以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。図1は、本発明のカード式パチンコ機の一実施形態を示す正面図であり、カード式パチンコ機1は、パチンコ機本体2とパチンコ機本体2の正面左方に隣接して配置されるカードユニット3よりなる。カードユニット3は、その中央に、金銭と同様の有価価値を有するプリペイドカードが縦方向に挿入されるカード挿入口119が配備され、カードユニット3上部には、該カードユニット3が利用可能であることを示すカード利用可能LED123が設けられ、また、カード利用可能LED123とカード挿入口119との間には、上方より下方に向かって順に、カードの残高が1回の球貸に関する払出し金額に満たない時に、その端数を表示するための端数表示ボタン122と、該カードユニット3に対応したパチンコ機本体2の方向を表示して指し示す連結台方向表示LED121と、カードが挿入されると点灯するカード挿入中LED120の各々が配設されている。また、カード挿入口119の下方には、カードユニット3のカード挿入口119を開閉するためのカードユニット鍵118が設けられている。
パチンコ機本体2は、パチンコ機本体2の外形を形成する基枠69がパチンコ機本体2の左側寄りの一端を蝶番117により開閉自在に取付けられ、基枠69には、前面ガラス131を備えた金枠70がパチンコ機本体2の上部から中程までを前方に向けて開閉自在に取付けられ、金枠70は、金枠鍵104によって基枠69に閉止される。また、金枠70の一下端縁の内方には不正行為により金枠70が開放された場合に作動する金枠開放検出スイッチ110が配備されている。基枠69の上部及び右側には、パチンコ遊技中の当たり発生時に点灯または点滅表示される当たり表示灯102が複数箇所配備され、さらに、金枠70が不正行為によって開放された場合に点灯される金枠開放表示灯103が基枠69の上部に配備されている。
基枠69と金枠70との間には、遊技盤10が設けられ、遊技盤10面には、弾発された遊技球を遊技盤10上方に誘導する球誘導レール55と、遊技球が回収されるアウト球受口54が配設され、遊技盤10の左側上方には、遊技盤10面において発生した入賞に対する賞品球の払出し時及び賞品球の切れ発生時に点灯表示される賞品球表示灯101が設けられている。なお、遊技盤10面には、各種入賞装置15,16,7,8や図柄表示装置としての図柄表示ユニット17が配設されている。
金枠70の下方には、正面右方より左方へ順に、球貸し時に操作する球貸ボタン106と、カードの残高を表示するセグメントよりなるカード残高表示LED108と、カードの返却時に操作する返却ボタン109と、パチンコ球の球貸及び払出し時における可能状態と球切れや払出し経路の満タン等に起因する球排出の不可能状態を表示する払出し表示LED105の各々が配設される。球貸ボタン106は、透明な合成樹脂材料よりなり、その内部に球貸可能である場合に点灯される球貸可能LED107が配備され、該カード式パチンコ機1が球貸可能となっているか否かを視認できるようになっている。
さらに、球貸ボタン106、カード残高表示LED109、返却ボタン109及び払出し表示LED105の下方に、前方に張出して上皿112が設けられ、パチンコ球は、上皿112内に払い出される。なお、球貸ボタン106の奥方には球貸スイッチ67が配備され、返却ボタン109の奥方には返却スイッチ68が配備されている。
上皿112の底部奥方には、カード式パチンコ機1の拡声部であるスピーカ130が配備される。上皿112の下方には、下皿115が設けられ、上皿112の上面に設けられる球抜きレバー111を押下することにより、上皿112内に停留するパチンコ球を下皿115内に流下する。下皿115の右方には、パチンコ球を遊技盤に向けて弾発するための発射モータを有する発射装置を操作するハンドル114が設けられ、ハンドル114の側方には、発射装置の駆動を操作して停止するための発射装置停止ボタン113が設けられている。また、下皿115の底部には、球抜きレバー116が設けられ、下皿115内のパチンコ球を下方に流下できるようになっている。
図2は、図1のカード式パチンコ機の裏面図である。パチンコ機本体2の上部には、球タンク125が配設され、該球タンク125には、図示しない遊技場内に設置されたパチンコ球の循環装置よりパチンコ球が供給される。球タンク125の底部には、球タンク125内の球の重みでオンとなる球切れ検出スイッチ124が配備され、球切れ検出スイッチ124は、球タンク125内のパチンコ球が少量となるとオフとなる。また、球タンク125には、静電防止器146が配設され、球切れ検出スイッチ124の誤動作を防止している。球タンク125には、内外に2条の球通路が設けられたタンクレール126が基枠69の側端に向けて傾斜がかけられて連結され、球タンク125に投入されたパチンコ球は、2条の球通路内に誘導されタンクレール126の傾斜に沿って移動する。
タンクレール126の内外の2条の球通路の途中には各々通過するパチンコ球の有無を検出する球切れ検出スイッチ147が配備され、球切れ検出スイッチ147は賞品球がない場合にオフとなる。また、基枠69の略中間の側方寄りには球排出装置127が設けられ、タンクレール126の傾斜方向の先端が下方に向けて屈曲されて球排出装置127に連結されている。2条の球通路内に誘導されタンクレール126の傾斜に沿って移動したパチンコ球は、球排出装置127内に設けられる2つの通路に入って保持され、球排出装置127の作動により一定数のパチンコ球が賞品球あるいは球貸要求に対する使用球、または球抜き操作による排出球として下方に解放される。
球排出装置127の下方には、賞品球あるいは球貸要求に対するパチンコ球が上皿112に対して払い出される図示しない払い出し経路と、球抜操作によってパチンコ球が排出される図示しない球排出路が設けられている。また、球排出装置127の下方には球排出装置127やカードユニット3との入出力制御等を行う枠制御基板129が配設されている。
基枠69の中央には遊技盤10面に配備される特別図柄表示部9を含んで構成された図柄表示ユニット17や各入賞装置15,16,7,8を制御する遊技盤10における制御基板145や入賞したパチンコ球が誘導される図示しない球誘導路が内部に形成されている基板収納ボックス29が配置されている。
基板収納ボックス29の上面の下方には、遊技盤10面に配設された図柄表示ユニット17の特別図柄表示部9における遊技者に利益を付与する図柄の発生確率を複数段階に切替えるために操作されるキースイッチ23が設けられ、キースイッチ23の側方には、キースイッチ23による発生確率の設定状態を表示する3個の設定表示LED28が配設されている。
基板収納ボックス29上面の上部には、遊技場内の集中管理装置に対してカード式パチンコ機1の情報を出力する外部接続端子部の一部を構成する外部接続端子A1,A2,A3,A4が各々が一体に配設されている。
外部接続端子A1は、キースイッチ23による当りの発生確率の設定情報を出力し、外部続端子A2,A3,A4は、遊技盤10面において発生する各特定の遊技状態の情報出力端子であって、外部接続端子A2は、遊技盤10面に配備された図柄表示ユニット17の特別図柄の変動の有無を出力し、外部接続端子A3は、図柄表示ユニット17の特別図柄表示部9の停止図柄が特定の組み合わせとなった時に発生する大当り情報を出力し、外部接続端子A4は、キースイッチ23による発生確率の設定とは別に、遊技盤10における制御基板145において制御されるパチンコ機の遊技プログラムによって特別図柄表示部9の大当りの発生確率を高確率と通常確率の間で切替えられる場合の特別図柄表示部9の大当りの発生確率の高確率情報を出力する。なお、図6にキースイッチ23と3個の設定表示LED28a乃至28cの拡大正面図を示す。
球排出装置127の払い出し経路は基板収納ボックス29の外形に沿うように形成されており、払い出し経路は、中途において2方に分岐し、一方は上皿112に連通され、他方は下方に延在して下皿口141に連通され、下皿口141に至る経路の側方に賞品球経路満タン検出スイッチ138が配設され、賞品球経路満タン検出スイッチ138は、下皿口141に至る経路内にパチンコ球が満タンとなるとオンされる。
下皿口141の一側寄りには、カード式パチンコ機1の異常状態やカード式パチンコ機1に対する不正行為が検出された場合に出力された信号を制御する防犯制御基板137が配設されている。
また、球排出装置127の下方の基枠69の内縁には、球切りモータ136と球切りモータ136によって回転駆動される球切りカム135と球切りカム135に入った遊技球によって作動状態となる賞品球払出し検出スイッチ132とよりなる払出し検出機構142が配設されている。
また、賞品球払出し検出スイッチ132の下方には、払出しモニターLED133および134が配設されている。払出しモニターLED133は、通常時、緑に点灯され、球排出装置127内にパチンコ球がない時に消灯される。払出しモニターLED134は、通常時には消灯され、球排出装置127内にパチンコ球がない時に、赤に点灯される。
また、図1のハンドル114に対応する位置には、発射モータ144が配置され、発射モータ144の下方には、発射装置制御基板143が配設される。また、パチンコ機本体2裏面の下方カードユニット3寄りには、カードユニット3よりの信号の入出力を行うインターフェース基板139が配備されている。
さらに、パチンコ機本体2裏面上方の球タンク125側方には、遊技場内の集中管理装置に該カードパチンコ機1の各情報を出力する外部接続端子部の一部である外部接続B1乃至B2と外部接続端子B3乃至B6との各々が設けられている。また、外部接続端子B3乃至B6の側方には遊技機用電源コード128が設けられている。
外部出力端子B1は、貸球情報出力する端子であって、貸球25個ごとに信号を出力し、外部出力端子B2は、入賞に対する賞品球の払出し情報を出力する端子であって、払出し球数10個ごとに信号を出力する。
外部出力端子B3は、図柄表示ユニット17の特別図柄表示部9の停止図柄が特定の組み合わせとなった時に発生する大当り情報を出力する。
外部出力端子B4は、球切れ情報を出力する端子であって、球タンク40内のパチンコ球が不足して球切れ検出スイッチ124がオフとなると、情報を外部に出力する。
外部出力端子B5は、発射装置制御入力端子であって、外部より接点信号が入力され、端子間を短絡した状態にすると、防犯基板137へ信号が出力され、発射モータ144が停止される。
外部出力端子B6は、不正行為による金枠開放情報を出力する端子であって、金枠開放検出スイッチ110が作動した場合に、不正情報を外部に出力する。
なお、本実施形態では、外部出力端子B1乃至B2及び外部出力端子B3乃至B6の出力信号の大きさは、出力信号自体でソレノイドやLED等の駆動機構を動作可能な程度の大出力としている。
また、カードユニット3裏面には、パチンコ機本体2とカードユニット3とを電気的に接続するための雌型コネクタ63が設けられ、前述したインターフェース基板139とカードユニット3とは、カードユニット3の雌型コネクタ63に嵌合する雄型コネクタ64により接続される。カードユニット3の下部には、カードユニット電源コード140が配設されている。また、カードユニット3は、カードユニット係止部材65,66によりパチンコ機本体2の基枠69の一側面に係止される。
キースイッチ23は、従来公知の構成を有するもので、図6において、キースイッチ23の外装である外装部38に回動可能に柱状の回動軸部39が嵌装され、回動軸部39の上面には、キー穴40が形成されている。また、外装部38の内側には出力端子と柱状の回動軸部39の周面には、接点が複数個設けられ、キースイッチ23のキー穴40に嵌合する図示していないキーを挿入して回動操作することにより、回動軸部39の接点と外装部38の内側の出力端子が接触し、信号出力する。
なお、本実施形態では、回動軸部39は、中立位置を基準として左方及び右方にそれぞれ45度まで回動可能であり、左方に回動した場合と右方に回動した場合とでそれぞれ異なる信号を出力する。以下の説明では、左方に回動した場合に出力される信号を信号Aといい、右方に回動した場合に出力される信号を信号Bということとする。
図5は、基板収納ボックス29の上面に設けられたキースイッチ23及び設定表示LED28a,28b,28cと、遊技盤10面に配設された図柄表示ユニット17や各入賞装置15,16,7,8等の制御を行う制御基板145の概略で示す機能ブロック図である。
キースイッチ23の要部を構成する設定モード制御部26には、キースイッチ23よりの回動操作による出力端子と接点との接触状態により信号を出力するキースイッチ接点回路24がキースイッチ入力部25を介して設定モード制御部26に接続され、また、時間計測手段としての設定モード用タイマ27と、キースイッチ23による確率モードの設定状態を表示する設定表示LED28a,28b,28cの各々が接続され、設定モード制御部26は制御基板145に接続される。
設定モード制御部26は、キースイッチ入力部25よりの信号に応じて、設定表示LED28a,28b,28cの各々を点灯する一方、設定モード用タイマ27を作動させて設定時間を計測し、所定時間経過した後、キースイッチ入力部25よりの入力信号を読み込んで入力信号に応じた確率モードを制御基板145に出力し、確率モード出力後は、確率モードの設定変更を行わない。
設定モード制御部26より出力される出力信号は、制御基板145側の図示しないROMに格納される遊技盤10における図柄表示ユニット17や各入賞装置15,16,7,8等の制御プログラムにおけるモード判定手段57に入力され、図柄始動判定手段59より当り判定手段58に信号が入力されると、当り判定手段58がモード判定手段57による確率モードの判定結果と確率切替手段60の各々の信号に基づく確率で、当りか当りでないかを判定し、当りとなった場合には、報知手段61に信号出力してより音声および表示により遊技者に報知すると共に、入賞装置駆動手段62に信号出力して当りに関する入賞動作を行う。
次に、実施形態におけるキースイッチ23の設定操作による確率モードの設定について図7(a)〜(g)を参照して説明する。
パチンコ機本体2の電源投入前に、図7(a)に示すように、キーをキースイッチのキー穴40に差込み、図7(b)に示すように、左方向に回動した後、パチンコ機本体2に電源を投入する。
設定モード制御部26には、キースイッチ入力部25より左に回動したときの信号Aが入力される。設定モード制御部26は、信号Aが入力されると設定表示LED28a,28b,28cに信号出力して現在の確率モードの値を点灯表示する。図7(c)に示される状態において、確率モードは、設定1,設定2,設定3の3種類であり、設定1である場合は、設定表示LED28aが点灯し、設定表示LED28b及び28cが消灯となり、設定2である場合には、設定表示LED28a及び28bが点灯し、設定表示LED28cが消灯となり、設定3である場合には、設定表示LED28a,28b,28cの全てが点灯する。
次いで、図7(d)に示すように、キーを中立位置に戻し、さらに、図7(e)及び(f)に示すように、右方向に回動した後、再び中立位置まで戻す。設定モード制御部26には、キースイッチ入力部25より右に回動したときの信号Bが入力される。設定モード制御部26は、信号Bが入力されると、確率モードの値を1つ更新する。即ち、例えば、電源投入時の確率モードの値が設定1である場合には、中立位置より右方向に回動した後、再び中立位置まで戻す操作を1回行うと、確率モードの値は、設定2に変更される。また、設定モード制御部26は、確率モードの現在値を設定表示LED28a,28b,28cに信号出力して点灯表示し、設定モード用タイマ27を作動して確率モード変更後の経過時間を測定する。
なお、続けて確率モードを変更する場合には、中立位置より右方向に回動した後、再び中立位置まで戻す操作を繰り返し行う。この操作を繰り返す毎に、設定表示LED28a,28b,28cに変更された確率モードの値が点灯表示されると共に、設定モード用タイマ27がリセットされて作動する。
キースイッチ23が中立位置に戻されて後、キースイッチ23が回動操作されないと、設定モード用タイマ27の経過時間が所定時間に達する。設定モード制御部26は、設定モード用タイマ27の経過時間が所定時間に達すると、キースイッチ入力部25よりの信号Bの入力を拒否し、キースイッチ入力部25よりの信号Aの入力のみ許可する。この時点で、制御基板145に対する確率モードの値が決定され、設定モード制御部26は制御基板145に対して決定された確率モードの値を出力する。また、この時点以降の確率モードの切替変更ができないこととなり、設定表示LED28a,28b,28cには、設定された確率モードが5秒間表示される。なお、設定モード用タイマ27の作動後の計測する所定時間は、5秒としている。
設定された確率モードを確認したい場合には、図7(g)に示すように、キースイッチ23を左に回動する。設定モード制御部26はキースイッチ入力部25よりの信号Aの入力のみ許可しているので、信号Aが入力されて設定表示LED28a,28b,28cには、設定された確率モードが表示される。
以上説明したように、カード式パチンコ機1の電源投入時に、キースイッチ23を操作することにより、遊技盤10における当りの発生確率を段階的に切替変更することができる。
次に、実施形態のカードパチンコ機1の遊技盤10について説明する。図3は、実施形態のカード式パチンコ機の遊技盤10面を示した正面図である。遊技盤10の前面には、遊技球の飛出しを防止する前面ガラス131が設けられているが、図示は省略されている。以後、遊技盤1面から前面ガラス131ヘ向く方向を前方といい、遊技盤10から前面ガラス131ヘ向く方向と逆方向を奥方ということにして説明する。
図3において、遊技盤10面の略中央には、特別図柄表示部9と、左右の普通図柄表示部12,13を含んで構成された図柄表示ユニット17が配備される。図柄表示ユニット17の左右には、左方に左ゲート15と右方に右ゲート16が配設され、左ゲート15と右ゲート16は、図柄表示ユニット17内の左右の普通図柄表示部12,13の図柄変動の開始刺激となる普通図柄作動口であって、左ゲート15と右ゲート16の奥方には各々、左,右ゲート15,16を通過する遊技球を検出する普通図柄作動スイッチSW2,SW2が配備されている。
また、図柄表示ユニット17の下方には、ソレノイドによって開放動作を行う普通電動役物7からなる図柄表示ユニット17内の特別図柄表示部9の図柄変動の始動口である第1種始動口11が配備され、普通電動役物7の奥方には、普通電動役物7に入賞した遊技球を検出する第1種始動口入賞検出スイッチSW1が配備されている。
図柄表示ユニット17は、図4に示されるように、頂部に天入賞口41を備え、天入賞口41の直下及び図柄表示ユニット17の上両側部の内側を囲むようにして前方に突出して配備された振分け部22が形成され、振分け部22に衝突した遊技球は左右に振り分けられる。また、振分け部22の下方と、図柄表示ユニット17の下方側部及び下端寄りの内側を囲んで区切り壁21が形成されている。
図柄表示ユニット17の区切り壁21によって囲まれた内側には、縦横に十字に特別図柄表示部9が配置され、特別図柄表示部9は、左方の左特別図柄表示部4と、縦方向に配置される中特別図柄表示部6と右方の右特別図柄表示部5とに区分され、さらに、中特別図柄表示部6は、上より下に向かって最上部6a,中上部6b,中下部6c,最下部6dの4つに区分され、中特別図柄表示部6の中下部6cは左特別図柄表示部4と右特別図柄表示部5との間に位置し、左特別図柄表示部4と中特別図柄表示部6の中下部6cと右特別図柄表示部5とは横一列となっている。そして、左特別図柄表示部4の下側には、左普通図柄表示部12が配置され、右特別図柄表示部5の下側には右普通図柄表示部13が配置されている。さらに、左普通図柄表示部12の下側と右普通図柄表示部13には、前述した普通電動役物7よりなる第1種始動口11への遊技球の入賞個数を最高4個迄点灯表示する記憶数表示LED19が2個ずつ配設されている。
図3において、普通電動役物7の下方には、ソレノイドによって開閉されるアタッカー形状の大入賞口8が配設され、該大入賞口8は、図柄表示ユニット2の特別図柄表示部9の左,中,右の特別図柄が図12に示されるような図柄の組合わせとなった場合、即ち、左特別図柄表示部4と中特別図柄6の中下部6cと右特別図柄表示部5に停止される図柄が全て一致した場合に大入賞口8の開閉動作が開始される。
大入賞口8の内部は、左,中,右の3つの入賞領域に区分され、中程の入賞領域が特定領域14に設定され、特定領域14の奥方には、該特定領域14を通過した遊技球を検出する特定領域通過検出スイッチSW4が配備されている。大入賞口8の開閉動作は、開放中に特定領域14に遊技球が通過した場合、開放終了後に新たに大入賞口8の開放が行われ、大入賞口8の開閉動作は、特別図柄表示部3における図柄一致に基づく初回の開放を含めて最高16回行われる。
また、大入賞口8の左右にはそれぞれ左下入賞口42と右下入賞口43が配設され、大入賞口8の下方には、大入賞口8の開閉動作の開放回数を表示する連続回数表示LED18と大入賞口8の1回の開放について大入賞口8内に入賞した遊技球の総数を表示する大入賞口入賞数表示LED20とが配備されている。
図3において、左中入賞口46、右中入賞口47、ランプ付風車44、風車45、アウト球受口54、球誘導レール55、返しゴム56の各要素については周知であるから説明を省略する。また、各符号50は表示灯A,51は表示灯B,52は表示灯C,53は表示灯Dである。
図8は、本発明のカード式パチンコ機の遊技盤10面に配設された特別図柄表示部9や各入賞装置15,16,7,8等の制御を行う制御部の要部を示すブロック図であり、該制御部は、図柄表示ユニット17の制御プログラムや集中管理装置150に対する信号出力に関するプログラム及び表示図柄用のデータ及び図柄変動用の変動時間データ等を格納したROM31とデータの一時記憶等に用いられるRAM32及びROM31の制御プログラムに従って図柄表示ユニット17の各部を駆動制御するCPU30によって構成され、該制御部は条件検出手段や特別図柄表示部9における確率モード判定手段や確率切替手段等を兼ねる。
第1種始動口入賞検出スイッチSW1,普通図柄作動スイッチSW2,SW2大入賞口入賞検出スイッチSW3,特定領域入賞検出スイッチSW4及び普通電動役物7以外の各入賞口41,42,43及び大入賞口8に入賞した遊技球を検出する入賞球検出スイッチSW5の各々は、スイッチ検出部33を介してCPU30に接続され、また、キースイッチ23による確率モードを出力する設定モード制御部26がスイッチ検出部33を介してCPU30に接続され、また、パチンコ機本体1よりの賞品球検出信号がスイッチ検出部33を介してCPU30に入力される。本実施形態では、普通電動役物7に遊技球が入賞した場合には、5個パチンコ球の払出しを行い、普通電動役物7以外の各入賞口に入賞した場合には15個のパチンコ球の払出しを行うようにしている。
また、左,中,右図柄表示部4,6,5及び左,右普通図柄表示部12,13の各々は各LED表示回路37を介してCPU30に接続され、CPU30により個別にまたは同時に駆動制御されるようになっている。普通電動役物7を開閉駆動する普通電動役物開放ソレノイドSOL1はソレノイド駆動回路35を介しCPU30に接続され、大入賞口8を開閉駆動する大入賞口開閉ソレノイドSOL2は、ソレノイド駆動回路34を介しCPU30に接続され、CPU30により個別にまたは同時に駆動制御されるようになっている。また、クロック・リセット回路36はCPU30の処理周期を規定する。
さらに、外部接続端子A1乃至A4に連絡される駆動する外部出力駆動回路Aと外部接続端子B1乃至B6に連絡される駆動する外部出力駆動回路BとがCPU30に接続され、外部出力駆動回路Bには金枠開放検出スイッチ110が接続されている。CPU30は、外部出力駆動回路Aを介して遊技場内の集中管理装置150に特別図柄の変動情報や大当り発生や大当り発生の通常または高確率の確率状態及びカード式パチンコ機1に設定された大当り発生確率に関する設定状態の情報を出力し、外部出力駆動回路Bを介しても大当り発生情報を集中管理装置150に出力する。金枠69が不正行為によって開放された場合には、金枠検出スイッチ110により金枠69の開放が検出され、外部出力駆動回路Bを介して集中管理装置150に不正情報が出力される。
また、CPU30には、払出し信号駆動部71が接続され、CPU30は、払出し信号駆動部69を介して払出し信号1と払出し信号2をパチンコ機本体1側に出力する。払い出すパチンコ球が5個の場合には、払出し信号1が出力され、15個の場合には、払出し信号2が出力される。
CPU30は遊技盤10における各表示灯A,B,C,Dや連続回数表示LED18、大入賞口入賞数表示LED20及び記憶数表示LED19等の駆動制御手段をも兼ねるが、これら各部材の駆動制御方式については周知であるから説明を省略する。
図9は、実施形態のパチンコ機本体1の要部ブロック図である。パチンコ機本体2の制御部は、球排出装置127の駆動制御プログラムやカードユニット3との入出力制御プログラムや球抜き動作プログラム等を格納したROM153と、データの一時記憶に使用されるRAM154及びROM153に格納された制御プログラムに従ってパチンコ機本体2の各部を駆動制御するCPU152とを一体に実装してなるマイクロコンピュータ151により構成され、該制御部は、条件検出手段を兼ねる。
マイクロコンピュータ151には、球切れ検出スイッチ147および球抜き操作検出スイッチ164の各々がスイッチ検出部162を介して接続され、賞品球払出し検出スイッチ132と賞品球経路満タン検出スイッチ138とがスイッチ入力回路159を介して接続されている。
また、カードユニット3がカードユニットインターフェイス139に接続されているが、図示を省略している。カードユニットインターフェイス139には、パチンコ機本体2の前面中央奥方に設けられた球貸スイッチ67と返却スイッチ68が接続されている。カードユニットインターフェイス139は、球貸信号制御回路157を介してマイクロコンピュータ151に接続される。
さらに、マイクロコンピュータ151には、払出し信号制御回路155,外部出力駆動回路156,マイクロコンピュータ151の処理周期を規定するクロック回路165,マイクロコンピュータ151の処理暴走時に作動してリセットを行うウォッチドッグタイマリセット回路166が接続され、またさらに、球切りモータ136がモータ駆動回路161を介して接続され、発射モータ144がモータ駆動回路160を介して接続され、球抜きソレノイドSOL3がソレノイド駆動回路163を介して接続されている。また、外部出力駆動回路156には、球切れ検出スイッチ124が接続されている。
なお、パチンコ機本体2の制御部は、払出し表示LED105,払出しモニターLED133及び134,球貸可能LED107,カード残高表示LED108等の各LEDの表示駆動手段を兼ねるが、図示は省略している。
次に、パチンコ機本体2の動作を概略で述べる。電源投入後、カードユニット3のカード利用可能LED123が点灯し、カード利用可能であることを表示し、連結台方向表示LED121が図1の場合では左方向を表示して指し示す。また、パチンコ機本体2においては、マイクロコンピュータ151が、パチンコ機本体2の払出し表示LED123が緑に点灯すると共に、モータ制御回路161を介して球切りモータ136を駆動する。
カード挿入口119にカードを挿入すると、カードユニット3は、カードに記憶されている金額情報を読み込んで記憶すると共にカード挿入中LED120を点灯し、カードユニットインターフェース139を介してカード残高表示LED108に金額が表示され、マイクロコンピュータ151は、球貸ボタン106の内部の球貸可能LED107点灯する。
球貸ボタン106が操作されると、マイクロコンピュータ151は、球貸信号制御回路157を介して球貸信号を入力する。この時、マイクロコンピュータ151は、スイッチ検出部162を介して球抜き操作検出スイッチ164と、球切れ検出スイッチ147のオンオフ状態を判別して、球抜きが行われていないこと、球無し状態でないことを判定し、球排出装置制御回路158を介して球排出装置127を駆動して、球貸動作を開始し、払出し表示LED105を緑で点滅する。
そして、所定個数25個のパチンコ球の貸し出しが終了すると、マイクロコンピュータ151は、外部出力駆動回路156を介して貸球情報を遊技場内の集中管理装置150に出力する。上皿112内にはパチンコ球が貸出され、払出し表示LED105は、再び緑で点灯となる。
また、カードユニット3に対しても、マイクロコンピュータ151はカードユニットインターフェイス139を介して球貸動作終了を出力し、カードユニット3は、記憶している金額データより1回分の貸出し金額を減算する。このことにより、カード残高表示LED108には減算された後の金額が新たに表示されることとなる。
遊技者がハンドル114を回動操作すると、モータ制御回路160は発射モータ144を駆動してパチンコ球の弾発を開始する。遊技盤10において入賞が発生すると、遊技盤10面における制御を行う制御基板145は入賞種別の記憶を行う。入賞したパチンコ球は、遊技盤10裏面の誘導路を通って球切りカム135内に入る。球切りカム135に入った遊技球は、賞品球払出し検出スイッチ132を作動させた後、遊技盤10側に落下してパチンコ機本体2内に回収される。
賞品球払出し検出スイッチ132の作動信号は、マイクロコンピュータ151に入力され、さらに、遊技盤10面の各入賞装置等を制御する制御基板145に入力される。制御基板145は、賞品球払出し検出スイッチSW5の作動信号が入力されると、この信号と同期してマイクロコンピュータ151に払出し信号1または払出し信号2を送出する。マイクロコンピュータ151は、払出し信号制御回路155を介して払出し信号が入力されると、送られた払出し信号に応じて球排出装置127を制御して賞品球の払出しを行う。なお、マイクロコンピュータ151は、払出し動作の開始から払出し動作中において、球抜きが行われていないこと、球タンク125よりタンクレール126に至る経路が球無し状態でないこと、また、球排出装置制御回路158を介して球排出装置127内に球が有ることの判定と、払出し経路におけるパチンコ球の満タン状態となっていないかを判定する。
マイクロコンピュータ151は、制御基板145よりの払出し信号1または払出し信号2に応じて、球排出装置制御回路158を介して球排出装置127を作動して、パチンコ球の払出し動作を行う。この時、遊技盤10に設けられた賞品球表示灯101が点灯する。
払出し動作中に、賞品球経路満タンスイッチ138からの信号入力が検出されて、払出し経路においてパチンコ球が満タン状態となると、マイクロコンピュータ151は、球排出装置127の作動を停止し、払出し表示LED105を赤で点灯する。
この場合、下皿115の球抜きレバー111,116等を操作して、払出し経路内のパチンコ球を流下して抜くと、賞品球経路満タンスイッチ138がオフとなり、マイクロコンピュータ151は、再び球排出装置127を作動して払出し動作を行う。
また、払出し動作中に球タンク125に残留しているパチンコ球が少量となると、球切れ検出スイッチ124がオフとなり、遊技場内の集中管理装置150にオフ情報が出力される。このことにより、遊技場内に設置されたパチンコ機の循環装置より新たに所定量のパチンコ球が球タンク125に供給され、球切れ検出スイッチ124がオンとなり、遊技場内の集中管理装置150にオン情報が出力される。
さらに、球排出装置127に至る経路において球づまり等が発生して球排出装置127内に球が無くなる場合には、球排出装置制御回路158によって球無状態が検出され、マイクロコンピュータ151は、払出し表示LED105を赤で点滅すると共に、パチンコ機本体2裏面の払出しモニターLED133を消灯し、払出しモニターLED134を赤で点灯する。
払出し動作が正常に行われている場合には、マイクロコンピュータ151は、球排出装置制御回路158を介してパチンコ球の払出し個数を計数し、10個払出す毎に、外部出力駆動回路156を介して賞品球情報を集中管理装置150に出力する。
球抜き操作は、遊技盤10面側よりピン等を挿入することによって操作される球抜き操作検出スイッチ164が入力された場合に行われる。この場合には、マイクロコンピュータ151は、球排出装置127が球貸動作及び賞品球の払出し動作を行っていないことを条件に球抜き動作を行う。
球抜き操作検出スイッチ164が操作されると、操作信号はスイッチ検出部162を介してマイクロコンピュータ151に入力される。マイクロコンピュータ151は、ソレノイド駆動回路163を介して球抜きソレノイドSOL3を励磁し、払出し経路より球抜き経路側に球の排出経路を切替え、球排出装置制御回路158を介して球排出装置127を駆動して球抜き動作を行う。球抜き動作は、動作開始から45秒後、または、タンクレール126に設けられた球切れ検出スイッチ147よりの球無し検出がなされてから3秒後に終了する。
返却ボタン109を押すと、カードユニットインターフェイス139は、カードユニット3に記憶している金額データをカードに書き込み、カード挿入口119よりカードを返却する。
なお、集中管理装置150に対する貸球情報出力及び賞品球情報出力は、集中管理装置150が遊技場内に設置されている他の全てのパチンコ機とデータの受取りを行っているために、外部出力駆動部156より出力された信号が受け入れを拒絶されることから避けるため、信号の出力時間を所定時間持たせている。本実施形態の場合には、貸球情報出力及び賞品球情報出力の出力時間を100msとしている。
以下、ROM31に格納された制御プログラムの要部を示すフローチャート(図14乃至図28)を参照して本実施形態におけるカード式パチンコ機の遊技盤10における特別図柄表示部9の図柄変動に基づいて発生する図柄変動情報出力、大当り情報出力、大当り発生に関する高確率情報出力及びカード式パチンコ機1に設定されている大当り発生確率に関する確率モードの情報出力に関する処理動作を説明する。
なお、実施形態のカード式パチンコ機は、特別図柄表示部9の図柄変動の始動口としての第1種始動口11を兼ねる普通電動役物7が、左ゲート15または右ゲート16への遊技球の通過による左,右普通図柄表示部12,13の図柄一致によって拡開動作を行うが、キースイッチ23の設定操作による確率モードの出力信号は、特別図柄表示部9の当り外れのみに関係するので、普通図柄作動スイッチSW2による遊技球の左ゲート15または右ゲート16の通過検出より、普通図柄の変動,停止及び図柄判定と、普通図柄の当りに関する普通電動役物7の拡開動作に関する駆動制御処理の説明を省略する。
CPU30は、第1種始動口11に遊技球が入賞すると、図10に示すような動作タイミングチャートに従って左,右,中特別図柄表示部4,5,6の図柄変動処理を行う。左,右,中特別図柄表示部4,5,6の特別図柄の移行順序は、図11に示す通りであり、図柄の移行速度は高速,中速,低速の3種類であって、各特別図柄の移行速度は、各図柄共に高速時は、0.016秒で2/8図柄、即ち、0.064秒/図柄であり、中速時は、0.032秒で1/8図柄、即ち、0.256秒/図柄であり、低速時は、0.064秒で1/8図柄、即ち、0.512秒/図柄となっている。
図14に示すタスク1の処理と図15乃至図17に示すタスク2の処理と、図18乃至図27に示すタスク3の処理と、図28に示すタスク4の処理は、クロック・リセット回路36からの信号に応じ、CPU30が所定の処理周期(μsのオーダー)ごとに並列的に繰り返し実行するものである。
図14に示すタスク1の処理は、左,右,中特別図柄表示部4,5,6の停止時の図柄をランダムに作成するための処理で、左特別図柄は15段階、中特別図柄は15段階、右特別図柄は15段階の図柄データが設けられている。
CPU30は、所定処理周期毎に、左特別図柄データ記憶レジスタr0,中特別図柄データ記憶レジスタr1,右特別図柄データ記憶レジスタr2の各々に記憶される内部処理指標の値を逐次変化させて左,中,右特別図柄の組合せをランダムに作成する。即ち、CPU30は、Rレジスタの現在値に基づいて左,右,中特別図柄データを作成して左特別図柄データ記憶レジスタr0,中特別図柄データ記憶レジスタr1,右特別図柄データ記憶レジスタr2の各々に作成した内部処理指標の値を記憶する(ステップa1)。
ここで、Rレジスタは、ROM31に格納されたプログラムの1命令実行毎に実行結果の状態を記憶するレジスタであって、CPU30がプログラムの命令を1つ実行する毎に1つインクリメントされ、Rレジスタの内容は飽和状態に到達すると0クリアされる。
左,中,右特別図柄データ記憶レジスタr0乃至r2に記憶される内部処理指標の値と特別図柄の関係は表1乃至表3に示す通りであって、左特別図柄と右特別図柄及び中特別図柄に関する内部処理指標の取り得る値は0乃至14である。従って図柄可能な全ての組合わせの特別図柄を一巡して作成するためには153回の処理周期が必要とされる。
図15乃至図17に示すタスク2の処理は、左,右,中特別図柄表示部4,5,6の停止時の当り判定に用いる大当り判定用乱数の値をキースイッチ23よりの確率モード信号の値、即ち、設定1,設定2,設定3のいずれかの場合に基づいて発生させ、第1種始動口11への遊技球の入賞があった場合には、入賞検出時点の大当り判定用乱数の値を最高4個まで記憶する処理である。
タスク2の処理を開始したCPU30は、まず、タスク1の処理で作成した図柄データ記憶レジスタr0乃至r2に記憶された内部処理指標の値の全一致不一致を比較判定し(ステップb1)、図柄データ記憶レジスタr0乃至r2に記憶された内部処理指標の値がすべて一致した場合には、各内部処理指標のr0乃至r2の現在値を左,中,右大当り図柄データ記憶レジスタr0a乃至r2aの各々に格納し(ステップb2)、また、作成された内部処理指標の組合わせが不一致であり外れ図柄に関するものであれば各内部処理指標r0乃至r2の現在値を左,中,右外れ図柄データ記憶レジスタr0b乃至r2bの各々に格納する(ステップb3)。
次に、CPU30は、大当り用乱数記憶レジスタWの値を0乃至250の範囲でインクリメントし(ステップb4)、大当り用乱数記憶レジスタWの値が250に到達しているか否かを判別し(ステップb5)、大当り用乱数記憶レジスタWの値が250に到達する毎にレジスタWの値を0に初期化する(ステップb6)。このため実際には、大当り用乱数記憶レジスタWの値で250が記憶されることはない。
ステップb5あるいはステップb6の処理後、CPU30は、ステップb7に移行し、確率設定用乱数記憶レジスタVの値を切り替える処理を行う。CPU30は、Rレジスタの0〜2ビット(0〜7までの値)を演算用の一般レジスタRAに格納し(ステップb7)、一般レジスタRAの値に1加算し(ステップb8)、確率設定用乱数記憶レジスタVの値に一般レジスタRAの値を加算して演算結果を確率設定用乱数記憶レジスタVに格納する(ステップb9)。次いで、CPU30は、確率設定用乱数記憶レジスタVの値が256以上であるか否かを判別し(ステップb10)、確率設定用乱数記憶レジスタVの値が256以上である場合には、確率設定用乱数記憶レジスタVの値を0に初期化する(ステップb11)。このため、確率設定用乱数記憶レジスタVの値は、0乃至255の範囲で切り替わることとなる。
ステップb10あるいはステップb11の処理後、CPU30は、ステップb12に移行し、左,中,右特別図柄の高速変動時間に関する高速時間判定タイマGOTMの値が0となっているか否かを判定する(ステップb12)。
ここで、高速時間判定タイマGOTMの値は、第1種始動口11への遊技球の入賞に応じて記憶する大当り判定用乱数の記憶数が1である場合に所定の値がセットされ、この後、所定の処理周期で実行されるタスク2の処理毎に、値が1つデクリメントされるものである。高速時間判定タイマGOTMの値が0である場合には、後続のタスク3の特別図柄の図柄変動処理において、特別図柄の変動時間の短縮が行われる。CPU30は、高速時間判定タイマGOTMの値が0である場合には、ステップb14に移行する一方、高速時間判定タイマGOTMの値が0でない場合には、高速時間判定タイマGOTMの値を1つデクリメントし(ステップb13)、ステップb14に移行する。
ステップb14に移行したCPU30は、第1種始動口11への遊技球の入賞があるか否かを、第1種始動口入賞検出スイッチSW1よりの信号入力があるか否かにより判別し(ステップb14)、第1種始動口入賞検出スイッチSW1よりの信号入力がある場合には、入賞記憶数カウンタCの値を1つインクリメントすると共に(ステップb15)、入賞記憶数カウンタCの値が規定の入賞記憶数5に達しているか否かを判別し(ステップb16)、5に達していなければ入賞記憶数カウンタCの現在値が1であるか否かを判別し(ステップb17)、入賞記憶数カウンタCの現在値が1であれば、高速時間判定タイマGOTMに所定の値をセットする一方(ステップb18)、入賞記憶数カウンタCの現在値が1でなければそのままステップb19に移行し、入賞記憶数カウンタCの現在値に対応して、確定乱数記憶レジスタR1乃至R4に大当り用乱数記憶レジスタWの値を格納して記憶し(ステップb19〜ステップb25)、タスク2の処理を終了する。この結果、第1種始動口11への遊技球の入賞がある場合には、確定乱数記憶レジスタR1乃至R4に大当り用乱数記憶レジスタWの値が最高4個まで記憶されることとなる。
また、ステップb14の判別処理において、第1種始動口入賞検出スイッチSW1よりの信号入力が検出されなかった場合には、CPU30はタスク2の処理を終了し、また、ステップb16の判別処理において、入賞記憶数カウンタCの現在値が5以上であった場合にもCPU30は、タスク2の処理を終了する。このため、第1種始動口11への遊技球の入賞記憶が既に4であった場合には、5個目の第1種始動口11への入賞は記憶されない。
高速時間判定タイマGOTMの値は、実施形態では、ステップb18の処理において高速時間判定タイマGOTMにセットする所定値を実施形態の処理タイミングで4.600秒を規定する値としている。
CPU30は、ステップb1よりステップb25に至る処理によって、左,右,中特別図柄表示部4,5,6の特別図柄の停止時の図柄判定に使用する大当り判定用乱数の作成し、確率設定用乱数記憶レジスタVの値を0乃至255の範囲で切り替え、第1種始動口9への遊技球の入賞に応じて大当り判定用乱数の値を記憶する。
次に、特別図柄の図柄変動及び確率モードの値に基づく当り判定を行うタスク3の処理について説明する。CPU30は、ステップc1乃至ステップc6までの判別処理において、特別図柄動作フラグFaの現在値を判別し、特別図柄動作フラグFaの現在値に応じて左,右,中特別図柄表示部4,5,6の変動処理と、記憶された大当り判定用乱数の値と確率モードの値及び確率設定用乱数の値に基づいて大当りの判定を行って、大当りの場合には大入賞口8の連続開閉動作を行う。
特別図柄動作フラグFaの値は、0で第1種始動口11への入賞検出待ち状態、1で左,中,右特別図柄表示部4,6,5の変動中、2で右,中特別図柄表示部5,6の変動中、3で中特別図柄表示部6の変動中、4で左特別図柄表示部4と右特別図柄表示部5との停止図柄が一致した場合の中特別図柄表示部6の図柄変動中、5で大入賞口8の開放までの待機中、6で大入賞口8の開閉動作中を規定するものである。また、各特別図柄の変動停止は、左、右、中の順で行われる。
第1種始動口11への遊技球の入賞がなく左,右,中の特別図柄表示部4,5,6の図柄変動が開始されていなければ、特別図柄動作フラグFaの現在値は0となっており、CPU30は、ステップc1の判別処理において、真と判定してステップc7に移行し、入賞数記憶カウンタCの現在値が0であるか否かを判別し(ステップc7)、入賞数記憶カウンタCの値が0以外の値である場合には、入賞数記憶カウンタの値を1つデクリメントし(ステップc8)、確定乱数記憶レジスタR1乃至R4のデータを確定値記憶レジスタR0および確定乱数記憶レジスタR1乃至R3に順次シフトして、確定乱数記憶レジスタR4に0をセットして初期化する(ステップc9)。この結果、入賞数記憶カウンタCの値が1つデクリメントされるため、次周期以降のタスク3の処理において、第1種始動口11への遊技球の入賞が検出された場合には、確定乱数記憶レジスタR4に大当り用乱数記憶レジスタWの値が記憶されることとなる。
一方、ステップc7の判別処理において、入賞数記憶カウンタCの値が0である場合には、第1種始動口9への遊技球の入賞が検出されなかったこととなるので、この場合には、CPU30は特別図柄の図柄変動を行わずに、タスク3の処理を終了する。
ステップc9の処理を実行した場合には、CPU30は、高速時間判定タイマGOTMの現在値が0となっているか否かを判別し(ステップc10)、高速時間判定タイマGOTMの値が0ならば、左特別図柄の高速変動時間としてパラメータhに所定値A4を設定する一方(ステップc11)、高速時間判定タイマGOTMの値が0以外の値であれば、パラメータhに所定値A1を設定し(ステップc12)、次いで、タイマT2を作動して計時を開始し(ステップc13)、特別図柄動作フラグFaの値を1に切替えて左,右,中特別図柄の変動処理の開始を記憶し(ステップc14)、変動状態フラグFbに1をセットし(ステップc15)、図柄変動出力フラグf1に1をセットして外部出力に関する特別図柄表示部9の図柄変動の開始を記憶し(ステップc16)、図10に示される、左,右,中特別図柄の図柄変動処理のタイミングチャートに従って左,右,中特別図柄に関する高速変動処理を開始し(ステップc17)、この周期の処理を終了する。
ここで、変動状態フラグFbの値は、各特別図柄表示部4,5,6の特別図柄の変動状態を規定するフラグであり、0で停止、1で高速変動中、2で中速変動中、3で低速変動を規定するものである。
高速時間判定タイマGOTMの値が0となった場合に左特別図柄表示部4の高速変動時間を規定するパラメータhに設定される値A4は、本実施形態では1.056秒としており、高速時間判定タイマGOTMの値が0でない場合に左特別図柄表示部4の高速変動時間を規定するパラメータhに設定される値A1は、5.056秒としており、高速時間判定タイマGOTMの値が0である場合によって設定される高速変動時間の短縮は、4.000秒となっている。
高速時間判定タイマGOTMの値は、第1種始動口11への入賞記憶の総数が1である場合にステップb18の処理によってセットされるので、第1種始動口11への入賞記憶の総数が1なって以降の経過時間が、実施形態の場合4.600秒経過した時点で左特別図柄表示部4の高速変動時間として1.056秒がセットされることとなり、通常の場合には、5.056秒がセットされる。
以下、特別図柄動作フラグFaの値が1となり特別図柄の変動処理が開始された場合について説明する。次周期以降の処理では、CPU30は特別図柄動作フラグFaの値1に基づいて、ステップc1およびステップc2の判別後、ステップc18に移行し、変動状態フラグFbの値1に応じて、変動表示開始後の経過時間T2がパラメータhに設定した値に達するまでの間、ステップc1,ステップc2およびステップc18,ステップc19の判別処理と左,右,中の各図柄表示部4,5,6の高速変動に関するステップc37の処理を所定の処理周期で繰り返し実行することとなる。
各特別図柄表示部4,5,6の変動表示開始後の経過時間T2がパラメータhに設定した値に達すると(ステップc19)、確定値記憶レジスタR0に格納されている値が大当りとなる値であるか否かの当り判定に関する処理を行う。
まず、CPU30は、確定値記憶レジスタR0に格納されている値が大当りを規定する設定値10と一致するか否か、即ち、今回の図柄変動処理の開始刺激となった第1種始動口11の入賞検出時点における大当り用乱数記憶レジスタWの値が大当りに対応する設定値10と一致するか否かを判別し(ステップc20)、確定値記憶レジスタR0の値が設定値10と一致した場合には、ステップc23に移行する。
ステップc20の判別処理で確定値記憶レジスタR0の値が設定値10と一致しない場合には、CPU30は、高確率フラグFpの値が高確率を規定する値1であるか否かを判別することとなる(ステップc21)。
高確率フラグFpの値は、通常確率である場合には0であり、高確率である場合には1である。高確率フラグFpの値は、後続のステップc69の大当り判定に関する処理において、大当りとなった場合の左,中,右特別図柄の組合わせが図13に示される3通りの図柄うちのいずれかとなった場合に、この時点で高確率フラグFpの値に1がセットされ、次回以降の大当り発生時の左,中,右特別図柄の大当り図柄の組合わせが図13に示される3通りの図柄の組合わせ以外の図柄となった場合に、通常確率を規定する値0に戻される。
ステップc21の判別結果が高確率フラグFpの値が高確率を規定する値1でない場合には、即ち、通常確率で当りの判定する場合には、大当りを規定する値が10のみであり、この場合には、確定値記憶レジスタR0の値が設定値10と一致しておらず外れとなり、CPU30は、ステップc30に移行する。
一方、ステップc21の判別結果が高確率フラグFpの値が高確率を規定する値1である場合には、即ち、高確率で当りの判定する場合には、CPU30は、確定値記憶レジスタR0の値が125乃至133の範囲内の値であるか否かを判別し(ステップc22)、確定値記憶レジスタR0の値が125乃至133の範囲内の値である場合には、ステップc23に移行する一方、確定値記憶レジスタR0の値が125乃至133の範囲内の値でなければ、外れとなり、CPU30は、ステップc30に移行する。高確率で当りの判定を行う場合には、当りを規定する値は、10及び125乃至133の10個となり、大当りが発生する可能性が通常確率の10倍となる。
通常確率で当り判定を行って、確定値記憶レジスタR0の値が10である場合及び高確率で当り判定を行って、確定値記憶レジスタR0の値が10または125乃至133の範囲内の値であるには、大当りが発生する可能性があることとなる。この場合には、CPU30は、ステップc23に移行し、キースイッチ23によって設定された確率モードの値に応じて大当りか否かの最終判定を行う。
CPU30は、設定モード制御部26よりのモード信号を入力して設定確率フラグFrに値をセットし(ステップc23)、次いで、設定確率フラグFrの値が1,2,3のうちのいずれかであるかを判別する(ステップc24〜ステップc28)。
設定確率フラグFrの値が1である場合には、即ち、確率モードが設定1である場合には、ステップc24の判定結果が真となってCPU30はステップc25に移行し、確率設定用乱数記憶レジスタVの値が255以下であるか否かを判別し(ステップc25)、確率設定用乱数記憶レジスタVの値が255以下である場合には、当りとなってステップc29に移行する一方、確率設定用乱数記憶レジスタVの値が255以下でない場合には、外れとなってステップc30に移行するが、確率設定用乱数記憶レジスタVの取り得る値の範囲が0乃至255であるので、設定1である場合には大当り判定用乱数の値が大当りに関する値であれば当りとなる。
設定確率フラグFrの値が2である場合には、即ち、確率モードが設定2である場合には、ステップc24の判定結果が偽となりステップc26の判定結果が真となってCPU30はステップc27に移行し、確率設定用乱数記憶レジスタVの値が232以下であるか否かを判別し(ステップc27)、確率設定用乱数記憶レジスタVの値が232以下である場合には、当りとなってステップc29に移行する一方、確率設定用乱数記憶レジスタVの値が232以下でない場合には、外れとなってステップc30に移行する。
設定確率フラグFrの値が3である場合には、即ち、確率モードが設定3である場合には、ステップc24の判定結果が偽となりステップc26の判定結果が偽となってCPU30はステップc28に移行し、確率設定用乱数記憶レジスタVの値が209以下であるか否かを判別し(ステップc28)、確率設定用乱数記憶レジスタVの値が209以下である場合には、当りとなってステップc29に移行する一方、確率設定用乱数記憶レジスタVの値が209以下でない場合には、外れとなってステップc30に移行する。
通常確率で当り判定を行う場合に大当りが発生する確率は、大当り判定用乱数の取り得る値の総数が250であって、確率設定用乱数の取り得る値の総数が256であり、大当りとなる乱数の値が10であって1個であるから、設定1である場合には、1/256・256/256、即ち、1/250となり、設定2である場合には、1/256・233/256、即ち、概略すると1/274.7となり、設定3である場合には、1/256・210/256、即ち、概略すると1/304.8となる。
また、高確率で当り判定を行う場合に大当りが発生する確率は、大当り判定用乱数の取り得る値の総数が250であって、確率設定用乱数の取り得る値の総数が256であり、大当りとなる乱数の値が10及び125乃至133の計10個であるから、設定1である場合には、10/256・256/256、即ち、10/250となり、設定2である場合には、10/256・233/256、即ち、概略すると10/274.7となり、設定3である場合には、10/256・210/256、即ち、概略すると10/304.8となる。
CPU30は、当りと判定した場合には、左,中,右大当り図柄データ記憶レジスタr0a乃至r2aの各値を左,中,右表示図柄データ記憶レジスタr0c乃至r2cに格納する一方(ステップc29)、外れと判定した場合にはステップc30に移行し、左,中,右外れ図柄データ記憶レジスタr0b乃至r2bの各値を左,中,右表示図柄データ記憶レジスタr0c乃至r2cの各々に格納して(ステップc30)、変動停止時に左,中,右特別図柄表示部4,6,5に表示すべき図柄を確定する。
ステップc29またはステップc30の処理実行後、CPU30は、左特別図柄の変動停止時間t3時に左表示図柄データ記憶レジスタr0cの内部処理指標に対応する図柄が表示されるように左特別図柄に関する表示指標ilの値を設定変更して(ステップc31)、左特別図柄の中速変動時間としてパラメータtに所定値Aを設定し(ステップc32)、タイマT2を作動して計時を開始し(ステップc33)、変動状態記憶フラグFbに2をセットして(ステップc34)、左特別図柄表示部4の変動速度を高速変動から中速変動に切り替え(ステップc35)、この周期のタスク3の処理を終了する。なお、本実施形態では左特別図柄の中速変動時間としての所定値Aを0.128秒としている。
実施形態の処理タイミングによれば、高速変動から中速変動への切り替えに際し、表示指標ilの現在値が変動停止時に左特別図柄表示部4に表示すべき図柄の表示指標よりも1図柄前の表示指標となるようにilの値を設定変更することにより、変動停止時にr0cの図柄を得ることができる。
次周期以降の処理では、CPU30は、特別図柄動作フラグFaの値が1となっているので、ステップc1,ステップc2及びステップc18の判別処理実行後ステップc36に移行し、以下、変動状態記憶フラグFbの現在値2に応じて、左特別図柄表示部4の中速変動表示開始後の経過時間T2がパラメータtの値に達するまでの間、ステップc1,ステップc2,ステップc18およびステップc36及びステップc38の判別処理と、左特別図柄表示部4の中速変動に関する処理および中,右の各特別図柄表示部6,5の高速変動に関するステップc43の処理を所定の処理周期で繰り返し実行することとなる。
左特別図柄表示部4の中速変動表示開始後の経過時間T2がパラメータtの値に達すると(ステップc38)、CPU30は、左特別図柄の低速変動時間としてパラメータtに所定値Bを設定し(ステップc39)、タイマT2を作動して計時を開始し(ステップc40)、変動状態記憶フラグFbに3をセットして(ステップc41)、左特別図柄表示部4の変動速度を中速変動から低速変動に切り替え(ステップc42)、この周期のタスク3の処理を終了する。実施形態では、左特別図柄の低速変動時間としての所定値Bを0.256秒としている。
次周期以降の処理では、CPU30はステップc1,ステップc2,ステップc18およびステップc36の判別処理実行後ステップc44に移行し、以下、変動状態記憶フラグFbの現在値3に応じて、左特別表示部4の低速変動表示開始後の経過時間T2がパラメータtの値に達するまでの間、ステップc1,ステップc2,ステップc18,ステップc36およびステップc44の判別処理と、左特別図柄表示部4の低速変動および中,右の各特別図柄表示部6,5の高速変動に関するステップc45の処理を所定の処理周期で繰り返し実行することとなる。
左特別図柄表示部4の低速変動表示開始後の経過時間T2がパラメータtの値に達すると(ステップc44)、CPU30は、左特別図柄の低速変動停止する(ステップc46)。この時点で左表示図柄データ記憶レジスタr0cに記憶された内部処理指標に対応する図柄が静止表示されることとなる。
次いで、CPU30は、右特別図柄表示部5の中速変動時間を設定するために、右特別図柄表示部5の変動停止時間t5時に右表示図柄データ記憶レジスタr2cの内部処理指標に対応する図柄が表示されるように右特別図柄に関する表示指標irの値をを設定変更して(ステップc47)、右特別図柄の中速変動時間としてパラメータtに所定値Cを設定し(ステップc48)、タイマT2を作動して計時を開始し(ステップc49)、特別図柄動作フラグFaの値を2に切り替え(ステップc50)、変動状態記憶フラグFbに2をセットして(ステップc51)、右特別図柄表示部5の変動速度を高速変動から中速変動に切り替え(ステップc52)、この周期のタスク3の処理を終了する。なお、本実施形態では右特別図柄の中速変動時間としての所定値Cを0.800秒としている。
実施形態の処理タイミングによれば、高速変動から中速変動への切り替えに際し、表示指標irの現在値が変動停止時に右特別図柄表示部5に表示すべき図柄の表示指標よりも4図柄前の表示指標となるようにirの値を設定変更することにより、変動停止時にr2cの図柄を得ることができる。
以下、右特別図柄と中特別図柄の図柄変動処理に関しては、概略で説明することとする。次周期以降の処理では、特別図柄動作フラグFaの値が2となるため、CPU30は特別図柄動作フラグFaの値2に基づいて、ステップc1,ステップc2及びステップc3の判別後、ステップc53に移行し、右特別図柄に関する図柄変動表処理と中特別図柄に関する図柄変動処理を行い(ステップc53〜ステップc54)、右特別図柄の変動開始後の経過時間が所定時間A2+C+Dに達するまでの間、ステップc1,ステップc2,ステップc3の判別処理とステップc53乃至ステップb54の右特別図柄表示部5の図柄変動処理および中特別図柄表示部6の図柄変動処理を所定の処理周期で繰り返し実行することとなる。
右特別図柄の変動開始後の経過時間が所定時間A2+C+Dに達すると(ステップc55)、CPU30は、右特別図柄表示部5の図柄変動を停止する(ステップc56)。この時点で右表示図柄データ記憶レジスタr2cに記憶された内部処理指標に対応する図柄が静止表示されることとなる。
次いで、CPU30は、左特別図柄表示部4の表示指標ilの現在値と右特別図柄表示部5の表示指標irの現在値とが一致しているか否か、即ち、変動表示を停止した左特別図柄表示部4と右特別図柄表示部5の図柄組合せが大当り図柄の組合せの必要条件を満足しているか否かを比較判定し(ステップc57)、判定結果に応じて、t5時以降の図柄変動処理、即ち、中特別図柄表示部6の変動時間を設定することとなるが、この点に関しては、本発明の要旨とは直接関係がないので説明を省略する。
ステップc57の判別結果が偽となった場合、即ち、左特別図柄表示部4の停止図柄と右特別図柄表示部5の停止図柄とが一致していず、大当りの発生する確率が皆無の場合には、即ち、リーチとなっていない場合には、CPU30は、特別図柄動作フラグFaの値を3に切替える一方(ステップc59)、ステップc57の判別結果が真となった場合、即ち、左特別図柄表示部4の停止図柄と右特別図柄表示部5の停止図柄とが一致して、大当りの発生する可能性がある場合には、即ち、リーチの場合には、特別図柄動作フラグFaの値を4に切替え(ステップc58)、この周期の処理を終了する。
変動停止した左特別図柄表示部4の停止図柄と右特別図柄表示部5の停止図柄とが一致していない場合、即ち、リーチとならなかった場合には、特別図柄動作フラグFaの値が3となるため、次周期以降の処理では、CPU30は特別図柄動作フラグFaの値3に基づいて、ステップc1,ステップc2,ステップc3及びステップc4の判別後、ステップc60に移行し、中特別図柄に関する図柄変動処理を行い(ステップc60)、中特別図柄の変動開始後の経過時間が設定時間A3+E+F+Gに達するまでの間、ステップc1,ステップc2,ステップc3及びステップc4の判別処理とステップc60の中特別図柄表示部6の図柄変動処理を所定の処理周期で繰り返し実行することとなる。
中特別図柄の変動開始後の経過時間が設定時間A3+E+F+Gに達すると(ステップc61)、CPU30は、中特別図柄表示部6の図柄変動を停止する(ステップc62)。この時点で中表示図柄データ記憶レジスタr1cに記憶された内部処理指標に対応する図柄が静止表示されることとなる。CPU30は、特別図柄動作フラグFaの値を0セットして初期化し(ステップc63)、この周期の処理を終了する。この場合には、特別図柄動作フラグFaの値が0とされるため次周期でのタスク3の処理では、CPU30は、ステップc1の判別処理後ステップc7に移行し、第1種始動口11への入賞記憶があれば新たな図柄の図柄変動処理が開始されることとなる。
また、変動停止した左特別図柄表示部4の停止図柄と右特別図柄表示部5の停止図柄とが一致した場合、即ち、リーチとなった場合には、特別図柄動作フラグFaの値が4となるため、次周期以降の処理では、CPU30は特別図柄動作フラグFaの値4に基づいて、ステップc1,ステップc2,ステップc3,ステップc4及びステップc5の判別後、ステップc64に移行し、リーチ時における中特別図柄に関する図柄変動処理を行い(ステップc64)、中特別図柄の変動開始後の経過時間が設定時間A3+I+(J+K)・n+L+M+Gに達するまでの間、ステップc1,ステップc2,ステップc3,ステップc4及びステップc5の判別処理とステップc64のリーチ時における中特別図柄に関する図柄変動処理を所定の処理周期で繰り返し実行する。
なお、nは、リーチ時における中特別図柄表示部6の時刻t6時以降における中速及び高速の図柄変動表示の繰り返し回数を示す値であって、Rレジスタの0〜1ビットの値によって決定されるランダムな値である。
リーチ時における中特別図柄の変動開始後の経過時間が設定時間A3+I+(J+K)・n+L+M+Gに達すると(ステップc65)、CPU30は、中特別図柄表示部6の図柄変動を停止する(ステップc66)。この時点で中表示図柄データ記憶レジスタr1cに記憶された内部処理指標に対応する図柄が静止表示されることとなる。
次いで、CPU30は、停止表示された左,中,右特別図柄表示部4,5,6の各特別図柄が図12に示すような大当りの図柄の組合わせに一致するか否かを判定する(ステップc67)。即ち、左表示図柄データ記憶レジスタr0cの値と中表示図柄データ記憶レジスタr1cの値が一致しているか否かを判別する。リーチである場合には、左表示図柄データ記憶レジスタr0cの値と右表示図柄データ記憶レジスタr2cの値は既に一致しているので、ステップc67の判定結果が真であれば、大当りとなる。
ステップc67の判別結果が偽である場合には、停止表示された左,中,右特別図柄の図柄の組合わせに一致せず外れであり、CPU30は、特別図柄動作フラグFaの値を0セットして初期化し(ステップc68)、この周期の処理を終了する。この場合には、特別図柄動作フラグFaの値が0とされるため次周期でのタスク3の処理では、CPU30は、ステップc1の判別処理後ステップc7に移行し、第1種始動口11への入賞記憶があれば新たな図柄の図柄変動処理が開始されることとなる。
ステップc67の判別結果が真である場合には、停止表示された左,中,右特別図柄の図柄の組合わせは大当りの図柄組合わせである。この場合には、CPU30は、大当りした図柄の組合わせが図13に示すような図柄であるか否かを判別する(ステップc69)。即ち、中表示図柄データ記憶レジスタr1cに記憶された値が3,5,7のうちのいずれかであるか否かを判別する。
中表示図柄データ記憶レジスタr1cに記憶された値が3,5,7のうちのいずれかである場合には、CPU30は、ステップc69の判別結果を真と判定し、高確率フラグFpの値に1をセットして後続の大入賞口8の開閉動作を行った後の特別図柄の図柄変動における大当りが発生する確率を高確率にし(ステップc71)、外部出力における高確率出力フラグf2に1をセットする(ステップc72)。
また、ステップc69の判別結果が偽である場合には、CPU30は、高確率フラグFpの値を0セットして後続の大入賞口8の開閉動作を行った後の特別図柄の図柄変動における大当りが発生する確率を通常確率に戻す(ステップc70)。
大当りとなった場合には、CPU30は、ステップc70またはステップc71及びステップc72の処理後、特別図柄動作フラグFaの値を5に切替え(ステップc73)、外部出力における大当り出力フラグf3に1をセットし(ステップc74)、この周期の処理を終了する。
特別図柄動作フラグFaの値が5とされるため次周期でのタスク3の処理では、CPU30は、ステップc1,ステップc2,ステップc3,ステップc4,ステップc5及びステップc6の判別後、ステップd1の判別処理において、真と判定してステップd2に移行して大入賞口8に関する待機処理を実行する(ステップd2)。このため、特別図柄に関する図柄変動処理は行われない。
CPU30は、大入賞口8の待機処理の終了条件が成立したか否かを判別し(ステップd2)、大入賞口8の待機処理の終了条件が成立しなければこの周期の処理を終了する。
CPU30は、特別図柄動作フラグFaの値5に基づいて、大入賞口8の待機処理の終了条件が成立するまでの間、ステップc1,ステップc2,ステップc3,ステップc4,ステップc5及びステップc6の判別処理とステップd1,ステップd2,ステップd3の処理を所定周期で繰り返し実行し、大入賞口8の待機処理の終了条件が成立すると(ステップd2)、特別図柄動作フラグFaの値を6に切替え(ステップd4)、この周期の処理を終了する。
次周期以降の処理では、特別図柄動作フラグFaの値が6とされるため、CPU30は、ステップc1,ステップc2,ステップc3,ステップc4,ステップc5,ステップc6,ステップd1及びステップd5の判別後、ステップd6に移行し、大入賞口8の開閉動作処理を開始し(ステップd6)、大入賞口8の開閉動作処理の終了条件が成立したか否かを判別し(ステップd7)、終了条件が成立していなければ、この周期の処理を終了する。
CPU30は、大入賞口8の開閉動作処理の終了条件が成立するまでの間、ステップc1,ステップc2,ステップc3,ステップc4,ステップc5,ステップc6,ステップd1及びステップd5の判別処理とステップd6の大入賞口8の開閉動作処理とステップd7の判別処理を所定の処理周期で繰り返し実行する。
そして、大入賞口8の開閉動作処理の終了条件が成立すると(ステップd7)、CPU30は、大入賞口8を閉鎖し(ステップd8)、特別図柄動作フラグFaの値を0セットして初期化し(ステップd9)、この周期の処理を終了する。
特別図柄動作フラグFaの値が0とされるため次周期でのタスク3の処理では、CPU30は、ステップc1の判別処理後ステップc7に移行し、第1種始動口11への入賞記憶があれば新たな図柄の図柄変動処理が開始されることとなる。また、図13に示されるような図柄の組合わせで大当りとなった場合には、高確率フラグFpの値に1がセットされているので、ステップc21の判定が真となり、大当り判定用乱数の値が高確率で判定される。
図28に示すタスク4の処理は、遊技場内の集中管理装置150に対する外部出力処理である。集中管理装置150に対する図柄変動情報出力、高確率情報出力及び大当り情報出力は、集中管理装置150が遊技場内に設置されている他の全てのパチンコ機とデータの受取りを行っているために、外部出力駆動回路A及びBより出力された信号の受け入れが拒絶される場合があり、このことを避けるため、信号の出力時間を所定時間持たせている。本実施形態の場合には、情報出力の出力時間を100msとしている。
CPU30は、まず、集中管理装置150に対して信号出力が行えるか否かを、信号出力フラグF1の値が0であるか否かによって判別する(ステップe1)。信号出力フラグF1の値は、0で信号出力可能で、1で現在信号を出力している最中であることを規定する。
信号出力フラグF1の値が0であれば、集中管理装置150に対して信号出力が行えることとなる。CPU30は、外部出力駆動回路Aを介して外部接続端子A1乃至A4より、図柄変動出力フラグf1、高確率出力フラグf2、大当り出力フラグf3及び確率モードの値が記憶された設定確率フラグFrの値(0〜3までの値)を出力する指令をすると共に、外部出力駆動回路Bを介して外部接続端子B3より、大当り出力フラグf3の値を出力する指令をし(ステップe2)、図柄変動出力フラグf1、高確率出力フラグf2、大当り出力フラグf3の各値を0クリアし(ステップe3)、信号出力フラグF1の値に1をセットし(ステップe4)、出力時間タイマT3に所定時間を規定する値を設定して(ステップe5)、この周期のタスク4の処理を終了する。前述したように、出力時間タイマT3に設定される所定値は、実施形態の処理タイミングによれば、情報出力の出力時間を100msとする値がセットされる。
外部接続端子A1は、設定確率フラグFrの値0乃至3を出力するため2本で1組の構成とされ、外部接続端子A2乃至A4は各1本で構成され、図柄変動出力フラグf1の値は外部接続端子A2より出力され、高確率出力フラグf2の値は外部接続端子A3より出力され、大当り出力フラグf3の値は外部接続端子A4より出力される。図柄変動出力フラグf1、高確率出力フラグf2、大当り出力フラグf3の各値は、1で信号ハイレベル、0で信号ローレベルに設定され、設定確率フラグFrの値は、設定1では2本共に信号ローレベル、設定2では2本共に信号ハイレベル、設定3では1本が信号ローレベルかつ他の1本が信号ローレベルに設定されている。
特別図柄表示部9が図柄変動を行うと、タスク3のステップc16の処理によって図柄変動出力フラグf1に1がセットされ、図柄変動した図柄の当り判定を行う場合の確率が、通常確率より高確率に切り替わる場合には、ステップc72の処理によって高確率出力フラグf2に1がセットされ、変動停止された特別図柄が大当りとなった場合には、ステップc74の処理において大当り出力フラグf3に1がセットされるので、これらうちののいずれかが発生した場合には外部接続端子A2乃至A4のうちの図柄変動出力フラグf1、高確率出力フラグf2、大当り出力フラグf3に対応する端子の出力が信号ハイレベルとなる。
また、ステップe1及びステップe2の処理後、ステップe3の処理で図柄変動出力フラグf1、高確率出力フラグf2、大当り出力フラグf3の各値が0クリアされるため、次周期以降では、特別図柄が変動していない時や特別図柄の図柄変動中や大入賞口8の開放動作中は、外部接続端子A2の出力は信号ローレベルとなり、通常確率より高確率に切り替わらない限り外部接続端子A3の出力は信号ローレベルとなり、大当りとならない限り外部接続端子A3の出力は信号ローレベルとなる。
次周期以降のタスク4の処理では、信号出力フラグF1の値が1となっているためにステップe1の判別後、ステップe6に移行し、外部信号出力タイマT3の値を1つデクリメントし(ステップe6)、次いで、外部信号出力タイマT3の値が0となっているか否か、即ち、信号出力開始からの出力時間が所定時間に達したか否かを判別し(ステップe7)、信号出力開始からの出力時間が所定時間に達していない場合には、この周期のタスク4の処理を終了する。
次周期以降のタスク4の処理では、信号出力フラグF1の値1に基づき、CPU30は、信号出力開始からの出力時間が所定時間に達するまでの間、ステップe1,ステップe6及びステップe7の各処理をタスク4の処理毎に繰り返し実行すると共に、外部接続端子A及びBより信号を集中管理装置150に出力し、信号出力開始からの出力時間が所定時間に達すると(ステップe7)、信号出力フラグF1の値を0に切替えて初期化し(ステップe8)、信号出力を停止し(ステップe9)、この周期のタスク4の処理を終了する。
信号出力フラグF1の値が0となって初期化されることから、次周期のタスク4の処理では、新たに図柄変動出力フラグf1、高確率出力フラグf2、大当り出力フラグf3の値と確率モードの値が記憶された設定確率フラグFrの値が集中管理装置150に出力されることとなる。
集中管理装置150に対してカード式パチンコ機1における賞品球の出球数や貸球数のデータおよび図柄変動の有無、高確率判定の発生、大当りの発生、大当り発生に関する確率の設定モード等の各データが出力されることにより、集中管理装置150に送出された各データを記憶するファイル手段を設けると共に、賞品球の出球数や貸球数のデータを累積加算してカード式パチンコ機1における出球率等を計算するプログラムや、図柄変動の回数、高確率判定の発生回数、大当りの発生回数を累積し、これらの累積結果をカード式パチンコ機1に定められた大当り発生に関する確率の設定モードと共にCRT装置やプリンタ等で帳表出力するプログラムを設ければ、管理者は、これらのデータをもとに各パチンコ機の出球率や大当りの回数を考察するなどして、さらに詳しく営業上の収支を分析し掌握することができる。