JP2004225779A - 金属板の接合法とこれに用いられる磁着具 - Google Patents

金属板の接合法とこれに用いられる磁着具 Download PDF

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孝雄 本橋
Tadao Koyakata
忠夫 古舘
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Abstract

【課題】金属板の継ぎ代部を接合する接着剤が硬化するまでの間、継ぎ代部に比較的簡単な手段によって面圧をかけ、作業工程と作業時間の短縮化を図る。
【解決手段】金属板の突合わせ接合用の継ぎ代部と金属製の当て板との間の重合部もしくは重ね合わせ接合用の両継ぎ代部同士の重合部に接着剤を充填し、突合わせ接合用の継ぎ代部と当て板もしくは重ね合わせ接合用の継ぎ代部同士を、継ぎ代部の全長にわたって磁力によって吸着させることにより、上記加圧状態を得る。
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属板を、接着剤を用いて突合わせ接合もしくは重ね合わせ接合するための接合法とこれに用いられる器具に関するものである。
【0002】
【従来技術】
金属板の端部を突合わせ接合あるいは重ね合わせ接合するには、一般に、溶接やリベット打ちなどの手法が採られる。しかし、溶接の場合、金属板に熱歪みを生じさせる。リベット打ちの場合も、瞬間的な点圧によって孔周りに同様な歪みを生じさせる。
【0003】
このため、例えば傷や窪みなどの損傷を生じた車ボディの一部を補修する場合、損傷部位だけを所要面積にわたって切り取って補修用パーツ材を上記手法によって接合するのでは、車ボディ表面のように高度な表面均整化の要求には応えることができない。したがって、こうした場合、損傷部位を含む車体パーツをそっくりそのまま取り替えるようにしている。
【0004】
しかし、車体パーツをそっくりそのまま取り替えるのでは、車ボディの他のパーツ、例えばガラスやバンパなどの取外しと取付け作業を行わなければならないばかりでなく、コストも嵩みがちである。
【0005】
こうしたことから、出願人は、先に、損傷部位を含む所定範囲を部分的に切除し、事前に用意した取り換え部材を接着剤と押圧力とを介して比較的容易にかつ表面の均整化を損なうことなく接合する、金属板の接合法を提案した(特許文献1参照)。
【0006】
この技術は、接合すべき両金属板の継ぎ代部を接着剤によって接着し、この接着剤をネジによる加圧状態下で硬化させるとともに表面均整化を行う、接合法である。
突合わせ接合の例を、図8を参照しつつ説明する。先ず、金属板A,Aの接合側の縁部表面に面取りなどして充填部B,Bを形成する。各充填部Bを所要の間隔を存しまたは存しないで金属板A,Aを接合位置に配設する。裏面に当て板Cを接着剤Dで固定する一方、充填部近傍に沿って当て板Cに貫通するタッピングネジEの装着孔Fを形成する。そして、この装着孔内にタッピングネジEを頭部が装着孔内に止まるようしてねじ込み、充填部間に形成された凹状部Gと装着孔に充填剤を充填して、ネジEによる加圧状態下で接着剤Dを硬化させた後、表面を均整化する、ものである。
【0007】
また、段重ね接合の場合には、一方の金属板の継ぎ代部が段折り形成され、他方の金属板の継ぎ代部を重ね合わせ、当て板を用いることなく、上記したと同様な手法によって金属板を接合するようにしている。
【0008】
【特許文献1】
特許第3187782号公報(特許請求の範囲、[0029][0030]図1、図5)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記した出願人の先の技術は、タッピングネジEを約50mmピッチで取り付けなければ、継ぎ代部の接着剤Dに対して良好な加圧状態を得にくい。このため、装着孔Fの穿設作業とネジEの締付け作業並びに装着孔Fへの充填剤の充填など、下準備及び一連の施工に時間がかかる。
【0010】
本発明の目的は、金属板の継ぎ代部を接着剤によって接合する際に、接着剤が硬化するまでの間、継ぎ代部に面圧力を比較的簡単な手段によって付与し、作業工程と作業時間の短縮化を図ることができる、金属板の接合法を提供することにある。
【0011】
【課題を達成するための手段】
本発明は、上記した目的を達成するために、次の構成を備える。
すなわち、本接合法は、互いに接合すべき2枚の金属板の端部に、突き合わせ接合用の継ぎ代部もしくは重ね合わせ接合用の継ぎ代部を設け、突合わせ接合用の両継ぎ代部とこの両継ぎ代部背面に当てがわれた金属製の当て板との間の重合部もしくは重ね合わせ接合用の両継ぎ代部同士の重合部に接着剤を充填し、この重合部に押圧力を作用させ、加圧状態で接着剤を硬化させて複数の金属板を接合する金属板の接合法である。
そして、請求項1に係る接合法では、接着剤を充填した後に、突合わせ接合用の継ぎ代部と当て板または重ね合わせ接合用の継ぎ代部同士を、継ぎ代部の全長にわたって磁力によって吸着させることにより、上記加圧状態を得る、ようにしてある。
【0012】
請求項2に係る接合法では、請求項1の手段に次の手段が加えられている。
すなわち、突合わせ接合用の継ぎ代部と当て板との重合部または重ね合わせ接合用の両継ぎ代部の重合部の長さ方向端部もしくは長さ方向端部と中間部に、タッピングネジ装着孔を形成する。タッピングネジ装着孔にタッピングネジをその頭部が没入するように螺入して磁力による磁着力とネジの螺着力によって前記面圧力を作用させる。そして、タッピングネジ装着孔に充填剤を充填した後、表面を均整化する。
【0013】
また、請求項3に係る接合法では、請求項1の手段に次の手段が加えられている。
すなわち、接着剤が硬化する前に磁力による吸着位置をずらしながら両継ぎ代部の接合位置を調整し、適正位置で、継ぎ代部の表面側から継ぎ代部の長手方向に沿って所要位置に片面スポット溶着を行ない、磁力による磁着力とスポット溶着とによって前記面圧力を作用させる。
【0014】
金属板の種類は、磁着力の作用する金属であれば、別段制限されるものではない。
当て板を用いる突合わせ接合にあっては、接合部分が曲面を成す場合、当て板を所要長さに切断し、この切断した当て板によって曲面に対応させるようにすることができる。特に車両の上下方向は、プレスラインやカーブなどがあるため、通常は、こうした当て板を用いる突合わせ接合が適している。比較的に平らな面が多い車両前後方向では、空気圧によるハンディタイプの折曲げ加工機を使用できることから、段差を有する継ぎ代部を形成して行う重ね合わせ接合が適している。ただし、曲面やカーブであっても、結局のところ線の連続であるから、15mm以下、好ましくは12〜8mm幅の折曲げ工具を用いることで、重ね合わせ接合を行うことは可能である。
【0015】
本発明では、突合わせ接合の場合、継ぎ代部の端部表面に充填剤の受け部を形成すると良い。受け部は、継ぎ代部の表面端縁を面取り加工するなどして形成される。そして、互いに接合される金属板を、両継ぎ代部の受け部が所定の間隔を置く接合位置もしくは置くことのない位置に接合位置に配設し、両継ぎ代部と当て板との重合部に接着剤を、上記受け部間に形成される凹所に充填剤をそれぞれ充填した後、磁力によって対応部材を磁着させて、加圧状態を得る。
【0016】
重ね合わせ接合の場合には、段折りされていない一方の継ぎ代部の端部表面に充填剤の受け部を形成すると良い。そして、互いに接合される金属板を、一方の継ぎ代部の受け部と他方の継ぎ代部の段差とが所定の間隔を置く接合位置もしくは置くことのない接合位置に配設し、両継ぎ代部の重合部に接着剤を、上記受け部間に形成される凹所に充填剤をそれぞれ充填した後、磁力によって対応部材を磁着させて、加圧状態を得る。
【0017】
本発明に係る接合法では、継ぎ代部に必ずしも充填剤を充填するための受け部を設ける必要はない。土木建築用の金属製資材の補修や修復にあっては、上部を設けることなく、両継ぎ代部の端部間に設けた凹所などに充填剤を注入して表面仕上げを行うだけでも良い。受け部は、本接合法が適用される分野によって必要に応じて設けられる。
【0018】
磁力による磁着力は、永久磁石あるいは電磁石を用いると良い。
永久磁石を用いる場合には、例えば次のような構成のものを採用することができる。
重ね合わせ接合用の磁着具は、磁性材によって底壁と両側壁とを有する断面略コ字状もしくは函状に形成されたハウジング内に永久磁石を固定して成る。ハウジングは、接合用の継ぎ代部に当接される側壁上端面もしくは周壁上端面が永久磁石上面の一方の磁極面よりも僅かに突出する。これにより、ハウジングがヨークとして作用する。
【0019】
突合わせ接合用の磁着具は、磁性材によって底壁と両側壁とを有する断面略コ字状もしくは函状に形成されたハウジング内に永久磁石を固定して成る第1の磁着体と第2の磁着体を備える。第1の磁着体と第2の磁着体は、ともに前記継ぎ代部に当接されるハウジングの側壁上端面もしくは周壁上端面が永久磁石上面の一方の磁極面よりも僅かに突出している。そしれ、これらの第1と第2の磁着体が、所要の間隙を置いて把持用連結杆によって連結されている。
【0020】
【実施の最良の形態】
以下、本発明を図示した実施例に基づいて詳説する。
図1と図2は、本発明の一実施例に係る段重ね接合法を適用した金属板接合箇所の概略斜視図と断面図である。
図中符号1は、一方の金属板1の継ぎ代部で、表面がわの端縁に沿って充填剤の受け部3が設けられている。この受け部3は、端縁を面取りすることによって形成されている。また、一方の金属板2の継ぎ代部1には、長さ方向両端部と略中間部にタッピングネジ5の装着孔4が穿設されている。
【0021】
他方の金属板12の継ぎ代部11は、裏面がわに向けて段折りされ、段差13から先端に向けて延びる面が一方の上記継ぎ代部1との重ね合わせ面14となる。段差13は、他方の継ぎ代部11の重ね合わせ面14に接着剤21を介して接合された一方の継ぎ代部1の表面と他方の継ぎ代部11の表面とがほぼ面一になるように、一方の継ぎ代部1の厚みと接着剤層の厚みを考慮して、設定される。
【0022】
この接合法では、一方の金属板2の継ぎ代部1を、他方の金属板12の継ぎ代部11の重ね合わせ面14に当接し、両者の重合部を接着剤21によって接着する。両継ぎ代部1,11の重合幅は、接合強度を考慮して適宜設定する。図示した実施例では、一方の継ぎ代部1の受け部13と他方の継ぎ代部11の段差13との間に間隙がおかれ、凹所22を形成している。
【0023】
接着剤21が硬化する前に、重合部の前面に位置する金属板2の継ぎ代部表面に磁着具31を磁着させる。
磁着具31は、図3に示すように、磁性材によって底壁32aと両側壁32b,32cとを有する断面略コ字状に折曲形成されたハウジング32と、このハウジング内に固定された永久磁石33とから成る。ハウジング32は、一方の金属板2の継ぎ代部表面に当接される両側壁上端部32b’,32c’が内部に固定された永久磁石33の上面がわの磁極表面よりも僅かに上方に突出する高さを有する。永久磁石33は、磁束密度の高い例えば希土類ネオジウム磁石が望ましく、ハウジング底壁部32aに向けて一方の磁極を、両側壁部間の開口に向けて他方の磁極を有する。
また、ハウジング32の底壁裏面には、磁着具を手に持って操作するためのハンドル34が固定されている。
【0024】
磁着具31は、ハウジング32がヨークの作用を果たし、両側壁上端部32b’,32c’に強い磁界が発生する。したがって、継ぎ代部1の表面に磁着すると、透過した磁力線によって背面がわの他方の金属板12の継ぎ代部11を強力に吸着し、接着剤層21を間に挟んで両継ぎ代部1,11を密着固定させる。
磁着具31は、両継ぎ代部1,11の重合部に沿って複数個配設される。これにより、継ぎ代部全長にわたって磁力線が所定の幅で作用し、面圧力としての加圧状態が得られる。したがって、接着剤21は、こうした面圧力を受けた状態で硬化されるので、両継ぎ代部1,11の密着度が増す。
【0025】
また、磁着具31は、直接接触している継ぎ代部1への磁着力が強いので、背面の金属板12が固定されている場合など、背面の継ぎ代部11の重ね合わせ面14に沿って前面の金属板2を若干ずらすことができ、両継ぎ代部1,11の微妙な位置調整をこれによって行うことができる。
【0026】
磁着具31を固定し、接着剤14がやや硬化した後に、継ぎ代部1の長さ方向端部と中間部に設けた装着孔4にタッピングネジ5を頭部が没入する位置までねじ込み、両継ぎ代部1,11をネジ止め固定する。両継ぎ代部1,11は、このネジ5の螺着力と磁着具31の吸着力によって互いに引き寄せられて密着状態を保つ。装着孔4は、内部に充填剤23が充填されてタッピングネジ5の固定を図ることから、開口部がすり鉢状に形成されたものが望ましい。
タッピングネジ以外に、所要の位置にスポット溶接を行うようにしても良い。スポット溶接をするときは、磁着された磁着具31のハンドル34を手前に引きながら行えば、表面がわからの片面スポット溶接を、溶着不良を生じさせることなく確実に行うことができる。
【0027】
次いで、前記した凹所22と装着孔22に充填剤23を充填する。
充填剤23や接着剤21には、前記した先の出願に係る発明と同様のものが用いられる。接着剤には、エポキシ樹脂を主体とする主剤と硬化剤とからなるものが、また充填剤には、同様にエポキシ樹脂系の接着性を有するものが使用される。エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールSのほか、ノボラック樹脂及びそれらのハロゲン化合物などが該当する。エポキシ樹脂には、充填剤、可塑剤、希釈剤、消泡剤、濃化剤などを所定量配合した複合物を使用するようにしても良い。主剤に対する硬化剤には、主剤と反応して3次元網状構造を形成可能な公知の硬化剤が用いられる。なお、これらのエポキシ樹脂は、いずれも接着性のものであるが、接着剤と充填剤は、その種類を使い分けて使用することもできる。
【0028】
充填剤23や接着剤21が硬化したら、全ての磁着具31を継ぎ代部1から取り外す。磁着具31は、継ぎ代部表面をスライドさせながら、側壁部上端の角部を浮かすようにすると、比較的容易に取外すことができる。
最後に、固化された凹所内の充填剤表面を均整化するように仕上げ処理を行う。両継ぎ代部1,11の重合部は、接着剤21及び充填剤23の接着力とタッピングネジ5の螺着力によって密着し、強固に一体化される。この結果、接着剤は、部分的な加圧状態が維持され、より剥離しにくくなる。
【0029】
図4と図5は、本発明の一実施例に係る突合わせ接合法を適用した金属板接合箇所の概略斜視図と断面図である。
一方の金属板42の継ぎ代部41と他方の金属板52の継ぎ代部51は、その表面縁部にテーパ状の受け部43,53が長さ方向に沿って形成されている。両継ぎ代部41,51は、受け部同士が所要の間隔を保つ位置に配設され、背面に当て板61が当てがわれる。当て板61は、接合されるべき両金属板42,52とほぼ同じ厚みを持ち、間隔を置いた継ぎ代部41,51の背面を覆い尽くすに十分な表面積を有する。
【0030】
この実施例の接合法では、当て板61と両継ぎ代部41,51との重合部に接着剤71を充填する一方、両継ぎ代部41,51の受け部間の間隙(凹所)72に充填剤73を充填し、接着剤71と充填剤73を硬化させることで、両継ぎ代部41,51を、当て板61と接着剤71及び充填剤73によって一体化させるようにしてある。
【0031】
手順としては、接着剤を充填するまでは上記した実施例とほぼ同様である。異なる点は、継ぎ代部41,51と当て板61との重合部に接着剤71を充填した後、両継ぎ代部41,51の表面凹所72を跨がるようにして磁力が作用するようにしてあることである。用いられる磁着具81は、一部断面で示す図6に見られるように、左右一対の磁着体85,85を所要の間隔が保持されるようにしてハンドルで連結して成る。この間隔は、両継ぎ代部41,51の受け部間に形成される凹所53の幅とほぼ等しいかこれよりもやや長めに設定されている。
【0032】
各磁着体85は、ハウジング82が函形状を成している。ハウジング内には永久磁石83が固定されている。ハウジング周壁の先端は、収納された永久磁石83の開口がわの磁極面よりもやや上位に位置している。
【0033】
この磁着具81は、一方の磁着体85を一方の継ぎ代部41の表面に磁着させ、他方の磁着体85を他方の継ぎ代部51の表面に磁着させて使用される。
各磁着体85は、最も磁力線の強いハウジング周壁先端が各継ぎ代部表面に当接される。このため、各磁着体85は、上記した先の実施例と同じように強い磁力線の作用によって、各継ぎ代部41と背面がわに位置する当て板61とを密着させて強固に一体化させる加圧状態を作り出す。
【0034】
磁着具81は、継ぎ代部41,51の長手方向に沿って複数個が固定される。
突合わせ接合の場合に、各継ぎ代部41,51にそれぞれ別個に上記実施例と同様な磁着具31を配設するようにしても良い。
接着剤71の硬化を待ってあるいは待つことなくタッピングネジ45,55を装着孔44,54に螺入して、各継ぎ代部41と当て板61との一体化を図る。装着孔44,54は、必要最小限の範囲(継ぎ代部の長手方向両端と中間部など)で形成される。
各受け部間に形成される凹所53と装着孔44,54に充填剤を充填した後、表面の均整化処理を行う。
【0035】
突合わせ接合における継ぎ代部と当て板もしくは重ね合わせ接合における継ぎ代部同士を吸着させる磁力の作用は、永久磁石を利用することなく、電磁石によるものであっても良い。
電磁石によれば、コイルへの通電のON・OFF操作によって磁力が作用する状態とそうでない状態を楽に切り替えることができる。したがって、接着剤の硬化後の磁着具の取外しを比較的容易に行える利点がある。
【0036】
図示しないが、磁力による加圧状態をもたらす磁着具としては、この他、気密性に富んだハウジングの適所、例えば半球状をしたハウジングの周縁部にフランジ部を形成するとともにフランジ部内に永久磁石を埋込み、ハウジング内の空気を脱気してハウジング内を負圧状態にし、磁力の磁着力と負圧の吸引力によって加圧状態を得られるようにしたものも考えられる。
この磁着具によれば、本発明に係る接合法を実施する際、より一層確実で強力な加圧状態を作り出すことができる。
【0037】
このようにして、例えば図7に見られるように車ボディの側面前方部に生じた修復不能な損傷Kに対し、本発明に係る接合法を適用すると、損傷部を含む比較的小面積の部分を取り替えるだけで済む。なお、図中符号Jは磁着具を示す。
【0038】
【発明の効果】
本発明によれば、次の効果を奏する。
2つの金属板の継ぎ代部を接着剤によって突合わせ接合もしくは重ね合わせ接合する際の加圧状態を、磁力による吸着力を利用して行うので、継ぎ代部に多数の装着孔を穿設する必要がなくなり、またこれに伴って装着孔への充填剤の充填も必要最小限に抑えられるので、作業工程の削減と作業時間の短縮を図ることができる。
例えば、車ボディに生じた損傷部を所要範囲にわたって取り換え部品と交換する場合、約1.5時間程度で行うことができる。
【0039】
また、出願人の先の接合法のように,タッピングネジを多数使用することがないから、長期的に見れば、作業に要するコストの低減にも貢献できる。
更に、接着剤が硬化する前であれば、磁力の作用する前面の金属板を背面の金属板に対して適切な接合位置に比較的簡単に位置合わせ調整できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る重ね合わせ接合法を適用した金属板接合箇所の概略斜視図。
【図2】図1の横断面図。
【図3】図1の接合法に用いられる磁着具の斜視図。
【図4】本発明の一実施例に係る突合わせ接合法を適用した金属板接合個所の概略斜視図。
【図5】図2の縦断面図
【図6】図4の接合法に用いられる磁着具の斜視図。
【図7】車ボディーへの使用状態を示す説明図。
【図8】従来の接合法を示す継ぎ代部の斜視図。
【符号の説明】
1,11,41,51 継ぎ代部
2,12,42,52 金属板
3,43,53 充填剤の受け部
4,44,54 装着孔
5,45,55 タッピングネジ
13 段差
14 重ね合わせ面
21,71 接着剤
22,72 凹所
23,73 充填剤
31,81 磁着具
32,82 ハウジング
33,83 永久磁石
34,84 ハンドル
61 当て板

Claims (9)

  1. 互いに接合すべき2枚の金属板の端部に、突き合わせ接合用の継ぎ代部もしくは重ね合わせ接合用の継ぎ代部を設け、突合わせ接合用の両継ぎ代部とこの両継ぎ代部背面に当てがわれた金属製の当て板との間の重合部もしくは重ね合わせ接合用の両継ぎ代部同士の重合部に接着剤を充填し、この重合部に押圧力を作用させ、加圧状態で接着剤を硬化させて複数の金属板を接合する金属板の接合法であって、
    接着剤を充填した後に、突合わせ接合用の継ぎ代部と当て板または重ね合わせ接合用の継ぎ代部同士を、継ぎ代部の全長にわたって磁力によって吸着させることにより、上記加圧状態を得る、
    ことを特徴とする金属板の接合法。
  2. 請求項1記載の金属板の接合法において、
    突合わせ接合用の両継ぎ代部と当て板との重合部または重ね合わせ接合用の両継ぎ代部の重合部の長さ方向端部もしくは長さ方向端部と中間部に、タッピングネジ装着孔を形成し、
    タッピングネジ装着孔にタッピングネジをその頭部が没入するように螺入して磁力による磁着力とネジの螺着力によって前記面圧力を作用させ、
    タッピングネジ装着孔に充填剤を充填した後、表面を均整化する、
    ことを特徴とする金属板の接合法。
  3. 請求項1記載の金属板の接合法において、
    前記接着剤が硬化する前に磁力による吸着位置をずらしながら両継ぎ代部の接合位置を調整し、継ぎ代部の表面側から所要位置に片面スポット溶着を行ない、磁力による磁着力とスポット溶着とによって前記面圧力を作用させる、
    ことを特徴とする金属板の接合法。
  4. 前記突合わせ接合用の継ぎ代部は、端部表面に充填剤の受け部が形成されており、
    互いに接合される金属板を、両継ぎ代部の受け部が所定の間隔を置く接合位置もしくは置くことのない位置に接合位置に配設し、
    両継ぎ代部と当て板との重合部に接着剤を、上記受け部間に形成される凹所に充填剤をそれぞれ充填した後、
    磁力によって対応部材を磁着させて、加圧状態を得る、
    請求項1記載の金属板の接合法。
  5. 前記重ね合わせ接合用の継ぎ代部は、段折りされていない一方の継ぎ代部の端部表面に充填剤の受け部が形成されており、
    互いに接合される金属板を、一方の継ぎ代部の受け部と他方の継ぎ代部の段差とが所定の間隔を置く接合位置もしくは置くことのない接合位置に配設し、
    両継ぎ代部の重合部に接着剤を、上記受け部間に形成される凹所に充填剤をそれぞれ充填した後、
    磁力によって対応部材を磁着させて、加圧状態を得る、
    請求項1記載の金属板の接合法。
  6. 突合わせ接合用の継ぎ代部と当て板または重ね合わせ接合用の継ぎ代部同士が、永久磁石の磁力によって吸着される、
    請求項1もしくは2記載の金属板の接合法。
  7. 突合わせ接合用の継ぎ代部と当て板または重ね合わせ接合用の継ぎ代部同士が、電磁石の磁力によって吸着される、
    請求項1もしくは2記載の金属板の接合法。
  8. 請求項1から3のいずれかに記載の金属板の接合法に用いられる磁着具であって、
    磁性材によって底壁と両側壁とを有する断面略コ字状もしくは函状に形成されたハウジング内に永久磁石を固定して成り、
    ハウジングは、前記継ぎ代部に当接される側壁上端面もしくは周壁上端面が永久磁石上面の一方の磁極面よりも僅かに突出している、
    金属板接合法に用いられる磁着具。
  9. 請求項1から3のいずれかに記載の金属板の接合法に用いられる磁着具であって、
    磁性材によって底壁と両側壁とを有する断面略コ字状もしくは函状に形成されたハウジング内に永久磁石を固定して成る第1の磁着体と第2の磁着体を備え、
    第1の磁着体と第2の磁着体は、ともに前記継ぎ代部に当接されるハウジングの側壁上端面もしくは周壁上端面が永久磁石上面の一方の磁極面よりも僅かに突出しており、
    これらの磁着体が、所要の間隙を置いて把持用連結杆によって連結されている、
    ことを特徴とする金属板接合法に用いられる磁着具。
JP2003013313A 2003-01-22 2003-01-22 金属板の接合法とこれに用いられる磁着具 Pending JP2004225779A (ja)

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