JP2004226582A - 電界放出ディスプレイパネル用駆動装置及び電界放出ディスプレイ装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】比較器4は、アノード電流値を与える抵抗2の電圧ドロップと基準設定電圧とを比較する。比較器4の制御信号が電圧ドロップ>基準設定電圧の関係を与えるときには、その差分値に応じて、駆動回路用電源6は、電圧ドロップが基準設定電圧に等しくなるレベルにまで、その出力電圧VDDを初期値VDD0から下げる。その結果、ゲート駆動回路5Aは、駆動回路用電源電圧の減少分だけ、タイミング信号に基づき生成されるスキャンパルスVSCANの電圧値を下げる。カソード駆動回路5Bは、映像データの階調に合わせてパルス幅変調ないしは振幅変調したデータパルスVDATAを生成・出力する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、マトリクス状に配置された電子放出素子を有し、且つアノード電極上に蛍光体が配設されて成る発光面を有すると共に、ラインスキャン駆動される電界放出ディスプレイ(以下、電界放出ディスプレイを単にFEDと称す)パネルの駆動技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のFEDパネルの駆動回路においては、ビデオ信号の電圧振幅値が基準レベルより高い場合には、アノード電流(冷陰極電子線の内でアノード電極に到達した電荷の総量に該当)を減少させるために、アナログ処理部(コントラスト電圧)のRGBゲインの設定値を下げることとしている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−214817号公報(図1)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来のFEDパネルの駆動回路では、アノード電流を減少させる際にアナログ処理部の映像信号を下げる動作を行うので、映像信号をA/D変換したときに、表現できる階調数が減少すると言う問題点がある。
【0005】
しかも、FEDにおいても、低消費電力化に対する強い要望がある。
【0006】
この発明は上述の様な懸案事項に対処すべくなされたものであり、その目的とするところは、映像信号の階調数を減少させること無く、明るい映像を表示したときのFEDパネルの消費電力を低減可能とする駆動技術を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明に係るFEDパネルの駆動装置は、ラインスキャン駆動される電界放出ディスプレイパネルのアノード電極を流れるアノード電流を測定する測定回路と、前記測定回路が出力する測定値と、前記電界放出ディスプレイパネルの画面がある基準の明るさを有するときに流れる基準アノード電流を与える基準設定値とを比較する比較回路と、前記比較回路の出力データ、映像データ及びタイミング信号を受信し、前記タイミング信号に基づきスキャンパルスを生成した上で前記比較回路の前記出力データに応じて前記スキャンパルスの電圧値を可変する一方、前記映像データのみに基づいて前記映像データの階調を与えるデータパルスを生成し、可変後の前記スキャンパルス及び前記データパルスをそれぞれ前記電界放出ディスプレイパネルのゲート電極及びカソード電極に印加する駆動回路部とを備えることを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)
図1は、本実施の形態に係るFED装置の一部を示すブロック図である。同図において、FEDパネル200の駆動装置100は、大別して、▲1▼FEDパネル200のアノード電極(図示せず)に接続された高電位端子を有するアノード電源1と、▲2▼後述する抵抗2からアノード電源1を介してアノード電極へと流れるアノード電流IAを測定するアノード電流測定回路110と、▲3▼測定回路110が出力する測定値と、予め設定された固定値の基準設定値とを比較する比較回路(以後、比較器と称す)4と、▲4▼FEDパネル200のゲート電極(行電極とも称す)及びカソード電極(列電極とも称す)(何れも図示せず)に印加する駆動電圧VDRIVEを生成・出力する駆動回路部120とから成る。本実施の形態では、駆動方式として、一般的なラインスキャン駆動による単純マトリクス駆動方式が用いられている。駆動装置100の各回路要素の詳細な構成は、次の通りである。
【0009】
先ず、アノード電源1は、高電位が出力される上記高電位端子と、アノード電流測定回路110に接続された低電位端子とを有しており、固定値のアノード電圧をFEDパネル200のアノード電極に印加する。
【0010】
次に、アノード電流測定回路110は、アノード電源1の上記低電位端子に接続された一端と、アース端子に接続された他端とを有する抵抗2と、抵抗2に並列接続されたコンデンサ3とから成る。そして、アノード電流IAが抵抗2を流れる際に抵抗2において生ずる電圧ドロップVDROPは、アノード電流IAそのものを与えるデータである。しかも、FEDパネル200の輝度ないしは画面の明るさ及び消費電力は何れもアノード電流IAの大きさに依存するので(アノード電圧は一定であるため)、電圧ドロップVDROPはFEDパネル200の画面の明るさ(ないしは映像データの明るさ)及び消費電力の指針ともなるべきデータである。
【0011】
次に、比較器4は、抵抗2の上記一端に接続された第1入力端と、上記基準設定値としての基準設定電圧VSSが常に印加されている第2入力端と、その比較結果(電圧ドロップVDROPと基準設定電圧VSSとの差分結果)を制御信号VCNTとして出力する出力端とを、有する。ここで、基準設定電圧VSSとは、FEDパネル200の画面がある基準の明るさ(後述する基準明るさB0)を呈する際にアノード電極に流れる基準たるアノード電流(後述する基準アノード電流IA0)を与える基準設定値であり、丁度、基準アノード電流IA0が抵抗2を流れるものとしたときに生ずる電圧ドロップに相当している。
【0012】
次の駆動回路部120は、少なくとも、「比較器4の出力データたる制御信号VCNT、FED装置内の映像処理回路(後述の回路7に該当)からの映像データ、及びタイミング信号(クロック信号及び水平同期信号を含む信号)を受信し、(1)タイミング信号に基づきスキャンパルスVSCANを生成した上で制御信号VCNTに応じてスキャンパルスVSCANの電圧値を可変する一方、(2)映像データのみに基づいて当該映像データの階調を与えるデータパルスVDATAを生成し、(3)可変後のスキャンパルスVSCAN及びデータパルスVDATAをそれぞれFEDパネル200のゲート電極及びカソード電極に印加する」機能を有する。特に本実施の形態では、駆動回路部120は、(1−1)比較器4の出力データVCNTが測定値VDROP>基準設定値VSSを示すときには、比較器4の出力データVCNTのレベル(差分値)に応じてスキャンパルスVSCANの電圧値、即ちそのHレベルVH値を下げ、(1−2)比較器4の出力データVCNTが測定値VDROP=基準設定値VSSを示すときには、可変動作を行うことなくタイミング信号に基づき生成された当初のスキャンパルスVSCAN(即ち、初期電圧値VDD0をそのHレベルVH値とするパルス)をそのまま出力し、(1−3)比較器4の出力データVCNTが測定値VDROP<基準設定値VSSを示すときには、比較器4の出力データVCNTのレベル(差分値)に応じてスキャンパルスVSCANの上記電圧値VHを上げる制御動作を実行する。
【0013】
その一例として、駆動回路部120は、(A)比較器4の上記出力端に接続された入力端を有する駆動回路用電源6と、(B)駆動回路用電源6の出力端に接続された第1入力端とタイミング信号を受信する第2入力端と映像データを受信する第3入力端とを有する駆動回路5とから成る。この内、(A)駆動回路用電源6は、受信した制御信号VCNTのレベルに応じて、その出力電圧たる駆動回路5の電源電圧VDDの値を可変する動作を行う。その際、駆動回路用電源6は、可変動作の基準となる初期電圧値VDD0(例えば100V)を予め有している。他方、(B)駆動回路5は、(B−1)出力電圧VDD及びタイミング信号を受信する入力端と、FEDパネル200の各ゲート電極に接続された出力端とを有し、制御信号VCNTに基づき生成された出力電圧VDDに等しい値のHレベルVHを有するスキャンパルスVSCANを生成・出力するゲート駆動回路5Aと、(B−2)出力電圧VDD及び映像データを受信する入力端と、FEDパネル200の各カソード電極に接続された出力端とを有し、出力電圧VDDに等しい値のHレベルVHを有するデータパルスVDATAを生成・出力するカソード駆動回路5Bとから成る。
【0014】
次に、駆動装置100の動作の詳細について記載する。先ず、駆動回路用電源6は、初期電圧値VDD0に等しい値を有する出力電圧VDDを各駆動回路5A,5Bに印加しており、ゲート駆動回路5Aは、タイミング信号に基づき、スキャンパルスVSCANを生成・出力する。このときの各行電極に印加されるスキャンパルスVSCANの波形は、例えば図2の(A)に示す通りである。即ち、各行電極のスキャンパルスVSCANのHレベルVHは駆動回路用電源6が与える初期電圧値VDD0に等しく、そのLレベルVLは一般的には接地電位から所定のオフセット電圧分だけ高い一定値にある。ここでは、説明の簡便化のために、オフセット電圧を0Vと定義することにし、従って、各スキャンパルスVSCANのLレベルVLは0Vにある。又、カソード駆動回路5Bは、映像データに基づき、当該映像データの階調に合わせてパルス幅変調ないしは振幅変調されて成るデータパルスVDATAを生成・出力する。パルス幅変調するときの各列電極に印加されるデータパルスVDATAの波形は、例えば図2の(B)に示す通りである。即ち、各列電極のデータパルスVDATAのHレベルVHは、冷陰極電子線の誤放出によって各ドットが光るのを防止するために、駆動回路用電源6が与える初期電圧値VDD0に等しい値を有しており、そのLレベルVLは、▲1▼パルス幅変調の場合には常に接地電位(=0V)に設定される。勿論、各データパルスVDATAのパルス幅は異なる。他方、▲2▼図2の(B)に図示されてはいないが、振幅変調の場合には、各列電極のデータパルスVDATAのパルス幅は等しく、最も明るい映像データのとき(即ち、最大輝度のとき)に、そのLレベルVLは接地電位(=0V)に設定され、輝度レベルが最大輝度から小さくなるにつれて、そのLレベルVLはHレベルVHに向けて増大する。尚、▲1▼パルス幅変調及び▲2▼振幅変調の何れの場合であっても、各列電極のデータパルスVDATAのHレベルVHは、駆動回路用電源6が与える電圧値VDDと異なる値に設定されていても良い(この場合、多少、回路5Bの構成が複雑化する)。以上の駆動電圧VDRIVEの印加により、FEDパネル200にアノード電流IAが流れる。
【0015】
その結果、測定回路110は、アノード電流IAの測定を行う。即ち、アノード電源1のマイナス側とGND間に抵抗2が挿入されているので、その電圧ドロップVDROPを測ることで、アノード電流IAの値は検知される。ここでは、アノード電流IAの測定値を任意の期間に渡る平均値とするために、コンデンサ3が並列に接続されている。ここで言う「任意の期間」とは、通常、1フレーム程度の期間であるが、それに限られるものでもない。
【0016】
そして、そのときのアノード電流IAの値を与える電圧ドロップVDROPは、比較器4において、基準設定電圧VSSと比較される。即ち、比較器4は、上記比較動作により、電圧ドロップVDROPが基準設定電圧VSSよりも大きいか、それとも等しいか、あるいは小さいかと言う情報と、その差分値とを、制御信号VCNTとして、駆動回路用電源6に与える。
【0017】
次に、制御信号VCNTの受信に基づき駆動回路部120が行う制御動作について詳述する。既述の通り、駆動回路5は、行電極を駆動するゲート駆動回路5Aと、列電極を駆動するカソード駆動回路5Bとから構成されている。ここでは、便宜上、既述の図2に示す通り、駆動回路5はパルス幅変調駆動するものとして説明を行う。従って、各行電極には、タイミング信号を基に作られたスキャンパルスVSCANが印加され、各列電極には、映像データの階調に合わせてパルス幅変調されデータパルスVDATAが印加される。勿論、振幅変調駆動も可能であり、その場合には、既述した通り、列電極には、パルス幅を一定にして映像データの値に応じて低い側の電圧レベルVLを可変にした波形が印加され、行電極には、パルス幅変調駆動したときと同じ波形のスキャンパルスが印加される。
【0018】
駆動回路部120の制御動作を記載するに先だって、映像信号の明るさBとアノード電流IAとの関係、及び、駆動電圧VDRIVEとアノード電流IAとの関係を、説明する。先ず、図3は、駆動電圧VDRIVEが一定の場合における、映像信号の明るさBとアノード電流IAとの関係を示すグラフである。図3に示す様に、通常、アノード電流IAの値は映像信号の明るさBに比例して増加し、それと同時に消費電力も増加する。そこで、ある明るさB0以上の映像信号に対してアノード電流IAの値が常に一定値IA0になる様に制御することが出来れば、電力の増加を格段に抑えることが出来る。その際、留意すべき点は、映像の階調数を減少させないで本来の画質を維持可能とすることである。更に、アノード電流IAの値は駆動電圧VDRIVEの値如何にも依存する。この点を示すのが図4のグラフであり、同図は、映像データの明るさBが一定値の場合における、駆動電圧VDRIVEとアノード電流IAとの関係を示している。図4に示す通り、アノード電流IAは、駆動電圧VDRIVEに対して、指数関数的に増加する。尚、ここで言うアノード電流IAとは、FEDパネル200の画面の平均輝度を表しており、アノード電流IAが大きい程に明るい画面が得られ、従ってFEDパネル200の消費電力も大きいことになる。
【0019】
例えば白色の映像データに対しては、より一層輝度を高めて画面をより一層明るく制御する必要性はなく、寧ろ画面の明るさを一定値に抑制して消費電力の低減化を図るべきである。斯かる観点から両図3及び4を参照すると、ある明るさB0以上の映像信号に対して、アノード電流IAの値が常に一定値IA0になる様に制御するためには、入力映像信号の明るさB1(>B0)に関して実際に測定されたアノード電流IAの値IA1を与える駆動電圧VD1を、一定値IA0を与える駆動電圧VD0にまで減少させる必要性がある。勿論、実際のアノード電流値IA1を多少なりとも減少させれば消費電力の低減化を図り得るので、駆動電圧VD1(=VDD0)を、駆動電圧VD1と駆動電圧VD0との間の値に下げるだけでも良い。
【0020】
そこで、駆動回路部120は、(1)測定されたアノード電流IAが基準設定値IA0よりも大きいときには、駆動電圧VD1(=VDD0)を駆動電圧VD0にまで下げる様に動作して消費電力を低減し、(2)測定されたアノード電流IAが基準設定値IA0に等しいときには、駆動回路用電源6の初期値VDD0に等しい値を有する駆動電圧VD0を可変することなくそのまま印加し続ける。
【0021】
又、本実施の形態の駆動回路部120は、(3)入力映像信号の明るさB2(<B0)に関して実際に測定されたアノード電流値IA2が基準設定値IA0よりも小さいときには、駆動電圧VD2(=VDD0)を駆動電圧VD0にまで上げる様に動作して(勿論、駆動電圧VD2を、駆動電圧VD2と駆動電圧VD0との間の値に設定しても良い)、暗い画面を明るくして見易くなる様な駆動電圧の制御を行う。但し、当然ながら、駆動電圧VDRIVEの最大値は決まっているので、その範囲内で駆動電圧VDRIVEを上げることとなる。
【0022】
より具体的には、次の通りである。即ち、駆動電圧VDRIVEとは、(スキャンパルスVSCANの電圧値−データパルスVDATAの電圧値)に相当する。そして、本実施の形態においては、データパルスVDATAは専ら映像データの変調に用いられるので、結局、駆動電圧VDRIVEとは、ゲート駆動回路5Aから出力されるスキャンパルスVSCANの電圧値に相当する。つまり、駆動回路部120は、入力映像信号の明るさBに関して実際に測定されたアノード電流IAの大きさ(電圧ドロップVDROP)と基準設定値IA0(基準設定電圧VSS)との比較結果に応じて、スキャンパルスVSCANの電圧値VHを上記(1)〜(3)の通りに可変制御することになる(図2(A)に示す様に、各行用駆動波形のHレベルVHの値が上下に変動する)。この場合、カソード駆動回路5Bから出力される各列電極用データパルスVDATAの(階調を与える)パルス幅は、上記の電圧値可変制御に伴って特に変化を受けるものではないので、映像データの階調が変化することは無い(図2(B)参照)。尚、これらの特徴点が振幅変調の場合についても同様に成立することは、明らかである。
【0023】
従って、(1)制御信号VCNTがVDROP>VSSなる関係を示す場合には(例えば、測定されたアノード電流IAが値IA1を有するときには)、駆動回路用電源6は、制御信号VCNTが与える差分値に応じて、スキャンパルスVSCANの電圧値VH(=VDD)が現在値VD1(=VDD0)から駆動電圧VD0にまで下がる様に、その出力電圧VDDを下げる。その結果、ゲート駆動回路5Aは、各行のスキャンパルスVSCANのHレベル値VHを、現在値VD1(=VDD0)から出力電圧VDDが与える電圧値VD0にまで下げた上で、電圧可変後の各スキャンパルスVSCANを対応する行電極に印加する。他方、カソード駆動回路5Bは、可変された出力電圧VDDの受信後においても、パルス幅に変更の無い各データパルスVDATAを対応する列電極に印加する。又、(2)制御信号VCNTがVDROP=VSSなる関係を示す場合には(即ち、測定されたアノード電流IAが値IA0を有するときには)、駆動回路用電源6は、その出力電圧VDDの値VDD0を維持する。その結果、ゲート駆動回路5Aは、各行のスキャンパルスVSCANのHレベル値VHを可変すること無く、現在の電圧値VDD0を有する各スキャンパルスVSCANをそのまま対応する行電極に印加し続ける。カソード駆動回路5Bもまた、現在の各データパルスVDATAをそのまま対応する列電極に印加し続ける。これに対して、(3)制御信号VCNTがVDROP<VSSなる関係を示す場合には(例えば、測定されたアノード電流IAが値IA2を有するときには)、駆動回路用電源6は、制御信号VCNTが与える差分値に応じて、スキャンパルスVSCANの電圧値VH(=VDD)が現在値VD2(=VDD0)から駆動電圧VD0にまで上昇する様に、その出力電圧VDDを上げる。その結果、ゲート駆動回路5Aは、各行のスキャンパルスVSCANのHレベル値VHを、現在値VD2(=VDD0)から出力電圧VDDが与える電圧値VD0にまで上げた上で、電圧可変後の各スキャンパルスVSCANを対応する行電極に印加する。他方、カソード駆動回路5Bは、可変された出力電圧VDDの受信後においても、パルス幅に変更の無い各データパルスVDATAを対応する列電極に印加する。
【0024】
その結果、各行のスキャンパルスVSCANの電圧制御により得られる、映像信号の明るさBとアノード電流IAとの関係は、図5に示す直線C2あるいは曲線C1となる。
【0025】
この様に、スキャンパルスVSCANの電圧値のみを変えてアノード電流IAを制御することとしているので、本実施の形態によれば、パルス幅変調駆動及び振幅変調駆動の何れの駆動方式であっても、▲1▼映像データの階調数を全く減少させること無く、▲2▼ある明るさ以上の映像信号(比較的明るい映像)を表示するときにはFEDパネルの消費電力を一定値に制御して消費電力の低減化を効果的に実現可能とすることが出来、且つ、▲3▼ある明るさ未満の映像表示においては、より明るい見易い画面として映像を表示することが可能になると言う利点が得られる。
【0026】
(変形例1)
本変形例は実施の形態1の制御方法を変更するものであり、従って図1の回路図を援用する。本変形例の特徴点は、比較器4の出力データVCNTが測定値VDROP≦基準設定値VSSを示すときには、駆動回路部120はスキャンパルスVSCANの可変動作を行うことなくタイミング信号に基づき生成されたスキャンパルスVSCANをそのまま出力する点にある。勿論、比較器4の出力データVCNTが測定値VDROP>基準設定値VSSを示すときの駆動回路部120の動作は、実施の形態1におけるそれと同一である。
【0027】
本変形例における上記特徴的制御を行うことにより、得られる映像信号の明るさBとアノード電流IAとの関係は、図6に示す様になる。同図に示す通り、ある明るさB0以上の映像信号に対しては、流れるアノード電流値を常に一定値IA0に制御することが出来る。従って、ある明るさB0以上の映像信号を表示する際の消費電力の増加を抑えることが出来る。尚、ある明るさB0以上のときに駆動電圧を下げる様な制御をすると、ピーク輝度が下がり、画面が暗くなって性能が低下する様に思われるかもしれないが、画面全体の平均輝度としては、十分な明るさがあるため、視覚的には特に暗くなった様には感じられない。
【0028】
この様に、アノード電流値IAが基準設定値IA0よりも大きいときにのみスキャンパルスVSCANの電圧値を可変する(下げる)制御を行うので、比較的に明るい映像信号を表示したときのFEDパネルの消費電力を低減することが可能になると言う利点が得られる。
【0029】
(変形例2)
本変形例は、実施の形態1又は変形例1に対する修正に関するものであるが、その特徴点は、「基準設定値VSSが任意に変更可能な値である」と言う一点にある。従って、本変形例においても、基本的に図1の回路図を援用することとするが、図1の比較器4の構成は次に示す通り、若干の修正を受ける。
【0030】
図7は、本変形例に係る比較器4Aの構成を模式的に示すブロック図である。同図に示す様に、比較器4Aの第2入力端に印加される基準設定電圧VSSは、駆動装置100から見て外部に位置する装置側からユーザーの意図に応じて任意に設定され得る。ここでは、一例として、その様な外部装置を担うのは、FED装置(例えばTV)内の映像処理回路7である。一般に、映像処理回路7は、入力された映像信号に対して、ユーザーが、コントラスト調整、ブライトネス調整、色温度調整等の操作を行える様にする回路である。しかも、映像処理回路7は、入力された映像信号をA/D変換し、各種の映像信号をR、G、B信号にデコードすると共に、逆ガンマ補正処理等の映像処理をも行う。更に、映像処理回路7は、誤差拡散及びディザ処理等の映像処理をも行うことがある。
【0031】
次に、動作について記載する。例えば、ユーザーがFEDパネル200を省エネ運転したいと希望する場合には、ユーザーは、映像処理回路7の設定操作を通じて、同回路7から出力する基準設定電圧VSSの値をより低く設定すれば良い。例えば、図4に示した可変目標値たる駆動電圧VD0よりも低い駆動電圧に向けてスキャンパルスVSCANの電圧値が調整される様に、映像処理回路7から出力する基準設定電圧VSSの値を設定する(従って、変更後の基準駆動電圧VSSは小さくなる)。又、暗い環境(例えばホームシアター)でFEDパネル200を見るときの様に、映像データが与える輝度よりも実際の輝度を下げてユーザーが映像を見たいと希望するときにも、ユーザーは、映像処理回路7の設定操作を通じて、映像処理回路7から出力する基準設定電圧VSSの値を低く設定すれば良い。この様に基準設定電圧VSSを相対的に低く設定することで、アノード電流IAの増加をより一層抑えることが出来る結果、消費電力のより一層の低減を図ることが可能であり、又、輝度を暗く設定することも可能となる。
【0032】
以上の通り、本変形例によれば、基準設定電圧を駆動装置の外部側(映像処理回路等の外部処理回路)から任意に設定出来る様にしたので、任意に、消費電力の制御、あるいは、輝度の調整を行うことが出来ると言う利点が得られる。
【0033】
(実施の形態2)
図8は、本実施の形態に係るFED装置の一部を模式的に示す回路ブロック図である。図8の駆動装置100Aと図1の駆動装置100との相違点は、図1の回路要素110及び4に代えて、積算回路8を中核とするアドレス設定部80と、ルックアップテーブル(以下では、単にLUTと称す)保有回路9とを設けた点にある。従って、図8の駆動回路部120は実施の形態1ないしは変形例1における図1の駆動回路部120と同じものであり、駆動回路部120の動作・機能の詳細な記載については、実施の形態1及び変形例1における対応記載箇所を基本的に援用する。又、図2乃至図4の各図面をも援用する。
【0034】
図8において、積算回路8は、入力されるディジタル映像データのある期間(例えば1フレーム期間)の総和を積算することで、FEDパネル200に表示すべき映像の平均輝度を与える総和値を求める。又、積算回路8は、その内部(出力側)に、演算処理回路8Aを有している。この演算処理回路8Aは、積算されたディジタル映像データの総和値から後述するLUTのアドレス値を算出する処理を行う回路である。尚、演算処理回路8Aを、図8中に破線で以って描いている様に、積算回路8とLUT保有回路9との間に配置する様にしても良い。後者の場合には、積算回路8とその外付けの演算処理回路8Aとで以って、アドレス設定部80が構成されることとなる。
【0035】
又、図8のLUT保有回路9は、「積算回路8ないしはアドレス設定部80の出力端と接続された入力端を有すると共に、入力ディジタル映像データの各総和値より算出されたアドレス毎に予め決定されたスキャンパルスVSCANの電圧値VH(図2参照)の制御データVCNTを有するLUTデータ」を保有している。例えば、同回路9は、メモリあるいはディスクから成る。特に、本実施の形態は、一例として、変形例1において既述した制御方法を踏襲するものであるため(勿論、実施の形態1で述べた制御方法を採用しても良い)、LUTデータの内で、ある明るさ(後述する図10の値B0)の映像データに対応する基準総和値(後述する図9の値S0)よりも大きな各総和値のアドレス値に対応する制御データVCNTは、スキャンパルスVSCANの電圧値VHをその初期値VDD0から下げる様に指令する信号である。より具体的には、当該入力映像データの総和値S>基準総和値S0のときには、その様な総和値Sのアドレスに対応する制御データVCNTは、スキャンパルスVSCANの電圧値VH、従って駆動回路用電源値VDDを、図4に示す様に、現在値VD1(=初期値VDD0)から基準アノード電流IA0を与える駆動電圧値VD0にまで下げる様に、駆動回路用電源6に指令する信号である。逆に、当該入力映像データの総和値S≦基準総和値S0のときには、その様な総和値Sのアドレスに対応する制御データVCNTは、駆動回路用電源値VDDを現在値たる初期値VDD0に維持し続ける様に指令する信号である。そして、LUT保有回路9は、積算回路8が出力する総和値データより定まるアドレスデータに対応する制御データVCNTを、LUTデータの中から選択し、選択された制御データVCNTを、その出力データとして、駆動回路用電源6に出力する。
【0036】
図8の駆動回路部120は、LUT保有回路9の出力データVCNT、入力ディジタル映像データ及びタイミング信号を受信して、タイミング信号に基づきスキャンパルスVSCANを生成した上でLUT保有回路9の出力データVCNTに応じてスキャンパルスVSCANの電圧値VHを可変する。前述の通り、積算回路8が算出した総和値が基準総和値S0よりも大きいときには、駆動回路部120は、LUT保有回路9の出力データVCNTの指令に応じた分だけスキャンパルスVSCANの電圧値VHを下げる。これに対して、総和値が基準総和値S0以下の場合には、駆動回路部120は、スキャンパルスVSCANの現在の電圧値VHを維持し続ける。他方で、駆動回路部120は、入力ディジタル映像データのみに基づいて当該映像データの階調を与えるデータパルスVDATAを生成し、可変後のスキャンパルスVSCAN及びデータパルスVDATAをそれぞれFEDパネル200のゲート電極及びカソード電極に印加する。
【0037】
次に、より詳細な動作について記載する。積算回路8は、入力された映像データの総和を求める。例えば、映像データの解像度が640ドット×480ラインであり、且つ各色8ビットのデータである場合には、1フレーム期間における映像データの総和の最大値SMAXは、255×640×480×3=235008000となる。又、ある映像が表示されているときの1フレーム期間における映像データの総和Sは、第i番目の画素における各色のデータをDri、Dgi、Dbiと表示するときには、S=ΣDri+ΣDgi+ΣDbi(i=1〜640×480)の式で与えられる。一般に、映像データの総和Sが大きい程に、平均輝度が大きい、明るい映像となる。
【0038】
次に、演算処理回路8Aは、映像データの総和SからLUT保有回路9のアドレスを求める。例えば、LUT保有回路9のアドレスが0〜255で与えられる場合には、ある総和値Sに対するLUT保有回路9のアドレスAは、255×(映像データの総和S)/(映像データの総和の最大値SMAX)の式で算出される値の四捨五入値として求められる。この様な演算を実行することにより、演算処理回路8Aは、映像データの総和SからLUT保有回路9のアドレスAを決定する。尚、映像データの解像度、各色のビット数、総和を求めるフレーム数、及びLUT保有回路9のアドレス数は、上記の一例値に限られるものではない。
【0039】
次に、LUTデータの内容について、より具体的に説明する。LUTデータは、映像データの総和に対して駆動電圧をどの様に制御するかを決定するデータ(制御信号VCNT)より成る。そこで、LUTデータの一例を、図9のグラフとして示す。図9に示す様に、映像データの総和Sがある基準総和値S0以下のときには、駆動電圧VDRIVEを初期値たる一定値VDD0に制御し、逆に映像データの総和Sがある基準総和値S0よりも大きくなるときには、駆動電圧VDRIVEを一定値VDD0よりも小さな値に制御する様なデータが、LUTデータとして、LUT保有回路9内に格納されている。この様な駆動電圧を小さくする曲線は任意値として設定され得るが、通常は、映像データの総和Sがある値S0よりも大きいときには、アノード電流IAを一定値IA0に制御して消費電力が一定にし得る制御データを与える様に、駆動電圧を制御する曲線は設定されている。
【0040】
そして、本実施の形態においては、図9に例示される様なLUT保有回路9からの出力データVCNTに従って駆動回路用電源6の出力電圧VDDを可変制御して、駆動電圧、つまりスキャンパルスVSCANの電圧値VHを可変制御する。この場合、駆動回路用電源6への制御信号VCNTは、ディジタルデータのままでも良いし、あるいはD/Aコンバータを介在させてアナログ信号に変換しても良い。
【0041】
この様なスキャンパルスVSCANの電圧値VHの可変制御により得られる結果を、図10の映像信号の明るさBとアノード電流IAとの関係として示す。図10に示す様に、映像信号の明るさBが映像データの基準総和値S0に対応する映像信号の明るさB0未満のときには、アノード電流IAは明るさBに比例して増加し続け、映像信号の明るさBが明るさB0以上のときには、アノード電流IAは一定値IA0に制御され続けて消費電力は一定値に抑制される。
【0042】
以上に述べた通り、本実施の形態によれば、入力映像データの総和値からLUT保有回路9のアドレスを求め、算出されたアドレスが基準総和値S0に対応するアドレスよりも大きいときには、当該アドレスにより選択されたLUTデータの指令内容に応じてスキャンパルスの電圧値を下げる制御を行っているので、階調数を低減させてしまうことなく、比較的明るい映像を表示する際の消費電力を効果的に低減することが出来ると言う利点が得られる。
【0043】
(変形例3)
本変形例は、実施の形態3の修正例に係るものであり、LUTデータの制御データを任意に設定可能とした点に、その特徴を有する。従って、本変形例においては、基本的に図8のブロック図を援用することとし、相違する回路要素についてのみ図示することにする。
【0044】
図11は、本変形例に係るLUT保有回路9Aを示すブロック図である。図11に示す様に、LUTデータの内容(制御データ)は、任意に、本駆動装置から見て外部に配置された回路からロードされる。ここでは、一例として、外部回路は、変形例2と同様に、映像処理回路7に相当する。そして、映像処理回路7は、その内部に、n(n≧2)個の互いに相違するLUTデータ71,72,…,7nを保有するデータ格納部を有している。従って、ユーザーは、FEDパネル200の使用環境及び使用条件に合わせて、n個のLUTデータ71,72,…,7nの中から最適なLUTデータ7i(1≦i≦n)を任意に選択し、当該被選択LUTデータ7iをLUT保有回路9AのLUTデータに設定することが出来る。この様に、ユーザーは、LUT保有回路9AのLUTデータの内容を映像処理回路7から任意に変更することが可能となる。例えば、ユーザーが消費電力の低減化を優先したいと望むときには、図12に示す様な曲線を与えるLUTデータを、即ち、映像データの基準総和値が比較的小さい値S01に設定されており、そのため、比較的小さい総和値S01以降において駆動電圧を下げる様な制御をするデータを、ユーザーはn個のLUTデータ71,72,…,7nの中から抽出して、そのLUTデータ7iをLUT保有回路9Aに設定する。逆に、ユーザーが輝度を優先したいと希望するときには、図13に示す様な曲線を与えるLUTデータを、即ち、映像データの基準総和値が比較的大きな値S02に設定されており、そのため、総和値が比較的大きな総和値S02に達してから駆動電圧を下げる様な制御をするデータを、ユーザーはn個のLUTデータ71,72,…,7nの中から抽出して、そのLUTデータ7iをLUT保有回路9Aに設定する。勿論、LUT保有回路9Aにロードすべきデータは、図12及び図13に例示されたものに限定されるものではなく、ユーザーは任意の内容のデータをLUT保有回路9Aにロードすることが出来る。
【0045】
以上に記載した様に、本変形例によれば、映像処理回路7の様な外部回路から任意のデータをLUT保有回路9Aにロードしているので、使用環境及び使用条件に合わせてFEDパネルを最適な状態で使用することが出来ると言う利点が得られる。
【0046】
(変形例4)
本変形例もまた実施の形態2の修正例に係わり、その特徴点は、LUT保有回路内に複数個の互いに異なる内容を有するLUTデータを設けて、これらのLUTデータをLUT保有回路自身において選択可能とした点にある。従って、本変形例においても、LUT保有回路のみが図8の回路と比較して相違するだけであり、図8の回路図とその記載をここでも基本的に援用する。
【0047】
図14は、本変形例に係るLUT保有回路9Bの構成を示すブロック図である。同図に示す様に、LUT保有回路9Bは、▲1▼n(n≧2)個のサブLUTデータ格納部9B1,…,9Bnと、▲2▼FED装置製造者の希望に基づいて決定された、外部から印加される選択信号に基づいてn個のサブLUTデータ格納部9B1,…,9Bnを選択して、選択されたサブLUTデータ格納部9Bi(1≦i≦n)の出力データをLUT保有回路9Bの出力データVCNTとして出力するセレクタ9BSとを、有している。各サブLUTデータ格納部9B1,…,9Bn内に格納されるサブLUTデータとしては、例えば、図12に例示した様な消費電力の低減化を優先したもの、あるいは、図13に例示した様な明るさを優先したものが、考えられる。勿論、これらの例示データ以外にも、種々のデータがサブLUTデータとして考えられる。そして、実際の使用においては、FEDパネル200の仕様に合わせて、複数個のサブLUTデータ格納部9B1,…,9Bnの中から最適な一つを選んだ状態で使用する。
【0048】
以上に記載した通り、本変形例によれば、LUT保有回路は複数個の異種のLUTデータを持つことにしているので、FEDパネルの仕様を消費電力の低減を優先したもの、あるいは、画面の明るさを優先したものと言う様に、種々に設定することが出来ると言う利点が得られる。
【0049】
(変形例5)
本変形例もまた実施の形態2の修正例に係わり、その特徴点は、駆動装置の外部からのデータにより複数個のLUTデータの中から任意の一つを選択することにした点にある。即ち、本変形例に係るLUT保有回路は、複数のサブLUTデータを保有しており、外部からの選択データに基づいて複数のサブLUTデータの中から任意の一つを選択すると共に、選択されたサブLUTデータの中から積算回路が出力する総和値に対応する制御データをLUT保有回路の出力データとして出力する。ここでは、一例として、外部装置は、変形例2と同様に、FED装置内の映像処理回路に相当する。つまり、FEDパネルの使用環境及び使用条件に合わせて、映像処理回路からの選択データに基づいて、複数個のサブLUTデータの中から最適な一つを選択する。以下、本変形例に係るLUT保有回路9Cの回路構成を図15のブロック図に示す。尚、本変形例においても、LUT保有回路9C以外の回路要素の図示に関しては、既述の図1の相当部分とその記載箇所を援用する。
【0050】
図15に示す通り、LUT保有回路9Cは、▲1▼映像処理回路7が出力するサブLUT選択データに基づき上位アドレスを指定する信号を出力する上位アドレスライン11と、▲2▼積算回路8が出力する総和値データに基づき下位アドレスを指定する信号を出力する下位アドレスライン10と、▲3▼n(n≧2)個のサブLUTデータ格納部9C1,…,9Cnとを有する。そして、各サブLUTデータ格納部9Ci(1≦i≦n)は、積算回路8が出力する各総和値データ、従って各下位アドレスに対応する制御データから成るサブLUTデータを格納している。ここで、各サブLUTデータは、互いに異なるLUTデータである。
【0051】
次に、各サブLUTデータ格納部9Ciの選択方法の一例を記載する。図15に示す様に、積算回路8からの出力データは各サブLUTデータ格納部9Ciの下位アドレスライン10になり、映像処理回路7からのデータは各サブLUTデータ格納部9Ciの上位アドレスライン11になる。この様な接続により、複数個のサブLUTデータ格納部9Ciの中から、映像処理回路7によって任意のサブLUTデータ格納部9Ciを選択することが可能である。例えば、映像処理回路7からの選択信号が6ビット信号であるとすると、ユーザーは、映像処理回路7の操作を通じて、上位アドレスライン11から出力される上位アドレス信号の値(任意値)に対応する上位アドレスを有する1個の被選択サブLUTデータ格納部を、64個のサブLUTデータ格納部9Ciの中から任意に選択することが出来る。その後、被選択サブLUTデータ格納部は、下位アドレスライン10から出力される下位アドレス信号の値に等しい下位アドレスにおける1個の制御データを抽出して、被抽出制御データをLUT保有回路9Cの出力信号VCNTとして出力する。勿論、アドレスラインの振り分け及びビット数は、上記の一例に限られるものでは無い。
【0052】
以上に記載した様に、本変形例によれば、外部からの選択信号により複数のLUTデータの中から任意の一つを選択しているので、FEDパネルの使用環境及び使用条件に合わせて、FEDパネルを何時でも最適な電力条件及び輝度条件で使用することが可能になると言う利点が得られる。
【0053】
(付記)
以上、本発明の実施の形態を詳細に開示し記述したが、以上の記述は本発明の適用可能な局面を例示したものであって、本発明はこれに限定されるものではない。即ち、記述した局面に対する様々な修正や変形例を、この発明の範囲から逸脱することの無い範囲内で考えることが可能である。例えば、図1の各回路要素1〜6を一つのモジュール内に組込んで駆動装置100を構成しても良いし、あるいは、各回路要素1〜6の内で少なくとも要素2〜5を一つのモジュール内に組込むと共に電源1及び/又は6を当該モジュールの外付け部品として駆動装置100を構成する様にしても良い。又、駆動装置100,100Aを集積化しても良いことは勿論である。
【0054】
【発明の効果】
この発明は、スキャンパルスの電圧値を可変して、映像データの階調数を減らさずに電力制御することが出来ると言う主たる効果を奏する。
【0055】
特に、アノード電流値が基準設定値を越えるときにスキャンパルスの電圧値を下げる方向に制御を行うので、比較的に明るい映像を表示したときの消費電力を低減することが出来ると言う副次的効果をも、本発明は奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1に係るFED装置の一部を模式的に示す回路ブロック図である。
【図2】この発明の実施の形態1に係るFEDパネルの駆動波形を示すタイミングチャートである。
【図3】FEDパネルにおける映像の明るさ−アノード電流特性を示す図である。
【図4】FEDパネルにおける駆動電圧−アノード電流特性を示す図である。
【図5】実施の形態1に係るFEDパネルにおいて実現される映像信号の明るさとアノード電流との関係を表す図である。
【図6】実施の形態1の変形例1に係るFEDパネルにおいて実現される映像信号の明るさとアノード電流との関係を表す図である。
【図7】実施の形態1の変形例2に係るFEDパネルの駆動装置における比較器の構成を示す回路ブロック図である。
【図8】この発明の実施の形態2に係るFED装置の一部を模式的に示す回路ブロック図である。
【図9】実施の形態2における映像データの総和と駆動電圧との関係を表す図である。
【図10】実施の形態2に係るFEDパネルにおいて実現される映像信号の明るさとアノード電流との関係を表す図である。
【図11】変形例3におけるLUT保有回路の構成を模式的に示すブロック図である。
【図12】FEDパネルの消費電力の低減化を優先するときの映像データの総和と駆動電圧との関係を表す図である。
【図13】FEDパネルの明るさを優先するときの映像データの総和と駆動電圧との関係を表す図である。
【図14】変形例4におけるLUT保有回路の構成を模式的に示すブロック図である。
【図15】変形例5におけるLUT保有回路の構成を模式的に示すブロック図である。
【符号の説明】
1 アノード電源、2 抵抗、3 コンデンサ、4 比較器、5 駆動回路、6 駆動回路用電源、7 映像処理回路、8 積算回路、9 ルックアップテーブル保有回路、10 下位アドレスライン、11 上位アドレスライン、100
駆動装置、200 FEDパネル。
Claims (11)
- ラインスキャン駆動される電界放出ディスプレイパネルのアノード電極を流れるアノード電流を測定する測定回路と、
前記測定回路が出力する測定値と、前記電界放出ディスプレイパネルの画面がある基準の明るさを有するときに流れる基準アノード電流を与える基準設定値とを比較する比較回路と、
前記比較回路の出力データ、映像データ及びタイミング信号を受信し、前記タイミング信号に基づきスキャンパルスを生成した上で前記比較回路の前記出力データに応じて前記スキャンパルスの電圧値を可変する一方、前記映像データのみに基づいて前記映像データの階調を与えるデータパルスを生成し、可変後の前記スキャンパルス及び前記データパルスをそれぞれ前記電界放出ディスプレイパネルのゲート電極及びカソード電極に印加する駆動回路部とを備えることを特徴とする、
電界放出ディスプレイパネル用駆動装置。 - 請求項1記載の電界放出ディスプレイパネル用駆動装置であって、
前記比較回路の前記出力データが(前記測定値)>(前記基準設定値)を示すときには、前記駆動回路部は前記比較回路の前記出力データのレベルに応じて前記スキャンパルスの前記電圧値を下げることを特徴とする、
電界放出ディスプレイパネル用駆動装置。 - 請求項2記載の電界放出ディスプレイパネル用駆動装置であって、
前記比較回路の前記出力データが(前記測定値)<(前記基準設定値)を示すときには、前記駆動回路部は前記比較回路の前記出力データのレベルに応じて前記スキャンパルスの前記電圧値を上げることを特徴とする、
電界放出ディスプレイパネル用駆動装置。 - 請求項2記載の電界放出ディスプレイパネル用駆動装置であって、
前記比較回路の前記出力データが(前記測定値)≦(前記基準設定値)を示すときには、前記駆動回路部は可変動作を行うことなく前記タイミング信号に基づき生成された前記スキャンパルスをそのまま出力することを特徴とする、
電界放出ディスプレイパネル用駆動装置。 - 請求項1乃至4記載の電界放出ディスプレイパネル用駆動装置であって、
前記基準設定値は任意値であることを特徴とする、
電界放出ディスプレイパネル用駆動装置。 - 電界放出ディスプレイパネルをラインスキャン駆動する駆動装置であって、
入力されるディジタル映像データのある期間の総和を積算することで、平均輝度を与える総和値を求める積算回路と、
前記ディジタル映像データの各総和値毎に決定されたスキャンパルスの電圧値の制御データを有するルックアップテーブルデータを保有しており、前記積算回路が出力する前記総和値を基にして前記ルックアップテーブルデータの中からその出力データを選択するルックアップテーブル保有回路と、
前記ルックアップテーブル保有回路の前記出力データ、前記ディジタル映像データ及びタイミング信号を受信し、前記タイミング信号に基づき前記スキャンパルスを生成した上で前記ルックアップテーブル保有回路の前記出力データに応じて前記スキャンパルスの前記電圧値を可変する一方、前記映像データのみに基づいて前記映像データの階調を与えるデータパルスを生成し、可変後の前記スキャンパルス及び前記データパルスをそれぞれ前記電界放出ディスプレイパネルのゲート電極及びカソード電極に印加する駆動回路部とを備えることを特徴とする、電界放出ディスプレイパネル用駆動装置。 - 請求項6記載の電界放出ディスプレイパネル用駆動装置であって、
前記ルックアップテーブルデータの内で、ある明るさの映像データに対応する基準総和値よりも大きい各総和値に対する前記制御データは、前記スキャンパルスの前記電圧値を下げる様に指令する信号であり、
前記積算回路が算出した前記総和値が前記基準総和値よりも大きいときには、前記駆動回路部は前記ルックアップテーブル保有回路の前記出力データに応じて前記スキャンパルスの前記電圧値を下げることを特徴とする、
電界放出ディスプレイパネル用駆動装置。 - 請求項7記載の電界放出ディスプレイパネル用駆動装置であって、
前記ルックアップテーブルデータの前記制御データは任意に設定されることを特徴とする、
電界放出ディスプレイパネル用駆動装置。 - 請求項7記載の電界放出ディスプレイパネル用駆動装置であって、
前記ルックアップテーブル保有回路は、
前記ルックアップテーブルデータとしての複数のサブルックアップテーブルデータと、
前記複数のサブルックアップテーブルデータを選択して選択されたサブルックアップテーブルデータの出力データを前記ルックアップテーブル保有回路の前記出力データとして出力するセレクタとを備えることを特徴とする、
電界放出ディスプレイパネル用駆動装置。 - 請求項7記載の電界放出ディスプレイパネル用駆動装置であって、
前記ルックアップテーブル保有回路は、前記ルックアップテーブルデータとしての複数のサブルックアップテーブルデータを保有しており、外部からの選択データに基づいて前記複数のサブルックアップテーブルデータの中から任意の一つを選択すると共に、選択されたサブルックアップテーブルデータの中から前記積算回路が出力する前記総和値に対応する前記制御データを前記ルックアップテーブル保有回路の前記出力データとして出力することを特徴とする、
電界放出ディスプレイパネル用駆動装置。 - 請求項1乃至10の何れかに記載の前記電界放出ディスプレイパネル用駆動装置と、
前記駆動装置によって駆動される電界放出ディスプレイパネルとを備えることを特徴とする、
電界放出ディスプレイ装置。
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