JP2004226737A - 表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】表示信号駆動回路からの調整用信号電圧を用いずに対向電極電圧を自動的に調整する表示装置を提供する。
【解決手段】表示エリア(22)に複数の画素ブロック(50)を設け、非表示エリア(23)に調整ブロック(40)を設け、調整ブロックには調整用画素電極と調整用スイッチング素子とを設け、外部電圧(E)が調整用スイッチング素子を介して調整用画素電極に供給可能に接続される。複数の画素ブロック及び調整ブロックと対向する位置には、対向電極駆動手段(12)から出力される対向電極電圧が供給される対向電極(11)が設けられており、対向電極駆動手段は、外部電圧の電位と、調整用画素電極と調整用スイッチング素子との接続点の電位との差に基づいて対向電極電圧を調整する。あるいは、対向電極駆動手段は、調整用画素電極と調整用スイッチング素子との接続点の電位と、対向電極の電位との差に基づいて対向電極電圧を調整する。
【選択図】 図2
【解決手段】表示エリア(22)に複数の画素ブロック(50)を設け、非表示エリア(23)に調整ブロック(40)を設け、調整ブロックには調整用画素電極と調整用スイッチング素子とを設け、外部電圧(E)が調整用スイッチング素子を介して調整用画素電極に供給可能に接続される。複数の画素ブロック及び調整ブロックと対向する位置には、対向電極駆動手段(12)から出力される対向電極電圧が供給される対向電極(11)が設けられており、対向電極駆動手段は、外部電圧の電位と、調整用画素電極と調整用スイッチング素子との接続点の電位との差に基づいて対向電極電圧を調整する。あるいは、対向電極駆動手段は、調整用画素電極と調整用スイッチング素子との接続点の電位と、対向電極の電位との差に基づいて対向電極電圧を調整する。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶表示装置等の表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図9に、液晶表示装置の概略構造を示す。この液晶表示装置は、2行3列のアクティブマトリックス型で、ガラス基板10と30の間に液晶層20が積層されている。
ガラス基板10は、ガラス基板30と対向する面に対向電極11を備える。対向電極11には、当該電極に対向電極電圧を出力する対向電極駆動回路12(対向電極駆動手段)が接続されている。
ガラス基板30は、ガラス基板10と対向する面に画素電極34が行列状に配置される。画素電極34には、当該電極への表示信号電圧の供給制御を行うTFT33(スイッチング素子)が接続されている。
液晶層20は、内部に液晶分子が充填され、対向電極11の電位と画素電極34の電位との電位差に応じて液晶の配向状態が変化される。これにより、液晶層20を通過する光の状態を制御し、通過する光の量の差により現れるパターンを表示する。
【0003】
TFT33は、画素電極34への電圧供給及び電圧保持の制御を行う。
TFT33のドレイン(D)は、画素電極34と接続されている。
TFT33のソース(S)は、表示信号駆動回路31から延伸された表示信号線n1、n2又はn3に接続している。表示信号駆動回路31は、配線n1、n2、n3を介して各列の画素電極34に表示信号電圧を供給する。
TFT33のゲート(G)は、走査信号駆動回路32から延伸された走査信号線m1又はm2に接続している。走査信号駆動回路32は、各行のTFT33を導通状態又は開放状態に制御するための走査信号電圧を出力する。
以上の配線により、TFT33は、走査信号駆動回路32により導通状態にされると、ソースから供給された表示信号電圧を、ドレインを通して画素電極34に供給する。開放状態にされると、画素電極34に供給された電圧を保持する。
【0004】
上記した画素電極34やTFT33などの液晶表示装置を構成する駆動回路は、微細な薄膜で形成されているため、製造ロット毎に変動しやすい容量成分を有する。したがって、画素電極34に電圧を保持させる場合には、以上のような容量成分などによる電圧降下のばらつきが大きい。
また、液晶表示装置は、一般に数千以上の画素電極34を有し、画素電極34は、表示信号電圧を保持している時間の方が電圧を供給されている時間よりも長い。そのため、液晶にかかる電圧が画素毎にばらついてしまい、焼き付きやフリッカなどの表示不良が発生する可能性があった。
そのため、従来は、製品(液晶表示装置)毎に、調整抵抗Raを調整することで対向電極11の電位を適正な大きさにしなければならなかった。
【0005】
そこで、表示エリアの外側にダミーTFT及びダミー画素電極とを作り込み、表示信号駆動回路からダミーTFT及びダミー画素電極に電圧を供給し、当該ダミー画素電極の電位に基づいて対向電極電圧を自動的に調整する従来技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開平11−242205号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術では、表示信号駆動回路からダミー画素電極(調整用画素電極)に調整用信号電圧を供給しなければならない。したがって、このような回路が設けられていない表示装置(汎用品)においては上記従来技術を実現することが極めて困難である。つまり、上記従来技術を実現するためには、表示信号駆動回路を設計し直したり、調整用信号電圧の供給回路等を新たに設計したりするなど種々の改良・追加が必要なため、既に製作された汎用品に上記従来技術を適用することは困難であり、また、既存の汎用品生産ラインで上記従来技術を実現した表示装置を生産するためには様々な改良が必要になる。
本発明は上記問題点に鑑みなされたものであり、表示信号駆動回路からの調整用信号電圧を用いずに対向電極電圧を自動的に調整する表示装置の提供を課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための手段として、請求項1に記載の表示装置は、表示エリアに複数の画素ブロックを設け、非表示エリアに調整ブロックを設ける。調整ブロックには、調整用画素電極と調整用スイッチング素子とが設けられ、外部電圧又は表示装置内部の電圧が前記調整用スイッチング素子を介して前記調整用画素電極に供給可能に接続されている。また、複数の画素ブロック及び調整ブロックと対向する位置には、対向電極駆動手段から出力される対向電極電圧が供給される対向電極が設けられている。そして、対向電極駆動手段は、外部電圧又は表示装置内部の電圧の電位と、調整ブロックの調整用画素電極と調整用スイッチング素子との接続点の電位との差に基づいて対向電極電圧を調整する。
【0009】
また、請求項2に記載の表示装置は、請求項1に記載の表示装置であって、対向電極駆動手段は、調整ブロックの調整用画素電極と調整用スイッチング素子との接続点の電位と、対向電極の電位との差に基づいて対向電極電圧を調整する。
【0010】
また、請求項3に記載の表示装置は、複数の画素ブロックが行列状に配置されており、表示エリアに複数の画素ブロックを横列したラインを複数設け、非表示エリアに調整ブロックを2つ設ける。各ラインは、非反転駆動ライン(偶数ライン)と反転駆動ライン(奇数ライン)とが交互に複数縦方向に配置された水平(H)ライン・コモン反転駆動方式の表示装置において、一方の調整ブロックを任意の非反転駆動ラインに接続するとともに、他方の調整ブロックを任意の反転駆動ラインに接続する。各調整ブロックには、調整用画素電極と調整用スイッチング素子とが設けられ、外部電圧又は表示装置内部の電圧が前記調整用スイッチング素子を介して前記調整用画素電極に供給可能に接続されており、複数の画素ブロック及び調整ブロックと対向する位置には、対向電極駆動手段から出力される対向電極電圧が供給される対向電極が設けられている。そして、対向電極駆動手段は、非反転駆動時には、外部電圧又は表示装置内部の電圧の電位と、前記非反転駆動ラインに接続された調整ブロックの調整用画素電極と調整用スイッチング素子との接続点の電位との差に基づいて非反転駆動時の対向電極電圧を調整し、反転駆動時には、外部電圧又は表示装置内部の電圧の電位と、前記反転駆動ラインに接続された調整ブロックの調整用画素電極と調整用スイッチング素子との接続点の電位との差に基づいて反転駆動時の対向電極電圧を調整する。
【0011】
また、請求項4に記載の表示装置は、画素電極とスイッチング素子とで構成された画素ブロックが複数設けられてなる表示エリアを有し、画素ブロックと対向する位置には、対向電極駆動手段から出力される対向電極電圧が供給される対向電極が設けられる。そして、前記対向電極駆動手段は、任意のスイッチング素子におけるソースとドレインとの間の電位差に基づき対向電極電圧を調整する。
【0012】
また、請求項5に記載の表示装置は、複数の画素ブロックが行列状に配置されており、表示エリアに複数の画素ブロックを横列したラインを複数設け、各画素ブロックは画素電極とスイッチング素子とで構成され、画素ブロックと対向する位置には、対向電極駆動手段から出力される対向電極電圧が供給される対向電極が設けられる。そして、前記対向電極駆動手段は、偶数ライン起動時には、当該ラインにおける任意のスイッチング素子におけるソースとドレインとの間の電位差に基づき対向電極電圧を調整し、奇数ライン起動時には、当該ラインにおける任意のスイッチング素子におけるソースとドレインとの間の電位差に基づき対向電極電圧を調整する。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を図面を用いて説明する。図1は、本発明の表示装置の一実施の形態である画素電極が2行3列で配置された液晶表示装置の概略構成図を示す。
◆[第1の実施の形態(図1、図2、図3)]
第1の実施の形態にかかる液晶表示装置は、各走査信号(m1,m2)を順次1行ずつON状態にする走査方法が採用され、調整ブロック40を一つ有する表示装置である。
【0014】
●[概略構造(図1)]
以下、図1に示す液晶表示装置を、図9に示す従来の液晶表示装置との相違点を中心に説明する。
図1に示す液晶表示装置には表示エリア22と非表示エリア23とが設けられている。表示エリア22は、画面表示するための画素ブロックが設けられたエリアである。各画素ブロックは、画素電極34と補助容量とTFT33(スイッチング素子)とで形成されている。非表示エリア23は、表示エリア22の外側に設けられ、画面表示を行わないエリアであり、調整用画素電極と調整用補助容量とTFT(調整用スイッチング素子)を備えた調整ブロック40を有する。
第1の実施の形態にかかる液晶表示装置は、対向電極11が画素電極34と調整用画素電極それぞれに対向するように配置される。つまり、対向電極11は、すべての画素電極34の面積と調整用画素電極の面積とをあわせた以上の面積を有し、各画素電極に対向するように配置される。
また、調整抵抗Raを有さず、調整ブロック40を備える。補償回路41は、調整ブロック40からの入力信号S1及びS2に基づき調整信号Soutを出力する。
対向電極駆動回路12は、補償回路41からの調整信号Soutに基づいて対向電極電圧を自動的に調整する。
【0015】
●[回路構成(図2)]
次に、図2に示す第1の実施の形態にかかる液晶表示装置の等価回路を用いて、回路構成について説明する。
表示エリア22内には、TFTと画素電極34による画素電極容量(Cc)と補助容量(Cm)で構成された画素ブロック50(m1,n1)〜(m2,n3)が行列状に配置されている。
各画素ブロック50(m,n)は、等価回路的には、画素電極容量(Cc)と補助容量(Cm)が並列に接続されており、一方の接続点は対向電極11に接続され、他方の接続点は対応するTFTのドレイン(D)に接続されている。
各画素ブロックのTFTのゲート(G)には、対応する走査信号(m1またはm2)が接続されている。また、各画素ブロックのTFTのソース(S)には、対応する表示信号(n1またはn2またはn3)が接続されている。
【0016】
走査信号駆動回路32は、走査信号(m1またはm2)を出力する。第1の実施の形態では、m1からm2へと順次、ほぼ同電位の信号が出力される。
例えば、走査信号m1が出力された(走査信号m1がON状態に設定された)場合、他の走査信号(この場合、走査信号m2)は出力が停止(OFF状態に設定)される。走査信号m1が出力されると、画素ブロック50(m1,n1)、(m1,n2)、(m1,n3)のTFTのゲート(G)に電圧が供給され、当該TFTのソース(S)とドレイン(D)が導通状態になる。すると、各TFTのソース(S)に供給されている各表示信号(n1またはn2またはn3)の電圧が、各画素電極容量(Cc)及び補助容量(Cm)に供給される。
表示信号駆動回路31は、各表示信号(n1またはn2またはn3)の電圧を調節し、液晶を通過する光の量を制御する。
【0017】
非表示エリア23内には、調整用スイッチング素子(TFTd)と調整用画素電極による調整用画素電極容量(Ccd)と調整用補助容量(Cmd)で構成された調整ブロック40が形成されている。
調整ブロック40は、等価回路的には、CcdとCmdが並列に接続されており、一方の接続点は対向電極11に接続され、他方の接続点は対応するTFTdのドレイン(D)に接続されている。
調整ブロック40のTFTdのゲート(G)には、対応する走査信号(この場合、m1)が接続されている。また、調整ブロック40のTFTdのソース(S)には、予め任意の電圧に設定された外部電圧(E)又は表示装置内部の電圧が接続されている。以下、全ての実施の形態の説明において「外部電圧又は表示装置内部の電圧」を「外部電圧」と記載する。
【0018】
補償回路41は、オペアンプA1と、差動増幅のゲイン調整抵抗R1及びR2と、ローパスフィルタ12aとで構成されている。オペアンプA1の反転入力端子にはゲイン調整抵抗R1を介して外部電圧(E)が接続され、非反転入力端子にはTFTdのドレイン(D)が接続される(調整用画素電極と調整用スイッチング素子との接続点が接続される)。オペアンプA1の出力端子と反転入力端子の間にはゲイン調整抵抗R2が接続される。オペアンプA1の出力は、ローパスフィルタ12aを介して対向電極駆動回路12に接続される。ローパスフィルタ12aは、オペアンプA1からの出力を平滑化して、ノイズ成分を除去した調整信号を対向電極駆動回路12に供給する。
対向電極駆動回路12は、入力された調整信号に基づいて、対向電極電圧レベルを自動的に最適値に補正して出力する。
【0019】
●[対向電極電圧の調整動作(図3)]
次に、図3(A)〜(C)の電位図を用いて、対向電極駆動回路12における対向電極電圧レベルの調整動作について説明する。図3(A)〜(C)は、「GND電位」の位置を基準として、各端子の電位の様子を示している。
「外部電圧(E)電位」は、予め任意の電圧に設定された外部電圧(E)における、「GND電位」からの電位である。外部電圧(E)はGND基準で出力されているため、E[V]で出力された場合の電位レベルは「E」である。
「対向電極電位」は、対向電極駆動回路12から出力された対向電極電圧における、「GND電位」からの電位である。対向電極電圧はGND基準で出力されているため、Vcm[V]で出力された場合の電位レベルは「Vcm」である。
「調整用画素電極電位」は、調整ブロック40の調整用画素電極に接続されたTFTdのドレイン(D)における、「GND電位」からの電位である。この電位は、Ccdの両端の電圧Vcd[V]に対向電極電圧Vcm[V]を加算した電位である。
また、「外部電圧(E)電位」と「調整用画素電極電位」との差で示される電位差Vdp[V]が、オペアンプA1に入力される。
【0020】
図3(A)は、TFTd、Ccd、Cmdが理想的な素子の場合の電位図を示している。まず、TFTdを導通させてCcd及びCmdにE−Vcm(typ)の電圧を供給する。その後、TFTdを開放させて保持状態にする。理想的な素子の場合、Ccdの両端の電圧Vcd(typ)は、供給時の電圧から低下することなく、供給時の電圧がそのまま維持される。
一方、Ccdの両端の電圧には、予め実験などで求めることができる適正値Vtyp[V]が存在する。理想的な素子の場合、Vcm(typ)[V]=E−Vtyp[V]に設定しておけば、Vcd(typ)[V]=Vtyp[V]に設定することが可能である。
しかし、実際の素子では保持状態において、Ccdの両端の電圧Vcdは、供給時からの電圧に対して低下する。しかも、低下する電圧の値は、浮遊容量または使用環境等の違いにより、種々の要因で各表示装置毎に変動する。
【0021】
図3(B)は、TFTd、Ccd、Cmdが理想的な素子でなく、実際の素子の場合の電位図を示している。このような素子では、保持状態におけるCcd両端の電圧Vcd(real)は供給時の電圧よりもVdp[V]低い。
液晶層20の液晶分子には、「調整用画素電極電位」と「対向電極電位」との電位差Vcd(real)[V]がかけられている。第1の実施の形態では、外部電圧E[V]と対向電極電圧Vcm[V]とオペアンプA1への入力電圧Vdp[V]からVcd[V]を検出する。
しかし、図3(B)に示す状態は理想状態ではない。つまり、Vcd(real)[V]をVtyp[V]に調整しなければならない。そこで、第1の実施の形態では、Vcm[V]を調整することで、Vcd(real)[V]をVtyp[V]にする。
すなわち、図3(C)に示すように、対向電極駆動回路12が対向電極電圧Vcm(modify)=Vcm(typ)−Vdp[V]になるように対向電極電圧を調整する。これにより、対向電極電圧がVcm(modify)[V]に調整された場合のCcdの両端の電圧Vcd(modify)は、Vcd(modify)[V]=Vtyp[V]に調整される。
【0022】
以上に説明した第1の実施の形態では、調整ブロック40への供給電圧(調整用信号電圧)を、任意の電圧に設定された外部電圧(E)から供給するため、汎用品の表示信号駆動回路31に新たな出力を追加する必要がない。
【0023】
◆[第2の実施の形態(図4)]
次に、図4を用いて、第2の実施の形態にかかる表示装置について説明する。第2の実施の形態にかかる表示装置は、第1の実施の形態にかかる表示装置とは、オペアンプA1の反転入力端子、及び非反転入力端子の接続先が異なる。以下、第1の実施の形態との相違点について説明する。
●[回路構成(図4)]
オペアンプA1の反転入力端子にはゲイン調整抵抗R1を介してTFTdのドレイン(D)が接続され(調整用画素電極と調整用スイッチング素子との接続点が接続され)、非反転入力端子には対向電極11が接続される。ここで、第2の実施の形態では、Ccdの両端電圧を直接的に検出する。このため、Ccdの両端電圧を極めて正確に検出する。したがって、対向電極電圧の自動調整を精度よく行える。
【0024】
●[対向電極電圧の調整動作]
図3(B)及び(C)を用いて、対向電極駆動回路12が対向電極電圧を調整する動作について説明する。
本実施の形態ではオペアンプA1でVcd[V]を直接的に検出する。つまり、図3(B)及び(C)に示すように、Vcd(real)[V]がVtyp[V]になるように、対向電極駆動回路12が対向電極電圧Vcm[V]を調整する。
ここで、対向電極電圧Vcm(modify)は、Vcm(typ)−Vdp[V]に調整される。
【0025】
以上に説明した第2の実施の形態では、調整ブロック40への供給電圧(調整用信号電圧)を、任意の電圧に設定された外部電圧(E)から供給するため、汎用品の表示信号駆動回路31に新たな出力を追加する必要がない。
また、Ccdの両端電圧を正確に検出することができるので、対向電極電圧の自動調整を極めて精度よく行える。
【0026】
◆[第3の実施の形態(図5、図6)]
次に、図5及び図6を用いて、第3の実施の形態にかかる表示装置について説明する。この表示装置は、第1の実施の形態にかかる表示装置を、対向電極電圧を走査信号毎に反転させる、水平(H)ライン・コモン反転駆動方式を用いた表示装置に適用した例である。ここで、ラインとは、複数の画素ブロック50(m,n)を横列した状態を示しており、図5に示す例では、非反転駆動ラインLnと反転駆動ラインLrがある。また、各ラインは、非反転駆動ラインLnと反転駆動ラインLrとが交互に縦方向に配置される。本明細書においては、適宜、一方のラインを偶数ライン、他方のラインを奇数ラインと表記する。
図5に示す例では、調整ブロック40は、任意の非反転駆動ラインLnに接続された調整ブロック40nと、任意の反転駆動ラインLrに接続された調整ブロック40rとの2つを用いている。以下、第1の実施の形態との相違点について説明する。
【0027】
●[回路構成(図5)]
非反転駆動ラインLnには調整ブロック40nが接続されており、反転駆動ラインLrには調整ブロック40rが接続されている。なお、各調整ブロック40n及び40rの内部は第1の実施の形態と同様であるので説明を省略する。
オペアンプA1の反転入力端子には、第1の実施の形態と同様に、ゲイン調整抵抗R1を介して外部電圧(E)が接続され、非反転入力端子にはSW1の「c」端子が接続される。SW1は、対向電極電圧が非反転駆動の場合は「n」端子と「c」端子が導通し、対向電極電圧が反転駆動の場合は「r」端子と「c」端子が導通するスイッチである。SW1の「n」端子には非反転駆動ラインLnに接続された調整ブロック40nのTFTnのドレイン(D)が接続されている(調整用画素電極と調整用スイッチング素子との接続点が接続されている)。また、SW1の「r」端子には反転駆動ラインLrに接続された調整ブロック40rのTFTrのドレイン(D)が接続されている(調整用画素電極と調整用スイッチング素子との接続点が接続されている)。
【0028】
本実施の形態では、補償回路41を非反転駆動用と反転駆動用の各々で設ける必要がなく、SW1で入力を切替えて1つの補償回路41で実現している。このため、コスト及び実装スペース等が有利であることに加えて、補償回路41を各々設けた場合の回路間のバラツキ等の誤差の発生も抑制することができ、調整精度をより向上させることができる。
【0029】
●[対向電極電圧の調整動作(図6)]
次に、図6(A)及び(B)の電位図を用いて、対向電極駆動回路12における対向電極電圧レベルの調整動作について説明する。図6(A)及び(B)は、第1の実施の形態で説明した図3(A)〜(C)と同様に、「GND電位」の位置を基準として、各端子の電位の様子を示している。
図6(A)は、非反転駆動ラインLnに接続された調整ブロック40nにおける各端子の電位が時間とともに変化(対向電極電位が反転)する様子を示している。また、図6(B)は、反転駆動ラインLrに接続された調整ブロック40rにおける各端子の電位が時間とともに変化(対向電極電位が反転)する様子を示している。
図6(A)及び(B)は、横軸を時間軸に設定しているとともに、同一時間軸に設定している。図6(A)及び(B)は、どちらも対向電極の非反転期間は、時間t[n]からt[n+1]、及び時間t[n+2]からt[n+3]、及び時間t[n+4]からt[n+5]である。また、どちらも対向電極の反転期間は、時間t[n+1]からt[n+2]、及び時間t[n+3]からt[n+4]である。また、図6(A)及び(B)は、時間軸の他にも[GND電位]、[対向電極電位]、[外部電圧(E)電位]は同じ波形である。
本実施の形態において、対向電極駆動回路12は、非反転期間では比較的低い電圧Vcmn[V]を出力し、反転期間では比較的高い電圧Vcmr[V]を出力する。
【0030】
図6(A)に示す「調整用画素電極電位(TFTn側電位)」は、調整ブロック40nの調整用画素電極に接続されたTFTnのドレイン(D)における、「GND電位」からの電位である。この電位は、対向電極電圧の非反転期間では、調整用画素電極容量(Ccn)の両端の電圧Vcdn[V]に対向電極電圧Vcmn[V]を加算した電位である。また、対向電極電圧の反転期間では、調整用画素電極容量(Ccn)の両端の電圧Vcdn[V]に対向電極電圧Vcmr[V]を加算した電位である。
【0031】
非反転期間では、「外部電圧(E)電位」と「調整用画素電極電位(TFTn側電位)」との差で示される電位差Vdpn[V]が、オペアンプA1に入力される。
対向電極駆動回路12は、非反転期間におけるVdpn[V]に基づいた調整信号が入力されると、入力された調整信号に基づいて、非反転期間における対向電極電圧レベルを自動的に最適値に調整して出力する。調整動作は、第1の実施の形態の説明と同様であるので省略する。図6(A)の例では、t[n+2]〜t[n+3]、及びt[n+4]〜t[n+5]の非反転期間において、VcmnをVcmn(modify)に調整することで、調整用画素電極容量(Ccn)の両端の電圧VcdnをVcdn(modify)に調整する様子を示している。このように対向電極駆動回路12は、Vcdn(modify)を非反転期間における適正値Vtypnになるように自動的に調整する。
【0032】
図6(B)に示す「調整用画素電極電位(TFTr側電位)」は、調整ブロック40rの調整用画素電極に接続されたTFTrのドレイン(D)における、「GND電位」からの電位である。この電位は、対向電極電圧の反転期間では、対向電極電圧Vcmr[V]から調整用画素電極容量(Ccr)の両端の電圧Vcdr[V]を減算した電位である。また、対向電極電圧の非反転期間では、対向電極電圧Vcmn[V]から調整用画素電極容量(Ccr)の両端の電圧Vcdr[V]を減算した電位である。
【0033】
反転期間では、「外部電圧(E)電位」と「調整用画素電極電位(TFTr側電位)」との差で示される電位差Vdpr[V]が、オペアンプA1に入力される。なお、Vdpr[V](TFTr側の電圧降下)=Vdpn[V](TFTn側の電圧降下)である。
対向電極駆動回路12は、反転期間におけるVdpr[V]に基づいた調整信号が入力されると、入力された調整信号に基づいて、反転期間における対向電極電圧レベルを自動的に最適値に調整して出力する。調整動作は、第1の実施の形態の説明と同様であるので省略する。図6(B)の例では、t[n+3]〜t[n+4]の反転期間において、VcmrをVcmr(modify)に調整することで、調整用画素電極容量(Ccr)の両端の電圧VcdrをVcdr(modify)に調整する様子を示している。このように対向電極駆動回路12は、Vcdr(modify)を反転期間における適正値Vtyprになるように自動的に調整する。
【0034】
以上に説明した第3の実施の形態では、水平(H)ライン・コモン反転駆動方式であっても、調整ブロック40n及び40rへの供給電圧(調整用信号電圧)を、任意の電圧に設定された外部電圧(E)から供給するため、汎用品の表示信号駆動回路31に新たな出力を追加する必要がない。
【0035】
◆[第4の実施の形態(図7)]
次に、図7を用いて、第4の実施の形態にかかる表示装置について説明する。
この表示装置は、表示エリア22内の画素ブロック50(m,n)の1つを調整ブロックとして使用する。つまり、画像表示に利用している画素ブロックのスイッチング素子におけるソースとドレインとの間の電位差に基づき対向電極電圧を調整する。以下、第1の実施の形態との相違点について説明する。
【0036】
●[回路構成(図7)]
図7には第4の実施の形態にかかる表示装置の等価回路を示す。
図7に示す例では、表示エリア22内の画素ブロック50(m2,n3)を調整ブロック40としても使用している。このように、第4の実施の形態にかかる表示装置では、画素表示を行っている画素ブロックを調整ブロックとしても使用するために、電圧サンプルホールド回路42が設けられる。
電圧サンプルホールド回路42は、一方の入力AがTFTdのゲート(G)に接続され、他方の入力Bがソース(S)に接続される。そして、Aへ入力された信号のタイミングによってBへ入力されている信号の電圧をサンプリングし、Yへ出力する。上記タイミング以外ではYの電圧を保持する。つまり、電圧サンプルホールド回路42は、画素ブロック50(m2、n3)のTFTdのゲート(G)が選択される(m2がアクティブになる)と、ソース(S)に印加された電圧をサンプリングし、その電位をYに出力する。ゲート(G)の選択が終わると、Yの保持電圧を出力する。
オペアンプA1は、反転入力端子にはゲイン調整抵抗R1を介して電圧サンプルホールド回路42(Y出力)が接続され、非反転入力端子にはTFTdのドレイン(D)が接続される。出力端子と反転入力端子との間にはゲイン調整抵抗R2が接続される。出力はローパスフィルタ12aを介して対向電極駆動回路12に接続される。対向電極駆動回路12は、第1の実施の形態と同様に対向電極電圧レベルを自動的に最適値に補正して出力する。
このように、本実施の形態にかかる表示装置は、画素ブロック50を用いて対向電極電圧を調整するため、調整ブロックを設ける必要がない。
【0037】
◆[第5の実施の形態(図8)]
図8を用いて、第5の実施の形態について説明する。第5の実施の形態にかかる表示装置は、水平(H)ライン・コモン反転駆動方式であり、画素表示に用いられる二つの画素ブロック50を用いて対向電極電圧の自動調整を行う。つまり、水平(H)ライン・コモン反転駆動方式の一方のライン(偶数ライン)の任意の画素ブロックと、他方のライン(奇数ライン)の任意の画素ブロックとを、それぞれ調整ブロックとしても使用している。以下、第4の実施の形態との相違点について説明する。
【0038】
●[回路構成(図8)]
次に、図8に示す等価回路を用いて、回路構成について説明する。
図8に示すように、m1ラインの画素ブロック50(m1、n3)とm2ラインの画素ブロック50(m2、n3)を調整ブロックとしても使用している。画素ブロック50(m1、n3)及び50(m2、n3)は、第4の実施の形態と同様に、それぞれ電圧サンプルホールド回路42、42r及びオペアンプA1、A1rに接続される。画素ブロック50(m1、n3)に接続するオペアンプA1の出力端子はスイッチSWのn端子に接続され、画素ブロック50(m2、n3)に接続するオペアンプA1rの出力端子はスイッチSWのr端子に接続される。
SWは、対向電極電圧が非反転駆動の場合にはn端子とc端子とを導通し、反転駆動の場合にはr端子とc端子とを導通するスイッチである。SWのc端子はローパスフィルタ12aを介して対向電極駆動回路12に接続される。対向電極駆動回路12は、第3の実施の形態における対向電極駆動回路と同様に、対向電極電圧レベルを自動的に最適値に補正して出力する。
このように、本実施の形態にかかる表示装置は、画素ブロック50を用いて対向電極電圧を調整するため、調整ブロックを設ける必要がない。
【0039】
なお、本発明は、上記した実施の形態に限定して解釈されるものでないことは当然である。例えば、第1〜第3の実施の形態における調整ブロックを、画素ブロックが形成された基板とは異なる基板に設けてもよい。つまり、調整ブロックを形成した基板(調整装置)を表示装置内又は外に設置し、前記したように配線してもよい。これにより、調整装置の設置可能箇所に自由度が生まれるため、表示装置の小型化が可能になる。
また、補償回路41としてアナログ信号により処理を行う回路を示したが、デジタル信号による処理を行う回路であってもよい。例えば図7において、電圧サンプルホールド回路42と対向電極駆動回路12との間の回路をデジタル信号による演算処理を行う回路に置換することも当然に可能である。
【0040】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1〜5のいずれかに記載の表示装置を用いれば、表示信号駆動回路からの調整用信号電圧を用いずに対向電極電圧を自動的に調整する表示装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の表示装置の一実施の形態(第1の実施の形態)の概略構成図である。
【図2】第1の実施の形態における、等価回路の例を示す図である。
【図3】第1の実施の形態において、「GND電位」の位置を基準として、各端子の電位の様子を示す図である。
【図4】第2の実施の形態における、等価回路の例を示す図である。
【図5】第3の実施の形態における、等価回路の例を示す図である。
【図6】第3の実施の形態において、「GND電位」の位置を基準として、各端子の電位と時間の関係を示す図である。
【図7】第4の実施の形態における、等価回路の例を示す図である。
【図8】第5の実施の形態における、等価回路の例を示す図である。
【図9】従来の表示装置の例を示す概略構造図である。
【符号の説明】
11 対向電極
12 対向電極駆動回路(対向電極駆動手段)
22 表示エリア
23 非表示エリア
31 表示信号駆動回路
32 走査信号駆動回路
33 TFT(スイッチング素子)
34 画素電極
40 調整ブロック
41 補償回路
42 電圧サンプルホールド回路
50 画素ブロック
E 外部電圧
m1、m2 走査信号
n1、n2、n3 表示信号
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶表示装置等の表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図9に、液晶表示装置の概略構造を示す。この液晶表示装置は、2行3列のアクティブマトリックス型で、ガラス基板10と30の間に液晶層20が積層されている。
ガラス基板10は、ガラス基板30と対向する面に対向電極11を備える。対向電極11には、当該電極に対向電極電圧を出力する対向電極駆動回路12(対向電極駆動手段)が接続されている。
ガラス基板30は、ガラス基板10と対向する面に画素電極34が行列状に配置される。画素電極34には、当該電極への表示信号電圧の供給制御を行うTFT33(スイッチング素子)が接続されている。
液晶層20は、内部に液晶分子が充填され、対向電極11の電位と画素電極34の電位との電位差に応じて液晶の配向状態が変化される。これにより、液晶層20を通過する光の状態を制御し、通過する光の量の差により現れるパターンを表示する。
【0003】
TFT33は、画素電極34への電圧供給及び電圧保持の制御を行う。
TFT33のドレイン(D)は、画素電極34と接続されている。
TFT33のソース(S)は、表示信号駆動回路31から延伸された表示信号線n1、n2又はn3に接続している。表示信号駆動回路31は、配線n1、n2、n3を介して各列の画素電極34に表示信号電圧を供給する。
TFT33のゲート(G)は、走査信号駆動回路32から延伸された走査信号線m1又はm2に接続している。走査信号駆動回路32は、各行のTFT33を導通状態又は開放状態に制御するための走査信号電圧を出力する。
以上の配線により、TFT33は、走査信号駆動回路32により導通状態にされると、ソースから供給された表示信号電圧を、ドレインを通して画素電極34に供給する。開放状態にされると、画素電極34に供給された電圧を保持する。
【0004】
上記した画素電極34やTFT33などの液晶表示装置を構成する駆動回路は、微細な薄膜で形成されているため、製造ロット毎に変動しやすい容量成分を有する。したがって、画素電極34に電圧を保持させる場合には、以上のような容量成分などによる電圧降下のばらつきが大きい。
また、液晶表示装置は、一般に数千以上の画素電極34を有し、画素電極34は、表示信号電圧を保持している時間の方が電圧を供給されている時間よりも長い。そのため、液晶にかかる電圧が画素毎にばらついてしまい、焼き付きやフリッカなどの表示不良が発生する可能性があった。
そのため、従来は、製品(液晶表示装置)毎に、調整抵抗Raを調整することで対向電極11の電位を適正な大きさにしなければならなかった。
【0005】
そこで、表示エリアの外側にダミーTFT及びダミー画素電極とを作り込み、表示信号駆動回路からダミーTFT及びダミー画素電極に電圧を供給し、当該ダミー画素電極の電位に基づいて対向電極電圧を自動的に調整する従来技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開平11−242205号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術では、表示信号駆動回路からダミー画素電極(調整用画素電極)に調整用信号電圧を供給しなければならない。したがって、このような回路が設けられていない表示装置(汎用品)においては上記従来技術を実現することが極めて困難である。つまり、上記従来技術を実現するためには、表示信号駆動回路を設計し直したり、調整用信号電圧の供給回路等を新たに設計したりするなど種々の改良・追加が必要なため、既に製作された汎用品に上記従来技術を適用することは困難であり、また、既存の汎用品生産ラインで上記従来技術を実現した表示装置を生産するためには様々な改良が必要になる。
本発明は上記問題点に鑑みなされたものであり、表示信号駆動回路からの調整用信号電圧を用いずに対向電極電圧を自動的に調整する表示装置の提供を課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための手段として、請求項1に記載の表示装置は、表示エリアに複数の画素ブロックを設け、非表示エリアに調整ブロックを設ける。調整ブロックには、調整用画素電極と調整用スイッチング素子とが設けられ、外部電圧又は表示装置内部の電圧が前記調整用スイッチング素子を介して前記調整用画素電極に供給可能に接続されている。また、複数の画素ブロック及び調整ブロックと対向する位置には、対向電極駆動手段から出力される対向電極電圧が供給される対向電極が設けられている。そして、対向電極駆動手段は、外部電圧又は表示装置内部の電圧の電位と、調整ブロックの調整用画素電極と調整用スイッチング素子との接続点の電位との差に基づいて対向電極電圧を調整する。
【0009】
また、請求項2に記載の表示装置は、請求項1に記載の表示装置であって、対向電極駆動手段は、調整ブロックの調整用画素電極と調整用スイッチング素子との接続点の電位と、対向電極の電位との差に基づいて対向電極電圧を調整する。
【0010】
また、請求項3に記載の表示装置は、複数の画素ブロックが行列状に配置されており、表示エリアに複数の画素ブロックを横列したラインを複数設け、非表示エリアに調整ブロックを2つ設ける。各ラインは、非反転駆動ライン(偶数ライン)と反転駆動ライン(奇数ライン)とが交互に複数縦方向に配置された水平(H)ライン・コモン反転駆動方式の表示装置において、一方の調整ブロックを任意の非反転駆動ラインに接続するとともに、他方の調整ブロックを任意の反転駆動ラインに接続する。各調整ブロックには、調整用画素電極と調整用スイッチング素子とが設けられ、外部電圧又は表示装置内部の電圧が前記調整用スイッチング素子を介して前記調整用画素電極に供給可能に接続されており、複数の画素ブロック及び調整ブロックと対向する位置には、対向電極駆動手段から出力される対向電極電圧が供給される対向電極が設けられている。そして、対向電極駆動手段は、非反転駆動時には、外部電圧又は表示装置内部の電圧の電位と、前記非反転駆動ラインに接続された調整ブロックの調整用画素電極と調整用スイッチング素子との接続点の電位との差に基づいて非反転駆動時の対向電極電圧を調整し、反転駆動時には、外部電圧又は表示装置内部の電圧の電位と、前記反転駆動ラインに接続された調整ブロックの調整用画素電極と調整用スイッチング素子との接続点の電位との差に基づいて反転駆動時の対向電極電圧を調整する。
【0011】
また、請求項4に記載の表示装置は、画素電極とスイッチング素子とで構成された画素ブロックが複数設けられてなる表示エリアを有し、画素ブロックと対向する位置には、対向電極駆動手段から出力される対向電極電圧が供給される対向電極が設けられる。そして、前記対向電極駆動手段は、任意のスイッチング素子におけるソースとドレインとの間の電位差に基づき対向電極電圧を調整する。
【0012】
また、請求項5に記載の表示装置は、複数の画素ブロックが行列状に配置されており、表示エリアに複数の画素ブロックを横列したラインを複数設け、各画素ブロックは画素電極とスイッチング素子とで構成され、画素ブロックと対向する位置には、対向電極駆動手段から出力される対向電極電圧が供給される対向電極が設けられる。そして、前記対向電極駆動手段は、偶数ライン起動時には、当該ラインにおける任意のスイッチング素子におけるソースとドレインとの間の電位差に基づき対向電極電圧を調整し、奇数ライン起動時には、当該ラインにおける任意のスイッチング素子におけるソースとドレインとの間の電位差に基づき対向電極電圧を調整する。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を図面を用いて説明する。図1は、本発明の表示装置の一実施の形態である画素電極が2行3列で配置された液晶表示装置の概略構成図を示す。
◆[第1の実施の形態(図1、図2、図3)]
第1の実施の形態にかかる液晶表示装置は、各走査信号(m1,m2)を順次1行ずつON状態にする走査方法が採用され、調整ブロック40を一つ有する表示装置である。
【0014】
●[概略構造(図1)]
以下、図1に示す液晶表示装置を、図9に示す従来の液晶表示装置との相違点を中心に説明する。
図1に示す液晶表示装置には表示エリア22と非表示エリア23とが設けられている。表示エリア22は、画面表示するための画素ブロックが設けられたエリアである。各画素ブロックは、画素電極34と補助容量とTFT33(スイッチング素子)とで形成されている。非表示エリア23は、表示エリア22の外側に設けられ、画面表示を行わないエリアであり、調整用画素電極と調整用補助容量とTFT(調整用スイッチング素子)を備えた調整ブロック40を有する。
第1の実施の形態にかかる液晶表示装置は、対向電極11が画素電極34と調整用画素電極それぞれに対向するように配置される。つまり、対向電極11は、すべての画素電極34の面積と調整用画素電極の面積とをあわせた以上の面積を有し、各画素電極に対向するように配置される。
また、調整抵抗Raを有さず、調整ブロック40を備える。補償回路41は、調整ブロック40からの入力信号S1及びS2に基づき調整信号Soutを出力する。
対向電極駆動回路12は、補償回路41からの調整信号Soutに基づいて対向電極電圧を自動的に調整する。
【0015】
●[回路構成(図2)]
次に、図2に示す第1の実施の形態にかかる液晶表示装置の等価回路を用いて、回路構成について説明する。
表示エリア22内には、TFTと画素電極34による画素電極容量(Cc)と補助容量(Cm)で構成された画素ブロック50(m1,n1)〜(m2,n3)が行列状に配置されている。
各画素ブロック50(m,n)は、等価回路的には、画素電極容量(Cc)と補助容量(Cm)が並列に接続されており、一方の接続点は対向電極11に接続され、他方の接続点は対応するTFTのドレイン(D)に接続されている。
各画素ブロックのTFTのゲート(G)には、対応する走査信号(m1またはm2)が接続されている。また、各画素ブロックのTFTのソース(S)には、対応する表示信号(n1またはn2またはn3)が接続されている。
【0016】
走査信号駆動回路32は、走査信号(m1またはm2)を出力する。第1の実施の形態では、m1からm2へと順次、ほぼ同電位の信号が出力される。
例えば、走査信号m1が出力された(走査信号m1がON状態に設定された)場合、他の走査信号(この場合、走査信号m2)は出力が停止(OFF状態に設定)される。走査信号m1が出力されると、画素ブロック50(m1,n1)、(m1,n2)、(m1,n3)のTFTのゲート(G)に電圧が供給され、当該TFTのソース(S)とドレイン(D)が導通状態になる。すると、各TFTのソース(S)に供給されている各表示信号(n1またはn2またはn3)の電圧が、各画素電極容量(Cc)及び補助容量(Cm)に供給される。
表示信号駆動回路31は、各表示信号(n1またはn2またはn3)の電圧を調節し、液晶を通過する光の量を制御する。
【0017】
非表示エリア23内には、調整用スイッチング素子(TFTd)と調整用画素電極による調整用画素電極容量(Ccd)と調整用補助容量(Cmd)で構成された調整ブロック40が形成されている。
調整ブロック40は、等価回路的には、CcdとCmdが並列に接続されており、一方の接続点は対向電極11に接続され、他方の接続点は対応するTFTdのドレイン(D)に接続されている。
調整ブロック40のTFTdのゲート(G)には、対応する走査信号(この場合、m1)が接続されている。また、調整ブロック40のTFTdのソース(S)には、予め任意の電圧に設定された外部電圧(E)又は表示装置内部の電圧が接続されている。以下、全ての実施の形態の説明において「外部電圧又は表示装置内部の電圧」を「外部電圧」と記載する。
【0018】
補償回路41は、オペアンプA1と、差動増幅のゲイン調整抵抗R1及びR2と、ローパスフィルタ12aとで構成されている。オペアンプA1の反転入力端子にはゲイン調整抵抗R1を介して外部電圧(E)が接続され、非反転入力端子にはTFTdのドレイン(D)が接続される(調整用画素電極と調整用スイッチング素子との接続点が接続される)。オペアンプA1の出力端子と反転入力端子の間にはゲイン調整抵抗R2が接続される。オペアンプA1の出力は、ローパスフィルタ12aを介して対向電極駆動回路12に接続される。ローパスフィルタ12aは、オペアンプA1からの出力を平滑化して、ノイズ成分を除去した調整信号を対向電極駆動回路12に供給する。
対向電極駆動回路12は、入力された調整信号に基づいて、対向電極電圧レベルを自動的に最適値に補正して出力する。
【0019】
●[対向電極電圧の調整動作(図3)]
次に、図3(A)〜(C)の電位図を用いて、対向電極駆動回路12における対向電極電圧レベルの調整動作について説明する。図3(A)〜(C)は、「GND電位」の位置を基準として、各端子の電位の様子を示している。
「外部電圧(E)電位」は、予め任意の電圧に設定された外部電圧(E)における、「GND電位」からの電位である。外部電圧(E)はGND基準で出力されているため、E[V]で出力された場合の電位レベルは「E」である。
「対向電極電位」は、対向電極駆動回路12から出力された対向電極電圧における、「GND電位」からの電位である。対向電極電圧はGND基準で出力されているため、Vcm[V]で出力された場合の電位レベルは「Vcm」である。
「調整用画素電極電位」は、調整ブロック40の調整用画素電極に接続されたTFTdのドレイン(D)における、「GND電位」からの電位である。この電位は、Ccdの両端の電圧Vcd[V]に対向電極電圧Vcm[V]を加算した電位である。
また、「外部電圧(E)電位」と「調整用画素電極電位」との差で示される電位差Vdp[V]が、オペアンプA1に入力される。
【0020】
図3(A)は、TFTd、Ccd、Cmdが理想的な素子の場合の電位図を示している。まず、TFTdを導通させてCcd及びCmdにE−Vcm(typ)の電圧を供給する。その後、TFTdを開放させて保持状態にする。理想的な素子の場合、Ccdの両端の電圧Vcd(typ)は、供給時の電圧から低下することなく、供給時の電圧がそのまま維持される。
一方、Ccdの両端の電圧には、予め実験などで求めることができる適正値Vtyp[V]が存在する。理想的な素子の場合、Vcm(typ)[V]=E−Vtyp[V]に設定しておけば、Vcd(typ)[V]=Vtyp[V]に設定することが可能である。
しかし、実際の素子では保持状態において、Ccdの両端の電圧Vcdは、供給時からの電圧に対して低下する。しかも、低下する電圧の値は、浮遊容量または使用環境等の違いにより、種々の要因で各表示装置毎に変動する。
【0021】
図3(B)は、TFTd、Ccd、Cmdが理想的な素子でなく、実際の素子の場合の電位図を示している。このような素子では、保持状態におけるCcd両端の電圧Vcd(real)は供給時の電圧よりもVdp[V]低い。
液晶層20の液晶分子には、「調整用画素電極電位」と「対向電極電位」との電位差Vcd(real)[V]がかけられている。第1の実施の形態では、外部電圧E[V]と対向電極電圧Vcm[V]とオペアンプA1への入力電圧Vdp[V]からVcd[V]を検出する。
しかし、図3(B)に示す状態は理想状態ではない。つまり、Vcd(real)[V]をVtyp[V]に調整しなければならない。そこで、第1の実施の形態では、Vcm[V]を調整することで、Vcd(real)[V]をVtyp[V]にする。
すなわち、図3(C)に示すように、対向電極駆動回路12が対向電極電圧Vcm(modify)=Vcm(typ)−Vdp[V]になるように対向電極電圧を調整する。これにより、対向電極電圧がVcm(modify)[V]に調整された場合のCcdの両端の電圧Vcd(modify)は、Vcd(modify)[V]=Vtyp[V]に調整される。
【0022】
以上に説明した第1の実施の形態では、調整ブロック40への供給電圧(調整用信号電圧)を、任意の電圧に設定された外部電圧(E)から供給するため、汎用品の表示信号駆動回路31に新たな出力を追加する必要がない。
【0023】
◆[第2の実施の形態(図4)]
次に、図4を用いて、第2の実施の形態にかかる表示装置について説明する。第2の実施の形態にかかる表示装置は、第1の実施の形態にかかる表示装置とは、オペアンプA1の反転入力端子、及び非反転入力端子の接続先が異なる。以下、第1の実施の形態との相違点について説明する。
●[回路構成(図4)]
オペアンプA1の反転入力端子にはゲイン調整抵抗R1を介してTFTdのドレイン(D)が接続され(調整用画素電極と調整用スイッチング素子との接続点が接続され)、非反転入力端子には対向電極11が接続される。ここで、第2の実施の形態では、Ccdの両端電圧を直接的に検出する。このため、Ccdの両端電圧を極めて正確に検出する。したがって、対向電極電圧の自動調整を精度よく行える。
【0024】
●[対向電極電圧の調整動作]
図3(B)及び(C)を用いて、対向電極駆動回路12が対向電極電圧を調整する動作について説明する。
本実施の形態ではオペアンプA1でVcd[V]を直接的に検出する。つまり、図3(B)及び(C)に示すように、Vcd(real)[V]がVtyp[V]になるように、対向電極駆動回路12が対向電極電圧Vcm[V]を調整する。
ここで、対向電極電圧Vcm(modify)は、Vcm(typ)−Vdp[V]に調整される。
【0025】
以上に説明した第2の実施の形態では、調整ブロック40への供給電圧(調整用信号電圧)を、任意の電圧に設定された外部電圧(E)から供給するため、汎用品の表示信号駆動回路31に新たな出力を追加する必要がない。
また、Ccdの両端電圧を正確に検出することができるので、対向電極電圧の自動調整を極めて精度よく行える。
【0026】
◆[第3の実施の形態(図5、図6)]
次に、図5及び図6を用いて、第3の実施の形態にかかる表示装置について説明する。この表示装置は、第1の実施の形態にかかる表示装置を、対向電極電圧を走査信号毎に反転させる、水平(H)ライン・コモン反転駆動方式を用いた表示装置に適用した例である。ここで、ラインとは、複数の画素ブロック50(m,n)を横列した状態を示しており、図5に示す例では、非反転駆動ラインLnと反転駆動ラインLrがある。また、各ラインは、非反転駆動ラインLnと反転駆動ラインLrとが交互に縦方向に配置される。本明細書においては、適宜、一方のラインを偶数ライン、他方のラインを奇数ラインと表記する。
図5に示す例では、調整ブロック40は、任意の非反転駆動ラインLnに接続された調整ブロック40nと、任意の反転駆動ラインLrに接続された調整ブロック40rとの2つを用いている。以下、第1の実施の形態との相違点について説明する。
【0027】
●[回路構成(図5)]
非反転駆動ラインLnには調整ブロック40nが接続されており、反転駆動ラインLrには調整ブロック40rが接続されている。なお、各調整ブロック40n及び40rの内部は第1の実施の形態と同様であるので説明を省略する。
オペアンプA1の反転入力端子には、第1の実施の形態と同様に、ゲイン調整抵抗R1を介して外部電圧(E)が接続され、非反転入力端子にはSW1の「c」端子が接続される。SW1は、対向電極電圧が非反転駆動の場合は「n」端子と「c」端子が導通し、対向電極電圧が反転駆動の場合は「r」端子と「c」端子が導通するスイッチである。SW1の「n」端子には非反転駆動ラインLnに接続された調整ブロック40nのTFTnのドレイン(D)が接続されている(調整用画素電極と調整用スイッチング素子との接続点が接続されている)。また、SW1の「r」端子には反転駆動ラインLrに接続された調整ブロック40rのTFTrのドレイン(D)が接続されている(調整用画素電極と調整用スイッチング素子との接続点が接続されている)。
【0028】
本実施の形態では、補償回路41を非反転駆動用と反転駆動用の各々で設ける必要がなく、SW1で入力を切替えて1つの補償回路41で実現している。このため、コスト及び実装スペース等が有利であることに加えて、補償回路41を各々設けた場合の回路間のバラツキ等の誤差の発生も抑制することができ、調整精度をより向上させることができる。
【0029】
●[対向電極電圧の調整動作(図6)]
次に、図6(A)及び(B)の電位図を用いて、対向電極駆動回路12における対向電極電圧レベルの調整動作について説明する。図6(A)及び(B)は、第1の実施の形態で説明した図3(A)〜(C)と同様に、「GND電位」の位置を基準として、各端子の電位の様子を示している。
図6(A)は、非反転駆動ラインLnに接続された調整ブロック40nにおける各端子の電位が時間とともに変化(対向電極電位が反転)する様子を示している。また、図6(B)は、反転駆動ラインLrに接続された調整ブロック40rにおける各端子の電位が時間とともに変化(対向電極電位が反転)する様子を示している。
図6(A)及び(B)は、横軸を時間軸に設定しているとともに、同一時間軸に設定している。図6(A)及び(B)は、どちらも対向電極の非反転期間は、時間t[n]からt[n+1]、及び時間t[n+2]からt[n+3]、及び時間t[n+4]からt[n+5]である。また、どちらも対向電極の反転期間は、時間t[n+1]からt[n+2]、及び時間t[n+3]からt[n+4]である。また、図6(A)及び(B)は、時間軸の他にも[GND電位]、[対向電極電位]、[外部電圧(E)電位]は同じ波形である。
本実施の形態において、対向電極駆動回路12は、非反転期間では比較的低い電圧Vcmn[V]を出力し、反転期間では比較的高い電圧Vcmr[V]を出力する。
【0030】
図6(A)に示す「調整用画素電極電位(TFTn側電位)」は、調整ブロック40nの調整用画素電極に接続されたTFTnのドレイン(D)における、「GND電位」からの電位である。この電位は、対向電極電圧の非反転期間では、調整用画素電極容量(Ccn)の両端の電圧Vcdn[V]に対向電極電圧Vcmn[V]を加算した電位である。また、対向電極電圧の反転期間では、調整用画素電極容量(Ccn)の両端の電圧Vcdn[V]に対向電極電圧Vcmr[V]を加算した電位である。
【0031】
非反転期間では、「外部電圧(E)電位」と「調整用画素電極電位(TFTn側電位)」との差で示される電位差Vdpn[V]が、オペアンプA1に入力される。
対向電極駆動回路12は、非反転期間におけるVdpn[V]に基づいた調整信号が入力されると、入力された調整信号に基づいて、非反転期間における対向電極電圧レベルを自動的に最適値に調整して出力する。調整動作は、第1の実施の形態の説明と同様であるので省略する。図6(A)の例では、t[n+2]〜t[n+3]、及びt[n+4]〜t[n+5]の非反転期間において、VcmnをVcmn(modify)に調整することで、調整用画素電極容量(Ccn)の両端の電圧VcdnをVcdn(modify)に調整する様子を示している。このように対向電極駆動回路12は、Vcdn(modify)を非反転期間における適正値Vtypnになるように自動的に調整する。
【0032】
図6(B)に示す「調整用画素電極電位(TFTr側電位)」は、調整ブロック40rの調整用画素電極に接続されたTFTrのドレイン(D)における、「GND電位」からの電位である。この電位は、対向電極電圧の反転期間では、対向電極電圧Vcmr[V]から調整用画素電極容量(Ccr)の両端の電圧Vcdr[V]を減算した電位である。また、対向電極電圧の非反転期間では、対向電極電圧Vcmn[V]から調整用画素電極容量(Ccr)の両端の電圧Vcdr[V]を減算した電位である。
【0033】
反転期間では、「外部電圧(E)電位」と「調整用画素電極電位(TFTr側電位)」との差で示される電位差Vdpr[V]が、オペアンプA1に入力される。なお、Vdpr[V](TFTr側の電圧降下)=Vdpn[V](TFTn側の電圧降下)である。
対向電極駆動回路12は、反転期間におけるVdpr[V]に基づいた調整信号が入力されると、入力された調整信号に基づいて、反転期間における対向電極電圧レベルを自動的に最適値に調整して出力する。調整動作は、第1の実施の形態の説明と同様であるので省略する。図6(B)の例では、t[n+3]〜t[n+4]の反転期間において、VcmrをVcmr(modify)に調整することで、調整用画素電極容量(Ccr)の両端の電圧VcdrをVcdr(modify)に調整する様子を示している。このように対向電極駆動回路12は、Vcdr(modify)を反転期間における適正値Vtyprになるように自動的に調整する。
【0034】
以上に説明した第3の実施の形態では、水平(H)ライン・コモン反転駆動方式であっても、調整ブロック40n及び40rへの供給電圧(調整用信号電圧)を、任意の電圧に設定された外部電圧(E)から供給するため、汎用品の表示信号駆動回路31に新たな出力を追加する必要がない。
【0035】
◆[第4の実施の形態(図7)]
次に、図7を用いて、第4の実施の形態にかかる表示装置について説明する。
この表示装置は、表示エリア22内の画素ブロック50(m,n)の1つを調整ブロックとして使用する。つまり、画像表示に利用している画素ブロックのスイッチング素子におけるソースとドレインとの間の電位差に基づき対向電極電圧を調整する。以下、第1の実施の形態との相違点について説明する。
【0036】
●[回路構成(図7)]
図7には第4の実施の形態にかかる表示装置の等価回路を示す。
図7に示す例では、表示エリア22内の画素ブロック50(m2,n3)を調整ブロック40としても使用している。このように、第4の実施の形態にかかる表示装置では、画素表示を行っている画素ブロックを調整ブロックとしても使用するために、電圧サンプルホールド回路42が設けられる。
電圧サンプルホールド回路42は、一方の入力AがTFTdのゲート(G)に接続され、他方の入力Bがソース(S)に接続される。そして、Aへ入力された信号のタイミングによってBへ入力されている信号の電圧をサンプリングし、Yへ出力する。上記タイミング以外ではYの電圧を保持する。つまり、電圧サンプルホールド回路42は、画素ブロック50(m2、n3)のTFTdのゲート(G)が選択される(m2がアクティブになる)と、ソース(S)に印加された電圧をサンプリングし、その電位をYに出力する。ゲート(G)の選択が終わると、Yの保持電圧を出力する。
オペアンプA1は、反転入力端子にはゲイン調整抵抗R1を介して電圧サンプルホールド回路42(Y出力)が接続され、非反転入力端子にはTFTdのドレイン(D)が接続される。出力端子と反転入力端子との間にはゲイン調整抵抗R2が接続される。出力はローパスフィルタ12aを介して対向電極駆動回路12に接続される。対向電極駆動回路12は、第1の実施の形態と同様に対向電極電圧レベルを自動的に最適値に補正して出力する。
このように、本実施の形態にかかる表示装置は、画素ブロック50を用いて対向電極電圧を調整するため、調整ブロックを設ける必要がない。
【0037】
◆[第5の実施の形態(図8)]
図8を用いて、第5の実施の形態について説明する。第5の実施の形態にかかる表示装置は、水平(H)ライン・コモン反転駆動方式であり、画素表示に用いられる二つの画素ブロック50を用いて対向電極電圧の自動調整を行う。つまり、水平(H)ライン・コモン反転駆動方式の一方のライン(偶数ライン)の任意の画素ブロックと、他方のライン(奇数ライン)の任意の画素ブロックとを、それぞれ調整ブロックとしても使用している。以下、第4の実施の形態との相違点について説明する。
【0038】
●[回路構成(図8)]
次に、図8に示す等価回路を用いて、回路構成について説明する。
図8に示すように、m1ラインの画素ブロック50(m1、n3)とm2ラインの画素ブロック50(m2、n3)を調整ブロックとしても使用している。画素ブロック50(m1、n3)及び50(m2、n3)は、第4の実施の形態と同様に、それぞれ電圧サンプルホールド回路42、42r及びオペアンプA1、A1rに接続される。画素ブロック50(m1、n3)に接続するオペアンプA1の出力端子はスイッチSWのn端子に接続され、画素ブロック50(m2、n3)に接続するオペアンプA1rの出力端子はスイッチSWのr端子に接続される。
SWは、対向電極電圧が非反転駆動の場合にはn端子とc端子とを導通し、反転駆動の場合にはr端子とc端子とを導通するスイッチである。SWのc端子はローパスフィルタ12aを介して対向電極駆動回路12に接続される。対向電極駆動回路12は、第3の実施の形態における対向電極駆動回路と同様に、対向電極電圧レベルを自動的に最適値に補正して出力する。
このように、本実施の形態にかかる表示装置は、画素ブロック50を用いて対向電極電圧を調整するため、調整ブロックを設ける必要がない。
【0039】
なお、本発明は、上記した実施の形態に限定して解釈されるものでないことは当然である。例えば、第1〜第3の実施の形態における調整ブロックを、画素ブロックが形成された基板とは異なる基板に設けてもよい。つまり、調整ブロックを形成した基板(調整装置)を表示装置内又は外に設置し、前記したように配線してもよい。これにより、調整装置の設置可能箇所に自由度が生まれるため、表示装置の小型化が可能になる。
また、補償回路41としてアナログ信号により処理を行う回路を示したが、デジタル信号による処理を行う回路であってもよい。例えば図7において、電圧サンプルホールド回路42と対向電極駆動回路12との間の回路をデジタル信号による演算処理を行う回路に置換することも当然に可能である。
【0040】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1〜5のいずれかに記載の表示装置を用いれば、表示信号駆動回路からの調整用信号電圧を用いずに対向電極電圧を自動的に調整する表示装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の表示装置の一実施の形態(第1の実施の形態)の概略構成図である。
【図2】第1の実施の形態における、等価回路の例を示す図である。
【図3】第1の実施の形態において、「GND電位」の位置を基準として、各端子の電位の様子を示す図である。
【図4】第2の実施の形態における、等価回路の例を示す図である。
【図5】第3の実施の形態における、等価回路の例を示す図である。
【図6】第3の実施の形態において、「GND電位」の位置を基準として、各端子の電位と時間の関係を示す図である。
【図7】第4の実施の形態における、等価回路の例を示す図である。
【図8】第5の実施の形態における、等価回路の例を示す図である。
【図9】従来の表示装置の例を示す概略構造図である。
【符号の説明】
11 対向電極
12 対向電極駆動回路(対向電極駆動手段)
22 表示エリア
23 非表示エリア
31 表示信号駆動回路
32 走査信号駆動回路
33 TFT(スイッチング素子)
34 画素電極
40 調整ブロック
41 補償回路
42 電圧サンプルホールド回路
50 画素ブロック
E 外部電圧
m1、m2 走査信号
n1、n2、n3 表示信号
Claims (5)
- 表示エリアに複数の画素ブロックを設け、非表示エリアに調整ブロックを設け、
調整ブロックには、調整用画素電極と調整用スイッチング素子とが設けられ、外部電圧又は表示装置内部の電圧が前記調整用スイッチング素子を介して前記調整用画素電極に供給可能に接続されており、
複数の画素ブロック及び調整ブロックと対向する位置には、対向電極駆動手段から出力される対向電極電圧が供給される対向電極が設けられており、
対向電極駆動手段は、外部電圧又は表示装置内部の電圧の電位と、調整ブロックの調整用画素電極と調整用スイッチング素子との接続点の電位との差に基づいて対向電極電圧を調整する、ことを特徴とする表示装置。 - 請求項1に記載の表示装置であって、
対向電極駆動手段は、調整ブロックの調整用画素電極と調整用スイッチング素子との接続点の電位と、対向電極の電位との差に基づいて対向電極電圧を調整する、ことを特徴とする表示装置。 - 複数の画素ブロックが行列状に配置されており、
表示エリアに複数の画素ブロックを横列したラインを複数設け、非表示エリアに調整ブロックを2つ設け、
一方の調整ブロックを任意の偶数ラインに接続するとともに、他方の調整ブロックを任意の奇数ラインに接続し、
各調整ブロックには、調整用画素電極と調整用スイッチング素子とが設けられ、外部電圧又は表示装置内部の電圧が前記調整用スイッチング素子を介して前記調整用画素電極に供給可能に接続されており、
複数の画素ブロック及び調整ブロックと対向する位置には、対向電極駆動手段から出力される対向電極電圧が供給される対向電極が設けられており、
対向電極駆動手段は、非反転駆動時には、外部電圧又は表示装置内部の電圧の電位と、前記偶数ラインに接続された調整ブロックの調整用画素電極と調整用スイッチング素子との接続点の電位との差に基づいて非反転駆動時の対向電極電圧を調整し、反転駆動時には、外部電圧又は表示装置内部の電圧の電位と、前記奇数ラインに接続された調整ブロックの調整用画素電極と調整用スイッチング素子との接続点の電位との差に基づいて反転駆動時の対向電極電圧を調整する、ことを特徴とする表示装置。 - 画素電極とスイッチング素子とで構成された画素ブロックが複数設けられてなる表示エリアを有し、
画素ブロックと対向する位置には、対向電極駆動手段から出力される対向電極電圧が供給される対向電極が設けられ、
前記対向電極駆動手段は、任意のスイッチング素子におけるソースとドレインとの間の電位差に基づき対向電極電圧を調整する、ことを特徴とする表示装置。 - 複数の画素ブロックが行列状に配置されており、
表示エリアに複数の画素ブロックを横列したラインを複数設け、
各画素ブロックは画素電極とスイッチング素子とで構成され、
画素ブロックと対向する位置には、対向電極駆動手段から出力される対向電極電圧が供給される対向電極が設けられ、
前記対向電極駆動手段は、
偶数ライン起動時には、当該ラインにおける任意のスイッチング素子におけるソースとドレインとの間の電位差に基づき対向電極電圧を調整し、
奇数ライン起動時には、当該ラインにおける任意のスイッチング素子におけるソースとドレインとの間の電位差に基づき対向電極電圧を調整する、ことを特徴とする表示装置。
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