JP2004226180A - 位置検出装置及び電動アクチュエータ - Google Patents
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Abstract
【課題】アナログ式フォトインタラプタを用いて、温度変化や検出マークの反射率の低下などによる出力変動があっても、移動体の位置を検知できる位置検出装置を提供する。
【解決手段】モータカップリング外周に設けた山型検出マーク22を反射式フォトインタラプタで検出し、その出力電圧から検出マーク内位置を演算する。検出マーク内位置は、出力電圧値Y、出力電圧最大値MAX、最小値MIN、検出マーク1つ分に相当するスライダ移動量Lとすると、検出マーク22前半部分では、X=L(Y−MIN)/2(MAX−MIN)、検出マーク22後半部分ではL−Xと演算され、次に、現在の検出マーク22に到達する前までの原点からの検出マーク22のパターン繰返数(N)と、先に求めた検出マーク内位置とからスライダの現在位置を演算する。
【選択図】 図6
【解決手段】モータカップリング外周に設けた山型検出マーク22を反射式フォトインタラプタで検出し、その出力電圧から検出マーク内位置を演算する。検出マーク内位置は、出力電圧値Y、出力電圧最大値MAX、最小値MIN、検出マーク1つ分に相当するスライダ移動量Lとすると、検出マーク22前半部分では、X=L(Y−MIN)/2(MAX−MIN)、検出マーク22後半部分ではL−Xと演算され、次に、現在の検出マーク22に到達する前までの原点からの検出マーク22のパターン繰返数(N)と、先に求めた検出マーク内位置とからスライダの現在位置を演算する。
【選択図】 図6
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、反射式フォトインタラプタを用いた移動体の位置検出装置及びその位置検出装置を備えた電動アクチュエータに関する。
【0002】
【従来の技術】
特許文献1には、移動体に平行四辺形や三角形のマークを移動方向に連続して設け、これに対して投光して戻ってくる反射光を反射応答型検出センサから成るラインカメラで検出してその反射光量に基づき、移動体の位置を求めている。
特許文献2には、反射型フォトインタラプタの検知精度をあげるために、検出領域を限定するスリットを投受光素子の前においたものが開示されている。
特許文献3には、モータカップリングに回転ディスクを設け、モータケースに検出部を設けた透過型エンコーダが開示してある。
特許文献4には、モータと送りねじ機構の送りねじとをモータカップリングで接続して、後方にエンコーダを有するモータの回転で送りねじ機構を介してスライダを往復移動する電動アクチュエータが開示されている。
【0003】
【特許文献1】
特開平8−219711号公報
【特許文献2】
実開平5−81780号公報
【特許文献3】
特開平8−331824号公報
【特許文献4】
特許2890313号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1のラインカメラは、多数の反射応答型検出センサが細かなピッチでライン状に配置されたカメラであって高価であり、その出力はON,OFFのデジタル出力である。そのため、安価に移動体の位置検知をする場合には採用できない。特許文献2の反射型フォトインタラプタは検出マークを出力電圧変化として捉えるアナログ出力タイプの反射型フォトインタラプタであり、ラインセンサに比べて安価であるが,このようなアナログ出力タイプのセンサは、周囲の温度に影響されて出力変動しやすい欠点がある。また、検出マークの反射率によっても出力電圧が変動する。
特許文献3に示されるモータエンコーダは、モータカップリングを利用してエンコーダを構成しているため,このモータエンコーダを特許文献4の電動アクチュエータに適用することで、特許文献4のようにモータ後方にエンコーダを設ける場合に比べて軸方向に短くなる電動アクチュエータとなる利点があるが、周知のごとく回転ディスクは細いスリットが多数形成されていて加工に手間がかかる欠点があって高価となる。
この発明は,これら従来の位置検出装置の欠点に鑑み,安価なアナログ式のフィトインタラプタを用いて、しかも、温度変化や検出マークの反射率の変動などによるフォトインタラプタからの出力変動があっても、正しく移動体の位置を検知できる位置検出装置を提供しようとするものである。また、本願は、そのような位置検出装置を用いて全長を短くした電動アクチュエータを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題解決のため、本願位置検出装置では、移動体の移動方向に直交する方向の幅が変化する山型の検出マークを連続して設け、その検出マークを反射式フォトインタラプタで検出して検出マークからの反射光量データに基づき、検出した時点での検出マーク内位置を演算して移動体の移動位置を求める位置検出装置において、反射式フォトインタラプタが検出した反射光量データと反射光量の最低値と最高値とに基づいて、前記反射光量データを検出した時点の検出マーク内位置を演算する手段と、その検出マーク内位置を用いて移動体の移動位置を求める位置演算手段とを備えた。
【0006】
これによれば、フォトインタラプタの出力電圧の最大値、最小値が、温度変化や検出マークの反射率の変化などで変動しても、それらの値に基づいて、検出マークにおいて検出された反射光量が得られた移動方向位置(検出マーク内位置)を演算でき、その結果を用いて移動体の移動位置を演算することができる。
山型の検出マークを、上下の頂部に、反射式フォトインタラプタの検出スリット幅と同じ幅の辺部を有する台形山型の検出マークとした。これによれば、反射式フォトインタラプタの検出スリット幅が比較的広い場合であっても、検出マークの頂部検出時の出力電圧が鋭く変化して光量変化を正確に捉えることができる。
反射式フォトインタラプタの受光素子の受光側に、受光領域を規制するための検出スリットより幅の狭い規制スリットを設けると、外部からの光が外乱として入射することが防止でき、また、検出マークを台形山型としなくても山形の頂部において光量変化を正確に捉えることができる。
【0007】
また、本願電動アクチュエータは、モータ回転で送り手段を介して長手方向にスライダを往復移動させるようにした電動アクチュエータにおいて、モータと送り手段とを接続するモータカップリングの外周に検出マークを形成した金属シールを貼着した位置検出装置を備えていることを特徴とする。
この電動アクチュエータは、モータカップリング部分に検出マークを貼り付け、それと対向する位置に反射型フォトインタラプタを配置するため、モータ後方にエンコーダを設けるときよりも、アクチュエータの長手が短くなり,しかも、細かなスリットを形成した回転ディスクを使わないから、安価となる。
【0008】
【発明の実施の形態】
本願発明の実施の形態について図面に基づいて説明する。往復アクチュエータ(電動アクチュエータ)1は、一端にパルスモータ2が連結されたボールネジ3によってスライダ4がベース部材5に対して往復移動するものであり、パルスモータ2は図示しない駆動制御装置からの駆動パルスに応じて回転駆動される。往復アクチュエータ1のベース部材5は、長手方向に渡ってその内部がスライダ収容空間7に形成されていると共に上方に開口するスリット8が形成されている。
ベース部材5の長手両端は塞ぎ部材9,10が取付けられており、ベース部材5両端を塞いでいる。塞ぎ部材9,10には軸受11を介してスライダ収容空間7を挿通するボールネジ3の両端が軸支されている。このボールネジ(送り手段)3の一端側には、一方の塞ぎ部材10に取付けられたパルスモータ2の出力軸13がモータカップリング(移動体)14を介して連結されている。
【0009】
また、ボールネジ3は、スライダ4を貫通、螺合しており、スライダ4はスライダ収容空間7内をボールネジ3の回動によって軸線方向に往復移動可能となっている。また、スライダ4の下部の幅方向両側には案内子15が設けられており、案内子15がスライダ収容空間7内の幅方向両側に設けられた一対の案内レール16によって案内されている。スライダ4は、その一部がベース部材5のスリット8から外部に突出したヨーク17となっており、ヨーク17にはマウント18が一体に形成されている。マウント18にはスリット8を外側から塞ぐアウタシールバンド19が貫通しており、その長手両端が各塞ぎ部材9,10と止めねじ19aとの間で挟持されている。
【0010】
前記カップリング14の外周面には、金属シール20が全周に亘って貼着され、光に対する反射率の低い材質から成る暗部形成部材21が、前記金属シール20の、光反射率の高い表面に貼り付けられて、暗部形成部材21で被覆されなかった表面部分が、カップリング14の円周方向に連続する複数の山型の検出マーク22を形成している。1つの検出マーク22のカップリング14円周方向長さは、図6に示すように、金属シール20の全長(カップリング14の全周)を8つに等分する長さであり、その長さだけカップリング14が回転すると(カップリング14が1/8回転すると)、ボールネジ3を介してスライダ4が移動量Lだけ移動するようになっている。
【0011】
山型の検出マーク22は、上下の頂部にカップリング14の回転方向に沿った辺部23を備えた台形の山型マークとなっている。その辺23の長さは、検出マーク22を検出する反射式フォトインタラプタ24の投光、受光素子25,26を保持している素子ホルダ27に形成された検出スリット28の横幅Dと一致している。検出マーク22の前記頂部におけるカップリング14の回転方向と直交する方向の長さは、検出スリット28の縦長さWと一致している。上下の頂部(辺部23と辺部23)との間は、直線的に変化する傾斜辺部29でつながれている。辺部23長さを検出スリット28の横幅Dと一致させ、かつ、検出マーク22の前記頂部におけるカップリング14の回転方向と直交する方向の長さを、検出スリット28の縦長さWと一致させたのは、検出マーク22の頂部を図9に示すように尖り先形状Pとして、その尖り先形状とした検出マーク28を比較的幅広(一般的には、0.6mm程度)の検出スリット28を介して反射光を検知すると、図9(a)、(b),(c)のように検出スリット28に頂部が対向して通過する時の反射光量の変化に乏しく,頂部通過時近傍では出力電圧値が図10のP2部分に示すように変化に乏しく,その部分において位置演算するのに適当でないことを回避するためである。本願実施形態では、上下の頂部に対応した位置では、出力電圧が最大、または最小となり、その前後では必ず変化するため、出力電圧は図6(b)に示すように、頂部に対応した部分で尖り先形状に変化することになるのである。
【0012】
反射型フォトインタラプタ24は、前記検出スリット28が設けられた保持ケース27に、投光、受光素子25,26が並べて設けてあり、投光素子25からの光が前記検知マーク22で反射して受光素子26に受光されて、その受光光量に比例する電圧Yを制御装置30に出力するようになっている。
制御装置30は、演算装置を内蔵して図7に示すフローチャートに従う演算プログラムを実行するようになっており、反射型フォトインタラプタ24からの受光光量に基づいて、その受光光量を得た時点での1つの検出マーク22内における回転位置を特定して、移動の原点からの移動量(位置)を演算し、表示装置31に表示するものである。
【0013】
次にこの装置における動作を説明する。まず、アクチュエータ1を動作させる前に、アクチュエータ1の機械原点(例えば、往復移動方向の一端)にスライダ4が位置している状態において、カップリング14の回転位置もしくはフォトインタラプタ24の取り付け位置を調節して、フォトインタラプタ24の検出スリット28が検知マーク22の下側頂点部分と完全に一致する位相としておく。こうすることで、機械原点においてのフォトインタラプタ24からの出力電圧は、検出スリット28が反射率の低い暗部形成部材21と完全に対向しているので反射光量が最も少なく、出力電圧MINとなる。そして、アクチュエータ1を駆動する(ステップS1:アクチュエータ駆動指令)。すると、ボールネジ機構によりスライダ4が原点から他端に向けて移動し、この移動に伴い、カップリング14の回転で山型検出マーク22が検出スリット28の前を横切り、反射してくる光量が徐々に変化し、その変化が出力電圧の変化となって現われる。原点位置からだと、出力電圧は最小電圧MINから徐々に増加し、最大電圧MAXとなった後徐々に減少する、というパターンを繰り返す。次にステップS2〜S5で、出力電圧から検出マーク内位置を演算する。ステップS2〜S5は、検出マーク22内位置の演算手段である。出力電圧が電圧値Yである時点では、1つの検出マーク22内の前半部分(MAX到達以前)における基点(MIN値出力時点)からの移動量は、比例配分によりステップS2に示される、
X=L(Y−MIN)/2(MAX−MIN)
の式で計算される。Lは、検出マーク22の1つ分に相当するスライダ4移動量である。そして、検出光量が増加中であるかどうか判別し(ステップS3:検出マーク内位置判別手段)、光量が増加中(検出マーク22内の前半部分)であるときには検出マーク内位置はXそのものとなり(ステップS4)、検出光量が減少中(1つの検出マーク22内でのMAXを通過した後)であれば、ステップS5で、検出マーク内位置はL−Xと演算される。
【0014】
そして、ステップS6では、現在の検出マーク22に到達する前までの、原点からの検出マーク22のパターン繰返数(N)(制御装置30内で逐次カウントされている)と、ステップS4、S5で求めた検出マーク22内位置とから、
現在位置=N*L+検出マーク内位置
を演算し、ステップS7で表示装置に表示する。
【0015】
検出マーク22が新しい時期には、図6(b)の実線Aで示される出力電圧を示していた場合であっても、経年変化により金属シール20の反射面(検出シール22)の反射率が低下すると、例えば、図6(b)の破線Bで示すように出力電圧のMAX値が低下してくる。しかし、上記ステップS2において、出力されてくる出力電圧のMAX値とMIN値を用いて、出力電圧Yのときの検出マーク内位置X’(あるいはL−X’)が演算されてくるので、反射率が低下した時でも検出マーク内位置が正しく演算されてくる。さらに、フォトインタラプタ24の周囲温度の変化により、出力電圧のMIN値、MAX値の両方が変化した場合(図6(b)の点線C)であっても、ステップS2の式に従って変化した出力電圧の最大値、最小値を基にして検出マーク内位置を演算するため、位置演算が正確に行なわれる。
【0016】
この実施形態では、フォトインタラプタ24の比較的広い検出スリット28の横幅Dに一致させて山型検出マーク22の頂点部分の辺部23の長さを設定したので、検出スリット28が上下の頂点23部分と対向したときには、出力電圧は最大値MAXまたは最小値MINとなり、その対向位置から少しでも外れると、出力電圧が変化して図6(b)のような鋭く変化する頂点を持つ電圧出力となるが、このような鋭く変化する出力電圧とするための他の実施形態としては、フォトインタラプタ24の検出スリット28の前側(受光素子29の受光側)に、その検出スリット28よりさらに細い幅の別の規制スリット35(図5に二点鎖線で示す)を設けて、検出領域を一層細くしてやってもよい。規制スリット35の幅は、検出マーク22の頂部を尖り先としても、その検出マーク22の頂部検出時の出力電圧が、図6(b)のように鋭く変化するような幅であり、この場合には、検出マーク22の頂部には、上記した実施形態のような辺部23は必要ない。(図8)。
【0017】
【発明の効果】
以上のように本願では、フォトインタラプタの出力電圧の最大値、最小値が、温度変化や検出マークの反射率の低下などで変動しても、それらの値に基づいて、検出マークにおいて検出された反射光量が得られた移動方向位置(検出マーク内位置)を演算でき、その結果を用いて移動体の移動位置を演算することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】電動アクチュエータの縦断面図である。
【図2】図1のII−II線断面図である。
【図3】カップリング部分の斜視図である。
【図4】カップリング部分の側面図である。
【図5】図4の正面図である。
【図6】検出マークと出力電圧を説明する図である。
【図7】制御装置での処理を表すフローチャートである。
【図8】検出マークと規制スリットを説明する図である。
【図9】頂点が尖り先形状の検出マークと検出スリットの関係を示す図である。
【図10】図9の状態での出力電圧を説明する図である。
【符号の説明】
1 往復アクチュエータ
2 パルスモータ
3 ボールネジ(送り手段)
4 スライダ
14 モータカップリング(移動体)
20 金属シール
22 検出マーク
24 反射式フォトインタラプタ
28 検出スリット
35 規制スリット
【発明の属する技術分野】
この発明は、反射式フォトインタラプタを用いた移動体の位置検出装置及びその位置検出装置を備えた電動アクチュエータに関する。
【0002】
【従来の技術】
特許文献1には、移動体に平行四辺形や三角形のマークを移動方向に連続して設け、これに対して投光して戻ってくる反射光を反射応答型検出センサから成るラインカメラで検出してその反射光量に基づき、移動体の位置を求めている。
特許文献2には、反射型フォトインタラプタの検知精度をあげるために、検出領域を限定するスリットを投受光素子の前においたものが開示されている。
特許文献3には、モータカップリングに回転ディスクを設け、モータケースに検出部を設けた透過型エンコーダが開示してある。
特許文献4には、モータと送りねじ機構の送りねじとをモータカップリングで接続して、後方にエンコーダを有するモータの回転で送りねじ機構を介してスライダを往復移動する電動アクチュエータが開示されている。
【0003】
【特許文献1】
特開平8−219711号公報
【特許文献2】
実開平5−81780号公報
【特許文献3】
特開平8−331824号公報
【特許文献4】
特許2890313号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1のラインカメラは、多数の反射応答型検出センサが細かなピッチでライン状に配置されたカメラであって高価であり、その出力はON,OFFのデジタル出力である。そのため、安価に移動体の位置検知をする場合には採用できない。特許文献2の反射型フォトインタラプタは検出マークを出力電圧変化として捉えるアナログ出力タイプの反射型フォトインタラプタであり、ラインセンサに比べて安価であるが,このようなアナログ出力タイプのセンサは、周囲の温度に影響されて出力変動しやすい欠点がある。また、検出マークの反射率によっても出力電圧が変動する。
特許文献3に示されるモータエンコーダは、モータカップリングを利用してエンコーダを構成しているため,このモータエンコーダを特許文献4の電動アクチュエータに適用することで、特許文献4のようにモータ後方にエンコーダを設ける場合に比べて軸方向に短くなる電動アクチュエータとなる利点があるが、周知のごとく回転ディスクは細いスリットが多数形成されていて加工に手間がかかる欠点があって高価となる。
この発明は,これら従来の位置検出装置の欠点に鑑み,安価なアナログ式のフィトインタラプタを用いて、しかも、温度変化や検出マークの反射率の変動などによるフォトインタラプタからの出力変動があっても、正しく移動体の位置を検知できる位置検出装置を提供しようとするものである。また、本願は、そのような位置検出装置を用いて全長を短くした電動アクチュエータを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題解決のため、本願位置検出装置では、移動体の移動方向に直交する方向の幅が変化する山型の検出マークを連続して設け、その検出マークを反射式フォトインタラプタで検出して検出マークからの反射光量データに基づき、検出した時点での検出マーク内位置を演算して移動体の移動位置を求める位置検出装置において、反射式フォトインタラプタが検出した反射光量データと反射光量の最低値と最高値とに基づいて、前記反射光量データを検出した時点の検出マーク内位置を演算する手段と、その検出マーク内位置を用いて移動体の移動位置を求める位置演算手段とを備えた。
【0006】
これによれば、フォトインタラプタの出力電圧の最大値、最小値が、温度変化や検出マークの反射率の変化などで変動しても、それらの値に基づいて、検出マークにおいて検出された反射光量が得られた移動方向位置(検出マーク内位置)を演算でき、その結果を用いて移動体の移動位置を演算することができる。
山型の検出マークを、上下の頂部に、反射式フォトインタラプタの検出スリット幅と同じ幅の辺部を有する台形山型の検出マークとした。これによれば、反射式フォトインタラプタの検出スリット幅が比較的広い場合であっても、検出マークの頂部検出時の出力電圧が鋭く変化して光量変化を正確に捉えることができる。
反射式フォトインタラプタの受光素子の受光側に、受光領域を規制するための検出スリットより幅の狭い規制スリットを設けると、外部からの光が外乱として入射することが防止でき、また、検出マークを台形山型としなくても山形の頂部において光量変化を正確に捉えることができる。
【0007】
また、本願電動アクチュエータは、モータ回転で送り手段を介して長手方向にスライダを往復移動させるようにした電動アクチュエータにおいて、モータと送り手段とを接続するモータカップリングの外周に検出マークを形成した金属シールを貼着した位置検出装置を備えていることを特徴とする。
この電動アクチュエータは、モータカップリング部分に検出マークを貼り付け、それと対向する位置に反射型フォトインタラプタを配置するため、モータ後方にエンコーダを設けるときよりも、アクチュエータの長手が短くなり,しかも、細かなスリットを形成した回転ディスクを使わないから、安価となる。
【0008】
【発明の実施の形態】
本願発明の実施の形態について図面に基づいて説明する。往復アクチュエータ(電動アクチュエータ)1は、一端にパルスモータ2が連結されたボールネジ3によってスライダ4がベース部材5に対して往復移動するものであり、パルスモータ2は図示しない駆動制御装置からの駆動パルスに応じて回転駆動される。往復アクチュエータ1のベース部材5は、長手方向に渡ってその内部がスライダ収容空間7に形成されていると共に上方に開口するスリット8が形成されている。
ベース部材5の長手両端は塞ぎ部材9,10が取付けられており、ベース部材5両端を塞いでいる。塞ぎ部材9,10には軸受11を介してスライダ収容空間7を挿通するボールネジ3の両端が軸支されている。このボールネジ(送り手段)3の一端側には、一方の塞ぎ部材10に取付けられたパルスモータ2の出力軸13がモータカップリング(移動体)14を介して連結されている。
【0009】
また、ボールネジ3は、スライダ4を貫通、螺合しており、スライダ4はスライダ収容空間7内をボールネジ3の回動によって軸線方向に往復移動可能となっている。また、スライダ4の下部の幅方向両側には案内子15が設けられており、案内子15がスライダ収容空間7内の幅方向両側に設けられた一対の案内レール16によって案内されている。スライダ4は、その一部がベース部材5のスリット8から外部に突出したヨーク17となっており、ヨーク17にはマウント18が一体に形成されている。マウント18にはスリット8を外側から塞ぐアウタシールバンド19が貫通しており、その長手両端が各塞ぎ部材9,10と止めねじ19aとの間で挟持されている。
【0010】
前記カップリング14の外周面には、金属シール20が全周に亘って貼着され、光に対する反射率の低い材質から成る暗部形成部材21が、前記金属シール20の、光反射率の高い表面に貼り付けられて、暗部形成部材21で被覆されなかった表面部分が、カップリング14の円周方向に連続する複数の山型の検出マーク22を形成している。1つの検出マーク22のカップリング14円周方向長さは、図6に示すように、金属シール20の全長(カップリング14の全周)を8つに等分する長さであり、その長さだけカップリング14が回転すると(カップリング14が1/8回転すると)、ボールネジ3を介してスライダ4が移動量Lだけ移動するようになっている。
【0011】
山型の検出マーク22は、上下の頂部にカップリング14の回転方向に沿った辺部23を備えた台形の山型マークとなっている。その辺23の長さは、検出マーク22を検出する反射式フォトインタラプタ24の投光、受光素子25,26を保持している素子ホルダ27に形成された検出スリット28の横幅Dと一致している。検出マーク22の前記頂部におけるカップリング14の回転方向と直交する方向の長さは、検出スリット28の縦長さWと一致している。上下の頂部(辺部23と辺部23)との間は、直線的に変化する傾斜辺部29でつながれている。辺部23長さを検出スリット28の横幅Dと一致させ、かつ、検出マーク22の前記頂部におけるカップリング14の回転方向と直交する方向の長さを、検出スリット28の縦長さWと一致させたのは、検出マーク22の頂部を図9に示すように尖り先形状Pとして、その尖り先形状とした検出マーク28を比較的幅広(一般的には、0.6mm程度)の検出スリット28を介して反射光を検知すると、図9(a)、(b),(c)のように検出スリット28に頂部が対向して通過する時の反射光量の変化に乏しく,頂部通過時近傍では出力電圧値が図10のP2部分に示すように変化に乏しく,その部分において位置演算するのに適当でないことを回避するためである。本願実施形態では、上下の頂部に対応した位置では、出力電圧が最大、または最小となり、その前後では必ず変化するため、出力電圧は図6(b)に示すように、頂部に対応した部分で尖り先形状に変化することになるのである。
【0012】
反射型フォトインタラプタ24は、前記検出スリット28が設けられた保持ケース27に、投光、受光素子25,26が並べて設けてあり、投光素子25からの光が前記検知マーク22で反射して受光素子26に受光されて、その受光光量に比例する電圧Yを制御装置30に出力するようになっている。
制御装置30は、演算装置を内蔵して図7に示すフローチャートに従う演算プログラムを実行するようになっており、反射型フォトインタラプタ24からの受光光量に基づいて、その受光光量を得た時点での1つの検出マーク22内における回転位置を特定して、移動の原点からの移動量(位置)を演算し、表示装置31に表示するものである。
【0013】
次にこの装置における動作を説明する。まず、アクチュエータ1を動作させる前に、アクチュエータ1の機械原点(例えば、往復移動方向の一端)にスライダ4が位置している状態において、カップリング14の回転位置もしくはフォトインタラプタ24の取り付け位置を調節して、フォトインタラプタ24の検出スリット28が検知マーク22の下側頂点部分と完全に一致する位相としておく。こうすることで、機械原点においてのフォトインタラプタ24からの出力電圧は、検出スリット28が反射率の低い暗部形成部材21と完全に対向しているので反射光量が最も少なく、出力電圧MINとなる。そして、アクチュエータ1を駆動する(ステップS1:アクチュエータ駆動指令)。すると、ボールネジ機構によりスライダ4が原点から他端に向けて移動し、この移動に伴い、カップリング14の回転で山型検出マーク22が検出スリット28の前を横切り、反射してくる光量が徐々に変化し、その変化が出力電圧の変化となって現われる。原点位置からだと、出力電圧は最小電圧MINから徐々に増加し、最大電圧MAXとなった後徐々に減少する、というパターンを繰り返す。次にステップS2〜S5で、出力電圧から検出マーク内位置を演算する。ステップS2〜S5は、検出マーク22内位置の演算手段である。出力電圧が電圧値Yである時点では、1つの検出マーク22内の前半部分(MAX到達以前)における基点(MIN値出力時点)からの移動量は、比例配分によりステップS2に示される、
X=L(Y−MIN)/2(MAX−MIN)
の式で計算される。Lは、検出マーク22の1つ分に相当するスライダ4移動量である。そして、検出光量が増加中であるかどうか判別し(ステップS3:検出マーク内位置判別手段)、光量が増加中(検出マーク22内の前半部分)であるときには検出マーク内位置はXそのものとなり(ステップS4)、検出光量が減少中(1つの検出マーク22内でのMAXを通過した後)であれば、ステップS5で、検出マーク内位置はL−Xと演算される。
【0014】
そして、ステップS6では、現在の検出マーク22に到達する前までの、原点からの検出マーク22のパターン繰返数(N)(制御装置30内で逐次カウントされている)と、ステップS4、S5で求めた検出マーク22内位置とから、
現在位置=N*L+検出マーク内位置
を演算し、ステップS7で表示装置に表示する。
【0015】
検出マーク22が新しい時期には、図6(b)の実線Aで示される出力電圧を示していた場合であっても、経年変化により金属シール20の反射面(検出シール22)の反射率が低下すると、例えば、図6(b)の破線Bで示すように出力電圧のMAX値が低下してくる。しかし、上記ステップS2において、出力されてくる出力電圧のMAX値とMIN値を用いて、出力電圧Yのときの検出マーク内位置X’(あるいはL−X’)が演算されてくるので、反射率が低下した時でも検出マーク内位置が正しく演算されてくる。さらに、フォトインタラプタ24の周囲温度の変化により、出力電圧のMIN値、MAX値の両方が変化した場合(図6(b)の点線C)であっても、ステップS2の式に従って変化した出力電圧の最大値、最小値を基にして検出マーク内位置を演算するため、位置演算が正確に行なわれる。
【0016】
この実施形態では、フォトインタラプタ24の比較的広い検出スリット28の横幅Dに一致させて山型検出マーク22の頂点部分の辺部23の長さを設定したので、検出スリット28が上下の頂点23部分と対向したときには、出力電圧は最大値MAXまたは最小値MINとなり、その対向位置から少しでも外れると、出力電圧が変化して図6(b)のような鋭く変化する頂点を持つ電圧出力となるが、このような鋭く変化する出力電圧とするための他の実施形態としては、フォトインタラプタ24の検出スリット28の前側(受光素子29の受光側)に、その検出スリット28よりさらに細い幅の別の規制スリット35(図5に二点鎖線で示す)を設けて、検出領域を一層細くしてやってもよい。規制スリット35の幅は、検出マーク22の頂部を尖り先としても、その検出マーク22の頂部検出時の出力電圧が、図6(b)のように鋭く変化するような幅であり、この場合には、検出マーク22の頂部には、上記した実施形態のような辺部23は必要ない。(図8)。
【0017】
【発明の効果】
以上のように本願では、フォトインタラプタの出力電圧の最大値、最小値が、温度変化や検出マークの反射率の低下などで変動しても、それらの値に基づいて、検出マークにおいて検出された反射光量が得られた移動方向位置(検出マーク内位置)を演算でき、その結果を用いて移動体の移動位置を演算することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】電動アクチュエータの縦断面図である。
【図2】図1のII−II線断面図である。
【図3】カップリング部分の斜視図である。
【図4】カップリング部分の側面図である。
【図5】図4の正面図である。
【図6】検出マークと出力電圧を説明する図である。
【図7】制御装置での処理を表すフローチャートである。
【図8】検出マークと規制スリットを説明する図である。
【図9】頂点が尖り先形状の検出マークと検出スリットの関係を示す図である。
【図10】図9の状態での出力電圧を説明する図である。
【符号の説明】
1 往復アクチュエータ
2 パルスモータ
3 ボールネジ(送り手段)
4 スライダ
14 モータカップリング(移動体)
20 金属シール
22 検出マーク
24 反射式フォトインタラプタ
28 検出スリット
35 規制スリット
Claims (4)
- 移動体の移動方向に直交する方向の幅が変化する山型の検出マークを連続して設け、その検出マークを反射式フォトインタラプタで検出して検出マークからの反射光量データに基づき、検出した時点での検出マーク内位置を演算して移動体の移動位置を求める位置検出装置において、反射式フォトインタラプタが検出した反射光量データと反射光量の最低値と最高値とに基づいて、前記反射光量データを検出した時点の検出マーク内位置を演算する手段と、その検出マーク内位置を用いて移動体の移動位置を求める位置演算手段とを備えた位置検出装置。
- 山型の検出マークを、上下の頂部に、反射式フォトインタラプタの検出スリット幅と同じ幅の辺部を有する台形山型の検出マークとしたことを特徴とする請求項1記載の位置検出装置。
- 反射式フォトインタラプタの受光素子の受光側に、受光領域を規制するための規制スリットを設けたことを特徴とする請求項1記載の位置検出装置。
- モータ回転で送り手段を介して長手方向にスライダを往復移動させるようにした電動アクチュエータにおいて、移動体はモータと送り手段とを接続するモータカップリングであり、その外周に検出マークを形成した金属シールを貼着した請求項1〜3項の何れかに記載の位置検出装置を備えたことを特徴とする電動アクチュエータ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003012942A JP2004226180A (ja) | 2003-01-22 | 2003-01-22 | 位置検出装置及び電動アクチュエータ |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2004226180A true JP2004226180A (ja) | 2004-08-12 |
Family
ID=32901394
Family Applications (1)
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JP2003012942A Pending JP2004226180A (ja) | 2003-01-22 | 2003-01-22 | 位置検出装置及び電動アクチュエータ |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2004226180A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009264914A (ja) * | 2008-04-24 | 2009-11-12 | Panasonic Electric Works Co Ltd | 平坦面用の欠陥検出方法 |
JP2010127658A (ja) * | 2008-11-25 | 2010-06-10 | Samsung Techwin Co Ltd | エンコーダ |
JP2012093302A (ja) * | 2010-10-28 | 2012-05-17 | New Japan Radio Co Ltd | 反射型フォトセンサを用いた位置検出装置 |
JP2015021840A (ja) * | 2013-07-19 | 2015-02-02 | キヤノン株式会社 | 回転検出装置、モータ制御装置、モータ被駆動装置、回転検出装置の補正方法および補正プログラム |
-
2003
- 2003-01-22 JP JP2003012942A patent/JP2004226180A/ja active Pending
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