以下、本発明について詳細に説明する。
なお、本発明における(メタ)アクリル酸とはアクリル酸及びそれに対応するメタクリル酸を意味し、(メタ)アクリレートとはアクリレート及びそれに対応するメタクリレートを意味し、(メタ)アクリロイル基とはアクリロイル基及びそれに対応するメタクリロイル基を意味する。
本発明の感光性樹脂組成物は、独立した3つの特徴を有する。
本発明のレーザー走査露光用感光性樹脂組成物の第1の特徴は、感光性樹脂組成物の、高圧水銀灯全波長の活性光線照射により、濃度領域0.00〜2.00,濃度ステップ0.05,タブレットの大きさ20mm×187mm,各ステップの大きさが3mm×12mmである41段ステップタブレットの、濃度1.00の21段が硬化する露光量をE0 mJ/cm2とし、前記感光性樹脂組成物を40Wの無紫外白色灯下で2時間放置した後の感光性樹脂組成物の、高圧水銀灯全波長の活性光線照射により前記41段ステップタブレットの21段が硬化する露光量をE1 mJ/cm2とした時に下記式(1):
を満足することである。
このような要件を満足するレーザー走査露光用感光性樹脂組成物としては、例えば、以下に記載する本発明の第2の特徴を有する感光性樹脂組成物、及び本発明の第3の特徴を有する感光性樹脂組成物などが挙げられる。
本発明の感光性樹脂組成物の第2の特徴は、(A)バインダーポリマー、(B)分子内に少なくとも1つの重合可能なエチレン性不飽和基を有する光重合性化合物並びに(C)光重合開始剤を含有してなり、前記(C)成分が(C1)ヘキサアリールビスイミダゾール化合物、(C2)アリールグリシン系化合物及び(C3)オニウム塩化合物を必須成分とすることである。
また、本発明の感光性樹脂組成物の第3の特徴は、(A)バインダーポリマー、(B)分子内に少なくとも1つの重合可能なエチレン性不飽和基を有する光重合性化合物並びに(C)光重合開始剤を含有してなる感光性樹脂組成物において、前記(C)成分が(C1)ヘキサアリールビスイミダゾール化合物及び(C4)有機ハロゲン系化合物を必須成分とすることである。
前記式(1)中、{(E1−E0)/E0}×100は、−25≦{(E1−E0)/E0}×100≦25であることが必要であり、0≦{(E1−E0)/E0}×100≦25であることが好ましく、0≦{(E1−E0)/E0}×100≦20であることが更に好ましい。
−25≦{(E1−E0)/E0}×100≦0を満足する感光性樹脂組成物としては、例えば、長波長(可視光)に吸収を有する増感剤を含有する感光性樹脂組成物などが挙げられる。
前記式(1)中、{(E1−E0)/E0}×100が−25未満である、若しくは25を超えると感光性樹脂組成物の長期保存後にレーザー走査露光用の感光性樹脂組成物として実用に供し得ない傾向がある。
前記(A)バインダーポリマーとしては、例えば、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、エポキシ系樹脂、アミド系樹脂、アミドエポキシ系樹脂、アルキド系樹脂、フェノール系樹脂等が挙げられる。アルカリ現像性の見地からは、アクリル系樹脂が好ましい。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
前記(A)バインダーポリマーは、例えば、重合性単量体をラジカル重合させることにより製造することができる。
上記重合性単量体としては、例えば、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−エチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−エトキシスチレン、p−クロロスチレン、p−ブロモスチレン等の重合可能なスチレン誘導体、ジアセトンアクリルアミド等のアクリルアミド、アクリロニトリル、ビニル−n−ブチルエーテル等のビニルアルコールのエステル類、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリルエステル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチルエステル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチルエステル、(メタ)アクリル酸グリシジルエステル、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、α−ブロモ(メタ)アクリル酸、α−クロル(メタ)アクリル酸、β−フリル(メタ)アクリル酸、β−スチリル(メタ)アクリル酸、マレイン酸、マレイン酸無水物、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸モノイソプロピル等のマレイン酸モノエステル、フマール酸、ケイ皮酸、α−シアノケイ皮酸、イタコン酸、クロトン酸、プロピオール酸などが挙げられる。
上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、一般式(III):
式中、R2は水素原子又はメチル基を表し、R3は炭素数1〜12のアルキル基を表す、
で示される化合物、これらの化合物のアルキル基に水酸基、エポキシ基、ハロゲン基等が置換した化合物などが挙げられる。
上記一般式(III)中のR3で示される炭素数1〜12のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基及びこれらの構造異性体が挙げられる。
上記一般式(III)で表される単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル等が挙げられる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
前記(A)バインダーポリマーは、アルカリ現像性の見地から、カルボキシル基を含有させることが好ましく、例えば、カルボキシル基を有する重合性単量体とその他の重合性単量体をラジカル重合させることにより製造することができる。上記カルボキシル基を有する重合性単量体としては、メタクリル酸が好ましい。また、前記(A)バインダーポリマーは、可とう性の見地からスチレン又はスチレン誘導体を重合性単量体として含有させることが好ましい。
上記スチレン又はスチレン誘導体を共重合成分として、密着性及び剥離特性を共に良好にするには、0.1〜30重量%含むことが好ましく、1〜28重量%含むことがより好ましく、1.5〜27重量%含むことが特に好ましい。
この含有量が0.1重量%未満では、密着性が劣る傾向があり、30重量%を超えると、剥離片が大きくなり、剥離時間が長くなる傾向がある。
また、必要に応じて前記バインダーポリマーは、感光性基を有していてもよい。
これらのバインダーポリマーは、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。2種類以上を組み合わせて使用する場合のバインダーポリマーとしては、例えば、異なる共重合成分からなる2種類以上のバインダーポリマー、異なる重量平均分子量の2種類以上のバインダーポリマー、異なる分散度の2種類以上のバインダーポリマーなどが挙げられる。また、特開平11−327137号公報に記載されたマルチモード分子量分布を有するポリマーを使用することもできる。
前記(A)成分の酸価は、30〜200mgKOH/gであることが好ましく、45〜150mgKOH/gであることがより好ましい。この酸価が30mgKOH/g未満では現像時間が長くなる傾向があり、200mgKOH/gを超えると光硬化したレジストの耐現像液性が低下する傾向がある。
前記(A)成分の重量平均分子量(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定し、標準ポリスチレンを用いた検量線により換算)は、20,000〜300,000であることが好ましく、25,000〜150,000であることがより好ましい。この重量平均分子量が、20,000未満では耐現像液性が低下する傾向があり、300,000を越えると現像時間が長くなる傾向がある。
前記(B)分子内に少なくとも1つの重合可能なエチレン性不飽和基を有する光重合性化合物としては、例えば、多価アルコールにα,β−不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリブトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリエトキシポリプロポキシ)フェニル)プロパン等のビスフェノールA系(メタ)アクリレート化合物、グリシジル基含有化合物にα、β−不飽和カルボン酸を反応させで得られる化合物、ウレタン結合を有する(メタ)アクリレート化合物等のウレタンモノマー、ノニルフェノキシポリエチレンオキシ(メタ)アクリレート、γ−クロロ−β−ヒドロキシプロピル−β′−(メタ)アクリロイルオキシエチル−o−フタレート、β−ヒドロキシアルキル−β′−(メタ)アクリロイルオキシアルキル−o−フタレート等のフタル酸系化合物、(メタ)アクリル酸アルキルエステル等が挙げられるが、ビスフェノールA系(メタ)アクリレート化合物又はウレタン結合を有する(メタ)アクリレート化合物を必須成分とすることが好ましい。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
上記多価アルコールにα,β−不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物としては、例えば、エチレン基の数が2〜14であるポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレン基の数が2〜14であるポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレン基の数が2〜14であり、プロピレン基の数が2〜14であるポリエチレンポリプロピレングリコールグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、PO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、EO,PO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリエトキシ)フェニル)プロパンとしては、例えば、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシジエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシトリエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシテトラエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシペンタエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシヘキサエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシヘプタエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシオクタエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシノナエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシデカエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシウンデカエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシドデカエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシトリデカエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシテトラデカエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシペンタデカエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシヘキサデカエトキシ)フェニル)プロパン等が挙げられ、2,2−ビス(4−(メタクリロキシペンタエトキシ)フェニル)プロパンは、BPE−500(新中村化学工業(株)製、製品名)として商業的に入手可能であり、2,2−ビス(4−(メタクリロキシペンタデカエトキシ)フェニル)プロパンは、BPE−1300(新中村化学工業(株)製、製品名)として商業的に入手可能である。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
上記2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリエトキシポリプロポキシ)フェニル)プロパンとしては、例えば、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシジエトキシオクタプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシテトラエトキシテトラプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシヘキサエトキシヘキサプロポキシ)フェニル)プロパン等が挙げられる。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
上記ウレタンモノマーとしては、例えば、β位にOH基を有する(メタ)アクリルモノマーとイソホロンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、2,4−トルエンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート等のジイソシアネート化合物との付加反応物、トリス((メタ)アクリロキシテトラエチレングリコールイソシアネート)ヘキサメチレンイソシアヌレート、EO変性ウレタンジ(メタ)アクリレート、EO,PO変性ウレタンジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。EO変性ウレタンジ(メタ)アクリレートとしては、例えば、新中村化学工業(株)製、製品名UA−11等が挙げられる。また、EO,PO変性ウレタンジ(メタ)アクリレートとしては、例えば、新中村化学工業(株)製、製品名UA−13等が挙げられる。
なお、EOはエチレンオキサイドを示し、EO変性された化合物はエチレンオキサイド基のブロック構造を有する。また、POはプロピレンオキサイドを示し、PO変性された化合物はプロピレンオキサイド基のブロック構造を有する。
前記ノニルフェノキシポリエチレンオキシ(メタ)アクリレートとしては、例えば、ノニルフェノキシテトラエチレンオキシ(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシペンタエチレンオキシ(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシヘキサエチレンオキシ(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシヘプタエチレンオキシ(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシオクタエチレンオキシ(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシノナエチレンオキシ(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシデカエチレンオキシ(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシウンデカエチレンオキシ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
前記(C1)ヘキサアリールビスイミダゾール化合物は、特に制限はなく、アリール基に炭素数1〜6のアルコキシ基を有することが好ましく、分子内の炭素数1〜6のアルコキシ基の数が4つであることが好ましい。これらの例としては、例えば、前記一般式(I)で示される化合物などが挙げられる。
上記炭素数1〜6のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、ペントキシ基、これらの構造異性体等が挙げられ、メトキシ基であることが好ましい。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
前記一般式(I)において、4つのRは各々独立に炭素数1〜6のアルキル基であり、一般式(III)中のR3で前述したもの等が挙げられ、メチル基であることが好ましい。
また、前記一般式(I)中のフェニル基は置換基を有すことができ、それらの例としては、例えば、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基、炭素数6〜18のアリール基、フェナシル基、アミノ基、炭素数1〜10のアルキルアミノ基、炭素数2〜20のジアルキルアミノ基、ニトロ基、シアノ基、カルボニル基、メルカプト基、炭素数1〜10のアルキルメルカプト基、アリル基、水酸基、炭素数1〜20のヒドロキシアルキル基、カルボキシル基、アルキル基の炭素数が1〜10のカルボキシアルキル基、アルキル基の炭素数が1〜10のアシル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20のアルコキシカルボニル基、炭素数2〜10のアルキルカルボニル基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数2〜10のN−アルキルカルバモイル基、複素環を含む基、これらの置換基で置換されたアリール基等が挙げられる。上記置換基の数が2つ以上の場合は2つ以上の置換基は同一でも相違していてもよい。
前記(C1)ヘキサアリールビスイミダゾール化合物としては、例えば、2,2′−ビス(2−クロロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビスイミダゾール、2,2′−ビス(2,4−ジクロロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビスイミダゾール、2,2′−ビス(2,3−ジクロロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビスイミダゾール、2,2′−ビス(2−クロロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラキス(3−メトキシフェニル)ビスイミダゾール、2,2′−ビス(2,3−ジクロロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラキス(3−メトキシフェニル)ビスイミダゾール、2,2′−ビス(2,4−ジクロロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラキス(3−メトキシフェニル)ビスイミダゾール、2,2′−ビス(2,6−ジクロロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラキス(3−メトキシフェニル)ビスイミダゾール、2,2′−ビス(2−フルオロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビスイミダゾール、2,2′−ビス(2,4−ジフルオロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビスイミダゾール、2,2′−ビス(2,3−ジフルオロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビスイミダゾール、2,2′−ビス(2−フルオロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラキス(3−メトキシフェニル)ビスイミダゾール、2,2′−ビス(2,3−ジフルオロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラキス(3−メトキシフェニル)ビスイミダゾール、2,2′−ビス(2,4−ジフルオロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラキス(3−メトキシフェニル)ビスイミダゾール、2,2′−ビス(2,6−ジフルオロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラキス(3−メトキシフェニル)ビスイミダゾール、2,2′−ビス(2−ブロモフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビスイミダゾール、2,2′−ビス(2,4−ジブロモフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビスイミダゾール、2,2′−ビス(2,3−ジブロモフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビスイミダゾール等が挙げられる。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
前記(C2)アリールグリシン系化合物としては、例えば、前記一般式(II)で示される化合物等が挙げられる。
前記一般式(II)中、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基等が挙げられる。また、前記一般式(II)中のフェニル基は、置換基を有してもよく、それらの例としては、前述した置換基などが挙げられる。上記置換基の数が2つ以上の場合は2つ以上の置換基は同一でも相違していてもよい。
前記(C2)アリールグリシン系化合物としては、例えば、N−フェニルグリシン(NPG)、N−(p−クロロフェニル)グリシン、N−(p−ブロモフェニル)グリシン、N−(p−シアノフェニル)グリシン、N−(p−メチルフェニル)グリシン、N−ブチル−N−フェニルグリシン、N−エチル−N−フェニルグリシン、N−プロピル−N−フェニルグリシン、N−メチル−N−フェニルグリシン、N−(p−ブロモフェニル)−N−メチルグリシン、N−(p−クロロフェニル)−N−エチルグリシン等が挙げられる。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
(C3)オニウム塩化合物としては、例えば、ヨードニウム塩化合物、スルホニウム塩化合物、アンモニウム塩化合物、ホスホニウム塩化合物、アルソニウム塩化合物、スチボニウム塩化合物、オキソニウム塩化合物、セレノニウム塩化合物、スタンノニウム塩化合物等が挙げられ、アンモニウム塩化合物、ヨードニウム塩化合物又はスルホニウム塩化合物であることが好ましい。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
上記ヨードニウム塩化合物としては、ジアリールヨードニウム塩化合物が好ましく、それらの例としては、一般式(IV)
式中、R4及びR5は、各々独立に水素原子、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数1〜6のアルコキシ基を示し、X−は対アニオンを示す、
で示される化合物などが挙げられる。
前記一般式(IV)中のX−としては、例えば、Cl−、Br−等のハロゲンイオン、HSO4−、BF4−、PF6−、AsF6−、ClO4−、FSO3−、F2PO2−、SbF6−、CF3SO3−、C4F9SO3−、B(C6F5)4−、CH3SO3−、C8F17SO3−、
などの対アニオンが挙げられる。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
前記ヨードニウム塩化合物としては、例えば、ジフェニルヨードニウム塩、ジトリルヨードニウム塩、フェニル(p−メトキシフェニル)ヨードニウム塩、ビス(p−tert−ブチルフェニル)ヨードニウム塩、ビス(p−シアノフェニル)ヨードニウム塩、4−イソプロピル−4′−メチルジフェニルヨードニウム塩等のクロライド、ブロマイド、トリフレート、4フッ化ホウ素塩、6フッ化リン塩、6フッ化ヒ素塩、6フッ化アンチモン塩、ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ素塩等のクロライド、ブロマイド、トリフレート、4−フッ化ほう素塩、6−フッ化リン塩、6−フッ化ヒ素塩、6−フッ化アンチモン塩、ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ほう素塩などが挙げられる。
これらのオニウム塩化合物の好ましい例としては下記構造式の物質等が挙げられる。
また、前記(C3)オニウム塩化合物は、オニウムホウ素塩化合物であることが好ましく、それらの例としては、例えば、テトラメチルアンモニウムブチルトリフェニルボレート、テトラエチルアンモニウムブチルトリフェニルボレート、テトラブチルアンモニウムブチルトリフェニルボレート、テトラメチルアンモニウムトリス(2−フルオロフェニル)ブチルボレート、テトラメチルアンモニウムトリス(3−フルオロフェニル)ブチルボレート、テトラメチルアンモニウムトリス(4−フルオロフェニル)ブチルボレート、テトラエチルアンモニウムトリス(2−フルオロフェニル)ブチルボレート、テトラエチルアンモニウムトリス(3−フルオロフェニル)ブチルボレート、テトラエチルアンモニウムトリス(4−フルオロフェニル)ブチルボレート、テトラメチルアンモニウムトリス(2−フルオロフェニル)ヘキシルボレート、テトラメチルアンモニウムトリス(3−フルオロフェニル)ヘキシルボレート、テトラメチルアンモニウムトリス(4−フルオロフェニル)ヘキシルボレート、テトラエチルアンモニウムトリス(2−フルオロフェニル)ヘキシルボレート、テトラエチルアンモニウムトリス(3−フルオロフェニル)ヘキシルボレート、テトラエチルアンモニウムトリス(4−フルオロフェニル)ヘキシルボレート、テトラブチルアンモニウムトリス(2−フルオロフェニル)ヘキシルボレート、テトラブチルアンモニウムトリス(3−フルオロフェニル)ヘキシルボレート、テトラブチルアンモニウムトリス(4−フルオロフェニル)ヘキシルボレート等が挙げられ、前記ヨードニウム塩化合物、スルホニウム塩化合物等と組み合わせることが好ましい。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
前記(C4)有機ハロゲン系化合物としては、分子内にハロゲン原子を有する有機化合物であれば特に制限はない。上記ハロゲン原子としては、特に制限はないが、臭素原子であることが好ましく、分子内にトリブロモメチル基を有することがより好ましい。これらの例としてはトリブロモメチルフェニルスルホン(住友精化(株)製商品名TPS)、2−トリブロモメチルスルホニルピリジン(住友精化(株)製商品名BSP)、トリブロモアセトフェノン、ビス(トリブロモメチル)スルホン等が挙げられる。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
前記アルキルアミノ基を有するベンゾフェノン化合物としては、例えば、N,N′−テトラメチル−4,4′−ジアミノベンゾフェノン(ミヒラーケトン)、N,N′−テトラエチル−4,4′−ジアミノベンゾフェノン等が挙げられる。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
前記クマリン化合物としては、例えば、7−アミノ−4−メチルクマリン、7−ジメチルアミノ−4−メチルクマリン、7−ジエチルアミノ−4−メチルクマリン、7−メチルアミノ−4−メチルクマリン、7−エチルアミノ−4−メチルクマリン、7−ジメチルアミノシクロペンタ[c]クマリン、7−アミノシクロペンタ[c]クマリン、7−ジエチルアミノシクロペンタ[c]クマリン、4,6−ジメチル−7−エチルアミノクマリン、4,6−ジエチル−7−エチルアミノクマリン、4,6−ジメチル−7−ジエチルアミノクマリン、4,6−ジメチル−7−ジメチルアミノクマリン、4,6−ジエチル−7−ジエチルアミノクマリン、4,6−ジエチル−7−ジメチルアミノクマリン、4,6−ジメチル−7−エチルアミノクマリン等が挙げられる。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
また、本発明の感光性樹脂組成物は、本発明の効果を阻害しない範囲で(C1)成分、(C2)成分、(C3)成分、(C4)成分及び(C5)成分以外の光重合開始剤を併用してもよい。
前記(A)成分の配合量は、(A)成分及び(B)成分の総量100重量部に対して、40〜80重量部であることが好ましく、40〜70重量部であることがより好ましい。この配合量が40重量部未満では光硬化物が脆くなり易く、感光性エレメントとして用いた場合、塗膜性に劣る傾向があり、80重量部を超えると感度が不充分となる傾向がある。
前記(B)成分の配合量は、(A)成分及び(B)成分の総量100重量部に対して、20〜60重量部であることが好ましく、30〜60重量部であることが好ましい。この配合量が20重量部未満では感度が不充分となる傾向があり、60重量部を超えると光硬化物が脆くなる傾向がある。
前記(C1)成分の配合量としては、(A)成分及び(B)成分の総量100重量部に対して、1〜10重量部であることが好ましく、3〜6重量部であることがよりに好ましい。この配合量が1重量部未満では感度が不充分となる傾向があり、10重量部を超えると解像性が低下する傾向がある。
前記(C2)組成物の配合量は、(A)成分及び(B)成分の総量100重量部に対して、0.01〜3重量部であることが好ましく、0.1〜1重量部であることがより好ましい。この配合量が0.01重量部未満では感度が不充分となる傾向があり、3重量部を超えると解像性が低下する傾向がある。
前記(C3)組成物の配合量は、(A)成分及び(B)成分の総量100重量部に対して、0.01〜5重量部であることが好ましく、0.1〜1重量部であることがより好ましい。この配合量が0.01重量部未満では感度及び解像度が低下する傾向があり、5重量部を超えると解像性が低下する傾向がある。
前記(C4)組成物の配合量は、(A)成分及び(B)成分の総量100重量部に対して、0.01〜5重量部であることが好ましく、0.1〜1重量部であることがより好ましい。この配合量が0.01重量部未満では感度及び解像度が低下する傾向があり、5重量部を超えると解像性が低下する傾向がある。
前記(C5)組成物の配合量は、(A)成分及び(B)成分の総量100重量部に対して、0.01〜5重量部であることが好ましく、0.1〜1重量部であることがより好ましい。この配合量が0.01重量部未満では感度及び解像度が低下する傾向があり、5重量部を超えると解像性が低下する傾向がある。
(C2)成分及び(C3)成分の配合量は同重量部程度にすることにより、より良好な効果を得ることができる。
前記感光性樹脂組成物には、必要に応じて、分子内に少なくとも1つのカチオン重合可能な環状エーテル基を有する光重合性化合物、カチオン重合開始剤、マラカイトグリーン等の染料、ロイコクリスタルバイオレット等の光発色剤、熱発色防止剤、p−トルエンスルホンアミド等の可塑剤、顔料、充填剤、消泡剤、難燃剤、安定剤、密着性付与剤、レベリング剤、剥離促進剤、酸化防止剤、香料、イメージング剤、熱架橋剤などを(A)成分及び(B)成分の総量100重量部に対して各々0.01〜20重量部程度含有することができる。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
前記感光性樹脂組成物は、必要に応じて、メタノール、エタノール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、トルエン、N,N−ジメチルホルムアミド、プロピレングリコールモノメチルエーテル等の溶剤又はこれらの混合溶剤に溶解して固形分30〜60重量%程度の溶液として塗布することができる。
前記感光性樹脂組成物は、特に制限はないが、銅、銅系合金、鉄、鉄系合金等の金属面上に、液状レジストとして塗布して乾燥後、必要に応じて保護フィルムを被覆して用いるか、感光性エレメントの形態で用いられることが好ましい。
また、感光性樹脂組成物層の厚みは、用途により異なるが、乾燥後の厚みで1〜100μm程度であることが好ましい。液状レジストに保護フィルムを被覆して用いる場合は、保護フィルムとして、ポリエチレン、ポリプロピレン等の重合体フィルムなどが挙げられる。
上記感光性エレメントは、例えば、支持体として、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル等の重合体フィルム上に感光性樹脂組成物を塗布、乾燥することにより得ることができる。
上記塗布は、例えば、ロールコータ、コンマコータ、グラビアコータ、エアーナイフコータ、ダイコータ、バーコータ等の公知の方法で行うことができる。また、乾燥は、70〜150℃、5〜30分間程度で行うことができる。また、感光性樹脂組成物層中の残存有機溶剤量は、後の工程での有機溶剤の拡散を防止する点から、2重量%以下とすることが好ましい。
これらの重合体フィルムの厚みは、1〜100μmとすることが好ましい。これらの重合体フィルムの一つは感光性樹脂組成物層の支持体として、他の一つは感光性樹脂組成物の保護フィルムとして感光性樹脂組成物層の両面に積層してもよい。保護フィルムとしては、感光性樹脂組成物層及び支持体の接着力よりも、感光性樹脂組成物層及び保護フィルムの接着力の方が小さいものが好ましく、また、低フィッシュアイのフィルムが好ましい。
また、前記感光性エレメントは、感光性樹脂組成物層、支持体及び保護フィルムの他に、クッション層、接着層、光吸収層、ガスバリア層等の中間層や保護層を有していてもよい。
前記感光性エレメントは、例えば、そのまま又は感光性樹脂組成物層の他の面に保護フィルムをさらに積層して円筒状の巻芯に巻きとって貯蔵される。なお、この際支持体が1番外側になるように巻き取られることが好ましい。上記ロール状の感光性エレメントロールの端面には、端面保護の見地から端面セパレータを設置することが好ましく、耐エッジフュージョンの見地から防湿端面セパレータを設置することが好ましい。また、梱包方法として、透湿性の小さいブラックシートに包んで包装することが好ましい。
上記巻芯としては、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ABS樹脂(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体)等のプラスチックなどが挙げられる。
上記感光性エレメントを用いてレジストパターンを製造するに際しては、前記の保護フィルムが存在している場合には、保護フィルムを除去後、感光性樹脂組成物層を70〜130℃程度に加熱しながら回路形成用基板に0.1〜1MPa程度(1〜10kgf/cm2程度)の圧力で圧着することにより積層する方法などが挙げられ、減圧下で積層することが好ましい。積層される表面は、通常金属面であるが、特に制限はない。
このようにして積層が完了した感光性樹脂組成物層は、ネガ又はポジマスクパターンを通して活性光線が画像状に照射される。上記活性光線の光源としては、公知の光源、例えば、カーボンアーク灯、水銀蒸気アーク灯、高圧水銀灯、キセノンランプ等の紫外線、可視光などを有効に放射するものが用いられる。また、本発明の感光性樹脂組成物はレーザー走査露光に有効であり、特にUV(紫外線)レーザー走査露光に好適に使用することができる。
上記UVレーザーとしては、Dominant wavelengthが300〜400nmのアルゴンレーザーであることが好ましく、330〜385nmのアルゴンレーザーであることがより好ましく、340〜375nmのアルゴンレーザーであることが特に好ましく、350〜365nmのアルゴンレーザーであることが極めて好ましい。出力としては特に制限はないが、0.01〜5W程度が好ましい。レーザー露光装置としては、例えば、オルボテック社製商品名DP−100等が挙げられる。
次いで、露光後、感光性樹脂組成物層上に支持体が存在している場合には、支持体を除去した後、アルカリ性水溶液、水系現像液、有機溶剤等の現像液によるウエット現像、ドライ現像等で未露光部を除去して現像し、レジストパターンを製造することができる。
上記アルカリ性水溶液としては、例えば、0.1〜5重量%炭酸ナトリウムの希薄溶液、0.1〜5重量%炭酸カリウムの希薄溶液、0.1〜5重量%水酸化ナトリウムの希薄溶液等が挙げられる。上記アルカリ性水溶液のpHは9〜11の範囲とすることが好ましく、その温度は、感光性樹脂組成物層の現像性に合わせて調節される。また、アルカリ性水溶液中には、表面活性剤、消泡剤、有機溶剤等を混入させてもよい。上記現像の方式としては、例えば、ディップ方式、スプレー方式、ブラッシング、スラッピング等が挙げられる。
本発明における41段ステップタブレットは濃度領域0.00〜2.00,濃度ステップ0.05,タブレットの大きさ20mm×187mm,各ステップの大きさ3mm×12mmであり、例えば、富士写真フイルム(株)製商品名日立41段ステップタブレットとして入手可能である。
また、本発明において感光性樹脂組成物が41段ステップタブレット(濃度領域0.00〜2.00,濃度ステップ0.05,タブレットの大きさ20mm×187mm,各ステップの大きさ3mm×12mm)の21段(濃度1.00)が硬化するとは、
(1)銅張積層板上に積層された感光性樹脂組成物の層に1重量%炭酸ナトリウム水溶液を層全面に0.15MPaの圧力でスプレー噴射した際に、感光性樹脂組成物の層が除去された時間を最少現像時間とした際に、
(2)別の銅張積層板上に積層された感光性樹脂組成物の層を41段ステップタブレット(濃度領域0.00〜2.00,濃度ステップ0.05,タブレットの大きさ20mm×187mm,各ステップの大きさ3mm×12mm)を通して活性光線(高圧水銀灯全波長)をE(mJ/cm2)照射し、1重量%炭酸ナトリウム水溶液を層全面に0.15MPaの圧力でスプレー噴射(最少現像時間の2倍の時間)した際に21段(濃度1.00)に該当するレジストの基板上の残存面積(ステップの大きさ3mm×12mmに対する)が90%以上であることである。
現像後の処理として、必要に応じて60〜250℃程度の加熱又は0.2〜10mJ/cm2程度の露光を行うことによりレジストパターンをさらに硬化して用いてもよい。
現像後に行われる金属面のエッチングには、例えば、塩化第二銅溶液、塩化第二鉄溶液、アルカリエッチング溶液等を用いることができる。
本発明の感光性エレメントを用いてプリント配線板を製造する場合、現像されたレジストパターンをマスクとして、回路形成用基板の表面を、エッチング、めっき等の公知方法で処理する。上記めっき法としては、例えば、銅めっき、はんだめっき、ニッケルめっき、金めっきなどがある。
次いで、レジストパターンは、例えば、現像に用いたアルカリ性水溶液よりさらに強アルカリ性の水溶液で剥離することができる。上記強アルカリ性の水溶液としては、例えば、1〜10重量%水酸化ナトリウム水溶液、1〜10重量%水酸化カリウム水溶液等が用いられる。上記剥離方式としては、例えば、浸漬方式、スプレイ方式等が挙げられる。また、レジストパターンが形成されたプリント配線板は、多層プリント配線板でもよく、小径スルーホールを有していてもよい。
以下、本発明を実施例により説明する。
実施例1〜8及び比較例1〜3
表1に示す(A)成分、(B)成分及びその他の成分を配合し、溶液を得た。
次いで、得られた溶液に表2、表3及び表4に示す(C)成分を溶解させて、感光性樹脂組成物の溶液を得た。
表2、表3及び表4で使用した材料を下記に示す。
*1:3−MeO−2,6F−HABI(2,2′−ビス(2,6−フルオロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラキス(3−メトキシフェニル)ビスイミダゾール、黒金化成工業(株)製サンプル名)
*2:BBI105(4,4′−ビス(tert−ブチル)フェニルヨードニウムトリフレート、みどり化学(株)製商品名)
次いで、この感光性樹脂組成物の溶液を、16μm厚のポリエチレンポリエチレンテレフタレートフィルム上に均一に塗布し、100℃の熱風対流式乾燥器で、10分間乾燥して、感光性エレメントを得た。感光性樹脂組成物層の膜厚は、20μmであった。
一方、銅箔(厚さ35μm)を両面に積層したガラスエポキシ材である銅張り積層板(日立化成工業(株)製、商品名MCL−E−61)の銅表面を、♯600相当のブラシを持つ研磨機(三啓(株)製)を用いて研磨し、水洗後、空気流で乾燥し、得られた銅張り積層板を80℃に加温し、その銅表面上に、前記感光性樹脂組成物層を、110℃に加熱しながらラミネートした。
次に、高圧水銀灯ランプを有する露光機(オーク(株)製)590を用いて、ネガとしてストーファー41段ステップタブレットを試験片の上に置いて5,10又は20mJ/cm2で露光した。次に、ポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離し、30℃で1重量%炭酸ナトリウム水溶液を20秒間(最少現像時間:10秒間)スプレーすることにより、未露光部分を除去した。さらに、銅張り積層板上に形成された光硬化膜のステップタブレットの段数を測定し、得られたステップ段数からステップ21段に相当する露光量E0を露光量対数回帰計算により求めた。
次に、ステップ21段の露光量における現像後のパターンを光学顕微鏡により観察し、ライン・アンド・スペースとして残ったライン幅(μm)から解像度(μm)を求めた。
これらの結果を表5に示す。
次に、実施例3〜5及び比較例1〜3で使用した感光性エレメントを同様に銅張り積層板上に積層し、ダイレクトイメージングシステム(オルボテック社製商品名DP−100M)を用いて、ネガとしてストーファー41段ステップタブレットを試験片の上に置いて、5,10又は20mJ/cm2でレーザー走査露光(Dominant wavelength:351〜3641nm、出力:0.27〜4.0W)を行った。その後、ポリエチレンテレフタレートフィルムを除去して30℃で1重量%炭酸ナトリウム水溶液を20秒間スプレーすることにより、未露光部分を除去した。
さらに、銅張り積層板上に形成された光硬化膜のステップタブレットの段数を測定し、得られたステップ段数からステップ21段に相当する露光量を露光量対数回帰計算により求めた。
次に、ステップ21段の露光量における現像後のパターンを光学顕微鏡により観察し、ライン・アンド・スペースとして残ったライン幅(μm)から解像度(μm)を求めた。これらの結果を表6に示す。
その結果、実施例3〜5で使用した感光性エレメントの方が比較例1〜3で使用した感光性エレメントよりもUVレーザーで少ない露光量で硬化し、解像度が優れていることが判明した。
比較例4
前記表1に示す(A)成分、(B)成分、顔料及び溶剤の配合量で配合し、溶液を得、得られた溶液に2,2′−ビス(2−クロロフェニル)−4,4′−5,5′−テトラフェニルビスイミダゾール3.3g、9−フェニルアクリジン、ジエチルアミノベンゾフェノン0.04g、N−フェニルグリシン0.11g及びロイコクリスタルバイオレット1.6gを加え、感光性樹脂組成物の溶液を得た。
次いで、この感光性樹脂組成物の溶液を、16μm厚のポリエチレンポリエチレンテレフタレートフィルム上に均一に塗布し、100℃の熱風対流式乾燥器で、10分間乾燥して、感光性エレメントを得た。感光性樹脂組成物層の膜厚は、20μmであった。
一方、銅箔(厚さ35μm)を両面に積層したガラスエポキシ材である銅張り積層板(日立化成工業(株)製、商品名MCL−E−61)の銅表面を、♯600相当のブラシを持つ研磨機(三啓(株)製)を用いて研磨し、水洗後、空気流で乾燥し、得られた銅張り積層板を80℃に加温し、その銅表面上に、前記感光性樹脂組成物層を、110℃に加熱しながらラミネートした。
感光性樹脂組成物層を、110℃に加熱しながらラミネートした。
次に、高圧水銀灯ランプを有する露光機(オーク(株)製)590を用いて、ネガとしてストーファー41段ステップタブレットを試験片の上に置いて5、10、20mJ/cm2露光した。次に、ポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離し、30℃で1重量%炭酸ナトリウム水溶液を20秒間スプレーすることにより、未露光部分を除去した。さらに、銅張り積層板上に形成された光硬化膜のステップタブレットの段数を測定し、得られたステップ段数からステップ21段に相当する露光量E0を露光量対数回帰計算により求めた。
次に、ステップ21段の露光量における現像後のパターンを光学顕微鏡により観察し、ライン・アンド・スペースとして残ったライン幅(μm)から解像度(μm)を求めた。
比較例4の露光量E0は23mJ/cm2であり、解像度は30μmであった。
次に、実施例1〜8及び比較例4で得られた感光性エレメントを無紫外白色灯((株)日立製作所製 日立退色防止用ランプ,400nm以下の領域の光を除去,40W)下1.5mの距離にて2時間放置した。
一方、銅箔(厚さ35μm)を両面に積層したガラスエポキシ材である銅張り積層板(日立化成工業(株)製、商品名MCL−E−61)の銅表面を、♯600相当のブラシを持つ研磨機(三啓(株)製)を用いて研磨し、水洗後、空気流で乾燥し、得られた銅張り積層板を80℃に加温し、その銅表面上に、放置後の感光性エレメントの感光性樹脂組成物層を、110℃に加熱しながらラミネートした。
次に、高圧水銀灯ランプを有する露光機(オーク(株)製)590を用いて、ネガとしてストーファー41段ステップタブレットを試験片の上に置いて5、10又は20mJ/cm2露光した。次に、ポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離し、30℃で1重量%炭酸ナトリウム水溶液を20秒間スプレーすることにより、未露光部分を除去した。さらに、銅張り積層板上に形成された光硬化膜のステップタブレットの段数を測定し、得られたステップ段数からステップ21段に相当する露光量E1を露光量対数回帰計算により求めた。
次に、ステップ21段の露光量における現像後のパターンを光学顕微鏡により観察し、ライン・アンド・スペースとして残ったライン幅(μm)から解像度(μm)を求めた。これらの結果を表7に示す。
実施例1〜8及び比較例4で得られた感光性エレメントの無紫外白色灯下、2時間放置による色変化量を測定したところ、本発明の実施例1〜8は比較例4に比べ、2時間放置後の色変化が少なく、作業性に優れていることが分かった。