JP2004224091A - 車高調節可能自動二輪車およびその車高調節のための車輪支持装置 - Google Patents
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Abstract
【解決しようとする課題】車高を調節する際には、一旦車から降りたり、車輪の傍にしゃがみこんだりなどして直接車高調節のための作業を行わなければならないという課題がある。また走行中に路面状況に合わせて随時車高の調節ができないという課題もある。
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために、本発明は、第一シリンダーと、第二シリンダーとを有する二重シリンダーショックアブソーバーを有する車輪支持装置であって、前記第一シリンダーと前記第二シリンダーとにより構成され流体で満たされた流体バネ室と、前記流体バネ室の流体圧力を変化させるための流体圧力調節部と、を有する車高調節用車輪支持装置を提供する。この流体圧力調節部がコンプレッサーなどを利用して流体バネ室の圧力を変化させることで二重シリンダーの長さを調節し、簡単に車高を調整することが可能となる。
【選択図】 図1
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために、本発明は、第一シリンダーと、第二シリンダーとを有する二重シリンダーショックアブソーバーを有する車輪支持装置であって、前記第一シリンダーと前記第二シリンダーとにより構成され流体で満たされた流体バネ室と、前記流体バネ室の流体圧力を変化させるための流体圧力調節部と、を有する車高調節用車輪支持装置を提供する。この流体圧力調節部がコンプレッサーなどを利用して流体バネ室の圧力を変化させることで二重シリンダーの長さを調節し、簡単に車高を調整することが可能となる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動二輪車の車高を調節する車輪支持装置、及びその装置を用いた自動二輪車に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動二輪車を含む自動車の、車高の調整が可能な車高調整装置に関する従来技術としては、エアサスペンションにおける車高調整装置がある(特許文献1参照)。この発明では、自動車のエアサスペンションにおいて、シリンダーとピストンとにそれぞれ設置された上部及び下部のバネ受部の間隔を調節しバネ長を調節することでエアサスペンションの長さを変化させ、車高の調節を行うものである。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−234326号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記従来の技術では、バネ受部が雌雄の螺条によってシリンダー及びピストンに設置され、バネ受部を回転させることでその間隔の調節が行われる。従って、車高を調節する際には、一旦車から降りたり、車輪の傍にしゃがみこんだりなどして直接車高調節のための作業を行わなければならないという課題がある。また走行中に路面状況に合わせて随時車高の調節ができないという課題もある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は、第一シリンダーと、第二シリンダーとを有する二重シリンダーショックアブソーバーを有する車輪支持装置であって、前記第一シリンダーと前記第二シリンダーとにより構成され流体で満たされた流体バネ室と、前記流体バネ室の流体圧力を変化させるための流体圧力調節部と、を有する車高調節用車輪支持装置を提供する。
【0006】
この流体圧力調節部がコンプレッサーや、コンプレッサーなどにより所定圧力に保たれるエアのタンクなどを利用して流体バネ室の圧力を変化させることで二重シリンダーの長さを調節し、簡単に車高を調整することが可能となる。そしてこの圧力の調節は、単純なエアコックなどのスイッチや、場合によりコンピュータ制御などを行うことで外部から簡単に操作することができる。従って、運転中に手元の操作で簡単に車高調節作業を行ウことができる。したがって、また路面状況に応じて随時車高の調整を行うことも可能になる。
【発明の実施の形態】
図1から図3を用いて、本発明の実施の形態について説明する。ただし、本発明は、以下の実施の形態によって何ら制限されるものではない。
【0007】
<実施形態1>
【0008】
(実施形態1の概念)
【0009】
バイクの免許は持っているがまだバイクを購入していないAさんは、友人のBさんにバイクを借りることにした。ところが、体格の全く違うBさんのバイクの車高は高すぎてAさんには合わない。本来ならば車輪の傍で面倒な作業を行わなければ、バイクの車高を調節することはできないが、Bさんのバイクには本実施形態の車高調節用車輪支持装置がついていた。そこでAさんは、スピードメーターの横にある車高調節用スイッチを押し、車輪支持装置の流体バネ圧力を変化させることで簡単にバイクの車高を下げ、自分に合った高さにすることができた。
【0010】
そしてAさんがそのバイクでツーリングを楽しんでいると、途中で舗装されていないデコボコ道に入りこんでしまった。このバイクは車高を下げてあるので、このまま走行するとバイクの下部に傷などがついてしまう恐れがある。そこで、Aさんは先ほどと同様にスピードメーターの横にある車高調節用スイッチを押して車高を高くすることで、バイクを止めることなくなんなくデコボコ道を乗り切ることができた。
【0011】
このように、本実施形態の車高調節用車輪支持装置を利用することで、バイクを降りたりすること無く、簡単に、また路面状況に合わせて随時車高を調節することが可能となる。
【0012】
(実施形態1の構成)
【0013】
図1に示すのは、本実施形態における車高調節用車輪支持装置の構成の好適な一例を表した概略図である。この図にあるように、本実施形態の車高調節用車輪支持装置(0100)は、第一シリンダー(0101)と、第二シリンダー(0102)とを有する二重シリンダーショックアブソーバーを有する。そして、前記第一シリンダーと、前記第二シリンダーとにより構成され、流体で満たされている流体バネ室(0103)と、前記流体バネ室の流体圧力を変化させるための流体圧力調節部(図示せず)と、を有する。
【0014】
「二重シリンダー」とは、内筒である第一シリンダー(0101)と、外筒である第二シリンダー(0102)で構成される二重菅構造のシリンダーである。第一シリンダーの内部には第二シリンダーにより固定されたピストン(0104)が備えられており、ピストン穴(0105)を介して第一シリンダー内の流体をピストン弁(0106)の上部(0107)から下部(0108)、又は、下部(0108)から上部(0107)に流すことで車体が受ける衝撃を吸収する役割を果たす。いわゆるショックアブソーバーとしての機能を果たすものである。
【0015】
「流体バネ室」(0103)とは、上記のような第一シリンダーと第二シリンダーの二重菅構造の内部に構成される空間である。そして、その空間に流体が満たされている。「流体」とは、液体又は/及び気体をいう。流体バネ室の流体体積は、流体バネ室外からの圧力を受けてその体積を変化させる。その一例として、空気や油、水、蒸気、電圧をかけることで粘度が変化する電気粘性流体などが挙げられる。
【0016】
なお流体バネ室の主な役割は、本来は、道の凹凸に応じて発生する車体の振動を少なくし、また、第一シリンダー(0101)が衝撃を吸収してピストン位置が上方又は、下方に変動した後に、通常位置に復帰させるための力を第一シリンダーに与える役割を果たす。また、流体を満たすことによってデコボコ道などでも車体を平行に保ち、乗り心地を良くしたり、運転を安全に保つことにある。しかし、以下で説明する流体圧力調節部と連動させることにより、簡単に車高調節機能を付加することが出来る。また、従来ある構造を利用しているので、その車高調節機能の付加も容易である。
【0017】
「流体圧力調節部」とは、流体バネ室の流体圧力を変化させるための機能を有している。図中の例では図示していないが、流体バネ室の弁(0104)から伸びるホースと繋がれている。
【0018】
そして流体圧力調節部は、一例として以下の構成により流体バネ室の流体圧力を変化させる。その構成とは、流体タンクと、前記流体タンクを所定圧に保つためのコンプレッサーと、前記流体タンクと前記流体バネ室とをつなぐことにより前記流体バネ室の流体圧力を調節するための流体スイッチ(アップダウンスイッチ)と、からなる構成である。
【0019】
図2に示すのは、上記構成の具体的な実施例を表す図である。自動二輪車の運転者は、車高を変えたい場合流体スイッチであるアップダウンスイッチ(0201)を押す。すると、コンプレッサー(0203)により所定圧に保たれた流体タンクであるエアタンク(0204)と流体バネ室(フロント及びリアシリンダー0205内部にある)とを繋いでいたエアーホース(0206)が接続され、流体バネ室の圧力もその所定圧に変化する。なお、アップダウンスイッチは、前輪と後輪のエアシリンダーを同時に同じ圧力に変化させる構成でも良いし、前輪と後輪のエアシリンダーの圧力を別々に変化させる構成でも良い。
【0020】
さらに、コンプレッサーにより保たれる流体の所定圧とは、空気圧メーター(0202)を見て運転者が空気圧を指定してもよい。エアスイッチにより前後の流体バネ室の圧力は、コンピュータ制御などによって車高や路面状況を感知し、予め設定された空気圧が指定されても良い。また、ガソリンタンクのガソリン量が減ることで車体の前後に加えられる重さが変化するが、ガソリンの変化を検知してコンピュータ制御により流体バネ室の圧力を変化させるようにしても良い。
【0021】
ここで、空気圧を高くすると、図1に示す流体バネ室(0103)内の空気圧も高くなり空気の体積が大きくなる。するとその体積の増加分だけ第一シリンダーが上方に上がり車高も上がる。逆に空気圧を低くすると流体バネ室内の空気の小さくなり、車高が低くなる。なお、バッテリー(0207)は、コンプレッサー(0203)を動かしてエアタンク(0204)の内圧を所定の圧力に保つのに役立つ。リレー(0208)は、エアタンク(0204)の内圧を監視しており、内圧が所定の圧力以下になるとコンプレッサー(0203)を動かして目的圧力になるまでエアタンク内の圧力を高めてゆく。
【0022】
このように、本実施形態の車高調節用車輪支持装置では、流体圧力調節部により簡単に車高の調節が出来ることとなる。それにより、上記概念で記載した効果のほかに以下のような効果も考えられる。例えば、バイクで2人乗りした場合、バイク後部が下がってしまうため、ヘッドライトの光軸が上を向いてしまうことがある。すると暗闇などでは対向車が相対距離を見誤り重大な事故を引き起こす可能性もある。しかし、本実施形態の車高調節用車輪支持装置を使えば、瞬時にリアシリンダーの流体バネ室の流体圧力を圧縮し、光軸を正しく修正することが出来る。
【0023】
また、乗下車時に手元の操作で車高を下げることにより、女性や高齢者の自動二輪車の乗り降りを楽にすることが出来る。
【0024】
なお図1では、「車輪支持装置」としてエアサスペンションを示してあるが、それに限定されないものとする。例えば、エアサスペンションの他に、車高を調節するための機能を備えた独自の車輪支持装置がさらに車輪に設置されていることもありうる。
【0025】
図3に示すのは、本実施形態の車高調節用車輪支持装置を備えた自動二輪車の一例を表す概略図である。この図にあるように、エアシリンダー(0304)(0305)内部の流体バネ室(図示せず)と、エアタンク(0301)及びコンプレッサー(0302)をエアーホース(0306)でつなぎ、そしてハンドルの傍に設置されたアップダウンスイッチ(0303)で、車高を調節することが出来る。
【0026】
また、上記のように、車輪支持装置がエアシリンダーのエアサスペンション以外に独自機構である自動二輪車であってもよい。その場合、その自動二輪車の構成の一例としては、車輪支持装置の長さを調節するための長さ調節部と、前記長さ調節部により長さを変えることができる車輪支持装置とを有し、前記長さ調節部は、運転者が走行中に操作可能な位置に配置されている。
【0027】
このような独自機構でも運転者が走行中に操作可能な位置に長さ調節部が配置されているので、エアサスペンションを利用した車高調節装置と同様に、簡単に走行中でも自動二輪車の車高を調節することが出来る。
【0028】
即ち、車輪支持装置の長さを調節するための長さ調節部と、前記長さ調節部により長さを変えることができる車輪支持装置と、を有し、前記長さ調節部は、運転者が走行中に操作可能な位置に配置されている自動二輪車とすることで運転者が運転中でも容易に自動二輪車の車高調整をすることができる。運転者が走行中に操作可能な位置とは、ハンドル位置、ガソリンタンク位置、ハンドル軸受け位置などである。
【0029】
【発明の効果】
本発明の車高調節用車輪支持装置により、簡単に、また路面状況に合わせて随時車高の調節を行うことが出来る。また、2人乗りをした場合などにずれてしまう光軸を瞬時に直し事故を未然に防いだり、乗下車時に車高を下げ女性や高齢者の乗降を楽にしたりすることも出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1における車高調節用車輪支持装置の構成の好適な一例を表した概略図
【図2】実施形態1における流体圧力調節部の構成の具体的な実施例を表す図
【図3】実施形態1の車高調節用車輪支持装置を備えた自動二輪車の一例を表す概略図
【符号の説明】
0100 車高調節用車輪支持装置
0101 第一シリンダー
0102 第二シリンダー
0103 流体バネ室
0104 流体バネ室の弁
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動二輪車の車高を調節する車輪支持装置、及びその装置を用いた自動二輪車に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動二輪車を含む自動車の、車高の調整が可能な車高調整装置に関する従来技術としては、エアサスペンションにおける車高調整装置がある(特許文献1参照)。この発明では、自動車のエアサスペンションにおいて、シリンダーとピストンとにそれぞれ設置された上部及び下部のバネ受部の間隔を調節しバネ長を調節することでエアサスペンションの長さを変化させ、車高の調節を行うものである。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−234326号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記従来の技術では、バネ受部が雌雄の螺条によってシリンダー及びピストンに設置され、バネ受部を回転させることでその間隔の調節が行われる。従って、車高を調節する際には、一旦車から降りたり、車輪の傍にしゃがみこんだりなどして直接車高調節のための作業を行わなければならないという課題がある。また走行中に路面状況に合わせて随時車高の調節ができないという課題もある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は、第一シリンダーと、第二シリンダーとを有する二重シリンダーショックアブソーバーを有する車輪支持装置であって、前記第一シリンダーと前記第二シリンダーとにより構成され流体で満たされた流体バネ室と、前記流体バネ室の流体圧力を変化させるための流体圧力調節部と、を有する車高調節用車輪支持装置を提供する。
【0006】
この流体圧力調節部がコンプレッサーや、コンプレッサーなどにより所定圧力に保たれるエアのタンクなどを利用して流体バネ室の圧力を変化させることで二重シリンダーの長さを調節し、簡単に車高を調整することが可能となる。そしてこの圧力の調節は、単純なエアコックなどのスイッチや、場合によりコンピュータ制御などを行うことで外部から簡単に操作することができる。従って、運転中に手元の操作で簡単に車高調節作業を行ウことができる。したがって、また路面状況に応じて随時車高の調整を行うことも可能になる。
【発明の実施の形態】
図1から図3を用いて、本発明の実施の形態について説明する。ただし、本発明は、以下の実施の形態によって何ら制限されるものではない。
【0007】
<実施形態1>
【0008】
(実施形態1の概念)
【0009】
バイクの免許は持っているがまだバイクを購入していないAさんは、友人のBさんにバイクを借りることにした。ところが、体格の全く違うBさんのバイクの車高は高すぎてAさんには合わない。本来ならば車輪の傍で面倒な作業を行わなければ、バイクの車高を調節することはできないが、Bさんのバイクには本実施形態の車高調節用車輪支持装置がついていた。そこでAさんは、スピードメーターの横にある車高調節用スイッチを押し、車輪支持装置の流体バネ圧力を変化させることで簡単にバイクの車高を下げ、自分に合った高さにすることができた。
【0010】
そしてAさんがそのバイクでツーリングを楽しんでいると、途中で舗装されていないデコボコ道に入りこんでしまった。このバイクは車高を下げてあるので、このまま走行するとバイクの下部に傷などがついてしまう恐れがある。そこで、Aさんは先ほどと同様にスピードメーターの横にある車高調節用スイッチを押して車高を高くすることで、バイクを止めることなくなんなくデコボコ道を乗り切ることができた。
【0011】
このように、本実施形態の車高調節用車輪支持装置を利用することで、バイクを降りたりすること無く、簡単に、また路面状況に合わせて随時車高を調節することが可能となる。
【0012】
(実施形態1の構成)
【0013】
図1に示すのは、本実施形態における車高調節用車輪支持装置の構成の好適な一例を表した概略図である。この図にあるように、本実施形態の車高調節用車輪支持装置(0100)は、第一シリンダー(0101)と、第二シリンダー(0102)とを有する二重シリンダーショックアブソーバーを有する。そして、前記第一シリンダーと、前記第二シリンダーとにより構成され、流体で満たされている流体バネ室(0103)と、前記流体バネ室の流体圧力を変化させるための流体圧力調節部(図示せず)と、を有する。
【0014】
「二重シリンダー」とは、内筒である第一シリンダー(0101)と、外筒である第二シリンダー(0102)で構成される二重菅構造のシリンダーである。第一シリンダーの内部には第二シリンダーにより固定されたピストン(0104)が備えられており、ピストン穴(0105)を介して第一シリンダー内の流体をピストン弁(0106)の上部(0107)から下部(0108)、又は、下部(0108)から上部(0107)に流すことで車体が受ける衝撃を吸収する役割を果たす。いわゆるショックアブソーバーとしての機能を果たすものである。
【0015】
「流体バネ室」(0103)とは、上記のような第一シリンダーと第二シリンダーの二重菅構造の内部に構成される空間である。そして、その空間に流体が満たされている。「流体」とは、液体又は/及び気体をいう。流体バネ室の流体体積は、流体バネ室外からの圧力を受けてその体積を変化させる。その一例として、空気や油、水、蒸気、電圧をかけることで粘度が変化する電気粘性流体などが挙げられる。
【0016】
なお流体バネ室の主な役割は、本来は、道の凹凸に応じて発生する車体の振動を少なくし、また、第一シリンダー(0101)が衝撃を吸収してピストン位置が上方又は、下方に変動した後に、通常位置に復帰させるための力を第一シリンダーに与える役割を果たす。また、流体を満たすことによってデコボコ道などでも車体を平行に保ち、乗り心地を良くしたり、運転を安全に保つことにある。しかし、以下で説明する流体圧力調節部と連動させることにより、簡単に車高調節機能を付加することが出来る。また、従来ある構造を利用しているので、その車高調節機能の付加も容易である。
【0017】
「流体圧力調節部」とは、流体バネ室の流体圧力を変化させるための機能を有している。図中の例では図示していないが、流体バネ室の弁(0104)から伸びるホースと繋がれている。
【0018】
そして流体圧力調節部は、一例として以下の構成により流体バネ室の流体圧力を変化させる。その構成とは、流体タンクと、前記流体タンクを所定圧に保つためのコンプレッサーと、前記流体タンクと前記流体バネ室とをつなぐことにより前記流体バネ室の流体圧力を調節するための流体スイッチ(アップダウンスイッチ)と、からなる構成である。
【0019】
図2に示すのは、上記構成の具体的な実施例を表す図である。自動二輪車の運転者は、車高を変えたい場合流体スイッチであるアップダウンスイッチ(0201)を押す。すると、コンプレッサー(0203)により所定圧に保たれた流体タンクであるエアタンク(0204)と流体バネ室(フロント及びリアシリンダー0205内部にある)とを繋いでいたエアーホース(0206)が接続され、流体バネ室の圧力もその所定圧に変化する。なお、アップダウンスイッチは、前輪と後輪のエアシリンダーを同時に同じ圧力に変化させる構成でも良いし、前輪と後輪のエアシリンダーの圧力を別々に変化させる構成でも良い。
【0020】
さらに、コンプレッサーにより保たれる流体の所定圧とは、空気圧メーター(0202)を見て運転者が空気圧を指定してもよい。エアスイッチにより前後の流体バネ室の圧力は、コンピュータ制御などによって車高や路面状況を感知し、予め設定された空気圧が指定されても良い。また、ガソリンタンクのガソリン量が減ることで車体の前後に加えられる重さが変化するが、ガソリンの変化を検知してコンピュータ制御により流体バネ室の圧力を変化させるようにしても良い。
【0021】
ここで、空気圧を高くすると、図1に示す流体バネ室(0103)内の空気圧も高くなり空気の体積が大きくなる。するとその体積の増加分だけ第一シリンダーが上方に上がり車高も上がる。逆に空気圧を低くすると流体バネ室内の空気の小さくなり、車高が低くなる。なお、バッテリー(0207)は、コンプレッサー(0203)を動かしてエアタンク(0204)の内圧を所定の圧力に保つのに役立つ。リレー(0208)は、エアタンク(0204)の内圧を監視しており、内圧が所定の圧力以下になるとコンプレッサー(0203)を動かして目的圧力になるまでエアタンク内の圧力を高めてゆく。
【0022】
このように、本実施形態の車高調節用車輪支持装置では、流体圧力調節部により簡単に車高の調節が出来ることとなる。それにより、上記概念で記載した効果のほかに以下のような効果も考えられる。例えば、バイクで2人乗りした場合、バイク後部が下がってしまうため、ヘッドライトの光軸が上を向いてしまうことがある。すると暗闇などでは対向車が相対距離を見誤り重大な事故を引き起こす可能性もある。しかし、本実施形態の車高調節用車輪支持装置を使えば、瞬時にリアシリンダーの流体バネ室の流体圧力を圧縮し、光軸を正しく修正することが出来る。
【0023】
また、乗下車時に手元の操作で車高を下げることにより、女性や高齢者の自動二輪車の乗り降りを楽にすることが出来る。
【0024】
なお図1では、「車輪支持装置」としてエアサスペンションを示してあるが、それに限定されないものとする。例えば、エアサスペンションの他に、車高を調節するための機能を備えた独自の車輪支持装置がさらに車輪に設置されていることもありうる。
【0025】
図3に示すのは、本実施形態の車高調節用車輪支持装置を備えた自動二輪車の一例を表す概略図である。この図にあるように、エアシリンダー(0304)(0305)内部の流体バネ室(図示せず)と、エアタンク(0301)及びコンプレッサー(0302)をエアーホース(0306)でつなぎ、そしてハンドルの傍に設置されたアップダウンスイッチ(0303)で、車高を調節することが出来る。
【0026】
また、上記のように、車輪支持装置がエアシリンダーのエアサスペンション以外に独自機構である自動二輪車であってもよい。その場合、その自動二輪車の構成の一例としては、車輪支持装置の長さを調節するための長さ調節部と、前記長さ調節部により長さを変えることができる車輪支持装置とを有し、前記長さ調節部は、運転者が走行中に操作可能な位置に配置されている。
【0027】
このような独自機構でも運転者が走行中に操作可能な位置に長さ調節部が配置されているので、エアサスペンションを利用した車高調節装置と同様に、簡単に走行中でも自動二輪車の車高を調節することが出来る。
【0028】
即ち、車輪支持装置の長さを調節するための長さ調節部と、前記長さ調節部により長さを変えることができる車輪支持装置と、を有し、前記長さ調節部は、運転者が走行中に操作可能な位置に配置されている自動二輪車とすることで運転者が運転中でも容易に自動二輪車の車高調整をすることができる。運転者が走行中に操作可能な位置とは、ハンドル位置、ガソリンタンク位置、ハンドル軸受け位置などである。
【0029】
【発明の効果】
本発明の車高調節用車輪支持装置により、簡単に、また路面状況に合わせて随時車高の調節を行うことが出来る。また、2人乗りをした場合などにずれてしまう光軸を瞬時に直し事故を未然に防いだり、乗下車時に車高を下げ女性や高齢者の乗降を楽にしたりすることも出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1における車高調節用車輪支持装置の構成の好適な一例を表した概略図
【図2】実施形態1における流体圧力調節部の構成の具体的な実施例を表す図
【図3】実施形態1の車高調節用車輪支持装置を備えた自動二輪車の一例を表す概略図
【符号の説明】
0100 車高調節用車輪支持装置
0101 第一シリンダー
0102 第二シリンダー
0103 流体バネ室
0104 流体バネ室の弁
Claims (6)
- 第一シリンダーと、第二シリンダーとを有する二重シリンダーショックアブソーバーを有する車輪支持装置であって、
前記第一シリンダーと、前記第二シリンダーとにより構成され、流体で満たされた流体バネ室と、
前記流体バネ室の流体圧力を変化させるための流体圧力調節部と、
を有する車高調節用車輪支持装置。 - 前記流体圧力調節部は、流体タンクと、前記流体タンクを所定圧に保つためのコンプレッサーと、前記流体タンクと前記流体バネ室とをつなぐことにより前記流体バネ室の流体圧力を調節するための流体スイッチと、からなる請求項1に記載の車高調節用車輪支持装置。
- 請求項1に記載の車高調節用車輪支持装置を備えた自動二輪車。
- 請求項2に記載の車高調節用車輪支持装置を備えた自動二輪車。
- 車輪支持装置の長さを調節するための長さ調節部と、
前記長さ調節部により長さを変えることができる車輪支持装置と、
を有し、
前記長さ調節部は、運転者が走行中に操作可能な位置に配置されている自動二輪車。 - ガソリンの残量を検知するガソリン残量検知部を有し、前記流体スイッチは前記ガソリン残量検知部で検知されるガソリン残量に応じて前輪と後輪の前記流体バネ室の流体圧力をそれぞれ調節する請求項4に記載の自動二輪車。
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JP2003011579A JP2004224091A (ja) | 2003-01-20 | 2003-01-20 | 車高調節可能自動二輪車およびその車高調節のための車輪支持装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003011579A JP2004224091A (ja) | 2003-01-20 | 2003-01-20 | 車高調節可能自動二輪車およびその車高調節のための車輪支持装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004224091A true JP2004224091A (ja) | 2004-08-12 |
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ID=32900446
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003011579A Pending JP2004224091A (ja) | 2003-01-20 | 2003-01-20 | 車高調節可能自動二輪車およびその車高調節のための車輪支持装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004224091A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2008038321A1 (en) * | 2006-09-26 | 2008-04-03 | Tenneco Marzocchi Srl | Adjustable-height shock absorber provided with automatic or semiautomatic electrohydraulic actuator. |
JP2008095824A (ja) * | 2006-10-12 | 2008-04-24 | Kayaba Ind Co Ltd | エアサスペンション |
WO2013066159A1 (en) | 2011-11-06 | 2013-05-10 | Tractive Suspension B.V. | Adjustable telescopic fork for a motorcycle with built in electric motor externally adjustable fork tube assembly, suspension system and motorcycle comprising the same |
CN103543042A (zh) * | 2013-11-06 | 2014-01-29 | 中煤科工集团重庆研究院有限公司 | 矿用本安探测机器人伸降式气体采样装置 |
WO2018228823A1 (de) * | 2017-06-14 | 2018-12-20 | Thyssenkrupp Bilstein Gmbh | Schwingungsdämpfer, radseitige anbindung eines schwingungsdämpfers und ein verfahren zum hubbewegen eines fahrzeugchassis |
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2003
- 2003-01-20 JP JP2003011579A patent/JP2004224091A/ja active Pending
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Legal Events
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20051201 |
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Effective date: 20081030 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 |
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20090312 |