JP2004228020A - 陰極線管装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】垂直偏向周波数が変化した場合、または、垂直帰線期間が短い場合であっても、画像品位の劣化を抑制することが可能な陰極線管装置を提供することを目的とする。
【解決手段】電子ビームを放出する電子銃構体と、電子銃構体から放出された電子ビームを水平方向及び垂直方向に偏向する偏向ヨークと、を備えた陰極線管装置において、偏向ヨークは、水平偏向磁界を発生する水平偏向コイルと、垂直偏向磁界を発生する垂直偏向コイルと、垂直偏向コイルの電子銃構体側に位置し磁性体コア32に巻回された少なくとも一対の補正コイル31a、31bと、を備えている。これら補正コイル31a、31bは、0.35mm以下の芯線径を有する導線によって形成されたことを特徴とする。
【選択図】 図3
【解決手段】電子ビームを放出する電子銃構体と、電子銃構体から放出された電子ビームを水平方向及び垂直方向に偏向する偏向ヨークと、を備えた陰極線管装置において、偏向ヨークは、水平偏向磁界を発生する水平偏向コイルと、垂直偏向磁界を発生する垂直偏向コイルと、垂直偏向コイルの電子銃構体側に位置し磁性体コア32に巻回された少なくとも一対の補正コイル31a、31bと、を備えている。これら補正コイル31a、31bは、0.35mm以下の芯線径を有する導線によって形成されたことを特徴とする。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、陰極線管装置に係り、特に、コマ補正コイル等の補正コイルを備えたカラー陰極線管装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、カラー陰極線管装置は、水平方向に一列に配置された3電子ビームを発生するインライン型電子銃構体と、この電子銃構体から出射された電子ビームを水平方向及び垂直方向に偏向する偏向磁界を発生する偏向ヨークと、を備えて構成されている。近年、主流となっているセルフコンバージェンス方式のカラー陰極線管装置では、コンバージェンス補正のための特別な補正機構を備えることなく、蛍光体スクリーン上において、3電子ビームをそれぞれ赤(R)、緑(G)、青(B)の各色の蛍光体層にランディングさせて発光させる。
【0003】
このようなセルフコンバージェンス方式のカラー陰極線管装置では、ピンクッション型の水平偏向磁界とバレル型の垂直偏向磁界とによって偏向磁界を形成している。このため、特に電子ビームを垂直方向に偏向する際、3電子ビームのうちの中央に配置されたセンタービームが偏向不足となるコマエラーを生じる。これを補う1つの方法として、コマ補正コイルを用いる方法がある(例えば、特許文献1及び特許文献2参照。)。
【0004】
なお、このようなコマ補正コイルは、製造コスト及び消費電力の観点から芯線径が0.4乃至0.5mm程度の導線によって形成されるのが一般的である。
【0005】
【特許文献1】
特開平1−241739号公報
【0006】
【特許文献2】
特開昭59−111238号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、カラー陰極線管装置の製造設備とカラー陰極線管装置を組み込んだ画像表示装置との垂直偏向周波数が異なる場合、または、垂直帰線期間すなわち垂直帰線直後から画像表示までの時間間隔が短い場合、あるいは垂直偏向周波数が50Hz〜100Hzまで切り替わる画像表示装置の場合には、コマ補正コイルを用いて図5のような一対のサイドビームによるミスコンバージェンス(YH)を補正したとき、画面上端部に向かう一対のサイドビームが過補正される場合がある。このため、一対のサイドビームによってそれぞれ形成される赤画像と青画像とが水平方向に離れるミスコンバージェンスを生じる場合がある。
【0008】
そこで、この発明は、上述した問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、垂直偏向周波数が変化した場合、または、垂直帰線期間が短い場合であっても、画像品位の劣化を抑制することが可能な陰極線管装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この発明の第1の様態による陰極線管装置は、
電子ビームを放出する電子銃構体と、
前記電子銃構体から放出された電子ビームを水平方向及び垂直方向に偏向する偏向ヨークと、を備えた陰極線管装置であって、
前記偏向ヨークは、水平偏向磁界を発生する水平偏向コイルと、垂直偏向磁界を発生する垂直偏向コイルと、前記垂直偏向コイルの前記電子銃構体側に位置し磁性体コアに巻回された少なくとも一対の補正コイルと、を備え、
前記補正コイルは、0.35mm以下の芯線径を有する導線によって形成されたことを特徴とする。
【0010】
この発明の第2の様態による陰極線管装置は、
電子ビームを放出する電子銃構体と、
前記電子銃構体から放出された電子ビームを水平方向及び垂直方向に偏向する偏向ヨークと、を備えた陰極線管装置であって、
前記偏向ヨークは、水平偏向磁界を発生する水平偏向コイルと、垂直偏向磁界を発生する垂直偏向コイルと、前記垂直偏向コイルの前記電子銃構体側に位置し磁性体コアに巻回された少なくとも一対の補正コイルと、を備え、
前記補正コイルのインダクタンスLと抵抗値Rとの比L/Rが0.6以下であることを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の一実施の形態に係る陰極線管装置について図面を参照して説明する。
【0012】
すなわち、図1に示すように、カラー陰極線管装置は、真空外囲器10を備えている。この真空外囲器10は、周縁にスカート部2を有したほぼ矩形状のパネル1と、パネル1のスカート部2に連接されたファンネル4と、を有している。蛍光体スクリーン12は、パネル1の内面に配置され、青(B)、緑(G)、赤(R)にそれぞれ発光するストライプ状あるいはドット状の3色蛍光体層及び遮光層によって形成されている。
【0013】
インライン型電子銃構体16は、ファンネル4の小径部に相当する円筒状のネック3の内部に配設されている。この電子銃構体16は、同一水平面上を通る水平方向Xに一列配置された3電子ビーム20B,20G,20Rを管軸方向Zに沿って蛍光体スクリーン12の蛍光体層に向けて放出する。3電子ビームは、センタービーム20G(緑に対応)およびその両側の一対のサイドビーム20B(青に対応),20R(赤に対応)からなる。このインライン型電子銃構体16は、主レンズ部を構成する低電圧側のグリッド及び高電圧側のグリッドのサイドビーム通過孔の位置を偏心させることによって、蛍光体スクリーン12の中央において3電子ビームをセルフコンバージェンスさせる。
【0014】
色選別機能を有するシャドウマスク18は、パネル1の内部において蛍光体スクリーン12に対向して装着されている。このシャドウマスク18は、ほぼ矩形状に形成され、その面内に多数のアパーチャを有している。また、このシャドウマスク18は、鉄材などで形成されたほぼ矩形状のマスクフレーム17に支持されている。このシャドウマスク18は、電子銃構体16から放出された3電子ビーム20R、20G、20Bを整形し、蛍光体スクリーン12における特定の色の蛍光体層にビームスポットを投影する。
【0015】
偏向ヨーク14は、ファンネル4の外面における径大部からネック3にわたって装着されている。この偏向ヨーク14は、電子銃構体16から放出された3電子ビーム20B,20G,20Rを水平方向X及び垂直方向Yに偏向する非斉一な偏向磁界を発生する。この非斉一な偏向磁界は、ピンクッション型の水平偏向磁界と、バレル型の垂直偏向磁界とによって形成される。
【0016】
なお、上述した真空外囲器10では、ネック3と同軸で蛍光体スクリーン12の中心を通って延びた軸を管軸Z、管軸と直交して延びた軸を水平軸X、及び、管軸Z及び水平軸Xと直交して延びた軸を垂直軸Yとしている。
【0017】
上述した構成のカラー陰極線管装置においては、電子銃構体16から放出された3電子ビーム20B、20G、20Rは、蛍光体スクリーン12に向けてセルフコンバージェンスされながら、シャドウマスク18のアパーチャを介して蛍光体スクリーン12上の対応する蛍光体層上にフォーカスされる。そして、この3電子ビーム20B、20G、20Rは、非斉一な偏向磁界により、シャドウマスク18を介して、蛍光体スクリーン12の水平方向X及び垂直方向Yに走査される。蛍光体スクリーン12上にフォーカスされた3電子ビーム20B、20G、20Rは、蛍光体層に射突してこれを発光させる。これにより、カラー画像が表示される。
【0018】
上述したカラー陰極線管装置に適用される偏向ヨーク14は、図2に示すように、一対の水平偏向コイル7a、7bと、一対の垂直偏向コイル8a、8bと、セパレータ22と、磁性体コア24とを備えて構成されている。
【0019】
すなわち、一対の水平偏向コイル7a、7bは、例えばそれぞれサドル型コイルからなり、電子ビームを水平方向Xに偏向するための水平偏向磁界を発生する。一対の垂直偏向コイル8a、8bは、例えばそれぞれサドル型コイルからなり、電子ビームを垂直方向Yに偏向するための垂直偏向磁界を発生する。セパレータ22は、電子銃構体16側に径小部を有するとともに蛍光体スクリーン12側に径大部を有する漏斗状に形成され、その内周面に水平偏向コイル7a、7bを備えるとともに、その外周面に垂直偏向コイル8a、8bを備えている。磁性体コア24は、垂直偏向コイル8a、8bを囲むように設けられている。
【0020】
さらに、この偏向ヨーク14は、垂直偏向コイル8a、8bの電子銃構体16側に位置する少なくとも一対の補正コイルを備えている。すなわち、図3に示すように、一対の補正コイル31a、31bは、磁性体コア32に巻回された導線によって形成されている。これらの補正コイル31a、31bを構成する導線は、例えば銅によって形成されるが、導線の材質は特にこの例に限定されるものではない。
【0021】
これらの補正コイル31a、31bは、センタービーム20Gの偏向不足によって生ずるコマエラーを補正するためのコマ補正コイルとして機能する。すなわち、第1補正コイル31aは垂直方向Yの上方に配置されるとともに、第2補正コイル31bは垂直方向Yの下方に配置される。
【0022】
これら第1及び第2補正コイル31a、31b近傍部分の断面を蛍光体スクリーン側から見ると、ネック3の内部に水平方向Xの左側から青用電子ビーム20B、緑用電子ビーム20G、赤用電子ビーム20Rが位置する。第1及び第2補正コイル31a、31bのそれぞれが発生する補正磁界は、図中の点線矢印で示すように、センタービーム20Gに最も強く作用する。これにより、図中の実線矢印で示すように、センタービーム20Gに作用する力がサイドビーム20R及び20Bに作用する力より強いため、センタービーム20Gの偏向不足が補償され、コマエラーが補正される。
【0023】
このような第1及び第2補正コイル31a、31bは、例えば図4に示すような回路構成を成している。図4に示した例では、対を成す第1補正コイル31a及び第2補正コイル31bが互いに直列に接続されている。すなわち、第1補正コイル31aの低電位側は、第2補正コイル31bの高電位側と直列に接続されている。また、図4に示した回路構成は、第1補正コイル31aの高電位側端子に一端を接続された第1固定抵抗器R1と、第2補正コイル31bの低電位側端子に一端を接続された第2固定抵抗器R2と、摺動子33を有する可変抵抗器VRとを備えている。
【0024】
この可変抵抗器VRは、第1固定抵抗器R1の他端を第1端子とし、第2固定抵抗器R2の他端を第2端子とし、第1補正コイル31aと第2補正コイル31bとの接続点を第3端子とし、これら第1乃至第3端子間において、第3端子側を摺動子33とするように接続されている。可変抵抗器VRの摺動子33を移動することにより、第1補正コイル31aに供給される電流I1と第2補正コイル31bに供給される電流I2との比(I1/I2)を変化させることができる。
【0025】
例えば、図5に示すように、電子ビームと偏向磁界との軸ずれにより、赤画像と青画像とのクロスミスコンバージェンスYHが発生したとする。図中の実線が赤画像に対応し、点線が青画像に対応する。このとき、図6に示すように、可変抵抗器VRの摺動子33を第2固定抵抗器R2側に移動した場合、第1補正コイル31aと第2補正コイル31bとにそれぞれ供給される電流比が変化して、I1>I2となる。
【0026】
このように電流比が変化した状態において、それぞれの補正コイル31a、31bによって形成される補正磁界が電子ビームに与える作用を図7の(a)及び(b)に示す。図7は、補正磁界の作用面を蛍光体スクリーン側から見た断面図であり、各補正コイル31a、31bによって形成される補正磁界の磁力線を点線の矢印で示し、一対のサイドビーム20R、20Bが受ける力の向きを実線の矢印で示している。また、図7の(a)は上側偏向すなわち垂直方向Yの上方に向けて電子ビームを偏向した状態を示し、図7の(b)は下側偏向すなわち垂直方向Yの下方に向けて電子ビームを偏向した状態を示す。
【0027】
図6に示したように、可変抵抗器VRの摺動子33を第2固定抵抗器R2側に移動して第1補正コイル31aに供給される電流I1を相対的に増やしたとする。このとき、電子ビームを上側に偏向する際には、赤画像を描く赤用電子ビーム20Rは左上方へ偏向されるとともに、青画像を描く青用電子ビーム20Bは右上方へ偏向される。また、電子ビームを下側に偏向する際には、赤画像を描く赤用電子ビーム20Rは右下方へ偏向されるとともに、青画像を描く電子ビーム20Bは左下方へ偏向される。これにより、図5に示したようなクロスミスコンバージェンスYHが補正される。
【0028】
ところが、カラー陰極線管装置の製造設備とカラー陰極線管装置を組み込んだ画像表示装置との垂直偏向周波数が異なる場合、または、垂直帰線期間すなわち垂直帰線直後から画像表示までの時間間隔が短い場合、あるいは垂直偏向周波数が50Hz〜100Hzまで切り替わる画像表示装置の場合には、コマ補正コイルを用いて一対のサイドビームによるミスコンバージェンスYHを補正したとき、画面上端部に向かう一対のサイドビームが過補正される。
【0029】
この作用について説明する。一例として、垂直帰線期間が短い場合を考える。画像は、垂直帰線期間に増加していた垂直偏向電流が減少に転じた直後に画面上端部から表示される。垂直帰線期間が短い場合、垂直偏向電流が急激に減少に転じたタイミングで画面上端部に画像が表示されることになる。このとき、第1及び第2補正コイル31a、31bのそれぞれには、電流の減少を抑制する方向に誘導起電力が発生する。
【0030】
すなわち、可変抵抗器VRの摺動子33を第2固定抵抗器R2側に最大移動させてミスコンバージェンスYHを最大に補正したとすると、第1補正コイル31aに供給される電流I1及び第2補正コイル31bに供給される電流I2は、(I1)>(I2)のような大小関係となっているため、相対的に多い電流I1が供給される第1補正コイル31aにおいてより強い誘導起電力が発生する。このため、画面上端部に画像を表示するタイミングにおいて、第1及び第2補正コイル31a、31bに供給される電流の大小関係は、(I1)≫(I2)となる。その結果、従来のカラー陰極線管装置では、図8に示すように、クロスミスコンバージェンスYHが過補正され、画面上端部において、赤画像と青画像とが水平方向に離れてしまう。
【0031】
発明者は、上述したような過補正現象が補正コイルの電磁誘導によるものであることを見出し、回路構成中の抵抗を大きくすることで改善することができることを確認した。その1つの方法として、回路構成中の固定抵抗器の抵抗値を大きくする方法もあるが、可変抵抗器VRによるクロスミスコンバージェンスYH補正量が減少してしまう欠点がある。
【0032】
したがって、この実施の形態では、少なくとも第1及び第2補正コイル31a、31bは、0.35mm以下の芯線径を有する導線によって形成されている。これにより、第1及び第2補正コイル31a、31bの抵抗値が大きくなり、各補正コイル31a、31bに発生する誘導電流を小さく抑制することができる。なお、これら第1及び第2補正コイル31a、31bに適用される導線の芯線径は細いほど抵抗値を大きくすることができるが、極めて細い導線を用いて補正コイルを製造することは困難であるため、少なくとも0.1mm以上の芯線径であることが望ましい。
【0033】
換言すると、少なくとも第1及び第2補正コイル31a、31bは、コイル自身のインダクタンスLと抵抗値Rとの比L/Rが0.6以下となるような導線によって形成されている。これにより、第1及び第2補正コイル31a、31bの抵抗値が大きくなり、各補正コイル31a、31bに発生する誘導電流を小さく抑制することができる。なお、これら第1及び第2補正コイル31a、31bに適用される導線のインダクタンスと抵抗値との比L/Rは小さいほど抵抗値を大きくすることができるが、比L/Rを小さくするために極めて細い導線を用いて補正コイルを製造することは困難であるため、比L/Rは少なくとも0.04以上であることが望ましい。
【0034】
このように、各補正コイル31a、31bに生ずる誘導電流を小さく抑えることができたため、クロスミスコンバージェンスYHを補正した際に画面上端部において一対のサイドビームが過補正されることがなく、画面上端部における画像品位の劣化を抑制することが可能となる。
【0035】
次に、他の実施の形態について説明する。
【0036】
例えば、第1及び第2補正コイル31a、31bは、図9に示すような回路構成を成していてもよい。図9に示した例では、対を成す第1補正コイル31a及び第2補正コイル31bが互いに直列に接続されている。すなわち、第1補正コイル31aの低電位側は、第2補正コイル31bの高電位側と直列に接続されている。また、図9に示した回路構成は、第1補正コイル31aと第2補正コイル31bとの接続点に一端を接続された固定抵抗器R3と、摺動子33を有する可変抵抗器VRとを備えている。
【0037】
この可変抵抗器VRは、第1補正コイル31aの高電位側端子を第1端子とし、第2補正コイル31bの低電位側端子を第2端子とし、固定抵抗器R3の他端を第3端子とし、これら第1乃至第3端子間において、第3端子側を摺動子33とするように接続されている。
【0038】
このような回路構成においても、可変抵抗器VRの摺動子33を移動することにより、第1補正コイル31aに供給される電流I1と第2補正コイル31bに供給される電流I2との比(I1/I2)を変化させることができる。そして、これら第1及び第2補正コイル31a、31bを形成する導線の芯線径を0.35mm以下とするあるいはインダクタンスと抵抗値との比を0.6以下とすることにより、上述した実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0039】
また、第1及び第2補正コイル31a、31bは、図10に示すような回路構成を成していてもよい。図10に示した例では、対を成す第1補正コイル31a及び第2補正コイル31bが互いに並列に接続されている。すなわち、図10に示した回路構成は、第1補正コイル31aの低電位側端子に一端を接続された第1固定抵抗器R1と、第2補正コイル31bの低電位側端子に一端を接続された第2固定抵抗器R2と、第1固定抵抗器R1の他端と第2固定抵抗器R2の他端との接続点に一端を接続された第3固定抵抗器R3と、摺動子33を有する可変抵抗器VRとを備えている。
【0040】
この可変抵抗器VRは、第1補正コイル31aと第1固定抵抗器R1との接続点を第1端子とし、第2補正コイル31bと第2固定抵抗器R2との接続点を第2端子とし、第3固定抵抗器R3の他端を第3端子とし、これら第1乃至第3端子間において、第3端子側を摺動子33とするように接続されている。
【0041】
このような回路構成においても、可変抵抗器VRの摺動子33を移動することにより、第1補正コイル31aに供給される電流I1と第2補正コイル31bに供給される電流I2との比(I1/I2)を変化させることができる。そして、これら第1及び第2補正コイル31a、31bを形成する導線の芯線径を0.35mm以下とするあるいはインダクタンスと抵抗値との比を0.6以下とすることにより、上述した実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0042】
さらに、第1及び第2補正コイル31a、31bは、図11に示すような回路構成を成していてもよい。図11に示した例では、対を成す第1補正コイル31a及び第2補正コイル31bが互いに直列に接続されている。すなわち、第1補正コイル31aの低電位側は、第2補正コイル31bの高電位側と直列に接続されている。
【0043】
また、第1補正コイル31aの高電位側に接続された回路構成は、補正コイルと同軸に巻回された対を成す第1補助コイル35及び第2補助コイル36を有し、第1補助コイル35の低電位側が第2補助コイル36の高電位側と直列に接続されている。また、この回路構成は、第1補助コイル35の高電位側端子に一端を接続された第1固定抵抗器R1と、第2補助コイル36の低電位側端子に一端を接続された第2固定抵抗器R2と、摺動子33を有する可変抵抗器VRとを備えている。
【0044】
この可変抵抗器VRは、第1固定抵抗器R1の他端を第1端子とし、第2固定抵抗器R2の他端を第2端子とし、第1補助コイル35と第2補助コイル36との接続点を第3端子とし、これら第1乃至第3端子間において、第3端子側を摺動子33とするように接続されている。第1補正コイル31aの高電位側端子は、第2補助コイル36と第2固定抵抗器R2との接続点に接続されている。
【0045】
このような回路構成においても、可変抵抗器VRの摺動子33を移動することにより、第1補正コイル31aに供給される電流I1と第2補正コイル31bに供給される電流I2との比(I1/I2)を変化させることができる。そして、第1及び第2補正コイル31a、31bおよび第1及び第2補助コイル35、36を形成する導線の芯線径を0.35mm以下とするあるいはインダクタンスと抵抗値との比を0.6以下とすることにより、上述した実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0046】
またさらに、第1及び第2補正コイル31a、31bは、図12に示すような回路構成を成していてもよい。図12に示した例では、対を成す第1補正コイル31a及び第2補正コイル31bが互いに直列に接続されている。すなわち、第1補正コイル31aの低電位側は、第2補正コイル31bの高電位側と直列に接続されている。
【0047】
また、第1補正コイル31aの高電位側に接続された回路構成は、補正コイルと同軸に巻回された対を成す第1補助コイル35及び第2補助コイル36を有し、第1補助コイル35及び第2補助コイル36が互いに並列に接続されている。また、この回路構成は、第1補助コイル35の低電位側端子に一端を接続された第1固定抵抗器R1と、第2補助コイル36の低電位側端子に一端を接続された第2固定抵抗器R2と、第1固定抵抗器R1の他端と第2固定抵抗器R2の他端との接続点に一端を接続された第3固定抵抗器R3と、摺動子33を有する可変抵抗器VRとを備えている。
【0048】
この可変抵抗器VRは、第1補助コイル35と第1固定抵抗器R1との接続点を第1端子とし、第2補助コイル36と第2固定抵抗器R2との接続点を第2端子とし、第3固定抵抗器R3の他端を第3端子とし、これら第1乃至第3端子間において、第3端子側を摺動子33とするように接続されている。第1補正コイル31aの高電位側端子は、第1固定抵抗器R1と第2固定抵抗器R2との接続点に接続されている。
【0049】
このような回路構成においても、可変抵抗器VRの摺動子33を移動することにより、第1補正コイル31aに供給される電流I1と第2補正コイル31bに供給される電流I2との比(I1/I2)を変化させることができる。そして、第1及び第2補正コイル31a、31bおよび第1及び第2補助コイル35、36を形成する導線の芯線径を0.35mm以下とするあるいはインダクタンスと抵抗値との比を0.6以下とすることにより、上述した実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0050】
以上説明したように、この実施の形態に係る陰極線管装置によれば、陰極線管装置の製造設備と陰極線管装置を組みこんだ画像表示装置との垂直偏向周波数が異なる場合、垂直帰線期間が短い場合、あるいは、垂直偏向周波数が50Hz〜100Hzまで切り替わる画像表示装置の場合に、一対のコマ補正コイルに供給される電流比を変更して一対のサイドビームによるミスコンバージェンスを補正した場合であっても、画面上端部に向かう一対のサイドビームのミスコンバージェンスを抑制することができ、良好な画像品位を得ることができる。
【0051】
なお、この発明は上記各実施の形態に限定されるものではなく、その実施の段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々な変形・変更が可能である。また、各実施の形態は可能な限り適宜組み合わせて実施されてもよく、その場合組み合わせによる効果が得られる。
【0052】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、垂直偏向周波数が変化した場合、または、垂直帰線期間が短い場合であっても、画像品位の劣化を抑制することが可能な陰極線管装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、この発明の一実施の形態に係るカラー陰極線管装置の構成を概略的に示す一部断面図である。
【図2】図2は、図1に示したカラー陰極線管装置に適用可能な偏向ヨークの構造例を概略的に示す斜視図である。
【図3】図3は、図1に示したカラー陰極線管装置に適用可能なコマ補正コイルの構造を概略的に示す図である。
【図4】図4は、図3に示したコマ補正コイルの等価回路を示す図である。
【図5】図5は、一対のサイドビームによるクロスミスコンバージェンスを説明するための図である。
【図6】図6は、図5に示したクロスミスコンバージェンスを補正するときの第1及び第2補正コイルに供給される電流比の偏向例を説明するための図である。
【図7】図7は、補正磁界によって電子ビームが受ける作用を説明するための図であり、(a)は電子ビームを垂直方向上側に偏向した状態を示し、(b)は電子ビームを垂直方向下側に偏向した状態を示す。
【図8】図8は、画面上端部に向かう一対のサイドビームの過補正を説明するための図である。
【図9】図9は、図1に示したカラー陰極線管装置に適用可能な他のコマ補正コイルの等価回路を示す図である。
【図10】図10は、図1に示したカラー陰極線管装置に適用可能な他のコマ補正コイルの等価回路を示す図である。
【図11】図11は、図1に示したカラー陰極線管装置に適用可能な他のコマ補正コイルの等価回路を示す図である。
【図12】図12は、図1に示したカラー陰極線管装置に適用可能な他のコマ補正コイルの等価回路を示す図である。
【符号の説明】
14…偏向ヨーク、31a…第1補正コイル、31b…第2補正コイル、32…磁性体コア、33…摺動子、35…第1補助コイル、36…第2補助コイル、R1…第1固定抵抗器、R2…第2固定抵抗器、R3…第3固定抵抗器、VR…可変抵抗器
【発明の属する技術分野】
この発明は、陰極線管装置に係り、特に、コマ補正コイル等の補正コイルを備えたカラー陰極線管装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、カラー陰極線管装置は、水平方向に一列に配置された3電子ビームを発生するインライン型電子銃構体と、この電子銃構体から出射された電子ビームを水平方向及び垂直方向に偏向する偏向磁界を発生する偏向ヨークと、を備えて構成されている。近年、主流となっているセルフコンバージェンス方式のカラー陰極線管装置では、コンバージェンス補正のための特別な補正機構を備えることなく、蛍光体スクリーン上において、3電子ビームをそれぞれ赤(R)、緑(G)、青(B)の各色の蛍光体層にランディングさせて発光させる。
【0003】
このようなセルフコンバージェンス方式のカラー陰極線管装置では、ピンクッション型の水平偏向磁界とバレル型の垂直偏向磁界とによって偏向磁界を形成している。このため、特に電子ビームを垂直方向に偏向する際、3電子ビームのうちの中央に配置されたセンタービームが偏向不足となるコマエラーを生じる。これを補う1つの方法として、コマ補正コイルを用いる方法がある(例えば、特許文献1及び特許文献2参照。)。
【0004】
なお、このようなコマ補正コイルは、製造コスト及び消費電力の観点から芯線径が0.4乃至0.5mm程度の導線によって形成されるのが一般的である。
【0005】
【特許文献1】
特開平1−241739号公報
【0006】
【特許文献2】
特開昭59−111238号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、カラー陰極線管装置の製造設備とカラー陰極線管装置を組み込んだ画像表示装置との垂直偏向周波数が異なる場合、または、垂直帰線期間すなわち垂直帰線直後から画像表示までの時間間隔が短い場合、あるいは垂直偏向周波数が50Hz〜100Hzまで切り替わる画像表示装置の場合には、コマ補正コイルを用いて図5のような一対のサイドビームによるミスコンバージェンス(YH)を補正したとき、画面上端部に向かう一対のサイドビームが過補正される場合がある。このため、一対のサイドビームによってそれぞれ形成される赤画像と青画像とが水平方向に離れるミスコンバージェンスを生じる場合がある。
【0008】
そこで、この発明は、上述した問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、垂直偏向周波数が変化した場合、または、垂直帰線期間が短い場合であっても、画像品位の劣化を抑制することが可能な陰極線管装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この発明の第1の様態による陰極線管装置は、
電子ビームを放出する電子銃構体と、
前記電子銃構体から放出された電子ビームを水平方向及び垂直方向に偏向する偏向ヨークと、を備えた陰極線管装置であって、
前記偏向ヨークは、水平偏向磁界を発生する水平偏向コイルと、垂直偏向磁界を発生する垂直偏向コイルと、前記垂直偏向コイルの前記電子銃構体側に位置し磁性体コアに巻回された少なくとも一対の補正コイルと、を備え、
前記補正コイルは、0.35mm以下の芯線径を有する導線によって形成されたことを特徴とする。
【0010】
この発明の第2の様態による陰極線管装置は、
電子ビームを放出する電子銃構体と、
前記電子銃構体から放出された電子ビームを水平方向及び垂直方向に偏向する偏向ヨークと、を備えた陰極線管装置であって、
前記偏向ヨークは、水平偏向磁界を発生する水平偏向コイルと、垂直偏向磁界を発生する垂直偏向コイルと、前記垂直偏向コイルの前記電子銃構体側に位置し磁性体コアに巻回された少なくとも一対の補正コイルと、を備え、
前記補正コイルのインダクタンスLと抵抗値Rとの比L/Rが0.6以下であることを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の一実施の形態に係る陰極線管装置について図面を参照して説明する。
【0012】
すなわち、図1に示すように、カラー陰極線管装置は、真空外囲器10を備えている。この真空外囲器10は、周縁にスカート部2を有したほぼ矩形状のパネル1と、パネル1のスカート部2に連接されたファンネル4と、を有している。蛍光体スクリーン12は、パネル1の内面に配置され、青(B)、緑(G)、赤(R)にそれぞれ発光するストライプ状あるいはドット状の3色蛍光体層及び遮光層によって形成されている。
【0013】
インライン型電子銃構体16は、ファンネル4の小径部に相当する円筒状のネック3の内部に配設されている。この電子銃構体16は、同一水平面上を通る水平方向Xに一列配置された3電子ビーム20B,20G,20Rを管軸方向Zに沿って蛍光体スクリーン12の蛍光体層に向けて放出する。3電子ビームは、センタービーム20G(緑に対応)およびその両側の一対のサイドビーム20B(青に対応),20R(赤に対応)からなる。このインライン型電子銃構体16は、主レンズ部を構成する低電圧側のグリッド及び高電圧側のグリッドのサイドビーム通過孔の位置を偏心させることによって、蛍光体スクリーン12の中央において3電子ビームをセルフコンバージェンスさせる。
【0014】
色選別機能を有するシャドウマスク18は、パネル1の内部において蛍光体スクリーン12に対向して装着されている。このシャドウマスク18は、ほぼ矩形状に形成され、その面内に多数のアパーチャを有している。また、このシャドウマスク18は、鉄材などで形成されたほぼ矩形状のマスクフレーム17に支持されている。このシャドウマスク18は、電子銃構体16から放出された3電子ビーム20R、20G、20Bを整形し、蛍光体スクリーン12における特定の色の蛍光体層にビームスポットを投影する。
【0015】
偏向ヨーク14は、ファンネル4の外面における径大部からネック3にわたって装着されている。この偏向ヨーク14は、電子銃構体16から放出された3電子ビーム20B,20G,20Rを水平方向X及び垂直方向Yに偏向する非斉一な偏向磁界を発生する。この非斉一な偏向磁界は、ピンクッション型の水平偏向磁界と、バレル型の垂直偏向磁界とによって形成される。
【0016】
なお、上述した真空外囲器10では、ネック3と同軸で蛍光体スクリーン12の中心を通って延びた軸を管軸Z、管軸と直交して延びた軸を水平軸X、及び、管軸Z及び水平軸Xと直交して延びた軸を垂直軸Yとしている。
【0017】
上述した構成のカラー陰極線管装置においては、電子銃構体16から放出された3電子ビーム20B、20G、20Rは、蛍光体スクリーン12に向けてセルフコンバージェンスされながら、シャドウマスク18のアパーチャを介して蛍光体スクリーン12上の対応する蛍光体層上にフォーカスされる。そして、この3電子ビーム20B、20G、20Rは、非斉一な偏向磁界により、シャドウマスク18を介して、蛍光体スクリーン12の水平方向X及び垂直方向Yに走査される。蛍光体スクリーン12上にフォーカスされた3電子ビーム20B、20G、20Rは、蛍光体層に射突してこれを発光させる。これにより、カラー画像が表示される。
【0018】
上述したカラー陰極線管装置に適用される偏向ヨーク14は、図2に示すように、一対の水平偏向コイル7a、7bと、一対の垂直偏向コイル8a、8bと、セパレータ22と、磁性体コア24とを備えて構成されている。
【0019】
すなわち、一対の水平偏向コイル7a、7bは、例えばそれぞれサドル型コイルからなり、電子ビームを水平方向Xに偏向するための水平偏向磁界を発生する。一対の垂直偏向コイル8a、8bは、例えばそれぞれサドル型コイルからなり、電子ビームを垂直方向Yに偏向するための垂直偏向磁界を発生する。セパレータ22は、電子銃構体16側に径小部を有するとともに蛍光体スクリーン12側に径大部を有する漏斗状に形成され、その内周面に水平偏向コイル7a、7bを備えるとともに、その外周面に垂直偏向コイル8a、8bを備えている。磁性体コア24は、垂直偏向コイル8a、8bを囲むように設けられている。
【0020】
さらに、この偏向ヨーク14は、垂直偏向コイル8a、8bの電子銃構体16側に位置する少なくとも一対の補正コイルを備えている。すなわち、図3に示すように、一対の補正コイル31a、31bは、磁性体コア32に巻回された導線によって形成されている。これらの補正コイル31a、31bを構成する導線は、例えば銅によって形成されるが、導線の材質は特にこの例に限定されるものではない。
【0021】
これらの補正コイル31a、31bは、センタービーム20Gの偏向不足によって生ずるコマエラーを補正するためのコマ補正コイルとして機能する。すなわち、第1補正コイル31aは垂直方向Yの上方に配置されるとともに、第2補正コイル31bは垂直方向Yの下方に配置される。
【0022】
これら第1及び第2補正コイル31a、31b近傍部分の断面を蛍光体スクリーン側から見ると、ネック3の内部に水平方向Xの左側から青用電子ビーム20B、緑用電子ビーム20G、赤用電子ビーム20Rが位置する。第1及び第2補正コイル31a、31bのそれぞれが発生する補正磁界は、図中の点線矢印で示すように、センタービーム20Gに最も強く作用する。これにより、図中の実線矢印で示すように、センタービーム20Gに作用する力がサイドビーム20R及び20Bに作用する力より強いため、センタービーム20Gの偏向不足が補償され、コマエラーが補正される。
【0023】
このような第1及び第2補正コイル31a、31bは、例えば図4に示すような回路構成を成している。図4に示した例では、対を成す第1補正コイル31a及び第2補正コイル31bが互いに直列に接続されている。すなわち、第1補正コイル31aの低電位側は、第2補正コイル31bの高電位側と直列に接続されている。また、図4に示した回路構成は、第1補正コイル31aの高電位側端子に一端を接続された第1固定抵抗器R1と、第2補正コイル31bの低電位側端子に一端を接続された第2固定抵抗器R2と、摺動子33を有する可変抵抗器VRとを備えている。
【0024】
この可変抵抗器VRは、第1固定抵抗器R1の他端を第1端子とし、第2固定抵抗器R2の他端を第2端子とし、第1補正コイル31aと第2補正コイル31bとの接続点を第3端子とし、これら第1乃至第3端子間において、第3端子側を摺動子33とするように接続されている。可変抵抗器VRの摺動子33を移動することにより、第1補正コイル31aに供給される電流I1と第2補正コイル31bに供給される電流I2との比(I1/I2)を変化させることができる。
【0025】
例えば、図5に示すように、電子ビームと偏向磁界との軸ずれにより、赤画像と青画像とのクロスミスコンバージェンスYHが発生したとする。図中の実線が赤画像に対応し、点線が青画像に対応する。このとき、図6に示すように、可変抵抗器VRの摺動子33を第2固定抵抗器R2側に移動した場合、第1補正コイル31aと第2補正コイル31bとにそれぞれ供給される電流比が変化して、I1>I2となる。
【0026】
このように電流比が変化した状態において、それぞれの補正コイル31a、31bによって形成される補正磁界が電子ビームに与える作用を図7の(a)及び(b)に示す。図7は、補正磁界の作用面を蛍光体スクリーン側から見た断面図であり、各補正コイル31a、31bによって形成される補正磁界の磁力線を点線の矢印で示し、一対のサイドビーム20R、20Bが受ける力の向きを実線の矢印で示している。また、図7の(a)は上側偏向すなわち垂直方向Yの上方に向けて電子ビームを偏向した状態を示し、図7の(b)は下側偏向すなわち垂直方向Yの下方に向けて電子ビームを偏向した状態を示す。
【0027】
図6に示したように、可変抵抗器VRの摺動子33を第2固定抵抗器R2側に移動して第1補正コイル31aに供給される電流I1を相対的に増やしたとする。このとき、電子ビームを上側に偏向する際には、赤画像を描く赤用電子ビーム20Rは左上方へ偏向されるとともに、青画像を描く青用電子ビーム20Bは右上方へ偏向される。また、電子ビームを下側に偏向する際には、赤画像を描く赤用電子ビーム20Rは右下方へ偏向されるとともに、青画像を描く電子ビーム20Bは左下方へ偏向される。これにより、図5に示したようなクロスミスコンバージェンスYHが補正される。
【0028】
ところが、カラー陰極線管装置の製造設備とカラー陰極線管装置を組み込んだ画像表示装置との垂直偏向周波数が異なる場合、または、垂直帰線期間すなわち垂直帰線直後から画像表示までの時間間隔が短い場合、あるいは垂直偏向周波数が50Hz〜100Hzまで切り替わる画像表示装置の場合には、コマ補正コイルを用いて一対のサイドビームによるミスコンバージェンスYHを補正したとき、画面上端部に向かう一対のサイドビームが過補正される。
【0029】
この作用について説明する。一例として、垂直帰線期間が短い場合を考える。画像は、垂直帰線期間に増加していた垂直偏向電流が減少に転じた直後に画面上端部から表示される。垂直帰線期間が短い場合、垂直偏向電流が急激に減少に転じたタイミングで画面上端部に画像が表示されることになる。このとき、第1及び第2補正コイル31a、31bのそれぞれには、電流の減少を抑制する方向に誘導起電力が発生する。
【0030】
すなわち、可変抵抗器VRの摺動子33を第2固定抵抗器R2側に最大移動させてミスコンバージェンスYHを最大に補正したとすると、第1補正コイル31aに供給される電流I1及び第2補正コイル31bに供給される電流I2は、(I1)>(I2)のような大小関係となっているため、相対的に多い電流I1が供給される第1補正コイル31aにおいてより強い誘導起電力が発生する。このため、画面上端部に画像を表示するタイミングにおいて、第1及び第2補正コイル31a、31bに供給される電流の大小関係は、(I1)≫(I2)となる。その結果、従来のカラー陰極線管装置では、図8に示すように、クロスミスコンバージェンスYHが過補正され、画面上端部において、赤画像と青画像とが水平方向に離れてしまう。
【0031】
発明者は、上述したような過補正現象が補正コイルの電磁誘導によるものであることを見出し、回路構成中の抵抗を大きくすることで改善することができることを確認した。その1つの方法として、回路構成中の固定抵抗器の抵抗値を大きくする方法もあるが、可変抵抗器VRによるクロスミスコンバージェンスYH補正量が減少してしまう欠点がある。
【0032】
したがって、この実施の形態では、少なくとも第1及び第2補正コイル31a、31bは、0.35mm以下の芯線径を有する導線によって形成されている。これにより、第1及び第2補正コイル31a、31bの抵抗値が大きくなり、各補正コイル31a、31bに発生する誘導電流を小さく抑制することができる。なお、これら第1及び第2補正コイル31a、31bに適用される導線の芯線径は細いほど抵抗値を大きくすることができるが、極めて細い導線を用いて補正コイルを製造することは困難であるため、少なくとも0.1mm以上の芯線径であることが望ましい。
【0033】
換言すると、少なくとも第1及び第2補正コイル31a、31bは、コイル自身のインダクタンスLと抵抗値Rとの比L/Rが0.6以下となるような導線によって形成されている。これにより、第1及び第2補正コイル31a、31bの抵抗値が大きくなり、各補正コイル31a、31bに発生する誘導電流を小さく抑制することができる。なお、これら第1及び第2補正コイル31a、31bに適用される導線のインダクタンスと抵抗値との比L/Rは小さいほど抵抗値を大きくすることができるが、比L/Rを小さくするために極めて細い導線を用いて補正コイルを製造することは困難であるため、比L/Rは少なくとも0.04以上であることが望ましい。
【0034】
このように、各補正コイル31a、31bに生ずる誘導電流を小さく抑えることができたため、クロスミスコンバージェンスYHを補正した際に画面上端部において一対のサイドビームが過補正されることがなく、画面上端部における画像品位の劣化を抑制することが可能となる。
【0035】
次に、他の実施の形態について説明する。
【0036】
例えば、第1及び第2補正コイル31a、31bは、図9に示すような回路構成を成していてもよい。図9に示した例では、対を成す第1補正コイル31a及び第2補正コイル31bが互いに直列に接続されている。すなわち、第1補正コイル31aの低電位側は、第2補正コイル31bの高電位側と直列に接続されている。また、図9に示した回路構成は、第1補正コイル31aと第2補正コイル31bとの接続点に一端を接続された固定抵抗器R3と、摺動子33を有する可変抵抗器VRとを備えている。
【0037】
この可変抵抗器VRは、第1補正コイル31aの高電位側端子を第1端子とし、第2補正コイル31bの低電位側端子を第2端子とし、固定抵抗器R3の他端を第3端子とし、これら第1乃至第3端子間において、第3端子側を摺動子33とするように接続されている。
【0038】
このような回路構成においても、可変抵抗器VRの摺動子33を移動することにより、第1補正コイル31aに供給される電流I1と第2補正コイル31bに供給される電流I2との比(I1/I2)を変化させることができる。そして、これら第1及び第2補正コイル31a、31bを形成する導線の芯線径を0.35mm以下とするあるいはインダクタンスと抵抗値との比を0.6以下とすることにより、上述した実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0039】
また、第1及び第2補正コイル31a、31bは、図10に示すような回路構成を成していてもよい。図10に示した例では、対を成す第1補正コイル31a及び第2補正コイル31bが互いに並列に接続されている。すなわち、図10に示した回路構成は、第1補正コイル31aの低電位側端子に一端を接続された第1固定抵抗器R1と、第2補正コイル31bの低電位側端子に一端を接続された第2固定抵抗器R2と、第1固定抵抗器R1の他端と第2固定抵抗器R2の他端との接続点に一端を接続された第3固定抵抗器R3と、摺動子33を有する可変抵抗器VRとを備えている。
【0040】
この可変抵抗器VRは、第1補正コイル31aと第1固定抵抗器R1との接続点を第1端子とし、第2補正コイル31bと第2固定抵抗器R2との接続点を第2端子とし、第3固定抵抗器R3の他端を第3端子とし、これら第1乃至第3端子間において、第3端子側を摺動子33とするように接続されている。
【0041】
このような回路構成においても、可変抵抗器VRの摺動子33を移動することにより、第1補正コイル31aに供給される電流I1と第2補正コイル31bに供給される電流I2との比(I1/I2)を変化させることができる。そして、これら第1及び第2補正コイル31a、31bを形成する導線の芯線径を0.35mm以下とするあるいはインダクタンスと抵抗値との比を0.6以下とすることにより、上述した実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0042】
さらに、第1及び第2補正コイル31a、31bは、図11に示すような回路構成を成していてもよい。図11に示した例では、対を成す第1補正コイル31a及び第2補正コイル31bが互いに直列に接続されている。すなわち、第1補正コイル31aの低電位側は、第2補正コイル31bの高電位側と直列に接続されている。
【0043】
また、第1補正コイル31aの高電位側に接続された回路構成は、補正コイルと同軸に巻回された対を成す第1補助コイル35及び第2補助コイル36を有し、第1補助コイル35の低電位側が第2補助コイル36の高電位側と直列に接続されている。また、この回路構成は、第1補助コイル35の高電位側端子に一端を接続された第1固定抵抗器R1と、第2補助コイル36の低電位側端子に一端を接続された第2固定抵抗器R2と、摺動子33を有する可変抵抗器VRとを備えている。
【0044】
この可変抵抗器VRは、第1固定抵抗器R1の他端を第1端子とし、第2固定抵抗器R2の他端を第2端子とし、第1補助コイル35と第2補助コイル36との接続点を第3端子とし、これら第1乃至第3端子間において、第3端子側を摺動子33とするように接続されている。第1補正コイル31aの高電位側端子は、第2補助コイル36と第2固定抵抗器R2との接続点に接続されている。
【0045】
このような回路構成においても、可変抵抗器VRの摺動子33を移動することにより、第1補正コイル31aに供給される電流I1と第2補正コイル31bに供給される電流I2との比(I1/I2)を変化させることができる。そして、第1及び第2補正コイル31a、31bおよび第1及び第2補助コイル35、36を形成する導線の芯線径を0.35mm以下とするあるいはインダクタンスと抵抗値との比を0.6以下とすることにより、上述した実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0046】
またさらに、第1及び第2補正コイル31a、31bは、図12に示すような回路構成を成していてもよい。図12に示した例では、対を成す第1補正コイル31a及び第2補正コイル31bが互いに直列に接続されている。すなわち、第1補正コイル31aの低電位側は、第2補正コイル31bの高電位側と直列に接続されている。
【0047】
また、第1補正コイル31aの高電位側に接続された回路構成は、補正コイルと同軸に巻回された対を成す第1補助コイル35及び第2補助コイル36を有し、第1補助コイル35及び第2補助コイル36が互いに並列に接続されている。また、この回路構成は、第1補助コイル35の低電位側端子に一端を接続された第1固定抵抗器R1と、第2補助コイル36の低電位側端子に一端を接続された第2固定抵抗器R2と、第1固定抵抗器R1の他端と第2固定抵抗器R2の他端との接続点に一端を接続された第3固定抵抗器R3と、摺動子33を有する可変抵抗器VRとを備えている。
【0048】
この可変抵抗器VRは、第1補助コイル35と第1固定抵抗器R1との接続点を第1端子とし、第2補助コイル36と第2固定抵抗器R2との接続点を第2端子とし、第3固定抵抗器R3の他端を第3端子とし、これら第1乃至第3端子間において、第3端子側を摺動子33とするように接続されている。第1補正コイル31aの高電位側端子は、第1固定抵抗器R1と第2固定抵抗器R2との接続点に接続されている。
【0049】
このような回路構成においても、可変抵抗器VRの摺動子33を移動することにより、第1補正コイル31aに供給される電流I1と第2補正コイル31bに供給される電流I2との比(I1/I2)を変化させることができる。そして、第1及び第2補正コイル31a、31bおよび第1及び第2補助コイル35、36を形成する導線の芯線径を0.35mm以下とするあるいはインダクタンスと抵抗値との比を0.6以下とすることにより、上述した実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0050】
以上説明したように、この実施の形態に係る陰極線管装置によれば、陰極線管装置の製造設備と陰極線管装置を組みこんだ画像表示装置との垂直偏向周波数が異なる場合、垂直帰線期間が短い場合、あるいは、垂直偏向周波数が50Hz〜100Hzまで切り替わる画像表示装置の場合に、一対のコマ補正コイルに供給される電流比を変更して一対のサイドビームによるミスコンバージェンスを補正した場合であっても、画面上端部に向かう一対のサイドビームのミスコンバージェンスを抑制することができ、良好な画像品位を得ることができる。
【0051】
なお、この発明は上記各実施の形態に限定されるものではなく、その実施の段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々な変形・変更が可能である。また、各実施の形態は可能な限り適宜組み合わせて実施されてもよく、その場合組み合わせによる効果が得られる。
【0052】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、垂直偏向周波数が変化した場合、または、垂直帰線期間が短い場合であっても、画像品位の劣化を抑制することが可能な陰極線管装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、この発明の一実施の形態に係るカラー陰極線管装置の構成を概略的に示す一部断面図である。
【図2】図2は、図1に示したカラー陰極線管装置に適用可能な偏向ヨークの構造例を概略的に示す斜視図である。
【図3】図3は、図1に示したカラー陰極線管装置に適用可能なコマ補正コイルの構造を概略的に示す図である。
【図4】図4は、図3に示したコマ補正コイルの等価回路を示す図である。
【図5】図5は、一対のサイドビームによるクロスミスコンバージェンスを説明するための図である。
【図6】図6は、図5に示したクロスミスコンバージェンスを補正するときの第1及び第2補正コイルに供給される電流比の偏向例を説明するための図である。
【図7】図7は、補正磁界によって電子ビームが受ける作用を説明するための図であり、(a)は電子ビームを垂直方向上側に偏向した状態を示し、(b)は電子ビームを垂直方向下側に偏向した状態を示す。
【図8】図8は、画面上端部に向かう一対のサイドビームの過補正を説明するための図である。
【図9】図9は、図1に示したカラー陰極線管装置に適用可能な他のコマ補正コイルの等価回路を示す図である。
【図10】図10は、図1に示したカラー陰極線管装置に適用可能な他のコマ補正コイルの等価回路を示す図である。
【図11】図11は、図1に示したカラー陰極線管装置に適用可能な他のコマ補正コイルの等価回路を示す図である。
【図12】図12は、図1に示したカラー陰極線管装置に適用可能な他のコマ補正コイルの等価回路を示す図である。
【符号の説明】
14…偏向ヨーク、31a…第1補正コイル、31b…第2補正コイル、32…磁性体コア、33…摺動子、35…第1補助コイル、36…第2補助コイル、R1…第1固定抵抗器、R2…第2固定抵抗器、R3…第3固定抵抗器、VR…可変抵抗器
Claims (11)
- 電子ビームを放出する電子銃構体と、
前記電子銃構体から放出された電子ビームを水平方向及び垂直方向に偏向する偏向ヨークと、を備えた陰極線管装置において、
前記偏向ヨークは、水平偏向磁界を発生する水平偏向コイルと、垂直偏向磁界を発生する垂直偏向コイルと、前記垂直偏向コイルの前記電子銃構体側に位置し磁性体コアに巻回された少なくとも一対の補正コイルと、を備え、
前記補正コイルは、0.35mm以下の芯線径を有する導線によって形成されたことを特徴とする陰極線管装置。 - 前記補正コイルを形成する導線は、0.1mm以上の芯線径を有することを特徴とする請求項1に記載の陰極線管装置。
- 電子ビームを放出する電子銃構体と、
前記電子銃構体から放出された電子ビームを水平方向及び垂直方向に偏向する偏向ヨークと、を備えた陰極線管装置において、
前記偏向ヨークは、水平偏向磁界を発生する水平偏向コイルと、垂直偏向磁界を発生する垂直偏向コイルと、前記垂直偏向コイルの前記電子銃構体側に位置し磁性体コアに巻回された少なくとも一対の補正コイルと、を備え、
前記補正コイルのインダクタンスLと抵抗値Rとの比L/Rが0.6以下であることを特徴とする陰極線管装置。 - 前記補正コイルのインダクタンスLと抵抗値Rとの比L/Rが0.04以上であることを特徴とする請求項3に記載の陰極線管装置。
- 前記補正コイルは、対を成す第1コイル及び第2コイルを有し、前記第1コイル及び前記第2コイルが互いに並列に接続された回路構成を成していることを特徴とする請求項1または3に記載の陰極線管装置。
- 前記補正コイルは、対を成す第1コイル及び第2コイルを有し、前記第1コイル及び前記第2コイルが互いに直列に接続された回路構成を成していることを特徴とする請求項1または3に記載の陰極線管装置。
- 前記補正コイルは、対を成す第1コイル及び第2コイルを有し、前記第1コイルの低電位側が前記第2コイルの高電位側と直列に接続され、前記第1コイルの高電位側端子に一端を接続された第1固定抵抗器の他端を第1端子とし、前記第2コイルの低電位側端子に一端を接続された第2固定抵抗器の他端を第2端子とし、前記第1コイルと前記第2コイルとの接続点を第3端子とし、前記第1乃至第3端子間に前記第3端子側を摺動子とする可変抵抗器が接続された回路構成を成していることを特徴とする請求項1または3に記載の陰極線管装置。
- 前記補正コイルは、対を成す第1コイル及び第2コイルを有し、前記第1コイルの低電位側が前記第2コイルの高電位側と直列に接続され、前記第1コイルの高電位側端子を第1端子とし、前記第2コイルの低電位側端子を第2端子とし、前記第1コイルと前記第2コイルとの接続点に一端を接続された固定抵抗器の他端を第3端子とし、前記第1乃至第3端子間に第3端子側を摺動子とする可変抵抗器が接続された回路構成を成していることを特徴とする請求項1または3に記載の陰極線管装置。
- 前記補正コイルは、対を成す第1コイル及び第2コイルを有し、前記第1コイル及び前記第2コイルが互いに並列に接続され、前記第1コイルの低電位側端子に一端を接続された第1固定抵抗器の他端と前記第2コイルの低電位側端子に一端を接続された第2固定抵抗器の他端とが接続され、前記第1コイルと前記第1固定抵抗器との接続点を第1端子とし、前記第2コイルと前記第2固定抵抗器との接続点を第2端子とし、前記第1固定抵抗器と前記第2固定抵抗器との接続点に一端を接続された第3固定抵抗器の他端を第3端子とし、前記第1乃至第3端子間に第3端子側を摺動子とする可変抵抗器が接続された回路構成を成していることを特徴とする請求項1または3に記載の陰極線管装置。
- 前記補正コイルは、対を成す第1コイル及び第2コイルを有し、前記第1コイルの低電位側が前記第2コイルの高電位側と直列に接続され、
さらに、前記第1コイルの高電位側に接続された回路構成は、対を成す第1補助コイル及び第2補助コイルを有し、前記第1補助コイルの低電位側が前記第2補助コイルの高電位側と直列に接続され、前記第1補助コイルの高電位側端子に一端を接続された第1固定抵抗器の他端を第1端子とし、前記第2補助コイルの低電位側端子に一端を接続された第2固定抵抗器の他端を第2端子とし、前記第1補助コイルと前記第2補助コイルとの接続点を第3端子とし、前記第1乃至第3端子間に前記第3端子側を摺動子とする可変抵抗器が接続されたことを特徴とする請求項1または3に記載の陰極線管装置。 - 前記補正コイルは、対を成す第1コイル及び第2コイルを有し、前記第1コイルの低電位側が前記第2コイルの高電位側と直列に接続され、
さらに、前記第1コイルの高電位側に接続された回路構成は、対を成す第1補助コイル及び第2補助コイルを有し、前記第1補助コイル及び前記第2補助コイルが互いに並列に接続され、前記第1補助コイルの低電位側端子に一端を接続された第1固定抵抗器の他端と前記第2補助コイルの低電位側端子に一端を接続された第2固定抵抗器の他端とが接続され、前記第1補助コイルと前記第1固定抵抗器との接続点を第1端子とし、前記第2補助コイルと前記第2固定抵抗器との接続点を第2端子とし、前記第1固定抵抗器と前記第2固定抵抗器との接続点に一端を接続された第3固定抵抗器の他端を第3端子とし、前記第1乃至第3端子間に第3端子側を摺動子とする可変抵抗器が接続されたことを特徴とする請求項1または3に記載の陰極線管装置。
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