JP2004221896A - 車両内通信システム、車両内通信方法及び通信機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】車載機器をメタル通信線で接続して高速通信を行う。
【解決手段】車載機器は、送信部30aで送信対象のシリアル信号を第1信号及び第2信号にパラレル変換し、第1信号をQAM変調信号にQAM変調し、第2信号をUWB信号に変調し、QAM変調信号及びUWB信号を合成して合成信号を送信し、この合成信号をメタル通信線を通じて送信することで、メタル通信線の帯域を拡大して高速通信を実現する。受信部30bは受信した合成信号をQAM変調信号及びUWB信号に分離し、QAM変調信号を第1信号に復調すると共にUWB信号より第2信号を生成し、第1信号及び第2信号をパラレル変換してシリアル信号を生成する。
【選択図】 図3
【解決手段】車載機器は、送信部30aで送信対象のシリアル信号を第1信号及び第2信号にパラレル変換し、第1信号をQAM変調信号にQAM変調し、第2信号をUWB信号に変調し、QAM変調信号及びUWB信号を合成して合成信号を送信し、この合成信号をメタル通信線を通じて送信することで、メタル通信線の帯域を拡大して高速通信を実現する。受信部30bは受信した合成信号をQAM変調信号及びUWB信号に分離し、QAM変調信号を第1信号に復調すると共にUWB信号より第2信号を生成し、第1信号及び第2信号をパラレル変換してシリアル信号を生成する。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両に搭載される機器間の通信に関し、特に通信量の拡大を図る車両内通信システム、車両内通信方法及び通信機器に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両に搭載されたナビゲーション装置、モニタ装置及びオーディオ装置等の情報系統に属する車載機器は、車両内に構築された高速情報系の通信システムに組み込まれている。高速情報系の通信システムは、数十〜数百Mbpsの通信速度で信号を通信する。
【0003】
情報系統の車載機器をメタル通信線で接続し、数十〜数百Mbpsの高速通信を行うと、搬送波の周波数が上昇してメタル通信線よりノイズが放射される。このようなエミッションノイズは、車両に搭載された各種車載機器の作動に影響を及ぼすことがあり、特に、50Mbps以上で通信を行うと、FMラジオの周波数帯域と干渉し車載のラジオチューナの受信状況を悪化させる。
【0004】
また、搬送波の周波数帯域が高い場合、メタル通信線を形成するツイストペアの複数のケーブル間で一方のケーブルのノイズが他方のケーブルに混入する漏話(クロストーク)、及び、各通信信号の時間的なズレにより正確な信号の搬送が困難になるジッタと云う現象が生じやすくなる。よって、このような事象を考慮して、高速情報系の通信システムでは、各車載機器の接続にはPOF(プラスチック光ファイバ)ケーブルを適用することが妥当と考えられている。なお、各種車載機器の接続に関しては、下記の特許文献1でも開示されている。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−152244号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
POFケーブルは、光ファイバの特性より曲率が規定されており、規定の曲率以上に曲げると通信性の確保が困難になる。一方、通信システムの構築対象である車両は、限られたスペース内に各種機器を搭載して残った空間に各機器を接続するPOFケーブルを布線することから、規定の曲率を維持してPOFケーブルの布線レイアウトを行うことは非常に困難となる。
【0007】
また、通信システムには情報系統の機器がユーザにより後付けされることも想定でき、POFケーブルが規定の曲率以上に曲げられないように後付け作業を行うのは難しく、ユーザによる通信システムへの自由な機器の接続を阻むと云う問題がある。さらに、POFケーブルは、メタル通信線に比べて、車両の組立工程で生じる挟み込み及び踏まれ等により断線しやすく、組立の際、これら断線要因となる事象に配慮せねばならないと云う問題がある。
【0008】
なお、民生用の通信システムでは、信号を変調することで光ファイバケーブルを用いずにメタル通信線で数十〜数百Mbpsの高速通信を行うものもある。しかし、この種の通信システムでは、データ変調により通信の帯域を圧縮できる程度が約2分の1であるため、様々な帯域で作動する機器を多数搭載する車両ではメタル通信線から放射されるノイズの影響を確実に回避するには不充分であり、前記民生用の通信システムは車両用に転用されていないのが実情である。
【0009】
また、メタル通信線で接続した機器間で同時に送受信を行う場合は、1本のメタル通信線で同時に送受信できないため、送信用及び受信用の計2本のメタル通信線を機器間に接続する必要があり、通信システムを構成するメタル通信線の本数が多くなると云う問題があった。
【0010】
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであり、パラレル変換した信号を変調して変調信号及びパルス変調信号を得ると共にこれらの信号を合成した合成信号を送信することでメタル通信線の帯域を増加させて、メタル通信線を用いた車両内通信システムで高速通信を実現する車両内通信システム、車両内通信方法及び通信機器を提供することを目的とする。
また、本発明は、一方の車載機器からは変調信号を送信し、他方の車載機器からは変調信号とスペクトルが相異するパルス変調信号を送信することで、車載機器間を1本のメタル通信線で接続しても同時に送受信を行えるようにした車両内通信システム及び車両内通信方法を提供することを目的とする。
【0011】
さらに、本発明は、メタル通信の帯域を増加させた場合及び1本のメタル通信線で同時に送受信を可能にした場合でも、確実な通信性を確保した車両内通信システムを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
第1発明に係る車両内通信システムは、送信側車載機器及び受信側車載機器間で信号を通信する車両内通信システムにおいて、前記送信側車載機器は、シリアル信号を第1信号及び第2信号にパラレル変換する変換手段と、前記第1信号を変調信号に変調する変調手段と、前記第2信号をパルス変調信号に変調するパルス変調手段と、前記変調信号及びパルス変調信号を合成して合成信号にする合成手段と、前記合成信号を送信する送信手段とを備え、前記受信側車載機器は、受信した合成信号を変調信号及びパルス変調信号に分離する分離手段と、分離した変調信号を第1信号に復調する復調手段と、分離したパルス変調信号より第2信号を生成する生成手段と、前記第1信号及び第2信号をシリアル信号に変換するシリアル変換手段とを備えることを特徴とする。
【0013】
第2発明に係る車両内通信システムは、第1車載機器及び第2車載機器間で信号を通信する車両内通信システムにおいて、前記第1車載機器は、送信対象の第1信号を変調信号に変調する変調手段と、前記変調信号を送信する第1送信手段と、前記第2車載機器からのパルス変調信号を受信する第1受信手段と、受信したパルス変調信号より第2信号を生成する生成手段とを備え、前記第2車載機器は、送信対象の第2信号をパルス変調信号に変調するパルス変調手段と、前記パルス変調信号を送信する第2送信手段と、前記第1車載機器からの変調信号を受信する第2受信手段と、受信した変調信号を第1信号に復調する復調手段とを備えることを特徴とする。
【0014】
第3発明に係る車両内通信システムは、前記変調手段は、第1信号を多値の変調信号に多値変調する多値変調手段を備えることを特徴とする。
第4発明に係る車両内通信システムは、前記変調手段は、第1信号を直交周波数分割多重方式でデジタル変調するデジタル変調手段を備え、前記多値変調手段は、該デジタル変調手段がデジタル変調した第1信号を多値の変調信号に多値変調することを特徴とする。
【0015】
第5発明に係る車両内通信システムは、前記パルス変調信号は、パルスの時間幅が100ピコ秒以上1ナノ秒以下であることを特徴とする。
第6発明に係る車両内通信システムは、前記パルス変調手段は、パルス位置変調で変調を行うことを特徴とする。
【0016】
第7発明に係る車両内通信方法は、送信側車載機器及び受信側車載機器間で信号を通信する車両内通信方法において、前記送信側車載機器は、シリアル信号を第1信号及び第2信号にパラレル変換し、前記第1信号を変調信号に変調し、前記第2信号をパルス変調信号に変調し、前記変調信号及びパルス変調信号を合成して合成信号を生成し、前記合成信号を送信し、前記受信側車載機器は、送信された合成信号を受信し、受信した合成信号を変調信号及びパルス変調信号に分離し、分離した変調信号を第1信号に復調し、分離したパルス変調信号より第2信号を生成し、前記第1信号及び第2信号をシリアル信号にシリアル変換することを特徴とする。
【0017】
第8発明に係る車両内通信方法は、第1車載機器及び第2車載機器間で信号を通信する車両内通信方法において、前記第1車載機器は、送信対象の第1信号を変調信号に変調し、変調した変調信号を送信し、前記第2車載機器は、送信された変調信号を受信し、受信した変調信号を第1信号に復調し、送信対象の第2信号をパルス変調信号に変調し、変調したパルス変調信号を送信し、前記第1車載機器は、送信されたパルス変調信号を受信し、受信したパルス変調信号より第2信号を生成することを特徴とする。
【0018】
第9発明に係る通信機器は、信号の送信を行う車両搭載用の通信機器において、シリアル信号を第1信号及び第2信号にパラレル変換する変換手段と、前記第1信号を変調信号に変調する変調手段と、前記第2信号をパルス変調信号に変調するパルス変調手段と、前記変調信号及びパルス変調信号を合成して合成信号にする合成手段と、前記合成信号を送信する送信手段とを備えることを特徴とする。
【0019】
第10発明に係る通信機器は、信号の受信を行う車両搭載用の通信機器において、受信した信号を変調信号及びパルス変調信号に分離する分離手段と、分離した変調信号を第1信号に復調する復調手段と、分離したパルス変調信号より第2信号を生成する生成手段と、前記第1信号及び第2信号をシリアル信号に変換するシリアル変換手段とを備えることを特徴とする。
【0020】
第1発明及び第7発明にあっては、送信するシリアル信号をパラレル変換した第1信号及び第2信号より周波数成分(以下、スペクトルと称す)が夫々相異する変調信号及びパルス変調信号を生成すると共に、これら2つの信号を合成した合成信号を送信するため、メタル通信線の帯域を増加させて通信を行うことができる。即ち、2つの信号はスペクトルが相異するため合成しても各信号を独立した状態で送信することが可能となり、これによりメタル通信線の帯域を増大できる。その結果、各車載機器をメタル通信線で接続しても所要の高速通信を実現でき、車両用に最適な通信システムを構築できる。
【0021】
このように帯域を増加させることで、車載機器が作動する周波数帯域から送信に使用される周波数帯域を遠ざけて両者の干渉を防止し、メタル通信線を用いて高速通信を行ってもエミッションノイズの影響を防止できる。また、取り扱いが容易なメタル通信線で車載機器を接続して通信システムを構築することが可能となり、従来のPOFケーブルを適用する場合に比べて、システム構築に係る布線工程の注意負担も低減できる。
【0022】
また、受信側の車載機器は、合成信号に含まれる変調信号及びパルス変調信号のスペクトルが相異することから、周波数を基準に各信号を分離することができ、メタル通信線を用いて高速通信を行っても、2種類の信号を確実に抽出して所要の通信性を確保できる。
【0023】
なお、送信側車載機器及び受信側車載機器は、通信に係る物理層及びリンク層に係る通信用回路を夫々備えているので、変換手段、変調手段及びパラレル変調手段等の各種手段を通信用回路と一体にしてよく、このように一体化することで機器を小型化でき、車両の限定された搭載スペースを効率的に利用できる。
【0024】
第2発明及び第8発明にあっては、第1車載機器が変調信号を送信する一方、第2車載機器はパルス変調信号を送信することにより、1本のメタル通信線で接続した車載機器間で同時に送受信を行うことが可能になる。即ち、変調信号及びパルス変調信号はスペクトルが相異するので、同時に双方向から送信を行っても、各車載機器で周波数を基準にして両信号を選別して受信できる。その結果、各車載機器を1本のメタル通信線で接続しても確実に通信を行うことができ、接続形態の簡略化を図れる。
【0025】
第3発明にあっては、第1信号に対して多値変調を行うので、さらに通信帯域を拡大して通信速度を向上できる。なお、多値変調の具体例としては、周波数の振幅値及び位相差の値を変化させるQAM(Quadrature Amplitude Modulation)変調を適用するのが好適である。QAM変調は、搬送波の振幅及び位相を変化させて変調を行うので、複数の抽出データの占有周波数を小さくして効率的なデータ通信を実現できる。また、他の多値変調としてPSK(Phase Shift Keying)も適用できると共に、FSK(Frequency Shift Keying)又はASK(Amplitude Shift Keying)のような変調も適用できる。
【0026】
第4発明にあっては、第1信号を直交周波数分割多重方式(以下、OFDMと称す)でデジタル変調してから多値変調するので、メタル通信線の周波数帯域を更に有効利用することが可能となり、通信速度の更なる向上を実現できる。
【0027】
第5発明にあっては、パルス変調信号のパルスの時間幅を100ピコ秒以上1ナノ秒以下にすることで、パルス変調信号のスペクトルが数百MHz〜数GHzの範囲のいわゆる超広帯域(Ultra Wideband:UWB)に広がり、UWB信号として変調信号とのスペクトルの相異を一段と大きくして、通信効率を向上できる。具体的にはUWBで通信を行うことにより、高速通信、送受信回路の簡略化、送信出力の電力スペクトル密度の低下、及びマルチパス干渉の耐性向上等を達成できる。
【0028】
第6発明にあっては、パルス変調手段がパルス位置変調を行うことで、簡易な構成で確実に信号を送信できる。パルス位置変調は、パルス変調信号に含まれる複数の時間軸上のパルス位置を数ナノ秒程度ずらすことで信号を表現し、例えば、パルス位置をずらすことで、前後のパルス間隔が10ナノ秒のときは「1」の信号を表し、前後のパルス間隔が5ナノ秒のときは「2」の信号を表すように規定して、多様な信号を確実に送信できるようになる。
【0029】
第9発明にあっては、送信するシリアル信号をパラレル変換すると共に、変調信号への変調及びパルス変調信号への変調を行った上で合成信号を生成して送信するので、通信帯域を増加して多量の信号を高速で送信できる。
第10発明にあっては、受信する合成信号に含まれる変調信号及びパルス変調信号を分離して、元の信号に戻す処理を行うので、変調信号及びパルス変調信号より生成される合成信号を送信しても確実に元の信号に戻してメタル通信線を用いた高速通信に貢献できる。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る車両内通信システム1の全体的な構成を示している。車両内通信システム1は車両Sに構築されており、モニタ装置2、ナビゲーション装置3、オーディオ装置4及びメディアコンバータ5と云った車載機器が組み込まれている。
【0031】
各車載機器2〜5は夫々2つの接続コネクタ部2a、2b〜5a、5bを有し、これら接続コネクタ部2b、3a等に2本のツイスト線から構成されるUTP(Unshielded Twisted Pair)のメタル通信線C1〜C3を夫々接続することで、全体としてデイジーチェーン方式で各車載機器2〜5を組み込んだシステムを構築している。また、各車載機器2〜5は、メタル通信線C1〜C3を通じて各種信号を相互に送受信可能にしている。
【0032】
図2は、車両内通信システム1におけるモニタ装置2及びナビゲーション装置3の内部構成を示している。モニタ装置2は、2つの接続コネクタ部2a、2bに接続された通信機器に相当する変復調回路部20を内部に設けており、この変復調回路部20に物理層LSI2d及びリンク層LSI2eを有する物理層チップ2cが接続されている。また、モニタ装置2は、変復調回路部20及び物理層チップ2c以外に、信号の表示機能に係る画像処理LSI2f、CPU2g、ROM2h、RAM2i、ドライバ2j及びLCDモジュール2kを備えている。
【0033】
一方、ナビゲーション装置3も通信機器に相当する変復調回路部30、物理層LSI3d及びリンク層LSI3eを有する物理層チップ3cを備えており、変復調回路部31及び物理層チップ3cは、モニタ装置2と同様の構成で同様の処理を行う。また、ナビゲーション装置3は、変復調回路部30及び物理層チップ3c以外にナビゲーション装置3の固有の機能を行うグラフィックプロセッサ3f、CPU3g、ROM3h、RAM3i、GPS受信部3j、ジャイロ部3k及びDVDドライブ部3mを夫々備える。
【0034】
モニタ装置2の接続コネクタ部2b及びナビゲーション装置3の接続コネクタ部3aを接続するUTPメタル通信線C1の2本のツイスト線C1a、C1bの内、一方のツイスト線C1aはモニタ装置2からナビゲーション装置3へ信号を送信する場合に使用され、他方のツイスト線C1bはナビゲーション装置3からモニタ装置2へ信号を送信する場合に使用される。なお、図1に示す他の車載機器4、5も、モニタ装置2及びナビゲーション装置3が夫々有する変復調回路部20、30及び物理層チップ2c、3cと同等の変復調回路部及び物理層チップを備えており、各車載機器2〜5の間で相互通信を可能にしている。
【0035】
図3は、ナビゲーション装置3の変復調回路部30の内部構成におけるモニタ装置2との通信に係る部分を示している。変復調回路部30は、送信処理を行う送信部30a及び受信処理を行う受信部30bを備えている。送信部30aは内部にS/P(シリアル/パラレル)変換回路31、QAM変調回路32、パルス送信回路33及びミキシング回路34を設けており、受信部30bはフィルタ回路35、QAM復調回路36、パルス受信回路37及びP/S(パラレル/シリアル)変換回路38を設けている。
【0036】
送信部30aのS/P変換回路31は、物理層LSI3dより伝送される送信用のシリアル信号を第1信号及び第2信号と云う2つの信号にパラレル変換する変換手段として機能している。QAM変調回路32は、S/P変換回路31から伝送される第1信号を変調信号に変調する変調手段として機能しており、本実施形態では、第1信号を多値の変調信号であるQAM変調信号にQAM変調する多値変調手段として機能している。第1信号はQAM変調されることで、図4(a)に示す時間軸及び振幅に係るグラフ波形のQAM変調信号6に変調される。
【0037】
パルス送信回路33は、S/P変換回路31から伝送される第2信号をパルス変調信号に変調するパルス変調手段として機能する。本実施形態のパルス送信回路33は、パルス変調信号として図4(b)のグラフに示すように各パルスの時間幅wが約800ピコ秒であるUWB信号7に第2信号を変調しており、しかも、各パルス7a〜7dの時間間隔がT1、T2、T2となるように各パルス7a〜7dの位置をずらしてパルス位置変調を行っている。
【0038】
パルス送信回路33のパルス位置変調は、T1を10ナノ秒、T2を5ナノ秒にしており、T1は「1」、T2は「2」を意味するように規定している。このようにパルス送信回路33でパルス位置変調されるUWB信号は、スペクトルで表すと数百MHz〜数GHzの超広帯域(Ultra Wideband)に広がる。
【0039】
図3の送信部30aのミキシング回路34は、QAM変調信号6及びUWB信号7を合成して図4(c)のグラフで示す合成信号Gにする合成手段として機能している。合成信号Gの時間軸及び振幅で示す波形はQAM変調信号6及びUWB信号7の各波形を合わせたものになっており、鋭く突出する部分Ga〜Gdは、UWB信号7の各パルス7a〜7dに対応している。
【0040】
この合成信号Gを周波数及び送信出力で表すと、図5に示すようなグラフになり、QAM変調信号6及びUWB信号7の分布範囲が相異して両者は独立した分布になる。即ち、QAM変調信号6の波形は10MHzを中心とした縦長の放物線形状の波形となる一方、各パルス7a〜7dが800ピコ秒と非常に短いUWB信号7の波形は、周波数軸では数百MHz〜数GHzにわたる超広帯域の横長の放物線の形状になり、両者の波形及び周波数帯域は明確に相異したものとなる。
【0041】
なお、図3に示すミキシング回路34は、送信部30aの送信手段として、上述したように生成した合成信号Gをコネクタ3aを通じて外部へ送信する処理も行う。
【0042】
また、変復調回路部30の受信部30b内のフィルタ回路35は、上述の合成信号を外部よりコネクタ3aを通じて受信した場合、QAM変調信号6及びUWB信号7に分離する分離手段として機能する。本実施形態のフィルタ回路35は、合成信号Gが図5に示すようなスペクトルを示すことから、受け付けた信号に対して数百MHz未満の信号を通過させるフィルタ処理と、数百MHz以上の信号を通過させるフィルタ処理を行うことで、合成信号から図4(a)に示すQAM変調信号6及び図4(b)に示すUWB信号7を夫々取り出している。
【0043】
受信部30bのQAM復調回路36は、フィルタ回路35が分離したQAM変調信号6を受け付けて第1信号に復調する復調手段として機能しており、QAM変調と逆方向の処理を行うことで元の第1信号を生成している。また、受信部30bのパルス受信回路37は、UWB信号7より各パルス7a〜7dの時間間隔を読み出して元の第2信号を生成する生成手段として機能する。
【0044】
P/S変換回路38は、QAM復調回路36からの第1信号及びパルス受信回路37からの第2信号をシリアル信号にシリアル変換するシリアル変換手段として機能している。なお、P/S変換回路38は、変換したシリアル信号を物理層LSI3dへ伝送して、ナビゲーション装置3に係る所要の処理を受信した信号に対して行う。また、上述した変復調回路部30の構成は、モニタ装置2、オーディオ装置4等の他の変復調回路部でも同様である。
【0045】
図6は、ナビゲーション装置3からモニタ装置2へ信号を送信する場合に必要な部分を示すものであり、この場合、ナビゲーション装置3の送信部30aが送信側車載機器として機能し、モニタ装置2の受信部20bが受信側車載機器として機能する。この場合、信号はナビゲーション装置3の接続コネクタ部3aとモニタ装置2の接続コネクタ部2bを接続するUTPメタル通信線のツイスト線C1bを通じて送信される。
【0046】
図7(a)(b)の第1及び第2フローチャートは、上述した送信における車両内通信方法の一連の処理内容を示している。図7(a)は、ナビゲーション装置3の送信部30aにおける処理手順を示し、先ず、S/P変換回路31でナビゲーション装置3の物理層LSI3dから伝送されたシリアル信号が第1信号及び第2信号にパラレル変換される(S1)。
【0047】
第1信号はQAM変調回路32でQAM変調信号に変換され(S2)、第2信号はパルス送信回路33でUWB信号に変調され(S3)、QAM変調信号及びUWB信号はミキシング回路で合成されて合成信号が生成される(S4)。生成された合成信号はミキシング回路34から接続コネクタ部3aを介して送信されて(S5)、送信部30aでの送信処理は終了する。
【0048】
図7(b)は、モニタ装置2の受信部20bにおける処理手順を示し、受信部20bのフィルタ回路25はツイスト線C1bを通じて送信された合成信号を接続コネクタ部2bを介して受信し(S10)、合成信号からQAM変調信号とUWB信号に分離される(S11)。分離されたQAM変調信号はQAM復調回路26で第1信号に復調され(S12)、パルス受信回路27では分離されたUWB信号より第2信号が生成される(S13)。第1信号及び第2信号は、P/S変換回路28でシリアル変換され(S14)、シリアル信号が生成されて(S15)、生成されたシリアル信号はモニタ装置2の物理層LSI2dへ伝送されて表示に係る各種処理が行われる。
【0049】
なお、上述した送信処理は、ナビゲーション装置3からモニタ装置2へ送信する場合に基づいて説明したが、モニタ装置2からナビゲーション装置3へリターン信号等を送信する場合も、モニタ装置2の送信部からナビゲーション装置3の受信部30bへツイスト線C1aを通じて信号を送信することで実現できる。
【0050】
また、第1実施形態の車両内通信システム1及び各車載機器2〜5は上述した形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、送信部30aのパルス送信回路33でパルス位置変調を行ったUWB信号の各パルスの時間幅は、100ピコ以上1ナノ秒以下にすることが可能であり、各パルスの時間間隔も適宜設定して種々の信号を埋め込むこともできる。
【0051】
さらに、QAM変調回路32は、伝送された第1信号をOFDMでデジタル変調してからQAM変調するようにしてもよく、このような処理にすることで、図8に示すように多値変調信号は、複数のキャリアQ1〜Q4が並ぶスペクトルとなり、さらに通信帯域を増加させて通信速度を向上できる。
【0052】
さらに、また、QAM変調回路32は、多値変調回路としてQAM変調ではなくPSK変調で第1信号を変調するようにしてもよく、さらに、変調回路としてFSK(Frequency Shift Keying)又はASK(Amplitude Shift Keying)で第1信号を変調するようにしてもよい。また、変復調回路部20、30は物理層チップ2c、3cと別体にしているが、両者を1チップ化して小型化を図るようにしてもよい。さらに、車両内通信システム1の構成は、図1に示すデイジーチェーン方式以外にもリング型で形成された通信システムに対しても対応可能である。
【0053】
図9は、本発明の第2実施形態に係る車両内通信システム10における車載機器間の一部の構成を示している。第2実施形態の車両内通信システム10も図1に示す第1実施形態の車両内通信システム1と同様に車両S内の複数の車載機器の間で通信を行うものであるが、各車載機器を1本のメタル通信線C10で接続すると共に、このメタル通信線C10で同時に双方の車載機器から送受信可能にしている点が相異している。
【0054】
即ち、一方の車載機器であるオーディオ装置15から他方の車載機器であるDVD装置16へ送信すると同時に、DVD装置16からオーディオ装置15へ送信しても信号干渉のような通信の不具合が生じることなく通信できるようにしている。
【0055】
オーディオ装置15は、物理層LSIと接続される通信機器に相当する変復調回路部50を備えており、さらに、変復調回路部50はQAM変調回路51、送受信調整部52及びパルス受信回路53を備えている。QAM変調回路51は、物理層LSIから伝送される送信対象の第1信号となるシリアル信号を図4(a)に示すようなQAM変調信号にQAM変調する変調手段として機能している。
【0056】
送受信調整部52は、QAM変調回路51から伝送されるQAM変調信号を接続コネクタ部15aを介して送信する第1送信手段及び後述するようにDVD装置16からのUWB信号を接続コネクタ部15aを介して受信する第1受信手段として機能するものである。また、パルス受信回路53は受信したUWB信号のパルス位置を読み取って後述する第2信号に相当するシリアル信号を生成する生成手段として機能するものであり、生成したシリアル信号を物理層LSIへ伝送している。なお、オーディオ装置15は、変復調回路部50以外は、図2に示すモニタ装置2、ナビゲーション装置3と同様に、物理層チップ、CPU、ROM、RAM等を備えると共に、自身の機能に必要な処理部を備えている。
【0057】
一方、DVD装置16も、物理層LSIに接続される通信機器に相当する変復調回路部60を備えており、DVD装置16の変復調回路部60は、オーディオ装置15の変復調回路部50と相異する構成であり、パルス送信回路61、送受信調整部62及びQAM復調回路63を備えている。
【0058】
パルス送信回路61は、物理層LSIから伝送される送信対象の第2信号に相当するシリアル信号をパルス位置変調を行って図4(b)に示すようなUWB信号に変調するパルス変調手段に相当するものである。送受信調整部62は、パルス送信回路61からのUWB信号を接続コネクタ部16aを介して送信する第2送信手段及びオーディオ装置15からのQAM変調信号を接続コネクタ部16aを介して受信する第2受信手段として機能するものである。
【0059】
また、QAM復調回路63は、受信したQAM変調信号を第1信号であるシリアル信号に復調する復調手段として機能するものであり、復調したシリアル信号を物理層LSIへ伝送している。なお、DVD装置16は、変復調回路部60以外は、オーディオ装置15と同様に、物理層チップ、CPU、ROM、RAM等を備えると共に、自身の機能に必要な処理部を備えている。
【0060】
上述した構成のオーディオ装置15及びDVD装置16を1本のメタル通信線C10で接続した車両内通信システム10において、同時で送受信を行う場合の車両内通信方法に係る一連の処理手順を図10の第3フローチャートに基づいて説明する。
【0061】
第3フローチャートにおいて、オーディオ装置15は、QAM変調回路51で第1信号であるシリアル信号をQAM変調信号に変調し(S20)、送受信調整部52で変調されたQAM変調信号を接続コネクタ部15aを介して送信する(S21)。一方、DVD装置16は、パルス送信回路61で第2信号であるシリアル信号をUWB信号に変調し(S25)、送受信部調整部62でUWB信号を接続コネクタ部16aを介して送信する(S26)。
【0062】
このようにオーディオ装置15からQAM変調信号が、DVD装置16からUWB信号が1本のメタル通信線C10で同時に送信されても、図5に示すように、QAM変調信号とUWB信号のスペクトルは大きく相異するので両信号が干渉のような不具合を起こすことなく送信が行える。
【0063】
また、オーディオ装置15は、メタル通信線C10を通じて接続コネクタ部15aからUWB信号を送受信調整部52で受信し(S22)、パルス受信回路53でUWB信号より第2信号を生成し(S23)、生成した第2信号を物理層LSIへ伝送することでオーディオ装置15側の受信処理を終了する。一方、DVD装置16は、メタル通信線C10を通じて接続コネクタ部16aからQAM変調信号を送受信調整部62で受信し(S27)、QAM復調回路63でQAM変調信号を第1信号に復調し(S28)、復調した第1信号を物理層LSIへ伝送することでDVD装置16側の受信処理を終了する。
【0064】
このように第2実施形態の車両内通信システム10では、1本のメタル通信線C10で同時に送受信を行うので、通信を行う一方の車載機器は図9に示すオーディオ装置15と同様に構成にすると共に、他方の車載機器は図9に示すDVD装置16と同様の構成にする必要がある。また、第2実施形態の車両内通信システム10は第1実施形態における各種変形例の適用が可能である。
【0065】
図11は、第2実施形態の変形例に係る車両内通信システム10に適用される車載機器であるナビゲーション装置17の内部構成を示している。変形例のナビゲーション装置17は、送信部70a及び受信部70bを備える通信機器に相当する変復調回路部70を備えている。送信部70aは、第1切替スイッチ71、QAM変調回路72、パルス送信回路73及び第2切替スイッチ74を備えており、受信部70bは第3切替スイッチ76、QAM復調回路77、パルス受信回路78及び第4切替スイッチ79を備えている。
【0066】
送信部70aの第1切替スイッチ71及び第2切替スイッチ74、並びに、受信部70bの第3切替スイッチ76及び第4切替スイッチ79は、夫々連動して切り替えられるものであり、ナビゲーション装置17は、通信前の他の車載機器との調停信号の送受に応じて、図示しないCPUの制御により切替が行われる。
【0067】
即ち、ナビゲーション装置17が通信前の調停によりQAM変調信号を送信すると共にUWB信号を受信するように決定された場合、ナビゲーション装置17は第1切替スイッチ71及び第2切替スイッチ74をQAM変調回路72側へ切り替えると共に、第3切替スイッチ76及び第4切替スイッチ79をパルス受信回路78側へ切り替える。
【0068】
このような切替を行うことで物理層LSIから伝送されたシリアル信号はQAM変調回路72でQAM変調信号に変調されて送受信調整部75で接続コネクタ部17aより送信される。また、接続コネクタ部17aを介して送受信調整部75が外部から受信したUWB信号はパルス受信回路78で元のシリアル信号に戻されて物理層LSIへ伝送される。
【0069】
また、ナビゲーション装置17が通信前の調停によりUWB信号を送信すると共にQAM変調信号を受信するように決定された場合、ナビゲーション装置17は第1切替スイッチ71及び第2切替スイッチ74をパルス送信回路73側へ切り替えると共に、第3切替スイッチ76及び第4切替スイッチ79をQAM復調回路77側へ切り替える。
【0070】
上述の切替により物理層LSIから伝送されたシリアル信号はパルス送信回路73でUWB信号に変調されて送受信調整部75で接続コネクタ部17aから送信される。また、接続コネクタ部17aを介して送受信調整部75で外部から受信したQAM変調信号はQAM復調回路77で元のシリアル信号に復調されて物理層LSIへ伝送される。
【0071】
よって、ナビゲーション装置17のような変形例の変復調回路部70を備える車載機器で車両内通信システムを構成することで、送受信する信号の種類を適宜変更することが可能になり柔軟にシステムを構築できる。なお、車両内通信システムは変形例の変復調回路部70を備える車載機器のみで構成するようにしてもよく、また、図9に示すオーディオ装置15のようなQAM変調信号を送信する車載機器、DVD装置16のようなUWB信号を送信する車載機器と適宜組み合わせてシステムを構築するようにしてもよい。後者の場合は、変形例の変復調回路部70を備える車載機器で送受信する信号の種類を変更できるため、システム構築の自由度を向上できる。
【0072】
【発明の効果】
以上に詳述した如く、第1発明及び第7発明にあっては、シリアル信号をパラレル変換すると共に、スペクトルの相異する変調信号及びパルス変調信号へ変調する処理を行い、これら2つの信号を合成した合成信号を送信することで、通信帯域を増加させてメタル通信線により高速通信を実現できる。また、受信側においては相異するスペクトルに基づき合成信号を分離することで、変調信号及びパルス変調信号を確実に取り出すことができ、メタル通信線を用いて高速通信を行っても通信の信頼性及び安定性を確保できる。
【0073】
第2発明及び第8発明にあっては、一方の車載機器が変調信号を送信し、他方の車載機器がスペクトルの相異するパルス変調信号を送信するので、1本のメタル通信線で通信を行っても両信号が干渉することなく同時に送受信を行うことが可能になり、通信システムの接続形態の簡略化を図れる。
【0074】
第3発明にあっては、第1信号に対して多値変調を行うので、さらに通信帯域を拡大して通信速度を向上できる。
第4発明にあっては、第1信号をOFDMでデジタル変調してから多値変調するので、メタル通信線の周波数帯域を更に有効利用することが可能となり、一層の通信速度の向上及び通信安定性を達成できる。
【0075】
第5発明にあっては、パルス変調信号のパルスの時間幅を100ピコ秒以上1ナノ秒以下にすることで、パルス変調信号がUWB信号に該当し、UWB通信による高速通信及び送受信回路の簡略化等を達成できる。
第6発明にあっては、パルス変調手段がパルス位置変調を行うことで、簡易な構成で確実に信号を送信できる。
【0076】
第9発明にあっては、送信するシリアル信号をパラレル変換してから、変調信号及びパルス変調信号へ変調すると共に各信号を合成した合成信号を送信するので、通信帯域を拡大して多量の信号を送信できる。
第10発明にあっては、受信した合成信号より変調信号及びパルス変調信号を分離するので、高速通信を行っても通信の安定性及び信頼性を確保できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る車両内通信システムの全体構成図である。
【図2】第1の実施形態の車両内通信システムの一部の機器同士の接続状況、及び、各機器の内部構成を示す概略図である。
【図3】車載機器の変復調回路部の内部構成図である。
【図4】(a)はQAM変調信号の波形を示すグラフ、(b)はUWB信号の波形を示すグラフ、(c)は合成信号の波形を示すグラフである。
【図5】合成信号のスペクトルを示すグラフである。
【図6】ナビゲーション装置からモニタ装置へ送信する場合の、必要な回路構成を示す概略図である。
【図7】(a)は車両内通信方法の送信に係る一連の処理を示す第1フローチャートであり、(b)は受信に係る一連の処理を示す第2フローチャートである。
【図8】OFDM変調を行った場合のQAM変調信号とUWB信号との合成信号のスペクトルを示すグラフである。
【図9】第2実施形態に係る通信機器の変復調回路部の構成及び接続状況を示す概略図である。
【図10】第2実施形態の車両内通信方法に係る処理手順を示す第3フローチャートである。
【図11】第2実施形態の変形例の変復調回路部の内部構成図である。
【符号の説明】
1、10 車両内通信システム
2 モニタ装置
2c、3c 物理層チップ
3 ナビゲーション装置
6 QAM変調信号
7 UWB信号
20、30、50、60、70 変復調回路部
25、35 フィルタ回路
26、36 QAM復調回路
27、37 パルス受信回路
28、38 P/S変換回路
31 S/P変換回路
32 QAM変調回路
33 パルス送信回路
34 ミキシング回路
C1b ツイスト線
G 合成信号
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両に搭載される機器間の通信に関し、特に通信量の拡大を図る車両内通信システム、車両内通信方法及び通信機器に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両に搭載されたナビゲーション装置、モニタ装置及びオーディオ装置等の情報系統に属する車載機器は、車両内に構築された高速情報系の通信システムに組み込まれている。高速情報系の通信システムは、数十〜数百Mbpsの通信速度で信号を通信する。
【0003】
情報系統の車載機器をメタル通信線で接続し、数十〜数百Mbpsの高速通信を行うと、搬送波の周波数が上昇してメタル通信線よりノイズが放射される。このようなエミッションノイズは、車両に搭載された各種車載機器の作動に影響を及ぼすことがあり、特に、50Mbps以上で通信を行うと、FMラジオの周波数帯域と干渉し車載のラジオチューナの受信状況を悪化させる。
【0004】
また、搬送波の周波数帯域が高い場合、メタル通信線を形成するツイストペアの複数のケーブル間で一方のケーブルのノイズが他方のケーブルに混入する漏話(クロストーク)、及び、各通信信号の時間的なズレにより正確な信号の搬送が困難になるジッタと云う現象が生じやすくなる。よって、このような事象を考慮して、高速情報系の通信システムでは、各車載機器の接続にはPOF(プラスチック光ファイバ)ケーブルを適用することが妥当と考えられている。なお、各種車載機器の接続に関しては、下記の特許文献1でも開示されている。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−152244号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
POFケーブルは、光ファイバの特性より曲率が規定されており、規定の曲率以上に曲げると通信性の確保が困難になる。一方、通信システムの構築対象である車両は、限られたスペース内に各種機器を搭載して残った空間に各機器を接続するPOFケーブルを布線することから、規定の曲率を維持してPOFケーブルの布線レイアウトを行うことは非常に困難となる。
【0007】
また、通信システムには情報系統の機器がユーザにより後付けされることも想定でき、POFケーブルが規定の曲率以上に曲げられないように後付け作業を行うのは難しく、ユーザによる通信システムへの自由な機器の接続を阻むと云う問題がある。さらに、POFケーブルは、メタル通信線に比べて、車両の組立工程で生じる挟み込み及び踏まれ等により断線しやすく、組立の際、これら断線要因となる事象に配慮せねばならないと云う問題がある。
【0008】
なお、民生用の通信システムでは、信号を変調することで光ファイバケーブルを用いずにメタル通信線で数十〜数百Mbpsの高速通信を行うものもある。しかし、この種の通信システムでは、データ変調により通信の帯域を圧縮できる程度が約2分の1であるため、様々な帯域で作動する機器を多数搭載する車両ではメタル通信線から放射されるノイズの影響を確実に回避するには不充分であり、前記民生用の通信システムは車両用に転用されていないのが実情である。
【0009】
また、メタル通信線で接続した機器間で同時に送受信を行う場合は、1本のメタル通信線で同時に送受信できないため、送信用及び受信用の計2本のメタル通信線を機器間に接続する必要があり、通信システムを構成するメタル通信線の本数が多くなると云う問題があった。
【0010】
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであり、パラレル変換した信号を変調して変調信号及びパルス変調信号を得ると共にこれらの信号を合成した合成信号を送信することでメタル通信線の帯域を増加させて、メタル通信線を用いた車両内通信システムで高速通信を実現する車両内通信システム、車両内通信方法及び通信機器を提供することを目的とする。
また、本発明は、一方の車載機器からは変調信号を送信し、他方の車載機器からは変調信号とスペクトルが相異するパルス変調信号を送信することで、車載機器間を1本のメタル通信線で接続しても同時に送受信を行えるようにした車両内通信システム及び車両内通信方法を提供することを目的とする。
【0011】
さらに、本発明は、メタル通信の帯域を増加させた場合及び1本のメタル通信線で同時に送受信を可能にした場合でも、確実な通信性を確保した車両内通信システムを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
第1発明に係る車両内通信システムは、送信側車載機器及び受信側車載機器間で信号を通信する車両内通信システムにおいて、前記送信側車載機器は、シリアル信号を第1信号及び第2信号にパラレル変換する変換手段と、前記第1信号を変調信号に変調する変調手段と、前記第2信号をパルス変調信号に変調するパルス変調手段と、前記変調信号及びパルス変調信号を合成して合成信号にする合成手段と、前記合成信号を送信する送信手段とを備え、前記受信側車載機器は、受信した合成信号を変調信号及びパルス変調信号に分離する分離手段と、分離した変調信号を第1信号に復調する復調手段と、分離したパルス変調信号より第2信号を生成する生成手段と、前記第1信号及び第2信号をシリアル信号に変換するシリアル変換手段とを備えることを特徴とする。
【0013】
第2発明に係る車両内通信システムは、第1車載機器及び第2車載機器間で信号を通信する車両内通信システムにおいて、前記第1車載機器は、送信対象の第1信号を変調信号に変調する変調手段と、前記変調信号を送信する第1送信手段と、前記第2車載機器からのパルス変調信号を受信する第1受信手段と、受信したパルス変調信号より第2信号を生成する生成手段とを備え、前記第2車載機器は、送信対象の第2信号をパルス変調信号に変調するパルス変調手段と、前記パルス変調信号を送信する第2送信手段と、前記第1車載機器からの変調信号を受信する第2受信手段と、受信した変調信号を第1信号に復調する復調手段とを備えることを特徴とする。
【0014】
第3発明に係る車両内通信システムは、前記変調手段は、第1信号を多値の変調信号に多値変調する多値変調手段を備えることを特徴とする。
第4発明に係る車両内通信システムは、前記変調手段は、第1信号を直交周波数分割多重方式でデジタル変調するデジタル変調手段を備え、前記多値変調手段は、該デジタル変調手段がデジタル変調した第1信号を多値の変調信号に多値変調することを特徴とする。
【0015】
第5発明に係る車両内通信システムは、前記パルス変調信号は、パルスの時間幅が100ピコ秒以上1ナノ秒以下であることを特徴とする。
第6発明に係る車両内通信システムは、前記パルス変調手段は、パルス位置変調で変調を行うことを特徴とする。
【0016】
第7発明に係る車両内通信方法は、送信側車載機器及び受信側車載機器間で信号を通信する車両内通信方法において、前記送信側車載機器は、シリアル信号を第1信号及び第2信号にパラレル変換し、前記第1信号を変調信号に変調し、前記第2信号をパルス変調信号に変調し、前記変調信号及びパルス変調信号を合成して合成信号を生成し、前記合成信号を送信し、前記受信側車載機器は、送信された合成信号を受信し、受信した合成信号を変調信号及びパルス変調信号に分離し、分離した変調信号を第1信号に復調し、分離したパルス変調信号より第2信号を生成し、前記第1信号及び第2信号をシリアル信号にシリアル変換することを特徴とする。
【0017】
第8発明に係る車両内通信方法は、第1車載機器及び第2車載機器間で信号を通信する車両内通信方法において、前記第1車載機器は、送信対象の第1信号を変調信号に変調し、変調した変調信号を送信し、前記第2車載機器は、送信された変調信号を受信し、受信した変調信号を第1信号に復調し、送信対象の第2信号をパルス変調信号に変調し、変調したパルス変調信号を送信し、前記第1車載機器は、送信されたパルス変調信号を受信し、受信したパルス変調信号より第2信号を生成することを特徴とする。
【0018】
第9発明に係る通信機器は、信号の送信を行う車両搭載用の通信機器において、シリアル信号を第1信号及び第2信号にパラレル変換する変換手段と、前記第1信号を変調信号に変調する変調手段と、前記第2信号をパルス変調信号に変調するパルス変調手段と、前記変調信号及びパルス変調信号を合成して合成信号にする合成手段と、前記合成信号を送信する送信手段とを備えることを特徴とする。
【0019】
第10発明に係る通信機器は、信号の受信を行う車両搭載用の通信機器において、受信した信号を変調信号及びパルス変調信号に分離する分離手段と、分離した変調信号を第1信号に復調する復調手段と、分離したパルス変調信号より第2信号を生成する生成手段と、前記第1信号及び第2信号をシリアル信号に変換するシリアル変換手段とを備えることを特徴とする。
【0020】
第1発明及び第7発明にあっては、送信するシリアル信号をパラレル変換した第1信号及び第2信号より周波数成分(以下、スペクトルと称す)が夫々相異する変調信号及びパルス変調信号を生成すると共に、これら2つの信号を合成した合成信号を送信するため、メタル通信線の帯域を増加させて通信を行うことができる。即ち、2つの信号はスペクトルが相異するため合成しても各信号を独立した状態で送信することが可能となり、これによりメタル通信線の帯域を増大できる。その結果、各車載機器をメタル通信線で接続しても所要の高速通信を実現でき、車両用に最適な通信システムを構築できる。
【0021】
このように帯域を増加させることで、車載機器が作動する周波数帯域から送信に使用される周波数帯域を遠ざけて両者の干渉を防止し、メタル通信線を用いて高速通信を行ってもエミッションノイズの影響を防止できる。また、取り扱いが容易なメタル通信線で車載機器を接続して通信システムを構築することが可能となり、従来のPOFケーブルを適用する場合に比べて、システム構築に係る布線工程の注意負担も低減できる。
【0022】
また、受信側の車載機器は、合成信号に含まれる変調信号及びパルス変調信号のスペクトルが相異することから、周波数を基準に各信号を分離することができ、メタル通信線を用いて高速通信を行っても、2種類の信号を確実に抽出して所要の通信性を確保できる。
【0023】
なお、送信側車載機器及び受信側車載機器は、通信に係る物理層及びリンク層に係る通信用回路を夫々備えているので、変換手段、変調手段及びパラレル変調手段等の各種手段を通信用回路と一体にしてよく、このように一体化することで機器を小型化でき、車両の限定された搭載スペースを効率的に利用できる。
【0024】
第2発明及び第8発明にあっては、第1車載機器が変調信号を送信する一方、第2車載機器はパルス変調信号を送信することにより、1本のメタル通信線で接続した車載機器間で同時に送受信を行うことが可能になる。即ち、変調信号及びパルス変調信号はスペクトルが相異するので、同時に双方向から送信を行っても、各車載機器で周波数を基準にして両信号を選別して受信できる。その結果、各車載機器を1本のメタル通信線で接続しても確実に通信を行うことができ、接続形態の簡略化を図れる。
【0025】
第3発明にあっては、第1信号に対して多値変調を行うので、さらに通信帯域を拡大して通信速度を向上できる。なお、多値変調の具体例としては、周波数の振幅値及び位相差の値を変化させるQAM(Quadrature Amplitude Modulation)変調を適用するのが好適である。QAM変調は、搬送波の振幅及び位相を変化させて変調を行うので、複数の抽出データの占有周波数を小さくして効率的なデータ通信を実現できる。また、他の多値変調としてPSK(Phase Shift Keying)も適用できると共に、FSK(Frequency Shift Keying)又はASK(Amplitude Shift Keying)のような変調も適用できる。
【0026】
第4発明にあっては、第1信号を直交周波数分割多重方式(以下、OFDMと称す)でデジタル変調してから多値変調するので、メタル通信線の周波数帯域を更に有効利用することが可能となり、通信速度の更なる向上を実現できる。
【0027】
第5発明にあっては、パルス変調信号のパルスの時間幅を100ピコ秒以上1ナノ秒以下にすることで、パルス変調信号のスペクトルが数百MHz〜数GHzの範囲のいわゆる超広帯域(Ultra Wideband:UWB)に広がり、UWB信号として変調信号とのスペクトルの相異を一段と大きくして、通信効率を向上できる。具体的にはUWBで通信を行うことにより、高速通信、送受信回路の簡略化、送信出力の電力スペクトル密度の低下、及びマルチパス干渉の耐性向上等を達成できる。
【0028】
第6発明にあっては、パルス変調手段がパルス位置変調を行うことで、簡易な構成で確実に信号を送信できる。パルス位置変調は、パルス変調信号に含まれる複数の時間軸上のパルス位置を数ナノ秒程度ずらすことで信号を表現し、例えば、パルス位置をずらすことで、前後のパルス間隔が10ナノ秒のときは「1」の信号を表し、前後のパルス間隔が5ナノ秒のときは「2」の信号を表すように規定して、多様な信号を確実に送信できるようになる。
【0029】
第9発明にあっては、送信するシリアル信号をパラレル変換すると共に、変調信号への変調及びパルス変調信号への変調を行った上で合成信号を生成して送信するので、通信帯域を増加して多量の信号を高速で送信できる。
第10発明にあっては、受信する合成信号に含まれる変調信号及びパルス変調信号を分離して、元の信号に戻す処理を行うので、変調信号及びパルス変調信号より生成される合成信号を送信しても確実に元の信号に戻してメタル通信線を用いた高速通信に貢献できる。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る車両内通信システム1の全体的な構成を示している。車両内通信システム1は車両Sに構築されており、モニタ装置2、ナビゲーション装置3、オーディオ装置4及びメディアコンバータ5と云った車載機器が組み込まれている。
【0031】
各車載機器2〜5は夫々2つの接続コネクタ部2a、2b〜5a、5bを有し、これら接続コネクタ部2b、3a等に2本のツイスト線から構成されるUTP(Unshielded Twisted Pair)のメタル通信線C1〜C3を夫々接続することで、全体としてデイジーチェーン方式で各車載機器2〜5を組み込んだシステムを構築している。また、各車載機器2〜5は、メタル通信線C1〜C3を通じて各種信号を相互に送受信可能にしている。
【0032】
図2は、車両内通信システム1におけるモニタ装置2及びナビゲーション装置3の内部構成を示している。モニタ装置2は、2つの接続コネクタ部2a、2bに接続された通信機器に相当する変復調回路部20を内部に設けており、この変復調回路部20に物理層LSI2d及びリンク層LSI2eを有する物理層チップ2cが接続されている。また、モニタ装置2は、変復調回路部20及び物理層チップ2c以外に、信号の表示機能に係る画像処理LSI2f、CPU2g、ROM2h、RAM2i、ドライバ2j及びLCDモジュール2kを備えている。
【0033】
一方、ナビゲーション装置3も通信機器に相当する変復調回路部30、物理層LSI3d及びリンク層LSI3eを有する物理層チップ3cを備えており、変復調回路部31及び物理層チップ3cは、モニタ装置2と同様の構成で同様の処理を行う。また、ナビゲーション装置3は、変復調回路部30及び物理層チップ3c以外にナビゲーション装置3の固有の機能を行うグラフィックプロセッサ3f、CPU3g、ROM3h、RAM3i、GPS受信部3j、ジャイロ部3k及びDVDドライブ部3mを夫々備える。
【0034】
モニタ装置2の接続コネクタ部2b及びナビゲーション装置3の接続コネクタ部3aを接続するUTPメタル通信線C1の2本のツイスト線C1a、C1bの内、一方のツイスト線C1aはモニタ装置2からナビゲーション装置3へ信号を送信する場合に使用され、他方のツイスト線C1bはナビゲーション装置3からモニタ装置2へ信号を送信する場合に使用される。なお、図1に示す他の車載機器4、5も、モニタ装置2及びナビゲーション装置3が夫々有する変復調回路部20、30及び物理層チップ2c、3cと同等の変復調回路部及び物理層チップを備えており、各車載機器2〜5の間で相互通信を可能にしている。
【0035】
図3は、ナビゲーション装置3の変復調回路部30の内部構成におけるモニタ装置2との通信に係る部分を示している。変復調回路部30は、送信処理を行う送信部30a及び受信処理を行う受信部30bを備えている。送信部30aは内部にS/P(シリアル/パラレル)変換回路31、QAM変調回路32、パルス送信回路33及びミキシング回路34を設けており、受信部30bはフィルタ回路35、QAM復調回路36、パルス受信回路37及びP/S(パラレル/シリアル)変換回路38を設けている。
【0036】
送信部30aのS/P変換回路31は、物理層LSI3dより伝送される送信用のシリアル信号を第1信号及び第2信号と云う2つの信号にパラレル変換する変換手段として機能している。QAM変調回路32は、S/P変換回路31から伝送される第1信号を変調信号に変調する変調手段として機能しており、本実施形態では、第1信号を多値の変調信号であるQAM変調信号にQAM変調する多値変調手段として機能している。第1信号はQAM変調されることで、図4(a)に示す時間軸及び振幅に係るグラフ波形のQAM変調信号6に変調される。
【0037】
パルス送信回路33は、S/P変換回路31から伝送される第2信号をパルス変調信号に変調するパルス変調手段として機能する。本実施形態のパルス送信回路33は、パルス変調信号として図4(b)のグラフに示すように各パルスの時間幅wが約800ピコ秒であるUWB信号7に第2信号を変調しており、しかも、各パルス7a〜7dの時間間隔がT1、T2、T2となるように各パルス7a〜7dの位置をずらしてパルス位置変調を行っている。
【0038】
パルス送信回路33のパルス位置変調は、T1を10ナノ秒、T2を5ナノ秒にしており、T1は「1」、T2は「2」を意味するように規定している。このようにパルス送信回路33でパルス位置変調されるUWB信号は、スペクトルで表すと数百MHz〜数GHzの超広帯域(Ultra Wideband)に広がる。
【0039】
図3の送信部30aのミキシング回路34は、QAM変調信号6及びUWB信号7を合成して図4(c)のグラフで示す合成信号Gにする合成手段として機能している。合成信号Gの時間軸及び振幅で示す波形はQAM変調信号6及びUWB信号7の各波形を合わせたものになっており、鋭く突出する部分Ga〜Gdは、UWB信号7の各パルス7a〜7dに対応している。
【0040】
この合成信号Gを周波数及び送信出力で表すと、図5に示すようなグラフになり、QAM変調信号6及びUWB信号7の分布範囲が相異して両者は独立した分布になる。即ち、QAM変調信号6の波形は10MHzを中心とした縦長の放物線形状の波形となる一方、各パルス7a〜7dが800ピコ秒と非常に短いUWB信号7の波形は、周波数軸では数百MHz〜数GHzにわたる超広帯域の横長の放物線の形状になり、両者の波形及び周波数帯域は明確に相異したものとなる。
【0041】
なお、図3に示すミキシング回路34は、送信部30aの送信手段として、上述したように生成した合成信号Gをコネクタ3aを通じて外部へ送信する処理も行う。
【0042】
また、変復調回路部30の受信部30b内のフィルタ回路35は、上述の合成信号を外部よりコネクタ3aを通じて受信した場合、QAM変調信号6及びUWB信号7に分離する分離手段として機能する。本実施形態のフィルタ回路35は、合成信号Gが図5に示すようなスペクトルを示すことから、受け付けた信号に対して数百MHz未満の信号を通過させるフィルタ処理と、数百MHz以上の信号を通過させるフィルタ処理を行うことで、合成信号から図4(a)に示すQAM変調信号6及び図4(b)に示すUWB信号7を夫々取り出している。
【0043】
受信部30bのQAM復調回路36は、フィルタ回路35が分離したQAM変調信号6を受け付けて第1信号に復調する復調手段として機能しており、QAM変調と逆方向の処理を行うことで元の第1信号を生成している。また、受信部30bのパルス受信回路37は、UWB信号7より各パルス7a〜7dの時間間隔を読み出して元の第2信号を生成する生成手段として機能する。
【0044】
P/S変換回路38は、QAM復調回路36からの第1信号及びパルス受信回路37からの第2信号をシリアル信号にシリアル変換するシリアル変換手段として機能している。なお、P/S変換回路38は、変換したシリアル信号を物理層LSI3dへ伝送して、ナビゲーション装置3に係る所要の処理を受信した信号に対して行う。また、上述した変復調回路部30の構成は、モニタ装置2、オーディオ装置4等の他の変復調回路部でも同様である。
【0045】
図6は、ナビゲーション装置3からモニタ装置2へ信号を送信する場合に必要な部分を示すものであり、この場合、ナビゲーション装置3の送信部30aが送信側車載機器として機能し、モニタ装置2の受信部20bが受信側車載機器として機能する。この場合、信号はナビゲーション装置3の接続コネクタ部3aとモニタ装置2の接続コネクタ部2bを接続するUTPメタル通信線のツイスト線C1bを通じて送信される。
【0046】
図7(a)(b)の第1及び第2フローチャートは、上述した送信における車両内通信方法の一連の処理内容を示している。図7(a)は、ナビゲーション装置3の送信部30aにおける処理手順を示し、先ず、S/P変換回路31でナビゲーション装置3の物理層LSI3dから伝送されたシリアル信号が第1信号及び第2信号にパラレル変換される(S1)。
【0047】
第1信号はQAM変調回路32でQAM変調信号に変換され(S2)、第2信号はパルス送信回路33でUWB信号に変調され(S3)、QAM変調信号及びUWB信号はミキシング回路で合成されて合成信号が生成される(S4)。生成された合成信号はミキシング回路34から接続コネクタ部3aを介して送信されて(S5)、送信部30aでの送信処理は終了する。
【0048】
図7(b)は、モニタ装置2の受信部20bにおける処理手順を示し、受信部20bのフィルタ回路25はツイスト線C1bを通じて送信された合成信号を接続コネクタ部2bを介して受信し(S10)、合成信号からQAM変調信号とUWB信号に分離される(S11)。分離されたQAM変調信号はQAM復調回路26で第1信号に復調され(S12)、パルス受信回路27では分離されたUWB信号より第2信号が生成される(S13)。第1信号及び第2信号は、P/S変換回路28でシリアル変換され(S14)、シリアル信号が生成されて(S15)、生成されたシリアル信号はモニタ装置2の物理層LSI2dへ伝送されて表示に係る各種処理が行われる。
【0049】
なお、上述した送信処理は、ナビゲーション装置3からモニタ装置2へ送信する場合に基づいて説明したが、モニタ装置2からナビゲーション装置3へリターン信号等を送信する場合も、モニタ装置2の送信部からナビゲーション装置3の受信部30bへツイスト線C1aを通じて信号を送信することで実現できる。
【0050】
また、第1実施形態の車両内通信システム1及び各車載機器2〜5は上述した形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、送信部30aのパルス送信回路33でパルス位置変調を行ったUWB信号の各パルスの時間幅は、100ピコ以上1ナノ秒以下にすることが可能であり、各パルスの時間間隔も適宜設定して種々の信号を埋め込むこともできる。
【0051】
さらに、QAM変調回路32は、伝送された第1信号をOFDMでデジタル変調してからQAM変調するようにしてもよく、このような処理にすることで、図8に示すように多値変調信号は、複数のキャリアQ1〜Q4が並ぶスペクトルとなり、さらに通信帯域を増加させて通信速度を向上できる。
【0052】
さらに、また、QAM変調回路32は、多値変調回路としてQAM変調ではなくPSK変調で第1信号を変調するようにしてもよく、さらに、変調回路としてFSK(Frequency Shift Keying)又はASK(Amplitude Shift Keying)で第1信号を変調するようにしてもよい。また、変復調回路部20、30は物理層チップ2c、3cと別体にしているが、両者を1チップ化して小型化を図るようにしてもよい。さらに、車両内通信システム1の構成は、図1に示すデイジーチェーン方式以外にもリング型で形成された通信システムに対しても対応可能である。
【0053】
図9は、本発明の第2実施形態に係る車両内通信システム10における車載機器間の一部の構成を示している。第2実施形態の車両内通信システム10も図1に示す第1実施形態の車両内通信システム1と同様に車両S内の複数の車載機器の間で通信を行うものであるが、各車載機器を1本のメタル通信線C10で接続すると共に、このメタル通信線C10で同時に双方の車載機器から送受信可能にしている点が相異している。
【0054】
即ち、一方の車載機器であるオーディオ装置15から他方の車載機器であるDVD装置16へ送信すると同時に、DVD装置16からオーディオ装置15へ送信しても信号干渉のような通信の不具合が生じることなく通信できるようにしている。
【0055】
オーディオ装置15は、物理層LSIと接続される通信機器に相当する変復調回路部50を備えており、さらに、変復調回路部50はQAM変調回路51、送受信調整部52及びパルス受信回路53を備えている。QAM変調回路51は、物理層LSIから伝送される送信対象の第1信号となるシリアル信号を図4(a)に示すようなQAM変調信号にQAM変調する変調手段として機能している。
【0056】
送受信調整部52は、QAM変調回路51から伝送されるQAM変調信号を接続コネクタ部15aを介して送信する第1送信手段及び後述するようにDVD装置16からのUWB信号を接続コネクタ部15aを介して受信する第1受信手段として機能するものである。また、パルス受信回路53は受信したUWB信号のパルス位置を読み取って後述する第2信号に相当するシリアル信号を生成する生成手段として機能するものであり、生成したシリアル信号を物理層LSIへ伝送している。なお、オーディオ装置15は、変復調回路部50以外は、図2に示すモニタ装置2、ナビゲーション装置3と同様に、物理層チップ、CPU、ROM、RAM等を備えると共に、自身の機能に必要な処理部を備えている。
【0057】
一方、DVD装置16も、物理層LSIに接続される通信機器に相当する変復調回路部60を備えており、DVD装置16の変復調回路部60は、オーディオ装置15の変復調回路部50と相異する構成であり、パルス送信回路61、送受信調整部62及びQAM復調回路63を備えている。
【0058】
パルス送信回路61は、物理層LSIから伝送される送信対象の第2信号に相当するシリアル信号をパルス位置変調を行って図4(b)に示すようなUWB信号に変調するパルス変調手段に相当するものである。送受信調整部62は、パルス送信回路61からのUWB信号を接続コネクタ部16aを介して送信する第2送信手段及びオーディオ装置15からのQAM変調信号を接続コネクタ部16aを介して受信する第2受信手段として機能するものである。
【0059】
また、QAM復調回路63は、受信したQAM変調信号を第1信号であるシリアル信号に復調する復調手段として機能するものであり、復調したシリアル信号を物理層LSIへ伝送している。なお、DVD装置16は、変復調回路部60以外は、オーディオ装置15と同様に、物理層チップ、CPU、ROM、RAM等を備えると共に、自身の機能に必要な処理部を備えている。
【0060】
上述した構成のオーディオ装置15及びDVD装置16を1本のメタル通信線C10で接続した車両内通信システム10において、同時で送受信を行う場合の車両内通信方法に係る一連の処理手順を図10の第3フローチャートに基づいて説明する。
【0061】
第3フローチャートにおいて、オーディオ装置15は、QAM変調回路51で第1信号であるシリアル信号をQAM変調信号に変調し(S20)、送受信調整部52で変調されたQAM変調信号を接続コネクタ部15aを介して送信する(S21)。一方、DVD装置16は、パルス送信回路61で第2信号であるシリアル信号をUWB信号に変調し(S25)、送受信部調整部62でUWB信号を接続コネクタ部16aを介して送信する(S26)。
【0062】
このようにオーディオ装置15からQAM変調信号が、DVD装置16からUWB信号が1本のメタル通信線C10で同時に送信されても、図5に示すように、QAM変調信号とUWB信号のスペクトルは大きく相異するので両信号が干渉のような不具合を起こすことなく送信が行える。
【0063】
また、オーディオ装置15は、メタル通信線C10を通じて接続コネクタ部15aからUWB信号を送受信調整部52で受信し(S22)、パルス受信回路53でUWB信号より第2信号を生成し(S23)、生成した第2信号を物理層LSIへ伝送することでオーディオ装置15側の受信処理を終了する。一方、DVD装置16は、メタル通信線C10を通じて接続コネクタ部16aからQAM変調信号を送受信調整部62で受信し(S27)、QAM復調回路63でQAM変調信号を第1信号に復調し(S28)、復調した第1信号を物理層LSIへ伝送することでDVD装置16側の受信処理を終了する。
【0064】
このように第2実施形態の車両内通信システム10では、1本のメタル通信線C10で同時に送受信を行うので、通信を行う一方の車載機器は図9に示すオーディオ装置15と同様に構成にすると共に、他方の車載機器は図9に示すDVD装置16と同様の構成にする必要がある。また、第2実施形態の車両内通信システム10は第1実施形態における各種変形例の適用が可能である。
【0065】
図11は、第2実施形態の変形例に係る車両内通信システム10に適用される車載機器であるナビゲーション装置17の内部構成を示している。変形例のナビゲーション装置17は、送信部70a及び受信部70bを備える通信機器に相当する変復調回路部70を備えている。送信部70aは、第1切替スイッチ71、QAM変調回路72、パルス送信回路73及び第2切替スイッチ74を備えており、受信部70bは第3切替スイッチ76、QAM復調回路77、パルス受信回路78及び第4切替スイッチ79を備えている。
【0066】
送信部70aの第1切替スイッチ71及び第2切替スイッチ74、並びに、受信部70bの第3切替スイッチ76及び第4切替スイッチ79は、夫々連動して切り替えられるものであり、ナビゲーション装置17は、通信前の他の車載機器との調停信号の送受に応じて、図示しないCPUの制御により切替が行われる。
【0067】
即ち、ナビゲーション装置17が通信前の調停によりQAM変調信号を送信すると共にUWB信号を受信するように決定された場合、ナビゲーション装置17は第1切替スイッチ71及び第2切替スイッチ74をQAM変調回路72側へ切り替えると共に、第3切替スイッチ76及び第4切替スイッチ79をパルス受信回路78側へ切り替える。
【0068】
このような切替を行うことで物理層LSIから伝送されたシリアル信号はQAM変調回路72でQAM変調信号に変調されて送受信調整部75で接続コネクタ部17aより送信される。また、接続コネクタ部17aを介して送受信調整部75が外部から受信したUWB信号はパルス受信回路78で元のシリアル信号に戻されて物理層LSIへ伝送される。
【0069】
また、ナビゲーション装置17が通信前の調停によりUWB信号を送信すると共にQAM変調信号を受信するように決定された場合、ナビゲーション装置17は第1切替スイッチ71及び第2切替スイッチ74をパルス送信回路73側へ切り替えると共に、第3切替スイッチ76及び第4切替スイッチ79をQAM復調回路77側へ切り替える。
【0070】
上述の切替により物理層LSIから伝送されたシリアル信号はパルス送信回路73でUWB信号に変調されて送受信調整部75で接続コネクタ部17aから送信される。また、接続コネクタ部17aを介して送受信調整部75で外部から受信したQAM変調信号はQAM復調回路77で元のシリアル信号に復調されて物理層LSIへ伝送される。
【0071】
よって、ナビゲーション装置17のような変形例の変復調回路部70を備える車載機器で車両内通信システムを構成することで、送受信する信号の種類を適宜変更することが可能になり柔軟にシステムを構築できる。なお、車両内通信システムは変形例の変復調回路部70を備える車載機器のみで構成するようにしてもよく、また、図9に示すオーディオ装置15のようなQAM変調信号を送信する車載機器、DVD装置16のようなUWB信号を送信する車載機器と適宜組み合わせてシステムを構築するようにしてもよい。後者の場合は、変形例の変復調回路部70を備える車載機器で送受信する信号の種類を変更できるため、システム構築の自由度を向上できる。
【0072】
【発明の効果】
以上に詳述した如く、第1発明及び第7発明にあっては、シリアル信号をパラレル変換すると共に、スペクトルの相異する変調信号及びパルス変調信号へ変調する処理を行い、これら2つの信号を合成した合成信号を送信することで、通信帯域を増加させてメタル通信線により高速通信を実現できる。また、受信側においては相異するスペクトルに基づき合成信号を分離することで、変調信号及びパルス変調信号を確実に取り出すことができ、メタル通信線を用いて高速通信を行っても通信の信頼性及び安定性を確保できる。
【0073】
第2発明及び第8発明にあっては、一方の車載機器が変調信号を送信し、他方の車載機器がスペクトルの相異するパルス変調信号を送信するので、1本のメタル通信線で通信を行っても両信号が干渉することなく同時に送受信を行うことが可能になり、通信システムの接続形態の簡略化を図れる。
【0074】
第3発明にあっては、第1信号に対して多値変調を行うので、さらに通信帯域を拡大して通信速度を向上できる。
第4発明にあっては、第1信号をOFDMでデジタル変調してから多値変調するので、メタル通信線の周波数帯域を更に有効利用することが可能となり、一層の通信速度の向上及び通信安定性を達成できる。
【0075】
第5発明にあっては、パルス変調信号のパルスの時間幅を100ピコ秒以上1ナノ秒以下にすることで、パルス変調信号がUWB信号に該当し、UWB通信による高速通信及び送受信回路の簡略化等を達成できる。
第6発明にあっては、パルス変調手段がパルス位置変調を行うことで、簡易な構成で確実に信号を送信できる。
【0076】
第9発明にあっては、送信するシリアル信号をパラレル変換してから、変調信号及びパルス変調信号へ変調すると共に各信号を合成した合成信号を送信するので、通信帯域を拡大して多量の信号を送信できる。
第10発明にあっては、受信した合成信号より変調信号及びパルス変調信号を分離するので、高速通信を行っても通信の安定性及び信頼性を確保できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る車両内通信システムの全体構成図である。
【図2】第1の実施形態の車両内通信システムの一部の機器同士の接続状況、及び、各機器の内部構成を示す概略図である。
【図3】車載機器の変復調回路部の内部構成図である。
【図4】(a)はQAM変調信号の波形を示すグラフ、(b)はUWB信号の波形を示すグラフ、(c)は合成信号の波形を示すグラフである。
【図5】合成信号のスペクトルを示すグラフである。
【図6】ナビゲーション装置からモニタ装置へ送信する場合の、必要な回路構成を示す概略図である。
【図7】(a)は車両内通信方法の送信に係る一連の処理を示す第1フローチャートであり、(b)は受信に係る一連の処理を示す第2フローチャートである。
【図8】OFDM変調を行った場合のQAM変調信号とUWB信号との合成信号のスペクトルを示すグラフである。
【図9】第2実施形態に係る通信機器の変復調回路部の構成及び接続状況を示す概略図である。
【図10】第2実施形態の車両内通信方法に係る処理手順を示す第3フローチャートである。
【図11】第2実施形態の変形例の変復調回路部の内部構成図である。
【符号の説明】
1、10 車両内通信システム
2 モニタ装置
2c、3c 物理層チップ
3 ナビゲーション装置
6 QAM変調信号
7 UWB信号
20、30、50、60、70 変復調回路部
25、35 フィルタ回路
26、36 QAM復調回路
27、37 パルス受信回路
28、38 P/S変換回路
31 S/P変換回路
32 QAM変調回路
33 パルス送信回路
34 ミキシング回路
C1b ツイスト線
G 合成信号
Claims (10)
- 送信側車載機器及び受信側車載機器間で信号を通信する車両内通信システムにおいて、
前記送信側車載機器は、
シリアル信号を第1信号及び第2信号にパラレル変換する変換手段と、
前記第1信号を変調信号に変調する変調手段と、
前記第2信号をパルス変調信号に変調するパルス変調手段と、
前記変調信号及びパルス変調信号を合成して合成信号にする合成手段と、
前記合成信号を送信する送信手段と
を備え、
前記受信側車載機器は、
受信した合成信号を変調信号及びパルス変調信号に分離する分離手段と、
分離した変調信号を第1信号に復調する復調手段と、
分離したパルス変調信号より第2信号を生成する生成手段と、
前記第1信号及び第2信号をシリアル信号に変換するシリアル変換手段と
を備えることを特徴とする車両内通信システム。 - 第1車載機器及び第2車載機器間で信号を通信する車両内通信システムにおいて、
前記第1車載機器は、
送信対象の第1信号を変調信号に変調する変調手段と、
前記変調信号を送信する第1送信手段と、
前記第2車載機器からのパルス変調信号を受信する第1受信手段と、
受信したパルス変調信号より第2信号を生成する生成手段と
を備え、
前記第2車載機器は、
送信対象の第2信号をパルス変調信号に変調するパルス変調手段と、
前記パルス変調信号を送信する第2送信手段と、
前記第1車載機器からの変調信号を受信する第2受信手段と、
受信した変調信号を第1信号に復調する復調手段と
を備えることを特徴とする車両内通信システム。 - 前記変調手段は、第1信号を多値の変調信号に多値変調する多値変調手段を備える請求項1又は請求項2に記載の車両内通信システム。
- 前記変調手段は、第1信号を直交周波数分割多重方式でデジタル変調するデジタル変調手段を備え、
前記多値変調手段は、該デジタル変調手段がデジタル変調した第1信号を多値の変調信号に多値変調する請求項3に記載の車両内通信システム。 - 前記パルス変調信号は、パルスの時間幅が100ピコ秒以上1ナノ秒以下である請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の車両内通信システム。
- 前記パルス変調手段は、パルス位置変調で変調を行う請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の車両内通信システム。
- 送信側車載機器及び受信側車載機器間で信号を通信する車両内通信方法において、
前記送信側車載機器は、
シリアル信号を第1信号及び第2信号にパラレル変換し、
前記第1信号を変調信号に変調し、
前記第2信号をパルス変調信号に変調し、
前記変調信号及びパルス変調信号を合成して合成信号を生成し、
前記合成信号を送信し、
前記受信側車載機器は、
送信された合成信号を受信し、
受信した合成信号を変調信号及びパルス変調信号に分離し、
分離した変調信号を第1信号に復調し、
分離したパルス変調信号より第2信号を生成し、
前記第1信号及び第2信号をシリアル信号にシリアル変換することを特徴とする車両内通信方法。 - 第1車載機器及び第2車載機器間で信号を通信する車両内通信方法において、
前記第1車載機器は、
送信対象の第1信号を変調信号に変調し、
変調した変調信号を送信し、
前記第2車載機器は、
送信された変調信号を受信し、
受信した変調信号を第1信号に復調し、
送信対象の第2信号をパルス変調信号に変調し、
変調したパルス変調信号を送信し、
前記第1車載機器は、
送信されたパルス変調信号を受信し、
受信したパルス変調信号より第2信号を生成することを特徴とする車両内通信方法。 - 信号の送信を行う車両搭載用の通信機器において、
シリアル信号を第1信号及び第2信号にパラレル変換する変換手段と、
前記第1信号を変調信号に変調する変調手段と、
前記第2信号をパルス変調信号に変調するパルス変調手段と、
前記変調信号及びパルス変調信号を合成して合成信号にする合成手段と、
前記合成信号を送信する送信手段と
を備えることを特徴とする通信機器。 - 信号の受信を行う車両搭載用の通信機器において、
受信した信号を変調信号及びパルス変調信号に分離する分離手段と、
分離した変調信号を第1信号に復調する復調手段と、
分離したパルス変調信号より第2信号を生成する生成手段と、
前記第1信号及び第2信号をシリアル信号に変換するシリアル変換手段と
を備えることを特徴とする通信機器。
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