントが行なわれる。
【0146】
すなわち、図を参照して1台のカメラは、CCD201aまたは201bと、CCD201aまたは201bによる撮影位置やズームなどを制御するためのレンズやモータなどからなる駆動部203aまたは203bと、カメラ内CPU204aまたは204bとを備えている。カメラ内CPU204a,204bは、時間差分による移動物体検知と、他のカメラから侵入物体の検知信号が送られてきたときに、それをトリガとして人であるかの判定と、人であった場合の人数のカウントとを行う。カメラ内CPU204a,204bは、駆動部203a,203bを制御し、CCD201a,201bを介して所望の画像を得る画像撮影部205a,205bと、時系列的に得られた画像を用いて時間差分による侵入物体の検知を行う侵入検知部251a,251bとを備えている。
【0147】
カメラ内CPU204a,204bはさらに、人物判定と計数を行なう人数計数部253a,253bを備えている。
【0148】
外部PC208は、人数計数結果を集計する集計部255を備えている。
図中矢印は情報や制御信号の流れを示している。点線で示される矢印は、カメラ単体での物体検出処理においては情報が流れるが、カメラ間通信時には情報が流れないものを示している。
【0149】
本実施の形態においては、一台のカメラによる時間差分処理で物体の移動が検出されたときに、他のカメラの人数計数部255a,255bに画像情報が送られ、人物判定と計数とが行なわれる。これにより、時間差分方式の処理速度低下を防止することができる。
【0150】
[その他]
なお、第1〜第3の実施の形態における処理部213(図2、22、23参照)、第4〜第6の実施の形態における人数計数部253、および集計部255(図27〜29参照)に代えて、人物認識部を設け、検出された人物の認識(誰が検出されたかの判断)を行なうようにしてもよい。
【0151】
図30は、人物認識部の具体的な構成を示すブロック図である。
図を参照して、人物認識部は、画像を入力する入力部301と、画像の補正を行なう補正部303と、補正された画像から画像中の特徴量を抽出する抽出部305と、人物とその特徴を対応付けて記憶しておくパターンデータベース313と、抽出部305の出力に基づきパターンデータベース313に記憶されたデータを検索し、特徴の識別を行なう識別部307と、識別結果に基づき人物認識を行う認識部309と、認識結果を出力する出力部311とを備えている。
【0152】
また、上述の実施の形態におけるフローチャートの処理を実行するプログラムを提供することもできるし、そのプログラムをCD−ROM、フレキシブルディスク、ハードディスク、ROM、RAM、メモリカードなどの記録媒体に記録してユーザに提供することにしてもよい。また、プログラムはインターネットなどの通信回線を介して、装置にダウンロードするようにしてもよい。
【0153】
図31は、そのようなプログラムを実行するコンピュータの構成を示すブロック図である。
【0154】
図を参照して、コンピュータは、装置全体の制御を行なうCPU521と、表示部524と、ネットワークに接続したり外部と通信を行なうためのLAN(ローカルエリアネットワーク)カード530(またはモデムカード)と、キーボードやマウスなどにより構成される入力部523と、フレキシブルディスクドライブ525と、CD−ROMドライブ526と、ハードディスクドライブ527と、ROM528と、RAM529とを備えている。
【0155】
上述のフローチャートに示される、CPU(コンピュータ)521を駆動させるためのプログラムは、フレキシブルディスク(F1)やCD−ROM(C−1)などの記録媒体に記録することができる。このプログラムは、前記記録媒体からRAMその他の記録媒体に送られ、記録される。
【0156】
なお、上述の実施の形態における各種処理はソフトウエアにより行なってもよいし、ハードウエア回路を用いて行うようにしてもよい。
【0157】
また、上述の実施の形態のいくつかを任意に組み合わせた装置を提供することとしてもよい。
【0158】
なお、上述の実施の形態においては、カメラにより画像を入力することとしたが、これに代えてビデオ、DVD、ハードディスクなどの記憶装置などからすでに録画された画像を入力するようにしてもよい。
【0159】
(発明の他の構成例)
なお、上述した具体的実施形態には以下の構成を有する発明が含まれている。
【0160】
(1) 画像を逐次入力する画像入力ステップと、
前記逐次入力された画像に対し、リアルタイム性が要求される第1の処理を第1の処理装置において行なう第1処理ステップと、
前記画像入力ステップで入力された画像の少なくとも一部の画像を用いた第2の処理を前記第1の処理装置とは異なる第2の処理装置で行なう第2処理ステップとを含み、
前記第2の処理は、前記第1の処理と比較して、リアルタイム性が要求されない処理であることを特徴とする、画像処理方法。
【0161】
(この構成によると、第1の処理装置の負担を増加させることがなくなり、適切な処理を行うことができる画像処理方法を提供することが可能となる。)
(2) 画像を逐次入力する画像入力ステップと、
前記逐次入力された画像に対し、リアルタイム性が要求される第1の処理を第1の処理装置において行なう第1処理ステップと、
前記画像入力ステップで入力された画像の少なくとも一部の画像を用いた第2の処理を前記第1の処理装置とは異なる第2の処理装置で行なう第2処理ステップとをコンピュータに実行させる画像処理プログラムであって、
前記第2の処理は、前記第1の処理と比較して、リアルタイム性が要求されない処理であることを特徴とする、画像処理プログラム。
【0162】
(この構成によると、第1の処理装置の負担を増加させることがなくなり、適切な処理を行うことができる画像処理プログラムを提供することが可能となる。)
(3) 第1の処理と前記第1の処理とは異なる第2の処理とを行うために必要な時系列画像を、第1の処理装置で取得する取得手段と、
前記時系列画像から得られる、前記第2の処理に必要な画像情報、または前記時系列画像のうち1枚以上の画像フレームを、前記第2の処理装置に転送する転送手段と、
前記第1の処理を前記第1の処理装置内で実行する第1の実行手段と、
前記第2の処理装置に転送された情報または画像フレームを用いて、前記第2の処理を前記第2の処理装置内で実行する第2の実行手段とを含む、時系列画像処理システム。
【0163】
(この構成によると、第1の処理装置の負担を増加させることがなくなり、適切な処理を行うことができるシステムを提供することが可能となる。)
(4) 前記第1の処理は、時間差分情報を用いた移動物体検出、背景差分情報を用いた侵入物体検知の少なくとも一つである、(3)に記載の時系列画像処理システム。
【0164】
(5) 前記第2の処理は、背景差分情報を用いた侵入物体検知、人数計数、動作や姿勢の認識、個人認証の少なくとも一つである、(3)または(4)に記載の時系列画像処理システム。
【0165】
(6) 前記第1の処理装置は、時系列画像を撮影するカメラを含む、(3)〜(5)のいずれかに記載の時系列画像処理システム。
【0166】
(7) 前記第2の処理装置は、前記第1の処理装置との間で情報転送が可能な状態にある、PC、ワークステーションなどの処理端末、カメラ内の別CPU(およびメモリ)、または別カメラ内のCPUである、(3)〜(6)のいずれかに記載の時系列画像処理システム。
【0167】
(8) 第1の処理と前記第1の処理とは異なる第2の処理とを行うために必要な画像を、第1の処理装置で取得する取得手段と、
前記第1の処理を前記第1の処理装置内で実行する第1の実行手段と、
前記第1の処理装置での処理結果に基づき、前記画像から得られる、前記第2の処理に必要な画像情報、または前記時系列画像のうち1枚以上の画像フレームを、第2の処理装置に転送する転送手段と、
前記第2の処理装置に転送された情報または画像フレームを用いて、前記第2の処理を前記第2の処理装置内で実行する第2の実行手段とを含む、時系列画像処理システム。
【0168】
(9) 上記いずれかのプログラムを記録した、コンピュータ読取可能な記録媒体。
【0169】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0170】
【発明の効果】
以上のような本発明の構成によると、1つの処理部の負担を増加させることがなくなり、適切な処理を行うことができる画像処理システムを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態における画像処理システムの原理を説明するためのブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態における画像処理システムの構成を示すブロック図である。
【図3】画像処理システムの用いられる環境を説明するための図である。
【図4】カメラの駆動例を説明するための図である。
【図5】ある時刻におけるカメラの撮影画像を示す図である。
【図6】図5に続く図である。
【図7】巡回監視するためのカメラの構造の外観と撮影の誤差を示す図である。
【図8】あおり誤差を説明するための図である。
【図9】レンズディストーションによる位置ずれを説明するための図である。
【図10】パンの回転誤差を説明するための図である。
【図11】侵入物体と思われる可能性が高い領域(侵入物体候補領域)をマッチング対象から除外するための処理を示す図である。
【図12】縮小画像A’と縮小画像B’とのフレーム間の差分を求める処理を説明するための図である。
【図13】カメラ内CPU204の移動物体検出部207が行なう、時間差分方式による侵入物体検出処理を示すフローチャートである。
【図14】外部PC208の侵入物体検出部211が行なう処理を示すフローチャートである。
【図15】図14のレジストレーション補正処理(S205)の内容を示すフローチャートである。
【図16】図15のマッチング処理(S303)の内容を示すフローチャートである。
【図17】図16の侵入物体候補領域設定処理(S403)の内容を示すフローチャートである。
【図18】図17の差分値の大きい方から5つ以内の画素を選択する処理(S505)を示すフローチャートである。
【図19】図16の近似データ算出処理(S405)の内容を示すフローチャートである。
【図20】図15の変形処理(S305)の内容を示すフローチャートである。
【図21】図14の背景差分処理(S207)の内容を示すフローチャートである。
【図22】本発明の第2の実施の形態における画像処理システムの構成を示すブロック図である。
【図23】本発明の第3の実施の形態における画像処理システムの構成を示すブロック図である。
【図24】本発明の第4の実施の形態における画像処理システムの原理を説明するためのブロック図である。
【図25】第4の実施の形態における計数システムの外観を示す図である。
【図26】カメラ101が写す画像中の時間差分による侵入検知エリアARを示す図である。
【図27】第4の実施の形態における計数システムのハードウェア構成を示すブロック図である。
【図28】本発明の第5の実施の形態における画像処理システムの構成を示すブロック図である。
【図29】本発明の第6の実施の形態における画像処理システムの構成を示すブロック図である。
【図30】人物認識部の具体的な構成を示すブロック図である。
【図31】プログラムを実行するコンピュータの構成を示すブロック図である。
【図32】時間差分方式での処理を説明するための図である。
【図33】背景差分方式での処理を説明するための図である。
【図34】基準画像と現時刻における撮影画像との間の撮影位置ずれによる誤検出を説明するための図である。
【図35】基準画像と現時刻における撮影画像との間に照明条件の変化がある場合の誤検出を説明するための図である。
【符号の説明】
101 カメラ、103〜107 処理部、153 処理部、200 カメラ201 CCD、203 駆動部、204 カメラ内CPU、205 画像撮影部、207 移動物体検出部、208 外部PC、209 基準画像取得処理部、211 侵入物体検出部、213 処理部、251 侵入検知部、253 人数計数部、255 集計部。
Claims (3)
- 画像を逐次入力する画像入力部と、
前記逐次入力された画像に対し、リアルタイム性が要求される第1の処理を行なう第1処理部と、
前記画像入力部に入力された画像の少なくとも一部の画像を用いた第2の処理を行なう第2処理部とを備え、
前記第2の処理は、前記第1の処理と比較して、リアルタイム性が要求されない処理であることを特徴とする、画像処理システム。 - 画像を逐次入力する画像入力部と、
前記逐次入力された画像を用いて、前記画像中における物体の第1の検出処理を行なう第1処理部と、
前記画像入力部に入力された画像の少なくとも一部の画像を用いて、前記画像中における物体の第2の検出処理を行なう第2処理部と、
前記第1処理部と前記第2処理部とで行なった物体の検出処理により物体が検出されると、第3の処理を開始する第3処理部とを備えた、画像処理システム。 - 前記第1処理部においては、前記逐次入力された画像を用いて時間差分による物体の検出処理を行ない、
前記第2処理部においては、基準画像と前記画像入力部に入力された画像の少なくとも一部の画像とを用いて、背景差分による物体の検出処理を行なう、請求項1または2に記載の画像処理システム。
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