JP2004225356A - 機械式駐車装置のパレット排水装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡単な構造でパレット上に溜まる水を排出することができる機械駐車装置のパレット排水装置を提供する。
【解決手段】車路20を有する車両搭載用のパレット2を旋回するパレット旋回手段を備えた機械式駐車装置のパレット排水装置であって、車路20の底部20a上面の長手方向の両端部に立設された、車路20上に水を溜めるための堰部22と、該堰部22の水が溜まる側の壁面から車路20の下面まで貫通する排水通路とを備えてなる。
【選択図】 図3
【解決手段】車路20を有する車両搭載用のパレット2を旋回するパレット旋回手段を備えた機械式駐車装置のパレット排水装置であって、車路20の底部20a上面の長手方向の両端部に立設された、車路20上に水を溜めるための堰部22と、該堰部22の水が溜まる側の壁面から車路20の下面まで貫通する排水通路とを備えてなる。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、機械式駐車装置において車両搭載用パレットの上面に溜まる水を排水する機械式駐車装置のパレット排水装置に関する。
【0002】
【従来技術および発明が解決しようとする課題】
一般に、冬期において積雪の多い地方に設置されている立体駐車設備では、車両がその足回りに雪を付着したまま車両搭載用パレットに乗り入れることがある。ところが、従来の車両搭載用パレットではその両端部が開放されているために融雪水が車両搭載用パレットの両端部からこぼれ落ちて下方の車両などを汚すという問題があった。そこで、従来より車両搭載用パレット上に水を溜めてその水を排水するための種々の排水装置が提案されている。
【0003】
排水装置として、例えば、パレットの下面に上記融雪水などを回収する水受けタンク、この水受けタンクに接続された排水ホース、および、この排水ホースの排出部を上下方に作動させるアクチュエータなどが設けられている(例えば、特許文献1。)。従って、機械的に複雑な構造となっている。
【0004】
本発明は、以上の課題を解決するためになされたものであり、簡単な構造でパレット上に溜まる水を排出することができる機械式駐車装置のパレット用排水装置を提供することを目的とする。
【0005】
【特許文献1】
実公平7−20282号公報 (第1図)
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る機械式パレット排水装置は、上記課題を解決するために、車路を有する車両搭載用のパレットを旋回するパレット旋回手段を備えた機械式駐車装置のパレット排水装置であって、パレットの車路の底部上面の長手方向の両端部に立設された、車路上に水を溜めるための堰部と、該堰部の水が溜まる側の壁面から車路の下面まで貫通する排水通路とを備えてなる。
【0007】
この構成によれば、従来のような車路上に溜まった水を排出するための水受けタンク、排水ホース、および、排水ホースを作動させるアクチュエータなどを設けることなく、堰部の水が溜まる側の壁面から車路の下面まで貫通する排水通路を設けるだけの極めて簡単な構造により車路上に溜まった水を排出することができる。具体的には、パレット旋回手段によってパレットが旋回させられるときに車路上に溜まった水に遠心力が作用し、車路上の両堰部側の水の水位が上昇し、この水が堰部の壁面に沿って所定の水位に達したときに排水通路を通って車路の底部の下方に排出される。
【0008】
上記排水通路が、堰部と車路の底部との間に形成された中空部と、堰部の水が溜まる側の壁面に形成された、中空部に連通する第1開口部と、中空部を画する車路の底部に形成された、中空部と連通する第2開口部とを備えるように構成されてもよい。
【0009】
この構成では、従来から使用されているパレットの堰部および車路の底部に第1開口部および第2開口部をそれぞれ設けるだけの極めて簡単な構造により車路上に溜まった水を排出することができる。具体的には、パレット旋回手段によってパレットが旋回することにより、車路上に溜まった水が堰部の壁部に沿って所定の水位に達したときに第1開口部から中空部に流入し、さらに中空部に流入した水は第2開口部から車路の底部の下方に排出される。なお、第1開口部の位置は、パレット旋回手段の旋回速度などに応じて適宜設定される。
【0010】
上記中空部を形成する車路の底部下面に、第2開口部を囲むように下方に向けて突設された落下水規制部材をさらに備えるように構成されてもよい。これにより、第2開口部から排出される水が広範囲に飛散することが防止される。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0012】
図1は本発明の一実施形態に係るパレット排水装置が適用されるエレベータ式駐車装置(以下、単に駐車装置という)の一部分を示す正面断面図である。図2は、本発明の一実施形態に係るパレット排水装置が適用されたパレットを示す斜視図である。図3(a)は図2のIII−III線断面図であり、図3(b)は(a)に示した車路の部分背面図である。図4(a)は車路の底部の下面に落下水規制部材を設けた場合の図2のIII−III線断面図であり、図4(b)は(a)に示した車路の部分背面図である。
【0013】
エレベータ式駐車装置1には、その駐車塔10の内部に、車両Mを搭載するパレット2を昇降させるためのエレベータ3がワイヤ(図示せず)によって吊り下げられており、このワイヤを巻き上げ繰り出してエレベータ3を昇降させる駆動装置(図示せず)およびカウンターウエイト(図示せず)が備えられている。エレベータ3の昇降路の両側には多数段の駐車棚(以下、単に棚ともいう)4が配設されている。
【0014】
また、車両Mを入出庫する地上一階の入出庫階Eの床にはピット6が掘られており、ピット6内の床面上には、エレベータ3からパレット2を受け取り車両Mを入出庫することができる方向まで旋回する旋回装置5が設けられている。この旋回装置5上にパレット2が載置されたときにその上面(車両載置面)が入出庫階Eの床面(車両乗入面)と一致するようになっている。
【0015】
以上の構成では、エレベータ3は両側の棚4の間の昇降路を、呼び出されたパレット2の棚4まで上昇したうえで当該パレット2を受け取り、これを入出庫階Eへ下降する。そして、このパレット2に車両Mが積載されたあと再びエレベータ3は元の棚4まで上昇したうえで車両Mとともにパレット2を棚4に引き渡し、パレット2が棚4に載置される。
【0016】
図2に示すように上記パレット2は鋼板などからなり、車両Mの車輪(図示せず)が載置される両側に平行に配置された断面凹状の車路20と、両車路20を連結する天井板21とを備える。
【0017】
各車路20は長板状の底部20aとこの両側に底部20aに対して略垂直に立上がる板状の側壁20bとをそれぞれ備える。各車路20の長手方向(車両Mが進入する方向であって、図2の矢符X方向)の両端部には、上記底部20aの上面に水を溜めるための堰部22がそれぞれ突設されている。
【0018】
この堰部22は板状体であり、図3に示すように車路20の底部20aを底面として断面視台形状に形成されており、堰部22と底部20aとの間には中空部22aが形成されている。このように堰部22の断面形状が台形状とされているのは、車両Mの車輪が堰部22を乗り越えることを容易にするためである。但し、この形状に限定するものではない。この堰部22は、その下端が底部20aの上面にそれぞれ固着され、堰部22の幅方向に垂直な方向(長手方向)の両端面が各側壁20bの内面にそれぞれ固着されている。これにより、車路20と堰部22とを固着する部分から車路20の両端部側へ水が流出することを防止し、車路20の両堰部22間に水を溜めることを可能にしている。
【0019】
また、堰部22の水が溜まる側の壁面は、車路20に溜まる水を堰き止めるための長板状の堰き止め部22bと、この堰き止め部22bの上縁に沿って形成された、車路20上に溜まった水Wを中空部22aに排出するための第1開口部22cとを備える。
【0020】
堰き止め部22bは、パレット2が旋回しないときに車路20上に車両Mから落ちた水Wを溜め、旋回装置5によってパレット2が旋回したときに車路20上に溜まった水Wに作用する遠心力によりこの水Wが第1開口部22cから排出されるように車路20の両端に向かう方向(遠心力が作用する方向)に所定角度傾斜して立設されている。なお、堰き止め部22bの傾斜角度および高さは、旋回装置5の旋回速度などにより適宜設定される。
【0021】
第1開口部22cはスリット状の隙間であり、堰き止め部22bの上縁の長手方向に沿って全体的に設けられている。この場合、堰き止め部22bとこれを除く堰部22の構造部材とは別体で形成される。もちろん、この第1開口部22cは堰部22の長手方向に部分的に1つまたは複数配置してもよい。その際の第1開口部22cの形状として上記スリット状の他に円状または長円状などを採用してもよい。この場合、第1開口部22cを有する堰き止め部22bとこれを除く堰部22の構造部材とは一体的に形成される。
【0022】
なお、第1開口部22cは、車路20の両端の堰部22にそれぞれ設けることが好ましい。その理由は、遠心力により各堰き止め部22bの壁面に沿って上昇した水Wが両堰部22にそれぞれ設けられた第1開口部22cから中空部22aに排出され、この水Wが堰部22を超えて車路20の両端部側に流出しないからである。もちろん、2つの堰部22のうちの一方だけに第1開口部22cを設けてもよい。この場合、上述した両堰部22に第1開口部22cをそれぞれ設ける場合とほぼ同じ第1開口部22cからの水Wの排出量を確保するために、第1開口部22cの開口面積は、両堰部22に第1開口部22cをそれぞれ設ける場合に比べて大きく(例えば、2倍)設定される。
【0023】
また、堰部22とともに上記中空部22aを区画する車路20の底部20aには、中空部22a内の水Wを車路20の底部20aの下方に排出するための第2開口部23が設けられている。図3(b)に示すようにこの第2開口部23は複数の円状の貫通孔であり、堰部22の長手方向に直列的に配置されている。なお、第2開口部23の個数、形状および配置は、堰部22の形状、および、水Wの排出量などに応じて適宜設定される。例えば、第2開口部23として、矩形状または長円状などの貫通孔を複数個直列または並列に配置してもよい。
【0024】
また、図4(a)に示すように車路20の底部20aの下面には、第2開口部23から車路20の底部20aの下方に排出される水Wが広範囲に飛散しないように水Wの排出方向を規制する落下水規制部材24が設けられている。この落下水規制部材24は2枚の板状体からなる。この落下水規制部材24は、第2開口部23を車路20の長手方向に見て第2開口部23の前後両側に配置され、車路20の底部20aの下面から下方に向けて取り付けられている。また、図4(b)に示すように落下水規制部材24は、複数の第2開口部23を取り囲むため第2開口部23の配列方向(堰部22の長手方向)に配置されている。
【0025】
なお、落下水規制部材24の高さ(車路20の底部20aの下面から下方に突出する量)は、第2開口部23から排出される水Wが横方向に広範囲に飛散せず、且つ、パレット2が旋回装置5に載置されたときに落下水規制部材24と旋回装置5とが干渉しないように設定されている。また、ここでは、落下水規制部材24は板状体であるがこれに限定するものではない。例えば、落下水規制部材24を角パイプ状としてもよい。これにより、車路20に第2開口部23を設けることによって車路20の剛性が低下することを防止することができる。
【0026】
また、車路20の底部20aの下面に上記落下水規制部材24を設けずに、第2開口部23の形状、個数、配列を調整することによって車路20の底部20aの下面から水Wが排出される範囲を限定するようにしてもよい。これにより、第2開口部23から排出される水Wの排出方向を規制することができ、水Wが広範囲に飛散することを防止することができる。
【0027】
次に、以上のように構成される本発明の一実施形態に係るパレット排出装置の作用について説明する。
【0028】
まず、エレベータ3が入出庫階Eまで下降し所定の位置に達したときにエレベータ3上のパレット2が旋回装置5に受け渡される。その後、車両Mを出庫する位置まで旋回装置5を旋回させる。この際、車路20上に溜まった水Wには遠心力が作用する。この遠心力により車路20の堰部22側の水Wが堰部22の壁面に沿って上昇する。そして、水Wが堰部22の第1開口部22bに達したときに中空部22aに排出される。中空部22aに排出された水Wは第2開口部23から車路20の底部20aの下方のピット6内に設けられた排出溝(図示せず)に排出される。
【0029】
【発明の効果】
本発明では、簡単な構造でパレット上に溜まる水を排出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るパレット排水装置が適用されるエレベータ式駐車装置の一部分を示す正面断面図である。
【図2】本発明の一実施形態に係るパレット排水装置が適用されたパレットを示す斜視図である。
【図3】(a)は図2のIII−III線断面図であり、(b)は(a)に示した車路の部分背面図である。
【図4】(a)は車路の底部の下面に落下水規制部材を設けた場合の図2のIII−III線断面図であり、(b)は(a)に示した車路の部分背面図である。
【符号の説明】
2 パレット
20 車路
20a 底部
20b 側壁
21 天井板
22a 中空部
22b 堰き止め部
22c 第1開口部
23 第2開口部
24 落下水規制部材
E 入出庫階
【発明の属する技術分野】
本発明は、機械式駐車装置において車両搭載用パレットの上面に溜まる水を排水する機械式駐車装置のパレット排水装置に関する。
【0002】
【従来技術および発明が解決しようとする課題】
一般に、冬期において積雪の多い地方に設置されている立体駐車設備では、車両がその足回りに雪を付着したまま車両搭載用パレットに乗り入れることがある。ところが、従来の車両搭載用パレットではその両端部が開放されているために融雪水が車両搭載用パレットの両端部からこぼれ落ちて下方の車両などを汚すという問題があった。そこで、従来より車両搭載用パレット上に水を溜めてその水を排水するための種々の排水装置が提案されている。
【0003】
排水装置として、例えば、パレットの下面に上記融雪水などを回収する水受けタンク、この水受けタンクに接続された排水ホース、および、この排水ホースの排出部を上下方に作動させるアクチュエータなどが設けられている(例えば、特許文献1。)。従って、機械的に複雑な構造となっている。
【0004】
本発明は、以上の課題を解決するためになされたものであり、簡単な構造でパレット上に溜まる水を排出することができる機械式駐車装置のパレット用排水装置を提供することを目的とする。
【0005】
【特許文献1】
実公平7−20282号公報 (第1図)
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る機械式パレット排水装置は、上記課題を解決するために、車路を有する車両搭載用のパレットを旋回するパレット旋回手段を備えた機械式駐車装置のパレット排水装置であって、パレットの車路の底部上面の長手方向の両端部に立設された、車路上に水を溜めるための堰部と、該堰部の水が溜まる側の壁面から車路の下面まで貫通する排水通路とを備えてなる。
【0007】
この構成によれば、従来のような車路上に溜まった水を排出するための水受けタンク、排水ホース、および、排水ホースを作動させるアクチュエータなどを設けることなく、堰部の水が溜まる側の壁面から車路の下面まで貫通する排水通路を設けるだけの極めて簡単な構造により車路上に溜まった水を排出することができる。具体的には、パレット旋回手段によってパレットが旋回させられるときに車路上に溜まった水に遠心力が作用し、車路上の両堰部側の水の水位が上昇し、この水が堰部の壁面に沿って所定の水位に達したときに排水通路を通って車路の底部の下方に排出される。
【0008】
上記排水通路が、堰部と車路の底部との間に形成された中空部と、堰部の水が溜まる側の壁面に形成された、中空部に連通する第1開口部と、中空部を画する車路の底部に形成された、中空部と連通する第2開口部とを備えるように構成されてもよい。
【0009】
この構成では、従来から使用されているパレットの堰部および車路の底部に第1開口部および第2開口部をそれぞれ設けるだけの極めて簡単な構造により車路上に溜まった水を排出することができる。具体的には、パレット旋回手段によってパレットが旋回することにより、車路上に溜まった水が堰部の壁部に沿って所定の水位に達したときに第1開口部から中空部に流入し、さらに中空部に流入した水は第2開口部から車路の底部の下方に排出される。なお、第1開口部の位置は、パレット旋回手段の旋回速度などに応じて適宜設定される。
【0010】
上記中空部を形成する車路の底部下面に、第2開口部を囲むように下方に向けて突設された落下水規制部材をさらに備えるように構成されてもよい。これにより、第2開口部から排出される水が広範囲に飛散することが防止される。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0012】
図1は本発明の一実施形態に係るパレット排水装置が適用されるエレベータ式駐車装置(以下、単に駐車装置という)の一部分を示す正面断面図である。図2は、本発明の一実施形態に係るパレット排水装置が適用されたパレットを示す斜視図である。図3(a)は図2のIII−III線断面図であり、図3(b)は(a)に示した車路の部分背面図である。図4(a)は車路の底部の下面に落下水規制部材を設けた場合の図2のIII−III線断面図であり、図4(b)は(a)に示した車路の部分背面図である。
【0013】
エレベータ式駐車装置1には、その駐車塔10の内部に、車両Mを搭載するパレット2を昇降させるためのエレベータ3がワイヤ(図示せず)によって吊り下げられており、このワイヤを巻き上げ繰り出してエレベータ3を昇降させる駆動装置(図示せず)およびカウンターウエイト(図示せず)が備えられている。エレベータ3の昇降路の両側には多数段の駐車棚(以下、単に棚ともいう)4が配設されている。
【0014】
また、車両Mを入出庫する地上一階の入出庫階Eの床にはピット6が掘られており、ピット6内の床面上には、エレベータ3からパレット2を受け取り車両Mを入出庫することができる方向まで旋回する旋回装置5が設けられている。この旋回装置5上にパレット2が載置されたときにその上面(車両載置面)が入出庫階Eの床面(車両乗入面)と一致するようになっている。
【0015】
以上の構成では、エレベータ3は両側の棚4の間の昇降路を、呼び出されたパレット2の棚4まで上昇したうえで当該パレット2を受け取り、これを入出庫階Eへ下降する。そして、このパレット2に車両Mが積載されたあと再びエレベータ3は元の棚4まで上昇したうえで車両Mとともにパレット2を棚4に引き渡し、パレット2が棚4に載置される。
【0016】
図2に示すように上記パレット2は鋼板などからなり、車両Mの車輪(図示せず)が載置される両側に平行に配置された断面凹状の車路20と、両車路20を連結する天井板21とを備える。
【0017】
各車路20は長板状の底部20aとこの両側に底部20aに対して略垂直に立上がる板状の側壁20bとをそれぞれ備える。各車路20の長手方向(車両Mが進入する方向であって、図2の矢符X方向)の両端部には、上記底部20aの上面に水を溜めるための堰部22がそれぞれ突設されている。
【0018】
この堰部22は板状体であり、図3に示すように車路20の底部20aを底面として断面視台形状に形成されており、堰部22と底部20aとの間には中空部22aが形成されている。このように堰部22の断面形状が台形状とされているのは、車両Mの車輪が堰部22を乗り越えることを容易にするためである。但し、この形状に限定するものではない。この堰部22は、その下端が底部20aの上面にそれぞれ固着され、堰部22の幅方向に垂直な方向(長手方向)の両端面が各側壁20bの内面にそれぞれ固着されている。これにより、車路20と堰部22とを固着する部分から車路20の両端部側へ水が流出することを防止し、車路20の両堰部22間に水を溜めることを可能にしている。
【0019】
また、堰部22の水が溜まる側の壁面は、車路20に溜まる水を堰き止めるための長板状の堰き止め部22bと、この堰き止め部22bの上縁に沿って形成された、車路20上に溜まった水Wを中空部22aに排出するための第1開口部22cとを備える。
【0020】
堰き止め部22bは、パレット2が旋回しないときに車路20上に車両Mから落ちた水Wを溜め、旋回装置5によってパレット2が旋回したときに車路20上に溜まった水Wに作用する遠心力によりこの水Wが第1開口部22cから排出されるように車路20の両端に向かう方向(遠心力が作用する方向)に所定角度傾斜して立設されている。なお、堰き止め部22bの傾斜角度および高さは、旋回装置5の旋回速度などにより適宜設定される。
【0021】
第1開口部22cはスリット状の隙間であり、堰き止め部22bの上縁の長手方向に沿って全体的に設けられている。この場合、堰き止め部22bとこれを除く堰部22の構造部材とは別体で形成される。もちろん、この第1開口部22cは堰部22の長手方向に部分的に1つまたは複数配置してもよい。その際の第1開口部22cの形状として上記スリット状の他に円状または長円状などを採用してもよい。この場合、第1開口部22cを有する堰き止め部22bとこれを除く堰部22の構造部材とは一体的に形成される。
【0022】
なお、第1開口部22cは、車路20の両端の堰部22にそれぞれ設けることが好ましい。その理由は、遠心力により各堰き止め部22bの壁面に沿って上昇した水Wが両堰部22にそれぞれ設けられた第1開口部22cから中空部22aに排出され、この水Wが堰部22を超えて車路20の両端部側に流出しないからである。もちろん、2つの堰部22のうちの一方だけに第1開口部22cを設けてもよい。この場合、上述した両堰部22に第1開口部22cをそれぞれ設ける場合とほぼ同じ第1開口部22cからの水Wの排出量を確保するために、第1開口部22cの開口面積は、両堰部22に第1開口部22cをそれぞれ設ける場合に比べて大きく(例えば、2倍)設定される。
【0023】
また、堰部22とともに上記中空部22aを区画する車路20の底部20aには、中空部22a内の水Wを車路20の底部20aの下方に排出するための第2開口部23が設けられている。図3(b)に示すようにこの第2開口部23は複数の円状の貫通孔であり、堰部22の長手方向に直列的に配置されている。なお、第2開口部23の個数、形状および配置は、堰部22の形状、および、水Wの排出量などに応じて適宜設定される。例えば、第2開口部23として、矩形状または長円状などの貫通孔を複数個直列または並列に配置してもよい。
【0024】
また、図4(a)に示すように車路20の底部20aの下面には、第2開口部23から車路20の底部20aの下方に排出される水Wが広範囲に飛散しないように水Wの排出方向を規制する落下水規制部材24が設けられている。この落下水規制部材24は2枚の板状体からなる。この落下水規制部材24は、第2開口部23を車路20の長手方向に見て第2開口部23の前後両側に配置され、車路20の底部20aの下面から下方に向けて取り付けられている。また、図4(b)に示すように落下水規制部材24は、複数の第2開口部23を取り囲むため第2開口部23の配列方向(堰部22の長手方向)に配置されている。
【0025】
なお、落下水規制部材24の高さ(車路20の底部20aの下面から下方に突出する量)は、第2開口部23から排出される水Wが横方向に広範囲に飛散せず、且つ、パレット2が旋回装置5に載置されたときに落下水規制部材24と旋回装置5とが干渉しないように設定されている。また、ここでは、落下水規制部材24は板状体であるがこれに限定するものではない。例えば、落下水規制部材24を角パイプ状としてもよい。これにより、車路20に第2開口部23を設けることによって車路20の剛性が低下することを防止することができる。
【0026】
また、車路20の底部20aの下面に上記落下水規制部材24を設けずに、第2開口部23の形状、個数、配列を調整することによって車路20の底部20aの下面から水Wが排出される範囲を限定するようにしてもよい。これにより、第2開口部23から排出される水Wの排出方向を規制することができ、水Wが広範囲に飛散することを防止することができる。
【0027】
次に、以上のように構成される本発明の一実施形態に係るパレット排出装置の作用について説明する。
【0028】
まず、エレベータ3が入出庫階Eまで下降し所定の位置に達したときにエレベータ3上のパレット2が旋回装置5に受け渡される。その後、車両Mを出庫する位置まで旋回装置5を旋回させる。この際、車路20上に溜まった水Wには遠心力が作用する。この遠心力により車路20の堰部22側の水Wが堰部22の壁面に沿って上昇する。そして、水Wが堰部22の第1開口部22bに達したときに中空部22aに排出される。中空部22aに排出された水Wは第2開口部23から車路20の底部20aの下方のピット6内に設けられた排出溝(図示せず)に排出される。
【0029】
【発明の効果】
本発明では、簡単な構造でパレット上に溜まる水を排出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るパレット排水装置が適用されるエレベータ式駐車装置の一部分を示す正面断面図である。
【図2】本発明の一実施形態に係るパレット排水装置が適用されたパレットを示す斜視図である。
【図3】(a)は図2のIII−III線断面図であり、(b)は(a)に示した車路の部分背面図である。
【図4】(a)は車路の底部の下面に落下水規制部材を設けた場合の図2のIII−III線断面図であり、(b)は(a)に示した車路の部分背面図である。
【符号の説明】
2 パレット
20 車路
20a 底部
20b 側壁
21 天井板
22a 中空部
22b 堰き止め部
22c 第1開口部
23 第2開口部
24 落下水規制部材
E 入出庫階
Claims (3)
- 車路を有する車両搭載用のパレットを旋回するパレット旋回手段を備えた機械式駐車装置のパレット排水装置であって、
上記パレットの車路の底部上面の長手方向の両端部に立設された、車路上に水を溜めるための堰部と、
該堰部の水が溜まる側の壁面から車路の下面まで貫通する排水通路とを備えてなる、機械式駐車装置のパレット排水装置。 - 上記排水通路が、
上記堰部と上記車路の底部との間に形成された中空部と、
上記堰部の水が溜まる側の壁面に形成された、上記中空部に連通する第1開口部と、
上記中空部を画する車路の底部に形成された、上記中空部と連通する第2開口部とを備えてなる、請求項1記載の機械式駐車装置のパレット排水装置。 - 上記中空部を形成する車路の底部下面に、上記第2開口部を囲むように下方に突設された落下水規制部材をさらに備えてなる、請求項2記載の機械式駐車装置のパレット排水装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003013811A JP2004225356A (ja) | 2003-01-22 | 2003-01-22 | 機械式駐車装置のパレット排水装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003013811A JP2004225356A (ja) | 2003-01-22 | 2003-01-22 | 機械式駐車装置のパレット排水装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004225356A true JP2004225356A (ja) | 2004-08-12 |
Family
ID=32902039
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003013811A Pending JP2004225356A (ja) | 2003-01-22 | 2003-01-22 | 機械式駐車装置のパレット排水装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004225356A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009002116A (ja) * | 2007-06-25 | 2009-01-08 | Sumitomo Heavy Ind Ltd | 機械式駐車場の排水装置 |
KR101486410B1 (ko) * | 2012-07-13 | 2015-01-26 | 김진희 | 매설형 자전거 보관대 |
JP2022052964A (ja) * | 2020-09-24 | 2022-04-05 | 日精株式会社 | 載置台、及びこれを用いた機械式駐車装置 |
-
2003
- 2003-01-22 JP JP2003013811A patent/JP2004225356A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009002116A (ja) * | 2007-06-25 | 2009-01-08 | Sumitomo Heavy Ind Ltd | 機械式駐車場の排水装置 |
KR101486410B1 (ko) * | 2012-07-13 | 2015-01-26 | 김진희 | 매설형 자전거 보관대 |
JP2022052964A (ja) * | 2020-09-24 | 2022-04-05 | 日精株式会社 | 載置台、及びこれを用いた機械式駐車装置 |
JP7423486B2 (ja) | 2020-09-24 | 2024-01-29 | 日精株式会社 | 機械式駐車装置 |
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