JP2004227833A - 画像表示装置およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】接合厚を高い精度で規制することができ、外囲器に作用する余分な歪みを低減し、長期間に渡って高い表示性能を維持することが可能な画像表示装置およびその製造方法を提供する。
【解決手段】画像表示装置の真空外囲器10は、対向配置された前面基板11および背面基板12と、前面基板および背面基板の周辺部間に設けられた枠状の側壁13と、を備えている。前面基板および背面基板の少なくとも一方の基板と側壁とを接合した接合材には所定の寸法の隙間規制部材26、28が混入され、少なくとも一方の基板と側壁との隙間を規制している。
【選択図】 図2
【解決手段】画像表示装置の真空外囲器10は、対向配置された前面基板11および背面基板12と、前面基板および背面基板の周辺部間に設けられた枠状の側壁13と、を備えている。前面基板および背面基板の少なくとも一方の基板と側壁とを接合した接合材には所定の寸法の隙間規制部材26、28が混入され、少なくとも一方の基板と側壁との隙間を規制している。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、画像表示装置に関し、特に、対向配置された前面基板および背面基板を備えた画像表示装置およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、陰極線管(以下、CRTと称する)に代わる次世代の軽量、薄型の表示装置として様々な平面型の画像表示装置が注目されている。その中に、主として電界による電子放出を利用した画像表示装置がある(例えば、特許文献1および特許文献2)。これらの画像表示装置は、所定の間隔をおいて対向配置された前面基板および背面基板を備え、これらの基板は矩形枠状の側壁を介して周辺部を互いに接合することにより真空外囲器を構成している。前面基板、背面基板、および側壁の接合には、通常、フリットガラス等の低融点ガラスからなる接合材が用いられている。
【0003】
前面基板の内面には3色の蛍光体層が形成され、背面基板の内面には、蛍光体を励起する電子源として多数の電子放出素子が配列されている。上記のような画像表示装置において、前面基板と背面基板との間は真空であるため、前面基板、背面基板には大気圧荷重が作用する。そこで、これらの基板に作用する大気圧荷重を支持し基板間の隙間を維持するため、両基板間には、大気圧支持機構として多数の板状あるいは柱状のスペーサが配置されている。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−184328号公報
【0005】
【特許文献2】
特開2002−184331号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
前述した構成の外囲器の製造工程において、対向配置される前面基板と背面基板との間隔が重要である。この間隔はスペーサの高さと蛍光面の厚さとを合わせた寸法(以下、支持高さと称する)。そのため、側壁と接合材とを合わせた厚さ(以下、接合厚と称する)を支持高さと同じにする必要がある。接合厚が支持高さよりも大きいと、接合部近傍のスペーサと基板との間に隙間ができてしまう。その結果、外囲器内を真空にした場合、基板に過度の歪が生じ基板破損の要因となる。逆に、接合厚が支持高さより小さいと、接合部近傍のスペーサに過度の荷重が加わるとともに接合部が開く方向の応カが生じ接合部破綻の要因となる。
【0007】
本発明は、以上の点に鑑みなされたもので、その目的は、接合厚を高い精度で規制することができ、外囲器に作用する余分な歪みを低減し、長期間に渡って高い表示性能を維持することが可能な画像表示装置およびその製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、この発明の態様に係る画像表示装置は、画像表示面が形成された前面基板と、上記画像表示面と所定の位置関係に配置された複数の電子源を有し、上記前面基板に対向配置された背面基板と、上記蛍光面外側で上記前面基板と背面基板との間に接合された枠状の側壁と、上記画像表示面と背面基板との間に設けられ上記前面基板および背面基板に作用する大気圧荷重を支持した複数の支持部材と、を備えている。上記前面基板および背面基板の少なくとも一方の基板と上記側壁とを接合した接合材は、所定の寸法を有し上記少なくとも一方の基板と側壁との隙間を規制した隙間規制部材が混入されていることを特徴としている。
【0009】
また、この発明の他の態様に係る画像表示装置の製造方法は、画像表示面が形成された前面基板と、上記画像表示面と所定の位置関係に配置された複数の電子源を有し、上記前面基板に対向配置された背面基板と、上記蛍光面外側で上記前面基板と背面基板との間に接合された枠状の側壁と、上記画像表示面と背面基板との間に設けられ上記前面基板および背面基板に作用する大気圧荷重を支持した複数の支持部材と、を備えた画像表示装置の製造方法において、
上記前面基板および背面基板の少なくとも一方の基板と上記側壁の接合面との少なくとも一方に、所定寸法の隙間規制部材が混入された接合材を設け、
上記隙間規制部材により上記少なくとも一方の基板と側壁の接合面との隙間を規制した状態で、上記少なくとも一方の基板と側壁の接合面とを上記接合材により接合することを特徴としている。
【0010】
上記のように構成された画像表示装置およびその製造方法によれば、基板と側壁と接合する際、所定寸法の隙間規制部材が混入された接合材を用いることにより、基板と側壁との隙間を隙間規制部材により所定値に規制し、外囲器の接合厚を高い精度で所望の値に形成することが可能となる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下図面を参照しながら、この発明の実施の形態に係る画像表示装置およびその製造方法について詳細に説明する。始めに、画像表示装置として、表面伝導型の電子放出素子を備えたFEDを例にとって説明する。
【0012】
図1および図2に示すように、このFEDは、それぞれ矩形状のガラス板からなる前面基板11および背面基板12を備え、これらの基板は約1〜2mmの隙間をおいて対向配置されている。そして、前面基板11および背面基板12は、ガラスからなる矩形枠状の側壁13を介して周縁部同志が接合され、内部が真空の扁平な真空外囲器10を構成している。側壁13は、それぞれ前面基板側の接合材23および背面基板側の接合材24により前面基板および背面基板に接合されている。
【0013】
前面基板11の内面上には、画像表示面として、赤、緑、青の蛍光体層16とマトリクス状の黒色遮光層17とを有した蛍光体スクリーン15が形成されている。これらの蛍光体層16はストライプ状あるいはドット状に形成してもよい。蛍光体スクリーン15上には、アルミニウム膜等からなるメタルバック20が形成され、更に、メタルバックに重ねてゲッタ膜22が形成されている。なお、本実施の形態において、蛍光体スクリーン15、メタルバック20、ゲッタ膜を含めて画像表示面としている。
【0014】
背面基板12の内面上には、蛍光体スクリーン15の蛍光体層16を励起する電子源として、それぞれ電子ビームを放出する多数の表面伝導型の電子放出素子18が設けられている。これらの電子放出素子18は、画素毎に対応して複数列および複数行に配列されている。各電子放出素子18は、図示しない電子放出部、この電子放出部に電圧を印加する一対の素子電極等で構成されている。また、背面基板12の内面上には、電子放出素子18に電位を供給する多数本の配線21がマトリック状に設けられ、その端部は真空外囲器10の外部に引出されている。
【0015】
真空外囲器10の内部には、前面基板11および背面基板12に加わる大気圧荷重を支えるため、支持部材として機能する複数のスペーサ14が設けられている。スペーサ14としては、板状あるいは柱状のスペーサ等を用いることができる。各スペーサ14は、その一端が前面基板11側の画像表示面に当接し、他端が背面基板12に当接している。これにより、前面基板11と背面基板12との間隔はdに設定されている。そして、スペーサの高さと画像表示面の厚さとを合わせた支持高さ、および、側壁13と接合材23、24とを合わせた接合厚は、理想的には間隔dに一致している。
【0016】
このようなFEDでは、画像を表示する場合、蛍光体スクリーン15およびメタルバック20にアノード電圧を印加し、電子放出素子18から放出された電子ビームをアノード電圧により加速して蛍光体スクリーンへ衝突させる。これにより、蛍光体スクリーン15の蛍光体層16が励起されて発光し、カラー画像を表示する。
【0017】
次に、上記のように構成されたFEDの製造方法について説明する。ここでは、前面基板11、背面基板12、および側壁13を接合して真空外囲器を製造する方法について詳細に説明する。なお、真空外囲器10の接合厚さを1.5mmとした場合について説明する。
【0018】
図3(a)に示すように、まず、厚さ1mmに形成した側壁13を用意する。側壁13の背面基板側の接合面全周に、ペースト状のフリットガラス25に球状のガラスビーズ26を複数混入した接合材24を塗布する。隙間規制部材として機能するガラスビーズ26の最大粒径は0.3mmに形成されている。続いて、接合材24から溶剤を飛ばした後、図3(b)に示すように、側壁13を背面基板12の所定の位置にセットし接合材23を挟んで対向させる。次に、側壁13および背面基板12を加熱装置内で加熱し、接合材24のフリットガラス25を一時的に軟化させる。加熱温度は、フリットガラス25の軟化する温度以上でガラスの軟化する温度よりも低い温度に設定する。
【0019】
側壁13および背面基板12を加熱した状態で、図3(c)に示すように、側壁13および背面基板12を互いに接近する方向へ加圧する。加圧により、一時的に軟化した接合材23のフリットガラス25は潰れ、ガラスビーズ26は潰れることなく側壁13および背面基板12に接触する。これにより、側壁13と背面基板12との隙間は、これらの間に挟持されたガラスビーズ26の粒径により規制され、それ以上狭くなることなく維持される。その後、接合材24を冷却するとフリットガラス25が硬化し、側壁13と背面基板12とが接合される。この際、接合材24および側壁13を含む接合厚は、1.3mmとなる。
【0020】
続いて、図4(a)に示すように、側壁13の前面基板側の接合面全周に、例えば、インジウム等の低融点金属27に球状のガラスビーズ28を複数混入した接合材23を塗布する。ガラスビーズ28の最大粒径は0.2mmに形成されている。その後、図4(b)に示すように、前面基板11を背面基板12に対して所定位置に位置決めした状態で、側壁13上に接合材23を介してセットする。なお、背面基板12と前面基板との間には、予め複数のスペーサ14を配置しておく。
【0021】
次に、前面基板11、側壁13および背面基板12を加熱装置内で加熱し、接合材23の低融点金属27を一時的に溶融状態とする。加熱温度は、低融点金属の溶融温度以上でフリットガラスが軟化する温度よりも低い温度に設定する。
【0022】
前面基板11、側壁13および背面基板12を加熱した状態で、図4(c)に示すように、前面基板11および側壁13が互いに接近する方向へ加圧する。加圧により、溶融した接合材24の低融点金属27は潰れ、ガラスビーズ28は潰れることなく側壁13と前面基板11との間に挟持される。これにより、側壁13と前面基板11との隙間は、ガラスビーズ28の粒径により規制され、それ以上狭くなることなく維持される。その後、接合材23を冷却すると低融点金属27が硬化し、側壁13と前面基板11とが接合される。これにより、真空外囲器10が形成され、この際、側壁13および接合材23、24を含む接合厚は、1.5mmとなる。
なお、側壁13と前面基板11との接合は、真空雰囲気中で行うことが望ましい。また、画像表示面およびスペーサ14を合わせた支持高さは1.5mmに形成されている。
【0023】
以上のように構成されたFEDおよびその製造方法によれば、接合材23、24にそれぞれ所定の粒径を有したビーズを混入することにより、接合後における側壁13と背面基板12との隙間、および側壁13と前面基板11との隙間をビーズにより所定の値に規制し、真空外囲器10の接合厚を高い精度で所望の値に形成することができる。これにより、接合厚と支持高さを一致させ、真空外気器に作用する余分な歪みを低減することができ、その結果、長期間に渡って高い表示性能を維持することが可能な画像表示装置を得ることができる。
【0024】
なお、この発明は上述した実施の形態に限定されることなく、この発明の範囲内で種々変形可能である。各構成要素の寸法、材料等は、上述の実施の形態で示した数値、材料に限定されることなく、必要に応じて種々選択可能である。例えば、接合厚および支持高さは必要に応じて変更可能であり、側壁の厚さ、ビーズの粒径は接合厚、支持高さに応じて任意に変更可能である。また、ビーズはガラスに限らず、セラミック等の他の材料を用いることのできる。同様に、点融点金属としてはインジウムに限らず、他の材料を用いることも可能である。更に、隙間規制部材は球状のビーズに限らず、他の形状としてもよい。
【0025】
上述した実施の形態では、背面基板と側壁とを接合した後、前面基板を接合する構成としたが、同じ接合材を使用して前面基板、背面基板、側壁を同時に接合する構成としてもよい。この場合、接合材としてフリットガラス、低融点金属のいずれを用いてもよい。また、接合材23、24の両方に隙間規制部材を混入する構成としたが、接合材23、24の少なくとも一方に隙間規制部材を混入した場合でも、接合厚の寸法精度を大幅に向上することが可能である。更に、接合材は、側壁側に限らず基板側あるいは両側に塗布する構成としてもよい。
この発明は、FEDに限らず、PDP等の他の画像表示装置の製造に適用してもよい。
【0026】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、接合厚を高い精度で規制することができ、外囲器に作用する余分な歪みを低減し、長期間に渡って高い表示性能を維持することが可能な画像表示装置およびその製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態に係るFEDを示す斜視図。
【図2】図1の線A−Aに沿った上記FEDの断面図。
【図3】上記FEDの製造工程において、背面基板に側壁とを接合する工程をそれぞれ示す断面図。
【図4】上記FEDの製造工程において、前面基板と側壁とを接合する工程をそれぞれ示す断面図。
【符号の説明】
10…真空外囲器、 11…前面基板、 12…背面基板、
13…側壁、 15…蛍光体スクリーン、 18…電子放出素子、
20…メタルバッタ、 23、24…接合材、
26、28…ガラスビーズ
【発明の属する技術分野】
この発明は、画像表示装置に関し、特に、対向配置された前面基板および背面基板を備えた画像表示装置およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、陰極線管(以下、CRTと称する)に代わる次世代の軽量、薄型の表示装置として様々な平面型の画像表示装置が注目されている。その中に、主として電界による電子放出を利用した画像表示装置がある(例えば、特許文献1および特許文献2)。これらの画像表示装置は、所定の間隔をおいて対向配置された前面基板および背面基板を備え、これらの基板は矩形枠状の側壁を介して周辺部を互いに接合することにより真空外囲器を構成している。前面基板、背面基板、および側壁の接合には、通常、フリットガラス等の低融点ガラスからなる接合材が用いられている。
【0003】
前面基板の内面には3色の蛍光体層が形成され、背面基板の内面には、蛍光体を励起する電子源として多数の電子放出素子が配列されている。上記のような画像表示装置において、前面基板と背面基板との間は真空であるため、前面基板、背面基板には大気圧荷重が作用する。そこで、これらの基板に作用する大気圧荷重を支持し基板間の隙間を維持するため、両基板間には、大気圧支持機構として多数の板状あるいは柱状のスペーサが配置されている。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−184328号公報
【0005】
【特許文献2】
特開2002−184331号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
前述した構成の外囲器の製造工程において、対向配置される前面基板と背面基板との間隔が重要である。この間隔はスペーサの高さと蛍光面の厚さとを合わせた寸法(以下、支持高さと称する)。そのため、側壁と接合材とを合わせた厚さ(以下、接合厚と称する)を支持高さと同じにする必要がある。接合厚が支持高さよりも大きいと、接合部近傍のスペーサと基板との間に隙間ができてしまう。その結果、外囲器内を真空にした場合、基板に過度の歪が生じ基板破損の要因となる。逆に、接合厚が支持高さより小さいと、接合部近傍のスペーサに過度の荷重が加わるとともに接合部が開く方向の応カが生じ接合部破綻の要因となる。
【0007】
本発明は、以上の点に鑑みなされたもので、その目的は、接合厚を高い精度で規制することができ、外囲器に作用する余分な歪みを低減し、長期間に渡って高い表示性能を維持することが可能な画像表示装置およびその製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、この発明の態様に係る画像表示装置は、画像表示面が形成された前面基板と、上記画像表示面と所定の位置関係に配置された複数の電子源を有し、上記前面基板に対向配置された背面基板と、上記蛍光面外側で上記前面基板と背面基板との間に接合された枠状の側壁と、上記画像表示面と背面基板との間に設けられ上記前面基板および背面基板に作用する大気圧荷重を支持した複数の支持部材と、を備えている。上記前面基板および背面基板の少なくとも一方の基板と上記側壁とを接合した接合材は、所定の寸法を有し上記少なくとも一方の基板と側壁との隙間を規制した隙間規制部材が混入されていることを特徴としている。
【0009】
また、この発明の他の態様に係る画像表示装置の製造方法は、画像表示面が形成された前面基板と、上記画像表示面と所定の位置関係に配置された複数の電子源を有し、上記前面基板に対向配置された背面基板と、上記蛍光面外側で上記前面基板と背面基板との間に接合された枠状の側壁と、上記画像表示面と背面基板との間に設けられ上記前面基板および背面基板に作用する大気圧荷重を支持した複数の支持部材と、を備えた画像表示装置の製造方法において、
上記前面基板および背面基板の少なくとも一方の基板と上記側壁の接合面との少なくとも一方に、所定寸法の隙間規制部材が混入された接合材を設け、
上記隙間規制部材により上記少なくとも一方の基板と側壁の接合面との隙間を規制した状態で、上記少なくとも一方の基板と側壁の接合面とを上記接合材により接合することを特徴としている。
【0010】
上記のように構成された画像表示装置およびその製造方法によれば、基板と側壁と接合する際、所定寸法の隙間規制部材が混入された接合材を用いることにより、基板と側壁との隙間を隙間規制部材により所定値に規制し、外囲器の接合厚を高い精度で所望の値に形成することが可能となる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下図面を参照しながら、この発明の実施の形態に係る画像表示装置およびその製造方法について詳細に説明する。始めに、画像表示装置として、表面伝導型の電子放出素子を備えたFEDを例にとって説明する。
【0012】
図1および図2に示すように、このFEDは、それぞれ矩形状のガラス板からなる前面基板11および背面基板12を備え、これらの基板は約1〜2mmの隙間をおいて対向配置されている。そして、前面基板11および背面基板12は、ガラスからなる矩形枠状の側壁13を介して周縁部同志が接合され、内部が真空の扁平な真空外囲器10を構成している。側壁13は、それぞれ前面基板側の接合材23および背面基板側の接合材24により前面基板および背面基板に接合されている。
【0013】
前面基板11の内面上には、画像表示面として、赤、緑、青の蛍光体層16とマトリクス状の黒色遮光層17とを有した蛍光体スクリーン15が形成されている。これらの蛍光体層16はストライプ状あるいはドット状に形成してもよい。蛍光体スクリーン15上には、アルミニウム膜等からなるメタルバック20が形成され、更に、メタルバックに重ねてゲッタ膜22が形成されている。なお、本実施の形態において、蛍光体スクリーン15、メタルバック20、ゲッタ膜を含めて画像表示面としている。
【0014】
背面基板12の内面上には、蛍光体スクリーン15の蛍光体層16を励起する電子源として、それぞれ電子ビームを放出する多数の表面伝導型の電子放出素子18が設けられている。これらの電子放出素子18は、画素毎に対応して複数列および複数行に配列されている。各電子放出素子18は、図示しない電子放出部、この電子放出部に電圧を印加する一対の素子電極等で構成されている。また、背面基板12の内面上には、電子放出素子18に電位を供給する多数本の配線21がマトリック状に設けられ、その端部は真空外囲器10の外部に引出されている。
【0015】
真空外囲器10の内部には、前面基板11および背面基板12に加わる大気圧荷重を支えるため、支持部材として機能する複数のスペーサ14が設けられている。スペーサ14としては、板状あるいは柱状のスペーサ等を用いることができる。各スペーサ14は、その一端が前面基板11側の画像表示面に当接し、他端が背面基板12に当接している。これにより、前面基板11と背面基板12との間隔はdに設定されている。そして、スペーサの高さと画像表示面の厚さとを合わせた支持高さ、および、側壁13と接合材23、24とを合わせた接合厚は、理想的には間隔dに一致している。
【0016】
このようなFEDでは、画像を表示する場合、蛍光体スクリーン15およびメタルバック20にアノード電圧を印加し、電子放出素子18から放出された電子ビームをアノード電圧により加速して蛍光体スクリーンへ衝突させる。これにより、蛍光体スクリーン15の蛍光体層16が励起されて発光し、カラー画像を表示する。
【0017】
次に、上記のように構成されたFEDの製造方法について説明する。ここでは、前面基板11、背面基板12、および側壁13を接合して真空外囲器を製造する方法について詳細に説明する。なお、真空外囲器10の接合厚さを1.5mmとした場合について説明する。
【0018】
図3(a)に示すように、まず、厚さ1mmに形成した側壁13を用意する。側壁13の背面基板側の接合面全周に、ペースト状のフリットガラス25に球状のガラスビーズ26を複数混入した接合材24を塗布する。隙間規制部材として機能するガラスビーズ26の最大粒径は0.3mmに形成されている。続いて、接合材24から溶剤を飛ばした後、図3(b)に示すように、側壁13を背面基板12の所定の位置にセットし接合材23を挟んで対向させる。次に、側壁13および背面基板12を加熱装置内で加熱し、接合材24のフリットガラス25を一時的に軟化させる。加熱温度は、フリットガラス25の軟化する温度以上でガラスの軟化する温度よりも低い温度に設定する。
【0019】
側壁13および背面基板12を加熱した状態で、図3(c)に示すように、側壁13および背面基板12を互いに接近する方向へ加圧する。加圧により、一時的に軟化した接合材23のフリットガラス25は潰れ、ガラスビーズ26は潰れることなく側壁13および背面基板12に接触する。これにより、側壁13と背面基板12との隙間は、これらの間に挟持されたガラスビーズ26の粒径により規制され、それ以上狭くなることなく維持される。その後、接合材24を冷却するとフリットガラス25が硬化し、側壁13と背面基板12とが接合される。この際、接合材24および側壁13を含む接合厚は、1.3mmとなる。
【0020】
続いて、図4(a)に示すように、側壁13の前面基板側の接合面全周に、例えば、インジウム等の低融点金属27に球状のガラスビーズ28を複数混入した接合材23を塗布する。ガラスビーズ28の最大粒径は0.2mmに形成されている。その後、図4(b)に示すように、前面基板11を背面基板12に対して所定位置に位置決めした状態で、側壁13上に接合材23を介してセットする。なお、背面基板12と前面基板との間には、予め複数のスペーサ14を配置しておく。
【0021】
次に、前面基板11、側壁13および背面基板12を加熱装置内で加熱し、接合材23の低融点金属27を一時的に溶融状態とする。加熱温度は、低融点金属の溶融温度以上でフリットガラスが軟化する温度よりも低い温度に設定する。
【0022】
前面基板11、側壁13および背面基板12を加熱した状態で、図4(c)に示すように、前面基板11および側壁13が互いに接近する方向へ加圧する。加圧により、溶融した接合材24の低融点金属27は潰れ、ガラスビーズ28は潰れることなく側壁13と前面基板11との間に挟持される。これにより、側壁13と前面基板11との隙間は、ガラスビーズ28の粒径により規制され、それ以上狭くなることなく維持される。その後、接合材23を冷却すると低融点金属27が硬化し、側壁13と前面基板11とが接合される。これにより、真空外囲器10が形成され、この際、側壁13および接合材23、24を含む接合厚は、1.5mmとなる。
なお、側壁13と前面基板11との接合は、真空雰囲気中で行うことが望ましい。また、画像表示面およびスペーサ14を合わせた支持高さは1.5mmに形成されている。
【0023】
以上のように構成されたFEDおよびその製造方法によれば、接合材23、24にそれぞれ所定の粒径を有したビーズを混入することにより、接合後における側壁13と背面基板12との隙間、および側壁13と前面基板11との隙間をビーズにより所定の値に規制し、真空外囲器10の接合厚を高い精度で所望の値に形成することができる。これにより、接合厚と支持高さを一致させ、真空外気器に作用する余分な歪みを低減することができ、その結果、長期間に渡って高い表示性能を維持することが可能な画像表示装置を得ることができる。
【0024】
なお、この発明は上述した実施の形態に限定されることなく、この発明の範囲内で種々変形可能である。各構成要素の寸法、材料等は、上述の実施の形態で示した数値、材料に限定されることなく、必要に応じて種々選択可能である。例えば、接合厚および支持高さは必要に応じて変更可能であり、側壁の厚さ、ビーズの粒径は接合厚、支持高さに応じて任意に変更可能である。また、ビーズはガラスに限らず、セラミック等の他の材料を用いることのできる。同様に、点融点金属としてはインジウムに限らず、他の材料を用いることも可能である。更に、隙間規制部材は球状のビーズに限らず、他の形状としてもよい。
【0025】
上述した実施の形態では、背面基板と側壁とを接合した後、前面基板を接合する構成としたが、同じ接合材を使用して前面基板、背面基板、側壁を同時に接合する構成としてもよい。この場合、接合材としてフリットガラス、低融点金属のいずれを用いてもよい。また、接合材23、24の両方に隙間規制部材を混入する構成としたが、接合材23、24の少なくとも一方に隙間規制部材を混入した場合でも、接合厚の寸法精度を大幅に向上することが可能である。更に、接合材は、側壁側に限らず基板側あるいは両側に塗布する構成としてもよい。
この発明は、FEDに限らず、PDP等の他の画像表示装置の製造に適用してもよい。
【0026】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、接合厚を高い精度で規制することができ、外囲器に作用する余分な歪みを低減し、長期間に渡って高い表示性能を維持することが可能な画像表示装置およびその製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態に係るFEDを示す斜視図。
【図2】図1の線A−Aに沿った上記FEDの断面図。
【図3】上記FEDの製造工程において、背面基板に側壁とを接合する工程をそれぞれ示す断面図。
【図4】上記FEDの製造工程において、前面基板と側壁とを接合する工程をそれぞれ示す断面図。
【符号の説明】
10…真空外囲器、 11…前面基板、 12…背面基板、
13…側壁、 15…蛍光体スクリーン、 18…電子放出素子、
20…メタルバッタ、 23、24…接合材、
26、28…ガラスビーズ
Claims (12)
- 画像表示面が形成された前面基板と、上記画像表示面と所定の位置関係に配置された複数の電子源を有し、上記前面基板に対向配置された背面基板と、上記蛍光面外側で上記前面基板と背面基板との間に接合された枠状の側壁と、上記画像表示面と背面基板との間に設けられ上記前面基板および背面基板に作用する大気圧荷重を支持した複数の支持部材と、を備え、
上記前面基板および背面基板の少なくとも一方の基板と上記側壁とを接合した接合材は、所定の寸法を有し上記少なくとも一方の基板と側壁との隙間を規制した隙間規制部材が混入されていることを特徴とする画像表示装置。 - 上記前面基板と側壁との間を接合した接合材、および上記背面基板と側壁とを接合した接合材を有し、上記接合材は、それぞれ所定寸法を有し上記前面基板と側壁との隙間および上記背面基板と側壁との隙間を規制した隙間規制部材が混入されていることを特徴とする請求項1に記載の画像表示装置。
- 上記隙間規制部材は、複数の粒状のビーズを含んでいることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像表示装置。
- 上記隙間規制部材は、ガラスビーズで形成されていることを特徴とする請求項3に記載の画像表示装置。
- 上記接合材は低融点ガラスを含んでいることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の画像表示装置。
- 上記接合材は低融点金属を含んでいることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の画像表示装置。
- 画像表示面が形成された前面基板と、上記画像表示面と所定の位置関係に配置された複数の電子源を有し、上記前面基板に対向配置された背面基板と、上記蛍光面外側で上記前面基板と背面基板との間に接合された枠状の側壁と、上記画像表示面と背面基板との間に設けられ上記前面基板および背面基板に作用する大気圧荷重を支持した複数の支持部材と、を備えた画像表示装置の製造方法において、
上記前面基板および背面基板の少なくとも一方の基板と上記側壁の接合面との少なくとも一方に、所定寸法の隙間規制部材が混入された接合材を設け、
上記隙間規制部材により上記少なくとも一方の基板と側壁の接合面との隙間を規制した状態で、上記少なくとも一方の基板と側壁の接合面とを上記接合材により接合することを特徴とする画像表示装置の製造方法。 - 上記接合材を加熱して一時的に軟化あるいは溶融させた状態で、上記少なくとも一方の基板と側壁とを互いに接近する方向に加圧し、上記隙間規制部材を上記少なくとも一方の基板と側壁の接合面との間に挟持して接合することを特徴とする請求項7に記載の画像表示装置の製造方法。
- 上記隙間規制部材として複数の粒状のビーズを用いることを特徴とする請求項7又は8に記載の画像表示装置の製造方法。
- 上記隙間規制部材としてガラスビーズを用いることを特徴とする請求項9に記載の画像表示装置の製造方法。
- 上記接合材として低融点ガラスを用いることを特徴とする請求項7ないし10のいずれか1項に記載の画像表示装置の製造方法。
- 上記接合材として低融点金属を用いることを特徴とする請求項7ないし10のいずれか1項に記載の画像表示装置の製造方法。
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JP2003012196A JP2004227833A (ja) | 2003-01-21 | 2003-01-21 | 画像表示装置およびその製造方法 |
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JP2010102947A (ja) * | 2008-10-23 | 2010-05-06 | Canon Inc | 外囲器、画像表示装置及び映像受信表示装置、並びにそれらの製造方法 |
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2003
- 2003-01-21 JP JP2003012196A patent/JP2004227833A/ja active Pending
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