JP2004226091A - 回転検出センサ装置及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】リードフレーム9上に搭載されたICチップ8をモールド樹脂10により被覆したモールドIC6と、ICチップ8に内蔵される磁気抵抗素子にバイアス磁界を与える磁石7とからなる検出部4と、固定部12を有するターミナル5とを接続した。そして、ケース1の中空部3内にターミナル5の接続された検出部4を挿入し、位置決めしつつ固定部12によりケース1に固定した。
検出部4及びターミナル5を被覆・保護するケース1の肉厚が薄肉であるので、ボイドの発生を低減でき、ケース1の耐久性を向上できる。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は回転検出センサ装置及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、磁気抵抗素子の抵抗値の変化から、被検体の回転数及び回転方向を検出する回転検出センサ装置として、特許文献1に示されるものがある。
【0003】
この回転検出センサ装置は、図4に示すように、センシング部としての磁気抵抗素子を有する検出部4と、外部端子との接続部としてのコネクタ部13とから構成される。
【0004】
検出部4は、リードフレーム9上にセンシング部としての磁気抵抗素子を有するICチップ8を搭載し、リードフレーム9の一部とICチップ8とを第一のモールド樹脂10により一次モールドしたモールドIC6に、外部品である、例えば磁気抵抗素子にバイアス磁界を与える磁石7を装着・固定してなるものである。
【0005】
また、コネクタ部13は、回転検出センサ装置20の一端に設けられ、開口部2へ突出する外部出力端子としてのターミナル5を有している。このターミナル5は、モールドIC6のリードフレーム9と接続されている。
【0006】
【特許文献1】特開平13−116815号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
このとき、回転検出センサ装置20において、検出部4とターミナル5の一部の周囲は、第二のモールド樹脂21により二次モールドされている。この二次モールドは、成形型のキャビティ内に、検出部4及びターミナル5をセットし、第二のモールド樹脂21をキャビティ内に射出することにより形成される。従って、検出部4及びターミナル5から回転検出センサ装置20の表面までの範囲に渡って、第二のモールド樹脂21が二次モールドされている。
【0008】
このような回転検出センサ装置20は、例えば車両のエンジンのクランク角検出に用いられ、図4に示すように、エンジンブロック22の取り付け穴に固定される。従って、回転検出センサ装置20は、エンジンブロックの取り付け穴の穴径(例えば18〜20φ)に応じた第二のモールド樹脂21の肉厚を必要とし、当該第二のモールド樹脂21の肉厚は厚い状態となるので、第二のモールド樹脂21の射出・固化時に樹脂内部に第二のモールド樹脂21が充填されていないボイド23を生じやすくなる。
【0009】
このように、樹脂内部にボイド23が生じると、使用環境下や冷熱サイクル試験による温度変化等により、ボイド23を起点に第二のモールド樹脂21表面までクラック24が発生し、第二のモールド樹脂の耐久性が低下する。
【0010】
本発明は上記問題点に鑑み、ボイドの発生を低減し、ケースの耐久性を向上させた回転検出センサ装置及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する為に、請求項1に記載の回転検出センサ装置は、リードフレーム上にICチップが搭載され、リードフレームの一部とICチップとをモールド樹脂により被覆したモールドICと、ICチップに内蔵される磁気抵抗素子にバイアス磁界を与える磁石とを備える検出部と、当該検出部のリードフレームと接続するターミナルと、ターミナルに接続された固定部と、一端が開口し、当該開口部から他端までの範囲に渡って形成された中空部を有するケースとを備えており、磁気抵抗素子の抵抗値変化から被検体の回転数或いは回転方向を検出するものである。このとき、ケースの中空部に、検出部が位置決め配置されるとともに、固定部がケースに固定されることを特徴とする。
【0012】
従来の回転検出センサ装置において、検出部及びターミナルは、その周囲を第二のモールド樹脂により二次モールドされていた。そして、回転検出センサ装置を取り付ける部材の形状の制約がある場合、回転検出センサ装置の固定のために、その形状に対応した第二のモールド樹脂の肉厚を必要とし、その肉厚は厚いものとなっていた。従って、第二のモールド樹脂の固化時に、樹脂内部にボイドを発生しやすく、繰り返しの温度変化等によりボイドを起点として第2のモールド樹脂表面までクラックが生じるという耐久性の点で問題があった。
【0013】
しかしながら、本発明の回転検出センサ装置においては、第二のモールド樹脂の代わりに、検出部及びターミナルを配置させるための中空部を有するケースを用いた。従って、中空部を有することで、従来の第二のモールド樹脂よりも薄肉とできるので、ケースにおけるボイドの発生を低減でき、ケースの耐久性を向上できる。
【0014】
また、検出部は、ターミナルに接続された固定部をケースへ固定することにより、中空部内の所定の位置に位置決め配置された状態でケースへ固定されることとなるので、被検体の回転数等を精度良く検出することができる。
【0015】
このとき、固定部は、請求項2に記載のように、検出部が配置された中空部を封止することが好ましい。
【0016】
固定部が中空部を封止することにより、ケース内への水やオイル等の浸入が防止でき、検出部に対して絶縁性を確保することができる。
【0017】
また、固定部は、請求項3に記載のように、中空部内に配置され、中空部の内壁に当接した状態で固定されても良い。或いは、請求項4に記載のように、開口部側のケースの端部に係合され、開口部を密閉することにより検出部が配置された中空部を封止するシール部材と、ターミナルと電気的に接続されるリードとを有しても良い。
【0018】
いずれの場合においても、固定部をケースに固定することにより、検出部もケースに対して所定位置に固定されることとなるので、被検体の回転数等を精度良く検出することができる。尚、請求項4の形態を有すると、固定部は外部端子への接続機能も有するので、部品点数を削減することができる。
【0019】
請求項5に記載のように、ケース及び固定部は、同一の樹脂からなることが好ましい。同一の樹脂からなると、線膨張係数が同じであり、熱等の印加によりケース及び固定部間に生じる歪を抑制できるので、固定部からターミナルを経て検出部へ伝達される歪を低減できる。すなわち、被検体の回転数等を精度良く検出することができる。
【0020】
次に、回転検出センサ装置の製造方法は、請求項6に記載のように、リードフレーム上に磁気抵抗素子を有するICチップを搭載し、リードフレームの一部とICチップとをモールド樹脂によりモールドするモールドIC形成工程と、磁気抵抗素子にバイアス磁界を与える磁石をモールドICに装着し検出部を形成する検出部形成工程と、ターミナルの所定の位置に固定部を形成する固定部形成工程と、リードフレームの接続部に固定部の形成されたターミナルを接続する接続工程と、一端が開口し、当該開口部から他端までの範囲にわたって中空部を有するケースを形成するケース形成工程と、ケースの中空部に、検出部を先頭に挿入するとともに、検出部を位置決めしつつ固定部を前記ケースに固定することにより、検出部をケースの所望の位置に固定する固定工程とを備えることを特徴とする。
【0021】
このように、本発明の回転検出センサ装置は、予め形成されたケースの中空部に、別途形成したターミナルの接続された検出部を挿入し、ターミナルに形成された固定部をケースに固定することにより形成される。従って、ワンタッチで回転検出センサ装置を形成することができるので、従来の第二のモールド樹脂による射出成形よりも製造が容易である。
【0022】
ここで、請求項7に記載のように、中空部断面の中心線が略一直線であることが好ましい。中心線が略一直線であると、検出部をケースの開口部から配置されるべき所定の位置まで、容易に挿入することができる。
【0023】
また、ケースへの固定部の固定は、請求項8に記載のように、圧入、接着、嵌合、溶着の内少なくとも1つにより行われることが好ましい。いずれによっても、固定部がケースに固定され、それに伴って検出部もケースに対して所定の位置に固定されることとなる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本実施の形態における回転検出センサ装置の一例を示す概略断面図である。尚、本センサ装置は、例えば、エンジン回転センサ、クランク角センサ、カム角センサ、車速センサ、車輪速センサ等、回転を行う被検体の回転数及び回転方向の検出が可能である。
【0025】
本実施の形態における回転検出センサ装置は、バイアス磁界の与えられた磁気抵抗素子を有するICチップを有し、バイアス磁界の変化による磁気抵抗素子の抵抗値変化から、被検体の回転数及び回転方向を検出するものである。
【0026】
図1に示すように、ケース1は、例えばポリフェニレンサルファイド(PPS)等の樹脂材料より形成され、一端が開口し、当該開口部2から他端に渡って形成される中空部3を有している。そして、中空部3内には、検出部4とターミナル5が配置されている。
【0027】
検出部4は、モールドIC6と磁石7から構成され、中空部3の非開口部2側(ケース1の一端)に配置されている。このとき、検出部4の外形は、ケース1の開口部2から中空部3の非開口部側まで検出部4を挿入可能なように、中空部3断面の直径よりも若干小さめに形成されている。また、検出部4は、例えば中空部3の内壁に形成された図示されないガイド等により、中空部3に沿う方向に垂直な方向の位置ずれが無いように固定されている。
【0028】
モールドIC6は、図示されない磁気抵抗素子を含むICチップ8を、Cu等のリードフレーム9に搭載し、ICチップ8及びリードフレーム9の一部をPPS等のモールド樹脂10により被覆してなるものである。尚、磁気抵抗素子は、Ni−CoやNi−Fe等の材料を用い、パターニングにより、互いに直交するハの字型に形成されている。磁気抵抗素子の配置、及び、磁気抵抗素子による回転体の回転数及び回転方向の検出原理については、特開平13−153683号公報等により開示されているので、ここではその説明を省略する。
【0029】
磁石7は、例えばプラスチックマグネットを用いて形成され、ICチップ8の磁気抵抗素子にバイアス磁界を与えるものである。そして、その中心に貫通孔11を有する略円筒形状を有しており、当該貫通孔11内にモールドIC6を所定の位置まで挿入し、かしめ等により固定させることで、モールドIC6に装着される。このとき、貫通孔11は、モールドIC6の外形に対応した形状を有しており、モールドIC6よりも若干大きめに形成されている。尚、モールドIC6も当該貫通孔11を素通りしないように、モールド樹脂10の一部(図1においてモールドIC6の開口部2側)が隆起した形状を有している。
【0030】
そして、検出部4のモールド樹脂10に被覆されていないリードフレーム9の接続部に、ターミナル5が溶接やかしめ等により接続されている。
【0031】
ここで、ターミナル5は、所定に位置に例えばPPSやシリコンゴム等からなる固定部12を備えている。図1において、この固定部12は、中空部3内壁の所定に位置に、例えば溶着により固定され、中空部3を検出部4の配置される中空部3aと開口部2側とに分断している。そして、固定部12の中空部3の内壁への固定により、検出部4及びターミナル5もケース1に対して所定の位置に固定されている。
【0032】
また、固定部12は、好ましくはケース1と同じ樹脂材料から形成される。これにより、熱等の応力が印加された際、ケース1と固定部12との間に生じる歪を抑制できるので、ターミナル5を介して検出部4へ伝達される歪が低減され、被検体の回転数等を精度良く検出することができる。
【0033】
また、固定部12は、開口部2に対する面とケース1との間でコネクタ部13を形成しており、当該コネクタ部13において、ターミナル5が、固定部12から開口部2側に突出している。
【0034】
そして、ケース1のコネクタ部13には、図2に示すように、メスコネクタ部14が係合される。
【0035】
メスコネクタ部14は、ケース1の開口部2端部に係合されるメスコネクタケース15と、当該メスコネクタケース15から延伸し、ターミナル5の一端に勘合されるメスターミナル16と、メスターミナル16を介してターミナル5と電気的に接続されるリード17と、例えばメスコネクタケース15から延伸し、ケース1の中空部3の内壁に固定されるシール部材18とにより構成される。
【0036】
メスコネクタケース15は、コネクタ部13に係合し、ケース1の開口部2端部に固定される。このとき、コネクタ部13への係合とともに、メスターミナル16にターミナル5の一端が挿入されることにより、ターミナル5が外部出力端子としてのリード17と電気的に接続される。従って、当該リード17を介して外部に出力が可能となっている。
【0037】
また、コネクタ部13への係合とともに、パッキン等のシール部材18が例えばケース1の開口部2から中空部3内に挿入され、中空部3内壁に固定されるので、中空部3内は気密に封止されることとなる。従って、メスコネクタ部14をコネクタ部13に係合することにより、ケース1の開口部2が密閉され、回転検出センサ装置20の中空部3に沿う方向の絶縁性(水やオイル等に対する防水性)が確保される。
【0038】
このように、本実施の形態における回転検出センサ装置20は、検出部4及びターミナル5(一部)の被覆・保護に、中空部3を有するケース1を用いている。
【0039】
従来、回転検出センサ装置20は、モールドIC6と当該モールドIC6に装着される磁石7とからなる検出部4と、当該検出部4に接続されるターミナル5とを、成形型のキャビティ内にセットし、第二のモールド樹脂21を射出することにより形成される。すなわち、図4に示すように、検出部4及びターミナル5の周囲は、第二のモールド樹脂21により二次モールドされている。
【0040】
そして、この回転検出センサ装置20が、例えばクランク角センサとして用いられる場合、図4に示すように、エンジンブロック22に設けられた穴内に固定される。従って、第二のモールド樹脂21は、エンジンブロック22の穴径に対応した肉厚を必要とし、その樹脂肉厚が厚いものとなっていた。
【0041】
従って、第二のモールド樹脂21の固化時に、第二のモールド樹脂21が表面から固化し体積収縮することによって、樹脂内部に大きなボイド23が発生し、当該ボイド23を有した状態で回転検出センサ装置20を使用することにより、ボイド23を起点としてクラック24が樹脂表面まで生じるという耐久性に関する問題があり、成形条件を細かに設定する必要があった。すなわちクラック24が生じると、水及びオイル等が検出部4及びターミナル5まで浸入するので、検出部4及びターミナル5の絶縁性が確保されないという問題があった。
【0042】
しかしながら、本実施の形態における回転検出センサ装置20は、従来の第二のモールド樹脂21を用いた場合よりも、ケース1の肉厚が薄いため、ボイドの発生を低減でき、ケース1の耐久性を向上できる。尚、ケース1の肉厚が薄いので、ボイドだけでなく樹脂表面のヒケの発生も低減することができる。
【0043】
次に、この回転検出センサ装置20の製造方法について、図3(a)〜(d)に示す工程別断面図を用いて説明する。
【0044】
先ず、ターミナル5に固定部12を形成する固定部形成工程が行われる。
【0045】
図3(a)に示されるように、例えばCu等の金属板を所定の形状に打ち抜くことにより、タイバー30により連結されたターミナル5を形成する。(図3(a)においては4本)。尚、図3(a)で示すようにターミナル5の3本の足部は、各々、出力端子、電源端子、GND端子である。
【0046】
次いで、複数の連結されたターミナル5の一部を、図示しない成形型のキャビティ内にセットし、キャビティ内へ樹脂を射出することにより、ターミナル5の所定位置に所定形状を有する固定部12を形成することにより接続する。尚、固定部12は、ターミナル5の一部分にのみ接続されるので、ターミナル5の大部分がキャビティ外に配置される。従って、成形型におけるターミナル5の位置決めが容易である。
【0047】
このようにしてターミナル5に固定部12が接続されるとともに、検出部4の形成も実施される。
【0048】
検出部4は、モールドIC6を形成し、当該モールドIC6に磁石7を装着することにより形成される。
【0049】
先ず、図示されないがモールドIC6を形成する。リードフレーム9の所定の位置にICチップ8を搭載し、図示されないワイヤをワイヤボンドすることによりICチップ8とリードフレーム9とを電気的に接続する。このとき、ICチップ8は、例えばリードフレーム9において、ターミナル5が接続される一端の他端側に搭載される。そして、図示されない成形型のキャビティ内にICチップ8を搭載したリードフレーム9を固定し、モールド樹脂10を射出することによりモールドIC6を形成する。このとき、モールド樹脂10は、ICチップ8の全体と、リードフレーム9の一部(少なくともターミナル5との接続部は被覆されないようにする)を被覆している。
【0050】
モールドIC6形成後、略円筒形状を有する磁石7の貫通孔11内に、ICチップ8の搭載側からモールドIC6を挿入し、モールドIC6が磁石7に対して所定位置の状態で、接着剤による接着やかしめ等により、両者を固定する。以上により検出部4が形成される。尚、検出部4の形成は、ターミナル5への固定部12の接続完了後に行われても良いが、製造工程を簡素化するために、固定部12の形成完了までに検出部4が形成されることが好ましい。
【0051】
そして、図3(c)に示すように、検出部4のリードフレーム9とターミナル5とを、例えば溶接により機械的かつ電気的に接続する接続工程が実施される。これにより、ICチップ8がリードフレーム9を介してターミナル5と電気的に接続される。
【0052】
接続工程の完了後、複数のターミナル5を連結していたタイバー30を切断し、ターミナル5に接続された検出部4を個々に分離する。
【0053】
ここで、図示されないがタイバー30の切断が完了するまでに、検出部4及びターミナル5を被覆・保護するケース1の形成を行う。
【0054】
ケース1の形成は、モールドIC6及び固定部12の形成同様、中空部3をに対応した所定形状のキャビティを有する成形型を用い、キャビティ内に好ましくは固定部12と同じ樹脂を射出することにより行われる。尚、ケース1の形成は、タイバー30の切断完了後に引き続いて行われても良いが、製造工程の簡素化のために、タイバー30の切断が完了するまでに実施されることが好ましい。
【0055】
そして、形成されたケース1の中空部3内に、検出部4側を先頭にして、ターミナル5の接続された検出部4が挿入される。このとき、モールドIC6は、その先端がケース1の非開口端側の内壁に接触するまで押し込まれ、ケース1の内壁に設けられた図示されないガイド等に接することで位置決めがなされる。すると、ターミナル5に接続された固定部12が中空部3の所定の位置に配置されることとなる。
【0056】
この検出部4が位置決めされた状態で、固定部12が接するケース1の周囲を例えば局部的に加熱する事により、固定部12をケース1に溶着固定し、それに伴って検出部4及びターミナル5をケース1の所定の位置に固定する。また、固定部12のケース1への固定により、ケース1及び固定部12の開口部2側からなり、固定部12から開口部2側へ突出したターミナル5を有するコネクタ部13も形成される。
【0057】
以上の製造工程を経て、図3(d)に示される回転検出センサ装置20が形成される。
【0058】
このように、本実施の形態における回転検出センサ装置20は、予め形成されたケース1の中空部3内に、検出部4及びターミナル5の一部を挿入し、ターミナル5に接続された固定部12をケース1の中空部3内壁に固定することにより、形成される。従って、ワンタッチで回転検出センサ装置20を形成することができるので、従来の第二のモールド樹脂による射出成形よりも製造が容易であり、順送工程に適している。
【0059】
尚、本実施の形態において、ケース1への固定部12の固定は加熱による溶着の例を示した。しかしながら、それ以外にも、接着剤による接着により固定部12をケース1に固定しても良い。
【0060】
また、ケース1の中空部3断面と略同等の大きさを有する固定部12を中空部3内に圧入することにより、中空部3の所定の位置でケース1に対して固定部12を固定することもできる。しかしながら、中空部3の断面の直径を、検出部4が非開口部端まで到達可能な範囲で、開口部2から徐々に或いは所定の位置から小さくし、開口部2断面の直径と略同等か若干小さめの直径を有する固定部12を中空部3内に挿入することにより、中空部3の所定位置に設けられた狭小部で固定部12を固定することが好ましい。これによると、固定部12を、長い範囲に渡って余分な圧力を加えずとも、ケース1の所定の位置に固定部12を固定することができる。
【0061】
また、弾性変形可能な凸状の固定部12を形成したターミナル5をケース1の中空部3に挿入し、例えばケース2の所定の位置に設けられた凹部に凸状の固定部12が嵌合することにより、固定部12をケース1に固定しても良い。また、固定部12が弾性変形可能であり、ケース1に設けられた凸部に弾性変形しつつ固定されても良い。要するに、ケース1と固定部12が、お互いに嵌合状態を形成できる構造を有していれば良い。
【0062】
尚、溶着、接着、圧入、嵌合の各手法を組み合わせて固定部12をケース1に固定してもよいことは言うまでもない。
【0063】
また、本実施の形態において、固定部12は中空部3内に配置され、中空部3の内壁に固定される例を示した。しかしながら、上述の溶着あるいは接着であれば、検出部4を配置する中空部3aを気密に封止することもできる。これにより、固定部12によっても、ケース1の中空部3内への水やオイル等の浸入を防止でき、検出部4等に対する絶縁性を確保することができる。
【0064】
また、本実施の形態において、固定部12は中空部3内に配置される例を示した。しかしながら、ケース1の開口部2側の端部に係合し、開口部2を密閉するように設けられても良い。すなわち、固定部12が図2で示したメスコネクタ部14の役割を併せ持っても良い。この場合、固定部12は、ケース1の開口部2端部に固定されるシール部材18と、コネクタ部13のターミナル5に接続されるメスターミナル16と、ターミナル5に電気的に接続されるリード17とを有し、上述した製造工程において、予めターミナル5の一端に接続される。これにより、ケース1に検出部4を挿入するとともに、ケース1の開口部2端部に固定部12を係合し、溶着等により固定することにより、検出部4をケース1に対して所定の位置に位置決め固定することができるとともに、シール部材18が中空部3に挿入されつつ中空部3の内壁に固定されるので、中空部3内を気密に封止することができる。
【0065】
また、ケース1の中空部3内に挿入された検出部4及びターミナル5に対して、後から固定部12をターミナル5の一端に接続するとともに、ケース1の開口部2端部に固定部12を固定しても良い。しかしながら、この場合は、中空部3内に挿入されているターミナル5の一端に、固定部12のメスターミナル16を嵌合させる手間が生じるので、固定部12とメスコネクタ部14は別個に設け、固定部12にて固定されたターミナル5の一端に、メスコネクタ部14のメスターミナル16を嵌合させることが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における回転検出センサ装置の概略断面構成を示す図である。
【図2】図1にメスコネクタ部を係合させた例を示す図である。
【図3】回転検出センサ装置の製造工程を示す工程別概略断面図である。
【図4】従来の回転検出センサ装置の問題点を説明する補足図である。
【符号の説明】
1・・・ケース、
3・・・中空部、
4・・・検出部、
5・・・ターミナル、
12・・・固定部、
20・・・回転検出センサ装置
Claims (8)
- リードフレーム上にICチップが搭載され、前記リードフレームの一部と前記ICチップとをモールド樹脂により被覆したモールドICと、前記ICチップに内蔵される磁気抵抗素子にバイアス磁界を与える磁石とを備える検出部と、
当該検出部の前記リードフレームと接続するターミナルと、
前記ターミナルに接続された固定部と、
一端が開口し、当該開口部から他端までの範囲に渡って形成された中空部を有するケースとを備え、
前記磁気抵抗素子の抵抗値変化から被検体の回転数或いは回転方向を検出する回転検出センサ装置において、
前記ケースの中空部に、前記検出部が位置決め配置されるとともに、前記固定部が前記ケースに固定されることを特徴とする回転検出センサ装置。 - 前記固定部は、前記検出部が配置された前記中空部を封止することを特徴とする請求項1に記載の回転検出センサ装置。
- 前記固定部は、前記中空部内に配置され、前記中空部の内壁に当接した状態で固定されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の回転検出センサ装置。
- 前記固定部は、開口部側の前記ケースの端部に係合されるものであり、前記開口部を密閉することにより前記検出部が配置された前記中空部を封止するシール部材と、前記ターミナルと電気的に接続されるリードとを有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の回転検出センサ装置。
- 前記固定部は、前記ケースと同一の樹脂からなることを特徴とする請求項1〜4いずれか1項に記載の回転検出センサ装置。
- リードフレーム上に磁気抵抗素子を有するICチップを搭載し、前記リードフレームの一部と前記ICチップとをモールド樹脂によりモールドするモールドIC形成工程と、
前記磁気抵抗素子にバイアス磁界を与える磁石を前記モールドICに装着した検出部を形成する検出部形成工程と、
ターミナルの所定の位置に固定部を接続する固定部接続工程と、
前記リードフレームの接続部に前記固定部を有するターミナルを接続する接続工程と、
一端が開口し、当該開口部から他端までの範囲にわたって中空部を有するケースを形成するケース形成工程と、
前記ケースの中空部に、前記検出部を先頭として挿入するとともに、前記検出部を位置決めしつつ前記固定部を前記ケースに固定することにより、前記検出部を前記ケースの所望の位置に固定する固定工程とを備えることを特徴とする回転検出センサ装置の製造方法。 - 前記中空部は、中空部断面の中心線が、略一直線であることを特徴とする請求項6に記載の回転検出センサ装置の製造方法。
- 前記ケースへの前記固定部の固定は、圧入、接着、嵌合、溶着の少なくとも1つにより行われることを特徴とする請求項6又は請求項7に記載の回転検出センサ装置の製造方法。
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JP2003010823A JP3733951B2 (ja) | 2003-01-20 | 2003-01-20 | 回転検出センサ装置及びその製造方法 |
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