JP2004223648A - チップブレーカー付き硬質焼結体切削工具およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】特殊に調整されたレーザー加工機によりダイヤモンドおよび/または立方晶窒化硼素焼結体の表面に複雑な三次元形状のチップブレーカーを構成し、遊離砥粒研磨法により表面の熱影響層を除去することにより、切り屑排出性の優れた長寿名の切削工具が得られる。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
この発明はダイヤモンドおよび/または立方晶窒化硼素を含有し、優れた切り屑処理性を有する硬質焼結体切削工具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】
特開平4−217404号公報
【特許文献2】
特開平3−178736号公報
【0003】
微細なダイヤモンド粉末を焼結したダイヤモンド焼結体切削工具は、非鉄金属材料、特にアルミニウム合金などの加工において、その優れた耐摩耗性と高い強度のために、広く用いられている。また、微細な立方晶窒化硼素粉末を種々の結合材を用いて焼結した素材を刃先とする、立方晶窒化硼素焼結体切削工具は、高硬度の鉄族金属や鋳鉄の切削に対して優れた性能を示す。
【0004】
一方、近年工作機械の自動化や、生産工程の無人化運転に伴い、これら切削工具の長寿命化に加え、切り屑処理性の向上も、加工機械の連続運転に必要不可欠な項目となっている。ところが、従来用いられてきたこれらダイヤモンドおよび/または立方晶窒化硼素焼結体切削工具は、図2に示される形状の切削工具のように、切り屑の分断を目的として、工具すくい面表面に凹凸の突起を形成した、いわゆるチップブレーカーが付加されたものはほとんどみられなかった。このため、これら工具を使用した場合、工作機械の自動運転中に、切り屑の巻き込みによる、被削材及び工具の着脱異常や、被削面の悪化などが生じ、場合によっては自動運転が不可能となり、生産性の向上を阻害する一因となっていた。
【0005】
【特許文献1】には、硬質焼結体切削工具のすくい面表面に、放電加工や研摩加工により、チップブレーカーを形成することが示されている。この例においては、放電加工あるいは研摩加工により形成された、1条あるいは複数の溝状のブレーカーが、切り屑を渦巻き状にカールさせることにより、切り屑処理を可能としている。しかしながら、このような単純な溝状形状によるブレーカー付き硬質焼結体切削工具では、特定の切削条件下においては切り屑処理の効果が発揮されるものの、切削条件が異なる場合や、あるいは複雑形状の被削材表面の倣い加工などといった、広い範囲の加工条件には対応できないという問題があった。
【0006】
さらに、
【特許文献2】には、レーザー加工、放電加工、あるいは超音波加工により、硬質焼結体表面にチップブレーカーを形成する方法が示されている。ここでは、このような加工方法を用いることにより、硬質焼結体チップ表面に、様々なチップブレーカーパターンを形成することが実現できることが示されている。ところが同文献にも示されているように、レーザー加工を用いて硬質焼結体表面にブレーカーを形成する場合、レーザー加工が行われた後には、切れ刃部分に大きな欠けが発生する。このため、この切れ刃部分の欠けを除去するために、オーバーハングした状態でレーザーを照射させてブレーカーを形成した後、切削ブランク部を減ずることが必要であることが示されている。このように、切れ刃部分に大きな欠けが生ずるほど、十分なレーザー出力を使用しなければ、ダイヤモンドおよび/または立方晶窒化硼素焼結体を含む硬質焼結体表面は加工できないために、たとえ切れ刃の欠落部分を研摩等の方法により減ずることができたとしても、工具すくい面にはレーザー加工に伴う大きな表面の荒れや加工損傷が残されており、これが原因で、工具すくい面での溶着の発生や、工具欠損など、性能面で問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
以上のような従来技術の課題に鑑み、本発明は、ダイヤモンドおよび/または立方晶窒化硼素を20容量%以上含有する硬質焼結体切削工具において、レーザーを用いた少なくとも1加工工程を経ることにより、凸状、または凸と凹の組み合わせの形状で形成された工具すくい面を得た後、レーザー加工を行った該工具すくい面を、遊離研摩砥粒を用いた研摩方法により研摩を行って得られた工具すくい面を有することにより、切り屑処理性に優れ、長寿命なチップブレーカー付き硬質焼結体切削工具を得ようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明による、チップブレーカー付き硬質焼結体切削工具は、ダイヤモンドおよび/または立方晶窒化硼素を20容量%以上含有する硬質焼結体切削工具において、レーザーを用いた少なくとも1加工工程を経ることにより、凸状、または凸と凹の組み合わせの形状で形成された工具すくい面を得た後、レーザー加工を行なった該工具すくい面を、遊離研摩砥粒を用いた研摩方法により研摩を行って得られた工具すくい面を有することを特徴とする。このような構成とすることにより、切削条件が異なる場合や、あるいは複雑形状の被削材表面の倣い加工などといった場合においても、広い範囲で切り屑処理性を発揮することが可能となるなど切り屑処理性に優れ、加えて工具すくい面における加工損傷が少ないために、工具欠損や溶着の少ない長寿命なチップブレーカー付き硬質焼結体切削工具が得られる。
【0009】
本発明の別の態様では、工具すくい面の面粗さが、Rz:1〜15μmの範囲内にすることができる。工具すくい面の面粗さが、このような面粗さの範囲内であるとき、工具すくい面上を流れる切り屑がスムーズに排出されるため、切り屑処理性が改善されより好ましい。
【0010】
また本発明の別の態様では、工具切れ刃刃先部分に、砥石により研摩されたランド面またはネガランド面とを有することができる。このような構成とすることにより、切れ刃の欠け防止と、刃先における溶着が防止されるために、より好ましい。
【0011】
更に本発明の別の態様では、前記立方晶窒化硼素を20容量%以上含有する硬質焼結体切削工具の表面に、周期律表の4a、5a、6a族元素及び、Al、Si、Bの元素からなる群から選択される少なくとも1種の元素または該群から選択される少なくとも1種の金属の窒化物、炭化物、酸化物及びこれらの固溶体の中から選択される少なくとも1種の化合物からなる被覆層を形成することができる。このような構成とすることにより、工具の耐摩耗性が向上するとともに、工具表面における面粗さが小さくなるために、工具寿命と、切り屑排出性が改善されるためより好ましい。
【0012】
また、本発明によるチップブレーカー付き硬質焼結体切削工具の製造方法は、ダイヤモンドおよび/または立方晶窒化硼素を20容量%以上含有する硬質焼結体を切削工具材料として用い、a)レーザーを用いて工具すくい面を形成する工程と、b)遊離研摩砥粒を用いた研摩方法により該レーザーにより加工された工具すくい面を研摩する工程を、含むことを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明で用いられるチップブレーカー付き硬質焼結体切削工具の例を、図1に示す。硬質焼結体3は、超硬合金基体4と一体化された2層構造をなし、これが超硬合金製の工具母材7の角部にろうづけされて切削工具となる。本発明は、超硬合金基体4を用いない切削工具にも当然ながら用いることができる。
【0014】
切削工具は、例えば取り付け穴等を用いてホルダーに装着される、いわゆるスローアウェイチップや、後述する実施例4で用いるホルダーに直接ろうづけされたバイトなどがある。本発明は、これら切削工具の切削性能に関与する最も重要な部分である切刃近傍の構造に関するものである。
【0015】
本発明者は切り屑処理性に優れ、かつ長寿命なチップブレーカー付き硬質焼結体切削工具の研究を鋭意行ってきた。その結果、レーザーを用いた少なくとも1加工工程を経ることにより、凸状、または凸と凹の組み合わせの形状で形成された工具すくい面を得た後、レーザー加工を行なった該工具すくい面を、遊離研摩砥粒を用いた研摩方法により研摩を行って工具すくい面を得ることにより、切り屑処理性に優れ、かつ長寿命なチップブレーカー付き硬質焼結体切削工具が得られることを見出した。
【0016】
まず、良好な切り屑処理性とは、a)広い切削条件に対応できる、b)多様な工具行路に対応できる、などの点が挙げられる。そして、レーザー加工により工具すくい面上に凸状、または凸と凹の組み合わせによる突起を形成させることにより、大幅に切り屑処理性が向上することを見出した。
【0017】
従来のダイヤモンドおよび/または立方晶窒化硼素を含む硬質焼結体切削工具では、その加工の困難さや経済性の理由から、図3に示す1条または複数の直線的な溝状ブレーカーを砥石により、すくい面上に形成することのみが、現実的にチップブレーカーを形成する唯一の手段であった。このため、前記切り屑処理性に優れるブレーカーの形成が困難であった。しかしながら、レーザー加工、特にそのエネルギーの吸収特性から、YAGレーザーを用い、これをダイヤモンドおよび/または立方晶窒化硼素を含む硬質焼結体を含む加工に適用した場合、加工能率よく任意の形状のブレーカーが形成されることを見出した。そして、ブレーカー形状として、凸状、または凸と凹の組み合わせによる3次元形状の突起を形成させることにより、大幅に切り屑処理の対応力が向上することを見出した。
【0018】
ところが、このように3次元形状のブレーカーが形成されたダイヤモンドおよび/または立方晶窒化硼素を含む硬質焼結体切削工具も、実際に切削加工に供した場合、切り屑処理の対応力には優れるものの、比較的切削初期の段階で刃先が欠損したり、工具すくい面の溶着により、切り屑処理が困難となるなどの問題があった。
【0019】
この問題を鋭意調査した結果、レーザー加工後のすくい面に残された、加工損傷に起因していることが見出された。このすくい面上の加工損傷層中には微細なキレツが多数含まれているが、これはダイヤモンドおよび/または立方晶窒化硼素を含む硬質焼結体上で、局所的に1000度以上に達するレーザーによる加熱域と、その周辺との間で起こる、熱的な落差による熱キレツが原因であることが見出された。そして切削初期における工具刃先の欠損は、これらすくい面上に潜在している微細キレツが破壊の基点となっていることが見出された。また、工具すくい面における溶着の発生は、レーザー加工により形成された加工損傷層表面おける面粗さの悪化、およびダイヤモンドのグラファイトへの変換、または立方晶窒化硼素の六方晶への変換などにより、すくい面上での切り屑との摩擦係数が大きくなることによるためであることが見出された。
【0020】
そして、凸状、または凸と凹の組み合わせによる3次元形状を持つ工具すくい面上に、遊離砥粒を用いた研摩を行うことにより、前記工具すくい面の3次元形状に倣った形状で研摩が行えることになり、工具すくい面全面にわたり加工損傷層を減少させることが可能となることを見出した。砥粒材質としては、アルミナや炭化ケイ素、あるはジルコニアなどを主成分とするセラミック粒子なども考えられるが、これらは加工損傷層を除去する能力が小さいため、比較的大きな粒子径の砥粒が必要となる。このような砥粒を用い研摩加工を行なった場合、工具すくい面における除去能力は優れるものの、鋭利な切れ刃刃先に大きな欠けが生じるなどの問題が発生しやすい。これに対して、ダイヤモンド砥粒は、硬度が高く、除去能力に優れるため、大きな粒度の砥粒を使うことなく、工具すくい面における加工損傷層の減少、または除去が行なえる。特に#1500〜#3000の大きさからなる、ダイヤモンド砥粒を用いた場合、工具刃先に欠けを発生することなく、工具すくい面の加工損傷層の減少、または除去が行なえるために好ましい。
【0021】
なお遊離砥粒は、圧縮空気などによる噴射加工、あるいは例えばナイロンやアラミドなどといった樹脂、および動植物の毛材などを原料とするブラシ、および潤滑作用のための油などとともに、回転または揺動による研摩加工、などの方法を用いることにより、工具すくい面の3次元形状に倣った加工が可能となる。一方、前記ブラシ素材に前記ダイヤモンドなどの砥粒が埋め込まれたブラシを用いることにより、工具すくい面の3次元形状に倣って加工を行うことが可能であれば、本発明の目的を達成することも可能である。
【0022】
一方、遊離砥粒を用いた研摩を行った後のすくい面の面粗さが、Rz:15μm以下である場合、すくい面における溶着の発生が少なくなり、より切り屑がスムーズに排出されるため、より好ましい。逆に、すくい面の面粗さがRz:1μm未満となった場合、加工条件によっては、切り屑が工具すくい面上を滑ることにより、ブレーカー効果が低下して、切り屑が伸びることとなり好ましくない。このため、遊離研摩砥粒を用いて研摩を行った後の、好ましいすくい面の面粗さは、Rz:1〜15μmの範囲内である。
【0023】
さらに、立方晶窒化硼素焼結体切削工具を用い高硬度焼入れ材を加工する場合や、ダイヤモンド焼結体切削工具を用いアルミ合金の断続加工を行う場合など、工具切れ刃刃先に過酷な負荷が加わり、工具欠損が発生しやすい加工条件において、工具切れ刃刃先に、砥石により研摩されたランド面またはネガランド面が形成されている場合、刃先が欠損することなく著しく工具寿命が向上することが見出された。刃先にランド面あるいはネガランド面を形成する方法としては、前記レーザー加工により工具すくい面とともに、該ランド面あるいは該ネガランド面を形成することが考えられる。しかしながら、前記遊離研摩砥粒を用いた研摩加工により、レーザー加工損傷層を除去、あるいは減ずる加工を行っても、砥石による研摩加工による加工損傷層に比較して、大きな加工損傷層や、大きなキレツが残留しており、前記過酷な加工条件下においては、場合によって、工具刃先が欠損することがあった。このため、該ランド面あるいは該ネガランド面は、砥石により研摩されることが好ましい。また、このような刃先部分に砥石によりランド面、あるいはネガランド面を得る方法としては、前記レーザー加工を行った後に、工具刃先部分に砥石によりランド面あるいはネガランド面を得るか、あるいは予め砥石によりランド面あるいはネガランド面を形成した後、ランド面あるいはネガランド面にマスキングを施すなどレーザーの照射を防ぐ手段を行った後、レーザー加工を行うなど、いずれの手順で実施されても構わない。
【0024】
ここで、該ランド面または該ネガランド面の幅が、0.01mm未満の場合、前記過酷な切削条件下における、刃先の強度向上の効果が現われず、比較的切削初期にて工具刃先に欠けが発生しやすくなる。また、研摩された該ランド面または該ネガランド面の幅が0.5mmを超える場合、切削抵抗が増大し、被削材の寸法精度に悪影響を及ぼす。このため、砥石により研摩された該ランドまたは該ネガランド面の幅は、0.01〜0.5mmの範囲内であることが好ましい。
【0025】
加えて、該ランド面または該ネガランド面の面粗さがRz:1.0μm以下の場合、刃先における溶着発生がより低減されるため、加工後の被削材の仕上げ面粗さや寸法精度がより向上されるために好適である。また、該ランド面または該ネガランド面の面粗さをRz:0.1μm未満にしようとした場合、多大の労力が必要となるため、経済性の点で問題となる。このため、該ランド面または該ネガランド面の面粗さはRz:0.1〜1.0μmの範囲内にあることが好ましい。
【0026】
さらに、前記立方晶窒化硼素を20容量%以上含有する硬質焼結体切削工具の表面に周期律表の4a、5a、6a族元素及び、Al、Si、Bの元素からなる群から選択される少なくとも1種の元素または該群から選択される少なくとも1種の金属の窒化物、炭化物、酸化物及びこれらの固溶体の中から選択される少なくとも1種の化合物からなる被覆層を形成することにより、切削工具としての耐摩耗性が著しく向上するとともに、工具すくい面における表面の面粗さが小さくなるために、工具寿命の延長と、切り屑排出性が改善されるためより好ましい。
【0027】
【実施例】
本発明に係わる切削工具の実施例を、以下に説明する。
【0028】
【実施例1】
ダイヤモンドおよび/または立方晶窒化硼素を20容量%以上含有する硬質焼結体切削工具において、工具すくい面に形成されたチップブレーカーの作製方法やその形状が、切削加工時における切り屑処理性や、工具寿命に及ぼす影響を調べた。
【0029】
準備された種々の立方晶窒化硼素硬質焼結体スローアウェイチップの例を表1に示す。表1に示すスローアウェイチップは、0.5〜1μmの平均粒子径を有する立方晶窒化硼素を50容量%含有する多結晶硬質焼結体を、図1に示すようにコーナー部にろうづけし、その後、#1,000ダイヤモンド砥石により刃付け研摩を行った。
【0030】
この後、ガルバノメータミラーにより集光性を高めた高出力パルスYAGレーザーを用い、出力33W、発信周波数18kHZ、加工ピッチ18μmの条件にて、等高線状に一定の加工量で彫り進むことにより、工具すくい面上面に3次元形状の凹凸形状を有するチップブレーカー形状(図1−2)を形成した。こうして製作したスローアウェイチップが、表1中の1−Aである。なお、この時レーザー加工により発生した加工損傷の深さは約5μm、加工面の面粗さはRz:16.2μmであった。
【0031】
この後、5〜8μmの粒子径(#2,000相当)のダイヤモンド遊離砥粒を、圧縮空気により工具すくい面に噴射することにより、前記レーザー加工において発生した加工損傷層を減ずるまたは除去すべく、研摩加工を実施した。こうして得られたスローアウェイチップが、表1中の1−Bである。なお、試料1−Bの刃先切れ刃には欠けやチッピングは観察されなかった。
【0032】
また、これら試料と比較するために、前記刃付け研摩のみを行い、チップブレーカーを有しないスローアウェイチップ1−Cと、前記刃付け加工の後、断面曲率半径が5mmである一条の溝状チップブレーカーを、砥石による研摩加工により立方晶窒化硼素焼結体の工具すくい面に形成したスローアウェイチップ1−Dを、比較評価のため作製した。
【0033】
これらの立方晶窒化硼素硬質焼結体スローアウェイチップの、切り屑処理性と工具寿命を評価するために、下記の切削条件で性能評価を実施した。
被削材:円柱形状の浸炭焼入材(SCM415)
直径30mm×長さ50(mm)の外径および端面切削
被削材硬度:HRC60
被削材の周表面速度:100(m/min)
工具の切り込み深さ:0.1(mm)
工具の送り速さ:0.08(mm/rev)
加工数:30ヶ
加工方法:被削材の自動給品による連続加工
【0034】
【表1】
【0035】
工具すくい面にブレーカーを有しない試料1Cは切り屑が分断されないために、これら切り屑が被削材にからみつき、被削材交換時の自動機による着脱が異常となり、継続評価が不能となった。また、砥石により一条の凹状チップブレーカーがすくい面に形成されている試料1Dは、外径部位の加工においては、切り屑が分断されるものの、端面部位の加工において、切り屑が分断されされないために、試料1Cと同様、切り屑が被削材にからみつき、被削材交換時の自動機による着脱が異常となり、継続評価が不能となった。
【0036】
一方、レーザー加工にて工具すくい面上に、3次元形状のブレーカーが形成された試料1Aは、切り屑処理性に優れるために、自動機による被削材の交換が問題なく行えたものの、被削材3ヶ目加工時に、工具刃先に欠損が発生した。これは、レーザー加工時に発生した加工損傷層中の亀裂が工具表面に残存していたために、これが起点となって工具刃先の欠けが発生したためと考えられる。
【0037】
これに対して、本願特許請求範囲内である試料1−Bは、安定した加工が可能であった。
【0038】
【実施例2】
ダイヤモンドを含有する多結晶焼結体工具の工具すくい面の面粗さが、被削材の切り屑処理性に及ぼす影響を調べた。試験を行ったダイヤモンド焼結体スローアウェイチップの例を表2に示す。表2におけるスローアウェイチップは、0.5〜2μmの平均粒子径を有するダイヤモンドを88容量%含有する多結晶硬質焼結体を、図1に示すように工具母材のコーナー部にろうづけし、その後、#1,500ダイヤモンド砥石により刃付け研摩を行った。
【0039】
この後、ガルバノメータミラーにより集光性を高めた高出力パルスYAGレーザーを用い、出力41W、発信周波数16kHZ、加工ピッチ10μmの条件にて、等高線状に一定の加工量で彫り進むことにより、工具すくい面上面に3次元形状の凹凸形状を有するチップブレーカー形状を形成した。この後、回転運動を行うアラミド製ブラシ表面に、8〜16μmの粒子径(#1,500相当)のダイヤモンド遊離砥粒を塗布し、これをスローアウェイチップすくい面から押し当てることにより、工具すくい面の研摩加工を行った。この時、加工時間を変えることにより、工具すくい面における面粗さを種々変化させて試料の作製を行った。その後、スローアウェイチップ工具すくい面の平坦部分を、触針式粗さ測定器により測定を行った後、下記の切削条件にて切り屑処理性の評価を実施した。
【0040】
なお、表2中で用いた切り屑の種類の分類は、切り屑処理性の評価法(精密機械学会、切削専門委員会編「切りくず形状の分類法」)において、示される主分類である。
被削材:円柱形状のアルミニウム合金(ADC12)
直径100mm×長さ200(mm)の外径切削
被削材の周表面速度:600(m/min)
工具の切り込み深さ:0.5(mm)
工具の送り速さ:0.12(mm/rev)
加工時間:5分
【0041】
【表2】
【0042】
この結果、すくい面表面粗さがやや粗い試料2Eは、短冊状の小さな切り屑を排出したが、これは工具すくい面において、切り屑がやや詰まり気味に排出されるためであると考えられる。
【0043】
一方、すくい面表面粗さのやや小さい試料2Aは、形が不規則に変動する不連続切り屑を排出した。これは、工具すくい面上を切り屑が滑ることにより、チップブレーカー効果がやや低下したためであると考えられる。
【0044】
これに対して、試料2B〜2Dは、1/2〜10巻き程度に折れた切り屑を排出し、最も優れた切り屑処理性を発揮した。
これら結果より、工具すくい面の面粗さが、Rz:1〜15μmの範囲内にある時、非常に良好な切り屑処理性を得られることが、明らかとなった。
【0045】
【実施例3】
ダイヤモンドおよび/または立方晶窒化硼素を20容量%以上含有する硬質焼結体切削工具のすくい面に、レーザー加工によりチップブレーカーが形成されて成る工具において、砥石により研摩されたランド面またはネガランド面の幅が、切削加工時における切り屑処理性や、工具性能に及ぼす影響を調べた。
【0046】
試験に用いた立方晶窒化硼素硬質焼結体スローアウェイチップを表3に示す。表3におけるスローアウェイチップは、3〜5μmの平均粒子径を有する立方晶窒化硼素を82容量%含有する多結晶硬質焼結体を、図1に示すようにコーナー部にろうづけし、その後、#600ダイヤモンド砥石により刃付け研摩を行った。
【0047】
この後、ガルバノメータミラーにより集光性を高めた高出力パルスYAGレーザーを用い、出力20W、発信周波数20kHZ、加工ピッチ10μmの条件にて、等高線状に一定の加工量で彫り進むことにより、工具すくい面上面に3次元形状の凹凸形状を有するチップブレーカー形状を形成した。さらに、揺動運動を行うナイロン製ブラシ表面に、8〜16μmの粒子径(#1,500相当)のダイヤモンド遊離砥粒を塗布し、これをスローアウェイチップすくい面から押し当てることにより、工具すくい面の研摩加工を行った。
【0048】
その後、#800のダイヤモンド砥石により工具刃先に表3に示す幅のネガランドを形成したサンプル3−B、3−C、3−D、3−Eを作製した。また、これと比較するために、前記すくい面の研摩加工を行なった後、ネガランドを施さない工具サンプル3−Aを作製した。なおネガランド面の角度は、すくい面に対して−25°と負の角度を有するように形成した。
【0049】
これらの立方晶窒化硼素硬質焼結体スローアウェイチップの、切り屑処理性と工具性能を評価するために、下記の切削条件に性能評価を実施した。
被削材:軸方向に6つの溝を有する円柱形状の高周波焼入材
(S45C)
直径50mm×長さ100(mm)の外径切削
被削材硬度:HRC55
被削材の周表面速度:200(m/min)
工具の切り込み深さ:0.5(mm)
工具の送り速さ:0.12(mm/rev)
被削材外径の設計仕上り寸法精度:50mm±0.025mm
【0050】
【表3】
【0051】
この結果、ネガランドを形成していない試料3Aは、被削材寸法精度は最も優れるものの、比較試料の中では最も早期に刃先に欠損が発生した。一方、ネガランド幅が大きい試料3Eは、比較試料の中で最も欠損が発生しにくく、長寿命であるものの、被削材の寸法精度は、比較試料中では最も悪かった。これはネガランド幅が大きいため、切削抵抗が高くなったためと考えられる。
【0052】
これに対して、試料3B、3C、3Dは、安定した被削材直径寸法を得ることが可能であり、かつ刃先に欠損が発生しないため、長寿命を達成することが可能であった。
【0053】
これら結果より、工具刃先に砥石にランド面またはネガランド面を形成する場合、その幅が0.01mm〜0.5mmの範囲内にある時、非常に良好な切削性能を得られることが、明らかとなった。なお、このテストにおいて、切り屑の処理性はいずれの工具も問題なく、良好であった。
【0054】
【実施例4】
ダイヤモンドおよび/または立方晶窒化硼素を20容量%以上含有する硬質焼結体切削工具のすくい面に、レーザー加工によりチップブレーカーが形成されて成る工具において、砥石により研摩されたランド面またはネガランド面の粗さが、切削加工時における切り屑処理性や、工具性能に及ぼす影響を調べた。
【0055】
試験に用いたダイヤモンド焼結体バイトの例を表4に示す。表4におけるスローアウェイチップは、5〜10μmの平均粒子径を有するダイヤモンドを95容量%含有する多結晶硬質焼結体を、図1示すようにコーナー部にろうづけし、その後、#1000ダイヤモンド砥石により刃付け研摩を行った。
【0056】
この後、ガルバノメータミラーにより集光性を高めた高出力パルスYAGレーザーを用い、出力25W、発信周波数15kHZ、加工ピッチ22μmの条件にて、等高線状に一定の加工量で彫り進むことにより、工具すくい面上面に3次元形状の凹凸形状を有するチップブレーカー形状を形成した。さらに、揺動運動を行うナイロン製ブラシ表面に、8〜16μmの粒子径(#1,500相当)のダイヤモンド遊離砥粒を塗布し、これを工具すくい面から押し当てることにより、工具すくい面の研摩加工を行った。
【0057】
その後、#600〜#3000のダイヤモンド砥石を使用して、工具刃先に表4に示す粗さのランドを形成したサンプル4−A、4−B、4−C、4−Dを作製した。また、これと比較するために、前記すくい面の研摩加工を行なった後、ランドを施さない工具サンプル4−Eを作製した。なおランド面の角度は、すくい面に対して同じ、0°の角度を有するように形成された。
【0058】
こうして得られた、ダイヤモンド焼結体工具の、切り屑処理性と工具性能を評価するために、下記の切削条件にて性能評価が実施された。
被削材:円柱形状のアルミ合金(A5052)
直径100mm×長さ400(mm)の外径切削
被削材の周表面速度:800(m/min)
工具の切り込み深さ:0.7(mm)
工具の送り速さ:0.15(mm/rev)
【0059】
【表4】
【0060】
この結果、ネガランドを形成していない試料4Eは、切れ刃部分にややむしれが発生し、比較試料の中では、最も大きい仕上面粗さを示した。一方、ネガランド面粗さの最も小さい試料4Aは、比較試料の中で最も小さい仕上面粗さを示したが、非常に細かい粒子からなる砥石を用いてランド面を加工しているために、これを形成するのに多大の労力が必要となる問題があった。
【0061】
これに対して、試料4B、4C、4Dは、多大の労力を要することなく、優れた仕上面粗さを得ることが可能であった。
これら結果より、工具刃先に砥石にランド面またはネガランド面を形成する場合、その面粗さが0.1μm〜1.0μmの範囲内にある時、多大の労力を費やすことなく、非常に良好な切削性能を得られることが明らかとなった。なお、このテストにおいて、切り屑の処理性はいずれの工具も問題なく良好であった。
【0062】
【実施例5】
化学的蒸着及び物理的蒸着により立方晶窒化硼素晶硬質燒結体の表面に被覆層を形成させた場合の影響を調べた。試験に用いた立方晶窒化硼素を含有する多結晶硬質燒結体スローアウェイチップの例を表11に示す。1〜2μmの平均粒子径を有する立方晶窒化硼素を55容量%含有する硬質焼結体を、スローアウェイチップのコーナー部にロウ付けし、この工具のすくい面に、実施例1と同様の方法により、3次元形状を有するチップブレーカーを形成した。5Aは被覆層なしのチップ、5BはPVD法により厚さ2(μm)のTiNの被覆層を形成したチップ,5CはPVD法により厚さ2(μm)のTiAlNの被覆層を形成したチップ、5CはPVD法により厚さ2(μm)のTiCNの被覆層を形成したチップである。
【0063】
これらの試料について次に示す条件で切削試験を実施した。
【0064】
被削材と切削条件を以下に示す。
被削材:浸炭焼入れ鋼(SCM415)
被削材硬度:HRC58
被削材の周表面速度:150(m/min.)
工具の切り込み深さ:0.1(mm)
工具の送り速さ:0.1(m/min.)
切削長さ:10km
【0065】
【表5】
【0066】
この結果、被覆層のない切削チップよりもPVD法によってコーティングしたチップは、より鋭利な切れ刃を長時間維持できることが明らかとなった。これは、被覆層を持つ切削チップにおいては、切れ刃稜線部の摩耗が小さいためと考えられる。
【0067】
【発明の効果】
ダイヤモンドおよび/または立方晶窒化硼素を20容量%以上含有する硬質焼結体切削工具において、本発明による工具刃先の緒元を適用することにより、優れた切り屑排出特性と長寿命を達成することができ、金属製品の切削加工に好適な切削工具を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1態様を示す切削工具の刃先部分
【図2】従来のダイヤモンドおよび/または立方晶窒化硼素焼結体切削工具の外観図
【図3】従来のチップブレーカー付きダイヤモンドおよび/または立方晶窒化硼素焼結体切削工具の外観図
【記号の説明】
1 工具すくい面
2 チップブレーカー
3 ダイヤモンドおよび/または立方晶窒化硼素焼結体
4 超硬合金基体
5 硬質焼結体複合層
6 ランドまたはネガランド
7 工具母材
8 取り付け穴
9 従来のチップブレーカー
Claims (8)
- ダイヤモンドおよび/または立方晶窒化硼素を20容量%以上含有する硬質焼結体切削工具において、レーザーを用いた少なくとも1加工工程を経ることによる凸状、または凸と凹の組み合わせの形状で形成された工具すくい面を持ち、該工具すくい面のうち、硬質焼結体部分のすくい面の全体が遊離研摩砥粒を用いた研摩による研磨面を有することを特徴とするチップブレーカー付き硬質焼結体切削工具。
- 工具すくい面の面粗さが、Rz:1〜15μmの範囲内にあることを特徴とする請求項1に記載のチップブレーカー付き硬質焼結体切削工具。
- 工具切れ刃刃先部分に、砥石により研摩されたランド面またはネガランド面を有することを特徴とする請求項1、2に記載のチップブレーカー付き硬質焼結体切削工具。
- 砥石により研摩された該ランドまたは該ネガランド面の幅が、0.01〜0.5mmの範囲内であることを特徴とする請求項1〜3に記載のチップブレーカー付き硬質焼結体切削工具。
- 該ランドまたは該ネガランド面の面粗さがRz:0.1〜1.0μmの範囲内にあることを特徴とする請求項1〜4に記載のチップブレーカー付き硬質焼結体切削工具。
- 前記立方晶窒化硼素を20容量%以上含有する硬質焼結体切削工具の表面に周期律表の4a、5a、6a族元素及び、Al、Si、Bの元素からなる群から選択される少なくとも1種の元素または該群から選択される少なくとも1種の元素の窒化物、炭化物、酸化物及びこれらの固溶体の中から選択される少なくとも1種の化合物からなる被覆層が形成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のチップブレーカー付き硬質焼結体切削工具。
- ダイヤモンドおよび/または立方晶窒化硼素を20容量%以上含有する硬質焼結体切削工具において、a)レーザーを用いて工具すくい面を形成する工程と、b)遊離研摩砥粒を用いた研摩方法により該レーザーにより加工された工具すくい面を研摩する工程を、含むことを特徴とするチップブレーカー付き硬質焼結体切削工具の製造方法。
- 該遊離砥粒が、#1500〜#3000の大きさからなる、ダイヤモンド砥粒であることを特徴とする、請求項7に記載のチップブレーカー付き硬質焼結体切削工具の製造方法。
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