JP2004224855A - 接着方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】2つの基板、例えば導光体と反射型液晶パネルを透明樹脂からなる液体接着剤で貼り合わせる方法、特にこれら2つの基板の間に気泡が発生しないように接着剤を滴下する方法を提供する。
【解決手段】本発明の接着方法では、所定の間隔をあけた2つ位置にそれぞれに第1の液滴14を滴下する。また、これら2つの位置を結ぶ線と直交し且つこれら2つの位置の中間点を通る垂線の上又はその近傍に位置する別の点であって上述の2つの位置よりも基板の中心に近い別の位置に第2の液滴12を滴下する。このとき、第1の液滴と第2の液滴の量及び第1〜第3の液滴の間隔は、2つの基板で第2の液滴を挟むことにより拡大される第2の液滴拡大領域が、2つの基板で第1の液滴を挟むことにより拡大される第1の液滴拡大領域と同時に又はそれよりも早く中間点16に到達するように決める。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、パーソナルコンピュータ・複写機・プリンタ・ファクシミリなどのOA機器、携帯情報端末、携帯電話などの画像表示装置または各種モニター装置の製造工程において、2つの板を接着剤で貼り合わせる方法、特に接着剤の滴下方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、パーソナルコンピュータなどのOA機器のほか、特に、携帯情報端末、携帯電話など携帯機器においては、消費電力低減が重要な課題となっている。そのため、これらの機器の画像表示装置の多くが、反射型の液晶表示装置を採用している。また、反射型の液晶表示装置のなかでも、液晶パネルと該液晶パネルに光を案内する導光体との間に導光体と同等の屈折率を有する透明樹脂を充填した反射型液晶装置は、コントラスト・色・鮮明度などの画質の面で特に優れていることが、例えば特願2000−116395号で指摘されている。他方、導光体と反射型液晶パネルの間に充填した透明樹脂内に気泡が存在すると、画像表示のために入射された光が気泡に当たって輝点となり、画質を著しく低下させるという問題がある。
【0003】
そこで、液体(充填樹脂)の滴下時及び貼り合せ時に発生する気泡を除去する方法として、例えば特開昭58−1144号公報(特許文献1)に記載されているフォトレジストの塗布方法や特開平02―265042号公報(特許文献2)に記載されている光ディスクの貼り合せ方法で提案されているように、液体(透明樹脂接着剤)が滴下される面(基板)を回転することにより、遠心力で気泡を排除することが考えられる。そして、この方法では、基板と該基板に張り合わされる別の基板との間に液体供給用ディスペンサノズルの挿入スペースを確保し、次に該ディスペンサノズルから樹脂を滴下し、その後、基板を回転させて余分な樹脂を遠心力によって周囲に拡散するとともに樹脂に含まれている空気を取り出すことが行われる。
【0004】
【特許文献1】
特開昭58−1144号公報
【特許文献2】
特開平02―265042号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、遠心力によって樹脂を取り除く工法は、周囲に飛散した樹脂が導光体端面を汚し、この汚れにより入射光が散乱するという不具合が生じる。また、汚れた導光体の端面をきれいに拭き取ることも考えられるが、量産工程のなかにそのような拭き取り工程を設けることは、製造が複雑になるばかりでなく、品質管理も困難であることから、非現実的な方法である。
【0006】
そこで、本発明は、2つの基板、例えば導光体と反射型液晶パネルを透明樹脂からなる液体接着剤で貼り合わせる方法、特にこれら2つの基板の間に気泡が発生しないように接着剤を滴下する方法を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
具体的に、本発明の第1の形態は、2つの基板のうち少なくとも一方の基板表面の複数の箇所に接着剤を滴下し、滴下された液滴を挟むように2つの基板を重ねて接着する接着方法で、所定の間隔をあけた2つ位置にそれぞれに第1の液滴を滴下する。また、上記2つ位置を結ぶ線と直交し且つ上記2つの位置の中間点を通る垂線の上又はその近傍に位置する一つの点であって上記2つの位置よりも基板の中心に近い別の位置に第2の液滴を滴下する。このとき、上記第1の液滴と第2の液滴の量及び上記第1〜第3の液滴の間隔を、上記2つの基板で第2の液滴を挟むことにより拡大される第2の液滴拡大領域が、上記2つの基板で第1の液滴を挟むことにより拡大される第1の液滴拡大領域と同時に又はそれよりも早く上記中間点に到達するように決める。
【0008】
本発明の第2の形態では、基板の四隅近傍であって基板中心からほぼ等距離に位置する4箇所に第1の液滴を滴下する。また、基板の中央に第2の液滴を滴下する。そして、第1の液滴と第2の液滴の量及び上記複数の液滴の間隔は、2つの基板で第2の液滴を挟むことにより拡大される第2の液滴拡大領域が、2つの基板で第1の液滴を挟むことにより拡大される第1の液滴拡大領域と同時に又はそれよりも早く隣接する第2の液滴の間の中間点に到達するように決める。この形態では、上記第2の液滴を複数の分割液滴で構成してもよい。
【0009】
これらの方法によれば、2つの基板で第2の液滴を挟むことにより拡大される第2の液滴拡大領域が、2つの基板で第1の液滴を挟むことにより拡大される第1の液滴拡大領域と同時に又はそれよりも早く隣接する第2の液滴の間の中間点に到達する。そのため、拡大される複数の液滴拡大領域の間に存在する空気はこれら液滴拡大領域によって外側に押し出される。そのため、接着された2つの基板の間は気泡の無い状態に保たれる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
【0011】
図1は、水平またはほぼ水平に置かれた第1の基板である四角形(正方形又は長方形)の導光板(導光体)2の上面に第2の基板である四角形(正方形又は長方形)の反射型液晶パネル4を貼り合わせるにあたって、導光板2の上面に接着剤である液体樹脂(例えば、アクリル系光硬化接着剤)6を滴下する状態を模式的に表した図である。この図に示すように、導光板2の上面に樹脂6を滴下するノズル8は、その下端滴下口10を導光板2に向けてほぼ垂直に配置されており、図示しない樹脂供給源から供給された樹脂6を滴下口10から導光板2の上面に滴下する。
【0012】
滴下ノズル8から第1の基板2上の複数箇所に滴下された液滴の配置を図2に示す。この図に示すように、第1の基板2の中央に位置する一箇所(第2の位置)と、この位置を中心とする円周上にあって第1の基板2の四隅近傍に対称に位置する4箇所(第1の位置)にそれぞれ液滴が滴下される。なお、中央と四隅に滴下された液滴を区別するために、中央に滴下された液滴(第2の液滴)を符号12で表し、四隅に滴下された液滴(第1の液滴)を符号14で表す。
【0013】
液滴12,14に含まれる樹脂の量(滴下量)及びそれらの間隔は、図3に示すように、2つの基板2,4で中央の液滴12を挟むことにより拡大される液滴拡大領域(拡大円)12aが、同時に2つの基板2,4で四隅の液滴14を挟むことにより拡大される液滴拡大領域(拡大円)14aと同時に又はそれよりも早く、隣接する2つの四隅の液滴14の中間点16に到達するように決める。
【0014】
これにより、2つの基板2,4で液滴12,14を挟持すると、中央の液滴12の拡大領域12aがまず四隅の液滴14の中間点16に達し、その後に四隅の液滴14の拡大領域14aが中間点16に達し、基板2,4の間に存在する空気を外側に押し出す。したがって、液滴の拡大領域12a,14aの間に空気が閉じ込められ、これが気泡となって接着剤層に残るということがない。
【0015】
これに対し、図4に示すように、中央の液滴12と四隅の液滴14の滴下量及びそれらの間隔が上述の条件に決められていない場合、2つの隣接する四隅の液滴14の拡大領域14bがそれらの中間点16でまず合流する。したがって、これら2つの拡大領域14bの内側20(中央の液滴寄り)に存在する空気が、上述のように合流して一体化した拡大領域14bと中央の液滴12の拡大領域12bとの間に閉じ込められ、それが後に接着剤層に気泡として残留する。
【0016】
なお、中央に滴下する液滴は、複数の液滴で構成してもよい。例えば、図6に示す滴下例では、長方形基板2の長手方向中心線上に複数(例えば3個)の液滴12’が形成されており、これら複数の液滴12’の滴下量及び四隅の液滴14との距離が、図7に示すように、2つの基板2,4で中央の液滴12’を挟むことにより拡大される液滴拡大領域(拡大円)12a’が、同時に2つの基板で四隅の液滴14を挟むことにより拡大される液滴拡大領域(拡大円)14aと同時に又はそれよりも早く、隣接する2つの四隅の液滴14の中間点16に到達するように決められている。
【0017】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、2つの基板で中央の液滴を挟むことにより拡大される液滴拡大領域が、同時に2つの基板で四隅の液滴を挟むことにより拡大される液滴拡大領域(拡大円)と同時に又はそれよりも早く、隣接する2つの四隅の液滴の中間点に到達するように決められている。そのため、中央の液滴の拡大領域がまず四隅の液滴の中間点に達して基板の間に存在する空気を外側に押し出す。したがって、液滴の拡大領域の間に空気が閉じ込められ、これが気泡となって接着剤層に残るということがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】基板上に液体樹脂の接着剤を滴下する状況を模式的に示す図。
【図2】基板とその上に滴下された液滴を示す平面図。
【図3】図2のように滴下された液滴を2枚の基板の間に挟持したときにできる液滴の拡大領域を示す平面図。
【図4】基板とその上に滴下された液滴を示す平面図で、中央に滴下された液滴の量が四隅に滴下された液滴の量よりも少ない場合を示す図。
【図5】図4のように滴下された液滴を2枚の基板の間に挟持したときにできる液滴の拡大領域を示す平面図。
【図6】中央の液滴を分割した滴下例を示す平面図。
【図7】図6のように滴下された液滴を2枚の基板の間に挟持したときにできる液滴の拡大領域を示す平面図。
【符号の説明】
2:導光板
4:液晶パネル
6:樹脂
8:滴下ノズル
10:滴下口
12:中央の液滴
14:四隅の液滴
16:中間点

Claims (3)

  1. 2つの基板のうち少なくとも一方の基板表面の複数の箇所に接着剤を滴下し、滴下された液滴を挟むように2つの基板を重ねて接着する接着方法において、
    所定の間隔をあけた2つ位置にそれぞれに第1の液滴を滴下し、
    上記2つ位置を結ぶ線と直交し且つ上記2つの位置の中間点を通る垂線の上又はその近傍に位置する一つの点であって上記2つの位置よりも基板の中心に近い別の位置に第2の液滴を滴下し、
    上記第1の液滴と第2の液滴の量及び上記第1〜第3の液滴の間隔を、上記2つの基板で第2の液滴を挟むことにより拡大される第2の液滴拡大領域が、上記2つの基板で第1の液滴を挟むことにより拡大される第1の液滴拡大領域と同時に又はそれよりも早く上記中間点に到達するように決めることを特徴とする接着方法。
  2. 2つの四角形基板のうち少なくとも一方の基板表面の複数の箇所に接着剤を滴下し、滴下された液滴を挟むように2つの基板を重ねて接着する接着方法において、
    基板の四隅近傍であって基板中心からほぼ等距離に位置する4箇所に第1の液滴を滴下し、
    基板の中央に第2の液滴を滴下し、
    上記第1の液滴と第2の液滴の量及び上記複数の液滴の間隔を、上記2つの基板で第2の液滴を挟むことにより拡大される第2の液滴拡大領域が、上記2つの基板で第1の液滴を挟むことにより拡大される第1の液滴拡大領域と同時に又はそれよりも早く隣接する第2の液滴の間の中間点に到達するように決めることを特徴とする接着方法。
  3. 上記第2の液滴を複数の分割液滴で構成したことを特徴とする請求項2に記載の接着方法。
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