JP2004227225A - 画像読取装置のシミュレーション装置、シミュレーション方法及びシミュレーションプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】画像読取装置の設計段階において、フレア現象などのような画像品質に影響のある特性を予測でき、より高品質な画像を得ることができる画像読取装置のシミュレーション装置、シミュレーション方法及びシミュレーションプログラムを提供する。
【解決手段】原稿に相当する原稿パターンと照明装置から原稿に直接照射したときの1次照明光分布と1次照明光が原稿面で反射して再度原稿を照明したときの2次照明光分布と画像読取装置における原稿画像の読取位置を設定する設定手段31と、1次照明光分布と読取位置から1次照明光強度を算出し、2次照明光分布と原稿パターンと読取位置から2次照明光強度を算出する演算手段32と、1次照明光強度の値と2次照明光強度の値を表示する表示手段33とを備える。
【選択図】 図3
【解決手段】原稿に相当する原稿パターンと照明装置から原稿に直接照射したときの1次照明光分布と1次照明光が原稿面で反射して再度原稿を照明したときの2次照明光分布と画像読取装置における原稿画像の読取位置を設定する設定手段31と、1次照明光分布と読取位置から1次照明光強度を算出し、2次照明光分布と原稿パターンと読取位置から2次照明光強度を算出する演算手段32と、1次照明光強度の値と2次照明光強度の値を表示する表示手段33とを備える。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、スキャナなどの画像読取装置の開発設計評価に使用して好適な画像読取装置のシミュレーション装置、シミュレーション方法及びシミュレーションプログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
デジタルPPC(Plain Paper Copier:普通紙複写機)などに搭載されているスキャナは、原稿の濃度を正確に読み取ることが必要である。原稿読取濃度を決定する構成要素は、1番目としてCCDなどの撮像素子の感度と、2番目としてレンズなど光学系による読取位置と、3番目としてランプの発光量と、4番目としてランプと光学系と原稿を含めた総合的な照明光量の4つの要素がある。
スキャナには照明装置が内臓されており、一般的なスキャナではライン状に原稿を読み取り、これを走査することで2次元の画像を読み取っている(線順次画像読取)。その際、照明装置と原稿との距離が小さいため、図23に示すように画像読取装置の照明装置1からの照明光2が原稿面3に当たって、スキャナ内の光学部品4に反射して再度原稿を照明する再照明光5が生じる現象(フレア現象)があることが知られている。なお、照明装置から原稿面に到達する照明光を1次照明光、原稿面を反射して再度原稿面を照明する光を2次照明光と言う。このフレア現象が生じると同一原稿濃度なのに、その周辺原稿濃度の差によって、スキャナ読取画像信号が変化する。これは2次照明光が原稿面で反射する際に原稿濃度によって反射光量が変化するため、1次照明光と2次照明光の合計である照明光が原稿濃度によって変わってしまうことから生じる。
【0003】
図24にフレア現象が生じた場合の読取画像の概略図を示す。黒パターン部6に挟まれた境界部7(斜線部)は白パターン部8と比べて暗く読み取られる。原稿の白パターンは何処であっても濃度が均一であるため、あきらかに読取画像としては劣化していることになる。これは黒帯に挟まれた領域をスキャナが読んだ際、その両側が黒いため、白色原稿部を読み取った場合と比較して2次照明光が相対的に減ってしまうためである。
全般に原稿反射率が低い領域ほどスキャナは暗く画像を読み取り、原稿反射率が高い領域ほどスキャナは明るく画像を読み取ることになる。つまり、黒文字原稿において文字内の白部がスキャナ画像においては暗くなり、結果的にコントラストが低下して読みづらくなってしまうなどの不良となって認識される。
そのため、画像読取装置などの開発においては、読取画像のシミュレーション装置を用いて画像品質の評価・確認を行っている。その一例として、撮像素子と光学系と処理回路を有する電子撮像装置を対象にシミュレーションする方法及び装置に関するもので、任意の被写体に対する読取画像の算出を行うものが知られている。この内容は、任意の被写体は2次元強度分布データで構成されており、幾何学的なテストパターンであれば計算機にて算出している。また、被写体に相当する画像を、イメージスキャナで読み取って2次元強度分布データを取得する方法も提案している(例えば、特許文献1参照)。
また、スキャナなどの光学系に関するシミュレーションとしては、光線追跡手法などが知られている。これはミラーやレンズ、照明といった光学要素を数式化して幾何計算によって光学系のシミュレーションを行なうもので、照明系のシミュレーションには光線数を増やして行なう。
さらに、スキャナ内の各イメージプロセスをモデル化して連結することで、任意原稿に設対するその読取画像を予測する画像入力装置のシミュレーション装置およびシミュレーション方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。スキャナ内の各イメージプロセス要素(光学、機械、電気、画像処理)ごとにパラメータを設定することで、原稿のモデルであるデジタルデータ配列に対する読取画像を算出する。デジタルデータ配列は、TIFF形式やBITMAP形式を活用している。データそのものは画像の反射率に相当する。
【特許文献1】特開平09−006827号公報
【特許文献2】特開2001−229214公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述したような2次照明光の問題に対しては、スキャナの設計段階において原稿面を反射した2次照明光が再度原稿を照明しないように光学系部品を黒く塗装したり、レイアウトを適正化するなどの対応をしているが、2次照明光と実際の原稿読取による劣化との関係が明らかではなかった。つまり、2次照明光の低減目標を画像読取品質から求めることが難しかった。そのため、設計後の試作段階で実際に原稿を読み取ったスキャナ画像を評価基準に、各種対応の効果を確認していた。
また、光線追跡手法を用いた場合はスキャナを試作することなく照明状態を予測できるが、最終特性としての原稿に対する読取画像はシミュレーションできない。さらに、特許文献2の画像入力装置のシミュレーション装置およびシミュレーション方法では、スキャナの照明系に関して、前記スキャナに内臓されている照明装置から原稿設置面に直接照射する1次照明光分布を用いて計算を行なっているだけなので、十分な効果を得ることができない。
そこで、本発明は、上述の問題点を解決するためになされたもので、画像読取装置の設計段階において、フレア現象などのような画像品質に影響のある特性を予測でき、より高品質な画像を得ることができる画像読取装置のシミュレーション装置、シミュレーション方法及びシミュレーションプログラムを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上述の問題点を解決するために、請求項1記載の発明では、照明装置を搭載した画像読取装置の、照明光強度を予測する画像読取装置のシミュレーション装置において、原稿に相当する原稿パターンと前記照明装置から前記原稿に直接照射したときの1次照明光分布と1次照明光が前記原稿面で反射して再度原稿を照明したときの2次照明光分布と前記画像読取装置における原稿画像の読取位置を設定する設定手段と、前記1次照明光分布と前記読取位置から1次照明光強度を算出し、前記2次照明光分布と前記原稿パターンと前記読取位置から2次照明光強度を算出する演算手段と、前記1次照明光強度の値と前記2次照明光強度の値を表示する表示手段と、を備えたことを特徴とする。
請求項2記載の発明では、前記読取位置を前記原稿パターン上で順次移動させながら、前記1次照明光強度分布と前記2次照明光強度分布を算出し、前記1次照明光強度分布と前記2次照明光強度分布を合計した値を前記原稿パターンに対して前記読取位置ごとに掛け算して照明画像を算出する演算手段と、前記照明画像を記録する記録手段と、前記照明画像を表示する表示手段と、を備えたことを特徴とする。
請求項3記載の発明では、前記演算手段は前記原稿パターンから前記照明画像を画素ごとに引き算をし、引き算した結果の差分画像を前記表示手段に表示することを特徴とする。
請求項4記載の発明では、前記演算手段は前記読取位置を前記原稿パターン上で順次移動させながら、前記1次照明光強度分布を算出し、前記1次照明光強度分布を前記原稿パターンに対して前記読取位置ごとに掛け算して1次照明光単独照明画像を算出し、前記照明画像と前記1次照明光単独照明画像とを前記表示手段に同時表示することを特徴とする。
請求項5記載の発明では、前記設定手段は前記原稿パターンの周辺部を均一原稿として前記周辺部データを設定し、前記演算手段は前記原稿パターンと同一サイズの照明画像を算出することを特徴とする。
請求項6記載の発明では、前記画像読取装置の解像度と前記原稿パターンの解像度と前記1次照明光分布の解像度が一致しており、且つ前記2次照明光分布の解像度の整数倍であることを特徴とする。
請求項7記載の発明では、前記画像読取装置のライン読取の走査による2次元画像の読み取り動作においては、前記原稿パターンの前記走査に垂直な方向のサイズが前記画像読取装置の読取幅と一致していることを特徴とする。
【0006】
請求項8記載の発明では、前記設定手段は基準となる読取位置を設定し、前記演算手段は前記1次照明光分布と前記基準となる読取位置からシェーディングデータとなる1次照明光強度を算出し、シェーディング処理を行うための信号処理手段によって前記照明画像を前記シェーディングデータを用いて処理することを特徴とする。
請求項9記載の発明では、照明装置を搭載した画像読取装置の、照明光強度を予測する画像読取装置のシミュレーション方法において、原稿に相当する原稿パターンと前記照明装置から前記原稿に直接照射したときの1次照明光分布と前記1次照明光が前記原稿面で反射して再度原稿を照明したときの2次照明光分布と前記画像読取装置における原稿画像の読取位置を設定する設定工程と、前記1次照明光分布と前記読取位置から1次照明光強度を算出し、前記2次照明光分布と前記原稿パターンと前記読取位置から2次照明光強度を算出する演算工程と、前記1次照明光強度の値と前記2次照明光強度の値を表示する表示工程と、を備えたことを特徴とする。
請求項10記載の発明では、照明装置を搭載した画像読取装置の、照明光強度を予測する画像読取装置のシミュレーションプログラムにおいて、原稿に相当する原稿パターンと前記照明装置から前記原稿に直接照射したときの1次照明光分布と前記1次照明光が前記原稿面で反射して再度原稿を照明したときの2次照明光分布と前記画像読取装置における原稿画像の読取位置を設定する設定工程と、前記1次照明光分布と前記読取位置から1次照明光強度を算出し、前記2次照明光分布と前記原稿パターンと前記読取位置から2次照明光強度を算出する演算工程と、前記1次照明光強度の値と前記2次照明光強度の値を表示する表示工程と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、図面により本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は画像読取装置の概略図であり、図2は側面から見た構成を表している。原稿11はコンタクトガラス12上に設置され、ランプ13の光及びランプ13の光を受けたリフレクター14の光が撮像領域15に照射され、その反射光が走行体16及び走行体17内の折り返しミラー18を通してレンズ19によって1次元撮像素子20の面に結像し、1次元撮像素子20が撮像領域15の画像を1次元に取得する。
走行体16と走行体17はモータ21による駆動を伝達手段22を通じて受け、コンタクトガラス12の面において撮像領域15と垂直方向にコンタクトガラス12の面に対するレンズ19の結像位置が1次元撮像素子20の面になる状態を保ちながら走行することで、コンタクトガラス12上にある原稿11の画像を1次元撮像素子20にて2次元的に取得することができる。撮像素子としては1次元CCD(Charge Coupled Device)が用いられ、レンズ19はコンタクトガラス12の面に対して縮小して1次元撮像素子20上に結像している。なお、走行体16が走査する方向を副走査方向と呼び、1次元撮像素子20の画像読み取り方向を主走査方向と呼ぶ。ちなみに、通常スキャナの画像解像度はDPI(ドット/inch)で表され、デジタルPPC(Plain Paper Copier:普通紙複写機)に搭載されるスキャナは400ないし600DPIである場合が多い。
【0008】
図3は本発明の第1の実施形態である画像読取装置のシミュレーション装置100の基本構成を示す。画像読取装置のシミュレーション装置100は設定手段31、演算手段32、表示手段33、記録手段34、各手段間でデータをやり取りするデータバス35からなっている。
図4は画像読取装置のシミュレーション装置100の動作を示したフローチャートであり、図3で示したハードウェア上で実行される。また、このフローチャートは本発明の実施の一形態である画像読取装置のシミュレーション方法及び画像読取装置のシミュレーションプログラムを示したものでもある。同図に示すように、ステップS1でシミュレーションがスタートし、ステップS2へ進んで原稿パターンの設定を行う。
ここで、原稿パターン設定について図5の原稿パターン例を用いて説明する。原稿パターンは2次元のデータ配列であり、各データは原稿上の各座標における光学反射率(%)であることが望ましい。また、データ配列の密度はシミュレーション対象の画像読取装置の読取密度と同一であることが望ましい。データそのものは描画ツールによる作成でも良いし、デジタルカメラ等で撮影した画像データを用いても良い。ただしスキャナを用いた画像取得ではそのフレア成分が排除できないため望ましくない。図6に示した小さい枠は原稿パターンの1画素に相当し、そこに1個の反射率データを有している事になる。原稿パターンにはシミュレーション対象の画像読取装置に応じて、主走査方向と副走査方向を有している。白部は原稿のベース部(用紙)であり、黒部は原稿の印刷部である。
【0009】
図4に戻って、ステップS2で原稿パターンの設定を行うとステップS3へ移り1次照明光分布データの設定を行う。1次照明光分布データは図6に示すように2次元のデータ配列であり、各データは原稿面の各座標における光強度で、単位としては照度(Lux)や光強度(W/m2)が望ましい。また、データ配列の密度は前記原稿パターン密度と同一であることが望ましい。本データは実測値を用いても良いし、汎用的な光線追跡手法によるシミュレーション結果を用いても良い。実測では対象の画像読取装置において照明を点灯状態で固定し、原稿面に設置した照度計によって、原稿面の照度分布を計測する手法などが知られている。
図4のステップS3で1次照明光分布データの設定を行うとステップS4へ移り、2次照明光分布データの設定を行う。2次照明光分布データは図7に示すように2次元のデータ配列であり、原稿が均一反射率原稿と仮定した場合の、1次照明光が読取位置以外の原稿面を反射して、原稿面の読取位置を照明した原稿面の各座標における光強度(2次照明光)分布を表わす。単位としては照度(Lux)や光強度(W/m2)が望ましい。また、データ配列の密度は前記1次照明光分布データの密度と同一であることが望ましい。本データは実測値を用いても良いし、汎用的な光線追跡手法によるシミュレーション結果を用いても良い。
計測手法の1例を図8に示す。対象の画像読取装置において原稿面に1次照明光代わりの点光源装置41を点灯状態で読取位置近辺に固定し、前記画像読取装置の照明装置42を無点灯状態とする。前記点光源装置41から発射された光が光学部品43等を反射して、原稿面にもどってきた光を照度計44によって検出する。この戻ってきた光は2次照明光強度と同一である。照度計の設置位置を順次移動させることで原稿面の2次照明光強度分布を計測する。
図4のステップS4で2次照明光分布データの設定を行うとステップS5へ移り、読取位置の設定を行う。図9のように、上述の原稿パターンを対象として、そのパターンにおいてどの位置を読み取るかを指定することになる。図9において指定した読取位置は、主走査方向両側が黒部であり、副走査方向両側は読取位置と同一の白部となっている。
【0010】
次に、図4のステップS6へ進み、読取位置1次照明光強度演算を行う。ここでは、図10のように、1次照明光分布データ51から、ステップS5にて指定された読取位置52に相当する強度データ53を抽出する。ただしシミュレーション対象の画像読取装置が、ライン読取である線順次読取動作の場合、読取ラインの垂直方向へは1次照明光分布は平行移動させないと、前記画像読取動作の動作と異なってしまうので注意が必要である。
そして、図4のステップS7へ進んで読取位置2次照明光強度演算を行う。図11のように、原稿パターンと、2次照明光分布データ61を、読取位置62を基準に位置合わせを行ない、前記原稿パターンと、2次照明光分布データ61の各座標位置ごとに両者の積を計算してその総和を算出する。
さらに、図4のステップ8へ移り、各照明光強度データを表示する。つまり、読取位置1次照明光強度演算で算出した読取位置の1次照明光強度と、読取位置2次照明光強度演算で算出した読取位置の2次照明光強度を、画像読取装置のシミュレーション装置100の表示手段33(図3)に表示して動作を終了する。
以上の工程によって、任意原稿パターンの任意読取位置に対する1次照明光強度と、2次照明光強度を予測する。
したがって、第1の実施形態では、画像読取装置の設計段階において、任意の原稿パターンに対する1次照明光と2次照明光の要素を盛込んだ照明光の変化を算出できるので、フレア現象といった画像品質に影響のある特性を予測でき、より高品質な画像読取装置を実現できるといった効果を有する。
【0011】
続いて、本発明の第2の実施形態としての画像読取装置のシミュレーション装置について図12のフローチャートを用いて説明する。第1の実施形態のシミュレーション処理における読取位置を、自動的に前記原稿パターン内の任意領域内で順次移動させ、前記任意領域に相当する範囲の1次照明光強度分布と、2次照明光強度分布を算出している(ステップS11〜ステップS17)。
さらに前記1次照明光強度分布と、前記2次照明光強度分布を画素ごとに加算後、前記原稿パターン内の任意領域内と画素ごとに積分することで、1次照明光と2次照明光を盛込んだ照明画像(原稿画像に対して、照明されて原稿から反射した光画像のこと。)を得ている(ステップS18〜ステップS20)。この照明画像を表示手段33(図3)に表示する(ステップS21)。
図13〜図15を用いて補足すると、上述した画像読取装置のシミュレーション方法により、図13にて示す原稿パターンに対して、2次照明光強度成分を含まないで算出したシミュレーション画像(図14)と、2次照明光強度成分を含んで算出したシミュレーション画像(図15)とを示す。図14では画像中央部は副走査方向にとなりの白部と画像濃度が変わらないのに比べ、図15では画像中央部が暗めになっている。これは画像中央部を読み取る際に主走査方向に両側が黒であるため、画像中央部に到達する2次照明光が減り、結果的に照明光量が減った事をシミュレーションできたことを表わしている。
したがって、第2の実施形態では、画像読取装置の設計段階において、任意の原稿パターンに対する1次照明光と2次照明光の要素を盛込んだ照明光の変化を読取画像として算出できるので、フレア現象などを直接画像品質として予測でき、より高品質な画像読取装置を実現できるといった効果を有する。
【0012】
次に、本発明の第3の実施形態としての画像読取装置のシミュレーション装置について図16のフローチャートを用いて説明する。第2の実施形態の画像読取装置のシミュレーション装置によって算出された照明画像に対して、その位置に該当する原稿パターン画像を画面間演算によって引き算する(ステップS31〜ステップS41)。演算結果によって得られた差分画像の画像データにはマイナス値も存在する可能性が高いため、そうならないように定数を画像データ全域に加算する。その後、差分画像を表示手段33(図3)に表示する(ステップS42)。
したがって、第3の実施形態では、原稿パターンとシミュレーション結果の読取画像の差分画像を算出しているので、原稿パターンに対して読取画像がどれだけ劣化しているかを容易に判断でき、また、劣化部分の特徴を画像上で確認できるため、より高品質な画像読取装置を実現できるといった効果を有する。
次に、本発明の第4の実施形態としての画像読取装置のシミュレーション装置について図17のフローチャートを用いて説明する。第2の実施形態及び第3の実施形態においては、1次照明光強度分布と、2次照明光強度分布を加算して照明画像を算出していたが、第4の実施形態では、それ以外に1次照明光強度分布単独で1次照明画像を算出し(ステップS51〜ステップS61)、表示手段33(図3)で、前記照明画像と前記1次照明画像を同時表示する(ステップS62)。
したがって、第4の実施形態では、1次照明光単独と、1次照明光と2次照明光による任意原稿パターンに対する読取画像を算出し、両者を比較できるので、容易に2次照明光による読取画像品質の劣化を確認でき、より高品質な画像読取装置を実現できるといった効果を有する。
【0013】
次に、本発明の第5の実施形態としての画像読取装置のシミュレーション装置について図18のフローチャートを用いて説明する。第2の実施形態〜第4の実施形態までの画像読取装置のシミュレーション装置では、2次照明光強度の計算に読取位置周辺の原稿パターンデータが必要なため、原稿パターン周辺部に読取位置を設定すると、演算不能領域が生じてしまい(図19参照)、原稿パターン全域をシミュレーションして照明画像を算出することはできない。そこで、原稿パターン周辺の原稿の反射率が均一であるとして、その反射率を設定する(ステップS71〜ステップS72)。2次照明光強度の計算においては、読取位置周辺に原稿パターンデータが無い場合、前記反射率データを用いて計算する。この操作により設定した原稿パターン全域に対する照明画像を算出し、表示できる(ステップS73〜ステップS82)。
したがって、第5の実施形態では、任意原稿パターンの周辺部の反射率データを設定できるので、2次照明光分布による2次照明光強度分布計算を原稿パターン全域に実施でき、より高品質な画像読取装置を実現できるといった効果を有する。
【0014】
次に、本発明の第6の実施形態としての画像読取装置のシミュレーション装置について説明する。図20に本実施形態の2次照明光分布を表わすイメージを、原稿パターンと対比して示す。本図では2次照明光分布の方が、解像度が2倍粗い。本実施形態による2次照明光強度分布の算出では、図に示すように読取位置内の4つのデータに対しては、同一の2次照明光強度を設定するようになる。また、2次照明光強度を読取位置ごとに算出するのも原稿パターンの解像度でなく、2次照明光分布の解像度のピッチに合わせて位置をずらしていくようにする。
通常本シミュレーション対象の画像読取装置は、読取解像度が400−600dpiから2400dpi程度であり、分解能で63−10μmであるのに対して、2次照明光の影響範囲は100mm以上の領域があることが実験的に判明している。(図21に実験結果図を示す。白い部分が強い2次照明光を表わしている。)ただし、100mmの範囲中では滑らかな分布であり、局所的な変動は検出できない。そのためその領域すべての影響をシミュレーションに盛込むには、前記シミュレーション対象の画像読取装置の読取解像度に応じて計算した場合、膨大な計算回数が必要となるのに対して、本手法ではその回数を低減することになる。
したがって、第6の実施形態では、2次照明光分布の解像度が原稿パターン等の解像度よりも低いため、2次照明光強度分布計算において計算回数を低減でき、より短時間にシミュレーションを実施できるといった効果を有する。
次に、本発明の第7の実施形態としての画像読取装置のシミュレーション装置について説明する。 図1及び図2に示すように、線順次読取動作であるスキャナなどを対象としてシミュレーション装置である場合、その照明装置も線状に照明するように構成されている。つまり1次照明光分布は帯状に形成されていて、原稿面での1次照明光が反射して生じる2次照明光分布も帯状に形成される。結果的に読取ラインと垂直方向に対して、2次照明光分布は生じない。第7の実施形態の画像読取装置のシミュレーション装置では、原稿パターン及び1次2次照明光分布を、本シミュレーション対象の画像読取装置の読取幅全域としている。
したがって、第7の実施形態では、シミュレーション対象の画像読取装置における読取ライン全域に相当する範囲で読取画像を算出するシミュレーションが可能なので、前記画像読取装置の照明要素すべてを一度に評価でき、より高品質な画像読取装置を実現できるといった効果を有する。
【0015】
次に、本発明の第8の実施形態としての画像読取装置のシミュレーション装置について説明する。シミュレーション対象の画像読取装置では、一般に搭載されている照明装置の照度むらを補正するため、シェーディング処理を行なっている。その動作について以下に説明する。図1及び図2における走行体16がホームポジションにある状態で、白色の基準プレートを照明が点灯した状態で線状に読み取り、この読取データを補正データとする。実際に走行体16が走査しながら取得された読取データに対して、前記補正データを用いて補正することで、読取線方向の照度むらを補正する。以下に補正式の例を示す。
補正後データ=〔補正前データ÷補正データ〕×255 (式1)
ちなみに上記式は、8bit画像信号における信号処理例である。また上記処理は撮像素子20の1画素ごとに実施する。第8の実施形態としての画像読取装置のシミュレーション装置では、上記シェーディング処理を図23のフローチャートの手順でシミュレーションに取り込む(ステップS91〜ステップS104)。ここで、ステップS95の白色基準プレートデータの設定とは、画像読取装置に搭載されている白色基準プレートの光学反射率特性値を設定することである。ステップS96の補正データの作成とは、前記白色基準プレートが原稿パターンと想定して、読取線状に相当する読取画像データを計算して算出する。この読取画像データを補正データとする。ステップS103のシェーディング処理の実施とは、前記補正データを用いて(式1)等の補正計算を画像全域に実施することである。
したがって、第8の実施形態では、シミュレーション対象の画像読取装置におけるシェーディング処理を盛込んで読取画像を算出することが可能なので、より実際に即した読取画像によって前記画像読取装置の照明要素を評価でき、より高品質な画像読取装置を実現できるといった効果を有する。
【0016】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1によれば、画像読取装置の設計段階において、任意の原稿パターンに対する1次照明光と2次照明光の要素を盛込んだ照明光の変化を算出できるので、フレア現象といった画像品質に影響のある特性を予測でき、より高品質な画像読取装置を実現することができる。
請求項2によれば、画像読取装置の設計段階において、任意の原稿パターンに対する1次照明光と2次照明光の要素を盛込んだ照明光の変化を読取画像として算出できるので、フレア現象などを直接画像品質として予測でき、より高品質な画像読取装置を実現することができる。
請求項3によれば、原稿パターンとシミュレーション結果の読取画像の差分画像を算出しているので、原稿パターンに対して読取画像がどれだけ劣化しているかを容易に判断でき、また、劣化部分の特徴を画像上で確認できるため、より高品質な画像読取装置を実現することができる。
請求項4によれば、1次照明光単独と、1次照明光と2次照明光による任意原稿パターンに対する読取画像を算出し、両者を比較できるので、容易に2次照明光による読取画像品質の劣化を確認でき、より高品質な画像読取装置を実現することができる。
請求項5によれば、任意原稿パターンの周辺部の反射率データを設定できるので、2次照明光分布による2次照明光強度分布計算を原稿パターン全域に実施でき、より高品質な画像読取装置を実現することができる。
請求項6によれば、2次照明光分布の解像度が原稿パターン等の解像度よりも低いため、2次照明光強度分布計算において計算回数を低減でき、より短時間にシミュレーションを実施することができる。
請求項7によれば、シミュレーション対象の画像読取装置における読取ライン全域に相当する範囲で読取画像を算出するシミュレーションが可能なので、前記画像読取装置の照明要素すべてを一度に評価でき、より高品質な画像読取装置を実現することができる。
請求項8によれば、シミュレーション対象の画像読取装置におけるシェーディング処理を盛込んで読取画像を算出することが可能なので、より実際に即した読取画像によって前記画像読取装置の照明要素を評価でき、より高品質な画像読取装置を実現することができる。
請求項9によれば、画像読取装置の設計段階において、任意の原稿パターンに対する1次照明光と2次照明光の要素を盛込んだ照明光の変化を算出できるので、フレア現象といった画像品質に影響のある特性を予測でき、より高品質な画像読取装置を実現することができる。
請求項10によれば、画像読取装置の設計段階において、任意の原稿パターンに対する1次照明光と2次照明光の要素を盛込んだ照明光の変化を算出できるので、フレア現象といった画像品質に影響のある特性を予測でき、より高品質な画像読取装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】画像読取装置の概略を示す斜視図である。
【図2】画像読取装置の概略を示す側面図である。
【図3】画像読取装置のシミュレーション装置100の構成を示す図である。
【図4】第1の実施形態の動作を示すフローチャートである。
【図5】原稿パターンの上面図である。
【図6】1次照明光分布データを示す図である。
【図7】2次照明光分布データを示す図である。
【図8】2次照明光分布データ取得方法に関する計測手法の概略図である。
【図9】読取位置の設定を説明する図である。
【図10】1次照明光強度演算を説明する図である。
【図11】2次照明光強度演算を説明する図である。
【図12】第2の実施形態の動作を示すフローチャートである。
【図13】第2の実施形態における読込動作に用いた原稿パターンを示す図である。
【図14】2次照明光強度成分を含まないで算出したシミュレーション画像を示す図である。
【図15】2次照明光強度成分を含んで算出したシミュレーション画像を示す図である。
【図16】第3の実施形態の動作を示すフローチャートである。
【図17】第4の実施形態の動作を示すフローチャートである。
【図18】第5の実施形態の動作を示すフローチャートである。
【図19】原稿パターンにおける演算不能領域を示す図である。
【図20】第6の実施形態における2次照明光分布を表すイメージを原稿パターンと対比して示した図である。
【図21】2次照明光の影響範囲に関わる実験結果を示す図である。
【図22】第8の実施形態の動作を示すフローチャートである。
【図23】フレア現象の発生原理を説明する図である。
【図24】フレア現象が生じた場合の読取画像の概略図である。
【符号の説明】
1 照明装置、2 照明光、3 原稿面、4 光学部品、5 再照明光、6 黒パターン部、7 境界部、8 白パターン部、11 原稿、12 コンタクトガラス、13 ランプ、14 リフレクター、15 撮像領域、16,17 走行体、18 ミラー、19 レンズ、20 1次元撮像素子、21 モータ、22 伝達手段、31 設定手段、32 演算手段、33 表示手段、34 記録手段、35 データバス、41 点光源装置、42 照明装置、43 光学部品、44 照度計、51 1次照明光分布データ、52,62 読取位置、53 強度データ、61 2次照明光分布データ、100 画像読取装置のシミュレーション装置
【発明の属する技術分野】
本発明は、スキャナなどの画像読取装置の開発設計評価に使用して好適な画像読取装置のシミュレーション装置、シミュレーション方法及びシミュレーションプログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
デジタルPPC(Plain Paper Copier:普通紙複写機)などに搭載されているスキャナは、原稿の濃度を正確に読み取ることが必要である。原稿読取濃度を決定する構成要素は、1番目としてCCDなどの撮像素子の感度と、2番目としてレンズなど光学系による読取位置と、3番目としてランプの発光量と、4番目としてランプと光学系と原稿を含めた総合的な照明光量の4つの要素がある。
スキャナには照明装置が内臓されており、一般的なスキャナではライン状に原稿を読み取り、これを走査することで2次元の画像を読み取っている(線順次画像読取)。その際、照明装置と原稿との距離が小さいため、図23に示すように画像読取装置の照明装置1からの照明光2が原稿面3に当たって、スキャナ内の光学部品4に反射して再度原稿を照明する再照明光5が生じる現象(フレア現象)があることが知られている。なお、照明装置から原稿面に到達する照明光を1次照明光、原稿面を反射して再度原稿面を照明する光を2次照明光と言う。このフレア現象が生じると同一原稿濃度なのに、その周辺原稿濃度の差によって、スキャナ読取画像信号が変化する。これは2次照明光が原稿面で反射する際に原稿濃度によって反射光量が変化するため、1次照明光と2次照明光の合計である照明光が原稿濃度によって変わってしまうことから生じる。
【0003】
図24にフレア現象が生じた場合の読取画像の概略図を示す。黒パターン部6に挟まれた境界部7(斜線部)は白パターン部8と比べて暗く読み取られる。原稿の白パターンは何処であっても濃度が均一であるため、あきらかに読取画像としては劣化していることになる。これは黒帯に挟まれた領域をスキャナが読んだ際、その両側が黒いため、白色原稿部を読み取った場合と比較して2次照明光が相対的に減ってしまうためである。
全般に原稿反射率が低い領域ほどスキャナは暗く画像を読み取り、原稿反射率が高い領域ほどスキャナは明るく画像を読み取ることになる。つまり、黒文字原稿において文字内の白部がスキャナ画像においては暗くなり、結果的にコントラストが低下して読みづらくなってしまうなどの不良となって認識される。
そのため、画像読取装置などの開発においては、読取画像のシミュレーション装置を用いて画像品質の評価・確認を行っている。その一例として、撮像素子と光学系と処理回路を有する電子撮像装置を対象にシミュレーションする方法及び装置に関するもので、任意の被写体に対する読取画像の算出を行うものが知られている。この内容は、任意の被写体は2次元強度分布データで構成されており、幾何学的なテストパターンであれば計算機にて算出している。また、被写体に相当する画像を、イメージスキャナで読み取って2次元強度分布データを取得する方法も提案している(例えば、特許文献1参照)。
また、スキャナなどの光学系に関するシミュレーションとしては、光線追跡手法などが知られている。これはミラーやレンズ、照明といった光学要素を数式化して幾何計算によって光学系のシミュレーションを行なうもので、照明系のシミュレーションには光線数を増やして行なう。
さらに、スキャナ内の各イメージプロセスをモデル化して連結することで、任意原稿に設対するその読取画像を予測する画像入力装置のシミュレーション装置およびシミュレーション方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。スキャナ内の各イメージプロセス要素(光学、機械、電気、画像処理)ごとにパラメータを設定することで、原稿のモデルであるデジタルデータ配列に対する読取画像を算出する。デジタルデータ配列は、TIFF形式やBITMAP形式を活用している。データそのものは画像の反射率に相当する。
【特許文献1】特開平09−006827号公報
【特許文献2】特開2001−229214公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述したような2次照明光の問題に対しては、スキャナの設計段階において原稿面を反射した2次照明光が再度原稿を照明しないように光学系部品を黒く塗装したり、レイアウトを適正化するなどの対応をしているが、2次照明光と実際の原稿読取による劣化との関係が明らかではなかった。つまり、2次照明光の低減目標を画像読取品質から求めることが難しかった。そのため、設計後の試作段階で実際に原稿を読み取ったスキャナ画像を評価基準に、各種対応の効果を確認していた。
また、光線追跡手法を用いた場合はスキャナを試作することなく照明状態を予測できるが、最終特性としての原稿に対する読取画像はシミュレーションできない。さらに、特許文献2の画像入力装置のシミュレーション装置およびシミュレーション方法では、スキャナの照明系に関して、前記スキャナに内臓されている照明装置から原稿設置面に直接照射する1次照明光分布を用いて計算を行なっているだけなので、十分な効果を得ることができない。
そこで、本発明は、上述の問題点を解決するためになされたもので、画像読取装置の設計段階において、フレア現象などのような画像品質に影響のある特性を予測でき、より高品質な画像を得ることができる画像読取装置のシミュレーション装置、シミュレーション方法及びシミュレーションプログラムを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上述の問題点を解決するために、請求項1記載の発明では、照明装置を搭載した画像読取装置の、照明光強度を予測する画像読取装置のシミュレーション装置において、原稿に相当する原稿パターンと前記照明装置から前記原稿に直接照射したときの1次照明光分布と1次照明光が前記原稿面で反射して再度原稿を照明したときの2次照明光分布と前記画像読取装置における原稿画像の読取位置を設定する設定手段と、前記1次照明光分布と前記読取位置から1次照明光強度を算出し、前記2次照明光分布と前記原稿パターンと前記読取位置から2次照明光強度を算出する演算手段と、前記1次照明光強度の値と前記2次照明光強度の値を表示する表示手段と、を備えたことを特徴とする。
請求項2記載の発明では、前記読取位置を前記原稿パターン上で順次移動させながら、前記1次照明光強度分布と前記2次照明光強度分布を算出し、前記1次照明光強度分布と前記2次照明光強度分布を合計した値を前記原稿パターンに対して前記読取位置ごとに掛け算して照明画像を算出する演算手段と、前記照明画像を記録する記録手段と、前記照明画像を表示する表示手段と、を備えたことを特徴とする。
請求項3記載の発明では、前記演算手段は前記原稿パターンから前記照明画像を画素ごとに引き算をし、引き算した結果の差分画像を前記表示手段に表示することを特徴とする。
請求項4記載の発明では、前記演算手段は前記読取位置を前記原稿パターン上で順次移動させながら、前記1次照明光強度分布を算出し、前記1次照明光強度分布を前記原稿パターンに対して前記読取位置ごとに掛け算して1次照明光単独照明画像を算出し、前記照明画像と前記1次照明光単独照明画像とを前記表示手段に同時表示することを特徴とする。
請求項5記載の発明では、前記設定手段は前記原稿パターンの周辺部を均一原稿として前記周辺部データを設定し、前記演算手段は前記原稿パターンと同一サイズの照明画像を算出することを特徴とする。
請求項6記載の発明では、前記画像読取装置の解像度と前記原稿パターンの解像度と前記1次照明光分布の解像度が一致しており、且つ前記2次照明光分布の解像度の整数倍であることを特徴とする。
請求項7記載の発明では、前記画像読取装置のライン読取の走査による2次元画像の読み取り動作においては、前記原稿パターンの前記走査に垂直な方向のサイズが前記画像読取装置の読取幅と一致していることを特徴とする。
【0006】
請求項8記載の発明では、前記設定手段は基準となる読取位置を設定し、前記演算手段は前記1次照明光分布と前記基準となる読取位置からシェーディングデータとなる1次照明光強度を算出し、シェーディング処理を行うための信号処理手段によって前記照明画像を前記シェーディングデータを用いて処理することを特徴とする。
請求項9記載の発明では、照明装置を搭載した画像読取装置の、照明光強度を予測する画像読取装置のシミュレーション方法において、原稿に相当する原稿パターンと前記照明装置から前記原稿に直接照射したときの1次照明光分布と前記1次照明光が前記原稿面で反射して再度原稿を照明したときの2次照明光分布と前記画像読取装置における原稿画像の読取位置を設定する設定工程と、前記1次照明光分布と前記読取位置から1次照明光強度を算出し、前記2次照明光分布と前記原稿パターンと前記読取位置から2次照明光強度を算出する演算工程と、前記1次照明光強度の値と前記2次照明光強度の値を表示する表示工程と、を備えたことを特徴とする。
請求項10記載の発明では、照明装置を搭載した画像読取装置の、照明光強度を予測する画像読取装置のシミュレーションプログラムにおいて、原稿に相当する原稿パターンと前記照明装置から前記原稿に直接照射したときの1次照明光分布と前記1次照明光が前記原稿面で反射して再度原稿を照明したときの2次照明光分布と前記画像読取装置における原稿画像の読取位置を設定する設定工程と、前記1次照明光分布と前記読取位置から1次照明光強度を算出し、前記2次照明光分布と前記原稿パターンと前記読取位置から2次照明光強度を算出する演算工程と、前記1次照明光強度の値と前記2次照明光強度の値を表示する表示工程と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、図面により本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は画像読取装置の概略図であり、図2は側面から見た構成を表している。原稿11はコンタクトガラス12上に設置され、ランプ13の光及びランプ13の光を受けたリフレクター14の光が撮像領域15に照射され、その反射光が走行体16及び走行体17内の折り返しミラー18を通してレンズ19によって1次元撮像素子20の面に結像し、1次元撮像素子20が撮像領域15の画像を1次元に取得する。
走行体16と走行体17はモータ21による駆動を伝達手段22を通じて受け、コンタクトガラス12の面において撮像領域15と垂直方向にコンタクトガラス12の面に対するレンズ19の結像位置が1次元撮像素子20の面になる状態を保ちながら走行することで、コンタクトガラス12上にある原稿11の画像を1次元撮像素子20にて2次元的に取得することができる。撮像素子としては1次元CCD(Charge Coupled Device)が用いられ、レンズ19はコンタクトガラス12の面に対して縮小して1次元撮像素子20上に結像している。なお、走行体16が走査する方向を副走査方向と呼び、1次元撮像素子20の画像読み取り方向を主走査方向と呼ぶ。ちなみに、通常スキャナの画像解像度はDPI(ドット/inch)で表され、デジタルPPC(Plain Paper Copier:普通紙複写機)に搭載されるスキャナは400ないし600DPIである場合が多い。
【0008】
図3は本発明の第1の実施形態である画像読取装置のシミュレーション装置100の基本構成を示す。画像読取装置のシミュレーション装置100は設定手段31、演算手段32、表示手段33、記録手段34、各手段間でデータをやり取りするデータバス35からなっている。
図4は画像読取装置のシミュレーション装置100の動作を示したフローチャートであり、図3で示したハードウェア上で実行される。また、このフローチャートは本発明の実施の一形態である画像読取装置のシミュレーション方法及び画像読取装置のシミュレーションプログラムを示したものでもある。同図に示すように、ステップS1でシミュレーションがスタートし、ステップS2へ進んで原稿パターンの設定を行う。
ここで、原稿パターン設定について図5の原稿パターン例を用いて説明する。原稿パターンは2次元のデータ配列であり、各データは原稿上の各座標における光学反射率(%)であることが望ましい。また、データ配列の密度はシミュレーション対象の画像読取装置の読取密度と同一であることが望ましい。データそのものは描画ツールによる作成でも良いし、デジタルカメラ等で撮影した画像データを用いても良い。ただしスキャナを用いた画像取得ではそのフレア成分が排除できないため望ましくない。図6に示した小さい枠は原稿パターンの1画素に相当し、そこに1個の反射率データを有している事になる。原稿パターンにはシミュレーション対象の画像読取装置に応じて、主走査方向と副走査方向を有している。白部は原稿のベース部(用紙)であり、黒部は原稿の印刷部である。
【0009】
図4に戻って、ステップS2で原稿パターンの設定を行うとステップS3へ移り1次照明光分布データの設定を行う。1次照明光分布データは図6に示すように2次元のデータ配列であり、各データは原稿面の各座標における光強度で、単位としては照度(Lux)や光強度(W/m2)が望ましい。また、データ配列の密度は前記原稿パターン密度と同一であることが望ましい。本データは実測値を用いても良いし、汎用的な光線追跡手法によるシミュレーション結果を用いても良い。実測では対象の画像読取装置において照明を点灯状態で固定し、原稿面に設置した照度計によって、原稿面の照度分布を計測する手法などが知られている。
図4のステップS3で1次照明光分布データの設定を行うとステップS4へ移り、2次照明光分布データの設定を行う。2次照明光分布データは図7に示すように2次元のデータ配列であり、原稿が均一反射率原稿と仮定した場合の、1次照明光が読取位置以外の原稿面を反射して、原稿面の読取位置を照明した原稿面の各座標における光強度(2次照明光)分布を表わす。単位としては照度(Lux)や光強度(W/m2)が望ましい。また、データ配列の密度は前記1次照明光分布データの密度と同一であることが望ましい。本データは実測値を用いても良いし、汎用的な光線追跡手法によるシミュレーション結果を用いても良い。
計測手法の1例を図8に示す。対象の画像読取装置において原稿面に1次照明光代わりの点光源装置41を点灯状態で読取位置近辺に固定し、前記画像読取装置の照明装置42を無点灯状態とする。前記点光源装置41から発射された光が光学部品43等を反射して、原稿面にもどってきた光を照度計44によって検出する。この戻ってきた光は2次照明光強度と同一である。照度計の設置位置を順次移動させることで原稿面の2次照明光強度分布を計測する。
図4のステップS4で2次照明光分布データの設定を行うとステップS5へ移り、読取位置の設定を行う。図9のように、上述の原稿パターンを対象として、そのパターンにおいてどの位置を読み取るかを指定することになる。図9において指定した読取位置は、主走査方向両側が黒部であり、副走査方向両側は読取位置と同一の白部となっている。
【0010】
次に、図4のステップS6へ進み、読取位置1次照明光強度演算を行う。ここでは、図10のように、1次照明光分布データ51から、ステップS5にて指定された読取位置52に相当する強度データ53を抽出する。ただしシミュレーション対象の画像読取装置が、ライン読取である線順次読取動作の場合、読取ラインの垂直方向へは1次照明光分布は平行移動させないと、前記画像読取動作の動作と異なってしまうので注意が必要である。
そして、図4のステップS7へ進んで読取位置2次照明光強度演算を行う。図11のように、原稿パターンと、2次照明光分布データ61を、読取位置62を基準に位置合わせを行ない、前記原稿パターンと、2次照明光分布データ61の各座標位置ごとに両者の積を計算してその総和を算出する。
さらに、図4のステップ8へ移り、各照明光強度データを表示する。つまり、読取位置1次照明光強度演算で算出した読取位置の1次照明光強度と、読取位置2次照明光強度演算で算出した読取位置の2次照明光強度を、画像読取装置のシミュレーション装置100の表示手段33(図3)に表示して動作を終了する。
以上の工程によって、任意原稿パターンの任意読取位置に対する1次照明光強度と、2次照明光強度を予測する。
したがって、第1の実施形態では、画像読取装置の設計段階において、任意の原稿パターンに対する1次照明光と2次照明光の要素を盛込んだ照明光の変化を算出できるので、フレア現象といった画像品質に影響のある特性を予測でき、より高品質な画像読取装置を実現できるといった効果を有する。
【0011】
続いて、本発明の第2の実施形態としての画像読取装置のシミュレーション装置について図12のフローチャートを用いて説明する。第1の実施形態のシミュレーション処理における読取位置を、自動的に前記原稿パターン内の任意領域内で順次移動させ、前記任意領域に相当する範囲の1次照明光強度分布と、2次照明光強度分布を算出している(ステップS11〜ステップS17)。
さらに前記1次照明光強度分布と、前記2次照明光強度分布を画素ごとに加算後、前記原稿パターン内の任意領域内と画素ごとに積分することで、1次照明光と2次照明光を盛込んだ照明画像(原稿画像に対して、照明されて原稿から反射した光画像のこと。)を得ている(ステップS18〜ステップS20)。この照明画像を表示手段33(図3)に表示する(ステップS21)。
図13〜図15を用いて補足すると、上述した画像読取装置のシミュレーション方法により、図13にて示す原稿パターンに対して、2次照明光強度成分を含まないで算出したシミュレーション画像(図14)と、2次照明光強度成分を含んで算出したシミュレーション画像(図15)とを示す。図14では画像中央部は副走査方向にとなりの白部と画像濃度が変わらないのに比べ、図15では画像中央部が暗めになっている。これは画像中央部を読み取る際に主走査方向に両側が黒であるため、画像中央部に到達する2次照明光が減り、結果的に照明光量が減った事をシミュレーションできたことを表わしている。
したがって、第2の実施形態では、画像読取装置の設計段階において、任意の原稿パターンに対する1次照明光と2次照明光の要素を盛込んだ照明光の変化を読取画像として算出できるので、フレア現象などを直接画像品質として予測でき、より高品質な画像読取装置を実現できるといった効果を有する。
【0012】
次に、本発明の第3の実施形態としての画像読取装置のシミュレーション装置について図16のフローチャートを用いて説明する。第2の実施形態の画像読取装置のシミュレーション装置によって算出された照明画像に対して、その位置に該当する原稿パターン画像を画面間演算によって引き算する(ステップS31〜ステップS41)。演算結果によって得られた差分画像の画像データにはマイナス値も存在する可能性が高いため、そうならないように定数を画像データ全域に加算する。その後、差分画像を表示手段33(図3)に表示する(ステップS42)。
したがって、第3の実施形態では、原稿パターンとシミュレーション結果の読取画像の差分画像を算出しているので、原稿パターンに対して読取画像がどれだけ劣化しているかを容易に判断でき、また、劣化部分の特徴を画像上で確認できるため、より高品質な画像読取装置を実現できるといった効果を有する。
次に、本発明の第4の実施形態としての画像読取装置のシミュレーション装置について図17のフローチャートを用いて説明する。第2の実施形態及び第3の実施形態においては、1次照明光強度分布と、2次照明光強度分布を加算して照明画像を算出していたが、第4の実施形態では、それ以外に1次照明光強度分布単独で1次照明画像を算出し(ステップS51〜ステップS61)、表示手段33(図3)で、前記照明画像と前記1次照明画像を同時表示する(ステップS62)。
したがって、第4の実施形態では、1次照明光単独と、1次照明光と2次照明光による任意原稿パターンに対する読取画像を算出し、両者を比較できるので、容易に2次照明光による読取画像品質の劣化を確認でき、より高品質な画像読取装置を実現できるといった効果を有する。
【0013】
次に、本発明の第5の実施形態としての画像読取装置のシミュレーション装置について図18のフローチャートを用いて説明する。第2の実施形態〜第4の実施形態までの画像読取装置のシミュレーション装置では、2次照明光強度の計算に読取位置周辺の原稿パターンデータが必要なため、原稿パターン周辺部に読取位置を設定すると、演算不能領域が生じてしまい(図19参照)、原稿パターン全域をシミュレーションして照明画像を算出することはできない。そこで、原稿パターン周辺の原稿の反射率が均一であるとして、その反射率を設定する(ステップS71〜ステップS72)。2次照明光強度の計算においては、読取位置周辺に原稿パターンデータが無い場合、前記反射率データを用いて計算する。この操作により設定した原稿パターン全域に対する照明画像を算出し、表示できる(ステップS73〜ステップS82)。
したがって、第5の実施形態では、任意原稿パターンの周辺部の反射率データを設定できるので、2次照明光分布による2次照明光強度分布計算を原稿パターン全域に実施でき、より高品質な画像読取装置を実現できるといった効果を有する。
【0014】
次に、本発明の第6の実施形態としての画像読取装置のシミュレーション装置について説明する。図20に本実施形態の2次照明光分布を表わすイメージを、原稿パターンと対比して示す。本図では2次照明光分布の方が、解像度が2倍粗い。本実施形態による2次照明光強度分布の算出では、図に示すように読取位置内の4つのデータに対しては、同一の2次照明光強度を設定するようになる。また、2次照明光強度を読取位置ごとに算出するのも原稿パターンの解像度でなく、2次照明光分布の解像度のピッチに合わせて位置をずらしていくようにする。
通常本シミュレーション対象の画像読取装置は、読取解像度が400−600dpiから2400dpi程度であり、分解能で63−10μmであるのに対して、2次照明光の影響範囲は100mm以上の領域があることが実験的に判明している。(図21に実験結果図を示す。白い部分が強い2次照明光を表わしている。)ただし、100mmの範囲中では滑らかな分布であり、局所的な変動は検出できない。そのためその領域すべての影響をシミュレーションに盛込むには、前記シミュレーション対象の画像読取装置の読取解像度に応じて計算した場合、膨大な計算回数が必要となるのに対して、本手法ではその回数を低減することになる。
したがって、第6の実施形態では、2次照明光分布の解像度が原稿パターン等の解像度よりも低いため、2次照明光強度分布計算において計算回数を低減でき、より短時間にシミュレーションを実施できるといった効果を有する。
次に、本発明の第7の実施形態としての画像読取装置のシミュレーション装置について説明する。 図1及び図2に示すように、線順次読取動作であるスキャナなどを対象としてシミュレーション装置である場合、その照明装置も線状に照明するように構成されている。つまり1次照明光分布は帯状に形成されていて、原稿面での1次照明光が反射して生じる2次照明光分布も帯状に形成される。結果的に読取ラインと垂直方向に対して、2次照明光分布は生じない。第7の実施形態の画像読取装置のシミュレーション装置では、原稿パターン及び1次2次照明光分布を、本シミュレーション対象の画像読取装置の読取幅全域としている。
したがって、第7の実施形態では、シミュレーション対象の画像読取装置における読取ライン全域に相当する範囲で読取画像を算出するシミュレーションが可能なので、前記画像読取装置の照明要素すべてを一度に評価でき、より高品質な画像読取装置を実現できるといった効果を有する。
【0015】
次に、本発明の第8の実施形態としての画像読取装置のシミュレーション装置について説明する。シミュレーション対象の画像読取装置では、一般に搭載されている照明装置の照度むらを補正するため、シェーディング処理を行なっている。その動作について以下に説明する。図1及び図2における走行体16がホームポジションにある状態で、白色の基準プレートを照明が点灯した状態で線状に読み取り、この読取データを補正データとする。実際に走行体16が走査しながら取得された読取データに対して、前記補正データを用いて補正することで、読取線方向の照度むらを補正する。以下に補正式の例を示す。
補正後データ=〔補正前データ÷補正データ〕×255 (式1)
ちなみに上記式は、8bit画像信号における信号処理例である。また上記処理は撮像素子20の1画素ごとに実施する。第8の実施形態としての画像読取装置のシミュレーション装置では、上記シェーディング処理を図23のフローチャートの手順でシミュレーションに取り込む(ステップS91〜ステップS104)。ここで、ステップS95の白色基準プレートデータの設定とは、画像読取装置に搭載されている白色基準プレートの光学反射率特性値を設定することである。ステップS96の補正データの作成とは、前記白色基準プレートが原稿パターンと想定して、読取線状に相当する読取画像データを計算して算出する。この読取画像データを補正データとする。ステップS103のシェーディング処理の実施とは、前記補正データを用いて(式1)等の補正計算を画像全域に実施することである。
したがって、第8の実施形態では、シミュレーション対象の画像読取装置におけるシェーディング処理を盛込んで読取画像を算出することが可能なので、より実際に即した読取画像によって前記画像読取装置の照明要素を評価でき、より高品質な画像読取装置を実現できるといった効果を有する。
【0016】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1によれば、画像読取装置の設計段階において、任意の原稿パターンに対する1次照明光と2次照明光の要素を盛込んだ照明光の変化を算出できるので、フレア現象といった画像品質に影響のある特性を予測でき、より高品質な画像読取装置を実現することができる。
請求項2によれば、画像読取装置の設計段階において、任意の原稿パターンに対する1次照明光と2次照明光の要素を盛込んだ照明光の変化を読取画像として算出できるので、フレア現象などを直接画像品質として予測でき、より高品質な画像読取装置を実現することができる。
請求項3によれば、原稿パターンとシミュレーション結果の読取画像の差分画像を算出しているので、原稿パターンに対して読取画像がどれだけ劣化しているかを容易に判断でき、また、劣化部分の特徴を画像上で確認できるため、より高品質な画像読取装置を実現することができる。
請求項4によれば、1次照明光単独と、1次照明光と2次照明光による任意原稿パターンに対する読取画像を算出し、両者を比較できるので、容易に2次照明光による読取画像品質の劣化を確認でき、より高品質な画像読取装置を実現することができる。
請求項5によれば、任意原稿パターンの周辺部の反射率データを設定できるので、2次照明光分布による2次照明光強度分布計算を原稿パターン全域に実施でき、より高品質な画像読取装置を実現することができる。
請求項6によれば、2次照明光分布の解像度が原稿パターン等の解像度よりも低いため、2次照明光強度分布計算において計算回数を低減でき、より短時間にシミュレーションを実施することができる。
請求項7によれば、シミュレーション対象の画像読取装置における読取ライン全域に相当する範囲で読取画像を算出するシミュレーションが可能なので、前記画像読取装置の照明要素すべてを一度に評価でき、より高品質な画像読取装置を実現することができる。
請求項8によれば、シミュレーション対象の画像読取装置におけるシェーディング処理を盛込んで読取画像を算出することが可能なので、より実際に即した読取画像によって前記画像読取装置の照明要素を評価でき、より高品質な画像読取装置を実現することができる。
請求項9によれば、画像読取装置の設計段階において、任意の原稿パターンに対する1次照明光と2次照明光の要素を盛込んだ照明光の変化を算出できるので、フレア現象といった画像品質に影響のある特性を予測でき、より高品質な画像読取装置を実現することができる。
請求項10によれば、画像読取装置の設計段階において、任意の原稿パターンに対する1次照明光と2次照明光の要素を盛込んだ照明光の変化を算出できるので、フレア現象といった画像品質に影響のある特性を予測でき、より高品質な画像読取装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】画像読取装置の概略を示す斜視図である。
【図2】画像読取装置の概略を示す側面図である。
【図3】画像読取装置のシミュレーション装置100の構成を示す図である。
【図4】第1の実施形態の動作を示すフローチャートである。
【図5】原稿パターンの上面図である。
【図6】1次照明光分布データを示す図である。
【図7】2次照明光分布データを示す図である。
【図8】2次照明光分布データ取得方法に関する計測手法の概略図である。
【図9】読取位置の設定を説明する図である。
【図10】1次照明光強度演算を説明する図である。
【図11】2次照明光強度演算を説明する図である。
【図12】第2の実施形態の動作を示すフローチャートである。
【図13】第2の実施形態における読込動作に用いた原稿パターンを示す図である。
【図14】2次照明光強度成分を含まないで算出したシミュレーション画像を示す図である。
【図15】2次照明光強度成分を含んで算出したシミュレーション画像を示す図である。
【図16】第3の実施形態の動作を示すフローチャートである。
【図17】第4の実施形態の動作を示すフローチャートである。
【図18】第5の実施形態の動作を示すフローチャートである。
【図19】原稿パターンにおける演算不能領域を示す図である。
【図20】第6の実施形態における2次照明光分布を表すイメージを原稿パターンと対比して示した図である。
【図21】2次照明光の影響範囲に関わる実験結果を示す図である。
【図22】第8の実施形態の動作を示すフローチャートである。
【図23】フレア現象の発生原理を説明する図である。
【図24】フレア現象が生じた場合の読取画像の概略図である。
【符号の説明】
1 照明装置、2 照明光、3 原稿面、4 光学部品、5 再照明光、6 黒パターン部、7 境界部、8 白パターン部、11 原稿、12 コンタクトガラス、13 ランプ、14 リフレクター、15 撮像領域、16,17 走行体、18 ミラー、19 レンズ、20 1次元撮像素子、21 モータ、22 伝達手段、31 設定手段、32 演算手段、33 表示手段、34 記録手段、35 データバス、41 点光源装置、42 照明装置、43 光学部品、44 照度計、51 1次照明光分布データ、52,62 読取位置、53 強度データ、61 2次照明光分布データ、100 画像読取装置のシミュレーション装置
Claims (10)
- 照明装置を搭載した画像読取装置の、照明光強度を予測する画像読取装置のシミュレーション装置において、
原稿に相当する原稿パターンと前記照明装置から前記原稿に直接照射したときの1次照明光分布と1次照明光が前記原稿面で反射して再度原稿を照明したときの2次照明光分布と前記画像読取装置における原稿画像の読取位置を設定する設定手段と、
前記1次照明光分布と前記読取位置から1次照明光強度を算出し、前記2次照明光分布と前記原稿パターンと前記読取位置から2次照明光強度を算出する演算手段と、
前記1次照明光強度の値と前記2次照明光強度の値を表示する表示手段と、
を備えたことを特徴とする画像読取装置のシミュレーション装置。 - 前記読取位置を前記原稿パターン上で順次移動させながら、前記1次照明光強度分布と前記2次照明光強度分布を算出し、前記1次照明光強度分布と前記2次照明光強度分布を合計した値を前記原稿パターンに対して前記読取位置ごとに掛け算して照明画像を算出する演算手段と、
前記照明画像を記録する記録手段と、
前記照明画像を表示する表示手段と、
を備えたことを特徴とする請求項1記載の画像読取装置のシミュレーション装置。 - 前記演算手段は前記原稿パターンから前記照明画像を画素ごとに引き算をし、引き算した結果の差分画像を前記表示手段に表示することを特徴とする請求項2記載の画像読取装置のシミュレーション装置。
- 前記演算手段は前記読取位置を前記原稿パターン上で順次移動させながら、前記1次照明光強度分布を算出し、前記1次照明光強度分布を前記原稿パターンに対して前記読取位置ごとに掛け算して1次照明光単独照明画像を算出し、
前記照明画像と前記1次照明光単独照明画像とを前記表示手段に同時表示することを特徴とする、請求項2記載の画像読取装置のシミュレーション装置。 - 前記設定手段は前記原稿パターンの周辺部を均一原稿として前記周辺部データを設定し、
前記演算手段は前記原稿パターンと同一サイズの照明画像を算出することを特徴とする請求項2乃至4のいずれか一項に記載の画像読取装置のシミュレーション装置。 - 前記画像読取装置の解像度と前記原稿パターンの解像度と前記1次照明光分布の解像度が一致しており、且つ前記2次照明光分布の解像度の整数倍であることを特徴とする請求項2乃至5のいずれか一項に記載の画像読取装置のシミュレーション装置。
- 前記画像読取装置のライン読取の走査による2次元画像の読み取り動作においては、前記原稿パターンの前記走査に垂直な方向のサイズが前記画像読取装置の読取幅と一致していることを特徴とする請求項2乃至6のいずれか一項に記載の画像読取装置のシミュレーション装置。
- 前記設定手段は基準となる読取位置を設定し、
前記演算手段は前記1次照明光分布と前記基準となる読取位置からシェーディングデータとなる1次照明光強度を算出し、
シェーディング処理を行うための信号処理手段によって前記照明画像を前記シェーディングデータを用いて処理することを特徴とする請求項2乃至7のいずれか一項に記載の画像読取装置のシミュレーション装置。 - 照明装置を搭載した画像読取装置の、照明光強度を予測する画像読取装置のシミュレーション方法において、
原稿に相当する原稿パターンと前記照明装置から前記原稿に直接照射したときの1次照明光分布と前記1次照明光が前記原稿面で反射して再度原稿を照明したときの2次照明光分布と前記画像読取装置における原稿画像の読取位置を設定する設定工程と、
前記1次照明光分布と前記読取位置から1次照明光強度を算出し、前記2次照明光分布と前記原稿パターンと前記読取位置から2次照明光強度を算出する演算工程と、
前記1次照明光強度の値と前記2次照明光強度の値を表示する表示工程と、
を備えたことを特徴とする画像読取装置のシミュレーション方法。 - 照明装置を搭載した画像読取装置の、照明光強度を予測する画像読取装置のシミュレーションプログラムにおいて、
原稿に相当する原稿パターンと前記照明装置から前記原稿に直接照射したときの1次照明光分布と前記1次照明光が前記原稿面で反射して再度原稿を照明したときの2次照明光分布と前記画像読取装置における原稿画像の読取位置を設定する設定工程と、
前記1次照明光分布と前記読取位置から1次照明光強度を算出し、前記2次照明光分布と前記原稿パターンと前記読取位置から2次照明光強度を算出する演算工程と、
前記1次照明光強度の値と前記2次照明光強度の値を表示する表示工程と、
を備えたことを特徴とする画像読取装置のシミュレーションプログラム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003013415A JP2004227225A (ja) | 2003-01-22 | 2003-01-22 | 画像読取装置のシミュレーション装置、シミュレーション方法及びシミュレーションプログラム |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2003013415A JP2004227225A (ja) | 2003-01-22 | 2003-01-22 | 画像読取装置のシミュレーション装置、シミュレーション方法及びシミュレーションプログラム |
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JP2003013415A Pending JP2004227225A (ja) | 2003-01-22 | 2003-01-22 | 画像読取装置のシミュレーション装置、シミュレーション方法及びシミュレーションプログラム |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009176006A (ja) * | 2008-01-24 | 2009-08-06 | Toyota Motor Corp | 設計支援装置 |
JP2020010306A (ja) * | 2018-07-03 | 2020-01-16 | 株式会社リコー | 画像読取装置、画像形成装置およびプログラム |
-
2003
- 2003-01-22 JP JP2003013415A patent/JP2004227225A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2009176006A (ja) * | 2008-01-24 | 2009-08-06 | Toyota Motor Corp | 設計支援装置 |
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