JP2004226193A - 半導体センサ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】単一の半導体センサによって被測定物の圧力と温度とを検出する半導体センサ装置において、温度検出における構造的な改善を図り、正確な温度を検出することが可能な半導体センサ装置を提供する。
【解決手段】下ケース1に備えられる圧力導入部1aは被測定物を導入するため圧力導入(導入孔)1cを備える。ベース板3は半導体センサ4を配設する載置部1eに半導体センサ4に被測定物の圧力及び温度を伝達するための孔部3cを設け、圧力導入部1aに配設することで圧力導入孔1cの一端を塞ぐ。熱伝達部材8は圧力導入孔1c内に配設され、被測定物の温度を半導体センサ4に伝達する。
【選択図】 図1
【解決手段】下ケース1に備えられる圧力導入部1aは被測定物を導入するため圧力導入(導入孔)1cを備える。ベース板3は半導体センサ4を配設する載置部1eに半導体センサ4に被測定物の圧力及び温度を伝達するための孔部3cを設け、圧力導入部1aに配設することで圧力導入孔1cの一端を塞ぐ。熱伝達部材8は圧力導入孔1c内に配設され、被測定物の温度を半導体センサ4に伝達する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体基板上にピエゾ抵抗効果を有する感圧素子を形成し、前記感圧素子を用いてブリッジ回路を構成する単一の半導体センサによって、被測定物の圧力と温度とを検出する半導体センサ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
温度と圧力とを検出する半導体センサ装置としては、特許文献1にて開示されるように、半導体基板上にピエゾ抵抗効果を有する感圧素子を形成し、前記感圧素子を用いてブリッジ回路を構成するとともに薄肉のダイアフラム部を有する半導体センサをベース板を介して圧力導入部に配設し、前記圧力導入部から伝達される被測定物(流体)の圧力及び温度を単一の前記半導体センサによって検出し、この検出された圧力に関する第1の検出信号及び温度に関する第2の検出信号を前記半導体センサとワイヤボンディングにて電気的に接続される回路基板に備えられる第一,第二の出力部を介して外部に伝達する構造のものがあり、構造を複雑にすることなく簡単な構成で圧力と温度とを検出することが可能な半導体センサ装置である。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−372474号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、かかる半導体センサ装置の前記圧力導入部の構造は、SUM等の金属材料からなる取付ねじ部を有する六角部材の中央部分に前記半導体センサに被測定物の圧力及び温度を伝達するため圧力導入孔(導入孔)を備える構成であり、前記被測定物が前記半導体センサに伝達されるまでの間の前記圧力導入孔により構成される流動経路において、前記被測定物の温度が放熱してしまい正確な温度を検出することができなくなる恐れがあった。
【0005】
本発明は、前述した問題点に着目し、単一の半導体センサによって被測定物の圧力と温度とを検出する半導体センサ装置において、温度検出における構造的な改善を図り、正確な温度を検出することが可能な半導体センサ装置を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記課題を解決するため、請求項1に記載の半導体センサ装置のように、半導体基板上にピエゾ抵抗効果を有する感圧素子を形成し、前記感圧素子を用いてブリッジ回路を構成するとともに、薄肉のダイアフラム部を有する単一の半導体センサによって被測定物の圧力及び温度に関する情報を得る半導体センサ装置であって、前記被測定物を導入するため導入孔を備えた圧力導入部と、前記半導体センサを配設する載置部に前記半導体センサに前記被測定物の圧力及び温度を伝達するための孔部を設け、前記導入孔の一端を塞ぐように前記圧力導入部に配設されるベース板とを備え、前記圧力導入部には、前記ベース板の少なくとも一部分が埋まるように配設するための配設部が設けられてなるものである。
【0007】
また、請求項2に記載の半導体センサ装置のように、請求項1に記載の半導体センサ装置において、前記配設部は、段差形状からなるものである。
【0008】
また、本発明は、請求項3に記載の半導体センサ装置のように、半導体基板上にピエゾ抵抗効果を有する感圧素子を形成し、前記感圧素子を用いてブリッジ回路を構成するとともに、薄肉のダイアフラム部を有する単一の半導体センサによって被測定物の圧力及び温度に関する情報を得る半導体センサ装置であって、前記被測定物を導入するため導入孔を備えた圧力導入部と、前記半導体センサを配設する載置部に前記半導体センサに前記被測定物の圧力及び温度を伝達するための孔部を設け、前記導入孔の一端を塞ぐように前記圧力導入部に配設されるベース板と、前記導入孔内に配設され、前記被測定物の温度を前記半導体センサに伝達する熱伝達部材と、を備えてなるものである。
【0009】
また、請求項4に記載の半導体センサ装置のように、請求項3に記載の半導体センサ装置において、前記熱伝達部材は、一端が前記ベース板に近接するように配設され、他端が前記導入孔から突出するように配設されてなるものである。
【0010】
また、請求項5に記載の半導体センサ装置のように、請求項3もしくは請求項4に記載の半導体センサ装置において、前記熱伝達部材は、その一部分が前記導入孔から突出する状態で前記導入孔に配設されるとともに、前記熱伝達部材の突出部分にフィンを設けてなるものである。
【0011】
また、請求項6に記載の半導体センサ装置のように、請求項3から請求項5の何れかに記載の半導体センサ装置において、前記熱伝達部材は、金属材料から構成される前記圧力導入部よりも熱伝導率の高い金属材料からなるものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づき説明する。
【0013】
図1において、半導体センサ装置としての圧力温度検出装置Aは、下ケース1と、上ケース2と、ベース板3と、半導体センサ4と、回路基板5と、シールド板6と、グロメット7と、熱伝達部材8とから主に構成されている。
【0014】
下ケース1は、SUM等の金属材料からなる取付ねじ部を有する六角部材である圧力導入部1aと、この圧力導入部1aと一体に形成され、ベース板3,半導体センサ4,回路基板5等の各部を収納する収納部1bとを備えている。圧力導入部1aの略中央には、圧力導入孔(導入孔)1cが形成され、また圧力導入孔1aの上端部にはベース板3が部分的に埋まるように配設するための段差形状の配設部1dが形成されている。
【0015】
上ケース2は、PBT等の樹脂材料から形成されるもので、下ケース1の収納部1bの開口端部に配設され、収納部1bの開口端が加締められることで、上ケース2が下ケース1に対して配設固定される。また、上ケース2は、電源供給及び信号出力を行うための後述する電気コードを外部に引き出すため凹部形状のリード引き出し部2aを備えている。
【0016】
ベース板3は、コバール等の金属材料から構成され、下ケース1における圧力導入部1aの配設部1dに抵抗溶接によって配設固定するためのフランジ部3aが設けられ、このフランジ部3aから一段高くなった位置には、圧力センサ4を配設するための載置部3bが設けられている。また載置部3bの略中央には、半導体センサ4に被測定物の圧力及び温度を伝達するための孔部3cが設けられている。ベース板3は、圧力導入部1aの配設部1dに抵抗溶接によって配設固定されることで、圧力導入孔1cの一端を塞ぐ状態で下ケース1に配設されることになる(図2参照)。
【0017】
尚、ベース板3におけるフランジ部3aは、圧力導入部1aに抵抗溶接できる構成であれば図示した形状に限定されるものではない。
【0018】
半導体センサ4は、シリコン等の半導体基板に薄肉部となるダイアフラム部を形成する半導体チップ4aを貫通孔部4b1を備えたガラス台座4b上に配設し、半導体チップ4aとガラス台座4bとを陽極接合法によって接合してなるものである。半導体センサ4は、前記ダイアフラム部に対応する部位にボロン等の不純物を拡散処理することによって、ピエゾ抵抗効果を有する4つの感圧素子となる抵抗を形成し、この各抵抗をアルミ等の導電性材料を用いた配線パターンによって接続することでブリッジ回路が構成され、前記ブリッジ回路の中間電圧によって圧力を検出し、前記ブリッジ回路の両端電圧によって温度を検出するものである(図2参照)。
【0019】
尚、半導体センサ4は、ガラス基板4bの裏面側にメタライズ層を形成するとともに、半田を介してベース板3の載置部3bと接合する。
【0020】
回路基板5は、紙フェノール,ガラス繊維入り樹脂及びセラミック等の絶縁材料を支持材とし、所定の配線パターンが表裏に形成されてなる両面印刷回路基板であり、ベース板3上に位置するように下ケース1の収納部1b内に設けられる載置部1eに配設される。回路基板5は、半導体センサ4の出力電圧を増幅するための増幅回路やノイズを除去するためのコンデンサ等の各種電子部品が実装される。
【0021】
また、回路基板5の略中央には、ベース板3の載置部3bに配設される半導体センサ4の上方から回路基板5を下ケース1の載置部1eに配設した際に、回路基板5が半導体センサ4を取り巻くように配設するための収納孔部5aが形成されている。また、回路基板5の表面の収納孔部5aの周辺には、複数の電極部が形成され、この電極部と半導体センサ4に形成される電極パッドとは金等の導電材料からなるワイヤ9によって電気的に接続される。また、回路基板5のワイヤ9との接続個所である前記電極パッド及び半導体センサ4上には、半導体センサ4及び回路基板5の電極パッド及びワイヤ9の腐食を防止するためのシリコンゲル等のゲル状部材10が配設される(図2参照)。
【0022】
また、回路基板5は、上ケース2のリード引き出し部2aにグロメット7を介して配設される電気コード11とリードピン付き貫通コンデンサ12を介し電気的に接続するリードピン13が実装されている。
【0023】
シールド板6は、SPTE等の金属材料からなり、ホルダ部6aと、遮蔽部6bとを有し、ホルダ部6aは遮蔽部6bに対して折り曲げ形成されている。シールド板6は遮蔽部6bの周縁を下ケース1と上ケース2との間に狭持状態にて配設される。ホルダ部6aは、遮蔽部6bに対して直交するように折り曲げられるとともに、貫通コンデンサ12を配設するための孔部が形成されるとともに、この孔部に各貫通コンデンサ12が半田を介し配設固定される。(図3参照)
【0024】
グロメット7は、ニトリルゴム等の弾性部材によって構成され、電気コード11を上ケース2のリード引き出し部2aに取り付けるためのものである。グロメット7は、上ケース2のコード引き出し部2aの内壁に設けられる突出部2bに対してグロメット7の上部が圧入されることでに配設固定される。また、グロメット7は、リード引き出し部2aにエポキシ等の充填部材14が充填されることによって、上ケース2との気密性が確保された状態で配設される。
【0025】
熱伝達部材8は、下ケース1(圧力導入部1c)よりも熱伝導率の良好な(高い)金属材料からなり、例えば純銅,真鍮,アルミ等が用いられる。熱伝達部材8は、円筒形状をなすボディ部8aを備え、下ケース1の圧力導入孔1c内にボディ部8aを圧入することで配設固定されされるものであり、一端がベース板3の載置部3bの裏面側に近接するように配設され、他端が圧力導入孔1cから突出するように配設され、この突出した突出部8bには複数の吸熱フィン(フィン)8cが形成されている。熱伝達部材8は、突出部8bより上方の圧力導入孔1c内に配設される外周面に複数設けられ、被測定物の圧力を半導体センサ4に伝達するための圧力伝達溝8dが設けられている。(図4参照)
【0026】
以上の各部によって圧力温度検出装置Aが構成される。かかる圧力温度検出装置Aは、単一の半導体センサ4によって被測定物の圧力及び温度に関する情報を得るものに関し、前記被測定物を導入するため圧力導入孔1cを備えた圧力導入部1aと、半導体センサ4を配設する載置部3bに半導体センサ4に前記被測定物の圧力及び温度を伝達するための孔部3cを設け、載置部3bから延設されたフランジ部3aを圧力導入部1aに配設することで圧力導入孔1cの一端を塞ぐベース板3とを備え、圧力導入部1cには、ベース板3の少なくとも一部分が埋まるように配設するための配設部1dが設けられるものである。
【0027】
即ち、圧力温度検出装置Aは、ベース板3が圧力導入部1cに部分的に埋まるように配設部1dを設けることにより、圧力導入孔1c内における半導体チップ4までの被測定物の伝達経路を短く形成できることから、半導体チップ4に前記被測定物の温度を良好に伝えることができ、精度の良い温度測定を可能とする。
【0028】
また、ベース板3のフランジ部3aを配設するための配設部1dを段差形状にすることで、圧力導入部1aとベース板3との接合強度が良好に得られ、半導体チップ4への圧力伝達を良好に行うことが可能となる。
【0029】
また、圧力温度検出装置Aは、圧力導入部1aの圧力導入孔1c内に前記被測定物の温度を半導体センサ4に伝達する熱伝達部材8を配設するものであり、この熱伝達部材8は、一端がベース板3の裏面に近接するように配設され、他端が圧力導入孔1cから突出するように配設されてなるものである。従って、熱伝達部材8の一端がベース板3に当接しないように配設されることから、熱伝達部材8とベース板3との熱膨張係数の違いにより発生する歪みを半導体チップ4に伝達することを抑制し、被測定物の正確な温度及び圧力を検出することが可能となり、また、熱伝達部材8の他端が圧力導入孔1cから突出する突出部8bを設けることで、被測定物の温度を効率良く吸収することが可能となる。
【0030】
また、熱伝達部材8の圧力導入孔1cから突出する突出部8bに吸熱フィン8cを設けることで、更に効率的に被測定物の温度を吸収し、この吸収した熱を半導体センサ4へ伝達することが可能となるため、正確な温度を検出することができる。
【0031】
熱伝達部材8は、金属材料から構成される圧力導入部1aよりも熱伝導率の高い金属材料からなるものであり、半導体チップ4へ効率的に熱を伝達することが可能となる。
【0032】
尚、前述した実施の形態では、圧力導入部1aにベース板3を埋めるための配設部1dを設けるとともに、圧力導入孔1c内に熱伝達部材8を配設する構成であったが、請求項1及び請求項2に記載の半導体センサ装置にあっては、半導体チップ4に被測定物の熱を良好に伝える構成として熱伝達部材8を備えず、配設部1dのみを備える構成の半導体センサ装置であれば良く、また請求項3から請求項6に記載の本発明にあっては、配設部1dを備えず熱伝達部材8のみを備える半導体センサ装置であれば良い。
【0033】
また、前述した実施の形態では、熱伝達部材8の突出部8bに吸熱フィン8cを備える構成であったが、請求項4に記載の半導体センサ装置にあっては、必ずしも吸熱フィンを設けなくとも良い。
【0034】
【発明の効果】
本発明は、単一の半導体センサによって、被測定物の圧力と温度とを検出する半導体センサ装置に関し、温度検出における構造的な改善を図り、正確な温度を検出することが可能な半導体センサ装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の圧力温度検出装置を示す要部断面図。
【図2】同上実施の形態の圧力温度検出装置の要部拡大断面図。
【図3】同上実施の形態の圧力温度検出装置を示す図。
【図4】同上実施の形態の熱伝達部材の示す図。
【符号の説明】
1 下ケース
1a 圧力導入部
1c 圧力導入孔(導入部)
1d 配設部
3 ベース板
3a フランジ部
3b 載置部
3c 孔部
4 半導体センサ
8 熱伝達部材
8b 突出部
8c 吸熱フィン (フィン)
A 圧力温度検出装置(半導体センサ装置)
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体基板上にピエゾ抵抗効果を有する感圧素子を形成し、前記感圧素子を用いてブリッジ回路を構成する単一の半導体センサによって、被測定物の圧力と温度とを検出する半導体センサ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
温度と圧力とを検出する半導体センサ装置としては、特許文献1にて開示されるように、半導体基板上にピエゾ抵抗効果を有する感圧素子を形成し、前記感圧素子を用いてブリッジ回路を構成するとともに薄肉のダイアフラム部を有する半導体センサをベース板を介して圧力導入部に配設し、前記圧力導入部から伝達される被測定物(流体)の圧力及び温度を単一の前記半導体センサによって検出し、この検出された圧力に関する第1の検出信号及び温度に関する第2の検出信号を前記半導体センサとワイヤボンディングにて電気的に接続される回路基板に備えられる第一,第二の出力部を介して外部に伝達する構造のものがあり、構造を複雑にすることなく簡単な構成で圧力と温度とを検出することが可能な半導体センサ装置である。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−372474号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、かかる半導体センサ装置の前記圧力導入部の構造は、SUM等の金属材料からなる取付ねじ部を有する六角部材の中央部分に前記半導体センサに被測定物の圧力及び温度を伝達するため圧力導入孔(導入孔)を備える構成であり、前記被測定物が前記半導体センサに伝達されるまでの間の前記圧力導入孔により構成される流動経路において、前記被測定物の温度が放熱してしまい正確な温度を検出することができなくなる恐れがあった。
【0005】
本発明は、前述した問題点に着目し、単一の半導体センサによって被測定物の圧力と温度とを検出する半導体センサ装置において、温度検出における構造的な改善を図り、正確な温度を検出することが可能な半導体センサ装置を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記課題を解決するため、請求項1に記載の半導体センサ装置のように、半導体基板上にピエゾ抵抗効果を有する感圧素子を形成し、前記感圧素子を用いてブリッジ回路を構成するとともに、薄肉のダイアフラム部を有する単一の半導体センサによって被測定物の圧力及び温度に関する情報を得る半導体センサ装置であって、前記被測定物を導入するため導入孔を備えた圧力導入部と、前記半導体センサを配設する載置部に前記半導体センサに前記被測定物の圧力及び温度を伝達するための孔部を設け、前記導入孔の一端を塞ぐように前記圧力導入部に配設されるベース板とを備え、前記圧力導入部には、前記ベース板の少なくとも一部分が埋まるように配設するための配設部が設けられてなるものである。
【0007】
また、請求項2に記載の半導体センサ装置のように、請求項1に記載の半導体センサ装置において、前記配設部は、段差形状からなるものである。
【0008】
また、本発明は、請求項3に記載の半導体センサ装置のように、半導体基板上にピエゾ抵抗効果を有する感圧素子を形成し、前記感圧素子を用いてブリッジ回路を構成するとともに、薄肉のダイアフラム部を有する単一の半導体センサによって被測定物の圧力及び温度に関する情報を得る半導体センサ装置であって、前記被測定物を導入するため導入孔を備えた圧力導入部と、前記半導体センサを配設する載置部に前記半導体センサに前記被測定物の圧力及び温度を伝達するための孔部を設け、前記導入孔の一端を塞ぐように前記圧力導入部に配設されるベース板と、前記導入孔内に配設され、前記被測定物の温度を前記半導体センサに伝達する熱伝達部材と、を備えてなるものである。
【0009】
また、請求項4に記載の半導体センサ装置のように、請求項3に記載の半導体センサ装置において、前記熱伝達部材は、一端が前記ベース板に近接するように配設され、他端が前記導入孔から突出するように配設されてなるものである。
【0010】
また、請求項5に記載の半導体センサ装置のように、請求項3もしくは請求項4に記載の半導体センサ装置において、前記熱伝達部材は、その一部分が前記導入孔から突出する状態で前記導入孔に配設されるとともに、前記熱伝達部材の突出部分にフィンを設けてなるものである。
【0011】
また、請求項6に記載の半導体センサ装置のように、請求項3から請求項5の何れかに記載の半導体センサ装置において、前記熱伝達部材は、金属材料から構成される前記圧力導入部よりも熱伝導率の高い金属材料からなるものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づき説明する。
【0013】
図1において、半導体センサ装置としての圧力温度検出装置Aは、下ケース1と、上ケース2と、ベース板3と、半導体センサ4と、回路基板5と、シールド板6と、グロメット7と、熱伝達部材8とから主に構成されている。
【0014】
下ケース1は、SUM等の金属材料からなる取付ねじ部を有する六角部材である圧力導入部1aと、この圧力導入部1aと一体に形成され、ベース板3,半導体センサ4,回路基板5等の各部を収納する収納部1bとを備えている。圧力導入部1aの略中央には、圧力導入孔(導入孔)1cが形成され、また圧力導入孔1aの上端部にはベース板3が部分的に埋まるように配設するための段差形状の配設部1dが形成されている。
【0015】
上ケース2は、PBT等の樹脂材料から形成されるもので、下ケース1の収納部1bの開口端部に配設され、収納部1bの開口端が加締められることで、上ケース2が下ケース1に対して配設固定される。また、上ケース2は、電源供給及び信号出力を行うための後述する電気コードを外部に引き出すため凹部形状のリード引き出し部2aを備えている。
【0016】
ベース板3は、コバール等の金属材料から構成され、下ケース1における圧力導入部1aの配設部1dに抵抗溶接によって配設固定するためのフランジ部3aが設けられ、このフランジ部3aから一段高くなった位置には、圧力センサ4を配設するための載置部3bが設けられている。また載置部3bの略中央には、半導体センサ4に被測定物の圧力及び温度を伝達するための孔部3cが設けられている。ベース板3は、圧力導入部1aの配設部1dに抵抗溶接によって配設固定されることで、圧力導入孔1cの一端を塞ぐ状態で下ケース1に配設されることになる(図2参照)。
【0017】
尚、ベース板3におけるフランジ部3aは、圧力導入部1aに抵抗溶接できる構成であれば図示した形状に限定されるものではない。
【0018】
半導体センサ4は、シリコン等の半導体基板に薄肉部となるダイアフラム部を形成する半導体チップ4aを貫通孔部4b1を備えたガラス台座4b上に配設し、半導体チップ4aとガラス台座4bとを陽極接合法によって接合してなるものである。半導体センサ4は、前記ダイアフラム部に対応する部位にボロン等の不純物を拡散処理することによって、ピエゾ抵抗効果を有する4つの感圧素子となる抵抗を形成し、この各抵抗をアルミ等の導電性材料を用いた配線パターンによって接続することでブリッジ回路が構成され、前記ブリッジ回路の中間電圧によって圧力を検出し、前記ブリッジ回路の両端電圧によって温度を検出するものである(図2参照)。
【0019】
尚、半導体センサ4は、ガラス基板4bの裏面側にメタライズ層を形成するとともに、半田を介してベース板3の載置部3bと接合する。
【0020】
回路基板5は、紙フェノール,ガラス繊維入り樹脂及びセラミック等の絶縁材料を支持材とし、所定の配線パターンが表裏に形成されてなる両面印刷回路基板であり、ベース板3上に位置するように下ケース1の収納部1b内に設けられる載置部1eに配設される。回路基板5は、半導体センサ4の出力電圧を増幅するための増幅回路やノイズを除去するためのコンデンサ等の各種電子部品が実装される。
【0021】
また、回路基板5の略中央には、ベース板3の載置部3bに配設される半導体センサ4の上方から回路基板5を下ケース1の載置部1eに配設した際に、回路基板5が半導体センサ4を取り巻くように配設するための収納孔部5aが形成されている。また、回路基板5の表面の収納孔部5aの周辺には、複数の電極部が形成され、この電極部と半導体センサ4に形成される電極パッドとは金等の導電材料からなるワイヤ9によって電気的に接続される。また、回路基板5のワイヤ9との接続個所である前記電極パッド及び半導体センサ4上には、半導体センサ4及び回路基板5の電極パッド及びワイヤ9の腐食を防止するためのシリコンゲル等のゲル状部材10が配設される(図2参照)。
【0022】
また、回路基板5は、上ケース2のリード引き出し部2aにグロメット7を介して配設される電気コード11とリードピン付き貫通コンデンサ12を介し電気的に接続するリードピン13が実装されている。
【0023】
シールド板6は、SPTE等の金属材料からなり、ホルダ部6aと、遮蔽部6bとを有し、ホルダ部6aは遮蔽部6bに対して折り曲げ形成されている。シールド板6は遮蔽部6bの周縁を下ケース1と上ケース2との間に狭持状態にて配設される。ホルダ部6aは、遮蔽部6bに対して直交するように折り曲げられるとともに、貫通コンデンサ12を配設するための孔部が形成されるとともに、この孔部に各貫通コンデンサ12が半田を介し配設固定される。(図3参照)
【0024】
グロメット7は、ニトリルゴム等の弾性部材によって構成され、電気コード11を上ケース2のリード引き出し部2aに取り付けるためのものである。グロメット7は、上ケース2のコード引き出し部2aの内壁に設けられる突出部2bに対してグロメット7の上部が圧入されることでに配設固定される。また、グロメット7は、リード引き出し部2aにエポキシ等の充填部材14が充填されることによって、上ケース2との気密性が確保された状態で配設される。
【0025】
熱伝達部材8は、下ケース1(圧力導入部1c)よりも熱伝導率の良好な(高い)金属材料からなり、例えば純銅,真鍮,アルミ等が用いられる。熱伝達部材8は、円筒形状をなすボディ部8aを備え、下ケース1の圧力導入孔1c内にボディ部8aを圧入することで配設固定されされるものであり、一端がベース板3の載置部3bの裏面側に近接するように配設され、他端が圧力導入孔1cから突出するように配設され、この突出した突出部8bには複数の吸熱フィン(フィン)8cが形成されている。熱伝達部材8は、突出部8bより上方の圧力導入孔1c内に配設される外周面に複数設けられ、被測定物の圧力を半導体センサ4に伝達するための圧力伝達溝8dが設けられている。(図4参照)
【0026】
以上の各部によって圧力温度検出装置Aが構成される。かかる圧力温度検出装置Aは、単一の半導体センサ4によって被測定物の圧力及び温度に関する情報を得るものに関し、前記被測定物を導入するため圧力導入孔1cを備えた圧力導入部1aと、半導体センサ4を配設する載置部3bに半導体センサ4に前記被測定物の圧力及び温度を伝達するための孔部3cを設け、載置部3bから延設されたフランジ部3aを圧力導入部1aに配設することで圧力導入孔1cの一端を塞ぐベース板3とを備え、圧力導入部1cには、ベース板3の少なくとも一部分が埋まるように配設するための配設部1dが設けられるものである。
【0027】
即ち、圧力温度検出装置Aは、ベース板3が圧力導入部1cに部分的に埋まるように配設部1dを設けることにより、圧力導入孔1c内における半導体チップ4までの被測定物の伝達経路を短く形成できることから、半導体チップ4に前記被測定物の温度を良好に伝えることができ、精度の良い温度測定を可能とする。
【0028】
また、ベース板3のフランジ部3aを配設するための配設部1dを段差形状にすることで、圧力導入部1aとベース板3との接合強度が良好に得られ、半導体チップ4への圧力伝達を良好に行うことが可能となる。
【0029】
また、圧力温度検出装置Aは、圧力導入部1aの圧力導入孔1c内に前記被測定物の温度を半導体センサ4に伝達する熱伝達部材8を配設するものであり、この熱伝達部材8は、一端がベース板3の裏面に近接するように配設され、他端が圧力導入孔1cから突出するように配設されてなるものである。従って、熱伝達部材8の一端がベース板3に当接しないように配設されることから、熱伝達部材8とベース板3との熱膨張係数の違いにより発生する歪みを半導体チップ4に伝達することを抑制し、被測定物の正確な温度及び圧力を検出することが可能となり、また、熱伝達部材8の他端が圧力導入孔1cから突出する突出部8bを設けることで、被測定物の温度を効率良く吸収することが可能となる。
【0030】
また、熱伝達部材8の圧力導入孔1cから突出する突出部8bに吸熱フィン8cを設けることで、更に効率的に被測定物の温度を吸収し、この吸収した熱を半導体センサ4へ伝達することが可能となるため、正確な温度を検出することができる。
【0031】
熱伝達部材8は、金属材料から構成される圧力導入部1aよりも熱伝導率の高い金属材料からなるものであり、半導体チップ4へ効率的に熱を伝達することが可能となる。
【0032】
尚、前述した実施の形態では、圧力導入部1aにベース板3を埋めるための配設部1dを設けるとともに、圧力導入孔1c内に熱伝達部材8を配設する構成であったが、請求項1及び請求項2に記載の半導体センサ装置にあっては、半導体チップ4に被測定物の熱を良好に伝える構成として熱伝達部材8を備えず、配設部1dのみを備える構成の半導体センサ装置であれば良く、また請求項3から請求項6に記載の本発明にあっては、配設部1dを備えず熱伝達部材8のみを備える半導体センサ装置であれば良い。
【0033】
また、前述した実施の形態では、熱伝達部材8の突出部8bに吸熱フィン8cを備える構成であったが、請求項4に記載の半導体センサ装置にあっては、必ずしも吸熱フィンを設けなくとも良い。
【0034】
【発明の効果】
本発明は、単一の半導体センサによって、被測定物の圧力と温度とを検出する半導体センサ装置に関し、温度検出における構造的な改善を図り、正確な温度を検出することが可能な半導体センサ装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の圧力温度検出装置を示す要部断面図。
【図2】同上実施の形態の圧力温度検出装置の要部拡大断面図。
【図3】同上実施の形態の圧力温度検出装置を示す図。
【図4】同上実施の形態の熱伝達部材の示す図。
【符号の説明】
1 下ケース
1a 圧力導入部
1c 圧力導入孔(導入部)
1d 配設部
3 ベース板
3a フランジ部
3b 載置部
3c 孔部
4 半導体センサ
8 熱伝達部材
8b 突出部
8c 吸熱フィン (フィン)
A 圧力温度検出装置(半導体センサ装置)
Claims (6)
- 半導体基板上にピエゾ抵抗効果を有する感圧素子を形成し、前記感圧素子を用いてブリッジ回路を構成するとともに、薄肉のダイアフラム部を有する単一の半導体センサによって被測定物の圧力及び温度に関する情報を得る半導体センサ装置であって、
前記被測定物を導入するため導入孔を備えた圧力導入部と、前記半導体センサを配設する載置部に前記半導体センサに前記被測定物の圧力及び温度を伝達するための孔部を設け、前記導入孔の一端を塞ぐように前記圧力導入部に配設されるベース板とを備え、
前記圧力導入部には、前記ベース板の少なくとも一部分が埋まるように配設するための配設部が設けられてなることを特徴とする半導体センサ装置。 - 前記配設部は、段差形状からなることを特徴とする請求項1に記載の半導体センサ装置。
- 半導体基板上にピエゾ抵抗効果を有する感圧素子を形成し、前記感圧素子を用いてブリッジ回路を構成するとともに、薄肉のダイアフラム部を有する単一の半導体センサによって被測定物の圧力及び温度に関する情報を得る半導体センサ装置であって、
前記被測定物を導入するため導入孔を備えた圧力導入部と、
前記半導体センサを配設する載置部に前記半導体センサに前記被測定物の圧力及び温度を伝達するための孔部を設け、前記導入孔の一端を塞ぐように前記圧力導入部に配設されるベース板と、
前記導入孔内に配設され、前記被測定物の温度を前記半導体センサに伝達する熱伝達部材と、
を備えてなることを特徴とする半導体センサ装置。 - 前記熱伝達部材は、一端が前記ベース板に近接するように配設され、他端が前記導入孔から突出するように配設されてなることを特徴とする請求項3に記載の半導体センサ装置。
- 前記熱伝達部材は、その一部分が前記導入孔から突出する状態で前記導入孔に配設されるとともに、前記熱伝達部材の突出部分にフィンを設けてなることを特徴とする請求項3もしくは請求項4の何れかに記載の半導体センサ装置。
- 前記熱伝達部材は、金属材料から構成される前記圧力導入部よりも熱伝導率の高い金属材料からなることを特徴とする請求項3から請求項5の何れかに記載の半導体センサ装置。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2003013328A JP2004226193A (ja) | 2003-01-22 | 2003-01-22 | 半導体センサ装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP (1) | JP2004226193A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2011033531A (ja) * | 2009-08-04 | 2011-02-17 | Mitsubishi Electric Corp | 温度センサ一体型圧力センサ装置 |
-
2003
- 2003-01-22 JP JP2003013328A patent/JP2004226193A/ja active Pending
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