JP2004222764A - 洗濯乾燥機の運転制御方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】洗濯兼脱水槽の上面側から該洗濯兼脱水槽内に乾燥行程時に温風を供給する温風供給手段を具備し、前記乾燥行程時においてファン送風と洗濯兼脱水槽の回転と回転翼の回転との組み合わせによる複数の動作パターンが設定されている洗濯乾燥機において、乾燥終了検知後の攪拌行程中に仕上げ用のミストを洗濯兼脱水槽内に投入する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、洗濯物を洗濯兼脱水槽内で脱水後、乾燥させることのできる洗濯乾燥機の運転制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
脱水行程終了後の乾燥行程で、洗濯兼脱水槽内に加熱装置および送風機より発生する温風を送り、乾燥行程の途中で洗濯兼脱水槽や回転翼を回転させて洗濯物をほぐしながら洗濯物を乾かす洗濯乾燥機がある。
【0003】
これは、例えば、外箱と、この外箱内に支持された外槽と、この外槽内に回転自在に配置され上面を開口するとともに周壁面に脱水孔を形成した洗濯脱水槽と、この洗濯脱水槽の内底部に配設された回転翼と、乾燥行程時に前記洗濯脱水槽内に温風を供給する温風供給手段とを備え、前記温風供給手段からの温風を前記洗濯脱水槽の上面開口から直接ないしは外槽の上部から前記脱水孔を経て供給するものである。
【0004】
かかる構成の洗濯乾燥機では、洗い行程、すすぎ行程、脱水行程と洗濯運転が自動的に進行し、脱水行程終了後に乾燥工程に移行すると、この乾燥行程では、温風発生装置が作動して温風が発生し、この温風は洗濯脱水槽内に流れ込む。そして、洗濯脱水槽内底面にある回転翼上面に置かれる水分を含んだ洗濯物と接触して水分を気化させる。洗濯物の水分を含んで湿度の高くなった温風は、洗濯脱水槽の上方へと案内され、その上面開口から排気孔を経て外箱外に排気される。
【0005】
以上の動作を所定時間実施して洗濯物を乾かす乾燥行程を行う(例えば特許文献1参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開平10−216396号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
乾燥行程の運転時間が前記従来例のように予め所定時間設定されていると、衣類の種類などによって異なる乾燥時間に対応できず、衣類の一部に過乾燥がされることもある。このため、この部分にだけ皺が発生して仕上がりに不具合が生じる。また、乾燥を促進させるために乾燥行程で回転翼や洗濯兼脱水槽を回転させて衣類を攪拌すると、摩擦による静電気が発生する。
【0008】
本発明の目的は前記従来例の不都合を解消し、乾燥行程で衣類が過乾燥して皺が発生することを防止し、また、ミストを投入することで攪拌による摩擦で静電気が発生することも防ぐことができ、さらに、洗濯兼脱水槽からの排気温度をもとにして乾燥終了を検知する場合に、ミスト供給により蒸発量が多くなることで排気温度が低下して検出される排気温度にバラツキが生じるが、かかる場合でもミスト供給が乾燥終了検知に影響を及ぼすことがなく、精度よく乾燥終了を検知できる洗濯乾燥機の運転制御方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は前記目的を達成するため、外箱と、この外箱内に配設する水槽と、該水槽内に回転自在に配設され多数の脱水孔を穿設した洗濯兼脱水槽と、該洗濯兼脱水槽の上面側から該洗濯兼脱水槽内に乾燥行程時に温風を供給する温風供給手段とを具備し、前記乾燥行程時においてファン送風と洗濯兼脱水槽の回転と回転翼の回転との組み合わせによる複数の動作パターンが設定されている洗濯乾燥機において、乾燥終了検知後の攪拌行程中に仕上げ用のミストを洗濯兼脱水槽内に投入する。
【0010】
これにより、乾燥行程の攪拌行程中にミストが投入されるから、衣類が過乾燥して皺が生じることを防止でき、また、攪拌による摩擦で静電気が発生することも防止でき、良好な仕上がりが得られる。さらに、ミストを投入するタイミングを乾燥終了検知後の遅延時間中とすることで、ミスト投入が乾燥終了検知に影響を及ぼすこともなく、精度よく乾燥終了を検知できる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図面について本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は本発明の運転制御方法の実施形態を示す乾燥行程の行程図、図2は本発明方法が実施される洗濯乾燥機の全体説明図で、洗濯乾燥機の全体構成から説明すると、外箱1内に水槽2を搖動自在に配設し、該水槽2内に底部に回転翼3を配設するとともに周壁に多数の脱水孔5を穿設した洗濯兼脱水槽4を設けた。
【0012】
図中6は洗濯兼脱水槽4の上部に取り付けたバランサ、7は洗濯兼脱水槽4や回転翼3を回転させるためのモータを示す。また、前記外箱1の上部の開口にフタ8を備えたトップパネル9を取り付ける。
【0013】
かかる構成に加えて、洗濯兼脱水槽4内の衣類を乾燥させるための手段を設ける。温風の供給手段としては、外箱1の側部にフィルター10を備えた吸気口11を設け、該吸気口11の下流側に位置させて外箱1内で水槽2との間にダクト14を設け、該ダクト14内に送風ファン12および加熱手段としてのヒータ13を順次配設した。図中15は洗濯兼脱水槽4内に霧状の水(ミスト)を供給するミストノズルを示す。
【0014】
温風の排出手段としては、水槽2の上部開口に内フタ16を設け、該内フタ16にフィルター17備えた排出口18を形成する。そして、該排出口18の上方位置でトップパネル9に排気口19を設ける。
【0015】
そして、吸気温度センサ20を前記フィルター10と送風ファン12との間に設け、排気温度センサ21を水槽2の上部に取り付けられる水槽カバー2aの下面に取り付ける。
【0016】
かかる洗濯乾燥機において、洗濯行程の次に行う乾燥行程は、例えば、図1の行程図に示すように、異なる種類の乾燥動作パターンにより第1行程から第3行程に分かれ、例えば衣類の重量が4、5Kgの場合、第1行程では、加熱していない空気を送風する送風エコ乾燥行程であり、洗濯兼脱水槽4を回転しながらヒータ13には通電せず、送風ファン12のみを動作させて洗濯兼脱水槽4内に送風し、さらに脱水する。次いで、同様にヒータ13オフの状態で、回転翼3のみを回転して洗濯兼脱水槽4の壁面にへばりついた衣類を掻き落とす。
【0017】
第2行程は、洗濯兼脱水槽4を回転させながら、ヒータ13に通電して温められた温風を送風ファン12で洗濯兼脱水槽4内に吹き出し、衣類に当てて乾燥させる槽回転乾燥を行う。この場合、洗濯兼脱水槽4の回転数を最初の段階では例えば300rpmの高速回転で1分間回転させ、洗濯兼脱水槽4内に収納されている衣類を広げて、洗濯兼脱水槽4の中心に孔を開ける。ここで、300rpmの高速回転を1分間と短時間に設定したのは、それ以上の時間行うと衣類が洗濯兼脱水槽4内で外側に偏って押しつぶされた状態になるためである。
【0018】
次の段階では150rpmの低速回転で14分間の平板な回転を行い、衣類を乾燥させる。そして、最後に回転翼3のみを7往復回転させて、洗濯兼脱水槽4内で衣類を入れ替える。かかる動作を2回繰り返す。この間、洗濯兼脱水槽4内に供給された温風は、衣類と接触した後、排出口18から外箱1内に排出され、さらに排気口19から機体外に排出される。
【0019】
続く第3行程では、回転翼3を回転させて攪拌乾燥を行う。温風を供給しながら回転翼3を往復回転させながら一定時間乾燥運転を行う。その後、衣類を小刻みに動かし、ほぐしてアンバランスを整え、最後に、300rpmの高速回転で洗濯兼脱水槽4を1分間回転させ、衣類を洗濯兼脱水槽4の中央から広げて衣類が絡まないようにする。これを乾燥終了まで繰り返す。
【0020】
そして、最後に仕上げとして回転翼3を5往復回転させて衣類のほぐし乾燥を行う。
【0021】
本発明では、乾燥終了を検知するタイミングを、前記第2行程から第3行程の乾燥動作パターンに移行した段階とし、ここで排気温度センサ21で洗濯兼脱水槽4から排出される温風の温度を検出し、この排気温度を乾燥終了と判定するための基準温度として設定する。そして、その後も前記した第3行程の動作パターンで運転を継続し、検出される排気温度が前記基準温度から一定値上昇したときに乾燥終了と判定する。
【0022】
このようにして排気温度が基準温度から一定値上昇して乾燥終了と判定された後は、前記のように仕上げ行程として温風を送りながら回転翼3を往復回転させて衣類を攪拌しほぐすが、乾燥終了判定の直後でこの仕上げ行程に移行した段階で、ミストノズル15から洗濯兼脱水槽4内にミストを投入し、攪拌されている衣類にミストを当てる。よって、洗濯兼脱水槽4内にはミスト投入により新たに水蒸気が発生し、排気温度が低下するが、この時点では既に乾燥終了判定されているから、ミスト投入が乾燥終了判定に影響を及ぼすことはない。
【0023】
これにより、衣類の各部に万遍なくミストが当たり、衣類の一部だけが過乾燥により皺になることを防止できる。また、第3行程の攪拌乾燥で摩擦による多量の静電気が衣類に帯電しているが、この静電気も除去される。
【0024】
なお、この仕上げ行程で衣類は攪拌されるが、この間のミストの投入は、短時間で複数回行われ、しかも、ミストの投入間隔は、1回の投入量が次回の投入時までに乾燥する間隔に設定されるから、攪拌により新たに静電気が帯電することもなく、また、ミスト投入により衣類が湿ることもない。
【0025】
一例として、一回のミスト投入量は7ccとし、次回の投入までの間隔は2分間に設定した。
【0026】
【発明の効果】
以上述べたように本発明の洗濯乾燥機の運転制御方法は、外箱と、この外箱内に配設する水槽と、該水槽内に回転自在に配設され多数の脱水孔を穿設した洗濯兼脱水槽と、該洗濯兼脱水槽の上面側から該洗濯兼脱水槽内に乾燥行程時に温風を供給する温風供給手段とを具備し、前記乾燥行程時においてファン送風と洗濯兼脱水槽の回転と回転翼の回転との組み合わせによる複数の動作パターンが設定されている洗濯乾燥機において、乾燥終了検知後の攪拌行程中に仕上げ用のミストを洗濯兼脱水槽内に投入する。
【0027】
これにより、乾燥行程の攪拌行程中にミストが投入されるから、衣類が過乾燥して皺が生じることを防止でき、また、攪拌による摩擦で静電気が発生することも防止でき、良好な仕上がりが得られる。さらに、ミストを投入するタイミングを乾燥終了検知後の遅延時間中とすることで、ミスト投入が乾燥終了検知に影響を及ぼすこともなく、精度よく乾燥終了を検知できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の運転制御方法の実施形態を示す乾燥行程図である。
【図2】本発明の運転制御方法が実施される洗濯乾燥機の説明図である。
【符号の説明】
1…外箱 2…水槽 2a…水槽カバー
3…回転翼 4…洗濯兼脱水槽 5…脱水孔
6…バランサ 7…モータ 8…フタ
9…トップパネル 10…フィルター 11…吸気口
12…送風ファン 13…ヒータ 14…ダクト
15…ミストノズル 16…内フタ 17…フィルター
18…排出口 19…排気口 20…吸気温度センサ
21…排気温度センサ
Claims (3)
- 外箱と、この外箱内に配設する水槽と、該水槽内に回転自在に配設され多数の脱水孔を穿設した洗濯兼脱水槽と、該洗濯兼脱水槽の上面側から該洗濯兼脱水槽内に乾燥行程時に温風を供給する温風供給手段とを具備し、前記乾燥行程時においてファン送風と洗濯兼脱水槽の回転と回転翼の回転との組み合わせによる複数の動作パターンが設定されている洗濯乾燥機において、乾燥終了検知後の攪拌行程中に仕上げ用のミストを洗濯兼脱水槽内に投入することを特徴とする洗濯乾燥機の運転制御方法。
- 前記ミストの投入は、短時間で複数回行うことを特徴とする請求項1記載の洗濯乾燥機の運転制御方法。
- 前記ミストの投入間隔は、1回の投入量が次回の投入時までに乾燥する間隔に設定することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の洗濯乾燥機の運転制御方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003010577A JP2004222764A (ja) | 2003-01-20 | 2003-01-20 | 洗濯乾燥機の運転制御方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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Publications (1)
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JP2004222764A true JP2004222764A (ja) | 2004-08-12 |
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Family Applications (1)
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JP2003010577A Pending JP2004222764A (ja) | 2003-01-20 | 2003-01-20 | 洗濯乾燥機の運転制御方法 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2009039436A (ja) * | 2007-08-10 | 2009-02-26 | Toshiba Corp | 洗濯乾燥機 |
JP2010051665A (ja) * | 2008-08-29 | 2010-03-11 | Sharp Corp | 洗濯機 |
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2003
- 2003-01-20 JP JP2003010577A patent/JP2004222764A/ja active Pending
Cited By (4)
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JP2010051665A (ja) * | 2008-08-29 | 2010-03-11 | Sharp Corp | 洗濯機 |
JP4708461B2 (ja) * | 2008-08-29 | 2011-06-22 | シャープ株式会社 | 洗濯機 |
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