JP2004221983A - 画像ノイズ除去装置,画像ノイズ除去方法,撮像装置及び画像表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】インパルス性ノイズを、画像のディテール感を損なうことなく、且つ小規模な回路構成や少ない演算処理量で除去する。
【課題手段】ノイズの判別対象の画素の周囲の複数の画素同士の映像信号のレベル変動に関する情報を生成する第1の生成手段4と、このノイズの判別対象の画素を含む複数の画素同士の映像信号のレベル変動に関する情報を、画面の複数の方向について生成する第2の生成手段5と、第2の生成手段5で生成された情報のうち、最も小さいレベル変動を示す情報を検出する検出手段6と、第1の生成手段4で生成された情報と、第2の生成手段5で生成された情報のうち検出手段6で検出された情報とに基づき、このノイズの判別対象の画素にノイズが存在するか否かを判別する判別手段7とを備え、判別手段7で判別されたノイズをフィルター処理によって除去する。
【選択図】 図1
【課題手段】ノイズの判別対象の画素の周囲の複数の画素同士の映像信号のレベル変動に関する情報を生成する第1の生成手段4と、このノイズの判別対象の画素を含む複数の画素同士の映像信号のレベル変動に関する情報を、画面の複数の方向について生成する第2の生成手段5と、第2の生成手段5で生成された情報のうち、最も小さいレベル変動を示す情報を検出する検出手段6と、第1の生成手段4で生成された情報と、第2の生成手段5で生成された情報のうち検出手段6で検出された情報とに基づき、このノイズの判別対象の画素にノイズが存在するか否かを判別する判別手段7とを備え、判別手段7で判別されたノイズをフィルター処理によって除去する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、映像信号から、画面の一画素にのみ孤立して存在するノイズを除去する装置等に関する。
【0002】
【従来の技術】
映像信号には、ノイズが混入することが避けられない。例えば、ビデオカメラの撮像デバイスから出力される映像信号には、撮像デバイスの個々の画素の特性のばらつきや、撮像デバイスを駆動する信号の不均一性や、その他様々な原因でノイズが混入する。
【0003】
映像信号のノイズは、複数画素に亘って連続的に表れることもあるが、一画素にのみ孤立して表れることもある。一画素にのみ孤立して表れるノイズは「インパルス性ノイズ」や「ごま塩ノイズ」と呼ばれているが、本明細書では「インパルス性ノイズ」と呼ぶことにする。
【0004】
従来、このインパルス性ノイズを除去する方法としては、次の(1),(2)のような方法があった。
【0005】
(1)現行の画素(ノイズの判別対象の画素)の映像信号とその周囲の画素(例えば現行の画素を中心する3×3の画素領域の8画素)の映像信号とのメディアン(中央値)をメディアンフィルターで求め、現行の画素の映像信号とそのメディアンとの差が一定以上である場合に現行の画素の映像信号をそのメディアンで置き換える。
【0006】
(2)各画素の映像信号について、周囲の画素(例えば前述の3×3の画素領域の8画素)の映像信号に対する分散(第2画像)を求めた後、この分散の値と周辺の各画素の分散の値とを平均化した密度値(第3画像)を求める。そして、各画素を、この密度値に応じて複数の領域のうちのいずれかに分類し、低密度領域に分類された画素の映像信号を、周囲の画素の映像信号とのメディアンまたは平均値で置き換える(例えば、特許文献1参照。)。
【0007】
【特許文献1】
特開平10−187962号公報(段落番号0007〜0010)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記(1)の方法には、メディアンフィルターではテクスチャ(きめ)の整った領域(例えば森林の木の葉の画像等)とノイズとを区別することができないので、きめの整った領域の画像がぶれることにより画像のディテール感が損なわれてしまうという不都合があった。
【0009】
また、上記(2)の方法には、多数のラインメモリが必要になることなどから回路規模が増大してしまうとともに、演算処理量が多いという不都合があった。
【0010】
さらに、この(2)の方法には、メディアンまたは平均値との置換によってノイズ除去を行うので、平滑な領域(例えば空(そら)の画像等)に細い線の画像が含まれておりその線の画像にインパルス性ノイズが混入しているような場合に、その線が切れたように見えてしまうという不都合もあった。
【0011】
本発明は、上述の点に鑑み、インパルス性ノイズを、画像のディテール感を損なうことなく、且つ小規模な回路構成や少ない演算処理量で除去できるようにすることを課題としてなされたものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
この課題を解決するために、本出願人は、ノイズの判別対象の画素の周囲の複数の画素同士の映像信号のレベル変動に関する情報を生成する第1の生成手段と、このノイズの判別対象の画素を含む複数の画素同士の映像信号のレベル変動に関する情報を、画面の複数の方向について生成する第2の生成手段と、この第2の生成手段で生成された情報のうち、最も小さいレベル変動を示す情報を検出する検出手段と、この第1の生成手段で生成された情報と、この第2の生成手段で生成された情報のうちこの検出手段で検出された情報とに基づき、このノイズの判別対象の画素にノイズが存在するか否かを判別する判別手段とを備え、この判別手段で判別されたノイズをフィルター処理によって除去するようにした画像ノイズ除去装置を提案する。
【0013】
この画像ノイズ除去装置では、ノイズ判別対象の画素の周囲の複数の画素同士の映像信号のレベル変動に関する情報から、ノイズ判別対象の画素が平滑な領域(例えば空(そら)の画像等)に位置しているのかそれともきめの整った領域(例えば森林の木の葉の画像等)や画像のエッジ部分に位置しているのかを判別することができる。
【0014】
そして、画面の複数の方向についての、ノイズ判別対象の画素を含む複数の画素同士の映像信号のレベル変動に関する情報のうち、最も小さいレベル変動を示す情報から、ノイズ判別対象の画素にインパルス性ノイズに相当するレベル変動が存在するか否かを判別することができる。
【0015】
このように、ノイズ判別対象の画素の周囲の画素同士の映像信号のレベル変動に関する情報と、画面の複数の方向についてのノイズ判別対象の画素を含む画素同士の映像信号のレベル変動に関する情報のうち最も小さいレベル変動を示す情報との両方に基づいて、平滑な領域に存在するインパルス性ノイズを判別し、そのインパルス性ノイズを除去することができる。
【0016】
したがって、きめの整った領域の画像がぶれることにより画像のディテール感が損なわれる事態を招くことなく、インパルス性ノイズを除去することができる。
【0017】
また、前述の従来の(2)の方法と比較して、ラインメモリが少数で済むことなどから小規模な回路構成でインパルス性ノイズを除去することができるとともに、少ない演算処理量でインパルス性ノイズを除去することができる。
【0018】
なお、この画像ノイズ除去装置において、一例として、ノイズ判別対象の画素を含む複数の画素の映像信号に対するフィルター処理を、前述の画面の複数の方向について行うフィルターと、これらの複数の方向のうち、第2の生成手段で最も小さいレベル変動を示す情報が生成された方向を検出する検出手段とをさらに備え、判別手段で判別されたノイズを、この検出手段で検出された方向についてのこのフィルターのフィルター処理によって除去することが好適である。
【0019】
平滑な領域(例えば空(そら)の画像等)に細い線の画像が含まれておりその線の画像にインパルス性ノイズが混入しているような場合には、ノイズ判別対象の画素を含む複数の画素同士の映像信号のレベル変動に関する情報が生成された画面の複数の方向のうち最も小さいレベル変動を示す情報が生成された方向は、この線の延びる方向と一致するか、またはこれらの複数の方向のうちこの線の延びる方向に最も近い方向になる。
【0020】
したがって、この最も小さいレベル変動を示す情報が生成された方向についてのフィルター処理でインパルス性ノイズを除去することにより、前述の従来の(2)の方法と異なり、平滑な領域に細い線の画像が含まれておりその線の画像にインパルス性ノイズが混入しているような場合にも、その線が切れたように見える事態を招くことなくそのインパルス性ノイズを除去することができるようになる。
【0021】
次に、本出願人は、ノイズの判別対象の画素の周囲の複数の画素同士の映像信号のレベル変動に関する情報を生成する第1のステップと、このノイズの判別対象の画素を含む複数の画素同士の映像信号のレベル変動に関する情報を、画面の複数の方向について生成する第2のステップと、この第2のステップで生成した情報のうち、最も小さいレベル変動を示す情報を検出する第3のステップと、この第1のステップで生成した情報と、この第2のステップで生成した情報のうちこの第3のステップで検出した情報とに基づき、このノイズの判別対象の画素にノイズが存在するか否かを判別する第4のステップと、この第4のステップで判別したノイズをフィルター処理によって除去する第5のステップとを有する画像ノイズ除去方法を提案する。
【0022】
この画像ノイズ除去方法によれば、前述の本発明に係る画像ノイズ除去装置におけるのと全く同様にして、インパルス性ノイズを、画像のディテール感を損なうことなく、且つ小規模な回路構成や少ない演算処理量で除去することができる。
【0023】
次に、本出願人は、撮像装置において、撮像デバイスから得られる映像信号のうち、ノイズの判別対象の画素の周囲の複数の画素同士の映像信号のレベル変動に関する情報を生成する第1の生成手段と、このノイズの判別対象の画素を含む複数の画素同士の映像信号のレベル変動に関する情報を、画面の複数の方向について生成する第2の生成手段と、この第2の生成手段で生成された情報のうち、最も小さいレベル変動を示す情報を検出する検出手段と、この第1の生成手段で生成された情報と、この第2の生成手段で生成された情報のうちこの検出手段で検出された情報とに基づき、このノイズの判別対象の画素にノイズが存在するか否かを判別する判別手段とを備え、この判別手段で判別されたノイズをフィルター処理によって除去するようにしたものを提案する。
【0024】
この撮像装置は、前述の本発明に係る画像ノイズ除去装置を搭載したものであり、インパルス性ノイズを、画像のディテール感を損なうことなく、且つ小規模な回路構成や少ない演算処理量で除去して、インパルス性ノイズのない映像を記録したり外部に出力したりすることができる。
【0025】
次に、本出願人は、画像表示装置において、外部から供給される映像信号のうち、ノイズの判別対象の画素の周囲の複数の画素同士の映像信号のレベル変動に関する情報を生成する第1の生成手段と、このノイズの判別対象の画素を含む複数の画素同士の映像信号のレベル変動に関する情報を、画面の複数の方向について生成する第2の生成手段と、この第2の生成手段で生成された情報のうち、最も小さいレベル変動を示す情報を検出する検出手段と、この第1の生成手段で生成された情報と、この第2の生成手段で生成された情報のうちこの検出手段で検出された情報とに基づき、このノイズの判別対象の画素にノイズが存在するか否かを判別する判別手段とを備え、この判別手段で判別されたノイズをフィルター処理によって除去するようにしたものを提案する。
【0026】
この画像表示装置は、前述の本発明に係る画像ノイズ除去装置を搭載したものであり、インパルス性ノイズを、画像のディテール感を損なうことなく、且つ小規模な回路構成や少ない演算処理量で除去して、インパルス性ノイズのない映像を表示することができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図面を用いて具体的に説明する。図1は、本発明を適用した画像ノイズ除去装置の構成を示すブロック図である。この画像ノイズ除去装置は、例えばビデオカメラ内にデジタル信号処理回路の一部として搭載されている。
【0028】
ビデオカメラの撮像デバイスから得られ、アナログ−デジタル変換されてこの画像ノイズ除去装置に入力するデジタル映像信号は、ラインメモリ1及び2により、互いに隣り合う3水平ラインの映像信号S1,S2及びS3に分けられる。このうち、中央の水平ラインの映像信号S2が、インパルス性ノイズの除去対象となる映像信号である。
【0029】
映像信号S1,S2及びS3は、フィルター部3,周辺画素分散算出部4及び各方向分散算出部5に入力する。また、映像信号S2は、選択部8及び混合器9にも入力する。
【0030】
図2は、フィルター部3,周辺画素分散算出部4及び各方向分散算出部5の処理に関連して、ノイズ判別対象の画素及びその周囲の画素を、画面の方向とともに示す図である。
【0031】
方向X,Y,A,Bは、それぞれ画面の水平方向,垂直方向,斜め左方向,斜め右方向である。
【0032】
画素P0は、各クロックタイミングでのノイズの判別対象の画素であり、画素P1〜P8は、3×3の画素領域での画素P0の周囲の画素である。映像信号S1が画素P1〜P3の映像信号を含んでおり、映像信号S2が画素P4,P0及びP5の映像信号を含んでおり、映像信号S3が画素P6〜P8の映像信号を含んでいる。i(0)〜i(8)は、それぞれ画素P0〜P8の映像信号の値である。
【0033】
フィルター部3は、平滑化フィルターを用いて構成されている。フィルター部3は、画面の水平方向Xについて、ノイズ判別対象の画素P0を含む3つの画素P4,P0及びP5の映像信号を、フィルター処理によって平滑化する。
【0034】
また、フィルター部3は、画面の垂直方向Yについて、ノイズ判別対象の画素P0を含む3つの画素P2,P0及びP7の映像信号を、フィルター処理によって平滑化する。
【0035】
また、フィルター部3は、画面の斜め左方向Aについて、ノイズ判別対象の画素P0を含む3つの画素P1,P0及びP8の映像信号を、フィルター処理によって平滑化する。
【0036】
また、フィルター部3は、画面の斜め右方向Bについて、ノイズ判別対象の画素P0を含む3つの画素P3,P0及びP6の映像信号を、フィルター処理によって平滑化する。
【0037】
フィルター部3からは、これらの4つの方向X,Y,A,Bについての平滑化フィルターの出力信号S4,S5,S6,S7が、それぞれ選択部8に送られる。
【0038】
周辺画素分散算出部4は、マイクロプロセッサで構成されており、ノイズ判別対象の画素P0の周囲の8つの画素P1〜P8同士の映像信号i(1)〜i(8)の分散varの値を、次式▲1▼の演算を行うことによって算出する。周辺画素分散算出部4からは、この分散varの値を示す信号C1が、ノイズ判別部7に送られる。
【数1】
【0039】
各方向分散算出部5は、マイクロプロセッサで構成されている。各方向分散算出部5は、画面の水平方向Xについて、ノイズ判別対象の画素P0を含む3つの画素P4,P0及びP5同士の映像信号の値i(4),i(0)及びi(5)の分散varの値を、次式▲2▼の演算を行うことによって算出する。
【数2】
【0040】
また、各方向分散算出部5は、画面の垂直方向Yについて、ノイズ判別対象の画素P0を含む3つの画素P2,P0及びP7同士の映像信号の値i(2),i(0)及びi(7)の分散varの値を、次式▲3▼の演算を行うことによって算出する。
【数3】
【0041】
また、各方向分散算出部5は、画面の斜め左方向Aについて、ノイズ判別対象の画素P0を含む3つの画素P1,P0及びP8同士の映像信号の値i(1),i(0)及びi(8)の分散varの値を、次式▲4▼の演算を行うことによって算出する。
【数4】
【0042】
また、各方向分散算出部5は、画面の斜め右方向Bについて、ノイズ判別対象の画素P0を含む3つの画素P3,P0及びP6同士の映像信号の値i(3),i(0)及びi(6)の分散varの値を、次式▲5▼の演算を行うことによって算出する。
【数5】
【0043】
各方向分散算出部5からは、これらの4つの方向X,Y,A,Bについての分散varの値を示す信号C2,C3,C4,C5が、最小分散及び方向検出部6に送られる。
【0044】
最小分散及び方向検出部6は、マイクロプロセッサで構成されており、信号C2,C3,C4,C5のうち分散varの値が最も小さい信号を検出するとともに、方向X,Y,A,Bのうちこの分散varの値が最も小さい信号に対応する方向を検出する。
【0045】
最小分散及び方向検出部6からは、検出した最も小さい分散varの値を示す信号C6がノイズ判別部7に送られるとともに、検出した方向を示す信号C7が選択部8に送られる。
【0046】
図3は、ノイズ判別部7の構成を示すブロック図である。周辺画素分散算出部4からノイズ判別部7に送られた信号C1は、比較器11に入力する。比較器11では、この信号C1と閾値Th1とが比較され、C1<Th1のとき‘1’となりそれ以外のとき‘0’となる信号C9が出力される。
【0047】
閾値Th1としては、ノイズ判別対象の画素P0の周囲の画素P1〜P8(図2)がきめの整った領域(例えば森林の木の葉の画像等)に位置している場合の上記式▲1▼の分散varの値の下限に相当する値が設定されている。
【0048】
他方、最小分散及び方向検出部6からノイズ判別部7に送られた信号C6は、比較器12に入力する。比較器12では、この信号C6と閾値Th2とが比較され、C6>Th2のとき‘1’となりそれ以外のとき‘0’となる信号C10が出力される。
【0049】
閾値Th2としては、ノイズ判別対象の画素P0にインパルス性ノイズが存在する場合の上記式▲2▼〜▲5▼の分散varの最小値の下限に相当する値が設定されている。
【0050】
比較器11の出力信号C9と比較器12の出力信号C10とは、アンド回路13に入力して論理積がとられる。アンド回路13の出力信号C8は、図1に示すように、ノイズ判別部7から選択部8に送られる。
【0051】
図4は、選択部8の構成を示すブロック図である。フィルター部3から選択部8に送られた4つの方向X,Y,A,B(図2)についての信号S4〜S7は、4入力1出力のセレクタ21の入力端に入力する。最小分散及び方向検出部6から選択部8に送られた信号C7は、このセレクタ21に制御信号として供給される。
【0052】
セレクタ21は、信号S4〜S7のうち、この信号C7が示す方向と同じ方向についての信号を選択して出力する。セレクタ21の出力信号S10は、2入力1出力のセレクタ22の一方の入力端に入力する。
【0053】
セレクタ22の残りの一方の入力端には、映像信号S2が入力する。ノイズ判別部7から選択部8に送られた信号C8は、このセレクタ22に制御信号として供給される。
【0054】
セレクタ22は、信号C8が‘1’のとき信号S10を選択して出力し、信号C8が‘0’のとき映像信号S2を選択して出力する。
【0055】
セレクタ21の出力信号S8は、図1に示すように、混合器9で映像信号S2と混合される。混合器9の出力信号S9は、インパルス性ノイズを除去した映像信号S9として、この画像ノイズ除去装置から出力される。
【0056】
次に、この画像ノイズ除去装置においてインパルス性ノイズが除去される様子を説明する。
【0057】
或るクロックタイミングで、ノイズ判別対象の画素P0にインパルス性ノイズが存在しており、且つ、画素P0〜P8が平滑な領域(例えば空(そら)の画像等)に位置していたとする。
【0058】
このとき、周辺画素分散算出部4の出力信号C1は、閾値Th1未満になる。また、例えば各方向分散算出部5の出力信号C2〜C5のうち信号C5が示す分散varの値が最も小さかったとすると、その分散varの値を示す最小分散及び方向検出部6の出力信号C6は、閾値Th2よりも大きくなる。したがって、ノイズ判別部7では、比較器11,12(図3)の出力信号C9,C10がともに‘1’になるので、出力信号C8が‘1’になる。
【0059】
また、最小分散及び方向検出部6の出力信号C7は、方向X,Y,A,B(図2)のうちこの分散varの値が最も小さい信号C5に対応する方向Bを示すものになる。
【0060】
したがって、選択部8では、フィルター部3の出力信号S4〜S7のうち方向Bに対応する信号S7がセレクタ21で選択されて信号S10として出力され、この信号S10がセレクタ22で選択されるので、ノイズ判別対象の画素P0を含む3つの画素P3,P0及びP6の映像信号をフィルター処理によって平滑化した信号が信号S8として出力されることになる。
【0061】
そして、この画素P3,P0及びP6の映像信号をフィルター処理によって平滑化した信号が、混合器9で映像信号S2と混合されることにより、画素P0のインパルス性ノイズが除去される。
【0062】
他方、別のクロックタイミングで、ノイズ判別対象の画素P0にインパルス性ノイズに相当するレベル変動が存在しているが、画素P0〜P8がきめの整った領域(例えば森林の木の葉の画像等)に位置していたとする。
【0063】
このとき、周辺画素分散算出部4の出力信号C1は、閾値Th1以上になる。したがって、ノイズ判別部7では、比較器11の出力信号C9が‘0’になるので、出力信号C8が‘0’になる。
【0064】
その結果、選択部8では映像信号S2がセレクタ22で選択されて信号S8として出力されるので、混合器9では映像信号S2同士が混合される(フィルター処理によるノイズ除去は行われない)。
【0065】
また他方、別のクロックタイミングで、画素P0〜P8が平滑な領域に位置しており、画素P0にインパルス性ノイズが存在していなかったとする。
【0066】
このとき、各方向分散算出部5の出力信号C2〜C5が示す最も小さい分散varの値は、閾値Th2以下になる。したがって、ノイズ判別部7では、比較器12の出力信号C10が‘0’になるので、出力信号C8が‘0’になる。
【0067】
その結果、選択部8では映像信号S2がセレクタ22で選択されて信号S8として出力されるので、混合器9では映像信号S2同士が混合される(フィルター処理によるノイズ除去は行われない)。
【0068】
以上のように、この画像ノイズ除去装置では、ノイズ判別対象の画素P0の周囲の複数の画素P1〜P8同士の映像信号のレベル変動に関する情報(分散var)から、ノイズ判別対象の画素P0が平滑な領域に位置しているのかそれともきめの整った領域に位置しているのかを判別している。
【0069】
そして、画面の複数の方向X,Y,A,Bについての、ノイズ判別対象の画素P0を含む複数の画素同士(P4,P0及びP5同士や、P2,P0及びP7同士や、P1,P0及びP8同士や、P3,P0及びP6同士)の映像信号のレベル変動に関する情報(分散var)のうち、最も小さいレベル変動を示す情報から、ノイズ判別対象の画素P0にインパルス性ノイズに相当するレベル変動が存在するか否かを判別している。
【0070】
このように、ノイズ判別対象の画素の周囲の画素同士の映像信号のレベル変動に関する情報と、画面の複数の方向についてのノイズ判別対象の画素を含む画素同士の映像信号のレベル変動に関する情報のうち最も小さいレベル変動を示す情報との両方に基づいて、平滑な領域に存在するインパルス性ノイズを判別し、そのインパルス性ノイズを除去している。
【0071】
したがって、きめの整った領域の画像がぶれることにより画像のディテール感が損なわれる事態を招くことなく、インパルス性ノイズを除去できるようになっている。
【0072】
また、ラインメモリが2個(ラインメモリ1及び2)で済むことなどから小規模な回路構成でインパルス性ノイズを除去することができるとともに、少ない演算処理量でインパルス性ノイズを除去することができるようになっている。
【0073】
さらに、この画像ノイズ除去装置では、ノイズ判別対象の画素P0を含む複数の画素同士(P4,P0及びP5同士や、P2,P0及びP7同士や、P1,P0及びP8同士や、P3,P0及びP6同士)の映像信号のレベル変動に関する情報(分散var)が生成された画面の複数の方向X,Y,A,Bのうち、最も小さいレベル変動を示す情報に対応する方向(前述の例では、信号C5が示す分散varの値が最も小さかったので、信号C5に対応する方向B)についてのフィルター処理によってインパルス性ノイズを除去している。
【0074】
平滑な領域(例えば空(そら)の画像等)に細い線の画像が含まれておりその線の画像にインパルス性ノイズが混入しているような場合には、ノイズ判別対象の画素P0を含む複数の画素同士(P4,P0及びP5同士や、P2,P0及びP7同士や、P1,P0及びP8同士や、P3,P0及びP6同士)の映像信号のレベル変動に関する情報(分散var)が生成された画面の複数の方向X,Y,A,Bのうち最も小さいレベル変動を示す情報が生成された方向は、この線の延びる方向と一致するか、またはこれらの複数の方向X,Y,A,Bのうちこの線の延びる方向に最も近い方向になる。
【0075】
したがって、この最も小さいレベル変動を示す情報が生成された方向についてのフィルター処理でインパルス性ノイズを除去することにより、平滑な領域に細い線の画像が含まれておりその線の画像にインパルス性ノイズが混入しているような場合にも、その線が切れたように見える事態を招くことなくそのインパルス性ノイズを除去することができるようになっている。
【0076】
なお、以上の例では、周辺画素分散算出部4で、上記式▲1▼のように、画素P1〜P8同士の映像信号i(1)〜i(8)の分散varの値を算出している。しかし、別の例として、周辺画素分散算出部4で、次式▲6▼のように、画素P1〜P8同士の映像信号i(1)〜i(8)の平均値aveに対する各映像信号i(1)〜i(8)の差分の絶対値の平均値を算出し、その算出した平均値を分散varの値として代用するようにしてもよい。
【数6】
【0077】
また同様に、各方向分散算出部5でも、上記式▲2▼〜▲5▼のように分散varの値を算出する代わりに、ノイズ判別対象の画素P0を含む複数の画素同士(P4,P0及びP5同士や、P2,P0及びP7同士や、P1,P0及びP8同士や、P3,P0及びP6同士)の映像信号の平均値に対する各映像信号の差分の絶対値の平均値を算出し、その算出した平均値を分散varの値として代用するようにしてもよい。
【0078】
そうした場合でも、やはり、きめの整った領域の画像がぶれることにより画像のディテール感が損なわれる事態を招くことなくインパルス性ノイズを除去することができる。しかも、周辺画素分散算出部4や各方向分散算出部5の演算処理量を一層少なくすることができる。
【0079】
また、以上の例では、選択部8の出力信号S8を、混合器9で映像信号S2と混合してからこの画像ノイズ除去装置から出力させている。しかし、別の例として、選択部8の出力信号S8をそのままこの画像ノイズ除去装置から出力させてもよい。
【0080】
また、以上の例では、周辺画素分散算出部4,各方向分散算出部5及び最小分散及び方向検出部6をマイクロプロセッサで構成し、ノイズ判別部7及び選択部8をハードウェアを用いて構成している。しかし、別の例として、周辺画素分散算出部4や各方向分散算出部5や最小分散及び方向検出部6をハードウェアを用いて構成したり、ノイズ判別部7や選択部8をマイクロプロセッサで構成したりしてもよい。
【0081】
また、以上の例では、本発明を適用した画像ノイズ除去装置をビデオカメラに搭載するものとして説明を行った。しかし、これに限らず、ビデオカメラ以外の撮像装置(例えばディジタルカメラ等)や、画像表示装置(例えばテレビジョン受像機,プロジェクタ,パーソナルコンピュータのモニター等)にも、本発明を適用した画像ノイズ除去装置を搭載してよい。さらには、撮像装置や画像表示装置以外の装置(例えばプリンタ)にも、本発明を適用した画像ノイズ除去装置を搭載してよい。
【0082】
また、本発明は、以上の例に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、その他様々の構成をとりうることはもちろんである。
【0083】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、ノイズ判別対象の画素の周囲の画素同士の映像信号のレベル変動に関する情報と、画面の複数の方向についてのノイズ判別対象の画素を含む画素の映像信号のレベル変動に関する情報のうち最も小さいレベル変動を示す情報との両方に基づいて、平滑な領域に存在するインパルス性ノイズを判別し、そのインパルス性ノイズを除去することができる。
【0084】
したがって、きめの整った領域の画像がぶれることにより画像のディテール感が損なわれる事態を招くことなく、インパルス性ノイズを除去できるという効果が得られる。
【0085】
また、ラインメモリが少数で済むことなどから小規模な回路構成でインパルス性ノイズを除去することができるとともに、少ない演算処理量でインパルス性ノイズを除去することができるという効果が得られる。
【0086】
さらに、平滑な領域に細い線の画像が含まれておりその線の画像にインパルス性ノイズが混入しているような場合にも、その線が切れたように見える事態を招くことなくそのインパルス性ノイズを除去できるという効果も得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した画像ノイズ除去装置の構成を示すブロック図である。
【図2】ノイズ判別対象の画素と、その周囲の画素と、画面の方向とを示す図である。
【図3】図1のノイズ判別部7の構成を示すブロック図である。
【図4】図1の選択部8の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1,2 ラインメモリ、 3 フィルター部、 4 周辺画素分散算出部、 5 各方向分散算出部、 6 最小分散及び方向検出部、 7 ノイズ判別部、8 選択部、 9 混合器、 11,12 比較器、 13 アンド回路、 21,22 セレクタ
【発明の属する技術分野】
本発明は、映像信号から、画面の一画素にのみ孤立して存在するノイズを除去する装置等に関する。
【0002】
【従来の技術】
映像信号には、ノイズが混入することが避けられない。例えば、ビデオカメラの撮像デバイスから出力される映像信号には、撮像デバイスの個々の画素の特性のばらつきや、撮像デバイスを駆動する信号の不均一性や、その他様々な原因でノイズが混入する。
【0003】
映像信号のノイズは、複数画素に亘って連続的に表れることもあるが、一画素にのみ孤立して表れることもある。一画素にのみ孤立して表れるノイズは「インパルス性ノイズ」や「ごま塩ノイズ」と呼ばれているが、本明細書では「インパルス性ノイズ」と呼ぶことにする。
【0004】
従来、このインパルス性ノイズを除去する方法としては、次の(1),(2)のような方法があった。
【0005】
(1)現行の画素(ノイズの判別対象の画素)の映像信号とその周囲の画素(例えば現行の画素を中心する3×3の画素領域の8画素)の映像信号とのメディアン(中央値)をメディアンフィルターで求め、現行の画素の映像信号とそのメディアンとの差が一定以上である場合に現行の画素の映像信号をそのメディアンで置き換える。
【0006】
(2)各画素の映像信号について、周囲の画素(例えば前述の3×3の画素領域の8画素)の映像信号に対する分散(第2画像)を求めた後、この分散の値と周辺の各画素の分散の値とを平均化した密度値(第3画像)を求める。そして、各画素を、この密度値に応じて複数の領域のうちのいずれかに分類し、低密度領域に分類された画素の映像信号を、周囲の画素の映像信号とのメディアンまたは平均値で置き換える(例えば、特許文献1参照。)。
【0007】
【特許文献1】
特開平10−187962号公報(段落番号0007〜0010)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記(1)の方法には、メディアンフィルターではテクスチャ(きめ)の整った領域(例えば森林の木の葉の画像等)とノイズとを区別することができないので、きめの整った領域の画像がぶれることにより画像のディテール感が損なわれてしまうという不都合があった。
【0009】
また、上記(2)の方法には、多数のラインメモリが必要になることなどから回路規模が増大してしまうとともに、演算処理量が多いという不都合があった。
【0010】
さらに、この(2)の方法には、メディアンまたは平均値との置換によってノイズ除去を行うので、平滑な領域(例えば空(そら)の画像等)に細い線の画像が含まれておりその線の画像にインパルス性ノイズが混入しているような場合に、その線が切れたように見えてしまうという不都合もあった。
【0011】
本発明は、上述の点に鑑み、インパルス性ノイズを、画像のディテール感を損なうことなく、且つ小規模な回路構成や少ない演算処理量で除去できるようにすることを課題としてなされたものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
この課題を解決するために、本出願人は、ノイズの判別対象の画素の周囲の複数の画素同士の映像信号のレベル変動に関する情報を生成する第1の生成手段と、このノイズの判別対象の画素を含む複数の画素同士の映像信号のレベル変動に関する情報を、画面の複数の方向について生成する第2の生成手段と、この第2の生成手段で生成された情報のうち、最も小さいレベル変動を示す情報を検出する検出手段と、この第1の生成手段で生成された情報と、この第2の生成手段で生成された情報のうちこの検出手段で検出された情報とに基づき、このノイズの判別対象の画素にノイズが存在するか否かを判別する判別手段とを備え、この判別手段で判別されたノイズをフィルター処理によって除去するようにした画像ノイズ除去装置を提案する。
【0013】
この画像ノイズ除去装置では、ノイズ判別対象の画素の周囲の複数の画素同士の映像信号のレベル変動に関する情報から、ノイズ判別対象の画素が平滑な領域(例えば空(そら)の画像等)に位置しているのかそれともきめの整った領域(例えば森林の木の葉の画像等)や画像のエッジ部分に位置しているのかを判別することができる。
【0014】
そして、画面の複数の方向についての、ノイズ判別対象の画素を含む複数の画素同士の映像信号のレベル変動に関する情報のうち、最も小さいレベル変動を示す情報から、ノイズ判別対象の画素にインパルス性ノイズに相当するレベル変動が存在するか否かを判別することができる。
【0015】
このように、ノイズ判別対象の画素の周囲の画素同士の映像信号のレベル変動に関する情報と、画面の複数の方向についてのノイズ判別対象の画素を含む画素同士の映像信号のレベル変動に関する情報のうち最も小さいレベル変動を示す情報との両方に基づいて、平滑な領域に存在するインパルス性ノイズを判別し、そのインパルス性ノイズを除去することができる。
【0016】
したがって、きめの整った領域の画像がぶれることにより画像のディテール感が損なわれる事態を招くことなく、インパルス性ノイズを除去することができる。
【0017】
また、前述の従来の(2)の方法と比較して、ラインメモリが少数で済むことなどから小規模な回路構成でインパルス性ノイズを除去することができるとともに、少ない演算処理量でインパルス性ノイズを除去することができる。
【0018】
なお、この画像ノイズ除去装置において、一例として、ノイズ判別対象の画素を含む複数の画素の映像信号に対するフィルター処理を、前述の画面の複数の方向について行うフィルターと、これらの複数の方向のうち、第2の生成手段で最も小さいレベル変動を示す情報が生成された方向を検出する検出手段とをさらに備え、判別手段で判別されたノイズを、この検出手段で検出された方向についてのこのフィルターのフィルター処理によって除去することが好適である。
【0019】
平滑な領域(例えば空(そら)の画像等)に細い線の画像が含まれておりその線の画像にインパルス性ノイズが混入しているような場合には、ノイズ判別対象の画素を含む複数の画素同士の映像信号のレベル変動に関する情報が生成された画面の複数の方向のうち最も小さいレベル変動を示す情報が生成された方向は、この線の延びる方向と一致するか、またはこれらの複数の方向のうちこの線の延びる方向に最も近い方向になる。
【0020】
したがって、この最も小さいレベル変動を示す情報が生成された方向についてのフィルター処理でインパルス性ノイズを除去することにより、前述の従来の(2)の方法と異なり、平滑な領域に細い線の画像が含まれておりその線の画像にインパルス性ノイズが混入しているような場合にも、その線が切れたように見える事態を招くことなくそのインパルス性ノイズを除去することができるようになる。
【0021】
次に、本出願人は、ノイズの判別対象の画素の周囲の複数の画素同士の映像信号のレベル変動に関する情報を生成する第1のステップと、このノイズの判別対象の画素を含む複数の画素同士の映像信号のレベル変動に関する情報を、画面の複数の方向について生成する第2のステップと、この第2のステップで生成した情報のうち、最も小さいレベル変動を示す情報を検出する第3のステップと、この第1のステップで生成した情報と、この第2のステップで生成した情報のうちこの第3のステップで検出した情報とに基づき、このノイズの判別対象の画素にノイズが存在するか否かを判別する第4のステップと、この第4のステップで判別したノイズをフィルター処理によって除去する第5のステップとを有する画像ノイズ除去方法を提案する。
【0022】
この画像ノイズ除去方法によれば、前述の本発明に係る画像ノイズ除去装置におけるのと全く同様にして、インパルス性ノイズを、画像のディテール感を損なうことなく、且つ小規模な回路構成や少ない演算処理量で除去することができる。
【0023】
次に、本出願人は、撮像装置において、撮像デバイスから得られる映像信号のうち、ノイズの判別対象の画素の周囲の複数の画素同士の映像信号のレベル変動に関する情報を生成する第1の生成手段と、このノイズの判別対象の画素を含む複数の画素同士の映像信号のレベル変動に関する情報を、画面の複数の方向について生成する第2の生成手段と、この第2の生成手段で生成された情報のうち、最も小さいレベル変動を示す情報を検出する検出手段と、この第1の生成手段で生成された情報と、この第2の生成手段で生成された情報のうちこの検出手段で検出された情報とに基づき、このノイズの判別対象の画素にノイズが存在するか否かを判別する判別手段とを備え、この判別手段で判別されたノイズをフィルター処理によって除去するようにしたものを提案する。
【0024】
この撮像装置は、前述の本発明に係る画像ノイズ除去装置を搭載したものであり、インパルス性ノイズを、画像のディテール感を損なうことなく、且つ小規模な回路構成や少ない演算処理量で除去して、インパルス性ノイズのない映像を記録したり外部に出力したりすることができる。
【0025】
次に、本出願人は、画像表示装置において、外部から供給される映像信号のうち、ノイズの判別対象の画素の周囲の複数の画素同士の映像信号のレベル変動に関する情報を生成する第1の生成手段と、このノイズの判別対象の画素を含む複数の画素同士の映像信号のレベル変動に関する情報を、画面の複数の方向について生成する第2の生成手段と、この第2の生成手段で生成された情報のうち、最も小さいレベル変動を示す情報を検出する検出手段と、この第1の生成手段で生成された情報と、この第2の生成手段で生成された情報のうちこの検出手段で検出された情報とに基づき、このノイズの判別対象の画素にノイズが存在するか否かを判別する判別手段とを備え、この判別手段で判別されたノイズをフィルター処理によって除去するようにしたものを提案する。
【0026】
この画像表示装置は、前述の本発明に係る画像ノイズ除去装置を搭載したものであり、インパルス性ノイズを、画像のディテール感を損なうことなく、且つ小規模な回路構成や少ない演算処理量で除去して、インパルス性ノイズのない映像を表示することができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図面を用いて具体的に説明する。図1は、本発明を適用した画像ノイズ除去装置の構成を示すブロック図である。この画像ノイズ除去装置は、例えばビデオカメラ内にデジタル信号処理回路の一部として搭載されている。
【0028】
ビデオカメラの撮像デバイスから得られ、アナログ−デジタル変換されてこの画像ノイズ除去装置に入力するデジタル映像信号は、ラインメモリ1及び2により、互いに隣り合う3水平ラインの映像信号S1,S2及びS3に分けられる。このうち、中央の水平ラインの映像信号S2が、インパルス性ノイズの除去対象となる映像信号である。
【0029】
映像信号S1,S2及びS3は、フィルター部3,周辺画素分散算出部4及び各方向分散算出部5に入力する。また、映像信号S2は、選択部8及び混合器9にも入力する。
【0030】
図2は、フィルター部3,周辺画素分散算出部4及び各方向分散算出部5の処理に関連して、ノイズ判別対象の画素及びその周囲の画素を、画面の方向とともに示す図である。
【0031】
方向X,Y,A,Bは、それぞれ画面の水平方向,垂直方向,斜め左方向,斜め右方向である。
【0032】
画素P0は、各クロックタイミングでのノイズの判別対象の画素であり、画素P1〜P8は、3×3の画素領域での画素P0の周囲の画素である。映像信号S1が画素P1〜P3の映像信号を含んでおり、映像信号S2が画素P4,P0及びP5の映像信号を含んでおり、映像信号S3が画素P6〜P8の映像信号を含んでいる。i(0)〜i(8)は、それぞれ画素P0〜P8の映像信号の値である。
【0033】
フィルター部3は、平滑化フィルターを用いて構成されている。フィルター部3は、画面の水平方向Xについて、ノイズ判別対象の画素P0を含む3つの画素P4,P0及びP5の映像信号を、フィルター処理によって平滑化する。
【0034】
また、フィルター部3は、画面の垂直方向Yについて、ノイズ判別対象の画素P0を含む3つの画素P2,P0及びP7の映像信号を、フィルター処理によって平滑化する。
【0035】
また、フィルター部3は、画面の斜め左方向Aについて、ノイズ判別対象の画素P0を含む3つの画素P1,P0及びP8の映像信号を、フィルター処理によって平滑化する。
【0036】
また、フィルター部3は、画面の斜め右方向Bについて、ノイズ判別対象の画素P0を含む3つの画素P3,P0及びP6の映像信号を、フィルター処理によって平滑化する。
【0037】
フィルター部3からは、これらの4つの方向X,Y,A,Bについての平滑化フィルターの出力信号S4,S5,S6,S7が、それぞれ選択部8に送られる。
【0038】
周辺画素分散算出部4は、マイクロプロセッサで構成されており、ノイズ判別対象の画素P0の周囲の8つの画素P1〜P8同士の映像信号i(1)〜i(8)の分散varの値を、次式▲1▼の演算を行うことによって算出する。周辺画素分散算出部4からは、この分散varの値を示す信号C1が、ノイズ判別部7に送られる。
【数1】
【0039】
各方向分散算出部5は、マイクロプロセッサで構成されている。各方向分散算出部5は、画面の水平方向Xについて、ノイズ判別対象の画素P0を含む3つの画素P4,P0及びP5同士の映像信号の値i(4),i(0)及びi(5)の分散varの値を、次式▲2▼の演算を行うことによって算出する。
【数2】
【0040】
また、各方向分散算出部5は、画面の垂直方向Yについて、ノイズ判別対象の画素P0を含む3つの画素P2,P0及びP7同士の映像信号の値i(2),i(0)及びi(7)の分散varの値を、次式▲3▼の演算を行うことによって算出する。
【数3】
【0041】
また、各方向分散算出部5は、画面の斜め左方向Aについて、ノイズ判別対象の画素P0を含む3つの画素P1,P0及びP8同士の映像信号の値i(1),i(0)及びi(8)の分散varの値を、次式▲4▼の演算を行うことによって算出する。
【数4】
【0042】
また、各方向分散算出部5は、画面の斜め右方向Bについて、ノイズ判別対象の画素P0を含む3つの画素P3,P0及びP6同士の映像信号の値i(3),i(0)及びi(6)の分散varの値を、次式▲5▼の演算を行うことによって算出する。
【数5】
【0043】
各方向分散算出部5からは、これらの4つの方向X,Y,A,Bについての分散varの値を示す信号C2,C3,C4,C5が、最小分散及び方向検出部6に送られる。
【0044】
最小分散及び方向検出部6は、マイクロプロセッサで構成されており、信号C2,C3,C4,C5のうち分散varの値が最も小さい信号を検出するとともに、方向X,Y,A,Bのうちこの分散varの値が最も小さい信号に対応する方向を検出する。
【0045】
最小分散及び方向検出部6からは、検出した最も小さい分散varの値を示す信号C6がノイズ判別部7に送られるとともに、検出した方向を示す信号C7が選択部8に送られる。
【0046】
図3は、ノイズ判別部7の構成を示すブロック図である。周辺画素分散算出部4からノイズ判別部7に送られた信号C1は、比較器11に入力する。比較器11では、この信号C1と閾値Th1とが比較され、C1<Th1のとき‘1’となりそれ以外のとき‘0’となる信号C9が出力される。
【0047】
閾値Th1としては、ノイズ判別対象の画素P0の周囲の画素P1〜P8(図2)がきめの整った領域(例えば森林の木の葉の画像等)に位置している場合の上記式▲1▼の分散varの値の下限に相当する値が設定されている。
【0048】
他方、最小分散及び方向検出部6からノイズ判別部7に送られた信号C6は、比較器12に入力する。比較器12では、この信号C6と閾値Th2とが比較され、C6>Th2のとき‘1’となりそれ以外のとき‘0’となる信号C10が出力される。
【0049】
閾値Th2としては、ノイズ判別対象の画素P0にインパルス性ノイズが存在する場合の上記式▲2▼〜▲5▼の分散varの最小値の下限に相当する値が設定されている。
【0050】
比較器11の出力信号C9と比較器12の出力信号C10とは、アンド回路13に入力して論理積がとられる。アンド回路13の出力信号C8は、図1に示すように、ノイズ判別部7から選択部8に送られる。
【0051】
図4は、選択部8の構成を示すブロック図である。フィルター部3から選択部8に送られた4つの方向X,Y,A,B(図2)についての信号S4〜S7は、4入力1出力のセレクタ21の入力端に入力する。最小分散及び方向検出部6から選択部8に送られた信号C7は、このセレクタ21に制御信号として供給される。
【0052】
セレクタ21は、信号S4〜S7のうち、この信号C7が示す方向と同じ方向についての信号を選択して出力する。セレクタ21の出力信号S10は、2入力1出力のセレクタ22の一方の入力端に入力する。
【0053】
セレクタ22の残りの一方の入力端には、映像信号S2が入力する。ノイズ判別部7から選択部8に送られた信号C8は、このセレクタ22に制御信号として供給される。
【0054】
セレクタ22は、信号C8が‘1’のとき信号S10を選択して出力し、信号C8が‘0’のとき映像信号S2を選択して出力する。
【0055】
セレクタ21の出力信号S8は、図1に示すように、混合器9で映像信号S2と混合される。混合器9の出力信号S9は、インパルス性ノイズを除去した映像信号S9として、この画像ノイズ除去装置から出力される。
【0056】
次に、この画像ノイズ除去装置においてインパルス性ノイズが除去される様子を説明する。
【0057】
或るクロックタイミングで、ノイズ判別対象の画素P0にインパルス性ノイズが存在しており、且つ、画素P0〜P8が平滑な領域(例えば空(そら)の画像等)に位置していたとする。
【0058】
このとき、周辺画素分散算出部4の出力信号C1は、閾値Th1未満になる。また、例えば各方向分散算出部5の出力信号C2〜C5のうち信号C5が示す分散varの値が最も小さかったとすると、その分散varの値を示す最小分散及び方向検出部6の出力信号C6は、閾値Th2よりも大きくなる。したがって、ノイズ判別部7では、比較器11,12(図3)の出力信号C9,C10がともに‘1’になるので、出力信号C8が‘1’になる。
【0059】
また、最小分散及び方向検出部6の出力信号C7は、方向X,Y,A,B(図2)のうちこの分散varの値が最も小さい信号C5に対応する方向Bを示すものになる。
【0060】
したがって、選択部8では、フィルター部3の出力信号S4〜S7のうち方向Bに対応する信号S7がセレクタ21で選択されて信号S10として出力され、この信号S10がセレクタ22で選択されるので、ノイズ判別対象の画素P0を含む3つの画素P3,P0及びP6の映像信号をフィルター処理によって平滑化した信号が信号S8として出力されることになる。
【0061】
そして、この画素P3,P0及びP6の映像信号をフィルター処理によって平滑化した信号が、混合器9で映像信号S2と混合されることにより、画素P0のインパルス性ノイズが除去される。
【0062】
他方、別のクロックタイミングで、ノイズ判別対象の画素P0にインパルス性ノイズに相当するレベル変動が存在しているが、画素P0〜P8がきめの整った領域(例えば森林の木の葉の画像等)に位置していたとする。
【0063】
このとき、周辺画素分散算出部4の出力信号C1は、閾値Th1以上になる。したがって、ノイズ判別部7では、比較器11の出力信号C9が‘0’になるので、出力信号C8が‘0’になる。
【0064】
その結果、選択部8では映像信号S2がセレクタ22で選択されて信号S8として出力されるので、混合器9では映像信号S2同士が混合される(フィルター処理によるノイズ除去は行われない)。
【0065】
また他方、別のクロックタイミングで、画素P0〜P8が平滑な領域に位置しており、画素P0にインパルス性ノイズが存在していなかったとする。
【0066】
このとき、各方向分散算出部5の出力信号C2〜C5が示す最も小さい分散varの値は、閾値Th2以下になる。したがって、ノイズ判別部7では、比較器12の出力信号C10が‘0’になるので、出力信号C8が‘0’になる。
【0067】
その結果、選択部8では映像信号S2がセレクタ22で選択されて信号S8として出力されるので、混合器9では映像信号S2同士が混合される(フィルター処理によるノイズ除去は行われない)。
【0068】
以上のように、この画像ノイズ除去装置では、ノイズ判別対象の画素P0の周囲の複数の画素P1〜P8同士の映像信号のレベル変動に関する情報(分散var)から、ノイズ判別対象の画素P0が平滑な領域に位置しているのかそれともきめの整った領域に位置しているのかを判別している。
【0069】
そして、画面の複数の方向X,Y,A,Bについての、ノイズ判別対象の画素P0を含む複数の画素同士(P4,P0及びP5同士や、P2,P0及びP7同士や、P1,P0及びP8同士や、P3,P0及びP6同士)の映像信号のレベル変動に関する情報(分散var)のうち、最も小さいレベル変動を示す情報から、ノイズ判別対象の画素P0にインパルス性ノイズに相当するレベル変動が存在するか否かを判別している。
【0070】
このように、ノイズ判別対象の画素の周囲の画素同士の映像信号のレベル変動に関する情報と、画面の複数の方向についてのノイズ判別対象の画素を含む画素同士の映像信号のレベル変動に関する情報のうち最も小さいレベル変動を示す情報との両方に基づいて、平滑な領域に存在するインパルス性ノイズを判別し、そのインパルス性ノイズを除去している。
【0071】
したがって、きめの整った領域の画像がぶれることにより画像のディテール感が損なわれる事態を招くことなく、インパルス性ノイズを除去できるようになっている。
【0072】
また、ラインメモリが2個(ラインメモリ1及び2)で済むことなどから小規模な回路構成でインパルス性ノイズを除去することができるとともに、少ない演算処理量でインパルス性ノイズを除去することができるようになっている。
【0073】
さらに、この画像ノイズ除去装置では、ノイズ判別対象の画素P0を含む複数の画素同士(P4,P0及びP5同士や、P2,P0及びP7同士や、P1,P0及びP8同士や、P3,P0及びP6同士)の映像信号のレベル変動に関する情報(分散var)が生成された画面の複数の方向X,Y,A,Bのうち、最も小さいレベル変動を示す情報に対応する方向(前述の例では、信号C5が示す分散varの値が最も小さかったので、信号C5に対応する方向B)についてのフィルター処理によってインパルス性ノイズを除去している。
【0074】
平滑な領域(例えば空(そら)の画像等)に細い線の画像が含まれておりその線の画像にインパルス性ノイズが混入しているような場合には、ノイズ判別対象の画素P0を含む複数の画素同士(P4,P0及びP5同士や、P2,P0及びP7同士や、P1,P0及びP8同士や、P3,P0及びP6同士)の映像信号のレベル変動に関する情報(分散var)が生成された画面の複数の方向X,Y,A,Bのうち最も小さいレベル変動を示す情報が生成された方向は、この線の延びる方向と一致するか、またはこれらの複数の方向X,Y,A,Bのうちこの線の延びる方向に最も近い方向になる。
【0075】
したがって、この最も小さいレベル変動を示す情報が生成された方向についてのフィルター処理でインパルス性ノイズを除去することにより、平滑な領域に細い線の画像が含まれておりその線の画像にインパルス性ノイズが混入しているような場合にも、その線が切れたように見える事態を招くことなくそのインパルス性ノイズを除去することができるようになっている。
【0076】
なお、以上の例では、周辺画素分散算出部4で、上記式▲1▼のように、画素P1〜P8同士の映像信号i(1)〜i(8)の分散varの値を算出している。しかし、別の例として、周辺画素分散算出部4で、次式▲6▼のように、画素P1〜P8同士の映像信号i(1)〜i(8)の平均値aveに対する各映像信号i(1)〜i(8)の差分の絶対値の平均値を算出し、その算出した平均値を分散varの値として代用するようにしてもよい。
【数6】
【0077】
また同様に、各方向分散算出部5でも、上記式▲2▼〜▲5▼のように分散varの値を算出する代わりに、ノイズ判別対象の画素P0を含む複数の画素同士(P4,P0及びP5同士や、P2,P0及びP7同士や、P1,P0及びP8同士や、P3,P0及びP6同士)の映像信号の平均値に対する各映像信号の差分の絶対値の平均値を算出し、その算出した平均値を分散varの値として代用するようにしてもよい。
【0078】
そうした場合でも、やはり、きめの整った領域の画像がぶれることにより画像のディテール感が損なわれる事態を招くことなくインパルス性ノイズを除去することができる。しかも、周辺画素分散算出部4や各方向分散算出部5の演算処理量を一層少なくすることができる。
【0079】
また、以上の例では、選択部8の出力信号S8を、混合器9で映像信号S2と混合してからこの画像ノイズ除去装置から出力させている。しかし、別の例として、選択部8の出力信号S8をそのままこの画像ノイズ除去装置から出力させてもよい。
【0080】
また、以上の例では、周辺画素分散算出部4,各方向分散算出部5及び最小分散及び方向検出部6をマイクロプロセッサで構成し、ノイズ判別部7及び選択部8をハードウェアを用いて構成している。しかし、別の例として、周辺画素分散算出部4や各方向分散算出部5や最小分散及び方向検出部6をハードウェアを用いて構成したり、ノイズ判別部7や選択部8をマイクロプロセッサで構成したりしてもよい。
【0081】
また、以上の例では、本発明を適用した画像ノイズ除去装置をビデオカメラに搭載するものとして説明を行った。しかし、これに限らず、ビデオカメラ以外の撮像装置(例えばディジタルカメラ等)や、画像表示装置(例えばテレビジョン受像機,プロジェクタ,パーソナルコンピュータのモニター等)にも、本発明を適用した画像ノイズ除去装置を搭載してよい。さらには、撮像装置や画像表示装置以外の装置(例えばプリンタ)にも、本発明を適用した画像ノイズ除去装置を搭載してよい。
【0082】
また、本発明は、以上の例に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、その他様々の構成をとりうることはもちろんである。
【0083】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、ノイズ判別対象の画素の周囲の画素同士の映像信号のレベル変動に関する情報と、画面の複数の方向についてのノイズ判別対象の画素を含む画素の映像信号のレベル変動に関する情報のうち最も小さいレベル変動を示す情報との両方に基づいて、平滑な領域に存在するインパルス性ノイズを判別し、そのインパルス性ノイズを除去することができる。
【0084】
したがって、きめの整った領域の画像がぶれることにより画像のディテール感が損なわれる事態を招くことなく、インパルス性ノイズを除去できるという効果が得られる。
【0085】
また、ラインメモリが少数で済むことなどから小規模な回路構成でインパルス性ノイズを除去することができるとともに、少ない演算処理量でインパルス性ノイズを除去することができるという効果が得られる。
【0086】
さらに、平滑な領域に細い線の画像が含まれておりその線の画像にインパルス性ノイズが混入しているような場合にも、その線が切れたように見える事態を招くことなくそのインパルス性ノイズを除去できるという効果も得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した画像ノイズ除去装置の構成を示すブロック図である。
【図2】ノイズ判別対象の画素と、その周囲の画素と、画面の方向とを示す図である。
【図3】図1のノイズ判別部7の構成を示すブロック図である。
【図4】図1の選択部8の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1,2 ラインメモリ、 3 フィルター部、 4 周辺画素分散算出部、 5 各方向分散算出部、 6 最小分散及び方向検出部、 7 ノイズ判別部、8 選択部、 9 混合器、 11,12 比較器、 13 アンド回路、 21,22 セレクタ
Claims (8)
- ノイズの判別対象の画素の周囲の複数の画素同士の映像信号のレベル変動に関する情報を生成する第1の生成手段と、
前記ノイズの判別対象の画素を含む複数の画素同士の映像信号のレベル変動に関する情報を、画面の複数の方向について生成する第2の生成手段と、
前記第2の生成手段で生成された情報のうち、最も小さいレベル変動を示す情報を検出する検出手段と、
前記第1の生成手段で生成された情報と、前記第2の生成手段で生成された情報のうち前記検出手段で検出された情報とに基づき、前記ノイズの判別対象の画素にノイズが存在するか否かを判別する判別手段と
を備え、前記判別手段で判別されたノイズをフィルター処理によって除去するようにしたことを特徴とする画像ノイズ除去装置。 - 請求項1に記載の画像ノイズ除去装置において、
前記ノイズの判別対象の画素を含む複数の画素の映像信号に対するフィルター処理を、前記複数の方向について行うフィルターと、
前記複数の方向のうち、前記第2の生成手段で最も小さいレベル変動を示す情報が生成された方向を検出する検出手段と
をさらに備え、
前記判別手段で判別されたノイズを、前記検出手段で検出された方向についての前記フィルターのフィルター処理によって除去するようにしたことを特徴とする画像ノイズ除去装置。 - ノイズの判別対象の画素の周囲の複数の画素同士の映像信号のレベル変動に関する情報を生成する第1のステップと、
前記ノイズの判別対象の画素を含む複数の画素同士の映像信号のレベル変動に関する情報を、画面の複数の方向について生成する第2のステップと、
前記第2のステップで生成した情報のうち、最も小さいレベル変動を示す情報を検出する第3のステップと、
前記第1のステップで生成した情報と、前記第2のステップで生成した情報のうち前記第3のステップで検出した情報とに基づき、前記ノイズの判別対象の画素にノイズが存在するか否かを判別する第4のステップと、
前記第4のステップで判別したノイズをフィルター処理によって除去する第5のステップと
を有することを特徴とする画像ノイズ除去方法。 - 請求項3に記載の画像ノイズ除去方法において、
前記複数の方向のうち、前記第2のステップで最も小さいレベル変動を示す情報を生成した方向を検出する第6のステップ
をさらに有し、
前記第5のステップでは、前記ノイズの判別対象の画素を含む複数の画素の映像信号に対するフィルター処理を、前記複数の方向について行うとともに、前記第4のステップで判別したノイズを、前記第6のステップで検出した方向について行ったフィルター処理によって除去するようにしたことを特徴とする画像ノイズ除去方法。 - 撮像装置において、
撮像デバイスから得られる映像信号のうち、ノイズの判別対象の画素の周囲の複数の画素同士の映像信号のレベル変動に関する情報を生成する第1の生成手段と、
前記ノイズの判別対象の画素を含む複数の画素同士の映像信号のレベル変動に関する情報を、画面の複数の方向について生成する第2の生成手段と、
前記第2の生成手段で生成された情報のうち、最も小さいレベル変動を示す情報を検出する検出手段と、
前記第1の生成手段で生成された情報と、前記第2の生成手段で生成された情報のうち前記検出手段で検出された情報とに基づき、前記ノイズの判別対象の画素にノイズが存在するか否かを判別する判別手段と
を備え、前記判別手段で判別されたノイズをフィルター処理によって除去するようにしたことを特徴とする撮像装置。 - 請求項5に記載の撮像装置において、
前記ノイズの判別対象の画素を含む複数の画素の映像信号に対するフィルター処理を、前記複数の方向について行うフィルターと、
前記複数の方向のうち、前記第2の生成手段で最も小さいレベル変動を示す情報が生成された方向を検出する検出手段と
をさらに備え、
前記判別手段で判別されたノイズを、前記検出手段で検出された方向についての前記フィルターのフィルター処理によって除去するようにしたことを特徴とする撮像装置。 - 画像表示装置において、
外部から供給される映像信号のうち、ノイズの判別対象の画素の周囲の複数の画素同士の映像信号のレベル変動に関する情報を生成する第1の生成手段と、
前記ノイズの判別対象の画素を含む複数の画素同士の映像信号のレベル変動に関する情報を、画面の複数の方向について生成する第2の生成手段と、
前記第2の生成手段で生成された情報のうち、最も小さいレベル変動を示す情報を検出する検出手段と、
前記第1の生成手段で生成された情報と、前記第2の生成手段で生成された情報のうち前記検出手段で検出された情報とに基づき、前記ノイズの判別対象の画素にノイズが存在するか否かを判別する判別手段と
を備え、前記判別手段で判別されたノイズをフィルター処理によって除去するようにしたことを特徴とする画像表示装置。 - 請求項7に記載の画像表示装置において、
前記ノイズの判別対象の画素を含む複数の画素の映像信号に対するフィルター処理を、前記複数の方向について行うフィルターと、
前記複数の方向のうち、前記第2の生成手段で最も小さいレベル変動を示す情報が生成された方向を検出する検出手段と
をさらに備え、
前記判別手段で判別されたノイズを、前記検出手段で検出された方向についての前記フィルターのフィルター処理によって除去するようにしたことを特徴とする画像表示装置。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003007415A JP2004221983A (ja) | 2003-01-15 | 2003-01-15 | 画像ノイズ除去装置,画像ノイズ除去方法,撮像装置及び画像表示装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2003007415A JP2004221983A (ja) | 2003-01-15 | 2003-01-15 | 画像ノイズ除去装置,画像ノイズ除去方法,撮像装置及び画像表示装置 |
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JP2003007415A Pending JP2004221983A (ja) | 2003-01-15 | 2003-01-15 | 画像ノイズ除去装置,画像ノイズ除去方法,撮像装置及び画像表示装置 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7770098B2 (en) | 2005-08-18 | 2010-08-03 | International Business Machines Corporation | Signal processing apparatus and method therefor |
JP2011055488A (ja) * | 2009-08-05 | 2011-03-17 | Canon Inc | 画像処理装置、画像処理システム、及び画像処理方法 |
-
2003
- 2003-01-15 JP JP2003007415A patent/JP2004221983A/ja active Pending
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