JP2004223303A - 耐食性に優れる金属塗装方法 - Google Patents

耐食性に優れる金属塗装方法 Download PDF

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Abstract

【課題】耐食性に優れる塗膜物性の把握し、該塗膜物性を得るのに効果のあるカチオン性塗料組成物を用いた金属塗装方法、及び塗装物品を見出すこと。
【解決手段】被塗物が金属の塗装において、基体樹脂と硬化剤を含有するカチオン性塗料組成物を用いて、該カチオン性塗料組成物の塗膜が、ガラス転移温度(Tg)が60〜95℃で、かつ膜厚20μmの酸素透過性が5×10−13(cc・cm/cm・sec・cmHg)〜5×10−11(cc・cm/cm・sec・cmHg)であることを特徴とする耐食性に優れる金属塗装方法。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車用鋼板などの金属被塗物に塗装して得られる塗膜中に、鉛やクロムなどの有害金属を含まなくても耐食性に優れるカチオン性塗料組成物であって、該カチオン性塗料組成物を用いた金属塗装方法、及び塗装物品に関する。
【0002】
【従来の技術及びその課題】カチオン性塗料組成物は、防食性や塗面平滑性に優れた塗膜を形成することができるため、自動車車体・部品などの防錆塗装などに広く利用されている。しかし、環境への配慮などの面より無鉛化が図られ、カチオン性塗料組成物といえども耐食性が低下する傾向が見られ、この原因は必ずしも判っていなかった。
【0003】
従来の発明に、鉛フリーカチオン電着塗膜の暴露耐食性を向上させる方法として、塗膜の40℃における熱収縮応力が100〜120kg重/cmの範囲内、塗膜Tgが70〜90℃の範囲内及び塗膜インピーダンスが10Ω・cm以上である硬化塗膜を形成し得る電着塗料組成物 (特許文献1参照)がある。
【0004】
しかしこの発明には、基体樹脂がアミン付加エポキシ樹脂、アミン付加ε−カプロラクトン変性エポキシ樹脂による暴露耐食性を向上する方法が挙げられているものの、暴露耐食性を向上させて、かつ一般的な耐食性(例えば、ソルトスプレー性、温塩水ディプ性などのウェットコロージョン)の向上については記載されておらず、また耐食性を向上するには、塗膜特数においてどのような範囲がいいか、そのような塗膜特数を得るのに基体樹脂や硬化剤にどのようなものを用いたら良好な耐食性が得られるのか把握できていなかった。
【0005】
そのため塗膜の耐食性を向上するために、防錆顔料を増量して腐食生成物質(酸素、塩素、アルカリ金属)からのインヒビター能を強化したり、触媒量を増量して塗膜の架橋密度を向上させ腐食生成物質の塗膜透過阻止能を向上することによって対応しているが、塗膜物性の把握がなされておらず、塗装条件、塗料状態の変動などにより耐食性に対する効果が不十分であったり、塗膜の仕上がり性や塗料安定性の低下、コストアップを招くことがあった。以上のことから耐食性に優れる塗膜物性の把握と、該塗膜物性を得るのに効果のあるカチオン性塗料組成物による金属塗装方法、及び塗装物品が求められていた。
【0006】
【特許文献1】特開2000−7960号公報
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らはこれらの要望に応えるために鋭意研究を行なった結果、下記の手段により目的が達成できることを見出し、本発明を完成した。
【0008】
即ち、本発明は、
1.被塗物が金属の塗装において、以下の特徴を有する基体樹脂(I)と硬化剤(I)を含有するカチオン性塗料組成物を用いて、該カチオン性塗料組成物の塗膜が、ガラス転移温度(Tg)が60〜95℃で、かつ膜厚20μmの酸素透過性が5×10−13(cc・cm/cm2・sec・cmHg)〜5×10−11(cc・cm/cm2・sec・cmHg)であることを特徴とする耐食性に優れる金属塗装方法、
基体樹脂(I):エポキシ当量が180〜2500のエポキシ樹脂(1)にキシレンホルムアルデヒド樹脂(2)及びアミノ基含有化合物(3)を反応させてなるキシレンホルムアルデヒド樹脂変性アミノ基含有エポキシ樹脂
硬化剤(I):ブロック剤によってポリイソシアネート化合物のイソシアネート基をブロックしたブロック化ポリイソシアネート化合物
2.カチオン性塗料組成物における基体樹脂として、以下の特徴を有する基体樹脂(II)を用いることを特徴とする1項に記載の耐食性に優れる金属塗装方法、
基体樹脂(II):エポキシ当量が180〜2500のエポキシ樹脂(1)に、複数の活性水素基を含有する化合物にカプロラクトンを付加して得られるポリオール化合物(4)及びアミノ基含有化合物(3)を反応させてなるポリオール変性アミノ基含有エポキシ樹脂
3.カチオン性塗料組成物における基体樹脂として、以下の特徴を有する基体樹脂(III)を用いることを特徴とする1項に記載の耐食性に優れる金属塗装方法、
基体樹脂(III):エポキシ当量が180〜2500のエポキシ樹脂(1)に、アルキルフェノール類(v)及び/又はカルボン酸類(v)、複数の活性水素基を含有する化合物にカプロラクトンを付加して得られるポリオール化合物(4)及びアミノ基含有化合物(3)を反応させてなるポリオール変性アミノ基含有エポキシ樹脂(III)
4.1項〜3項のいずれか1項に記載のカチオン性塗料組成物における硬化剤の全て又は一部として、プロピレングリコールを含有する活性水素含有成分と芳香族ポリイソシアネート化合物を反応させてなるブロックポリイソシアネート硬化剤(II)を含有することを特徴とする耐食性に優れる金属塗装方法、
5.被塗物にカチオン性塗料組成物を塗装した塗膜の密着力が、3.0kg/cm以上であることを特徴とする1項〜4項のいずれか1項に記載の耐食性に優れる金属塗装方法。
6.1〜5のいずれか1項に記載のカチオン性塗料組成物が、少なくとも1種のビスマス化合物を含有する耐食性に優れる金属塗装方法、
7.1〜6のいずれか1項に記載の耐食性に優れる金属塗装方法によって得られた塗装物品、に関する。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明は、金属塗装方法として、ガラス転移温度(Tg)が60〜95℃で、かつ膜厚20μmの酸素透過性が5×10−13(cc・cm/cm・sec・cmHg)〜5×10−11(cc・cm/cm・sec・cmHg)、さらに密着性が3.0kg/cm以上、好ましくは4.7kg/cm以上を有する硬化塗膜を形成するカチオン性塗料組成物を使用する点に特徴がある。
【0010】
これにより、形成されるカチオン性塗料組成物が形成した塗膜は、公害対策上有害な鉛・クロムなどの有害金属を含まず、耐食性の向上に寄与することができる。以下に、詳細に説明する。
【0011】
ガラス転移温度(Tg):
塗膜を始めとする高分子材料は、高温になると軟らかい物質となるが、ある温度以下では非常に硬くなる。温度を低温から昇温すると硬い状態(ガラス状態)から軟らかい状態(ゴム状態)へ転移する温度をガラス転移温度という。ガラス転移温度の測定は、以下のように行って測定した。
【0012】
1.試験片の作成カチオン電着塗料中に、0.3×150×70mmのブリキ板(JIS G3303 SPTE;日本テストパネル工業(株)社製)を浸漬し、それをカソードとして電圧150Vで3分間電着塗装を行なった後水洗し、電気熱風乾燥器で170℃×20分焼付けを行ない、膜厚20μmの塗装ブリキ板を作成する。
【0013】
2.単離塗膜の作成上記によって得られた塗装ブリキ板の一片をカッターナイフで削り取ってブリキ面を出し、そこへ水銀を一滴たらし、ブリキ面をアマルガム状態にしたうえでピンセットで塗膜を剥離し、カッターナイフで5×30mmの大きさに切り取り、試験片を作成する。
【0014】
3.RS−20C型(株式会社レスカ製、商品名、ガラス転移温度測定装置)に、その試験片を測定部分の長さが20mmになるように取り付け、ガラス転移温度の測定を行なう。
【0015】
測定は、雰囲気温度105℃での応力測定値を0Kg重に調整し、35℃まで10℃毎に温度を下げ、図1のように記録計に示された応力値を温度に対してプロットし、35℃、45℃及び55℃の点に対して最小二乗法で求めた直線Aと、105℃、95℃及び85℃の点に対して最小二乗法で求めた直線Bの交点を塗膜ガラス転移点(Tg)とする。
【0016】
本発明の特徴は、塗膜のガラス転移温度(Tg)が60〜95℃、好ましくは70〜95℃の範囲とすることにあり、これにより塗膜に温度が加わった場合においてもゴム領域に移行することが減少し、腐食生成物質が塗膜下に移行することがなく耐食性が向上する。
【0017】
また塗膜のガラス転移温度(Tg)が60℃未満の場合には、塗膜に温度が加わった場合に、塗膜がゴム領域に移行して腐食生成物質が塗膜下に到達するため耐食性が低下する。
塗膜のガラス転移温度(Tg)が95℃を越える場合には、塗膜が硬くなるため耐チッピング性の低下、また内部応力も大きくなることから暴露耐食性が低下する。
【0018】
酸素透過性:
形成された塗膜が腐食生成物質を透過して、塗膜下に侵入することの目安となる値である。本発明においては、カチオン性塗料組成物の塗膜は、ガラス転移温度が、60〜95℃であることに加え、膜厚20μmの酸素透過性が、5×10−13(cc・cm/cm・sec・cmHg)〜5×10−11(cc・cm/cm・sec・cmHg)、好ましくは1×10−1 (cc・cm/cm・sec・cmHg)〜9×10−1 (cc・cm/cm・sec・cmHg)とする。このことにより塗膜を通じて腐食生成物質が塗膜を通じて侵入し難い。なお測定温度は40℃で行った。
【0019】
酸素透過性については、圧力差式でGCMS(質量分析計)を検出器としたガス透過率測定装置(電子科学株式会社EMD−05B)を使用した。測定に関する詳細は、塗料の研究(関西ペイント社技報、No122、1993年3月号、P9〜P17に記載)に述べられている。図2のモデル図のように、電極の先端に塗膜を装着し塗膜を通じて透過する酸素の量を測定する。
【0020】
従来から耐食性の向上には、ガラス転移温度や架橋間分子量が関係しており、これらの特数は酸素を遮断することを表しており、そこで本発明においては、塗膜に酸素を遮断する機能を付与するには、酸素透過性が重要な特性であり、ガラス転移温度と酸素透過性において、耐食性に良好な特性の範囲を見出した。
【0021】
密着力:
カチオン性塗料組成物を被塗物に塗装し、形成した塗膜の密着力が3.0kg/cm以上、好ましくは4.7kg/cmであることが耐食性の向上には好ましい。塗膜と被塗物との密着性を測定する評価法としては、塗装試験板に治具を接着して引っ張るプル・オフ(Pull−off method)法が簡便に行われている。接着端子を引っ張るにはショッパー試験機やInstron型材料試験機が挙げられるが、本発明においては、図3のようなモデル図で、塗膜の上に測定治具(16cm)の測定治具を瞬間接着剤によって接着し、ショッパー試験機を用いて密着力を測定した。
【0022】
被塗物としては、リン酸塩化成処理、クロメート処理などの表面処理を行った冷延鋼板、溶融亜鉛めっき鋼板、電気亜鉛めっき鋼板、電気亜鉛−鉄二層めっき鋼板及び有機複合めっき鋼板、アルミニウム鋼板などが挙げられるが、本発明の金属塗装方法においては、一般的に自動車用鋼板として用いられている冷延鋼板にリン酸塩化成処理を施したものを用いた。
【0023】
ここで上記に述べた、塗膜のガラス転移温度(Tg)が60〜95℃で、かつ膜厚20μmの酸素透過性が5×10−13(cc・cm/cm・sec・cmHg)〜5×10−11(cc・cm/cm・sec・cmHg)、密着力を3.0kg/cm、好ましくは4.7kg/cm以上とするために、従来から通常用いている樹脂においても達成可能であるが、より好ましい基体樹脂、硬化剤を見出したので以下に述べる。
【0024】
従来からカチオン性塗料組成物における基体樹脂としては、通常、防食性の面からアミン付加エポキシ樹脂、硬化剤としては、環状構造のブロックポリイソシアネートが優れているため多く使用されている。
【0025】
基体樹脂に用いるエポキシ樹脂の平均分子量としては、特に通常と異ならず、平均分子量で1,000〜10,000、さらには2,000〜5,000が好ましく、基体樹脂の平均分子量が10,000を超える場合には樹脂粘度が高くなり、焼き付け時の熱流動性の低下により電着塗膜の仕上がり性において不具合を生じ、平均分子量が1,000未満の場合にはアミン付加量によるアミン価の調整が困難であり、エマルション分散性の低下の不具合を生じる。
【0026】
エポキシ樹脂に付加するアミン化合物としては、1級アミノ基を含有し、かつアミン価が30〜70mgKOH/g樹脂固形分の範囲、好ましくは40〜60mgKOH/g樹脂固形分以下とすることが好ましい。変性量としては可塑化に必要な最少量に留める必要があり、エポキシ樹脂100重量部に対し5〜50重量部、さらには10〜30重量部が好ましい。
また基体樹脂は、疎水性の変性剤を用いて内部の分極化を図ることが好ましく、そのような変性剤を用いてエポキシ基と反応したキシレンホルムアルデヒド樹脂変性のアミノ基含有エポキシ樹脂、ポリオール変性のアミノ基含有エポキシ樹脂、アルキルフェノール類及び/又はカルボン酸類を付加したポリオール変性のアミノ基含有エポキシ樹脂が挙げられる。
【0027】
基体樹脂(I)
キシレンホルムアルデヒド樹脂変性のアミノ基含有エポキシ樹脂とは、エポキシ当量が180〜2500のエポキシ樹脂(1)にキシレンホルムアルデヒド樹脂(2)、及びアミノ基含有化合物(3)を反応させてなるアミノ基含有エポキシ樹脂である。(以下、基体樹脂(I)と略する場合がある。)
基体樹脂の出発材料として用いられるエポキシ樹脂(1)としては、塗膜の防食性等の観点から、特に、ポリフェノール化合物とエピハロヒドリン、例えば、エピクロルヒドリンとの反応により得られるエポキシ樹脂が好適である。
【0028】
該エポキシ樹脂の形成のために用い得るポリフェノール化合物としては、従来のものと同様のものが使用でき、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2,2−プロパン(ビスフェノールA)、4,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン(ビスフェノールF)、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1−エタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1−イソブタン、ビス(4−ヒドロキシ−tert−ブチル−フェニル)−2,2−プロパン、ビス(2−ヒドロキシナフチル)メタン、テトラ(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,2,2−エタン、4,4−ジヒドロキシジフェニルスルホン(ビスフェノールS)、フェノールノボラック、クレゾールノボラック等を挙げることができる。
【0029】
また、ポリフェノール化合物とエピクロルヒドリンとの反応によって得られるエポキシ樹脂としては、中でも、ビスフェノールAから誘導される下記式
【0030】
【化1】
Figure 2004223303
ここでn=0〜8で示されるものが好適である。
【0031】
エポキシ樹脂(1)は、一般に180〜2,500、好ましくは200〜2,000であり、さらに好ましくは400〜1,500の範囲内のエポキシ当量を有することができ、また、一般に少なくとも200、特に400〜4,000、さらに特に800〜2,500の範囲内の数平均分子量を有するものが適している。
【0032】
かかるエポキシ樹脂の市販品としては、例えば、ジャパンエポキシレジン(株)からエピコート828EL、同左1002、同左1004、同左1007なる商品名で販売されているものが挙げられる。
【0033】
キシレンホルムアルデヒド樹脂(2)は、上記、エポキシ樹脂(1)の内部可塑化(変性)に役立つものであり、例えば、キシレン、ホルムアルデヒド、及び場合によりフェノール類を酸性触媒の存在下に縮合反応させることにより製造することができる。
【0034】
上記のホルムアルデヒドとしては、工業的に入手容易なホルマリン、パラホルムアルデヒド、トリオキサン等のホルムアルデヒドを発生する化合物などを例示することができる。なお、本明細書において、パラホルムアルデヒド、トリオキサン等の重合体を用いる場合、その配合量の規定は、ホルムアルデヒド1分子を基準に規定するものとする。
【0035】
さらに、上記のフェノール類には2個又は3個の反応サイトを持つ1価もしくは2価のフェノール性化合物が包含され、具体的には、例えばフェノール、クレゾール類、パラ−オクチルフェノール、ノニルフェノール、ビスフェノールプロパン、ビスフェノールメタン、レゾルシン、ピロカテコール、ハイドロキノン、パラ−tert−ブチルフェノール、ビスフェノールスルホン、ビスフェノールエーテル、パラ−フェニルフェノール等が挙げられ、これらはそれぞれ単独で又は2種以上の組合わせて用いることができる。この中で特に、フェノール、クレゾール類が好適である。
【0036】
以上に述べたキシレン、ホルムアルデヒド、及び場合によりフェノール類の縮合反応に使用される酸性触媒としては、例えば、硫酸、塩酸、パラトルエンスルホン酸、シュウ酸等が挙げられるが、一般的には、特に硫酸が好適である。その使用量は、通常、ホルムアルデヒド水溶液中の水により希釈されるので、水溶液中の濃度として10〜50重量%の範囲内とすることができる。
【0037】
縮合反応は、例えば、反応系に存在するキシレン、フェノール類、水、ホルマリン等が還流する温度、通常、約80〜約100℃の温度に加熱することにより行うことができ、通常、2〜6時間程度で終了させることができる。
【0038】
上記の条件下に、キシレンとホルムアルデヒド、及び場合によりフェノール類を酸性触媒の存在下で加熱反応させることによって、キシレンホルムアルデヒド樹脂を得ることができる。
【0039】
かくして得られるキシレンホルムアルデヒド樹脂は、一般に、20〜50,000センチポイズ(25℃)、好ましくは30〜15,000センチポイズ(25℃)の範囲内の粘度を有することができ、そして一般に100〜50,000、特に200〜10,000の範囲内の水酸基当量を有していることが好ましい。
【0040】
アミノ基含有化合物(3)はエポキシ樹脂(1)にアミノ基を導入して、該エポキシ樹脂をカチオン化するためのカチオン性付与成分であり、エポキシ基と反応する活性水素を少なくとも1個含有するものが用いられる。
【0041】
そのような目的で使用されるアミノ基含有化合物(3)としては、例えば、モノメチルアミン、ジメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、モノイソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、トリイソプロピルアミン、モノブチルアミン、ジブチルアミンなどのモノ−、もしくはジ−アルキルアミン;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノ(2−ヒドロキシプロピル)アミン、ジ(2−ヒドロキシプロピル)アミン、トリ(2−ヒドロキシプロピル)アミン、モノメチルアミノエタノール、モノエチルアミノエタノールなどのアルカノールアミン;エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ブチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、ジエチルアミノプロピルアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどのアルキレンポリアミン及びこれらのポリアミンのケチミン化物;エチレンイミン、プロピレンイミンなどのアルキレンイミン;ピペラジン、モルホリン、ピラジンなどの環状アミンなどが挙げられる。
【0042】
本発明において樹脂成分として使用される基体樹脂(I)は、前記のエポキシ樹脂(1)に、キシレンホルムアルデヒド樹脂(2)及びアミノ基含有化合物(3)をそれ自体既知の方法で反応させることにより製造することができる。
エポキシ樹脂(1)に対するキシレンホルムアルデヒド樹脂(2)及びアミノ基含有化合物(3)の反応は任意の順序で行うことができるが、一般には、エポキシ樹脂(1)に対して、キシレンホルムアルデヒド樹脂(2)及びアミノ基含有化合物(3)を同時に反応させるのが好適である。
【0043】
上記の付加反応は、通常、適当な溶媒中で、約80〜約170℃、好ましくは約90〜約150℃の温度で1〜6時間程度、好ましくは1〜5時間程度行うことができる。上記の溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、n−ヘキサンなどの炭化水素系;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル系;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルアミルケトンなどのケトン系;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどのアミド系;メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノールなどのアルコール系;あるいはこれらの混合物などが挙げられる。
【0044】
上記の付加反応における各反応成分の使用割合は、厳密に制限されるものではなく、塗料組成物の用途等に応じて適宜変えることができるが、エポキシ樹脂(1)、キシレンホルムアルデヒド樹脂(2)及びアミノ基含有化合物(3)の3成分の合計固形分重量を基準にして以下の範囲内が適当である。
【0045】
エポキシ樹脂(1):一般に50〜90重量%、好ましくは50〜85重量%、キシレンホルムアルデヒド樹脂(2):一般に5〜45重量%、好ましくは6〜43重量%、アミノ基含有化合物(3):一般に5〜25重量%、好ましくは6〜20重量%。この範囲をはずれると、耐食性、仕上り性、安定性のいずれかが低下するので好ましくない。
【0046】
また、エポキシ樹脂(1)、キシレンホルムアルデヒド樹脂(2)及びアミノ基含有化合物(3)に加えてさらに、複数の活性水素基を含有する化合物にカプロラクトンを付加して得られるポリオール化合物(4)を反応させてなる樹脂成分として使用することもできる。
【0047】
ポリオール化合物(4)は、上記のエポキシ樹脂(1)の内部可塑化(変性)のために使用されるものであり、複数の活性水素基を含有する化合物にカプロラクトンを付加することにより製造される。
【0048】
活性水素基は少なくとも1個の活性水素を含有する原子団を意味し、例えば、アルコール性水酸基、第1級アミノ基、第2級アミノ基などが包含される。しかして、かかる活性水素基を1分子中に複数個含有する化合物としては、例えば、低分子量ポリオール、線状又は分枝状のポリエーテルポリオール、線状又は分枝状のポリエステルポリオール、第1級アミノ基及び/又は第2級アミノ基を含有するアミノ化合物、或いは第1級アミノ基及び/又は第2級アミノ基と水酸基とを併用するヒドロキシアミン化合物などが挙げられる。
【0049】
これらの活性水素基含有化合物(a)は、一般に62〜5,000、好ましくは62〜4,000、さらに好ましくは62〜1,500の範囲内の数平均分子量を有することができる。また、活性水素基含有化合物(a)は、1分子あたり、平均して、少なくとも2個かつ30個未満、特に2〜10個の活性水素基を含有するものが好適である。
【0050】
上記の低分子量ポリオール(i)は、1分子中に少なくとも2個のアルコール性水酸基を含有する化合物であり、具体的には、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、シクロヘキサン−1,4−ジメチロール、ネオペンチルグリコール、トリエチレングリコール、水素化ビスフェノールAなどのジオール類;グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパンなどのトリオール類;ペンタエリスリトール、α−メチルグルコキシドなどのテトロール類;ソルビトール、ジペンタエリスリトールなどのヘキソール類;シュークロースなどのオクトール類等が挙げられる。
【0051】
上記の線状又は分枝状のポリエーテルポリオールは、通常62〜10,000、好ましくは62〜2,000の範囲内の数平均分子量を有することができ、具体的には、例えば、アルキレンオキサイド(例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、テトラヒドロフランなど)の開環付加反応によって製造される、ポリエチレングルコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリ(エチレン・プロピレン)グリコール、ビスフェノールAエチレングリコールエーテル、ビスフェノールAポリプロピレングリコールエーテルなどが挙げられる。
【0052】
上記の線状または分岐状のポリエステルポリオールは、通常200〜10,000、好ましくは200〜3,000の範囲内の数平均分子量を有することができ、具体的には、例えば、有機ジカルボン酸又はその無水物と有機ジオールとの、有機ジオール過剰の条件下での重縮合反応によって得られるものが挙げられる。
【0053】
ここで使用される有機ジカルボン酸としては、炭素数2〜44、特に4〜36の脂肪酸系、脂環式又は芳香族系ジカルボン酸、例えば、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、マレイン酸、フマル酸、グルタル酸、ヘキサクロロヘプタンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、o−フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロフタル酸、テトラクロロフタル酸などが挙げられる。また、これらジカルボン酸に加えて、3個以上のカルボキシル基を有するポリカルボン酸の無水物や不飽和脂肪酸の付加物などを少量併用することができる。
【0054】
また、有機ジオール成分としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコールなどのアルキレングリコールや、ジメチロールシクロヘキサンなどが挙げられ、これらは場合により、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトールなどのポリオールの少量と併有してもよい。
【0055】
上記の1級アミノ基及び/又は2級アミノ基を含有するアミン化合物、或いは第1級アミノ基及び/又は第2級アミノ基と水酸基を併有するアミン化合物としては、例えば、ブチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミンなどのアルキルアミン類;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノ(2−ヒドロキシプロピル)アミン、ジ(2−ヒドロキシプロピル)アミンなどのアルカノールアミン類;1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサノン、イソホロンジアミンなどの脂環族ポリアミン類;キシリレンジアミン、メタキシレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、フェニレンジアミンなどの芳香族ポリアミン類;
エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどのアルキレンポリアミン類;さらに、ピペラジンやこれらのポリアミン類から誘導される、ポリアミド、ポリアミドアミン、エポキシ化合物とのアミンアダクト、ケチミン、アルジミンなどのその他のアミン化合物を挙げることができる。
【0056】
以上に述べた複数の活性水素基を含有する化合物のうち、特に、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレンゴリコール、水素化ビスフェノールA、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリ(エチレン・プロピレン)グリコール、ビスフェノールAエチレングリコールエーテル、ビスフェノールAポリプロピレングリコールエーテル、ブチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、イソホロンジアミン、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ジエチレントリアミン及びトリエチレンテトラミンよりなる群から選ばれるものが好適である。
【0057】
他方、複数の活性水素基を含有する化合物に付加しうるカプロラクトンとしては、γ−カプロラクトン、ε−カプロラクトン、δ−カプロラクトンなどが挙げられ、特にε−カプロラクトンが好適である。
【0058】
上記の複数の活性水素基を含有する化合物とカプロラクトンの付加反応はそれ自体既知の方法で行うことができる。具体的には、例えば、テトラブトキシチタン、テトラプロポキシチタン等のチタン化合物、オクチル酸錫、ジブチル錫オキシド、ジブチル錫ラウレート等の有機錫化合物;塩化第1錫などの金属化合物のような触媒の存在下に、複数の活性水素基を含有する化合物とカプロラクトンとを約100〜約250℃の温度で約1〜約15時間加熱することにより行うことができる。
【0059】
上記触媒は、一般に、複数の活性水素基を含有する化合物とカプロラクトンとの合計量に基づいて0.5〜1,000ppmの量で使用することができる。また、カプロラクトンは、複数の活性水素基を含有する化合物の活性水素基1当量あたり(すなわち、活性水素1個あたり、一般に1〜30モル、好ましくは1〜20モル、さらに好ましくは1〜15モルの範囲内で使用することができる。
【0060】
かくして得られるポリオール化合物(4)は、複数の活性水素基を有する化合物に基づく高い可塑化性能と、(ポリ)カプロラクトンに基づくエポキシ樹脂に対する高い相溶性と、末端水素基による高い反応性とを兼備しており、塗料用のエポキシ樹脂の内部可塑化剤として極めて有用である。
【0061】
ポリオール化合物(4)は、一般に、カプロラクトンに由来する単位を合計で20〜95重量%、好ましくは25〜90重量%の範囲内で含有することができ、また、一般に300〜10,000、好ましくは400〜5,000の範囲内の数平均分子量を有することができる。
【0062】
上記のポリオール化合物(4)を追加の反応成分として用いる樹脂の製造は、前記の場合と同様にして行うことができ、一般には、エポキシ樹脂(1)に、キシレンホルムアルデヒド樹脂(2)、アミノ基含有化合物(3)及びポリオール化合物(4)を同時に反応させるのが好適である。
【0063】
上記の反応における各反応成分の使用割合は、厳密に制限されるものではなく、カチオン性塗料組成物の用途等に応じて適宜変えることができるが、エポキシ樹脂(1)、キシレンホルムアルデヒド樹脂(2)、アミノ基含有化合物(3)及びポリオール化合物(4)の4成分の合計固形分重量を基準にして以下の範囲内が適当である。
【0064】
エポキシ樹脂(1):一般に50〜85重量%、好ましくは50〜80重量%、
キシレンホルムアルデヒド樹脂(2):一般に5〜45重量%、好ましくは6〜40重量%、
アミノ基含有化合物(3):一般に5〜25重量%、好ましくは6〜20重量%、
ポリオール化合物(4):一般に1〜20重量%、好ましくは2〜15重量%。
この範囲を外れると、耐食性、仕上がり性、安定性のいずれかが低下するので好ましくない。
【0065】
上記のアミノ基含有化合物(3)とキシレンホルムアルデヒド樹脂(2)及び/又はポリオール化合物(4)のエポキシ樹脂(1)への付加反応は、通常、適当な溶媒中で、約80〜約170℃、好ましくは約90〜約150℃の温度で1〜6時間程度、好ましくは1〜5時間程度で行なうことができる。
【0066】
上記の溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、n−ヘキサンなどの炭化水素系;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル系;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルアミルケトンなどのケトン系;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどのアミド系;メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノールなどのアルコール系;あるいはこれらの混合物などが挙げられる。
【0067】
上記の変性剤の使用割合は、厳密に制限されるものではなく、塗料組成物の用途等に応じて適宜変えることができるが、エポキシ樹脂の固形分重量を基準にして5〜50重量%、好ましくは10〜30重量%の範囲内が適当である。これより少ないと樹脂の中和剤の必要量が多くなり、またこれより多いと水分散安定性が劣り、本発明に不適となる。
【0068】
基体樹脂( II
カチオン性塗料組成物における基体樹脂として、キシレンホルムアルデヒド樹脂変性のアミノ基含有エポキシ樹脂の他に、エポキシ当量が180〜2500のエポキシ樹脂(1)に、複数の活性水素基を含有する化合物にカプロラクトンを付加して得られるポリオール化合物(4)及びアミノ基含有化合物(3)を反応させてなるポリオール変性のアミノ基含有エポキシ樹脂(以下、基体樹脂(II)と略すことあり。)を用いることができる。
【0069】
エポキシ樹脂(1)は、基体樹脂(I)の製造に用いたものと同様のものを用いることができる。ポリオール化合物(4)は、上記エポキシ樹脂(1)の内部可塑化(変性)のために使用されるものであり、複数の活性水素基を含有する化合物にカプロラクトンを付加することにより製造されるものであり、基体樹脂(I)の製造に用いたものと同様のものを用いることができる。
【0070】
ポリオール化合物(4)は、一般に、カプロラクトンに由来する単位を合計で20〜95重量%、好ましくは25〜90重量%の範囲内で含有することができ、また、一般に300〜10,000、好ましくは400〜5,000の範囲内の数平均分子量を有することができる。
アミノ基含有化合物(3) 本発明において、前記エポキシ樹脂(1)に反応せしめられるアミノ基含有化合物(3)は、エポキシ樹脂基体にアミノ基を導入して、該エポキシ樹脂をカチオン化するためのカチオン性付与成分であり、エポキシ基と反応する活性水素を少なくとも1個含有するものが用いられ、基体樹脂(I)の製造に用いたものと同様のものを用いることができる。
【0071】
カチオン性塗料組成物において基体樹脂(II)は、前記のエポキシ樹脂(1)に、アミノ基含有化合物(3)、カプロラクトン由来の末端水酸基を有するポリオール化合物(4)をそれ自体既知の方法で付加反応させることにより製造することができる。
【0072】
エポキシ樹脂(1)に対するポリオール化合物(4)及びアミノ基含有化合物(3)の反応は任意の順序で行うことができるが、一般には、エポキシ樹脂(1)に対して、アミノ基含有化合物(3)、ポリオール化合物(4)を同時に反応させるのが好適である。また、エポキシ樹脂(1)の骨格にポリオール化合物(4)の片末端が付加しているのが好ましい。
【0073】
上記の付加反応は、通常、適当な溶媒中で、約90〜約170℃、好ましくは約100〜約150℃の温度で1〜5時間程度、好ましくは2〜4時間程度行うことができる。上記の溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、n−ヘキサンなどの炭化水素系;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル系;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルアミルケトンなどのケトン系;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどのアミド系;メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノールなどのアルコール系;あるいはこれらの混合物などが挙げられる。
【0074】
上記の付加反応における各反応成分の使用割合は、厳密に制限されるものではなく、塗料組成物の用途等に応じて適宜変えることができるが、エポキシ樹脂(1)、アミノ基含有化合物(3)、ポリオール化合物(4)の3成分の合計固形分重量を基準にして以下の範囲内が適当である。
【0075】
エポキシ樹脂(1):一般に60〜90重量%、好ましくは62〜85重量%、さらに好ましくは62〜80重量%、
アミノ基含有化合物(3):一般に5〜25重量%、好ましくは6〜19重量%、さらに好ましくは6〜18重量%。
ポリオール化合物(4):一般に5〜30重量%、好ましくは5〜20重量%、さらに好ましくは5〜18重量%、
上記の範囲を外れると、耐食性、仕上り性、安定性のいずれかが低下するので好ましくない。
【0076】
基体樹脂( III
また上記に述べた基体樹脂(I)、又は基体樹脂(II)の他にカチオン性塗料組成物の基体樹脂として、エポキシ樹脂(1)にアルキルフェノール類(v)及び/又はカルボン酸類(v)、アミノ基含有化合物(3)、及び複数の活性水素基を含有する化合物にカプロラクトンを付加して得られるポリオール化合物(4)を反応させてなるアルキルフェノール類及び/又はカルボン酸類を付加したポリオール変性アミノ基含有エポキシ樹脂(以下、基体樹脂(III)と略することがある)を用いることができる。
【0077】
エポキシ樹脂(1)は、基体樹脂(I)や基体樹脂(II)の製造に用いたものと同様のものを用いることができる。
【0078】
アルキルフェノール類及び/又はカルボン酸類における、アルキルフェノール類は、以下の化学式(1)で示される。
【0079】
【化2】
Figure 2004223303
Figure 2004223303
【0080】
(式中、Xは水素原子又は場合により−OH、−OR、−SH及び−SRよりなる群から選ばれる置換基を有してもよい炭素原子数1〜15の炭化水素基を表し、ここでRはアルキル基を表す)
上記、式(1)において、Xで表わされる炭素原子数1〜15の炭化水素基は直鎖状、分岐鎖状もしくは環状であることができ、中でも、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、tert−ブチル、ノニル基などの炭素原子数1〜15、特に1〜12のアルキル基が好適である。これらの基は場合により水酸基(−OH)、アルコキシ基(−OR)、メルカプト基(−SH)及びアルキルチオ基(−SR)よりなる群から選ばれる基により置換されていてもよい。
上記式(1)の具体例としては、例えば、フェノール、クレゾール、エチルフェノール、パラ−tert−ブチルフェノール、ノニルフェノールなどが挙げらる。
【0081】
カルボン酸類は、以下の化学式(2)で示される。
【0082】
【化3】化学式(2)
Figure 2004223303
(式中、Yは場合により−OH、−OR、−SH及び−SRよりなる群から選ばれる置換基を有していてもよい炭素原子数1〜15の炭化水素基を表わし、ここで、Rはアルキル基を表わす、で示されるカルボン酸類よりなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物である。)
また、上記、化学式(2)において、Yで表わされる炭素原子数1〜15の炭化水素基は直鎖状、分岐鎖状もしくは環状であることができ、具体的には、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、ノニル基などのアルキル基;ビニル、オレイル基などのアルケニル基;フェニル基のようなアリール基などが包含される。これらの基は場合により水酸基、アルコキシ基、メルカプト基及びアルキルチオ基よりなる群から選ばれる少なくとも1個、好ましくは1〜3個の基により置換されていてもよい。かかる基で置換された炭化水素基としては、例えば、1−ヒドロキシエチル、1,1−ジメチロールエチル、1,1−ジメチロールプロピル、3,4,5−トリヒドロキシフェニル基などが挙げられる。
【0083】
上記、化学式(2)の具体例としては、例えば、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、アクリル酸、オレイン酸、グリコール酸、グリセリン酸、乳酸、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロール酪酸、ジメチロール吉草酸、安息香酸、没食子酸などが挙げられ、中でも、酢酸、プロピオン酸、酪酸、オレイン酸、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロール酪酸、ジメチロール吉草酸、安息香酸が好適である。
【0084】
ポリオール化合物(4)は、複数の活性水素基を含有する化合物にカプロラクトンを付加したポリオールであり、基体樹脂(I)や基体樹脂(II)に用いたものと同様のものを用いることができる。
【0085】
アミノ基含有化合物(3)は、基体樹脂(I)や基体樹脂(II)に用いたものと同様のものを用いることができ、具体的には、モノメチルアミン、ジメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、モノイソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、モノブチルアミン、ジブチルアミン、ブチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、ジエチルアミノプロピルアミンなどのアルキルアミン類:モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノ(2−ヒドロキシプロピル)アミン、ジ(2−ヒドロキシプロピル)アミン、及びこれらのポリアミン化合物のケチミン化物を挙げることができる。
【0086】
このようなポリオール化合物(4)は、末端がポリカプロラクトン性の水酸基を有し、ポリオールに基づく高い可塑性能とポリカプロラクトンに基づくエポキシ樹脂に対する高い相溶性と末端水酸基による高い反応性をもつので付着性や透過阻止能が向上し、耐食性の向上に寄与することができる。
【0087】
基体樹脂(III)における各成分の配合割合は、各成分の固形分総合計量に対して、エポキシ樹脂(1):60〜85重量%の範囲、アルキルフェノール類及び/又はカルボン酸類:2〜15重量%の範囲、アミノ基含有化合物(3):5〜25重量%の範囲、複数の活性水素基を含有する化合物にカプロラクトンを付加して得られるポリオール化合物(4):5〜20重量%の範囲である。これらの範囲を外れると、耐食性、仕上がり性、安定性のいずれかが低下する。
【0088】
硬化剤(I)
カチオン性塗料組成物は、基体樹脂のほかに硬化剤として、ブロック剤によってポリイソシアネート化合物のイソシアネート基をブロックしたブロック化ポリイソシアネート化合物を用いることができる。
【0089】
硬化剤としては芳香環、脂環式イソシアネートいずれのものでも使用できるが、1分子中に平均1.5ヶ以上、特に2〜3ヶの環構造を有するものが好ましい。特に好ましい原料イソシアネート化合物の例としてはジフェニルメタンジイソシアネートや水添ジフェニルメタンジイソシアネートが挙げられる。
【0090】
そのようなポリイソシアネートとしては、例えば、ジフェニルメタン−2,4および/または4,4−ジイソシアネート(通常「MDI」と呼ばれる)、クルードMDI、水添MDI、これらとポリオールとの付加物、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネートやフェニレンジイソシアネートとポリオールとの付加物、イソホロンジイソシアネートやビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサンとポリオールとの付加物、テトラメチレンジイソシアネートやヘキサメチレンジイソシアネートなどのイソシアヌレート化合物が挙げられる。特に好ましいポリイソシアネート化合物の例としては、クルードMDIや水添MDIが挙げられる。
【0091】
ブロック剤種としては、ポリイソシアネート化合物のイソシアネート基に付加してブロックするものであり、そして付加によって生成するブロックポリイソシアネート化合物は常温において安定であるが、塗膜の焼付け温度(通常約100〜200℃)に加熱した際、ブロック剤が解離して遊離のイソシアネート基を再生しうるものであることが望ましい。
【0092】
例えば、ε−カプロラクタム、γ−ブチロラクタムなどのラクタム系化合物;メチルエチルケトオキシム、シクロヘキサノンオキシムなどのオキシム化合物;フェノール、パラ−t−ブチルフェノール、クレゾールなどのフェノール系化合物;n−ブタノール、2−エチルヘキサノールなどの脂肪族アルコール類;フェニルカルビノール、メチルフェニルカルビノールなどの芳香族アルキルアルコール類;エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルなどのエーテルアルコール類;が挙げられる。
【0093】
硬化剤( II
またカチオン性塗料組成物には、プロピレングリコールを含有する活性水素含有成分と芳香族ポリイソシアネート化合物をポリイソシアネート化合物と反応させてなる硬化剤(II)を含有することもできる。
【0094】
プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,2−ブタンジオール、3−メチルー1,2−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,4−ペンタンジオール、3−メチル−4,3−ペンタンジオール、3−メチル−4,5−ペンタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、1,4−ヘキサンジオール、1,5−ヘキサンジオール等の1、2級または1、3級水酸基含有アルコール化合物を挙げることができる。
【0095】
この中でもブロック剤としては、低分子量で解離性の高いものが好ましく、特に好ましいものとしてジフェニルメタンジイソシアネートの場合は、1,2級水酸基含有アルコール化合物のプロピレングリコール、また水添ジフェニルメタンジイソシアネートの場合は、オキシム化合物のメチルエチルケトキシムが挙げられる。
【0096】
カチオン電着塗料における基体樹脂と硬化剤との配合割合は、これら両成分の合計固形分重量を基準にして、基体樹脂は、一般に55〜90重量%、好ましくは65〜80重量%、硬化剤は一般に10〜45重量%、好ましくは20〜35重量%の範囲内とすることができる。
【0097】
上記、基体樹脂とブロックポリイソシアネート硬化剤を含有するカチオン電着塗料は、基体樹脂とブロックポリイソシアネート硬化剤を十分に混合した後、通常水性媒体中において、水溶性有機カルボン酸で中和して該エポキシ樹脂を水溶化ないし水分散化することにより調製することができる。
【0098】
中和のための有機カルボン酸としては、特に、酢酸、ギ酸又はこれらの混合物が好適であり、これらの酸の使用により、形成される塗膜の耐食性、仕上がり性、塗料安定性が向上する。
【0099】
本発明の金属塗装方法におけるカチオン性塗料組成物で用いる顔料は、従来からカチオン電着塗料に使用されている顔料であれば特に制限なく使用でき、例えば、酸化チタン、カ−ボンブラック、ベンガラ等の着色顔料;クレ−、マイカ、バリタ、炭酸カルシウム、シリカなどの体質顔料;リンモリブデン酸アルミニウム、トリポリリン酸アルミニウム等の防錆顔料などが挙げられる。
【0100】
その他に、耐食性の向上を目的としてビスマス化合物を含有することができ、例えば、酸化ビスマス、水酸化ビスマス、塩基性炭酸ビスマス、硝酸ビスマス、ケイ酸ビスマス、2種以上の有機酸と上記の如きビスマス化合物とを反応させることによって製造され且つ該有機酸の少なくとも1種が脂肪族ヒドロキシカルボン酸である有機酸ビスマスなどが挙げられる。
【0101】
これらの顔料類の配合量は、基体樹脂と硬化剤との合計固形分100重量部あたり、1〜100重量部、特に10〜50重量部の範囲内が好ましい。
【0102】
カチオン性塗料組成物には他に、硬化触媒、沈降防止剤などを適宜配合することができ、このうち、硬化触媒は、基体樹脂と硬化剤との架橋反応を促進するために有効であり、例えば、ジオクチル錫オキサイト、ジブチル錫オキサイト、錫オクトエ−ト、ジブチル錫ジラウレ−ト、ジブチル錫ジベンゾエート、オクチル酸亜鉛、ギ酸亜鉛などがあげられ、その配合量は、基体樹脂と硬化剤との合計100重量部あたり、0.1〜10重量部の範囲内が適している。
【0103】
カチオン性塗料組成物は、上記の顔料分散ペーストをあらかじめ製造しておき、これを基体樹脂及び硬化剤などを分散したエマルションと混合して、カチオン性塗料組成物を製造することが好ましい。
【0104】
上記のようにして得られたカチオン性塗料組成物を塗装する被塗物は、自動車ボディ、自動車部品などの金属を基材とするものを挙げることができ耐食性の面から防錆鋼板が好適であり、本発明の金属塗装方法によって耐食性が良好な塗装物品を得ることができる。
防錆鋼板としては、溶融亜鉛めっき鋼板、電気亜鉛めっき鋼板、電気亜鉛−鉄二層めっき鋼板及び有機複合めっき鋼板、アルミニウム鋼板、さらにこれらの鋼板や冷延鋼板などの鋼板を、必要に応じてアルカリ脱脂などによって表面を清浄化した後、リン酸塩化成処理、クロメート処理などの表面処理を行ったものが挙げられる。
【0105】
【発明の効果】本発明によって、基体樹脂と硬化剤を含有するカチオン性塗料組成物を用いて得た塗膜物性が、ガラス転移温度(Tg)が60〜95℃で、かつ膜厚20μmの酸素透過性が5×10−13(cc・cm/cm・sec・cmHg)〜5×10−11(cc・cm/cm2・sec・cmHg)であること、さらに好ましくは密着力が3.0kg/cm以上であれば、耐食性に優れる塗装物品が得られる金属塗装方法を見出した。
上記の基体樹脂として、キシレンホルムアルデヒド樹脂変性アミノ基含有エポキシ樹脂、ポリオール変性アミノ基含有エポキシ樹脂、アルキルフェノール類及び/又はカルボン酸類を反応させてなるポリオール変性アミノ基含有エポキシ樹脂などよい。
硬化剤として、従来からのブロックポリイソシアネート化合物のほかに、好ましい例として、ブロック剤としてプロピレングリコールを用い、芳香族ポリイソシアネート化合物を反応させてなるブロックポリイソシアネートが塗膜物性を上記の範囲とすることができる。
【0106】
【実施例】以下に、本発明に関する実施例及び比較例について説明をする。「部」及び「%」はいずれも重量を基準にしており、また本発明はこれらの実施例のみに制限されるものではない。
【0107】
製造例1 キシレンホルムアルデヒド樹脂1の製造
温度計、還流冷却器及び撹拌機を備えた内容積2リットルのセパラブルフラスコに50%ホルマリン240g、フェノール55g、98%工業用硫酸101g及びメタキシレン212gを仕込み、84〜88℃で4時間反応させる。反応終了後、静置して樹脂相と硫酸水相とを分離した後、樹脂相を3回水洗し、20〜30mmHg/120〜130℃の条件で20分間未反応メタキシレンをストリッピングして、粘度1050センチポイズ(25℃)のキシレンホルムアルデヒド樹脂1を得た。
【0108】
基体樹脂の製造
製造例2 基体樹脂No.1の製造(基体樹脂(I)型)
フラスコに、エピコート828EL(ジャパンエポキシレジン(株)製、商品名、エポキシ樹脂、エポキシ当量190、分子量350)1000g、ビスフェノールA 400g及びジメチルベンジルアミン0.2gを加え、130℃でエポキシ当量750になるまで反応させた。
次に、製造例1で得たキシレンホルムアルデヒド樹脂1を300g、ジエタノールアミンを140g及びジエチレントリアミンのケチミン化物を65gを加え120℃で4時間反応させた後、ブチルセロソルブを420g加え、アミン価52、樹脂固形分80%のキシレンホルムアルデヒド樹脂変性アミノ基含有エポキシ樹脂である基体樹脂No.1を得た。
【0109】
製造例3 基体樹脂No.2の製造(基体樹脂(I)型)
PP−400(三洋化成社製、商品名、ポリプロピレングリコール、分子量400)400gにε−カプロラクトン300gを加えて、130℃まで昇温した。その後、テトラブトキシチタン 0.01gを加え、170℃に昇温した。この温度を保ちながら経時でサンプリングし、赤外吸収スペクトル測定にて未反応のε−カプロラクトン量を追跡し、反応率が98%以上になった時点で冷却し、変性剤1を得た。
次に、別のフラスコにエピコート828EL(ジャパンエポキシレジン(株)製、商品名、エポキシ樹脂、エポキシ当量190、分子量350)1000g、ビスフェノールA 400g及びジメチルベンジルアミン0.2gを加え、130℃でエポキシ当量750になるまで反応させた。
次に、製造例1の液状キシレンホルムアルデヒド樹脂1を200g、変性剤1を100g、ジエタノールを140g及びジエチレントリアミンのケチミン化物を65gを加え、120℃で4時間反応させた後、ブチルセロソルブを420g加え、アミン価52、樹脂固形分80%のキシレンホルムアルデヒド樹脂変性アミノ基含有エポキシである基体樹脂No.2を得た。
【0110】
製造例4 基体樹脂No.3(基体樹脂(II)型)
PP−400(三洋化成社製、商品名、ポリプロピレングリコール 分子量400)400gに、ε−カプロラクトン300gを加えて、130℃まで昇温した。その後、テトラブトキシチタン0.01gを加え、170℃に昇温した。この温度を保ちながら経時でサンプリングし、赤外吸収スペクトル測定にて未反応のε−カプロラクトン量を追跡し、反応率が98%以上になった時点で冷却し、変性剤1を得た。
次に、別のフラスコに、エピコート828EL(油化シェルエポキシ社製、商品名、エポキシ樹脂 エポキシ当量190 分子量350)1000g、ビスフェノールA 400g及びジメチルベンジルアミン0.2gを加え、130℃でエポキシ当量750になるまで反応させた。次に、変性剤1を200g、ジエタノールアミンを140g及びジエチレントリアミンのケチミン化物を65gを加え120℃で4時間反応させた後、ブチルセロソルブを400g加え、アミン価56、樹脂固形分80%のポリオール変性アミノ基含有エポキシ樹脂である基体樹脂No.3を得た。
【0111】
製造例5 基体樹脂No.4( 基体樹脂(III)型)
PP−400(三洋化成社製、商品名、ポリプロピレングリコール 分子量400)400gにε−カプロラクトン300gを加えて、130℃まで昇温した。その後、テトラブトキシチタン0.01gを加え、170℃に昇温した。この温度を保ちながら経時でサンプリングし、赤外吸収スペクトル測定にて未反応のε−カプロラクトン量を追跡し、反応率が98%以上になった時点で冷却し、変性剤2を得た。
別に、エピコート828EL(ジャパンエポキシレジン(株)製、商品名、エポキシ樹脂 エポキシ当量190 分子量350)1000gにビスフェノールA400g及びジメチルベンジルアミン0.2gを加え、130℃でエポキシ当量750になるまで反応させた。
その中にノニルフェノール120gを加え、130℃でエポキシ当量1000になるまで反応させた。次いで変性剤2を200g、ジエタノールアミンを95g及びジエチレントリアミンのケチミン化物を65g加え、120℃で4時間反応させた後、ブチルセロソルブ414gを加え、アミン価40、樹脂固形分80%のノニルフェノールを付加したポリオール変性アミノ基含有エポキシ樹脂である基体樹脂No.4を得た。
【0112】
製造例6 基体樹脂No.5( 基体樹脂(III)型)
エピコート828EL(ジャパンエポキシレジン(株)製、商品名、エポキシ樹脂 エポキシ当量190 分子量350)1000gにビスフェノールA 400g及びジメチルベンジルアミン0.2gを加え、130℃でエポキシ当量750になるまで反応させた。その中に安息香酸61gを加え、130℃でエポキシ当量1000になるまで反応させた。
次いで製造例5と同様にして得られた変性剤2を200g、ジエタノールアミンを95g及びジエチレントリアミンのケチミン化物を65g加え、120℃で4時間反応させた後、ブチルセロソルブ400gを加え、アミン価41、樹脂固形分80%の安息香酸を付加したポリオール変性アミノ基含有エポキシ樹脂である基体樹脂No.5を得た。
【0113】
製造例7 基体樹脂No.6
エポン1004(油化シエルエポキシ社製、エポキシ当量約950を有するビスフェノールA型エポキシ樹脂)1900部をブチルセロソルブ 546部に溶解し、ジエチルアミン124部を80〜100℃で滴下後120℃で2時間保持して、アミン価47をもつエポキシ樹脂−アミン付加物を得た。
次に、アミン価100をもつダイマー酸タイプポリアミド樹脂(商品名バーサミド460、ヘンケル白水(株)製)1000部をメチルイソブチルケトン 210部に溶かし、130〜150℃に加熱還流し、生成水を留去して該アミド樹脂の末端アミノ基をケチミンに変えた。このものを150℃で約3時間保持し、水の留出が停止してから60℃に冷却する。次に、前記エポキシ樹脂−アミン付加物に加えて、100℃に加熱し、1時間保持後室温に冷却して、アミン価65、固形分80%のエポキシ樹脂−アミノ−ポリアミド付加樹脂のアミノ基含有エポキシ樹脂である基体樹脂No.6を得た。
【0114】
硬化剤の製造
製造例8 硬化剤No.1
コスモネートM−200(三井化学株式会社製、商品名、クルードMDI)270gにメチルイソブチルケトン46gを加え70℃に昇温した。ジエチレングリコールモノエチルエーテル46gを加え70℃に昇温した。さらにジエチレングリコールモノエチルエーテル281gをゆっくり加えた後、90℃に昇温した。
この温度を保ちながら、経時でサンプリングし、赤外吸収スペクトル測定にて未反応のイソシアネートの吸収がなくなったことを確認することにより、溶剤量を調整し、固形分90%のブロックポリイソシアネート硬化剤No.1を得た。
【0115】
製造例9 硬化剤No.2
反応容器中にコスモネートM−200 270部及びメチルイソブチルケトン25部を加え70℃に昇温した。その中に2,2−ジメチロールブタン酸15部を徐々に添加し、ついでエチレングリコールモノブチルエーテル118部を滴下して加え、70℃で1時間反応させた後、60℃に冷却し、プロピレングリコール152部を添加した。
この温度を保ちながら、経時でサンプリングし、赤外線吸収スペクトル測定にて未反応のイソシアナト基の吸収がなくなったことを確認し、固形分90%の硬化剤No.2を得た。
【0116】
製造例10 硬化剤No.3
イソホロンジイソシアネート 222部、メチルイソブチルケトン 44部に、50℃でメチルエチルケトオキシム 174部をゆっくり滴下し、固形分90%の硬化剤No.3を得た。
【0117】
カチオン性塗料組成物用のエマルションの製造
製造例11 エマルションNo.1
基体樹脂No.1 87.5部(樹脂固形分で70部)、硬化剤No.1 を33.3g(樹脂固形分で30g)、及び10%酢酸を13部を配合し、均一に攪拌した後、脱イオン水を強く攪拌しながら約15分間を要して滴下し、固形分34%のエマルションNo.1を得た。
【0118】
製造例12〜20
表1の配合内容として、製造例11と同様の操作にてエマルションNo.2〜No.10を得た。
【0119】
【表1】
Figure 2004223303
【0120】
顔料分散ペーストの製造
製造例21 顔料分散ペーストNo.1
固形分60%のエポキシ系4級アンモニウム型分散用樹脂 5.83部(固形分3.5部)、酸化チタン14.5部、精製クレー7.0部、水酸化ビスマス 1.0部、有機錫1.0部、カーボンブラック0.4部、脱イオン水20.1部を加え、ボールミルにて20時間分散したあと取出し、固形分55%の顔料分散ペーストNo.1を得た。
【0121】
製造例22 顔料分散ペーストNo.2
固形分60%のエポキシ系4級アンモニウム型分散用樹脂 5.83部(固形分3.5部)、酸化チタン14.5部、精製クレー7.0部、水酸化ビスマス 3.0部、有機錫1.0部、カーボンブラック0.4部、脱イオン水 21.8部を加え、ボールミルにて20時間分散したあと取出し、固形分55%の顔料分散ペーストNo.2を得た。
【0122】
【表2】
Figure 2004223303
【0123】
実施例及び比較例
実施例1
エマルションNo.1(基体樹脂No.1、硬化剤No.1) 297部(固形分100部)に、顔料分散ペーストNo.1を49.8部(固形分27.4部)、脱イオン水 290部を加え、固形分20%のカチオン性塗料No.1を製造した。
【0124】
実施例2〜7、及び比較例1〜3
表3の配合内容とする以外は、実施例1と同様にしてカチオン性塗料No.2〜No.10を得た。カチオン性塗料No.1〜10の塗料配合、及び試験結果を表3に示す。
【0125】
【表3】
Figure 2004223303
【0126】
(注2)ガラス転移温度:各カチオン性塗料をブリキ板に塗装し、170℃−20分で焼き付けた20μmの塗膜を、アマルガム法を用いて剥離し5mm幅の短冊状とした。
次に、RS−20C型(株式会社レスカ製、商品名、ガラス転移温度測定装置)に、その試験片を測定部分の長さが20mmになるように取り付け、ガラス転移温度の測定を行なう。図1のように最小二乗法によってガラス転移温度(Tg)を求めた。
【0127】
(注3)酸素透過性:各カチオン性塗料をブリキ板に塗装し、170℃−20分で焼き付けた20μmの塗膜を、アマルガム法を用いて剥離し、その塗膜を直径18 mmφにカットし、測定セルに装着した。
次に、圧力差式でGCMS(質量分析計)を検出器としたガス透過率測定装置(電子科学株式会社EMD−05B)を使用し、測定温度は40℃で酸素透過性を測定した(図2参照)。
【0128】
(注4)密着性:図3のような治具とショッパー試験機によって5回測定し、平均値を密着力とした。
【0129】
(注5)耐食性:各カチオン性塗料を、70mm×150mmのリン酸亜鉛処理を施したSPCC鋼板に170℃で20分間焼き付け後の膜厚が20μmとなる条件で塗装し、水洗後、170℃で20分間焼き付けた。その塗板にカッターナイフにてクロスカットを入れ、35℃ソルトスプレー試験にて840時間後、テープ剥離を行い評価した。
◎:テープ剥離幅が2mm未満
○:テープ剥離幅が2mm3mm未満で良好な範囲
△:テープ剥離幅が3mm以上、4mm未満
×:テープ剥離幅が4mm以上。
【0130】
(注6)温塩水ディップ性:各カチオン性塗料を、70mm×150mmの無処理冷延鋼板に170℃で20分間焼き付け後の膜厚が20μmとなる塗装条件で電着塗装を実施し、水洗後、170℃で20分間焼き付けた塗膜を、50℃の塩水に浸漬し、試験480時間後、鋼板の全面をテープ剥離を行い評価した。
○:塗板の面積に対して、塗膜が剥離した割合が10%未満
△:塗板の面積に対して、塗膜が剥離した割合が10〜20%
×:塗板の面積に対して、塗膜が剥離した割合が20%を越えるもの。
【0131】
(注7)暴露耐食性:各カチオン性塗料を、70mm×150mmのリン酸亜鉛処理を施した冷延鋼板に170℃で20分間焼き付け後の膜厚が20μmとなる条件で塗装し、水洗後、170℃で20分間焼き付けた。中塗り塗料TP−65−2を35μm塗装し、140℃−20分焼き付けた。次に、ネオアミラック6000(白)を35μm塗装し、140℃−20分焼き付けた。
次に、その塗板にカッターナイフにてクロスカットを入れ、千倉町(千葉県)にて1年間、暴露試験に供した。
○:カット部からの錆、フクレ幅が3mm以内(片側)
△:カット部からの錆、フクレ幅が3〜4mm(片側)
×:カット部からの錆、フクレ幅が4mmを越えるもの(片側)。
【0132】
(注8)仕上り性(水平面):各カチオン性塗料を試験槽に満たし、70mm×150mmのリン酸亜鉛処理を施した冷延鋼板を用いて、膜厚が20μmとなる条件で水平にて塗装した。水洗後、170℃で20分間焼き付け、その塗面状態を観察した。
○:ツヤ引け、ブツ、ハジキやへこみなどなく良好
△:ツヤ引け、ブツ、ハジキやへこみなどの仕上がり性の低下が見られる
×:ツヤ引け、ブツ、ハジキやへこみなどの仕上がり性の低下が著しい。
【0133】
【図面の簡単な説明】
【図1】ガラス転移温度の求め方のグラフである。
【図2】酸素透過性の電極と配線図のモデル図である。
【図3】密着性の試験に用いた治具である。
【符号の説明】
1.塗膜
2.5%のKCl水溶液
3.酸素を封入する
4.被塗物
5.塗膜
6.16cmの密着性の測定治具
7.治具と塗膜の間を、瞬間接着剤で接着する
8.ショッパー試験機に重りを付けて動かす。

Claims (7)

  1. 被塗物が金属の塗装において、以下の特徴を有する基体樹脂(I)と硬化剤(I)を含有するカチオン性塗料組成物を用いて、該カチオン性塗料組成物の塗膜が、ガラス転移温度(Tg)が60〜95℃で、かつ膜厚20μmの酸素透過性が5×10−13(cc・cm/cm・sec・cmHg)〜5×10−11(cc・cm/cm・sec・cmHg)であることを特徴とする耐食性に優れる金属塗装方法。
    基体樹脂(I):エポキシ当量が180〜2500のエポキシ樹脂(1)にキシレンホルムアルデヒド樹脂(2)及びアミノ基含有化合物(3)を反応させてなるキシレンホルムアルデヒド樹脂変性アミノ基含有エポキシ樹脂
    硬化剤(I):ブロック剤によってポリイソシアネート化合物のイソシアネート基をブロックしたブロック化ポリイソシアネート化合物
  2. カチオン性塗料組成物における基体樹脂として、以下の特徴を有する基体樹脂(II)を用いることを特徴とする請求項1に記載の耐食性に優れる金属塗装方法。
    基体樹脂(II):エポキシ当量が180〜2500のエポキシ樹脂(1)に、アミノ基含有化合物(3)、及び複数の活性水素基を含有する化合物にカプロラクトンを付加して得られるポリオール化合物(4)を反応させてなるポリオール変性アミノ基含有エポキシ樹脂
  3. カチオン性塗料組成物における基体樹脂として、以下の特徴を有する基体樹脂(III)を用いることを特徴とする請求項1に記載の耐食性に優れる金属塗装方法。
    基体樹脂(III):エポキシ当量が180〜2500のエポキシ樹脂(1)に、アルキルフェノール類(v)及び/又はカルボン酸類(v)、アミノ基含有化合物(3)、及び複数の活性水素基を含有する化合物にカプロラクトンを付加して得られるポリオール化合物(4)を反応させてなるポリオール変性アミノ基含有エポキシ樹脂(III)
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のカチオン性塗料組成物における硬化剤の全て又は一部として、プロピレングリコールを含有する活性水素含有成分と芳香族ポリイソシアネート化合物を反応させてなるブロックポリイソシアネート硬化剤(II)を含有することを特徴とする耐食性に優れる金属塗装方法。
  5. 被塗物にカチオン性塗料組成物を塗装した塗膜の密着力が、3.0kg/cm以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の耐食性に優れる金属塗装方法。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載のカチオン性塗料組成物が、少なくとも1種のビスマス化合物を含有する耐食性に優れる金属塗装方法。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の耐食性に優れる金属塗装方法によって得られた塗装物品。
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