JP2004227276A - 人間のコミュニケーション行動記録システムおよび方法 - Google Patents
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Abstract
【構成】コミュニケーション行動記録システム10は、コミュニケーションロボット12を含む。ロボット12は、人間に対して、身振りおよび音声の少なくとも一方を含む行動を提示する。そして、このロボット12による提示行動に対しての人間の反応が記録される。人間の身体動作は複数のカメラ16を含むモーションキャプチャシステムによって取得され、人間の発話はマイク18から音声データとして取得される。取得した人間の行動データは、ロボット12の提示した行動に対応付けて人間行動DB24に格納される。ロボット12は、常に完全に同一の行動を提示することができる。したがって、ロボット12によって一定の状況を作り出すことができる。
【効果】一定の状況における人間のコミュニケーション行動を記録することができる。
【選択図】 図2
【効果】一定の状況における人間のコミュニケーション行動を記録することができる。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は人間のコミュニケーション行動記録システムおよび方法に関し、特にたとえばコミュニケーションにおける人間の身振り(身体動作)および発話等を含む行動を記録する、人間のコミュニケーション行動記録システムおよび方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、たとえばモニタに表示される3次元アニメーションでのキャラクタの動きをリアルに表現するために、あるいは人間工学の研究等において、人間の実際の身振りを3次元データとして取得するモーションキャプチャシステムはよく知られている(たとえば特許文献1および2参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平7−185131号公報
【特許文献2】
特開2001−134767号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来のモーションキャプチャにおいては、人間が基本的に単独で行っているたとえば舞踊や格闘等の身体動作をキャプチャするようにしている。ところで、人間のコミュニケーション動作を記録することを考えると、その被験者(キャプチャされる人間)に対して人間に相手をさせることが考えられる。しかしながら、その対話相手たる人間は(たとえプロフェッショナルの俳優を雇ったとしても)常に一定の動作を行うことは不可能であり、どうしても動作にばらつきが生じてしまう。したがって、その対話相手によって被験者の身体動作に微妙な違いを生じさせてしまうという問題がある。つまり、対話相手が人間の場合、常に一定の状況を作り出すことができないので、正確なコミュニケーション行動を記録することが困難である。
【0005】
それゆえに、この発明の主たる目的は、一定状況下で人間のコミュニケーション行動を記録することができる、人間のコミュニケーション行動記録システムおよび方法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
第1の発明は、人間のコミュニケーション行動を記録するためのコミュニケーション行動記録システムであって、身振りおよび音声の少なくとも一方を含む行動を人間に対して提示するコミュニケーションロボット、およびコミュニケーションロボットの提示した行動に反応する人間の行動情報を取得する取得手段を備える、コミュニケーション行動記録システムである。
【0007】
第2の発明は、人間のコミュニケーション行動を記録するための方法であって、(a) コミュニケーションロボットによって、身振りおよび音声の少なくとも一方を含む行動を人間に対して提示し、そして、(b) コミュニケーションロボットによって提示された行動に反応する人間の行動に関する行動情報を取得する、コミュニケーション行動記録方法である。
【0008】
【作用】
コミュニケーション行動記録システムは、コミュニケーションロボット(以下、単に「ロボット」ともいう。)を含む。ロボットは、人間に対して、身振りおよび音声の少なくとも一方を含む行動を提示する。人間は、このロボットによる提示行動に対して何らかの反応を示すはずであり、取得手段によって、この人間による反応すなわちコミュニケーション行動に関する行動情報が取得される。ロボットは、人間とは異なり、どのような対話相手や時間等であっても、常に完全に同一の行動を提示することができる。したがって、ロボットによって一定の状況を作り出すことができるので、一定の状況における人間のコミュニケーション行動を記録することができる。
【0009】
また、取得手段によって取得した行動情報は、記憶手段によって、ロボットの提示した行動に対応付けて格納するようにしてよい。これによって、ロボットの特定行動と対応付けられた人間のコミュニケーション行動データベースを得ることができる。
【0010】
また、人間は身体動作を用いてコミュニケーション行動をするので、取得手段は動作取得手段を含んで構成されてよい。この動作取得手段によって、人間の行動情報として人間の身体の動作に関する身体動作情報が取得される。
【0011】
さらに、動作取得手段は、複数のカメラ、位置検出手段、および算出手段を含んで構成されてよい。複数のカメラはコミュニケーションロボットおよび人間に対して互いに異なる方向となるように設けられる。位置検出手段は、複数のカメラから得られた画像に基づいて、人間の身体の特徴点の位置情報を検出する。この特徴点は、身体の動作を特定可能な部分に相当し、たとえば頭頂,首,肩,肘等であり得る。そして、算出手段によって、位置情報に基づいて人間の身体の特定部位の動作に関する部位動作情報が算出される。この部位動作情報は、たとえば首関節,肩関節,肘関節等の特定部位の回転角度情報であり得る。これによって、人間の身体動作を把握することができる。
【0012】
また、人間は発話を用いてコミュニケーション行動をするので、取得手段は発話取得手段を含んで構成されてよい。この発話取得手段によって、人間の行動情報としての発話情報が取得される。
【0013】
さらにまた、ロボットに対して提示情報を送信する送信手段を備えるようにしてもよい。この場合には、ロボットは、送信手段によって送信された提示情報を受信する受信手段を含んで構成される。そして、ロボットは、受信手段によって受信した提示情報に従った行動を提示する。
【0014】
【発明の効果】
この発明によれば、コミュニケーションロボットが、人間とは異なり、一定の状況を作り出すことができるので、一定状況下での人間のコミュニケーション行動を記録することができる。記録されたデータは、たとえば人間同士のコミュニケーションのメカニズムの解明やコミュニケーションロボットの開発など幅広い応用が可能である。
【0015】
この発明の上述の目的,その他の目的,特徴および利点は、図面を参照して行う以下の実施例の詳細な説明から一層明らかとなろう。
【0016】
【実施例】
図1を参照して、この実施例のコミュニケーション行動記録システム(以下、単に「システム」ともいう。)10は、コミュニケーションにおける人間の行動を記録するためのものであり、コミュニケーションロボット(以下、単に「ロボット」ともいう。)12を含む。
【0017】
ロボット12は、人間14に対して身振り(ジェスチャ)および音声の少なくとも一方を含んだ行動を提示して、その意図を伝達し、人間14とコミュニケーションを図ろうとする。したがって、人間14は、このロボット12の行動に対して身体動作および発話の少なくとも一方を含んだ何らかの反応を示すこととなる。つまり、このシステム10では、ロボット12によって先に人間14に対して行動が提示され、そして、このロボット12の提示行動に起因して誘発された人間14の反応すなわちコミュニケーション行動が記録される。
【0018】
人間14のコミュニケーション行動のうち身体動作は、この実施例では公知のモーションキャプチャシステムを適用することによって取得される。具体的には、複数のカメラ16がロボット12および人間14に対して互いに異なる方向となる所定位置に配置される。たとえば、12台のカメラ16が、ロボット12および人間14の頭頂部よりも高い位置でこれらを取り囲むように部屋の天井付近の壁等に設置される。なお、原理的にはカメラ16は3台あればよい。これにより、互いに異なる複数の方向からロボット12および人間14を俯瞰するような映像(動画像)が撮像され、その所定周期毎の画像データ(時系列)が取得される。
【0019】
また、人間14のコミュニケーション行動のうち発話は、部屋内の適宜な位置に設けられたマイク18から所定周期毎の音声データ(時系列)として取得される。複数のカメラ16およびマイク18は互いに同期している。なお、マイク18は人間14の口の近辺たとえば胸等に取り付けられてもよい。
【0020】
図2には、このシステム10の全体的な構成を示すブロック図が示される。図2に示すように、システム10は行動記録処理コンピュータ20を含む。この行動記録処理コンピュータ20は、たとえば、PCやワークステーションのようなコンピュータからなり、図示しないCPU,RAM,HDD,表示装置,入力装置および通信装置等を備えている。この行動記録処理を実行するための各種プログラムおよびデータはたとえば主記憶装置としてのHDDに格納されていて、CPUはこのプログラムに従って処理を実行する。通信装置によってこの行動記録処理コンピュータ20はロボット12との間でデータ通信可能にされる。たとえば、これら行動記録処理コンピュータ20およびロボット12は無線LANを介して接続される。
【0021】
行動記録処理コンピュータ20には、複数のカメラ16,16,16が図示しないそれぞれのA/D変換器を介して接続されるとともに、マイク18も図示しないA/D変換器を介して接続される。なお、この図2ではカメラ16を3台のみ示している。
【0022】
また、行動記録処理コンピュータ20には、ロボット12に所定の行動を実行させるための情報が格納されているロボット行動データベース(DB)22、および取得した人間のコミュニケーション行動を格納するための人間行動DB24がそれぞれ接続される。
【0023】
行動記録処理コンピュータ20は、ロボット行動DB22から所望の行動データを読み出してロボット12に送信する。ロボット12は、行動データを受信するとその行動データに従った行動を実行することによって、人間にコミュニケーション行動を提示することができる。
【0024】
ここで、この実施例で適用されるロボット12について説明する。図3を参照して、ロボット12は、台車28を含み、この台車28の下面には、このロボット12を自律移動させる車輪30が設けられる。この車輪30は、車輪モータ(図4において参照番号「86」で示す。)によって駆動され、台車28すなわちロボット12を前後左右任意の方向に動かすことができる。なお、図示しないが、この台車28の前面には、衝突センサ(ロボット12の内部構成を示す図4において、参照番号「94」で示す。)が取り付けられ、この衝突センサは、台車28への人や他の障害物の接触を検知する。そして、ロボット12の移動中に障害物との接触を検知すると、直ちに車輪30の駆動を停止してロボット12の移動を急停止させて衝突を未然に防ぐ。
【0025】
なお、ロボット12の背の高さは、この実施例では、人、特に子供に威圧感をあたえることがないように、100cm程度とされている。ただし、この背の高さは任意に変更可能である。
【0026】
台車28の上には、多角形柱のセンサ取付パネル32が設けられ、このセンサ取付パネル32の各面には、超音波距離センサ34が取り付けられる。この超音波距離センサ34は、取付パネル32すなわちロボット12の周囲の主として人との間の距離を計測するものである。
【0027】
台車28の上には、さらに、下部が上述の取付パネル32に囲まれて、ロボット12の胴体が直立するように取り付けられる。この胴体は下部胴体36と上部胴体38とから構成され、これら下部胴体36および上部胴体38は、連結部40によって、連結される。連結部40には、図示しないが、昇降機構が内蔵されていて、この昇降機構を用いることによって、上部胴体38の高さすなわちロボット12の高さを変化させることができる。昇降機構は、後述のように、腰モータ(図4において参照番号「84」で示す。)によって駆動される。上で述べたロボット12の身長100cmは、上部胴体38をそれの最下位置にしたときの値である。したがって、ロボット12の身長は100cm以上にすることができる。
【0028】
上部胴体38のほぼ中央には、1つの全方位カメラ42と、1つのマイク44とが設けられる。全方位カメラ42は、ロボット12の周囲を撮影するもので、後述の眼カメラ64と区別される。マイク44は、周囲の音、とりわけ人の声を取り込む。
【0029】
上部胴体38の両肩には、それぞれ、肩関節46Rおよび46Lによって、上腕48Rおよび48Lが取り付けられる。肩関節46Rおよび46Lは、それぞれ3軸の自由度を有する。すなわち、肩関節46Rは、X軸,Y軸およびZ軸のそれぞれの軸廻りにおいて上腕48Rの角度を制御できる。Y軸は、上腕48Rの長手方向(または軸)に平行な軸であり、X軸およびZ軸は、そのY軸に、それぞれ異なる方向から直交する軸である。肩関節46Lは、A軸,B軸およびC軸のそれぞれの軸廻りにおいて上腕48Lの角度を制御できる。B軸は、上腕48Lの長手方向(または軸)に平行な軸であり、A軸およびC軸は、そのB軸に、それぞれ異なる方向から直交する軸である。
【0030】
上腕48Rおよび48Lのそれぞれの先端には、肘関節50Rおよび50Lを介して、前腕52Rおよび52Lが取り付けられる。肘関節50Rおよび50Lは、それぞれ、W軸およびD軸の軸廻りにおいて、前腕52Rおよび52Lの角度を制御できる。
【0031】
なお、上腕48Rおよび48Lならびに前腕52Rおよび52L(いずれも図3)の変位を制御するX,Y,Z,W軸およびA,B,C,D軸では、「0度」がホームポジションであり、このホームポジションでは、上腕48Rおよび48Lならびに前腕52Rおよび52Lは下方向に向けられる。
【0032】
また、図示しないが、上部胴体38の肩関節46Rおよび46Lを含む肩の部分や上述の上腕48Rおよび48Lならびに前腕52Rおよび52Lには、それぞれ、タッチセンサが設けられていて、これらのタッチセンサは、人がロボット12のこれらの部位に接触したかどうかを検知する。これらのタッチセンサも図4において参照番号92で包括的に示す。
【0033】
前腕52Rおよび52Lのそれぞれの先端には、手に相当する球体54Rおよび54Lがそれぞれ固定的に取り付けられる。なお、この球体54Rおよび54Lに代えて、この実施例のロボット12と異なり指の機能が必要な場合には、人の手の形をした「手」を用いることも可能である。
【0034】
なお、ロボット12の形状・寸法等は適宜に設定されるが、他の実施例では、たとえば、上部胴体38は、前面,背面,右側面,左側面,上面および底面を含み、右側面および左側面は表面が斜め前方に向くように形成してもよい。つまり、前面の横幅が背面の横幅よりも短く、上部胴体38を上から見た形状が台形になるように形成されてもよい。このような場合、肩関節46Rおよび46Lは、右側面および左側面に、その表面が左右両側面とそれぞれ平行である左右の支持部を介して取り付けられる。そして、上腕48Rおよび上腕48Lの回動範囲は、これら左右側面または支持部の表面(取り付け面)によって規制され、上腕48Rおよび48Lは取り付け面を超えて回動することはない。しかし、左右側面の傾斜角,B軸とY軸との間隔,上腕48Rおよび48Lの長さ,ならびに前腕52Rおよび52Lの長さ等を適宜に設定すれば、上腕48Rおよび48Lは前方を越えてより内側まで回動できるので、たとえW軸およびD軸による腕の自由度がなくてもロボット12の腕は前方で交差できる。したがって、腕の自由度が少ない場合でも正面に位置する人と抱き合うなどの密接なコミュニケーションを図ることができる。
【0035】
上部胴体38の中央上方には、首関節56を介して、頭部58が取り付けられる。この首関節56は、3つの自由度を有し、S軸,T軸およびU軸の各軸廻りに角度制御可能である。S軸は首から真上に向かう軸であり、T軸およびU軸は、それぞれ、このS軸に対して異なる方向で直交する軸である。頭部58には、人の口に相当する位置に、スピーカ60が設けられる。スピーカ60は、ロボット12が、それの周囲の人に対して音声または声によってコミュニケーションを図るために用いられる。ただし、スピーカ60は、ロボット12の他の部位たとえば胴体に設けられてもよい。
【0036】
また、頭部58には、目に相当する位置に眼球部62Rおよび62Lが設けられる。眼球部62Rおよび62Lは、それぞれ眼カメラ64Rおよび64Lを含む。なお、右の眼球部62Rおよび左の眼球部62Lをまとめて眼球部62といい、右の眼カメラ64Rおよび左の眼カメラ64Lをまとめて眼カメラ64ということもある。眼カメラ64は、ロボット12に接近した人の顔や他の部分ないし物体等を撮影してその映像信号を取り込む。
【0037】
なお、上述の全方位カメラ42および眼カメラ64のいずれも、たとえばCCDやCMOSのように固体撮像素子を用いるカメラであってよい。
【0038】
たとえば、眼カメラ64は眼球部62内に固定され、眼球部62は眼球支持部(図示せず)を介して頭部58内の所定位置に取り付けられる。眼球支持部は、2軸の自由度を有し、α軸およびβ軸の各軸廻りに角度制御可能である。α軸およびβ軸は頭部58に対して設定される軸であり、α軸は頭部58の上へ向かう方向の軸であり、β軸はα軸に直交しかつ頭部58の正面側(顔)が向く方向に直交する方向の軸である。この実施例では、頭部58がホームポジションにあるとき、α軸はS軸に平行し、β軸はU軸に平行するように設定されている。このような頭部58において、眼球支持部がα軸およびβ軸の各軸廻りに回転されることによって、眼球部62ないし眼カメラ64の先端(正面)側が変位され、カメラ軸すなわち視線方向が移動される。
【0039】
なお、眼カメラ64の変位を制御するα軸およびβ軸では、「0度」がホームポジションであり、このホームポジションでは、図3に示すように、眼カメラ64のカメラ軸は頭部58の正面側(顔)が向く方向に向けられ、視線は正視状態となる。
【0040】
図4には、ロボット12の内部構成を示すブロック図が示される。図4に示すように、このロボット12は、全体の制御のためにマイクロコンピュータまたはCPU66を含み、このCPU66には、バス68を通して、メモリ70,モータ制御ボード72,センサ入力/出力ボード74および音声入力/出力ボード76が接続される。
【0041】
メモリ70は、図示しないが、ROMやRAMを含み、ROMにはこのロボット12の制御プログラムおよびデータ等が予め書き込まれている。RAMは、一時記憶メモリとして用いられるとともに、ワーキングメモリとして利用され得る。
【0042】
モータ制御ボード72は、たとえばDSP(Digital Signal Processor)で構成され、各腕や頭部および眼球部等の各軸モータを制御する。すなわち、モータ制御ボード72は、CPU66からの制御データを受け、右肩関節46RのX,YおよびZ軸のそれぞれの角度を制御する3つのモータと右肘関節50Rの軸Wの角度を制御する1つのモータとの計4つのモータ(図4ではまとめて、「右腕モータ」として示す。)78の回転角度を調節する。また、モータ制御ボード72は、左肩関節46LのA,BおよびC軸のそれぞれの角度を制御する3つのモータと左肘関節50LのD軸の角度を制御する1つのモータとの計4つのモータ(図4ではまとめて、「左腕モータ」として示す。)80の回転角度を調節する。モータ制御ボード72は、また、頭部58のS,TおよびU軸のそれぞれの角度を制御する3つのモータ(図4ではまとめて、「頭部モータ」として示す。)82の回転角度を調節する。モータ制御ボード72は、また、腰モータ84、および車輪30を駆動する2つのモータ(図4ではまとめて、「車輪モータ」として示す。)86を制御する。さらに、モータ制御ボード72は、右眼球部62Rのα軸およびβ軸のそれぞれの角度を制御する2つのモータ(図4ではまとめて、「右眼球モータ」として示す。)88の回転角度を調節し、また、左眼球部62Lのα軸およびβ軸のそれぞれの角度を制御する2つのモータ(図4ではまとめて、「左眼球モータ」として示す。)90の回転角度を調節する。
【0043】
なお、この実施例の上述のモータは、車輪モータ86を除いて、制御を簡単化するためにそれぞれステッピングモータまたはパルスモータであるが、車輪モータ86と同様に、直流モータであってよい。
【0044】
センサ入力/出力ボード74も、同様に、DSPで構成され、各センサやカメラからの信号を取り込んでCPU66に与える。すなわち、超音波距離センサ34の各々からの反射時間に関するデータがこのセンサ入力/出力ボード74を通して、CPU66に入力される。また、全方位カメラ42からの映像信号が、必要に応じてこのセンサ入力/出力ボード74で所定の処理が施された後、CPU66に入力される。眼カメラ64からの映像信号も、同様にして、CPU66に与えられる。なお、この図4では、図3で説明したタッチセンサは、まとめて「タッチセンサ92」として表され、それらのタッチセンサ92からの信号がセンサ入力/出力ボード74を介して、CPU66に与えられる。
【0045】
スピーカ60には音声入力/出力ボード76を介して、CPU66から、合成音声データが与えられ、それに応じて、スピーカ60からはそのデータに従った音声または声が出力される。そして、マイク44からの音声入力が、音声入力/出力ボード76を介して、CPU66に取り込まれる。
【0046】
通信LANボード96も、同様に、DSPで構成され、CPU66から送られた送信データを無線装置98に与え、無線装置98から送信データを送信させる。また、通信LANボード96は無線装置98を介してデータを受信し、受信データをCPU66に与える。
【0047】
このシステム10では、オペレータは被験者14に対して提示したい行動をロボット行動DB22から検索して選択でき、ロボット12に提示情報としての行動データを送信することができる。ロボット12に送信される行動データは、たとえば、その各関節部分に設定された軸周りの角度データおよび音声データである。たとえば、ロボット12に“頭部58を下に向けて、「おはよう」と発話する”という行動(この行動を「朝の挨拶」というものとする。)を提示させる場合には、S軸=0度、T軸=0度、U軸=−45度、X軸=0度、Y軸=0度、Z軸=0度、W軸=0度、A軸=0度、B軸=0度、C軸=0度、D軸=0度、α軸=0度、β軸=0度というような角度データと、「おはよう」という音声データとが、ロボット行動DB22から読み出されて、ロボット12に送信される。
【0048】
ロボット12は、行動データを受信すると、その角度データに従って各モータを制御するとともに、その音声データに従った音声をスピーカ60から出力する。つまり、この「朝の挨拶」行動が人間14に提示される。
【0049】
なお、他の実施例では、行動記録処理コンピュータ20からは行動データに対応付けられたインデックスないしIDのみを送信するようにしてもよい。つまり、ロボット12のメモリ70に、ロボット行動DB22に格納されているデータに相当する複数の行動データ(角度データおよび音声データ)を予め格納しておくとともに、ロボット12には、インデックスを受信したとき、そのインデックスに対応する行動データをメモリ70から読み出させることによって、その行動データを実行させるようにしてもよい。
【0050】
人間14は、提示されたロボット12の行動に対して、何らかの反応を示すはずである。上述のロボット12による「朝の挨拶」に対しては、たとえば右手を上げて「おはよう」と発話するかもしれない。
【0051】
そして、このようなロボット12によって提示された行動に対する人間14の身体動作は、上述のように、モーションキャプチャシステムによって取得され、人間14の発話はマイク18から取得される。これらの取得は、所定タイミングで(たとえば行動データの送信後直ちに)開始され、ロボット12の行動ごとに予め定めておいた所定時間にわたって行われる。
【0052】
この実施例では、光学式のモーションキャプチャシステムが適用される。図5に示すように、人間14には、複数のマーカ26(図5では「●」で示される)が、たとえば頭頂,眼の上,首,肩,肘,手先(手首)等のような人間14の動作を特徴付ける特徴点すなわち人間14の動作を特定可能な部分に取り付けられる。なお、このように頭頂と共に両目の上にマーカ26をそれぞれ設定することによって顔の向きを特定できる。
【0053】
なお、この実施例では、ロボット12にも、同様に、その動作を特定可能な特徴点(頭頂,眼の上,首,肩,肘,手先等)にマーカ26が取り付けられていて、したがって、ロボット12の提示した実際の動作も検出される。
【0054】
マーカ26は、カラーパッド、可視光LED,赤外線LED,電球等の発光部材や赤外線反射シール等の反射部材などが適用され得る。したがって、カメラ16は、マーカ26の種類に応じてカラービデオカメラまたは赤外線カメラ等の適宜なものが使用される。
【0055】
なお、マーカ26の取付方法は任意であり、身体に直接取り付けてもよいし、予め特定箇所にマーカ26が取り付けられたウェア(服,帽子等)やバンド等を装着するようにしてもよい。
【0056】
このようなマーカ26の装着された人間14およびロボット12によって行われるコミュニケーション行動が複数のカメラ16によって撮像され、それぞれのカメラ16からの時系列の画像データが取得される。取得した画像データの画像処理によって、その画像データにおけるマーカ26の取付点の2次元座標データが抽出される。そして、その2次元座標データからマーカ取付点(特徴点)の3次元座標データ(時系列)が三角測量の原理によって算出される。
【0057】
特徴点の位置情報としての3次元座標データは、サンプリング時点tにおいて、たとえば部屋の床面をxy平面としたxyz直交座標系における位置座標として検出される。図6には、検出された3次元座標データに基づいて、人間14およびロボット12をワイヤーフレームモデルで描画した場合の図が示される。この図6では「○」が特徴点に相当する。
【0058】
さらに、特徴点の3次元座標データに基づいて、たとえば首関節,肩関節および肘関節等の特定部位に設定されたローカルな座標系における回転角度データ(時系列)が算出される。この角度データは、人間の身体の特定部位の動作に関する部位動作情報に相当する。特定部位の座標系は、人間14に対して、たとえば上述したロボット12において設定されたS,T,U軸、X,Y,Z軸、W軸,A,B,C軸、D軸(図3)と同様に設定される。つまり、図7に示すように、首関節においてS軸T軸U軸が設定され、右肩関節においてX軸Y軸Z軸が設定され、右肘関節においてW軸が設定され、左肩関節においてA軸B軸C軸が設定され、左肘関節においてD軸が設定される。したがって、この角度データ(S(t),T(t),…)によって、頭部,上腕および前腕等のような部位の動きが把握される。
【0059】
また、マイク18から得られた音声データには、ロボット12および人間14の両方の発話が含まれるが、ロボット12の発話のタイミングおよび時間等は予め把握できる。したがって、たとえば取得開始から所定時間経過までの発話をロボット12の発話と見なし、かつ、所定時間経過後の発話を人間14のものと見なすことができる。したがって、たとえばロボット12による発話部分と分離することによって、人間14の発話データ(時系列)が得られる。
【0060】
そして、取得された人間14の身体動作データ(角度データ)および発話データを含むコミュニケーション行動データは、ロボット12によって提示された行動データに対応付けられて、人間行動DB24に格納される。
【0061】
なお、ここで格納されるロボットの行動データは、ロボット行動DB22から取得した行動データそのままでもよいが、この実施例では人間14の行動とともに、ロボット12の実際の行動も取得するようにしているので、この取得したロボット12の実際の身体動作および発話に基づくデータを格納するようにしてよい。このように、ロボット12の実際の行動に基づく行動データを格納する場合には、ロボット12と人間14とのコミュニケーション行動をより正確に記録することができる。
【0062】
上述のような動作を、行動記録処理コンピュータ20のCPUは図8に示すフロー図に従って実行する。まずステップS1で、たとえばオペレータによる入力装置の操作またはプログラムに基づいて、ロボット12に起動命令を送信する。ロボット12では、この起動命令に応じて所定のプログラムが起動されて、たとえば行動記録処理コンピュータ20からの行動指示を待つ状態にされる。
【0063】
次に、ステップS3で、人間(被験者)14に提示したいロボット12の行動データをロボット行動DB22から取得してRAMに書き込む。このステップS3では、オペレータは、図示しない表示装置に表示された画面上で所望の行動データを検索して、選択することができる。なお、提示したい行動は予めプログラミングによって設定されてもよい。
【0064】
ステップS5で、提示情報としての行動データをロボット12に送信する。これに応じて、ロボット12は、受信した行動データに従った行動を実行する。したがって、人間14に対して、提示すべき行動が提示される。
【0065】
そして、ステップS7で、ロボット12の行動に対する人間14の反応データを取得する。具体的には、複数のカメラ16からの映像を時系列の画像データとしてRAMに書き込むとともに、マイク18からの発話を時系列の音声データとしてRAMに書き込む。この反応データの取得は、所定のタイミングで開始されて、提示された行動データごとに設定されている所定時間にわたって行われる。また、この実施例では、ロボット12にもマーカ26が取り付けられているので、このステップS7でロボット12の身体動作も含んだ画像データが取得されることとなる。
【0066】
ステップS9で、取得した画像データの画像処理等によって、たとえば頭頂,目の上,首,肩,肘,手首等の特徴点(マーカ26取付点)の位置情報としての3次元座標データ(時系列)を検出する。
【0067】
続いて、ステップS11で、3次元座標データに基づいて、たとえば首関節,肩関節および肘関節等の特定部位の動作に関する部位動作情報としての回転角度データ(時系列)を算出する。なお、この実施例のステップS11では、人間14の角度データだけでなく、ロボット12の角度データも算出される。
【0068】
そして、ステップS13で、提示したロボット12の行動データと人間14の行動データとを対応付けて人間行動DB24に格納する。この人間14の行動データは、ステップS7で取得した音声データおよびステップS11で算出した角度データを含む。格納されるロボット12の行動データは、取得したロボット12の実際の身体動作に基づいて算出されたデータであってよい。
【0069】
ステップS15では、人間に提示したい行動が有るか否かを判断する。このステップS15で“YES”であれば、つまり、たとえばオペレータによってさらに提示すべき行動が選択された場合等には、ステップS3へ戻って処理を繰返す。これによって、人間14に対して、再びロボット12によって他の行動(あるいは同じ行動)が提示され、これに対する人間14の反応が記録される。
【0070】
一方、ステップS15で“NO”であれば、つまり、たとえばオペレータによって終了メニューが選択された場合等には、終了のための処理を実行して、この行動記録処理を終了する。
【0071】
このようにして、提示される様々な行動に対する人間の行動が記録された人間のコミュニケーション行動データベースを得ることができる。ロボット12は、人間とは異なり、どの被験者に対しても、あるいは時間や状態等に因らず、常に完全に同一の行動を提示することができる。したがって、このシステム10によれば、ロボット12によって一定の状況を作り出すことができるので、一定の状況における人間のコミュニケーション行動を記録することができる。
【0072】
なお、モーションキャプチャシステムは上述のような光学式のものに限られず、種々の公知のものが適用され得る。たとえば、本願出願人による特許文献2に記載された技術(被験者にマーカを取り付けずに画像解析によって特徴点を抽出する)が適用されてもよいし、あるいは、電磁誘導,曲げセンサによる関節角の計測,加速度および姿勢センサによるものなどが適用されてもよい。
【0073】
また、上述の実施例では、行動記録処理コンピュータ20がモーションキャプチャシステムの機能を備えたが、行動記録処理コンピュータ20は複数のコンピュータで構成されてもよい。たとえば、モーションキャプチャシステムとしての機能は別のコンピュータで実現して、行動記録処理コンピュータ20はその別のコンピュータからの結果(3次元座標データまたは角度データ)を取得するようにしてもよい。
【0074】
また、上述の各実施例では、人間14の特徴点はロボット12と同様に設定されたが、これらは適宜変更され得る。たとえば、他の実施例では、さらに腰,膝,足首,足先等にも設定されてもよいし、あるいは、顔の表情や視線等を把握可能なマーキングや抽出等を行ってもよい。
【0075】
また、人間行動DB24には、ロボットの行動データとそれに対する人間の行動データとを対応付けて格納しているが、さらに、その行動を起こした人間(被験者)の属性(たとえば大人・子どもの分類,年齢層,性別等)に関する情報も付加して格納するようにしてもよい。この場合には、より詳細な人間のコミュニケーション行動に関するデータベースを作成することができる。
【0076】
このシステム10によって記録された人間のコミュニケーション行動データベースは、たとえば人間同士のコミュニケーションのメカニズムの解明やコミュニケーションロボットの開発など幅広い応用が可能である。
【0077】
具体的には、人間に特定の動作を起こさせるには、その人間とコミュニケートするコミュニケーション相手(コミュニケーションロボット12)がどのような動作をその人間に示すのがいいのか。たとえば、握手をするという動作をその人間に起こさせたいときは、
(1)握手ができる距離まで近づき、
(2)相手の眼を見ながら右手を相手の右手に向かって差し出し、
(3)「はじめまして」と発声する、
ことなどを試してみる。また、久しぶりに会った友人に対してするときのような、手を高々と挙げて振る動作をさせたいときは、
(1)こちらから手を高々と挙げて手を振る、
(2)「久しぶり、元気にしてた?」と発声する、
ことなどを試みる。
【0078】
このように一般的なコミュニケーション分野においてロボットに要求されるのは、自然で円滑な情報伝達のためのインタフェースとしての機能であって、介護や教育等の分野での利用が考えられる。上記のような握手をしたり、手を振ったりする反応動作を誘発する行動をロボットが採ることによって、ロボット主導の円滑なコミュニケーションが可能となる。さらに大人・子どもや性別などの人間の属性を絞り込んでその対話相手に適応した行動を提示することによって、より適切な(期待する)反応行動を誘発せしめることができる。
【0079】
このような人間に特定の動作を起こさせるロボットシステム100の一例が図9に示されている。この図9に示すように、ロボットシステム100は、上述したコミュニケーション行動記録システム10によって作成された人間行動DB24と、システム全体の動作を制御する処理コンピュータ102と、この処理コンピュータ102に無線LAN等を介してデータ通信可能に設定されたコミュニケーションロボット12とから構成されている。
【0080】
図10にはこの処理コンピュータ102の動作が示される。処理コンピュータ102のCPUは、まずステップS21で、たとえばオペレータによる入力装置の操作またはプログラムに基づいて、ロボット12に起動命令を送信する。ロボット12では、この起動命令に応じて所定のプログラムが起動されて、たとえば処理コンピュータ102からの行動指示を待つ状態にされる。
【0081】
次に、ステップS23で、人間に取らせたい行動に対応するロボット12の行動データを人間行動DB24から検索する。このステップS23では、オペレータは、図示しない表示装置に表示された画面上で人間にとらせたい行動を指定することができる。たとえば、“右手を上げる”という身体動作は、“X(0秒)<10度”かつ“X(10秒)>150度”に適合するデータを検索することによって取得され得る。なお、この角度データX(t)は、図7に示したように、人間の右肩関節に設定したローカルな座標系のX軸まわりの回転角度である。また、たとえば“「おはよう」と言う”という発話を検索する場合は、たとえば公知の音声認識の手法によって、適合するデータが取得される。この検索の際には、さらに人間の属性情報を指定して絞込みを行うことによって、その人間に適応したロボット行動データを取得することができる。なお、人間に取らせたい行動を予め設定しておいたり、あるいはプログラミングしておいたりしてもよい。
【0082】
続いて、ステップS25では、検索結果のうち最も頻度の高かったロボットの行動データを選択する。つまり、人間に取らせたい行動を最も多く誘発させた(したがって、誘発させる可能性が最も高い)ロボットの行動データが選択される。
【0083】
たとえば、図10では、人間に取らせたい行動として“「おはよう」の発話”を検索した場合に、対応するロボット12の行動として“「はじめまして」の発話”、“「いらっしゃい」の発話”、および“「おはよう」の発話”が2回という検索結果が得られている。したがって、この場合には、“「おはよう」の発話”が提示すべきロボット12の行動データとして選択される。
【0084】
そして、ステップS27で、選択したロボットの行動データをロボット12に送信する。これに応じて、ロボット12は、受信した行動データに従った行動を実行する。つまり、ロボット12によって、人間に取らせたい行動を誘発させることの可能な行動が、人間に対して提示される。上述の例の場合には、ロボット12は「おはよう」と発話する。したがって、人間は、おそらくオペレータ等が取らせたかった行動(たとえば「おはよう」の発話)を行うであろう。
【0085】
ステップS29では、他に人間に取らせたい行動が有るか否かを判断する。このステップS29で“YES”であれば、つまり、たとえばオペレータによって次に取らせたい行動が選択された場合等には、ステップS23へ戻って、処理を繰返す。一方、ステップS29で“NO”であれば、この処理を終了する。
【0086】
このように、ロボットシステム100によれば、人間行動DB24を利用することによって人間に特定の行動を行わせることが可能であり、したがって、たとえば、上述のような一般的なコミュニケーション分野やエンターテイメント分野等における役割を果たすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例のコミュニケーション行動記録システムの概要を示す図解図である。
【図2】図1実施例のコミュニケーション行動記録システムの構成を示すブロック図である。
【図3】図1実施例のコミュニケーションロボットの外観を示す図解図(正面図)である。
【図4】図1実施例のコミュニケーションロボットの内部構成を示すブロック図である。
【図5】図1実施例において、被験者である人間とロボットとに装着されるマーカの取付位置を示す図解図である。
【図6】図1実施例において算出される特徴点の3次元座標データを説明するための図解図である。
【図7】図1実施例において、人間の特定部位に設定される座標系を示す図解図である。
【図8】図2に示す行動記録処理コンピュータの動作を示すフロー図である。
【図9】図1実施例のコミュニケーション行動記録システムによって取得された人間のコミュニケーション行動データベースを利用するロボットシステムの一例を示すブロック図である。
【図10】図9のロボットシステムにおける処理コンピュータの動作を示すフロー図である。
【符号の説明】
10 …コミュニケーション行動記録システム
12 …コミュニケーションロボット
16 …カメラ
18 …マイク
20 …行動記録処理コンピュータ
24 …人間行動DB
【産業上の利用分野】
この発明は人間のコミュニケーション行動記録システムおよび方法に関し、特にたとえばコミュニケーションにおける人間の身振り(身体動作)および発話等を含む行動を記録する、人間のコミュニケーション行動記録システムおよび方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、たとえばモニタに表示される3次元アニメーションでのキャラクタの動きをリアルに表現するために、あるいは人間工学の研究等において、人間の実際の身振りを3次元データとして取得するモーションキャプチャシステムはよく知られている(たとえば特許文献1および2参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平7−185131号公報
【特許文献2】
特開2001−134767号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来のモーションキャプチャにおいては、人間が基本的に単独で行っているたとえば舞踊や格闘等の身体動作をキャプチャするようにしている。ところで、人間のコミュニケーション動作を記録することを考えると、その被験者(キャプチャされる人間)に対して人間に相手をさせることが考えられる。しかしながら、その対話相手たる人間は(たとえプロフェッショナルの俳優を雇ったとしても)常に一定の動作を行うことは不可能であり、どうしても動作にばらつきが生じてしまう。したがって、その対話相手によって被験者の身体動作に微妙な違いを生じさせてしまうという問題がある。つまり、対話相手が人間の場合、常に一定の状況を作り出すことができないので、正確なコミュニケーション行動を記録することが困難である。
【0005】
それゆえに、この発明の主たる目的は、一定状況下で人間のコミュニケーション行動を記録することができる、人間のコミュニケーション行動記録システムおよび方法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
第1の発明は、人間のコミュニケーション行動を記録するためのコミュニケーション行動記録システムであって、身振りおよび音声の少なくとも一方を含む行動を人間に対して提示するコミュニケーションロボット、およびコミュニケーションロボットの提示した行動に反応する人間の行動情報を取得する取得手段を備える、コミュニケーション行動記録システムである。
【0007】
第2の発明は、人間のコミュニケーション行動を記録するための方法であって、(a) コミュニケーションロボットによって、身振りおよび音声の少なくとも一方を含む行動を人間に対して提示し、そして、(b) コミュニケーションロボットによって提示された行動に反応する人間の行動に関する行動情報を取得する、コミュニケーション行動記録方法である。
【0008】
【作用】
コミュニケーション行動記録システムは、コミュニケーションロボット(以下、単に「ロボット」ともいう。)を含む。ロボットは、人間に対して、身振りおよび音声の少なくとも一方を含む行動を提示する。人間は、このロボットによる提示行動に対して何らかの反応を示すはずであり、取得手段によって、この人間による反応すなわちコミュニケーション行動に関する行動情報が取得される。ロボットは、人間とは異なり、どのような対話相手や時間等であっても、常に完全に同一の行動を提示することができる。したがって、ロボットによって一定の状況を作り出すことができるので、一定の状況における人間のコミュニケーション行動を記録することができる。
【0009】
また、取得手段によって取得した行動情報は、記憶手段によって、ロボットの提示した行動に対応付けて格納するようにしてよい。これによって、ロボットの特定行動と対応付けられた人間のコミュニケーション行動データベースを得ることができる。
【0010】
また、人間は身体動作を用いてコミュニケーション行動をするので、取得手段は動作取得手段を含んで構成されてよい。この動作取得手段によって、人間の行動情報として人間の身体の動作に関する身体動作情報が取得される。
【0011】
さらに、動作取得手段は、複数のカメラ、位置検出手段、および算出手段を含んで構成されてよい。複数のカメラはコミュニケーションロボットおよび人間に対して互いに異なる方向となるように設けられる。位置検出手段は、複数のカメラから得られた画像に基づいて、人間の身体の特徴点の位置情報を検出する。この特徴点は、身体の動作を特定可能な部分に相当し、たとえば頭頂,首,肩,肘等であり得る。そして、算出手段によって、位置情報に基づいて人間の身体の特定部位の動作に関する部位動作情報が算出される。この部位動作情報は、たとえば首関節,肩関節,肘関節等の特定部位の回転角度情報であり得る。これによって、人間の身体動作を把握することができる。
【0012】
また、人間は発話を用いてコミュニケーション行動をするので、取得手段は発話取得手段を含んで構成されてよい。この発話取得手段によって、人間の行動情報としての発話情報が取得される。
【0013】
さらにまた、ロボットに対して提示情報を送信する送信手段を備えるようにしてもよい。この場合には、ロボットは、送信手段によって送信された提示情報を受信する受信手段を含んで構成される。そして、ロボットは、受信手段によって受信した提示情報に従った行動を提示する。
【0014】
【発明の効果】
この発明によれば、コミュニケーションロボットが、人間とは異なり、一定の状況を作り出すことができるので、一定状況下での人間のコミュニケーション行動を記録することができる。記録されたデータは、たとえば人間同士のコミュニケーションのメカニズムの解明やコミュニケーションロボットの開発など幅広い応用が可能である。
【0015】
この発明の上述の目的,その他の目的,特徴および利点は、図面を参照して行う以下の実施例の詳細な説明から一層明らかとなろう。
【0016】
【実施例】
図1を参照して、この実施例のコミュニケーション行動記録システム(以下、単に「システム」ともいう。)10は、コミュニケーションにおける人間の行動を記録するためのものであり、コミュニケーションロボット(以下、単に「ロボット」ともいう。)12を含む。
【0017】
ロボット12は、人間14に対して身振り(ジェスチャ)および音声の少なくとも一方を含んだ行動を提示して、その意図を伝達し、人間14とコミュニケーションを図ろうとする。したがって、人間14は、このロボット12の行動に対して身体動作および発話の少なくとも一方を含んだ何らかの反応を示すこととなる。つまり、このシステム10では、ロボット12によって先に人間14に対して行動が提示され、そして、このロボット12の提示行動に起因して誘発された人間14の反応すなわちコミュニケーション行動が記録される。
【0018】
人間14のコミュニケーション行動のうち身体動作は、この実施例では公知のモーションキャプチャシステムを適用することによって取得される。具体的には、複数のカメラ16がロボット12および人間14に対して互いに異なる方向となる所定位置に配置される。たとえば、12台のカメラ16が、ロボット12および人間14の頭頂部よりも高い位置でこれらを取り囲むように部屋の天井付近の壁等に設置される。なお、原理的にはカメラ16は3台あればよい。これにより、互いに異なる複数の方向からロボット12および人間14を俯瞰するような映像(動画像)が撮像され、その所定周期毎の画像データ(時系列)が取得される。
【0019】
また、人間14のコミュニケーション行動のうち発話は、部屋内の適宜な位置に設けられたマイク18から所定周期毎の音声データ(時系列)として取得される。複数のカメラ16およびマイク18は互いに同期している。なお、マイク18は人間14の口の近辺たとえば胸等に取り付けられてもよい。
【0020】
図2には、このシステム10の全体的な構成を示すブロック図が示される。図2に示すように、システム10は行動記録処理コンピュータ20を含む。この行動記録処理コンピュータ20は、たとえば、PCやワークステーションのようなコンピュータからなり、図示しないCPU,RAM,HDD,表示装置,入力装置および通信装置等を備えている。この行動記録処理を実行するための各種プログラムおよびデータはたとえば主記憶装置としてのHDDに格納されていて、CPUはこのプログラムに従って処理を実行する。通信装置によってこの行動記録処理コンピュータ20はロボット12との間でデータ通信可能にされる。たとえば、これら行動記録処理コンピュータ20およびロボット12は無線LANを介して接続される。
【0021】
行動記録処理コンピュータ20には、複数のカメラ16,16,16が図示しないそれぞれのA/D変換器を介して接続されるとともに、マイク18も図示しないA/D変換器を介して接続される。なお、この図2ではカメラ16を3台のみ示している。
【0022】
また、行動記録処理コンピュータ20には、ロボット12に所定の行動を実行させるための情報が格納されているロボット行動データベース(DB)22、および取得した人間のコミュニケーション行動を格納するための人間行動DB24がそれぞれ接続される。
【0023】
行動記録処理コンピュータ20は、ロボット行動DB22から所望の行動データを読み出してロボット12に送信する。ロボット12は、行動データを受信するとその行動データに従った行動を実行することによって、人間にコミュニケーション行動を提示することができる。
【0024】
ここで、この実施例で適用されるロボット12について説明する。図3を参照して、ロボット12は、台車28を含み、この台車28の下面には、このロボット12を自律移動させる車輪30が設けられる。この車輪30は、車輪モータ(図4において参照番号「86」で示す。)によって駆動され、台車28すなわちロボット12を前後左右任意の方向に動かすことができる。なお、図示しないが、この台車28の前面には、衝突センサ(ロボット12の内部構成を示す図4において、参照番号「94」で示す。)が取り付けられ、この衝突センサは、台車28への人や他の障害物の接触を検知する。そして、ロボット12の移動中に障害物との接触を検知すると、直ちに車輪30の駆動を停止してロボット12の移動を急停止させて衝突を未然に防ぐ。
【0025】
なお、ロボット12の背の高さは、この実施例では、人、特に子供に威圧感をあたえることがないように、100cm程度とされている。ただし、この背の高さは任意に変更可能である。
【0026】
台車28の上には、多角形柱のセンサ取付パネル32が設けられ、このセンサ取付パネル32の各面には、超音波距離センサ34が取り付けられる。この超音波距離センサ34は、取付パネル32すなわちロボット12の周囲の主として人との間の距離を計測するものである。
【0027】
台車28の上には、さらに、下部が上述の取付パネル32に囲まれて、ロボット12の胴体が直立するように取り付けられる。この胴体は下部胴体36と上部胴体38とから構成され、これら下部胴体36および上部胴体38は、連結部40によって、連結される。連結部40には、図示しないが、昇降機構が内蔵されていて、この昇降機構を用いることによって、上部胴体38の高さすなわちロボット12の高さを変化させることができる。昇降機構は、後述のように、腰モータ(図4において参照番号「84」で示す。)によって駆動される。上で述べたロボット12の身長100cmは、上部胴体38をそれの最下位置にしたときの値である。したがって、ロボット12の身長は100cm以上にすることができる。
【0028】
上部胴体38のほぼ中央には、1つの全方位カメラ42と、1つのマイク44とが設けられる。全方位カメラ42は、ロボット12の周囲を撮影するもので、後述の眼カメラ64と区別される。マイク44は、周囲の音、とりわけ人の声を取り込む。
【0029】
上部胴体38の両肩には、それぞれ、肩関節46Rおよび46Lによって、上腕48Rおよび48Lが取り付けられる。肩関節46Rおよび46Lは、それぞれ3軸の自由度を有する。すなわち、肩関節46Rは、X軸,Y軸およびZ軸のそれぞれの軸廻りにおいて上腕48Rの角度を制御できる。Y軸は、上腕48Rの長手方向(または軸)に平行な軸であり、X軸およびZ軸は、そのY軸に、それぞれ異なる方向から直交する軸である。肩関節46Lは、A軸,B軸およびC軸のそれぞれの軸廻りにおいて上腕48Lの角度を制御できる。B軸は、上腕48Lの長手方向(または軸)に平行な軸であり、A軸およびC軸は、そのB軸に、それぞれ異なる方向から直交する軸である。
【0030】
上腕48Rおよび48Lのそれぞれの先端には、肘関節50Rおよび50Lを介して、前腕52Rおよび52Lが取り付けられる。肘関節50Rおよび50Lは、それぞれ、W軸およびD軸の軸廻りにおいて、前腕52Rおよび52Lの角度を制御できる。
【0031】
なお、上腕48Rおよび48Lならびに前腕52Rおよび52L(いずれも図3)の変位を制御するX,Y,Z,W軸およびA,B,C,D軸では、「0度」がホームポジションであり、このホームポジションでは、上腕48Rおよび48Lならびに前腕52Rおよび52Lは下方向に向けられる。
【0032】
また、図示しないが、上部胴体38の肩関節46Rおよび46Lを含む肩の部分や上述の上腕48Rおよび48Lならびに前腕52Rおよび52Lには、それぞれ、タッチセンサが設けられていて、これらのタッチセンサは、人がロボット12のこれらの部位に接触したかどうかを検知する。これらのタッチセンサも図4において参照番号92で包括的に示す。
【0033】
前腕52Rおよび52Lのそれぞれの先端には、手に相当する球体54Rおよび54Lがそれぞれ固定的に取り付けられる。なお、この球体54Rおよび54Lに代えて、この実施例のロボット12と異なり指の機能が必要な場合には、人の手の形をした「手」を用いることも可能である。
【0034】
なお、ロボット12の形状・寸法等は適宜に設定されるが、他の実施例では、たとえば、上部胴体38は、前面,背面,右側面,左側面,上面および底面を含み、右側面および左側面は表面が斜め前方に向くように形成してもよい。つまり、前面の横幅が背面の横幅よりも短く、上部胴体38を上から見た形状が台形になるように形成されてもよい。このような場合、肩関節46Rおよび46Lは、右側面および左側面に、その表面が左右両側面とそれぞれ平行である左右の支持部を介して取り付けられる。そして、上腕48Rおよび上腕48Lの回動範囲は、これら左右側面または支持部の表面(取り付け面)によって規制され、上腕48Rおよび48Lは取り付け面を超えて回動することはない。しかし、左右側面の傾斜角,B軸とY軸との間隔,上腕48Rおよび48Lの長さ,ならびに前腕52Rおよび52Lの長さ等を適宜に設定すれば、上腕48Rおよび48Lは前方を越えてより内側まで回動できるので、たとえW軸およびD軸による腕の自由度がなくてもロボット12の腕は前方で交差できる。したがって、腕の自由度が少ない場合でも正面に位置する人と抱き合うなどの密接なコミュニケーションを図ることができる。
【0035】
上部胴体38の中央上方には、首関節56を介して、頭部58が取り付けられる。この首関節56は、3つの自由度を有し、S軸,T軸およびU軸の各軸廻りに角度制御可能である。S軸は首から真上に向かう軸であり、T軸およびU軸は、それぞれ、このS軸に対して異なる方向で直交する軸である。頭部58には、人の口に相当する位置に、スピーカ60が設けられる。スピーカ60は、ロボット12が、それの周囲の人に対して音声または声によってコミュニケーションを図るために用いられる。ただし、スピーカ60は、ロボット12の他の部位たとえば胴体に設けられてもよい。
【0036】
また、頭部58には、目に相当する位置に眼球部62Rおよび62Lが設けられる。眼球部62Rおよび62Lは、それぞれ眼カメラ64Rおよび64Lを含む。なお、右の眼球部62Rおよび左の眼球部62Lをまとめて眼球部62といい、右の眼カメラ64Rおよび左の眼カメラ64Lをまとめて眼カメラ64ということもある。眼カメラ64は、ロボット12に接近した人の顔や他の部分ないし物体等を撮影してその映像信号を取り込む。
【0037】
なお、上述の全方位カメラ42および眼カメラ64のいずれも、たとえばCCDやCMOSのように固体撮像素子を用いるカメラであってよい。
【0038】
たとえば、眼カメラ64は眼球部62内に固定され、眼球部62は眼球支持部(図示せず)を介して頭部58内の所定位置に取り付けられる。眼球支持部は、2軸の自由度を有し、α軸およびβ軸の各軸廻りに角度制御可能である。α軸およびβ軸は頭部58に対して設定される軸であり、α軸は頭部58の上へ向かう方向の軸であり、β軸はα軸に直交しかつ頭部58の正面側(顔)が向く方向に直交する方向の軸である。この実施例では、頭部58がホームポジションにあるとき、α軸はS軸に平行し、β軸はU軸に平行するように設定されている。このような頭部58において、眼球支持部がα軸およびβ軸の各軸廻りに回転されることによって、眼球部62ないし眼カメラ64の先端(正面)側が変位され、カメラ軸すなわち視線方向が移動される。
【0039】
なお、眼カメラ64の変位を制御するα軸およびβ軸では、「0度」がホームポジションであり、このホームポジションでは、図3に示すように、眼カメラ64のカメラ軸は頭部58の正面側(顔)が向く方向に向けられ、視線は正視状態となる。
【0040】
図4には、ロボット12の内部構成を示すブロック図が示される。図4に示すように、このロボット12は、全体の制御のためにマイクロコンピュータまたはCPU66を含み、このCPU66には、バス68を通して、メモリ70,モータ制御ボード72,センサ入力/出力ボード74および音声入力/出力ボード76が接続される。
【0041】
メモリ70は、図示しないが、ROMやRAMを含み、ROMにはこのロボット12の制御プログラムおよびデータ等が予め書き込まれている。RAMは、一時記憶メモリとして用いられるとともに、ワーキングメモリとして利用され得る。
【0042】
モータ制御ボード72は、たとえばDSP(Digital Signal Processor)で構成され、各腕や頭部および眼球部等の各軸モータを制御する。すなわち、モータ制御ボード72は、CPU66からの制御データを受け、右肩関節46RのX,YおよびZ軸のそれぞれの角度を制御する3つのモータと右肘関節50Rの軸Wの角度を制御する1つのモータとの計4つのモータ(図4ではまとめて、「右腕モータ」として示す。)78の回転角度を調節する。また、モータ制御ボード72は、左肩関節46LのA,BおよびC軸のそれぞれの角度を制御する3つのモータと左肘関節50LのD軸の角度を制御する1つのモータとの計4つのモータ(図4ではまとめて、「左腕モータ」として示す。)80の回転角度を調節する。モータ制御ボード72は、また、頭部58のS,TおよびU軸のそれぞれの角度を制御する3つのモータ(図4ではまとめて、「頭部モータ」として示す。)82の回転角度を調節する。モータ制御ボード72は、また、腰モータ84、および車輪30を駆動する2つのモータ(図4ではまとめて、「車輪モータ」として示す。)86を制御する。さらに、モータ制御ボード72は、右眼球部62Rのα軸およびβ軸のそれぞれの角度を制御する2つのモータ(図4ではまとめて、「右眼球モータ」として示す。)88の回転角度を調節し、また、左眼球部62Lのα軸およびβ軸のそれぞれの角度を制御する2つのモータ(図4ではまとめて、「左眼球モータ」として示す。)90の回転角度を調節する。
【0043】
なお、この実施例の上述のモータは、車輪モータ86を除いて、制御を簡単化するためにそれぞれステッピングモータまたはパルスモータであるが、車輪モータ86と同様に、直流モータであってよい。
【0044】
センサ入力/出力ボード74も、同様に、DSPで構成され、各センサやカメラからの信号を取り込んでCPU66に与える。すなわち、超音波距離センサ34の各々からの反射時間に関するデータがこのセンサ入力/出力ボード74を通して、CPU66に入力される。また、全方位カメラ42からの映像信号が、必要に応じてこのセンサ入力/出力ボード74で所定の処理が施された後、CPU66に入力される。眼カメラ64からの映像信号も、同様にして、CPU66に与えられる。なお、この図4では、図3で説明したタッチセンサは、まとめて「タッチセンサ92」として表され、それらのタッチセンサ92からの信号がセンサ入力/出力ボード74を介して、CPU66に与えられる。
【0045】
スピーカ60には音声入力/出力ボード76を介して、CPU66から、合成音声データが与えられ、それに応じて、スピーカ60からはそのデータに従った音声または声が出力される。そして、マイク44からの音声入力が、音声入力/出力ボード76を介して、CPU66に取り込まれる。
【0046】
通信LANボード96も、同様に、DSPで構成され、CPU66から送られた送信データを無線装置98に与え、無線装置98から送信データを送信させる。また、通信LANボード96は無線装置98を介してデータを受信し、受信データをCPU66に与える。
【0047】
このシステム10では、オペレータは被験者14に対して提示したい行動をロボット行動DB22から検索して選択でき、ロボット12に提示情報としての行動データを送信することができる。ロボット12に送信される行動データは、たとえば、その各関節部分に設定された軸周りの角度データおよび音声データである。たとえば、ロボット12に“頭部58を下に向けて、「おはよう」と発話する”という行動(この行動を「朝の挨拶」というものとする。)を提示させる場合には、S軸=0度、T軸=0度、U軸=−45度、X軸=0度、Y軸=0度、Z軸=0度、W軸=0度、A軸=0度、B軸=0度、C軸=0度、D軸=0度、α軸=0度、β軸=0度というような角度データと、「おはよう」という音声データとが、ロボット行動DB22から読み出されて、ロボット12に送信される。
【0048】
ロボット12は、行動データを受信すると、その角度データに従って各モータを制御するとともに、その音声データに従った音声をスピーカ60から出力する。つまり、この「朝の挨拶」行動が人間14に提示される。
【0049】
なお、他の実施例では、行動記録処理コンピュータ20からは行動データに対応付けられたインデックスないしIDのみを送信するようにしてもよい。つまり、ロボット12のメモリ70に、ロボット行動DB22に格納されているデータに相当する複数の行動データ(角度データおよび音声データ)を予め格納しておくとともに、ロボット12には、インデックスを受信したとき、そのインデックスに対応する行動データをメモリ70から読み出させることによって、その行動データを実行させるようにしてもよい。
【0050】
人間14は、提示されたロボット12の行動に対して、何らかの反応を示すはずである。上述のロボット12による「朝の挨拶」に対しては、たとえば右手を上げて「おはよう」と発話するかもしれない。
【0051】
そして、このようなロボット12によって提示された行動に対する人間14の身体動作は、上述のように、モーションキャプチャシステムによって取得され、人間14の発話はマイク18から取得される。これらの取得は、所定タイミングで(たとえば行動データの送信後直ちに)開始され、ロボット12の行動ごとに予め定めておいた所定時間にわたって行われる。
【0052】
この実施例では、光学式のモーションキャプチャシステムが適用される。図5に示すように、人間14には、複数のマーカ26(図5では「●」で示される)が、たとえば頭頂,眼の上,首,肩,肘,手先(手首)等のような人間14の動作を特徴付ける特徴点すなわち人間14の動作を特定可能な部分に取り付けられる。なお、このように頭頂と共に両目の上にマーカ26をそれぞれ設定することによって顔の向きを特定できる。
【0053】
なお、この実施例では、ロボット12にも、同様に、その動作を特定可能な特徴点(頭頂,眼の上,首,肩,肘,手先等)にマーカ26が取り付けられていて、したがって、ロボット12の提示した実際の動作も検出される。
【0054】
マーカ26は、カラーパッド、可視光LED,赤外線LED,電球等の発光部材や赤外線反射シール等の反射部材などが適用され得る。したがって、カメラ16は、マーカ26の種類に応じてカラービデオカメラまたは赤外線カメラ等の適宜なものが使用される。
【0055】
なお、マーカ26の取付方法は任意であり、身体に直接取り付けてもよいし、予め特定箇所にマーカ26が取り付けられたウェア(服,帽子等)やバンド等を装着するようにしてもよい。
【0056】
このようなマーカ26の装着された人間14およびロボット12によって行われるコミュニケーション行動が複数のカメラ16によって撮像され、それぞれのカメラ16からの時系列の画像データが取得される。取得した画像データの画像処理によって、その画像データにおけるマーカ26の取付点の2次元座標データが抽出される。そして、その2次元座標データからマーカ取付点(特徴点)の3次元座標データ(時系列)が三角測量の原理によって算出される。
【0057】
特徴点の位置情報としての3次元座標データは、サンプリング時点tにおいて、たとえば部屋の床面をxy平面としたxyz直交座標系における位置座標として検出される。図6には、検出された3次元座標データに基づいて、人間14およびロボット12をワイヤーフレームモデルで描画した場合の図が示される。この図6では「○」が特徴点に相当する。
【0058】
さらに、特徴点の3次元座標データに基づいて、たとえば首関節,肩関節および肘関節等の特定部位に設定されたローカルな座標系における回転角度データ(時系列)が算出される。この角度データは、人間の身体の特定部位の動作に関する部位動作情報に相当する。特定部位の座標系は、人間14に対して、たとえば上述したロボット12において設定されたS,T,U軸、X,Y,Z軸、W軸,A,B,C軸、D軸(図3)と同様に設定される。つまり、図7に示すように、首関節においてS軸T軸U軸が設定され、右肩関節においてX軸Y軸Z軸が設定され、右肘関節においてW軸が設定され、左肩関節においてA軸B軸C軸が設定され、左肘関節においてD軸が設定される。したがって、この角度データ(S(t),T(t),…)によって、頭部,上腕および前腕等のような部位の動きが把握される。
【0059】
また、マイク18から得られた音声データには、ロボット12および人間14の両方の発話が含まれるが、ロボット12の発話のタイミングおよび時間等は予め把握できる。したがって、たとえば取得開始から所定時間経過までの発話をロボット12の発話と見なし、かつ、所定時間経過後の発話を人間14のものと見なすことができる。したがって、たとえばロボット12による発話部分と分離することによって、人間14の発話データ(時系列)が得られる。
【0060】
そして、取得された人間14の身体動作データ(角度データ)および発話データを含むコミュニケーション行動データは、ロボット12によって提示された行動データに対応付けられて、人間行動DB24に格納される。
【0061】
なお、ここで格納されるロボットの行動データは、ロボット行動DB22から取得した行動データそのままでもよいが、この実施例では人間14の行動とともに、ロボット12の実際の行動も取得するようにしているので、この取得したロボット12の実際の身体動作および発話に基づくデータを格納するようにしてよい。このように、ロボット12の実際の行動に基づく行動データを格納する場合には、ロボット12と人間14とのコミュニケーション行動をより正確に記録することができる。
【0062】
上述のような動作を、行動記録処理コンピュータ20のCPUは図8に示すフロー図に従って実行する。まずステップS1で、たとえばオペレータによる入力装置の操作またはプログラムに基づいて、ロボット12に起動命令を送信する。ロボット12では、この起動命令に応じて所定のプログラムが起動されて、たとえば行動記録処理コンピュータ20からの行動指示を待つ状態にされる。
【0063】
次に、ステップS3で、人間(被験者)14に提示したいロボット12の行動データをロボット行動DB22から取得してRAMに書き込む。このステップS3では、オペレータは、図示しない表示装置に表示された画面上で所望の行動データを検索して、選択することができる。なお、提示したい行動は予めプログラミングによって設定されてもよい。
【0064】
ステップS5で、提示情報としての行動データをロボット12に送信する。これに応じて、ロボット12は、受信した行動データに従った行動を実行する。したがって、人間14に対して、提示すべき行動が提示される。
【0065】
そして、ステップS7で、ロボット12の行動に対する人間14の反応データを取得する。具体的には、複数のカメラ16からの映像を時系列の画像データとしてRAMに書き込むとともに、マイク18からの発話を時系列の音声データとしてRAMに書き込む。この反応データの取得は、所定のタイミングで開始されて、提示された行動データごとに設定されている所定時間にわたって行われる。また、この実施例では、ロボット12にもマーカ26が取り付けられているので、このステップS7でロボット12の身体動作も含んだ画像データが取得されることとなる。
【0066】
ステップS9で、取得した画像データの画像処理等によって、たとえば頭頂,目の上,首,肩,肘,手首等の特徴点(マーカ26取付点)の位置情報としての3次元座標データ(時系列)を検出する。
【0067】
続いて、ステップS11で、3次元座標データに基づいて、たとえば首関節,肩関節および肘関節等の特定部位の動作に関する部位動作情報としての回転角度データ(時系列)を算出する。なお、この実施例のステップS11では、人間14の角度データだけでなく、ロボット12の角度データも算出される。
【0068】
そして、ステップS13で、提示したロボット12の行動データと人間14の行動データとを対応付けて人間行動DB24に格納する。この人間14の行動データは、ステップS7で取得した音声データおよびステップS11で算出した角度データを含む。格納されるロボット12の行動データは、取得したロボット12の実際の身体動作に基づいて算出されたデータであってよい。
【0069】
ステップS15では、人間に提示したい行動が有るか否かを判断する。このステップS15で“YES”であれば、つまり、たとえばオペレータによってさらに提示すべき行動が選択された場合等には、ステップS3へ戻って処理を繰返す。これによって、人間14に対して、再びロボット12によって他の行動(あるいは同じ行動)が提示され、これに対する人間14の反応が記録される。
【0070】
一方、ステップS15で“NO”であれば、つまり、たとえばオペレータによって終了メニューが選択された場合等には、終了のための処理を実行して、この行動記録処理を終了する。
【0071】
このようにして、提示される様々な行動に対する人間の行動が記録された人間のコミュニケーション行動データベースを得ることができる。ロボット12は、人間とは異なり、どの被験者に対しても、あるいは時間や状態等に因らず、常に完全に同一の行動を提示することができる。したがって、このシステム10によれば、ロボット12によって一定の状況を作り出すことができるので、一定の状況における人間のコミュニケーション行動を記録することができる。
【0072】
なお、モーションキャプチャシステムは上述のような光学式のものに限られず、種々の公知のものが適用され得る。たとえば、本願出願人による特許文献2に記載された技術(被験者にマーカを取り付けずに画像解析によって特徴点を抽出する)が適用されてもよいし、あるいは、電磁誘導,曲げセンサによる関節角の計測,加速度および姿勢センサによるものなどが適用されてもよい。
【0073】
また、上述の実施例では、行動記録処理コンピュータ20がモーションキャプチャシステムの機能を備えたが、行動記録処理コンピュータ20は複数のコンピュータで構成されてもよい。たとえば、モーションキャプチャシステムとしての機能は別のコンピュータで実現して、行動記録処理コンピュータ20はその別のコンピュータからの結果(3次元座標データまたは角度データ)を取得するようにしてもよい。
【0074】
また、上述の各実施例では、人間14の特徴点はロボット12と同様に設定されたが、これらは適宜変更され得る。たとえば、他の実施例では、さらに腰,膝,足首,足先等にも設定されてもよいし、あるいは、顔の表情や視線等を把握可能なマーキングや抽出等を行ってもよい。
【0075】
また、人間行動DB24には、ロボットの行動データとそれに対する人間の行動データとを対応付けて格納しているが、さらに、その行動を起こした人間(被験者)の属性(たとえば大人・子どもの分類,年齢層,性別等)に関する情報も付加して格納するようにしてもよい。この場合には、より詳細な人間のコミュニケーション行動に関するデータベースを作成することができる。
【0076】
このシステム10によって記録された人間のコミュニケーション行動データベースは、たとえば人間同士のコミュニケーションのメカニズムの解明やコミュニケーションロボットの開発など幅広い応用が可能である。
【0077】
具体的には、人間に特定の動作を起こさせるには、その人間とコミュニケートするコミュニケーション相手(コミュニケーションロボット12)がどのような動作をその人間に示すのがいいのか。たとえば、握手をするという動作をその人間に起こさせたいときは、
(1)握手ができる距離まで近づき、
(2)相手の眼を見ながら右手を相手の右手に向かって差し出し、
(3)「はじめまして」と発声する、
ことなどを試してみる。また、久しぶりに会った友人に対してするときのような、手を高々と挙げて振る動作をさせたいときは、
(1)こちらから手を高々と挙げて手を振る、
(2)「久しぶり、元気にしてた?」と発声する、
ことなどを試みる。
【0078】
このように一般的なコミュニケーション分野においてロボットに要求されるのは、自然で円滑な情報伝達のためのインタフェースとしての機能であって、介護や教育等の分野での利用が考えられる。上記のような握手をしたり、手を振ったりする反応動作を誘発する行動をロボットが採ることによって、ロボット主導の円滑なコミュニケーションが可能となる。さらに大人・子どもや性別などの人間の属性を絞り込んでその対話相手に適応した行動を提示することによって、より適切な(期待する)反応行動を誘発せしめることができる。
【0079】
このような人間に特定の動作を起こさせるロボットシステム100の一例が図9に示されている。この図9に示すように、ロボットシステム100は、上述したコミュニケーション行動記録システム10によって作成された人間行動DB24と、システム全体の動作を制御する処理コンピュータ102と、この処理コンピュータ102に無線LAN等を介してデータ通信可能に設定されたコミュニケーションロボット12とから構成されている。
【0080】
図10にはこの処理コンピュータ102の動作が示される。処理コンピュータ102のCPUは、まずステップS21で、たとえばオペレータによる入力装置の操作またはプログラムに基づいて、ロボット12に起動命令を送信する。ロボット12では、この起動命令に応じて所定のプログラムが起動されて、たとえば処理コンピュータ102からの行動指示を待つ状態にされる。
【0081】
次に、ステップS23で、人間に取らせたい行動に対応するロボット12の行動データを人間行動DB24から検索する。このステップS23では、オペレータは、図示しない表示装置に表示された画面上で人間にとらせたい行動を指定することができる。たとえば、“右手を上げる”という身体動作は、“X(0秒)<10度”かつ“X(10秒)>150度”に適合するデータを検索することによって取得され得る。なお、この角度データX(t)は、図7に示したように、人間の右肩関節に設定したローカルな座標系のX軸まわりの回転角度である。また、たとえば“「おはよう」と言う”という発話を検索する場合は、たとえば公知の音声認識の手法によって、適合するデータが取得される。この検索の際には、さらに人間の属性情報を指定して絞込みを行うことによって、その人間に適応したロボット行動データを取得することができる。なお、人間に取らせたい行動を予め設定しておいたり、あるいはプログラミングしておいたりしてもよい。
【0082】
続いて、ステップS25では、検索結果のうち最も頻度の高かったロボットの行動データを選択する。つまり、人間に取らせたい行動を最も多く誘発させた(したがって、誘発させる可能性が最も高い)ロボットの行動データが選択される。
【0083】
たとえば、図10では、人間に取らせたい行動として“「おはよう」の発話”を検索した場合に、対応するロボット12の行動として“「はじめまして」の発話”、“「いらっしゃい」の発話”、および“「おはよう」の発話”が2回という検索結果が得られている。したがって、この場合には、“「おはよう」の発話”が提示すべきロボット12の行動データとして選択される。
【0084】
そして、ステップS27で、選択したロボットの行動データをロボット12に送信する。これに応じて、ロボット12は、受信した行動データに従った行動を実行する。つまり、ロボット12によって、人間に取らせたい行動を誘発させることの可能な行動が、人間に対して提示される。上述の例の場合には、ロボット12は「おはよう」と発話する。したがって、人間は、おそらくオペレータ等が取らせたかった行動(たとえば「おはよう」の発話)を行うであろう。
【0085】
ステップS29では、他に人間に取らせたい行動が有るか否かを判断する。このステップS29で“YES”であれば、つまり、たとえばオペレータによって次に取らせたい行動が選択された場合等には、ステップS23へ戻って、処理を繰返す。一方、ステップS29で“NO”であれば、この処理を終了する。
【0086】
このように、ロボットシステム100によれば、人間行動DB24を利用することによって人間に特定の行動を行わせることが可能であり、したがって、たとえば、上述のような一般的なコミュニケーション分野やエンターテイメント分野等における役割を果たすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例のコミュニケーション行動記録システムの概要を示す図解図である。
【図2】図1実施例のコミュニケーション行動記録システムの構成を示すブロック図である。
【図3】図1実施例のコミュニケーションロボットの外観を示す図解図(正面図)である。
【図4】図1実施例のコミュニケーションロボットの内部構成を示すブロック図である。
【図5】図1実施例において、被験者である人間とロボットとに装着されるマーカの取付位置を示す図解図である。
【図6】図1実施例において算出される特徴点の3次元座標データを説明するための図解図である。
【図7】図1実施例において、人間の特定部位に設定される座標系を示す図解図である。
【図8】図2に示す行動記録処理コンピュータの動作を示すフロー図である。
【図9】図1実施例のコミュニケーション行動記録システムによって取得された人間のコミュニケーション行動データベースを利用するロボットシステムの一例を示すブロック図である。
【図10】図9のロボットシステムにおける処理コンピュータの動作を示すフロー図である。
【符号の説明】
10 …コミュニケーション行動記録システム
12 …コミュニケーションロボット
16 …カメラ
18 …マイク
20 …行動記録処理コンピュータ
24 …人間行動DB
Claims (7)
- 人間のコミュニケーション行動を記録するためのコミュニケーション行動記録システムであって、
身振りおよび音声の少なくとも一方を含む行動を人間に対して提示するコミュニケーションロボット、および
前記コミュニケーションロボットの提示した前記行動に反応する前記人間の行動情報を取得する取得手段を備える、コミュニケーション行動記録システム。 - 前記取得手段によって取得した前記行動情報を前記コミュニケーションロボットの提示した前記行動に対応付けて格納する記憶手段をさらに備える、請求項1記載のコミュニケーション行動記録システム。
- 前記取得手段は、前記人間の行動情報として前記人間の身体の動作に関する身体動作情報を取得する動作取得手段を含む、請求項1または2記載のコミュニケーション行動記録システム。
- 前記動作取得手段は、前記コミュニケーションロボットおよび前記人間に対して互いに異なる方向に設けられる複数のカメラと、前記複数のカメラから得られた画像に基づいて前記人間の身体の特徴点の位置情報を検出する位置検出手段と、前記位置情報に基づいて前記人間の身体の特定部位の動作に関する部位動作情報を算出する算出手段とを含む、請求項3記載のコミュニケーション行動記録システム。
- 前記取得手段は、前記人間の行動情報として前記人間の発話情報を取得する発話取得手段を含む、請求項1ないし4のいずれかに記載のコミュニケーション行動記録システム。
- 前記コミュニケーションロボットに提示情報を送信する送信手段をさらに備え、
前記コミュニケーションロボットは、前記提示情報を受信する受信手段を備え、前記受信手段によって受信した前記提示情報に従った行動を提示する、請求項1ないし5のいずれかに記載のコミュニケーション行動記録システム。 - 人間のコミュニケーション行動を記録するための方法であって、
(a) コミュニケーションロボットによって、身振りおよび音声の少なくとも一方を含む行動を人間に対して提示し、そして、
(b) 前記コミュニケーションロボットによって提示された前記行動に反応する前記人間の行動に関する行動情報を取得する、コミュニケーション行動記録方法。
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